説明

置換ベンジルおよびフェニルスルホニルトリアゾロン類およびそれらの使用

本発明は、新規置換ベンジル−1,2,4−トリアゾロン類およびフェニルスルホニル−1,2,4−トリアゾロン類、それらの製造方法、疾患の治療および/または予防のためのそれらの単独使用または併用使用、ならびに疾患、特に、心血管障害の治療および/または予防に使用される薬剤の製造のためのそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規置換ベンジル−1,2,4−トリアゾロン類およびフェニルスルホニル−1,2,4−トリアゾロン類、それらの製造方法、疾患の治療および/または予防のためのそれらの単独使用または併用使用、ならびに疾患の治療および/または予防のため、特に、心血管障害の治療および/または予防のための薬剤の製造のためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
人体の液体含有量は、様々な生理学的制御メカニズムの支配を受け、その目的は、それを一定に維持すること(体積恒常性)である。そのプロセスにおいて、血管系の体積充填および血漿のモル浸透圧濃度の両方が適当なセンサー(圧受容器および浸透圧受容器)によって連続的に記録される。これらのセンサーが脳の関連中枢に与える情報は、飲水行動を調節し、体液性シグナルおよび神経シグナルによって腎臓を介して体液排泄を制御する。これに関して最も重要なものはペプチドホルモンバソプレシンである[非特許文献1]。
【0003】
バソプレシンは、第三脳室(視床下部)の壁にある視索上核および室傍核における固有内分泌ニューロンにおいて生産され、そこからその神経プロセスに沿って脳下垂体後葉(神経下垂体)へ輸送される。そこでは、刺激に従って、該ホルモンが血流中に放出される。例えば急性出血、大量発汗、長期の口渇または下痢の結果として生じるような体積喪失は、該ホルモンの産出を増強する刺激である。反対に、例えば水分摂取の増加の結果として生じるような血管内体積の増加によってバソプレシンの分泌は阻害される。
【0004】
バソプレシンは、主に、Gタンパク質結合受容体のファミリーに属していてV1a受容体、V1b受容体およびV2受容体として分類される3つの受容体との結合によりその作用を発揮する。それらの活性化は、血管収縮を引き起こし、その結果、末梢抵抗および血圧が上昇する。これ以外に、V1a受容体はまた、肝臓においても検出可能である。V1b受容体(V3受容体とも命名されている)は、中枢神経系において検出可能である。コルチコトロピン放出ホルモン(CRH)と一緒に、バソプレシンは、V1b受容体を介して副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の基礎およびストレス誘発性分泌を調節する。V2受容体は、腎臓における遠位尿細管上皮および集合尿細管の上皮にある。それらの活性化は、これらの上皮に、水に対する透過性を持たせる。この現象は、これら上皮細胞の管腔膜におけるアクアポリン(特別な水チャネル)の取り込みに因るものである。
【0005】
腎臓における尿からの再吸水にとってのバソプレシンの重要性は、例えば脳下垂体損傷に由来するようなホルモン欠乏によって引き起こされる尿崩症の臨床像から明らかになる。この臨床像を患う患者は、ホルモン補充を受けない場合には、24時間あたり最高20リットルの尿を排泄する。この体積は、原発性尿の約10%に相当する。尿からの再吸水にとってバソプレシンが非常に重要であるために、バソプレシンは、同義的に抗利尿ホルモン(ADH)とも称される。論理的には、V2受容体に対するバソプレシン/ADHの作用の薬理学的阻害により、尿排泄が増加する。しかしながら、他の利尿薬(チアジド系利尿薬およびループ系利尿薬)の作用とは反対に、V2受容体拮抗薬は、電解質排泄を実質的に増加させることなく水分排泄の増加を引き起こす。これは、プロセスにおいて電解質恒常性に影響を及ぼすことなくV2拮抗薬薬物によって体積恒常性が回復させられ得ることを意味する。故に、V2拮抗薬活性を有する薬物は、並行して電解質を有効に増加させることなく、身体の水分過負荷に伴う全ての病状の治療に特に適していると考えられる。重大な電解質異常性は、低ナトリウム血症(<135mmol/Lのナトリウム濃度)として臨床化学において検出測定可能である;それは、入院患者において最も重要な電解質異常性であり、米国だけで1年あたり約5%または250,000件発生する。血漿ナトリウム濃度が115mmol/L未満に下がると、昏睡状態および死が差し迫る。
【0006】
根本にある原因に依存して、循環血液量減少性低ナトリウム血症、循環血液量正常性低ナトリウム血症および循環血液量過多性低ナトリウム血症の間で区別される。浮腫形成を伴う循環血液量過多症の形態が臨床的に重大である。これについての典型例は、ADH/バソプレシン不適合分泌症候群(SIAD)(例えば、頭蓋脳外傷後またはカルシノーマにおける腫瘍随伴症として)、ならびに肝硬変、種々の腎疾患および心不全における循環血液量過多性低ナトリウム血症である[非特許文献2]。特に、心不全患者は、類縁の低ナトリウム血症および循環血液量過多症にもかかわらず、しばしば、心不全において一般的な神経体液性調節障害の結果として見られる血圧の上昇を示す[非特許文献3]。
【0007】
神経体液調節障害は、本質的に、交感神経系の緊張の上昇およびレニン−アンジオテンシン−アルドステロン系の不適合活性化に現れる。現在、一方ではベータ受容体ブロッカーにより、他方ではACE阻害剤またはアンジオテンシン受容体ブロッカーによるこれらの成分の阻害は、心不全の薬理学的処置の固有の部分であるが、進行性心不全におけるバソプレシン分泌の不適合な上昇は、現在のところ、十分には治療できない。V2受容体によって媒介される水分の保持および負荷の増大という点で好ましくない血行動態事象以外に、左心室排出、肺血管における圧力および心拍出量もまた、V1a媒介血管収縮によって悪影響を受ける。さらにまた、動物における実験データに基づくと、心筋に対する直接肥大促進作用もまたバソプレシンに起因する。V2受容体の活性化によって媒介される腎の体積膨張効果とは反対に、心筋に対する直接作用は、V1a受容体の活性化によって引き起こされる。
【0008】
これらの理由によって、V2受容体および/またはV1a受容体に対するバソプレシンの作用を阻害する物質は、心不全の治療に適していると考えられる。特に、両バソプレシン受容体(V1aおよびV2)に対する活性を併せ持つ化合物は、望ましい腎効果および血行動態効果を有しており、かくして、心不全患者の治療のための特に理想的なプロファイルをもたらす。このような合わせたバソプレシン拮抗薬の供給はまた、V2受容体遮断によってのみ媒介される体積減縮が浸透圧受容器の刺激およびその結果としてバソプレシン放出のさらなる代償的増加を必要とするから、理にかなっていると考えられる。結果として、V1a受容体を同時に遮断する成分の不在下では、例えば血管収縮および心筋肥大のようなバソプレシンの悪影響は、さらに増強され得る[非特許文献4]。
【0009】
特許文献1には、例えば腫瘍性障害の治療のためのインテグリン拮抗薬としてスルホニルトリアゾロン類およびトリアゾロンアルキルカルボン酸誘導体が記載されている。特許文献2には、バソプレシン拮抗薬として5−アリール−1,2,4−トリアゾロン類が記載されている。特許文献3には、特に、除草剤としてアルコキシ置換トリアゾロン類が記載されている。特許文献4には、神経保護活性を有するトリアゾロンが記載されている。特許文献5には、癌および炎症性疾患の治療のためのHDAC阻害剤として置換アミノイミダゾリノン類がクレームに記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第99/31099号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2007/134862号パンフレット
【特許文献3】欧州特許出願公開第0533276号明細書
【特許文献4】国際公開第99/54315号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2006/066133号パンフレット
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Schrier R.W., Abraham, W.T., New Engl. J. Med. 341, 577-585 (1999)
【非特許文献2】De Luca L. et al., Am. J. Cardiol. 96 (suppl.), 19L-23L (2005)
【非特許文献3】Francis G.S. et al., Circulation 82, 1724-1729 (1990)
【非特許文献4】Saghi P. et al., Europ. Heart J. 26, 538-543 (2005)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、有効な選択的V2受容体拮抗薬およびほぼ二重のV1a/V2受容体拮抗薬として作用し、疾患の治療および/または予防、特に、心血管障害の治療および/または予防に適している新規化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、一般式(I):
【化1】

[式中、
Aは、−CH2−または−SO2であり;
1は、水素、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニルまたは(C3−C7)シクロアルキルであり(ここで、
(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルおよび(C2−C6)アルキニルは、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、(C3−C7)シクロアルキル、フェニル、−OR10、−NR1112、−C(=O)−OR13および−C(=O)−NR1415からなる群から互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよく(ここで、
(C3−C7)シクロアルキルは、(C1−C4)アルキル、オキソ、ヒドロキシル、(C1−C4)アルコキシおよびアミノからなる群から互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよく、
フェニルは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C1−C4)アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、(C1−C4)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、(C1−C4)アルコキシメチル、ヒドロキシカルボニル、(C1−C4)アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノ−(C1−C4)アルキルアミノカルボニルおよびジ−(C1−C4)アルキルアミノカルボニルからなる群から互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよく、
10、R11、R12、R13、R14およびR15は、互いに独立して、水素または(C1−C6)アルキルである(ここで、
(C1−C6)アルキルは、その一部がアミノ、ヒドロキシル、(C1−C4)アルコキシ、ヒドロキシカルボニルおよび(C1−C4)アルコキシカルボニルからなる群から互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい))、
(C3−C7)シクロアルキルは、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ、ヒドロキシ、アミノおよびオキソからなる群から互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい);
2は、ハロゲン、トリフルオロメチル、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノ、ジ−(C1−C6)−アルキルアミノ、(C3−C7)シクロアルキル、フェニル、チエニルまたはフリルであり(ここで、
フェニル、チエニルおよびフリルは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C1−C4)アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C1−C4)アルコキシおよびトリフルオロメトキシからなる群から互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよい);
3は、水素または(C1−C4)アルコキシであり;
4は、(C1−C6)アルキルカルボニル、ヒドロキシカルボニル、(C1−C6)アルコキシカルボニル、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルまたはジ−(C1−C6)アルキルアミノカルボニルであり(ここで、
(C1−C6)−アルキルカルボニル、(C1−C6)アルコキシカルボニル、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルおよびジ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルは、ハロゲン、トリフルオロメチル、(C1−C6)アルキルおよびフェニルからなる群から互いに独立して選択される1〜4個の置換基によって置換されていてもよい(ここで、
フェニルは、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシル−(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルキル、トリフルオロメトキシおよび(C1−C4)アルコキシからなる群から互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい));
5は、ハロゲン、トリフルオロメチル、(C1−C4)アルキル、トリフルオロメトキシまたは(C1−C4)アルコキシであり;
nは、0、1または2である]
で示される化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物、および該塩の溶媒和物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の化合物は、式(I)で示される化合物、およびそれらの塩、溶媒和物および該塩の溶媒和物;式(I)に含まれる下記の具体的な式で示される化合物、およびそれらの塩、溶媒和物および該塩の溶媒和物;ならびに実施例として以下に具体的に記載されている式(I)に含まれる化合物、およびそれらの塩、溶媒和物および該塩の溶媒和物(式(I)に含まれる下記の具体的な化合物が、まだ、塩、溶媒和物および該塩の溶媒和物ではない場合)である。
【0015】
それらの構造に依存して、本発明の化合物は、立体異性体の形態(エナンチオマー、ジアステレオマー)で存在し得る。したがって、本発明は、エナンチオマーまたはジアステレオマーおよびそれらの個々の混合物を含む。公知の方法で、このようなエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物から立体異性体的に均一な成分を単離することができる。
【0016】
本発明の化合物が互変異性体で生じることがある場合、本発明は、互変異性体の全てを含む。
【0017】
本発明における好ましい塩は、本発明の化合物の生理学上許容される塩である。医薬用途に適していないが例えば本発明の化合物の単離または精製のために使用され得る塩もまた含まれる。
【0018】
本発明の化合物の生理学上許容される塩は、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩を含み、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の塩である。
【0019】
本発明の化合物の生理学上許容される塩は、また、慣用の塩基との塩、例えば、好ましくは、アルカリ金属塩(ナトリウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)、および、アンモニアまたは1〜16個のC原子を有する有機アミン(例えば、好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリセタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リジン、エチレンジアミンおよびN−メチルピペリジン)に由来するアンモニウム塩を含む。
【0020】
本発明における溶媒和物は、溶媒分子の配位によって固体状態または液体状態の複合体を形成する本発明の化合物のこれらの形態である。水和物は、配位が水によるものである場合の1つの具体的な溶媒和物の形態である。本発明におけるこのましい溶媒和物は水和物である。
【0021】
さらに、本発明は、また、本発明の化合物のプロドラッグを含む。用語「プロドラッグ」は、生理学的に活性であっても不活性であってもよいが、体内におけるそれらの滞留期間に本発明の化合物に(例えば代謝または加水分解によって)変換される化合物を含む。
【0022】
本発明において、置換基は、特別の定めのない限り、以下の定義を有する:
【0023】
本発明におけるアルキルは、炭素原子1〜6個または1〜4個を有する直鎖または分枝鎖アルキル基である。例えば、好ましくは、以下のものが挙げられる:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、1−メチルプロピル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−エチルプロピル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチルおよび2−エチルブチル。
【0024】
本発明におけるシクロアルキルは、炭素原子3〜7個または3〜6個を有する単環式飽和アルキル基である。例えば、好ましくは、以下のものが挙げられる:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチル。
【0025】
本発明におけるアルケニルは、炭素原子2〜6個、および二重結合1または2つを有する直鎖または分枝鎖アルケニル基である。好ましくは、炭素原子を2〜4個、二重結合を1つ有する直鎖または分枝鎖アルケニル基である。例えば、好ましくは、以下のものが挙げられる:ビニル、アリル、イソプロペニルおよびn−ブタ−2−エン−1−イル。
【0026】
本発明におけるアルキニルは、炭素原子2〜6個または2〜4個、および三重結合1つを有する直鎖または分枝鎖アルキニル基である。例えば、好ましくは、以下のものが挙げられる:エチニル、n−プロパ−1−イン−1−イル、n−プロパ−2−イン−1−イル、n−ブタ−2−イン−1−イルおよびn−ブタ−3−イン−1−イル。
【0027】
本発明におけるアルキルカルボニルは、炭素原子1〜6個または1〜4個を有し、1位にカルボニル基を結合している直鎖または分枝鎖アルキル基である。例えば、好ましくは、以下の者が挙げられる:メチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、イソブチルカルボニルおよびtert−ブチルカルボニル。
【0028】
本発明におけるアルコキシは、炭素原子1〜6個または1〜4個を有する直鎖または分枝鎖アルコキシ基である。例えば、好ましくは、以下のものが挙げられる:メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、1−メチルプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシおよびtert−ブトキシ。
【0029】
本発明におけるアルコキシカルボニルは、炭素原子1〜6個を有し、酸素にカルボニル基が結合している直鎖または分枝鎖アルコキシ基である。例えば、好ましくは、以下のものが挙げられる:メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニルおよびtert−ブトキシカルボニル。
【0030】
本発明におけるモノ−アルキルアミノは、炭素原子1〜6個を有する直鎖または分枝鎖アルキル置換基を有するアミノ基である。例えば、好ましくは、以下のものが挙げられる:メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、tert−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノおよびn−ヘキシルアミノ。
【0031】
本発明におけるジ−アルキルアミノは、2つの同一または異なる直鎖または分枝鎖アルキル置換基を有するアミノ基である。例えば、好ましくは、以下のものが挙げられる:N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−n−プロピルアミノ、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ、N−tert−ブチル−N−メチルアミノ、N−エチル−N−n−ペンチルアミノおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノ。
【0032】
本発明におけるモノ−アルキルアミノカルボニルは、カルボニル基を介して結合しており、炭素原子1〜6個を有する直鎖または分枝鎖アルキル置換基を有するアミノ基である。例えば、好ましくは、以下のものが挙げられる:メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n−プロピルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、n−ブチルアミノカルボニル、tert−ブチルアミノカルボニル、n−ペンチルアミノカルボニルおよびn−ヘキシルアミノカルボニル。
【0033】
本発明におけるジ−アルキルアミノカルボニルは、カルボニル基を介して結合しており、炭素原子1〜6個または1〜4個を有する2つの同一または異なるアルキル置換基を有するアミノ基である。好ましくは、各アルキル基が炭素原子1〜4個を有するジアルキルアミノカルボニル基である。例えば、好ましくは、以下のものが挙げられる:N,N−ジメチルアミノカルボニル、N,N−ジエチルアミノカルボニル、N−エチル−N−メチルアミノカルボニル、N−メチル−N−n−プロピルアミノカルボニル、N−n−ブチル−N−メチルアミノカルボニル、N−tert−ブチル−N−メチルアミノカルボニル、N−n−ペンチル−N−メチルアミノカルボニルおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノカルボニル。
【0034】
本発明におけるハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられる。好ましくは、塩素またはフッ素である。
【0035】
本発明におけるオキソ基は、二重結合を介して炭素原子と結合している酸素原子である。
【0036】
本発明の化合物における基が置換されている場合、他に特別の定めのない限り、1回以上置換されていてもよい。本発明において、2回以上記載されている基の全てについて、それらの定義は、互いに独立している。1個、2個または3個の同一または異なる置換基による置換が好ましい。非常に好ましくは、1個の置換基による置換である。
【0037】
本発明において、好ましくは、一般式(I−A):
【化2】

[式中、
1は、水素、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニルまたは(C3−C7)シクロアルキルであり(ここで、
(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルおよび(C2−C6)アルキニルは、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、(C3−C7)シクロアルキル、フェニル、−OR10、−NR1112、−C(=O)−OR13および−C(=O)−NR1415からなる群から互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよく(ここで、
(C3−C7)シクロアルキルは、(C1−C4)アルキル、オキソ、ヒドロキシル、(C1−C4)アルコキシおよびアミノからなる群から互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよく、
フェニルは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C1−C4)アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、(C1−C4)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、(C1−C4)アルコキシメチル、ヒドロキシカルボニル、(C1−C4)アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノ−(C1−C4)−アルキルアミノカルボニルおよびジ−(C1−C4)−アルキルアミノカルボニルからなる群から互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよく、
10、R11、R12、R13、R14およびR15は、互いに独立して、それぞれ水素または(C1−C6)アルキルである(ここで、
(C1−C6)アルキルは、アミノ、ヒドロキシル、(C1−C4)アルコキシ、ヒドロキシカルボニルおよび(C1−C4)アルコキシカルボニルからなる群から互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい))、
(C3−C7)シクロアルキルは、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ、ヒドロキシル、アミノおよびオキソからなる群から互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい);
2は、ハロゲン、トリフルオロメチル、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノ、ジ−(C1−C6)−アルキルアミノ、(C3−C7)シクロアルキル、フェニル、チエニルまたはフリルであり(ここで、
フェニル、チエニルおよびフリルは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C1−C4)アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C1−C4)アルコキシおよびトリフルオロメトキシからなる群から互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよい);
3は、水素または(C1−C4)アルコキシであり;
4は、(C1−C6)アルキルカルボニル、(C1−C6)アルコキシカルボニル、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルまたはジ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルであり(ここで、
(C1−C6)アルキルカルボニル、(C1−C6)アルコキシカルボニル、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルおよびジ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルは、ハロゲン、(C1−C6)アルキルおよびフェニルからなる群から互いに独立して選択される1〜4個の置換基によって置換されていてもよい(ここで、
フェニルは、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシル−(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルキル、トリフルオロメトキシおよび(C1−C4)アルコキシからなる群から互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい));
5は、ハロゲン、トリフルオロメチル、(C1−C4)アルキル、トリフルオロメトキシまたは(C1−C4)アルコキシであり;
nは、0、1または2である]
で示される化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物および該塩の溶媒和物である。
【0038】
本発明において、好ましくは、
Aが、−CH2−または−SO2−であり;
1が、水素、(C1−C6)アルキル、(C2−C4)アルケニルまたは(C3−C6)シクロアルキルであり(ここで、
(C1−C6)アルキルおよび(C2−C4)アルケニルは、フッ素、塩素、オキソ、トリフルオロメチル、(C3−C6)シクロアルキル、フェニル、−OR10、−NR1112、−C(=O)−OR13および−C(=O)−NR1415からなる群から互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよい(ここで、
フェニルは、フッ素、塩素、(C1−C4)アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C1−C4)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、(C1−C4)アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノ−(C1−C4)−アルキルアミノカルボニルおよびジ−(C1−C4)−アルキルアミノカルボニルからなる群から互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよく、
10、R11、R12、R13、R14およびR15は、互いに独立して、それぞれ水素または(C1−C6)アルキルである));
2が、塩素、臭素、トリフルオロメチル、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ、モノ−(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)−アルキルアミノ、(C3−C6)シクロアルキルまたはフェニルであり(ここで、
フェニルは、フッ素、塩素、シアノ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシおよびトリフルオロメトキシからなる群から互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよい);
3が、水素またはメトキシであり;
4が、(C1−C6)アルキルカルボニル、ヒドロキシカルボニル、(C1−C6)アルコキシカルボニル、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルまたはジ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルであり(ここで、
モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルおよびジ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルは、フッ素、トリフルオロメチル、(C1−C4)アルキルおよびフェニルからなる群から互いに独立して選択される1〜4個の置換基によって置換されていてもよい(ここで、
フェニルは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、メチル、エチル、トリフルオロメトキシ、メトキシおよびエトキシからなる群から互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい));
5が、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、メチル、エチル、トリフルオロメトキシ、メトキシまたはエトキシであり;
nが、0または1である、
式(I)で示される化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物および該塩の溶媒和物である。
【0039】
本発明において、好ましくは、
1が、水素、(C1−C6)アルキル、(C2−C4)アルケニルまたは(C3−C6)シクロアルキルであり(ここで、
(C1−C6)アルキルおよび(C2−C4)アルケニルは、フッ素、塩素、オキソ、トリフルオロメチル、(C3−C6)シクロアルキル、フェニル、−OR10、−NR1112、−C(=O)−OR13および−C(=O)−NR1415からなる群から互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよい(ここで、
フェニルは、フッ素、塩素、(C1−C4)アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C1−C4)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、(C1−C4)アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノ−(C1−C4)−アルキルアミノカルボニルおよびジ−(C1−C4)−アルキルアミノカルボニルからなる群から互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよく、
10、R11、R12、R13、R14およびR15は、互いに独立して、それぞれ水素または(C1−C6)アルキルである));
2が、塩素、臭素、トリフルオロメチル、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ、モノ−(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)−アルキルアミノ、(C3−C6)シクロアルキルまたはフェニルであり(ここで、
フェニルは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C1−C4)アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C1−C4)アルコキシおよびトリフルオロメトキシからなる群から互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよい);
3が、水素または(C1−C4)アルコキシであり;
4が、(C1−C6)アルキルカルボニル、(C1−C6)アルコキシカルボニル、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルまたはジ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルであり(ここで、
モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルおよびジ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルは、(C1−C6)アルキルおよびフェニルからなる群から互いに独立して選択される1〜4個の置換基によって置換されていてもよい(ここで、
フェニルは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、(C1−C4)アルキル、トリフルオロメトキシおよび(C1−C4)アルコキシからなる群から互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい));
5が、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、メチル、エチル、トリフルオロメトキシ、メトキシまたはエトキシであり;
nが、0または1である、
式(I−A)で示される化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物および該塩の溶媒和物である。
【0040】
本発明において、好ましくは、
Aが、−CH2−または−SO2−であり;
1が、水素、(C1−C6)アルキル、(C2−C4)アルケニルまたはシクロプロピルであり(ここで、
(C1−C6)アルキルおよび(C2−C4)アルケニルは、フッ素、オキソ、トリフルオロメチル、フェニル、−OR10、−NR1112、−C(=O)−OR13および−C(=O)−NR1415からなる群から互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよい(ここで、
フェニルは、フッ素、塩素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルからなる群から互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよく、
10、R11、R12、R13、R14およびR15は、互いに独立して、それぞれ水素またはメチルである));
2が、塩素、臭素、トリフルオロメチル、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ、モノ−(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)−アルキルアミノ、シクロプロピルまたはフェニルであり(ここで、
フェニルは、フッ素、塩素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシおよびトリフルオロメトキシからなる群から互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい);
3が、水素またはメトキシであり;
4が、メチルカルボニル、エチルカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルまたはジ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルであり(ここで、
モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルおよびジ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルは、フッ素、トリフルオロメチル、メチル、エチルおよびフェニルからなる群から互いに独立して選択される1〜4個の置換基によって置換されていてもよい(ここで、
フェニルは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、メチル、エチル、トリフルオロメトキシ、メトキシおよびエトキシからなる群から互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい));
5が、フッ素、塩素またはトリフルオロメチルであり;
nが、0または1である、
式(I)で示される化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物および該塩の溶媒和物である。
【0041】
本発明において、好ましくは、
1が、水素、(C1−C6)アルキル、(C2−C4)アルケニルまたはシクロプロピルであり(ここで、
(C1−C6)アルキルおよび(C2−C4)アルケニルは、フッ素、オキソ、トリフルオロメチル、フェニル、−OR10、−NR1112、−C(=O)−OR13および−C(=O)−NR1415からなる群から互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよい(ここで、
フェニルは、フッ素、塩素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルからなる群から互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよく、
10、R11、R12、R13、R14およびR15は、互いに独立して、それぞれ水素または(C1−C4)アルキルである));
2が、塩素、臭素、トリフルオロメチル、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ、モノ−(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)−アルキルアミノ、シクロプロピルまたはフェニルであり(ここで、
フェニルは、フッ素、塩素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシおよびトリフルオロメトキシからなる群から互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい);
3が、水素または(C1−C4)アルコキシであり;
4が、メチルカルボニル、エチルカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルまたはジ−(C1−C4)−アルキルアミノカルボニルである(ここで、
モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルおよびジ−(C1−C4)−アルキルアミノカルボニルは、メチル、エチルおよびフェニルからなる群から互いに独立して選択される1〜4個の置換基によって置換されていてもよい(ここで、
フェニルは、フッ素、トリフルオロメチル、(C1−C4)アルキル、トリフルオロメトキシ、メトキシおよびエトキシからなる群から互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい))、
式(I−A)で示される化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物および該塩の溶媒和物である。
【0042】
好ましくは、Aが−CH2−である、式(I)で示される化合物である。
【0043】
好ましくは、Aが−SO2−である、式(I)で示される化合物である。
【0044】
好ましくは、R4が、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルまたはジ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルである(ここで、
モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルおよびジ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルは、フッ素、トリフルオロメチルおよびフェニルからなる群から互いに独立して選択される1〜4個の置換基によって置換されていてもよい(ここで、
フェニルは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、メチル、エチル、トリフルオロメトキシ、メトキシおよびエトキシからなる群から互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい))、
式(I)で示される化合物である。
【0045】
基の個々の組み合わせおよび好ましい組み合わせにおいて個別に記載されている基の定義は、具体的に記載された特定の基の組み合わせとは独立して、他の組み合わせからの基の定義に任意に置き換えられる。
【0046】
特に好ましくは、上記の好ましい範囲の2つ以上からの組み合わせである。
【0047】
本発明は、また、式(I)で示される化合物の製造方法であって、
[A] 不活性溶媒中にて好適な塩基の存在下で式(II):
【化3】

[式中、R1およびR2はそれぞれ上記定義と同じである]
で示される化合物を式(III):
【化4】

[式中、A、n、R3、R4およびR5はそれぞれ上記定義と同じであり;
1は、ハロゲン、特に、塩素である]
で示される化合物と反応させること、
または
[B] 不活性溶媒中にて標準的な方法によって式(IV):
【化5】

[式中、A、n、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ上記定義と同じであり;
PG1は、好適な保護基、例えば、アリルである]
で示される化合物から保護基を除去し、
得られた式(V):
【化6】

[式中、A、n、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ上記定義と同じである]
で示される化合物を好適な塩基の存在下にて式(VI):
【化7】

[式中、R1は、上記定義と同じであり;
2は、脱離基、例えばハロゲン、メシラートまたはトシラートである]
で示される化合物と反応させること、
および
所望により、得られた式(I)で示される化合物を対応する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸によりそれらの溶媒和物、塩および/または該塩の溶媒和物に変換してもよいこと
を特徴とする方法を提供する。
【0048】
本発明の化合物の製造方法は、以下の合成スキームによって例示され得る:
【0049】
【化8】

【0050】
【化9】

【0051】
工程(II)+(III)→(I)に関する不活性溶媒は、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンもしくは石油留分のような炭化水素、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレンもしくはクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素、またはアセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、ピリジン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N'−ジメチルプロピレン尿素(DMPU)もしくはN−メチルピロリドン(NMP)のような他の溶媒である。同様に、これらの溶媒の混合物を使用することができる。アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドまたはこれらの溶媒の混合物が好ましい。
【0052】
工程(II)+(III)→(I)に関する塩基としては、通常の無機塩基または有機塩基が好適である。これらの塩基としては、好ましくは、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのようなアルカリ金属の水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸セシウムのようなアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩、ナトリウムメタノラートもしくはカリウムメタノラート、ナトリウムエタノラートもしくはカリウムエタノラートまたはリチウムtert−ブチラート、ナトリウムtert−ブチラートもしくはカリウムtert−ブチラートのようなアルカリ金属アルコラート、水素化ナトリウムまたは水素化カリウムのようなアルカリ金属の水素化物、ソーダアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドもしくはカリウムビス(トリメチルシリル)アミドまたはリチウムジイソプロピルアミドのようなアミド類、またはN,N−ジイソプロピルエチルアミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)または1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)のような有機アミン類が挙げられる。好ましくは、水素化ナトリウムおよびカリウムtert−ブチラートが使用される。
【0053】
この場合、塩基は、式(IV)で示される化合物1molに基づいて、1〜5molの量、好ましくは、1〜2.5molの量が使用される。該反応は、一般に、−78℃〜+50℃の温度範囲で、好ましくは、−78℃〜+30℃で行われる。該反応は、標準的な大気圧、高圧または低圧(例えば、0.5〜5バール)下で行うことができる。操作は、一般に、大気圧下で行われる。
【0054】
工程(V)+(VI)→(I)に関する不活性溶媒は、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンもしくは石油留分のような炭化水素、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレンもしくはクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素、またはアセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、ピリジン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N'−ジメチルプロピレン尿素(DMPU)もしくはN−メチルピロリドン(NMP)のような他の溶媒である。上記溶媒の混合物を使用することもできる。好ましくは、ジメチルホルムアミドが使用される。
【0055】
保護基は、当業者に公知の方法に従って、工程(IV)→(V)で除去される[例えば、B.T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley, New York, 1999;M. Bodanszky and A. Bodanszky, The Practice of Peptide Synthesis, Springer-Verlag, Berlin, 1984を参照]。PG1がアリルである場合、この除去は、好ましくは、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)のような好適なパラジウム触媒およびトリエチルアミンのようなアミン塩基の存在下でジオキサンまたはジメチルホルムアミド中にてギ酸を用いて行われる。
【0056】
工程(V)+(VI)→(I)に関する塩基としては、通常の無機塩基または有機塩基が好適である。これらの塩基としては、好ましくは、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムのようなアルカリ金属の水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムもしくは炭酸セシウムのようなアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩、ナトリウムメタノラートもしくはカリウムメタノラート、ナトリウムエタノラートもしくはカリウムエタノラートまたはリチウムtert−ブチラート、ナトリウムtert−ブチラートもしくはカリウムtert−ブチラートのようなアルカリ金属アルコラート、水素化ナトリウムもしくは水素化カリウムのようなアルカリ金属の水素化物、ソーダアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドもしくはカリウムビス(トリメチルシリル)アミドまたはリチウムジイソプロピルアミドのようなアミド類、またはN,N−ジイソプロピルエチルアミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)または1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−塩(DBU)のような有機アミンが挙げられる。好ましくは、炭酸セシウムが使用される。
【0057】
この場合、塩基は、式(IV)で示される化合物1molに基づいて、1〜5molの量、好ましくは1〜2.5molの量が使用される。該反応は、一般に、0℃〜+100℃の温度範囲で、好ましくは、+25℃〜+80℃で行われる。該反応は、標準的な大気圧、高圧または低圧(例えば、0.5〜5バール)下で、所望によりマイクロ波により行うことができる。操作は、一般的に、大気圧下で行われる。
【0058】
また、本発明の化合物は、個々の置換基の官能基の変換、さらに詳しくは、上記方法によって得られた式(I)で示される化合物から出発してR4下で設定されたものによって製造することもできる。これらの変換は、当業者に知られている慣用的な方法に従って行われ、例えば、求核置換および求電子置換、酸化、還元、水素添加、遷移金属触媒カップリング反応、除去、アルキル化、アミノ化、エステル化、エステル開裂、エーテル化、エーテル開裂、特にカルボキシアミドの形成、ならびに一時的保護基の導入および除去のような反応を包含する。
【0059】
以下の合成スキームは、これらの変換の一例を例示することを意図する:
【0060】
【化10】

【0061】
アミド化に好適な縮合剤としては、例えば、N,N'−ジエチル−、N,N'−ジプロピル−、N,N'−ジイソプロピルもしくはN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)またはN−(3−ジメチルアミノイソプロピル)−N'−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)のようなカルボジイミド類、N,N'−カルボニルジイミダゾール(CDI)のようなホスゲン誘導体、2−エチル−5−フェニル−1,2−オキサゾリウム−3−スルフェートもしくは2−tert−ブチル−5−メチル−イソオキサゾリウム過塩素酸塩のような1,2−オキサゾリウム化合物、2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリンのようなアシルアミノ化合物、またはクロロギ酸イソブチル、プロパンホスホン酸無水物、シアノホスホン酸ジエチル、ビス−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスホリルクロライド、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ピロリジノ)ホスホニウム(PyBOP)、テトラフルオロホウ酸O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム(TBTU)、ヘキサフルオロリン酸O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム(HBTU)、テトラフルオロホウ酸2−(2−オキソ−1−(2H)−ピリジル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(TPTU)、ヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム(HATU)またはテトラフルオロホウ酸O−(1H−6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(TCTU)が挙げられ、所望により、他の添加剤、例えば1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)またはN−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、および、塩基として、アルカリ金属の炭酸塩、例えば炭酸ナトリウムもしくは炭酸カリウムまたは炭酸水素ナトリウムもしくは炭酸水素カリウム、または有機塩基、例えばトリアルキルアミン、例えばトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジンまたはN,N−ジイソプロピルエチルアミンと組み合わせてもよい。好ましくは、HOBtと組み合わせたEDC、またはN,N−ジイソプロピルエチルアミンと組み合わせたTBTUが使用される。
【0062】
該アミド化は、一般に、−20℃〜+60℃の温度範囲で、好ましくは0℃〜+40℃で行われる。該反応は、標準的な大気圧、高圧または低圧(例えば、0.5〜5バール)死たで行うことができる。操作は、一般に、大気圧下で行われる。
【0063】
式(II)で示される化合物は、文献により知られているか、または、文献により知られている方法と同様に製造され得る[例えば、米国特許第3,780,052号、EP422469、EP425948、EP507171、EP703224および国際公開第2007/134862号を参照]。
【0064】
式(III)および(VI)で示される化合物は、市販されているか、文献により知られているか、文献により知られている方法と同様に製造され得るか、または下記合成スキーム(スキーム5)に例示されているようにして製造され得る。
【0065】
【化11】

【0066】
該アミドカップリングは、具体的に上記した反応条件下で行われる。
【0067】
好適なハロゲン化剤としては、酢酸と一緒に用いる元素状臭素、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、および特に、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、N−ヨードスクシンイミド(NIS)が挙げられ、所望により開始剤としてα,α'−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)を添加することができる。
【0068】
式(IV)で示される化合物は、式(VII)で示されるヒドラジドを式(VIII)で示されるイソシアネートまたは式(IX)で示されるニトロフェニルカルバメートと反応させて、式(X)で示される化合物を得、次いで、この化合物(X)を塩基誘発性環化処理して、式(XI)で示されるトリアゾロンを得、このトリアゾロンを化合物(III)と反応させることによって製造され得る(スキーム4):
【0069】
【化12】

【0070】
本発明の化合物は、有効な薬理特性を有しており、ヒトおよび動物における様々な疾患および疾患由来の病態の予防および/または治療に使用され得る。
【0071】
本発明の化合物は、有効な選択的V2および/または二重V1a/V2受容体拮抗薬であり、インビトロおよびインビボでバソプレシン活性を阻害する。さらにまた、本発明の化合物は、関連オキシトジン受容体に対する拮抗薬としても作用する。
【0072】
本発明の化合物は、心血管疾患の予防および/または治療に特に適している。これに関連して、目的の適応症として、好ましくは、以下のものを例示することができる:急性および慢性心不全、動脈性高血圧症、冠動脈心疾患、安定性および不安定性狭心症、心筋虚血、心筋梗塞、ショック、動脈硬化症、心房性および心室性不整脈、一過性および虚血性発作、脳卒中、炎症性心血管疾患、末梢および心血管疾患、末梢循環障害、動脈肺高血圧症、冠動脈および末梢動脈の攣縮、血栓症、血栓塞栓症、浮腫形成、例えば肺浮腫、脳浮腫、腎浮腫または心不全関連浮腫、ならびに例えば血栓溶解療法後、経皮経管血管形成術(PTA)後、経管的冠動脈形成術(PTCA)後、心臓移植後およびバイパス手術後の再狭窄。
【0073】
本発明の意味では、心不全という用語としては、より特異的なまたは関連する疾患形態、例えば、右心不全、左心不全、全不全、虚血性心筋症、拡張型心筋症、先天性心疾患、心臓弁膜症、心臓弁膜症を伴う心不全、僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、三尖弁狭窄症、三尖弁閉鎖不全症、肺動脈弁狭窄症、肺動脈弁閉鎖不全症、複合型心臓弁膜症、心筋炎症(心筋炎)、慢性心筋炎、急性心筋炎、ウイルス性心筋炎、糖尿病性心不全、アルコール性−毒性心筋症、心臓蓄積症、拡張期心不全および収縮期心不全が挙げられる。
【0074】
さらにまた、本発明の化合物は、浮腫の治療、ならびに電解質障害、特に循環血液量過多性および循環血液量正常性低ナトリウム血症における治療のための利尿薬として使用するのに適している。
【0075】
本発明の化合物は、また、多発性嚢胞腎疾患(PCKD)およびADH不適合分泌症候群(SIADH)の予防および/または治療に適している。
【0076】
加えて、本発明の化合物は、肝硬変、腹水症、真性糖尿病および糖尿病合併症、例えば神経障害および腎障害、急性および慢性腎不全および慢性腎不全の予防および/または治療に使用され得る。
【0077】
また、本発明の化合物は、中枢神経障害、例えば不安状態およびうつ病、緑内障および癌、特に肺腫瘍の予防および/または治療に適している。
【0078】
さらにまた、本発明の化合物は、炎症性疾患、喘息性疾患、慢性閉塞性気道疾患(COPD)、疼痛状態、前立腺肥大症、失禁、膀胱炎、過活動膀胱、副腎の疾患、例えば褐色細胞腫および副腎卒中、腸の疾患、例えばクローン病および下痢、月経障害、例えば月経困難の予防および/または治療に使用され得る。
【0079】
本発明のさらなる目的は、疾患、特に上記疾患の治療および/または予防のための本発明の化合物の使用である。
【0080】
本発明のさらなる目的は、急性および慢性心不全、循環血液量過多性および循環血液量正常性低ナトリウム血症、肝硬変、腹水症、浮腫、ならびにADH不適合分泌症候群(SIADH)の治療方法および/または予防方法において使用するための本発明の化合物である。
【0081】
本発明のさらなる目的は、疾患、特に上記疾患の治療および/または予防のための薬剤の製造のための本発明の化合物の使用である。
【0082】
本発明のさらなる目的は、少なくとも1つの本発明の化合物の有効量の使用による、疾患、特に上記疾患の治療方法および/または予防方法である。
【0083】
本発明の化合物は、単独で、または必要に応じて他の活性物質と組み合わせて、使用され得る。本発明のさらなる目的は、特に上記疾患の治療および/または予防のための、少なくとも1つの本発明の化合物および1つ以上の他の活性物質を含有する薬剤である。これに適している併用活性物質として、好ましくは、以下のものが例示され得る:
・有機硝酸塩およびNO供与体、例えば、ニトロプルシド・ナトリウム、ニトログリセリン、一硝酸イソソルビト、モルシドミンまたはSIN−1、および吸入NO;
・利尿薬、特に、ループ系利尿薬およびチアジド系利尿薬およびチアジド様利尿薬;
・陽性変力活性化合物、例えば強心配糖体(ジゴキシン)、およびβアドレナリン作動薬およびドーパミン作動薬、例えばイソプロテレノール、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンおよびドブタミン;
・環状グアノシン一リン酸(cGMP)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)の分解を阻害する化合物、例えばホスホジエステラーゼ(PDE)1、2、3、4および/または5の阻害剤、特にPDE 5阻害剤、例えばシルデナフィル、バルデナフィルおよびタダラフィル、ならびにPDE 3阻害剤、例えばアムリノンおよびミルリノン;
・ナトリウム利尿ペプチド、例えば「心房性ナトリウム利尿ペプチド」(ANP、アナリチド)、「B型ナトリウム利尿ペプチド」または「脳性ナトリウム利尿ペプチド」(BNP、ネシリチド)、「C型ナトリウム利尿ペプチド」(CNP)およびウロジラチン;
・カルシウム感受性増強薬、例えば、好ましくは、レボシメンダン;
・グアニル酸シクラーゼのNOおよび血液非依存性アクチベーター活性化物質、例えば、特に、国際公開第01/19355号、国際公開第01/19776号、国際公開第01/19778号、国際公開第01/19780号、国際公開第02/070462号および国際公開第02/070510号に記載されている化合物;
・グアニル酸シクラーゼのNO非依存性血液依存性刺激物質、例えば、特に、リオシグアトならびに国際公開第00/06568号、国際公開第00/06569号、国際公開第02/42301号および国際公開第03/095451号に記載されている化合物;
・ヒト好中球エラスターゼ(HNE)の阻害剤、例えばシベレスタットまたはDX−890(レルトラン(reltran));
・シグナル伝達カスケードを阻害する化合物、例えばチロシンキナーゼ阻害剤、特に、ソラフェニブ、イマチニブ、ゲフィチニブおよびエルロチニブ;
・心臓のエネルギー代謝に影響を及ぼす化合物、例えば、好ましくは、エトモキシル、ジクロルアセテート、ラノラジンまたはトリメタジジン;
・抗血栓作用を有する薬剤、例えば、好ましくは、血小板凝集阻害剤、抗凝固薬または線維素溶解促進物質の群からのもの;
・血圧降下活性物質、例えば、好ましくは、カルシウム拮抗薬、アンジオテンシンAII拮抗薬、ACE阻害剤、バソペプチダーゼ阻害剤、中性エンドペプチダーゼの阻害剤、エンドセリン拮抗薬、レニン阻害剤、α受容体遮断薬、β受容体遮断薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬およびRhoキナーゼ阻害剤の群からのもの;および/または
・脂質代謝調節活性物質、例えば、好ましくは、甲状腺受容体作用薬、コレステロール合成阻害剤、例えば、好ましくは、HMG−CoAレダクターゼまたはスクアレン合成阻害剤、ACAT阻害剤、CETP阻害剤、MTP阻害剤、PPAR−α、PPAR−γおよび/またはPPAR−δ作用薬、コレステロール吸収阻害剤、リパーゼ阻害剤、高分子没食子酸吸着剤、没食子酸再吸収阻害剤およびリポ蛋白質(a)拮抗薬の群からのもの。
【0084】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、利尿薬、例えば、好ましくは、フロセミド、ブメタニド、トルセミド、ベンドロフルメチアジド、クロルチアジド、ヒドロクロルチアジドヒドロフルメチアジド、メチクロチアジド、ポリチアジド、トリクロルメチアジド、クロルタリドン、インダパミド、メトラゾン、キネタゾン、アセタゾラミド、ジクロロフェナミド、メタゾラミド、グリセリン、イソソルビドマンニトール、アミロリドまたはトリアムテレンと組み合わせて投与される。
【0085】
抗血栓作用を有する薬剤は、好ましくは、血小板凝集阻害剤、抗凝固薬または線維素溶解促進物質の群からの化合物を意味すると解される。
【0086】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、血小板凝集阻害剤、例えば、好ましくは、アスピリン、クロピドグレル、チクロピジンまたはジピリダモールと組み合わせて投与される。
【0087】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、トロンビン阻害剤、例えば、好ましくは、キシメニガトラン、メラガトラン、ビバリルジンまたはクレキサンと組み合わせて投与される。
【0088】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、GPIIb/IIIa拮抗薬、例えば、好ましくは、チロフィバンまたはアブシキシマブと組み合わせて投与される。
【0089】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、第Xa因子阻害剤、例えば、好ましくは、リバロキサバン(BAY 59−7939)、DU−176b、アピキサバン、オタミキサバン、フィデキサバン、ラザキサバン、フォンダパリヌクス、イドラパリヌクス、PMD−3112、YM−150、KFA−1982、EMD−503982、MCM−17、MLN−1021、DX 9065a、DPC 906、JTV 803、SSR−126512またはSSR−128428と組み合わせて投与される。
【0090】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、ヘパリンまたは低分子量(LMW)ヘパリン誘導体と組み合わせて投与される。
【0091】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、ビタミンK拮抗剤、例えば、好ましくは、クマリンと組み合わせて投与される。
【0092】
血圧降下剤は、カルシウム拮抗薬、アンジオテンシンAII拮抗薬、ACE阻害剤、バソペプチダーゼ阻害剤、中性エンドペプチダーゼの阻害剤、エンドセリン拮抗薬、レニン阻害剤、α受容体遮断薬、β受容体遮断薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬、Rhoキナーゼ阻害剤および利尿薬の群からの化合物を意味すると解される。
【0093】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、カルシウム拮抗薬、例えば、好ましくは、ニフェジピン、アムロジピン、ベラパミルまたはジルチアゼムと組み合わせて投与される。
【0094】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、アンジオテンシンAII拮抗薬、例えば、好ましくは、ロサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタンまたはエンブサルタンと組み合わせて投与される。
【0095】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、ACE阻害剤、例えば、好ましくは、エナラプリル、カプトプリル、リシノプリル、ラミプリル、デラプリル、ホシノプリル、キノプリル、ペリンドプリルまたはトランドプリルと組み合わせて投与される。
【0096】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、バソペプチダーゼ阻害剤または中性エンドペプチダーゼの阻害剤(NEP)、例えば、好ましくは、オマパトリラトまたはAVE−7688と組み合わせて投与される。
【0097】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、エンドセリン拮抗薬、例えば、好ましくは、ボセンタン、ダルセンタン、アンブリセンタンまたはシタクスセンタンと組み合わせて投与される。
【0098】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、レニン阻害剤、例えば、好ましくは、アリスキレン、SPP−600またはSPP−800と組み合わせて投与される。
【0099】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、α−1受容体遮断薬、例えば、好ましくは、プラゾシンと組み合わせて投与される。
【0100】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、β受容体遮断薬、例えば、好ましくは、プロプラノロール、アテノロール、チモロール、ピンドロール、アルプレノロール、オキシプレノロール、ペンブトロール、ブプラノロール、メチプラノロール、ナドロール、メピンドロール、カラザロール、ソタロール、メトプロロール、ベタキソロール、セリプロロール、ビソプロロール、カルテオロール、エスモロール、ラベタロール、カルベジロール、アダプロロール、ランジオロール、ネビボロール、エパノロールまたはブシンドロールと組み合わせて投与される。
【0101】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬、例えば、好ましくは、スピロノラクトン、エプレレノン、カンレノンまたはカンレノ酸カリウムと組み合わせて投与される。
【0102】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、Rhoキナーゼ阻害剤、例えば、好ましくは、ファスジル、Y−27632、SLx−2119、BF−66851、BF−66852、BF−66853、KI−23095またはBA−1049と組み合わせて投与される。
【0103】
脂肪代謝調節剤は、好ましくは、CETP阻害剤、甲状腺受容体作用薬、コレステロール合成阻害剤、例えばHMG−CoAレダクターゼまたはスクアレン合成阻害剤、ACAT阻害剤、MTP阻害剤、PPAR−α、PPAR−γおよび/またはPPAR−δ作用薬、コレステロール吸収阻害剤、高分子没食子酸吸着剤、没食子酸再吸収阻害剤、リパーゼ阻害剤およびリポ蛋白質(a)拮抗薬の群からの化合物を意味すると解される。
【0104】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、CETP阻害剤、例えば、好ましくは、ダルセトラピブ、BAY 60−5521、アナセトラピブまたはCETP−ワクチン(CETi−1)と組み合わせて投与される。
【0105】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、甲状腺受容体作用薬、例えば、好ましくは、D−チロキシン、3,5,3'−トリヨードチロニン(T3)、CGS 23425またはアキシチローム(CGS 26214)と組み合わせて投与される。
【0106】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、スタチン類からのHMG−CoAレダクターゼ阻害剤、例えば、好ましくは、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン、セリバスタチンまたはピタバスタチンと組み合わせて投与される。
【0107】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、スクアレン合成阻害剤、例えば、好ましくは、BMS−188494またはTAK−475と組み合わせて投与される。
【0108】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、ACAT阻害剤、例えば、好ましくは、アバシミベ、メリナミド、パクチミベ、エフルシミベまたはSMP−797と組み合わせて投与される。
【0109】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、MTP阻害剤、例えば、好ましくは、インプリタピド、BMS−201038、R−103757またはJTT−130と組み合わせて投与される。
【0110】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、PPAR−γ作用薬、例えば、好ましくは、ピオグリタゾンまたはロシグリタゾンと組み合わせて投与される。
【0111】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、PPAR−δ作用薬、例えば、好ましくは、GW−501516またはBAY 68−5042と組み合わせて投与される。
【0112】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、コレステロール吸収阻害剤、例えば、好ましくは、エゼチミベ、チクエシドまたはパマクエシドと組み合わせて投与される。
【0113】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、リパーゼ阻害剤、例えば、好ましくは、オルリスタットと組み合わせて投与される。
【0114】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、高分子没食子酸吸着剤、例えば、好ましくは、コレスチラミン、コレスチポール、コレソルバン、コレスタゲルまたはコレスチミドと組み合わせて投与される。
【0115】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、没食子酸再吸収阻害剤、例えば、好ましくは、ASBT(=IBAT)阻害剤、例えば、AZD−7806、S−8921、AK−105、BARI−1741、SC−435またはSC−635と組み合わせて投与される。
【0116】
本発明の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、リポ蛋白質(a)拮抗薬、例えば、好ましくは、ゲムカベンカルシウム(CI−1027)またはニコチン酸と組み合わせて投与される。
【0117】
本発明のさらなる目的は、少なくとも1つ本発明の化合物を、通常1つ以上の不活性無毒性の医薬上適している添加剤と一緒に含有する薬剤および上記目的のためのそれらの使用である。
【0118】
本発明の化合物は、全身的におよび/または局所的に作用することができる。この目的のために、それらは、好適な方法で、例えば、経口経路、非経口経路、肺経路、鼻経路、舌下経路、舌経路、頬側経路、直腸経路、皮膚経路、経皮経路、結膜経路もしくは耳経路によって、またはインプラントもしくはステントとして、投与され得る。
【0119】
これらの投与経路に関して、本発明の化合物は、好適な投与形態で投与され得る。
【0120】
経口投与については、本発明の化合物を急速におよび/または変更した方法で放出するように従来技術に従って機能する投与形態、本発明の化合物を結晶形および/または非晶形および/または溶解した形態で含有する投与形態、例えば、錠剤(非被覆錠剤、または本発明の化合物の放出を制御する例えば胃液抵抗性または遅延溶解または不溶性コーティング剤で被覆した錠剤)、口腔またはフィルム/ウェハ、フィルム/凍結乾燥物、カプセル剤(例えば、ハードゼラチンカプセルまたはソフトゼラチンカプセル)、糖衣錠、顆粒剤、ペレット剤、散剤、乳剤、懸濁剤、エアゾール剤または液剤が適している。
【0121】
非経口投与は、吸収工程の省略に有効であり得るか(例えば、静脈内投与、動脈内投与、心臓内投与、脊髄内投与または腰椎内投与)か、または吸収を含むのに有効であり得る(例えば、筋肉投与、皮下投与、皮内投与、経皮投与または腹腔内投与)。非経口投与に適している投与形態としては、液剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥物または無菌散剤の形態での注射製剤および注入製剤が挙げられる。
【0122】
他の投与経路については、例えば、吸入製剤(粉末吸入器およびネブライザーを含む)、点鼻薬、液剤またはスプレー剤、舌、舌下または頬側投与用錠剤、錠剤、フィルム剤/ウエハー剤またはカプセル剤坐剤、経口または眼科用製剤、膣用カプセル、水性懸濁剤(ローション剤、振盪用混合物)、脂溶性懸濁剤、軟膏剤、クリーム剤、経皮用治療系(例えば、硬膏剤)、ミルク剤、ペースト剤、泡沫剤、散布剤、インプラントまたはステントが好適である。
【0123】
経口または非経口投与、特に、経口および静脈内投与が好ましい。
【0124】
本発明の化合物は、上記投与形態に変換され得る。これは、不活性無毒の医薬上適している添加剤と混合することによって自体公知の方法で行われ得る。これらの添加剤としては、担体(例えば、微結晶性セルロース、ラクトース、マンニトール)、溶媒(例えば、液体ポリエチレングリコール)、乳化剤および分散剤または湿潤剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ポリオキシソルビタン)、結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン)、合成および天然ポリマー(例えば、アルブミン)、安定剤(例えば、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸)、着色剤(例えば、無機顔料、例えば酸化鉄)および香味剤または矯臭剤が挙げられる。
【0125】
一般に、非経口投与において有効な結果を達成するためには、体重1kgにつき約0.001〜10mg/kg、好ましくは、体重1kgにつき約0.01〜1mgの量を投与するのが有利であることが判明した。経口投与においては、投与量は、体重1kgにつき約0.01〜100mg、好ましくは、体重1kgにつき約0.01〜20mg、特に好ましくは、体重1kgにつき0.1〜10mgである。
【0126】
それにもかかわらず、しばしば、体重、投与経路、活性物質に対する個々の反応、製剤の性質および投与回数または間隔に応じて、上記の量から逸脱することが必要である場合があり得る。かくして、上記の最少量未満での管理で十分である場合もあるが、上記上限値を超えなければならない場合もある。多量の投与の場合、これらの量を1日に数回に分けるのが望ましい。
【0127】
以下の実施例によって本発明を説明する。本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0128】
特に明記しない限り、以下の試験および実施例において示すパーセントは重量パーセントであり、部は重量部であり、溶媒比、希釈比および液/液溶液についての濃度情報は、それぞれ体積に基づく。
【実施例】
【0129】
A. 実施例
略語:
Alk アルキル
Boc tert−ブトキシカルボニル
Br.s 幅広い一重線(NMRにおける)
CI 化学イオン化(MSにおける)
DCI 直接化学イオン化(MSにおける)
DME 1,2−ジメトキシエタン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EA 酢酸エチル
EDC N'−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド(塩酸塩)
eq. 当量
ESI エレクトロスプレーイオン化(MSにおける)
FMOC 9−フルオレニルメトキシカルボニル
GC/MS ガスクロマトグラフィーと組み合わせた質量分析
sat. 飽和
h 時間
Hal ハロゲン
HOBt 1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール・水和物
HPLC 高圧高速液体クロマトグラフィー
LC/MS 液体クロマトグラフィーと組み合わせた質量分析
LDA リチウムジイソプロピルアミド
LiHMDS ヘキサメチルジシラザンリチウム
min(s) 分
MS 質量分析
NMR 核磁気共鳴分析
PG 保護基
rac ラセミ/ラセミ体
f 保持因子(シリカゲル薄層クロマトグラフィーにおける)
RT 室温
t 保持時間(HPLCにおける)
TBTu テトラフルオロホウ酸O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム
THF テトラヒドロフラン
TMOF オルトギ酸トリメチル
UV 紫外分光測定
v/v 体積対体積比(溶液の)
【0130】
LC/MS、HPLCおよびGC/MS法:
方法1(HPLC):
装置:DAD検出HP 1100;カラム:Kromasil RP−18、150mm×4.6mm、5μm;溶離液A:水1リットルにつきリン酸(85%強度)0.5ml、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0分 10%B、1.0分 10%B、4.0分 90%B、5.0分 90%B、5.5分 10%B、6.0分 10%B;流速:2.0ml/分;オーブン:30℃;UV検出:210nm。
【0131】
方法2(LC/MS):
MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:Waters Alliance 2795;カラム:Phenomenex Synergi 2.5μ MAX−RP 100A Mercury 20mm×4mm;溶離液A:水1リットル+50%ギ酸0.5ml、溶離液B:アセトニトリル1リットル+50%ギ酸0.5ml;勾配:0.0分 90%A → 0.1分 90%A → 3.0分 5%A → 4.0分 5%A → 4.01分 90%A;流速:2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0132】
方法3(LC/MS):
MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:HP 1100 Series;UV DAD;カラム:Phenomenex Gemini 3μ 30mm×3.00mm;溶離液A:水1リットル+50%ギ酸0.5ml;溶離液B:アセトニトリル1リットル+50%ギ酸0.5ml;勾配:0.0分 90%A → 2.5分 30%A → 3.0分 5%A → 4.5分 5%A;流速:0.0分 1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分 2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0133】
方法4(LC/MS):
装置:Waters UPLC Acquityを有するMicromass Quattro Premier;カラム:Thermo Hypersil GOLD 1.9μ 50×1mm;溶離液A:水1リットル+50%ギ酸0.5ml、溶離液B:アセトニトリル1リットル+50%ギ酸0.5ml;勾配:0.0分 90%A → 0.1分 90%A → 1.5分 10%A → 2.2分 10%A;オーブン:50℃;流速:0.33ml/分;UV検出:210nm。
【0134】
方法5(分取HPLC):
装置:Abimed Gilson Pump 305/306、Manometric Modulator 806;カラム:Grom−Sil 120 ODS−4HE 10μm、250mm×30mm;溶離液:A=水、B=アセトニトリル;勾配:0.0分 10%B、3分 10%B、30分 95%B、42分 95%B、42.01分 10%B、45分 10%B;流速:50ml/分;カラム温度:RT;UV検出:210nm。
【0135】
方法6(LC/MS):
装置:HPLC Agilent Series 1100を有するMicromass Quattro Micro MS;カラム:Thermo Hypersil GOLD 3μ 20mm×4mm;溶離液A:水1リットル+50%ギ酸0.5ml、溶離液B:アセトニトリル1リットル+50%ギ酸0.5ml;勾配:0.0分 100%A → 3.0分 10%A → 4.0分 10%A → 4.01分 100%A(流速2.5ml/分) → 5.00分 100%A;オーブン:50℃;流速:2ml/分;UV検出:210nm。
【0136】
方法7(LC/MS):
MS装置タイプ:Waters ZQ;HPLC装置タイプ:Agilent 1100 Series;UV DAD;カラム:Thermo Hypersil GOLD 3μ 20mm×4mm;溶離液A:水1リットル+50%ギ酸0.5ml、溶離液B:アセトニトリル1リットル+50%ギ酸0.5ml;勾配:0.0分 100%A → 3.0分 10%A → 4.0分 10%A → 4.1分 100%A(流速2.5ml/分);オーブン:55℃;流速:2ml/分;UV検出:210nm。
【0137】
方法8(分取HPLC):
カラム:Grom−Sil 120 ODS−4HE、10μm、250mm×30mm;溶離液A:水、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0.0分 10%B → 3分 10%B → 30分 95%B → 42分 95%B → 42.01分 10%B → 45分 10%B;流速:50ml/分;カラム温度:RT;UV検出:210nm。
【0138】
出発化合物および中間体:
【0139】
実施例1A
2−[(4−クロロフェニル)カルボニル]−N−(プロパ−2−エン−1−イル)ヒドラジンカルボキシアミド
【化13】

4−クロロベンゼンカルボヒドラジド5.00g(29.3mmol)を50℃で乾燥テトラヒドロフラン(150ml)に懸濁し、次いで、イソシアン酸アリル2.63ml(29.9mmol)の乾燥テトラヒドロフラン110ml中溶液を滴下した。該出発物質は一時的に完全に溶解し、次いで、微細な沈殿物が生じた。該混合物を50℃で2時間撹拌した。室温に冷却した後、ジエチルエーテルと混合した。無色の固体を吸引濾過により単離し、ジエチルエーテルで洗浄し、高真空下で乾燥させた。これにより、目的化合物7.42g(理論値の100%)を得た。
HPLC[方法1]Rt=3.45分
LC−MS[方法3]Rt=1.51分;MS[ESIpos]:m/z=254(M+H)+
1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ=3.60−3.70(m,2H)、5.01(dd,1H)、5.14(dd,1H)、5.72−5.86(m,1H)、6.70(s,1H)、7.56(d,2H)、7.85−7.95(m,3H)、10.21(s,1H)。
【0140】
同様に、以下の化合物を得た:
【0141】
【表1】

【0142】
実施例3A
5−(4−クロロフェニル)−4−(プロパ−2−エン−1−イル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化14】

実施例1Aからの2−[(4−クロロフェニル)カルボニル]−N−(プロパ−2−エン−1−イル)ヒドラジンカルボキシアミド26.8g(106mmol)を3M水酸化ナトリウム溶液210mlに懸濁し、還流下で20時間加熱した。冷却後、半分に濃縮した塩酸を用いてpHを10に設定した。沈殿した無色の固体を吸引濾過により単離し、水で洗浄して中和し、次いで、メタノール中にて撹拌した。濾過により該混合物から不溶性成分を除去し、濾液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮し、残留物を高真空下にて乾燥させた。これにより、固体として所望の化合物21.5g(理論値の86.4%)を得た。
HPLC[方法1]Rt=3.80分;
LC−MS[方法3]Rt=1.79分;MS[ESIpos]:m/z=254(M+H)+
1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ=4.30−4.35(m,2H)、4.91(dd,1H)、5.11(dd,1H)、5.76−5.90(m,1H)、7.58(d,2H)、7.65(d,2H)、12.05(s,1H)。
【0143】
同様に、以下の化合物を得た:
【0144】
【表2】

【0145】
以下の反応物の合成は引用特許に記載されている。
【0146】
【表3−1】

【表3−2】

【表3−3】

【0147】
実施例14A
4−{[3−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]スルホニル}ベンゼンカルボアルデヒド
【化15】

実施例4Aからの化合物300mg(1.27mmol)をDMF 3mlに溶解し、0℃で水素化ナトリウム(流動パラフィン中60%)56mg(1.40mmol)と混合した。その後、該混合物をこの温度で30分間撹拌し、次いで、4−ホルミルベンゼンスルホニルクロライド260mg(1.27mmol)と混合した。該混合物を室温に加温し、その後、室温で12時間撹拌した。反応混合物を水15mlと混合し、沈殿した固体を吸引濾過により単離し、少量の水で洗浄し、高真空下で乾燥させた。。これにより目的化合物351mg(理論値の58%)を得た。
LC−MS[方法3]:Rt=2.36分;MS[ESIpos]:m/z=404(M+H)+
【0148】
実施例15A
4−{[3−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]スルホニル}ベンゼンカルボン酸
【化16】

実施例14Aからの化合物345mg(0.73mmol)および2−メチル−2−ブテン0.58ml(5.45mmol)をアセトン3mlに溶解し、室温でリン酸二水素ナトリウム・一水和物376mg(2.73mmol)および亜塩素酸ナトリウム460mg(4.07mmol)の水9ml中溶液と混合した。その後、該混合物をこの温度で16時間撹拌し、次いで、水15mlで希釈し、酢酸エチル15mlで希釈した。相を分取した後、水性相を酢酸エチル15mlでさらに抽出し、合わせた有機相を塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、溶媒を濃縮し、残留物を高真空下で乾燥させた。これにより、目的化合物337mg(理論値の104%)を得、さらなる精製を行わずにこれをさらに反応させた。
LC/MS[方法3]:Rt=2.28分;MS[ESIpos]:m/z=419.9(M+H)+
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=0.68−0.76(m,2H)、0.95−1.02(m,2H)、2.88(m,1H)、7.48(d,2H)、7.70(d,2H)、8.23(s,4H)。
【0149】
実施例16A
N−({2−[(4−クロロフェニル)カルボニル]ヒドラジニル}カルボニル)グリシン酸エチル
【化17】

4−クロロベンゾヒドラジド12.95g(75.9mmol)の乾燥THF 50ml中懸濁液を50℃で導入し、2−イソシアナト酢酸エチル10.0g(77.5mmol)の乾燥THF 100ml中溶液を滴下混合した。まず、溶液が形成され、次いで、沈殿物が生成された。添加完了後、該混合物を50℃で2時間以上撹拌し、次いで、室温で一夜放置した。濾過により結晶を単離し、少量のジエチルエーテルで洗浄し、高真空下で乾燥させた。これにより、標記化合物21.43g(理論値の89%)を得た。
LC/MS[方法2]:Rt=1.13分;m/z=300(M+H)+
1H NMR(DMSO−d6,400MHz):δ=1.19(t,3H)、3.77(d,2H)、4.09(q,2H)、6.88(br.s,1H)、7.57(d,2H)、7.91(d,2H)、8.21(s,1H)、10.29(s,1H)。
【0150】
実施例17A
[3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル]酢酸
【化18】

実施例16Aからの化合物21.43g(67.9mmol)を3N水酸化ナトリウム溶液91mlと混合し、還流下で一夜加熱した。室温に冷却した後、約20%強度の塩酸をゆっくりと添加することにより、該混合物をpH1に調整した。沈殿した固体を濾過により単離し、水で洗浄し、減圧下にて60℃で乾燥させた。これにより、純度約88%の標記化合物17.55g(理論値の90%)を得た。
LC/MS[方法2]:Rt=0.94分;m/z=254(M+H)+
1H NMR(DMSO−d6,400MHz):δ=4.45(s,2H)、7.65−7.56(m,4H)、12.09(s,1H)、13.25(br.s,1H)。
【0151】
実施例18A
5−(4−クロロフェニル)−4−(3,3,3−トリフルオロ−2−オキソプロピル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(ケトン形態)または5−(4−クロロフェニル)−4−(3,3,3−トリフルオロ−2,2−ジヒドロキシプロピル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(水和物形態)
【化19】

実施例17Aからの化合物5.0g(16.36mmol)をアルゴン下にてピリジン200mlに溶解し、トリフルオロ酢酸無水物17.18g(81.8mmol)と混合した。温度が約35℃に上昇した。30分後、ロータリーエバポレーターにてピリジンを除去し、残留物を0.5N塩酸1.5リットルと混合した。この混合物を70℃に加熱し、次いで、熱いうちに濾過した。固体を少量の水で洗浄した。濾液全体を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を水、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液および塩化ナトリウム飽和水溶液で連続洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した。残留物を高真空下で乾燥させた。これにより、水和物形態の標記化合物3.56g(理論値の68%)を得た。
LC/MS[方法2]:Rt=1.51分;m/z=306(M+H)+および324(M+H)+(それぞれ、ケトン形態および水和物形態)
1H NMR(DMSO−d6,400MHz):δ=3.98(s,2H)、7.61(d,2H)、7.68(br.s,2H)、7.72(d,2H)、12.44(s,1H)。
【0152】
実施例19A
5−(4−クロロフェニル)−4−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化20】

実施例18Aからの化合物3.56g(11.0mmol)をメタノール100mlに溶解し、氷冷しながら、水素化ホウ素ナトリウム3.75g(99.5mmol)と混合した。1.5時間後、1M塩酸200mlをゆっくりと添加した。ロータリーエバポレーターでメタノールを除去し、残留物を水500mlで希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、次いで、塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した。残留物を高真空下で乾燥させた。これにより、標記化合物3.04g(理論値の90%)を得た。
LC/MS[方法6]:Rt=1.80分;m/z=308(M+H)+
1H NMR(DMSO−d6,400MHz):δ=3.77(dd,1H)、3.92(dd,1H)、4.34−4.23(m,1H)、6.85(d,1H)、7.62(d,2H)、7.75(d,2H)、12.11(s,1H)。
【0153】
実施例20A
4−{[3−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]メチル}−3−メトキシベンゼンカルボン酸メチル
【化21】

5−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(国際公開第2007/134862号の実施例36Aに従って製造)800mg(3.39mmol)および炭酸セシウム1.66g(5.09mmol)をアセトン10mlに懸濁し、4−(ブロモメチル)−3−メトキシベンゼンカルボン酸メチル1.14g(4.41mmol)と混合した。該混合物を60℃で2時間撹拌した。該懸濁液を水で希釈した。それを酢酸エチル15mlで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した。シクロヘキサン/酢酸エチル(4:1 → 1:1の勾配液)で溶離するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー処理により精製して、目的化合物910mg(理論値の64%)を得た。
LC/MS[方法4]Rt=1.28分;MS[ESIpos]:m/z=414(M+H)+
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=0.75−0.83(m,2H)、1.00−1.07(m,2H)、2.97−3.05(m,1H)、3.90(s,3H)、3.92(s,3H)、5.08(s,2H)、7.17(d,1H)、7.43(d,2H)、7.53(s,1H)、7.59(d,1H)、7.68(d,2H)。
【0154】
実施例21A
4−{[3−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]メチル}−3−メトキシベンゼンカルボン酸
【化22】

実施例20Aからの化合物830mg(2.01mmol)をテトラヒドロフラン/メタノール(1:1)10mlに溶解し、2N水酸化ナトリウム溶液2ml(4.01mmol)と混合した。該混合物を80℃で1時間撹拌した。該反応溶液を水10mlで希釈し、酢酸エチル15mlで2回抽出した。合わせた有機相は生成物を含んでおらず、廃棄した。水性生成物相を1N塩酸で酸性化し、生じた沈殿物を濾過により単離した。該固体を高真空下にて乾燥させた。まだ大量の生成物が母液に含まれていたので、ロータリーエバポレーターで完全に濃縮した。これにより、合わせて、目的化合物747mg(理論値の93%)を得た。
LC/MS[方法4]Rt=1.11分;MS[ESIpos]:m/z=400(M+H)+
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=0.77−0.85(m,2H)、1.01−1.08(m,2H)、2.99−3.07(m,1H)、3.92(s,3H)、5.11(s,2H)、7.17(d,1H)、7.44(d,2H)、7.54(s,1H)、7.61(d,1H)、7.70(d,2H)。
【0155】
実施例22A
N−tert−ブチル−2−メトキシ−4−メチルベンズアミド
【化23】

DMF 3ml中に2−メトキシ−4−安息香酸200mg(1.24mmol)を導入し、HOBt 240mg(1.57mmol)と混合し、次いで、EDC 277mg(1.44mmol)と混合した。室温で10分間撹拌した後、2−メチルプロパン−2−アミン139μl(1.32mmol)を添加し、該混合物をさらに室温で30分間撹拌した。次いで、反応溶液を水約5mlと混合し、酢酸エチル10mlで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィー[方法8]により精製した。これにより、目的化合物164mg(理論値の62%)を得た。
LC/MS[方法2]Rt=1.88分;MS[ESIpos]:m/z=222(M+H)+
【0156】
実施例23A
4−(ブロモメチル)−N−tert−ブチル−2−メトキシベンズアミド
【化24】

実施例22Aからの化合物160mg(0.72mmol)を四塩化炭素5ml中にてN−ブロモスクシンイミド129mg(0.72mmol)および2,2'−アゾビス−2−メチルプロパンニトリル12mg(0.07mmol)と一緒に還流下で16時間加熱した。室温に冷却した後、該混合物をジクロロメタン10mlで希釈し、水10mlで洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮した。次いで、粗生成物をクロマトグラフィー[方法8]により精製した。これにより、目的化合物103mg(理論値の47%)を得た。
LC/MS[方法7]Rt=2.32分;MS[ESIpos]:m/z=300および302(M+H)+
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=1.45(s,9H)、3.97(s,3H)、4.47(s,2H)、6.98(d,1H)、7.08(dd,1H)、7.75(br.s.,1H)、8.14(d,1H)。
【0157】
実施例24A
4−{[3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]メチル}安息香酸メチル
【化25】

実施例19Aからの化合物305mg(0.99mmol)および炭酸セシウム355mg(1.09mmol)をアセトン10mlに懸濁し、4−(ブロモメチル)安息香酸メチル227mg(0.99mmol)と混合した。該混合物を50℃で3時間撹拌した。該懸濁液を水で希釈した。それを酢酸エチル15mlで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した。シクロヘキサン/酢酸エチル(10:1 → 2:1の勾配液)によって溶離するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー処理により精製して、目的化合物284mg(理論値の63%)を得た。
LC/MS[方法4]Rt=1.28分;MS[ESIpos]:m/z=456(M+H)+
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=3.91(s,3H)、3.98−4.13(m,2H)、4.41−4.51(m,1H)、4.91(d,1H)、5.07(s,2H)、7.45(d,2H)、7.46−7.53(m,4H)、8.03(d,2H)。
【0158】
実施例25A
3−{[3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]メチル}安息香酸メチル
【化26】

実施例24Aから化合物についてと同様の方法で、実施例19Aからの化合物267mg(0.87mmol)を3−(ブロモメチル)安息香酸メチル199mg(0.87mmol)と反応させた。これにより、目的化合物302mg(理論値の76%)を得た。
LC/MS[方法7)Rt=2.41分;MS[ESIpos]:m/z=456(M+H)+
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=3.91(s,3H)、4.01(dd,1H)、4.09(dd,1H)、4.45−4.57(m,1H)、5.02−5.17(m,3H)、7.41−7.55(m,4H)、7.58(d,1H)、7.93(s,1H)、7.98(d,1H)。
【0159】
実施例26A
3−クロロ−4−{[3−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]メチル}安息香酸tert−ブチル
【化27】

5−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(国際公開第2007/134862号の実施例36Aに従って製造)1.00g(4.22mmol)および炭酸セシウム2.07g(6.37mmol)をアセトン15mlに懸濁し、4−(ブロモメチル)−3−クロロ安息香酸tert−ブチル(国際公開第2003/000692号の実施例4bに従って製造)1.69g(5.52mmol)と混合した。該混合物を50℃で18時間撹拌した。該懸濁液を水で希釈した。それを酢酸エチル15mlで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した。シクロヘキサン/酢酸エチル(9:1 → 3:2の勾配液)によって溶離するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー処理により精製して、純度74%の目的化合物1.41g(理論値の53%)を得た。
LC/MS[方法7)Rt=2.98分;MS[ESIpos]:m/z=460(M+H)+
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=0.75−0.83(m,2H)、1.00−1.09(m,2H)、1.57(s,9H)、3.01(spt,1H)、5.16(s,2H)、7.24−7.28(m,1H)、7.41−7.47(m,2H)、7.65−7.71(m,2H)、7.84(dd,1H)、7.98(d,1H)。
【0160】
実施例27A
3−クロロ−4−{[3−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]メチル}安息香酸
【化28】

実施例26Aからの化合物1.38g(3.00mmol)をジクロロメタン10mlに溶解し、室温でトリフルオロ酢酸3.0ml(39mmol)と混合し、室温で72時間撹拌した。該混合物を減圧下にて濃縮し、トルエン10mlと混合し、再度、濃縮した。この手順をさらに2回繰り返した。高真空下にて残留物から残存溶媒を除去した。これにより、純度60%の目的化合物1.27g(理論値の63%)を得た。
LC/MS[方法2]Rt=1.85分;MS[ESIpos]:m/z=404(M+H)+
【0161】
実施例28A
4−{[3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]メチル}安息香酸
【化29】

実施例24Aからの化合物280mg(0.61mmol)をメタノールとTHFとの1:1混合液4mlに溶解し、2N水酸化ナトリウム溶液0.61mlと混合した。それを80℃で1時間撹拌した。次いで、それを水5mlと混合し、酢酸エチル5mlで抽出した。水性相を1N塩酸によりpH1に酸性化し、酢酸エチル5mlで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した。これにより、目的化合物275mg(理論値の100%)を得た。
LC/MS[方法7]Rt=2.14分;MS[ESIpos]:m/z=442(M+H)+
1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ=3.84(dd,1H)、3.96−4.03(m,1H)、4.24−4.36(m,1H)、5.08(s,2H)、7.42(d,2H)、7.60−7.64(m,2H)、7.75(d,2H)、7.93(d,2H)。
【0162】
実施例29A
3−{[3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]メチル}安息香酸
【化30】

実施例28Aからの化合物についてと同様の方法で、実施例25Aからの化合物265mg(0.58mmol)を反応させた。これにより、目的化合物250mg(理論値の97%)を得た。
LC/MS[方法7]Rt=2.41分;MS[ESIpos]:m/z=456(M+H)+
1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ=3.84(dd,1H)、4.00(dd,1H)、4.23−4.34(m,1H)、5.00−5.13(m,2H)、7.46−7.53(m,1H)、7.54−7.59(m,1H)、7.60−7.64(m,2H)、7.74(d,2H)、7.88(d,1H)、7.94(s,1H)。
【0163】
実施例:
【0164】
実施例1
N−tert−ブチル−4−{[3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−プロパ−2−エン−1−イル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]スルホニル}−3−メトキシベンゼンカルボキシアミド
【化31】

実施例3Aからの化合物231mg(0.24mmol)をテトラヒドロフラン4mlに懸濁し、−78℃に冷却した。この懸濁液を撹拌しながらカリウムtert−ブチラート110mg(0.981mmol)と混合した。該混合物を室温に加温し、固体を溶解した。その後、該反応溶液を室温で10分間撹拌した。次いで、再度−78℃に冷却した。それを4−(tert−ブチルカルバモイル)−2−メトキシベンゼンスルホニルクロライド(Liotta et al., J. Org. Chem., 2001, 66, 3653-3661に従って製造)300mg(0.981mmol)と混合し、冷却浴を取り外し、該溶液をさらに室温で一夜撹拌した。残留物を水と混合した。それを酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した。残留物を分取HPLC(方法6)により精製した。これにより、目的化合物275mg(理論値の55%)を得た。
LC/MS[方法4):Rt=1.29分;MS[ESIpos]:m/z=505(M+H)+
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=1.47(s,9H)、3.94(s,3H)、4.27−4.31(m,2H)、5.07(d,1H)、5.27(d,1H)、5.77−5.89(m,1H)、5.99(s,NH)、7.22−7.28(m,1H)、7.41−7.46(m,2H)、7.49−7.55(m,3H)、8.16(d,1H)。
【0165】
同様に、以下の化合物を得た:
【0166】
【表4−1】

【表4−2】

【表4−3】

【表4−4】

【表4−5】

【0167】
実施例14
N−tert−ブチル−4−{[3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]スルホニル}−3−メトキシベンゼンカルボキシアミド
【化32】

実施例1からのN−tert−ブチル−4−{[3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−プロパ−2−エン−1−イル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]スルホニル}−3−メトキシベンゼンカルボキシアミド194mg(0.384mmol)をアルゴン下にて脱気ジオキサン2mlに溶解し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) 18mg(0.015mmol)、ギ酸29μl(0.77mmol)およびトリエチルアミン134μl(0.96mmol)と混合した。該混合物を還流下で2時間加熱した。該ジオキサンをロータリーエバポレーターで濃縮し、フラスコ中の残留物をメタノールに溶解した。それを珪藻土で濾過し、固体生成物をメタノールで洗浄し、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した。フラスコ中の残留物に酢酸エチルを添加した。水による洗浄を2回行った。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー処理(勾配溶媒:シクロヘキサン/酢酸エチル1:1〜酢酸エチル100%)により精製して、目的化合物152mg(理論値の85%)を得た。
LC/MS[方法4]Rt=1.16分;MS[ESIpos]:m/z=465(M+H)+
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=1.47(s,9H)、3.86(s,3H)、6.02(s,NH)、7.24−7.28(m,1H)、7.42(d,2H)、7.47(s,1H)、7.77(d,2H)、8.13(d,1H)。
【0168】
実施例15
3−{[1−{[4−(tert−ブチルカルバモイル)−2−メトキシフェニル]スルホニル}−3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−1,5−ジヒドロ−4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル]メチル}ベンゼンカルボン酸メチル
【化33】

実施例14からのN−tert−ブチル−4−{[3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]スルホニル}−3−メトキシベンゼンカルボキシアミド50mg(0.108mmol)および炭酸セシウム53mg(0.161mmol)をジメチルホルムアミド1mlに懸濁し、3−ブロモメチル安息香酸メチル32mg(0.140mmol)と混合した。該混合物を60℃で一夜撹拌した。該懸濁得を水で希釈した。それを酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した。粗生成物を分取HPLC[方法5]によって精製した。これにより、目的化合物40mg(理論値の60%)を得た。
LC/MS[方法3]Rt=2.67分;MS[ESIpos]:m/z=613(M+H)+
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=1.48(s,9H)、3.90(s,3H)、3.91(s,3H)、4.89(s,2H)、5.99(s,NH)、7.24−7.27(m,1H)、7.28−7.34(m,3H)、7.38−7.42(m,3H)、7.54(d,1H)、7.67(s,1H)、7.97(d,1H)、8.17(d,1H)。
【0169】
実施例16
N−tert−ブチル−4−{[3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]スルホニル}−3−メトキシベンゼンカルボキシアミド
【化34】

実施例14からのN−tert−ブチル−4−{[3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]スルホニル}−3−メトキシベンゼンカルボキシアミド50mg(0.108mmol)および炭酸セシウム53mg(0.161mmol)をジメチルホルムアミド1mlに懸濁し、3−ブロモ−1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール26μl(0.161mmol)と混合した。該混合物を75℃で8時間撹拌した。該懸濁液を塩化アンモニウム飽和水溶液で希釈した。それを酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した。粗生成物を分取HPLC[方法5]により精製した。これにより、目的化合物22mg(理論値の36%)を得た。
LC/MS[方法4]Rt=1.30分;MS[ESIpos]:m/z=577(M+H)+
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=1.47(s,9H)、3.87−3.97(m,2H)、3.96(s,3H)、4.40−4.59(s,2H)、6.04(s,NH)、7.21−7.28(m,1H)、7.44−7.52(m,3H)、7.60(d,2H)、8.12(d,1H)。
【0170】
実施例17
N−tert−ブチル−4−{[3−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]スルホニル}ベンゼンカルボキシアミド
【化35】

DMF 1ml中に実施例15Aからの化合物50mg(0.113mmol)を導入し、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール・水和物18mg(0.136mmol)およびN'−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド・塩酸塩28mg(0.147mmol)と混合した。室温で10分間撹拌した後、2−メチルプロパン−2−アミン(13.1μl、0.124mmol)を添加し、該混合物を室温で一夜さらに撹拌した。次いで、該反応溶液をメタノールで希釈し、分取HPLC[方法5]により精製した。これにより、目的化合物13mg(理論値の24%)を得た。
LC/MS[方法3]:Rt=2.53分;MS[ESIpos]:m/z=475(M+H)+
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=0.68−0.74(m,2H)、0.94−1.02(m,2H)、1.47(s,9H)、2.85(dt、1H)、5.93(br.s.,1H)、7.46(d,2H)、7.67(d,2H)、7.87(d,2H)、8.19(d,2H)。
【0171】
同様に、以下の化合物を得た:
【0172】
【表5】

【0173】
実施例20
N−tert−ブチル−4−{[3−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]メチル}−3−メトキシベンゼンカルボキシアミド
【化36】

DMF 1ml中に実施例21Aからの化合物50mg(0.13mmol)を導入し、HOBt 20mg(0.15mmol)およびEDC 31mg(0.16mmol)と混合した。室温で10分間撹拌した後、2−メチルプロパン−2−アミン14.5μl(0.14mmol)を添加し、該混合物をさらに室温で16時間撹拌した。次いで、該反応溶液を水約5mlで希釈し、生じた沈殿物を濾過し、水で洗浄した。減圧下にて乾燥させて、目的化合物37mg(理論値の66%)を得た。
LC/MS[方法2]Rt=2.03分;MS[ESIpos]:m/z=455(M+H)+
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=0.74−0.80(m,2H)、0.99−1.06(m,2H)、1.46(s,9H)、2.96−3.03(m,1H)、3.90(s,3H)、5.06(s,2H)、5.91(br.s,1H)、7.09(dd,1H)、7.16(d,2H)、7.38(d,1H)、7.43(d,2H)、7.67(d,2H)。
【0174】
実施例21
4−{[3−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−l−イル]メチル}−3−メトキシ−N−{2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン−2−イル}ベンズアミド
【化37】

実施例20からの化合物についてと同様の方法で、実施例21Aからの化合物50mg(0.13mmol)から目的化合物61mg(理論値の83%)を得た。
LC/MS[方法2]Rt=2.40分;MS[ESIpos]:m/z=585(M+H)+
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=0.75−0.80(m,2H)、1.00−1.07(m,2H)、1.80(s,6H)、3.00(spt,1H)、3.88(s,3H)、5.07(s,2H)、6.43(s,1H)、7.17−7.23(m,2H)、7.37(s,1H)、7.41−7.51(m,4H)、7.61(d,1H)、7.63−7.69(m,3H)。
【0175】
実施例22
N−tert−ブチル−4−{[3−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]メチル}−2−メトキシベンズアミド
【化38】

5−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(国際公開第2007/134862号の実施例36Aに従って製造)70mg(0.30mmol)をDMF 3mlに溶解し、炭酸セシウム194mg(0.59mmol)および実施例23Aからの化合物98mg(0.33mmol)と混合した。この混合物を70℃で16時間撹拌した。室温に冷却した後、濾過により粗混合物から不溶性成分を除去し、直接、クロマトグラフィー[方法8]により精製した。これにより、目的化合物89mg(理論値の66%)を得た。
LC/MS[方法2]Rt=2.12分;MS[ESIpos]:m/z=455(M+H)+
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=0.72−0.78(m,2H)、0.99−1.05(m,2H)、1.44(s,9H)、2.94−3.01(m,1H)、3.95(s,3H)、4.98(s,2H)、7.03(s,1H)、7.09(d,1H)、7.44(d,2H)、7.65(d,2H)、7.76(br.s.,1H)、8.13(d,1H)。
【0176】
実施例23
N−tert−ブチル−4−{[3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−l−イル]メチル}ベンズアミド
【化39】

DMF 1ml中に実施例28Aからの化合物50mg(0.11mmol)を導入し、HOBt 18mg(0.14mmol)およびEDC 28mg(0.15mmol)と混合した。室温で10分間撹拌した後、2−メチルプロパン−2−アミン13μl(0.12mmol)を添加し、該混合物を室温で16時間撹拌した。次いで、該反応溶液を水約3mlと混合し、酢酸エチル5mlで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィー[方法8]により精製した。これにより、目的化合物31mg(理論値の55%)を得た。
LC/MS[方法4]Rt=1.29分;MS[ESIpos]:m/z=497(M+H)+
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=1.46(s,9H)、3.95−4.09(m,2H)、4.40−4.50(m,1H)、4.98−5.14(m,3H)、5.93(s,1H)、7.40(d,2H)、7.44−7.53(m,4H)、7.65(d,2H)。
【0177】
実施例24
4−{[3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]メチル}−N−{2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン−2−イル}ベンズアミド
【化40】

実施例23からの化合物についてと同様の方法で、実施例28Aからの化合物50mg(0.11mmol)から目的化合物28mg(理論値の40%)を得た。
LC/MS[方法4]Rt=1.46分;MS[ESIpos]:m/z=627(M+H)+
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=1.80(s,6H)、3.94−4.08(m,2H)、4.37−4.49(m,1H)、4.99−5.13(m,3H)、6.45(s,1H)、7.38−7.54(m,8H)、7.60(d,1H)、7.64(s,1H)、7.69(d,2H)。
【0178】
実施例25
N−tert−ブチル−3−{[3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−(3,3,3−トリフルオロ−3−ヒドロキシプロピル)−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]メチル}ベンズアミド
【化41】

実施例23からの化合物についてと同様の方法で、実施例29Aからの化合物50mg(0.11mmol)から目的化合物49mg(理論値の87%)を得た。
LC/MS[方法4]Rt=1.30分;MS[ESIpos]:m/z=497(M+H)+
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=1.44(s,9H)、3.96(dd,1H)、4.06−4.14(m,1H)、4.54−4.65(m,1H)、5.00および5.24(2d,2H)、5.98(d,1H)、6.01(s,1H)、7.33−7.53(m,6H)、7.59(d,2H)。
【0179】
実施例26
3−{[3−(4−クロロフェニル)−5−オキソ−4−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]メチル}−N−{2,2−ジフルオロ−2−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ベンズアミド
【化42】

実施例23からの化合物についてと同様の方法で、実施例29Aからの化合物41mg(0.09mmol)から目的化合物40mg(理論値の68%)を得た。
LC/MS[方法4]Rt=1.41分;MS[ESIpos]:m/z=649(M+H)+
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=3.97(dd,1H)、4.04−4.25(m,3H)、4.46−4.60(m,1H)、5.02および5.19(2d,2H)、5.41(d,1H)、6.62(t,1H)、7.39−7.49(m,3H)、7.50−7.71(m,8H)、7.82(d,1H)。
【0180】
実施例27
N−tert−ブチル−3−クロロ−4−{[3−(4−クロロフェニル)−4−シクロプロピル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]メチル}ベンズアミド
【化43】

実施例23からの化合物についてと同様の方法で、実施例27Aからの化合物88mg(約0.13mmol)から目的化合物9mg(理論値の15%)を得た。
LC/MS[方法4]Rt=1.35分;MS[ESIpos]:m/z=459および461(M+H)+
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ=0.75−0.82(m,2H)、1.00−1.08(m,2H)、1.45(s,9H)、3.01(spt,1H)、5.15(s,2H)、5.85(br.s.,1H)、7.29(d,1H)、7.44(d,2H)、7.56(dd,1H)、7.67(d,2H)、7.73(d,1H)。
【0181】
B. 薬理活性の評価
略語:
EDTA エチレンジアミン四酢酸
DMEM ダルベッコ変法イーグル培地
FCS ウシ胎仔血清
HEPES 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸
SmGM 平滑筋細胞増殖培地
Tris−HCl 2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール・塩酸塩
UtSMC 子宮平滑筋細胞
【0182】
B−1. バソプレシン受容体活性の測定のための細胞のインビトロアッセイ
組換え細胞株において、ヒトおよびラット由来のV1aおよびV2バソプレシン受容体の作用薬および拮抗薬の同定ならびにここに記載した物質の活性の定量化を行った。これらの細胞は、元はハムスター卵巣上皮細胞(チャイニーズハムスター卵巣、CHO K1、ATCC:American Type Culture Collection、米国バージニア州20108マナッサス)に由来する。試験細胞株は、コファクターセレンテラジンによる再構築後に遊離カルシウム濃度が増加した場合に発光するカルシウム感受性発光タンパク質エクオリンの修飾形態を構造的に発現する(Rizzuto R., Simpson A.W., Brini M., Pozzan T.; Nature 358 (1992) 325-327)。加えて、該細胞にヒトまたはラットのV1aまたはV2受容体を安定に形質移入する。Gs結合V2受容体の場合、細胞に、融合遺伝子と無関係に、または融合遺伝子として、乱雑なGα16タンパク質(Amatruda T.T., Steele D.A., Slepak V.Z., Simon M.I., Proc. Nat. Acad. Sci. USA 88(1991), 5587-5591)をコードするさらなる遺伝子を安定に形質移入する。得られたバソプレシン受容体試験細胞は、カルシウムイオンの細胞内放出により組換え発現バソプレシン受容体の刺激に対して反応し、好適なルミノメーターを使用して、得られたエクオリンルミネッセンスにより定量化され得る(Milligan G., Marshall F., Rees S., Trends in Pharmaco. Sci. 17 (1996) 235-237)。
【0183】
試験方法: アッセイの前日に、細胞を384ウェルマイクロタイタープレート中の培養培地(DMEM、10%FCS、2mMグルタミン、10mM HEPES)に蒔き、細胞インキュベーター(湿度96%、二酸化炭素5%v/v、37℃)中に維持する。アッセイ当日に、該培養培地を、コファクターセレンテラジン(50μM)をさらに含有するタイロード溶液(140mM塩化ナトリウム、5mM塩化カリウム、1mM塩化マグネシウム、2mM塩化カルシウム、20mMグルコース、20mM HEPES)と交換し、次いで、マイクロタイタープレートをさらに3〜4時間インキュベートする。様々な濃度の試験物質をマイクロプレートのウェル中に10〜20分間放置した後、作用薬[Arg8]−バソプレシンを添加し、得られた光シグナルをルミノメーターで直接測定する。GraphPad PRISMコンピュータープログラム(バージョン3.02)を使用して、IC50値を算出する。
【0184】
ヒトV1aまたはV2受容体を形質移入された細胞株についての本発明の化合物の代表的なIC50値を下記表に記載する:
【0185】
【表6】

【0186】
B−2. 線維化促進遺伝子の調節に対するバソプレシンV1a受容体拮抗薬の作用の検出のための細胞のインビトロアッセイ
ラット心臓組織から単離された心筋細胞型のものであると記載されている細胞株H9C2(American Type Culture Collection ATCC No.CRL−1446)は高コピー数のバソプレシンV1A受容体AVPR1Aを内因的に発現するが、一方、AVPR2発現は検出され得ない。受容体拮抗薬による遺伝子発現のAVPR1A受容体依存性調節の阻害についての細胞アッセイのための手順は以下のとおりである:
【0187】
細胞培養のための12ウェルのマイクロタイタープレートにおいて、2%FCSおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシン溶液(Invitrogenカタログ番号10378−016)を有するOpti−MEM培地(Invitrogen Corp.、米国カリフォルニア州カールスバッド、カタログ番号11058−021)1.0ml中にて100000細胞/ウェルの細胞密度でH9C2細胞を蒔き、細胞インキュベーター(湿度96%、二酸化炭素5%v/v、37℃)中に保持する。24時間後、ウェル3つを1セットとして(3つ組)、これらのセットにビヒクル溶液(負の対照)、バソプレシン溶液:[Arg8]−バソプレシン酢酸塩(Sigmaカタログ番号V9879)、または試験物質(ビヒクル:10容量%のエタノールを有する水に溶解)およびバソプレシン溶液を加える。細胞培養物において、最終バソプレシン濃度は0.05μMである。細胞培養物に試験物質溶液を少量加えて、細胞アッセイにおけるエタノールの最終濃度が0.1%を超えないようにする。6時間のインキュベーション時間の後、培養上清を吸引し、付着細胞をRLTバッファー(Qiagen、ラーティンゲン、カタログ番号79216)250μlに溶解し、RNeasyキット(Qiagen、カタログ番号74104)を用いてこの溶解物からRNAを単離する。次いで、DNAse消化(Invitrogenカタログ番号18068−015)、cDNA合成(Promaga ImProm−II Reverse Transcription Systemカタログ番号A3800)、およびEurogentec(ベルギー国スラン)からのpPCR MasterMix RT−QP2X−03−075を使用するRTPCRを行う。全ての手順は、試験試薬の製造者の作業プロトコールに従って行われる。RTPCRのためのプライマーセットは、6−FAM−TAMRA標識ブローブと共にPrimer3Plusプログラムを使用してmRNA遺伝子配列(NCBI Genbank Entrez Nucleotide Data Base)に基づいて選択される。種々のアッセイバッチの細胞における相対的mRNA発現を測定するためのRTPCRは、装置操作説明書に従って、96ウェルまたは384ウェルマイクロタイタープレートにおいてApplied Biosystems ABI Prism 7700 Sequence Detectorを使用して行われる。該相対的遺伝子発現は、リボソームタンパク質L−32遺伝子(Genbank受入番号NM_013226)の発現のレベルおよび閾値Ct値Ct=35を参照して、デルタ−デルタCt値[Applied Biosystems、User Bulletin No. 2 ABI Prism 7700 SDS December 11、1997(10/2001にアップデート)]によって表される。
【0188】
B−3. 心血管効果の検出のためのインビボ試験: 麻酔下のラットの血圧測定(バソプレシン「攻撃」モデル)
ケタミン/キシラジン/ペントバルビタール麻酔注射下の雄性Sprague−Dawleyラット(体重250〜350g)において、ヘパリン(500IU/ml)含有等張塩化ナトリウム溶液で予め満たされているポリエチレンチューブ(PE−50;Intramedic(登録商標))を頚静脈および大腿静脈に導入し、次いで、つなぐ。1つの静脈アクセスを介して、注射器を用いてアルギニン−バソプレシンを注入し;もう1つの静脈アクセスを介して試験物質を投与する。収縮期血圧の測定のために、圧力カテーテル(Millar SPR−320 2F)を頚動脈とつなぐ。該動脈カテーテルを圧力トランスデューサーと連結し、好適な記録ソフトウェアを装着したレコーディングコンピューターにそのシグナルを供給する。代表的な実験において、実験動物に、等張塩化ナトリウム溶液中の所定量のアルギニン−バソプレシン(30ng/kg)の3〜4連続ボーラス注射を10〜15分の間隔で施し、血圧が再度初期レベルに達してから、被験物質をボーラスとして投与し、その後、適当な溶媒中にて持続注入する。この後、所定の間隔(10〜15分)で、開始時と同じ量のバソプレシンを再度投与する。血圧値に基づいて、試験物質がバソプレシンの昇圧効果に対抗する程度を測定する。対照動物には、試験物質の代わりに溶媒のみを投与する。
【0189】
静脈投与後、本発明の化合物は、溶媒対照と比べて、アルギニン−バソプレシンによって引き起こされる血圧上昇の阻害をもたらす。
【0190】
B−4. 心血管効果の検出のためのインビボアッセイ: 代謝ケージにおける意識のあるラットに対する利尿研究
Wistarラット(体重220〜400g)は、食餌(Altromin)および飲用水への自由なアクセスが維持される。実験の間、該動物は、個々に、この体重クラスのラットに適している代謝ケージ(Tecniplast Deutschland GmbH、D−82383ホーエンパイセンベルク)中にて、4〜8時間、飲用水への自由なアクセスが維持される。実験開始時に、胃への経管栄養法によって該動物に体重1kgあたり1〜3mlの好適な溶媒中の被験物質を投与する。対照動物には溶媒のみを投与する。対照試験および物質試験は、同日に並行して行われる。対照グループおよび物質投与グループは、それぞれ4〜8匹の動物からなる。実験の間、ケージの底の容器中に該動物により排泄された尿を連続的に収する。単位時間あたりの尿の量を動物ごとに測定し、尿中に分泌されたナトリウムイオンおよびカリウムイオンの濃度を標準的な炎光光度法により測定する。十分な量の尿を得るために、実験開始時に経管栄養法により動物に所定量(典型的には体重1kgにつき10ml)の水を与える。実験開始前および実験終了後に、個々の動物の体重を測定する。
【0191】
経口投与後、対照動物と比べて、本発明の化合物は、本質的には水分の排泄(自由水利尿)の増加に基づく尿の排泄を増加させる。
【0192】
B−5. 心血管効果の検出のためのインビボアッセイ: 麻酔したイヌの血行動態研究
体重20〜30kgの雄性または雌性の雑種犬(Mongrels、Marshall BioResources、米国)を、外科的介入および血行動態および機能研究のためにペントバルビタール(静脈内30mg/kg、Narcoren(登録商標)、Merial、ドイツ国)で麻酔する。塩化アルクロニウム(Alloferin(登録商標)、ICN Pharmaceuticals、ドイツ国、静脈内3mg/動物)が、さらに、筋肉弛緩剤としての役割を果たす。イヌに挿管し、酸素/周囲空気混合物(40/60%)(約5〜6L/分)で換気する。換気は、Draegerからの換気装置(Sulla 808)を用いて行われ、二酸化炭素分析器(Engstroem)を用いてモニターする。
【0193】
麻酔は、ペントバルビタール(50μg/kg/分)の持続注入により維持される;鎮痛薬としてフェンタニル(10μg/kg/時)を使用する。ペントバルビタールの代替としてイソフルラン(1〜2容量%)を使用することができる。
【0194】
予備介入において、イヌに心臓ペースメーカーを装着する。
・最初の薬物試験(すなわち、実験開始)の21日前に、Biotronikからの心臓ペースメーカー(Logos(登録商標))を皮下皮膚ポケットに埋め込み、照明とともに外頚静脈を介して右心室に進むペースメーカー電極を介して心臓と接触させる。
・大腿動脈中で外筒導入器(Avanti+(登録商標);Cordis)を介して7F生検鉗子(Cordis)の逆行によるペースメーカーの埋め込みと同時に、および、大動脈弁を非侵襲的通過した後、心エコーおよび照明によりモニターしながら僧帽弁の病変を画定する。その後、全てのアクセスを取り外し、イヌを麻酔から自然に覚めさせる。
・さらに7日後(すなわち、最初の薬物試験の14日前)、上記ペースメーカーを作動させ、1分間に220回のビートで心臓を刺激する。
【0195】
以下の装置を使用して、ペースメーカー刺激開始から14日後および28日後に実際の薬物試験を行う:
・膀胱開放および尿の流量測定のための膀胱カテーテル
・四肢へのECGリード(ECG測定用)
・大腿動脈へのNaCl充填Fluidmedic PE 300管の導入。全身血圧測定のために、この管を圧力センサー(Braun Melsungen、ドイツ国メルスンゲン)と連結する。
・心臓血行動態の測定のための、左心房を介するか、または頚動脈に固定されたポートを介する、Millar Tipカテーテル(タイプ350 PC、Millar Instruments、米国ヒューストン)の導入
・心拍出量、酸素飽和度、肺動脈圧および中心静脈圧の測定のための、頚静脈を介して肺動脈へのSwan−Ganzカテーテル(CCOmbo 7.5F、Edwards、米国アーバイン)の導入
・ペントバルビタールの注入のため、液体補充のため、および採血(物質の血漿レベルまたは他の臨床的血液値の測定)のための、橈側皮静脈におけるBraunueleの設置
・フェンタニルの注入のため、および物質の投与のための、伏在静脈におけるBraunueleの設置
・4mU/kg/分までの漸増投与量でのバソプレシン(Sigma)の注入。次いで、この投与量で薬理学的物質を試験する。
【0196】
必要に応じて、主なシグナルを増幅させ(Gould増幅器(Gould Instrument Systems、米国バリービュー)、またはEdwards Vigilance−Monitor(Edwards、米国アーバイン))、次いで、評価のためにPonemahシステム(DataSciences Inc、米国ミネアポリス)に供給する。該シグナルを実験の間じゅう連続的に記録し、さらに該ソフトウェアによってデジタル処理し、30sの平均を出す。
【0197】
C. 医薬組成物の例示的な実施態様
本発明の化合物は、以下の方法で医薬製剤に変換され得る:
【0198】
錠剤:
組成:
本発明の化合物100mg、ラクトース(一水和物)50mg、コーンスターチ(天然)50mg、ポリビニルピロリドン(PVP 25)(BASF、ドイツ国ルートウィヒスハーフェン)10mgおよびステアリン酸マグネシウム2mg。
錠剤の重量212mg。直径8mm、曲率半径12mm。
調製:
本発明の化合物、ラクトースおよびスターチの混合物を水中にてPVPの5%強度溶液(m/m)と一緒に造粒する。乾燥後、顆粒をステアリン酸マグネシウムと5分間混合する。この混合物を、慣用の打錠器を使用して圧縮する(錠剤フォーマットについては上記を参照)。圧縮に使用される指針圧縮力は15kNである。
【0199】
経口投与用懸濁剤:
組成:
本発明の化合物1000mg、エタノール(96%)1000mg、Rhodigel(登録商標)(FMCからのキサンタンガム、米国ペンシルベニア)400mgおよび水99g。
経口用懸濁剤10mlにより本発明の化合物100mgの1回投与量が得られる。
調製:
エタノールにRhodigelを懸濁し、該懸濁液に本発明の化合物を添加する。撹拌しながら水を添加する。Rhodigelの膨潤が終わるまで約6時間、撹拌を続ける。
【0200】
経口投与用液剤:
組成:
本発明の化合物500mg、ポリソルベート2.5gおよびポリエチレングリコール400 97g。経口用液剤20gにより本発明の化合物100mgの1回投与量が得られる。
調製:
撹拌しながらポリエチレングリコールとポリソルベートとの混合物に本発明の化合物を懸濁する。本発明の化合物が完全に溶解するまで撹拌操作を続ける。
【0201】
静脈内投与用液剤:
生理学的に許容される溶媒(例えば、等張生理食塩水、5%グルコース溶液および/または30%PEG 400溶液)に本発明の化合物を飽和溶解度以下の濃度で溶解する。該溶液を濾過滅菌し、滅菌パイロジェンフリー注射容器中に分注する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
Aは、−CH2−または−SO2−であり;
1は、水素、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニルまたは(C3−C7)シクロアルキルであり(ここで、
(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルおよび(C2−C6)アルキニルは、ハロゲン、シアノ、オキソ、トリフルオロメチル、(C3−C7)シクロアルキル、フェニル、−OR10、−NR1112、−C(=O)−OR13および−C(=O)−NR1415からなる群から互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよく(ここで、
(C3−C7)シクロアルキルは、(C1−C4)アルキル、オキソ、ヒドロキシル、(C1−C4)アルコキシおよびアミノからなる群から互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよく、
フェニルは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C1−C4)アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、(C1−C4)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、(C1−C4)アルコキシメチル、ヒドロキシカルボニル、(C1−C4)アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノ−(C1−C4)アルキルアミノカルボニルおよびジ−(C1−C4)アルキルアミノカルボニルからなる群から互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよく、
10、R11、R12、R13、R14およびR15は、互いに独立して、水素または(C1−C6)アルキルである(ここで、
(C1−C6)アルキルは、その一部がアミノ、ヒドロキシル、(C1−C4)アルコキシ、ヒドロキシカルボニルおよび(C1−C4)アルコキシカルボニルからなる群から互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい))、
(C3−C7)シクロアルキルは、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ、ヒドロキシ、アミノおよびオキソからなる群から互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい);
2は、ハロゲン、トリフルオロメチル、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノ、ジ−(C1−C6)−アルキルアミノ、(C3−C7)シクロアルキル、フェニル、チエニルまたはフリルであり(ここで、
フェニル、チエニルおよびフリルは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C1−C4)アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C1−C4)アルコキシおよびトリフルオロメトキシからなる群から互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよい);
3は、水素または(C1−C4)アルコキシであり;
4は、(C1−C6)アルキルカルボニル、ヒドロキシカルボニル、(C1−C6)アルコキシカルボニル、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルまたはジ−(C1−C6)アルキルアミノカルボニルであり(ここで、
(C1−C6)−アルキルカルボニル、(C1−C6)アルコキシカルボニル、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルおよびジ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルは、ハロゲン、トリフルオロメチル、(C1−C6)アルキルおよびフェニルからなる群から互いに独立して選択される1〜4個の置換基によって置換されていてもよい(ここで、
フェニルは、ハロゲン、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシル−(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルキル、トリフルオロメトキシおよび(C1−C4)アルコキシからなる群から互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい));
5は、ハロゲン、トリフルオロメチル、(C1−C4)アルキル、トリフルオロメトキシまたは(C1−C4)アルコキシであり;
nは、0、1または2である]
で示される化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物および該塩の溶媒和物。
【請求項2】
Aが、−CH2−または−SO2−であり;
1が、水素、(C1−C6)アルキル、(C2−C4)アルケニルまたは(C3−C6)シクロアルキルであり(ここで、
(C1−C6)アルキルおよび(C2−C4)アルケニルは、フッ素、塩素、オキソ、トリフルオロメチル、(C3−C6)シクロアルキル、フェニル、−OR10、−NR1112、−C(=O)−OR13および−C(=O)−NR1415からなる群から互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよい(ここで、
フェニルは、フッ素、塩素、(C1−C4)アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C1−C4)アルコキシ、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、(C1−C4)アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノ−(C1−C4)−アルキルアミノカルボニルおよびジ−(C1−C4)−アルキルアミノカルボニルからなる群から互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよく、
10、R11、R12、R13、R14およびR15は、互いに独立して、水素または(C1−C6)アルキルである));
2が、塩素、臭素、トリフルオロメチル、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ、モノ−(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)−アルキルアミノ、(C3−C6)シクロアルキルまたはフェニルであり(ここで、
フェニルは、フッ素、塩素、シアノ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシおよびトリフルオロメトキシからなる群から互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよい);
3が、水素またはメトキシであり;
4が、(C1−C6)アルキルカルボニル、ヒドロキシカルボニル、(C1−C6)アルコキシカルボニル、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルまたはジ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルであり(ここで、
モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルおよびジ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルは、フッ素、トリフルオロメチル、(C1−C4)アルキルおよびフェニルからなる群から互いに独立して選択される1〜4個の置換基によって置換されていてもよい(ここで、
フェニルは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、メチル、エチル、トリフルオロメトキシ、メトキシおよびエトキシからなる群から互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい));
5が、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、メチル、エチル、トリフルオロメトキシ、メトキシまたはエトキシであり;
nが、0または1である、
請求項1記載の式(I)で示される化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物および該塩の溶媒和物。
【請求項3】
Aが、−CH2−または−SO2−であり;
1が、水素、(C1−C6)アルキル、(C2−C4)アルケニルまたはシクロプロピルであり(ここで、
(C1−C6)アルキルおよび(C2−C4)アルケニルは、フッ素、オキソ、トリフルオロメチル、フェニル、−OR10、−NR1112、−C(=O)−OR13および−C(=O)−NR1415からなる群から互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよい(ここで、
フェニルは、フッ素、塩素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシカルボニル、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルからなる群から互いに独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよく、
10、R11、R12、R13、R14およびR15は、互いに独立して、水素またはメチルである));
2が、塩素、臭素、トリフルオロメチル、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ、モノ−(C1−C4)−アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)−アルキルアミノ、シクロプロピルまたはフェニルであり(ここで、
フェニルは、フッ素、塩素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシおよびトリフルオロメトキシからなる群から互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい);
3が、水素またはメトキシであり;
4が、メチルカルボニル、エチルカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルまたはジ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルであり(ここで、
モノ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルおよびジ−(C1−C6)−アルキルアミノカルボニルは、フッ素、トリフルオロメチル、メチル、エチルおよびフェニルからなる群から互いに独立して選択される1〜4個の置換基によって置換されていてもよい(ここで、
フェニルは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、メチル、エチル、トリフルオロメトキシ、メトキシおよびエトキシからなる群から互いに独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい));
5が、フッ素、塩素またはトリフルオロメチルであり;
nが、0または1である、
請求項1または2記載の式(I)で示される化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物および該塩の溶媒和物。
【請求項4】
請求項1〜3記載の式(I)で示される化合物の製造方法であって、
[A] 不活性溶媒中にて好適な塩基の存在下で式(II):
【化2】

[式中、R1およびR2は、それぞれ、請求項1〜3における定義と同じである]
で示される化合物を式(III):
【化3】

[式中、A、n、R3、R4およびR5は、それぞれ、請求項1〜3における定義と同じであり、
1は、ハロゲン、特に、塩素である]
で示される化合物と反応させること、
または
[B] 不活性溶媒中にて標準的な方法によって式(IV):
【化4】

[式中、A、n、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ、請求項1〜3における定義と同じであり、
PG1は、好適な保護基、例えば、アリルである]
で示される化合物から保護基PG1を除去し、
得られた式(V):
【化5】

[式中、A、n、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ、請求項1〜3における定義と同じである]
で示される化合物を好適な塩基の存在下にて式(VI):
【化6】

[式中、R1は、請求項1〜3における定義と同じであり、
2は、脱離基、例えば、ハロゲン、メシラートまたはトシラートである]
で示される化合物と反応させること、
および
所望により、得られた式(I)で示される化合物を対応する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸によりそれらの溶媒和物、塩および/または該塩の溶媒和物に変換してもよいこと
を特徴とする方法。
【請求項5】
疾患の治療および/または予防のための請求項1〜3いずれか1項記載の式(I)で示される化合物。
【請求項6】
急性および慢性心不全、循環血液量過多性および循環血液量正常性低ナトリウム血症、肝硬変、腹水症、浮腫ならびにADH不適合分泌症候群(SIADH)の治療方法および/または予防方法において使用するための請求項1〜3いずれか1項記載の式(I)で示される化合物。
【請求項7】
急性および慢性心不全、循環血液量過多性および循環血液量正常性低ナトリウム血症、肝硬変、腹水症、浮腫ならびにADH不適合分泌症候群(SIADH)の治療および/または予防のための薬剤の製造のための請求項1〜3いずれか1項記載の式(I)で示される化合物の使用。
【請求項8】
請求項1〜3いずれか1項記載の式(I)で示される化合物を不活性無毒性の医薬的に好適な賦形剤と組み合わせて含む薬剤。
【請求項9】
請求項1〜3いずれか1項記載の式(I)で示される化合物を利尿薬、アンジオテンシンAII拮抗薬、ACE阻害剤、β受容体遮断薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬、有機硝酸塩、NO供与体、および陽性変力活性を有する物質からなる群から選択される1つ以上のさらなる活性成分と組み合わせて含む薬剤。
【請求項10】
急性および慢性心不全、循環血液量過多性および循環血液量正常性低ナトリウム血症、肝硬変、腹水症、浮腫ならびにADH不適合分泌症候群(SIADH)の治療および/または予防のための請求項8または9記載の薬剤。
【請求項11】
請求項1〜3いずれか1項記載の式(I)で示される少なくとも1つの化合物または請求項8〜10いずれか1項記載の薬剤の有効量を使用する、ヒトおよび動物における急性および慢性心不全、循環血液量過多性および循環血液量正常性低ナトリウム血症、肝硬変、腹水症、浮腫ならびにADH不適合分泌症候群(SIADH)の治療方法および/または予防方法。

【公表番号】特表2012−510957(P2012−510957A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538874(P2011−538874)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008418
【国際公開番号】WO2010/063402
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(507113188)バイエル・ファルマ・アクチェンゲゼルシャフト (141)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Pharma Aktiengesellschaft
【Fターム(参考)】