説明

置換1,1,1−トリフルオロ−3−[(ベンジル)−(ピリミジン−2−イル)−アミノ]−プロパン−2−オール化合物

置換1,1,1−トリフルオロ−3−[(ベンジル)−(ピリミジン−2−イル)−アミノ]−プロパン−2−オール化合物、そのような化合物を含有する医薬組成物ならびに高密度リポタンパク質−コレステロールを含む特定の血漿脂質レベルを上昇させかつLDL−コレステロールおよびトリグリセリドなどの特定の他の血漿脂質レベルを低下させ、したがって、ヒトを含む一部の哺乳動物におけるアテローム性動脈硬化症および心血管疾患などの低レベルのHDLコレステロールおよび/または高レベルのLDL−コレステロールおよびトリグリセリドによって悪化する疾患を治療するためのそのような化合物の使用。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換1,1,1−トリフルオロ−3−[(ベンジル)−(ピリミジン−2−イル)−アミノ]−プロパン−2−オール化合物、そのような化合物を含有する医薬組成物ならびに高密度リポタンパク質(HDL)−コレステロールを含む特定の血漿脂質レベルを上昇させかつ低密度リポタンパク質(LDL)−コレステロールおよびトリグリセリドなどの特定の他の血漿脂質レベルを低下させ、したがって、ヒトを含む特定の哺乳動物(すなわち、それらの血漿中にCETPを有する哺乳動物)におけるアテローム性動脈硬化症および心血管疾患などの低レベルのHDLコレステロールおよび/または高レベルのLDL−コレステロールおよびトリグリセリドの影響を受ける疾患を治療するためのそのような化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アテローム性動脈硬化症およびそれに関連する冠動脈疾患(CAD)は、工業化世界における死亡の主要原因である。二次的リスクファクター(喫煙、肥満、運動不足)を修正しようとする試みならびに食事内容の改善および薬物療法による異常脂質血症の治療にもかかわらず、冠動脈性心疾患(CHD)は、米国における死亡の最も一般的な原因のままであり、心血管疾患は、全死亡のうちの44%を占め、これらのうちの53%は、アテローム冠動脈硬化性心疾患と関連している。
【0003】
この状態が発症するリスクは、特定の血漿脂質レベルと強く相関していることが明らかにされている。LDL−Cの上昇は、異常脂質血症の最も知られた形態であるが、それは、決してCHDに対する唯一の有意な脂質関連寄与者ではない。低いHDL−Cも、CHDの知られているリスクファクターである(Gordon,D.J.他、:「High−density Lipoprotein Cholesterol and Cardiovascular Disease」、Circulation、(1989)、79:8〜15)。
【0004】
高いLDL−コレステロールおよびトリグリセリドレベルは、心血管疾患を発症するリスクと正相関するが、高レベルのHDL−コレステロールは、そのようなリスクと逆相関する。したがって、異常脂質血症は、CHDの単一リスクプロファイルではなく、1つまたは複数の脂質異常からなっていることがある。
【0005】
これらの疾患依存性成分の血漿レベルを制御する多くのファクターの中でも、コレステリルエステル転送タンパク質(CETP)活性は、3つすべてに影響を及ぼす。ヒトを含む多くの動物種で見出されるこの70,000ダルトンの血漿糖タンパク質の役割は、高密度リポタンパク質(HDL)、低密度リポタンパク質(LDL)、超低密度リポタンパク質(VLDL)、およびカイロミクロンを含むリポタンパク質粒子間でコレステリルエステルおよびトリグリセリドを転送することである。CETP活性の最終結果は、HDLコレステロールの低下およびLDLコレステロールの増加である。リポタンパク質プロファイルに対するこの効果は、脂質プロファイルがCHDのリスク増加の構成要素となる対象では特に、アテローム生成的(proatherogenic)と考えられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
今日、完全に満足できるHDL上昇療法は市場に出ていない。ナイアシンは、HDLを有意に増加させることができるが、コンプライアンスを低下させる重大な耐性問題を有する。フィブラートおよびHMG CoA還元酵素阻害剤は、HDL−Cを上昇させるが、一部の患者において、結果は、ささやかな割合の増加(約10〜12%)である。結果として、血漿HDLレベルを上昇させ、それによってアテローム性動脈硬化症の進行を逆転させるか、あるいは遅らせる認可された治療剤に対する満たされていない医療ニーズが存在する。
【0007】
したがって、様々な抗アテローム性動脈硬化症療法が存在するが、この技術分野には代替療法の継続的必要性および継続的探索が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、式Iによる化合物、または薬学的に許容できる前記化合物の塩を対象とし、
【0009】
【化1】

式中、
は、5−ブロモ−2−フルオロフェノキシ、4−ブロモ−3−フルオロフェノキシ、4−ブロモフェノキシ、4−ブトキシフェノキシ、2−クロロフェノキシ、3−クロロフェノキシ、4−クロロ−3−エチルフェノキシ、4−クロロ−3−メチルフェノキシ、2−クロロ−4−フルオロフェノキシ、4−クロロ−2−フルオロフェノキシ、4−クロロフェノキシ、3−クロロ−4−エチルフェノキシ、3−クロロ−4−メチルフェノキシ、3−クロロ−4−フルオロフェノキシ、4−クロロ−3−フルオロフェノキシ、2,3−ジクロロフェノキシ、2,4−ジクロロフェノキシ、3,4−ジクロロフェノキシ、3,4−ジフルオロフェノキシ、3,5−ジフルオロフェノキシ、2,3−ジフルオロフェノキシ、2,4−ジフルオロフェノキシ、2,5−ジフルオロフェノキシ、3,5−ジメトキシフェノキシ、3−ジメチルアミノフェノキシ、3,5−ジメチルフェノキシ、3,4−ジメチルフェノキシ、2−エチルフェノキシ、3−エチルフェノキシ、4−エチルフェノキシ、4−エチルアミノフェノキシ、3−エチル−5−メチルフェノキシ、2−フルオロ−3−メチルフェノキシ、3−フルオロ−4−メチルフェノキシ、3−フルオロフェノキシ、3−フルオロ−2−ニトロフェノキシ、2−フルオロフェノキシ、4−フルオロ−3−メチルフェノキシ、4−フルオロフェノキシ、2−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェノキシ、2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ、3−イソプロピルフェノキシ、4−イソプロピル−3−メチルフェノキシ、2−メチルフェノキシ、3−メチルフェノキシ、3−メチル−4−メチルチオフェノキシ、4−メチルフェノキシ、4−メチルチオフェノキシ、3−メトキシフェノキシ、2−ナフチルオキシ、2−ニトロフェノキシ、4−ニトロフェノキシ、フェノキシ、4−プロピルフェノキシ、4−プロポキシフェノキシ、3−tert−ブチルフェノキシ、4−tert−ブチルフェノキシ、2−(5,6,7,8−テトラヒドロナフチル)−オキシ、4−トリフルオロメトキシフェノキシ、3−トリフルオロメトキシフェノキシ、4−トリフルオロメチルフェノキシ、3−トリフルオロメチルフェノキシ、2,3,4−トリフルオロフェノキシ、2,3,5−トリフルオロフェノキシ、3,4,5−トリメチルフェノキシ、3−ジフルオロメトキシフェノキシ、3−ペンタフルオロエチルフェノキシ、3−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェノキシまたは3−トリフルオロメチルチオフェノキシであり、
は、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ、ペンタフルオロエチル、トリフルオロメトキシ、またはトリフルオロメチルである。
【0010】
さらに、本発明は、哺乳動物においてアテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、冠動脈性心疾患、冠血管疾患、末梢血管疾患、異常脂質血症、高βリポタンパク質血症、低αリポタンパク質血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症または心筋梗塞を治療するための方法であって、そのような治療を必要としている哺乳動物に、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、冠動脈性心疾患、冠血管疾患、末梢血管疾患、異常脂質血症、高βリポタンパク質血症、低αリポタンパク質血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症または心筋梗塞を治療する量の本発明の化合物、または薬学的に許容できる前記化合物の形態を投与することによる方法を提供する。
【0011】
さらに、本発明は、治療有効量の本発明の化合物、または薬学的に許容できる前記化合物の形態および薬学的に許容できるビヒクル、希釈剤または担体を含む医薬組成物を提供する。
【0012】
さらに、本発明は、哺乳動物においてアテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、冠動脈性心疾患、冠血管疾患、末梢血管疾患、異常脂質血症、高βリポタンパク質血症、低αリポタンパク質血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症または心筋梗塞を治療するための医薬組成物であって、治療有効量の本発明の化合物、または薬学的に許容できる前記化合物の形態および薬学的に許容できるビヒクル、希釈剤または担体を含む医薬組成物を提供する。
【0013】
さらに、本発明は、
第一の化合物(前記第一の化合物は、本発明の化合物、または薬学的に許容できる前記化合物の形態である)、
第二の化合物(前記第二の化合物は、HMG CoA還元酵素阻害剤、MTP/アポB分泌阻害剤、PPAR調節剤、胆汁酸再取り込み阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、コレステロール合成阻害剤、フィブラート、ナイアシン、徐放性ナイアシン、ナイアシンとロバスタチンの組合せ、イオン交換樹脂、抗酸化剤、ACAT阻害剤または胆汁酸分離剤(好ましくはHMG−CoA還元酵素阻害剤、PPAR調節剤、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、ロスバスタチンまたはピタバスタチン)である)、および
薬学的ビヒクル、希釈剤または担体を含む治療有効量の組成物を含む医薬組合せ組成物を提供する。この組成物を用い、アテローム性動脈硬化症を含む上述の疾患を治療することができる。
【0014】
また、本発明は、哺乳動物において治療効果を得るためのキットであって、一緒に包装されている治療有効量の本発明の化合物、そのプロドラッグ、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは前記プロドラッグの塩および薬学的に許容できる担体を含む第一の治療剤、治療有効量のHMG CoA還元酵素阻害剤、PPAR調節剤、コレステロール吸収阻害剤、コレステロール合成阻害剤、フィブラート、ナイアシン、徐放性ナイアシン、ナイアシンとロバスタチンの組合せ、イオン交換樹脂、抗酸化剤、ACAT阻害剤または胆汁酸分離剤および薬学的に許容できる担体を含む第二の治療剤ならびに治療効果を得るための前記第一および第二の薬剤の投与説明書を含むキットを提供する。
【0015】
上記の一般的説明と以下の詳細な説明は共に、特許請求の範囲に記載されているように、例示的かつ説明的であるに過ぎず、本発明を制限するものではないことが理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、本発明の例示的な実施形態の以下の詳細な説明およびその中に含まれる実施例を参照することにより、より容易に理解することができる。
【0017】
本発明の化合物、組成物および方法について開示および記載する前に、本発明は、製造する具体的合成方法に限定されず、言うまでもなく変わることがあることが理解されるべきである。本明細書で使用する用語法は、特定の実施形態のみについて記載するためであって、限定することを意図していないことも理解されるべきである。
【0018】
本発明は、薬学的に許容できる本発明の化合物の酸付加塩にも関する。薬学的に許容できる本発明の上述の塩基化合物の酸付加塩を調製するのに使用される酸は、非毒性の酸付加塩、(すなわち、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、重酒石酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、糖酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸塩))などの薬理学的に許容できる陰イオンを含む塩)を形成する酸である。
【0019】
本発明は、本発明の化合物の塩基付加塩にも関する。薬学的に許容できる酸性の性質である本発明の化合物の塩基塩を調製するための試薬として使用することができる化学塩基は、そのような化合物と非毒性の塩基塩を形成する化学塩基である。そのような非毒性の塩基塩には、アルカリ金属陽イオン(例えば、カリウムおよびナトリウム)およびアルカリ土類金属陽イオン(例えば、カルシウムおよびマグネシウム)などの薬理学的に許容できる陽イオンから誘導される塩、アンモニウム塩もしくはN−メチルグルカミン−(メグルミン)などの水溶性のアミン付加塩、ならびに薬学的に許容できる有機アミンの低級アルカノールアンモニウムおよび他の塩基塩が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
通常の技量の化学者は、本発明の特定の化合物が、特定の立体化学的または幾何学的立体配置をとり、立体異性体および立体配置異性体を生じる1つまたは複数の原子を含むことを認識しているであろう。すべてのそのような異性体およびそれらの混合物は、本発明に含まれる。本発明の化合物の水和物および溶媒和物も含まれる。
【0021】
本発明の化合物が2つ以上のステレオ中心を有し、絶対または相対立体化学が名前で示されている場合、記号表示RおよびSはそれぞれ、各分子について従来のIUPAC番号スキームよる昇順の番号順(1、2、3、など)で各ステレオ中心を指す。本発明の化合物が1つまたは複数のステレオ中心を有し、名前または構造で立体化学が示されていない場合、名前および構造は、ラセミ体を含む化合物のすべての形態を包含することを意図していることが理解される。
【0022】
本発明の化合物は、オレフィン様二重結合を含むことがある。そのような結合が存在する場合、本発明の化合物は、シスおよびトランス立体配置として、ならびにそれらの混合物として存在する。用語「シス」は、お互いと環平面に関する2つの置換基の方向(共に「上へ」か共に「下へ」のどちらか)を指す。同じように、用語「トランス」は、お互いと環平面に関する2つの置換基の方向(置換基は、環の反対側にある)を指す。
【0023】
αおよびβは、環平面に関する置換基の方向を指す。βは、環平面の上方であり、αは、環平面の下方である。
【0024】
本発明には、1つまたは複数の原子が、特定の原子量または原子番号を有する1つまたは複数の原子によって置き換えられている事実を除き、式Iによって記載される化合物と同一である同位体標識化合物も含まれる。本発明の化合物に組み入れることができる同位体の例には、それぞれH、H、13C、14C、15N、18O、17O、18F、および36Clなどの水素、炭素、窒素、酸素、イオウ、フッ素、および塩素の同位体が含まれる。上述の同位体および/または他の原子の他の同位体を含む本発明の化合物、それらのプロドラッグ、および薬学的に許容できる化合物またはプロドラッグの塩は、本発明の範囲内にある。本発明の特定の同位体標識化合物、例えばHおよび14Cなどの放射性同位体が組み入れられている化合物は、薬物および/または基質の組織分布アッセイに有用である。トリチウム化(すなわち、H)、および炭素−14(すなわち、14C)、同位体は、それらを調製する容易さおよび検出性から特に好ましい。さらに、重水素(すなわち、H)などのより重い同位体による置換は、より大きな代謝安定性、例えばin vivo半減期の増加または必要用量の減少による特定の治療上の利点を与えることができ、したがって、ある環境において好ましいことがある。本発明の同位体標識化合物およびそれらのプロドラッグは、一般的に、以下のスキームおよび/または実施例に開示されている手順を行い、非同位体標識試薬の代わりに容易に入手可能な同位体標識試薬を用いることによって調製することができる。
【0025】
本明細書および続く特許請求の範囲において、以下の意味を有すると定義されるべき多くの用語について言及する。
【0026】
本明細書で使用する用語哺乳動物は、それらの血漿中にCETPを含むすべての哺乳動物、例えば、雄性および雌性を含むウサギならびにサルおよびヒトなどの霊長類を指すことになっている。特定の他の哺乳動物、例えば、イヌ、ネコ、ウシ、ヤギ、ヒツジおよびウマは、それらの血漿中にCETPを含まないため、本明細書に含まれない。
【0027】
本明細書で使用する用語「治療すること」、「治療する」または「治療」には、予防的(preventative)(例えば、予防的(prophylactic))および姑息的治療が含まれる。
【0028】
「薬学的に許容できる」とは、担体、希釈剤、賦形剤、および/または塩が、製剤の他の成分と適合していなければならず、そのレシピエントに対して有害でないことを意味する。
【0029】
「化合物」には、本明細書で使用される場合、配座異性体(例えば、シスおよびトランス異性体)およびすべての光学異性体(例えば、鏡像異性体およびジアステレオマー)、そのような異性体のラセミ、ジアステレオマーおよび他の混合物、ならびに溶媒和物、水和物、同形体、多形体、互変異性体、エステル、塩形態、およびプロドラッグを含む任意の薬学的に許容できる誘導体または変形形態が含まれる。「互変異性体」とは、平衡にある異なる構造の2つ以上の形態(異性体)で存在することができる化合物を意味し、それらの形態は、通常、水素原子の位置が異なっている。ケト−エノール、環−鎖および環−環互変異性を含む様々なタイプの互変異性が生じることがある。表現「プロドラッグ」は、投与後に、いくつかの化学的または生理学的プロセスを介してin vivoで薬物を放出する薬物前駆体である化合物を指す(例えば、あるプロドラッグは、生理学的pHにされるか、または酵素作用により、望ましい薬物形態に変換される)。例示的プロドラッグは、切断されて対応する遊離の酸を放出し、本発明の化合物のそのような加水分解可能なエステル形成残基には、遊離水素が、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルオキシメチル、4〜9個の炭素原子を有する1−(アルカノイルオキシ)エチル、5〜10個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルカノイルオキシ)−エチル、3〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4〜7個の炭素原子を有する1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5〜8個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3〜9個の炭素原子を有するN−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4〜10個の炭素原子を有する1−(N−(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3−フタリジル、4−クロトノラクトニル、γ−ブチロラクトン−4−イル、ジ−N,N−(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル(β−ジメチルアミノエチルなど)、カルバモイル−(C〜C)アルキル、N,N−ジ(C〜C)アルキルカルバモイル−(C〜C)アルキルおよびピペリジノ−、ピロリジノ−またはモルホリノ(C〜C)アルキルによって置き換えられているカルボキシル部分を有する残基が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
本明細書で使用する表現「反応不活性溶媒」および「不活性溶媒」は、望ましい生成物の収率に悪影響を及ぼすように出発材料、試薬、中間体または生成物と相互作用しない溶媒またはその混合物を指す。
【0031】
本発明の化合物の一実施形態において、Rは、5−ブロモ−2−フルオロフェノキシ、4−クロロ−3−エチルフェノキシ、2,3−ジクロロフェノキシ、3,4−ジクロロフェノキシ、3−ジフルオロメトキシフェノキシ、3,5−ジメチルフェノキシ、3,4−ジメチルフェノキシ、3−エチルフェノキシ、3−エチル−5−メチルフェノキシ、4−フルオロ−3−メチルフェノキシ、4−フルオロフェノキシ、3−イソプロピルフェノキシ、3−メチルフェノキシ、3−ペンタフルオロエチルフェノキシ、3−tert−ブチルフェノキシ、3−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェノキシ、2−(5,6,7,8−テトラヒドロナフチルオキシ)、3−トリフルオロメトキシフェノキシまたは3−トリフルオロメチルチオフェノキシである。
【0032】
本発明の化合物の別の実施形態において、Rは、4−クロロ−3−エチルフェノキシ、3,4−ジクロロフェノキシ、3,4−ジメチルフェノキシ、3−エチルフェノキシ、4−フルオロ−3−メチルフェノキシ、3−イソプロピルフェノキシ、3−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェノキシまたは3−トリフルオロメトキシフェノキシである。
【0033】
他の実施形態において、Rは、4−クロロ−3−エチルフェノキシまたは3,4−ジメチルフェノキシである。
【0034】
別の実施形態において、Rは、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシである。
【0035】
別の実施形態において、化合物は、(R)−3−{[4−(3,4−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イル]−[3−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−ベンジル]−アミノ}−1,1,1−トリフルオロ−プロパン−2−オールもしくは(R)−3−{[4−(4−クロロ−3−エチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イル]−[3−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−ベンジル]−アミノ}−1,1,1−トリフルオロ−プロパン−2−オールまたは薬学的に許容できる前記化合物の塩である。
【0036】
本発明の方法の一実施形態において、アテローム性動脈硬化症が治療される。
【0037】
本発明の方法の別の実施形態において、末梢血管疾患が治療される。
【0038】
本発明の方法の別の実施形態において、異常脂質血症が治療される。
【0039】
本発明の方法の別の実施形態において、高βリポタンパク質血症が治療される。
【0040】
本発明の方法の別の実施形態において、低αリポタンパク質血症が治療される。
【0041】
本発明の方法の別の実施形態において、家族性高コレステロール血症が治療される。
【0042】
本発明の方法の別の実施形態において、冠動脈疾患が治療される。
【0043】
本発明の方法の別の実施形態において、心筋梗塞が治療される。
【0044】
本発明の組合せまたはキットの一実施形態において、第二の化合物は、HMG−CoA還元酵素阻害剤またはPPAR調節剤である。
【0045】
本発明の組合せまたはキットの別の実施形態において、第二の化合物は、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、ロスバスタチンまたはピタバスタチンである。
【0046】
本発明の組合せまたはキットの別の実施形態において、組合せは、コレステロール吸収阻害剤をさらに含み、コレステロール吸収阻害剤は、エゼチミブであってよい。
【0047】
一般に、本発明の化合物は、化学技術において知られているプロセスと類似したプロセスが含まれるプロセスにより、特に本明細書に含まれている説明を踏まえて製造することができる。本発明の化合物を製造するための特定のプロセスは、本発明の他の特徴として提供され、以下の反応スキームによって図示される。他のプロセスについては、実験の項に記載することができる。
【0048】
本明細書に記載されている反応スキームは、示されている実施例の多くの調製に用いられる方法論の一般的説明を提供することを意図している。しかしながら、実験の項に示されている詳細な説明から、用いられる調製の様式が、本明細書に記載されている一般手順よりもさらに広がることは明らかであろう。特に、これらのスキームに従って調製される化合物をさらに修飾して、本発明の範囲内にある新たな実施例を提供することができることが注目される。例えば、エステル官能基を、当業者によく知られている手順を用いてさらに反応させ、別のエステル、アミド、カルビノールまたはケトンを得ることができる。
【0049】
【化2】

【0050】
本発明の化合物をスキーム1の反応に従って合成した。
【0051】
式VIIIの化合物は、Luo,G.;Chen,L.:Poindexter,G.S.Tetrahedron Lett.2002、43、5739〜5742に記載されている手順に類似した手順を用い、対応する式IVおよび式VII化合物から調製した。
【0052】
式IVの化合物は、Sekiya,T.;Hiranuma,H.;Kanayama,T.;Hata,S.;Yamada,S.Eur.J.Med.Chem.1982、17、75〜79に記載されている手順に類似した手順を用い、対応する式II化合物および式III化合物から調製した。
【0053】
式VIIの化合物は、Dunn,C.;Gibson,C.L.:Suckling,C.J.Tetrahedron 1996、52、13017〜13026に記載されている手順に類似した手順を用い、対応する式V化合物および式VI化合物から調製した。
【0054】
式VIの化合物は、市販されているか、あるいはAlbericio,F.;Kneib−Cordonier,N.:Biancalana,S.;Gera,L.;Masada,R.I.;Hudson,D.;Barany,G.J.Org.Chem.1990、55、3730〜3743およびGannett,P.M.;Nagel,D.L.;Reilly,P.J.;Lawson,T.;Sharpe,J.;Toth B.J.Org.Chem.1988、53、1064〜1071に記載されている手順に類似した手順を用い、対応するベンズアルデヒドから調製した。
【0055】
式V化合物は、Ramachandran,P.V.;Gong,B.;Brown,H.C.J.Org.Chem.1995、60、41〜46に記載されている手順に従って調製した。
【0056】
最初の注記として、化合物の調製において、本明細書に記載されている化合物の調製に有用な調製方法の一部は、遠くの官能基(例えば、中間体における一級アミン、二級アミン、カルボキシル)の保護を必要とすることがあることが注目される。そのような保護の必要性は、遠くの官能基の性質および調製方法の条件によって変わるであろう。そのような保護の必要性は、当業者により容易に決定される。そのような保護/脱保護方法の使用も、当業者の範囲内にある。保護基およびそれらの使用の一般的説明については、T.W.Greene、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley & Sons、New
York、1991を参照されたい。
【0057】
例えば、反応スキームにおいて、特定の化合物は、保護しないままの場合に、分子の他の部位における反応を妨害することがある一級アミンまたはカルボン酸官能基を含む。したがって、そのような官能基を、その後のステップにおいて除去することができる適切な保護基によって保護することができる。アミンおよびカルボン酸保護に適している保護基には、記載されている反応条件下で一般に化学的に反応性でなく、通常は化合物中の他の官能基を化学的に変化させることなしに除去することができる、ペプチド合成において一般的に使用される保護基(アミンの場合のN−t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、および9−フルオレニルメチレノキシカルボニル(fluorenylmethylenoxycarbonyl)ならびにカルボン酸の場合の低級アルキルまたはベンジルエステルなど)が含まれる。
【0058】
本発明の化合物のプロドラッグは、当業者に知られている方法に従って調製することができる。例示的プロセスを以下に記載する。
【0059】
カルボン酸の化合物中のカルボキシル基がエステルによって置き換えられている本発明のプロドラッグは、カルボン酸を、約0〜100℃の温度にて約1〜約24時間、ジメチルホルムアミドなどの不活性溶媒中で炭酸カリウムなどの塩基の存在下に適切なハロゲン化アルキルと混ぜ合わせることによって調製することができる。あるいは、酸を、約20〜100℃の温度にて、好ましくは還流しながら約1時間〜約24時間、濃硫酸などの触媒量の酸の存在下に溶媒としての適切なアルコールと混ぜ合わせる。別の方法は、生成している水を物理的(例えば、Dean−Starkトラップ)または化学的(例えば、モレキュラーシーブ)手段によって同時に除去しながら、トルエンまたはテトラヒドロフランなどの不活性溶媒中で触媒量の酸の存在下に酸を化学量論的量のアルコールと反応させるものである。
【0060】
アルコール機能がエーテルとして誘導体化されている本発明のプロドラッグは、約0〜100℃の温度にて約1〜約24時間、ジメチルホルムアミドなどの不活性溶媒中、炭酸カリウムなどの塩基の存在下にアルコールを適切な臭化アルキルまたはヨウ化アルキルと混ぜ合わせることによって調製することができる。アルカノイルアミノメチルエーテルは、米国第4,997,984号に記載されている方法に従い、テトラヒドロフランなどの不活性溶媒中、触媒量の酸の存在下に、アルコールとビス−(アルカノイルアミノ)メタンとの反応によって得ることができる。あるいは、これらの化合物は、J.Org.Chem.1994、59、3530にHoffman他によって記載されている方法によって調製することができる。
【0061】
グリコシドは、酸の存在下にトルエンなどの不活性溶媒中、アルコールと炭水化物の反応によって調製される。通常、反応中に生成する水は、上記に記載されているように、生成する間に除去される。代替手順は、塩基の存在下でのアルコールと適当に保護されたハロゲン化グリコシルとの反応と、続く脱保護である。
【0062】
N−(1−ヒドロキシアルキル)アミド、N−(1−ヒドロキシ−1−(アルコキシカルボニル)メチル)アミドは、25〜70℃の温度にて中性または塩基性条件(例えば、エタノール中のナトリウムエトキシド)の下での親アミドと適切なアルデヒドとの反応によって調製することができる。N−アルコキシメチルまたはN−1−(アルコキシ)アルキル誘導体は、不活性溶媒中の塩基存在下でのN−非置換化合物と必要なハロゲン化アルキルの反応によって得ることができる。
【0063】
本発明の化合物は、本明細書に記載されている疾患/条件を治療するために他の医薬品(例えば、LDL−コレステロール低下剤、トリグリセリド低下剤)と併せて使用することもできる。例えば、本発明の化合物は、HMG−CoA還元酵素阻害剤、コレステロール合成阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、別のCETP阻害剤、MTP/アポB分泌阻害剤、PPAR調節剤およびフィブラートなどの他のコレステロール低下剤、ナイアシン、イオン交換樹脂、抗酸化剤、ACAT阻害剤、および胆汁酸分離剤と組み合わせて使用することができる。他の医薬品には、以下の胆汁酸再取り込み阻害剤、回腸胆汁酸トランスポーター阻害剤、ACC阻害剤、抗高血圧薬(NORVASC(登録商標)など)、選択的エストロゲン受容体調節剤、選択的アンドロゲン受容体調節剤、抗生物質、抗糖尿病薬(メトホルミン、PPARγ活性化剤、スルホニル尿素、インスリン、アルドースレダクターゼ阻害剤(ARI)およびソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤(SDI)など)、およびアスピリン(アセチルサリチル酸または一酸化窒素放出アスピリン)も含まれるであろう。徐放性形態のナイアシンは、利用可能であり、Niaspanとして知られている。ナイアシンは、HMG−CoA還元酵素阻害剤であり、以下でさらに記載されるスタチン、すなわち、ロバスタチンなどの他の治療剤と組み合わせることもできる。この組合せ療法は、ADVICOR(登録商標)(Kos Pharmaceuticals Inc.)として知られている。組合せ療法治療において、本発明の化合物と他の薬物療法は共に、従来の方法によって哺乳動物(例えば、男性または女性のヒト)に投与される。
【0064】
本発明の組合せ態様では、任意のHMG−CoA還元酵素阻害剤を使用することができる。用語HMG−CoA還元酵素阻害剤は、酵素HMG−CoA還元酵素によって触媒されるヒドロキシメチルグルタリル−補酵素Aのメバロン酸への生物変換を阻害する化合物を指す。そのような阻害は、標準的アッセイ(例えば、Meth.Enzymol.1981;71:455〜509およびその中で引用されている参考文献)に従って当業者により容易に決定される。様々なこれらの化合物について以下に記載および言及するが、他のHMG−CoA還元酵素阻害剤が当業者に知られているはずである。米国特許第4,231,938号(その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする)は、ロバスタチンなどの、アスペルギルス(Aspergillus)属に属する微生物の培養後に単離される特定の化合物を開示している。また、米国特許第4,444,784号(その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする)は、シンバスタチンなどの、上述の化合物の合成誘導体を開示している。また、米国特許第4,739,073号(その開示は、参照により組み込まれるものとする)は、フルバスタチンなどの、特定の置換インドールを開示している。また、米国特許第4,346,227号(その開示は、参照により組み込まれるものとする)は、プラバスタチンなどの、ML−236B誘導体を開示している。また、EP−491226A(その開示は、参照により組み込まれるものとする)は、セリバスタチンなどの、特定のピリジルジヒドロキシヘプテン酸を開示している。さらに、米国特許第5,273,995号(その開示は、参照により組み込まれるものとする)は、アトルバスタチンなどの特定の6−[2−(置換−ピロール−1−イル)アルキル]ピラン−2−オンおよび任意の薬学的に許容できるそれらの形態(すなわち、LIPITOR(登録商標))を開示している。追加のHMG−CoA還元酵素阻害剤には、ロスバスタチンおよびピタバスタチンが含まれる。スタチンには、米国再発行特許第37,314E号に開示されているロスバスタチン、EP304063B1および米国特許第5,011,930号に開示されているピタバスタチン;参照により本明細書に組み込まれている米国特許第3,983,140号に開示されているメバスタチン;米国特許第4,448,784号および米国特許第4,450,171号(共に、参照により本明細書に組み込まれるものとする)に開示されているベロスタチン;参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,804,770号に開示されているコンパクチン;欧州特許出願公開第738510A2号に開示されているダルバスタチン;欧州特許出願公開第363934A1号に開示されているフルインドスタチン;および参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,450,171号に開示されているジヒドロコンパクチンなどの化合物も含まれる。
【0065】
本発明の組合せ態様では、任意のPPAR調節剤を使用することができる。用語PPAR調節剤は、哺乳動物、特にヒトにおいて、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)活性を調節する化合物を指す。そのような調節は、文献で知られている標準的アッセイに従って当業者により容易に決定される。そのような化合物は、PPAR受容体を調節することにより、脂肪酸酸化におけるなどの脂質およびグルコース代謝に関与する鍵遺伝子転写、そしてまた高密度リポタンパク質(HDL)集合体に関与する鍵遺伝子の転写(例えば、アポリポタンパク質AI遺伝子転写)を調節し、したがって、全身の脂肪を減少させHDLコレステロールを増加させると考えられている。それらの活性によって、これらの化合物は、哺乳動物、特にヒトにおいて、トリグリセリド、VLDLコレステロール、LDLコレステロールおよびアポリポタンパク質Bなどのそれらに関連する成分の血漿レベルを低下させ、同様にHDLコレステロールおよびアポリポタンパク質AIも増加させる。したがって、これらの化合物は、低αリポタンパク質血症および高トリグリセリド血症を含むアテローム性動脈硬化症および心血管疾患の発症および発生に伴って観察される様々な異常脂質血症の治療および是正に有用である。様々なこれらの化合物について以下に記載および言及するが、他のものが当業者に知られているはずである。国際公開第WO02/064549号および第02/064130号ならびに2003年11月24日に出願された米国特許出願第10/720942号および2004年3月10に出願された米国特許出願第60/552114号(それらの開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする)は、PPARα活性化剤である特定の化合物を開示している。
【0066】
本発明の組合せ態様では、その他のPPAR調節剤を使用することができる。特に、PPARβおよび/またはPPARγの調節剤は、本発明の化合物と組み合わせるのに有用である。PPAR阻害剤の例は、{5−メトキシ−2−メチル−4−[4−(4−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−ベンジルスルファニル]−フェノキシ}−酢酸としてUS2003/0225158に記載されている。
【0067】
本発明の組合せ態様では、任意のMTP/アポB(ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質および/またはアポリポタンパク質B)分泌阻害剤を使用することができる。用語MTP/アポB分泌阻害剤は、トリグリセリド、コレステリルエステル、およびリン脂質の分泌を阻害する化合物を指す。そのような阻害は、標準的アッセイ(例えば、Wetterau,J.R.1992;Science 258:999)に従って当業者により容易に決定される。様々なこれらの化合物について以下に記載および言及するが、インプリタプリド(implitapride)(Bayer)ならびにWO96/40640およびWO98/23593(2つの例示的な刊行物)に開示されている化合物などの追加化合物を含む他のMTP/アポB分泌阻害剤が当業者に知られているはずである。
【0068】
例えば、以下のMTP/アポB分泌阻害剤が特に有用である。
4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−2−カルボン酸[2−(1H−[1,2,4,]トリアゾール−3−イルメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アミド;
4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−2−カルボン酸[2−(2−アセチルアミノ−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アミド;
(2−{6−[(4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−2−カルボニル)−アミノ]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル}−エチル)−カルバミン酸メチルエステル;
4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−2−カルボン酸[2−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アミド;
4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−2−カルボン酸[2−(2,2−ジフェニル−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アミド;
4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−2−カルボン酸[2−(2−エトキシ−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アミド;
(S)−N−{2−[ベンジル(メチル)アミノ]−2−オキソ−1−フェニルエチル}−1−メチル−5−[4’−(トリフルオロメチル)[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド]−1H−インドール−2−カルボキサミド;
(S)−2−[(4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−2−カルボニル)−アミノ]−キノリン−6−カルボン酸(ペンチルカルバモイル−フェニル−メチル)−アミド;
1H−インドール−2−カルボキサミド、1−メチル−N−[(1S)−2−[メチル(フェニルメチル)アミノ]−2−オキソ−1−フェニルエチル]−5−[[[4’−(トリフルオロメチル)[1,1’−ビフェニル]−2−イル]カルボニル]アミノ];および
N−[(1S)−2−(ベンジルメチルアミノ)−2−オキソ−1−フェニルエチル]−1−メチル−5−[[[4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]カルボニル]アミノ]−1H−インドール−2−カルボキサミド。
【0069】
本発明の組合せ態様では、任意のHMG−CoA合成酵素阻害剤を使用することができる。用語HMG−CoA合成酵素阻害剤は、酵素HMG−CoA合成酵素によって触媒されるアセチル補酵素Aおよびアセトアセチル補酵素Aからのヒドロキシメチルグルタリル補酵素Aの生合成を阻害する化合物を指す。そのような阻害は、標準的アッセイ(Meth Enzymol.1975;35:155〜160:Meth.Enzymol.1985;110:19〜26およびその中に引用されている参考文献)に従って当業者により容易に決定される。様々なこれらの化合物について以下に記載および言及するが、他のHMG−CoA合成酵素阻害剤が当業者に知られているはずである。米国特許第5,120,729号(その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする)は、特定のβラクタム誘導体を開示している。米国特許第5,064,856号(その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする)は、微生物(MF5253)を培養することによって調製される特定のスピロ−ラクトン誘導体を開示している。米国特許第4,847,271号(その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする)は、11−(3−ヒドロキシメチル−4−オキソ−2−オキセタイル(oxetayl))−3,5,7−トリメチル−2,4−ウンデカ−ジエン酸誘導体などの特定のオキセタン誘導体を開示している。
【0070】
本発明の組合せ態様では、HMG−CoA還元酵素の遺伝子発現を減少させる任意の化合物を使用することができる。これらの薬剤は、DNAの転写をブロックする転写阻害剤またはHMG−CoA還元酵素をコードするmRNAのタンパク質への翻訳を阻止または減少させる翻訳阻害剤であってよい。そのような化合物は、転写かまたは翻訳に直接影響を及ぼしてもよく、またはコレステロール生合成カスケード中の1つまたは複数の酵素によって上述の活性を有する化合物に生体内変換されてもよく、または上述の活性を有するイソプレン代謝産物の蓄積につながってもよい。そのような化合物は、サイト−1プロテアーゼ(S1P)の活性を阻害すること、またはオキシステロール受容体またはSCAPをアゴナイズすることによってSREBP(ステロール受容体結合タンパク質)のレベルを低下させることによりこの効果を引き起こすことができる。そのような調節は、標準的アッセイ(Meth.Enzymol.1985;110:9〜19)に従って当業者により容易に決定される。いくつかの化合物について以下に記載および言及するが、HMG−CoA還元酵素遺伝子発現の他の阻害剤が当業者に知られているはずである。米国特許第5,041,432号(その開示は、参照により組み込まれるものとする)は、特定の15−置換ラノステロール誘導体を開示している。HMG−CoA還元酵素の合成を抑制する他の酸素化ステロールは、E.I.Mercer(Prog.Lip.Res.1993;32:357〜416)によって議論されている。
【0071】
CETP阻害剤としての活性を有する任意の化合物は、本発明の組合せ療法態様における第二の化合物としての役割を果たすことができる。用語CETP阻害剤は、HDLからLDLおよびVLDLへの様々なコレステリルエステルおよびトリグリセリドのコレステリルエステル転送タンパク質(CETP)仲介輸送を阻害する化合物を指す。そのようなCETP阻害活性は、標準的アッセイ(例えば、米国特許第6,140,343号)に従って当業者により容易に決定される。様々なCETP阻害剤、例えば、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第6,140,343号および本発明の譲受人に譲渡された米国特許第6,197,786号に開示されている阻害剤が当業者に知られているはずである。これらの特許に開示されているCETP阻害剤には、トルセトラピブとしても知られている[2R,4S]4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステルなどの化合物が含まれる。CETP阻害剤は、(2R)−3−{[3−(4−クロロ−3−エチル−フェノキシ)−フェニル]−[[3−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−フェニル]−メチル]−アミノ}−1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノールを含む多くのCETP阻害剤を含む米国特許第6,723,752号にも開示されている。さらに、本明細書に含まれるCETP阻害剤は、2004年3月23日に出願された米国特許出願第10/807838号にも記載されている。米国特許第5,512,548号は、CETP阻害剤としての活性を有する特定のポリペプチド誘導体を開示しており、一方、特定のCETP阻害性ロセノノラクトン(rosenonolactone)誘導体およびコレステリルエステルのリン酸含有類縁体は、それぞれJ.Antibiot.、49(8):815〜816(1996)、およびBioorg.Med.Chem.Lett.;6:1951〜1954(1996)に開示されている。
【0072】
本発明の組合せ態様では、任意のスクアレン合成酵素阻害剤を使用することができる。用語スクアレン合成酵素阻害剤は、酵素スクアレン合成酵素によって触媒される、スクアレンを生成するための2分子のファルネシルピロリン酸の縮合を阻害する化合物を指す。そのような阻害は、標準的アッセイ(Meth.Enzymol.1969;15:393〜454およびMeth.Enzymol.1985;110:359〜373ならびにその中に含まれている参考文献)に従って当業者により容易に決定される。様々なこれらの化合物について以下に記載および言及するが、他のスクアレン合成酵素阻害剤が当業者に知られているはずである。米国特許第5,026,554号(その開示は、参照により組み込まれるものとする)は、ザラゴジン酸を含む微生物MF5465(ATCC74011)の発酵産物を開示している。他の特許を得たスクアレン合成酵素阻害剤の要約が編集されている(Curr.Op.Ther.Patents(1993)861〜4)。
【0073】
本発明の組合せ態様では、任意のスクアレンエポキシダーゼ阻害剤を使用することができる。用語スクアレンエポキシダーゼ阻害剤は、酵素スクアレンエポキシダーゼによって触媒される、スクアレンおよび分子酸素のスクアレン−2,3−エポキシドへの生物変換を阻害する化合物を指す。そのような阻害は、標準的アッセイ(Biochim.Biophys.Acta 1984;794:466〜471)に従って当業者により容易に決定される。様々なこれらの化合物について以下に記載および言及するが、他のスクアレンエポキシダーゼ阻害剤が当業者に知られているはずである。米国特許第5,011,859号および第5,064,864号(それらの開示は、参照により組み込まれるものとする)は、スクアレンの特定のフルオロ類縁体を開示している。EP公開395,768A(その開示は、参照により組み込まれるものとする)は、特定の置換アリルアミン誘導体を開示している。PCT公開WO9312069A(その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする)は、特定のアミノアルコール誘導体を開示している。米国特許第5,051,534号(その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする)は、特定のシクロプロピルオキシ−スクアレン誘導体を開示している。
【0074】
本発明の組合せ態様における第二の成分として、任意のスクアレン環化酵素阻害剤を使用することができる。用語スクアレン環化酵素阻害剤は、酵素スクアレン環化酵素によって触媒される、スクアレン−2,3−エポキシドのラノステロールへの生物変換を阻害する化合物を指す。そのような阻害は、標準的アッセイ(FEBS Lett.1989;244:347〜350)に従って当業者により容易に決定される。さらに、以下に記載および言及される化合物は、スクアレン環化酵素阻害剤であるが、他のスクアレン環化酵素阻害剤も当業者に知られているはずである。PCT公開WO9410150(その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする)は、N−トリフルオロアセチル−1,2,3,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−2−アリル−5,5,8(β)−トリメチル−6(β)−イソキノリンアミンなどの特定の1,2,3,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−5,5,8(β)−トリメチル−6−イソキノリンアミン誘導体を開示している。フランス特許公開2697250(その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする)は、1−(1,5,9−トリメチルデシル)−β,β−ジメチル−4−ピペリジンエタノールなどの特定のβ,β−ジメチル−4−ピペリジンエタノール誘導体を開示している。
【0075】
本発明の組合せ態様における第二の成分として、任意の複合スクアレンエポキシダーゼ/スクアレン環化酵素阻害剤を使用することができる。用語複合スクアレンエポキシダーゼ/スクアレン環化酵素阻害剤は、スクアレン−2,3−エポキシド中間体を介するスクアレンのラノステロールへの生物変換を阻害する化合物を指す。一部のアッセイでは、スクアレンエポキシダーゼ阻害剤とスクアレン環化酵素阻害剤を区別することは不可能であるが、これらのアッセイは、当業者によって知られている。したがって、複合スクアレンエポキシダーゼ/スクアレン環化酵素阻害剤による阻害は、スクアレン環化酵素またはスクアレンエポキシダーゼ阻害剤についての上述の標準的アッセイに従って当業者により容易に決定される。様々なこれらの化合物について以下に記載および言及するが、他のスクアレンエポキシダーゼ/スクアレン環化酵素阻害剤が当業者に知られているはずである。米国特許第5,084,461号および第5,278,171号(それらの開示は、参照により組み込まれるものとする)は、特定のアザデカリン誘導体を開示している。EP公開468,434(その開示は、参照により組み込まれるものとする)は、2−(1−ピペリジル)ペンチルイソペンチルスルホキシドおよび2−(1−ピペリジル)エチルエチルスルフィドなどの特定のピペリジルエーテルおよびチオ−エーテル誘導体を開示している。PCT公開WO9401404(その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする)は、1−(1−オキソペンチル−5−フェニルチオ)−4−(2−ヒドロキシ−1−メチル)−エチル)ピペリジンなどの特定のアシル−ピペリジンを開示している。米国特許第5,102,915号(その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする)は、特定のシクロプロピルオキシ−スクアレン誘導体を開示している。
【0076】
本発明の化合物は、血漿コレステロールレベルを低下させるように作用する天然に存在する化合物と組み合わせて投与することもできる。これらの天然に存在する化合物は、栄養補助食品と一般に呼ばれ、例えば、ニンニク抽出物およびナイアシンが含まれる。徐放性形態のナイアシンは、利用可能であり、Niaspanとして知られている。ナイアシンは、ロバスタチンなどの他の治療剤と組み合わせることもでき、もう1つは、HMG−CoA還元酵素阻害剤である。このロバスタチンとの組合せ療法は、ADVICOR(商標)(Kos Pharmaceuticals Inc.)として知られている。
【0077】
本発明の組合せ態様における追加として、任意のコレステロール吸収阻害剤を使用することができる。用語コレステロール吸収阻害は、腸腔内に含まれているコレステロールが腸細胞に入りかつ/または腸細胞内を通過してリンパ系および/または血流に入るのを妨げる、ある化合物の能力を指す。そのようなコレステロール吸収阻害活性は、標準的アッセイ(例えば、J.Lipid Res.(1993)34:377〜395)に従って当業者により容易に決定される。コレステロール吸収阻害剤は、当業者に知られており、例えば、PCT WO94/00480に記載されている。最近認可されたコレステロール吸収阻害剤の一例は、ZETIA(商標)(エゼチミブ)(Schering−Plough/Merck)である。
【0078】
本発明の組合せ療法態様では、任意のACAT阻害剤を使用することができる。用語ACAT阻害剤は、酵素アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼによる食事性コレステロールの細胞内エステル化を阻害する化合物を指す。そのような阻害は、Journal of Lipid Research.、24:1127(1983)に記載されているHeider他の方法などの標準的アッセイに従って当業者が容易に決定することができる。様々なこれらの化合物が当業者に知られており、米国特許第5,510,379号は、特定のカルボキシスルホネートを開示しており、一方、WO96/26948とWO96/10559は共に、ACAT阻害活性を有する尿素誘導体を開示している。ACAT阻害剤の例には、アバシミブ(Avasimibe)(Pfizer)、CS−505(Sankyo)およびエフルシミブ(Eli LillyおよびPierre Fabre)が含まれる。
【0079】
本発明の組合せ療法態様では、リパーゼ阻害剤を使用することができる。リパーゼ阻害剤は、食事性トリグリセリドまたは血漿リン脂質の遊離脂肪酸および対応するグリセリド(例えば、EL、HLなど)への代謝開裂を阻害する化合物である。正常な生理学的条件下で、脂肪分解は、リパーゼ酵素の活性化セリン部分のアシル化を含む二段階プロセスを介して起きる。これは、脂肪酸−リパーゼヘミアセタール中間体の産生につながり、次いで、切断されてジグリセリドを遊離する。さらなる脱アシル化後、リパーゼ−脂肪酸中間体が切断され、遊離リパーゼ、グリセリドおよび脂肪酸をもたらす。腸において、得られる遊離脂肪酸およびモノグリセリドは、胆汁酸−リン脂質ミセル中に組み入れられ、続いて、小腸の刷子縁のレベルにおいて吸収される。ミセルは最終的に、カイロミクロンとして末梢循環に入る。そのようなリパーゼ阻害活性は、標準的アッセイ(例えば、Methods Enzymol.286:190−231)に従って当業者により容易に決定される。
【0080】
膵リパーゼは、1−および3−炭素位置におけるトリグリセリドからの脂肪酸の代謝開裂を仲介する。摂取脂肪の代謝の主要部位は、通常、上部小腸において脂肪の分解に必要な大過剰の量で分泌される膵リパーゼによる十二指腸および近位空腸内である。膵リパーゼは、食事性トリグリセリドの吸収に必要な主要酵素であるため、阻害剤は、肥満および他の関連状態の治療における有用性を有する。そのような膵リパーゼ阻害活性は、標準的アッセイ(例えば、Methods Enzymol.286:190−231)に従って当業者により容易に決定される。
【0081】
胃リパーゼは、食事性脂肪の消化のうちの約10〜40%を担う免疫学的に異なるリパーゼである。胃リパーゼは、機械的刺激、食物の摂取、脂肪性の食事の存在に対応して、または交感神経作用薬によって分泌される。摂取した脂肪の胃脂肪分解は、腸において膵リパーゼ活性を誘発するのに必要とされる脂肪酸の供給に生理学的に重要であり、膵不全に伴う様々な生理学的および病理学的状態における脂肪吸収にも重要である。例えば、C.K.Abrams、他、Gastroenterology、92、125(1987)を参照されたい。そのような胃リパーゼ阻害活性は、標準的アッセイ(例えば、Methods Enzymol.286:190〜231)に従って当業者により容易に決定される。
【0082】
様々な胃および/または膵リパーゼ阻害剤が当業者に知られている。好ましいリパーゼ阻害剤は、リプスタチン、テトラヒドロリプスタチン(オルリスタット)、バリラクトン(valilactone)、エステラスチン、エベラクトンA、およびエベラクトンBからなる群から選択される阻害剤である。化合物テトラヒドロリプスタチンが特に好ましい。リパーゼ阻害剤、N−3−トリフルオロメチルフェニル−N’−3−クロロ−4’−トリフルオロメチルフェニル尿素、およびそれに関連する様々な尿素誘導体が、米国特許第4,405,644号に開示されている。リパーゼ阻害剤、エステラシン(esteracin)は、米国特許第4,189,438号および第4,242,453号に開示されている。リパーゼ阻害剤、シクロ−O,O’−[(1,6−ヘキサンジイル)−ビス−(イミノカルボニル)]ジオキシム、およびそれに関連する様々なビス(イミノカルボニル)ジオキシムは、Petersen他、Liebig’s Annalen、562、205〜229(1949)に記載されているように調製することができる。
【0083】
様々な膵リパーゼ阻害剤について、以下で本明細書に記載する。膵リパーゼ阻害剤リプスタチン、(2S,3S,5S,7Z,10Z)−5−[(S)−2−ホルムアミド−4−メチル−バレリルオキシ]−2−ヘキシル−3−ヒドロキシ−7,10−ヘキサデカン酸ラクトン、およびテトラヒドロリプスタチン(オルリスタット)、(2S,3S,5S)−5−[(S)−2−ホルムアミド−4−メチル−バレリルオキシ]−2−ヘキシル−3−ヒドロキシ−ヘキサデカン1,3酸ラクトン、ならびに様々に置換されたN−ホルミルロイシン誘導体およびそれらの立体異性体は、米国特許第4,598,089号に開示されている。例えば、テトラヒドロリプスタチンは、例えば、米国特許第5,274,143号;第5,420,305号;第5,540,917号;および第5,643,874号に記載されているように調製される。膵リパーゼ阻害剤、FL−386、1−[4−(2−メチルプロピル)シクロヘキシル]−2−[(フェニルスルホニル)オキシ]−エタノン、および様々に置換されたそれに関連するスルホネート誘導体は、米国特許第4,452,813号に開示されている。膵リパーゼ阻害剤、WAY−121898、4−フェノキシフェニル−4−メチルピペリジン−1−イル−カルボキシレート、ならびに様々なカルバメートエステルおよび薬学的に許容できるそれらに関連する塩は、米国特許第5,512,565号;第5,391,571号および第5,602,151号に開示されている。膵リパーゼ阻害剤、バリラクトン、および放線菌(Actinomycetes)MG147−CF2株の微生物培養によってそれを調製するためのプロセスは、Kitahara、他、J.Antibiotics、40(11)、1647−1650(1987)に開示されている。膵リパーゼ阻害剤、エベラクトンAおよびエベラクトンB、ならびに放線菌(Actinomycetes)MG7−G1株の微生物培養によってそれらを調製するためのプロセスは、Umezawa、他、J.Antibiotics、33、1594−1596(1980)に開示されている。モノグリセリド形成の抑制におけるエベラクトンAおよびBの使用は、1996年6月4日に公開された日本公開08−143457に開示されている。
【0084】
高コレステロール血症を含む高脂質血症用に市販され、アテローム性動脈硬化症を予防および治療するのに役立てることが意図されている他の化合物には、Welchol(登録商標)、Colestid(登録商標)、LoCholest(登録商標)およびQuestran(登録商標)などの胆汁酸分離剤;ならびにAtromid(登録商標)、Lopid(登録商標)およびTricor(登録商標)などのフィブリン酸誘導体が含まれる。
【0085】
糖尿病は、糖尿病(特にII型)、インスリン抵抗性、耐糖能異常、メタボリック症候群など、または神経障害、腎症、網膜症もしくは白内障などの糖尿病性合併症のいずれかを有する患者に、糖尿病を治療するのに使用することができる他の薬剤(例えば、インスリン)と組み合わせて治療有効量の本発明の化合物を投与することによって治療することができる。これには、本明細書に記載されている抗糖尿病薬の種類(および特定の薬剤)が含まれる。
【0086】
本発明の化合物と組み合わせる第二の薬剤として、任意のグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤を使用することができる。用語グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤は、酵素グリコーゲンホスホリラーゼによって触媒されるグリコーゲンのグルコース−1−リン酸への生物変換を阻害する化合物を指す。そのようなグリコーゲンホスホリラーゼ阻害活性は、標準的アッセイ(例えば、J.Med.Chem.41(1998)2934〜2938)に従って当業者により容易に決定される。WO96/39384およびWO96/39385に記載されているものを含む様々なグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤が当業者に知られている。
【0087】
本発明の化合物と組み合わせて、任意のアルドースレダクターゼ阻害剤を使用することができる。用語アルドースレダクターゼ阻害剤は、酵素アルドースレダクターゼによって触媒されるグルコースのソルビトールへの生物変換を阻害する化合物を指す。アルドースレダクターゼ阻害は、標準的アッセイ(例えば、J.Malone、Diabetes、29:861〜864(1980)。「Red Cell Sorbitol,an Indicator of Diabetic Control」)に従って当業者により容易に決定される。6−(5−クロロ−3−メチル−ベンゾフラン−2−スルホニル)−2H−ピラジン−3−オンを含む米国特許第6,579,879号に記載されているものなどの様々なアルドースレダクターゼ阻害剤が当業者に知られている。
【0088】
本発明の化合物と組み合わせて、任意のソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤を使用することができる。用語ソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤は、酵素ソルビトールデヒドロゲナーゼによって触媒されるソルビトールのフルクトースへの生物変換を阻害する化合物を指す。そのようなソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害活性は、標準的アッセイ(例えば、Analyt.Biochem(2000)280:329〜331)に従って当業者により容易に決定される。様々なソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤が知られており、例えば、米国特許第5,728,704号および第5,866,578号は、酵素ソルビトールデヒドロゲナーゼを阻害することによって糖尿病性合併症を治療または予防するための化合物および方法を開示している。
【0089】
本発明の化合物と組み合わせて、任意のグルコシダーゼ阻害剤を使用することができる。グルコシダーゼ阻害剤は、グリコシドヒドロラーゼ、例えば、アミラーゼまたはマルターゼによる複雑な炭水化物の生物利用可能な簡単な糖、例えばグルコースへの酵素加水分解を阻害する。特に、高レベルの炭水化物の摂取後のグルコシダーゼの迅速な代謝作用は、食事性高血糖の状態をもたらし、脂肪または糖尿病対象ではインスリンの分泌亢進、脂肪合成の増加および脂肪分解の低下につながる。そのような高血糖後には、存在するインスリンレベルの増加により、低血糖が頻繁に起こる。さらに、胃にとどまっている消化粥は、胃液の産生を促進し、胃炎または十二指腸潰瘍の発症を開始または促進することが知られている。したがって、グルコシダーゼ阻害剤は、炭水化物が胃を通過するのを加速し、腸からのグルコースの吸収を阻害する際に有用性を有することが知られている。さらに、炭水化物の脂肪組織の脂質への変換およびその後の食事性脂肪の脂肪組織沈着物中への組み入れがそれに応じて軽減または遅延され、同時に、それらに起因する有害な異常を軽減または予防するのに有益である。そのようなグルコシダーゼ阻害活性は、標準的アッセイ(例えば、Biochemistry(1969)8:4214)に従って当業者により容易に決定される。
【0090】
一般的に好ましいグルコシダーゼ阻害剤には、アミラーゼ阻害剤が含まれる。アミラーゼ阻害剤は、デンプンまたはグリコーゲンのマルトースへの酵素分解を阻害するグルコシダーゼ阻害剤である。そのようなアミラーゼ阻害活性は、標準的アッセイ(例えば、Methods Enzymol.(1955)1:149)に従って当業者により容易に決定される。そのような酵素分解の阻害は、グルコースおよびマルトースを含む生物が利用可能な糖の量、およびそれらに起因する随伴性の有害な状態を軽減するのに有益である。
【0091】
様々なグルコシダーゼ阻害剤が当業者に知られており、例を以下に提供する。好ましいグルコシダーゼ阻害剤は、アカルボース、アジポシン(adiposine)、ボグリボース、ミグリトール、エミグリテート、カミグリボース、テンダミスタット、トレスタチン(trestatin)、プラジミシン−Qおよびサルボスタチンから選択される阻害剤である。グルコシダーゼ阻害剤、アカルボース、およびそれに関連する様々なアミノ糖誘導体は、それぞれ米国特許第4,062,950号および第4,174,439号に開示されている。グルコシダーゼ阻害剤、アジポシンは、米国特許第4,254,256号に開示されている。グルコシダーゼ阻害剤、ボグリボース、3,4−ジデオキシ−4−[[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ]−2−C−(ヒドロキシメチル)−D−エピ−イノシトール、およびそれに関連する様々なN−置換疑似アミノ糖は、米国特許第4,701,559号に開示されている。グルコシダーゼ阻害剤、ミグリトール、(2R,3R,4R,5S)−1−(2−ヒドロキシエチル)−2−(ヒドロキシメチル)−3,4,5−ピペリジントリオール、およびそれに関連する様々な3,4,5−トリヒドロキシピペリジンは、米国特許第4,639,436号に開示されている。グルコシダーゼ阻害剤、エミグリテート、p−[2−[(2R,3R,4R,5S)−3,4,5−トリヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ピペリジノ]エトキシ]−安息香酸エチル、それに関連する様々な誘導体および薬学的に許容できるそれらの酸付加塩は、米国特許第5,192,772号に開示されている。グルコシダーゼ阻害剤、MDL−25637、2,6−ジデオキシ−7−O−β−D−グルコピラノシル−2,6−イミノ−D−グリセロ−L−グルコ−へプチトール、それに関連する様々なホモ二糖(homodisaccharides)および薬学的に許容できるそれらの酸付加塩は、米国特許第4,634,765号に開示されている。グルコシダーゼ阻害剤、カミグリボース、メチル6−デオキシ−6−[(2R,3R,4R,5S)−3,4,5−トリヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ピペリジノ]−α−D−グルコピラノシドセスキ水和物、それに関連するデオキシ−ノジリマイシン誘導体、様々な薬学的に許容できるそれらの塩およびそれらを調製するための合成方法は、米国特許第5,157,116号および第5,504,078号に開示されている。グルコシダーゼ阻害剤、サルボスタチンおよびそれに関連する様々な疑似糖は、米国特許第5,091,524号に開示されている。
【0092】
様々なアミラーゼ阻害剤が当業者に知られている。アミラーゼ阻害剤、テンダミスタットおよびそれに関連する様々な環状ペプチドは、米国特許第4,451,455号に開示されている。アミラーゼ阻害剤AI−3688およびそれに関連する様々な環状ポリペプチドは、米国特許第4,623,714号に開示されている。アミラーゼ阻害剤、トレスタチンA、トレスタチンBおよびトレスタチンCの混合物からなるトレスタチンならびにそれに関連する様々なトレハロース含有アミノ糖は、米国特許第4,273,765号に開示されている。
【0093】
本発明の化合物と組み合わせる第二の薬剤として使用することができる他の抗糖尿病化合物には、例えば、以下のビグアナイド(例えば、メトホルミン)、インスリン分泌促進剤(例えば、スルホニル尿素およびグリニド)、グリタゾン、非グリタゾンPPARγ作動薬、PPARβ作動薬、DPP−IVの阻害剤、PDE5の阻害剤、GSK−3の阻害剤、グルカゴン拮抗薬、f−1,6−BPaseの阻害剤(Metabasis/Sankyo)、GLP−1/類縁体(AC2993、エキセンディン−4としても知られる)、インスリンおよびインスリン模倣薬(Merck天然物)が含まれる。他の例には、PKC−β阻害剤およびAGEブレーカーが含まれるであろう。
【0094】
本発明の化合物は、抗肥満薬と組み合わせて使用することができる。そのような組合せにおける第二の薬剤として任意の抗肥満薬を使用することができ、例を本明細書に提供する。そのような抗肥満活性は、当技術分野において知られている標準的アッセイに従って当業者により容易に決定される。
【0095】
適当な抗肥満薬には、フェニルプロパノールアミン、エフェドリン、プソイドエフェドリン、フェンテルミン、βアドレナリン受容体作動薬、アポリポタンパク質−B分泌/ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(アポB/MTP)阻害剤、MCR−4作動薬、コレシストキニン−A(CCK−A)作動薬、モノアミン再取り込み阻害剤(例えば、シブトラミン)、交感神経様作用薬、セロトニン作動薬、カンナビノイド受容体(CB−1)拮抗薬(例えば、米国特許第5,624,941号に記載されているリモナバント(SR−141,716A)、米国特許出願第2004/0092520号に記載されているものなどのプリン化合物;2004年1月21日に出願された米国非仮特許出願第10/763105号に記載されているものなどのピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン化合物;ならびに2003年11月7日に出願された米国仮特許出願第60/518280号に記載されているものなどの二環式ピラゾリルおよびイミダゾリル化合物)、ドーパミン作動薬(例えば、ブロモクリプチン)、メラニン細胞刺激ホルモン受容体類縁体、5HT2c作動薬、メラニン凝集ホルモン拮抗薬、レプチン(OBタンパク質)、レプチン類縁体、レプチン受容体作動薬、ガラニン拮抗薬、リパーゼ阻害剤(例えば、テトラヒドロリプスタチン、すなわち、オルリスタット)、ボンベシン作動薬、食欲抑制剤(例えば、ボンベシン作動薬)、ニューロペプチドY拮抗薬、チロキシン、甲状腺ホルモン様剤、デヒドロエピアンドロステロンもしくはその類縁体、グルココルチコイド受容体作動薬もしくは拮抗薬、オレキシン受容体拮抗薬、ウロコルチン結合タンパク質拮抗薬、グルカゴン様ペプチド−1受容体作動薬、毛様体神経栄養因子(例えば、Axokine(商標))、ヒトアグーチ関連タンパク質(AGRP)、グレリン受容体拮抗薬、ヒスタミン3受容体拮抗薬もしくは逆作動薬、ニューロメディンU受容体作動薬などが含まれる。
【0096】
リモナバント(Sanofi−Synthelaboから入手できる商品名Acomplia(商標)でも知られているSR141716A)は、米国特許第5,624,941号に記載されているように調製することができる。他の適当なCB−1拮抗薬には、米国特許第5,747,524号、第6,432,984号および第6,518,264号;米国特許公開第US2004/0092520号、第US2004/0157839号、第US2004/0214855号、および第US2004/0214838号;2004年10月22日に出願された米国特許出願第10/971,599号;ならびにPCT特許公開第WO02/076949号、第WO03/075660号、第WO04/048317号、第WO04/013120号、および第WO04/012671号に記載されているものが含まれる。
【0097】
抗肥満薬として使用するのに好ましいアポリポタンパク質−B分泌/ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(アポB/MTP)阻害剤は、米国特許第6,720,351号に記載されているジルロタピド(dirlotapide);米国特許第5,521,186号および第5,929,075号に記載されている4−(4−(4−(4−((2−((4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イルチオ)メチル)−2−(4−クロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−sec−ブチル−2H−1,2,4−トリアゾール−3(4H)−オン(R103757);および米国特許第6,265,431号に記載されているインプリタピド(BAY13−9952)などの腸選択的MTP阻害剤である。本明細書で使用する用語「腸選択的」は、MTP阻害剤が、全身暴露と対比して胃腸組織へのより高い暴露を有することを意味する。
【0098】
本発明の化合物と組み合わせる第二の薬剤として、任意の甲状腺ホルモン様剤を使用することができる。そのような甲状腺ホルモン様活性は、標準的アッセイ(例えば、Atherosclerosis(1996)126:53〜63)に従って当業者により容易に決定される。様々な甲状腺ホルモン様剤、例えば、米国特許第4,766,121号;第4,826,876号;第4,910,305号;第5,061,798号;第5,284,971号;第5,401,772号;第5,654,468号;および第5,569,674号に開示されている甲状腺ホルモン様剤が当業者に知られている。他の抗肥満薬には、米国特許第4,929,629号に記載されているように調製することができるシブトラミンおよび米国特許第3,752,814号および第3,752,888号に記載されているように調製することができるブロモクリプチンが含まれる。
【0099】
本発明の化合物は、他の抗高血圧剤と組み合わせて使用することもできる。そのような組合せにおける第二の薬剤として、任意の抗高血圧剤を使用することができ、例を本明細書に提供する。そのような抗高血圧活性は、標準的アッセイ(例えば、血圧測定)に従って当業者により容易に決定される。
【0100】
抗高血圧剤を含有する現在販売されている製品の例には、Cardizem(登録商標)、Adalat(登録商標)、Calan(登録商標)、Cardene(登録商標)、Covera(登録商標)、Dilacor(登録商標)、DynaCirc(登録商標)、Procardia XL(登録商標)、Sular(登録商標)、Tiazac(登録商標)、Vascor(登録商標)、Verelan(登録商標)、Isoptin(登録商標)、Nimotop(登録商標)、Norvasc(登録商標)、およびPlendil(登録商標)などのカルシウムチャンネルブロッカー;Accupril(登録商標)、Altace(登録商標)、Captopril(登録商標)、Lotensin(登録商標)、Mavik(登録商標)、Monopril(登録商標)、Prinivil(登録商標)、Univasc(登録商標)、Vasotec(登録商標)およびZestril(登録商標)などのアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤が含まれる。
【0101】
アムロジピンおよび関連するジヒドロピリジン化合物は、強力な抗虚血薬および抗高血圧薬として、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,572,909号に開示されている。参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,879,303号は、アムロジピンベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸アムロジピンとも呼ばれる)を開示している。アムロジピンおよびベシル酸アムロジピンは、強力かつ長時間作用性のカルシウムチャンネルブロッカーである。したがって、アムロジピン、ベシル酸アムロジピン、マレイン酸アムロジピンおよび他の薬学的に許容できるアムロジピンの酸付加塩は、抗高血圧薬および抗虚血薬としての有用性を有する。ベシル酸アムロジピンは、現在、Norvasc(登録商標)として販売されている。アムロジピンは、式
【0102】
【化3】

を有する。
【0103】
本発明の範囲内にあるカルシウムチャンネルブロッカーには、米国特許第3,962,238号または米国再発行特許第30,577号に開示されているように調製することができるベプリジル;米国特許第4,567,175号に開示されているように調製することができるクレンチアゼム;米国特許第3,562号に開示されているように調製することができるジルチアゼム、米国特許第3,262,977号に開示されているように調製することができるフェンジリン;米国特許第3,261,859号に開示されているように調製することができるガロパミル;米国特許第4,808,605号に開示されているように調製することができるミベフラジル;米国特許第3,152,173号に開示されているように調製することができるプレニラミン;米国特許第4,786,635号に開示されているように調製することができるセモチアジル;米国特許第3,371,014号に開示されているように調製することができるテロジリン;米国特許第3,261,859号に開示されているように調製することができるベラパミル;米国特許第4,572,909号に開示されているように調製することができるアラニピン(aranipine);米国特許第4,220,649号に開示されているように調製することができるバルニジピン;欧州特許出願公開第106,275号に開示されているように調製することができるベニジピン;米国特許第4,672,068号に開示されているように調製することができるシルニジピン;米国特許第4,885,284号に開示されているように調製することができるエホニジピン;米国特許第4,952,592号に開示されているように調製することができるエルゴジピン;米国特許第4,264,611号に開示されているように調製することができるフェロジピン;米国特許第4,466,972号に開示されているように調製することができるイスラジピン;米国特許第4,801,599号に開示されているように調製することができるラシジピン;米国特許第4,705,797号に開示されているように調製することができるレルカニジピン;米国特許第4,892,875号に開示されているように調製することができるマニジピン;米国特許第3,985,758号に開示されているように調製することができるニカルジピン;米国特許第3,485,847号に開示されているように調製することができるニフェジピン;米国特許第4,338,322号に開示されているように調製することができるニルバジピン;米国特許第3,799,934号に開示されているように調製することができるニモジピン;米国特許第4,154,839号に開示されているように調製することができるニソルジピン;米国特許第3,799,934号に開示されているように調製することができるニトレンジピン;米国特許第2,882,271号に開示されているように調製することができるシンナリジン;米国特許第3,773,939号に開示されているように調製することができるフルナリジン;米国特許第3,267,104号に開示されているように調製することができるリドフラジン;米国特許第4,663,325号に開示されているように調製することができるロメリジン;ハンガリー特許第151,865号に開示されているように調製することができるベンシクラン;ドイツ特許第1,265,758号に開示されているように調製することができるエタフェノン;および英国特許第1,025,578号に開示されているように調製することができるペルヘキシリンが含まれるが、これらに限定されるものではない。すべてのそのような米国特許の開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0104】
本発明の範囲内にあるアンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤)には、米国特許第4,248,883号に開示されているように調製することができるアラセプリル;米国特許第4,410,520号に開示されているように調製することができるベナゼプリル;米国特許第4,046,889号および第4,105,776号に開示されているように調製することができるカプトプリル;米国特許第4,452,790号に開示されているように調製することができるセロナプリル;米国特許第4,385,051号に開示されているように調製することができるデラプリル;米国特許第4,374,829号に開示されているように調製することができるエナラプリル;米国特許第4,337,201号に開示されているように調製することができるフォシノプリル;米国特許第4,508,727号に開示されているように調製することができるイマダプリル(imadapril);米国特許第4,555,502号に開示されているように調製することができるリシノプリル;ベルギー特許第893,553号に開示されているように調製することができるモベルトプリル(moveltopril);米国特許第4,508,729号に開示されているように調製することができるペリンドプリル;米国特許第4,344,949号に開示されているように調製することができるキナプリル;米国特許第4,587,258号に開示されているように調製することができるラミプリル;米国特許第4,470,972号に開示されているように調製することができるスピラプリル;米国特許第4,699,905号に開示されているように調製することができるテモカプリル;および米国特許第4,933,361号に開示されているように調製することができるトランドラプリルが含まれるが、これらに限定されるものではない。すべてのそのような米国特許の開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0105】
本発明の範囲内にあるアンジオテンシン−II受容体拮抗薬(A−II拮抗薬)には、米国特許第5,196,444号に開示されているように調製することができるカンデサルタン;米国特許第5,185,351号に開示されているように調製することができるエプロサルタン;米国特許第5,270,317号に開示されているように調製することができるイルベサルタン;米国特許第5,138,069号に開示されているように調製することができるロサルタン;および米国特許第5,399,578号に開示されているように調製することができるバルサルタンが含まれるが、これらに限定されるものではない。すべてのそのような米国特許の開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0106】
本発明の範囲内にあるβアドレナリン受容体ブロッカー(ベータすなわちβブロッカー)には、米国特許第3,857,952号に開示されているように調製することができるアセブトロール;米国特許第6,605,692号に開示されているように調製することができるアルプレノロール;米国特許第4,217,305号に開示されているように調製することができるアモスラロール;米国特許第3,932,400号に開示されているように調製することができるアロチノロール;米国特許第3,663,607号または第3,836,671号に開示されているように調製することができるアテノロール;米国特許第3,853,923号に開示されているように調製することができるベフノロール;米国特許第4,252,984号に開示されているように調製することができるベタキソロール;米国特許第3,857,981号に開示されているように調製することができるベバントロール;米国特許第4,171,370号に開示されているように調製することができるビソプロロール;米国特許第4,340,541号に開示されているように調製することができるボピンドロール;米国特許第3,663,570号に開示されているように調製することができるブクモロール;米国特許第3,723,476号に開示されているように調製することができるブフェトロール;米国特許第3,929,836号に開示されているように調製することができるブフラロール;米国特許第3,940,489号および第3,961,071号に開示されているように調製することができるブニトロロール;米国特許第3,309,406号に開示されているように調製することができるブプランドロール(buprandolol);フランス特許第1,390,056号に開示されているように調製することができる塩酸ブチリジン(butiridine);米国特許第4,252,825号に開示されているように調製することができるブトフィロロール;ドイツ特許第2,240,599号に開示されているように調製することができるカラゾロール;米国特許第3,910,924号に開示されているように調製することができるカルテオロール;米国特許第4,503,067号に開示されているように調製することができるカルベジロール;米国特許第4,034,009号に開示されているように調製することができるセリプロロール;米国特許第4,059,622号に開示されているように調製することができるセタモロール;ドイツ特許第2,213,044号に開示されているように調製することができるクロラノロール;Clifton他、Journal of Medicinal Chemistry、1982、25、670に開示されているように調製することができるジレバロール;欧州特許公開出願第41,491号に開示されているように調製することができるエパノロール;米国特許第4,045,482号に開示されているように調製することができるインデノロール;米国特許第4,012,444号に開示されているように調製することができるラベタロール;米国特許第4,463,176号に開示されているように調製することができるレボブノロール;Seeman他、Helv.Chim.Acta、1971、54、241に開示されているように調製することができるメピンドロール;チェコスロバキア特許出願第128,471号に開示されているように調製することができるメチプラノロール;米国特許第3,873,600号に開示されているように調製することができるメトプロロール;米国特許第3,501,769I号に開示されているように調製することができるモプロロール;米国特許第3,935,267号に開示されているように調製することができるナドロール;米国特許第3,819,702号に開示されているように調製することができるナドキソロール;米国特許第4,654,362号に開示されているように調製することができるネビバロール(nebivalol);米国特許第4,394,382号に開示されているように調製することができるニプラジロール;英国特許第1,077,603号に開示されているように調製することができるオクスプレノロール;米国特許第3,551,493号に開示されているように調製することができるペルブトロール(perbutolol);スイス特許第469,002号および第472,404号に開示されているように調製することができるピンドロール;米国特許第3,408,387号に開示されているように調製することができるプラクトロール;英国特許第909,357号に開示されているように調製することができるプロネタロール;米国特許第3,337,628号および第3,520,919号に開示されているように調製することができるプロプラノロール;Uloth他、Journal of Medicinal Chemistry、1966、9、88に開示されているように調製することができるソタロール;ドイツ特許第2,728,641号に開示されているように調製することができるスフィナロール(sufinalol);米国特許第3,935,259号および第4,038,313号に開示されているように調製することができるタリンドール(talindol);米国特許第3,960,891号に開示されているように調製することができるテルタトロール;米国特許第4,129,565号に開示されているように調製することができるチリソロール;米国特許第3,655,663号に開示されているように調製することができるチモロール;米国特許第3,432,545号に開示されているように調製することができるトリプロロール;および米国特許第4,018,824号に開示されているように調製することができるキシベノロールが含まれるが、これらに限定されるものではない。すべてのそのような米国特許の開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0107】
本発明の範囲内にあるαアドレナリン受容体ブロッカー(アルファすなわちαブロッカー)には、米国特許第4,217,307号に開示されているように調製することができるアモスラロール;米国特許第3,932,400号に開示されているように調製することができるアロチノロール;米国特許第4,252,721号に開示されているように調製することができるダピプラゾール;米国特許第4,188,390号に開示されているように調製することができるドキサゾシン;米国特許第3,399,192号に開示されているように調製することができるフェンスピリド;米国特許第3,527,761号に開示されているように調製することができるインドラミン;ラベトロール(labetolol);米国特許第3,997,666号に開示されているように調製することができるナフトピジル;米国特許第3,228,943号に開示されているように調製することができるニセルゴリン;米国特許第3,511,836号に開示されているように調製することができるプラゾシン;米国特許第4,703,063号に開示されているように調製することができるタムスロシン;米国特許第2,161,938号に開示されているように調製することができるトラゾリン;米国特許第3,669,968号に開示されているように調製することができるトリマゾシン;および当業者によく知られている方法に従って自然源から単離することができるヨヒンビンが含まれるが、これらに限定されるものではない。すべてのそのような米国特許の開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0108】
用語「血管拡張薬」には、本明細書で使用される場合、脳血管拡張薬、冠血管拡張薬および末梢血管拡張薬が含まれることになっている。本発明の範囲内にある脳血管拡張薬には、ベンシクラン;シンナリジン;Kennedy他、Journal of the American Chemical Society、1955、77、250に開示されているように自然源から単離するか、あるいはKennedy他、Journal of Biological Chemistry、1956、222、185に開示されているように合成することができるシチコリン;米国特許第3,663,597号に開示されているように調製することができるシクランデレート;ドイツ特許第1,910,481号に開示されているように調製することができるシクロニカート;英国特許第862,248号に開示されているように調製することができるジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン;Hermann他、Journal of the American Chemical Society、1979、101、1540に開示されているように調製することができるエブルナモニン;米国特許第4,678,783号に開示されているように調製することができるファスジル;米国特許第3,818,021号に開示されているように調製することができるフェノキセジル;米国特許第3,773,939号に開示されているように調製することができるフルナリジン;米国特許第3,850,941号に開示されているように調製することができるイブジラスト;米国特許第3,509,164号に開示されているように調製することができるイフェンプロジル;米国特許第4,663,325号に開示されているように調製することができるロメリジン;米国特許第3,334,096号に開示されているように調製することができるナフロニル(nafronyl);Blicke他、Journal of the American Chemical Society、1942、64、1722に開示されているように調製することができるニカメタート;上記に開示されているように調製することができるニセルゴリン;米国特許第3,799,934号に開示されているように調製することができるニモジピン;Goldberg、Chem.Prod.Chem.News、1954、17、371で論評されているように調製することができるパパベリン;ドイツ特許第860,217号に開示されているように調製することができるペンチフィリン;米国特許第3,563,997号に開示されているように調製することができるチノフェドリン;米国特許第3,770,724号に開示されているように調製することができるビンカミン;米国特許第4,035,750号に開示されているように調製することができるビンポセチン;および米国特許第2,500,444号に開示されているように調製することができるビキジル(viquidil)が含まれるが、これらに限定されるものではない。すべてのそのような米国特許の開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0109】
本発明の範囲内にある冠血管拡張薬には、米国特許第3,010,965号に開示されているように調製することができるアモトリフェン;J.Chem.Soc.1958、2426に開示されているように調製することができるベンダゾール;米国特許第3,355,463号に開示されているように調製することができるベンフロジルヘミスクシナート;米国特許第3,012,042号に開示されているように調製することができるベンジオダロン;英国特許第740,932号に開示されているように調製することができるクロラシジン(chloracizine);米国特許第3,282,938号に開示されているように調製することができるクロモナール;英国特許第1,160,925号に開示されているように調製することができるクロベンフラール(clobenfural);当業者によく知られている方法に従ってプロパンジオールから調製することができるクロニトラート、例えば、Annalen、1870、155、165を参照されたい;米国特許第4,452,811号に開示されているように調製することができるクロリクロメン;米国特許第3,532,685号に開示されているように調製することができるジラゼプ;英国特許第807,826号に開示されているように調製することができるジピリダモール;ドイツ特許第2,521,113号に開示されているように調製することができるドロプレニラミン;英国特許第803,372号および第824,547号に開示されているように調製することができるエフロキサート;当業者によく知られている方法に従ってエリトリトールのニトロ化によって調製することができる四硝酸エリトリチル;ドイツ特許第1,265,758号に開示されているように調製することができるエタフェノン;米国特許第3,262,977号に開示されているように調製することができるフェンジリン;ドイツ特許第2,020,464号に開示されているように調製することができるフロレジル;ソ連特許第115,905号に開示されているように調製することができるガングレフェン;米国特許第2,357,985号に開示されているように調製することができるヘキセストロール;米国特許第3,267,103号に開示されているように調製することができるヘキソベンジン;スェーデン特許第168,308号に開示されているように調製することができるトシル酸イトラミン;Baxter他、Journal of the Chemical Society、1949、S30に開示されているように調製することができるケリン;米国特許第3,267,104号に開示されているように調製することができるリドフラジン;当業者によく知られている方法に従ってマンニトールのニトロ化によって調製することができる六硝酸マンニトール;米国特許第3,119,826号に開示されているように調製することができるメジバジン;ニトログリセリン;当業者によく知られている方法に従ってペンタエリトリトールのニトロ化によって調製することができる四硝酸ペンタエリトリトール;ドイツ特許第638,422−3号に開示されているように調製することができるペントリニトロール;上記に開示されているように調製することができるペルヘキシリン;米国特許第3,350,400号に開示されているように調製することができるピメフィリン(pimefylline);米国特許第3,152,173号に開示されているように調製することができるプレニラミン;フランス特許第1,103,113号に開示されているように調製することができる硝酸プロパチル;東ドイツ特許第55,956号に開示されているように調製することができるトラピジル;米国特許第2,769,015号に開示されているように調製することができるトリクロミル(tricromyl);米国特許第3,262,852号に開示されているように調製することができるトリメタジジン;当業者によく知られている方法に従ってトリエタノールアミンのニトロ化と、続くリン酸による沈殿によって調製することができるリン酸トロールニトラート;米国特許第2,816,118号および第2,980,699号に開示されているように調製することができるビスナジンが含まれるが、これらに限定されるものではない。すべてのそのような米国特許の開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0110】
本発明の範囲内にある末梢血管拡張薬には、米国特許第2,970,082号に開示されているように調製することができるニコチン酸アルミニウム;Corrigan他、Journal of the American Chemical Society、1945、67、1894に開示されているように調製することができるバメタン;上記に開示されているように調製することができるベンシクラン;Walter他、;Journal of the American Chemical Society、1941、63、2771に開示されているように調製することができるベタヒスチン;Hamburg他、Arch.Biochem.Biophys.1958、76、252に開示されているように調製することができるブラジキニン;米国特許第4,146,643号に開示されているように調製することができるブロビンカミン;米国特許第3,542,870号に開示されているように調製することができるブフェニオド;米国特許第3,895,030号に開示されているように調製することができるブフロメジル;米国特許第3,338,899号に開示されているように調製することができるブタラミン;フランス特許第1,460,571号に開示されているように調製することができるセチエジル;ドイツ特許第1,910,481号に開示されているように調製することができるシクロニカート;ベルギー特許第730,345号に開示されているように調製することができるシネパジド;上記に開示されているように調製することができるシンナリジン;上記に開示されているように調製することができるシクランデレート;上記に開示されているように調製することができるジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン;英国特許第984,810号に開示されているように調製することができるエレドイシン;上記に開示されているように調製することができるフェノキセジル;上記に開示されているように調製することができるフルナリジン;米国特許第3,384,642号に開示されているように調製することができるヘプロニカート;上記に開示されているように調製することができるイフェンプロジル;米国特許第4,692,464号に開示されているように調製することができるイロプロスト;Badgett他、Journal of the American Chemical Society、1947、69、2907に開示されているように調製することができるイノシトールナイアシネート;米国特許第3,056,836号に開示されているように調製することができるイソクスプリン;Biochem.Biophys.Res.Commun.、1961、6、210に開示されているように調製することができるカリジン;ドイツ特許第1,102,973号に開示されているように調製することができるカリクレイン;ドイツ特許第905,738号に開示されているように調製することができるモキシシリト;上記に開示されているように調製することができるナフロニル;上記に開示されているように調製することができるニカメタート;上記に開示されているように調製することができるニセルゴリン;スイス特許第366,523号に開示されているように調製することができるニコフラノース;米国特許第2,661,372号および第2,661,373号に開示されているように調製することができるナイリドリン;上記に開示されているように調製することができるペンチフィリン;米国特許第3,422,107号に開示されているように調製することができるペントキシフィリン;米国特許第3,299,067号に開示されているように調製することができるピリベジル;Merck Index、第12版、Budaveri、編、New
Jersey、1996、1353ページで言及されている方法のいずれかによって調製することができるプロスタグランジンE;ドイツ特許第2,334,404号に開示されているように調製することができるスロクチジル;米国特許第2,161,938号に開示されているように調製することができるトラゾリン;およびドイツ特許第1,102,750号またはKorbonits他、Acta.Pharm.Hung.、1968、38、98に開示されているように調製することができるキサンチノールナイアシネートが含まれるが、これらに限定されるものではない。すべてのそのような米国特許の開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0111】
本発明の範囲内にある用語「利尿薬」には、利尿性ベンゾチアジアジン誘導体、利尿性有機水銀化合物、利尿性プリン、利尿性ステロイド、利尿性スルホンアミド誘導体、利尿性ウラシルならびにオーストリア特許第168,063号に開示されているように調製することができるアマノジン;ベルギー特許第639,386号に開示されているように調製することができるアミロライド;Tschitschibabin、Annalen、1930、479、303に開示されているように調製することができるアルブチン;オーストリア特許第168,063号に開示されているように調製することができるクロラザニル;米国特許第3,255,241号に開示されているように調製することができるエタクリン酸;米国特許第3,072,653号に開示されているように調製することができるエトゾリン;英国特許第856,409号に開示されているように調製することができるヒドラカルバジン;米国特許第3,160,641号に開示されているように調製することができるイソソルビド;マンニトール;Freudenberg他、Ber.、1957、90、957に開示されているように調製することができるメトカルコン;米国特許第4,018,890号に開示されているように調製することができるムゾリミン;上記に開示されているように調製することができるペルヘキシリン;米国特許第3,758,506号に開示されているように調製することができるチクリナフェン;米国特許第3,081,230号に開示されているように調製することができるトリアムテレン;および尿素などの他の利尿薬が含まれることになっている。すべてのそのような米国特許の開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0112】
本発明の範囲内にある利尿性ベンゾチアジアジン誘導体には,英国特許第902,658号に開示されているように調製することができるアルチアジド;米国特許第3,265,573号に開示されているように調製することができるベンドロフルメチアジド;ベンツチアジド、McManus他、136th Am.Soc.Meeting(Atlantic City、1959年9月)、論文要約集、13−Oページ;米国特許第3,108,097号に開示されているように調製することができるベンジルヒドロクロロチアジド;英国特許第861,367号および第885,078号に開示されているように調製することができるブチアジド;米国特許第2,809,194号および第2,937,169号に開示されているように調製することができるクロロチアジド;米国特許第3,055,904号に開示されているように調製することができるクロルタリドン;ベルギー特許第587,225号に開示されているように調製することができるシクロペンチアジド;Whitehead他、Journal of Organic Chemistry、1961、26、2814に開示されているように調製することができるシクロチアジド;米国特許第3,009,911号に開示されているように調製することができるエピチアジド;英国特許第861,367号に開示されているように調製することができるエチアジド;米国特許第3,870,720号に開示されているように調製することができるフェンキゾン;米国特許第3,565,911号に開示されているように調製することができるインダパミド;米国特許第3,164,588号に開示されているように調製することができるヒドロクロロチアジド;米国特許第3,254,076号に開示されているように調製することができるヒドロフルメチアジド;Close他、Journal of the American Chemical Society、1960、82、1132に開示されているように調製することができるメチクロチアジド;フランス特許第M2790号および第1,365,504号に開示されているように調製することができるメチクラン;米国特許第3,360,518号に開示されているように調製することができるメトラゾン;ベルギー特許第620,829号に開示されているように調製することができるパラフルチジド;米国特許第3,009,911号に開示されているように調製することができるポリチアジド;米国特許第2,976,289号に開示されているように調製することができるキネタゾン;Close他、Journal of the American Chemical Society、1960、82、1132に開示されているように調製することができるテクロチアジド;およびdeStevens他、Experientia、1960、16、113に開示されているように調製することができるトリクロルメチアジドが含まれるが、これらに限定されるものではない。すべてのそのような米国特許の開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0113】
本発明の範囲内にある利尿性スルホンアミド誘導体には、米国特許第2,980,679号に開示されているように調製することができるアセタゾラミド;米国特許第3,188,329号に開示されているように調製することができるアンブシド;米国特許第3,665,002号に開示されているように調製することができるアゾセミド;米国特許第3,634,583号に開示されているように調製することができるブメタニド;英国特許第769,757号に開示されているように調製することができるブタゾラミド(butazolamide);米国特許第2,809,194号、第2,965,655号および第2,965,656号に開示されているように調製することができるクロラミノフェナミド(chloraminophenamide);Olivier、Rec.Trav.Chim.、1918、37、307に開示されているように調製することができるクロフェナミド;米国特許第3,459,756号に開示されているように調製することができるクロパミド;米国特許第3,183,243号に開示されているように調製することができるクロレキソロン;英国特許第851,287号に開示されているように調製することができるジスルファミド;英国特許第795,174号に開示されているように調製することができるエトキソラミド(ethoxolamide);米国特許第3,058,882号に開示されているように調製することができるフロセミド;米国特許第3,356,692号に開示されているように調製することができるメフルシド;米国特許第2,783,241号に開示されているように調製することができるメタゾラミド;米国特許第4,010,273号に開示されているように調製することができるピレタニド;米国特許第4,018,929号に開示されているように調製することができるトラセミド;日本特許第73
05,585号に開示されているように調製することができるトリパミド;および米国特許第3,567,777号に開示されているように調製することができるキシパミドが含まれるが、これらに限定されるものではない。すべてのそのような米国特許の開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0114】
骨粗鬆症は、低い骨量および骨組織の劣化を特徴とし、結果として骨の脆弱性および骨折に対する感受性の増加を伴う全身性の骨格疾患である。米国において、この状態は、2500万人を超える人々に影響を及ぼし、毎年500,000件の脊椎骨折、250,000件の股関節骨折および240,000件の手首骨折を含む毎年130万件を超える骨折を引き起こす。股関節骨折は、骨粗鬆症の最も深刻な結果であり、患者のうちの5〜20%が1年以内に死亡し、50%を超える生存者が再起不能になる。
【0115】
高齢者は、骨粗鬆症のリスクが最も高く、したがって、この問題は、人口の高齢化と共に著しく増加することが予想される。世界の骨折発生率は、今後60年間で3倍に増加すると予測されており、ある研究は、2050年には世界中で450万件の股関節骨折があるだろうと推定している。
【0116】
女性は、男性に比べて骨粗鬆症のリスクがより高い。女性は、閉経後の5年の間に骨量減少の急激な加速を経験する。リスクを増加させる他の要因には、喫煙、アルコールの乱用、座ることの多い生活習慣および低いカルシウム摂取が含まれる。
【0117】
当業者は、抗再吸収剤(例えば、プロゲスチン、ポリホスホネート、ビスホスホネート、エストロゲン作動薬/拮抗薬、エストロゲン、エストロゲン/プロゲスチン合剤、プレマリン(登録商標)、エストロン、エストリオールまたは17α−もしくは17β−エチニルエストラジオール)を、本発明の化合物と併せて使用することができることを知っているであろう。
【0118】
例示的プロゲスチンは、商業ソースから入手可能であり、アルゲストンアセトフェニド、アルトレノゲスト、酢酸アマジノン、酢酸アナゲストン、酢酸クロルマジノン、シンゲストール、酢酸クロゲストン、酢酸クロメゲストン、酢酸デルマジノン、デソゲストレル、ジメチステロン、ジドロゲステロン、エチネロン、二酢酸エチノジオール、エトノゲストレル、酢酸フルロゲストン、ゲスタクロン、ゲストデン、カプロン酸ゲストノロン、ゲストリノン、ハロプロゲステロン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、リネストレノール、メドロゲストン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メレンゲストロール、二酢酸メチノジオール、ノルエチンドロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルエチノドレル、ノルゲスチメート、ノルゲストメト、ノルゲストレル、フェンプロピオン酸オキソゲストン、プロゲステロン、酢酸キンゲスタノール、キンゲストロン、およびチゲストールが含まれる。
【0119】
好ましいプロゲスチンは、メドロキシプロゲステロン、ノルエチンドロンおよびノルエチノドレルである。
【0120】
例示的な骨再吸収阻害性ポリホスホネートには、米国特許第3,683,080号に開示されているタイプのポリホスホネートが含まれ、その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。好ましいポリホスホネートは、ジェミナルジホスホネート(ビス−ホスホネートとも呼ばれる)である。チルドロネート二ナトリウムは、特に好ましいポリホスホネートである。イバンドロン酸は、特に好ましいポリホスホネートである。アレンドロネートおよびレシンドロネート(resindronate)は、特に好ましいポリホスホネートである。ゾレドロン酸は、特に好ましいポリホスホネートである。他の好ましいポリホスホネートは、6−アミノ−1−ヒドロキシ−ヘキシリデン−ビスホスホン酸および1−ヒドロキシ−3(メチルペンチルアミノ)−プロピリデン−ビスホスホン酸である。ポリホスホネートは、酸、または可溶性のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩の形態で投与することができる。ポリホスホネートの加水分解性エステルは、同様に含まれる。具体例には、エタン−1−ヒドロキシ1,1−ジホスホン酸、メタンジホスホン酸、ペンタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、メタンジクロロジホスホン酸、メタンヒドロキシジホスホン酸、エタン−1−アミノ−1,1−ジホスホン酸、エタン−2−アミノ−1,1−ジホスホン酸、プロパン−3−アミノ−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、プロパン−N,N−ジメチル−3−アミノ−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、プロパン−3,3−ジメチル−3−アミノ−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、フェニルアミノメタンジホスホン酸、N,N−ジメチルアミノメタンジホスホン酸、N(2−ヒドロキシエチル)アミノメタンジホスホン酸、ブタン−4−アミノ−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、ペンタン−5−アミノ−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、ヘキサン−6−アミノ−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸ならびに薬学的に許容できるそれらのエステルおよび塩が含まれる。
【0121】
特に、本発明の化合物は、哺乳動物のエストロゲン作動薬/拮抗薬と組み合わせることができる。本発明の組合せ態様では、任意のエストロゲン作動薬/拮抗薬を使用することができる。用語エストロゲン作動薬/拮抗薬は、エストロゲン受容体と結合し、骨代謝回転を阻害しかつ/または骨量減少を予防する化合物を指す。特に、エストロゲン作動薬は、本明細書において、哺乳動物組織におけるエストロゲン受容体部位と結合し、1つまたは複数の組織においてエストロゲンの作用を模倣することができる化合物と定義される。エストロゲン拮抗薬は、本明細書において、哺乳動物組織におけるエストロゲン受容体部位と結合し、1つまたは複数の組織においてエストロゲンの作用をブロックすることができる化合物と定義される。そのような活性は、エストロゲン受容体結合アッセイを含む標準的アッセイ、標準的な骨の組織形態計測法および密度測定法、ならびにEriksen E.F.他、Bone Histomorphometry、Raven Press、New York、1994、1〜74ページ;Grier S.J.他、The Use of Dual−Energy X−Ray Absorptiometry In Animals、Inv.Radiol.、1996、31(1):50〜62;Wahner H.W.およびFogelman I.、The Evaluation of Osteoporosis:Dual Energy X−Ray Absorptiometry in Clinical Practice.、Martin Dunitz Ltd.、London1994、1〜296ページに従って当業者により容易に決定される。様々なこれらの化合物について、以下に記載および言及する。
【0122】
別の好ましいエストロゲン作動薬/拮抗薬は、Willson他、Endocrinology、1997、138、3901〜3911に開示されている3−(4−(1,2−ジフェニル−ブタ−1−エニル)−フェニル)−アクリル酸である。
【0123】
別の好ましいエストロゲン作動薬/拮抗薬は、米国特許第4,536,516号に開示されているタモキシフェン:(エタナミン、2−(−4−(1,2−ジフェニル−1−ブテニル)フェノキシ)−N,N−ジメチル、(Z)−2−,2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレート(1:1))および関連化合物であり、その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0124】
別の関連化合物は、米国特許第4,623,660号に開示されている4−ヒドロキシタモキシフェンであり、その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0125】
好ましいエストロゲン作動薬/拮抗薬は、米国特許第4,418,068号に開示されているラロキシフェン:(メタノン、(6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾ[b]チエン−3−イル)(4−(2−(1−ピペリジニル)エトキシ)フェニル)−塩酸塩)であり、その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0126】
別の好ましいエストロゲン作動薬/拮抗薬は、米国特許第4,996,225号に開示されているトレミフェン:(エタナミン、2−(4−(4−クロロ−1,2−ジフェニル−1−ブテニル)フェノキシ)−N,N−ジメチル−、(Z)−,2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレート(1:1)であり、その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0127】
別の好ましいエストロゲン作動薬/拮抗薬は、米国特許第3,822,287号に開示されているセントクロマン:1−(2−((4−(−メトキシ−2,2,ジメチル−3−フェニル−クロマン−4−イル)−フェノキシ)−エチル)−ピロリジンであり、その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。レボルメロキシフェンも好ましい。
【0128】
別の好ましいエストロゲン作動薬/拮抗薬は、米国特許第4,839,155号に開示されているイドキシフェン:(E)−1−(2−(4−(1−(4−ヨード−フェニル)−2−フェニル−ブタ−1−エニル)−フェノキシ)−エチル)−ピロリジノンであり、その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0129】
別の好ましいエストロゲン作動薬/拮抗薬は、米国特許第5,488,058号に開示されている2−(4−メトキシ−フェニル)−3−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェノキシ]−ベンゾ[b]チオフェン−6−オールであり、その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0130】
別の好ましいエストロゲン作動薬/拮抗薬は、米国特許第5,484,795号に開示されている6−(4−ヒドロキシ−フェニル)−5−(4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−ベンジル)−ナフタレン−2−オールであり、その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0131】
別の好ましいエストロゲン作動薬/拮抗薬は、Pfizer Inc.に譲渡されたPCT公開第WO95/10513号に、調製の方法と一緒に開示されている(4−(2−(2−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)−エトキシ)−フェニル)−(6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−メタノンである。
【0132】
他の好ましいエストロゲン作動薬/拮抗薬は、TSE−424(Wyeth−Ayerst Laboratories)およびアラゾキシフェン(arazoxifene)である。
【0133】
他の好ましいエストロゲン作動薬/拮抗薬には、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第5,552,412号に記載されているような化合物が含まれ、その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。その中に記載されている特に好ましい化合物は、
シス−6−(4−フルオロ−フェニル)−5−(4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;
(−)−シス−6−フェニル−5−(4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール(ラソフォキシフェンとしても知られる);
シス−6−フェニル−5−(4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;
シス−1−(6’−ピロロジノエトキシ(pyrrolodinoethoxy)−3’−ピリジル)−2−フェニル−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン;
1−(4’−ピロリジノエトキシフェニル)−2−(4″−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
シス−6−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;
および
1−(4’−ピロリジノエトキシフェニル)−2−フェニル−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンである。
【0134】
他のエストロゲン作動薬/拮抗薬は、米国特許第4,133,814号に記載されている(その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする)。米国特許第4,133,814号は、2−フェニル−3−アロイル−ベンゾチオフェンおよび2−フェニル−3−アロイルベンゾチオフェン−1−オキシドの誘導体を開示している。
【0135】
本発明の化合物と組み合わせる第二の薬剤として使用することができる他の抗骨粗鬆症剤には、例えば、以下の副甲状腺ホルモン(PTH)(骨同化剤);副甲状腺ホルモン(PTH)分泌促進物質(例えば、米国特許第6,132,774号を参照)、特にカルシウム受容体拮抗薬;カルシトニン;ならびにビタミンDおよびビタミンD類縁体が含まれる。
【0136】
本発明の化合物と組み合わせて、任意の選択的アンドロゲン受容体調節剤(SARM)を使用することができる。選択的アンドロゲン受容体調節剤(SARM)は、アンドロゲン活性を有し組織選択的効果を発揮する化合物である。SARM化合物は、アンドロゲン受容体の作動薬、部分作動薬、部分拮抗薬または拮抗薬として機能することができる。適当なSARMの例には、酢酸シプロテロン、クロルマジノン、フルタミド、ヒドロキシフルタミド、ビカルタミド、ニルタミド、スピロノラクトン、4−(トリフルオロメチル)−2(1H)−ピロリジノ[3,2−g]キノリン誘導体、1,2−ジヒドロピリジノ[5,6−g]キノリン誘導体およびピペリジノ[3,2−g]キノリノン誘導体などの化合物が含まれる。
【0137】
(1b,2b)−6−クロロ−1,2−ジヒドロ−17−ヒドロキシ−3’H−シクロプロパ[1,2]プレグナ−1,4,6−トリエン−3,20−ジオンとしても知られるシプテロン(cypterone)は、米国特許第3,234,093号に開示されている。その酢酸エステル形態の17−(アセチルオキシ)−6−クロロプレグナ−4,6−ジエン−3,20−ジオンとしても知られるクロルマジノンは、抗アンドロゲンとして作用し、米国特許第3,485,852号に開示されている。5,5−ジメチル−3−[4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,4−イミダゾリジンジオンとして、および商品名Nilandron(登録商標)によっても知られているニルタミドは、米国特許第4,097,578号に開示されている。2−メチル−N−[4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパンアミドおよび商品名Eulexin(登録商標)としても知られるフルタミドは、米国特許第3,847,988号に開示されている。4’−シアノ−a’,a’,a’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイダイド(toluidide)および商品名Casodex(登録商標)としても知られるビカルタミドは、EP−100172に開示されている。ビカルタミドの鏡像異性体は、TuckerおよびChesterton、J.Med.Chem.1988、31、885〜887によって議論されている。ヒドロキシフルタミド、大部分の組織における知られているアンドロゲン受容体拮抗薬は、Hofbauer他、J.Bone Miner.Res.1999、14、1330〜1337に開示されているように、骨芽細胞によるIL−6産生に対する効果についてSARMとして機能することが示唆されている。追加のSARMは、米国特許第6,017,924号;WO01/16108、WO01/16133、WO01/16139、WO02/00617、WO02/16310、米国特許出願公開第US2002/0099096号、米国特許出願公開第US2003/0022868号、WO03/011302およびWO03/011824に開示されている。上記の参考文献はすべて、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0138】
上述の化合物のための出発材料および試薬は、容易に入手可能であるか、あるいは有機合成の従来法を用いて当業者により容易に合成することができる。例えば、本明細書で使用される多くの化合物は、大きな科学的関心および商業的ニーズのある化合物と関連しているか、それらの化合物から誘導され、したがって、多くのそのような化合物は、市販されているか、文献中に報告されているか、あるいは文献中に報告されている方法によって他の一般的に入手可能な物質から容易に調製される。
【0139】
本発明の化合物またはそれらの合成における中間体の一部は、不斉炭素原子を有し、したがって、鏡像異性体またはジアステレオマーである。ジアステレオマー混合物は、それ自体が知られている方法により、例えば、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶により、それらの物理的化学的相違に基づいてそれらの個々のジアステレオマーに分離することができる。鏡像異性体は、例えば、キラルHPLC法、または適切な光学活性化合物(例えば、アルコール)との反応によって鏡像異性体混合物をジアステレオマー混合物に変換し、ジアステレオマーを分離し、個々のジアステレオマーを対応する純粋な鏡像異性体に変換する(例えば、加水分解する)ことにより分離することができる。また、酸性または塩基性部分を含む化合物またはそれらの合成における中間体の鏡像異性体混合物は、光学的に純粋なキラルな塩基または酸(例えば、1−フェニル−エチルアミン、酒石酸ジベンジルまたは酒石酸)とのジアステレオマー塩を形成させ、分別結晶によりジアステレオマーを分離し、続いて塩を壊すために中和し、そのようにして対応する純粋な鏡像異性体を提供することにより、それらの対応する純粋な鏡像異性体に分離することができる。ジアステレオマー、鏡像異性体およびそれらの混合物を含むすべてのそのような異性体は、本発明の化合物を含む本発明のすべての化合物について本発明の一部と見なされる。また、本発明の化合物の一部は、アトロプ異性体(例えば、置換ビアリール)であり、本発明の一部と見なされる。
【0140】
より具体的に、本発明の化合物は、0〜50%のイソプロパノール(好ましくは、2〜20%)および0〜5%のアルキルアミン(好ましくは、0.1%のジエチルアミン)を含有する炭化水素(好ましくは、ヘプタンまたはヘキサン)からなる移動相による不斉樹脂(好ましくは、Chiralcel(商標)ADまたはOD(Chiral Technologies、Exton、Pennsylvaniaから入手))上のクロマトグラフィー(好ましくは、高速液体クロマトグラフィー[HPLC])を用い、最終化合物またはその合成における中間体のラセミ化合物を分割することによって鏡像異性的に富化された形態で得ることができる。生成物を含有する分画の濃縮により、望ましい材料が得られる。
【0141】
本発明の化合物の一部は、酸性であり、それらは、薬学的に許容できる陽イオンと塩を形成する。本発明の化合物の一部は、塩基性であり、それらは、薬学的に許容できる陰イオンと塩を形成する。すべてのそのような塩は、本発明の範囲内にあり、それらは、必要に応じて、水性、非水性または部分的水性媒体中、通常は化学量論的比率で酸性および塩基性成分を混ぜ合わすことなどの従来の方法によって調製することができる。塩は、必要に応じて、濾過により、非溶媒による沈殿と、続く濾過により、溶媒の蒸発により、または、水溶液の場合には、凍結乾燥により回収される。化合物は、エタノール、ヘキサンまたは水/エタノール混合物などの適切な1種または複数の溶媒に溶かすことにより、結晶性形態で得ることができる。
【0142】
さらに、本発明の化合物が水和物または溶媒和物を形成する場合には、それらも本発明の範囲内にある。
【0143】
本発明の化合物、それらのプロドラッグならびにそのような化合物およびプロドラッグの塩はすべて、哺乳動物、特にヒトにおいてコレステロールエステル転送タンパク質活性を阻害する薬剤としての治療目的使用に適合している。したがって、本発明の化合物は、哺乳動物、特にヒトにおいて、HDLコレステロール、その関連成分、およびそれらによって行われる機能を高める。それらの活性のために、これらの薬剤は、哺乳動物、特にヒトにおいてトリグリセリド、VLDLコレステロール、アポB、LDLコレステロールおよびそれらの関連成分の血漿レベルも低下させる。さらに、これらの化合物は、LDLコレステロールとHDLコレステロールを均等にするのに有用である。したがって、これらの化合物は、冠動脈疾患、冠動脈性心疾患、冠血管疾患、末梢血管疾患、低αリポタンパク質血症、高βリポタンパク質血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、低いHDLおよび関連成分、LDLおよび関連成分の上昇、Lp(a)の上昇、低密度LDLの上昇、VLDLおよび関連成分の上昇および食後の脂血症を含むアテローム性動脈硬化症および心血管疾患の発症および発生に伴って観察される様々な異常脂質血症の治療および是正に有用である。
【0144】
さらに、CETPを欠く動物(マウス)への機能性CETP遺伝子の導入は、HDLレベルの低下(Agellon,L.B.、他:J.Biol.Chem.(1991)266:10796〜10801.)およびアテローム性動脈硬化症に対する感受性の増加(Marotti,K.R.他:Nature(1993)364:73〜75.)をもたらす。また、阻害抗体によるCETP活性の阻害は、ハムスター(Evans,G.F.、他:J.of Lipid Research(1994)35:1634〜1645.)およびウサギ(Whitlock,M.E.、他:J.Clin.Invest.(1989)84:129〜137)においてHDLコレステロールを上昇させた。CETP mRNAに対するアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドの静脈内注射による血漿CETPの増加抑制は、コレステロールを与えられたウサギにおいてアテローム性動脈硬化症を減少させた(Sugano,M.、他:J.of Biol.Chem.(1998)273:5033〜5036.)。重要なことに、遺伝的突然変異によって血漿CETPを欠いたヒト対象は、血漿HDLコレステロールレベルおよびHDLの主要なアポタンパク質成分であるアポリポタンパク質A−Iの顕著な上昇を有する。さらに、大部分は、血漿LDLコレステロールおよびアポリポタンパク質Bの顕著な減少を示す(Inazu,A.、Brown,M.L.、Hesler,C.B.、他:N.Engl.J.Med.(1990)323:1234〜1238.)。
【0145】
心血管、脳血管および末梢血管疾患の発症との血液中のHDLコレステロールおよびHDL関連リポタンパク質のレベルとの逆相関、ならびにトリグリセリド、LDLコレステロールおよびそれらの関連アポリポタンパク質との正相関を考えると、本発明の化合物、それらのプロドラッグならびにそのような化合物およびプロドラッグの塩は、それらの薬理学的作用のために、アテローム性動脈硬化症およびその関連疾患状態の予防、停止および/または退行に有用である。これらには、心血管障害(例えば、狭心症、虚血、心虚血および心筋梗塞)、心血管疾患療法による合併症(例えば、再灌流傷害および血管形成再狭窄)、高血圧、高血圧に伴う心血管リスクの上昇、脳卒中、臓器移植に伴うアテローム性動脈硬化症、脳血管疾患、認知機能障害(アテローム性動脈硬化症、一過性脳虚血発作、神経変性、ニューロン欠乏、およびアルツハイマー病の遅発または進行に付随する認知症を含むが、これらに限定されるものではない)、酸化的ストレスのレベル上昇、C反応性タンパク質のレベル上昇、メタボリック症候群およびHbA1Cのレベル上昇が含まれる。
【0146】
HDLレベルの上昇に広く伴う有益な効果のため、ヒトにおいてCETP活性を阻害する薬剤は、そのHDL増加能力のために、多くの他の疾患領域における療法についても同様に価値ある手段を提供する。
【0147】
したがって、コレステロールエステル転送の阻害を介してリポタンパク質組成を変える本発明の化合物、それらのプロドラッグならびにそのような化合物およびプロドラッグの塩の能力を考えると、それらは、糖尿病に伴う血管合併症、糖尿病に伴うリポタンパク質異常ならびに糖尿病および血管疾患に伴う性機能障害の治療に役立つ。高脂血症は、大部分の糖尿病対象に存在する(Howard,B.V.1987.J.Lipid Res.28、613)。正常な脂質レベルが存在しても、糖尿病対象は、心血管疾患のより高いリスクを経験する(Kannel,W.B.およびMcGee,D.L.1979.Diabetes Care 2、120)。CETPが仲介するコレステリルエステル転送は、インスリン依存性(Bagdade,J.D.、Subbaiah,P.V.およびRitter,M.C.1991.Eur.J.Clin.Invest.21、161)とインスリン非依存性糖尿病(Bagdade,J.D.、Ritter,M.C.、Lane,J.およびSubbaiah.1993.Atherosclerosis 104、69)の双方で異常に増加することが知られている。コレステロール転送の異常な増加は、リポタンパク質組成の、特にVLDLおよびLDLについての変化をもたらし、よりアテローム生成的であることが示唆されている(Bagdade,J.D.、Wagner,J.D.、Rudel,L.L.、およびClarkson,T.B.1995.J.Lipid Res.36、759)。これらの変化は、必ずしも日常的な脂質スクリーニング中に観察されないであろう。したがって、本発明は、糖尿病状態の結果としての血管合併症のリスクを低減するのに有用であろう。
【0148】
記載した薬剤は、肥満および肥満に伴う心血管リスクの上昇の治療に有用である。ヒト(Radeau,T.、Lau,P.、Robb,M.、McDonnell,M.、Ailhaud,G.およびMcPherson,R.、1995.Journal of Lipid Research.36(12):2552〜61)とヒト以外の霊長類(Quinet,E.、Tall,A.、Ramakrishnan,R.およびRudel,L.、1991.Journal of Clinical Investigation.87(5):1559〜66)の双方において、CETPのmRNAは、脂肪組織において高レベルで発現される。脂肪のメッセージは、脂肪摂食に伴って増加し(Martin,L.J.、Connelly,P.W.、Nancoo,D.、Wood,N.、Zhang,Z.J.、Maguire,G.、Quinet,E.、Tall,A.R.、Marcel,Y.L.およびMcPherson,R.、1993.Journal of Lipid Research.34(3):437〜46)、機能性転送タンパク質に翻訳され、分泌により、血漿CETPレベルに著しく寄与する。ヒト脂肪細胞において、コレステロールの大部分は、血漿LDLおよびHDLによって提供される(Fong,B.S.、およびAngel,A.、1989.Biochimica et Biophysica Acta.1004(1):53〜60)。HDLコレステリルエステルの取り込みは、大部分をCETPに依存している(Benoist,F.、Lau,P.、McDonnell,M.、Doelle,H.、Milne,R.およびMcPherson,R.、1997.Journal of Biological Chemistry.272(38):23572〜7)。HDLコレステリル取り込みを刺激するCETPのこの能力は、肥満対象におけるHDLの脂肪細胞との結合の増強(Jimenez,J.G.、Fong,B.、Julien,P.、Despres,J.P.、Rotstein,L.、およびAngel,A.、1989.International Journal of Obesity.13(5):699〜709)と相まって、これらの対象に低いHDL表現型を生じる際ばかりでなく、コレステロール蓄積を促進することによる肥満それ自体の発症におけるCETPの役割を示唆している。したがって、このプロセスをブロックするCETP活性の阻害剤は、体重を減らす際の食事療法に対する有用な補助剤としての役割を果たす。
【0149】
CETP阻害剤は、グラム陰性敗血症および敗血症性ショックによる炎症の治療に有用である。例えば、グラム陰性敗血症の全身毒性は、主に、細菌の外面から放出され広範な炎症反応を引き起こすリポ多糖(LPS)である内毒素に起因する。リポ多糖は、リポタンパク質と複合体を形成することがある(Ulevitch,R.J.、Johnston,A.R.、およびWeinstein,D.B.、1981.J.Clin.Invest.67、827〜37)。in vitro研究は、LPSのHDLとの結合が、炎症のメディエーターの産生および放出を実質的に減少させることを立証した(Ulevitch,R.J.、Johnston,A.R.、1978.J.Clin.Invest.62、1313〜24)。in vivo研究は、ヒトアポAIを発現するHDLレベルの上昇したトランスジェニックマウスが、敗血症性ショックから保護されることを示している(Levine,D.M.、Parker,T.S.、Donnelly,T.M.、Walsh,A.M.、およびRubin,A.L.1993.Proc.Natl.Acad.Sci.90、12040〜44)。重要なことに、内毒素をチャレンジしたヒトへの再構成HDLの投与は、炎症反応の減少をもたらした(Pajkrt,D.、Doran,J.E.、Koster,F.、Lerch,P.G.、Arnet,B.、van der Poll,T.、ten Cate,J.W.、およびvan Deventer,S.J.H.1996.J.Exp.Med.184、1601〜08)。CETP阻害剤は、それらがHDLレベルを上昇させる事実のために、炎症および敗血症性ショックの発症を軽減する。これらの化合物は、内毒素血症、自己免疫疾患および他の全身性疾患適応症、臓器または組織移植拒否反応および癌の治療にも有用であろう。
【0150】
哺乳動物(例えば、男性または女性のヒト)における上述の疾患/状態の治療における薬剤としての本発明の化合物、それらのプロドラッグならびにそのような化合物およびプロドラッグの塩の有用性は、従来のアッセイおよび後述のin vivoアッセイにおける本発明の化合物の活性によって立証される。in vivoアッセイ(当業者の適切な変更による)を用い、他の脂質またはトリグリセリド制御剤ならびに本発明の化合物の活性を決定することができる。そのようなアッセイは、本発明の化合物、それらのプロドラッグならびにそのような化合物およびプロドラッグの塩(または本明細書に記載されている他の薬剤)の活性を、お互いと、および他の知られている化合物の活性と比較することができる手段も提供する。これらの比較の結果は、そのような疾患を治療するためのヒトを含む哺乳動物における用量レベルを決定するのに有用である。
【0151】
以下のプロトコールは、当業者によって変更できるのは言うまでもない。
【0152】
化合物のαコレステロール上昇(hyperalphacholesterolemic)活性は、基本的にはJ.Biol.Chem.256、11992、1981においてMortonによって、およびClin.Chem.34、2322、1988においてDiasによって以前に記載されているように、リポタンパク質分画間の放射性標識脂質の相対的転送比を測定することによってコレステリルエステル転送タンパク質の作用に対するこれらの化合物の効果を評価することにより決定することができる。
【0153】
CETP in vitroアッセイ
以下は、97%(全体)または希釈ヒト血漿(in vitro)および動物血漿(ex vivo)におけるコレステリルエステル転送のアッセイの簡単な説明であり、薬物の存在下または非存在下におけるCETP活性は、ヒト血漿における外因性トレーサーHDLまたはLDLから、それぞれ非HDLまたはHDLリポタンパク質分画への、または動物血漿におけるH−標識LDLからHDL分画へのH−標識オレイン酸コレステリル(CO)の転送を測定することによりアッセイする。標識ヒトリポタンパク質基質は、血漿中の内因性CETP活性を用い、血漿中でリン脂質リポソームからすべてのリポタンパク質分画へH−COを転送するMortonによって記載された方法と同様にして調製する。続いて、H−標識LDLおよびHDLを、それぞれ1.019〜1.063および1.10〜1.21g/mlの密度カットで連続超遠心分離によって単離する。
【0154】
97%すなわち全血漿活性アッセイの場合、H−標識HDLを、10〜25nmolesCO/mlで血漿に加え、試料を、37℃にて2.5〜3時間インキュベートする。次いで、非HDLリポタンパク質を、等容積の20%(wt/vol)ポリエチレングリコール8000の添加によって沈殿させる(Dias)。試料を、750gで20分間遠心分離し、HDL含有上清中に含まれる放射活性を、液体シンチレーションカウンティングにより測定する。放射性標識オレイン酸コレステリルの添加前に、ジメチルスルホキシド溶液として様々な量の本発明の化合物をヒト血漿中に導入し、阻害剤化合物を含まないインキュベーションと比べて転送される放射性標識の量を比較すると、コレステリルエステル転送阻害活性を測定することができる。
【0155】
より高感度のアッセイが望ましい場合には、希釈ヒト血漿を用いるin vitroアッセイを利用する。このアッセイの場合には、H−標識LDLを、50nmolesCO/mlで血漿に加え、試料を、37℃にて7時間インキュベートする。次いで、非HDLリポタンパク質を、100mM最終濃度までのリン酸カリウムと、続く20mM最終濃度までの塩化マンガンの添加によって沈殿させる。ボルテックスした後、試料を、750gで20分間遠心分離し、HDL含有上清中に含まれる放射活性を、液体シンチレーションカウンティングによって測定する。放射性標識オレイン酸コレステリルの添加前に、ジメチルスルホキシド溶液として様々な量の本発明の化合物を希釈ヒト血漿中に導入し、阻害剤化合物を含まないインキュベーションと比べて転送される放射性標識の量を比較すると、コレステリルエステル転送阻害活性を測定することができる。このアッセイは、Wallacプレートリーダーを用いて行われる液体シンチレーションカウンティングによりマイクロタイタープレートフォーマットで実行するようになされていた。
【0156】
CETP in vivoアッセイ
これらの化合物のin vivo活性は、ex vivoで様々な時点においてコレステリルエステル転送活性を50%阻害するか、あるいはCETP含有動物種においてHDLコレステロールを所与の割合上昇させるために投与する必要のある薬剤の対照と比べた量によって決定することができる。ヒトCETPとヒトアポリポタンパク質AIの両方を発現するトランスジェニックマウス(Charles River、Boston、MA)を用い、in vivoで化合物を評価することができる。調べる化合物を、20%(v:v)オリーブ油および80%タウロコールナトリウム(0.5%)を含有するエマルジョンビヒクルで強制経口投与する。投与前血液試料が望ましい場合には、投与前にマウスの眼窩後部から(retroorbitally)採血する。4時間から24時間までの投与後の様々な時点で、動物を屠殺し、心臓穿刺によって血液をとり、総コレステロール、HDLおよびLDLコレステロール、ならびにトリグリセリドを含む脂質パラメータを測定する。CETP活性は、ドナーソースとしてHDLではなくH−オレイン酸コレステリル含有LDLを使用することを除いては上述の方法に類似した方法によって決定する。脂質および転送活性について得られる値を、投与に先立って得られる値および/またはビヒクルだけが与えられたマウスからの値と比較する。
【0157】
血漿脂質アッセイ
これらの化合物の活性は、特定の哺乳動物、例えば、CETP活性およびヒトと類似した血漿リポタンパク質プロファイルを有するマーモセットの血漿において、血漿脂質レベル、例えばHDLコレステロールレベル、LDLコレステロールレベル、VLDLコレステロールレベルまたはトリグリセリドを変えるのに必要とされる薬剤の量を決定することによっても立証することができる(Crook他 Arteriosclerosis 10、625、1990)。成獣マーモセットを、各群が、総コレステロール、HDL、および/またはLDL血漿コレステロール濃度について類似した平均±SDを有するように、治療群に割り付ける。群割付後、マーモセットに、1〜8日間、飼料混合物として、または胃内挿管により化合物を毎日投与する。対照マーモセットには、投与ビヒクルのみを与える。血漿の総、LDL、VLDLおよびHDLコレステロール値は、肘正中静脈から血液を採取し、密度勾配遠心分離によって血漿リポタンパク質をそれらの個々のサブクラスに分離することにより、および以前に記載されているように(Crook他Arteriosclerosis 10、625、1990)コレステロール濃度を測定することにより、試験中のどの時点でも決定することができる。
【0158】
in vivoアテローム性動脈硬化症アッセイ
化合物の抗アテローム性動脈硬化効果は、ウサギの大動脈における脂質沈着を減少させるのに必要とされる化合物の量によって決定することができる。雄性ニュージーランド白ウサギに、0.2%コレステロールおよび10%ココナッツ油を含有する飼料を4日間与える(1日1回の食事)。ウサギの辺縁耳静脈から採血し、総血漿コレステロール値をこれらの試料から測定する。次いで、ウサギを、各群が、総血漿コレステロール濃度、HDLコレステロール濃度、トリグリセリド濃度および/またはコレステリルエステル転送タンパク質活性について類似した平均±SDを有するように、治療群に割り付ける。群割付後、ウサギに、飼料混合物として、またはゼラチンをベースにした糖菓の小片で与えられる化合物を毎日投与する。対照ウサギには、飼料またはゼラチン糖菓であってもなくても、投与ビヒクルのみを与える。コレステロール/ココナッツ油飼料は、試験を通じて、化合物投与と一緒に続ける。血漿コレステロール値およびコレステリルエステル転送タンパク質活性は、辺縁耳静脈から血液を採取することにより、試験中のどの時点でも決定することができる。3〜5ヶ月後、ウサギを屠殺し、大動脈を、胸部弓部から腸骨動脈枝まで摘出する。大動脈から外膜を取り除き、縦方向に開き、次いでHolman他(Lab.Invest.1958、7、42〜47)によって記載されているように、染色せずに、またはSudan IVで染色して分析する。病変表面積率を、Optimas Image Analyzing System(Image Processing Systems)を用いるデンシトメトリーにより定量化する。脂質沈着の減少は、対照ウサギと比べた化合物投与群における病変表面積率の減少によって示される。
【0159】
抗肥満プロトコール
体重減少を引き起こすCETP阻害剤の能力は、ボディマス指数(BMI)が30kg/m以上の肥満ヒト対象において評価することができる。HDLコレステロールレベルに25%以上の増加をもたらすのに十分な投与量の阻害剤を投与する。BMIおよびウエスト(W)とヒップ(H)の比(WHR)と定義される体脂肪分布を、3〜6ヶ月の試験中にモニターし、治療群の結果を、プラセボが与えられた群と比較する。
【0160】
in vivo敗血症アッセイ
in vivo研究は、ヒトアポAIを発現しHDLレベルが上昇したトランスジェニックマウスが、敗血症性ショックから保護されることを示している。したがって、敗血症性ショックから保護するCETP阻害剤の能力は、ヒトアポAIとヒトCETP導入遺伝子の両方を発現するトランスジェニックマウスで立証することができる(Levine,D.M.、Parker,T.S.、Donnelly,T.M.、Walsh,A.M.、およびRubin,A.L.1993.Proc.Natl.Acad.Sci.90、12040〜44)。適切な投与量でCETP阻害剤を投与された動物に腹腔内注射によって大腸菌(E.coli)由来のLPSを投与すると、HDLが上昇する。生存しているマウスの数を、LPS注射後48時間まで時々測定し、ビヒクル(CETP阻害剤なし)のみを投与されたマウスと比較する。
【0161】
本発明の化合物の投与は、本発明の化合物を全身的および/または局所的に送達する任意の方法を介するものであってよい。これらの方法には、経口経路、非経口、十二指腸内経路などが含まれる。一般的に、本発明の化合物は、経口投与されるが、例えば、経口投与が標的にとって不適切である場合、または患者が薬物を経口摂取できない場合には、非経口投与(例えば、静脈内、筋肉内、皮下または髄内)を利用することができる。
【0162】
一般に、望ましい治療効果(例えば、HDL上昇)を得るのに十分な量の本発明の化合物が使用される。
【0163】
一般に、本発明の化合物についての有効用量は、化合物、そのプロドラッグ、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは前記プロドラッグの塩約0.001〜100mg/kg/日である。特に好ましい用量は、化合物、そのプロドラッグ、または薬学的に許容できる前記化合物もしくは前記プロドラッグの塩約0.01〜10mg/kg/日である。
【0164】
治療されている適応症に有効な用量の、CETP阻害剤と併せて使用される組合せ医薬品が使用される。
【0165】
例えば、HMG−CoA還元酵素阻害剤についての有効用量は通常、0.01〜100mg/kg/日の範囲である。一般に、PPAR調節剤についての有効用量は、約0.01〜100mg/kg/日の範囲である。
【0166】
本発明の化合物は一般的に、後述のような薬学的に許容できるビヒクル、希釈剤または担体と一緒に本発明の化合物のうちの少なくとも1つを含む医薬組成物の形態で投与される。したがって、本発明の化合物は、任意の従来型の経口、非経口、直腸または経皮剤形で個々に、または一緒に投与することができる。
【0167】
経口投与の場合、医薬組成物は、液剤、懸濁剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤などの形態をとることができる。クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウムおよびリン酸カルシウムなどの様々な賦形剤を含有する錠剤は、ポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチンおよびアカシアなどの結合剤に加えて、デンプン、好ましくはジャガイモまたはタピオカデンプンおよび特定の複雑なケイ酸塩などの様々な崩壊剤と一緒に用いられる。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクなどの滑沢剤は、錠剤化プロセスに極めて有用であることが多い。類似のタイプの固体組成物も、軟質および硬質充填ゼラチンカプセルにおける充填剤として用いられ、これに関する好ましい材料には、ラクトースすなわち乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールも含まれる。好ましい製剤は、例えば、軟質ゼラチンカプセル中の、油、例えば、オリーブ油などの植物油;Miglyol(商標)の名前で販売されているものなどのトリグリセリド;または、Capmul(商標)の名前で販売されているものなどのモノもしくはジグリセリドの溶液または懸濁液である。必要に応じて、長期の分解を防ぐために抗酸化剤を加えることができる。水性懸濁剤および/またはエリキシル剤が経口投与にとって望ましい場合には、本発明の化合物を、様々な甘味剤、矯味剤、着色剤、乳化剤および/または懸濁化剤、ならびに水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンおよびそれらの様々な同類の組合せなどの希釈剤と組み合わせることができる。
【0168】
コレステリルエステル転送タンパク質(CETP)阻害剤および濃度増強(concentration−enhancing)ポリマーの固形非晶質分散液を含む医薬組成物は、参照により本明細書に組み込まれている国際公開第WO02/11710号に記載されている。コレステリルエステル転送タンパク質(CETP)阻害剤の自己乳化製剤は、参照により本明細書に組み込まれている国際公開第WO03/000295号に記載されている。賦形剤上に小さな薬物結晶を沈着するための方法は、参照により本明細書に組み込まれているJ.Pharm.Pharmacol.1987、39:769〜773中などの文献中に示されている。
【0169】
非経口投与の目的には、ゴマもしくはピーナッツ油または水性プロピレングリコールの溶液、ならびに対応する水溶性の塩の滅菌水溶液を用いることができる。そのような水溶液は、必要ならば、適切に緩衝されていてもよく、液体希釈剤は、まず始めに十分な食塩水またはグルコースで等張にされる。これらの水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下および腹腔内注射目的に特に適している。これに関して、用いられる滅菌水性媒体はすべて、当業者によく知られている標準的技法によって容易に得ることができる。
【0170】
皮下(例えば、局所)投与の目的には、その他の点では上記の非経口溶液に類似した希釈滅菌、水性または部分的水性水溶液(通常、約0.1%〜5%濃度で)が調製される。
【0171】
特定の量の活性成分を含む様々な医薬組成物を調製する方法は、当業者に知られているか、あるいは本開示を踏まえて当業者に明らかであろう。医薬組成物を調製する方法の例については、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Easter、Pa.、第15版(1975)を参照されたい。
【0172】
本発明による医薬組成物は、本発明の1つまたは複数の化合物0.1%〜95%、好ましくは1%〜70%を含有することができる。いずれにしても、投与される組成物または製剤は、治療されている対象の疾患/状態、例えばアテローム性動脈硬化を治療するのに有効な量で、ある量の本発明による1つまたは複数の化合物を含有するものとする。
【0173】
本発明は、別々に投与することができる活性成分の組合せによる本明細書に記載されている疾患/状態の治療に関する態様を有することから、本発明は、キット形態で別々の医薬組成物を組み合わせることにも関する。キットは、2つの別々の医薬組成物、すなわち本発明の化合物、そのプロドラッグまたはそのような化合物もしくはプロドラッグの塩および上述のような第二の化合物を含む。キットは、容器、分割ボトルまたは分割ホイルパケットなどの別々の組成物を入れるための手段を含む。通常、キットは、別々の成分の投与説明書を含む。キット形態は、別々の成分が、異なる剤形(例えば、経口および非経口)で投与されることが好ましい場合、異なる投与間隔で投与される場合、または処方医師が、組合せの個々の成分の用量設定を望む場合は特に有利である。
【0174】
そのようなキットの一例は、いわゆるブリスターパックである。ブリスターパックは、包装産業においてよく知られており、医薬品単位剤形(錠剤、カプセル剤など)を包装するために広く使用されている。一般的に、ブリスターパックは、好ましくは透明なプラスチック材料のホイルで覆われている比較的硬い材料のシートからなる。包装プロセス中に、プラスチックホイルに凹部が形成される。凹部は、包装される錠剤またはカプセル剤のサイズおよび形状を有する。次に、錠剤またはカプセル剤は、凹部に入れられ、比較的硬い材料のシートは、凹部が形成された方向から反対のホイルの表面でプラスチックホイルに対して密閉される。結果として、錠剤またはカプセル剤は、プラスチックホイルとシートの間で凹部に密閉される。シートの強度は、凹部上に手で圧力をかけ、それによって凹部の場所で開口部がシートに形成されることにより、錠剤またはカプセル剤をブリスターパックから取り出すことができるような強度であることが好ましい。次いで、錠剤またはカプセル剤は、前記開口部を介して取り出すことができる。
【0175】
キット上の記憶補助を、例えば、数字が、定められた錠剤またはカプセル剤を摂取しなければならない投与計画の日数と一致する錠剤またはカプセル剤に隣接する数字の形態で提供することが望ましいことがある。そのような記憶補助の別の例は、例えば、以下の通り「First Week,Monday,Tuesday,..etc....Second Week,Monday、Tuesday,...」など、カード上に印刷されたカレンダーである。記憶補助の他の変形例は、容易に明らかであろう。「1日投与量」は、所与の日に摂取される単一の錠剤もしくはカプセル剤またはいくつかの丸剤もしくはカプセル剤であってよい。また、本発明の化合物の1日投与量は、1個の錠剤またはカプセルからなっていてもよく、一方、第二の化合物の1日投与量は、いくつかの錠剤またはカプセルからなっていてもよく、逆もまた同様である。記憶補助は、これを反映していなければならない。
【0176】
本発明の別の具体的実施形態において、それらの意図した使用の順序で一度に1日投与量を投薬するように設計されたディスペンサーが提供される。ディスペンサーは、投与計画の順守をさらに容易にするように、記憶補助を備えていることが好ましい。そのような記憶補助の一例は、投薬された1日投与量の数を示すメカニカルカウンターである。そのような記憶補助の別の例は、例えば、最後の1日投与量が摂取された日付を読み出し、かつ/または次の投与量を摂取する日付を指摘する液晶読み出し、または可聴式督促シグナルと一体となった電池式マイクロチップメモリーである。
【0177】
一般的に、本発明の化合物は、単独で、またはお互いと、もしくは他の化合物と組み合わせて好都合な製剤で投与されるであろう。以下の製剤例は、例示的であるに過ぎず、本発明の範囲を制限することは意図されていない。
【0178】
続く製剤において、「活性成分」は、本発明の化合物を意味する。
【0179】
製剤1:ゼラチンカプセル剤
硬質ゼラチンカプセル剤は、以下を用いて調製する。
【0180】
【表1】

【0181】
錠剤製剤は、以下の成分を用いて調製する。
製剤2:錠剤
【0182】
【表2】

【0183】
成分をブレンドし、圧縮して錠剤を形成する。
【0184】
あるいは、各々が活性成分0.25〜100mgを含有する錠剤は、以下のように作製する。
製剤3:錠剤
【0185】
【表3】

【0186】
活性成分、デンプン、およびセルロースを、No.45メッシュU.S.シーブに通し、十分に混合する。ポリビニルピロリドンの溶液を、得られる粉末と混合し、次いで、No.14メッシュU.S.シーブに通す。そのようにして製造した顆粒を、50℃〜60℃にて乾燥し、No.18メッシュU.S.シーブに通す。次いで、前もってNo.60U.S.シーブに通したカルボキシメチルデンプンナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、およびタルクを顆粒に加え、混合した後、錠剤機で圧縮すると、錠剤が得られる。
【0187】
各々が5ml投与量あたり活性成分0.25〜100mgを含有する懸濁剤は、以下のように製造する。
製剤4:懸濁剤
【0188】
【表4】

【0189】
活性成分を、No.45メッシュU.S.シーブに通し、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびシロップと混合し、滑らかなペーストを形成する。安息香酸溶液、香料、および着色料を、水の一部で希釈し、撹拌しながら加える。次いで、十分な水を加え、必要な容積にする。
【0190】
以下の成分を含有するエアロゾル溶液を調製する。
製剤5:エアロゾル
【0191】
【表5】

【0192】
活性成分をエタノールと混合し、混合物を一部のプロペラント22に加え、30℃まで冷却し、充填装置に移す。次いで、必要量をステンレス鋼の容器に送り込み、残りのプロペラントで希釈する。次いで、バルブユニットを容器に取り付ける。
【0193】
坐剤は、以下のように調製する。
製剤6:坐剤
【0194】
【表6】

【0195】
活性成分を、No.60メッシュU.S.シーブに通し、最低限必要な熱を用いて前もって溶融させた飽和脂肪酸グリセリドに懸濁させる。次いで、混合物を、公称2g容量の坐剤鋳型中に注ぎ込み、冷却させる。
【0196】
静脈内製剤は、以下のように調製する。
製剤7:静脈内溶液
【0197】
【表7】

【0198】
上記成分の溶液は、1分あたり約1mLの速度で患者に静脈内投与される。
【0199】
軟質ゼラチンカプセル剤は、以下を用いて調製する。
製剤8:油製剤による軟質ゼラチンカプセル
【0200】
【表8】

【0201】
上記の活性成分は、薬剤の組合せであってもよい。
【0202】
一般的実験手順
以下の実施例は、本明細書の特許請求の範囲に記載されている化合物、組成物、および方法を作製および評価する方法の開示および説明を当業者に提供するために出されており、単に本発明の例示であることが意図されており、本発明者らが彼彼女らの発明と見なすものの範囲を制限することは意図されていない。他に指示がない限り、パーセントは、成分および組成物の総重量を考えての重量パーセントであり、温度は、℃で表されるか、あるいは周囲温度であり、圧力は、大気か大気に近い。市販の試薬は、さらに精製することなく利用した。室温または周囲温度は、20〜25℃を指す。すべての非水反応は、便宜上および収率を最大限に高めるために窒素雰囲気下で実行した。真空中の濃縮は、ロータリーエバポレーターを使用したことを意味する。本発明の化合物についての名前は、Beilstein Informationssysteme GmbHからのAutonom 2.0 PC−バッチバージョン(ISBN3−89536−976−4)により作製した。描かれている化学構造は、一般構造または限られた異性体の例示であるに過ぎないことがあり、化学名に記載されているような特定の立体化学を含まない。
【0203】
NMRスペクトルは、周囲温度にてVarian Unity400(Varian Co.、Palo Alto、CA)NMR分光計で記録した。化学シフトは、外部標準(テトラメチルシラン)に対する百万分率(δ)で表される。ピーク形状は、以下の通り表示される。s、一重線;d、二重線、t、三重線、q、四重線、m、多重線、接頭辞brは、広がったシグナルを示す。示されるカップリング定数(J)データは、取得されたスペクトルのデジタル化のために、±0.41Hzの最大誤差を有する。マススペクトルは、エレクトロスプレーイオン化または大気圧化学イオン化を利用し、(1)Fisons Platform II SpectrometerもしくはMicromass MZD Spectrometer(Micromass、Manchester、UK)を用いる切り換え正および負イオンモードの大気圧化学イオン化(APCI)、または(2)Gilson LC−MSインターフェース(Gilson Instruments、Middleton、WI)付きのMicromass MZD Spectrometer(Micromass、Manchester、UK)を用いる切り換え正および負イオンモードのエレクトロスプレーイオン化、または(3)正または負の単一イオンモニタリングモードで動作するQP−8000質量分析計(Shimadzu Corporation、Kyoto、Japan)により取得した。塩素または臭素含有イオンの強度について記載する場合には、予想される強度比を観察し(35Cl/37Cl含有イオンで約3:1および79Br/81Br含有イオンで約1:1)、低いほうの質量イオンのみの位置を示す。
【0204】
カラムクロマトグラフィーは、Baker Silica Gel(40μm)(J.T.Baker、Phillipsburg、N.J.)かまたはSilica Gel60(40〜63μm)(EM Sciences、Gibbstown、N.J.)で行った。フラッシュクロマトグラフィーは、Flash12またはFlash40カラム(Biotage,Dyar Corp.、Charlottesville、VA)を用いて行った。ラジアルクロマトグラフィーは、クロマトトロン(chromatotron)Model7924T(Harrison Research、Palo Alto、CA)を用いて行った。調製用HPLC精製は、SIL−10A型オートサンプラーおよび8A型HPLCポンプを用いるShimadzu10A調製用HPLCシステム(Shimadzu Corporation、Kyoto、Japan)で行った。調製用HPLC−MSは、エレクトロスプレーイオン化または大気圧化学イオン化を利用し、正または負の単一イオンモニタリングモードで動作するQP−8000質量分析計で改良した同一システムで行った。溶出は、調整剤として0.1%ギ酸かまたは水酸化アンモニウムを含有する水/アセトニトリルグラジエントを用いて行った。酸性モードでは、使用した典型的なカラムには、Waters Symmetry C8、5μm、19×50mmまたは30×50mm、Waters XTerra C18、5μm、50×50(Waters Corp、Milford、MA)またはPhenomenex Synergi Max−RP 4μm、50×50mm(Phenomenex Inc.、Torrance、CA)が含まれる。塩基性モードでは、Phenomenex Synergi Max−RP 4μm、21.2×50mmまたは30×50mmカラム(Phenomenex Inc.、Torrance、CA)を使用した。
【0205】
旋光度は、Jasco P−1020 Polarimeter(Jasco Inc.、Easton、MD)を用いて測定した。
【0206】
マイクロ波支援反応は、Personal Chemistry(Uppsala、Sweden)製のEmrys Optimizer中で行った。
【0207】
ジメチルホルムアミド(「DMF」)、テトラヒドロフラン(「THF」)、トルエンおよびジクロロメタン(「DCM」)は、Aldrich Chemical Company(Milwaukee、WI)によって供給される無水等級とした。他に指示がない限り、試薬は、商業ソースから得たままで使用した。用語「濃縮された」および「蒸発された」は、45℃未満の浴温でロータリーエバポレーター上の水銀圧力1〜200mmにおける溶媒の蒸発を指す。略語「min」は、「分」を表し、「h」または「hr」は、「時間」を表す。略語「gm」または「g」は、グラムを表す。略語「μl」または「μL」は、マイクロリットルを表す。
【0208】
調製1:3−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−ベンズアルデヒドオキシム
【0209】
【化4】

エタノール30mL、水20mlおよびの氷50g中の3−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−ベンズアルデヒド(22.21g、100mmol)の撹拌した混合物に、水25mL中のヒドロキシルアミン塩酸塩(7.65g、69.5mmol)および水酸化ナトリウム(5.0g、125mmol)を加えた。混合物を1.5時間撹拌し、次いで、濃塩酸で酸性化し、ジクロロメタン(100mLで3回)で抽出した。合わせた抽出液を、水(100mLで3回)、食塩水(150mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過して濃縮した。これにより、薄い金色の油として表題化合物(23.32g、98%)が得られ、さらに精製することなく使用した。
H−NMR(CDCl3)δ:8.1(s,1H)、7.5(m,2H)、7.4(t,J=7.9Hz,1H)、7.2(d,J=8.7Hz,1H)、5.9(tt,J=53.0,2.9Hz,1H)
【0210】
調製2:3−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−ベンジルアミン
【0211】
【化5】

エタノール(150mL)および濃塩酸(6mL)中の3−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−ベンズアルデヒドオキシム(5.93g、25mmol)の溶液を、必要に応じて追加の水素を加えながら、10%Pd/C(1g)上で30分間、20psi(約140kPa)にて500mLのParr瓶中で水素化した、反応物をセライトに通して濾過し、濃縮した。粗製残渣をジクロロメタンにとり、1M NaOHを加え、続いて1時間激しく撹拌した。層を分離した。水層をジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機物を、リン酸緩衝液(pH=7.2、2回)、次いで食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過して濃縮した。表題化合物(5.13g、92%)は、薄い金色の油として分離され、さらに精製することなく使用した。
H−NMR(CDCl3)δ:7.3(t,J=7.9Hz,1H)、7.2(d,J=7.5Hz,1H)、7.2(s,1H)、7.1(d,J=7.9Hz,1H)、5.9(tt,J=53.2,2.7Hz,1H)、3.9(s,2H)。
【0212】
調製3:(R)−1,1,1−トリフルオロ−3−[3−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−ベンジルアミノ]−プロパン−2−オール
【0213】
【化6】

鏡像異性的に富化された(R)−2−トリフルオロメチル−オキシラン(0.6g、5.4mmol)を、3−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−ベンジルアミン(1.2g、5.4mmol)に滴加し、混合物を室温にて48時間撹拌した。白色の固体が析出し、それをエーテルに溶かし、ヘキサンで析出させると、表題化合物(0.9g、2.7mmol、50%)が得られた。
H−NMR(CDCl3)δ:7.4(t,J=7.9Hz,1H)、7.2(t,J=7.5Hz,1H)、7.2(s,1H)、7.1(s,1H)、5.9(t,J=53.1Hz,1H)、4.0(m,1H)、3.8(m,2H)、3.0(m,1H)、2.9(m,1H)。
【0214】
調製4:4−(4−クロロ−3−エチルフェノキシ)−2−クロロピリミジン
【0215】
【化7】

アセトニトリル(1.2mL)中の4−クロロ−3−エチルフェノール(318mg、2.03mmol)および2,4−ジクロロピリミジン(302mg、2.03mmol)の溶液に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(305μL、2.03mmol)を加え、80℃まで3.5時間加熱した。反応物を室温まで冷却し、酢酸エチル(25mL)に注加した。この溶液を、5%重炭酸塩(2回)次いで食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過して濃縮した。粗製残渣を、溶出するための20%酢酸エチル/ヘキサンを用いるシリカクロマトグラフィー(Flash40Sカラム)により精製した。これにより、白色の固体として表題化合物(361mg、66%)が得られた。
H−NMR(CDCl3)δ:8.4(d,J=5.4Hz,1H)、7.4(d,J=8.7Hz,1H)、7.0(d,J=2.5Hz,1H)、6.9(dd,J=8.5,2.7Hz,1H)、6.8(d,J=5.8Hz,1H)、2.8(q,J=7.5Hz,2H)、1.2(t,J=7.5Hz,3H)。
【実施例】
【0216】
(実施例1)
(R)−3−{[4−(4−クロロ−3−エチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イル]−[3−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−ベンジル]−アミノ}−1,1,1−トリフルオロ−プロパン−2−オール
【0217】
【化8】

2−プロパノール(2mL)中の鏡像異性的に富化された(R)−1,1,1−トリフルオロ−3−[3−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−ベンジルアミノ]−プロパン−2−オール(342mg、1.02mmol)および2−クロロ−4−(4−クロロ−3−エチル−フェノキシ)−ピリミジン(250mg、0.929mmol)およびジイソプロピルアミン(325μL、1.86mmol)の溶液を、マイクロ波照射を用いて40分間、150℃まで加熱した。2−プロパノールを除去し、残渣を酢酸エチルにとった。この溶液を、飽和塩化アンモニウム、水、飽和重炭酸塩、および食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過して濃縮した。粗製材料を、溶出するための7.5%酢酸エチル/ヘキサンを用いるシリカクロマトグラフィー(Flash40Mカラム)により精製した。これにより、92:8の鏡像異性体混合物が得られ、キラルな調製用HPLC(Chiralcel ODカラム、96:4ヘプタン/イソプロピルアルコール移動相)を用いて99%を超える鏡像異性体純度までさらに精製した。これにより、無色の油として表題化合物(216mg、41%)が得られた。
MS:m/z=568.1(M+H)
H−NMR(CDCl3)δ:8.1(br s,1H)、7.3(m,1H)、7.2(br m,1H)、7.1(d,2H)、7.0(s,1H)、6.9(br s,1H)、6.8(br m,1H)、6.28(d,1H)、5.9(t,1H)、4.6(br m,1H)、4.5(br m,1H)、4.1(br m,2H)、3.6(m,1H)、2.7(br m,2H)、1.1(br s,3H)。
【0218】
実施例2〜25は、適切な出発材料で実施例1に類似した手順を用いて調製した。
【0219】
【化9】

【0220】
【表9−1】

【0221】
【表9−2】

【0222】
【表9−3】

【0223】
(実施例26)
3−[[4−(4−クロロ−3−エチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イル]−(3−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−アミノ]−1,1,1−トリフルオロ−プロパン−2−オール
実施例26は、適切な出発材料で実施例1に類似した手順を用いて調製した。
【0224】
【化10】

MS:m/z=536(M+H)
【0225】
本出願を通じて、様々な刊行物が言及されている。これらの刊行物の開示は全体として、すべての目的で本出願中に参照により組み込まれるものとする。
【0226】
本発明の範囲または精神を逸脱することなく本発明において様々な変更形態および変形形態を実施することができることは当業者には明らかであろう。本発明の他の実施形態は、明細書の検討および本明細書に開示されている本発明の実施から当業者には明らかであろう。明細書および実施例は、例示的とのみ見なされることが意図されており、本発明の真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲に示されている。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、
【化1】

または薬学的に許容できる前記化合物の塩
[式中、
は、5−ブロモ−2−フルオロフェノキシ、4−ブロモ−3−フルオロフェノキシ、4−ブロモフェノキシ、4−ブトキシフェノキシ、2−クロロフェノキシ、3−クロロフェノキシ、4−クロロ−3−エチルフェノキシ、4−クロロ−3−メチルフェノキシ、2−クロロ−4−フルオロフェノキシ、4−クロロ−2−フルオロフェノキシ、4−クロロフェノキシ、3−クロロ−4−エチルフェノキシ、3−クロロ−4−メチルフェノキシ、3−クロロ−4−フルオロフェノキシ、4−クロロ−3−フルオロフェノキシ、2,3−ジクロロフェノキシ、2,4−ジクロロフェノキシ、3,4−ジクロロフェノキシ、3,4−ジフルオロフェノキシ、3,5−ジフルオロフェノキシ、2,3−ジフルオロフェノキシ、2,4−ジフルオロフェノキシ、2,5−ジフルオロフェノキシ、3,5−ジメトキシフェノキシ、3−ジメチルアミノフェノキシ、3,5−ジメチルフェノキシ、3,4−ジメチルフェノキシ、2−エチルフェノキシ、3−エチルフェノキシ、4−エチルフェノキシ、4−エチルアミノフェノキシ、3−エチル−5−メチルフェノキシ、2−フルオロ−3−メチルフェノキシ、3−フルオロ−4−メチルフェノキシ、3−フルオロフェノキシ、3−フルオロ−2−ニトロフェノキシ、2−フルオロフェノキシ、4−フルオロ−3−メチルフェノキシ、4−フルオロフェノキシ、2−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェノキシ、2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ、3−イソプロピルフェノキシ、4−イソプロピル−3−メチルフェノキシ、2−メチルフェノキシ、3−メチルフェノキシ、3−メチル−4−メチルチオフェノキシ、4−メチルフェノキシ、4−メチルチオフェノキシ、3−メトキシフェノキシ、2−ナフチルオキシ、2−ニトロフェノキシ、4−ニトロフェノキシ、フェノキシ、4−プロピルフェノキシ、4−プロポキシフェノキシ、3−tert−ブチルフェノキシ、4−tert−ブチルフェノキシ、2−(5,6,7,8−テトラヒドロナフチル)−オキシ、4−トリフルオロメトキシフェノキシ、3−トリフルオロメトキシフェノキシ、4−トリフルオロメチルフェノキシ、3−トリフルオロメチルフェノキシ、2,3,4−トリフルオロフェノキシ、2,3,5−トリフルオロフェノキシ、3,4,5−トリメチルフェノキシ、3−ジフルオロメトキシフェノキシ、3−ペンタフルオロエチルフェノキシ、3−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェノキシまたは3−トリフルオロメチルチオフェノキシであり、
は、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ、ペンタフルオロエチル、トリフルオロメトキシ、またはトリフルオロメチルである]。
【請求項2】
が、5−ブロモ−2−フルオロフェノキシ、4−クロロ−3−エチルフェノキシ、2,3−ジクロロフェノキシ、3,4−ジクロロフェノキシ、3−ジフルオロメトキシフェノキシ、3,5−ジメチルフェノキシ、3,4−ジメチルフェノキシ、3−エチルフェノキシ、3−エチル−5−メチルフェノキシ、4−フルオロ−3−メチルフェノキシ、4−フルオロフェノキシ、3−イソプロピルフェノキシ、3−メチルフェノキシ、3−ペンタフルオロエチルフェノキシ、3−tert−ブチルフェノキシ、3−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェノキシ、2−(5,6,7,8−テトラヒドロナフチル)−オキシ、3−トリフルオロメトキシフェノキシまたは3−トリフルオロメチルチオフェノキシである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、4−クロロ−3−エチルフェノキシ、3,4−ジクロロフェノキシ、3,4−ジメチルフェノキシ、3−エチルフェノキシ、4−フルオロ−3−メチルフェノキシ、3−イソプロピルフェノキシ、3−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェノキシまたは3−トリフルオロメトキシフェノキシである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
が4−クロロ−3−エチルフェノキシまたは3,4−ジメチルフェノキシである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
が1,1,2,2−テトラフルオロエトキシである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
化合物(R)−3−{[4−(3,4−ジメチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イル]−[3−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−ベンジル]−アミノ}−1,1,1−トリフルオロ−プロパン−2−オールまたは薬学的に許容できる前記化合物の塩。
【請求項7】
化合物(R)−3−{[4−(4−クロロ−3−エチル−フェノキシ)−ピリミジン−2−イル]−[3−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−ベンジル]−アミノ}−1,1,1−トリフルオロ−プロパン−2−オールまたは薬学的に許容できる前記化合物の塩。
【請求項8】
哺乳動物においてアテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、冠動脈性心疾患、冠血管疾患、末梢血管疾患、異常脂質血症、高βリポタンパク質血症、低αリポタンパク質血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症または心筋梗塞を治療するための方法であって、そのような治療を必要としている哺乳動物に、アテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、冠動脈性心疾患、冠血管疾患、末梢血管疾患、異常脂質血症、高βリポタンパク質血症、低αリポタンパク質血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症または心筋梗塞を治療する量の請求項1、6もしくは7に記載の化合物、または薬学的に許容できる前記化合物の塩を投与することによる方法。
【請求項9】
治療有効量の請求項1、6もしくは7に記載の化合物、または薬学的に許容できる前記化合物の塩および薬学的に許容できるビヒクル、希釈剤もしくは担体を含む医薬組成物。
【請求項10】
哺乳動物においてアテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、冠動脈性心疾患、冠血管疾患、末梢血管疾患、異常脂質血症、高βリポタンパク質血症、低αリポタンパク質血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症または心筋梗塞を治療するための医薬組成物であって、治療有効量の請求項1、6もしくは7に記載の化合物、または薬学的に許容できる前記化合物の塩および薬学的に許容できるビヒクル、希釈剤もしくは担体を含む医薬組成物。
【請求項11】
第一の化合物(前記第一の化合物は、請求項1、6もしくは7に記載の化合物、または薬学的に許容できる前記化合物の塩である)、
第二の化合物(前記第二の化合物は、HMG CoA還元酵素阻害剤、MTP/アポB分泌阻害剤、PPAR調節剤、胆汁酸再取り込み阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、コレステロール合成阻害剤、フィブラート、ナイアシン、徐放性ナイアシン、ナイアシンとロバスタチンの組合せ、イオン交換樹脂、抗酸化剤、ACAT阻害剤または胆汁酸分離剤である)、および
薬学的ビヒクル、希釈剤または担体
を含む治療有効量の組成物を含む医薬組合せ組成物。
【請求項12】
第二の化合物が、HMG CoA還元酵素阻害剤またはPPAR調節剤である、請求項20に記載の医薬組合せ組成物。
【請求項13】
第二の化合物が、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、ロスバスタチンまたはピタバスタチンである、請求項21に記載の医薬組合せ組成物。
【請求項14】
哺乳動物においてアテローム性動脈硬化症を治療するための方法であって、その治療を必要としている哺乳動物に、
第一の化合物(前記第一の化合物は、請求項1、6もしくは7に記載の化合物、薬学的に許容できる前記化合物の塩である)、および
第二の化合物(前記第二の化合物は、HMG CoA還元酵素阻害剤、PPAR調節剤、コレステロール吸収阻害剤、コレステロール合成阻害剤、フィブラート、ナイアシン、徐放性ナイアシン、ナイアシンとロバスタチンの組合せ、イオン交換樹脂、抗酸化剤、ACAT阻害剤または胆汁酸分離剤である)
を投与することを含み、第一および第二の化合物の量は、治療効果をもたらす方法。
【請求項15】
哺乳動物において治療効果を得るためのキットであって、一緒に包装されている治療有効量の請求項1、6もしくは7に記載の化合物、または薬学的に許容できる前記化合物の塩および薬学的に許容できる担体を含む第一の治療剤、治療有効量のHMG CoA還元酵素阻害剤、PPAR調節剤、コレステロール吸収阻害剤、コレステロール合成阻害剤、フィブラート、ナイアシン、徐放性ナイアシン、ナイアシンとロバスタチンの組合せ、イオン交換樹脂、抗酸化剤、ACAT阻害剤または胆汁酸分離剤および薬学的に許容できる担体を含む第二の治療剤ならびに治療効果を得るための前記第一および第二の薬剤の投与指示書を含むキット。

【公表番号】特表2008−545617(P2008−545617A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556678(P2007−556678)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【国際出願番号】PCT/IB2006/000374
【国際公開番号】WO2006/090250
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】