説明

耐アーク放電ゼロフィールドプレート

本発明の実施形態は、概して基板処理チャンバ内でアーク放電及び寄生プラズマを低減するための装置に関する。装置は、概して、基板支持体、バッキングプレート、及びシャワーヘッドを内部に配置した処理チャンバを含む。シャワーヘッドサスペンションは、バッキングプレートをシャワーヘッドに電気的に結合する。導電性ブラケットは、バッキングプレートに結合し、シャワーヘッドから離間している。導電性ブラケットは、プレート、下部、上部、及び垂直拡張部を含むことができる。導電性ブラケットは、電気絶縁体に接触している。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
(発明の分野)
本明細書内の発明の実施形態は、概して基板処理チャンバ内でプラズマを生成することに関する。
【0002】
(関連技術の説明)
大型のフラットパネルディスプレイ及び太陽電池パネルの需要が増加するのに伴って、被処理基板のサイズも増大させる必要がある。例えば、大面積基板の表面積は、2平方メートルを超える可能性がある。これらの大面積基板を処理するために、チャンバサイズも増大させる必要がある。プラズマ強化化学蒸着(PECVD)チャンバでは、バッキングプレートは、当然大面積基板と少なくとも同じ大きさになるだろう。したがって、大面積基板処理用PECVD装置では、バッキングプレートの表面積は、2平方メートルを超える可能性がある。バッキングプレートのサイズの増加に伴い、RF電流の増加が必要な場合がある。
【0003】
PECVDでは、処理ガスはシャワーヘッドを介して処理チャンバ内に導入され、シャワーヘッドに印加されるRF電流によって点火されてプラズマになることができる。基板サイズが増加するにつれて、シャワーヘッドに印加されるRF電流もそれに応じて増加する可能性がある。より大きなRF電流は、PECVDチャンバの望ましくない場所にアーク放電又は寄生プラズマが生じる可能性を高める。アーク放電及び寄生プラズマは、所望の基板処理からRF電流を奪い、基板処理をより高価でより非効率的にする。
【0004】
したがって、不要なアーク放電及び寄生プラズマの形成を制御する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施形態は、概して基板処理チャンバ内でアーク放電及び寄生プラズマを低減するための装置に関する。装置は、概して、基板支持体、バッキングプレート、及びシャワーヘッドを内部に配置した処理チャンバを含む。シャワーヘッドサスペンションは、バッキングプレートをシャワーヘッドに電気的に結合する。導電性ブラケットは、バッキングプレートに結合し、シャワーヘッドから離間している。導電性ブラケットは、プレート、下部、上部、及び垂直拡張部を含むことができる。導電性ブラケットは、電気絶縁体に接触している。
【0006】
一実施形態では、真空処理チャンバは、チャンバ本体内に配置されたバッキングプレートと、チャンバ本体内に配置され、バッキングプレートに結合されたシャワーヘッドを含む。また、真空処理チャンバは、バッキングプレートをシャワーヘッドに電気的に結合する1以上のシャワーヘッドサスペンションと、バッキングプレートに結合され、シャワーヘッドサスペンションから離間した導電性ブラケットを含む。導電性ブラケットは、シャワーヘッドの面に実質的に垂直に配置されたプレートを含む。また、真空処理チャンバは、導電性ブラケットのプレートに接触する第1面と、チャンバ本体に接触する第2面を有する電気絶縁体を含む。
【0007】
別の一実施形態では、処理チャンバは、チャンバ本体と、チャンバ本体上に位置するチャンバ蓋と、チャンバ蓋に結合されたバッキングプレートを含む。シャワーヘッドは、バッキングプレートに結合され、RF源は、シャワーヘッドに結合される。導電性ブラケットはバッキングプレートに結合され、シャワーヘッドから離間している。導電性ブラケットは、シャワーヘッドの面に実質的に垂直に位置するプレートと、プレートの下端に結合された下部を含む。下部は、プレートに対して実質的に垂直である。また、導電性ブラケットは、プレートから延在し、下部と平行に位置する上部を含む。ポリテトラフルオロエチレンを含む第1電気絶縁体は、バッキングプレート、チャンバ本体、及びシャワーヘッドに近接して位置する。電気絶縁体は、チャンバ本体に接触する第1面と、導電性ブラケットのプレートに接触する第2面を有する。
【0008】
別の一実施形態では、処理チャンバは、チャンバ本体と、チャンバ本体上に配置された蓋と、チャンバ本体内に配置されたシャワーヘッドを含む。また、処理チャンバは、シャワーヘッドに電気的に結合された導電性ブラケットを含む。導電性ブラケットは、シャワーヘッドの外側で横方向に配置され、シャワーヘッドと離間関係にある。電気絶縁体が導電性ブラケットに接触して配置される。電気絶縁体は、導電性ブラケットの外側に横方向に位置し、チャンバ本体と接触する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の上述した構成を詳細に理解することができるように、上記に簡単に要約した本発明のより具体的な説明を、実施形態を参照して行う。実施形態のいくつかは添付図面に示されている。しかしながら、添付図面は本発明の典型的な実施形態を示しているに過ぎず、したがってこの範囲を制限されていると解釈されるべきではなく、本発明は他の等しく有効な実施形態を含み得ることに留意すべきである。
【図1】本発明の一実施形態に係るPECVD装置の断面図である。
【図2A】シャワーヘッドに結合されたバッキングプレートの模式図である。
【図2B】シャワーヘッドに結合されたバッキングプレートの模式図である。
【図3】シャワーヘッドに結合されたバッキングプレートの模式図である。
【図4】電気絶縁体を貫通する及び周囲の電界の図である。
【図5】シャワーヘッドに結合されたバッキングプレートの模式図である。
【図6A】〜
【図6G】導電性ブラケットの斜視図である。
【0010】
理解を促進するために、図面に共通する同一の要素を示す際には可能な限り同一の参照番号を使用している。一実施形態で開示された要素を明確な説明なしに他の実施形態で有益に利用してもよいと理解される。
【詳細な説明】
【0011】
本発明の実施形態は、概して基板処理チャンバ内でアーク放電及び寄生プラズマを低減するための装置に関する。装置は、概して、基板支持体、バッキングプレート、及びシャワーヘッドを内部に配置した処理チャンバを含む。シャワーヘッドサスペンションは、バッキングプレートをシャワーヘッドに電気的に結合する。導電性ブラケットは、バッキングプレートに結合し、シャワーヘッドから離間している。導電性ブラケットは、プレート、下部、上部、及び垂直拡張部を含むことができる。導電性ブラケットは、電気絶縁体に接触している。
【0012】
本明細書内で説明される実施形態は、カリフォルニア州サンタクララにあるアプライドマテリアルズ社(Applied Materials, Inc.)の子会社であるAKTアメリカ社(AKT America)から入手可能なPECVDチャンバ内で実施することができる。本明細書内で説明される実施形態は、他のメーカーで販売されているものを含む他の処理システムで実施可能であることを理解すべきである。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係るPECVD装置の断面図である。装置は、内部で基板120上に1以上の膜を堆積できるチャンバ100を含む。チャンバ100は、概して処理容積を画定する壁102、底部104、及びシャワーヘッド106を含む。基板支持体118は、処理容積内に配置されている。処理容積は、スリットバルブの開口108を介してアクセスされ、これによって基板120をチャンバ100の内外へ搬送できる。基板支持体118は、基板支持体118を上下動するアクチュエータ116に結合することができる。リフトピン122が、基板支持体118を貫通して移動可能に配置され、これによって基板を基板受け面へ及び基板受け面から移動することができる。また、基板支持体118は、加熱及び/又は冷却要素124を含み、これによって基板支持体118を所望の温度に維持することができる。また、基板支持体118はRFリターンストラップ126を含み、これによって基板支持体118の周縁部にRFリターンパスを提供することができる。
【0014】
シャワーヘッド106は、締結機構150によってバッキングプレート112に結合さる。シャワーヘッド106は、1以上の締結機構150によってバッキングプレート112に結合することができ、これによってたわみを防ぎ、及び/又はシャワーヘッド106の真直度/曲率を制御するのを助長する。一実施形態では、シャワーヘッド106をバッキングプレート112に結合するために、12の締結機構150を使用できる。締結機構150は、ナット及びボルトアセンブリを含むことができる。一実施形態では、ナット及びボルトアセンブリは、電気絶縁材料で作ることができる。別の一実施形態では、ボルトを金属で作り、電気絶縁材料で囲んでもよい。更に別の一実施形態では、シャワーヘッド106は、ボルトを受け入れるためにねじ切りされていてもよい。更に別の一実施形態では、ナットは電気絶縁材料で形成することができる。電気絶縁材料は、締結機構150がチャンバ100内に存在するプラズマに電気的に結合するのを防止することを助長する。
【0015】
ガス供給源132は、シャワーヘッド106内のガス通路を通して、シャワーヘッド106と基板120との間の処理領域にガスを供給するバッキングプレート112に結合されている。真空ポンプ110は、チャンバ100に結合され、処理容積を所望の圧力に制御する。RF源128は、バッキングプレート112及び/又はシャワーヘッド106に結合され、シャワーヘッド106にRF電流を供給する。RF電流はシャワーヘッド106と基板支持体118の間に電界を生成し、これによってシャワーヘッド106と基板支持体118の間でガスからプラズマを生成できる。約0.3MHz〜約200MHzの周波数などの様々な周波数を使用することができる。一実施形態では、RF電流は、13.56MHzの周波数で供給される。
【0016】
誘導結合リモートプラズマ源130などのリモートプラズマ源130もまた、ガス源132とバッキングプレート112の間に結合可能である。基板処理の間に、リモートプラズマが生成されるように、クリーニングガスをリモートプラズマ源130に供給することができる。リモートプラズマからのラジカルをチャンバ100に供給し、チャンバ100の部品をクリーニングすることができる。クリーニングガスは、シャワーヘッド106に供給されるRF源128によって更に励起可能である。適切なクリーニングガスとしては、NF、F、SF及びClを含むがこれらに限定されない。基板120の上面とシャワーヘッド106との間の間隔は、約400ミル〜約1200ミルの間が可能である。一実施形態では、間隔は約400ミル〜約800ミルの間が可能である。
【0017】
バッキングプレート112は、支持アセンブリ138によって支持できる。1以上のアンカーボルト140は、支持アセンブリ138から支持リング144まで下方に延びることができる。支持リング144は、1以上の締結機構142によってバッキングプレート112と結合することができる。一実施形態では、締結機構142は、ナット及びボルトアセンブリを含むことができる。別の一実施形態では、締結機構142は、バッキングプレート112のねじ受け面と結合されたねじ付きボルトを含むことができる。支持リング144は、バッキングプレート112の略中央でバッキングプレート112と結合することができる。バッキングプレート112の中央は、支持リング144が無い場合に、バッキングプレート112を支持できる最小量の領域である。したがって、バッキングプレート112の中央領域を支持することによって、バッキングプレート112のたわみを低減及び/又は防止することができる。一実施形態では、支持リング144は、バッキングプレート112の形状を制御するアクチュエータに結合することができ、これによってバッキングプレート112の中央をバッキングプレート112の端部に対して上下動させることができる。バッキングプレート112の動作は、処理中に得られた計量値に応じて引き起こすことができる。一実施形態では、計量値は、堆積される層の厚さである。別の一実施形態では、計量値は、堆積される層の組成である。バッキングプレート112の動作は、処理と同時に引き起こすことができる。一実施形態では、1以上の締結機構142は、バッキングプレート112を貫通してシャワーヘッド106まで延びることができる。
【0018】
シャワーヘッド106は更に、シャワーヘッドサスペンション134によってバッキングプレート112に結合することができる。一実施形態では、シャワーヘッドサスペンション134は、フレキシブルな金属製のスカートである。シャワーヘッドサスペンション134は、シャワーヘッド106を上に置くことができるリップ136を有することができ、導電性ブラケット180と電気的に連通する。バッキングプレート112は、チャンバ100を密封するチャンバ壁102と結合した棚部114の上面の上に配置できる。チャンバ蓋152は、チャンバ壁102と結合し、領域154によってバッキングプレート112から離間することができる。一実施形態では、領域154は、開放空間(例えば、チャンバ壁とバッキングプレート112の間のギャップ)であってもよい。別の一実施形態では、領域154は、電気絶縁性材料であってもよい。チャンバ蓋152は、貫通する開口部を有することができ、1以上の締結機構142がバッキングプレート112と、処理ガスをチャンバ100に供給するガス供給管156と結合するのを可能にする。一実施形態では、支持リング144は、チャンバ蓋152の下に配置され、実質的にチャンバ蓋152の開口部内にセンタリングされることができる。
【0019】
RFリターンプレート146は、リング144及びチャンバ蓋152と結合することができる。RFリターンプレート146は、締結機構148によって、チャンバ蓋152と結合することができる。一実施形態では、締結機構148は、ラグスクリューを含む。RFリターンプレート146は、締結機構142とリング144の間に結合することができる。RFリターンプレート146は、締結機構142を通ってリング144に伝わる可能性のあるRF電流のためのRF源128までのリターンパスを提供する。RFリターンプレート146は、RF電流がチャンバ蓋152へ下降して、その後RF源128へ戻って流れるための経路を提供する。
【0020】
図2Aは、シャワーヘッドに結合されたバッキングプレートの模式図である。シャワーヘッドサスペンション134は、バッキングプレート112とシャワーヘッド206の間に結合されている。シャワーヘッドサスペンション134は、シャワーヘッド206をバッキングプレート112に電気的に結合するために、一般的にアルミニウムなどの導電性材料から作られている。シャワーヘッドサスペンション134は、締結アセンブリ272によって、バッキングプレート112に接続されている。締結アセンブリ272は、ネジ付きボルト、ネジ、又は溶接が可能である。一実施形態では、締結アセンブリ272は、バネ又は他の張力調整機構を含むこともできる。
【0021】
バッキングプレート112は、棚部114の上面の上に配置されている。棚部114は、チャンバ本体に結合される、又はチャンバ本体の不可欠な部分であり、チャンバ壁と電気的に連通している。棚部114はまた、棚部114の上面の上でチャンバ蓋152を支持する。一般的にチャンバ蓋152と棚部114もまた、互いに電気的に連通している。
【0022】
棚部114は、電気絶縁体260、262、264、266によって、バッキングプレートから電気的に絶縁されている。電気絶縁体260、262、264、266は、ポリテトラフルオロエチレン(例えば、テフロン(商標名)ポリマー)などの電気絶縁性材料であってもよく、又はポリテトラフルオロエチレンでコーティングされた電気絶縁性材料を含んでもよい。コーティングに適した電気絶縁性材料は、セラミックス、アルミナ、又は他の誘電体材料を含むことができる。電気絶縁体260、262、及び266は、ボイド(空隙)を埋めるために存在し、潜在的なアーク放電を最小限に抑えるのに役立つ。電気絶縁体260、262、及び266が存在する場合、棚部114と、シャワーヘッド206と、バッキングプレート112の間で電気的絶縁を提供することができる。図2Aの実施形態は、オプションの電気絶縁体276を更に含む。電気絶縁体276は、棚部114及びシャワーヘッド206に接触し、それらの間の電気的絶縁を提供する。また、電気絶縁体276は、電気絶縁体260及び262の支持を提供することができ、又はシャワーヘッド106の周りから、処理チャンバの望ましくない領域内に流れる処理ガスを含む可能性がある。
【0023】
図2Aの実施形態では、空間290は、電気絶縁体260、262、264、266、棚部114、バッキングプレート112、及び電気絶縁体276の間に存在している。空間290は、処理中の熱膨張を許容するために一部に組み込まれている。また、空間290は、RF電力がプロセスチャンバに印加される方法のため、アーク放電及び寄生プラズマが生じる可能性のある潜在的な場所を作る。
【0024】
RF電力は、「表皮効果」によって処理システム全体を伝わり、例えば、RF電流は導電性部品の表面全体を伝わる。図2Aの実施形態では、RF電流はRF源(図示せず)から、蓋152に面しているバッキングプレート112の表面全体に伝わり、電気絶縁体262に面しているシャワーヘッドサスペンション134の表面に下り、処理領域に面しているシャワーヘッド206の表面全体に流れる。その後、RF電流は、処理チャンバの処理領域内で生成されるプラズマを介して、基板支持体に容量結合される。その後、RF電流は、基板支持体又は接地ストラップを下って伝わり、及びチャンバ本体の壁を上ってRF源へと伝わることによって、RF源に戻るように進む。RF源から流れるRF電流は、「RFホット」と呼ばれ、RF源に戻るRF電流は、「RFリターン」と呼ばれる。
【0025】
棚部114はチャンバ本体に結合されている、又は、チャンバ本体の一部となっているので、棚部114は、RFリターンパスの一部である。逆に、RF電力は、RF源からシャワーヘッドサスペンション134を横切って、処理領域内の容量結合プラズマに印加されているので、シャワーヘッドサスペンション134は、「RFホット」である。空間290は、RFリターンパスである棚部114と、RFホットであるシャワーヘッドサスペンション134の間に位置している。こうして、空間290を隔てて電位差が存在する。したがって、処理ガスが空間290内に位置する場合は、棚部114とシャワーヘッドサスペンション134を隔てた電位が、空間290内でアーク放電又は寄生プラズマを形成する可能性がある。これは、所望の処理からRF電力を奪い、所望の処理をより非効率的により高価なものにするので、望ましくない効果である。
【0026】
図2Bは、シャワーヘッドに結合されたバッキングプレートの模式図である。空間290は、RFリターンパスである棚部114と、RFホットであるシャワーヘッドサスペンション134の間に位置している。RFホットの矢印は、処理チャンバの処理領域内に存在するであろう容量結合プラズマに供給されているRF電流を示している。RF電流は、RF源から、バッキングプレート112を越えて、締結アセンブリ272を越えて、シャワーヘッドサスペンション134を下り、シャワーヘッド206全体に流れる。RFリターンの矢印は、RF源に戻るRF電流の経路を示している。RFリターン電流は、RF電流がRF源に戻るまで、棚部114を越えて、チャンバ蓋152を上って流れる。
【0027】
図2Bに見られるように、空間290は、一方の側にRFホット電流を、もう一方の側にRFリターン電流を有する。これは、空間290を隔てて電位を生成し、空間290内に何らかの処理ガスが存在する場合、処理ガスは点火して寄生プラズマとなり、アーク放電をもたらす可能性がある。1ミリメートルほどの小さなボイドは、空間を隔てて十分な電位がある場合、アーク放電又は寄生プラズマを許容するのに十分である。したがって、空間290を除去することが望ましい。
【0028】
図3は、シャワーヘッドに結合されたバッキングプレートの模式図である。シャワーヘッドサスペンション134は、バッキングプレート112とシャワーヘッド206の間に結合され、フレキシブルであってもよい。シャワーヘッドサスペンション134は、一般的にアルミニウムなどの導電性材料から作られ、シャワーヘッド206をバッキングプレート112に電気的に結合する。シャワーヘッドサスペンション134は、締結アセンブリ372によって、バッキングプレート112に接続されている。図3に示される実施形態では、締結アセンブリ372は、バッキングプレート112内にねじ込まれるように用いられるボルトである。
【0029】
バッキングプレート112は、棚部114の上部の上に配置されている。図3の実施形態では、棚部114は、チャンバ壁の一部である。棚部114は、電気絶縁体360、364によってバッキングプレートから電気的に絶縁され、チャンバ蓋152を支持している。電気絶縁体360、364は、テフロン(商標名)ポリマーなどの電気絶縁性材料、又はテフロン(商標名)ポリマーでコーティングした材料が可能である。コーティングに適した電気絶縁性材料は、セラミックス、アルミナ、又は他の誘電体材料を含む。一実施形態では、電気絶縁体360は、誘電体インサートである。電気絶縁体376は、棚部114とシャワーヘッド206の間に配置されている。電気絶縁体376は、電気絶縁体360を支持するのを助長することができ、チャンバ部品間のアーク放電を防ぐことができ、シャワーヘッド206の上方の領域内に処理ガスを含めることができる。
【0030】
電気絶縁体360は、片側で棚部114に、反対側で導電性ブラケット380に当接する。導電性ブラケット380は、フレキシブルであり、導電性材料(例えば、アルミニウムなどの金属又は他の適当な材料)を含むことができる。一実施形態では、電気絶縁体360と棚部114の間、又は電気絶縁体360と導電性ブラケット380の間に空間はない。導電性ブラケット380は、電気絶縁体360との接触を維持するのに十分な剛性を有するが、処理時の熱膨張を許容するのに十分フレキシブルである必要がある。導電性ブラケット380は、導電性ブラケット380を所定の位置にしっかりと固定するネジ又はボルトを含むことができる締結アセンブリ372によって適所に保持されている。図3に示される実施形態では、締結アセンブリ372は、シャワーヘッドサスペンション134及び導電性ブラケット380の上部に穴を貫通して配置されたボルトを用いて、シャワーヘッドサスペンション134及び導電性ブラケット380をバッキングプレート112に固定する。
【0031】
理想的には、電気絶縁体360と棚部114の間、又は電気絶縁体360と導電性ブラケット380の間には、空間は存在しない。しかしながら、加工公差及び熱膨張の許容範囲のために、基板の処理中にいくらかの空間が存在する可能性がある。存在するすべての空間は、約1ミリメートル未満であることが望ましい。電気絶縁体360などの単一の電気絶縁体の使用は、複数の電気絶縁体を使用する場合に通常存在するであろう空間又はギャップの量を更に減らすのに役立つ。したがって、基板のプラズマ処理中において、電位がRFリターン及びRFホット電流によって電気絶縁体360を隔てて存在する可能性があるにもかかわらず、寄生プラズマ又はアーク放電が発生するための空間がない。ブラケット380から発せられる高密度電界は、アーク放電が発生する可能性の無い電気絶縁体360内に位置している。
【0032】
導電性ブラケット380及びシャワーヘッドサスペンション134は、締結アセンブリ372の近くで電気的に連通している。空間374は、導電性ブラケット380とシャワーヘッドサスペンション134の間に存在する。しかしながら、導電性ブラケット380とシャワーヘッドサスペンション134は、電気的に連通しており、RFホット電流が処理領域内の容量結合プラズマに到達するための経路を提供するので、空間374を隔てて電位は存在しない又は無視できる。このように、ギャップ又は空間が存在するにもかかわらず、導電性ブラケット380とシャワーヘッドサスペンション134を隔てた電位は無視できるので、アーク放電が発生することはない。したがって、電気絶縁体360の右側、例えば、導電性ブラケット380とシャワーヘッドサスペンション134の間の電界は、ほぼゼロであることが望ましい。
【0033】
図3の実施形態では、RFホット電流は、電気絶縁体360の右側に存在し、RFリターン電流は、リターン電流が棚部114の表面全体を伝わるので、電気絶縁体360の左側に存在している。電気絶縁体360の右側のRFホット電流及び電気絶縁体360の左側のRFリターン電流は、電気絶縁体360を隔てて電位を生成する。上述のように、ボイド又は空間がある場合、電位は、アーク放電又は寄生プラズマを生成する可能性がある。しかしながら、本実施形態では、電気絶縁体360は(RFリターン電流を有する)棚部114と(RFホット電流を有する)導電性ブラケット380との間のすべての空間を完全に占める。寄生プラズマ及びアーク放電は、一般的に固体材料によって占められた空間では発生しない。したがって、アーク放電が発生しないので、存在する電位は、基板処理に対して許容される。
【0034】
一実施形態では、電気絶縁体360に面している導電性ブラケット380の実質的にすべての面は、電気絶縁体360に接触している。同様に、棚部114に面している電気絶縁体360のすべての面は、棚部114に接触している。電気絶縁体360の表面が導電性ブラケット380及び棚部114と実質的に接触しており、電気絶縁体360は熱膨張に順応することができるので、それらの間にギャップはない。したがって、アーク放電又は寄生プラズマが発生するための場所はない。電気絶縁体360は、導電性ブラケット380と棚部114の間に存在する実質的にすべての空間又はボイドを除去するようなサイズ及び形状である。なお、たとえ熱膨張のために小さなボイド又はギャップが生じても、電気絶縁体360の結果としてシース間のRF電圧が減少するため、アーク放電の可能性は大幅に低減される。
【0035】
図4は、電気絶縁体360を貫通する電界及び周囲の電界の図である。RFホット電流は、バッキングプレート及びシャワーヘッドを越えて、RF電流がその後基板支持体に容量結合される処理領域へと伝わる。RFホット電流は、図4の右側に示されるように、導電性ブラケット380全体に近接して伝わる。RF電流は、チャンバ本体及びチャンバ本体と電気的に連通している棚部114を伝わることによって、RF源へと戻る。
【0036】
RFホット電流のみが、導電性ブラケット380の右側に存在しているので、E=0で示されるように、この領域内に電位は生成されない。同様に、RFリターン電流のみが、棚部114の左側に存在しているので、チャンバのこの領域内にも電位はない。電位がないので、アーク放電及び寄生プラズマは発生しない。図4の実施形態で電位が存在する唯一の場所は、電気絶縁体360を隔てた両端である。しかしながら、電気絶縁体360は、導電性ブラケット380と棚部114の間の空間を完全に占めているセラミックス又はアルミナなどの電気絶縁材料である。上述のように、アーク放電は、チャンバ内の空間又はボイド内でのみ発生する。このように、電気絶縁体360が導電性ブラケット380と棚部114の間の空間を占めているので、アーク放電が発生する空間はない。したがって、電位が電気絶縁体360を隔てて存在していても、アーク放電及びプラズマは電気絶縁体360によって占められた領域内では発生しない。
【0037】
図5は、シャワーヘッドに結合されたバッキングプレートの模式図である。シャワーヘッドサスペンション134は、バッキングプレート112とシャワーヘッド506の間に結合されている。シャワーヘッドサスペンション134は、導電性材料から形成されており、締結アセンブリ372によってバッキングプレート112に接続されている。締結アセンブリ372は、導電性ブラケット180及びシャワーヘッドサスペンション134をバッキングプレート112に固定するためのボルトを含むことができる。また、締結アセンブリ372は、電気絶縁体360の表面に接して、導電性ブラケット180を適所で保持している。電気絶縁体576は、電気絶縁体360の下方に接触して配置され、シャワーヘッド506の裏側に処理ガスを含むことができる。棚部114は、チャンバ本体の一部であり、RF電流がRF源に戻るためのリターンパスを提供する。また、棚部114は、棚部114の上面の上に配置されたチャンバ蓋152のための支持を提供する。チャンバ蓋152とバッキングプレート112は、空間594によって分離している。
【0038】
バッキングプレート112は、電気絶縁体364によって棚部114から電気的に絶縁されたままである。電気絶縁体364は、バッキングプレート112の重量によって適所に保持されるか、又は締結アセンブリ372によって固定することができる。RFリターン電流は棚部114全体に伝わり、RFホット電流はバッキングプレート112全体に伝わるので、電気絶縁体364を隔てて電位は存在する。しかしながら、電気絶縁体364は、棚部114とバッキングプレート112の間のすべての空間を占めるので、アーク放電が発生する場所はない。電気絶縁体364に接触するバッキングプレート112と棚部114の両表面は、その間に最小限のギャップを有するか、又はギャップを有さない。一実施形態では、バッキングプレート112と電気絶縁体364の間に存在するギャップは、1ミリメートル未満である。
【0039】
図5に示される実施形態では、導電性ブラケット180は、バッキングプレート112内にねじ込まれたボルトを含む締結アセンブリ372によって、電気絶縁体360に固定して取り付けられている。導電性ブラケット180は、(図3で示された)導電性ブラケット380と似ているが、導電性ブラケット180は、導電性ブラケット180の下端から垂直に延びる追加の下部585と、下部585に結合された垂直拡張部587を含む。導電性ブラケット180は、ボイド又はギャップを除去することによって導電性ブラケット180の左側の場所でのアーク放電を低減するのに役立つのみならず、導電性ブラケット180の(垂直拡張部587の端部の)先端591を無視できる電界位置に移動することによって、導電性ブラケット180の右側又は下側に発生する可能性のあるアーク放電も低減させる。
【0040】
図3の導電性ブラケット380を参照すると、最下端は比較的鋭い角の面を生成し、RFホットである。鋭い表面は、しばしば、これらの点で高電界に起因するアーク放電を誘発する可能性がある。チャンバ壁などのチャンバ部品は、RFリターン電流用の経路を提供する。したがって、導電性ブラケット380の鋭い表面からチャンバ壁などの他のチャンバ部品へアーク放電が発生する可能性がある。
【0041】
しかしながら、アーク放電の発生する可能性は、導電性ブラケット380の鋭い端部をRFリターン電流から離して、無視できる電界内の位置に移動することによって低減することができる。図5の導電性ブラケット180に戻って参照すると、下部585及び垂直拡張部587が追加されている。導電性ブラケット180の下部585及び垂直拡張部587は、電気絶縁体360とシャワーヘッドサスペンション134との間に位置し、同様の電位の方向に(例えば、両方ともRFホットであるシャワーヘッド506とシャワーヘッドサスペンション134に向かって)延在する。したがって、導電性ブラケット180の先端591が依然として比較的鋭い点であるにもかかわらず、先端591は電界の無視できる又はまったく電界の無い場所に配置される。電界が無視でき、すべての周囲のチャンバ部品はほぼ同電位なので、アーク放電の可能性は大幅に低減される。
【0042】
図6A〜6Gは、導電性ブラケットの斜視図である。図6Aは、無視できる電界の場所に、先端691Aを配置することによってアーク放電の可能性を低減するように構成された導電性ブラケット680Aを示している。導電性ブラケット680Aは、プレート681、上部683、下部685A、及び垂直拡張部687Aを含む。プレート681は、垂直拡張部687Aと実質的に平行であり、上部683及び下部685Aに対して実質的に垂直である。導電性ブラケット680Aは、材料の単一部材から構成されている。別の一実施形態では、ブラケットは、溶接、リベット、又はブラケット680A全体を通して導電性を維持するのに適した任意の他の方法によって、互いに結合された材料の複数の部材から形成できる。また、他の処理チャンバ部品のサイズ又は形状に応じて、導電性ブラケット680Aは、円形又は半円形の形状を含む他の形状に形成することができる。
【0043】
導電性ブラケット680Aは、一般的に、垂直拡張部687Aがプレート681とシャワーヘッドサスペンション(図示せず)又はシャワーヘッド(図示せず)の間に位置するように、処理チャンバ内に配置される。プレート681の裏面は、電気絶縁体360(図3)などの電気絶縁体(図示せず)に接触するように用いられ、穴682を貫通して配置されたネジ又はボルトによってそれに結合することができる。垂直拡張部687Aに形成された穴688は、プレート681の穴682と放射状に整列し、これによって工具が穴688を通過可能となり、ブラケット680Aを電気絶縁体に固定するための穴682に係合するように使用される締結具にアクセスできる。同様に、下部685Aに設けられた穴686によって、導電性ブラケット680Aを固定するための上部683の穴684に係合するように使用される締結具に工具はアクセス可能となる。例えば、チャンバ内に導電性ブラケット680Aを配置し維持するように、締結アセンブリ(図示せず)が穴684を貫通して配置されてもよい。導電性ブラケット680Aがネジ又はボルトによってではなく処理チャンバ内に固定される実施形態では、穴に682、684、686、688は必要ない場合もある。
【0044】
導電性ブラケット680Aは、少なくとも下部685Aと、オプションで垂直拡張部687Aを含むので、アーク放電の発生の可能性が大幅に低減される。図6Aの実施形態では、導電性ブラケット680Aの鋭い端部が垂直拡張部687Aである。しかしながら、垂直拡張部687Aの上部は、同様の電位であるプレート681とシャワーヘッドサスペンション(図示せず)の間に配置されることになる。したがって、垂直拡張部687A、プレート681、及びシャワーヘッドサスペンションは、すべて同様の電位となるので、垂直拡張部687Aの上端の電界は無視でき、垂直拡張部687Aが比較的鋭い端部で終了しているにもかかわらず、アーク放電が発生する可能性は低い。下部685A及び垂直拡張部687Aの長さ及び高さは重要ではないが、一般的にはブラケット(又は垂直拡張部)の下部の終点が、プレート681の底部からより遠くに(つまり、RFリターンパスからより遠くに)移動するにつれて、電界と、それゆえアーク放電の可能性は更に減少する。図6Aに示される実施形態では、導電性ブラケット680Aは、下部及び垂直拡張部を欠いた導電性ブラケットと比べた場合、垂直拡張部687Aの先端で約98%の電界強度の低減を提供する。
【0045】
図6Bは、短縮した下部685Bを有する導電性ブラケット680Bを示している。下部685Bの先端は、導電性ブラケット680Bを固定するために利用される工具を収容するための切欠き693を有する。下部685Aと比較して、下部685Bの先端はプレート681から遠くで取り除かれていないので、電界強度の減少はブラケット680Aほど大きくはない。しかしながら、導電性ブラケット680Bは依然として、下部685Bを欠いた導電性ブラケット(例えば、図3のブラケット380)と比べて、下部685Bの最外端に沿って約60%低下した電界強度を示す。したがって、短縮した下部685Bでさえも追加することによって、アーク放電の発生する可能性は大幅に低減される。
【0046】
図6Cは、垂直拡張部を欠いた導電性ブラケット680Cを示している。下部685Cは、下部685A(図6A)とほぼ同じサイズであり、下部685Bよりもサイズは大きい。導電性ブラケット680Cは、下部685Cを欠いた導電性ブラケット(例えば、図3の導電性ブラケット380)に比べて、下部685Cの最外端に沿って約80%低下した電界強度を示す。したがって、下部685Cのサイズを大きくすることによって、アーク放電の発生する可能性は更に低減される。しかしながら、下部685Bの長さに比べて下部685Cの余分な長さによって得られる利益は、線形ではない(例えば、下部685Bのサイズが増加するにつれて、得られる利益は減少する)。したがって、下部685Cの長さの延長は、電界強度の低減の点で縮小した利益を提供することが分かる。
【0047】
図6Dは、下部685D及び短縮した垂直拡張部687Dを有する導電性ブラケット680Dを示している。下部685Dは、下部685A(図6A)とほぼ同じサイズであるが、垂直拡張部687Dの長さは、垂直拡張部687A(図6A)よりも短い。導電性ブラケット680Dは、下部及び垂直拡張部を欠いた導電性ブラケット(例えば、図3に示される導電性ブラケット380)と比べて、垂直拡張部687Dの最上端に沿って約90%低下した電界強度を示す。しかしながら、下部685Dに加えて垂直拡張部687Dによって得られる利益は、下部685Dのみを有する導電性ブラケット(例えば、導電性ブラケット680C)よりも若干大きいだけである。
【0048】
図6Eは、下部685E及び短縮した垂直拡張部687Eを有する導電性ブラケット680Eを示している。下部685Eは、下部685A(図6A)とほぼ同じサイズであるが、垂直拡張部687Eは、垂直拡張部687A(図6A)よりも短い。垂直拡張部687Eは、工具が穴682へアクセスできるように、一端に切欠き693を含む。導電性ブラケット680Eは、下部部品又は垂直拡張部を欠いた導電性ブラケット(例えば、図3に示される導電性ブラケット380)と比べて、垂直拡張部687Eの最上端に沿って約95%低下した電界強度を示す。しかしながら、垂直拡張部687Dに対して垂直拡張部687Eによって得られる利益は、わずか約5%にすぎない。このように、垂直拡張部の長さの増加は、電界強度の減少に関する利益の点で縮小した利益を提供する。したがって、ブラケットの一部が、プレート681の下部から離れて、同様の電位のプレート681とシャワーヘッドサスペンションの間の位置に向いている限り、下部又は垂直拡張部の長さ又はサイズは重要ではない。
【0049】
図6Fは、下部685Fを有する導電性ブラケット680Fを示している。下部685Fのサイズは、下部685F内に切欠き又は穴を配置する必要なく、工具が穴684へアクセスできるように十分小さい。下部685Fの幅は、上部683の幅の約10%〜約20%である。プレート689は、貫通穴の無い材料でできた無垢の部品である。プレート689は、プレート689がプレート681の穴682を欠いていることを除き、プレート681と似ている。したがって、ブラケット680Fは、ネジ又はボルト以外の手段によって、適所に保持される。例えば、ブラケット680Fは、接着又は溶接によって、処理チャンバ内で適所に保持できる。
【0050】
図6Gは、下部685G及び垂直拡張部687Gを有する導電性ブラケット680Gを示している。下部685Gのサイズは、下部685G内に切欠き又は穴を配置する必要なく、工具が穴684へアクセスできるように十分小さい。下部685Fの幅は、上部683の幅の約10%〜約20%である。垂直拡張部687Gは、下部685Gとほぼ同じサイズである。
【0051】
本発明の利点は、基板の処理中における寄生プラズマ及びアーク放電の低減又は除去を含むが、これらに限定されない。寄生プラズマ又はアーク放電の減少によって、より効率的でより低コストに基板を処理することができる。また、寄生プラズマ及びアーク放電の減少は、より均一な基板処理のスループットを提供する。更に、より低真空でより高いRF電力の処理条件は、寄生プラズマ形成の可能性を高めるので、本発明の電気絶縁体及び導電性ブラケットによって、これらの処理条件を利用可能となる。
【0052】
上記は本発明の実施形態を対象としているが、本発明の他の及び更なる実施形態は本発明の基本的範囲を逸脱することなく創作することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバ本体内に配置されたバッキングプレートと、
チャンバ本体内に配置され、バッキングプレートに結合されたシャワーヘッドと、
バッキングプレートをシャワーヘッドに電気的に結合する1以上のシャワーヘッドサスペンションと、
バッキングプレートに結合され、シャワーヘッドサスペンションから離間した導電性ブラケットであって、シャワーヘッドの面に実質的に垂直に配置されたプレートを含む導電性ブラケットと、
導電性ブラケットのプレートに接触する第1面と、チャンバ本体に接触する第2面を有する電気絶縁体を含む真空処理チャンバ。
【請求項2】
処理チャンバはPECVDチャンバであり、PECVDチャンバはバッキングプレートに結合されたRF源を更に含み、電気絶縁体は、セラミックス、アルミナ、又はポリテトラフルオロエチレンを含む請求項1記載の処理チャンバ。
【請求項3】
導電性ブラケットは、
プレートの下端に結合され、プレートに実質的に垂直な下部と、
下部に結合され、プレートに平行な垂直拡張部を更に含み、垂直拡張部の長さはプレートの長さよりも短い請求項1記載の処理チャンバ。
【請求項4】
垂直拡張部は、工具を収容するための切欠きを内部に含む請求項3記載の処理チャンバ。
【請求項5】
導電性ブラケットは、プレートに結合され、下部に実質的に平行に位置する上部を更に含む請求項3記載の処理チャンバ。
【請求項6】
導電性ブラケットと電気絶縁体の間には実質的に空間が無く、導電性ブラケットはフレキシブルである請求項3記載の処理チャンバ。
【請求項7】
導電性ブラケットはアルミニウムを含む請求項1記載の処理チャンバ。
【請求項8】
処理チャンバであって、
チャンバ本体と、
チャンバ本体上に位置するチャンバ蓋と、
チャンバ蓋に結合されたバッキングプレートと、
バッキングプレートに結合されたシャワーヘッドと、
バッキングプレートに結合され、シャワーヘッドから離間した導電性ブラケットであって、
シャワーヘッドの面に実質的に垂直に位置するプレートと、
プレートの下端に結合され、プレートに実質的に垂直な下部と、
プレートから延在し、下部と平行に位置する上部を含む導電性ブラケットと、
バッキングプレート、チャンバ本体、及びシャワーヘッドに近接して位置するポリテトラフルオロエチレンを含む第1電気絶縁体であって、チャンバ本体に接触する第1面と、導電性ブラケットのプレートに接触する第2面を有する第1電気絶縁体を含む処理チャンバ。
【請求項9】
第1電気絶縁体と導電性ブラケットのプレートとの間には実質的に空間がない請求項8記載の処理チャンバ。
【請求項10】
チャンバ本体とバッキングプレートとの間に配置され、電気的に絶縁する第2電気絶縁体を更に含み、導電性ブラケットはアルミニウムである請求項8記載の処理チャンバ。
【請求項11】
導電性ブラケットの下部と導電性ブラケットのプレートは、互いに直角に接続され、基板処理チャンバはPECVDチャンバである請求項8記載の処理チャンバ。
【請求項12】
下部に結合された垂直拡張部を更に含む請求項8記載の処理チャンバ。
【請求項13】
プレート、垂直拡張部、下部、及び上部は、それぞれ貫通して配置された1以上の穴を有する請求項12記載の処理チャンバ。
【請求項14】
チャンバ本体と、
チャンバ本体上に配置された蓋と、
チャンバ本体内に配置されたシャワーヘッドと、
シャワーヘッドに電気的に結合され、シャワーヘッドの外側で横方向に配置され、シャワーヘッドと離間関係にある導電性ブラケットと、
導電性ブラケットに接触して配置され、導電性ブラケットの外側に横方向に位置し、チャンバ本体と接触する電気絶縁体を含む処理チャンバ。
【請求項15】
シャワーヘッドを蓋に結合するフレキシブルサスペンションを更に含む請求項14記載の処理チャンバ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【公表番号】特表2013−519791(P2013−519791A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552916(P2012−552916)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【国際出願番号】PCT/US2011/023934
【国際公開番号】WO2011/100200
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】