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耐久性のある高導電性合成布構造体
説明

耐久性のある高導電性合成布構造体

各フィラメントが電気的に伝導性のある重合体材料を含む、機能性フィラメントから成る布が提供される。この方法で、布は導電性のあるように作られ、且つ金属をベースにした布と同等の静電荷散逸特性を有する。同時にまた、布は非導電性の合成布と同等の望ましい物理的特性も有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は導電性布構造体に、特には、望ましい物理的特性も有しながら効果的に静電荷を散逸させる導電性布構造体に向けられている。
【背景技術】
【0002】
以前は、例えば静電気の散逸に有用な導電性布は、カーボンブラック又は金属粒子のような、導電性物質を多く加えたモノフィラメントを組み込んでいた。一般的には、これらの導電性物質は、ポリエチレンテレフタレート及びポリアミドのような基礎重合体の中に分散させられるか、又は配向されたモノフィラメントの上に沈積させられた重合体コーティングに混ぜられる。
【0003】
これらの従来技術の方法に関しては、幾つかの限界がある。第一に、加えられたモノフィラメントの伝導度は10−4−10−7S/cmの範囲だけであり、それは静電荷の効果的散逸に必要とされるぎりぎり最小の値である。不利なことに、この欠点は布の設計の選択に制限を加え、且つ布の性能も損なう。第二の不利な点は、完全に充填した製品の場合に、弾性係数(modulus)、粘着性及び伸びといった、モノフィラメントの物理的性質に関して妥協があることである。このことは20パーセント以上のレベルの導電性充填剤を混合することによりもたらされる高レベルの汚染に起因する。この物理的性質の損失は再び布の設計に関する選択を制限し、そして布の性能に否定的な影響を与える。従来技術の導電性布に関する更なる短所は、多く加えられたカーボンをベースにしたコーティングが、摩耗しやすく、接着性が低いことを示すことである。その結果、その散逸特性を伴った布の耐久性は良くない。
【0004】
その他の従来技術の導電性布は、導電性コーティング、金属線構造体、又は合成構造体の内部に金属の付加的な繊維が混ぜられている組合せ設計を組み入れている。しかし、これらの布に関しても欠点がある。例えば、これらの従来の設計は静電荷を散逸させるかも知れないが、金属線の入った構造は製造するのが難しいことは注記される。更なる不利な点は、金属をベースにした布は傷つきやすく、そして特に、望まれない窪みが付いたり、使用中に皺になるということである。他方、従来技術であるコートされた設計は耐久性が不足しており、そしてまた、開いた網目構造の有する浸透性の邪魔をする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
布の中に電気的に伝導性のある重合体を組み込むことは、前述の問題に対して可能性のある解法を提示する。これに関連して、導電性重合体は重合体それ自身として、あるいは共役した(conjugated)重合体のドープされた形として利用可能である。加えて、30−35×10S/cm程の高い伝導度がこれらの重合体を用いて達成されるのであり、それは銅の伝導度よりも僅かに下の程度である。しかし、十分な伝導度であることに加えてまた、重合体は使用温度において空気中で安定あり、且つ時間が経ってもその伝導度を保持しなければならない。また、導電性重合体材は加工処理が可能であって、且つ特定の用途について十分な機械的性質も持たねばならない。
【0006】
それゆえ、伝導性重合体を耐久性のある布構造体に製造され得る形態へ組み入れることは、本発明の主要な目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この及びその他の目的と利点が本発明によって提供される。この点に関して、本発明は耐久性があり高い導電性を有する合成布構造体に向けられている。有利なことに、本発明は導電性重合体材を含んでいる機能性フィラメントを使用することを伴う。結果として、これらの導電性フィラメントより成っている合成布は、以前には金属をベースにした布にだけ利用できた静電荷散逸特性を持つ一方、非導電性布と同等の物理的性質も有している。その結果、本発明の布構造体は金属の布の設計に関した窪みや皺に耐性がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に本発明によって、その目的及び利点が以下の図面と関連する記述で実現されるであろう。
【0009】
本発明の好ましい実施様態は、エアーレイ法、メルトブロー法及び/又はスパンボンド法で不織布地を作るのに使用される布のような、工業用布の文脈で記述されるだろう。しかし、本発明は、例えばベルトといった類を通して、静電気の散逸が要求される場合のどんな「乾式の」応用にも使用される、他の工業用布にも適用できることは記されるべきである。布構造体は織布、不織布、螺旋で繋がったもの、MD又はCD糸の配列、編まれた布、押出し成形された網、及び織られた又は不織の材料からなる螺旋状に巻かれた帯を含んでいる。これらの布はモノフィラメント、撚られたモノフィラメント、マルチモノフィラメント又は撚られたマルチモノフィラメントの合成糸より成っていてよく、及び単層、多層又は積層であってもよい。
【0010】
これより特に図面に立ち返るが、本発明は図1(横断面図)に示されるように、電気的に伝導性のある重合体材料14を含んでいる機能性フィラメント10よりなる布を提供する。従って、導電性重合体だけでは一般的に耐荷フィラメント10を形成するには強度不足であるのに対して、本発明は耐久性のある布構造を形成するのに必要とされる物理的性質を達成するよう配置され得る重合体材料と結び合わせて、そうした導電性材料14を混合物又はコーティングとして組み込んでいる。有利なことに、これら導電性フィラメント10を少なくとも5パーセント組み込んでいる布は、非導電性布と等しい物理的性質を所有しておりながら、且つ以前には金属をベースにした布にだけ利用可能であった静電荷散逸特性をも有する。その結果、これらのフィラメント10を持つ布は、前述の金属の設計に関連した窪みや皺が生じにくい。
【0011】
特に、本発明は十分な熱的安定性を有しているモノフィラメント12の中に混合物として導電性重合体14を組み込んでいる。別法では、本発明は、導電性重合体14を含み且つ溶融押出し成形を用いて製造される二成分繊維を考えている。更なる選択肢として、図1は導電性重合体14がコーティング材としてモノフィラメント12に塗布されるという、好ましい実施様態を例示している。その技法は例えば、浸漬コーティング、溶液からの噴霧、配向したモノフィラメントの全面に分散、熱的噴霧、又はその他の目的に適した手段を含む。特に、少なくとも一つの導電性重合体、ポリアニリン類があり、それらから、フィラメントが高い伝導度及びポリアミドと同等の物理的性質を有するよう生産される。従って、本発明は布に直接これらの導電性フィラメントを使用することを認める。
【0012】
図1で横断面図として示された実施様態は、葉状に浅裂したモノフィラメント12を導電性重合体材料14によりコーティングすることを規定している。有利なことに、これはモノフィラメントの物理的及び摩擦に関する特性を維持しながら、モノフィラメントの伝導度を10−3S/cmを超えて(好ましくは10S/cmを超えて)増加させる。更なる利益として、モノフィラメント12の表面16は、その長手に沿って走っている複数のC字型の溝18を有しており、且つこれらの溝18はモノフィラメント12を押出し成形している間に形成されてもよい。その結果、機械的な噛合せがモノフィラメント12と溝18を充たしている重合体材料14の間に形成される。従って、この形状はモノフィラメント12への重合体14の接着の必要性を減少させる。更なる利点として、この配列はモノフィラメント12が摩耗するときでさえ、重合体材料14を覆い且つ保護もしながら、高い導電性の重合体14が表面16に連続的に接することを可能にする。加えて、導電性重合体14を保護する位置に据えることで、重合体の余り良くない耐摩滅性及び物理的性質への不利な影響を軽減させる。ところで、図1に示される円形状に加えて、モノフィラメント12は明らかに、長方形、正方形、台形、長楕円形、楕円形、円錐形、星形、又はその他の目的に適した非円形状といった、非円形の断面形状を有することが出来る。
【0013】
本発明の尚更なる利益は、導電性重合体14の重量割合が、フィラメント10の僅か十パーセント又はそれ以下であり得ることである。これは静電荷の効果的な散逸性を備えながら、布の生産コストの低下を保つ。これに関連して、使用できる導電性重合体14の種類は、ポリアセチレン(PA)、ポリチオフェン(PT)、ポリ3アルキルチオフェン(P3AT)、ポリピロール(Ppy)、ポリイソチアナフテン(PITN)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、アルコキシ置換ポリパラフェニレンビニレン(PPV)、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)、ポリ2,5ジアルコキシパラフェニレン、ポリパラフェニレン(PPP)、はしご形ポリパラフェニレン(LPPP)、ポリパラフェニレンスルフィド(PPS)、ポリヘプタジエン(PHT)、ポリ3ヘキシルチオフェン(P3HT)、ポリアニリン(PANI)を含んでいる。
【0014】
従って、本発明によってその目的と利点が実現化され、且つ好ましい実施様態が開示されて、ここにおいて詳細に述べられたのだが、その範囲と目的はそれによって制限を受けるべきものではなく、寧ろその範囲は付属の請求項に記載されていることによって決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の教示に従う、電気的に伝導性のある重合体によってコートされた葉状に浅裂したモノフィラメントの横断面図。
【符号の説明】
【0016】
10 機能性フィラメント
12 モノフィラメント
14 導電性材料(導電性重合体)
16 表面
18 C字型の溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の配向した重合体フィラメントから成る導電性布であり、各フィラメントは混合物又はコーティングとして組み込まれる電気的に伝導性のある重合体材料を含むことを特徴とする、窪みや皺に対する抵抗性を持ちながら金属をベースにした布と同等の静電荷散逸特性を有する前記導電性布。
【請求項2】
機能性フィラメントは布の5から100パーセントを構成している、請求項1に記載の布。
【請求項3】
布は導電性合成布と同等の物理的特性を有している一方で、金属をベースにした布と同等の静電荷散逸特性も持つ、請求項1に記載の布。
【請求項4】
前記物理的特性は弾性係数(modulus)、粘着性、強度、接着性、耐摩耗性、及び耐久性の中の一つを含む、請求項3に記載の布。
【請求項5】
フィラメントは配向され得る重合体材料と共に混合された導電性重合体材料から成る、請求項1に記載の布。
【請求項6】
フィラメントは導電性重合体材料を含み、且つ溶融押出し成形により形成された二成分繊維である、請求項1に記載の布。
【請求項7】
フィラメントは導電性重合体材料によりコートされた配向した構造体から成る、請求項1に記載の布。
【請求項8】
導電性重合体は浸漬コーティング、溶液からの噴霧、フィラメントの全面への分散、及び熱的噴霧の中の一つによって塗布される、請求項7に記載の布。
【請求項9】
フィラメントはポリアニリン類から選ばれた100パーセント導電性重合体材料から成る、請求項1に記載の布。
【請求項10】
前記ポリアニリンのフィラメントはポリアミドのフィラメントと同等の物理的性質を持っている、請求項9に記載の布。
【請求項11】
フィラメントは導電性重合体材料によりコートされた、葉状に浅裂したモノフィラメントである、請求項1に記載の布。
【請求項12】
芯のモノフィラメントの物理的及び摩擦的特性を維持する一方で、コーティングは最小で10−3S/cmより大きく、好ましくは10S/cmより大きい伝導度を持つ、請求項11に記載の布。
【請求項13】
モノフィラメントの表面はその長手に沿って走っている一つ又はそれ以上のC字型の溝を持ち、従って機械的噛合せがモノフィラメントと溝を充たしている導電性重合体との間に形成される、請求項11に記載の布。
【請求項14】
噛合せはモノフィラメントへの導電性重合体の接着の必要性を減少させる、請求項13に記載の布。
【請求項15】
モノフィラメントが摩滅するときフィラメントがその伝導度を保持するように、前記形状はフィラメントの表面にまで導電性重合体が連続的に接することを可能にする、請求項13に記載の布。
【請求項16】
溝の中に導電性重合体を位置させることで、重合体を保護し、且つその悪い耐摩滅性及び物理的性質への不利な影響を軽減させる、請求項13に記載の布。
【請求項17】
導電性材料の重量構成はコートされたモノフィラメントの総重量の10パーセント又はそれ以下である、請求項11に記載の布。
【請求項18】
布による静電荷の効果的な散逸を可能にしている一方で、前記構成比は布の生産コストの低下を保つ、請求項17に記載の布。
【請求項19】
布は単層、多層、又は積層である、請求項1に記載の布。
【請求項20】
布はモノフィラメント、撚られたモノフィラメント、マルチフィラメント、撚られたマルチフィラメント及びステープルファイバーを含んでいる糸から成る織布、不織布、螺旋で繋がったもの、MD又はCD糸の配列、編まれた布、押出し成形された網、及び織られた又は不織の材料製の螺旋状に巻かれた帯の中の一つである、請求項1に記載の布。
【請求項21】
布はエアーレイ法、メルトブロー法及び/又はスパンボンド法の中の一つ以上の方法を用いて不織布地を生産する際に使用される工業用布である、請求項1に記載の布。
【請求項22】
静電荷の散逸がベルト類の素材を通して要求されるような乾式の応用の際に、この布は使用される、請求項1に記載の布。
【請求項23】
導電性重合体がポリアセチレン(PA)、ポリチオフェン(PT)、ポリ3アルキルチオフェン(P3AT)、ポリピロール(Ppy)、ポリイソチアナフテン(PITN)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、アルコキシ置換ポリパラフェニレンビニレン(PPV)、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)、ポリ2,5ジアルコキシパラフェニレン、ポリパラフェニレン(PPP)、はしご形ポリパラフェニレン(LPPP)、ポリパラフェニレンスルフィド(PPS)、ポリヘプタジエン(PHT)、及びポリ3ヘキシルチオフェン(P3HT)の中の一つである、請求項1に記載の布。
【請求項24】
溝が付けられた形状の断面を有している工業用布に使用される重合体フィラメントであって、適切な場所に機械的に固定される電気的に伝導性のある重合体材料によって実質的に充填される溝を有している、前記フィラメント。
【請求項25】
フィラメントは配向させることが出来る重合体材料と混合した導電性重合体材料から成る、請求項24に記載のフィラメント。
【請求項26】
フィラメントは導電性重合体材料を含み、且つ溶融押出し成形により形成された二成分繊維である、請求項24に記載のフィラメント。
【請求項27】
フィラメントは導電性重合体材料でコートされた配向した構造体から成る、請求項24に記載のフィラメント。
【請求項28】
導電性重合体は浸漬コーティング、溶液からの噴霧、フィラメントの全面への分散、及び熱的噴霧の中の一つによって塗布される、請求項27に記載のフィラメント。
【請求項29】
フィラメントはポリアニリン類から選ばれた100パーセント導電性重合体材料から成る、請求項24に記載のフィラメント。
【請求項30】
前記ポリアニリンのフィラメントはポリアミドのフィラメントと同等の物理的性質を有する、請求項29に記載のフィラメント。
【請求項31】
フィラメントは導電性重合体材料によりコートされた葉状に浅裂したモノフィラメントである、請求項24に記載のフィラメント。
【請求項32】
芯のモノフィラメントの物理的及び摩擦的特性を維持する一方で、コーティングが最小で10−3S/cmより大きく、好ましくは10S/cmより大きい伝導度を持つ、請求項31に記載のフィラメント。
【請求項33】
モノフィラメントの表面はその長手に沿って走っている一つ又はそれ以上のC字型の溝を持ち、従って機械的噛合せがモノフィラメントと溝を充たしている導電性重合体との間に形成される、請求項31に記載のフィラメント。
【請求項34】
噛合せがモノフィラメントへの導電性重合体の接着の必要性を減少させる、請求項33に記載のフィラメント。
【請求項35】
モノフィラメントが摩滅するときフィラメントがその伝導度を保持するように、前記形状はフィラメントの表面にまで導電性重合体が連続的に接することを可能にする、請求項33に記載のフィラメント。
【請求項36】
溝の中に導電性重合体を位置させることで、重合体を保護し、且つその悪い耐摩滅性及び物理的性質への不利な影響を軽減させる、請求項33に記載のフィラメント。
【請求項37】
導電性材料の重量構成はコートされたモノフィラメントの総重量の10パーセント又はそれ以下である、請求項31に記載のフィラメント。
【請求項38】
導電性重合体はポリアセチレン(PA)、ポリチオフェン(PT)、ポリ3アルキルチオフェン(P3AT)、ポリピロール(PPY)、ポリイソチアナフテン(PITN)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、アルコキシ置換ポリパラフェニレンビニレン(PPV)、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)、ポリ2,5ジアルコキシパラフェニレン、ポリパラフェニレン(PPP)、はしご形ポリパラフェニレン(LPPP)、ポリパラフェニレンスルフィド(PPS)、ポリヘプタジエン(PHT)、及びポリ3ヘキシルチオフェン(P3HT)の中の一つである、請求項24に記載のフィラメント。

【図1】
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【公表番号】特表2007−521405(P2007−521405A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−510670(P2005−510670)
【出願日】平成15年12月12日(2003.12.12)
【国際出願番号】PCT/US2003/039623
【国際公開番号】WO2005/047576
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(591097414)アルバニー インターナショナル コーポレイション (110)
【氏名又は名称原語表記】ALBANY INTERNATIONAL CORPORATION
【Fターム(参考)】