説明

耐熱性ブロー成形品の製造方法

【課題】一次ブロー成形品の熱収縮を利用して当該一次ブロー成形品を最終ブロー成形品の形状に近づけることにより、精度良く耐熱性ブロー成形品を製造可能な方法を提案すること。
【解決手段】プリフォームPをブロー成形して、円筒状胴部2の外周面に不連続なリブ6a〜6dが形成された中間ブロー成形品1を成形する。中間ブロー成形品1に熱処理されて耐熱性が付与され、熱収縮する際には、リブ形成部分の収縮量が少なく、面外方向の湾曲も少ない。よって、熱収縮後の中間ブロー成形品11の胴部12は、最終ブロー成形品21の筒状胴部22より一回り小さな丸みを帯びた四角形になり、熱収縮前に比べて最終ブロー成形品の胴部形状に近似する。二次ブロー成形時における各部の延伸量が実質的に等しくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は合成樹脂製のプリフォームをブロー成形して飲料容器などを成形するブロー成形品の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、加熱状態の一次ブロー成形金型を用いてプリフォームをブロー成形した後に、当該金型によってブロー成形品を熱処理して耐熱性を付与した後に、二次ブロー成形金型を用いて熱処理後のブロー成形品を再度ブローして最終ブロー成形品を製造する耐熱性ブロー成形品の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂製のプリフォームをブロー成形して耐熱性の飲料用容器などを製造するブロー成形方法としては、一次ブロー成形により得られる中間ブロー成形品に熱処理を行って耐熱性を付与し、熱処理後の一次ブロー成形品を再度、ブロー成形(二次ブロー成形)して最終形状を備えた最終ブロー成形品を製造する方法が知られている。この方法では、一次ブロー成形金型を加熱状態に保持しておき、中間ブロー成形品を当該一次ブロー成形金型内に所定時間保持して、金型の熱によって当該中間ブロー成形品に熱処理を施して耐熱性を付与している。
【0003】
かかる方法により製造されるブロー成形品は一般的には円筒状胴部を備えた飲料などの容器である。この場合には、一次ブロー成形によって得られる中間ブロー成形品の熱収縮後の形状が、最終ブロー成形品の形状と等しいか、あるいは僅かに小さくなるように設定される。これにより、二次ブロー成形時においてブロー成形品に発生する歪を実質的に無視することが可能である。このような方法は、例えば特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開昭58−81131号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、最終ブロー成形品の胴部形状が円形ではない場合、例えば、四角形などの多角形の場合には、二次ブロー成形時におけるブロー成形品の各部分の延伸量の差が大きく異なり、発生する歪も無視できなくなり、成形性および生産性の低下を引き起こすおそれがある。
【0005】
すなわち、図3(a)に示すように、中間ブロー成形品の胴部32が円筒形であり、最終ブロー成形品の胴部22が多角形(図示の場合は異形八角形)の場合には、最終ブロー成形品の各面22a〜22dに対応する中間ブロー成形品の胴部32の外周面部分に比べて、最終ブロー成形品胴部の各角22e〜22hに対応する中間ブロー成形品胴部32の外周面部分の延伸量が大きい。このように延伸量が大幅に相違すると、二次ブロー成形による成形精度が悪化し、生産性が低下してしまう。
【0006】
また、同図に示すように、大型のブロー成形容器などのように胴部が長方形を模した異形八面体の場合には、二次ブロー成形金型にセットした中間ブロー成形品胴部32が金型成形面によって挟み込まれないようにするために、当該中間ブロー成形品胴部32の直径を、最終ブロー成形品胴部22の短辺側の長さ以下にせざるを得ない。この結果、長辺方向の延伸量が大きくなり、角部分のみならず、短辺に対応する外周面部分の延伸量と、長辺に対応する外周面部分の延伸量の間にも差が発生してしまい、ブロー成形精度が更に悪化するおそれがある。
【0007】
このような弊害を回避するためには、中間ブロー成形品の形状を、最終ブロー成形品の形状に近似させればよい。しかしながら、このようにすると、中間ブロー成形品をブロー成形するための一次ブロー成形金型の成形面形状が複雑となり、円形の成形面を備えた金型に比べて金型コストが大幅に増加してしまうので、好ましくない。
【0008】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、一次ブロー成形品の熱収縮を利用して当該一次ブロー成形品を最終ブロー成形品の形状に近づけることにより、精度良く耐熱性ブロー成形品を製造することのできる廉価な方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の耐熱性ブロー成形品の製造方法は、
所定の温度に加熱した状態の一次ブロー成形金型内で、プリフォームをブロー成形して、中間ブロー成形品を得る一次ブロー成形工程と、
前記一次ブロー成形金型内に前記中間ブロー成形品を所定時間保持することにより、加熱状態の前記一次ブロー成形金型によって前記中間ブロー成形品に熱処理を施して耐熱性を付与する熱処理工程と、
熱処理後の前記中間ブロー成形品を、二次ブロー成形金型内において再度ブロー成形して、最終ブロー成形品を得る二次ブロー成形工程とを含み、
前記一次ブロー成形工程では、前記熱処理工程における前記中間ブロー成形品の熱収縮後の形状を規制するために、リブ付きの前記中間ブロー成形品をブロー成形することを特徴としている。
【0010】
適切な大きさのリブを中間ブロー成形品の適切な部位に形成しておくことにより、熱収縮後の中間ブロー成形品の形状を規制することができる。したがって、前記中間ブロー成形品に付ける前記リブによって、熱収縮後の当該中間ブロー成形品の形状が、熱収縮前の当該中間ブロー成形品の形状に比べて、前記最終ブロー成形品により近い形状となるように制御することができる。このようにすれば、最終ブロー成形品の形状に近似した複雑な成形面を備えた高価な二次ブロー成形金型を用いることなく、熱収縮後の中間ブロー成形品を最終ブロー成形品に近似の形状とすることができる。この結果、二次ブロー成形時におけるブロー成形品の各部分の延伸量を実質的に等しくすることができるので、成形精度を高め、生産性を上げることができる。
【0011】
一般的には、前記最終ブロー成形品は底の付いた筒状胴部を備えた容器である。また、一次ブロー成形金型としては円筒状胴部を備えた容器をブロー成形するための廉価なものが用いられるので、熱収縮前後の前記中間ブロー成形品は円筒状胴部を備えた容器となる。この場合には、前記一次ブロー工程において、前記中間ブロー成形品の前記円筒状胴部に、円周方向または胴部軸線方向に不連続の複数本のリブが形成される。リブの付いている外周面部分は熱歪が少なく、面外方向の曲がりも少ない。これに対して、リブの付いていない外周面部分は熱歪が相対的に大きく、面外方向の曲がりも大きい。この結果、熱収縮後の中間ブロー成形品の胴部は、リブの付いていない外周面部分を角とする多角形断面に近似の断面形状になる。よって、最終ブロー成形品の筒状胴部の形状に近似するようにリブを配置しておけば、熱収縮後の中間ブロー成形品の胴部形状を最終ブロー成形品の胴部形状に近似させることができる。
【0012】
したがって、前記最終ブロー成形品の前記筒状胴部が多角形断面をしている場合には、前記一次ブロー工程では、前記中間ブロー成形品の前記円筒状胴部における、前記最終ブロー成形品の前記筒状胴部の各面に対応する外周面部分に複数本のリブをそれぞれ形成し、当該最終ブロー成形品の前記筒状胴部の各角部分に対応する外周面部分にはリブを形成しないでおけばよい。
【0013】
また、この場合には、前記一次ブロー成形型から取り出した熱処理後の軟化状態の前記中間ブロー成形品を、その筒状胴部が前記二次ブロー成形金型内に予め定められた向きでセットされるように、移送する必要がある。
【0014】
このためには、前記一次ブロー成形型から取り出した前記中間ブロー成形品の前記筒状胴部の熱変形後の各面が所定の向きとなる状態を維持したままで、当該中間ブロー成形品を搬送すればよい。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明の耐熱性ブロー成形品の製造方法においては、一次ブロー成形工程によって得られる中間ブロー成形品にリブを付け、このリブによって当該中間ブロー成形品の熱収縮後の形状を規制するようにしている。したがって、適切な形状および本数のリブを中間ブロー成形品の適切な部位に形成しておくことにより、熱収縮後の当該中間ブロー成形品の形状を、最終ブロー成形品の形状に近似させることができる。この結果、二次ブロー成形時に、ブロー成形品の各部分の延伸量を実質的に等しくすることができる。よって、耐熱性ブロー成形品を精度良く製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した耐熱性ブロー成形品の製造方法を説明する。
【0017】
図1は、本例の耐熱性ブロー成形品の製造方法を示す概略フローチャートである。本例の製造方法では、まず、予め射出成形により製造した合成樹脂製のプリフォームを用意し(工程ST1)、プリフォームを搬送しながら、ブロー成形に適した温度、すなわち、ガラス転移点温度以上で溶融点温度以下に加熱する(工程ST2:プリフォーム加熱工程)。次に、加熱されたプリフォームを160℃以上、200℃以下に加熱された一次ブロー成形金型にセットして、圧縮空気によりブロー成形を行う。これにより、中間ブロー成形品が得られる(工程ST3:一次ブロー成形工程)。
【0018】
この後は、型閉め状態の一次ブロー成形金型内において中間ブロー成形品を所定時間保持する。ここで、一次ブロー成形金型を、型閉め前の時点から所定の温度に加熱しておき、加熱状態の一次ブロー成形金型からの熱によって、中間ブロー成形品を熱処理して耐熱性を付与する(工程ST4:熱処理工程)。
【0019】
熱処理後は、軟化状態の中間ブロー成形品を、一次ブロー成形金型から取り出して、二次ブロー成形金型に向けて移送し、軟化状態のままの中間ブロー成形品を二次ブロー成形金型にセットする(工程ST5:移送工程)。この後は、二次ブロー成形金型内において中間ブロー成形品をブロー成形する。この結果、最終形状が付与された最終ブロー成形品が得られる(工程ST6:二次ブロー成形工程)。
【0020】
図2(a)および(b)は一次ブロー成形工程において得られる中間ブロー成形品を示す正面図および横断面図である。本例の中間ブロー成形品1は、底付きの円筒状胴部2と、この円筒状胴部2の上端から先細り状態に絞られた首部3と、この首部3の上端部に連続している口部4とを備えており、口部4の外周面にはねじ部5が形成されている。図には、想像線によってプリフォームPおよび最終ブロー成形品21の胴部22の断面形状を示してある。
【0021】
中間ブロー成形品1の円筒状胴部2には、円周方向に沿って見た場合には、90度間隔で4箇所に不連続な凸あるいは凹のリブ6a〜6dが形成されている。最終ブロー成形品21の胴部は横長の異形八角形であり、その長辺に対応する外周面部分には長いリブ6a、6bが形成されており、その短辺に対応する外周面部分には短いリブ6c、6dが形成されている。また、各リブ6a〜6dは、軸線1aの方向(胴部軸線方向)に沿って見た場合に、平行に6本ずつ形成されている。本例では、胴部2の上下方向の中程の部位に3本、底側の部位に2本、首部3との境界部分に1本形成されている。
【0022】
図2(c)および(d)は、熱処理工程における中間ブロー成形品の熱収縮後の形状を示す正面図および横断面図である。中間ブロー成形品1の円筒状胴部2には上記のように円周方向に沿って不連続状態で4箇所にリブ6a〜6dが形成されている。リブ6a〜6dが付けられている外周面部分は径方向の熱収縮量が小さくなり、面外方向の曲がりも少なくなる。このため、リブ6a〜6dが付いていない外周面部分に比べて、やや平坦な形状になる。リブ6a〜6dが付いていない外周面部分は面外方向に大きく湾曲する。
【0023】
熱収縮後の中間ブロー成形品11は、全体的に熱収縮前の中間ブロー成形品1に比べて一回り小さくなる。また、リブ6a〜6dが形成されている胴部12は、想像線で示す最終ブロー成形品21の胴部断面形状よりも一回り小さく、しかも、当該胴部断面形状に近似の丸みを帯びた四角形の断面形状になる。
【0024】
図2(e)および(f)は、最終ブロー成形品の正面図および横断面図である。上記のように熱収縮した後の中間ブロー成形品11は、二次ブロー成形金型内にセットされ、二次ブロー成形が行われて、最終ブロー成形品21に成形される。熱収縮後の中間ブロー成形品11の胴部12の形状は、最終ブロー成形品21の胴部22の異形八角形より一回り小さい近似の丸みを帯びた四角形である。
【0025】
したがって、その長辺側の延伸量A、短辺側の延伸量Bおよび角部分の延伸量Cを比較した場合に、延伸量AおよびBがほぼ同一であり、延伸量Cもこれらの延伸量A、Bに比べて僅かに大きいのみである。よって、二次ブロー成形時にブロー成形品の胴部に発生する応力を実質的に均一化することができるので、成形精度を良好に保持でき、生産性も改善される。
【0026】
なお、熱収縮後の形状を規制するために付けたリブ6a〜6dは、二次ブロー成形では完全に消すことはできず、僅かにリブ状の模様として残る。よって、二次ブロー成形である最終成形品の金型において、予め中間ブロー成形品31に残るリブ6a〜6dが最終形状にブロー成形される箇所に、予め同様なリブを持つ形状を付与することで解決できる。さらに、最終成形品の強度を増強させるために縦横のリブが必要になるので、中間ブロー成形品31のリブ6a〜6dを最終成形品のリブに対応する箇所につけても良い。
【0027】
図3は、リブが無い中間ブロー成形品を二次ブロー成形する場合との比較を示す説明図である。図3(a)に示すように、最終ブロー成形品21より一回り小さな円筒状胴部32を備えた中間ブロー成形品31を用いる場合には、その長辺側に対応する外周面部分の延伸量Aと、短辺側に対応する外周面部分の延伸量Bとが大幅に異なる。さらに、角部分に対応する外周面部分の延伸量も大幅に大きくなる。このために、二次ブロー成形時にはブロー成形品の胴部には、不均一な歪応力が発生し、成形精度が悪化し、生産性も低下してしまう。これに対して、図3(b)に示すように、リブによって熱収縮後の形状を規制するようにした本例の方法によれば、上記のように、このような弊害を解消できる。
【0028】
また、形成するリブは凹および凸のいずれでもよく、最終ブロー成形品にそのまま残るものでもない。したがって、リブを形成するための一次ブロー成形金型の成形面を、二次ブロー成形金型の成形面のように精度良く形成する必要がない。よって、一次ブロー成形金型の製造コストの上昇も僅かである。
【0029】
次に、リブの形成位置、形成領域を変更することにより、中間ブロー成形品の熱収縮後の形状を変更することができる。図4(a)に示すように、中間ブロー成形品41の円筒状胴部42に、90度間隔で等しい角度を張るように弧状のリブ16a〜16dを形成した場合には、熱収縮後の形状を丸みを帯びた正方形とすることができる。
【0030】
また、図4(b)に示すように、中間ブロー成形品51の円筒状胴部52に、120度間隔で、等しい角度を張るように弧状にリブ26a〜26cを形成した場合には、熱収縮後の形状を丸みを帯びた正三角形とすることができる。
【0031】
このように、リブの形成場所、形成領域などを調整することにより、最終ブロー成形品の形状に近似した形状となるように、中間ブロー成形品を熱収縮させることができる。
【0032】
一方、熱収縮後の中間ブロー成形品11を二次ブロー成形金型まで移送して、当該金型にセットする移送工程においては、一次ブロー成形金型から取り出した中間ブロー成形品11の筒状胴部12の熱変形後の各面が所定の向きとなる状態を維持したままで、当該中間ブロー成形品11を搬送する。すなわち、図2(f)を参照して説明すると、最終ブロー成形品21の筒状胴部22の長辺部分に対応する二次ブロー成形金型の成形面部分に、中間ブロー成形品胴部12の長いリブ6a、6bが形成されている外周面部分が対峙し、筒状胴部22の短辺部分に対応する二次ブロー成形金型の成形面部分に、中間ブロー成形品胴部12の短いリブ6c、6dが形成されている外周面部分が対峙するように、移送する。
【0033】
一般に、中間ブロー成形品11の移送は、図5(a)、(b)に示すように、上側から中間ブロー成形品11の口部14を差し込み可能な突起71を備えた円柱状のキャリア7によって行われる。キャリア7は、その大径フランジ72が、左右のガイドレール73、74に乗った状態で当該ガイドレールに沿って摺動するようになっている。この構成のキャリア7は、プリフォームPが最終ブロー成形品21になるまで同一のものが用いられる。プリフォームPの搬送時には、プリフォームPの全体を均一に加熱するために、突起71をその中心軸線回りに回転させるようにしている。
【0034】
しかるに、一次ブロー成形型から中間ブロー成形品を取り出して二次ブロー成形型に送り込む移送工程では、例えば、図2(d)および(f)に示すように、一次ブロー成形金型(22)および二次ブロー成形金型(12)を配置しておき、一次ブロー成形金型から取り出した中間ブロー成形品11を回転させることなく、そのままの状態でキャリア7によって二次ブロー成形金型に送り込む必要がある。
【0035】
そこで、図5(c)、(d)に示すように、かかる移送時には、横方からキャリア7の回転を拘束するための回転拘束部材8を当該キャリア7の側面に押し付ければよい。例えば、ウレタンなどの弾性部材81をキャリア7の側面に押し付けることが望ましい。この結果、中間ブロー成形品11が二次ブロー成形金型の所定位置にセットされる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明を適用した耐熱性ブロー成形品の製造工程を示す概略フローチャートである。
【図2】図1の各工程におけるブロー成形品の形状変化の状態を示す説明図である。
【図3】図1の製造工程による場合と従来の製造工程による場合の相違を示す説明図である。
【図4】リブによる熱収縮後の形状を示す説明図である。
【図5】中間ブロー成形品を二次ブロー成形金型に移送するためのキャリアを示す説明図である。
【符号の説明】
【0037】
1 中間ブロー成形品、2 円筒状胴部、3 首部、4 口部、5 ねじ部、6a〜6d リブ、7 キャリア、8 回転拘束部材、11 熱収縮後の中間ブロー成形品、12 熱収縮後の筒状胴部、21 最終ブロー成形品、22 筒状胴部、81 弾性部材、A,B,C 延伸量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の温度に加熱した状態の一次ブロー成形金型内で、プリフォームをブロー成形して、中間ブロー成形品を得る一次ブロー成形工程と、
前記一次ブロー成形金型内に前記中間ブロー成形品を所定時間保持することにより、加熱状態の前記一次ブロー成形金型によって前記中間ブロー成形品に熱処理を施して耐熱性を付与する熱処理工程と、
熱処理後の前記中間ブロー成形品を、二次ブロー成形金型内において再度ブロー成形して、最終ブロー成形品を得る二次ブロー成形工程とを含み、
前記一次ブロー成形工程では、前記熱処理工程における前記中間ブロー成形品の熱収縮後の形状を規制するために、リブ付きの前記中間ブロー成形品をブロー成形することを特徴とする耐熱性ブロー成形品の製造方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記中間ブロー成形品に付ける前記リブは、熱収縮後の当該中間ブロー成形品の形状が、熱収縮前の当該中間ブロー成形品の形状に比べて、前記最終ブロー成形品により近い形状となるように、当該中間ブロー成形品の熱変形を規制するためのものであることを特徴とする耐熱性ブロー成形品の製造方法。
【請求項3】
請求項2において、
前記最終ブロー成形品は底の付いた筒状胴部を備えた容器であり、
熱収縮前の前記中間ブロー成形品は円筒状胴部を備えた容器であり、
前記一次ブロー工程では、前記中間ブロー成形品の前記円筒状胴部に、円周方向または胴部軸線方向に不連続の複数本のリブを形成することを特徴とする耐熱性ブロー成形品の製造方法。
【請求項4】
請求項3において、
前記最終ブロー成形品の前記筒状胴部は多角形断面をしており、
前記一次ブロー工程では、前記中間ブロー成形品の前記円筒状胴部における、前記最終ブロー成形品の前記筒状胴部の各面に対応する外周面部分に複数本のリブをそれぞれ形成し、当該最終ブロー成形品の前記筒状胴部の各角部分に対応する外周面部分にはリブを形成しないことを特徴とする耐熱性ブロー成形品の製造方法。
【請求項5】
請求項3または4において、
前記一次ブロー成形型から取り出した熱処理後の軟化状態の前記中間ブロー成形品を、その筒状胴部が前記二次ブロー成形金型内に予め定められた向きでセットされるように、移送する移送工程を含むことを特徴とする耐熱性ブロー成形品の製造方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記移送工程では、前記一次ブロー成形型から取り出した前記中間ブロー成形品の前記筒状胴部の熱変形後の各面が所定の向きとなる状態を維持したままで、当該中間ブロー成形品を搬送することを特徴とする耐熱性ブロー成形品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−281722(P2006−281722A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−108288(P2005−108288)
【出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【出願人】(594082648)株式会社フロンティア (34)
【Fターム(参考)】