説明

耐熱性樹脂及びこれを含んだ樹脂組成物

【課題】耐熱性に優れて、例えばカラーフィルターの製造における高温での熱硬化条件下でも形状保持が可能な樹脂、及びこれを用いた樹脂組成物を提供する。
する。
【解決手段】一般式(I)で表され、分子量500〜10000である樹脂であり、また、(A)成分として上記樹脂、(B)成分として少なくとも1個以上のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマー、及び(C)成分として光重合開始剤を含んだ感光性樹脂組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性に優れた樹脂に関し、例えばカラーフィルター等の製造に利用できて、熱硬化条件下での形状保持性能に優れた樹脂組成物を得ることができる、高耐熱性の樹脂に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー液晶表示装置は、光の透過量あるいは反射量を制御する液晶部とカラーフィルターとを構成要素とするが、このカラーフィルターの製造方法では、通常、ガラス、プラスチックシート等の透明基板の表面にブラックマトリックスを形成し、続いて、赤、緑、青等の異なる色相を、順次ストライプ状あるいはモザイク状のような色パターンで形成する方法が採用されている。ここ数年、液晶テレビ、液晶モニター、カラー液晶携帯電話など、あらゆる分野でカラー液晶表示装置が用いられてきており、カラーフィルターは、これらカラー液晶表示装置の視認性を左右する重要な部材の一つである。
【0003】
一般的なブラックマトリクスの形成方法は、カーボン顔料や樹脂顔料等を含有する感光性樹脂組成物をフォトリソグラフ法によりパターニングを行い、前記感光性樹脂組成物をブラックマトリクスとして使用するものである。ここで、現像・リンス後の熱硬化工程であるポストベークでは、230℃前後の熱に数分から数十分曝された際に、形成したテーパー形状を保持する必要がある。
【0004】
特に、インクジェット法により色パターン(画素)を形成する場合には、ブラックマトリクスをインク保持枠体として使用するため、カラーフィルターの色特性を満足する着色部分の厚みを得るためには、少なくとも1μm以上の厚みのブラックマトリクスが必要となり、ポストベーク時のテーパー形状保持がより難しくなっている。
【0005】
また、カラーフィルターの製造では、電極であるITOを接着する工程において250℃前後の熱に曝されるが、カラーフィルターにクラックが生じるのを防ぐために、熱高耐熱性の材料が必要となってくる。
【0006】
そこで、例えば特許文献1では、特定の芳香族エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応物を更に多塩基酸カルボン酸又はその無水物と反応させて得られた不飽和基含有化合物を樹脂主成分として含むブラックレジストが、高遮光率を有し、フォトリソグラフィー法によるファインパターンの形成が容易であって、しかも、絶縁性、耐熱性、密着性、室温保存安定性にも優れた遮光性薄膜形成用組成物となることを報告している。しかしながら、この特許文献1では、ブラックマトリックスの標準的な膜厚である1μm付近の薄膜用のブラックレジストについて述べており、1.5μmを超えるような膜厚にした場合での形状保持性能を担保するための耐熱性については直接触れていない。
【0007】
一方、厚膜であることを特徴とするカラーフィルター関連材料の例として、特許文献2及び3がある。このうち特許文献2は、薄膜印刷を繰り返して成膜するものであって、露光及び熱焼成工程を有さない印刷法でのカラーフィルター形成に関する内容であり、形成したカラーフィルターの耐熱性を考慮するような記載はない。また、特許文献3は、ブラックマトリクスを形成する際の現像処理回数を重ねるごとに現像時間を長くする方法に関し、形状のバラツキが少ない形状再現性に優れたブラックマトリクスを得るものであるが、同じくブラックマトリクスの耐熱性を考慮するような記載はない。
【0008】
また、特許文献4及び5は、クレゾールノボラック樹脂等のアルカリ可溶性ノボラック樹脂、及びスチレン/ヒドロキシスチレン重合物をバインダー樹脂とすることで、解像度や耐熱性等の諸性能に優れたカラーフィルター用樹脂組成物を得るとする。しかしながら、これらの特許文献では、得られた着色パターンの耐熱性評価は、いずれも200℃で行っており、これ以上の高温条件での形状保持性能は触れられていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平8−278629号公報
【特許文献2】特開平5−045513号公報
【特許文献3】特開2003−270431号公報
【特許文献4】特開平6−194827号公報
【特許文献5】特開平6−194835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明者等は、例えばカラーフィルターの製造において、色パターンやブラックマトリクス等の硬化膜を厚膜で得る場合にも、高温の熱硬化工程で形状保持が可能であり、また、200℃を超えるようなITO接着工程等に耐え得るような耐熱性を備えた樹脂について鋭意検討した結果、所定のフルオレン骨格をノボラック構造で連結した新規な樹脂が、上記のような性能を全て満たすことができることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
従って、本発明の目的は、耐熱性に優れて、例えばカラーフィルターの製造における高温での熱硬化条件下でも形状保持が可能な樹脂を提供することにある。
【0012】
また、本発明の別の目的は、加熱条件下での形状保持性能に優れた樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
すなわち、本発明は、下記一般式(I)で表され、分子量500〜10000であることを特徴とする樹脂である。
【化1】

(n1〜n2はそれぞれ独立して0〜20の整数を示し、n3は0〜10の整数を示し、n1〜n3の合計は1以上の整数である。また、R1、R2、R3、R4、R5、R6、及びR7は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基から選ばれる同一あるいは相異なる一価の置換基であり、R1とR2及び/又はR5とR6とR7は環を形成していてもよい。Zは、水素原子又は以下の一般式(II)で示される構造を持つ1価の末端基である。)
【化2】

(R8〜R12のうち主鎖(-CHR4-)に対してオルソ位又はパラ位の3つの置換基のうち少なくとも一つは水酸基を示す。その他のR8〜R12は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基又はアリール基から選ばれる同一あるいは相異なる一価の置換基を示し、R8〜R12の隣り合う二つの置換基は環を形成していてもよい。)
【0014】
また、本発明は、下記一般式(III)で表され、分子量600〜12000であることを特徴とする感光性樹脂である。
【化3】

(n1〜n2はそれぞれ独立して0〜20の整数を示し、n3は0〜10の整数を示し、n1〜n3の合計は1以上の整数を示す。Xは水素原子あるいは(メタ)アクリル基を示し、R8〜R12のうち主鎖(-CHR4-)に対してオルソ位又はパラ位の3つの置換基のうち少なくとも一つはOX基を示し、かつ、全てのXの総数に対して(メタ)アクリル基の割合は10〜100%である)
【0015】
更に、本発明は、(A)上記いずれかの樹脂、(B)少なくとも1個以上のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマー、及び(C)光重合開始剤を含む、感光性樹脂組成物である。
【0016】
一般式(I)で表される樹脂は、ビスフェノールフルオレン骨格がノボラック構造で結合している。式中のn1〜n2はそれぞれ独立して0〜20の整数を示し、n3は0〜10の整数を示し、n1〜n3の合計は1以上の整数である。このうち、n2、n3の繰り返し構造に関し、一般式(I)の樹脂はブロック共重合に限定されるものではなく、交互共重合体であってもよく、ランダム共重合体であってもよい。また、一般式(III)で表される感光性樹脂は、上記一般式(I)の樹脂と(メタ)アクリル酸ハロゲン又は(メタ)アクリル酸無水物とを反応させて得ることができる。以下、これらの樹脂を含めて、本発明について詳細に説明する。
【0017】
一般式(I)で表される樹脂は、ビスフェノールフルオレン類およびフェノール類を、アルデヒド類を用いて架橋させたノボラック型の構造を持つ。末端基Zが水素原子の場合つまりビスフェノールフルオレン類およびn2、n3の繰り返し構造で示されるフェノール類のみを架橋させた場合は有機溶剤溶解性に劣り、合成時の分子量制御が困難なため、一般式(II)に示される末端基Zとなるフェノール類つまりフェノール性水酸基のオルソ位又はパラ位の1箇所のみが水素原子であるフェノール類を樹脂合成時に加えることが望ましい。また、樹脂合成時にオルソ位およびパラ位の2箇所が水素原子であるフェノール類を加える、あるいはジメチロールフェノール類を架橋に用いることにより、ビスフェノールフルオレン類の間にスペーサーとしてフェノール類が挿入された構造を持つ樹脂にすることで、さらに有機溶剤溶解性に優れた樹脂にすることができる。
【0018】
一般式(I)で表される樹脂は、ビスフェノールフルオレンを一つ以上含む構造であり、n3は0〜10であるが、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜4である。n3が0であると耐熱性に劣り、5以上であると加工性に劣る。またスペーサーとなるフェノール類の数n1及びn2について、それぞれ0〜20の整数であり、n1とn2の合計については、好ましくは0〜11であり、より好ましくは0〜5であるのがよい。n1とn2の合計が12以上であると耐熱性に劣る。
【0019】
一般式(I)の樹脂を与える好ましいビスフェノールフルオレン類としては、次のようなものが挙げられる。9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−アリルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシナフチル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)フルオレン等が挙げられる。
【0020】
一般式(I)の樹脂を与える好ましいアルデヒド類あるいはジメチロールフェノール類として次のようなものが挙げられる。すなわち、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n-吉草酸アルデヒド、イソ吉草酸アルデヒド、2−メチルブチルアルデヒド、1−ヘキサナール、2−エチルブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、o−トルアルデヒド、m−トルアルデヒド、p−トルアルデヒド、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール、2,4−ビス(ヒドロキシメチル)−o−クレゾール等を例示することができる。
【0021】
一般式(I)の樹脂のスペーサーとなり得るフェノール類としては次のようなものが挙げられる。すなわち、o−クレゾール、p−クレゾール、2−エチルフェノール、4−エチルフェノール、2−プロピルフェノール、4−プロピルフェノール、2−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、2−sec−ブチルフェノール、4−sec−ブチルフェノール、2−メトキシフェノール、4−メトキシフェノール、2−ナフトール等を例示することができる。
【0022】
一般式(I)の樹脂の末端基となり得るフェノール類としては次のようなものが挙げられる。すなわち、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2−クロロ−o−クレゾール、2−クロロ−p−クレゾール、4−クロロ−o−クレゾール、2−ブロモ−o−クレゾール、2−ブロモ−p−クレゾール、4−ブロモ−o−クレゾール、2−tert−ブチル−o−クレゾール、4−tert−ブチル−p−クレゾール、4−tert−ブチル−o−クレゾール、2,4−ジ−tert−ブチルクレゾール、2−メトキシ−o−クレゾール、2−メトキシ−p−クレゾール、4−メトキシ−o−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール、2−アリル−o−クレゾール、2−アリル−p−クレゾール、1−ナフトール等を例示することができる。
【0023】
本発明においては、一般式(I)及び(II)の置換基のうち、好ましい態様はR1がハロゲン原子又は炭素数7以下の炭化水素であり、R5、R6、及びR7のうちフェノール性水酸基のオルソ位及びパラ位に当たる全ての置換基がハロゲン原子又は炭素数7以下の炭化水素であり、R8〜R12のうちフェノール性水酸基のオルソ位及びパラ位に当たる全ての置換基がハロゲン原子又は炭素数7以下の炭化水素であるのがよい。このような態様であれば、直鎖状に合成された樹脂とすることができる。なお、一般式(I)で表される樹脂の分子量(Mw)は500〜10000であり、好ましくは500〜5000であり、より好ましくは800〜2000である。
【0024】
また、本発明においては、一般式(I)の樹脂を前駆体として、これに(メタ)アクリル基を導入することで、一般式(III)で表される感光性樹脂を得ることができる。一般式(III)の感光性樹脂は、(メタ)アクリル基が一般式(I)の全てのフェノール性水酸基の数に対して10%以上導入された樹脂であり、50%以上導入されていることがより好ましい。(メタ)アクリル基の導入量が10%より少ないと、硬化時の架橋点が少なくなり、樹脂を硬化させた際の耐熱性をより一層向上させることができる効果が望めなくなる。なお、ここで言う(メタ)アクリル基の割合は、一般式(I)のフェノール性水酸基の数に対して、導入された(メタ)アクリル基の数に基づくものである。
【0025】
以下に一般式(III)の感光性樹脂の合成法を示すが、本発明の感光性樹脂はこの合成法で得られたものに限るものではない。この一般式(III)の感光性樹脂は上記一般式(I)の樹脂に対して、酸触媒あるいは塩基存在下、アクリル酸クロライド、アクリル酸ブロマイド、アクリル酸クロライド、メタクリル酸ブロマイド等の(メタ)アクリル酸ハライド、あるいは(メタ)アクリル酸無水物を反応させることで合成することができる。このうち、酸触媒としては塩酸、硫酸等の無機酸やメチルスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。また、塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリイソブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、ピリジン等が挙げられる。なお、一般式(III)で表される樹脂の分子量(Mw)は600〜12000であり、好ましくは600〜6000であり、より好ましくは1000〜3000である。
【0026】
また、本発明では、上記一般式(I)又は(III)で表される樹脂を用いて、(B)成分の「少なくとも1個以上のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマー」、及び(C)成分の「光重合開始剤」と共に配合することで、感光性樹脂組成物を得ることができる。架橋密度をより一層向上させることができる観点から、一般式(III)で表される樹脂を用いて、(B)成分及び(C)成分と共に配合して、感光性樹脂組成物を得るのが好ましい。一般式(III)の樹脂を含んだ好ましい態様の感光性樹脂組成物では、一般式(III)の感光性樹脂を樹脂成分の主成分として含有するようにするのが望ましい。ここで、樹脂成分とは、重合又は硬化させることにより樹脂となる成分をいい、樹脂の他、オリゴマー、モノマーを含む。また、主成分として含有するとは、一般式(III)の感光性樹脂が樹脂成分中に30wt%以上、好ましくは50wt%以上含まれることをいう。なお、好ましい態様では、上記一般式(III)の感光性樹脂を必須成分として含めばよく、感光性樹脂以外の成分は顔料等の着色剤や溶剤のほか、各種充填剤などを含んでもよい。
【0027】
(B)成分である「少なくとも1個以上のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマー」としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するモノマーや、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類を挙げることができる。これらの化合物は、その1種又は2種以上を使用することができる。
【0028】
これら(B)成分と(A)成分の一般式(III)で表される感光性樹脂との配合割合については、(A)成分及び(B)成分の合計100重量部における重量比[(A)/(B)]が、20重量部/80重量部〜90重量部/10重量部であるのがよく、好ましくは40重量部/60重量部〜80重量部/20重量部であるのがよい。
【0029】
また、成分(C)の光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン等のアセトフェノン類、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p'-ビスジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、2-(o-クロロフェニル)-4,5-フェニルビイミダゾール、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(m-メトキシフェニル)ビイミダゾール、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルビイミダゾール、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルビイミダゾール、2,4,5-トリアリールビイミダゾール等のビイミダゾール系化合物類、2-トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル-5-(p-シアノスチリル)-1,3,4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-(p-メトキシスチリル)-1,3,4-オキサジアゾール等のハロメチルチアゾール化合物類、2,4,6-トリス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-メチル−4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-クロロフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(3,4,5-トリメトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メチルチオスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン等のハロメチル−s−トリアジン系化合物類、1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-,2-(o-ベンゾイルオキシム)、1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1,2-ジオン-2-オキシム-o-ベンゾアート、1-(4-メチルスルファニルフェニル)ブタン-1,2-ジオン-2-オキシム-o-アセタート、1-(4-メチルスルファニルフェニル)ブタン-1-オンオキシム-o-アセタート等のo-アシルオキシム系化合物類、ベンジルジメチルケタール、チオキサンソン、2-クロロチオキサンソン、2,4-ジエチルチオキサンソン、2-メチルチオキサンソン、2-イソプロピルチオキサンソン等のイオウ化合物、2-エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、2,3-ジフェニルアントラキノン等のアントラキノン類、アゾビスイソブチルニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、クメンパーオキシド等の有機過酸化物、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物、トリエタノールアミン、トリエチルアミン等の第3級アミンなどが挙げられる。これらの光重合開始剤は、その1種又は2種以上を使用することができる。
【0030】
(C)成分の光重合開始剤の使用量は、(A)成分の一般式(III)で表される感光性樹脂及び(B)成分の光重合性モノマーの合計100重量部を基準として、1〜50重量部であるのがよく、好ましくは2〜40重量部であるのがよい。なお、(C)成分の光重合開始剤には、光増感作用を併せ持つものも含まれるが、別途光増感剤を添加してもなんらさしつかえない。
【0031】
(A)成分の一般式(III)で表される感光性樹脂、(B)成分の光重合性モノマー、及び(C)成分の光重合開始剤を必須成分として含む感光性樹脂組成物は、カラーフィルターインクや保護膜等のカラーフィルター用材料をはじめ、半導体用レジスト材料、構造体形成用フォトレジスト材料などに適用することができる。この感光性樹脂組成物は、必要により下記に示す溶剤に溶解させたり、各種添加剤を配合して用いることもできる。
【0032】
本発明の感光性樹脂組成物をカラーフィルター用途に使用する場合には、前記(A)〜(C)の各成分の他に、溶剤を配合するのが好ましい。溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、α−若しくはβ−テルピネオール等のテルペン類等、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N-メチル-2-ピロリドン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類等が挙げられ、これらを用いて溶解、混合させることにより、均一な溶液状の組成物とすることができる。
【0033】
また、本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて硬化促進剤、熱重合禁止剤、可塑剤、充填材、溶剤、レベリング剤、消泡剤等の添加剤を配合することができる。このうち、熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、tert-ブチルカテコール、フェノチアジン等を挙げることができる。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジル等を挙げることができる。充填材としては、グラスファイバー、シリカ、マイカ、アルミナ等を挙げることができる。また、消泡剤やレベリング剤としては、例えば、シリコン系、フッ素系、アクリル系の化合物を挙げることができる。
【0034】
本発明の感光性樹脂組成物は、溶剤を除いた固形分(固形分には硬化後に固形分となるモノマーを含む)中に、(A)成分の一般式(III)で表される感光性樹脂、(B)成分の光重合性モノマー、及び(C)成分の光重合開始剤が合計で70wt%以上、好ましくは80wt%以上、より好ましくは90wt%以上含まれるのが望ましい。溶剤の量は、目標とする粘度によって変化するが、樹脂組成物全体量に対して20〜80wt%の範囲が望ましい。
【0035】
本発明の硬化膜(硬化物)は、例えば、上記感光性樹脂組成物の溶液を基板等に塗布し、乾燥し、光(紫外線、放射線等を含む)を照射して、これを硬化させることにより得ることができる。一般には、先ず、基板の表面上に感光性樹脂組成物を塗布したのち、プレベークを行って溶剤を蒸発させ、塗膜を形成する。次いで、この塗膜を露光したのち、その後ポストベークすることにより、硬化物を得る。感光性樹脂組成物を基板に塗布する際には、公知の溶液浸漬法、スプレー法の他、ローラーコーター機、ランドコーター機やスピナー機を用いる方法等の何れの方法をも採用することができる。これらの方法によって、所望の厚さに塗布した後、溶剤を除去する(プレベーク)ことにより、硬化膜が形成される。特に、本発明の感光性樹脂組成物は、一般式(I)又は(III)で表される高耐熱性の樹脂を含み、下記のようなポストベーク等の熱硬化条件下での形状保持性能に優れることから、2μm以上の厚い硬化膜を得る場合にも好適に利用することができる。プレベークはオーブン、ホットプレート等による加熱、真空乾燥又はこれらの組み合わせることによって行われる。プレベークにおける加熱温度及び加熱時間は、使用する溶剤に応じて適宜選択され、例えば80〜120℃の温度で1〜10分間行われる。
【0036】
硬化膜を作製する際に使用される放射線としては、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができるが、波長が250〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。露光による硬化後、150〜250℃の温度及び20〜100分の条件で熱処理(ポストベーク)が行われる。このポストベークは、塗膜と基板との密着性を高めるため等の目的で行われる。
【発明の効果】
【0037】
本発明の樹脂は、高耐熱性を示すフルオレン骨格が高耐熱性を示すノボラック構造で結ばれていることから高い耐熱性を示す。そのため、例えばカラーフィルターを製造する際に用いられる感光性樹脂組成物とした場合、ポストベーク等の熱硬化や200℃を超えるようなITO接着工程等の条件下で優れた形状保持性を発現することができ、特に、厚膜の硬化膜が求められるような場合に好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をより詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例及び比較例によりその範囲を限定されるものではない。また、以下の実施例等における樹脂の分子量はテトラヒドロフランを展開溶媒として、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)にて標準ポリスチレン換算値として重量平均分子量(Mw)を求めた値である。
【0039】
また、実施例等で使用する略号は次のとおりである。
BCFL:9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
ANON:シクロヘキサノン
【実施例1】
【0040】
撹拌機、冷却器を備えた200mLセパラブルフラスコにBCFL 5.68g、2,6−ジメチルフェノール1.22g、パラホルムアルデヒド0.60g、及びp−トルエンスルホン酸一水和物95mgを加え、トルエン50g中100℃で5時間撹拌した。10%炭酸ナトリウム水溶液0.27gを加えて中和し、減圧下で溶剤を溜去し、樹脂−1を6.77g得た。得られた樹脂−1について、GPCによるMwは908であり、Mw/Mnは1.52であった。また、1HNMRの結果は次のとおりである。1HNMR(CDCl3,δ)7.75−7.60(6H,m,Ar−H)、7.35−6.46(34H,m,Ar−H)、3.84−3.57(8H,m,Ar−CH2−Ar)、及び2.30−1.93(30H,m,Ar−CH3)。
【実施例2】
【0041】
撹拌機、冷却器を備えた200mLセパラブルフラスコにBCFL 5.68g、4−クロロ−o−クレゾール1.43g、パラホルムアルデヒド0.60g、及びp−トルエンスルホン酸一水和物95mgを加え、トルエン50g中100℃で5時間撹拌した。10%炭酸ナトリウム水溶液0.27gで中和し、減圧下で溶剤を溜去し、樹脂−2を6.67g得た。得られた樹脂−2について、GPCによるMwは1534であり、Mw/Mnは1.81であった。また、1HNMRの結果は次のとおりである。1HNMR(CDCl3,δ)7.78−7.61(6H,m,Ar−H)、7.39−6.30(34H,m,Ar−H)、3.80−3.52(8H,m,Ar−CH2−Ar)、2.30−1.88(24H,m,Ar−CH3)。
【実施例3】
【0042】
撹拌機、冷却器を備えた1LセパラブルフラスコにBCFL 226g、2,4−ジ−t−ブチルフェノール82.3g、パラホルムアルデヒド24.0g、及びp−トルエンスルホン酸一水和物1.9gを加え、トルエン500g中100℃で5時間撹拌した。10%炭酸ナトリウム水溶液5.3gで中和し、減圧下で溶剤を溜去し、樹脂−3を264g得た。得られた樹脂−3について、GPCによるMwは1290であり、Mw/Mnが1.51であった。また、1HNMRの結果は次のとおりである。1HNMR(CDCl3,δ)7.79−7.56(6H,m,Ar−H)、7.37−6.31(34H,m,Ar−H)、3.92−3.50(8H,m,Ar−CH2−Ar)、2.25−1.83(18H,m,Ar−CH3)、1.52−1.13(36H,m,Ar−tBu)。
【実施例4】
【0043】
撹拌機、冷却器を備えた200mLセパラブルフラスコにBCFL 5.68g、2,6−ジメチルフェノール1.23g、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)フェノール3.37g、及びp−トルエンスルホン酸一水和物95mgを加え、トルエン50g中100℃で5時間撹拌した。10%炭酸ナトリウム水溶液0.27gで中和し、減圧下で溶剤を溜去し、樹脂−4を9.06g得た。得られた樹脂−4について、GPCによるMwは1570であり、Mw/Mnが1.77であった。また、1HNMRの結果は次のとおりである。1HNMR(CDCl3,δ)7.78−7.65(6H,m,Ar−H)、7.40−6.48(42H,m,Ar−H)、3.85−3.59(16H,m,Ar−CH2−Ar)、2.35−1.88(42H,m,Ar−CH3)。
【実施例5】
【0044】
撹拌機、冷却器を備えた200mLセパラブルフラスコにBCFL 5.68g、4−クロロ−o−クレゾール1.46g、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)フェノール3.36g、及びp−トルエンスルホン酸一水和物95mgを加え、トルエン50g中100℃で5時間撹拌した。10%炭酸ナトリウム水溶液0.27gで中和し、減圧下で溶剤を溜去し、樹脂−5を8.69g得た。得られた樹脂−5について、GPCによるMwは2260であり、Mw/Mnが2.30であった。また、1HNMRの結果は次のとおりである。1HNMR(CDCl3,δ)7.78−7.60(6H,Ar−H)、7.40−6.35(42H,m,Ar−H)、3.85−3.51(16H,m,Ar−CH2−Ar)、2.32−1.82(36H,m,Ar−CH3)。
【実施例6】
【0045】
撹拌機、冷却器を備えた200mLセパラブルフラスコにBCFL 22.7g、2,4−ジ−t−ブチルフェノール8.25g、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)フェノール13.4g、及びp−トルエンスルホン酸一水和物0.19gを加え、トルエン80g中100℃で5時間撹拌した。10%炭酸ナトリウム水溶液0.53gで中和し、減圧下で溶剤を溜去し、樹脂−6を32.2g得た。得られた樹脂−6について、GPCによるMwは1773であり、Mw/Mnが1.68であった。また、1HNMRの結果は次のとおりである。1HNMR(CDCl3,δ)7.82−7.60(6H,m,Ar−H)、7.39−6.42(42H,m,Ar−H)、4.02−3.59(16H,m,Ar−CH2−Ar)、2.35−1.89(30H,m,Ar−CH3)、1.55−1.20(36H,m,Ar−tBu)。
【実施例7】
【0046】
撹拌機、冷却器を備えた200mLセパラブルフラスコに樹脂−3を19.9g、アクリル酸無水物を1.51g、及びメチルスルホン酸96mgを加え、トルエン50g中100℃で15時間撹拌し、得られた反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水で中和洗浄を行い、減圧下で溶剤を溜去し、樹脂−3のフェノール性水酸基の総数に対して83%にアクリル基が導入された樹脂−7を17.7g得た。得られた樹脂−7について、GPCによるMwは1493であり、Mw/Mnが1.43であった。また、1HNMRの結果は次のとおりである。1HNMR(CDCl3,δ)7.80−7.69(6H,Ar−H)、7.43−5.68(34H,m,Ar−H,20H,m,H2C=CH−)、3.75−3.39(8H,m,Ar−CH2−Ar)、2.18−1.88(30H,m,Ar−CH3)、1.50−1.20(36H,m,Ar−tBu)。
【実施例8】
【0047】
撹拌機、冷却器を備えた200mLセパラブルフラスコに樹脂−6を23.2g、アクリル酸無水物を22.2g、及びメチルスルホン酸96mgを加え、トルエン50g中100℃で15時間撹拌し、得られた混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水で中和洗浄を行い、減圧下で溶剤を溜去することで樹脂−6のフェノール性水酸基の総数に対して75%にアクリル基が導入された樹脂−8を21.6g得た。得られた樹脂−8について、GPCによるMwは2136であり、Mw/Mnが1.74であった。また、1HNMRの結果は次のとおりである。1HNMR(CDCl3,δ)7.80−7.63(6H,Ar−H)、7.39−5.63(42H,m,Ar−H,27H,m,H2C=CH−)、3.79−3.35(16H,m,Ar−CH2−Ar)、2.30−1.92(18H,m,Ar−CH3)、1.56−1.13(36H,m,Ar−tBu)。
【実施例9】
【0048】
上記で得られた感光性の樹脂−7及び樹脂−8を用いて、以下のようにして感光性樹脂組成物を調製し、Tgを指標にして耐熱性の評価を行った。
【0049】
樹脂−7を3.60g、DCP−A(共栄社化学社製、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート)を3.60g、イルガキュアOXE−2(チバジャパン社製、光開始剤)を0.22g、界面活性剤SH3775(花王社製)を0.03g、カップリング剤S−510(信越化学社製)を0.06g、PGMEAを4.50g、及びANONを3.00g用意し、これらを混合して感光性樹脂組成物に調製した。得られた樹脂組成物について、スピンコーターを用いガラス基板に塗布し、90℃で3分間のプレベークを行った後、I線照度30mW/cm2の超高圧水銀ランプで100mJ/cm2の紫外線を照射して感光部分の光硬化反応を行った。次いで、150℃で30分、引き続き230℃で30分のポストベークを行い、80μmの厚さの硬化膜を得た。この硬化膜について粘弾性測定を行いtanδからTgを測定した。結果を表1に示す。
【実施例10】
【0050】
樹脂−7を樹脂−8に置き換え、それ以外は実施例9と同様の配合比で感光性樹脂組成物を調製し、実施例9と同様の手法で評価を行った。結果を表1に示す。
【0051】
[比較例1]
樹脂−7をV−259ME(新日鐵化学社製、フルオレン型エポキシ型アクリレート/酸無水物重合付加体)に置き換え、それ以外は実施例9と同様の配合比で感光性樹脂組成物を調製し、実施例9と同様の手法で評価を行った。結果を表1に示す。
【0052】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で表され、分子量500〜10000であることを特徴とする樹脂。
【化1】

(n1〜n2はそれぞれ独立して0〜20の整数を示し、n3は0〜10の整数を示し、n1〜n3の合計は1以上の整数である。また、R1、R2、R3、R4、R5、R6、及びR7は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基から選ばれる同一あるいは相異なる一価の置換基であり、R1とR2及び/又はR5とR6とR7は環を形成していてもよい。Zは、水素原子又は以下の一般式(II)で示される構造を持つ1価の末端基である。)
【化2】

(R8〜R12のうち主鎖(-CHR4-)に対してオルソ位又はパラ位の3つの置換基のうち少なくとも一つは水酸基を示す。その他のR8〜R12は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基又はアリール基から選ばれる同一あるいは相異なる一価の置換基を示し、R8〜R12の隣り合う二つの置換基は環を形成していてもよい。)
【請求項2】
一般式(I)において、R1がハロゲン原子又は炭素数7以下の炭化水素であり、Zが一般式(II)で示される構造を持つ1価の末端基であり、R5、R6、R7及びR8〜R12のうちフェノール性水酸基のオルソ位又はパラ位に当たる全ての置換基がハロゲン原子あるいは炭素数7以下の炭化水素である請求項1記載の樹脂。
【請求項3】
下記一般式(III)で表され、分子量600〜12000であることを特徴とする感光性樹脂。
【化3】

(n1〜n2はそれぞれ独立して0〜20の整数を示し、n3は0〜10の整数を示し、n1〜n3の合計は1以上の整数を示す。Xは水素原子あるいは(メタ)アクリル基を示し、R8〜R12のうち主鎖(-CHR4-)に対してオルソ位又はパラ位の3つの置換基のうち少なくとも一つはOX基を示し、かつ、全てのXの総数に対して(メタ)アクリル基の割合は10〜100%である)
【請求項4】
下記(A)〜(C)を含む感光性樹脂組成物。
(A)請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂、
(B)少なくとも1個以上のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマー、及び
(C)光重合開始剤
【請求項5】
請求項4に記載の感光性樹脂組成物を硬化させて形成した硬化物。

【公開番号】特開2011−6564(P2011−6564A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150465(P2009−150465)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000006644)新日鐵化学株式会社 (747)
【Fターム(参考)】