説明

耳内部での衛生的使用のための薬剤

本発明は、小容量の場合でさえ再現可能に投薬することができそして頭部が揺すられる場合でさえ再び放り出されない耳薬剤を特に動物において衛生的に投与するための系に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小容量の場合でさえ再現可能に計量して供給することができそして頭部が揺すられる場合でさえ再び放り出されない耳薬剤を特に動物において衛生的に投与するための薬剤としての系に関する。
【背景技術】
【0002】
外耳道の炎症(外耳炎)は、イヌにおいてかなり頻繁に認められることができる。米国においてGrono et al.(非特許文献1)により実施された調査により、その発生率は全ての臨床承認(clinical admissions)の約5〜8%に対応するのに対して、その一方で、耳の炎症はネコにおいてもっとまれにしか起こらないことが示された。
【0003】
イヌにおける該疾患の複雑な経過の理由は、通常、素因(例えば、ぶら下がっている耳および高レベルの耳垢生成)、主因(アトピーもしくは飼料アレルギー、または脂漏症のような原発性疾患)および持続因子(耳道における細菌および酵母の増殖)の同時発生であり、これらの因子は一方で微生物増殖そしてもう一方で炎症からなる悪循環をもたらす。この循環は、殺菌薬での局所処置を用いて断ち切ることができ、これに関連して、酵母破壊物質および適切な場合には抗炎症、かゆみ止めおよび腫脹減退効果を有しそして分泌を減少するコルチコイドを用いることも好都合である。
【0004】
一般的に言えば、動物は処置に抵抗することが多く、そして処置の後に、例えば頭部を揺することによって、薬剤を取り除こうと試みるという事実は、動物への耳薬剤の投与をより困難にする。
【0005】
通例、獣医が症状を診断し、そして初期治療を行った後に、耳炎は飼い主によって処置される。処置の成功を遅らせるかもしくは疑問を呼び得る問題は、これに関連して起こる。
− 一般人が耳への投与を行うために比較的大きい複数回投薬容器を用いる結果として起こる投薬量の不正確さ。
− 圧力が時期尚早に減少される場合に分泌物が容器に吸引される結果としてもしくはボトルの上部が耳における分泌物と接触する結果として起こる衛生の問題、およびこのようにして引き起こされる薬剤の汚染。
− 大きい複数回投薬容器の扱いにくい性質は、一般人が敏感な(tender)耳への投与を行っている場合に不確実さをもたらす。
【0006】
これらの問題のために、飼い主は処置を不規則にもしくは不正確に行うことが多いので、上記の因子はまた治療の一貫した順守にも疑問を呼ぶ。複数回投薬容器からの通常の製剤の投与が視覚的にモニターされながら行われる場合、動物は処置の間に動くので、液滴は耳道の縁にも、もしくはその側面にさえ落ちることが分かる。投与が任意の視覚モニタリングなしに、すなわち、耳道に通常の複数回投薬容器のボトル上部を挿入することにより行われる場合、投与中に適用され得る可能性がある用量および圧力が、すでに炎症を起こした耳を傷つけることをもたらし得ることをモニターすることは可能でない。
【0007】
従って、本発明の目的は、衛生的なそして簡単な方法において耳が正確な用量で処置されることを可能にする薬剤を見出すことであった。
【0008】
高度に分散した二酸化ケイ素で粘性を高める油性溶液もしくは懸濁液に関して詳細な研
究が行われている。これらの後者は、通常は経口使用を目的とする複数回投与容器として売りに出される。単回投与単位もまた多数の場合に関してすでに記述されているが、これはカプセル剤の形態での経口使用のためである(例えば、特許文献1、特許文献2もしくは特許文献3を参照)。チキソトロピー性の油性製剤もまた開示されている(特許文献4、特許文献5および特許文献6)。
【0009】
これらの書類は油性のチキソトロピー製剤を記述するが、後者のいずれもカプセル剤の形態でそれらの全部が経口的に服用され、それにより再現可能な投薬を保証するか、もしくは製剤は活性化合物のより高い含有量を有する比較的大きい容器に等分され(特許文献4)、これは同様に再現可能な投薬をかなり容易にする。チキソトロピー製剤の記述における復元力は、カプセル剤を詰めるという目的に役立つだけであり、患者の耳に実際に製剤を使用するというものにではない(特許文献5)。
【0010】
【特許文献1】US5665384明細書
【特許文献2】US4450877明細書
【特許文献3】WO00/33866明細書
【特許文献4】FR2790200明細書
【特許文献5】WO00/01371明細書
【特許文献6】WO03/022254明細書
【非特許文献1】Grono LR:Otitis externa.In Kirk,RW(ed.):Current Veterinary Therapy VII.W.B.Saunders Company,Philadelphia,1980)
【発明の開示】
【0011】
従って、本発明は:
一回限りの投与のための一次包装手段に割り振られた(aliquoted)
(a)抗感染薬を
(b)液状基剤中
に含んでなる、ヒトもしくは動物における耳の疾患を処置するための薬剤に関する。
【0012】
抗感染薬は、特に、抗菌活性を示す、ペニシリン、セファロスポリン、アミノグリコシド、スルホンアミドおよび特にキノロンのような化合物である。キノロン、好ましくはフルオロキノロンは、とりわけ、以下の書類:US4 670 444(Bayer AG)、US4 472 405(Riker Labs)、US4 730 000(Abbott)、US4 861 779(Pfizer)、US4 382 892(Daiichi)、US4 704 459(Toyama)に開示されるような化合物であり;挙げることができるキノロンの特定の例はピペミド酸およびナリジクス酸であり;挙げることができるフルオロキノロンの例は:ベノフロキサシン、ビンフロキサシン、シノキサシン、シプロフロキサシン、ダノフロキサシン、ジフロキサシン、エノキサシン、エンロフロキサシン、フレロキサシン、イバフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキシン、マルボフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、オルビフロキサシン、ペフロキサシン、テマフロキサシン、トスフロキサシン、サラフロキサシンおよびスパルフロキサシンである。
【0013】
フルオロキノロンの好ましい群は、式(I)もしくは(II):
【化1】

[式中
Xは水素、ハロゲン、C1〜4−アルキル、C1〜4−アルコキシもしくはNHであり、
Yは構造
【化2】

の基であり、
ここで、
は1〜3個のC原子を有する場合によりヒドロキシルでもしくはメトキシで置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状C〜C−アルキル、シクロプロピルもしくはアシルであり、
は水素、メチル、フェニル、チエニルもしくはピリジルであり、
は水素もしくはC1〜4−アルキルであり、
は水素もしくはC1〜4−アルキルであり、
は水素もしくはC1〜4−アルキルであり、
そしてまた
は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、シクロプロピル、2−フルオロエチル、メトキシ、4−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニルもしくはメチルアミノであり、
は水素もしくは1〜6個の炭素原子を有する場合によりメトキシでもしくは2−メトキシエトキシで置換されていてもよいアルキル、そしてまたシクロヘキシル、ベンジル、2−オキソプロピル、フェナシル、エトキシカルボニルメチルもしくはピバロイルオキシメチルでもあり、
は水素、メチルもしくはエチルであり、そして
Aは窒素、=CH−、=C(ハロゲン)−、=C(OCH)−、=C(CH)−もしくは=C(CN)であり、
Bは酸素、場合によりメチルでもしくはフェニルで置換されていてもよい=NHまたは=CHであり、
Zは=CH−もしくは=N−である]
のものならびにその製薬学的に利用可能な塩および水和物である。
【0014】
式(I)および(II)の化合物は、それらのラセミ化合物の形態でもしくは鏡像異性体で存在することができる。
【0015】
Aが=CH−もしくは=C−CNであり、
が場合によりハロゲンで置換されていてもよいC〜C−アルキルもしくはシクロプロピルであり、
が水素もしくはC1〜4−アルキルであり、
Yが構造
【化3】

の基であり、
ここで、
が1〜4個のC原子を有する場合によりヒドロキシルで置換されていてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状C〜C−アルキルもしくはオキサルキル(oxalkyl)であり、
が水素、メチルもしくはフェニルであり、
が水素もしくはメチルであり、
およびRが水素ある
式(I)の化合物およびその製薬学的に利用可能な水和物および塩が好ましい。
【0016】
Aが=CH−もしくは=C−CNであり、
がシクロプロピルであり、
が水素、メチルもしくはエチルであり、
Yが構造
【化4】

の基であり、
ここで
がメチルもしくは場合によりヒドロキシルで置換されていてもよいエチルであり、
が水素もしくはメチルであり、
が水素もしくはメチルであり、
およびRが水素ある
式(I)の化合物およびその製薬学的に利用可能な塩および水和物が特に好ましい。
【0017】
製薬学的に利用可能な酸付加塩および塩基性塩は適当な塩である。
【0018】
製薬学的に利用可能な塩は、例えば、塩酸、硫酸、酢酸、グリコール酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、エンボン酸(embonic acid)、グルタミン酸もしくはアスパラギン酸の塩であると理解される。さらに、本発明の化合物は、酸性もしくは塩基性イオン
交換体に結合することができる。挙げることができる製薬学的に利用可能な塩基性塩の例は、アルカリ金属塩、例えばナトリウムもしくはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばマグネシウムもしくはカルシウム塩、亜鉛塩、銀塩およびグアニジン塩である。
【0019】
水和物は、フルオロキノロン自体の水和物およびそれらの塩の水和物の両方を意味すると理解される。
【0020】
挙げることができる特に好ましいフルオロキノロンは、WO97/31001に記述されているもの、特に式
【化5】

の8−シアノ−1−シクロプロピル−7−((1S,6S)−2,8−ジアザビシクロ−[4.3.0]ノナン−8−イル)−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(プラドフロキサシン(pradofloxacin))である。プラドフロキサシンは、好ましくは、その遊離形態で無水物として、例えばB変態(modification)において(WO00/31076を参照)、もしくは三水和物として(WO2005/097 789を参照)用いられる。
【0021】
エンロフロキサシン:
1−シクロプロピル−7−(4−エチル−1−ピペラジニル)−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリン−カルボン酸
【化6】

を用いることもまた特に好ましい。
【0022】
エンロフロキサシンおよびプラドフロキサシンに加えて、マルボフロキサシン、オルビフロキサシン、ジフロキサシンおよびイバフロキサシンもまた好ましいキノロン抗感染薬として挙げることができる。
【0023】
ペニシリンの例は、ベンジルペニシリン、アンピシリン、アモキシシリン、オキサシリン、ピペラシリンおよびチカルシリンである。
【0024】
セファロスポリンの例は、セファレキシン、セファドロキシル、セファゾリン、セフォキシチンおよびセフチオフルである。
【0025】
挙げることができるマクロライドの例は、エリスロマイシン、スピラマイシン、タイロシンおよびチルミコシンである。
【0026】
挙げることができるスルホンアミドの例は、トリメトプリムおよびスルファジアジン(好ましくは組み合わせて使用する)である。
【0027】
挙げることができるアミノグリコシドの例は、ゲンタマイシン、カナマイシン、ストレプトマイシン、ネオマイシンおよびスペクチノマイシンである。
【0028】
挙げることができる別の抗生物質は、リンコサミドクリンダマイシンである。
【0029】
抗感染薬は、典型的に、0.001〜6重量%、好ましくは0.01〜1.0重量%、特に好ましくは0.1〜0.8重量%の割合で製剤において用いられる。
【0030】
本発明の意味の範囲内でより好まれない抗感染薬は、銀、例えばコロイダルシルバー、硝酸銀もしくはスルファジアジン銀に由来する。しかしながら、これらの後者は上記の抗感染薬の一つおよび/もしくは下記のように適切な場合にはコルチコイドと組み合わせて用いることができる。
【0031】
本発明の薬剤は、抗感染薬に加えてそしてさらなる製薬学的有効成分として、イミダゾールもしくはトリアゾールのような抗真菌薬、特に、例えばクロトリマゾール、ミコナゾールもしくはビホナゾールを含んでなることが好都合である。
【0032】
抗真菌薬は、典型的に、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、特に好ましくは0.5〜2重量%の割合で製剤において用いられる。
【0033】
本発明の薬剤はまた、抗感染薬および適切な場合には抗真菌薬に加えてコルチコイドも含んでなることがさらに好都合である。製薬学的目的のために通常用いられる、コルチコイドおよびそれらの誘導体、特にエステルの両方を用いることが可能である。挙げることができるコルチコイドの例は、ヒドロコルチゾン、プレドニソロン、ベタメタゾン、モメタゾンおよびフルメタゾン;好ましくはベタメタゾン、トリアムシノロン、そして特にデキサメタゾンである。
【0034】
コルチコイドエステルにおいて、C17および/もしくはC21のヒドロキシル基は、通常、短鎖有機酸でエステル化され;これはコルチコイドの効能を増加し;より高度の脂肪親和性(lipophilia)は細胞へのより良い浸透をもたらし、そして同時に皮膚における濃縮を向上する。従って、例えば、ヒドロコルチゾンは弱いグルココルチコイドの1つと見なされ、一方、17−酪酸ヒドロコルチゾンは強いグルココルチコイドの1つと見なされる。グルココルチコイドデキサメタゾン/21−酢酸デキサメタゾンおよびベタメタゾン/17−吉草酸ベタメタゾンの場合に同様の効果が認められる。コルチコイドエステルの例は、プロピオン酸アクロメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾンジ、吉草酸ベタメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、酪酸クロベタゾン、ヘキサン酸クロコルトロン、ピバル酸クロコルトロン、酢酸デキサメタゾン、吉草酸ジフルコルトロン、吉草酸ジフルコルトロン、ピバル酸フルメタゾン、ヘキサン酸フルオコルトロン、ピバル酸フルオコルトロン、酢酸フルプレドニデン(fluprednidene acetate)、プロピオン酸フルチカゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンアセポネート(hydrocortisone aceponate)、酢酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンブテプラート(hydrocortisone buteprate)、メチルプレドニソロンアセポネート、フロ酸モメタゾン、酢酸プレドニカルベートおよびプレドニソロンである。17−吉草酸ベタメタゾンおよび特に21−酢酸デキサメタゾンは
、特に好ましいコルチコイドエステルである。トリアムシノロンアセトニド、ケタールは、コルチコイド誘導体の別の特に好ましい例として挙げることができる。
【0035】
本発明の関連内で、コルチコイドという用語にはまた、その最も広い意味において、上記に詳述されたエステルおよびケタールのような誘導体も包含される。
【0036】
コルチコイドは、典型的に、0.001〜2.0重量%、好ましくは0.005〜0.5重量%、特に好ましくは0.05〜0.2重量%の割合で製剤において用いられる。
【0037】
以下のものは、特に好ましい活性化合物の組み合わせであるとして挙げることができる:プラドフロキサシン、クロトリマゾールおよびデキサメタゾン(好ましくはその21−酢酸エステルの形態における)。
【0038】
キノロンに関して上記にさらに詳細に説明されるように、全ての製薬学的有効成分の場合において、対応する製薬学的に許容しうる塩、水和物および溶媒和物ならびに適切な場合には異なる改変を用いることが可能である。
【0039】
場合により活性物質は、それらの立体異性体の形態でもしくは立体異性体混合物として、例えば純粋なもしくは濃縮された鏡像異性体としてまたはラセミ化合物として用いることができる。
【0040】
液状基剤は、油性もしくは水性であることができる。
【0041】
天然(動物もしくは植物)、合成および半合成の油もしくは脂肪を油性基剤として用いることができる。挙げることができる油もしくは脂肪は、ダイズ油、ヒマワリ油、綿実油、オリーブ油、ラッカセイ油、アザミ油、ヤシ油、菜種油、ココナッツ油、トウモロコシ胚芽油、ヒマシ油およびホホバ油である。中鎖トリグリセリド(飽和脂肪酸、好ましくはオクタン酸およびデカン酸を含有するトリグリセリド)、カプリル酸/カプリン酸のプロピレングリコールジエステル、低粘性パラフィンもしくはゴマ油を用いることが好ましく;これらのうち、中鎖トリグリセリドおよびカプリル酸/カプリン酸のプロピレングリコールジエステルを用いることが特に好ましい。これらの油および脂肪はまた、当然ながら混合物として用いることもできる。
【0042】
水、グリセロール、プロピレングリコールもしくはポリエチレングリコールは、水性基剤として用いることができる。これらの物質の混合物を用いることは同様に可能である。
【0043】
油性基剤が好ましい。
【0044】
油性もしくは水性基剤は、典型的に、99.9〜72重量%の、好ましくは99.4〜89.5重量%の、特に好ましくは97.9〜94.0重量%の割合で用いられる。
【0045】
本発明の薬剤において、液状製薬学的製剤は一次包装手段に等分される。原則として、製剤は液剤、乳剤、懸濁剤、パスタ剤もしくはゲルであることができる。
【0046】
製剤は増粘剤、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよび微晶質セルロースのようなセルロース誘導体;ベントナイト、カオリン、ペクチン、澱粉、加工澱粉、ろう、寒天、パラフィン、ゼラチン、アルギン酸塩、ポリビニルピロリドン、クロスポビドン、セチルアルコール、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛もしくはステアリン酸グリセリルのようなステアレート、飽和もしくは不飽和長鎖(
〜C24)脂肪酸、高分子量ポリエチレングリコール(例えばポリエチレングリコール2000)または好ましくは親水性、沈降、高度に分散した、事前に圧縮したもしくは疎水性、メチル化二酸化ケイ素のような二酸化ケイ素ならびに酸化ケイ素と酸化アルミニウムからなる混合酸化物および特に好ましくは高度に分散した二酸化ケイ素を含んでなることができる。
【0047】
増粘剤の使用は、例えば、懸濁液が用いられなければならないように1つもしくはそれ以上の活性化合物が液状基剤に溶解しないか、もしくは適切に溶解しない場合に好都合である。
【0048】
増粘剤は、典型的に、0.1〜10重量%の、好ましくは0.5〜5重量%の、特に好ましくは1.0〜3.0重量%の割合で製剤において用いられる。
【0049】
その粘度が振動により減少されそして製剤が静止している場合に再び増加することを意味する、それがチキソトロピー特性を有することを保証するように製剤を調整することが好ましい。これは、一次包装手段から製剤を引き出すことそして投与された製剤が耳の中にとどまりそして例えば頭部が揺すられることによって放り出されないことができるように製剤が迅速に再構成されることが容易に可能であることをもたらす。チキソトロピー製剤は、適切な添加剤を製剤基剤(液状基剤)に加えることにより製造され、ただし、後者はすでにそれ自体がチキソトロピー性ではない。この性質の添加剤は、通常、懸濁安定剤または高度に分散した二酸化ケイ素もしくは疎水性二酸化ケイ素(例えばメチル化二酸化ケイ素)のような増粘剤である。チキソトロピーの程度は、濃度を変えることにより意図的に調整することができる。
【0050】
本発明によれば、一次包装手段は単回投与容器である。0.1〜5.0ml、好ましくは0.2〜4.0ml、特に好ましくは0.3〜2.0mlの容量の引き出し可能な含有量の液状製剤が、これらの容器に等分される。
【0051】
製剤はさらに通常の製薬学的に許容される添加剤および補助剤を含有することができる。以下の例を挙げることができる:
・カルボン酸(ソルビン酸、プロピオン酸、安息香酸もしくは乳酸)、フェノール(クレゾール、メチルパラベン、プロピルパラベンのようなp−ヒドロキシ安息香酸エステルなど)、脂肪族アルコール(ベンジルアルコール、エタノール、ブタノールなど)もしくは第四級アンモニウム化合物(塩化ベンザルコニウムもしくは塩化セチルピリジニウム)のような防腐剤。
・亜硫酸塩(亜硫酸Naもしくはメタ重亜硫酸Na)、有機スルフィド(シスチン、システイン、システアミン、メチオニン、チオグリセロール、チオグリコール酸もしくはチオ乳酸)、フェノール(トコフェロール、ならびにビタミンEおよびビタミンE−TPGS(d−アルファ−トコフェリルポリエチレングリコール−1000−コハク酸エステル))、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸もしくはその誘導体(没食子酸プロピル、没食子酸オクチルおよび没食子酸ドデシル)、有機酸(アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸もしくは乳酸)ならびにそれらの塩およびエステルのような酸化防止剤。
・脂肪酸塩、脂肪アルキル硫酸塩、脂肪アルキルスルホン酸塩、直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪アルキルポリエチレングリコールエーテル硫酸塩、脂肪アルキルポリエチレングリコールエーテル、アルキルフェノール−ポリエチレングリコールエーテル、アルキルポリグリコシド、脂肪酸−N−メチルグルカミド、ポリソルベート、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチンおよびポロキサマーのような湿潤剤もしくは乳化剤。
・酸化鉄、カロテノイドなどのような製薬学的に許容しうる染料。
・製剤はまた、さらに粘度を下げることもできる共溶媒を含んでなることもできる。これ
らの共溶媒は、通常、0.1〜40重量%の、好ましくは1〜10重量%の割合で用いられる。以下の共溶媒を例として挙げることができる:エタノールもしくはベンジルアルコールのような製薬学的に許容されるアルコール、ジメチルスルホキシド、乳酸エチル、酢酸エチル、トリアセチン、N−メチルピロリドン、グリセロールホルマール、プロピレンカーボネート、安息香酸ベンジル、グリコフロール、ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、イソプロピリデングリセロール、グリセロールおよびポリエチレングリコール。上記の溶媒の混合物もまた、共溶媒として用いることができる。
・水。
・ヘキシルドデカノール、オレイン酸デシル、アジピン酸ジブチル、ジメチコーン、リシノール酸グリセリル、オクチルドデカノール、ステアリン酸オクチル、ジペラルゴン酸プロピレングリコール(propylene glycol dipelargonate)および好ましくはミリスチン酸イソプロピルもしくはパルミチン酸イソプロピルは、とりわけ、展延剤(spreading agents)として用いることができる。
・浸透促進剤(もしくは透過促進剤)は薬剤の経皮投与を向上し、そして先行技術において原則として開示されている(例えば、Dermatopharmazie[Dermatopharmacy],Wissenschaftliche Verlagsgesellschaft[scientific publisher]mbH Stuttgart,2001における第6章を参照)。挙げることができる例は、ミリスチン酸イソプロピル、ペラルゴン酸ジプロピレングリコール、シリコーン油もしくはポリエーテルとのそれらのコポリマー、脂肪酸エステル(例えばオレイン酸オレイル)、トリグリセリド、脂肪アルコールおよびリノレンのような展延油(spreading oils)である。DMSO、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、オクチルドデカノール、オレイルマクロゴールグリセリドもしくはプロピレングリコールラウレートを同様に用いることができる。
・製剤が酸を含んでなる場合に製剤の安定性にさらに好都合であることができる。原則として、無機および有機酸は適当な酸である。無機酸の例は、塩酸、硫酸、亜硫酸およびリン酸である。有機酸の例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ソルビン酸、クエン酸、オキサロ酢酸、酒石酸、メタンスルホン酸、乳酸およびアスコルビン酸である。特に油性基剤において有機酸を用いることが好ましい。好ましい例は、ソルビン酸、ステアリン酸およびプロピオン酸である。通常の酸濃度は、製剤および用いる酸の性質に従って、30重量%までの、好ましくは0.5〜25重量%の範囲である。しかしながら、大部分の場合において、0.05〜2重量%の、好ましくは0.05〜1重量%の範囲のより低い酸濃度が通常用いられる。
【0052】
一次包装手段、単回投与容器は、通常、チューブ(ホースチューブ、ラミネートチューブ、ブロウチューブ(blow tubes)もしくは注入ストレッチチューブ)の形態を有する。単回投与容器は、ポリプロピレン、ポリエチレン、アルミニウム(Al)で、ラミネートで、もしくはこれらの材料の混合物でできていることができる。一般にプラスチックチューブに最も頻繁に用いられる材料は、現在のところポリエチレン、特にPE−LD(ポリエチレン−低密度)およびPE−HD(ポリエチレン−高密度)である。ラミネートチューブは、酸化アルミニウムもしくは酸化ケイ素(SiOx)およびプラスチックコーティングから製造される多層チューブである。複合材料は、通常、PE−LD/AL/PE−LDおよび他の層からなる。しかしながら、アルミニウム層はまた、熱可塑性プラスチックもしくはバリア性プラスチックのようなバリア層ホイルで、特にE/VAL(E/VOH;エチレン−ビニルアルコール)および酸化ケイ素(SiOx)で置換されることもできる。本発明によれば、ポリエチレン、ポリプロピレンもしくはラミネートで、特に好ましくはラミネート、もしくは特にポリプロピレンでできているチューブを用いることが好ましい。
【0053】
ポリプロピレンからなる特に滅菌可能なチューブは、例えば、PP/E/VAL/PP
からなるチューブである。
【0054】
チューブは、追加の密封膜を有するもしくは有さないねじ回して外すことができるピン(unscrewable pin)、ねじ込み式もしくはプッシュプル式密封を用いて、例えばふたに、先の鋭くとがったものを含む穴を開けることができる膜を用いて、例えばホイルの形態の、はがすことのできるシールを用いて、または取り除くかもしくは引きはがすことのできるシールを用いて開けられる。チューブは、ふたに位置する、例えばチューブの密封膜にねじ込まれるかもしくは突き刺される、先の鋭くとがったものを用いて開けられることが好ましい。使用先端は開いた状態でさえある長さを有するべきであり、そして損傷を防ぐために前端で丸みを帯びているべきである。
【0055】
例として、図1は本発明の単回投与容器としての使用に適当であるチューブを示す。
【0056】
単回投与容器に等分される場合、記載する製剤は衛生的な方法でイヌおよびネコにおける外耳炎を処置するのに特によく適している。製剤は容易に再現可能な方法で投薬できることが特に強調される。懸濁製剤における増粘剤の使用は、通例、懸濁成分のあらゆる沈降を防ぐことができる。チキソトロピー製剤は、単回投与容器が揺すられた後に、低い活性化合物濃度でさえ、特に容易に再現可能である方法で製剤を投薬することができ、そしてチキソトロピーおよび単回投与容器を用いることの結果として、製剤は動物の耳に簡単にそして衛生的に投与することができそしてそれでもなお例えば頭部の通常の振動により放り出されないことができるので、特に好都合である。製剤はそれが投与された後に耳道において十分に分散されるようになるべきであるので、製剤が優れた拡散挙動を有することは同様に望ましい。
【0057】
製剤は、溶解されるかもしくは懸濁される活性化合物もしくは補助剤を基剤に分散させることにより製造される。適切な場合、混合装置または好ましくはホモジナイザーもしくは高圧ホモジナイザーが分散に用いられる。個々の成分が加えられる順序は、製剤に従って変えることができる。全ての製剤成分が分散された後に、完成した製剤は一時的に保存されるかもしくは単回投与容器に直接等分され、それらは次に密封される。
【0058】
本発明の薬剤は、ヒトおよび動物において使用するのに一般的に適している。特に、それらは、好ましくは、生産動物、飼育動物、動物園動物、研究用動物、実験用動物および家畜に、そして特に哺乳類に畜産業および動物育種において用いられる。
【0059】
生産および飼育動物には、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ラクダ、スイギュウ、ロバ、ウサギ、ファロージカ、トナカイのような哺乳類、ならびにミンク、チンチラおよびアライグマのような毛皮を有する動物、ならびに家禽、ガチョウ、シチメンチョウ、アヒル、ハトおよびダチョウのような鳥類が包含される。好ましい生産動物の例は、ウシ、ヒツジ、ブタおよび家禽である。
【0060】
研究用および実験用動物には、イヌ、ネコ、ウサギならびにマウス、ラット、モルモットおよびゴールデンハムスターのようなげっ歯類が包含される。
【0061】
家畜には、イヌ、ネコ、ウマ、ウサギ、ゴールデンハムスター、モルモットおよびマウスのようなげっ歯類ならびにさらに家庭内でそして動物園において飼育されるための爬虫類、両生類および鳥類が包含される。
【0062】
家畜に、そして特にイヌおよびネコに本発明の薬剤を用いることが好ましい。
【0063】
薬剤は、予防的および治療的の両方で用いることができる。
【0064】
本明細書に記述する製剤は、耳道への局所投与が想定される。しかしながら、皮膚、経口、直腸、膣もしくは鼻腔投与のような他の適用領域が原則として可能である。
【実施例】
【0065】
本明細書に記述する製剤のパーセンテージ値は、容量当たりの重量(100mlの完成した製剤当たりの関連物質のグラム)で示される。カプリル酸/カプリン酸エステルのトリグリセリド、例えばSasol/WittenからのMiglyol 812(実施例3および6において使用する)は、中鎖トリグリセリドとして用いられる。
【0066】
実施例1
0.15% プラドフロキサシン
0.05% 17−吉草酸ベタメタゾン
0.5% ビホナゾール
2.0% 高度に分散した二酸化ケイ素
100%までにするためのプロピレングリコールオクタノエートデカノエート
【0067】
1.5gのプラドフロキサシンおよび5gのビホナゾールと一緒に0.5gの吉草酸ベタメタゾンを973gのプロピレングリコールオクタノエートデカノエートに懸濁し、その後に20gの高度に分散した二酸化ケイ素を加える。次に、懸濁液をホモジナイザーで10分間均質化する。
【0068】
実施例2
0.5% エンロフロキサシン
0.1% トリアムシノロンアセトニド
1.0% クロトリマゾール
1.6% 高度に分散した二酸化ケイ素
100%までにするための中鎖トリグリセリド
【0069】
2gのトリアムシノロンアセトニドおよび20gのクロトリマゾールと一緒に、10gのエンロフロキサシンを1932gの中鎖トリグリセリドに懸濁し、その後に36gの高度に分散した二酸化ケイ素を加える。次に、懸濁液をホモジナイザーで10分間均質化する。
【0070】
実施例3
0.3% プラドフロキサシン(三水和物)
0.1% 21−酢酸デキサメタゾン
1.0% クロトリマゾール
1.8% 高度に分散した二酸化ケイ素
100%までにするための中鎖トリグリセリド
【0071】
1.5gのプラドフロキサシン(水和の水なしに計算する)と一緒に、5gのクロトリマゾールおよび0.5gの酢酸デキサメタゾンを484gのMCTに懸濁し、その後に9gの高度に分散した二酸化ケイ素を加える。次に、懸濁液をホモジナイザーで10分間均質化する。
【0072】
実施例4
0.3% プラドフロキサシン
0.1% 21−酢酸デキサメタゾン
1.0% クロトリマゾール
0.8% ヒドロキシエチルセルロース
20% 乳酸
19% イソプロパノール
1.6% ベンジルアルコール
100%までにするためのプロピレングリコール
【0073】
200gのイソプロパノールおよび16gのベンジルアルコールを500gのプロピレングリコールに混合する。1gの酢酸デキサメタゾン、3gのプラドフロキサシンおよび10gのクロトリマゾールをこの混合物に懸濁し、その後に200gの乳酸を加える。8gのヒドロキシエチルセルロースを攪拌し、そして62gのプロピレングリコールを用いて最終重量までにする。次に、懸濁液をホモジナイザーで10分間均質化する。
【0074】
実施例5
0.15% マルボフロキサシン
0.05% トリアムシノロンアセトニド
0.5% ビホナゾール
0.05% 没食子酸プロピル
1.7% 高度に分散した二酸化ケイ素
100%までにするためのプロピレングリコールオクタノエートデカノエート
【0075】
0.15gの没食子酸プロピルを1427.85gのプロピレングリコールオクタノエートデカノエートに懸濁する。1.5gのトリアムシノロンアセトニド、15gのビホナゾールおよび4.5gのマルボフロキサシンをこの分散液に懸濁し、その後に51gの高度に分散した二酸化ケイ素を加える。次に、懸濁液をホモジナイザーで10分間均質化する。
【0076】
実施例6
0.3% プラドフロキサシン(三水和物)
0.03% 21−酢酸デキサメタゾン
1.0% クロトリマゾール
1.8% 高度に分散した二酸化ケイ素
100%までにするための中鎖トリグリセリド
【0077】
0.3gの酢酸デキサメタゾンおよび10gのクロトリマゾールと一緒に、3gのプラドフロキサシン(水和の水なしに計算する)を968.7gの中鎖トリグリセリドに懸濁し、その後に18gの高度に分散した二酸化ケイ素加える。次に、懸濁液をホモジナイザーで10分間均質化する。
【0078】
実施例7
0.3% プラドフロキサシン
0.03% 21−酢酸デキサメタゾン
1.0% クロトリマゾール
0.1% 没食子酸プロピル
2.3% 高度に分散した二酸化ケイ素
1.0% ビタミンE
100%までにするためのゴマ油
【0079】
1gの没食子酸プロピルを952.7gのゴマ油に分散させ、その後に0.3gの酢酸デキサメタゾン、10gのクロトリマゾールおよび3gのプラドフロキサシンをこの分散液に懸濁する。次に、混合物に10gのビタミンEおよび23gの高度に分散した二酸化
ケイ素を補足する。次に、懸濁液をホモジナイザーで10分間均質化する。
【0080】
実施例8
0.5% エンロフロキサシン
0.1% 21−酢酸デキサメタゾン
1.0% ビホナゾール
2% n−ブタノール
1.9% 高度に分散した二酸化ケイ素
100%までにするための中鎖トリグリセリド
【0081】
0.5gのn−ブタノールを241gの中鎖トリグリセリドに混合する。0.25gの酢酸デキサメタゾン、1.25gのエンロフロキサシンおよび2.5gのビホナゾールをこの混合物に分散させ、次にそれに4.5gの高度に分散した二酸化ケイ素を加える。次に、懸濁液をホモジナイザーで10分間均質化する。
【0082】
実施例9
0.3% プラドフロキサシン
0.1% 17−吉草酸ベタメタゾン
1.0% クロトリマゾール
0.01% BHT
2.0% 高度に分散した、疎水性二酸化ケイ素
100%までにするためのホホバ油
【0083】
1gのBHTを9.7kgのホホバ油に懸濁し、その後に10gの吉草酸デキサメタゾン、30gのプラドフロキサシン、180gの高度に分散した二酸化ケイ素および100gのクロトリマゾールをその中に懸濁する。次に、懸濁液をホモジナイザーで10分間均質化する。
【0084】
実施例10
0.114% プラドフロキサシン三水和物
0.05% 21−酢酸デキサメタゾン
0.5% クロトリマゾール
0.1% ソルビン酸
1.8% 高度に分散した二酸化ケイ素
100%までにするための中鎖トリグリセリド
【0085】
0.1kgのソルビン酸、0.5kgのクロトリマゾールおよび0.05kgの21−酢酸デキサメタゾンを92.8kgの中鎖トリグリセリドに溶解する。0.114kgのプラドフロキサシン三水和物および1.8kgの高度に分散した二酸化ケイ素をこの溶液に分散させる。次に、懸濁液をホモジナイザーで10分間均質化する。
【0086】
実施例11
0.114% プラドフロキサシン三水和物
0.05% 21−酢酸デキサメタゾン
0.5% クロトリマゾール
0.1% ソルビン酸
1.7% 高度に分散した二酸化ケイ素
100%までにするための中鎖トリグリセリド
【0087】
0.1kgのソルビン酸、0.5kgのクロトリマゾールおよび0.05kgの21−
酢酸デキサメタゾンを70kgの中鎖トリグリセリドに溶解する。0.114kgのプラドフロキサシン三水和物および1.7kgの高度に分散した二酸化ケイ素をこの溶液に分散させ、それに残りの中鎖トリグリセリド(22.9kg)を補足する。次に、懸濁液をホモジナイザーで約10分間均質化する。
【0088】
実施例12
0.114% プラドフロキサシン三水和物
0.05% 21−酢酸デキサメタゾン
0.5% クロトリマゾール
0.1% ソルビン酸
3.6% メチル化二酸化ケイ素(Aerosil R972、Degussaからのジメチルジクロロシラン−疎水化発熱性ケイ酸)
100%までにするための中鎖トリグリセリド
【0089】
0.1kgのソルビン酸、0.5kgのクロトリマゾールおよび0.05kgの21−酢酸デキサメタゾンを95.64kgの中鎖トリグリセリドに溶解する。0.114kgのプラドフロキサシン三水和物および3.6kgの疎水性二酸化ケイ素をこの溶液に分散させる。次に、懸濁液をホモジナイザーで約10分間均質化する。
【0090】
実施例13
0.114% プラドフロキサシン三水和物
0.05% 21−酢酸デキサメタゾン
0.5% クロトリマゾール
0.1% ソルビン酸
2.7% メチル化二酸化ケイ素(Aerosil R974、Degussaからのジメチルジクロロシラン−疎水化発熱性ケイ酸)
100%までにするための中鎖トリグリセリド
【0091】
0.1kgのソルビン酸、0.5kgのクロトリマゾールおよび0.05kgの21−酢酸デキサメタゾンを96.66kgの中鎖トリグリセリドに溶解する。0.114kgのプラドフロキサシン三水和物および2.7kgの疎水性二酸化ケイ素をこの溶液に分散させる。次に、懸濁液をホモジナイザーで約10分間均質化する。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一回限りの投与のための一次包装手段に割り振られた
(a)抗感染薬を
(b)液状基剤中
に含んでなる、ヒトもしくは動物における耳の疾患を処置するための薬剤。
【請求項2】
フルオロキノロンを含んでなる請求項1に記載の薬剤。
【請求項3】
エンロフロキサシンを含んでなる請求項2に記載の薬剤。
【請求項4】
プラドフロキサシン(pradofloxacin)を含んでなる請求項2に記載の薬剤。
【請求項5】
マルボフロキサシンを含んでなる請求項2に記載の薬剤。
【請求項6】
コロイダルシルバー、硝酸銀もしくはスルファジアジン銀のような、抗感染効果を有する別の物質をさらに含んでなる請求項1〜5の1つに記載の薬剤。
【請求項7】
抗真菌薬をさらに含んでなる請求項1〜6の1つに記載の薬剤。
【請求項8】
クロトリマゾール、ミコナゾールもしくはビホナゾールを含んでなる請求項7に記載の薬剤。
【請求項9】
コルチコイドをさらに含んでなる請求項1〜8の1つに記載の薬剤。
【請求項10】
デキサメタゾン、ベタメタゾンもしくはトリアムシノロン(またはそれらの誘導体)を含んでなる請求項9に記載の薬剤。
【請求項11】
21−酢酸デキサメタゾンを含んでなる請求項10に記載の薬剤。
【請求項12】
一次包装手段の内容物がチキソトロピー特性を示す請求項1〜11の1つに記載の薬剤。
【請求項13】
一次包装手段の内容物が油性液状基剤を示す請求項1〜12の1つに記載の薬剤。
【請求項14】
一次包装手段の内容物が懸濁液である請求項1〜13の1つに記載の薬剤。
【請求項15】
(i)0.001〜6重量%の抗感染薬
(ii)0.01〜10重量%の抗真菌薬
(iii)0.001〜2重量%のコルチコイド
(iv)99.9〜72重量%の液状基剤
を含んでなる製薬学的製剤。
【請求項16】
コルチコイドエステルをコルチコイドとして含んでなる請求項15に記載の製薬学的製剤。
【請求項17】
油性液状基剤を特徴とする請求項15もしくは16に記載の製薬学的製剤。
【請求項18】
酸を含んでなる請求項15〜17の1つに記載の製薬学的製剤。
【請求項19】
有機酸、特にソルビン酸、ステアリン酸およびプロピオン酸を含んでなる請求項18に記載の製薬学的製剤。
【請求項20】
30重量%までの酸を含んでなる請求項18もしくは19に記載の製薬学的製剤。
【請求項21】
0.05〜2重量%の酸を含んでなる請求項18〜20の1つに記載の製薬学的製剤。

【公表番号】特表2008−522998(P2008−522998A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−544787(P2007−544787)
【出願日】平成17年12月3日(2005.12.3)
【国際出願番号】PCT/EP2005/012978
【国際公開番号】WO2006/061156
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(503412148)バイエル・ヘルスケア・アクチェンゲゼルシャフト (206)
【氏名又は名称原語表記】Bayer HealthCare AG
【Fターム(参考)】