説明

肌観察装置

【課題】肌のシミの状態をコントラスト良く鮮明に撮像できるようにした肌観察装置を提供する。
【解決手段】肌観察装置において、浅い方のシミを観察するにあたって、深い方のシミも僅かながら観察されると、浅いシミか深いシミかの判別が難しくなる。そこで、第2の偏光フィルタ19の偏光方向は、第1の偏光フィルタ18の偏光方向に対して90度+略15度又は90度−略15度をなすようにセッティングされている。すなわち、第2の偏光フィルタ19の偏光方向は、第3の偏光フィルタ50の偏光方向に対して+略15度又は−略15度ずれている。このような構成により、第1の光源17から出射して第2の偏光フィルタ19を透過した光を肌にあてると、肌表面の正反射が増えるため、深いシミが見え難くなり、その結果として、浅い方のシミを良好に観察することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌の表面を拡大して撮像するために利用される肌観察装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術として、特開平10−333057号公報がある。この公報に記載されたCCDマイクロスコープ(肌観察装置)は、肌荒れの状態を観察する装置であり、鏡筒の先端を肌表面に押し付け、肌で反射した光は結像光学系を通ってCCD素子で撮像される。さらに、このCCDマイクロスコープの照明部は、環状に配列されたLEDの点灯切り替えを可能にし、シミやクスミなどを観察するために偏光フィルタを通る光と、肌表面の荒れなどを観察するために偏光フィルタを通らない光とを作り出している。
【特許文献1】特開2004−187248号公報
【特許文献2】特開2002−014289号公報
【特許文献3】特開2002−159448号公報
【特許文献4】特開2002−244047号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述した従来の肌観察装置の照明部は、多数のLEDを環状に配列した構成であり、照明の様々な切り替えを可能にしているが、肌の表面には毛穴や複雑なシワが存在するので、単に照明光を所定方向から肌に当てただけでは肌のシミ状態をコントラスト良く鮮明に撮像し難いという問題点があった。
【0004】
本発明は、特に、肌のシミの状態をコントラスト良く鮮明に撮像できるようにした肌観察装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る肌観察装置は、被写体に向けて光を照射する照明部と、被写体からの反射光を受光して被写体を撮像する撮像素子と、照明部と撮像素子との間に配置され、被写体からの反射光を撮像素子に集光させる結像光学部とを備え、
照明部は、結像光学部側に配置されて被写体からの反射光を透過させる第1の偏光フィルタと、被写体側に配置された第1の光源と、第1の光源と同一平面上に配置されると共に、第1の光源よりも外方に位置する第2の光源と、第1の光源からの光を透過させ、被写体からの反射光が通過する開口部をもった第2の偏光フィルタと、第2の光源からの光を透過させ、被写体からの反射光が通過する開口部をもった第3の偏光フィルタとを有し、第1及び第2の光源は、結像光学部を通って被写体と撮像素子とを結ぶ撮像軸線を中心とした円周上で等間隔に配置されたLEDによって構成され、第3の偏光フィルタの偏光方向は、第1の偏光フィルタの偏光方向に対して略90度をなし、第2の偏光フィルタの偏光方向は、第1の偏光フィルタの偏光方向に対して90度+略15度又は90度−略15度をなしていることを特徴とする。
【0006】
この肌観察装置において、第1の光源から出射された光は、第2の偏光フィルタを通った後、被写体に照射され、被写体で反射した光は第2の偏光フィルタの開口部及び第1の偏光フィルタを通って撮像素子に入射する。このような第1の光源は、シミ観察用の光源として利用される。このような肌観察装置において、照明部の第1及び後述の第2の光源は、結像光学部を通って被写体と撮像素子とを結ぶ撮像軸線を中心とした円周上で等間隔に配置されたLEDによって構成されている。これによって、肌のシミをコントラスト良く鮮明に撮像することが実験によって確かめられている。さらに、第1及び後述の第2の光源はLEDであるから、照明の消費電力を抑えることができ、その結果として、このような光源の採用は、肌観察装置をバッテリー駆動可能な携帯用にする場合に極めて有効である。さらに、照明部は、第1の光源と同一平面上に配列されたLEDからなる第2の光源を更に有し、この第2の光源は、第1の光源よりも外方に位置すると共に、撮像軸線を中心とした円周上で等間隔に配置されている。この第2の光源は、シミ観察用として利用されるが、第1の光源よりも外方に配置され、第1の光源と異なる角度で光を出射しているので、第1の光源は、肌の浅いシミの観察に効果的であり、第2の光源は、肌の深層部のシミの観察に効果的である。
さらに、浅い方のシミを観察するにあたって、深い方のシミも僅かながら観察されると、浅いシミか深いシミかの判別が難しくなる。そこで、第2の偏光フィルタの偏光方向は、第1の偏光フィルタの偏光方向に対して90度+略15度又は90度−略15度をなすようにセッティングされている。すなわち、第2の偏光フィルタの偏光方向は、第3の偏光フィルタの偏光方向に対して+略15度又は−略15度ずれている。このような構成により、第1の光源から出射して第2の偏光フィルタを透過した光を肌にあてると、肌表面の正反射が増えるため、深いシミが見え難くなり、その結果として、浅い方のシミを良好に観察することができる。このような偏光フィルタの設定は、肌のシミの状態をコントラスト良く鮮明に撮像する際に最適であることが実験により確かめられている。
【0007】
また、第1の偏光フィルタを透過する光を出射する第3の光源を更に備え、第3の光源は、結像光学部を通って被写体と撮像素子とを結ぶ撮像軸線を中心とした円周上で等間隔に配置されたLEDによって構成されていると好適である。このような構成を採用すると、第3の光源から出射された光は、第1の偏光フィルタを通った後、被写体に照射され、被写体で反射した光は第1の偏光フィルタを通って撮像素子に入射する。このような第3の光源は、肌表面観察用の光源として利用することができる。
【0008】
また、第1及び第2の光源の光路上において、第2及び第3の偏光フィルタを透過した光を通過させる光通過孔が設けられたマスク部を更に備えると好適である。マスク部の採用は、各LEDの指向性が低い場合に特に有効である。
【0009】
また、第3の光源は、その光軸線が撮像軸線に対して16.5±3°になるように第1の回路基板上に配置されていると好適である。このような角度は、第3の光源によって肌表面の状態(毛穴や複雑なシワ、肌荒れ)の観察に最適であることが実験により確かめられている。
【0010】
また、第1の光源は、その光軸線が撮像軸線に対して27±3°になるように第2の回路基板上に配置されていると好適である。このような角度は、第1の光源によって肌の浅いシミの観察に最適であることが実験により確かめられている。
【0011】
また、第2の光源は、その光軸線が撮像軸線に対して32±3°になるように第2の回路基板上に配置されていると好適である。このような角度は、第2の光源によって肌の深いシミの観察に最適であることが実験により確かめられている。深いシミは、肉眼では確認し難いのが現状である。
【0012】
また、第1及び第2の光源から出射して被写体に照射される光は、シアン系の白色光であると好適である。褐色系のシミと補色関係にあるのがシアン系であるので、第1及び第2の光源によるシミ観察にあたって、シアン系白色光が肌に照射されると、シミをより黒く浮き立たせることができ、シミをコントラスト良く観察することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、肌のシミの状態をコントラスト良く鮮明に撮像できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る肌観察装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0015】
図1及び図2に示すように、ハンディタイプの肌観察装置1は樹脂製の筐体2を有し、この筐体2には、取り扱い性を考慮してモニターが設けられていない。この筐体2の内部には、撮像照明ユニットUが設けられ、筐体2の前側下部には、肌など弾性のある被写体Sに密着させるため円錐台形状のキャップ部3が設けられている。このキャップ部3は、ネジ(図示せず)によって筐体本体5に固定され、キャップ部3の先端には、円形の観察孔3aが形成されている。
【0016】
さらに、筐体2の後端から延在するコード6は、外部モニター(図示せず)に接続され、キャップ部3の先端部分を被写体Sに押し当てることで、この観察孔3aを介して肌Sの状態が撮像照明ユニットUにより撮像され、肌の状態は外部モニター(図示せず)に写し出される。
【0017】
なお、筐体2の内部には、撮像照明ユニットUを作動させるための回路基板7と、回路基板7を介して撮像照明ユニットUに電力を供給するためのバッテリー8とが収容されている。このバッテリー8は外部充電が可能であり、これによって、充電式の肌観察装置1を可能にし、ハンディタイプを実現している。
【0018】
図3〜図6に示すように、撮像照明ユニットUは、被写体Sに向けて光を照射する照明部10と、被写体Sからの反射光を受光して被写体Sを撮像するCMOSイメージセンサ(撮像素子)11と、照明部10とCMOSイメージセンサ11との間に配置されて、被写体Sからの反射光をCMOSイメージセンサ11に集光させるためのレンズ群をもった結像光学部12と、撮像軸線Lを90度曲げて装置1の薄型化を可能にし且つ携帯性やコンパクト化の促進を図ることができるミラー13と、をハウジングH(図1の二点鎖線参照)内に一体的に備えている。
【0019】
照明部10は、結像光学部12側に配置された第3の光源16と、被写体S側に配置された第1の光源17と、第3の光源16と第1の光源17との間に配置されて、第3の光源16からの光を透過させ、被写体Sからの反射光を透過させる第1の偏光フィルタ18と、第1の光源17の前方に配置されて、第1の光源17からの光を透過させ、被写体Sからの反射光が通過する開口部19aをもった第2の偏光フィルタ19とを有している。
【0020】
さらに、第3の光源16は6個の白色LED20からなり、各LED20は、ハウジングHに固定された照明点灯用回路基板21上で配列され、この回路基板21の中央には開口部21aが形成されている。さらに、LED20は、結像光学部12を通って被写体SとCMOSイメージセンサ11とを結ぶ撮像軸線Lを中心とした円周上で等間隔に配置されている。そして、各LED20からの光は、被写体Sに向けて出射させられている。
【0021】
さらに、第1の光源17は6個の白色LED22からなり、各LED22は、ハウジングHに固定された照明点灯用回路基板23上で配列され、この回路基板23の中央には開口部23aが形成されている。さらに、LED22は、撮像軸線Lを中心とした円周上で等間隔に配置されている。そして、各LED22からの光は、被写体Sに向けて出射させられている。
【0022】
さらに、第2の光源31は6個の白色LED32からなり、各LED32は、ハウジングHに固定された照明点灯用回路基板23上で配列され、第1の光源17よりも外方に配置されている。さらに、第1の光源17のLED22と第2の光源31のLED32とは交互に配置され、LED32は、第1の光源17と同一平面上において撮像軸線Lを中心とした円周上で等間隔に配置されている。そして、各LED32からの光は、被写体Sに向けて出射させられている。
【0023】
図3及び図7に示すように、第1の偏光フィルタ18は、撮像軸線Lに直交し且つ開口部23aを塞ぐように配置されると共に、偏光方向が矢印PL1方向のフィルタである。従って、第3の光源16から出射した光は、第1の偏光フィルタ18及び開口部23aを通って被写体Sを照らすことになる。この第1の偏光フィルタ18は、肌表面の乱反射をカットするためのフィルタであり、被写体Sで反射した光は、第1の偏光フィルタ18を通ってCMOSイメージセンサ11で被写体Sが撮像される。このように第1の偏光フィルタ18のみが撮像に利用されると、第3の光源16による肌表面の状態(例えば、キメ、毛穴、肌荒れ)の観察を可能にする。
【0024】
さらに、図3及び図8に示すように、第2の偏光フィルタ19は、撮像軸線Lに直交し且つ第1の光源17の前方で近接配置されると共に、偏光方向が矢印PL2方向のフィルタである。従って、第1の光源17から出射した光は、第2の偏光フィルタ19を通って被写体Sを照らすことになる。この第2の偏光フィルタ19は、肌のシミ観察に利用するためのフィルタであり、被写体Sで反射した光は、第2の偏光フィルタ19の開口部19a及び第1の偏光フィルタ18を通り、肌表面の乱反射をカットした後にCMOSイメージセンサ11で被写体Sが撮像される。このように第1及び第2の偏光フィルタ18,19が撮像に利用されると、第1の光源17によるシミの観察を可能にする。
【0025】
なお、この第2の偏光フィルタ19には、開口部19aから放射状に伸びた4本の切欠き部19bと、第2の偏光フィルタ19の縁部に設けられた2個の切欠き部19cとが形成され、各切欠き部19b,19cは、第2の光源31の各LED32に対応している。第2の偏光フィルタ19に切欠き部19b,19cを設けることにより、第2の光源31から出射した光が第2の偏光フィルタ19を透過しないようにしている。
【0026】
さらに、図3及び図9に示すように、リング状の第3の偏光フィルタ50は、撮像軸線Lに直交し且つ第2の偏光フィルタ19の前方で近接配置されると共に、偏光方向が矢印PL3方向のフィルタである。従って、第2の光源31の各LED32から出射した光は、第3の偏光フィルタ50を通って被写体Sを照らすことになる。この第3の偏光フィルタ50は、肌のシミ観察に利用するためのフィルタであり、被写体Sで反射した光は、第3の偏光フィルタ50の開口部50a及び第1の偏光フィルタ18を通り、肌表面の乱反射をカットした後にCMOSイメージセンサ11で被写体Sが撮像される。このように第1及び第3の偏光フィルタ18,50が撮像に利用されると、第2の光源31によるシミの観察を可能にする。
【0027】
さらに、図3及び図10に示すように、黒色フィルムからなるマスク部52は、撮像軸線Lに直交し且つ第3の偏光フィルタ50の前方で近接配置されると共に、第1及び第2の光源17,31の光路上すなわち光軸線P2,P3(図4参照)上において、第2及び第3の偏光フィルタ19,50を透過した光を通過させるための光通過孔52aを有している。そして、各光通過孔52aは、中央の開口部52bを取り囲むように配置されている。このようなマスク部52は、第1及び第2の光源17,31の各LED22,32の指向性が低い場合に特に有効である。
【0028】
図4及び図6に示すように、第3の光源16の白色LED20は、その光軸線P1が撮像軸線Lに対して角度α(16.5±3°)になるように第1の回路基板21上に配置されている。このような角度は、第3の光源16によって肌表面の毛穴、複雑なシワ、肌荒れなどの観察に最適であることが実験により確かめられている。
【0029】
また、第1の光源17の白色LED22は、その光軸線P2が撮像軸線Lに対して角度β(27±3°)になるように第2の回路基板23上に配置されている。このような角度は、第1の光源17によって肌の浅いシミA(図1参照)の観察に最適であることが実験により確かめられている。
【0030】
また、第2の光源31の白色LED32は、その光軸線P3が撮像軸線Lに対して角度γ(32±3°)になるように第2の回路基板23上に配置されている。このような角度は、第2の光源31によって肌の深層部のシミB(図1参照)の観察に最適であることが実験により確かめられた。深いシミBは、肉眼では確認し難いのが現状である。
【0031】
なお、光軸線P1,P2,P3は、キャップ部3の先端を含む観察基準平面Rと撮像軸線Lとの交点Oを通るように延在する。
【0032】
光軸線P1,P2,P3が撮像軸線Lに対して、角度α(16.5±3°)、角度β(27±3°)、角度γ(32±3°)であり、第3の偏光フィルタ50の偏光方向(図9の矢印PL3参照)は、第1の偏光フィルタ18の偏光方向(図7の矢印PL1参照)に対して略90度をなしている。
【0033】
ここで、第1の光源17の点灯によって、浅い方のシミを観察するにあたって、深い方のシミも僅かながら観察されると、浅いシミか深いシミかの判別が難しくなる。そこで、第2の偏光フィルタ19の偏光方向(図8の実線矢印PL2参照)は、第1の偏光フィルタ18の偏光方向(図7の矢印PL1参照)に対して90度+略15度をなすようにセッティングされている。すなわち、第2の偏光フィルタ19の偏光方向(図8の実線矢印PL2参照)は、第3の偏光フィルタ50の偏光方向(図9の矢印PL3参照)に対して+略15度ずれている。
【0034】
このような構成により、第1の光源17から出射して第2の偏光フィルタ19を透過した光を肌にあてると、肌表面の正反射が増えるため、深いシミが見え難くなり、その結果として、浅い方のシミを良好に観察することができる。このような偏光フィルタの設定は、肌のシミの状態をコントラスト良く鮮明に撮像する際に最適であることが実験により確かめられている。
【0035】
なお、第2の偏光フィルタ19の偏光方向(図8の破線矢印PL4参照)は、第1の偏光フィルタ18の偏光方向(図7の矢印PL1参照)に対して90度−略15度をなすようにセッティングしてもよい。すなわち、第2の偏光フィルタ19の偏光方向(図8の破線矢印PL4参照)は、第3の偏光フィルタ50の偏光方向(図9の矢印PL3参照)に対して−略15度ずれていても、同様の効果を奏する。
【0036】
本発明は、前述した実施形態に限定されないことは言うまでもない。例えば、LED20,22,32は、面実装タイプのLEDであるが、リードタイプのLEDであってもよい。また、第1の偏光フィルタ18にS波(横波)用のフィルタを利用し、第3の偏光フィルタ50にP波(縦波)用のフィルタを利用してもよい。また、外部モニターは、カラーであっても白黒であってもよい。
【0037】
また、第1の光源17から出射して肌Sに照射される光は、シアン系の白色光であると好適である。このシアン系の白色光を作り出す具体例として、第1の光源17の6個のLEDうち3個をシアン系のLEDにし、残りの3個を白色LEDにする。そして、6個全てのLEDを同時点灯させることで、シアン系の白色光が作り出される。例えば、シアン系LEDとしては、ピーク波長が約465nmのものが利用され、白色LEDとしては、青色光と黄色光とを混色させて白色光を作り出すLEDが利用され、例えば、特開2004−253309号公報に記載されているように、青色LEDの光をYAG(イットリウム アルミニウム ガーネット)蛍光体で黄色に波長変換し、460nm及び560nm付近にそれぞれピーク波長をもっているものが利用される。また、第2の光源31も同様のLEDが利用されると好適である。
【0038】
褐色系のシミと補色関係にあるのがシアン系であるので、このようなLED構成の第1の光源17又は第2の光源31によりシミ観察すると、シアン系白色光が肌Sに照射され、シミをより黒く浮き立たせることができ、シミをコントラスト良く観察することができる。
【0039】
前述したシアン系の白色光を作り出す他の例として、第1の光源17の6個全てのLEDをシアン系の強い白色LEDにしてもよい。このLEDは青っぽい白色の光を放っている。具体的に、この種のLEDとしては、例えば、435.8nm(青)〜546.1nm(緑)間の発光強度が優れた白色LEDである。また、第2の光源31も同様のLEDが利用されると好適である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る肌観察装置の一実施形態を示す断面図である。
【図2】肌観察装置の部分切欠き斜視図である。
【図3】肌観察装置に適用する撮像照明ユニットを示す分解斜視図である。
【図4】撮像照明ユニットの内部構造を示す断面図である。
【図5】撮像照明ユニットにおける第1の光源及び第2の光源の配列を示す平面図である。
【図6】撮像照明ユニットにおける第1の光源及び第2の光源を示す斜視図である。
【図7】第3の光源と第1の偏光フィルタとを示す平面図である。
【図8】第2の偏光フィルタとを示す平面図である。
【図9】第3の偏光フィルタを示す平面図である。
【図10】マスク部を示す平面図である。
【符号の説明】
【0041】
1…肌観察装置、10…照明部、11…CMOSイメージセンサ(撮像素子)、12…結像光学部、16…第3の光源、17…第1の光源、18…第1の偏光フィルタ、19…第2の偏光フィルタ、19a…第2の偏光フィルタの開口部、20,22,32…LED、21,23…回路基板、31…第2の光源、50…第3の偏光フィルタ、50a…第3の偏光フィルタの開口部、L…撮像軸線、P1,P2,P3…光軸線、U…撮像照明ユニット、S…被写体(肌)、α,β,γ…角度。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体に向けて光を照射する照明部と、
前記被写体からの反射光を受光して前記被写体を撮像する撮像素子と、
前記照明部と前記撮像素子との間に配置され、前記被写体からの反射光を前記撮像素子に集光させる結像光学部とを備え、
前記照明部は、
前記結像光学部側に配置されて前記被写体からの反射光を透過させる第1の偏光フィルタと、
前記被写体側に配置された第1の光源と、
前記第1の光源と同一平面上に配置されると共に、前記第1の光源よりも外方に位置する第2の光源と、
前記第1の光源からの光を透過させ、前記被写体からの反射光が通過する開口部をもった第2の偏光フィルタと、
前記第2の光源からの光を透過させ、前記被写体からの反射光が通過する開口部をもった第3の偏光フィルタとを有し、
前記第1及び第2の光源は、前記結像光学部を通って前記被写体と前記撮像素子とを結ぶ撮像軸線を中心とした円周上で等間隔に配置されたLEDによって構成され、
前記第3の偏光フィルタの偏光方向は、前記第1の偏光フィルタの偏光方向に対して略90度をなし、前記第2の偏光フィルタの偏光方向は、前記第1の偏光フィルタの偏光方向に対して90度+略15度又は90度−略15度をなしていることを特徴とする肌観察装置。
【請求項2】
前記第1の偏光フィルタを透過する光を出射する第3の光源を更に備え、前記第3の光源は、前記結像光学部を通って前記被写体と前記撮像素子とを結ぶ前記撮像軸線を中心とした円周上で等間隔に配置されたLEDによって構成されていることを特徴とする請求項1記載の肌観察装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の光源の光路上において、前記第2及び第3の偏光フィルタを透過した光を通過させる光通過孔が設けられたマスク部を更に備えたことを特徴とする請求項2記載の肌観察装置。
【請求項4】
前記第3の光源は、その光軸線が前記撮像軸線に対して16.5±3°になるように第1の回路基板上に配置されていることを特徴とする請求項2又は3記載の肌観察装置。
【請求項5】
前記第1の光源は、その光軸線が前記撮像軸線に対して27±3°になるように第2の回路基板上に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の肌観察装置。
【請求項6】
前記第2の光源は、その光軸線が前記撮像軸線に対して32±3°になるように第2の回路基板上に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の肌観察装置。
【請求項7】
前記第1及び第2の光源から出射して前記被写体に照射される光は、シアン系の白色光であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の肌観察装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−264410(P2007−264410A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−91099(P2006−91099)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000001225)日本電産コパル株式会社 (755)
【Fターム(参考)】