説明

育苗箱移し換え装置

【課題】 育苗箱移し換え装置において、並んだ複数の育苗箱を育苗箱の並び方向と交差する方向に押し操作して台車の棚部に移すように構成する場合、複数の育苗箱が適切に台車の棚部に移されるように構成する。
【解決手段】 所定位置に並んだ複数の育苗箱1を育苗箱1の並び方向と交差する方向に押し操作して台車5の棚部5eに移す移し換え機構22,23を備え、並んだ育苗箱1の間を移し換え機構22,23により押し操作される方向に向かって開かせる開き機構24,25を備える。開き機構24,25により並んだ育苗箱1の間の開かれた部分に台車5の棚部5eの支柱5bが入り込んで、移し換え機構22,23により並んだ育苗箱1が台車5の棚部5eの支柱5bを通過して台車5の棚部5eに移されるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、育苗箱(空の育苗箱や播種済みの育苗箱等)を台車の棚部に移す育苗箱移し換え装置に関する。
【背景技術】
【0002】
育苗箱移し換え装置として、例えば特許文献1に開示されているようなものがある。
特許文献1では、ベルトコンベア(特許文献1の第1図及び第2図の11)により育苗箱が搬送されてきて、2列に並んだローラーコンベア(特許文献1の第1図及び第2図の12)に育苗箱が送られて、育苗箱がローラコンベアに2列に並ぶような状態となる。2列の育苗箱の先頭の2個の育苗箱に対して横側に、棚入プッシャー(特許文献1の第1図及び第2図の18)が配置されており、棚入プッシャーが先頭の2個の育苗箱を横外方(特許文献1の第1図の紙面上方)に押し操作して、先頭の2個の育苗箱が台車(特許文献1の第1図及び第2図の45)の棚部に移される。
この場合、先頭の2個の育苗箱における棚入プッシャー側の育苗箱に棚入プッシャーが接当するのであり、棚入プッシャーの押し方向(特許文献1の第1図の紙面上下方向)に並ぶ2個の育苗箱が、棚入プッシャーにより押し操作されて台車の棚部に移される。
【0003】
【特許文献1】特公平7−114608号公報(第1図及び第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の育苗箱を一度に台車の棚部に移す育苗箱移し換え装置として、特許文献1では棚入プッシャーの押し方向に並ぶ2個の育苗箱が、棚入プッシャーにより押し操作されて台車の棚部に移される。一般に、台車の1段の棚部に4個の育苗箱が載置可能なので、特許文献1のように、棚入プッシャーの押し方向に並ぶ2個の育苗箱が台車の棚部に移されると、育苗箱の横幅の分だけ台車の全体を移動させる必要があり、次に棚入プッシャーの押し方向に並ぶ2個の育苗箱が押し操作されて台車の棚部の残りの部分に移される。
【0005】
これによって、特許文献1では台車の1段の棚部の全ての部分に育苗箱を載置するまでに、育苗箱を移動させる必要があるので、近年では例えば図1に示すように、所定位置の並んだ複数の育苗箱を、育苗箱の並び方向(例えば図1の紙面上下方向)と交差する方向(例えば図1の紙面左右方向)に押し操作して台車の棚部に移す育苗箱移し換え装置が提案されている。
本発明は、育苗箱移し換え装置において、所定位置に並んだ複数の育苗箱を、育苗箱の並び方向と交差する方向に押し操作して台車の棚部に移すように構成する場合、複数の育苗箱が適切に台車の棚部に移されるように構成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は、育苗箱移し換え装置において次のように構成することにある。
複数の育苗箱を所定位置に並ぶように移す搬送機構と、所定位置に並んだ複数の育苗箱を育苗箱の並び方向と交差する方向に押し操作して台車の棚部に移す移し換え機構とを備える。並んだ育苗箱の間を移し換え機構により押し操作される方向に向かって開かせる開き機構を備える。開き機構により並んだ育苗箱の間の開かれた部分に台車の棚部の支柱が入り込んで、移し換え機構により並んだ育苗箱が台車の棚部の支柱を通過して台車の棚部に移されるように構成する。
【0007】
(作用)
台車では一般に、棚部を支持する支柱(例えば図3及び図6の5c参照)が台車の4角に備えられているのに加えて、台車の横辺部の途中部分にも、支柱(例えば図3及び図6の5b参照)が備えられている。この場合、所定位置に並んだ複数の育苗箱が、移し換え機構により育苗箱の並び方向と交差する方向に押し操作されて台車の棚部に移される際、並んだ育苗箱の間を台車の支柱(前述のように台車の横辺部の途中部分の支柱)が通過するように構成する必要がある。
【0008】
本発明の第1特徴によると、所定位置に並んだ複数の育苗箱が、移し換え機構により育苗箱の並び方向と交差する方向に押し操作されて台車の棚部に移される際、開き機構によって、並んだ育苗箱の間が移し換え機構により押し操作される方向に向かって開かれるので、開き機構により並んだ育苗箱の間の開かれた部分に台車の棚部の支柱が無理なく入り込み、移し換え機構により並んだ育苗箱が台車の棚部の支柱を無理なく通過して台車の棚部に移される。
【0009】
(発明の効果)
本発明の第1特徴によると、育苗箱移し換え装置において、所定位置に並んだ複数の育苗箱が、移し換え機構により育苗箱の並び方向と交差する方向に押し操作されて台車の棚部に移されるように構成する場合、台車の横辺部の途中部分に支柱が備えられていても、並んだ育苗箱が台車の棚部の支柱を無理なく通過して台車の棚部に移されるように構成することができて、育苗箱移し換え装置の作動の確実性を向上させることができた。
【0010】
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の育苗箱移し換え装置において次のように構成することにある。
並んだ育苗箱の間の背面部を押し操作することにより並んだ育苗箱の間を移し換え機構により押し操作される方向に向かって開かせる押し部を備えて、開き機構を構成する。
【0011】
(作用)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第2特徴によると、例えば図9から図10に示すように、並んだ育苗箱1の間の背面部を押し操作してやれば、並んだ育苗箱1の間から離れた部分を支点として、並んだ育苗箱1が回転(傾斜)するような状態となって、並んだ育苗箱1の背面部(押し部25)とは反対側の間が開かれた状態となり、並んだ育苗箱1の間が移し換え機構22,23により押し操作される方向に向かって開かれる。
【0012】
(発明の効果)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、並んだ育苗箱を回転(傾斜)させるようにして、並んだ育苗箱の間を移し換え機構により押し操作される方向に向かって無理なく開くことができるようになり、育苗箱移し換え装置の作動の確実性を向上させることができた。
【0013】
[III]
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1又は第2特徴の育苗箱移し換え装置において次のように構成することにある。
開き機構によって並んだ育苗箱の間が移し換え機構により押し操作される方向に向かって開かれると並んだ育苗箱の背面部を押し操作するように、移し換え機構を構成する。
【0014】
(作用)
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
開き機構によって、並んだ育苗箱の間が移し換え機構により押し操作される方向に向かって開かれると、並んだ育苗箱を押し操作して台車の棚部に移す方向に対して、並んだ育苗箱が少し傾斜したような状態となる(例えば図10参照)。
【0015】
本発明の第3特徴によると、並んだ育苗箱の背面部を移し換え機構が押し操作する際、前項[II]に記載の状態とは逆の状態が生じて、並んだ育苗箱の間を支点として、並んだ育苗箱が前項[II]に記載の状態とは逆方向に回転(傾斜)するような状態となり、並んだ育苗箱が移し換え機構の押し方向に沿う状態に戻るようにすることができる(例えば図10から図11参照)。
【0016】
(発明の効果)
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、並んだ育苗箱の間が移し換え機構により押し操作される方向に向かって開かれても、並んだ育苗箱が移し換え機構の押し方向に沿う状態に戻されながら台車の棚部に無理なく移されるように構成することができて、育苗箱移し換え装置の作動の確実性を向上させることができた。
【0017】
[IV]
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第1〜第3特徴の育苗箱移し換え装置のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することにある。
開き機構によって、並んだ育苗箱の間が移し換え機構により押し操作される方向に向かって開かれると、開き機構により並んだ育苗箱の間の開かれた部分を開いた状態に維持するガイド部を備える。
【0018】
(作用)
本発明の第4特徴によると、本発明の第1〜第3特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第4特徴によると、開き機構によって、並んだ育苗箱の間が移し換え機構により押し操作される方向に向かって開かれた後、移し換え機構により育苗箱の並び方向と交差する方向に押し操作されて台車の棚部に移される際、開き機構により並んだ育苗箱の間の開かれた部分がガイド部により開いた状態に維持されるので、移し換え機構により並んだ育苗箱が台車の棚部の支柱を無理なく通過して台車の棚部に移される。
【0019】
(発明の効果)
本発明の第4特徴によると、本発明の第1〜第3特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[III]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第4特徴によると、並んだ育苗箱の間の開かれた部分がガイド部により開いた状態に維持され、並んだ育苗箱が台車の棚部の支柱を無理なく通過して台車の棚部に移されるように構成することができて、育苗箱移し換え装置の作動の確実性を向上させることができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
[1]
図1は育苗箱処理施設の全体を示しており、搬送コンベア2、整列コンベア3(搬送機構に相当)、昇降自在に支持された育苗箱移し換え装置4、台車5を案内する案内レール6等を備えて、育苗箱処理施設の全体が構成されている。育苗箱処理施設に隣接する播種施設(図示せず)において、空の育苗箱1に床土の供給、灌水、播種及び覆土の供給が行われ、播種の終了した育苗箱1が搬送コンベア2により図1の紙面右方から整列コンベア3に搬送されてくる。
【0021】
図1,2,4に示すように、整列コンベア3は複数の幅広の回転ローラー3aに、幅広の搬送ベルト3bが巻回されて構成されており、回転ローラー3aにより搬送ベルト3bが図1の紙面左方に回転駆動される。整列コンベア3の図1の紙面上側部の固定部にプッシャー7が固定されており、育苗箱1の2個分の長さを持つ横長の押し部8がプッシャー7に固定されている。
【0022】
図1,2,4に示すように、整列コンベア3の図1の紙面左側部の固定部に、横長の板状の整列ストッパー9が横軸芯P1周りに上下に揺動自在に支持され、整列コンベア3における図1の紙面上及び下側部の固定部に亘って架橋部材10が固定されており、整列ストッパー9と架橋部材10とに亘って操作シリンダ11が接続されている。これにより、操作シリンダ11によって整列ストッパー9が下降位置及び上昇位置に操作される。
【0023】
[2]
次に、育苗箱移し換え装置4について説明する。
図1,2,3,5に示すように、2本の支柱12が所定間隔(育苗箱1の2個分の長さよりも少し広い)を置いて床部に固定されており、2個の支持部材13がローラー13aを介して支柱12に沿って移動自在に支持されて、2個の支持部材13に亘って支持フレーム14が連結されている。支柱12の上部にモータ15及びモータ15により回転駆動されるスプロケット16が備えられ、支柱12の下部にスプロケット16が備えられており、上部及び下部のスプロケット16に亘ってチェーン18が巻回されている。支持部材13がチェーン18に連結されており、モータ15により上部のスプロケット16が回転駆動されることにより、支持部材13が支柱12に沿って昇降駆動される。
【0024】
図1,2,3,5に示すように、支持部材13に枠状の支持フレーム19が固定されており、複数の幅広の回転ローラー17及び回転ローラー17を回転駆動するモータ(図示せず)が支持フレーム19に支持され、幅広の搬送ベルト20が回転ローラー17に巻回されて、回転ローラー17により搬送ベルト20が図1の紙面左方に回転駆動される。支持フレーム21が支持フレーム14に固定され図5の紙面左方(図1の紙面上方)に片持ち状に延出されており、支持フレーム21の下面にレール21aが固定されている。支持フレーム21のレール21aに沿って移動駆動される移動部22(移し換え機構に相当)が備えられて、移動部22から図1の紙面右及び左方に二股状に押し部23(移し換え機構に相当)が延出されている。
【0025】
図1,2,3,5に示すように、図1の紙面上側部の支持フレーム19にプッシャー24が固定されて、プッシャー24の操作ロッドに固定された幅狭の押し部25(開き機構に相当)が、二股状の押し部23の間に配置されている。支持部材13の下部に亘って幅広の案内板26が固定されており、平面視でクサビ状の一対のガイド部27が案内板26の中央部に固定され、図6に示すように、平面視で斜めの平板状のガイド部31が案内板26の右及び左側部に固定されている。
【0026】
図1及び図3に示すように、図1の紙面上側部の支持フレーム19と支持フレーム14とに亘って、横長の板状の整列ストッパー28が横軸芯P2周りに上下に揺動自在に支持されており、図1の紙面上側部の支持フレーム19と支持フレーム14とに亘って架橋部材29が固定されて、整列ストッパー28と架橋部材29とに亘って操作シリンダ30が接続されている。これにより、操作シリンダ30によって整列ストッパー28が下降位置及び上昇位置に操作される。
【0027】
[3]
次に、台車5について説明する。
図2,3,6に示すように、台車5は枠状に構成された底部5a、底部5aの中央の横辺部に固定された2本の支柱5b、底部5aの一方及び他方の端部の4角に固定された4本の支柱5c、支柱5b,5cの上部に亘って連結された上部フレーム5d、支柱5b,5cに所定の上下間隔(育苗箱1の上下幅よりも充分に大きな間隔)で配置された棚部5e、底部5aに備えられた移動用の車輪5f等を備えて構成されている。台車5において同じ高さの2個の棚部5eに2個の育苗箱1が載置可能であり、同じ高さの4個の棚部5eに4個の育苗箱1が載置可能である。
【0028】
[4]
次に、育苗箱処理施設の全体の流れについて説明する。
図6に示すように、空の台車5が案内レール6に乗せられており、ガイド部27の後方に台車5の支柱5bが位置し、ガイド部31の後方に台車5の支柱5cが位置するように台車5が配置されている。播種の終了した育苗箱1が1個ずつ搬送コンベア2により図6の紙面右方から整列コンベア3に搬送されてきて、整列コンベア3の搬送ベルト3bが図6の紙面左方に回転駆動されることにより、整列コンベア3の搬送ベルト3bに乗った育苗箱1が図6の紙面左方に搬送されるのであり、下降位置に操作された整列ストッパー9の図6の紙面上側部に育苗箱1が接当することにより、育苗箱1が止まる(整列コンベア3の搬送ベルト3bと育苗箱1との間にスリップが発生する)。
【0029】
図6から図7に示すように、次の育苗箱1が搬送コンベア2から整列コンベア3に搬送され、整列コンベア3の搬送ベルト3bに乗って図7の紙面左方に搬送されると、整列ストッパー9(下降位置)の図7の紙面上側部に接当して止められた育苗箱1に、次の育苗箱1が接当して止まるのであり、整列ストッパー9(下降位置)の図7の紙面上側部に2個の育苗箱1が並んで止められた状態となる。このような状態になると、図8に示すように、プッシャー7が突出作動して押し部8により、2個の並んだ育苗箱1が整列ストッパー9(下降位置)に沿って図8の紙面下方に押し操作されて、2個の並んだ育苗箱1が整列ストッパー9(下降位置)の図8の紙面下側部に接当して止められた状態となるのであり、この後にプッシャー7が収縮作動して押し部8が図6に示す元の位置に戻る。
【0030】
図6に示すように、プッシャー7が収縮作動して押し部8が元の位置に戻ると、図6及び図7と同様に、次の育苗箱1が搬送コンベア2から整列コンベア3に搬送され、整列コンベア3の搬送ベルト3bに乗って図6及び図7の紙面左方に搬送されるのであり、整列ストッパー9(下降位置)の図6及び図7の紙面上側部に2個の育苗箱1が並んで止められた状態となる。これにより、2個の並んだ育苗箱1(2組の合計4個)が整列ストッパー9(下降位置)に接当して止められた状態となる。
【0031】
図9に示すように、育苗箱移し換え装置4が整列コンベア3の位置に下降駆動されて停止しており、前述のように2個の並んだ育苗箱1が整列ストッパー9(下降位置)に2組(合計4個)接当して止められた状態になると、整列ストッパー9が上昇位置に操作されて、搬送ベルト20が図9の紙面左方に回転駆動される。これにより、2個の並んだ育苗箱1(2組の合計4個)が整列コンベア3から整列ストッパー9(上昇位置)の下側を通って搬送ベルト20に搬送されるのであり、下降位置に操作された整列ストッパー28に2個の並んだ育苗箱1(2組の合計4個)が接当して止められると、搬送ベルト20が停止する(所定位置に複数の育苗箱1を並ぶように移した状態に相当)。
【0032】
図9に示すように、整列ストッパー28(下降位置)に2個の並んだ育苗箱1(2組の合計4個)が接当して止められて、搬送ベルト20が停止すると、育苗箱移し換え装置4が台車5の最下段の棚部5eの位置に下降駆動されて停止する。この間、図10に示すように、整列ストッパー28が上昇位置に操作されて、プッシャー24が突出作動して押し部25により、2個の並んだ育苗箱1(2組の合計4個)の間の背面部が図10の紙面下方に押し操作される。これにより、並んだ育苗箱1(2組の合計4個)の間から離れた部分を支点として、並んだ育苗箱1(2組の合計4個)が回転(傾斜)するような状態となって、並んだ育苗箱1(2組の合計4個)が平面視(図10参照)でV字状となり、並んだ育苗箱1(2組の合計4個)の背面部(押し部25)とは反対側の間が図10の紙面下方に向かって開かれた状態となる(並んだ育苗箱1の間を移動部22及び押し部23(移し換え機構に相当)により押し操作される方向に向かって開かせる状態に相当)。
【0033】
図10から図11に示すように、プッシャー24が収縮作動して押し部25が元の位置に戻ると、移動部22が支持フレーム21のレール21aに沿って図5の紙面右方(図11の紙面下方)に移動駆動されるのであり、押し部23が並んだ育苗箱1(2組の合計4個)の背面部を図11の紙面下方に押し操作する(所定位置に並んだ複数の育苗箱1を育苗箱1の並び方向と交差する方向に押し操作する状態に相当)。
【0034】
この場合に、図10に示すように、並んだ育苗箱1(2組の合計4個)が平面視(図10参照)でV字状となっているので、図11に示すように、押し部23が並んだ育苗箱1(2組の合計4個)の間から離れた背面部に接当し、並んだ育苗箱1(2組の合計4個)の間の背面部を支点として、並んだ育苗箱1(2組の合計4個)が前述(図10参照)とは逆方向に回転(傾斜)するような状態となるのであり、並んだ育苗箱1(2組の合計4個)の背面部とは反対側の間が図11の紙面下方に向かって開かれた状態が維持されながら、並んだ育苗箱1(2組の合計4個)が押し部23に沿う状態となる。
【0035】
図11から図12に示すように、移動部22が支持フレーム21のレール21aに沿って図5の紙面右方(図12の紙面下方)に移動駆動されて、並んだ育苗箱1(2組の合計4個)が図12の紙面下方に押し操作されると、並んだ育苗箱1(2組の合計4個)の背面部とは反対側の間に、ガイド部27及び台車5の支柱5bが入り込むのであり、並んだ育苗箱1(2組の合計4個)の背面部とは反対側の間が図12の紙面下方に向かって開かれた状態が、ガイド部27によって維持されながら、2個の並んだ育苗箱1(2組の合計4個)が台車5の最下段の棚部5eに移されるのであり、並んだ育苗箱1(2組の合計4個)の間から離れた端部が、ガイド部31によって案内されながら台車5の最下段の棚部5eに移される。
【0036】
この後、図12から図6に示すように、移動部22が支持フレーム21のレール21aに沿って図5の紙面左方(図12の紙面上方)に移動駆動されて、押し部23が元の位置に戻り、整列ストッパー28が下降位置に操作されるのであり、育苗箱移し換え装置4が整列コンベア3の位置に上昇駆動されて停止する。図9から図12に示す間、整列コンベア3において前述の図6から図8に示す操作が行われており、前述のように育苗箱移し換え装置4が整列コンベア3の位置に上昇駆動されて停止すると、図9に示すように、2個の並んだ育苗箱1(2組の合計4個)が整列コンベア3から整列ストッパー9の下側を通って搬送ベルト20に搬送される。
【0037】
この後、育苗箱移し換え装置4が台車5の最下段の棚部5eから1段上側の棚部5eの位置に下降駆動されて停止し、図10から図12に示す操作が行われて、2個の並んだ育苗箱1(2組の合計4個)が台車5の最下段の棚部5eから1段上側の棚部5eに移される。このようにして以上の操作が繰り返されることにより、2個の並んだ育苗箱1(2組の合計4個)が台車5の最下段の棚部5eから順番に上側の棚部5eに移される。
【0038】
[発明の実施の別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、図9に示すように、2個の並んだ育苗箱1(2組の合計4個)が搬送ベルト20に搬送されるように構成しているが、2個の並んだ育苗箱1(1組の合計2個)が搬送ベルト20に搬送されるように構成してもよい。本発明は、空の育苗箱1に対する育苗箱処理施設にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】育苗箱処理施設の全体平面図
【図2】育苗箱処理施設の全体正面図
【図3】育苗箱処理施設の全体側面図
【図4】整列コンベアの側面図
【図5】育苗箱移し換え装置の正面図
【図6】播種の終了した育苗箱が搬送コンベアから整列コンベアに搬送されてきた状態を示す育苗箱処理施設の全体平面図
【図7】図6の次に整列コンベアにおいて、整列ストッパー(下降位置)の紙面上側部に2個の育苗箱が並んで止められた状態を示す育苗箱処理施設の全体平面図
【図8】図7の次に整列コンベアにおいて、2個の並んだ育苗箱が整列ストッパー(下降位置)に沿って紙面下方に押し操作された状態を示す育苗箱処理施設の全体平面図
【図9】図8の次に、2個の並んだ育苗箱(2組の合計4個)が整列コンベアから整列ストッパー(上昇位置)の下側を通って搬送ベルトに搬送された状態を示す育苗箱処理施設の全体平面図
【図10】図9の次に、並んだ育苗箱(2組の合計4個)の背面部とは反対側の間が紙面下方に向かって開かれた状態を示す育苗箱処理施設の全体平面図
【図11】図10の次に、並んだ育苗箱(2組の合計4個)の背面部が紙面下方に押し操作され始めた状態を示す育苗箱処理施設の全体平面図
【図12】図11の次に、並んだ育苗箱(2組の合計4個)が台車の棚部に移された状態を示す育苗箱処理施設の全体平面図
【符号の説明】
【0040】
1 育苗箱
3 搬送機構
5 台車
5b 台車の支柱
5e 台車の棚部
22,23 移し換え機構
24,25 開き機構
27 ガイド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の育苗箱を所定位置に並ぶように移す搬送機構と、
前記所定位置に並んだ複数の育苗箱を育苗箱の並び方向と交差する方向に押し操作して台車の棚部に移す移し換え機構とを備えると共に、
並んだ育苗箱の間を前記移し換え機構により押し操作される方向に向かって開かせる開き機構を備えて、
前記開き機構により並んだ育苗箱の間の開かれた部分に台車の棚部の支柱が入り込んで、前記移し換え機構により並んだ育苗箱が台車の棚部の支柱を通過して台車の棚部に移されるように構成してある育苗箱移し換え装置。
【請求項2】
並んだ育苗箱の間の背面部を押し操作することにより、並んだ育苗箱の間を前記移し換え機構により押し操作される方向に向かって開かせる押し部を備えて、前記開き機構を構成してある請求項1に記載の育苗箱移し換え装置。
【請求項3】
前記開き機構によって、並んだ育苗箱の間が移し換え機構により押し操作される方向に向かって開かれると、並んだ育苗箱の背面部を押し操作するように、前記移し換え機構を構成してある請求項1又は2に記載の育苗箱移し換え装置。
【請求項4】
前記開き機構によって、並んだ育苗箱の間が移し換え機構により押し操作される方向に向かって開かれると、前記開き機構により並んだ育苗箱の間の開かれた部分を開いた状態に維持するガイド部を備えてある請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の育苗箱移し換え装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−223256(P2006−223256A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−44071(P2005−44071)
【出願日】平成17年2月21日(2005.2.21)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】