説明

胆汁酸捕捉剤として使用するためのポリイミダゾール

本発明は、胆汁酸塩と結合して胃腸管から除去するのに有効な架橋アミンポリマーを提供する。これらの胆汁酸結合ポリマーまたはその医薬組成物を対象に投与して、高コレステロール血症、糖尿病、そう痒症、過敏性腸症候群−下痢(IBS−D)、胆汁酸吸収不良などを含めた各種状態を治療することができる。本発明は一般的には、胆汁酸除去を必要とする患者の胃腸管内で胆汁酸と結合するのに有用なアミンポリマーに関する。これらのポリマーおよびその医薬組成物は、コレステロールの低下を必要とする患者において、コレステロール、具体的には非高密度リポタンパク質(非HDL)コレステロール、またはより具体的には低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールを低下させるのに有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には、胆汁酸除去を必要とする患者の胃腸管内で胆汁酸と結合するのに有用なアミンポリマーに関する。これらのポリマーおよびその医薬組成物は、コレステロールの低下を必要とする患者において、コレステロール、具体的には非高密度リポタンパク質(非HDL)コレステロール、またはより具体的には低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールを低下させるのに有用である。
【背景技術】
【0002】
コレステロールは体内で細胞膜の構造成分として利用される。さらにコレステロールは、数多くのホルモン、副腎ステロイド、ビタミンDおよび胆汁酸の産生のための基本構成要素である。低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)の粒子中に含まれて運ばれるコレステロール、またはもう少し範囲を広げて高密度コレステロール(非HDL−C)の粒子中に含まれて運ばれないコレステロールのレベルの上昇は、冠動脈心疾患のリスクの増加と関連する。高血中コレステロールと心血管疾患(CVD)との間の直接的な関連が、LDL−C低下とCVD減少との間の直接的な関連性と一致する非スタチンおよびスタチン試験の両方で確認されている。こうした研究およびその他の多くの研究により、上昇した総コレステロールおよびLDL−Cのレベルの低下が保健当局により推奨されることになった。
【0003】
胆汁酸は、ミセル形成性を有する両親媒性界面活性剤であり、肝臓内でコレステロールから合成され、脂質を可溶化してその胃腸管腔からの吸収を助ける。ヒトで一般的に見られる胆汁酸には、非結合胆汁酸(例えば、コール酸、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸)および結合胆汁酸(例えば、タウロコール酸、グリココール酸、グリコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸、グリコデオキシコール酸、タウロデオキシコール酸、グリコリトコール酸およびタウロリトコール酸)がある。食後に胆汁酸が胆嚢から放出される。回腸のpHでは、胆汁酸の大部分が脱プロトン化されて塩の形態で存在する。胆汁酸のほとんどは、遠位回腸で主に能動輸送により再吸収され、コレステロール排泄の主要経路である糞便中に排出される。
【0004】
胆汁酸捕捉剤は、胆汁酸と結合してその再吸収を阻害し、糞便中への胆汁酸の排泄を増加させることができる。捕捉剤は、腸管により再吸収されて肝臓へ輸送される胆汁酸の量を減少させる。この腸肝循環の崩壊と、その結果生じる内在性の胆汁酸プールの減少を補うために、肝コレステロールである7−α−ヒドロキシラーゼが上方制御される。この結果、コレステロールから胆汁酸への変換がさらに生じることにより、胆汁酸プールが回復する。また他の作用として、コレステロールから胆汁酸への変換の上方制御にはシグナル伝達のカスケードが含まれており、このカスケードが肝LDL受容体の上方制御をもたらし、その結果、血清LDL−Cレベルを低下させる。
【0005】
多くの胆汁酸捕捉剤には、患者が大量の捕捉剤を摂取する必要なしに血清LDLコレステロール濃度を大幅に低下させる結合能または結合親和性がない。多用量の必要性は患者の服薬遵守および耐性を低減する。したがって、同じまたはより低い用量でより多量の胆汁酸塩を胃腸管から除去することができる胆汁酸捕捉剤が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、胆汁酸塩と結合して、これを胃腸管から除去するのに有効なアミンポリマーを提供する。
【0007】
本発明の一態様は、架橋モノマーと、式1:
【化1−1】

のイミダゾールモノマーまたはその塩との重合により生じた反復単位を含むアミンポリマーであり、式中、
21、R22、R23およびR24は独立して水素、C〜C12アルキル、アリールまたはヘテロシクロであり;ただし、
21、R22、R23およびR24のうちの少なくとも1つはR−NH−R26であり、残りはR−NH−R26窒素またはイミダゾール窒素よりも架橋モノマーとの反応性が低く;
はC〜C14アルキレンであり;
26は水素、C〜C16ヒドロカルビル、C〜C16置換ヒドロカルビル、または、−CH基もしくは1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキル、または−CH基もしくは1つ以上の−CH−基がヒドロキシ、ハロ、アミノ、アルコキシもしくはアリールオキシで置換されているC〜C50アルキルであり;
架橋モノマーに由来するポリマーセグメントの算出logP(cLogP)が0.1より大きい。
【0008】
別の態様は、アミンモノマーと架橋モノマーとの重合により生じた反復単位を含むアミンポリマーであり、
アミンモノマーが式2A:
【化2−1】

の構造を有し、式中、
22は水素またはC〜C12アルキルであり;
はC〜C14アルキレンであり;
26は水素、C〜C20アルキルまたはC〜C20置換アルキルであり;
架橋モノマーがエピクロロヒドリン、グアニジン、グアニジウム塩、式X−R−Xを有する化合物またはそれらの組合せであり、式中、
Xはそれぞれ独立して脱離基であり、RはC〜C16アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がヒドロキシで置換されているC〜C50アルキレンである。
【0009】
本発明のさらなる態様は、式NR1112−R−NR1112を有するアミンと、式3:
【化3−1】

の架橋イミダゾールモノマーまたはその塩との重合により生じた反復単位を含むアミンポリマーであり、式中、
はC〜C16アルキレン、アリーレン、ジメチルビフェニル、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミン、アミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレンであり;
は独立してC〜C20アルキレン;またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C20アルキレン;または1つ以上の−CH−基がヒドロキシ、ハロ、アミノ、アルコキシもしくはアリールオキシで置換されているC〜C50アルキレンであり;
は独立して水素またはC〜C12アルキルであり;
11およびR12は独立して水素またはアルキルである;
Xは独立して脱離基であり;
アミンは5つ以下の可能な反応部位を有する。
【0010】
別の態様は、式NR1112−R−NR1112を有するアミンと、式3A:
【化4−1】

の架橋イミダゾールモノマーまたはその塩との重合により生じた反復単位を含むアミンポリマーであり、式中、
はC〜C16アルキレン、アリーレン、ジメチルビフェニル、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレンであり;
は独立してC〜C20アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C20アルキレンであり;
11およびR12は独立して水素またはアルキルであり;
Xは独立して脱離基である。
【0011】
さらなる態様は、式NR1112−R−NR1112を有するアミンと、式5:
【化5−1】

の架橋イミダゾールモノマーまたはその塩との重合により生じた反復単位を含むアミンポリマーであり、式中、
はC〜C16アルキレン、アリーレン、ジメチルビフェニル、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミン、アミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレンであり;
は独立してC〜C20アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C20アルキレンであり;
はC〜C14アルキレンであり;
は独立して水素またはC〜C12アルキルであり;
11およびR12は独立して水素またはアルキルであり;
Xは独立して脱離基であり;
アミンは5つ以下の可能な反応部位を有する。
【0012】
さらに別の態様は、式NR1112−R−NR1112を有するアミンと、式5A:
【化6−1】

の架橋イミダゾールモノマーまたはその塩との重合により生じた反復単位を含むアミンポリマーであり、式中、
はC〜C16アルキレン、アリーレン、ジメチルビフェニル、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレンであり;
は独立してC〜C20アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C20アルキレンであり;
はC〜C14アルキレンであり;
11およびR12は独立して水素またはアルキルであり;
Xは独立して脱離基である。
【0013】
またさらなる態様は、式NR1112−R−NR1112を有するアミンと、式6:
【化7−1】

の架橋ピペリジニウムモノマーまたはその塩との重合により生じた反復単位を含むアミンポリマーであり、式中、
はC〜C16アルキレン、アリーレン、ジメチルビフェニル、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミン、アミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレンであり;
は独立してC〜C20アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C20アルキレン;
はC〜C14アルキレンであり;
は独立してC〜C12アルキルであり;
11およびR12は独立して水素またはアルキルであり;
Xは独立して脱離基であり;
アミンは5つ以下の可能な反応部位を有する。
【0014】
さらなる態様は、式(4):
【化8−1】

のセグメントを含むアミンポリマーであり、式中、
21、R22、R23およびR24は独立して水素、C〜C12アルキル、アリールまたはヘテロシクロであり;
25はC〜C16ヒドロカルビレン、C〜C16置換ヒドロカルビレン、または1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレン、または1つ以上の−CH−基がヒドロキシ、ハロ、アミノ、アルコキシもしくはアリールオキシで置換されているC〜C50アルキレンであり、ただし、
21、R22、R23およびR24のうちの少なくとも1つは−R−N(R26)(R27)であり;
はC〜C14アルキレンであり;
26およびR27は独立して水素、C〜C16ヒドロカルビレン、C〜C16置換ヒドロカルビレン、または1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレン、または1つ以上の−CH−基がヒドロキシ、ハロ、アミノ、アルコキシもしくはアリールオキシで置換されているC〜C50アルキレンであり;
、R25、R26、R27のうちの少なくとも1つの算出logP(cLogP)は0.1より大きい。
【0015】
またさらなる態様は、アミンモノマーと架橋モノマーとの重合により生じた反復単位を含むアミンポリマーであり、
アミンモノマーが構造:
【化9−1】

を有する式7のアミンであり、式中、
はC〜C14アルキレンであり;
およびR31は独立してC〜C20アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C20アルキレンであり;
は独立してC〜C12アルキルであり;
11およびR12は独立して水素またはアルキルであり;
架橋モノマーがグアニジン、グアニジウム塩、式X−R−Xを有する化合物またはそれらの組合せであり、式中、
Xはそれぞれ独立して脱離基であり、RはC〜C16アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がヒドロキシで置換されているC〜C50アルキレンである。
【0016】
本発明の別の態様は、アミンモノマーと架橋モノマーとの重合により生じた反復単位を含むアミンポリマーであり、
アミンモノマーが構造:
【化10−1】

を有する式8または9のアミンであり、式中、
はC〜C14アルキレンであり;
およびR31は独立してC〜C20アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C20アルキレンであり;
は独立して水素またはC〜C12アルキルであり;
11およびR12は独立して水素またはアルキルであり;
架橋モノマーがエピクロロヒドリン、グアニジン、グアニジウム塩、式X−R−Xを有する化合物またはそれらの組合せであり、式中、
Xはそれぞれ独立して脱離基であり、RはC〜C16アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がヒドロキシで置換されているC〜C50アルキレンである。
【0017】
またさらなる態様は、アミンモノマーと架橋モノマーとの重合により生じた反復単位を含むアミンポリマーであり、
アミンモノマーが構造:
【化11−1】

を有し、
架橋モノマーがエピクロロヒドリンである。
【0018】
他の目的および特徴は、以下で一部が明らかになり、一部が指摘されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、胆汁酸塩と結合するのに有用なアミンポリマー、このアミンポリマーを含む医薬組成物、ならびに高コレステロール血症、糖尿病、あるいは胃腸管内での胆汁酸捕捉ならびに/あるいは胆汁酸および/または胆汁酸代謝産物の糞便への排泄増加が有効であり得るその他の状態を、治療を必要とする動物対象へアミンポリマーを投与することにより治療する方法である。アミンポリマーは、市販の胆汁酸捕捉剤と比較して、胆汁酸塩との結合親和性および/または結合能、ならびに/あるいは胆汁酸塩の保持の増加を示す。このポリマーは、水素結合特性、静電気的特性、荷電窒素原子、疎水性および/またはポリマー構造を併せもち、胆汁酸塩に対するこのような親和性および/または能力を生じる。「胆汁酸」および「胆汁酸塩」という用語は本明細書では互換的に使用され、また当業者は、胆汁酸は胃腸管内で、塩形態およびそれほど多くはないが、プロトン化形態で存在するということを理解するであろう。
【0020】
本発明のアミンポリマーは、架橋モノマーと、式1:
【化12−1】

のイミダゾールモノマーまたはその塩との重合により生じた反復単位を含み、式中、
21、R22、R23およびR24は独立して水素、C〜C12アルキル、アリールまたはヘテロシクロであり;ただし、
21、R22、R23およびR24のうちの少なくとも1つはR−NH−R26であり、残りはR−NH−R26窒素またはイミダゾール窒素よりも架橋モノマーとの反応性が低く;
はC〜C14アルキレンであり;
26は水素、C〜C16ヒドロカルビル、C〜C16置換ヒドロカルビル、または1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキル、または1つ以上の−CH−基がヒドロキシ、ハロ、アミノ、アルコキシもしくはアリールオキシで置換されているC〜C50アルキルであり;
架橋モノマーに由来するポリマーセグメントの算出clogPが0.1より大きい。
【0021】
いくつかの実施形態では、このアミンポリマーは、式2:
【化13−1】

の構造を有するイミダゾールモノマーの重合により生じた単位を含むことができ、式中、
22は水素、C〜C12アルキル、アリールまたはヘテロシクロであり;
はC〜C14アルキレンであり;
26は水素、C〜C20アルキルまたはC〜C20置換アルキルである。
各種好適な実施形態では、R22は水素、メチル、エチルまたはプロピルであり;RはC〜Cアルキレンであり;R26は水素またはC〜Cアミノ−置換アルキルであり;好ましくは、R22は水素であり、Rはプロピレンであり、R26は水素である。
【0022】
さらにアミンポリマーは、式2A:
【化14−1】

の構造を有するイミダゾールモノマーの重合により生じた単位を含むことができ、式中、R22は水素またはC〜C12アルキルであり、RおよびR26は式2に関して定義される通りである。
【0023】
本明細書に記載のアミンポリマーは、2〜4つの可能な反応部位を有しかつ求核性置換を受けやすい架橋モノマーの重合により生じた単位を含み得る。例えば、架橋モノマーは、ジハロアルカン、ハロアルキルオキシラン、アルキルオキシランスルホナート、ジエポキシド、トリエポキシド、テトラエポキシド、エポキシアルカン、ビス(ハロメチル)ベンゼン、トリ(ハロメチル)ベンゼン、テトラ(ハロメチル)ベンゼン、トシラート、ジグリシジルエーテル、トリグリシジルエーテル、ジグリシジルエステル、トリグリシジルエステル、ビス(ハロメチル)アリールまたはそれらの組合せであり得る。
【0024】
いくつかのポリマーでは、架橋モノマーは一般式X−R−Xであり、式中、Xはそれぞれ独立して脱離基であり、RはC〜C16アルキレン、アリーレン、−NH−C(NH)−NH−、−NH−C(NH)−NH−、ジメチルビフェニル、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレンである。これに関して、好ましくは、RはC〜C16アルキレン、C〜C16アリーレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレンである。いくつかの実施形態では、RはC〜C16アルキレンであり;好ましくは、RはC〜C12アルキレンである。
【0025】
いくつかの実施形態では、Xはハロ、エポキシ、ジアジリジノ、メシラート、硫酸エステル、リン酸エステル、アルデヒド、ケトンまたはそれらの組合せである。脱離基は公知であり、LarockのComprehensive Organic Transformations(VCH 1989)(例えば、p.397以降を参照)にあるような当該技術分野で公知のものから選択できる。
【0026】
具体的には、架橋モノマーは、1,2−ジブロモエタン、1,3−ジクロロプロパン、1,2−ジクロロエタン、1−ブロモ−2−クロロエタン、1,3−ジクロロプロパン、1,3−ジブロモプロパン、1,4−ジクロロブタン、1,4−ジブロモブタン、1,5−ジクロロペンタン、1,5−ジブロモペンタン、1,6−ジクロロヘキサン、1,6−ジブロモヘキサン、1,7−ジクロロヘプタン、1,7−ジブロモヘプタン、1,8−クロロオクタン、1,8−ジブロモオクタン、1,9−ジクロロノナン、1,9−ジブロモノナン、1,10−ジクロロデカン、1,10−ジブロモデカン、1,11−ジブロモウンデカン、1,11−ジクロロウンデカン、1,12−ジクロロドデカン、1,12−ジブロモドデカン、ヨードメチルオキシラン、1,3−ブタジエンジエポキシド、1,5−ヘキサジエンジエポキシド、4−トシルオキシ−l,2−エポキシブタン、ブロモ−1,2−エポキシブタン、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,4−ビス(2’,3’−エポキシプロピル)ペルフルオロ−n−ブタン、1,2,9,10−ジエポキシデカン、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌラート、1,4−ジクロロメチルベンゼン、1,4−ジブロモメチルベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,3−トリブロモベンゼン、1,2,4−トリブロモベンゼン、1,3,5−トリブロモベンゼン、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン、1,2,4,5−テトラブロモベンゼン、グリシジルトシラート、3−ニトロベンゼンスルホン酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2−エタンジオールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、1,3−ジグリシジルグリセリルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ビス(グリシジルオキシ)ベンゼン、レゾルシノールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、2,2’−ビス(グリシジルオキシ)ジフェニルメタン、ビス[4−(グリシジルオキシ)フェニル]メタン、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、9,9−ビス[4−(グリシジルオキシ)フェニル]フッ素、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)、N,N−ジグリシジルアニリン)、トリグリシジルイソシアヌラート、グリセロールトリグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールプロポキシラートトリグリシジルエーテル、トリフェニロールメタントリグリシジルエーテル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、イソシアヌル酸(S,S,S)−トリグリシジルエステル、イソシアヌル酸(R,R,R)−トリグリシジルエステル、1,3−ビス−(2,3−エポキシプロピルオキシ)−2−(2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ)プロパン、2、6−ジ(オキシラン−2−イルメチル)−1、2,3,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3,4−f]イソインドール−1,3,5,7−テトラオン、5−ヒドロキシ−6,8−ジ(オキシラン−2−イルメチル)−4−オキソ−4h−クロメン−2−カルボン酸エチル、ビス[4−(2,3−エポキシ−プロピルチオ)フェニル]−スルフィド、トリエポキシイソシアヌル酸、3,7,14−トリス[[3−(エポキシプロポキシ)プロピル]ジメチルシリルオキシ]−1,3,5,7,9,11,14−ヘプタシクロペンチルトリシクロ[7.3.3.15,11]ヘプタシロキサン、ビス(ハロメチル)ベンゼン、ビス(ハロメチル)ビフェニル、ビス(ハロメチル)ナフタレン、ビス(2−クロロエチル)塩化アンモニウム、トリス(2−クロロエチル)塩化アンモニウム、クロロ酢酸メチルまたはそれらの組合せである。
【0027】
より具体的には、架橋モノマーは、1,2−ジブロモエタン、1,3−ジクロロプロパン、1,2−ジクロロエタン、1−ブロモ−2−クロロエタン、1,3−ジクロロプロパン、1,3−ジブロモプロパン、1,4−ジクロロブタン、1,4−ジブロモブタン、1,5−ジクロロペンタン、1,5−ジブロモペンタン、1,6−ジクロロヘキサン、1,6−ジブロモヘキサン、1,7−ジクロロヘプタン、1,7−ジブロモヘプタン、1,8−クロロオクタン、1,8−ジブロモオクタン、1,9−ジクロロノナン、1,9−ジブロモノナン、1,10−ジクロロデカン、1,10−ジブロモデカン、1,11−ジブロモウンデカン、1,11−ジクロロウンデカン、1,12−ジクロロドデカン、1,12−ジブロモドデカンまたはそれらの組合せである。さらにより具体的には、架橋モノマーは、1,8−ジクロロオクタン、1,8−ジブロモオクタン、1,9−ジクロロノナン、1,9−ジブロモノナン、1,10−ジクロロデカン、1,10−ジブロモデカン、1,12−ジクロロドデカン、1,11−ジブロモウンデカン、1,11−ジクロロウンデカン、1,12−ジブロモドデカンまたはそれらの組合せである。
【0028】
本明細書に記載のアミンポリマーでは、イミダゾールモノマーと架橋モノマーのモル比は、架橋モノマーが二官能である場合、約1:1〜約1:5である。架橋モノマーが三官能である場合、イミダゾールモノマーと架橋モノマーのモル比は、約2:1〜約1:5である。好ましくは、イミダゾールモノマーと架橋モノマーのモル比は、約1:1〜約1:2である。
【0029】
各種実施形態では、アミンポリマーは、アミンモノマーと架橋モノマーとの重合により生じた反復単位を含み、
アミンモノマーが式2A:
【化15】

の構造を有し、式中、
22は水素またはC〜C12アルキルであり;
はC〜C14アルキレンであり;
26は水素、C〜C20アルキルまたはC〜C20置換アルキルであり;
架橋モノマーがエピクロロヒドリン、グアニジン、グアニジウム塩、式X−R−Xを有する化合物またはそれらの組合せであり、式中、
Xはそれぞれ独立して脱離基であり、RはC〜C16アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がヒドロキシで置換されているC〜C50アルキレンである。
好適な実施形態では、R22は水素またはメチルであり、RはC〜Cアルキレンであり、R26は水素であり、架橋モノマーはエピクロロヒドリンまたはX−CH−CH(OH)−CH−Xである。上記好適な実施形態のいくつかでは、アミンポリマーはX−R−Xの架橋モノマーをさらに含み、式中、Xはそれぞれ独立して脱離基であり、RはC〜C16アルキレンである。
【0030】
いくつかの実施形態では、アミンポリマーは、式NR1112−R−NR1112を有するアミンと、式3:
【化16】

の架橋イミダゾールモノマーまたはその塩との重合により生じた反復単位を含み、式中、
はC〜C16アルキレン、アリーレン、ジメチルビフェニル、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミン、アミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレンであり;
は独立してC〜C20アルキレン;またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C20アルキレン;または1つ以上の−CH−基がヒドロキシ、ハロ、アミノ、アルコキシもしくはアリールオキシで置換されているC〜C50アルキレンであり;
は独立して水素またはC〜C12アルキルであり;
11およびR12は独立して水素またはアルキルであり;
Xは独立して脱離基であり;
アミンは5つ以下の可能な反応部位を有する。
【0031】
式3の架橋モノマーを含む各種アミンポリマーにおいて、Rは分岐C〜C20アルキレン;または1つ以上の−CH−基がヒドロキシ、ハロ、アミノ、アルコキシもしくはアリールオキシで置換されているC〜C20アルキレンであり;具体的には、Rは分岐C〜C20アルキレンである。
【0032】
各種実施形態では、アミンポリマーは、式NR1112−R−NR1112を有するアミンと、式3A:
【化17】

の架橋イミダゾールモノマーまたはその塩との重合により生じた反復単位を含み、式中、
はC〜C16アルキレン、アリーレン、ジメチルビフェニル、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレンであり;
は独立してC〜C20アルキレンであり;
11およびR12は独立して水素またはアルキルであり;
Xは独立して脱離基である。
いくつかの実施形態では、RはC〜C16アルキレンであり;好ましくは、RはC〜C12アルキレンである。他のアミンポリマーでは、RはC〜C12アルキレンである。
【0033】
いくつかの実施形態では、アミンポリマーは、式NR1112−R−NR1112を有するアミンと、式5:
【化18】

の架橋イミダゾールモノマーまたはその塩との重合により生じた反復単位を含み、式中、
はC〜C16アルキレン、アリーレン、ジメチルビフェニル、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミン、アミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレンであり;
は独立してC〜C20アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C20アルキレンであり;
はC〜C14アルキレンであり;
は独立して水素またはC〜C12アルキルであり;
11およびR12は独立して水素またはアルキルであり;
Xは独立して脱離基であり;
アミンは5つ以下の可能な反応部位を有する。
【0034】
式5の架橋モノマーを含む各種アミンポリマーにおいて、Rは分岐C〜C20アルキレン;または1つ以上の−CH−基がヒドロキシ、ハロ、アミノ、アルコキシもしくはアリールオキシで置換されているC〜C20アルキレンであり;具体的には、Rは分岐C〜C20アルキレンである。
【0035】
各種アミンポリマーは、式NR1112−R−NR1112を有するアミンと、式5A:
【化19】

の架橋イミダゾールモノマーまたはその塩との重合により生じた反復単位を含み、式中、
はC〜C16アルキレン、アリーレン、ジメチルビフェニル、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレンであり;
は独立してC〜C20アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C20アルキレンであり;
はC〜C14アルキレンであり;
11およびR12は独立して水素またはアルキルであり;
Xは独立して脱離基である。
【0036】
さらにアミンポリマーは、式NR1112−R−NR1112を有するアミンと、式6:
【化20】

の架橋ピペリジニウムモノマーまたはその塩との重合により生じた反復単位を含むことができ、式中、
はC〜C16アルキレン、アリーレン、ジメチルビフェニル、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミン、アミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレンであり;
は独立してC〜C20アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C20アルキレンであり;
はC〜C14アルキレンであり;
は独立してC〜C12アルキルであり;
11およびR12は独立して水素またはアルキルであり;
Xは独立して脱離基であり;
アミンは5つ以下の可能な反応部位を有する。
各種好適な実施形態では、Rはメチルであり、これらおよびその他の実施形態では、RはC〜Cアルキレンであり、RはC10〜C12アルキレンである。
【0037】
式6の架橋モノマーを含む各種アミンポリマーにおいて、Rは分岐C〜C20アルキレン;または1つ以上の−CH−基がヒドロキシ、ハロ、アミノ、アルコキシもしくはアリールオキシで置換されているC〜C20アルキレンであり;具体的には、Rは分岐C〜C20アルキレンである。
【0038】
またアミンポリマーは、式(4):
【化21】

のセグメントを含むことができ、式中、
21、R22、R23およびR24は独立して水素、C〜C12アルキル、アリールまたはヘテロシクロであり;
25はC〜C16ヒドロカルビレン、C〜C16置換ヒドロカルビレン、または1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレン、または1つ以上の−CH−基がヒドロキシ、ハロ、アミノ、アルコキシもしくはアリールオキシで置換されているC〜C50アルキレンであり、ただし、
21、R22、R23およびR24のうちの少なくとも1つは−R−N(R26)(R27)であり;
はC〜C14アルキレンであり;
26およびR27は独立して水素、C〜C16ヒドロカルビレン、C〜C16置換ヒドロカルビレン、または1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレン、または1つ以上の−CH−基がヒドロキシ、ハロ、アミノ、アルコキシもしくはアリールオキシで置換されているC〜C50アルキレンであり;
、R25、R26、R27のうちの少なくとも1つの算出logP(cLogP)が0.1より大きい。
【0039】
本発明のポリマーが一般に架橋されていることに留意するべきである。これに関して、少なくとも一部の窒素原子がセグメントによって他の窒素原子と連結されることによりポリマー鎖同士が連結され、最終的にはポリマーがヒドロゲルおよび/またはビーズの形態をとる。例えば、R26基およびR27基は、それぞれ架橋モノマーの残基であり得る。
【0040】
式4のセグメントを有するアミンポリマーの一部において、R21はR−N(R26)(R27)である。これらのポリマーの一部において、RはC〜Cアルキレンである。さらにアミンポリマーは、独立して、水素またはC〜C12アルキレンである、R26およびR27を有し得る。またアミンポリマーは、独立して、C〜C12アルキレンである、R26およびR27を有してもよい。
【0041】
各種実施形態では、アミンポリマーは、アミンモノマーと架橋モノマーとの重合により生じた反復単位を含み、
アミンモノマーが構造:
【化22】

を有する式7のアミンであり、式中、
はC〜C14アルキレンであり;
およびR31は独立してC〜C20アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C20アルキレンであり;
は独立してC〜C12アルキルであり;
11およびR12は独立して水素またはアルキルであり;
架橋モノマーがエピクロロヒドリン、グアニジン、グアニジウム塩、式X−R−Xを有する化合物またはそれらの組合せであり、式中、
Xはそれぞれ独立して脱離基であり、RはC〜C16アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がヒドロキシで置換されているC〜C50アルキレンである。
好適な実施形態では、架橋モノマーはエピクロロヒドリンである。これらの実施形態のいくつかでは、Rはメチルであり、RはC10〜C12アルキレンであり、RおよびR31は独立してC〜Cアルキレンである。
【0042】
式7のアミンモノマーを含む各種アミンポリマーにおいて、Rは分岐C〜C20アルキレン;または1つ以上の−CH−基がヒドロキシ、ハロ、アミノ、アルコキシもしくはアリールオキシで置換されているC〜C20アルキレンであり;具体的には、Rは分岐C〜C20アルキレンである。
【0043】
他の実施形態では、アミンポリマーは、アミンモノマーと架橋モノマーとの重合により生じた反復単位を含み、
アミンモノマーが構造:
【化23】

を有する式8または9のアミンであり、式中、
はC〜C14アルキレンであり;
およびR31は独立してC〜C20アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C20アルキレンであり;
は独立して水素またはC〜C12アルキルであり;
11およびR12は独立して水素またはアルキルであり;
架橋モノマーがエピクロロヒドリン、グアニジン、グアニジウム塩、式X−R−Xを有する化合物またはそれらの組合せであり、式中、
Xはそれぞれ独立して脱離基であり、RはC〜C16アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がヒドロキシで置換されているC〜C50アルキレンである。
好適な実施形態では、架橋モノマーはエピクロロヒドリンである。これらの実施形態のいくつかでは、Rは水素またはメチルであり、RはC10〜C12アルキレンであり、RおよびR31は独立してC〜Cアルキレンである。いくつかの実施形態では、アミンモノマーは式8の構造を有する。他の実施形態では、アミンモノマーは式9の構造を有する。アミンモノマーが式7、8または9の構造を有する実施形態では、アミンポリマーは、式NR1112−R−NR1112を有するアミンモノマーをさらに含むことができ、式中、RはC〜C16アルキレン、アリーレン、ジメチルビフェニル、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミン、アミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレンであり;R11およびR12は独立して水素またはアルキルである。
【0044】
式8および9のアミンモノマーを含む各種アミンポリマーにおいて、Rは分岐C〜C20アルキレン;または1つ以上の−CH−基がヒドロキシ、ハロ、アミノ、アルコキシもしくはアリールオキシで置換されているC〜C20アルキレンであり;具体的には、Rは分岐C〜C20アルキレンである。
【0045】
特に好適な実施形態では、アミンポリマーは、アミンモノマーと架橋モノマーとの重合により生じた反復単位を含み、
アミンモノマーが構造:
【化24】

を有し、
架橋モノマーがエピクロロヒドリンである。
【0046】
本明細書に記載の多くのアミンポリマーに、アミンポリマーと少なくとも1つの追加の架橋モノマーまたは配位子との反応を含む重合後の反応を受けさせることができる。アミンポリマーに2つの架橋モノマーによるこのような重合後の反応を受けさせる場合、両方の架橋モノマーの存在下で反応を進めてもよく(例えば、反応速度の異なる架橋モノマーを使用することにより)、またはアミンモノマーを1つの架橋モノマーと反応させた後、2番目の架橋モノマーと反応させてもよい(例えば、架橋モノマーを反応器に順次加えるか、または2番目の架橋モノマーとの反応の前にポリマーを回収する)。2つ以上の異なる架橋モノマーを用いたこれらの反応により、収率または物理的特性が向上し得る。これらのさらなる反応を追加の配位子を用いて行う場合、架橋モノマーと配位子も同様に、同時または順次に加えてよい。
【0047】
いかなる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、本明細書に記載の本発明は、正電荷密度と疎水性との組合せを用いて、予想外の胆汁酸との結合親和性および結合能、胆汁酸の保持および除去を達成する。電荷密度は、1〜6個の原子分だけ疎水性セグメントから隔てられた正荷電窒素原子の集中により生じる。疎水性は、本明細書で述べられているように、算出logPで表される。
【0048】
一部のアミンポリマーでは、算出logP(cLogP)が0.1、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5また7より大きい。算出logP(cLogP)(ClogP)は、脱離基を除いた架橋剤の構造をChemdraw Ultra 11.0(CambridgeSoft、Cambridge MA)で描き、脱離基の代わりに水素を置き、化学特性ツールを選択してCLogPを算出することにより決定される。例えば、架橋剤1,10−ジブロモデカンでは、デカンの構造をChemdrawに入力して「view」ツールバーから「show chemical properties」を選択すると、ClogPが5.984と算出される。架橋剤がエピクロロヒドリンのような架橋の際に開環する環構造であれば、ClogPは、エピクロロヒドリンで下に示すような開環構造:
【化25】

を描くことによりにより決定される。
【0049】
例えば、各種セグメントの算出logP(cLogP)を表1に詳細に記載する。
【0050】
【表1−1】

【表1−2】

【0051】
また多くの実施形態では、アミンポリマーは、窒素原子上に局在する永久正電荷を含む。理論に拘束されるわけではないが、疎水性セグメントに隔てられたこれらの永久正電荷の中心が、胆汁酸と結合する物質の向上をもたらすと考えれれる。さらに、この永久に正に荷電した領域と疎水性領域との組合せが胆汁酸の構造と類似していることから、複数の引力を用いた優れた親和性、ならびに胆汁酸結合および保持の優れた能力がもたらされると考えられる。
【0052】
またアミンポリマーは、架橋モノマーと、イミダゾールモノマーまたはその塩との重合により生じた反復単位を含むことができ、胆汁酸に対するアミンポリマーの結合能が、in vitroアッセイBを用いた測定で少なくとも2mmol/gポリマーであるか、または胆汁酸に対するアミンポリマーの結合親和性が、in vitroアッセイAを用いた測定で少なくとも0.40mmol/gである。
【0053】
アミンポリマーまたはその医薬組成物は、好ましくは自由流動性粉末である。
【0054】
本発明の各種アミンポリマーを調製するために、イミダゾールモノマーと架橋モノマーを接触させる。特定のイミダゾールモノマーおよび架橋モノマーに応じて溶媒を用いることができる。溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、テトラヒドロフラン(THF)、メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,4−ジオキサン、2−ピロリジノン、メチルピロリドン(NMP)、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコールまたは水であり得る。また溶媒の混合物を使用することもできる。特定のイミダゾールモノマーおよび架橋モノマーに応じて、反応混合物に塩基を加えてもよい。塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化アンモニウムおよび水酸化ナトリウム、トリエチルアミン、トリオクチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)またはN,N−ジイソプロピルメチルアミンであり得る。イミダゾールモノマーと架橋モノマーを接触させた後、反応混合物を約12〜24時間、約40℃〜約80℃または約70℃に加熱する。反応終了後、ポリマー生成物を酸性水溶液で洗浄し、次いで、乾くまで凍結乾燥させる。
【0055】
本発明のアミンポリマーは、その胆汁酸との結合能ならびに/あるいは胃腸管内に存在する脂肪酸、リン酸塩および/またはその他の化合物よりも優先的に胆汁酸と結合する親和性に寄与する、各種の化学的、構造的および物理的特性を有する。
【0056】
アミンポリマーは、塩形態で、一部塩として、または塩遊離塩基として投与可能である。「塩」は、反復単位の全部または一部にプロトン化された窒素原子または窒素基を有し、負荷電対イオンと結合した正荷電窒素原子を生じる。陰イオン性対イオンは、患者への副作用を最小化するように選択され得る。適当な対イオンの例としては、Cl、Br、CHOSO、HSO、SO2−、硝酸、HCO、CO2−、酢酸、乳酸、リン酸、ヒドロリン酸、フマル酸、リンゴ酸、ピルビン酸、マロン酸、安息香酸、グルクロン酸、シュウ酸、アセチルグリシン酸、コハク酸、プロピオン酸、酪酸、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、葉酸、アミノ酸誘導体、ヌクレオチド、脂質、リン脂質またはそれらの組合せが挙げられる。対イオンは、互いに同じであっても異なっていてもよい。例えば、反応生成物が2つの異なる種類の対イオンを含有していてもよい。ほとんどの場合、すべての窒素原子が塩形態であるわけではなく、塩形態中の窒素原子のパーセントは、流動性、保管時間および重量のような特定の性質によって決まる。
【0057】
小腸下部で見られる条件の特定の事柄を模倣することを目的とした条件下で、胆汁酸塩に対するin vitroでの結合親和性を決定するために、アッセイAを用いてアミンポリマーを解析する。アッセイAでは、実施例のプロトコル1に記載されているように、小腸下部に存在する特定の条件を模倣した溶液に、解析するポリマーを所望の濃度で加える。しばらくしてから、遠心分離によりポリマーを回収して上清を採取し、残りの粒子をすべてろ過で除去し、液体クロマトグラフィー(LC)によりイオン濃度をアッセイする。ポリマーの存在下でのグリココール酸(GCeq)、グリコデオキシコール酸(GDCeq)、オレイルグリセロール(OGeq)および/またはオレイン酸(OAeq)の平衡濃度を、ポリマー非存在下での試験溶液中での平衡濃度と比較することにより、上記実験条件下で結合した各成分の量をmmol/gポリマー数で算出する。プロトコル1のアッセイAの条件下でのin vitroにおける胆汁酸塩結合親和性は、最大で約0.75mmol/gポリマーとなる。このようにして、本発明のアミンポリマーのin vitroでの胆汁酸塩結合親和性は、アッセイA溶液での測定で約0.3〜約0.75mmol/gポリマー、具体的には約0.46〜約0.75mmol/gポリマー、より具体的には約0.55〜約0.75mmol/gポリマーとなる。いくつかの場合には、リン酸塩結合親和性を測定するために、塩基性移動相を用いた液体クロマトグラフィーにより、強陰イオン交換カラムでリン酸イオンの濃度も決定した。本発明のポリマーは、アッセイAを用いた測定で、in vitroでリン酸塩と0.2mmol/gポリマー未満、具体的には約0.15mmol/gポリマー以下、より具体的には約0.10mmol/gポリマー以下の量で結合する。
【0058】
食後の小腸上部で見られる条件の特定の事柄を模倣することを目的とした条件下で、胆汁酸塩とのin vitro結合能を決定するために、アッセイBを用いてアミンポリマーを解析する。アッセイBでは、実施例のプロトコル2に記載されているように、小腸上部に存在する特定の条件を模倣した溶液に、解析するポリマーを所望の濃度で加える。上記のものと同じ一般的手順を用いて、結合した各成分の量を算出した。プロトコル2のアッセイBの条件下でのin vitroにおける胆汁酸塩結合能は、最大で約3.7mmol/gポリマーとなる。このようにして、アミンポリマーのin vitroでの胆汁酸塩結合能は、アッセイBを用いた測定で約0.95〜約3.7mmol/gポリマー、具体的には約1.8〜約3.7mmol/gポリマー、より具体的には約2.46〜約3.7mmol/gポリマーとなる。
【0059】
in vivoでの胆汁酸塩結合保持を決定するために、アミンポリマーをハムスターモデルで解析する。ハムスターモデルでは、ポリマーの胆汁酸との結合能、他の陰イオンを上回る胆汁酸に対する結合親和性、および結合胆汁酸を保持し胆汁酸および胆汁酸代謝産物の胃腸管から糞便中への排泄を増加させる能力に関連した複雑な測定が行われる。Golden Syrianハムスターがヒトと同様の胆汁酸プロファイルを有するため、これを使用することが好ましいであろう。雄性Golden Syrianハムスターを順化させてから、実験開始前の数日間、高脂肪、高ショ糖の西洋型食餌D12079B(Research Diet、New Brunswick、NJ)を与える。解析するアミンポリマーを所望の用量で西洋型食餌に配合して、試験食餌を調製する。糞便の分離/収集が可能な個別の代謝ケージでハムスターを飼育する。試験群の個体では試験食餌に切り替え、未処置群の個体ではアミンポリマーを添加しない西洋型食餌を与え続ける。摂餌量を4日間連続で測定する。各ハムスターから処置期間の最後の3日間の糞便を収集してプールし、凍結乾燥させてから、乳鉢と乳棒ですりつぶしてホモジナイズする。次いで、糞便の胆汁酸塩解析用に糞便試料の抽出を行う。いくつかの場合には、全群の個体を上記の代謝ケージに入れて、被検物質を添加しない西洋型食餌のみを与える、ベースライン処置期間を設ける。上記のように糞便を収集し、ベースライン期間と処置期間を比較することにより、胆汁酸塩の糞便中排泄に対するアミンポリマーの効果を判定する。そうでなければ、未処置群と試験群を比較することにより胆汁酸塩の糞便中排泄に対するアミンポリマーの効果を判定する。ハムスター糞便中の胆汁酸塩を実施例に記載されている通りに解析する。アミンポリマーは、西洋型食餌を与えた雄性Golden Syrianハムスターにおいて総摂餌量の0.5%の用量で測定した場合、コレセベラム塩酸塩よりも少なくとも25%、50%、75%、100%、125%、150%、175%または200%大きい算出in vivo結合能を有し得る。
【0060】
アミンポリマーは、ヒトでの測定で少なくとも約0.35mmol胆汁酸塩/gポリマーの算出in vivo胆汁酸塩結合能を有し得る。アミンポリマーはヒトにおいて、ポリマー1グラムあたり少なくとも0.35mmol胆汁酸塩、ポリマー1グラムあたり少なくとも0.4mmol胆汁酸塩、ポリマー1グラムあたり少なくとも0.5mmol胆汁酸塩、ポリマー1グラムあたり少なくとも0.6mmol胆汁酸塩、またはそれを上回るin vivo結合能を有し得る。
【0061】
本発明のポリマーは架橋された物質であり、これは本発明のポリマーが、一般に溶媒に溶解しないが、溶媒で膨潤し得る、すなわち溶媒を吸収し得ることを意味する。本明細書で使用される「膨潤率」は、水性環境中で平衡状態にあるときに、1グラムの架橋ポリマーによって取り込まれる溶媒のグラム数を表す。膨潤率は、Flory Huggins(Flory P.J.“Principles of Polymer Chemistry,Cornell Ithica Pub.1953)により記載されているように、ポリマー−溶媒相互作用パラメーターの影響を受ける。所与のポリマーに関して2つ以上の膨潤の測定値を得た場合、それらの測定値の平均を膨潤率とする。水中、または胃腸管の典型例を表す生理的等張緩衝液(例えば、米国薬局方の人工腸液または人工胃液)中での膨潤率は通常、約1〜約10g膨潤溶液(溶媒)/gポリマー、具体的には約2〜6g膨潤溶液(溶媒)/gポリマー、より具体的には約2〜約4g膨潤溶液(溶媒)/gポリマーの範囲にある。ポリマーの対イオン含有量が膨潤率に影響を与える可能性があり、下に挙げる例では塩化物対イオンが使用され、塩化物含有量が記載されている。対イオン含有量は、最大でポリマー総重量の25重量%、最小でポリマー総重量の1%未満であり得る。
【0062】
アミンポリマーは、平均直径が約10ミクロン〜約200ミクロンの粒子であり得る。いくつかの実施形態では、アミンポリマー粒子は実質的に球状のビーズである。このビーズは、平均直径が約10ミクロン〜約200ミクロンであり得る。本明細書で使用される「実質的に」という用語は、一般に平均縦横比が約1.0〜約2.0の丸みを帯びた粒子意味する。縦横比とは、粒子の最長の長さ寸法と粒子の最短の長さ寸法の比のことである。縦横比は、当業者によって容易に決定され得る。この定義には、定義による縦横比が1.0の球状粒子が含まれる。いくつかの実施形態では、粒子の平均縦横比は、約1.0、1.2、1.4、1.6、1.8または2.0である。粒子は、視野が粒子の直径の少なくとも2倍である倍率で観察したときに、円形または楕円形であり得る。
【0063】
実質的に球状のビーズは、当業者に公知の方法を用いて調製することができる。例えば、好適な合成様式は不均一過程である。このような過程は、分散媒中での重合とも呼ばれ、直接もしくは逆懸濁重合、乳化重合、沈殿重合、分散重合もしくはマイクロエマルション重合、エアロゾル中での反応、またはバルク重合法の使用がこれに含まれる。逆懸濁では、無極性溶媒、例えばシリコーン、トルエン、ベンゼン、炭化水素溶媒または油、ハロゲン化溶媒、超臨界二酸化炭素などから連続相を選択することができる。逆懸濁系の離散相はモノマーおよび架橋剤の水への可溶化を含み、この可溶化は、塩酸のような酸を添加して、実質的に有機アミンの水溶性を増加させるアミン塩を形成し、アミン溶液を水非混和性溶媒中に分散させて乳濁液を形成することにより達成され得る。直接懸濁工程または直接乳化工程では、米国特許第5,414,068号に記載されているように、モノマーと架橋剤を離散相中に「塩析させる」のにナトリウムブラインも有効であるが、連続相として水を用いることができる。モノマーはそのまま、または共溶媒を用いて連続相の溶液として分散させることができる。架橋モノマーを反応物に半連続的に添加(段階的な添加)して、重合反応を生じさせることができる。ビーズの単離は、ろ過、洗浄および乾燥により行うことができる。押出や研磨のような縮小工程により、サイズをさらに調節または修正することができる。
【0064】
ポリマーは当業者に公知の方法により得ることができ、本明細書の実施例でその例を例示する。架橋アミンポリマー粒子は一般に、反応条件に供した反応混合物の反応生成物である。反応混合物は一般に、生成物中に化学的に組み込まれない成分も含有し得る。反応混合物は通常、モノマーを含む。
【0065】
一般に、不溶性であるが、ゲルには溶媒和させることができるポリマー網目構造が生成されるように反応を行う。浸透する溶媒が水である場合、不溶性物質はヒドロゲルと呼ばれる。反応は溶液中、バルク中(すなわち、そのままのモノマーおよび架橋化合物を用いて)または分散媒中で行う。反応を、例えば温度変化や光照射の導入により開始させる。一般に、連鎖成長または逐次成長によりアミンポリマーを調製することができる。逐次成長重合には、ラジカル重合、カチオン重合およびアニオン重合を含めた、不飽和官能基を含有するモノマーの重合が含まれる。逐次成長重合には、二官能性または多官能性モノマーが二量体、三量体を経て、さらに長いオリゴマーへ成長する反応が含まれる。ポリマー鎖が互いに反応すると網目構造形成が生じる。網目構造形成反応をもたらすパラメーターとしては、温度、溶媒の選択、モノマーと架橋剤の濃度およびモノマーと架橋モノマーの比が挙げられる。塩基の添加が望ましい場合もある。
【0066】
アミンポリマーを調製するための重合反応には、任意選択で界面活性剤を用いたアミンモノマー水溶液の調製、有機溶媒を含有する有機相の添加、および任意選択で界面活性剤の水相への添加が含まれる。次いで、架橋剤を1回でまとめてまたは半連続的に添加することができる。例えば、重合に架橋剤を一度に全部添加しても、また時間をかけて徐々に添加してもよい。
【0067】
アミンポリマー粒子は、平均直径が約10μm〜約200μmである。アミンポリマー粒子の具体的な範囲は、約20μm〜約200μm、約20μm〜約150μmまたは約20μm〜約125μmである。他の範囲としては、約35μm〜約150μm、約35μm〜約125μm、約50μm〜約125μmまたは約50μm〜約100μmが挙げられる。平均直径、分布などを含めた粒径は、当業者に公知の技術を用いて決定することができる。例えば、米国薬局方(USP)<429>には、粒径決定の方法が開示されている。
【0068】
また各種アミンポリマー粒子は、直径約10μm未満の粒子の体積百分率が約4未満;具体的には、直径約10μm未満の粒子の体積百分率が約2未満;より具体的には、直径約10μm未満の粒子の体積百分率が約1未満;さらにより具体的には、直径約10μm未満の粒子の体積百分率が約0.5未満である。他の場合には、具体的な範囲が、直径約20μm未満の粒子の体積百分率が約4未満;直径約20μm未満の粒子の体積百分率が約2未満;直径約20μm未満の粒子の体積百分率が約1未満;直径約20μm未満の粒子の体積百分率が約0.5未満;直径約30μm未満の粒子の体積百分率が約2未満;直径約30μm未満の粒子の体積百分率が約1未満;直径約30μm未満の粒子の体積百分率が約1未満;直径約40μm未満の粒子の体積百分率が約1未満;直径約40μm未満の粒子の体積百分率が約0.5未満である。各種実施形態では、アミンポリマーの粒径分布は、約5体積%以下の粒子の直径が約30μm未満であり(すなわち、D(0.05)<30μm)、約5体積%以下の粒子の直径が約250μmを超え(すなわち、D(0.05)>250μm)、少なくとも約50体積%の粒子の直径が約70〜約150μmの範囲にある。
【0069】
アミンポリマーの粒子分布をスパンとして表すことができる。粒子分布のスパンは(D(0.9)−D(0.1))/D(0.5)と定義され、式中、D(0.9)は90%の粒子が下回る直径値であり、D(0.1)は10%の粒子が下回る直径値であり、D(0.5)は50%の粒子が上回り、かつ50%の粒子が下回る直径値であり、これらはレーザー回折での測定によるものである。粒子分布のスパンは通常、約0.5〜約1、約0.5〜約0.95、約0.5〜約0.90または約0.5〜約0.85である。粒径分布は、Malvern Mastersizerを使用した、GEA Niro(Denmark)から入手可能なNiro Method No.A8d(2005年9月に改訂)を用いて測定することができる。
【0070】
本発明のアミンポリマーおよび組成物を使用する場合、1日1回用量が実質的に1日2回用量に相当し、また1日2回用量も実質的に1日3回用量に相当するということが現在わかっている。一般に、1日量のポリマーまたは組成物の1日1回または1日2回の投与による胆汁酸除去は、同じ1日量で1日3回投与した同じポリマーまたは組成物による除去と統計的有意差がない。
【0071】
さらに、本発明は、アミンポリマーまたはアミンポリマーを含む医薬組成物を投与することにより動物対象から胆汁酸を除去する方法に関するものであり、この方法では、ポリマーまたは組成物を1日1回摂取した対象の25%未満が、6.0グラム/日以下の用量で軽度または中等度の胃腸管有害事象を経験する。胃腸管有害事象としては、鼓腸、下痢、腹痛、便秘、口内炎、嘔気および/または嘔吐を挙げ得る。いくつかの態様では、ポリマーまたは組成物を1日2回投与し、かつポリマーまたは組成物を1日2回摂取した対象の25%未満が、軽度または中等度の胃腸管有害事象を経験する。いくつかの場合には、ポリマーまたは組成物を1日1回または1日2回摂取した対象が、重篤な胃腸管有害事象を全く経験しない。本発明のアミンポリマーまたは医薬組成物の忍容性は、同じ1日量の同じポリマーまたは組成物を1日3回投与した場合と比べて、約50%以上である。例えば、1日3回のポリマー投与で高い忍容性が認められるどの2患者においても、1日1回または1日2回の投与で高い忍容性が認められる少なくとも1患者が存在する。
【0072】
投与で高い忍容性が認められる場合、対象による用量修正または投与中止はほとんどあるいは全く行われるべきではない。いくつかの実施形態では、高い忍容性が認められることは、胃腸管有害事象に関して明らかな用量反応関係が全く存在しないことを意味する。これらの実施形態のいくつかでは、高い忍容性が認められることは、鼓腸、下痢、腹痛、便秘、口内炎、嘔気および嘔吐からなる群より選択される副作用を含めた後の胃腸管副作用が、統計的に有意な数の対象から報告されないことを意味する。
【0073】
他の実施形態では、本発明は、胆汁酸除去を必要とする動物対象の胃腸管から胆汁酸を除去する方法を提供し、この方法は有効量のアミンポリマーまたはアミンポリマーを含む組成物の投与を含み、このポリマーまたは組成物において、実質的に同じ量の同じポリマーまたは組成物を1日3回投与する場合と同様の高い忍容性が認められる。いくつかの場合には、対象が高コレステロール血症に罹患しており、この方法により高コレステロール血症が治療される。他の場合には、この方法により血清コレステロールが低下する。
【0074】
いかなる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、ポリマーまたはポリマーを含む組成物の忍容性は、アミンポリマーが有し得る物理的特性により生じるものであり、このような物理的特性には、ずり速度0.01秒−1で測定される、約10,000Pa・s〜約2,500,000Pa・s、約10,000Pa・s〜約2,000,000Pa・s、約10,000Pa・s〜約1,500,000Pa・s、約10,000Pa・s〜約1,000,000Pa・s、約10,000Pa・s〜約500,000Pa・s、または約10,000Pa・s〜約250,000Pa・s、約30,000Pa・s〜約3,000,000Pa・s、約30,000Pa・s〜約2,000,000Pa・s、または約30,000Pa・s〜約1,000,000Pa・sの水和および沈殿時の粘度が含まれる。この粘度は、ポリマーをわずかに過剰の人工腸液(USP <26>による)と十分に混合し、混合物を37℃で3日間沈殿させ、沈殿した湿潤ポリマーから遊離液体をデカントして調製された湿潤ポリマーを用いて測定される。この湿潤ポリマーの定常ずり粘度は、平行平板形状(直径15mmの上部平板と直径30mmの下部平板、および1mmの平板間隙)を有するBohlin VORレオメータ(Malvern Instruments Ltd.、Malvern、U.K.から入手可能)またはこれに相当するものを用いて、温度を37℃に維持して決定することができる。
【0075】
アミンポリマーは、約150Pa〜約4000Pa、約150Pa〜約3000Pa、約150Pa〜約2500Pa、約150Pa〜約1500Pa、約150Pa〜約1000Pa、約150Pa〜約750Paまたは約150Pa〜約500Pa、約200Pa〜約4000Pa、約200Pa〜約2500Pa、約200Pa〜約1000Paまたは約200Pa〜約750Paの水和および沈殿時の降伏応力をさらに有し得る。Reologica STRESSTECHレオメータ(Reologica Instruments AB、Lund、Swedenから入手可能)またはこれに相当するものを用いて、動的応力掃引測定(すなわち、降伏応力)を当業者に公知の方法で行うことができる。このレオメータも平行平板形状(直径15mmの上部平板と直径30mmの下部平板、および1mmの平板間隙)を有し、温度が37℃に維持される。ずり応力が1から10Paまで増加する間に、2つの積分時間を有する1Hzの一定周波数を用いることができる。
【0076】
本発明で使用するアミンポリマーは、乾燥ポリマーの形態であるときに、望ましい圧縮性および体積密度も有し得る。乾燥形態のアミンポリマーの粒子の一部は、体積密度が約0.8g/cm〜約1.5g/cm、約0.82g/cm〜約1.5g/cm、約0.84g/cm〜約1.5g/cm、約0.86g/cm〜約1.5g/cm、約0.8g/cm〜約1.2g/cmまたは約0.86g/cm〜約1.2g/cmである。体積密度は、患者に投与するのに必要なアミンポリマーの体積に影響する。例えば、体積密度がより高いことは、同じアミンポリマーのグラム数がより低体積で得られることを意味する。低体積であれば、体積が小さいことにより、患者が少量を摂取していると思うことができるため、患者の服薬遵守が向上する。
【0077】
乾燥形態のアミンポリマーの粒子からなる粉末の圧縮性指数は、約3〜約30、約3〜約25、約3〜約20、約3〜約15、約3〜約13、約5〜約25、約5〜約20または約5〜約15である。圧縮性指数は100(TD−BD)/TDと定義され、式中、BDとTDはそれぞれ体積密度とタップ密度である。体積密度(BD)とタップ密度(TD)を用いて圧縮性指数(CI)を計算する。この測定の標準的手順はUSP<616>として明記されている。メスシリンダーに一定量の粉末を量り取る。質量Mと最初の(ゆるく充填された)体積Vを記録する。次いで、シリンダーを持ち上げて3mm±10%の高さから1分当たり250回(タップ)落とす装置にシリンダーを置く。体積を、500タップ後に測定し、次いでさらに750タップ後に再び体積を測定する(合計1250回)。500タップ後と1250タップ後の体積の違いが2%未満であれば、最終体積をVとして記録し、実験を終える。そうでなければ、タップ前後の体積の変化が2%未満になるまで、1回に1250タップずつタップを繰り返す。データから以下の量を計算する:
体積密度(BD)=M/V
タップ密度(TD)=M/V
圧縮性指数(CI、Carr指数とも呼ばれる)=100(TD−BD)/TD。
【0078】
粉末形態のアミンポリマーは、高コレステロール血症治療のために従来の方式で用いられるポリマーよりも最小体積に収めるのが容易である。これにより、体積密度とタップ密度(一定回数のタップ後に測定した粉末密度)との間に、体積密度の約3%〜約30%、約3%〜約25%、約3%〜約20%、約3%〜約15%、約3%〜約10%、約5%〜約35%、約5%〜約30%または約5%〜約20%という差が生じる。
【0079】
本明細書に記載のポリマーおよび医薬組成物は、小腸全体にわたって相当量の結合胆汁酸塩を保持し、具体的には、ポリマーが結合した胆汁酸塩は、結腸へ移行するか、またはポリマーが糞便中に排泄されるまで解離しない。本明細書で使用される「相当量」という用語は、結合胆汁酸塩の全量が糞便中への排泄または結腸への移行まで保持されるという意味を意図するものではない。治療的および/または予防的効果を得るのに十分な量の結合胆汁酸塩が保持されるということである。例えば、結腸へ移行する胆汁酸の量が著しく増加するようにポリマーが胆汁酸を保持すれば十分な場合がある。次いで、胆汁酸はポリマーから解離し得るが、それでも実質的にそのままで、または代謝産物として糞便中に排泄され得る。したがって、胆汁酸は本発明の目的のためには十分に保持されたことになる。胆汁酸の保持は、糞便中または結腸吸引物もしく抽出物中のベースラインレベルを上回る(すなわち、動物対象にポリマーを投与しない場合に糞便中に保持されている胆汁酸の量を上回る)胆汁酸の量を測定することにより測定され得る。保持され得る結合胆汁酸塩の具体的な量は、ベースラインレベルを約5%〜約100%上回る範囲にある。ポリマーまたは医薬組成物は、ベースラインレベルを少なくとも約5%上回る、より具体的には少なくとも約10%上回る、さらにより具体的には少なくとも約25%上回る、最も具体的には少なくとも約50%上回る結合胆汁酸塩を保持するであろう。ポリマーによる胆汁酸の保持を、in vitroの方法により直接的に、またはin vivoの方法により間接的に計算することができる。保持期間とは、一般にポリマーまたは組成物が治療的または予防的に使用されている時間のことである。胆汁酸塩と結合する、または胃腸管から胆汁酸塩を除去するためにポリマーまたは組成物を使用する場合、保持期間とは、胃腸管内でのポリマーもしくは組成物の滞留時間、または小腸内でのポリマーもしくは組成物の平均滞留時間のことである。
【0080】
本明細書に記載のポリマーおよび医薬組成物は、糞便中に排泄される二次胆汁酸に対する一次胆汁酸の割合の増加をもたらし得る。胆汁酸は、それが合成および修飾される部位により特徴付けられ得る。一次胆汁酸(例えば、コール酸およびケノデオキシコール酸)は肝細胞内でコレステロールから合成され、二次または三次胆汁酸(例えば、デオキシコール酸およびリトコール酸)は、回腸末端部および結腸内での細菌による脱水酸基の産物である。一次胆汁酸は脱抱合および/または脱水酸基化されて二次または三次胆汁酸、例えば、デオキシコール酸(コール酸由来)およびリトコール酸(ケノデオキシコール酸由来)に変換される。排泄された胆汁酸の割合が一次または未代謝胆汁酸へ変化することは、ポリマーによる胆汁酸のin vivo保持の尺度である。アミンポリマーは、in vivo測定で、糞便中の総胆汁酸に基づき平均で少なくとも11%、15%、20%、30%以上の糞便中一次胆汁酸を生じ得る。
【0081】
一般に、アミンポリマーは胃腸管からあまり吸収されない。アミンポリマー粒子のサイズ分布によっては、臨床的に重要でない量のポリマーが吸収され得る。より具体的にはポリマーの約90%以上が吸収されず、約95%以上が吸収されず、さらにより具体的には約97%以上が吸収されず、最も具体的には約98%以上のポリマーが吸収されない。
【0082】
胆汁酸塩の除去を必要とする動物対象に有効量のポリマーを投与することにより、アミンポリマーを用いて動物対象から胆汁酸塩を除去することができる。胆汁酸塩は、アミンポリマーにより結合および保持された後、胃腸管から糞便中に除去され得る。さらに、アミンポリマーを用いて、動物対象の血清LDLコレステロールまたは血清非HDLコレステロールを低下させることができる。いくつかの場合には、対象が重篤な胃腸管有害事象を経験しない1日用量でのアミンポリマーによる治療の2、4、12、26、52週間以上後に、平均血清LDLが少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%以上低下し得る。いくつかの場合には、アミンポリマーの1日用量は約6.0g/日、5.0g/日、4.0g/日、3.0、2.5または2.0g/日以下である。
【0083】
さらに、アミンポリマーを投与して、II型糖尿病のヒト対象における血糖コントロールを改善することができる。好ましくは、II型糖尿病のヒト対象を治療する場合、対象が重篤な胃腸管有害事象を経験しない1日用量でのアミンポリマーによる治療の18、26、52週間以上後に、糖化ヘモグロビン(HbA1c)が少なくとも0.5%、少なくとも0.6%、少なくとも0.7%、少なくとも0.8%、少なくとも0.9%、少なくとも1.0%以上低下し得る。いくつかの場合には、アミンポリマーの1日用量は約6.0g/日、5.0g/日、4.0g/日、3.0、2.5または2.0g/日以下である。また空腹時血糖も、対象が重篤な胃腸管有害事象を経験しない1日用量でのアミンポリマーによる治療の2、4、12、26、52週間以上後に少なくとも14mg/dL(0.8mmol/L)、少なくとも16mg/dL(0.9mmol/L)、少なくとも18mg/dL(1mmol/L)、少なくとも20mg/dL(1.1mmol/L)以上低下し得る。いくつかの場合には、アミンポリマーの1日投与量は約6.0g/日、5.0g/日、4.0g/日、3.0、2.5または2.0g/日以下である。
【0084】
さらに、アミンポリマーを用いて、アルツハイマー病を改善、治療する、またはその進行を遅延させることができる。
【0085】
またアミンポリマーを用いて、非アルコール性脂肪性肝炎、胆汁うっ滞性そう痒症、下痢を伴う過敏性腸症候群(IBS−D)、特発性胆汁酸吸収不良、遺伝性もしくは先天性線維芽細胞増殖因子19(FGF19)欠損またはそれらの組合せを治療することができる。アミンポリマーを用いて胆汁うっ滞性そう痒症を治療する場合、アミンポリマーを、例えば抗ヒスタミン剤、副腎皮質ステロイド剤、局所麻酔剤、反対刺激剤、オピオイド、オピオイド受容体アンタゴニストを含有する経口もしくは局所止痒剤、または特に限定されないが、クロタミトン、ドキセピン、ミルタザピン、カプサイシン、タクロリムス、リノール酸、ガバペンチン、活性炭、サリドマイド、ナルトレキソン、エリスロポエチン、ニセルゴリン、ナルトレキソン、ナルメフェン、ブトルファノール、ナロキソン、リファンピン、オンダンセトロン、ウロソデオキシコール酸、S−アデノシル−L−メチオニン、セロトニン選択的再取り込み阻害剤、フェノバルビタール、ドロナビノール、光線療法を含めた他の治療法、またはそれらの組合せと併用することができる。
【0086】
アミンポリマーを用いてIBS−Dを治療する場合、アミンポリマーを、止瀉剤(例えば、ロペラミド、コデイン、ジフェノキシラートを含めたオピエート、オピオイドもしくはオピオイド類似体など)、セロトニン受容体アンタゴニスト(例えばアロセトロン、ラモセトロンおよびシランセトロンなど)、セロトニン選択的再取り込み阻害剤、三環系抗うつ剤(例えばアミトリプチリンおよびデシプラミンなど)、またはセロトニン(5−HT)レベルを低下させる薬物、ヒヨスシアミンもしくはジサイクロミンのような抗コリン剤を含めた鎮痙薬、クロフェレマーおよびプロバイオティックのような塩化物イオン分泌遮断剤と併用することができる。
【0087】
本明細書で使用される動物対象は、胆汁酸塩除去、血清LDL−コレステロールまたはHDLコレステロール濃度低下、HDL−C増加または血糖コントロール向上のいずれかを必要とする、ヒトまたはその他の哺乳動物であり得る。
【0088】
本明細書に記載の方法、ポリマーおよび組成物は、動物対象からの胆汁酸塩の除去に適しており、ここでは対象は、このような胆汁酸塩除去を必要とする。例えば、高コレステロール血症または高脂血症に罹患している患者には、このような胆汁酸塩除去が有効である。本明細書に記載の方法は、高血清コレステロールレベルまたは胆汁酸除去の必要性の原因となる基礎状態を問わず、これらの患者に適用可能である。
【0089】
アミンポリマーは、1日に1回、2回または3回投与することができる。アミンポリマーを1日1回投与する場合、その日のうちで最も多量に食べる食事の直前、食中または直後にアミンポリマーを投与してよい。また1日1回投与する場合、胆嚢からの胆汁酸放出が24時間の間で平均して最も多いとき(通常は午前中)に関連させてアミンポリマーを投与してもよい。さらに、アミンポリマーとの有害な相互作用を有し得る任意の薬剤の少なくとも3時間前または後にアミンポリマーを投与することが好ましい。
【0090】
本発明の併用療法および医薬組成物による、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、アルツハイマー病、非アルコール性脂肪性肝炎、胆汁うっ滞性そう痒症、IBS−D、特発性胆汁酸吸収不良の治療または血漿コレステロールの低下のための投与計画は、各種因子を用いて選択することができる。このような因子としては、患者のタイプ、年齢、体重、性別、食事および医学的状態、疾患の重症度、投与経路、使用する特定化合物の活性、効力、薬物動態および毒物学プロファイルのような薬理学的考慮事項、薬物送達システムを用いるか否か、ならびにアミンポリマーを配合剤の一部として投与するか否かが挙げられる。したがって、実際に使用する投与計画は大きく異なり得る。
【0091】
高コレステロール血症および/またはアテローム性動脈硬化症のような高脂血症状態に罹患している患者の初回治療は、上で述べた用量で始めることができる。一般に、状態が制御または除去されるまで、必要に応じて数週間から数か月または数年にわたって治療を継続するべきである。本明細書に開示されるアミンポリマーによる治療を受けている患者を、例えば、当該技術分野で公知の任意の方法で血清LDLおよび総コレステロールレベルを測定することにより定期的にモニターして、併用療法の有効性を判定することができる。このようなデータを繰り返し解析することにより、各タイプの薬剤が最適な有効量で任意の時点で投与されるように、また治療期間も決定することができるように、治療中に治療計画を修正することが可能になる。このようにして、最小量のアミンポリマー投与および任意選択での併用治療が行われ、また高コレステロール血症およびアテローム性動脈硬化症のような高脂血症状態を良好に治療するのに必要な長さだけ投与が継続されるように、治療期間中に治療計画/投与スケジュールを合理的に修正することができる。
【0092】
必要であれば、アミンポリマーまたは医薬組成物を他の治療剤と併用して投与してもよい。本発明の化合物と供投与することができる治療剤の選択は、部分的には治療される状態によって決まる。例えば、ヒドロキシメチル−グルタリル−補酵素A(HMG−CoA)還元酵素阻害剤、フィブラート、コレステロール吸収阻害剤、ナイアシン(すなわち、ニコチン酸またはそれらの誘導体)、フィトステロール、腸リパーゼ阻害剤、腸もしくは分泌ホスホリパーゼA2阻害剤、Apo−B100の合成もしくは正常な活性の阻害剤、ApoAの合成もしくは正常な活性のアゴニスト、またはコレステロールの吸収もしくは代謝を調節する任意の薬剤、またはそれらの組合せを含み、血清LDLコレステロールまたは非HDLコレステロールの低下に使用される薬剤を含めた各種薬剤をアミンポリマーと供投与することができる。いくつかの場合には、HMG−CoA還元酵素阻害剤は、スタチン、例えばアトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチンまたはそれらの組合せなどを含む。コレステロール吸収阻害剤はエゼチミブを含み得る。フィブラートは、ベンザフィブラート、シプロフィブラート、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、フェノフィブラートまたはそれらの組合せであり得る。腸リパーゼ阻害剤はオルリサタット(orlisatat)を含み得る。いくつかの場合には、アミンポリマーまたは医薬組成物を、HMG−CoA還元酵素阻害剤とナイアシン(例えば、ロバスタチンとナイアシン)、またはHMG−CoA還元酵素阻害剤とコレステロール吸収阻害剤(例えば、シンバスタチンとエゼチミブ)、またはHMG−CoA還元酵素阻害剤と腸リパーゼ阻害剤と併用して投与してもよい。
【0093】
別の例では、糖尿病、肥満症またはその他の脂質異常症の予防または治療で使用される薬剤、例えばスルホニル尿素、ビグアニジン、グリタゾン、チアゾリジンジオン、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)の活性化因子、α−グルコシダーゼ阻害剤、カリウムチャネルアンタゴニスト、アルドース還元酵素阻害剤、グルカゴンアンタゴニスト、レチノイドX受容体(RXR)アンタゴニスト、ファルネソイドX受容体(FXR)アゴニスト、FXRアンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、GLP−1類似体、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)阻害剤、アミリン、アミリン類似体、SGLT2阻害剤、インスリン、インスリン分泌促進物質、甲状腺ホルモン、甲状腺ホルモン類似体、αグルコシダーゼ阻害剤またはそれらの組合せなどを含めた他の薬剤をアミンポリマーと供投与することができる。ビグアニジンは、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミンまたはそれらの組合せであり得る。チアゾリジンジオンは、ピオグリタゾン、リボグリタゾン、ロシグリタゾン、トログリタゾンまたはそれらの組合せであり得る。スルホニル尿素は、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、トルブタミド、トラザミド、グリピジド、グリクラジド、グリベンクラミド、グリキドン、グリクロピラミド、グリメピリドまたはそれらの組合せであり得る。DPP−IV阻害剤は、アログリプチン、リナグリプチン、サクサグリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチンまたはそれらの組合せであり得る。GLP−1類似体は、エクセナチド、リラグルチド、アルビグルチドまたはそれらの組合せであり得る。αグルコシダーゼ阻害剤は、アカルボース、ミグリトールまたはボグリボースであり得る。
【0094】
脂質異常症という用語は、総血清コレステロール、LDL−コレステロール、非HDLコレステロール、HDLコレステロールまたはトリグリセリドの少なくとも1つが、米国コレステロール教育プログラムまたはその他の適当な組織により正常と見なされるものから逸脱していることを意味するものと解釈される。別の例では、抗血小板剤、β遮断剤、レニン−アンジオテンシン−アルドステロン系(RAAS)阻害剤、RAASモジュレーター(例えば、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、レニン阻害剤、アンジオテンシン受容体遮断剤、アルドステロンアンタゴニスト、またはアミロライド、トリアムテレン、トリメトプリムおよびペンタミジンを含めたナトリウムチャネル遮断剤)またはそれらの組合せを含めた他の薬剤をアミンポリマーと共投与することができる。
【0095】
またアミンポリマーを他のコレステロール低下剤、例えばアシフラン、アザコステロール、ベンフルオレックス、β−ベンザルブチルアミド、カルニチン、コンドロイチン硫酸、クロメストロン、デタキストラン、デキストラン硫酸ナトリウム、5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸、エリタデニン、フラザボール、メグルトール、メリナミド、ミタトリエンジオール、オルニチン、γ−オリザノール、パンテチン、ペンタエリスリトールテトラアセタート、α−フェニブチラミド(phenybutyramide)、プリオザジル(priozadil)、プロブコール、β−シトステロール、スルトシル酸、ピペラジン塩、チアデノール、トリパラノール、キセンブシンまたはそれらの組合せなどと共投与することもできる。
【0096】
アミンポリマーとの併用治療に使用することが有利であり得る他の薬剤は、スクアレンエポキシダーゼ阻害剤、スクアレンシンテターゼ阻害剤(またはスクアレン合成酵素阻害剤)、アシル−補酵素A、コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤(ACAT−1またはACAT−2の選択的阻害剤およびACAT−1とACAT−2の二重阻害剤を含む)、ミクロソームトリグリセリド輸送タンパク質(MTP)阻害剤、プロブコール、コレステロール吸収阻害剤(例えば、エゼチミブ、および米国特許第5,727,115号および同第5,846,966号に記載されている1−(4−フルオロフェニル)−3(R)−3(S)−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル)、4(S)−4−ヒドロキシフェノール(−2−アゼチジノン))、LDL受容体誘導剤、血小板凝集阻害剤(例えば、糖タンパク質IIb/IIaフィブリノーゲン受容体アンタゴニスト)、アスピリン、ビタミンB6(またはピリドキシン)、ビタミンB12(またはシアノコバラミン)、葉酸の水溶性薬学的塩もしくはエステル(例えば、ナトリウム塩およびメチルグルカミン塩)、抗酸化ビタミン(例えば、ビタミンCおよびE、ならびにβ−カロテン)またはそれらの組合せである。
【0097】
本明細書で使用される「治療する」という用語は、治療効果を得ることを包含する。治療効果は、治療される基礎疾患の根絶、改善または予防を意味する。例えば、高コレステロール血症患者において、治療効果は基礎となる高コレステロール血症の根絶または改善を包含する。また治療効果は、患者がまだ基礎疾患に罹患している可能性があるにもかかわらず、患者において改善が見られるように、基礎疾患に関連した1つ以上の生理的症状を根絶、改善または予防することにより得られる。いくつかの治療計画では、高コレステロール血症または糖尿病の診断が下されていなくても、高コレステロール血症もしくは糖尿病を発症する危険性のある患者、または高コレステロール血症もしくは糖尿病の1つ以上の生理的症状を訴える患者に本発明のアミンポリマーまたは組成物を投与してもよい。
【0098】
本発明の医薬組成物は、アミンポリマーが有効量、すなわち治療的または予防的効果を得るのに有効な量で存在する組成物を包含する。特定の適用に有効な実際の量は、患者(例えば、年齢、体重など)、治療される状態および投与経路によって決まる。有効量の決定は、特に本明細書の開示を踏まえれば、十分に当業者の能力の範囲内にある。ヒトでの使用のための有効量は、動物モデルから算定され得る。例えば、ヒトでの用量を定式化して、動物において有効であることがわかっている胃腸管内濃度を得ることができる。各種実施形態では、ヒト患者は、1日当たり約0.5g〜約10g、好ましくは1日当たり約0.5g〜約5g、より好ましくは1日当たり約0.5g〜約3g、1日当たり約0.5g〜約2.5g、最も好ましくは1日当たり約0.5g〜約2.0gを摂取する。
【0099】
本明細書に記載のポリマーおよび組成物を食品および/または食品添加物として使用することができる。本明細書に記載のポリマーおよび組成物を摂取前または包装時に食品に添加することができる。
【0100】
多種多様な投与経路および様式を用いて、本明細書に記載のアミンポリマーもしくはその薬学的に許容される塩、または組成物を患者に送達することができる。最も好ましい投与経路は、経口、経腸または経直腸である。経直腸投与経路は当業者に公知である。経腸投与経路は一般に、胃腸管内のある部分に、例えば胃腸管チューブまたはストーマから、直接投与することを指す。最も好ましい投与経路は経口である。
【0101】
ポリマー(またはその薬学的に許容される塩)を、それ自体で、または活性化合物(1つまたは複数)が1つ以上の薬学的に許容される添加剤と混和または混合されている医薬組成物の形態で投与してもよい。本発明に従って使用する医薬組成物を、活性化合物の製剤への加工を容易にする生理的に使用可能な担体、希釈剤および補助剤を含む1つ以上の薬学的に許容される添加剤を用いて、従来の方法で製剤化してもよい。適切な組成物は選択する投与経路によって異なる。
【0102】
経口投与用には、本発明のポリマーまたは組成物を当該技術分野で公知の薬学的に許容される添加剤と組み合わせることにより、本発明のポリマーまたは組成物を容易に製剤化することができる。このような添加剤により、本発明の組成物を、治療される患者が経口摂取するための粉末剤、錠剤、丸剤、糖衣錠剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤、カシェ剤などとして製剤化することが可能となる。必要に応じて適当な補助剤を加えた後、得られた混合物を任意に粉砕して顆粒の混合物を加工し、錠剤または糖衣錠剤コアを得ることで、経口使用のための医薬製剤を固体添加剤として得ることができる。適当な添加剤は、具体的には、ラクトースまたはスクロースを含めた糖のような賦形剤;セルロース調製物、例えばトウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、バレイショデンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドン(PVP)など;ならびに当該技術分野で公知の各種着香剤である。必要に応じて崩壊剤、例えば架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはその塩(アルギン酸ナトリウムなど)などを添加してもよい。
【0103】
さらに、アミンポリマー組成物は、ビタミンA、D、E、Kまたはそれらの組合せのような脂溶性ビタミンを1つ以上含み得る。ほぼ1日の食事による摂取レベル(すなわち、推奨1日摂取量(RDI))を送達するのに十分な量の脂溶性ビタミンを組成物に添加することができ、この量は現在のところ、ビタミンA、D、EおよびKがそれぞれ3000IU、400IU、30IU、80μgである。
【0104】
各種実施形態では、有効成分(例えば、ポリマー)が経口剤形の約20重量%超、より具体的には約50重量%超、さらにより具体的には約75重量%超、最も具体的には約90重量%超を構成し、残りは適当な添加剤(1つまたは複数)を含む。
【0105】
アミンポリマーまたは医薬組成物を、チュアブルもしくは口腔内崩壊錠、液体、粉末、小袋内に含まれる粉末、軟ゼラチンカプセルまたは硬ゼラチンカプセルの形態で投与することができる。いくつかの実施形態では、本発明のポリマーを液体組成物形態の医薬組成物として提供する。各種実施形態では、医薬組成物は、適当な液体添加剤中に分散させたアミンポリマーを含有する。適当な液体添加剤は当該技術分野で公知であり、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciencesを参照されたい。
【0106】
有効量の本発明のポリマーを、1日4錠未満のように1日4単位用量未満で動物対象に投与することができる。「投与単位」または「単位用量」とは、一定量のアミンポリマーを含有する錠剤、カプセルまたはその他の経口剤形のことである。ポリマーは一般に、24時間の間に4、3、2または1単位用量で投与され、これにより治療中の対象への1日用量のポリマーが提供される。
【0107】
別途明記されない限り、本明細書において単独でまたは別の基の一部として記載されている「アルキル」基とは、1〜20個の炭素原子、好ましくは1〜12個の炭素原子を含む、任意に置換された直鎖状の飽和一価炭化水素ラジカル、または3〜20個の炭素原子、好ましくは3〜8個の炭素原子を含む、任意に置換された分岐状の飽和一価炭化水素ラジカルのことである。非置換アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、s−ペンチル、t−ペンチルなどが挙げられる。
【0108】
本明細書で使用される「アミド」という用語は、二価(すなわち、二官能性)のアミド結合(すなわち、
【化26】

)を表す。
【0109】
本明細書において単独でまたは別の基の一部として使用される「アリール」という用語は、環部分に6〜12個の炭素を含む、任意に置換された一価芳香族炭化水素ラジカル、好ましくは一価単環式または二環式基、例えばフェニル、ビフェニル、ナフチル、置換フェニル、置換ビフェニルまたは置換ナフチルなどを表す。フェニルおよび置換フェニルがより好適なアリール基である。また「アリール」という用語はヘテロアリールも包含する。
【0110】
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、1つの環に3個〜8個の炭素原子を、また複数の環群に20個以下の炭素原子を含む、任意に置換された環状の飽和一価架橋または非架橋炭化水素ラジカルを表す。非置換シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、アダマンチル、ノルボルニルなどが挙げられる。
【0111】
別の基の一部として接尾語として使用される「−エン」という用語は、基の2つの各末端炭素から、または基が環状の場合は環内の2つの異なる各炭素原子から水素原子が除去された、二価ラジカルを表す。例えば、アルキレンは、メチレン(−CH−)またはエチレン(−CHCH−)のような二価アルキル基を、またアリーレンは、o−フェニレン、m−フェニレンまたはp−フェニレンのような二価アリール基を表す。
【0112】
本明細書で使用される「エーテル」という用語は、二価(すなわち、二官能性)のエーテル結合(すなわち、−O−)を表す。
【0113】
本明細書で使用される「エステル」という用語は、二価(すなわち、二官能性)のエステル結合(すなわち、−C(O)O−)を表す。
【0114】
本明細書において単独でまたは別の基の一部として使用される「ヘテロアリール」という用語は、5〜10個の環原子からなり、1個以上、好ましくは1個、2個または3個の環原子が、N、OおよびSから独立して選択されるヘテロ原子であり、かつ残りの環原子が炭素である、プロトン化または非プロトン化形態の任意に置換された一価の単環式または二環式芳香族ラジカルを表す。ヘテロアリール部分の例としては、ベンゾフラニル、ベンゾ[d]チアゾリル、ベンゾ[d]チアゾリウム、イソキノリニル、イソキノリニウム、キノリニル、キノリニウム、チオフェニル、イミダゾリル、イミダゾリウム、オキサゾリル、オキサゾリウム、フラニル、チアゾリル、チアゾリウム、ピリジニル、ピリジニウム、フリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、ピロリジニウム、インドリル、インドリニウムなどが挙げられる。
【0115】
本明細書において単独でまたは別の基の一部として使用される「ヘテロシクロ」という用語は、4〜8個の環原子からなり、1個または2個の環原子が、N、OおよびSから独立して選択されるヘテロ原子(1つまたは複数)であり、かつ残りの環原子が炭素である、プロトン化または非プロトン化形態の飽和または不飽和一価単環式基を表す。さらに、ヘテロシクロ全体が完全に芳香族でなければ、ヘテロシクロはフェニルまたはヘテロアリール環と縮合し得る。ヘテロシクロ基の例としては、上記のヘテロアリール基、ピロリジノ、ピロリジニウム、ピペリジノ、ピペリジニウム、モルホリノ、モルホリニウム、ピペラジノ、ピペラジニウムなどが挙げられる。
【0116】
本明細書で使用される「炭化水素」という用語は、炭素と水素の元素のみで構成されている化合物またはラジカルを表す。
【0117】
「置換(された)アリール」、「置換(された)アルキル」などとして使用される「置換(された)」という用語は、問題となっている基(すなわち、この用語の後に付くアルキル、アリールまたはその他の基)において、炭素原子と結合している少なくとも1つの水素原子が、1つ以上の置換基、例えばヒドロキシ(−OH)、アルキルチオ、ホスフィノ、アミド(−CON(R)(R)、(式中、RおよびRは独立して水素、アルキルまたはアリールである)、アミノ(−N(R)(R)、式中、RおよびRは独立して水素、アルキルまたはアリールである)、ハロ(フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、シリル、ニトロ(−NO)、エーテル(−OR、式中、Rはアルキルまたはアリールである)、エステル(−OC(O)R、式中、Rはアルキルまたはアリールである)、ケト(−C(O)R、式中、Rはアルキルまたはアリールである)、ヘテロシクロなどに置き換わっていることを意味する。可能な置換基のリストの前に「置換(された)」という用語を置く場合、この用語はそのグループのすべての構成要素に適用されるものとする。つまり、「任意に置換されたアルキルまたはアリール」という語句は「任意に置換されたアルキルまたは任意に置換されたアリール」と解釈されるものとする。
【0118】
本明細書で使用される、アミンモノマー中の「可能な反応部位」とは、1つ以上の水素原子と結合した窒素原子のことである。
【0119】
本発明を詳細に記載してきたが、添付の特許請求の範囲において規定される本発明の範囲を逸脱することなく、修正および変更が可能であるということは明らかであろう。
【実施例】
【0120】
以下に非限定的な例を記載して本発明をさらに説明する。下の例で詳述するin vitroおよびin vivo試験では、以下に述べるアッセイを使用した。
【0121】
プロトコル1:小腸下部を模倣した条件(アッセイA)
小腸下部で見られる条件を模倣した条件においてアミンポリマーを測定した(Northfield,TCおよびMcColl,I(1973)“Postprandial concentrations of free and conjugated bile salts down the length of the normal human small intestine”,Gut 14:513−518,Borgstrom,Bら(1957)“Studies of intestinal digestion and absorption in the human”,J Clin Invest 36:1521−1536.)。
【0122】
以下のような試験溶液を調製した:50mMのN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、50mMナトリウムBES、6.5mMリン酸ナトリウム、0.93mMグリココール酸ナトリウム、0.93mMグリコデオキシコール酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、pH7.0。試験溶液を−20℃で保管した。使用前に試験溶液を37℃の水浴中で、攪拌プレート上で20分よりも長く激しくはくして解凍し、Nalgene 0.45ミクロン硝酸セルロースフィルターユニットでろ過した。これにより再現性のある結果が得られることがわかった。解析するアミンポリマーを最低18時間凍結乾燥させ、16×100mmのホウケイ酸試験管に正確に分注して、各試験管が23〜28mgの試験試料を含むようにした。正確な重量を記録し、10mlの使い捨てピペットを用いて、上記溶液をポリマー濃度が2.5mg/mlになるように加えた。試験管をテフロン(登録商標)シートで覆い、留め具で固定して、大気チャンバ内で3時間、37℃で回転させた(1分間に30〜40回転)。ポリマーを500×gで10分間の遠心分離により回収し、上清を採取して、1000×gで10分間の遠心分離により96ウェルの0.45ミクロンWhatman Unifilter800でろ過して、残りのあらゆる粒子を除去した。ろ液を、ゴム製セプタムを備えたガラス製ICバイアルまたは96ウェルのポリプロピレン製ディープウェル試料プレートのどちらかに移した。
【0123】
ろ液中のグリココール酸(GC)およびグリコデオキシコール酸(GDC)の濃度を決定するために、Phenomenex Luna C8(2)カラム(100Å、5μm、50×2.00mm)とUV検出器とを備えたHPLCシステムに50μLの試料溶液を注入した。水、25mMリン酸緩衝液(pH=3)およびアセトニトリルの勾配を用いて、流速0.4mL/分で試料を解析した。波長205nmでのGCおよびGDCのシグナルをUV検出器から検出した。異なる濃度のGCおよびGDC標準品からなる検量溶液も同じHPLCシステムに注入した。次いで、ピーク面積対濃度をプロットして各成分の検量曲線を作成した。試料で見られたGCおよびGDCのピーク面積、ならびに対応する検量曲線に基づき、試料中の各成分の濃度をmMで算出した。
【0124】
ポリマー存在下でのグリココール酸(GCeq)およびグリコデオキシコール酸(GDCeq)の平衡濃度を、ポリマー非存在下での試験溶液中のその濃度と比較することにより、これらの実験条件下で結合した各成分の量をmmol/gポリマーで算出した。
【0125】
いくつかの場合には、カラムオーブン内に取り付けられた6カラム切替えバルブとDionex Conductivity Detector CD25(DS3フローセルおよびASRS Ultra11 4mm Suppressorを備える)とを備えたWaters Alliance 2795 Separation Moduleを用いて、20ulのろ液を強陰イオン交換カラム(Dionex AG11−HC 50×4mm IDおよびDionex AS11−HC 250×4mm ID)に注入してリン酸塩の濃度も決定した。移動相は流速が1ml/分の30mM KOH緩衝液であり、1試料当たりの実行時間は15分であった。異なる濃度のリン酸塩標準品も同じシステムに注入し、次いで、ピーク面積対濃度をプロットして検量曲線を作成した。試料で見られたピーク面積および対応する検量曲線に基づき、試料中のリン酸塩の濃度をmMで算出した。
【0126】
ポリマー存在下でのリン酸塩の平衡濃度(Peq)を、ポリマー非存在下での試験溶液中でのその濃度と比較することにより、これらの実験条件下で結合したリン酸塩の量をmmol/gポリマーで算出した。
【0127】
プロトコル2:小腸上部を模倣した条件(アッセイB)
食後の小腸上部で見られる条件を模倣した条件においてもアミンポリマーを測定した(Fordtran,JSおよびLocklear,TW(1966)“Ionic constituents and osmolality of gastric and small−intestinal fluids after eating”,Am J Dig Dis 11:503−521;Northfield,TCおよびMcColl,I(1973)“Postprandial concentrations of free and conjugated bile salts down the length of the normal human small intestine”,Gut 14:513−518;Evans,DFら(1988)“Measurement of gastrointestinal pH profiles in normal ambulant human subjects”,Gut 29:1035−1041)。上のプロトコル1に記載されている方法で、試験ポリマーの胆汁酸塩結合能を2.5mg/mlのポリマー濃度で評価した。ただし、試験溶液は以下のものを使用した:50mMのN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、50mMナトリウムBES、6.5mMリン酸ナトリウム、4.6mMグリココール酸ナトリウム、4.6mMグリコデオキシコール酸ナトリウム、1.2mMオレイルグリセロール、9mMオレイン酸、150mM塩化ナトリウム、pH7.0。凍結乾燥させたポリマーを16×100mmのホウケイ酸試験管に正確に分注して、各試験管が28〜33mgの試験試料を含むようにした。特定の場合には、ポリマーの濃度を2.5mg/ml〜1mg/mlに調節した。それ以外は、解析に供したろ液をガラス製ICバイアルのみに分注したことを除いて、上のプロトコル1に記載されているものと同じ手順であった。
【0128】
ろ液試料中のグリココール酸(GC)、グリコデオキシコール酸(GDC)、オレイルグリセロール(OG)およびオレイン酸(OA)の濃度を決定するために、Phenomenex Luna C8(2)カラム(100Å、5μm、50×2.00mm)とUV検出器とを備えたHPLCシステムに20μLを注入した。水、25mMリン酸緩衝液(pH=3)およびアセトニトリルの勾配を用いて、流速0.4mL/分で試料を解析した。波長205nmでのGC、GDC、OGおよびOAのシグナルをUV検出器から検出した。異なる濃度のGC、GDC、OGおよびOA標準品からなる検量溶液も同じHPLCシステムに注入した。次いで、ピーク面積対濃度をプロットして各成分の検量曲線を作成した。試料で見られたGC、GDC、OGまたはOAのピーク面積、ならびに対応する検量曲線に基づき、試料中の各成分の濃度をmMで算出した。
【0129】
ポリマー存在下でのグリココール酸(GCeq)、グリコデオキシコール酸(GDCeq)、オレイルグリセロール(OGeq)および/またはオレイン酸(OAeq)の平衡濃度(Peq)を、ポリマー非存在下での試験溶液中でのその濃度と比較することにより、これらの実験条件下で結合した各成分の量をmmol/gポリマーで算出した。
【0130】
ハムスターモデル
in vivoデータを収集するために、雄性Golden Syrianハムスター(8〜9週齢)をCharles River Laboratories(Wilmington、MA)から入手した。到着時はハムスターをげっ歯類用飼料Teklad 2018(Madison、WI)で飼育した。実験期間中は食餌および水を自由摂取させた。ハムスターを少なくとも7日間順化させてから、体重によってそれぞれ少なくとも5個体からなる群に無作為化した。次いで、すべての個体を高脂肪、高ショ糖の西洋型食餌D12079B(Research Diet、New Brunswick、NJ)で3日間飼育した後に、実験を開始した。アミンポリマーを0.5%の用量で西洋型食餌に配合して、試験食餌を調製した。実験を開始するために、全ハムスターを糞便の分離/収集が可能な個別の代謝ケージに移した。試験群の個体では試験食餌に切り替え、未処置群の個体ではアミンポリマーを添加しない西洋型食餌を与え続けた。摂餌量を次の4日間連続で測定した。各ハムスターから処置期間の最後の3日間の糞便を収集してプールし、凍結乾燥させてから、乳鉢と乳棒ですりつぶしてホモジナイズした。次いで、糞便の胆汁酸塩解析用に糞便試料の抽出を行った。
【0131】
いくつかの場合には、全群の個体を上記の代謝ケージに入れて、被検物質を添加しない西洋型食餌のみを与える、ベースライン処置期間を設けた。上記のように糞便を収集し、ベースライン期間と処置期間を比較することにより、胆汁酸塩の糞便中排泄に対するアミンポリマーの効果を判定した。それ以外に、未処置群と試験群を比較することにより、胆汁酸塩の糞便中排泄に対するアミンポリマーの効果を判定した。
【0132】
Porterらにより報告されている手順(Porter,JL.ら,2003.Accurate enzymatic measurement of fecal bile salts in patients with malabsorption.J Lab Clin Med.141:411−8)を改変したものを用いて、ハムスター糞便中の胆汁酸塩を解析した。抽出ごとに、一定分量100mgの乾燥糞便を16×100mmのPyrex(登録商標)試験管に量り取った。次いで、0.7N NaOHを含むエチレングリコール1mlを加えた。ガラス玉で試験管にふたをして、190〜200℃で2時間加熱した。冷却後、1mlの20%NaClと0.2mlの6N HClを加えた。短時間の攪拌後、ジエチルエーテル6mlを加えた。試験管にふたをして5分間ボルテックスし、次いで1,000×gで5分間、遠心分離した。ジエチルエーテル相を20mlのガラス製バイアルに移した。ジエチルエーテル6mlでさらに2回の抽出を行い、抽出物をプールした。気流下でエーテルを完全に蒸発させた。次いで残留物をメタノール3mlに溶解させ、LC−MSにより胆汁酸塩(コール酸、3−OH−12オキソ−コラン酸、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸およびリトコール酸)を定量化した。
【0133】
実施例1:ジブロモオクタン、ジブロモデカンおよびジブロモドデカンを用いたアミノプロピルイミダゾール(API)ポリマー
並列合成法を用いてイミダゾール架橋物質の合成を行った。イミダゾールモノマーを40mLのガラス製バイアルに分注した。各バイアルに、式X−R−X(式中、Xはブロモであり、Rは下表に挙げたものである)の架橋モノマー(1,10−ジブロモデカンおよび1,12−ジブロモドデカンの場合はN,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)中40重量%、ジブロモオクタンの場合はそのまま)の溶液、溶媒およびNaCOを加えた。バイアルにふたをして、70℃で17時間加熱した。ほとんどのバイアルが固体のポリマープラグを含んでいた。ポリマーを水中で洗浄し、次いでメタノール中で膨潤させて粉砕し、メタノール中(2回)で洗浄し、塩酸水溶液(0.5M)、水(1回)、水酸化ナトリウム(0.01M、3回)、水(2回)で洗浄して、乾くまで凍結乾燥させた。
【0134】
【表2】

【0135】
得られた各ポリマーの胆汁酸との結合能、結合親和性および結合保持を、アッセイA、アッセイBおよびハムスターモデルにより判定した。その結果を下の表に報告する。
【0136】
【表3】

全測定の%として表した糞便中の一次(1)胆汁酸%:すなわち、
(コール酸+ケノデオキシコール酸)×100/(コール酸+ケノデオキシコール酸+3−OH−12オキソ−コラン酸+デオキシコール酸+リトコール酸)
【0137】
実施例2:ジブロモプロパンを用いたアミノプロピルイミダゾール(API)ポリマー―比較物質
並列合成法を用いてイミダゾール架橋物質の合成を行った。イミダゾールモノマーを40mLのガラス製バイアルに分注した。ジブロモプロパンおよびNaCOをバイアルに加えた。バイアルにふたをして、70℃で17時間加熱した。バイアルは固体のポリマープラグを含んでいた。ポリマーを水中で洗浄し、次いでメタノール中で膨潤させて粉砕し、メタノール中(2回)で洗浄し、塩酸水溶液(0.5M)、水(1回)、水酸化ナトリウム(0.01M、3回)、水(2回)で洗浄して、乾くまで凍結乾燥させた。
【0138】
【表4】

【0139】
得られた各ポリマーの胆汁酸との結合能、結合親和性および結合保持を、アッセイA、アッセイBおよびハムスターモデルにより判定した。その結果を下の表に報告する。
【0140】
【表5】

全測定の%として表した糞便中の一次胆汁酸%:すなわち、
(コール酸+ケノデオキシコール酸)×100/(コール酸+ケノデオキシコール酸+3−OH−12オキソ−コラン酸+デオキシコール酸+リトコール酸)
【0141】
実施例3:ジクロロキシレンを用いたアミノプロピルイミダゾール(API)ポリマー
液体と粉末の分注能を有する分注ロボットを用いて、イミダゾール架橋物質の合成を行った。イミダゾールモノマーを8mLのガラス製バイアルに分注した。ジクロロキシレン、溶媒およびNaCOを下表に示す量で各バイアルに加えた。バイアルにふたをして、70℃で17時間加熱した。ほとんどのバイアルが固体のポリマープラグを含んでいた。ポリマーを水中で洗浄し、次いでメタノール中で膨潤させて粉砕し、メタノール中(2回)で洗浄し、塩酸水溶液(0.5M)、水(1回)、水酸化ナトリウム(0.01M、3回)、水(2回)で洗浄して、乾くまで凍結乾燥させた。
【0142】
【表6】

【0143】
得られた各ポリマーの胆汁酸との結合能、結合親和性および結合保持を、アッセイA、アッセイBおよびハムスターモデルにより判定した。その結果を下の表に報告する。
【0144】
【表7】

【0145】
実施例4:エピクロロヒドリン(ECH)を用いたアミノプロピルイミダゾール(API)ポリマー―比較物質
液体と粉末の分注能を有する分注ロボットを用いて、イミダゾール架橋物質の合成を行った。イミダゾールモノマーを40mLのガラス製バイアルに分注した。バイアルにエピクロロヒドリン(ECH)および水を加えた。バイアルにふたをして、70℃で17時間加熱した。ほとんどのバイアルが固体のポリマープラグを含んでいた。ポリマーをメタノール中で膨潤させて粉砕し、メタノール中(2回)で洗浄し、塩酸水溶液(1M)、水(3回)で洗浄して、乾くまで凍結乾燥させた。
【0146】
【表8】

【0147】
得られた各ポリマーの胆汁酸との結合能、結合親和性および結合保持を、アッセイA、アッセイBおよびハムスターモデルにより判定した。その結果を下の表に報告する。
【0148】
【表9】

全測定の%として表した糞便中の一次胆汁酸%:すなわち、
(コール酸+ケノデオキシコール酸)×100/(コール酸+ケノデオキシコール酸+3−OH−12オキソ−コラン酸+デオキシコール酸+リトコール酸)
【0149】
実施例5:ジエポキシド架橋剤を用いたアミノプロピルイミダゾール(API)ポリマー
液体と粉末の分注能を有する分注ロボットを用いて、イミダゾール架橋物質の合成を行った。イミダゾールモノマーを40mLのガラス製バイアルに分注した。ジエポキシド架橋モノマー、および使用する場合は溶媒を、下表に示す量で各バイアルに加えた。バイアルにふたをして、70℃で17時間加熱した。ほとんどのバイアルが固体のポリマープラグを含んでいた。ポリマーをメタノール中で膨潤させて粉砕し、メタノール中(2回)で洗浄し、塩酸水溶液(試料2−A3およびA4では0.5M、試料4−B5およびB6では1M)、水(1回)、水酸化ナトリウム(0.01M、3回―試料2−A3およびA4の場合のみ)、水(2回)で洗浄して、乾くまで凍結乾燥させた。
【0150】
【表10】

【0151】
得られた各ポリマーの胆汁酸との結合能、結合親和性および結合保持を、アッセイA、アッセイBおよびハムスターモデルにより判定した。その結果を下の表に報告する。
【0152】
【表11】

【0153】
実施例6:トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(TTE)を用いたアミノプロピルイミダゾール(API)ポリマー
液体と粉末の分注能を有する分注ロボットを用いて、イミダゾール架橋物質の合成を行った。イミダゾールモノマーを8mLのガラス製バイアルに分注した。各バイアルにトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(TTE)およびN,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)を下表に示す量で加えた。バイアルにふたをして、70℃で17時間加熱した。ほとんどのバイアルが固体のポリマープラグを含んでいた。ポリマーをメタノール中で膨潤させて粉砕し、メタノール中(2回)で洗浄し、塩酸水溶液(1M)、水(3回)で洗浄して、乾くまで凍結乾燥させた。
【0154】
【表12】

【0155】
得られた各ポリマーの胆汁酸との結合能、結合親和性および結合保持を、アッセイA、アッセイBおよびハムスターモデルにより判定した。その結果を下の表に報告する。
【0156】
【表13】

【0157】
実施例7:ジアミノドデカン(DADD)を用いたジヨードプロピルイミダゾリウム
液体と粉末の分注能を有する分注ロボットを用いて、イミダゾール架橋物質の合成を行った。イミダゾールモノマーを40mLのガラス製バイアルに分注した。各バイアルにジアミノドデカン(DADD)および溶媒および炭酸カリウムを下表に示す量で加えた。バイアルにふたをして、70℃で17時間加熱した。ほとんどのバイアルが固体のポリマープラグを含んでいた。ポリマーを水中で洗浄し、次いでDMF中で膨潤させて粉砕し、DMF中(2回)で洗浄し、水中(1回)で洗浄し、塩酸水溶液(0.5M)、水(1回)、炭酸ナトリウム水溶液(飽和、2回)、水(3回)で洗浄して、乾くまで凍結乾燥させた。
【0158】
【表14】

【0159】
得られた各ポリマーの胆汁酸との結合能、結合親和性および結合保持を、アッセイA、アッセイBおよびハムスターモデルにより判定した。その結果を下の表に報告する。
【0160】
【表15】

全測定の%として表した糞便中の一次胆汁酸%:すなわち、
(コール酸+ケノデオキシコール酸)×100/(コール酸+ケノデオキシコール酸+3−OH−12オキソ−コラン酸+デオキシコール酸+リトコール酸)
【0161】
実施例8:ジアミノシクロヘキシルメタンとジヨードプロピルイミダゾリウムのポリマーの合成
ジアミノシクロヘキシルメタンをN−メチルピロリドン(NMP)に溶かした50重量%溶液および炭酸ナトリウムを40mLのバイアルに加えた。混合物を室温で10分間攪拌し、次いで、ジヨードプロピルイミダゾリウム架橋剤をNMPに溶かした40重量%溶液を加えた。混合物を80℃で加熱しながら、500RPMで18時間攪拌した。得られたゲルをメタノール中で粉砕し、メタノール(2×)、0.5M HCl、水、飽和NaHCO、1M NaCl(2×)、そして水(2×)で洗浄した。
【0162】
【表16】

【0163】
得られた各ポリマーの胆汁酸との結合親和性および結合能を、アッセイAおよびアッセイBにより決定した。in vivoハムスターモデルでは、糞便の胆汁酸を測定し、胆汁酸結合1グラム当たりのポリマーの保持の尺度として使用した。その結果を下の表に報告する。
【0164】
【表17】

全測定の%として表した糞便中の一次胆汁酸%:すなわち、
(コール酸+ケノデオキシコール酸)×100/(コール酸+ケノデオキシコール酸+3−OH−12オキソ−コラン酸+デオキシコール酸+リトコール酸)
【0165】
実施例9:ジブロモデカン(DBD)を用いた2−(2−メチルイミダゾリル)エチルアミン・二塩酸塩(MIEA)
液体と粉末の分注能を有する分注ロボットを用いて、イミダゾール架橋物質の合成を行った。イミダゾールモノマーを8mLのガラス製バイアルに分注した。各バイアルにジブロモデカン(DBD)および溶媒および炭酸ナトリウムを下表に示す量で加えた。バイアルにふたをして、70℃で17時間加熱した。ほとんどのバイアルが固体のポリマープラグを含んでいた。ポリマーをメタノール中で膨潤させて粉砕し、メタノール中(2回)で洗浄し、塩酸水溶液(0.5M)、水(3回)で洗浄して、乾くまで凍結乾燥させた。
【0166】
【表18】

【0167】
得られた各ポリマーの胆汁酸との結合能、結合親和性および結合保持を、アッセイA、アッセイBおよびハムスターモデルにより判定した。その結果を下の表に報告する。
【0168】
【表19】

【0169】
実施例10:エピクロロヒドリン(ECH)を用いたヒスタミン
液体と粉末の分注能を有する分注ロボットを用いて、イミダゾール架橋物質の合成を行った。イミダゾールモノマーを8mLのガラス製バイアルに分注した。各バイアルにエピクロロヒドリン(ECH)および溶媒および炭酸ナトリウムを下表に示す量で加えた。バイアルにふたをして、70℃で17時間加熱した。ほとんどのバイアルが固体のポリマープラグを含んでいた。ポリマーをメタノール中で膨潤させて粉砕し、メタノール中(2回)で洗浄し、塩酸水溶液(0.5M)、水(3回)で洗浄して、乾くまで凍結乾燥させた。
【0170】
【表20】

【0171】
得られた各ポリマーの胆汁酸との結合能、結合親和性および結合保持を、アッセイA、アッセイBおよびハムスターモデルにより判定した。その結果を下の表に報告する。
【0172】
【表21】

【0173】
実施例11:ベンジルオキシカルボニル保護アミノプロピルイミダゾール(CBz−API)の調製
【化27】

乾いた1Lの丸底フラスコにマグネティックスターラー、添加漏斗および窒素パージを備え付けた。フラスコを窒素でパージし、アミノプロピルイミダゾール(11.0g、88.8mmol)、トリエチルアミン(11.6g、0.106mol)およびジクロロメタン(500mL)を加えた。内容物を0℃まで冷却し、クロロギ酸ベンジル(18.2g、0.106mol)を10分間にわたって滴加した。反応物を攪拌して、室温以下まで一晩温めた。反応物を分液漏斗に移し、有機層を100mLの0.2M塩酸で1回、次いで100mLの水で連続4回抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、回転蒸発により濃縮して、収量25.61gの黄色の液体を得た。
【0174】
実施例12:ビス−C3−ベンジルオキシカルボニル(CBz)−C12−ビスイミダゾリウムの調製
【化28】

乾いた250mLの丸底フラスコにマグネティックスターラー、還流冷却器および窒素パージを備え付けた。フラスコを窒素でパージし、CBZ−API(23.5g、90.6mmol)、次いで無水アセトン(50mL)を加えた。内容物を室温で5分間、完全に溶解するまで攪拌した。1,12−ジブロモドデカン(11.9g、36.3mmol)を加え、フラスコを密閉して、65℃で24時間加熱した。反応物を室温まで冷却させ、反応物の最上相をデカント除去して棄てた。残った粘稠性の液体をエタノール(20mL)で希釈し、高速で攪拌されているテトラヒドロフラン(THF)にピペットで加えた。THFをデカント除去し、粘稠性のゲルを真空乾燥させた。収量は19.1gであった。
【0175】
実施例13:ビス−C3−ジアミノ−C12−ビスイミダゾリウムの調製
【化29】

乾いた250mlの丸底フラスコにマグネティックスターラーを備え付け、ビス−C3−ジアミノ−C12−ビスイミダゾリウム(40.33g、69.6mmol)、次いでエタノール(175mL)を加えた。内容物を室温で20分間攪拌して完全に溶解させた。5%のPd/C触媒を加え(10.0g)、反応フラスコをセプタムで密閉し、水素ガス(20L)を24時間にわたって溶液中にパージした。反応終了後、真空下でエタノールを除去して、遊離のアミンビスイミダゾリウム(27.3g)を得た。
【0176】
実施例14:C12−ビスイミダゾール核の調製
【化30】

乾いた500mLの三口シュレンク(Schlenk)フラスコにマグネティックスターラーおよび還流冷却器を備え付けた。フラスコを窒素でパージし、イミダゾールナトリウム(25.0g、0.278mol)、硫酸水素アンモニウム(2.5g、7.36mmol)および無水THF(300mL)を加えた。。内容物を不活性雰囲気下、室温で合計20分間攪拌した。1,12−ジブロモドデカン(20g、61.9mmol)を窒素流下、フラスコ上部から10分間にわたって滴加した。添加後、反応物を過熱して環流し、内容物を20時間攪拌した。反応物を室温まで冷却させ、次いでブフナー(Buchner)漏斗でろ過した。ろ液を真空下で濃縮し、300mLのDCMに再溶解させた。有機層を4×100mLの水で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。収率は95%であった。
【0177】
実施例15:C4−ジニトリル−C12−ビスイミダゾリウムモノマーの調製
【化31】

乾いた250mLの丸底フラスコにマグネティックスターラー、還流冷却器および窒素パージを備え付けた。フラスコを窒素でパージし、C12−ビスイミダゾール核(10.0g、33.1mmol)、次いで無水アセトン(70mL)を加えた。内容物を室温で5分間、完全に溶解するまで攪拌した。ブロモ−ブチロニトリル(12.25g、82.8mmol)を加え、フラスコを密閉して、24時間還流した。反応物を室温まで冷却させ、反応物の最上相をデカント除去して棄てた。残った粘稠性の液体をエタノール(20mL)で希釈し、高速で攪拌されているTHFにピペットで加えた。THFをデカント除去し、粘稠性のゲルを真空乾燥させた。収量は19.1gであった。
【0178】
実施例16:C3−ジニトリル−C12−ビスイミダゾリウムの調製
【化32】

乾いた250mLの丸底フラスコにマグネティックスターラー、還流冷却器および窒素パージを備え付けた。フラスコを窒素でパージし、1,12−ジブロモドデカン(19.4g、59.2mmol)、次いで無水アセトン(80mL)を加えた。内容物を室温で20分間、完全に溶解するまで攪拌した。シアノエチルメチルイミダゾール(20.0g、0.148mol)を加え、フラスコを密閉して、22時間還流した。反応物を室温まで冷却させ、反応物の最上相をデカント除去して棄てた。残った粘稠性の液体をエタノール(20mL)で希釈し、高速で攪拌されているTHFにピペットで加えた。THFをデカント除去し、粘稠性のゲルを真空乾燥させた。モノマーに対する架橋剤の量を変化させたときの結合能および膨潤率に対する影響が見られた。
【0179】
実施例17:ビスイミダゾリウムの一般的な懸濁重合条件
並列合成法を用いてイミダゾール架橋物質の合成を行った。下表に挙げたイミダゾールモノマー(6.3g)を、オーバーヘッドスターラー、凝縮器、温度計および油浴を備えた40mLのガラス製バイアルに分注した。次いで水を加えた。得られた混合物を5分間攪拌した。次いで、水性界面活性剤であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(DBSA、15重量%水溶液)を加えた。得られた混合物を100rpmで10分間攪拌した。下表に挙げた架橋モノマー(例えば、ECH:エピクロロヒドリン)の溶液を加えた。次いで有機層を反応器に加え、有機層に、ヘプタン(26.18ml)、次いでオレイン酸ソルビタン(Span80)溶液(ヘプタン中15重量%)を加えた。最終混合物を200rpmでオーバーヘッドスターラーにより攪拌した。反応の内部温度は70℃であり、16時間加熱した。
【0180】
反応混合物を外界温度まで冷却させて、攪拌を停止し、有機層をデカント除去した。得られた生成物をヘプタンで2回、イソプロピルアルコールで2回、N−メチルピロリドンで1回、メタノールで2回、0.5M塩酸で1回、水で1回、炭酸塩を所望する場合は炭酸水素ナトリウムで、最後に水で3回洗浄した。生成物を凍結乾燥により24時間乾燥させた。
【化33】

【0181】
【表22】

【0182】
【表23】

【0183】
【表24】

【0184】
【表25】

【0185】
【表26−1】

【表26−2】

【0186】
実施例18:架橋されたイミダゾール官能モノマーまたはアミン官能モノマーの乳化重合
並列合成法を用いてイミダゾール架橋物質の合成を行った。下表に挙げたイミダゾールモノマー(5.5g、30.34mmol)を、オーバーヘッドスターラーと、凝縮器と、温度計と、油浴とを備えた40mLのガラス製バイアルに分注した。次いで水を加え(13.1mL)、得られた混合物を5分間攪拌した。次いで、水性界面活性剤であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(3.38g、15重量%水溶液)を加えた。得られた混合物を100rpmで10分間攪拌した。下表に挙げた架橋モノマーの溶液(3.37g、36.41mmol)を加えた。次いで、有機層を反応器に加え、ヘプタン(26.18mL)、次いでオレイン酸ソルビタン(Span80)溶液(24.62mL、ヘプタン中15重量%)を加えた。最終混合物をオーバーヘッドスターラーにより200rpmで攪拌した。反応の内部温度は70℃であった。17時間後、80℃でヘプタンと水の共沸混合物を用いてディーン・スターク(Dean−Stark)処理を行い、水を除去した。これは循環油浴の温度を100℃まで3時間、次いで110℃まで上昇させることにより達成された。工程のエンドポイントは、混合物の温度が98℃に達することにより特定されるか、または、反応混合物に最初に加えた水がすべて回収されるまでであった。
【0187】
反応混合物を外界温度まで冷却させて攪拌を停止し、有機層をデカント除去した。得られた生成物をヘプタンで2回、イソプロピルアルコールで2回、最後にN−メチルピロリドンで1回洗浄した。
【0188】
上記ビーズの疎水性修飾
上記の洗浄段階後に回収したビーズ(5.5g)を28.17mLのN−メチルピロリドン溶媒中に分散させた。次いで、式X−R−X(式中、Xはブロモであり、Rは下表に挙げたものである)の疎水性モノマーの溶液(9.96g、30.34mmol)を加え、混合物を200rpm、80℃で17時間攪拌した。得られた生成物をN−メチルピロリドンで1回、メタノールで2回、0.5M塩酸で2回、水で1回、炭酸水素ナトリウムで2回、最後に水で3回洗浄した。生成物を24時間、凍結乾燥により乾燥させた。
【0189】
【表27】

略語
Mon1:7−(1H−イミダゾール−1−イル)ヘプタン−1−アミン
Mon2:7−(2−メチル−H−イミダゾール−1−イル)ヘプタン−1−アミン
Mon3:ビス−(3−アミノプロピル)アミン
ECH:エピクロロヒドリン
DCP:1,3−ジクロロプロパノール
Xlin 1:4,4’−(プロパン−1,3−ジイル)ビス(1−(10−ブロモデシル)−1−メチルピペリジニウム)
Hyph1:1,12−ジブロモドデカン
Hyph2:1,10−ジブロモデカン
【0190】
得られた各ポリマーの胆汁酸との結合能、結合親和性および結合保持を、アッセイA、アッセイBおよびハムスターモデルにより判定した。その結果を下の表に報告する。
【0191】
【表28】

【0192】
実施例19:架橋されたイミダゾールまたはアミンまたはエポキシ官能モノマーの溶液重合
並列合成法を用いてイミダゾール架橋物質の合成を行った。下表に挙げたイミダゾールモノマーを、マグネティックスターラーを備えた40mLのガラス製バイアルに分注した。次いで溶媒を加えた。水溶性の架橋剤に対しては水を使用し、有機可溶性の架橋剤に対してはN−メチルピロリドンを使用した。得られた溶液を5分間攪拌した。次いで、下表に挙げた架橋モノマーの溶液を加えた。バイアルにふたをして、攪拌しながら17時間、70℃で加熱した。透明な硬いゲルが得られた。このゲルをメタノール中、超音波ミキサーで30分間粉砕し、次いで、メタノールで2回、0.5M塩酸で1回、水で1回、炭酸水素ナトリウムで2回、最後に水で3回洗浄した。
【0193】
【表29−1】

【表29−2】

略語
Mon1:7−(1H−イミダゾール−1−イル)ヘプタン−1−アミン
Mon5:4−デシルジプロピルトリアミン
Mon6:1,10−ジアミノデカン
Mon7:1,12−ジアミノドデカン
Mon8:3−(12−アミノドデシル)−1−(3−アミノプロピル)−2−メチル−1H−イミダゾール−3−イウムブロミド
Mon9:1,3−ビス(7−アミノヘプチル)−1H−イミダゾール−3−イウムブロミド
Xlin2:2−メチル−1,3−ビス(オキシラン−2−イルメチル)−1H−イミダゾール−3−イウム
ECH:エピクロロヒドリン
Xlin3:1,12−ジブロモドデカン
【0194】
得られた各ポリマーの胆汁酸との結合能、結合親和性および結合保持を、アッセイA、アッセイBおよびハムスターモデルにより判定した。その結果を下の表に報告する。
【0195】
【表30】

【0196】
実施例20:エピクロロヒドリン(ECH)を用いたアミノプロピルイミダゾール(API)のビーズ
アミノプロピルイミダゾール、エピクロロヒドリン、水およびドデシルベンゼン−スルホン酸ナトリウム塩溶液を、オーバーヘッドスターラーを装着した500mLの丸底フラスコに分注した。フラスコにヘプタンとオレイン酸ソルビタン(Span80)溶液との混合物を加えた。フラスコを窒素下、200rpmで攪拌し、70℃で17時間加熱した。この工程で粒径が17〜51μmの間のビーズが得られた。ポリマーをヘキサン中で洗浄し、エタノールで2回洗浄し、真空乾燥させて、白色ビーズを得た(35g、収率88%)。
【0197】
【表31】

【0198】
実施例21:エピクロロヒドリン(ECH)を用いたアミノプロピルイミダゾール(API)のビーズ(API−ECHポリマービーズ)の疎水性基との重合 重合後、並列合成法を用いて、ハロゲン化された疎水性配位子または架橋剤との反応をさらに行った。API−ECHポリマービーズを40mLのガラス製バイアルに分注した。並行合成法で使用した試薬の量を下表に挙げる。エタノールおよびジイソプロピルエチルアミンをハロゲン化疎水性配位子または架橋剤とともにバイアルに加えた。マグネティックスターラーで混合物を攪拌し、70℃に17時間加熱した。得られたビーズをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)で2回、エタノールで2回、0.5M HCl溶液で3回、飽和NaCl溶液で1回、そして水で3回洗浄した後、真空乾燥させた。
【0199】
【表32】

【0200】
【表33】

【0201】
得られた各ポリマーの胆汁酸との結合能、結合親和性および結合保持を、アッセイA、アッセイBおよびハムスターモデルにより判定した。その結果を下の表に報告する。
【0202】
【表34】

全測定の%として表した糞便中の一次(1)胆汁酸%:すなわち、
(コール酸+ケノデオキシコール酸)×100/(コール酸+ケノデオキシコール酸+3−OH−12オキソ−コラン酸+デオキシコール酸+リトコール酸)
【0203】
実施例22:エピクロロヒドリン(ECH)を用いたアミノプロピル−2−メチルイミダゾール(APMI)のビーズ
アミノプロピル−2−メチルイミダゾール、エピクロロヒドリン、水およびドデシルベンゼン−スルホン酸ナトリウム塩溶液を、オーバーヘッドスターラーを装着した500mLの丸底フラスコに分注した。フラスコにヘプタンとオレイン酸ソルビタン(Span80)溶液との混合物を加えた。フラスコを窒素下、200rpmで攪拌し、70℃で17時間加熱した。この工程で粒径が17〜51μmの間のビーズが得られた。ポリマーをヘキサン中で洗浄し、エタノールで2回洗浄し、真空乾燥させて、白色ビーズを得た。
【0204】
【表35】

【0205】
得られた各ポリマーの胆汁酸との結合能、結合親和性および結合保持を、アッセイA、アッセイBおよびハムスターモデルにより判定した。その結果を下の表に報告する。
【0206】
【表36】

【0207】
実施例23:1−(12−アミノドデシル)−イミダゾールの合成
【化34】

1−ブロモ−12−ビスBOC−アミノドデカン(20.0g、43.1mmol)と、硫酸水素テトラブチルアンモニウム(1.46g、4.31mmol)と、イミダゾールナトリウム誘導体(7.76g、86.1mmol)とをTHF(116mL)に溶かした混合物を室温で17時間攪拌した。回転蒸発によりTHFを除去した。残留物にDCM(100mL)を加え、混合物を1M塩化ナトリウムで3回洗浄した。ろ過により溶媒を除去して、黄色油を得た。主要生成物は1−イミダゾール−12−ビスBOC−アミノドデカンであった(MS m/e(M+),計算値452.4、実測値452)。NMRにより構造を確認した。副次的生成物はイミダゾール−12−BOC−アミノドデカンであった(計算値352.3、実測値352)。この混合物を次の段階に進めた。
【0208】
前段階の生成物(19.4g、43.1mmol)とHClジオキサン溶液(4M、100mL)を室温で17時間攪拌した。沈殿した生成物をろ過し、真空乾燥させた。残留物にDCM(150mL)を加え、混合物を飽和炭酸水素ナトリウム(150mL)で洗浄した。真空下で溶媒を除去して、黄色油を得た(8.2g、32mmol)。MS m/e(M+),計算値252.2、実測値252であった。
【0209】
実施例24:エピクロロヒドリン(ECH)を用いた1−(12−アミノドデシル)−イミダゾール(ADDI)のビーズ
1−(12−アミノドデシル)−イミダゾール、エピクロロヒドリン、水およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩溶液を、オーバーヘッドスターラーを装着した500mLの丸底フラスコに分注した。フラスコにヘプタンとオレイン酸ソルビタン(Span80)溶液との混合物を加えた。フラスコを窒素下、200rpmで攪拌し、70℃で17時間加熱した。生成物は粒径が17〜51μmの間のビーズであった。ポリマーをヘキサン中で洗浄し、エタノール(2回)で洗浄し、真空乾燥させて、白色ビーズを得た(35g、収率88%)。
【0210】
【表37】

【0211】
得られた各ポリマーの胆汁酸との結合能、結合親和性および結合保持を、アッセイA、アッセイBおよびハムスターモデルにより判定した。その結果を下の表に報告する。
【0212】
【表38】

全測定の%として表した糞便中の一次(1)胆汁酸%:すなわち、
(コール酸+ケノデオキシコール酸)×100/(コール酸+ケノデオキシコール酸+3−OH−12オキソ−コラン酸+デオキシコール酸+リトコール酸)
【0213】
実施例25:4,4’−(プロパン−1,3−ジイル)ビス(1−(11−ブロモウンデシル)−1−メチルピペリジニウム)の合成
【化35】

11−ブロモ−ウンデカノール(31.65g、0.126mol)と4,4’−トリメチレンビス(1−メチルピペリジン)(5g、0.021mol)とをメタノール(50mL)に溶かした混合物を、17時間還流した。回転蒸発によりメタノールを除去した。残留物にトルエン(100mL)を加え、混合物を50℃で2時間攪拌した。ろ過により溶媒を除去した。ろ過により溶媒を除去した。固体をトルエン(100mL)、そしてエーテル(2×100mL)で洗浄した。高真空下で乾燥させた後、4,4’−(プロパン−1,3−ジイル)ビス(1−(11−ヒドロキシウンデシル)−1−メチルピペリジニウム)が白色粉末として得られた(15.5g、収率100%)。MS m/e(M2+),計算値290.3、実測値290.5であった。
【0214】
4,4’−(プロパン−1,3−ジイル)ビス(1−(11−ヒドロキシウンデシル)−1−メチルピペリジニウム)(15.5g、0.21mol)を圧力フラスコに入れた。臭化水素酸(水中48%、50mL)を加え、フラスコをしっかり密閉した。反応物を120℃で17時間攪拌した。反応混合物をTHFおよびトルエンと共沸させて、余分な臭化水素酸を除去した。残留物を真空オーブン中、35℃で24時間乾燥させて、17.27gの粗生成物を淡褐色粉末として得た(94.9%)。
【0215】
粗生成物(4.02g)をイソプロパノール(20mL)中で再結晶化して、4,4’−(プロパン−1,3−ジイル)ビス(1−(11−ブロモウンデシル)−1−メチルピペリジニウム)をオフホワイトの固体として得た(3.11g、回収率77.4%)。MS m/e(M2+),計算値353.2、実測値353.3であった。
【0216】
実施例26:4,4’−(プロパン−1,3−ジイル)ビス(1−(10−ブロモデシル)−1−メチルピペリジニウム)の合成
【化36】

ジブロモデカン(94.5g、0.32mol)およびメタノール40mLを丸底フラスコに加えた。フラスコを15分間、55℃に加熱した。混合物が透明な黄色溶液になった。この溶液に4,4’−トリメチレンビス(1−メチルピペリジン)(15g、0.063mol)を加え、反応混合物を55℃で17時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応混合物をアセトン:ヘキサン(3:1)450mLに注加した。遠心分離後に溶媒を除去した。固体をヘキサン(500mL)、そしてジエチルエーテル(500mL)で洗浄した。真空オーブン中、35℃で17時間乾燥させた後、47.43gの生成物が淡黄色固体として得られた(収率89.8%)。MS m/e(M2+),計算値339.4、実測値339.2
【0217】
実施例27:水素化の一般的手順
ニトリル基質、ラネ−コバルト(Raney−cobalt)(40重量%)および水(60mL)を反応容器に入れ、これを真空下に置いて、水素(700psi)で満たした。反応混合物を100℃で加熱し、圧力が安定するまで約30分間攪拌した。室温まで冷却した後、反応混合物をセライトパッドでろ過し、水で洗浄した。ろ液を濃縮して生成物を得た。
【0218】
上に挙げた一般的合成法により、ニトリル前駆体から4,4’−(プロパン−1,3−ジイル)ビス(1−(6−アミノヘキシル)−1−メチルピペリジニウム)を合成した。
【化37】

【0219】
実施例28:3−(12−アミノドデシル)−1−(3−アミノプロピル)−2−メチル−1H−イミダゾール−3−イウムブロミドの合成
【化38】

1−(2−シアノエチル)−2−メチルイミダゾール(1.52g、0.011mol)をアセトニトリル10mLに溶解させた。この溶液に12−ブロモデカンダノニトリル(Bromodecandanonitrile)(3.0g、0.011mol)を加えた。反応物を70℃で17時間攪拌した。ロータリーエバポレーターにより溶媒を除去した。1−(2−シアノエチル)−3−(11−シアノウンデシル)−2−メチル−1H−イミダゾール−3−イウムブロミド(4.5g)が褐色油として得られた。MS m/e(M+),計算値315.25、実測値315.07。 HNMRにより構造を確認した。
【0220】
上記手順を用いた1−(2−シアノエチル)−3−(11−シアノウンデシル)−2−メチル−1H−イミダゾール−3−イウムブロミドの水素化により、3−(12−アミノドデシル)−1−(3−アミノプロピル)−2−メチル−1H−イミダゾール−3−イウムブロミドを褐色固体として得た(4.2g、92%)。MS m/e(M+),計算値323.32、実測値323.10。HNMRにより構造を確認した。
【0221】
実施例29:1,3−ビス(7−アミノヘプチル)−1H−イミダゾール−3−イウムブロミドの合成
【化39】

無水THF(200mL)中のイミダゾールナトリウム誘導体(13.9g、0.15mol)のスラリーを、硫酸水素テトラブチルアンモニウム(2.19g、6.45mmol)および7−ブロモヘプタンニトリル(25.0g、0.13mol)をTHF50mLに溶かした溶液に30分間にわたって加えた。添加後、混合物を室温で17時間攪拌した。ろ過により固体を除去した。ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した。次いで残留物をジクロロメタン(200mL)に溶解させた。この溶液を水(200mL)、そしてブライン(200mL)で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させて濃縮した。高真空下で乾燥させた後、7−(1H−イミダゾール−1−イル)ヘプタンニトリルが黄色油として得られた(21.26g、収率93%)。MS m/e(MH),計算値178.13、実測値178.02。HNMRにより構造を確認した。
【0222】
7−(1H−イミダゾール−1−イル)ヘプタンニトリル(8.40g、0.047mol)をアセトニトリル45mLに溶かした溶液に7−ブロモヘプタンニトリル(9.0g、0.047mol)を加えた。反応物を70℃で17時間攪拌した。ロータリーエバポレーターにより溶媒を除去した。高真空下で乾燥させた後,1,3−ビス(6−シアノヘキシル)−1H−イミダゾール−3−イウムブロミドが黄色油として定量的収率で得られた。MS m/e(M+),計算値287.22、実測値287.07。HNMRにより構造を確認した。
【0223】
上記手順を用いた1,3−ビス(6−シアノヘキシル)−1H−イミダゾール−3−イウムブロミド(18.2g、0.050mol)の水素化により、1,3−ビス(7−アミノヘプチル)−1H−イミダゾール−3−イウムブロミド生成物(18.6g)を黄色油として定量的収率で得た。MS m/e(M+),計算値295.29、実測値295.87であった。HNMRにより構造を確認した。
【0224】
実施例30:1,3−ビス(7−アミノヘプチル)−2−メチル−1H−イミダゾール−3−イウムブロミドの合成
【化40】

1−(2−シアノエチル)−2−メチルイミダゾール(17.8g、0.13mol)をアセトニトリル(100mL)に溶解させた。透明な溶液に7−ブロモヘプタンニトリル(25.0g、0.13mol)を加えた。反応物を90℃で17時間攪拌した。質量スペクトルにより1−(2−シアノエチル)−3−(6−シアノヘキシル)−2−メチル−1H−イミダゾール−3−イウムブロミドの形成が示された(MS m/e M+計算値245.18、実測値245.6)であった。ロータリーエバポレーターにより溶媒を除去した。残留物にクロロホルム(100mL)、次いで20重量%の水酸化ナトリウム溶液(50mL)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)により加水分解の完了が示された。有機相を分離した。水相をクロロホルム(50mL)で1回抽出した。合わせた有機相をブライン(3×100mL)、そして水(2×100mL)で洗浄した。最後の水での洗浄のpHは約8であった。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。高真空下で乾燥させた後、7−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ヘプタンニトリルが透明な黄色油として得られた(25.12g、定量的収率)。MS m/e MH 計算値192.15、実測値192.5であった。HNMRにより構造を確認した。
【0225】
実施例31:2−メチル−1,3−ビス(オキシラン−2−イルメチル)−1H−イミダゾール−3−イウムクロリドの合成
【化41】

2−メチルイミダゾール(24.6g、0.3mol)を室温で水(60g)に溶解させた。この溶液にエピクロロヒドリン(47mL、0.6mol)を滴加して、内部温度を30℃未満に保った。添加後、反応物を室温で3時間攪拌した。水酸化ナトリウム(12g、0.3mol)を水(48g)に溶解させた。得られた溶液を反応混合物に攪拌しながら滴加し、反応混合物の温度は氷/ブライン浴中で0〜5℃の間であった。添加後、反応物を室温でさらに2時間攪拌した。質量スペクトルにより所望の生成物のピークを得た(m/e M+計算値195.11、実測値194.95であった)。この溶液をそのまま重合に使用した。
【0226】
実施例32:1,3−ビス(3−ブロモプロピル)−1H−イミダゾール−3−イウムブロミドの合成
【化42】

nが1、3および8である化合物の合成は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるApplied materials & Interfaces,2009,1(10),2126−2133に見ることができる。
【0227】
実施例33:7−(1H−イミダゾール−1−イル)ヘプタン−1−アミンの合成
【化43】

7−(1H−イミダゾール−1−イル)ヘプタンニトリル(12.86g、0.072mol)をトルエン(60mL)に溶解させた。上記の水素化手順に従って、7−(1H−イミダゾール−1−イル)ヘプタン−1−アミンを黄色油として得た(12.50g、収率95%)。MS m/e(MH),計算値182.17であったが、実測値181.98であった。HNMRにより構造を確認した。
【0228】
実施例34:7−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ヘプタン−1−アミンの合成
【化44】

1−(2−シアノエチル)2−メチルイミダゾール(17.8g、0.13mol)をアセトニトリル(100mL)に溶解させた。この溶液に7−ブロモヘプタンニトリル(25g、0.13mol)を加えた。反応物を90℃で一晩攪拌した。減圧下で溶媒を除去した。残留物にクロロホルム(100mL)、次いで20重量%の水酸化ナトリウム溶液(50mL)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した。有機相を分離し、水相をクロロホルム(50mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(3×100mL)、水(2×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下で溶媒を除去した。7−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ヘプタンニトリルが黄色油として定量的収率で得られた。MS m/e(MH),計算値192.14、実測値192.5であった。HNMRにより構造を確認した。
【0229】
7−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ヘプタンニトリル(25g)をトルエン(60mL)に溶解させ、上記の水素化手順に従って、7−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ヘプタン−1−アミンを褐色油として得た(15g、収率59%)。MS m/e(MH),計算値196.17、実測値196.20であった。HNMRにより構造を確認した。
【0230】
【表39】

【0231】
実施例35:TMBMP−DBDを用いたビス(3−アミノプロピル)アミンビーズの合成
オーバーヘッドスターラーと凝縮器とを備えた120mLの三口フラスコに、ビス(3−アミノプロピルアミン)(357uL、2.55mmol)、水(5.06mL)、アセトニトリル(3.45mL)およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩溶液(2.03mL、水中15重量%)を加えた。混合物を5分間攪拌した。均質溶液が得られた後、TMBMP−DBD(3.21g、3.83mmol)を加えた。得られた混合物をさらに5分間攪拌した後、ヘプタン(16.3mL)およびオレイン酸ソルビタン(Span80)溶液(15.3mL、ヘプタン中15重量%)を加えた。最終混合物をオーバーヘッドスターラーにより約200rpmで攪拌した。外部の油を1時間で75℃まで上げた。16時間後、80℃でディーン・スターク(Dean−Stark)処理を行いアセトニトリルおよび水を除去した。これは油浴の温度を105℃まで上昇させることにより達成された。工程のエンドポイントは、混合物の温度が95℃に達したことにより特定するか、または反応混合物中の水がすべて回収されたときであった。
【0232】
反応混合物を外界温度まで冷却させて攪拌を停止し、有機層を真空除去した。次の段階の前に、ビーズを100mLの2−プロパノールで2回、そして100mLのNMPで1回、反応フラスコ内で洗浄した。この試料に関するin vitroのデータは入手されなかった。
【0233】
重合後、前段階と同じフラスコ内でハロゲン化疎水性配位子との反応をさらに行った。NMPで1回洗浄したビーズ(2.55mmol、理論上)の入った反応フラスコにNMP(19.9mL)を加えた。次いでジブロモドデカン(842mg、2.57mmol)を加えた。混合物をオーバーヘッドスターラーにより約200rpmで5分間攪拌した後、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(894μL、5.13mmol)を加えた。次いで混合物を16時間、75℃に加熱した。得られたビーズをNMPで2回、エタノールで2回、0.5M HCl溶液で3回、飽和塩化ナトリウム溶液で1回、そして水で3回洗浄した後、真空乾燥させた。
【0234】
【表40】

【0235】
実施例36:TMBMP−DBDを用いた1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンの架橋ゲル合成
磁気攪拌子を備えた20mLのバイアル内で、TMBMP−DBDを用いた架橋ゲル1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンの合成を行った。TMBMP−DBD(3.4g、4.05mmol)、水(2.52mL)およびアセトニトリル(1.28mL)をバイアルに分注した。混合物を5分間攪拌した後、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン(522μl、2.53mmol)を添加した。褐色の混合物を均質溶液が得られるまでさらに5〜10分間攪拌した後、DBU(379uL、2.53mmol)を加えた。バイアルにふたをして、75℃で17時間加熱した。バイアルには架橋ポリマーの固体プラグが含まれていた。ポリマーを粉砕し、エタノールで2回、0.5M HCl溶液で3回、飽和塩化ナトリウム溶液で1回、そして水で3回洗浄した。次いで生成物を凍結乾燥により乾燥させた。
【0236】
【表41】

【0237】
実施例37:TMBMP−DBDを用いた4−デシルジプロピレントリアミンの架橋ゲル合成
磁気攪拌子を備えた20mLのバイアル内で、TMBMP−DBDを用いた架橋ゲル4−デシルジプロピレントリアミンの合成を行った。TMBMP−DBD(3.0g、3.58mmol)、水(2.33mL)およびアセトニトリル(1.19mL)をバイアルに分注した。混合物を5分間攪拌した後、4−デシルジプロピレントリアミン(606mg、2.23mmol)を加えた。褐色の混合物を均質溶液が得られるまでさらに5〜10分間攪拌した後、ジブロモウンデカン(DBU)(334uL、2.23mmol)を加えた。バイアルにふたをして、75℃で17時間加熱した。バイアルには架橋ポリマーの固体プラグが含まれていた。ポリマーを粉砕し、エタノールで2回、0.5M HCl溶液で3回、飽和塩化ナトリウム溶液で1回、そして水で3回洗浄した後、凍結乾燥により乾燥させた。
【0238】
【表42】

【0239】
実施例38:TMBMP−DBDを用いたN−(3−アミノプロピル)イミダゾールの架橋ゲル合成
TMBMP−DBDを用いた架橋ゲルN−(3−アミノプロピル)イミダゾールの合成を、ハイスループットな実験方法を用いて行った。磁気攪拌子を備えた2mLのバイアルに、TMBMP−DBD(100mg、119μmol)、水(100μL)およびアセトニトリル(86μL)を分注した。混合物を5分間攪拌した後、N−(3−アミノプロピル)イミダゾール溶液(50μl、水中20重量%)およびDBU溶液(97μL、水中10重量%)を加えた。バイアルにふたをして、75℃で17時間加熱した。バイアルには架橋ポリマーの固体プラグが含まれていた。
【0240】
本発明の要素またはその好適な実施形態(1つまたは複数)を挿入する際に、冠詞「a」、「an」、「the」および「said(前記)」は、1つ以上の要素が存在することを意味するものとする。「comprising(含む)」、「including(含む)」および「having(有する)」という用語は、包括的であり、かつ記載されている要素以外にさらなる要素が存在し得ることを意味するものとする。
【0241】
以上のことを考慮すれば、本発明のいくつかの目的が達成され、また他の有利な結果が得られることがわかるであろう。
【0242】
本発明の範囲を逸脱することなく上記ポリマー、医薬組成物および治療方法に各種変更を加えることが可能であるため、上の記載事項に含まれる事柄および添付図面(1つまたは複数)に示される事柄はすべて、例示的なものとして解釈され、限定する意味で解釈されないものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
架橋モノマーと、式1:
【化1−2】

のイミダゾールモノマーまたはその塩との重合により生じた反復単位を含むアミンポリマーであって、式中、
21、R22、R23およびR24は独立して水素、C〜C12アルキル、アリールまたはヘテロシクロであり;ただし、
21、R22、R23およびR24のうちの少なくとも1つはR−NH−R26であり、かつ残りのR基はR−NH−R26窒素またはイミダゾール窒素よりも架橋モノマーとの反応性が低く;
はC〜C14アルキレンであり;
26は水素、C〜C16ヒドロカルビル、C〜C16置換ヒドロカルビル、または−CH基もしくは1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキル、または−CH基もしくは1つ以上の−CH−基がヒドロキシ、ハロ、アミノ、アルコキシもしくはアリールオキシで置換されているC〜C50アルキルであり;
前記架橋モノマーに由来するポリマーセグメントの算出logP(cLogP)が0.1より大きい、
アミンポリマー。
【請求項2】
請求項1に記載のアミンポリマーであって、前記イミダゾールモノマーが式2:
【化2−2】

の構造を有し、式中、
22は水素、C〜C12アルキル、アリールまたはヘテロシクロであり;
はC〜C14アルキレンであり;
26は水素、C〜C20アルキルまたはC〜C20置換アルキルである、
アミンポリマー。
【請求項3】
請求項2に記載のアミンポリマーであって、前記イミダゾールモノマーが式2A:
【化3−2】

の構造を有し、式中、
22は水素またはC〜C12アルキルである、
アミンポリマー。
【請求項4】
22がメチルである、請求項3に記載のアミンポリマー。
【請求項5】
22が水素、メチル、エチルまたはプロピルであり;
がC〜Cアルキレンであり;
26が水素またはC〜Cアミノ−置換アルキルである、
請求項2または3に記載のアミンポリマー。
【請求項6】
22が水素であり、Rがプロピレンであり、R26が水素である、請求項2または3に記載のアミンポリマー。
【請求項7】
前記架橋モノマーが、2〜4つの可能な反応部位を有しかつ求核性置換を受けやすい、請求項1〜6のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項8】
前記架橋モノマーが、ジハロアルカン、ハロアルキルオキシラン、アルキルオキシランスルホナート、ジエポキシド、トリエポキシド、テトラエポキシド、エポキシアルカン、ビス(ハロメチル)ベンゼン、トリ(ハロメチル)ベンゼン、テトラ(ハロメチル)ベンゼン、トシラート、ジグリシジルエーテル、トリグリシジルエーテル、ジグリシジルエステル、トリグリシジルエステル、ビス(ハロメチル)アリールまたはそれらの組合せである、請求項1〜7のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項9】
前記架橋モノマーが一般式X−R−Xであり、式中、Xはそれぞれ独立して脱離基であり、RはC〜C16アルキレン、アリーレン、−NH−C(NH)−NH−、−NH−C(NH)−NH−、ジメチルビフェニル、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレンである、請求項1〜7のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項10】
が、C〜C16アルキレン、C〜C16アリーレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレンである、請求項9に記載のアミンポリマー。
【請求項11】
前記架橋モノマーが、1,2−ジブロモエタン、1,3−ジクロロプロパン、1,2−ジクロロエタン、1−ブロモ−2−クロロエタン、1,3−ジクロロプロパン、1,3−ジブロモプロパン、1,4−ジクロロブタン)、1,4−ジブロモブタン、1,5−ジクロロペンタン、1,5−ジブロモペンタン、1,6−ジクロロヘキサン、1,6−ジブロモヘキサン、1,7−ジクロロヘプタン、1,7−ジブロモヘプタン、1,8−クロロオクタン、1,8−ジブロモオクタン、1,9−ジクロロノナン、1,9−ジブロモノナン、1,10−ジクロロデカン、1,10−ジブロモデカン、1,11−ジブロモウンデカン、1,11−ジクロロウンデカン、1,12−ジクロロドデカン、1,12−ジブロモドデカン、ヨードメチル)オキシラン、1,3−ブタジエンジエポキシド、1,5−ヘキサジエンジエポキシド、4−トシルオキシ−l,2−エポキシブタン、ブロモ−1,2−エポキシブタン、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,4−ビス(2’,3’−エポキシプロピル)ペルフルオロ−n−ブタン、1,2,9,10−ジエポキシデカン、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌラート)、1,4−ジクロロメチルベンゼン、1,4−ジブロモメチルベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,3−トリブロモベンゼン、1,2,4−トリブロモベンゼン、1,3,5−トリブロモベンゼン、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン、1,2,4,5−テトラブロモベンゼン、グリシジルトシラート、3−ニトロベンゼンスルホン酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2−エタンジオールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、1,3−ジグリシジルグリセリルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ビス(グリシジルオキシ)ベンゼン、レゾルシノールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、2,2’−ビス(グリシジルオキシ)ジフェニルメタン、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、9,9−ビス[4−(グリシジルオキシ)フェニル]フッ素、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)、N,N−ジグリシジルアニリン)、トリグリシジルイソシアヌラート、グリセロールトリグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールプロポキシラートトリグリシジルエーテル、トリフェニロールメタントリグリシジルエーテル)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、イソシアヌル酸(S,S,S)−トリグリシジルエステル、イソシアヌル酸(R,R,R)−トリグリシジルエステル、1,3−ビス−(2,3−エポキシプロピルオキシ)−2−(2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ)プロパン、2、6−ジ(オキシラン−2−イルメチル)−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロピロロ[3,4−f]イソインドール−1,3,5,7−テトラオン、5−ヒドロキシ−6,8−ジ(オキシラン−2−イルメチル)−4−オキソ−4h−クロメン−2−カルボン酸エチル、ビス[4−(2,3−エポキシ−プロピルチオ)フェニル]−スルフィド、トリエポキシイソシアヌル酸、3,7,14−トリス[[3−(エポキシプロポキシ)プロピル]ジメチルシリルオキシ]−1,3,5,7,9,11,14−ヘプタシクロペンチルトリシクロ[7.3.3.15,11]ヘプタシロキサン、ビス(ハロメチル)ベンゼン、ビス(ハロメチル)ビフェニル、ビス(ハロメチル)ナフタレン、アクリロルクロリド(acrylol chloride)、アクリル酸メチル、ビス(2−クロロエチル)塩化アンモニウム、トリス(2−クロロエチル)塩化アンモニウム、クロロ酢酸メチルまたはそれらの組合せである、請求項8に記載のアミンポリマー。
【請求項12】
前記架橋モノマーが、1,2−ジブロモエタン、1,3−ジクロロプロパン、1,2−ジクロロエタン、1−ブロモ−2−クロロエタン、1,3−ジクロロプロパン、1,3−ジブロモプロパン、1,4−ジクロロブタン)、1,4−ジブロモブタン、1,5−ジクロロペンタン、1,5−ジブロモペンタン、1,6−ジクロロヘキサン、1,6−ジブロモヘキサン、1,7−ジクロロヘプタン、1,7−ジブロモヘプタン、1,8−クロロオクタン、1,8−ジブロモオクタン、1,9−ジクロロノナン、1,9−ジブロモノナン、1,10−ジクロロデカン、1,10−ジブロモデカン、1,11−ジブロモウンデカン、1,11−ジクロロウンデカン、1,12−ジクロロドデカン、1,12−ジブロモドデカンまたはそれらの組合せである、請求項11に記載のアミンポリマー。
【請求項13】
前記架橋モノマーが、1,8−クロロオクタン,1,8−ジブロモオクタン,1,9−ジクロロノナン,1,9−ジブロモノナン,1,10−ジクロロデカン,1,10−ジブロモデカン,1,12−ジクロロドデカン,1,11−ジブロモウンデカン,1,11−ジクロロウンデカン,1,12−ジブロモドデカンまたはそれらの組合せである、請求項12に記載のアミンポリマー。
【請求項14】
前記架橋モノマーが二官能性である場合に、前記イミダゾールモノマーと前記架橋モノマーのモル比が約1:1〜約1:5である、請求項1〜13のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項15】
前記架橋モノマーが三官能性である場合に、前記イミダゾールモノマーと前記架橋モノマーのモル比が約2:1〜約1:5である、請求項1〜13のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項16】
前記イミダゾールモノマーと前記架橋モノマーのモル比が約1:1〜約1:2である、請求項14または15に記載のアミンポリマー。
【請求項17】
アミンモノマーと架橋モノマーとの重合により生じた反復単位を含むアミンポリマーであって、前記アミンモノマーが式2A:
【化4−2】

の構造を有し、式中、
22は水素またはC〜C12アルキルであり;
はC〜C14アルキレンであり;
26は水素、C〜C20アルキルまたはC〜C20置換アルキルであり;
前記架橋モノマーがエピクロロヒドリン、グアニジン、グアニジウム塩、式X−R−Xを有する化合物またはそれらの組合せであり、式中、
Xはそれぞれ独立して脱離基であり、RはC〜C16アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がヒドロキシで置換されているC〜C50アルキレンである、
アミンポリマー。
【請求項18】
22が水素またはメチルであり、RがC〜Cアルキレンであり、R26が水素であり、前記架橋モノマーがエピクロロヒドリンまたはX−CH−CH(OH)−CH−Xである、請求項17に記載のアミンポリマー。
【請求項19】
X−R−Xの架橋モノマーをさらに含み、式中、Xはそれぞれ独立して脱離基であり、RはC〜C16アルキレンである、請求項18に記載のアミンポリマー。
【請求項20】
式NR1112−R−NR1112を有するアミンと、式3:
【化5−2】

の架橋イミダゾールモノマーまたはその塩との重合により生じた反復単位を含むアミンポリマーであって、式中、
はC〜C16アルキレン、アリーレン、ジメチルビフェニル、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミン、アミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレンであり;
は独立してC〜C20アルキレン;またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C20アルキレンであり;
は独立して水素またはC〜C12アルキルであり;
11およびR12は独立して水素またはアルキルであり;
Xは独立して脱離基であり;
前記アミンが5つ以下の可能な反応部位を有する、
アミンポリマー。
【請求項21】
が、分岐C〜C20アルキレン、または1つ以上の−CH−基がヒドロキシ、ハロ、アミノ、アルコキシもしくはアリールオキシで置換されているC〜C20アルキレンである、請求項20に記載のアミンポリマー。
【請求項22】
が分岐C〜C20アルキレンである、請求項21に記載のアミンポリマー。
【請求項23】
前記架橋モノマーが式3A:
【化6−2】

の構造を有し、式中、
はC〜C16アルキレン、アリーレン、ジメチルビフェニル、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレンであり;
は独立してC〜C20アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C20アルキレンである、
請求項20に記載のアミンポリマー。
【請求項24】
が水素またはメチルである、請求項20または21に記載のアミンポリマー。
【請求項25】
前記アミンと前記架橋イミダゾールモノマーのモル比が約2:1〜約1:1である、請求項20〜24のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項26】
前記アミンと前記架橋イミダゾールモノマーのモル比が約1.3:1である、請求項20〜24のいずれか1項に記載のアミンポリマー
【請求項27】
式NR1112−R−NR1112を有するアミンと、式5:
【化7−2】

の架橋イミダゾールモノマーまたはその塩との重合により生じた反復単位を含むアミンポリマーであって、式中、
はC〜C16アルキレン、アリーレン、ジメチルビフェニル、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミン、アミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレンであり;
は独立してC〜C20アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C20アルキレンであり;
はC〜C14アルキレンであり;
は独立して水素またはC〜C12アルキルであり;
11およびR12は独立して水素またはアルキルであり;
Xは独立して脱離基であり;
前記アミンが5つ以下の可能な反応部位を有する、
アミンポリマー。
【請求項28】
が、分岐C〜C20アルキレン、または1つ以上の−CH−基がヒドロキシ、ハロ、アミノ、アルコキシもしくはアリールオキシで置換されているC〜C20アルキレンである、請求項27に記載のアミンポリマー。
【請求項29】
が分岐C〜C20アルキレンである、請求項28に記載のアミンポリマー。
【請求項30】
前記架橋イミダゾールモノマーが式5A:
【化8−2】

の構造を有し、式中、
はC〜C16アルキレン、アリーレン、ジメチルビフェニル、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレンである、
請求項27に記載のアミンポリマー。
【請求項31】
が水素またはメチルである、請求項27〜29のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項32】
前記アミンと前記架橋イミダゾールモノマーのモル比が約2:1〜約1:1である、請求項23〜3111のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項33】
前記アミンと前記架橋イミダゾールモノマーのモル比が約1.3:1である、請求項23〜31のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項34】
がC〜C16アルキレンである、請求項23〜33のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項35】
がC〜C12アルキレンである、請求項34に記載のアミンポリマー。
【請求項36】
がC〜C12アルキレンである、請求項23〜35のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項37】
式NR1112−R−NR1112を有するアミンと、式6:
【化9−2】

の架橋ピペリジニウムモノマーまたはその塩との重合により生じた反復単位を含むアミンポリマーであって、式中、
はC〜C16アルキレン、アリーレン、ジメチルビフェニル、R基とそれが結合している窒素が5員もしくは6員環を形成しているヘテロアリール、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミン、アミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレンであり;
は独立してC〜C20アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C20アルキレンであり;
はC〜C14アルキレンであり;
は独立してC〜C12アルキルであり;
11およびR12は独立して水素またはアルキルであり;
Xは独立して脱離基であり;
前記アミンが5つ以下の可能な反応部位を有する、
アミンポリマー。
【請求項38】
が、分岐C〜C20アルキレン、または1つ以上の−CH−基がヒドロキシ、ハロ、アミノ、アルコキシもしくはアリールオキシで置換されているC〜C20アルキレンである、請求項37に記載のアミンポリマー。
【請求項39】
が分岐C〜C20アルキレンである、請求項38に記載のアミンポリマー。
【請求項40】
がメチルである、請求項37〜39のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項41】
がC〜Cアルキレンである、請求項37〜40のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項42】
がC10〜C12アルキレンである、請求項37〜41のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項43】
前記アミンモノマーが式2A:
【化10−2】

の構造を有し、式中、
22は水素またはC〜C12アルキルであり;
はC〜C14アルキレンであり;
26は水素、C〜C20アルキルまたはC〜C20置換アルキルである、
請求項37〜42のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項44】
22が水素またはメチルであり、RがC〜Cアルキレンであり、R26が水素である、請求項43に記載のアミンポリマー。
【請求項45】
X−R−Xの架橋モノマーをさらに含み、式中、Xはそれぞれ独立して脱離基であり、RはC〜C16アルキレンである、請求項37〜44に記載のアミンポリマー。
【請求項46】
式(4):
【化11−2】

のセグメントを含むアミンポリマーであって、式中、
21、R22、R23およびR24は独立して水素、C〜C12アルキル、アリールまたはヘテロシクロであり;
25はC〜C16ヒドロカルビレン、C〜C16置換ヒドロカルビレン、または1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレン、または1つ以上の−CH−基がヒドロキシ、ハロ、アミノ、アルコキシもしくはアリールオキシで置換されているC〜C50アルキレンであり、ただし、
21、R22、R23およびR24のうちの少なくとも1つは−R−N(R26)(R27)であり;
はC〜C14アルキレンであり;
26およびR27は独立して水素、C〜C16ヒドロカルビレン、C〜C16置換ヒドロカルビレン、または1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレン、または1つ以上の−CH−基がヒドロキシ、ハロ、アミノ、アルコキシもしくはアリールオキシで置換されているC〜C50アルキレンであり;
、R25、R26、R27のうちの少なくとも1つの算出logP(cLogP)が0.1より大きい、
アミンポリマー。
【請求項47】
21が−R−N(R26)(R27)である、請求項46に記載のアミンポリマー。
【請求項48】
がC〜Cアルキレンである、請求項46または47に記載のアミンポリマー。
【請求項49】
26およびR27が独立して水素またはC〜C12アルキレンである、請求項46〜48のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項50】
26およびR27がそれぞれC〜C12アルキレンである、請求項49に記載のアミンポリマー。
【請求項51】
アミンモノマーと架橋モノマーとの重合により生じた反復単位を含むアミンポリマーであって、
前記アミンモノマーが構造:
【化12−2】

を有する式7のアミンであり、式中、
はC〜C14アルキレンであり;
およびR31は独立してC〜C20アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C20アルキレンであり;
は独立してC〜C12アルキルであり;
11およびR12は独立して水素またはアルキルであり;
架橋モノマーがエピクロロヒドリン、グアニジン、グアニジウム塩、式X−R−Xを有する化合物またはそれらの組合せであり、式中、
Xはそれぞれ独立して脱離基であり,RはC〜C16アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がヒドロキシで置換されているC〜C50アルキレンである、
アミンポリマー。
【請求項52】
およびR31が、独立して分岐C〜C20アルキレン、または1つ以上の−CH−基がヒドロキシ、ハロ、アミノ、アルコキシもしくはアリールオキシで置換されているC〜C20アルキレンである、請求項51に記載のアミンポリマー。
【請求項53】
およびR31が独立して分岐C〜C20アルキレンである、請求項52に記載のアミンポリマー。
【請求項54】
がメチルである、請求項51〜53のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項55】
がC〜Cアルキレンである、請求項51〜54のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項56】
がC10〜C12アルキレンである、請求項51〜55のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項57】
31がC10〜C12アルキレンである、請求項51〜56のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項58】
アミンモノマーと架橋モノマーとの重合により生じた反復単位を含むアミンポリマーであって、
前記アミンモノマーが構造:
【化13−2】

を有する式8または9のアミンであり、式中、
はC〜C14アルキレンであり;
およびR31は独立してC〜C20アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C20アルキレンであり;
は独立して水素またはC〜C12アルキルであり;
11およびR12は独立して水素またはアルキルであり;
前記架橋モノマーがエピクロロヒドリン、グアニジン、グアニジウム塩、式X−R−Xを有する化合物またはそれらの組合せであり、式中、
Xはそれぞれ独立して脱離基であり、RはC〜C16アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミド、カルボニル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレン、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がヒドロキシで置換されているC〜C50アルキレンである、
アミンモノマー。
【請求項59】
およびR31が独立して分岐C〜C20アルキレン、または1つ以上の−CH−基がヒドロキシ、ハロ、アミノ、アルコキシもしくはアリールオキシで置換されているC〜C20アルキレンである、請求項58に記載のアミンポリマー。
【請求項60】
およびR31が独立して分岐C〜C20アルキレンである、請求項59に記載のアミンポリマー。
【請求項61】
が水素またはメチルである、請求項58〜60のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項62】
がC〜Cアルキレンである、請求項58〜61のいずれか1項に記載のアミンポリマー.
【請求項63】
がC10〜C12アルキレンである、請求項58〜62のいずれか1項に記載のアミンポリマー
【請求項64】
31がC10〜C12アルキレンである、請求項58〜63のいずれか1項に記載のアミンポリマー
【請求項65】
前記アミンモノマーが式8の構造を有する、請求項58〜64のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項66】
前記アミンモノマーが式9の構造を有する、請求項58〜61、63および64のいずれか1項に記載のアミンポリマー.
【請求項67】
式NR1112−R−NR1112を有するアミンモノマーをさらに含み、式中、
はC〜C16アルキレン,アリーレン,ジメチルビフェニル、またはアルキレン基の1つ以上の−CH−基がアミン、アミド、カルボニル、シクロアルキル、エーテル、エステル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロシクロ官能基に置き換わっているC〜C50アルキレンであり;
11およびR12は独立して水素またはアルキルである、
請求項58〜66のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項68】
アミンモノマーと架橋モノマーとの重合により生じた反復単位を含むアミンポリマーであって、
前記アミンモノマーが構造:
【化14−2】

を有し、
前記架橋モノマーがエピクロロヒドリンである、
アミンモノマー。
【請求項69】
胆汁酸に対する結合親和性が、in vitroアッセイAを用いた測定で少なくとも0.40mmol/gである、請求項1〜68のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項70】
胆汁酸に対する結合能が、in vitroアッセイBを用いた測定で少なくとも2.22mmol/gである、請求項1〜68のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項71】
西洋型食餌を与えた雄性ゴールデンシリアンハムスター(Golden Syrian hamster)における0.5%の用量での測定で、in vivo結合能がコレセベラム塩酸塩よりも少なくとも25%大きい、請求項1〜70のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項72】
前記in vivo結合能が、コレセベラム塩酸塩よりも少なくとも50%大きい、請求項71に記載のアミンポリマー。
【請求項73】
前記in vivo結合能が、コレセベラム塩酸塩よりも少なくとも75%大きい、請求項71に記載のアミンポリマー。
【請求項74】
前記in vivo結合能が、コレセベラム塩酸塩よりも少なくとも100%大きい、請求項71に記載のアミンポリマー。
【請求項75】
in vivo測定の糞便中の胆汁酸のうち、少なくとも11%の一次胆汁酸が糞便中に存在する、請求項1〜74のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項76】
in vivo測定の糞便中の胆汁酸のうち、少なくとも15%の一次胆汁酸が糞便中に存在する、請求項1〜74のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項77】
膨潤率が約2〜約100である、請求項1〜76のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項78】
膨潤率が約2〜約20である、請求項77に記載のアミンポリマー。
【請求項79】
膨潤率が約2〜約10である、請求項77に記載のアミンポリマー。
【請求項80】
ガラス転移温度が0℃より高い、請求項1〜79のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項81】
ガラス転移温度が25℃より高い、請求項80に記載のアミンポリマー。
【請求項82】
塩形態であり、Cl、Br、CHOSO、HSO、SO2−、硝酸、HCO、CO2−、酢酸、乳酸、リン酸、ヒドロリン酸、メタンスルホン酸、フマル酸、リンゴ酸、ピルビン酸、マロン酸、安息香酸、グルクロン酸、シュウ酸、アセチルグリシン酸、コハク酸、プロピオン酸、酪酸、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、葉酸、アミノ酸誘導体、ヌクレオチド、脂質、リン脂質またはそれらの組合せの対イオンを有する、請求項1〜81のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項83】
前記対イオンが、Cl、Br、CO2−、クエン酸またはそれらの組合せである、請求項82に記載のアミンポリマー。
【請求項84】
平均直径が約50ミクロン〜約100ミクロンである、請求項1〜83のいずれか1項に記載のアミンポリマー。
【請求項85】
前記粒子がビーズである、請求項84に記載のアミンポリマー。
【請求項86】
前記ビーズが実質的に球状のビーズである、請求項85に記載のアミンポリマー。
【請求項87】
薬学的に許容される添加剤と、請求項1〜86のいずれか1項に記載のアミンポリマーとを含む、医薬組成物。
【請求項88】
自由流動性粉末である、請求項1〜87のいずれか1項に記載のアミンポリマーまたは医薬組成物。
【請求項89】
動物対象の血清LDLコレステロールを低下させる方法であって、有効量の請求項1〜86のいずれか1項に記載のアミンポリマーまたは請求項87もしくは88に記載の医薬組成物を、それを必要とする動物対象に投与することを含む方法。
【請求項90】
動物対象の糖尿病を治療する方法であって、有効量の請求項1〜86のいずれか1項に記載のアミンポリマーまたは請求項87もしくは88に記載の医薬組成物を、それを必要とする動物対象に投与することを含む方法。
【請求項91】
動物対象のアルツハイマー病、非アルコール性脂肪性肝炎、そう痒症、IBS−Dまたは特発性胆汁酸吸収不良を治療する方法であって、有効量の請求項1〜86のいずれか1項に記載のアミンポリマーまたは請求項87もしくは88に記載の医薬組成物を、それを必要とする動物対象に投与することを含む方法。
【請求項92】
動物対象から胆汁酸塩を除去する方法であって、有効量の請求項1〜86のいずれか1項に記載のアミンポリマーまたは請求項87もしくは88に記載の医薬組成物を、それを必要とする動物対象に投与することを含む方法。
【請求項93】
脂質異常症を治療する薬剤を動物対象に投与することをさらに含む、請求項89〜92のいずれか1項に記載の方法。
【請求項94】
脂質異常症を治療する前記薬剤が、動物対象に対するヒドロキシメチル−グルタリル−補酵素A(HMG−CoA)還元酵素阻害剤、フィブラート、コレステロール吸収阻害剤、ナイアシン(すなわち、ニコチン酸またはそれらの誘導体)、フィトステロール、腸リパーゼ阻害剤、腸もしくは分泌ホスホリパーゼA2阻害剤、Apo−B100の合成もしくは正常な活性の阻害剤、ApoAの合成もしくは正常な活性のアゴニスト、またはコレステロールの吸収もしくは代謝を調節する任意の薬剤、またはそれらの組合せである、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記アミンポリマーと、脂質異常症を治療する前記薬剤、またはそれらの組合せを同時に前記動物対象に投与する、請求項93または94に記載の方法。
【請求項96】
前記アミンポリマーと、脂質異常症を治療する前記薬剤、またはそれらの組合せを逐次的に動物対象に投与する、請求項93または94に記載の方法。
【請求項97】
脂質異常症を治療する前記薬剤がHMG−CoA還元酵素阻害剤であり、前記HMG−CoA還元酵素阻害剤がアトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチンおよびそれらの組合せからなる群より選択されるスタチンを含む、請求項94〜96のいずれか1項に記載の方法。
【請求項98】
脂質異常症を治療する前記薬剤がフィブラートであり、前記フィブラートがベンザフィブラート、シプロフィブラート、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、フェノフィブラートまたはそれらの組合せを含む、請求項94〜96のいずれか1項に記載の方法。
【請求項99】
脂質異常症を治療する前記薬剤がコレステロール吸収阻害剤であり、前記コレステロール吸収阻害剤がエゼチミブを含む、請求項94〜96のいずれか1項に記載の方法。
【請求項100】
前記対象が重篤な胃腸管有害事象を経験しない1日用量での前記アミンポリマーによる治療の2、4、12、26、52週間以上後に、平均血清LDLが少なくとも15%減少する、請求項89〜99のいずれか1項に記載の方法。
【請求項101】
前記対象が重篤な胃腸管有害事象を経験しない1日用量での前記アミンポリマーによる治療の2、4、12、26、52週間以上後に、平均血清LDLが少なくとも20%減少する、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記対象が重篤な胃腸管有害事象を経験しない1日用量での前記アミンポリマーによる治療の2、4、12、26、52週間以上後に、平均血清LDLが少なくとも25%減少する、請求項100に記載の方法。
【請求項103】
前記対象が重篤な胃腸管有害事象を経験しない1日用量での前記アミンポリマーによる治療の2、4、12、26、52週間以上後に、平均血清LDLが少なくとも30%減少する、請求項100に記載の方法。
【請求項104】
6.0g/日以下の1日用量での前記アミンポリマーによる治療の2、4、12、26、52週間以上後に、平均血清LDLが少なくとも15%減少する、請求項89〜99のいずれか1項に記載の方法。
【請求項105】
6.0g/日以下の1日用量での前記アミンポリマーによる治療の2、4、12、26、52週間以上後に、平均血清LDLが少なくとも20%減少する、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
6.0g/日以下の1日用量での前記アミンポリマーによる治療の2、4、12、26、52週間以上後に、平均血清LDLが少なくとも25%減少する、請求項104に記載の方法。
【請求項107】
6.0g/日以下の1日用量での前記アミンポリマーによる治療の2、4、12、26、52週間以上後に、平均血清LDLが少なくとも30%減少する、請求項104に記載の方法。
【請求項108】
前記動物対象が原発性高脂血症または冠動脈心疾患を有する、請求項89〜107のいずれか1項に記載の方法。
【請求項109】
II型糖尿病を有する動物対象の血糖コントロールを改善する方法であって、有効量の請求項1〜86のいずれか1項に記載のアミンポリマーまたは請求項87もしくは88に記載の医薬組成物を、前記動物対象に投与することを含む方法。
【請求項110】
糖尿病を治療する薬剤を前記動物対象に投与することをさらに含む、請求項89〜99のいずれか1項に記載の方法。
【請求項111】
前記アミンポリマーと、糖尿病を治療する前記薬剤、またはそれらの組合せを同時に前記動物対象に投与する、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記アミンポリマーと、糖尿病を治療する前記薬剤、またはそれらの組合せを逐次的に前記動物対象に投与する、請求項110に記載の方法。
【請求項113】
糖尿病を治療する前記薬剤がスルホニル尿素、ビグアニド、グリタゾン、チアゾリジンジオン、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)の活性化因子、α−グルコシダーゼ阻害剤、カリウムチャネルアンタゴニスト、アルドース還元酵素阻害剤、グルカゴンアンタゴニスト、レチノイドX受容体(RXR)アンタゴニスト、ファルネソイドX受容体(FXR)アゴニスト、FXRアンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、GLP−1類似体、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)阻害剤、アミリン、アミリン類似体、SGLT2阻害剤、インスリン、インスリン分泌促進物質、甲状腺ホルモン、甲状腺ホルモン類似体またはそれらの組合せである、請求項110〜112のいずれか1項に記載の方法。
【請求項114】
糖尿病を治療する前記薬剤がビグアニドであり、ビグアニジンがメトホルミン、ブホルミン、フェンホルミンまたはそれらの組合せである、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
糖尿病を治療する前記薬剤がチアゾリジンジオンであり、前記チアゾリジンジオンがピオグリタゾン、リボグリタゾン、ロシグリタゾン、トログリタゾンまたはそれらの組合せである、請求項113に記載の方法。
【請求項116】
糖尿病を治療する前記薬剤がスルホニル尿素であり、前記スルホニル尿素がアセトヘキサミド、クロルプロパミド、トルブタミド、トラザミド、グリピジド、グリクラジド、グリベンクラミド、グリキドン、グリクロピラミド、グリメピリドまたはそれらの組合せである、請求項113に記載の方法。
【請求項117】
糖尿病を治療する前記薬剤がDPP−IV阻害剤であり、前記DPP−IV阻害剤がアログリプチン、リナグリプチン、サクサグリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチンまたはそれらの組合せである、請求項113に記載の方法。
【請求項118】
糖尿病を治療する前記薬剤がGLP−1類似体であり、前記GLP−1類似体がエクセナチド、リラグルチド、アルビグルチドまたはそれらの組合せである、請求項113に記載の方法。
【請求項119】
前記対象が重篤な胃腸管有害事象を経験しない1日用量での前記アミンポリマーによる治療の18週間後に、糖化ヘモグロビン(HbA1c)が少なくとも0.5%低下する、請求項109〜118のいずれか1項に記載の方法。
【請求項120】
前記対象が重篤な胃腸管有害事象を経験しない1日用量での前記アミンポリマーによる治療の18週間後に、空腹時血糖が少なくとも14mg/dL(0.8mmol/L)低下する、請求項109〜118のいずれか1項に記載の方法。
【請求項121】
6.0g/日以下の用量での前記アミンポリマーによる治療の18週間後に、糖化ヘモグロビン(HbA1c)が少なくとも0.5%減少する、請求項109〜118のいずれか1項に記載の方法。
【請求項122】
6.0g/日以下の用量での前記アミンポリマーによる治療の18週間後に、空腹時血糖が少なくとも14mg/dL(0.8mmol/L)低下する、請求項109〜118のいずれか1項に記載の方法。
【請求項123】
前記動物対象がヒトである、請求項109〜122のいずれか1項に記載の方法。
【請求項124】
1日当たり4単位用量未満の前記アミンポリマーを投与する、請求項89〜123のいずれか1項に記載の方法。
【請求項125】
1日当たり3単位用量未満の前記アミンポリマーを投与する、請求項89〜123のいずれか1項に記載の方法。
【請求項126】
前記アミンポリマーを1日に1回投与する、請求項89〜123のいずれか1項に記載の方法。
【請求項127】
前記アミンポリマーをチュアブルもしくは口腔内崩壊錠、液体、粉末、小袋内に含まれる粉末、軟ゼラチンカプセルまたは硬ゼラチンカプセルの形態で投与する、請求項89〜123のいずれか1項に記載の方法。
【請求項128】
1日1回または1日2回投与される前記ポリマーの1日量が、1日3回投与される同じポリマーの同じ1日量の少なくとも75%の胆汁酸結合能を有する、請求項89〜127のいずれか1項に記載の方法。
【請求項129】
1日1回または1日2回投与される前記ポリマーの1日量が、1日3回投与される同じポリマーまたは同じ組成物の同じ1日量の少なくとも85%の胆汁酸結合能を有する、請求項128に記載の方法。
【請求項130】
1日1回または1日2回投与される前記ポリマーの1日量が、1日3回投与される同じポリマーまたは同じ組成物の同じ1日量の少なくとも95%の胆汁酸結合能を有する、請求項128に記載の方法。
【請求項131】
前記ポリマーを1日1回または1日2回摂取した対象の25%未満が、軽度または中等度の胃腸管有害事象を経験する、請求項89〜130のいずれか1項に記載の方法。
【請求項132】
1日1回または1日2回投与される前記ポリマーまたは組成物の忍容性が、1日3回投与される同じ1日量の同じポリマーまたは同じ組成物とほぼ実質的に同じである、請求項89〜131のいずれか1項に記載の方法。
【請求項133】
前記1日量が少なくとも2グラムのポリマーである、請求項128〜132のいずれか1項に記載の方法。
【請求項134】
前記1日量が少なくとも4グラムのポリマーである、請求項133に記載の方法。
【請求項135】
前記1日量が少なくとも6グラムのポリマーである、請求項133に記載の方法。
【請求項136】
前記ポリマーの沈降物降伏応力が4000Pa未満である、請求項128〜135のいずれか1項に記載の方法。
【請求項137】
前記ポリマーの沈降物降伏応力が3000Pa未満である、請求項136に記載の方法。
【請求項138】
前記ポリマーの沈降物降伏応力が2500Pa未満である、請求項136に記載の方法。
【請求項139】
前記ポリマーの水和および沈降により形成されるポリマー粒子の塊の粘度が約2,500,000Pa・s未満であり、前記粘度が0.01秒−1のずり速度で測定される、請求項128〜138のいずれか1項に記載の方法。
【請求項140】
沈降した前記粒子の塊の粘度が2,000,000Pa・s未満である、請求項139に記載の方法。
【請求項141】
沈降した前記粒子の塊の粘度が1,500,000Pa・s未満である、請求項139に記載の方法。
【請求項142】
沈降した前記粒子の塊の粘度が1,000,000Pa・s未満である、請求項139に記載の方法。
【請求項143】
沈降した前記粒子の塊の粘度が500,000Pa・s未満である、請求項139に記載の方法。
【請求項144】
乾燥形態のポリマー粒子の圧縮性指数が約30未満であり、前記圧縮性指数が100(TD−BD)/TDで定義され、BDおよびTDがそれぞれ体積密度およびタップ密度である、請求項138〜143のいずれか1項に記載の方法。
【請求項145】
前記圧縮性指数が約25未満である、請求項144に記載の方法。
【請求項146】
前記圧縮性指数が約20未満である、請求項144に記載の方法。
【請求項147】
前記圧縮性指数が約15未満である、請求項144に記載の方法。
【請求項148】
前記圧縮性指数が約10未満である、請求項144に記載の方法。
【請求項149】
前記アミンモノマーと前記架橋モノマーとを接触させることを含む、請求項1〜86のいずれか1項に記載のアミンポリマーを調製するための工程。

【公表番号】特表2013−520562(P2013−520562A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555154(P2012−555154)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際出願番号】PCT/US2011/026102
【国際公開番号】WO2011/106545
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(508246489)レリプサ, インコーポレイテッド (11)
【Fターム(参考)】