背部ドア熱交換器及び冷却ユニット
2相冷媒背部ドア熱交換器。2相冷媒を通す熱交換器を使用して、熱を発生する機器を通った空気を冷却する方法。冷却ユニットであって、該ユニットの使用時に冷媒流体を通す第一通路と、該ユニットの使用時に冷媒流体を通す第二通路とを有し、該第一及び第二通路の一部分は、互いに熱的に連結され、該ユニットの熱交換器を構成する、冷却ユニット。
ユニットの使用時、前記第二通路を通る冷媒流体は、冷却される空間内の少なくとも一つの熱交換器に通される。ユニットの使用時、前記第二通路内の冷媒流体は、少なくとも部分的に気体である。該ユニットの熱交換器は、コンデンサーで構成される。該ユニットは、更に、前記第二通路内の圧力をモニターするように接続された少なくとも一つの圧力センサーと、前記第一通路内の冷媒流体のパラメーターの調節を可能にするように接続されたパラメーター調節器とを有する。ユニットの使用時、前記少なくとも一つの熱交換器内の冷媒流体は、2相状態にある。該ユニットは、更にプロセッサを有し、該プロセッサは、前記少なくとも一つの圧力センサーから信号を受信し、また、パラメーター調節器へ信号を発し、前記第一通路内の冷媒流体のパラメーターを調節する。このプロセッサは、ユニットの使用時、前記第二通路内の圧力を変え、それによって前記少なくとも一つの熱交換器内の冷媒の温度を制御する。該ユニットの使用時には冷媒流体を第一通路を通し、そして、冷媒を第二通路を通すことからなる空間を冷却する方法であって、該第一及び第二通路の一部分は、熱交換器を構成するように互いに熱的に連結されている方法。前記第二通路を通る冷媒流体は、冷却すべき空間内の少なくとも一つの熱交換器へ送られる。前記第二通路内の冷媒は、少なくとも部分的に気体であり、前記第一及び第二通路の一部分によって構成される熱交換器は、コンデンサーを構成し、前記少なくとも一つの熱交換器内の冷媒流体は、2相状態にある。前記第一通路内の冷媒流体のパラメーターを変えて、前記第二通路内の冷媒の圧力を変え、それによって、前記少なくとも一つの熱交換器内の冷媒の温度を制御する。
ユニットの使用時、前記第二通路を通る冷媒流体は、冷却される空間内の少なくとも一つの熱交換器に通される。ユニットの使用時、前記第二通路内の冷媒流体は、少なくとも部分的に気体である。該ユニットの熱交換器は、コンデンサーで構成される。該ユニットは、更に、前記第二通路内の圧力をモニターするように接続された少なくとも一つの圧力センサーと、前記第一通路内の冷媒流体のパラメーターの調節を可能にするように接続されたパラメーター調節器とを有する。ユニットの使用時、前記少なくとも一つの熱交換器内の冷媒流体は、2相状態にある。該ユニットは、更にプロセッサを有し、該プロセッサは、前記少なくとも一つの圧力センサーから信号を受信し、また、パラメーター調節器へ信号を発し、前記第一通路内の冷媒流体のパラメーターを調節する。このプロセッサは、ユニットの使用時、前記第二通路内の圧力を変え、それによって前記少なくとも一つの熱交換器内の冷媒の温度を制御する。該ユニットの使用時には冷媒流体を第一通路を通し、そして、冷媒を第二通路を通すことからなる空間を冷却する方法であって、該第一及び第二通路の一部分は、熱交換器を構成するように互いに熱的に連結されている方法。前記第二通路を通る冷媒流体は、冷却すべき空間内の少なくとも一つの熱交換器へ送られる。前記第二通路内の冷媒は、少なくとも部分的に気体であり、前記第一及び第二通路の一部分によって構成される熱交換器は、コンデンサーを構成し、前記少なくとも一つの熱交換器内の冷媒流体は、2相状態にある。前記第一通路内の冷媒流体のパラメーターを変えて、前記第二通路内の冷媒の圧力を変え、それによって、前記少なくとも一つの熱交換器内の冷媒の温度を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
データセンターは、周囲冷却によって冷却される。周囲冷却では、データセンターの床下にある複数の空気−液体熱交換機が室外に配置され、空気は、データセンターの内部から汲み上げられ、空気−液体熱交換機を通って下降し、そこからフローリングにある通気孔を通って上昇し、ブレードラックの列の間の通路に入る。これらの通路の冷たい空気は、対流によってブレードの間を通り抜け、ラックの列の反対側に出て暖かい通路に入る。暖かい通路の暖かい空気は、対流によってラックの上の空気中を通り、天井に沿って流れ、再び空気中を下降して周囲冷却の複数の液体熱交換器に入る。このサイクルは、連続しており、センターの温度を、ブレードの効率的な作動にとって許容できる程度の低いレベルに保つ。
【背景技術】
【0002】
ブレードの作動容量が増大するのにしたがって、データセンター内の空気の冷却量も増大することがのぞまれ、さらには必要になってきている。単に周囲冷却の冷却容量を大きくすることは、そのようなやり方で行うことのできる冷却量には限界があるため、必ずしも選択肢ではない。この問題は、空気の流れがラックから出るラックの背部に複数の空気−水熱交換器を取り付けることで解決されてきた。このような熱交換器は、背部ドア熱交換器と呼ばれている。他の冷却剤に比べて水の比熱が比較的高いために、これらでは、水が冷媒として使用される。背部ドア熱交換器に供給される水の温度は、通常の室温と思われる温度かそれよりわずかに低い温度で、通常は、18℃から22℃の範囲である。ブレードから出る空気の温度は、それより高く、おそらく35℃から45℃の範囲であるため、この方法は、いぜん効果的な方法である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように電子機器近くで水を使用することは、短絡による機器の損傷などの危険を伴うおそれがある。しかし、安全な他の冷媒の比熱は、十分高くないため、そこに問題が生じる。
【0004】
本発明は、この問題への改善策を求めるものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明の第一の観点は、2相冷媒背部ドア熱交換器に関するものである。
【0006】
この種の熱交換器での効果的な冷媒は、2相であるため、すなわち一部が気体で一部が液体であるため、冷媒の液体の状態と気体の状態との間の移行時の潜熱を使用して、液体の状態での冷媒の比較的低い比熱を補う。
【0007】
好ましくは、2相冷媒背部ドア熱交換器は、多数の冷媒を導くループを有し、その各々が、一端で共通の入口または上流ヘッダーに接続され、他端で共通の出口または下流ヘッダーに接続される。これによって、ドア全体にわたってバランスのとれた冷却が行われる。
【0008】
好ましくは、前記ヘッダーが、細長い円柱状であり、出口ヘッダーの直径が、入口ヘッダーのそれより大きく、ループと共通のヘッダーとの間の接続部での2相冷媒の生成に対応する。より好ましくは、出口ヘッダーの内径と入口ヘッダーの内径の比は、1.1から1.5の範囲にあり、例えば、約1.3であり、冷媒がR134a冷却剤(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)の場合、とくに好適である。
【0009】
好ましくは、入口ヘッダーに接続されているループの両端部に、それぞれオリフィスが設けられている。これを用いて、ループ内の冷媒が2相であることを確認する。
【0010】
該ループが、ほぼ水平に伸びていることが有利である。これは、ブレードが水平に向いていることに適合する。
【0011】
前記ヘッダーは、好ましくは、ほぼ垂直に伸びており、また、前記ドアが、ほぼ垂直なヒンジによって片側でヒンジ止めされている場合、該ヘッダーは、好ましくは、ドアのヒンジ側にあって、ドアが開閉されるときのその移動量を少なくする。これによって、ヘッダーを冷媒回路に接続することが容易になる。
【0012】
前記ヘッダーには、それぞれの端部に、それぞれの迅速開放式コネクタ、例えば差込式コネクタ、が設けられていることが有利である。
【0013】
本発明は、2相冷媒を通す熱交換器によってブレードラックを出る空気を冷却する方法を含むものである。
【0014】
冷媒は、沸点が通常の室温に近いものであり、例えば15℃から25℃の範囲にあることが有利である。これによって、2相の構築が容易となる。例えば、冷媒は、R134a冷却剤(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)からなるものとすることができる。
【0015】
好ましくは、方法では、本発明に基づく熱交換器であって、上述の一以上の段落に述べられているような熱交換器を用いる。
【0016】
本発明の第二の観点は、冷却ユニットに関するものであって、該ユニットの使用時には冷媒流体を通す第一通路と、該ユニットの使用時には冷媒流体を通す第二通路とよりなり、該第一および第二通路の一部分は、該ユニットの熱交換器を構成するように互いに熱的に連結されており、ユニットの使用時、前記第二通路を通る冷媒流体は、冷却される空間内の少なくとも一つの熱交換器に通され、
ユニットの使用時、前記第二通路内の冷媒流体は、少なくとも部分的に気体であり、該ユニットの熱交換器は、コンデンサーであり、
該ユニットは、更に、前記第二通路内の圧力をモニターするように接続された少なくとも一つの圧力センサーと、前記第一通路内の冷媒流体の一つのパラメーターの調節を可能にするように接続されたパラメーター調節器とよりなり、ユニットの使用時、前記少なくとも一つの熱交換器内の冷媒流体は、2相状態にあり、該ユニットは、更にプロセッサよりなり、該プロセッサは、ユニットの使用時、前記少なくとも一つの圧力センサーから信号を受信し、パラメーター調節器へ信号を発信して、前記第一通路内の冷媒流体の一つのパラメーターを調節し、それにより前記第二通路内の圧力を変え、それによって前記少なくとも一つの熱交換器内の冷媒の温度を制御する、冷却ユニットである。
【0017】
前記少なくとも一つの熱交換器の下流ヘッダー内の圧力は、特にこの目的に関連する。該ユニットは、更に、一以上の温度/湿度センサーよりなり、該一以上の温度/湿度センサーは、ユニットの使用時に冷却される空間内に配置され、前記プロセッサに接続されており、該プロセッサは、前記パラメーター調節器に信号を発振して、前記少なくとも一つの熱交換器内の冷却媒体の温度を、前記一以上の温度/湿度センサーが示す空間内の空気の露点よりも上に維持する、冷却ユニットである。
【0018】
前記パラメーターを、前記第二通路を通る冷媒の流れとすることができ、また、パラメーター調節器は、可変制御弁または可変ポンプとすることができる。
【0019】
該ユニットは、更に、前記第二通路内に接続されたセパレーターよりなっていてもよく、第二通路内の冷媒の液体から気体を分離することができる。
【0020】
前記セパレーターは、冷媒の気体部分を前記コンデンサーへ、また、前記冷媒の液体部分を、該コンデンサーをバイパスする前記第二通路の一部分へ送るように接続しても良い。
【0021】
該ユニットは、更に、前記第二通路内に接続されたセパレーターよりなっていてもよく、第二通路内の冷媒の液体から気体を分離してもよい。
【0022】
前記貯蔵器は、前記コンデンサーをバイバスする前記第二通路のその一部分に接続してもよい。
【0023】
本発明は、また、冷却装置に関するものであり、該冷却装置は、上述の一以上の段落に述べられているような前記少なくとも一つの熱交換器に接続された冷却ユニットよりなり、前記第二通路の冷媒は、前記少なくとも一つの熱交換器を通過する。
【0024】
前記少なくとも一つの熱交換器は、本発明の第一の観点による2相背部ドア熱交換器とすることができる。
【0025】
本発明の第二の観点は、空間の冷却方法に関し、該方法は、ユニットの使用時には第一通路に冷媒流体を通し、そして、第二通路に冷媒を通すことよりなり、前記第一および第二通路の一部分は、互いに熱的に連結されて、熱交換器を構成し、前記第二通路を通る冷媒流体は、冷却される空間内の少なくとも一つの熱交換器に通される方法において、前記第二通路内の冷媒流体が、少なくとも部分的に気体であり、前記第一および第二通路の部分によって構成される該熱交換器が、コンデンサーを構成し、前記少なくとも一つの熱交換器内の冷媒流体が、2相状態にあり、また、前記第一通路内の冷媒流体のパラメーターを変えて、前記第二通路内の冷媒流体の圧力を変え、それによって前記少なくとも一つの熱交換器内の冷媒の温度を制御する。
【0026】
前記第二通路内の冷媒は、R134a冷却剤(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)よりなってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】背部ドア熱交換器を組み込んだデータセンターの片側上方から見た斜視図であり、その各々は本発明を実施したものである。
【図2】図1に示す背部ドア熱交換器の一つの背立面図である。
【図3】図2に示す背部ドア熱交換器の上方から見た図である。
【図4】図2および図3に示す背部ドア熱交換器の側面図である。
【図5】図2および図3に示す背部ドア熱交換器の他側の側面図である。
【図6】図5に示すドアと同じ側面であるが、一部を取り除き、熱交換器の他の部分を示す図である。
【図7】図1ないし図6に示す背部ドア熱交換器の部分の軸断面図である。
【図8】本発明の第二の観点を実施した装置の電気および流体回路図である。
【図9】図8に示す装置のセパレーターの軸断面略図である。
【図10】図8に示す装置の使用時の、該装置の一つのコイルの断面図である。
【図11】説明用のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明により作られた背部ドア熱交換器及び冷却ユニットの一例を、添付の図面を参照してより詳細に説明する。
【0029】
図1は、データセンター100を示し、該データセンターには、冷化ユニット110が設けられており、該深冷ユニットは、周囲冷却120に冷却用水を供給するよう接続されている。該データセンター100には、複数列のブレードラック140が設けられており、これらのブレードラック140には、それぞれ背部ドア熱交換器142が設けられている。冷化器110からの冷化された水は、送り配管143を通って周囲冷却120のために汲み上げられ、暖められた水は、周囲冷却120から他の配管144を通って冷化器110に戻される。
【0030】
周囲冷却120と背部ドア熱交換器142を有するブレードラック140とは、高床145の上に置かれている。ブレードラック140は、列146にして配置されている。高床145には、列146の間の一以上の通路150に通気孔148が配設されているが、それに隣接する通路152には通気孔がない。すなわち、通気孔のある通路と通気孔のない通路が交互に配置されていることになる。データセンター100の使用時、暖かい通路152の暖かい空気は、上方に上昇して、隣接する冷たい通路150からラック140を通って冷たい空気を引き寄せる。これによって、ラック140を通って冷たい空気が連続的に引き寄せられることになる。暖かい空気は、データセンターの天井に向かって上昇し、周囲冷却120に向かって外方に流れ、そこで冷却されて下降し、高床の下側で周囲冷却120から出て行く。この対流は、連続的に起こり、冷たい空気は、通気孔148を通って上方に上昇し、空気冷却サイクルが継続される。
【0031】
背部ドア熱交換器142は、データセンター100を通って流れる空気を付加的に冷却するもので、それらを通って流れる冷媒は、冷却ユニット153によって供給される。
【0032】
図2ないし図6は、各々の背部ドア熱交換器142の構造をより詳細に示す図である。これらの図から、背部ドア熱交換器142は、金属配管162を支えるフレーム160よりなることが理解されよう。この配管は、多数の水平に伸びるループ又はコイル164よりなる。各々のコイルは、フレーム160の片側にある、ループ又はコイルの水平ストレート部分への入口166を有し、該水平部分は、フレーム160の反対側までずっと伸びており、そこで、180度湾曲部168で曲がっている。そこから、コイルは、ストレートで水平に伸びてドアの最初の側に戻り、そこで、別の180度湾曲部170を通り、ループ又はコイルの、別の水平ストレート部分に入って、ドアの反対側に達し、さらに第三180度湾曲部172を通り、コイルの第四ストレート水平部分に入ってドアの最初の側に達する。そこには、出口174に達する入口166が配置されている。
【0033】
各々の入口166は、ほぼ垂直に配置された円柱状入口ヘッダー176と流体連通している。
【0034】
各々のループ又はコイル出口174は、垂直に配置された円柱状の共通の出口ヘッダー178に接続されている。
【0035】
入口ヘッダーの内径に対する出口ヘッダーの内径の比は、ほぼ1.3である。図示の交換器では、出口ヘッダーの内径は、35mmであり、入口ヘッダーの内径は、28mmであるので、その比は、1.25となる。
【0036】
入口ヘッダー176から複数のコイル入口166への接続は、それぞれ、ノズル180を介して行われる。各ノズル180は、オリフィス182よりなり、該オリフィスは、冷媒を液体として受け取り、それを液体/気体2相冷媒に変えるために適した直径を有する。それに比べると、各コイル出口174と出口ヘッダー178との間の接続には、ノズル180が介在しておらず、したがって、コイル・パイプの全幅を使って流体を出口ヘッダー178へ移送することができる。これは、気体又は気化した2相状態にある冷媒に適したものである。図2ないし図7に示す背部ドア熱交換器は、このように2相冷媒背部ドア熱交換器として構成されている。
【0037】
ドアは、ドア142の入口ヘッダー176及び出口ヘッダー178と同じ側に配置されたヒンジ(図示せず)によって、関連するブレードラック140に接続されている。これによって、背部ドア熱交換器を開けて、ブレードラックの背部にアクセスすることができる。背部ドア熱交換器142が図1に示すように設置される場合、入口ヘッダー176及び出口ヘッダー178は、柔軟性のある配管(図示せず)によって冷蔵ユニットに接続されており、このユニットは、冷却された液体冷媒を入口ヘッダー176に汲み上げ、気体及び/又は気化した冷媒を出口ヘッダー178から受け取る。入口ヘッダー176及び出口ヘッダー178が背部ドア熱交換器142のヒンジ側に存在することによって、背部ドア熱交換器の開閉時に、柔軟性のある配管のコネクタ(図示せず)がこれらヘッダーへ移動する距離を、少なくすることができる。
【0038】
当業者にとって、図示の背部ドア熱交換器には、本発明の構成を逸脱することなく、多くの変更および修正が可能であろう。例えば、各々のループ又はコイルの水平部分の数を増減することもできる。各々の水平コイル部分には、一以上のフィンを設けることができ、それらのフィンは、水平に向いたものとすることができる。
【0039】
図8に示す装置にあっても、図1ないし図6に示す2相背部ドア熱交換器142は、符号142で示されている。さらに、図8に示す装置の他の部分を有する冷却ユニットは、全体として参照番号153で示されている。該冷却ユニットは、第一通路200を有し、該第一通路は、装置の使用時に冷却用水が通る。該通路200には可変制御弁202が接続されており、通路を通る冷却用水の流れを変化させることができる。通路200の一部分は、コンデンサー204の一部分で構成されている。上述の一部分と熱的に連通している、このコンデンサー204の他の一部分は、第二通路206であり、R134a冷却剤(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)が、その中を通る。
【0040】
コンデンサー204の下流方向では、通路206に続いて冷媒貯蔵器208が配設され、この通路に並列に接続されている。通路206から該貯蔵器208への入力部には、制御弁210が配設されている。
【0041】
通路206に添ってさらに下流に進むと、前記第二通路206の周囲に冷媒を汲み出すためのポンプ212が設けられている。
【0042】
通路206のさらに下流には、通路206の一部分216と並列に接続されたフィルター214が設けられている。該通路の一部分は、フィルター204と並列であり、該フィルターをバイパスする。フィルター214の下流には、通路206の入力ライン218と出力ライン220とが設けられている。
【0043】
各々の2相背部ドア熱交換器142は、前記入力ライン218に接続された入力部と、前記出力ライン220に接続された出力部とを有し、したがって、通路206内の冷媒は、背部ドア熱交換器142のコイル164を通り、それぞれのヘッダーを通ることになる。通路206の出力ライン220から下流に続けて、該通路は、セパレーター222に接続されており、該セパレーターは、コンデンサー204に接続された第一の分岐ライン223と、該コンデンサー204と並列でそれをバイパスする第二の分岐ライン224とを有している。
【0044】
ポンプ速度制御器226は、ポンプ212を制御するために電気的に接続されている。冷却ユニット153には、データセンター100内に、一以上の温度/湿度センサー228が設けられており、該データセンター100内の空気の温度及び湿度を測定する。
【0045】
前記ユニット153には、また、コントローラー及び表示装置230が設けられている。熱交換器142の入口内の冷媒流体の圧力を測定するように接続されたそれぞれの圧力メーター232から信号と、熱交換器142の出口内の冷媒の圧力を測定するように接続されたそれぞれの圧力メーター234からの信号と、熱交換器142の入口内の冷媒の温度を測定するように配置されたそれぞれの温度計又は温度センサー236からの信号と、熱交換器142の出口内の冷媒の温度を測定するように配置されたそれぞれの温度計又は温度センサー238からの信号と、一以上の温度/湿度センサー228からの信号とを受信するように、前記表示装置は、接続されている。
【0046】
コントローラー及び表示装置230は、また、可変弁240を制御するように接続されており、該可変弁は、第二通路206の部分216を通る冷媒の流れを制御するように接続されている。該コントローラー及び表示装置230は、また、可変制御弁210と、ポンプ212と、可変制御弁202とを制御するように接続されている。
【0047】
図9は、セパレーターをさらに詳細に示す図である。すなわち、該セパレーターは、ほぼ直立で円柱状チャンバ250を有し、該チャンバ250は、通路220、223、224の内部断面積よりかなり大きい内部断面積を有する。通路224は、円柱状チャンバ250の下端から下方に伸び、通路206の部分220は、円柱状チャンバ250の上半部分に入り込んでおり、通路206の部分223は、該通路206の部分220が円柱状チャンバ250に入り込んでいる位置よりさらに上方の位置で、円柱状チャンバ250からの出口を構成している。
【0048】
制御ユニット153は、下記のように作動する。
【0049】
冷却用水が第一通路200を通って流れると、液体冷媒は、通路206を通ってポンプ212へ流れ、該ポンプ212により、流体は、さらに通路206を通り、フィルター214を通るかあるいはフィルターのバイパス216に添って入口ライン218へ流れるようにされる。ここから、冷媒は、背部ドア熱交換器142のコイル164の中に流れ込む。熱交換器のノズル180と第二通路206の冷媒の圧力とにより、ノズル180の前後で圧力の低下が生じ、その結果、背部ドア熱交換器142のコイル164内部の冷媒は、2相状態、すなわち、一部は液体で一部は気体の状態になる。
【0050】
図10は、コイル164の断面を示し、図では、冷媒が、液体の状態260でコイル164の内表面に接触し、コイル164の中央領域では気体の状態262にあることが示されている。この2相冷媒は、約5.2バール±10%の圧力で出口ライン220に戻される。2相状態の冷媒は、前記出口ラインを通ってセパレーター222に入る。ここにおいて、冷媒の重い液体部分は、円柱状チャンバ250の下半分に落下し、冷媒の軽い気体部分は、円柱状チャンバ250の上端部分に上る。冷媒の気体部分は、コンデンサー204の通路206の部分223に沿って進み、そこで、凝縮されて液体になり、コンデンサー204の出口を通り、通路206の部分224を通って降りてきた冷媒の液体部分と合流してからポンプ212に戻る。このようにして、サイクルが継続する。
【0051】
コントローラー及び表示装置230は、速度制御器226を制御する。速度制御器226は、ポンプ212を制御して、該ポンプ212が、あらかじめ定められたポンプ速度の範囲内で作動するようにする。同時に、例えばポンプ212内にキャビテーションの危険が生じるようなあらかじめ定められた値以下の信号を、圧力センサー242がコントローラー及び表示装置230に送信した場合、コントローラー及び表示装置230は、速度制御器226に信号を送信してポンプ212の速度を下げるようにプログラムされている。
【0052】
コイル164内部の冷媒の温度が、許容できないほどデータセンター100内の空気の露点に近いことを、一以上の温度/湿度センサー228及び温度センサー236、238から発信された信号が示している場合、該コントローラー及び表示装置は、前記第一通路200内の弁202に信号を送信して、該弁202を通る利用可能な断面積を小さくし、それによってコンデンサー204を通る冷却用水の流量を減らし、前記第二通路206内の冷媒流体の圧力および温度を高めるようにする。
【0053】
図11は、図8の装置と図1に示すデータセンター内の異なる変数の間の関係を示す。このグラフでは、水平軸が摂氏温度を示し、垂直軸が圧力をKPaで示している。センター100内部の露点は、図11の垂直線DTで示されている。曲線Ccは、前記第二通路内の冷媒の飽和曲線であり、点曲線Csは、凝縮の可能性を減らすように組み込まれた安全性係数を掛けて得られた飽和曲線である。曲線Cuは、ポンプ212のすぐ上流、すなわちポンプの吸い込み側の冷媒温度の関数としてのシステム圧力の変化を示し、曲線Cdは、ポンプの下流のより高いシステム圧力の変化を示す。
【0054】
したがって、ポンプ212の作動領域は、四角270の右上側部分内になければならないことが理解されよう。
【符号の説明】
【0055】
142:背部ドア熱交換器、
153:冷却ユニット、
164:ループ、
176:上流ヘッダー、
178:下流ヘッダー、
200:第一通路、
202:可変制御弁、
204:コンデンサー、
206:第二通路、
208:貯蔵器、
222:セパレーター、
228:温度/湿度センサー
242:圧力センサー、
【技術分野】
【0001】
データセンターは、周囲冷却によって冷却される。周囲冷却では、データセンターの床下にある複数の空気−液体熱交換機が室外に配置され、空気は、データセンターの内部から汲み上げられ、空気−液体熱交換機を通って下降し、そこからフローリングにある通気孔を通って上昇し、ブレードラックの列の間の通路に入る。これらの通路の冷たい空気は、対流によってブレードの間を通り抜け、ラックの列の反対側に出て暖かい通路に入る。暖かい通路の暖かい空気は、対流によってラックの上の空気中を通り、天井に沿って流れ、再び空気中を下降して周囲冷却の複数の液体熱交換器に入る。このサイクルは、連続しており、センターの温度を、ブレードの効率的な作動にとって許容できる程度の低いレベルに保つ。
【背景技術】
【0002】
ブレードの作動容量が増大するのにしたがって、データセンター内の空気の冷却量も増大することがのぞまれ、さらには必要になってきている。単に周囲冷却の冷却容量を大きくすることは、そのようなやり方で行うことのできる冷却量には限界があるため、必ずしも選択肢ではない。この問題は、空気の流れがラックから出るラックの背部に複数の空気−水熱交換器を取り付けることで解決されてきた。このような熱交換器は、背部ドア熱交換器と呼ばれている。他の冷却剤に比べて水の比熱が比較的高いために、これらでは、水が冷媒として使用される。背部ドア熱交換器に供給される水の温度は、通常の室温と思われる温度かそれよりわずかに低い温度で、通常は、18℃から22℃の範囲である。ブレードから出る空気の温度は、それより高く、おそらく35℃から45℃の範囲であるため、この方法は、いぜん効果的な方法である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように電子機器近くで水を使用することは、短絡による機器の損傷などの危険を伴うおそれがある。しかし、安全な他の冷媒の比熱は、十分高くないため、そこに問題が生じる。
【0004】
本発明は、この問題への改善策を求めるものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明の第一の観点は、2相冷媒背部ドア熱交換器に関するものである。
【0006】
この種の熱交換器での効果的な冷媒は、2相であるため、すなわち一部が気体で一部が液体であるため、冷媒の液体の状態と気体の状態との間の移行時の潜熱を使用して、液体の状態での冷媒の比較的低い比熱を補う。
【0007】
好ましくは、2相冷媒背部ドア熱交換器は、多数の冷媒を導くループを有し、その各々が、一端で共通の入口または上流ヘッダーに接続され、他端で共通の出口または下流ヘッダーに接続される。これによって、ドア全体にわたってバランスのとれた冷却が行われる。
【0008】
好ましくは、前記ヘッダーが、細長い円柱状であり、出口ヘッダーの直径が、入口ヘッダーのそれより大きく、ループと共通のヘッダーとの間の接続部での2相冷媒の生成に対応する。より好ましくは、出口ヘッダーの内径と入口ヘッダーの内径の比は、1.1から1.5の範囲にあり、例えば、約1.3であり、冷媒がR134a冷却剤(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)の場合、とくに好適である。
【0009】
好ましくは、入口ヘッダーに接続されているループの両端部に、それぞれオリフィスが設けられている。これを用いて、ループ内の冷媒が2相であることを確認する。
【0010】
該ループが、ほぼ水平に伸びていることが有利である。これは、ブレードが水平に向いていることに適合する。
【0011】
前記ヘッダーは、好ましくは、ほぼ垂直に伸びており、また、前記ドアが、ほぼ垂直なヒンジによって片側でヒンジ止めされている場合、該ヘッダーは、好ましくは、ドアのヒンジ側にあって、ドアが開閉されるときのその移動量を少なくする。これによって、ヘッダーを冷媒回路に接続することが容易になる。
【0012】
前記ヘッダーには、それぞれの端部に、それぞれの迅速開放式コネクタ、例えば差込式コネクタ、が設けられていることが有利である。
【0013】
本発明は、2相冷媒を通す熱交換器によってブレードラックを出る空気を冷却する方法を含むものである。
【0014】
冷媒は、沸点が通常の室温に近いものであり、例えば15℃から25℃の範囲にあることが有利である。これによって、2相の構築が容易となる。例えば、冷媒は、R134a冷却剤(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)からなるものとすることができる。
【0015】
好ましくは、方法では、本発明に基づく熱交換器であって、上述の一以上の段落に述べられているような熱交換器を用いる。
【0016】
本発明の第二の観点は、冷却ユニットに関するものであって、該ユニットの使用時には冷媒流体を通す第一通路と、該ユニットの使用時には冷媒流体を通す第二通路とよりなり、該第一および第二通路の一部分は、該ユニットの熱交換器を構成するように互いに熱的に連結されており、ユニットの使用時、前記第二通路を通る冷媒流体は、冷却される空間内の少なくとも一つの熱交換器に通され、
ユニットの使用時、前記第二通路内の冷媒流体は、少なくとも部分的に気体であり、該ユニットの熱交換器は、コンデンサーであり、
該ユニットは、更に、前記第二通路内の圧力をモニターするように接続された少なくとも一つの圧力センサーと、前記第一通路内の冷媒流体の一つのパラメーターの調節を可能にするように接続されたパラメーター調節器とよりなり、ユニットの使用時、前記少なくとも一つの熱交換器内の冷媒流体は、2相状態にあり、該ユニットは、更にプロセッサよりなり、該プロセッサは、ユニットの使用時、前記少なくとも一つの圧力センサーから信号を受信し、パラメーター調節器へ信号を発信して、前記第一通路内の冷媒流体の一つのパラメーターを調節し、それにより前記第二通路内の圧力を変え、それによって前記少なくとも一つの熱交換器内の冷媒の温度を制御する、冷却ユニットである。
【0017】
前記少なくとも一つの熱交換器の下流ヘッダー内の圧力は、特にこの目的に関連する。該ユニットは、更に、一以上の温度/湿度センサーよりなり、該一以上の温度/湿度センサーは、ユニットの使用時に冷却される空間内に配置され、前記プロセッサに接続されており、該プロセッサは、前記パラメーター調節器に信号を発振して、前記少なくとも一つの熱交換器内の冷却媒体の温度を、前記一以上の温度/湿度センサーが示す空間内の空気の露点よりも上に維持する、冷却ユニットである。
【0018】
前記パラメーターを、前記第二通路を通る冷媒の流れとすることができ、また、パラメーター調節器は、可変制御弁または可変ポンプとすることができる。
【0019】
該ユニットは、更に、前記第二通路内に接続されたセパレーターよりなっていてもよく、第二通路内の冷媒の液体から気体を分離することができる。
【0020】
前記セパレーターは、冷媒の気体部分を前記コンデンサーへ、また、前記冷媒の液体部分を、該コンデンサーをバイパスする前記第二通路の一部分へ送るように接続しても良い。
【0021】
該ユニットは、更に、前記第二通路内に接続されたセパレーターよりなっていてもよく、第二通路内の冷媒の液体から気体を分離してもよい。
【0022】
前記貯蔵器は、前記コンデンサーをバイバスする前記第二通路のその一部分に接続してもよい。
【0023】
本発明は、また、冷却装置に関するものであり、該冷却装置は、上述の一以上の段落に述べられているような前記少なくとも一つの熱交換器に接続された冷却ユニットよりなり、前記第二通路の冷媒は、前記少なくとも一つの熱交換器を通過する。
【0024】
前記少なくとも一つの熱交換器は、本発明の第一の観点による2相背部ドア熱交換器とすることができる。
【0025】
本発明の第二の観点は、空間の冷却方法に関し、該方法は、ユニットの使用時には第一通路に冷媒流体を通し、そして、第二通路に冷媒を通すことよりなり、前記第一および第二通路の一部分は、互いに熱的に連結されて、熱交換器を構成し、前記第二通路を通る冷媒流体は、冷却される空間内の少なくとも一つの熱交換器に通される方法において、前記第二通路内の冷媒流体が、少なくとも部分的に気体であり、前記第一および第二通路の部分によって構成される該熱交換器が、コンデンサーを構成し、前記少なくとも一つの熱交換器内の冷媒流体が、2相状態にあり、また、前記第一通路内の冷媒流体のパラメーターを変えて、前記第二通路内の冷媒流体の圧力を変え、それによって前記少なくとも一つの熱交換器内の冷媒の温度を制御する。
【0026】
前記第二通路内の冷媒は、R134a冷却剤(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)よりなってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】背部ドア熱交換器を組み込んだデータセンターの片側上方から見た斜視図であり、その各々は本発明を実施したものである。
【図2】図1に示す背部ドア熱交換器の一つの背立面図である。
【図3】図2に示す背部ドア熱交換器の上方から見た図である。
【図4】図2および図3に示す背部ドア熱交換器の側面図である。
【図5】図2および図3に示す背部ドア熱交換器の他側の側面図である。
【図6】図5に示すドアと同じ側面であるが、一部を取り除き、熱交換器の他の部分を示す図である。
【図7】図1ないし図6に示す背部ドア熱交換器の部分の軸断面図である。
【図8】本発明の第二の観点を実施した装置の電気および流体回路図である。
【図9】図8に示す装置のセパレーターの軸断面略図である。
【図10】図8に示す装置の使用時の、該装置の一つのコイルの断面図である。
【図11】説明用のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明により作られた背部ドア熱交換器及び冷却ユニットの一例を、添付の図面を参照してより詳細に説明する。
【0029】
図1は、データセンター100を示し、該データセンターには、冷化ユニット110が設けられており、該深冷ユニットは、周囲冷却120に冷却用水を供給するよう接続されている。該データセンター100には、複数列のブレードラック140が設けられており、これらのブレードラック140には、それぞれ背部ドア熱交換器142が設けられている。冷化器110からの冷化された水は、送り配管143を通って周囲冷却120のために汲み上げられ、暖められた水は、周囲冷却120から他の配管144を通って冷化器110に戻される。
【0030】
周囲冷却120と背部ドア熱交換器142を有するブレードラック140とは、高床145の上に置かれている。ブレードラック140は、列146にして配置されている。高床145には、列146の間の一以上の通路150に通気孔148が配設されているが、それに隣接する通路152には通気孔がない。すなわち、通気孔のある通路と通気孔のない通路が交互に配置されていることになる。データセンター100の使用時、暖かい通路152の暖かい空気は、上方に上昇して、隣接する冷たい通路150からラック140を通って冷たい空気を引き寄せる。これによって、ラック140を通って冷たい空気が連続的に引き寄せられることになる。暖かい空気は、データセンターの天井に向かって上昇し、周囲冷却120に向かって外方に流れ、そこで冷却されて下降し、高床の下側で周囲冷却120から出て行く。この対流は、連続的に起こり、冷たい空気は、通気孔148を通って上方に上昇し、空気冷却サイクルが継続される。
【0031】
背部ドア熱交換器142は、データセンター100を通って流れる空気を付加的に冷却するもので、それらを通って流れる冷媒は、冷却ユニット153によって供給される。
【0032】
図2ないし図6は、各々の背部ドア熱交換器142の構造をより詳細に示す図である。これらの図から、背部ドア熱交換器142は、金属配管162を支えるフレーム160よりなることが理解されよう。この配管は、多数の水平に伸びるループ又はコイル164よりなる。各々のコイルは、フレーム160の片側にある、ループ又はコイルの水平ストレート部分への入口166を有し、該水平部分は、フレーム160の反対側までずっと伸びており、そこで、180度湾曲部168で曲がっている。そこから、コイルは、ストレートで水平に伸びてドアの最初の側に戻り、そこで、別の180度湾曲部170を通り、ループ又はコイルの、別の水平ストレート部分に入って、ドアの反対側に達し、さらに第三180度湾曲部172を通り、コイルの第四ストレート水平部分に入ってドアの最初の側に達する。そこには、出口174に達する入口166が配置されている。
【0033】
各々の入口166は、ほぼ垂直に配置された円柱状入口ヘッダー176と流体連通している。
【0034】
各々のループ又はコイル出口174は、垂直に配置された円柱状の共通の出口ヘッダー178に接続されている。
【0035】
入口ヘッダーの内径に対する出口ヘッダーの内径の比は、ほぼ1.3である。図示の交換器では、出口ヘッダーの内径は、35mmであり、入口ヘッダーの内径は、28mmであるので、その比は、1.25となる。
【0036】
入口ヘッダー176から複数のコイル入口166への接続は、それぞれ、ノズル180を介して行われる。各ノズル180は、オリフィス182よりなり、該オリフィスは、冷媒を液体として受け取り、それを液体/気体2相冷媒に変えるために適した直径を有する。それに比べると、各コイル出口174と出口ヘッダー178との間の接続には、ノズル180が介在しておらず、したがって、コイル・パイプの全幅を使って流体を出口ヘッダー178へ移送することができる。これは、気体又は気化した2相状態にある冷媒に適したものである。図2ないし図7に示す背部ドア熱交換器は、このように2相冷媒背部ドア熱交換器として構成されている。
【0037】
ドアは、ドア142の入口ヘッダー176及び出口ヘッダー178と同じ側に配置されたヒンジ(図示せず)によって、関連するブレードラック140に接続されている。これによって、背部ドア熱交換器を開けて、ブレードラックの背部にアクセスすることができる。背部ドア熱交換器142が図1に示すように設置される場合、入口ヘッダー176及び出口ヘッダー178は、柔軟性のある配管(図示せず)によって冷蔵ユニットに接続されており、このユニットは、冷却された液体冷媒を入口ヘッダー176に汲み上げ、気体及び/又は気化した冷媒を出口ヘッダー178から受け取る。入口ヘッダー176及び出口ヘッダー178が背部ドア熱交換器142のヒンジ側に存在することによって、背部ドア熱交換器の開閉時に、柔軟性のある配管のコネクタ(図示せず)がこれらヘッダーへ移動する距離を、少なくすることができる。
【0038】
当業者にとって、図示の背部ドア熱交換器には、本発明の構成を逸脱することなく、多くの変更および修正が可能であろう。例えば、各々のループ又はコイルの水平部分の数を増減することもできる。各々の水平コイル部分には、一以上のフィンを設けることができ、それらのフィンは、水平に向いたものとすることができる。
【0039】
図8に示す装置にあっても、図1ないし図6に示す2相背部ドア熱交換器142は、符号142で示されている。さらに、図8に示す装置の他の部分を有する冷却ユニットは、全体として参照番号153で示されている。該冷却ユニットは、第一通路200を有し、該第一通路は、装置の使用時に冷却用水が通る。該通路200には可変制御弁202が接続されており、通路を通る冷却用水の流れを変化させることができる。通路200の一部分は、コンデンサー204の一部分で構成されている。上述の一部分と熱的に連通している、このコンデンサー204の他の一部分は、第二通路206であり、R134a冷却剤(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)が、その中を通る。
【0040】
コンデンサー204の下流方向では、通路206に続いて冷媒貯蔵器208が配設され、この通路に並列に接続されている。通路206から該貯蔵器208への入力部には、制御弁210が配設されている。
【0041】
通路206に添ってさらに下流に進むと、前記第二通路206の周囲に冷媒を汲み出すためのポンプ212が設けられている。
【0042】
通路206のさらに下流には、通路206の一部分216と並列に接続されたフィルター214が設けられている。該通路の一部分は、フィルター204と並列であり、該フィルターをバイパスする。フィルター214の下流には、通路206の入力ライン218と出力ライン220とが設けられている。
【0043】
各々の2相背部ドア熱交換器142は、前記入力ライン218に接続された入力部と、前記出力ライン220に接続された出力部とを有し、したがって、通路206内の冷媒は、背部ドア熱交換器142のコイル164を通り、それぞれのヘッダーを通ることになる。通路206の出力ライン220から下流に続けて、該通路は、セパレーター222に接続されており、該セパレーターは、コンデンサー204に接続された第一の分岐ライン223と、該コンデンサー204と並列でそれをバイパスする第二の分岐ライン224とを有している。
【0044】
ポンプ速度制御器226は、ポンプ212を制御するために電気的に接続されている。冷却ユニット153には、データセンター100内に、一以上の温度/湿度センサー228が設けられており、該データセンター100内の空気の温度及び湿度を測定する。
【0045】
前記ユニット153には、また、コントローラー及び表示装置230が設けられている。熱交換器142の入口内の冷媒流体の圧力を測定するように接続されたそれぞれの圧力メーター232から信号と、熱交換器142の出口内の冷媒の圧力を測定するように接続されたそれぞれの圧力メーター234からの信号と、熱交換器142の入口内の冷媒の温度を測定するように配置されたそれぞれの温度計又は温度センサー236からの信号と、熱交換器142の出口内の冷媒の温度を測定するように配置されたそれぞれの温度計又は温度センサー238からの信号と、一以上の温度/湿度センサー228からの信号とを受信するように、前記表示装置は、接続されている。
【0046】
コントローラー及び表示装置230は、また、可変弁240を制御するように接続されており、該可変弁は、第二通路206の部分216を通る冷媒の流れを制御するように接続されている。該コントローラー及び表示装置230は、また、可変制御弁210と、ポンプ212と、可変制御弁202とを制御するように接続されている。
【0047】
図9は、セパレーターをさらに詳細に示す図である。すなわち、該セパレーターは、ほぼ直立で円柱状チャンバ250を有し、該チャンバ250は、通路220、223、224の内部断面積よりかなり大きい内部断面積を有する。通路224は、円柱状チャンバ250の下端から下方に伸び、通路206の部分220は、円柱状チャンバ250の上半部分に入り込んでおり、通路206の部分223は、該通路206の部分220が円柱状チャンバ250に入り込んでいる位置よりさらに上方の位置で、円柱状チャンバ250からの出口を構成している。
【0048】
制御ユニット153は、下記のように作動する。
【0049】
冷却用水が第一通路200を通って流れると、液体冷媒は、通路206を通ってポンプ212へ流れ、該ポンプ212により、流体は、さらに通路206を通り、フィルター214を通るかあるいはフィルターのバイパス216に添って入口ライン218へ流れるようにされる。ここから、冷媒は、背部ドア熱交換器142のコイル164の中に流れ込む。熱交換器のノズル180と第二通路206の冷媒の圧力とにより、ノズル180の前後で圧力の低下が生じ、その結果、背部ドア熱交換器142のコイル164内部の冷媒は、2相状態、すなわち、一部は液体で一部は気体の状態になる。
【0050】
図10は、コイル164の断面を示し、図では、冷媒が、液体の状態260でコイル164の内表面に接触し、コイル164の中央領域では気体の状態262にあることが示されている。この2相冷媒は、約5.2バール±10%の圧力で出口ライン220に戻される。2相状態の冷媒は、前記出口ラインを通ってセパレーター222に入る。ここにおいて、冷媒の重い液体部分は、円柱状チャンバ250の下半分に落下し、冷媒の軽い気体部分は、円柱状チャンバ250の上端部分に上る。冷媒の気体部分は、コンデンサー204の通路206の部分223に沿って進み、そこで、凝縮されて液体になり、コンデンサー204の出口を通り、通路206の部分224を通って降りてきた冷媒の液体部分と合流してからポンプ212に戻る。このようにして、サイクルが継続する。
【0051】
コントローラー及び表示装置230は、速度制御器226を制御する。速度制御器226は、ポンプ212を制御して、該ポンプ212が、あらかじめ定められたポンプ速度の範囲内で作動するようにする。同時に、例えばポンプ212内にキャビテーションの危険が生じるようなあらかじめ定められた値以下の信号を、圧力センサー242がコントローラー及び表示装置230に送信した場合、コントローラー及び表示装置230は、速度制御器226に信号を送信してポンプ212の速度を下げるようにプログラムされている。
【0052】
コイル164内部の冷媒の温度が、許容できないほどデータセンター100内の空気の露点に近いことを、一以上の温度/湿度センサー228及び温度センサー236、238から発信された信号が示している場合、該コントローラー及び表示装置は、前記第一通路200内の弁202に信号を送信して、該弁202を通る利用可能な断面積を小さくし、それによってコンデンサー204を通る冷却用水の流量を減らし、前記第二通路206内の冷媒流体の圧力および温度を高めるようにする。
【0053】
図11は、図8の装置と図1に示すデータセンター内の異なる変数の間の関係を示す。このグラフでは、水平軸が摂氏温度を示し、垂直軸が圧力をKPaで示している。センター100内部の露点は、図11の垂直線DTで示されている。曲線Ccは、前記第二通路内の冷媒の飽和曲線であり、点曲線Csは、凝縮の可能性を減らすように組み込まれた安全性係数を掛けて得られた飽和曲線である。曲線Cuは、ポンプ212のすぐ上流、すなわちポンプの吸い込み側の冷媒温度の関数としてのシステム圧力の変化を示し、曲線Cdは、ポンプの下流のより高いシステム圧力の変化を示す。
【0054】
したがって、ポンプ212の作動領域は、四角270の右上側部分内になければならないことが理解されよう。
【符号の説明】
【0055】
142:背部ドア熱交換器、
153:冷却ユニット、
164:ループ、
176:上流ヘッダー、
178:下流ヘッダー、
200:第一通路、
202:可変制御弁、
204:コンデンサー、
206:第二通路、
208:貯蔵器、
222:セパレーター、
228:温度/湿度センサー
242:圧力センサー、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2相冷媒背部ドア熱交換器。
【請求項2】
多数の冷媒を導くループを有し、その各々が、一端で共通の入口または上流ヘッダーに接続され、他端で共通の出口または下流ヘッダーに接続される、請求の範囲第1項に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記ヘッダーが、細長い円柱状であり、出口ヘッダーの直径が、入口ヘッダーのそれより大きく、ループと共通のヘッダーとの間の接続部での2相冷媒の生成に対応する、請求の範囲第2項に記載の熱交換器。
【請求項4】
出口ヘッダーの内径と入口ヘッダーの内径の比が、1.1から1.5の範囲にある、請求の範囲第3項に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記比が約1.3である、請求の範囲第4項に記載の熱交換器。
【請求項6】
使用時に、R134a冷却剤(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)が2相状態で中を通って流れる、請求の範囲第5項に記載の熱交換器。
【請求項7】
入口ヘッダーに接続されているループの両端部に、それぞれオリフィスが設けられている、請求の範囲第2ないし6項のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記ループが、ほぼ水平に伸びている、請求の範囲第2ないし7項のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記ヘッダーが、ほぼ垂直に伸びている、請求の範囲第2ないし8項のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項10】
ほぼ垂直なヒンジによって片側でヒンジ止めされる、請求の範囲第2ないし9項のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項11】
前記ヘッダーは、ドアのヒンジ側にあって、ドアが開閉されるときのその移動量を少なくする、請求の範囲第10項に記載の熱交換器。
【請求項12】
前記ヘッダーには、それぞれの端部に、それぞれ迅速開放式コネクタが設けられている、請求の範囲第2ないし11項のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項13】
前記迅速開放式コネクタが、差込式コネクタからなる、請求の範囲第12項に記載の熱交換器。
【請求項14】
2相冷媒を通す熱交換器を使用して、熱を発生する機器を通った空気を冷却する方法。
【請求項15】
前記冷媒の沸点が、15℃から25℃の範囲にある、請求の範囲第14項に記載の方法。
【請求項16】
前記冷媒が、R134a冷却剤(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)からなる、請求の範囲第15項に記載の方法。
【請求項17】
前記方法が、請求項1ないし13のいずれか一項に記載の熱交換器を用いる、請求の範囲第14ないし16項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
冷却ユニットであって、該ユニットの使用時には冷媒流体を通す第一通路と、該ユニットの使用時には冷媒流体を通す第二通路とよりなり、該第一および第二通路の一部分は、該ユニットの熱交換器を構成するように互いに熱的に連結されており、ユニットの使用時、前記第二通路を通る冷媒流体は、冷却される空間内の少なくとも一つの熱交換器に通され、
ユニットの使用時、前記第二通路内の冷媒流体は、少なくとも部分的に気体であり、該ユニットの熱交換器は、コンデンサーであり、
該ユニットは、更に、前記第二通路内の圧力をモニターするように接続された少なくとも一つの圧力センサーと、前記第一通路内の冷媒流体の一つのパラメーターの調節を可能にするように接続されたパラメーター調節器とよりなり、ユニットの使用時、前記少なくとも一つの熱交換器内の冷媒流体は、2相状態にあり、該ユニットは、更にプロセッサよりなり、該プロセッサは、ユニットの使用時、前記少なくとも一つの圧力センサーから信号を受信し、パラメーター調節器へ信号を発信して、前記第一通路内の冷媒流体の一つのパラメーターを調節し、それにより前記第二通路内の圧力を変え、それによって前記少なくとも一つの熱交換器内の冷媒の温度を制御する、冷却ユニット。
【請求項19】
前記ユニットが、更に、一以上の温度/湿度センサーよりなり、該一以上の温度/湿度センサーは、ユニットの使用時に冷却される空間内に配置され、前記プロセッサに接続されており、
該プロセッサは、前記パラメーター調節器に信号を発振して、前記少なくとも一つの熱交換器内の冷却媒体の温度を、前記一以上の温度/湿度センサーが示す空間内の空気の露点よりも上に維持する、請求の範囲第18項に記載の冷却ユニット。
【請求項20】
前記パラメーターが、前記第二通路を通る冷媒の流れであり、前記パラメーター調節器が、可変制御弁または可変ポンプである、請求の範囲第18または19項のいずれか一項に記載の冷却ユニット。
【請求項21】
前記ユニットが、更に、前記第二通路内に接続されたセパレーターよりなり、第二通路内の冷媒の液体から気体を分離する、請求の範囲第18ないし20項のいずれか一項に記載の冷却ユニット。
【請求項22】
前記セパレーターが、冷媒の気体部分を前記コンデンサーへ、また、前記冷媒の液体部分を、該コンデンサーをバイパスする前記第二通路の一部分へ送るように接続された、請求の範囲第21項に記載の冷却ユニット。
【請求項23】
前記ユニットが、更に貯蔵器よりなり、該貯蔵器は前記第二通路に接続されており、前記第二通路内の冷媒の液体の予備量を保持する、請求の範囲第18ないし22項のいずれか一項に記載の冷却ユニット。
【請求項24】
. 前記貯蔵器が、前記コンデンサーをバイバスする前記第二通路のその一部分に接続された、請求の範囲第23項に記載の冷却ユニット。
【請求項25】
前記少なくとも一つの熱交換器に接続された請求の範囲第18ないし24項のいずれか一項に記載の冷却ユニットよりなり、前記第二通路の冷媒が、前記少なくとも一つの熱交換器を通過する、冷却装置。
【請求項26】
前記少なくとも一つの熱交換器が、請求項1ないし17のいずれか一項に記載の2相背部ドア熱交換器である、請求の範囲第25項に記載の冷却装置。
【請求項27】
ユニットの使用時には第一通路に冷媒流体を通し、そして、第二通路に冷媒を通すことよりなり、前記第一および第二通路の一部分は、互いに熱的に連結されて、熱交換器を構成し、前記第二通路を通る冷媒流体は、冷却される空間内の少なくとも一つの熱交換器に通される方法において、
前記第二通路内の冷媒流体が、少なくとも部分的に気体であり、前記第一および第二通路の部分によって構成される該熱交換器が、コンデンサーを構成し、前記少なくとも一つの熱交換器内の冷媒流体が、2相状態にあり、
また、前記第一通路内の冷媒流体のパラメーターを変えて、前記第二通路内の冷媒流体の圧力を変え、それによって前記少なくとも一つの熱交換器内の冷媒の温度を制御することを特徴とする、空間の冷却方法。
【請求項28】
前記第二通路内の冷媒が、R134a冷却剤(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)よりなる、請求の範囲第27項に記載の空間の冷却方法。
【請求項29】
前記方法が、請求項18ないし26のいずれか一項に記載の冷却ユニットまたは装置を使用して行われる、請求の範囲第27または28項のいずれか1項に記載の空間の冷却方法。
【請求項1】
2相冷媒背部ドア熱交換器。
【請求項2】
多数の冷媒を導くループを有し、その各々が、一端で共通の入口または上流ヘッダーに接続され、他端で共通の出口または下流ヘッダーに接続される、請求の範囲第1項に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記ヘッダーが、細長い円柱状であり、出口ヘッダーの直径が、入口ヘッダーのそれより大きく、ループと共通のヘッダーとの間の接続部での2相冷媒の生成に対応する、請求の範囲第2項に記載の熱交換器。
【請求項4】
出口ヘッダーの内径と入口ヘッダーの内径の比が、1.1から1.5の範囲にある、請求の範囲第3項に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記比が約1.3である、請求の範囲第4項に記載の熱交換器。
【請求項6】
使用時に、R134a冷却剤(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)が2相状態で中を通って流れる、請求の範囲第5項に記載の熱交換器。
【請求項7】
入口ヘッダーに接続されているループの両端部に、それぞれオリフィスが設けられている、請求の範囲第2ないし6項のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記ループが、ほぼ水平に伸びている、請求の範囲第2ないし7項のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記ヘッダーが、ほぼ垂直に伸びている、請求の範囲第2ないし8項のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項10】
ほぼ垂直なヒンジによって片側でヒンジ止めされる、請求の範囲第2ないし9項のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項11】
前記ヘッダーは、ドアのヒンジ側にあって、ドアが開閉されるときのその移動量を少なくする、請求の範囲第10項に記載の熱交換器。
【請求項12】
前記ヘッダーには、それぞれの端部に、それぞれ迅速開放式コネクタが設けられている、請求の範囲第2ないし11項のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項13】
前記迅速開放式コネクタが、差込式コネクタからなる、請求の範囲第12項に記載の熱交換器。
【請求項14】
2相冷媒を通す熱交換器を使用して、熱を発生する機器を通った空気を冷却する方法。
【請求項15】
前記冷媒の沸点が、15℃から25℃の範囲にある、請求の範囲第14項に記載の方法。
【請求項16】
前記冷媒が、R134a冷却剤(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)からなる、請求の範囲第15項に記載の方法。
【請求項17】
前記方法が、請求項1ないし13のいずれか一項に記載の熱交換器を用いる、請求の範囲第14ないし16項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
冷却ユニットであって、該ユニットの使用時には冷媒流体を通す第一通路と、該ユニットの使用時には冷媒流体を通す第二通路とよりなり、該第一および第二通路の一部分は、該ユニットの熱交換器を構成するように互いに熱的に連結されており、ユニットの使用時、前記第二通路を通る冷媒流体は、冷却される空間内の少なくとも一つの熱交換器に通され、
ユニットの使用時、前記第二通路内の冷媒流体は、少なくとも部分的に気体であり、該ユニットの熱交換器は、コンデンサーであり、
該ユニットは、更に、前記第二通路内の圧力をモニターするように接続された少なくとも一つの圧力センサーと、前記第一通路内の冷媒流体の一つのパラメーターの調節を可能にするように接続されたパラメーター調節器とよりなり、ユニットの使用時、前記少なくとも一つの熱交換器内の冷媒流体は、2相状態にあり、該ユニットは、更にプロセッサよりなり、該プロセッサは、ユニットの使用時、前記少なくとも一つの圧力センサーから信号を受信し、パラメーター調節器へ信号を発信して、前記第一通路内の冷媒流体の一つのパラメーターを調節し、それにより前記第二通路内の圧力を変え、それによって前記少なくとも一つの熱交換器内の冷媒の温度を制御する、冷却ユニット。
【請求項19】
前記ユニットが、更に、一以上の温度/湿度センサーよりなり、該一以上の温度/湿度センサーは、ユニットの使用時に冷却される空間内に配置され、前記プロセッサに接続されており、
該プロセッサは、前記パラメーター調節器に信号を発振して、前記少なくとも一つの熱交換器内の冷却媒体の温度を、前記一以上の温度/湿度センサーが示す空間内の空気の露点よりも上に維持する、請求の範囲第18項に記載の冷却ユニット。
【請求項20】
前記パラメーターが、前記第二通路を通る冷媒の流れであり、前記パラメーター調節器が、可変制御弁または可変ポンプである、請求の範囲第18または19項のいずれか一項に記載の冷却ユニット。
【請求項21】
前記ユニットが、更に、前記第二通路内に接続されたセパレーターよりなり、第二通路内の冷媒の液体から気体を分離する、請求の範囲第18ないし20項のいずれか一項に記載の冷却ユニット。
【請求項22】
前記セパレーターが、冷媒の気体部分を前記コンデンサーへ、また、前記冷媒の液体部分を、該コンデンサーをバイパスする前記第二通路の一部分へ送るように接続された、請求の範囲第21項に記載の冷却ユニット。
【請求項23】
前記ユニットが、更に貯蔵器よりなり、該貯蔵器は前記第二通路に接続されており、前記第二通路内の冷媒の液体の予備量を保持する、請求の範囲第18ないし22項のいずれか一項に記載の冷却ユニット。
【請求項24】
. 前記貯蔵器が、前記コンデンサーをバイバスする前記第二通路のその一部分に接続された、請求の範囲第23項に記載の冷却ユニット。
【請求項25】
前記少なくとも一つの熱交換器に接続された請求の範囲第18ないし24項のいずれか一項に記載の冷却ユニットよりなり、前記第二通路の冷媒が、前記少なくとも一つの熱交換器を通過する、冷却装置。
【請求項26】
前記少なくとも一つの熱交換器が、請求項1ないし17のいずれか一項に記載の2相背部ドア熱交換器である、請求の範囲第25項に記載の冷却装置。
【請求項27】
ユニットの使用時には第一通路に冷媒流体を通し、そして、第二通路に冷媒を通すことよりなり、前記第一および第二通路の一部分は、互いに熱的に連結されて、熱交換器を構成し、前記第二通路を通る冷媒流体は、冷却される空間内の少なくとも一つの熱交換器に通される方法において、
前記第二通路内の冷媒流体が、少なくとも部分的に気体であり、前記第一および第二通路の部分によって構成される該熱交換器が、コンデンサーを構成し、前記少なくとも一つの熱交換器内の冷媒流体が、2相状態にあり、
また、前記第一通路内の冷媒流体のパラメーターを変えて、前記第二通路内の冷媒流体の圧力を変え、それによって前記少なくとも一つの熱交換器内の冷媒の温度を制御することを特徴とする、空間の冷却方法。
【請求項28】
前記第二通路内の冷媒が、R134a冷却剤(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)よりなる、請求の範囲第27項に記載の空間の冷却方法。
【請求項29】
前記方法が、請求項18ないし26のいずれか一項に記載の冷却ユニットまたは装置を使用して行われる、請求の範囲第27または28項のいずれか1項に記載の空間の冷却方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2012−523114(P2012−523114A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502777(P2012−502777)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【国際出願番号】PCT/GB2010/000665
【国際公開番号】WO2010/112873
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(594048437)イートン ウィリアムズ グループ リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】EATON−WILLIAMS GROUP LIMITED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【国際出願番号】PCT/GB2010/000665
【国際公開番号】WO2010/112873
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(594048437)イートン ウィリアムズ グループ リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】EATON−WILLIAMS GROUP LIMITED
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]