説明

脂肪族シアノアルデヒド類を脂肪族ジアミン類へ還元的アミノ化するための触媒系の触媒活性を改良するための方法

本発明は、脂肪族シアノアルデヒド類を脂肪族ジアミン類へ還元的アミノ化するための触媒系の触媒活性を改良するための方法を提供する。脂肪族シアノアルデヒド類を脂肪族ジアミン類へ還元的アミノ化するための触媒系の触媒活性を改良するための方法は、(1)アンモニア、任意で水素、及び任意で1つ又はそれ以上の溶媒を1つ又はそれ以上の異種の減少した触媒活性を有する金属をベースとする触媒系の上方に50℃〜500℃の範囲内の温度で1時間より長い期間に亘って供給する工程であって、前記1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系はシアノアルデヒド類からジアミン類へのモル変換に基づいて90%未満の収率を有する工程と、(2)それにより前記1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の前記触媒活性を改良する工程とを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年7月31日に出願された、その教示があたかも下記に全文で複製されているかのように本明細書に組み込まれる「PROCESS FOR IMPROVING THE CATALYTIC ACTIVITY OF CATALYST SYSTEMS FOR REDUCTIVE AMINATION OF ALIPHATIC CYANOALDEHYDES TO ALIPHATIC DIAMINES」と題する米国仮特許出願第61/230,362号からの優先権を主張する非仮特許出願である。
【0002】
本発明は、脂肪族シアノアルデヒド類を脂肪族ジアミン類へ還元的アミノ化するための触媒系の触媒活性を改良するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ビス(アミノメチル)シクロヘキサンは、脂肪族ジイソシアネート(ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン)に対する前駆体としての用途を有するジアミンである。ビス(アミノメチル)シクロヘキサンは、所定のポリウレタン系における連鎖延長剤として有用であり、エポキシ硬化剤として使用できる。ビス(アミノメチル)シクロヘキサンは、多数の異性体として存在するが、その中で極めて重要であるのは1,3−及び1,4−異性体である。1,3−及び1,4−異性体は、多数のジアステレオマー形でも存在することができるが、それはアミノメチル基がシクロヘキサン環の平面の上方又は下方に各々存在できるからである。
【0004】
1,3−及び1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン混合物は、数多くの合成経路によって製造できる。米国特許第3,143,570号は、水中での中間固体イミノメチルシクロヘキサンカルボニトリル類の製造及び単離を必要とする2工程方法について記載している。
【0005】
又別の実施例として、1つの合成経路はブタジエン及びアクロレインを用いて開始することができ、ディールス・アルダー(Diels−Alder)反応において1,2,3,6−テトラヒドロベンズアルデヒドを形成する。この中間体は次に第2アルデヒド基を加えるためにヒドロホルミル化され、所望のジアミンを形成するために還元的アミノ化される。このジアミンの異性体形の混合物は、例えば、米国特許第6,252,121号に記載されたように得られる。
【0006】
しかし米国特許第6,252,121号に記載されたスポンジ金属触媒又はシリカゲル/アルミナ上のニッケルを使用したヒドロホルミル化1,2,3,6−テトラヒドロベンズアルデヒドの還元的アミノ化は、ジアミン生成物を低収量で生成する傾向がある。出発材料のかなりの部分が望ましくない副生成物及びポリマー種を形成する。結果として、原料の費用が高くなり、粗生成物の精製は困難で高額の費用がかかる可能性がある。ポリマー副生成物は、反応器及び下流の精製ユニットの操作を汚染させることが多い。
【0007】
時には、例えば、米国特許第5,041,675号及び同第5,055,618号に記載されたように、アルキルアミンを用いて該アルデヒド基を「保護する」(又は「ブロックする」)ことによって還元的アミノ化反応における副生成物の形成を抑制することが可能である。ブロックされた基は重合及びその他の望ましくない副反応に対してより抵抗性がある。しかし、このアプローチは追加の原料の使用を必要とし、追加の化学種を反応内に導入するが、追加の化学種は後に粗生成物から除去して再循環させなければならない。歩留まりは、それでもまだ高度に経済的方法を有するために必要とされる収量にははるかに達していない。
【0008】
さらに、1,3−及び1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンのジアルデヒド中間体を経由する製造は、収量の急速な低下を引き起こす触媒不活性化に起因して困難な可能性がある。より安定性の触媒が同定されてはいるが、これらの触媒は操作の極めて初期から低い収量を提供する。さらに、ジアルデヒド中間体経路は、アクロレインの確実で十分な供給を必要とする。
【0009】
これらの触媒の性能問題を克服し、潜在的な将来のアクロレイン供給問題を回避するために、本発明は、1,3−及び1,4−シアノシクロヘキサンカルボキサルデヒド(CCA)の還元的アミノ化を提供する。この中間体は、アクロレインより入手し易いアクリロニトリル原材料に基づいている。同時のニトリル基の還元及びアルデヒド官能基の還元的アミノ化は、特殊触媒を必要とする。従来のニトリルの還元条件及び触媒は、アルデヒドの還元的アミノ化条件及び触媒よりはるかに攻撃的である。そこで、ニトリル基の完全還元のために有効な触媒及び条件は、さらに又アルデヒドを対応するアルコールへ還元させる傾向も有しており、収率損失を生じさせる。他方、典型的にはアルデヒドの還元的アミノ化のために選択される触媒及び条件は、典型的にはニトリル基の完全還元を提供することには効果がなく、中間体アミノニトリル類への収率損失を生じさせる。さらに、現行の触媒の相当に短い寿命は、その他の挑戦課題を導入する。ジアミン生成物(1,3−及び1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン)へ良好な収率を提供する触媒は、250時間未満の操業時間以内にニトリル水素化工程のためのそれらの活性を一貫して消失する。この方法のために経済的に実行可能な触媒には、はるかに長時間の寿命が、又は同等に、触媒1ポンド当たり数ポンドの1,3−及び1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンが製造されることが必要とされる。
【0010】
従って、それにより脂環式ビス(アミノメチル)化合物を経済的及び高収率で調製できる方法を提供することが望ましい。さらに、脂肪族シアノアルデヒド類を脂肪族ジアミン類へ還元的アミノ化するための触媒系の触媒活性を改良するための方法を提供することが望ましいと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第3,143,570号
【特許文献2】米国特許第5,041,675号
【特許文献3】米国特許第5,055,618号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、脂肪族シアノアルデヒド類を脂肪族ジアミン類へ還元的アミノ化するための触媒系の触媒活性を改良するための方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
1つの実施形態では、本発明は、脂肪族シアノアルデヒド類を脂肪族ジアミン類へ還元的アミノ化するための触媒系の触媒活性を改良するための方法であって、(1)アンモニア、任意で水素、及び任意で1つ又はそれ以上の溶媒を、1つ又はそれ以上の異種の減少した触媒活性を有する金属をベースとする触媒系(one or more heterogeneous metal based catalyst systems having a reduced catalytic activity)の上方に50℃〜500℃の範囲内の温度で1時間より長い期間に亘って供給する工程であって、該1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系はシアノアルデヒド類からジアミン類へのモル変換に基づいて90%未満の収率を有する工程と、(2)それにより該1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の該触媒活性を改良する工程とを含む方法を提供する。
【0014】
又別の実施形態では、本発明は、脂肪族シアノアルデヒド類を脂肪族ジアミン類へ還元的アミノ化するための触媒系の触媒活性を改良するための方法であって、(1)水素及び任意で1つ又はそれ以上の溶媒を1つ又はそれ以上の異種の減少した触媒活性を有する金属をベースとする触媒系の上方に100℃〜500℃の範囲内の温度で1時間より長い期間に亘って供給する工程であって、該1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系はシアノアルデヒド類からジアミン類へのモル変換に基づいて90%未満の収率を有する工程と、(2)それにより該1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の該触媒活性を改良する工程とを含む方法をさらに提供する。
【0015】
さらに又別の実施形態では、本発明は、脂肪族シアノアルデヒド類を脂肪族ジアミン類へ還元的アミノ化するための触媒系の触媒活性を改良するための方法であって、(1)アンモニア、任意で水素、及び1つ又はそれ以上の溶媒を1つ又はそれ以上の異種の減少した触媒活性を有する金属をベースとする触媒系の上方に50℃〜500℃の範囲内の温度で1時間より長い期間に亘って供給する工程であって、該1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系はシアノアルデヒド類からジアミン類へのモル変換に基づいて90%未満の収率を有する工程と、(2)引き続いて水素及び任意で1つ又はそれ以上の溶媒を該1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の上方に100℃〜500℃の範囲内の温度で1時間より長い期間に亘って供給する工程と、(3)それにより該1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の該触媒活性を改良する工程とを含む方法をさらに提供する。
【0016】
さらに又別の実施形態では、本発明は、先行方法のいずれかによって得られた改良された触媒活性を有する1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系をさらに提供する。
【0017】
本発明のさらに又別の実施形態では、本発明は、還元的アミノ化反応装置系に供給された1,3−シアノシクロヘキサンカルボキサルデヒド、1,4−シアノシクロヘキサンカルボキサルデヒド、それらの混合物、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類、水素、及びアンモニアの反応生成物を含む脂環式ジアミン類をさらに提供するが、このとき該1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類、水素、及びアンモニアは1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の存在下で80℃〜約160℃の範囲内の温度及び700〜3,500psigの範囲内の圧力下で相互に接触させられ、このとき該1つ又はそれ以上の脂環式ジアミン類は1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、それらの組み合わせ、及びそれらの混合物から選択される。
【0018】
さらに又別の実施形態では、本発明は、脂環式ジアミン類を製造するための方法であって、(1)1,3−シアノシクロヘキサンカルボキサルデヒド、1,4−シアノシクロヘキサンカルボキサルデヒド、それらの混合物、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類、水素、及びアンモニアを還元的アミノ化反応装置系に供給する工程と、(2)該1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類、水素、及びアンモニアを1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の存在下で80℃〜約160℃の範囲内の温度及び700〜3,500psigの範囲内の圧力下で相互に接触させる工程と、(3)それにより1つ又はそれ以上の脂環式ジアミン類を形成する工程であって、このとき該1つ又はそれ以上の脂環式ジアミン類は1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、それらの組み合わせ、及びそれらの混合物からなる群から選択されるジアミン類である工程とを含む方法をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明を具体的に例示するために、図面においては典型的な形態が示されている。しかし、本発明は図示された正確な配列及び手段には限定されないと理解すべきである。
【図1】本発明の実施例1の反応装置における、ジアミン産生収量と作業時間(TOS)との関係を示す、並びにグラム単位のジアミン産生収量とグラム単位の触媒量との関係を示すグラフである。(図中、Yieldは収率、Ammonolysisはアンモニア分解、Product Diamine Yieldは生成物ジアミンの収率、Bicyclic Amine Yieldは二環式アミンの収率、Aminonitrile Yieldはアミノニトリルの収率を示し、右の縦軸はBAMC(g)/触媒(g)を示す。)
【図2】本発明の実施例2の反応装置における、ジアミン産生収量と作業時間(TOS)との関係を示す、並びにグラム単位のジアミン産生収量とグラム単位の触媒量との関係を示すグラフである。(図中、Yieldは収率、Ammonolysisはアンモニア分解、Product Diamine Yieldは生成物ジアミンの収率、Bicyclic Amine Yieldは二環式アミンの収率、Aminonitrile Yieldはアミノニトリルの収率を示し、右の縦軸はBAMC(g)/触媒(g)を示す。)
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、脂肪族シアノアルデヒド類を脂肪族ジアミン類へ還元的アミノ化するための触媒系の触媒活性を改良するための方法を提供する。
【0021】
1つの実施形態では、本発明は、脂肪族シアノアルデヒド類を脂肪族ジアミン類へ還元的アミノ化するための触媒系の触媒活性を改良するための方法であって、(1)アンモニア、任意で水素、及び任意で1つ又はそれ以上の溶媒を1つ又はそれ以上の異種の減少した触媒活性を有する金属をベースとする触媒系の上方に50℃〜500℃の範囲内の温度で1時間より長い、例えば1〜24時間の期間に亘って供給する工程であって、該1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系はシアノアルデヒド類からジアミン類へのモル変換に基づいて90%未満の収率を有する工程と、(2)それにより該1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の該触媒活性を改良する工程とを含む方法を提供する。
【0022】
又別の実施形態では、本発明は、脂肪族シアノアルデヒド類を脂肪族ジアミン類へ還元的アミノ化するための触媒系の触媒活性を改良するための方法であって、(1)水素及び任意で1つ又はそれ以上の溶媒を1つ又はそれ以上の異種の減少した触媒活性を有する金属をベースとする触媒系の上方に100℃〜500℃の範囲内の温度で1時間より長い、例えば1〜24時間の期間に亘って供給する工程であって、該1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系はシアノアルデヒド類からジアミン類へのモル変換に基づいて90%未満の収率を有する工程と、(2)それにより該1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の該触媒活性を改良する工程とを含む方法をさらに提供する。
【0023】
さらに又別の実施形態では、本発明は、脂肪族シアノアルデヒド類を脂肪族ジアミン類へ還元的アミノ化するための触媒系の触媒活性を改良するための方法であって、(1)アンモニア、任意で水素、及び任意で1つ又はそれ以上の溶媒を1つ又はそれ以上の異種の減少した触媒活性を有する金属をベースとする触媒系の上方に50℃〜500℃の範囲内の温度で1時間より長い、例えば1〜24時間の期間に亘って供給する工程であって、該1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系はシアノアルデヒド類からジアミン類へのモル変換に基づいて90%未満の収率を有する工程と、(2)引き続いて水素及び任意で1つ又はそれ以上の溶媒をアンモニア及び水素を備える該1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の上方に100℃〜500℃の範囲内の温度で1時間より長い期間に亘って供給する工程と、(3)それにより該1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の該触媒活性を改良する工程とを含む方法をさらに提供する。
【0024】
本発明によって得られた、改良された触媒活性を有する1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系は、1つ又はそれ以上の脂環式ジアミン類を製造するために使用できる。
【0025】
本発明による1つ又はそれ以上の脂環式ジアミン類は、還元的アミノ化反応装置系に供給された1,3−シアノシクロヘキサンカルボキサルデヒド、1,4−シアノシクロヘキサンカルボキサルデヒド、それらの混合物、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類、水素、及びアンモニアの反応生成物を含むことができ、このとき該1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類、水素、及びアンモニアは1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の存在下で80℃〜約160℃の範囲内の温度及び700〜3,500psigの範囲内の圧力下で相互に接触させられ、このとき該1つ又はそれ以上の脂環式ジアミン類は1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、それらの組み合わせ、及びそれらの混合物から選択される。
【0026】
本発明による脂環式ジアミン類を製造するための方法は、(1)1,3−シアノシクロヘキサンカルボキサルデヒド、1,4−シアノシクロヘキサンカルボキサルデヒド、それらの混合物、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類、水素、及びアンモニアを還元的アミノ化反応装置系に供給する工程と、(2)該1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類、水素、及びアンモニアを改良された触媒活性を有する1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の存在下で80℃〜約160℃の範囲内の温度及び700〜3,500psigの範囲内の圧力下で相互に接触させる工程と、(3)それにより1つ又はそれ以上の脂環式ジアミン類を形成する工程であって、このとき該1つ又はそれ以上の脂環式ジアミン類は1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、それらの組み合わせ、及びそれらの混合物からなる群から選択されるジアミン類である工程とを含んでいる。
【0027】
該1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類は、3−シアノシクロヘキサンカルボキサルデヒド、4−シアノシクロヘキサンカルボキサルデヒド、それらの混合物、及びそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0028】
3−シアノシクロヘキサンカルボキサルデヒド(CAS番号50738−61−9)は、以下の構造及び式を有し得る:
【化1】


4−シアノシクロヘキサンカルボキサルデヒド(CAS番号18214−33−0)は、以下の構造及び式を有し得る:
【化2】

【0029】
1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類、水素、及びアンモニアの間の反応は、改良された触媒活性を有する1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の存在下で60℃〜200℃、例えば80℃〜約160℃又は90℃〜約130℃の範囲内の温度、及び500〜5,000psig、例えば700〜3,500psig又は1,400〜2,500psigの範囲内の圧力下で発生することができる。そのような1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系は、Co、Ni、Ru、Fe、Cu、Re、Pdから選択される金属、それらの酸化物、それらの混合物、及びそれらの組み合わせを含むことができる。そのような1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系は、バルク金属触媒系、スポンジ金属触媒系、担持金属触媒系、それらの混合物、又はそれらの組み合わせを含むことができる。そのような1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系は、バルクのコバルトをベースとする触媒系を含むことができる。連続方法では、触媒の寿命は1つ又はそれ以上の脂環式ジアミン類対1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の300より大きい、例えば500より大きい、又は別の場合には900より大きい、又は別の場合には1,000より大きい重量比を容易にする。該1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系は、スポンジ金属触媒をさらに含むことができる。該1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系は、1つ又はそれ以上の促進剤又は1つ又はそれ以上の結合剤をさらに含むことができる。そのような1つ又はそれ以上の促進剤は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群から選択することができる。そのような1つ又はそれ以上の結合剤は、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、それらの混合物、又はそれらの組み合わせを含むことができる。そのような1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系は、Grace Davison Catalyst社製のラネーコバルト(Raney Cobalt)触媒、BASF社製のCo−0179Tコバルト触媒、及びBASF社製のCo−138E触媒として市販で入手できる。
【0030】
連続方法では、触媒の費用はその寿命に依存するが、該寿命は必要とされる触媒1ポンドに付き製造される生成物の重量と等価である。経済的に実行可能な連続方法のためには、適正に長い寿命が必要とされる。該1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系は、該1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類、水素、及びアンモニアの間の反応を触媒するために必要な量で存在してよい。例えば、触媒の寿命は、脂環式ジアミン類対1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の300より大きい、例えば500より大きい、又は別の場合には900より大きい、又は別の場合には1,000より大きい重量比を容易にする。1つの実施形態では、1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系は、例えば、連続固定床触媒系を含むことができる。
【0031】
該1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系は、該1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類、水素、及びアンモニアの間の反応を触媒するために必要な量で存在してよい。1時間当たり触媒1質量当たりの1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類混合物の質量であると規定されている空間速度は、0.1〜10.0/時、例えば0.1〜5.0/時、又は別の場合には0.1〜3.0/時、又は別の場合には0.1〜2.0/時、又は別の場合には0.1〜1.0/時、又は別の場合には0.3〜0.8/時の範囲内にある。
【0032】
アンモニアは、1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類に比較して過剰量で存在する。アンモニアは、例えば、2〜50モル/モル(1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類)の範囲内、又は別の場合には5〜40モル/モル(1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類)の範囲内、又は別の場合には8〜30モル/モル(1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類)の範囲内で存在してよい。水素は、例えば、3〜30モル/モル(1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類)の範囲内、又は別の場合には3〜10モル/モル(1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類)の範囲内、又は別の場合には3〜6モル/モル(1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類)の範囲内で存在してよい。
【0033】
1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類、水素、及びアンモニアの間の反応は、任意で1つ又はそれ以上の溶媒の存在下で発生することができる。そのような溶媒には、水;2−プロパノール(イソプロピルアルコール)(CAS番号67−63−0);メタノール(CAS番号67−56−1);t−ブタノール(CAS番号75−65−0);及びテトラヒドロフラン(THF)(CAS番号109−99−9)が含まれるがそれらに限定されない。反応装置内への供給は、1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類及び1つ又はそれ以上の溶媒の総合重量に基づいて0〜90重量%の1つ又はそれ以上の溶媒、又は別の場合には1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類及び1つ又はそれ以上の溶媒の総合重量に基づいて0〜30重量%の1つ又はそれ以上の溶媒、又は別の場合には1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類及び1つ又はそれ以上の溶媒の総合重量に基づいて0〜10重量%の1つ又はそれ以上の溶媒を含むことができる。
【0034】
1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類、水素、及びアンモニアの間の反応は、連続還元的アミノ化反応装置内で発生することができる、又は別の場合にはバッチ式反応装置系で発生することができ、又は別の場合にはセミバッチ式反応装置系で発生することができる。そのような反応装置は、一般に当業者には公知である。連続還元的アミノ化反応装置、セミバッチ式還元的アミノ化反応装置、又はバッチ式還元的アミノ化反応装置は、1つ又はそれ以上の反応装置を直列、並列、又はそれらの組み合わせで含むことができる。
【0035】
本発明により製造される1つ又はそれ以上の脂環式ジアミン類は、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、それらの組み合わせ、及びそれらの混合物からなる群から選択されてよい。
【0036】
1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(CAS番号2579−20−6)は、以下の構造及び式を有し得る:
【化3】


1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(CAS番号2549−93−1)は、以下の構造及び式を有し得る:
【化4】

【0037】
追加の副生成物は、3−(アミノメチル)−シクロヘキサンカルボニトリル(CAS番号23083−50−3);4−(アミノメチル)−シクロヘキサンカルボニトリル(CAS番号54898−73−6);3−アザビシクロ[3.3.1]ノナン(CAS番号280−70−6);3−アザビシクロ[3.3.1]ノン−2−エン(CAS番号7129−32−0);7−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−メタンアミン;3−(アミノメチル)−シクロヘキサンメタノール(CAS番号925921−54−6);4−(アミノメチル)−シクロヘキサンメタノール(CAS番号1074−62−0)を含むことができる。
【0038】
本発明による脂環式ジアミン類を製造するための方法では、1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類、水素、アンモニア、及び任意で1つ又はそれ以上の溶媒が還元的アミノ化反応装置内に導入され、1つ又はそれ以上の脂環式ジアミン類を産生するために、改良された触媒活性を有する1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の存在下で80℃〜約160℃の範囲内の温度及び700〜3,500psigの範囲内の圧力下で相互に接触させられる。
【0039】
1つの実施形態では、1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類は最初にアンモニアと接触させられ、次に1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類とアンモニアとの反応の生成物を包含する生成物混合物は改良された触媒活性を有する1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の存在下で水素と接触させられる。
【0040】
1つ又はそれ以上の脂肪族ジアミン類、任意で1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類とアンモニアとの反応の生成物の一部分、任意でアンモニアの一部分、任意で水素の一部分、任意で1つ又はそれ以上の副生成物の一部分、任意で水の一部分、及び任意で1つ又はそれ以上の溶媒の一部分を包含する生成物混合物は、上記で記載したように該1つ又はそれ以上の反応装置系で形成される。生成物混合物は次に、該1つ又はそれ以上の反応装置系から取り出され、連続順序で配列された1つ又はそれ以上の蒸留塔に移される。生成物混合物が連続順序で配列された1つ又はそれ以上の蒸留塔に移された後、少なくともアンモニアの一部分、水素の一部分、又はそれらの混合物は生成物混合物から1つ又はそれ以上の蒸留工程を介して除去される。引き続いて、該1つ又はそれ以上の溶媒、及び/又は任意で存在する場合は水の少なくとも一部分が1つ又はそれ以上の蒸留工程を介して除去される。引き続いて、1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類とアンモニアとの反応の生成物又は1つ又はそれ以上の副生成物の少なくとも一部分は、1つ又はそれ以上の蒸留工程を介して除去されるので、そこで該1つ又はそれ以上の脂環式ジアミン類は該生成物混合物から分離され、該1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類は1つ又はそれ以上の脂肪族ジアミン類へ変換される。蒸留方法については、全体として参照により本明細書に組み込まれる米国仮特許出願第61/230,300号にさらに記載されている。
【0041】
本発明による1つ又はそれ以上の脂環式ジアミン類は、脂肪族ジイソシアネート(ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン)に対する前駆体として、所定のポリウレタン系における連鎖延長剤として、又はエポキシ硬化剤として使用することができる。
【実施例】
【0042】
以下の実施例は本発明を具体的に示すものであるが、本発明の範囲を限定することは意図していない。
【実施例1】
【0043】
反応装置供給混合物は、85〜90重量%のシアノアルデヒドから構成される粗シアノアルデヒドをtert−ブタノール(t−ブタノール)と結合することによって調製し、濃度がおよそ70重量%の粗シアノアルデヒドを得た。この混合物を炭酸ナトリウム床に通過させた。反応装置の管に7.0gのBASF社製Co−0179T触媒を装填し、100粒(150μm)のSiC(炭化ケイ素)微粒子を用いて希釈した。反応装置の温度を250℃に上昇させた。反応装置の温度を14時間に亘って250℃に保持し、その後に連続水素流下でおよそ80℃未満の範囲内の温度へ低下させた。反応装置の温度が80℃未満に達したらすぐに、過流量のアンモニア(以下で説明するように、所望の設定値の約3〜5倍で)を反応装置内へ導入した。温度及び圧力をその後、およそ100℃及びおよそ1,400psigの所望の設定値へ変化させた。少なくとも1時間後、アンモニアの速度は、水素対シアノアルデヒドのモル比5を用いて0.06mL/分の有機物供給速度、2.3mL/g/時の液時空間速度(LHSV、結合有機物及びアンモニア質量供給速度(供給物/触媒/時間(mL/g/時)に基づく)を用いて所望の設定値0.21mL/分へ減少させた。サンプルは反応装置から定期的に収集し、ガスクロマトグラフィーによって分析した。反応装置は960時間の作業時間(TOS)に亘ってランさせ、アミノニトリルの低産生率を維持するために温度を120℃へ上昇させた。生成物のジアミン(1,3−及び1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン)収率は、触媒活性の損失のために90.3%から79.7%へ低下した。960時間のTOSでアンモニア分解を実施した。アンモニアを0.5mL/分及び水素を50sccmで固体コバルト触媒の上方に145℃及び1,400psiで8時間に亘って供給した。アンモニア流を停止し、水素は固体コバルト触媒の上方に250℃及び1,400psiで13時間に亘って100sccmに増加した。反応装置の温度を連続水素流下で<80℃へ低下させた後、過流量のアンモニア(所望の設定値の少なくとも3〜5倍で)を開始した。反応条件を次に2.3mL/g/時のLHSV及び水素対シアノアルデヒドのモル比5を用いて再確立した。温度を100℃、圧力を1,400psiに設定した。アンモニア分解後、即ち上昇した温度、典型的には140℃〜300℃の範囲の温度でアンモニア及び/又は水素を用いて固体触媒を処理した後、生成物であるジアミンの収率は、図1に示したように88.3%へ回復した。触媒の不活性化は、アンモニア分解後に再び始まった。
【実施例2】
【0044】
反応装置供給混合物は、85〜90重量%のシアノアルデヒドから構成される粗シアノアルデヒドをtert−ブタノール(t−ブタノール)と結合することによって調製し、濃度がおよそ70重量%の粗シアノアルデヒドを得た。この混合物を炭酸ナトリウム床に通過させた。反応装置の管に7.0gのBASF社製Co−0179T触媒を装填し、100粒(150μm)のSiC(炭化ケイ素)微粒子を用いて希釈した。反応装置の温度を233℃に上昇させた。反応装置の温度を14時間に亘って233℃に保持し、その後に連続水素流下でおよそ80℃未満の範囲内の温度へ低下させた。反応装置の温度が80℃未満に達したらすぐに、過流量のアンモニア(以下で説明するように、所望の設定値の約3〜5倍で)を反応装置内へ導入した。温度及び圧力をその後、およそ100℃及びおよそ2,000psigの所望の設定値へ変化させた。少なくとも1時間後、アンモニアの速度は、水素対シアノアルデヒドのモル比5を用いて0.07mL/分の有機物供給速度、2.8/時−1の毎時重量空間速度(WHSV、結合有機物及びアンモニア質量供給速度に基づく)を用いて所望の設定値0.22mL/分へ減少させた。作業時間0〜30時間に収集したサンプルは、図2に示したように、91〜92%のジアミン(1,3−及び1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン)のモル収率を0〜0.25%のアミノニトリルのモル収率及び2.3〜3.6%の二環式アミン(3−アザビシクロ[3.3.1]ノナン)のモル収率を示した。50時間の作業時間(TOS)後、流量は4/時−1の結合WHSVについて増加した。より高流量での生産性は、1.23×10−7モル/g/s(ジアミン/触媒/秒)であった。反応装置の温度は、アミノニトリルの低産生率を維持するために5℃増分で上昇させた。840時間のTOS後、反応装置の温度はおよそ120℃で、圧力はおよそ2,000psigであった。840時間のTOSでは、反応装置の流出物は80%の生成物ジアミン、9.1%の二環式アミン、及び2.6%のアミノニトリルの収率を提供した。アンモニア分解、即ち上昇した温度、典型的には140℃〜300℃の範囲の温度でアンモニア及び/又は水素を用いて固体触媒を処理する工程を840時間のTOSで実施した。アンモニアを0.5mL/分及び水素を50sccm(standard cubic cm per minute)で固体コバルト触媒の上方に145℃及び1,900psiで8時間に亘って供給した。アンモニア流を停止し、水素は固体コバルト触媒の上方に250℃及び1,900psiで13時間に亘って100sccmに増加させた。反応装置の温度を連続水素流下でおよそ80℃未満へ低下させた後、過流量のアンモニア(所望の設定値の少なくとも3〜5倍で)を導入した。反応条件を次に2.1mL/g/時のLHSV及び水素対シアノアルデヒドのモル比5を用いて再確立した。アンモニア分解後に操作に持ち込まれた有機物供給は、それがLiCOを用いて処理され、8.8%の含水量を有していた点が相違していた。温度を100℃、圧力を2,000psiに設定した。アンモニア分解後、生成物ジアミンの収率は図2に示したように89.7%に回復し、生産率は6.2×10−7モル/g/s(ジアミン/触媒/秒)であった。
【0045】
本発明は、本発明の精神及び本質的属性から逸脱せずに他の形態で実施することができるので、従って本発明の範囲を指示している上記の明細書よりもむしろ添付の特許請求の範囲を参照すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪族シアノアルデヒド類を脂肪族ジアミン類へ還元的アミノ化するための触媒系の触媒活性を改良するための方法であって、
アンモニア、任意で水素、及び任意で1つ又はそれ以上の溶媒を減少した触媒活性を有する1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の上方に50℃〜500℃の範囲内の温度で1時間より長い期間に亘って供給する工程であって、前記1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系はシアノアルデヒド類からジアミン類へのモル変換に基づいて90%未満の収率を有する工程と、
それにより前記1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の前記触媒活性を改良する工程とを含む方法。
【請求項2】
脂肪族シアノアルデヒド類を脂肪族ジアミン類へ還元的アミノ化するための触媒系の触媒活性を改良するための方法であって、
水素及び任意で1つ又はそれ以上の溶媒を減少した触媒活性を有する1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の上方に100℃〜500℃の範囲内の温度で1時間より長い期間に亘って供給する工程であって、前記1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系はシアノアルデヒド類からジアミン類へのモル変換に基づいて90%未満の収率を有する工程と、
それにより前記1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の前記触媒活性を改良する工程とを含む方法。
【請求項3】
脂肪族シアノアルデヒド類を脂肪族ジアミン類へ還元的アミノ化するための触媒系の触媒活性を改良するための方法であって、
アンモニア、任意で水素、及び1つ又はそれ以上の溶媒を減少した触媒活性を有する1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の上方に50℃〜500℃の範囲内の温度で1時間より長い期間に亘って供給する工程であって、前記1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系はシアノアルデヒド類からジアミン類へのモル変換に基づいて90%未満の収率を有する工程と、
引き続いて水素及び任意で1つ又はそれ以上の溶媒を前記1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の上方に100℃〜500℃の範囲内の温度で1時間より長い期間に亘って供給する工程と、
それにより前記1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の前記触媒活性を改良する工程とを含む方法。
【請求項4】
請求項1から3に記載の方法のいずれかによって得られる改良された触媒活性を有する1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系。
【請求項5】
脂環式ジアミンであって、
還元的アミノ化反応装置系に供給された1,3−シアノシクロヘキサンカルボキサルデヒド、1,4−シアノシクロヘキサンカルボキサルデヒド、それらの混合物、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類、水素、及びアンモニアの反応生成物を含み、ここで前記1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類、水素、及びアンモニアは請求項4に記載の1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の存在下で80℃〜約160℃の範囲内の温度及び700〜3,500psigの範囲内の圧力下で相互に接触させられ、
ここで前記1つ又はそれ以上の脂環式ジアミン類は1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、それらの組み合わせ、及びそれらの混合物から選択される脂環式ジアミン。
【請求項6】
脂環式ジアミン類を製造するための方法であって、
1,3−シアノシクロヘキサンカルボキサルデヒド、1,4−シアノシクロヘキサンカルボキサルデヒド、それらの混合物、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類、水素、及びアンモニアを還元的アミノ化反応装置系に供給する工程と、
前記1つ又はそれ以上の脂環式シアノアルデヒド類、水素、及びアンモニアを請求項4に記載の1つ又はそれ以上の異種の金属をベースとする触媒系の存在下で80℃〜約160℃の範囲内の温度及び700〜3,500psigの範囲内の圧力下で相互に接触させる工程と、
それにより1つ又はそれ以上の脂環式ジアミン類を形成する工程であって、ここで前記1つ又はそれ以上の脂環式ジアミン類は1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、それらの組み合わせ、及びそれらの混合物からなる群から選択されるジアミン類である工程と、を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−504631(P2013−504631A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549980(P2012−549980)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/043899
【国際公開番号】WO2012/087266
【国際公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】