説明

脊椎の治療方法および関連装置

走査装置を操作してひびまたは亀裂により変形した椎間板の位置を特定し、変形した椎間板に波形エネルギーを照射して椎間板のコラーゲン線維を変性させ、かつ椎間板にある疼痛受容体を破壊できる程度に椎間板を加熱して、脊椎痛を非侵襲的に治療する。走査装置は超音波走査器であってもよく、治療波形エネルギーは超音波波形エネルギーであってもよい。波形エネルギーを照射するステップは、椎間板内に超音波圧力波を発生させるステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ある種の脊椎脊髄疾患の治療方法に関する。より具体的には、本発明は、椎間板内温熱療法に関する。また、本発明は椎間板内温熱療法で利用可能な関連装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
最近の研究では、椎間板の痛みは、自然変性または外傷により椎間板線維輪にひびや亀裂が生じるために引き起こされることが認められている。椎間板線維輪のこれらの亀裂に異常な痛覚神経線維が入り込み、炎症性化学物質が脊柱管内に漏出してしまうことがある。従来、痛みを伴う椎間板を除去し、脊椎に金属または骨を埋め込む主要な腰椎固定術以外には、慢性的な痛みを伴う変性した椎間板の治療法は存在していなかった。
【0003】
腹腔鏡下腰椎前方椎体間固定術などの椎間板内内視鏡技術は、腰椎への内部アプローチに適している。内視鏡的アプローチは有望であるが、いくらかの限界がある。科学者らは、腹腔鏡的アプローチでは手術時間がさらに長引き、男性の性的機能不全の割合がさらに高まるが、切開法では術部がより見やすく、技術的に損傷が少ないことを見い出している。
【0004】
椎間板内内視鏡的治療(intradiscal endoscopic treatment:IDET)は、1つまたは複数の椎間板の外壁における断裂によって生じた腰痛患者のための新規の最小侵襲性治療である。この療法では、変性した椎間板のコラーゲン線維を変性させかつその領域にある疼痛受容体を破壊するために熱を照射する。内部に電流が流れる電熱式カテーテルを挿入して変形した椎間板を加熱する。
【0005】
IDETは、患者を覚醒させたまま局所麻酔下で行われる外来処置である。外科医は、X線カメラの誘導下で、患者の背中の小切開を通して変形した椎間板までカテーテルを挿入する。椎間板の間隙に到達すると、カテーテルで椎間板を90℃の温度まで約20分かけて加熱する。患者は暫くの間観察された後、帰宅を許される。処置後数日以内に痛みの緩和が得られる場合や、緩和が認められるまで最大8週間を要することもある。初期の研究では、患者によっては痛みの緩和が最大6ヶ月以上継続する場合があることを示している。しかし、患者によっては痛みの緩和が全く認められないこともある。この椎間板に対する処置の長期的効果はまだ分かっていない。
【0006】
IDET後の回復には1〜2週間を要する。多くの場合、処置後の運動プログラムが勧められる。IDETの初期の結果は、処置を受けた患者の一部から、活動レベルの上昇、鎮痛剤の使用の減少、および座位耐久力の向上が報告されたことを示している。その後公表された結果はあまり肯定的なものではない。長期転帰を調査し、痛みの緩和の他の形態と比較しなければならない。特にプラセボを対照とした無作為化臨床試験の形態でIDETの有効性に関するより多くのデータが必要である。
【0007】
IDETの治療機能は、熱を使用して椎間板のコラーゲン線維を変性させかつ標的領域にある疼痛受容体を破壊することに基づいている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、椎間板内で発生した脊椎痛を治療するための非侵襲的方法および/または関連装置を提供することにある。より具体的には、本発明は、椎間板内に熱を発生させて椎間板のコラーゲン線維を変性させ、標的領域にある疼痛受容体を破壊するための方法および/または関連装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る脊椎痛の治療方法は、走査装置を操作してひびまたは亀裂により変形した椎間板の位置を特定することと、変形した椎間板に波形エネルギーを照射して椎間板のコラーゲン線維を変性させかつ椎間板にある疼痛受容体を破壊できる程度に椎間板を加熱することとを含む。波形エネルギーは患者の体外で生成され、患者の組織を通って患部または他の部位に到達する。
【0010】
波形エネルギーはマイクロ波または高周波などのいかなる効果的な形態をとってもよいが、波形エネルギーは超音波波形エネルギーであることが好ましい。その場合、波形エネルギーを照射することは、椎間板内で超音波圧力波を発生させることを含む。
【0011】
本発明の別の特徴によれば、例えば、高密度焦点式超音波(high-intensity focused ultrasound:HIFU)装置を操作して、超音波圧力波を椎間板内に集束させる。HIFUトランスデューサまたは波発生器モジュールは、トランスデューサの長さ/幅比を最適化することができる放物線状横断面を有する固定した形態で配置された複数のトランスデューサ素子を含んでいてもよい。
【0012】
本発明のさらなる特徴によれば、走査装置は超音波装置である。従って、走査装置を操作することは、椎間板内に超音波圧力波を発生させることを含む。走査装置および熱誘発波形発生器の両方が超音波装置である場合、これらの装置は別々の専用の装置であってもよい。あるいは、少なくともいくつかのトランスデューサ素子を使用して画像化機能および治療機能の両方を実行してもよい。例えば、超音波装置は、ビデオモニタに表示される画像を生成するために処理される画像情報を抽出するための非集束フェーズドアレイモードで駆動される多様なトランスデューサ素子を含んでいてもよい。操作医師は、表示された画像から変形した椎間板を検出すると、超音波装置を操作してフェーズドトランスデューサアレイを駆動し、超音波を該変形した椎間板内に集束させてもよい。
【0013】
波形発生装置は、適量の超音波波形エネルギーを変性した椎間板に照射するための回路またはプログラミングを含んでいてもよい。制御回路またはプログラミングによって、椎間板のコラーゲン線維を変性させかつ椎間板にある疼痛受容体を破壊するのに十分なエネルギーを椎間板に照射することができる。また、制御回路またはプログラミングによって、照射エネルギーを制限して、過熱および過熱による椎間板コラーゲンの損傷を回避することができる。
【0014】
走査装置は通常、1つ以上の電気機械トランスデューサを含み、高密度焦点式超音波(HIFU)装置は、少なくとも1つの電気機械トランスデューサを含む。走査装置のトランスデューサをHIFU装置のトランスデューサに対して固定するための取付構造を設けてもよい。その場合、本発明の方法は、患者の皮膚表面の上方において、少なくとも1つの第2の電気機械トランスデューサを、少なくとも1つの第1の電気機械トランスデューサに並行して移動させることをさらに含む。走査装置を操作することは、少なくとも1つの電気機械トランスデューサを駆動して診断的超音波圧力波を椎間板内に発生させることを含み、波形エネルギーを照射することは、少なくとも1つの他の電気機械トランスデューサを駆動して治療的超音波圧力波を椎間板内に発生させることを含む。
【0015】
HIFU装置のトランスデューサは、走査装置のトランスデューサとは分離した専用の素子であってもよい。これは、治療装置が、患部または他の部位に波を集中させる助けとなる形態で固定されたトランスデューサ素子を有するプローブを含む場合に当てはまることが多い。治療プローブヘッドは、放物線状のシリンダーに沿って配置されたそれ自体のトランスデューサを有していてもよい。
【0016】
あるいは、HIFU装置および走査装置は、トランスデューサ素子を共有してもよい。これは、例えば、トランスデューサが、第1に、変形した椎間板の位置を特定するための画像化目的のため、引き続いて、標的椎間板のコラーゲン物質を加熱するための治療目的のためのフェーズドアレイとして機能させる場合に可能である。
【0017】
また、治療プローブは、フェーズドアレイとして機能させる一組の専用のトランスデューサを含んでいてもよく、走査装置は、フェーズドアレイとして別々に機能させる別の一組のトランスデューサを含む。そのようなハードウェアを用いて、変形または変性した椎間板の近似位置において患者の脊髄に並列して治療プローブおよび走査トランスデューサアレイを配置するだけでもよい。プローブおよび走査アレイを一旦所定の位置に配置すれば、トランスデューサを移動させずに走査および治療を行なってもよい。
【0018】
あるいは、走査トランスデューサならびに治療トランスデューサを可動式プローブヘッド上に配置してもよい。プローブを、変形または変性した椎間板の位置を特定するための走査時に患者の皮膚表面の上方において移動させる。椎間板の位置を一旦特定すれば、集束波形エネルギーの照射中、プローブヘッドを固定位置に保持してもよい。
【0019】
従って、本発明に係る脊椎痛の治療装置は、ひびまたは亀裂により変形した椎間板の位置を特定するように構成された波形走査器を含み、波形走査器は、患者に近接して配置可能な少なくとも1つのセンサ素子を含む。この治療装置は、変形した椎間板に照射するための波形エネルギー源をさらに含む。波形エネルギー源は、椎間板のコラーゲン線維を変性させかつ椎間板にある疼痛受容体を破壊できる程度に椎間板を加熱するように照射波形エネルギーの量を制御する制御回路を含む。
【0020】
波形エネルギーが超音波波形エネルギーである場合、波形エネルギー源は、少なくとも1つの電気機械トランスデューサを含む。波形エネルギー源は、超音波波形エネルギーを椎間板内に集束させるための手段を含む。この集束させるための手段は、フェーズドアレイ法で複数の離間したトランスデューサ素子を駆動するためのソフトウェアプログラムの形態であってもよい。あるいは、この集束させるための手段は、高密度焦点式超音波を発生させるための放物線上アレイ内に配置された多数の圧電トランスデューサなどのさらなるハードウェアを含んでいてもよい。
【0021】
本発明の特定の実施形態では、治療波形エネルギー源の少なくとも一部は、センサに対して固定されており、患者の皮膚表面に対してセンサ素子と並行して移動させることができる。
【0022】
本発明は、椎間板内で発生した脊椎痛を治療するための非侵襲的方法および関連装置を提供する。本方法および関連装置は、椎間板内に熱を発生させて椎間板のコラーゲン線維を変性させかつ標的領域内にある疼痛受容体を破壊する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る方法における、椎間板を治療するためのシステムを示すブロック図である。
【図2】図1に示す制御装置の選択された構成要素のブロック図である。
【図3】本発明に係る方法で利用可能な超音波治療プローブの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
脊椎痛の治療方法では、走査装置12(図1)を操作して、患者PAの体内の、ひびまたは亀裂により変形した椎間板SDの位置を特定する。次に、治療装置14を操作して、変形した椎間板SDに波形エネルギー16を照射し、椎間板のコラーゲン線維を変性させかつ椎間板にある疼痛受容体を破壊できる程度に椎間板を加熱する。波形エネルギー16は、患者PAの体外で生成され、患者の組織PT内を通って患部18または他の部位まで到達する。
【0025】
波形エネルギー16は、マイクロ波または高周波などのいかなるの効果的な形態をとってもよい。波形エネルギー16は、超音波波形エネルギーであることが好ましい。その場合、治療装置14は、患者の皮膚PSと波動の伝搬により接触するように配置された走査トランスデューサ22からなるアレイ20を含む。トランスデューサ22が適当に駆動されると、椎間板SD内の患部18に集束する超音波圧力波を患者PAの体内に発生する。
【0026】
アレイ20のトランスデューサ22は、治療波形発生器24に接続されており、治療波形発生器24は、使用者によって入力端子または周辺装置28を介して入力された命令に応答して制御装置26によって順次駆動される。走査装置12によって患者PAの脊柱SCが走査されている間、使用者はビデオモニタ30に生成される画像を見ている。走査装置12は、任意の都合のよい形態(MRI、CAT)をとってもよいが、制御装置26の制御下で波形発生器36によって選択的に駆動するトランスデューサ素子34からなるアレイ32を有する超音波走査器を含むことが好ましい。トランスデューサ素子34は、圧電性結晶であってもよく、一般に脊柱SCを覆う患者の皮膚表面PSと(例えば、ゲルを用いて)波動が伝搬する接触をするように配置されている。トランスデューサ素子34は、患者の組織PT内で、アレイ32に部分的に反射される非集束超音波圧力波を発生させる。トランスデューサ34は、戻ってきた反射波の予備処理を行い、制御装置26に対して分析されたあるいは部分的に分析された画像データを含む信号を提供する信号処理装置37によって選択的にポーリングされる。
【0027】
制御装置26は、トランスデューサ22によって波形エネルギー16を変形または変性した椎間板SD内の患部16に集束させて、椎間板のコラーゲン線維を変性させかつ椎間板にある疼痛受容体を破壊できる程度に椎間板を加熱するように、波形発生器24の動作を調整する。そのために、制御装置26は、集束超音波の振幅およびタイミングを調整する強度制御モジュール38および持続時間制御モジュール40(図2)を含む。より良好に分散および制御するために、治療的超音波をパルス状に照射してもよい。強度制御モジュール38および持続時間制御モジュール40は、変形した椎間板に適量の超音波波形エネルギーが照射されるように協働する。制御回路またはプログラミングによって、椎間板のコラーゲン線維を変性させかつ椎間板にある疼痛受容体を破壊できる程度に椎間板を加熱するのに十分なエネルギーを照射することができる。また、制御回路またはプログラミングによって、照射エネルギーを制限して、過熱および過熱による椎間板コラーゲンの損傷を回避することができる。
【0028】
治療装置14は、高密度焦点式超音波(HIFU)装置であってもよい。その場合、治療トランスデューサアレイ20のトランスデューサ素子22は、トランスデューサの長さ/幅比を最適化することができる放物線状横断面(図3を参照)を有する固定形態で配置されている。参照符号42は、超音波圧力波を患者の組織PT内に伝搬させる効果的な患者−プローブインタフェースの創出を容易にする、液体で満たされた柔軟な袋を表す。
【0029】
走査装置12を操作することは、標的椎間板SD内で超音波圧力波を発生させることを含む。走査装置12および熱誘発波形発生治療装置14の両方が超音波装置である場合、これらの装置は別々の専用の装置であってもよい。その場合、走査アレイ20および32は、それぞれの基板または支持体(図示せず)に取り付けられていてもよい。あるいは、少なくともいくつかのトランスデューサ素子22、34は、画像化機能および治療機能の両方を実行するために使用してもよい。その場合、走査装置12および治療装置14は、単一のハードウェア装置によって実行される。一組の共通のトランスデューサ、例えばトランスデューサ22またはアレイ20がトランスデューサ22および34の機能を実行し、波形発生器36が治療波形発生器24の機能を実行する。これらは全て制御装置26からの信号に応答して実行される。このような機能の組み合わせでは、トランスデューサ22を、ビデオモニタ30に表示される画像を生成するために処理される画像情報を抽出するために非集束フェーズドアレイモードで駆動させてもよい。操作医師は、表示された画像から変形した椎間板SDを検出すると、フェーズドトランスデューサアレイ20を駆動して変性した椎間板SD内に超音波を集束させるように制御装置26に指示を与える。
【0030】
一組の共通のトランスデューサは、図3に示す放物線状の形態であってもよい。トランスデューサ22は、画像化および治療のそれぞれに対して異なるアルゴリズムに従って駆動する。治療の場合、放射状アレイ20のトランスデューサを駆動するのと同時に超音波を患部16または他の部位に集束させる(1点に集束させるために、トランスデューサは回転放物線に沿って配置されているが、プリズム状の放物線の形態によって、線に沿った集束が実現される。)。図3に示すトランスデューサ22は、走査中に一度に駆動するトランスデューサであり、順次ポーリングされることもある。
【0031】
走査装置12および熱誘発波形発生治療装置14がそれぞれ専用のトランスデューサアレイ20および32を有する場合であっても、図1に示すように、同じ基板上、例えば、同じプローブヘッド44上にアレイを配置してもよい。プローブヘッド44は、走査装置12のトランスデューサ34をHIFU装置14のトランスデューサ22に対して固定する取付構造を含む。操作者が患者の皮膚表面PSの上方においてプローブヘッド44を移動させることができる場合、操作者は走査トランスデューサ34に並行して治療トランスデューサ22を自然に移動させる。トランスデューサ22および34は通常、圧電性結晶などの電気機械素子である。
【0032】
本発明を特定の実施形態および用途の観点から説明してきたが、当業者であれば、この教示を踏まえて、本発明の精神を逸脱せずに、または本発明の範囲を超えずに、さらなる実施形態および修正を想定することができる。従って、図面および本明細書の説明は、本発明を容易に理解するための例示の手段として提供されたものであり、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ひびまたは亀裂により変形した椎間板の位置を特定するように構成され、患者に近接して配置可能な、少なくとも1つのセンサ素子を含む波形走査器と、
前記変形した椎間板に照射するための波形エネルギー源と、
を含み、
前記波形エネルギー源が、前記椎間板のコラーゲン線維を変性させかつ前記椎間板にある疼痛受容体を破壊するのに効果的な量の熱を前記椎間板に加えるように照射される波形エネルギーを制御する制御回路を含む、
脊椎痛の治療装置。
【請求項2】
前記波形エネルギーが超音波波形エネルギーであり、前記波形エネルギー源が少なくとも1つの電気機械トランスデューサを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記波形エネルギー源が前記椎間板内に前記超音波波形エネルギーを集束させるための手段を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記波形エネルギー源の少なくとも一部が前記センサに相対して固定され、かつ患者の皮膚表面に相対して前記センサ素子と並行に移動することができる、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記波形エネルギー源が高密度焦点式超音波装置である、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記走査器が超音波装置である、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの電気機械トランスデューサが第1の電気機械トランスデューサであり、前記走査器が少なくとも1つの第2の電気機械トランスデューサを含む装置であって、前記少なくとも1つの第2の電気機械トランスデューサを前記少なくとも1つの第1の電気機械トランスデューサに相対して固定する取付構造をさらに含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記走査器が手持ち式のプローブヘッドを含み、前記少なくとも1つの第1の電気機械トランスデューサおよび前記少なくとも1つの第2の電気機械トランスデューサが前記プローブヘッドに取り付けられている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
ひびまたは亀裂により変形した椎間板の位置を特定することができるように操作可能な走査装置と、
前記変形した椎間板に波形エネルギーを放射するように構成され、前記椎間板のコラーゲン線維を変性させ、かつ前記椎間板にある疼痛受容体を破壊できる程度に前記椎間板を加熱するように放射波形エネルギーの量を制御するための手段を含む波形エネルギー発生器と、
を含む、脊椎痛の治療装置。
【請求項10】
前記波形エネルギーが超音波波形エネルギーであり、前記発生器が超音波圧力波発生器である装置であって、前記波形エネルギーを患者の前記椎間板内に導くための手段をさらに含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記導くための手段が超音波波形エネルギーを前記椎間板に集束させる構造を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記椎間板が患者の体内にあり、前記走査装置が少なくとも1つの第1の電気機械トランスデューサを含み、前記発生器が少なくとも1つの第2の電気機械トランスデューサを有する高密度焦点式超音波装置を含む装置であって、前記少なくとも1つの第2の電気機械トランスデューサを前記少なくとも1つの第1の電気機械トランスデューサに対して固定するための取付構造をさらに含み、前記少なくとも1つの第2の電気機械トランスデューサが前記少なくとも1つの第1の電気機械トランスデューサに並行して移動することができる、請求項13に記載の装置。
【請求項13】
走査装置を操作してひびまたは亀裂により変形した椎間板の位置を特定するステップと、
前記変形した椎間板に波形エネルギーを照射して、前記椎間板のコラーゲン線維を変性させ、かつ前記椎間板にある疼痛受容体を破壊できる程度に前記椎間板を加熱するステップと、
を含む、脊椎痛の治療方法。
【請求項14】
前記波形エネルギーが超音波波形エネルギーであり、前記波形エネルギーを照射するステップが、前記椎間板内に超音波圧力波を発生させるステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記椎間板内に前記超音波圧力波を発生させるステップが前記超音波圧力波を前記椎間板内に集束させるステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記椎間板内に前記超音波圧力波を発生させるステップが高密度焦点式超音波装置を操作するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記走査装置が超音波装置であり、前記走査装置を操作するステップが前記椎間板内に超音波圧力波を発生させるステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記椎間板が患者の体内にあり、前記走査装置が少なくとも1つの第1の電気機械トランスデューサを含み、前記高密度焦点式超音波装置が少なくとも1つの第2の電気機械トランスデューサを含み、前記少なくとも1つの第2の電気機械トランスデューサを前記少なくとも1つの第1の電気機械トランスデューサに相対して固定するための取付構造を提供するステップをさらに含み、さらに患者の皮膚表面の上部において、前記少なくとも1つの第2の電気機械トランスデューサを前記少なくとも1つの第1の電気機械トランスデューサと並行して移動するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記椎間板が患者の体内にあり、前記波形エネルギーが超音波波形エネルギーであり、前記走査装置を操作するステップが少なくとも1つの第1の電気機械トランスデューサを駆動して前記椎間板内に診断的超音波圧力波を発生させるステップを含み、前記波形エネルギーを照射するステップが少なくとも1つの第2の電気機械トランスデューサを駆動して治療的超音波圧力波を前記椎間板内に発生させるステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの第2の電気機械トランスデューサを前記少なくとも1つの第1の電気機械トランスデューサに相対して固定するための取付構造を提供するステップをさらに含み、患者の皮膚表面の上方において前記少なくとも1つの第2の電気機械トランスデューサを前記少なくとも1つの第1の電気機械トランスデューサに並行して移動するステップも含む、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−522608(P2010−522608A)
【公表日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500921(P2010−500921)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/003511
【国際公開番号】WO2008/118300
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(502167588)ミソニクス インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】