説明

脳画像データの画像解析

本発明は、例えば脳画像データといった画像データの解析に関する。関心領域が、非画像データに基づき患者特有の画像データにおいて特定される。脳画像データは、脳モデルにおいて1つ又は複数の関心領域22を特定するため、神経学的欠損を示すデータの形式の非画像データ20と対象物モデル21とを相関させ、ターゲット画像データ24を得るため、患者特有の脳画像データに脳モデルをマッピングし、ターゲット画像データにおける1つ又は複数の関心領域を特定することにより解析される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを解析するシステムに関し、特に非画像データに基づき、患者特有の画像データにおける関心領域を特定するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、画像データを解析するシステムに関し、特に非画像データに基づき、患者特有の画像データにおける関心領域を特定するシステムに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
悪性の疑いのある組織の画像解析において、画像データにおける類似する効果又は同一の効果さえ生成する可能性がある多くの疾患間を正確に区別することは、困難な場合がある。同様に、微妙な変化だけを示す領域を特定することも困難な場合がある。例えば、特に未熟な施術者が、脳画像において初期段階の出血性脳卒中を検出することは困難な場合がある。脳は、神経細胞の損失及び損傷からの回復に関して非常に敏感な器官である。従って、脳疾患に関連して、任意の病変をできるだけ早く検出及び診断することが重要である。理想的には、任意の生体構造変化が発生する前に検出及び診断することが重要である。従って、脳疾患の早期検出及び鑑別診断は通常、画像データだけに基づかれることはできない。診断に到達するためには、臨床及び神経学的所見が加えられなければならない。これは、診断手順を、熟練した神経科医及び放射線科医の専門知識を結合して行われ、非常に時間のプレッシャーのかかる状況下で行われる多学科的作業にしてしまう。しかしながら、臨床診療において、斯かる環境は、保証されることができない。
【0004】
米国特許5,463,548号において、画像解析と共に、入力された臨床パラメータ及びX線撮影情報に基づきコンピュータ支援鑑別診断を使用することが提案される。このソリューションは、ニューラル・ネットワークに基づかれ、間質性肺疾患及びマンモグラフィ情報解析に対する用途に関する。
【0005】
本発明の発明者は、脳画像データの画像解析の改良された態様が有益であると理解し、その結果本発明を考案した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、好ましくは、単独で又は任意の組合せにおいて、上述の不利な点の1つ又は複数を緩和、軽減又は除去しようとするものである。本発明の目的は、従来技術における上述した問題又は他の問題を解決するシステムを提供することである。特に、本発明の目的は、例えば脳画像データといった画像データの改良された解析を容易にする手段を提供することである。この目的及び他の複数の目的は、本発明の第1の側面において、画像解析システムを提供することにより実現される。このシステムは、
欠損を示すデータを受信し、対象物の少なくとも一部を表す画像データを受信する入力ユニットと、
対象物モデルを格納するストレージユニットであって、各ボクセル又はボクセルのグループが、1つ又は複数のラベルに関連付けられ、上記1つ又は複数のラベルが、生体構造ラベル及び欠損ラベルを有する、ストレージユニットと、
上記対象物モデルにおける1つ又は複数の関心領域を特定するため、上記欠損を示すデータと上記対象物モデルとを相関させる相関ユニットと、
ターゲット画像データを得るため、上記対象物モデルを上記画像データにマッピングするマッピングユニットと、
上記ターゲット画像データにおける1つ又は複数の関心領域を特定する特定ユニットとを有する。
【0007】
欠損を示す臨床及び/又は機能的なデータの形の非画像臨床データが、対象物モデルにおける1つ又は複数の関心領域を特定するために用いられる。続いて対象物モデルが、画像データにマッピングされる。これは、ボクセル又はボクセルのグループに関連付けられるラベルに基づき、ターゲット画像データを特定することを可能にする。これは、画像データにおける1つ又は複数の関心領域を特定することを可能にする。斯かる関心領域は、観察される神経学的欠損の原因となることが疑われる場合がある。欠損を示すデータは、ユーザ相互作用を介して、又は臨床情報システムに対するインタフェースを介して受信されることができる。
【0008】
一般に、画像データにおける微妙な変化を検出し、及び解釈することは困難な場合がある。診断を行う医療専門家を支援するため、非画像ベースの臨床又は機能的な所見と画像ベースの情報との組合せに基づき、医療専門家が、画像データの関連領域に向けられる点が本発明の利点である。一般に、関心領域は、調査又は検査対象の領域である。
【0009】
有利な実施形態において、ターゲット画像データにおける特定された1つ又は複数の関心領域が視覚化される。一般に、対象物の詳細な3D画像の入手可能性に関係なく、医療専門家が、データから情報を効率的に抽出することにはまだ課題がある。ターゲット画像データにおいて1つ又は複数の関心領域を特定することにより、この視覚化処理は、医療専門家に対して効率的にレンダリングされる。
【0010】
有利な実施形態において、画像解析システムは、脳画像データを解析するために使用される。対象物は、脳であり、欠損は、神経学的欠損である。これは、本発明の画像解析システムの非常に役立つ用途である。
【0011】
有利な実施形態において、画像ベースの計算は、1つ又は複数の関心領域に関する画像データの少なくとも一部に関して自動的に実行される。こうして、画像データの関連領域のみにおける計算が、確実にされることができる。
【0012】
有利な実施形態において、多数のラベルが、例えば脳モデルといった対象物のボクセル又はボクセルのグループに割り当てられることができる。これにより、より総合的な情報ツールが医療専門家に提供される。ある実施形態では、1つ又は複数のラベルが更に、機能的なラベル及び/又は例えば損傷といった構造的欠陥の確率を示すラベルを有する。
【0013】
有利な実施形態において、このシステムは、意志決定支援システムを更に有することができるか、又は意志決定支援システムに接続されることができる。意志決定支援システムは、既存の知識に基づき、医療専門家に忠告することができるだけでなく、疾患の過程の予測を提供することができる。これにより、診断を得る際の時間遅延を減らすだけでなく、所与の診断の確実性を増加させる。意志決定支援システムは、ユーザ又はシステムに、関心領域の画像処理の視覚化において使用される任意のパラメータに関する助言も行うことができる。
【0014】
本発明の第2の側面によれば、対象物の少なくとも一部を表す画像データを解析する方法が提供される。この方法は、
欠損を示すデータを受信するステップと、
上記対象物の少なくとも一部を表す画像データを受信するステップと、
対象物モデルにアクセスするステップであって、各ボクセル又はボクセルのグループが、1つ又は複数のラベルに関連付けられ、上記1つ又は複数のラベルが、生体構造ラベル及び欠損ラベルを有する、ステップと、
上記対象物モデルにおける1つ又は複数の関心領域を特定するため、上記欠損を示すデータと上記対象物モデルとを相関させるステップと、
ターゲット画像データを得るため、上記対象物モデルを上記画像データにマッピングするステップと、
上記ターゲット画像データにおける1つ又は複数の関心領域を特定するステップとを有する。
【0015】
本発明の第3の側面によれば、1つ又は複数のボクセルデータセットの形で画像データを得る取得ユニットを更に有する画像解析システムが提供される。この取得ユニットは、医療スキャナとすることができる。
【0016】
本発明の第4の側面によれば、コンピュータで使用する命令セットを持つコンピュータプログラムが提供される。この命令は、本発明の側面のいずれかの機能をコンピュータに実行させるよう構成される。このコンピュータは、独立型コンピュータシステム又は分散型コンピュータシステムの形のコンピュータシステムとすることができ、例えば、特別にプログラムされた汎用コンピュータとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の例示的な実施形態によるフローを示す図である。
【図2】本発明の例示的な実施形態の概略を提供する図である。
【図3】ターゲット画像データの様々な例示的な使用のフローを説明する図である。
【図4】本発明による視覚化システムの要素を概略的に説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
一般に、本発明のさまざまな側面は、本発明の範囲内で可能な任意の態様において組み合わされ及び結合されることができる。本発明のこれら及び他の側面、特徴及び/又は利点が、以下に説明される実施形態を参照して明らかとなり、説明されることになる。
【0019】
本発明の実施形態が、例示にすぎないものを介して、図面を参照して、説明されることになる。
【0020】
本発明の実施形態は、例示的な脳画像データを参照して説明されることになる。これらの実施形態における画像解析システムは、例えば損傷といった脳欠損から生じる神経学的欠損に基づき、脳画像データ解析を実行するよう構成される。しかしながら、当業者であれば、本発明が、例えば心臓、肝臓、肺、大腿骨又は心臓動脈といったヒト又は動物の生体構造の他の領域を表す画像データを解析するのに適用されることができる点を理解されるであろう。脳の例は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0021】
脳の損傷の診断は、異なる源からの情報が集められ及び結合される多学科的作業である。診断に到達するため、例えば、臨床調査、神経学的テスト、撮像及び試験室試験からの情報が、医療専門家により結合され、及び評価される。診断に到達するために重要なツールは、画像データの使用である。しかしながら、専門家が画像データだけに基づき関心領域を位置決めすることは困難な場合がある。特に損傷が、画像データにおいて非常に微妙な変化しか示さない状況において困難である。
【0022】
神経学においては、神経学的欠損と脳の異なる部分との間のうまく規定された相関が存在する。本発明において、この相関は、例えば脳損傷が疑われる位置といった脳画像データにおける1つ又は複数の関心領域を特定するために用いられる。
【0023】
神経学的欠損と脳生体構造との間の相関の例は、これらに限定されるものではないが、以下のリスト(表1)を含む。
【表1】

【0024】
本発明の例示的な実施形態によるフロー図が、図1に説明される。
【0025】
神経学的欠損を示すデータに関する神経学的データが、例えば、それをコンピュータシステムに入力することにより受信される(ステップ1)。更に、脳モデルが、受信又はアクセスされる(ステップ2)。脳モデルは、3Dモデルとすることができる。ここで、各ボクセル又はボクセルのグループが、1つ又は複数のラベルに関連付けられる。代替的に、脳モデルは脳の部分の2Dモデルでもよい。ここで、各ピクセル又はピクセルのグループは、1つ又は複数のラベルに関連付けられる。3D脳モデルはスライスのスタックを有することができる。各スライスが、2Dモデルを定める。以下、ボクセル及びピクセルは共に、ボクセルとして参照される。脳モデルは、脳の仮想モデルである。脳モデルは、従来技術において脳地図とも呼ばれる。
【0026】
この1つ又は複数のラベルは、生体構造ラベル及び神経学的欠損ラベルを有する。即ち、各ボクセル又はボクセルのグループは、このボクセル又はボクセルのグループにより占められる1つ又は複数の神経学的欠損及び生体構造に関連付けられる。この関連付けは、脳モデルにおいて規定されることができる。生体構造ラベル及び神経学的欠損ラベルに加えて、各ボクセル又はボクセルのグループに対して他のラベルが割り当てられることができる。特に、機能的なラベルが割り当てられることができる。機能的なラベルは、特定の生体構造領域の機能を示すことができる。例えば、呼吸率又は心拍に関連する生体構造領域が、関連するボクセルに割り当てられる。
【0027】
神経学的欠損及び脳モデルを示すデータが、脳モデルにおける1つ又は複数の関心領域(ROI)を特定するよう相関される(ステップ3)。これにより、観察される神経学的欠損を誘導すると思われる1つ又は複数の領域が特定される。個別の患者特有の脳モデルが、これにより得られる(ステップ4)。
【0028】
脳の少なくとも一部の脳画像データが、受信又はアクセスされ(ステップ5)、ターゲット画像データを得るため、脳モデルが脳画像データにマッピングされる(ステップ6)。患者特有の画像データを得るため、ターゲット画像データにおける1つ又は複数の関心領域が特定される(ステップ7)。ある実施形態において、脳画像データ上へ脳モデルをマッピングすることは、脳テンプレートの弾性位置合わせの実現に基づかれる。代替的に又は追加的に、脳モデルは、ボクセル分類器を有することができ、脳の解析は、脳画像データのボクセルを分類するステップを有することができる。当業者は、ターゲット画像データを得るために他の脳モデルが使用されることができる点を理解されたい。
【0029】
図2は、本発明の例示的な実施形態の概略図を提供する。
【0030】
神経学的欠損を示すデータ20が提供される。このデータは、ユーザ相互作用を介して提供されることができる。例えば、電子機器患者記録、放射線情報システム、病院情報システム等の臨床情報システムに対するインタフェースを介して、関連するアイテムをリストから選択することにより提供される。
【0031】
脳モデル21(ここでは概略的に示される)が、アクセスされる。脳モデルは、ローカルのコンピュータシステム、又は例えばインターネット、イントラネット若しくは他の任意のタイプのネットワークといったネットワークを介してアクセスされることができるコンピュータシステムに格納されることができる。概略的に示されるモデルでは、9つのグループのボクセルが特定される。ボクセルの各グループは、1つ又は複数のラベル26に関連付けられることができる。一般に、本発明の範囲に含まれる任意の脳モデルが使用されることができる。
【0032】
神経学的欠損を示すデータ20及び脳モデル21が、脳モデルにおける1つ又は複数の関心領域22を特定するため相関される。この相関は、任意の適切な方法により実行されることができる。例えば、神経学的欠損を特定して、この神経学的欠損と相関される1つ又は複数の生体構造領域が、脳モデルにおいて選択される。例えば、関連する「神経学的欠損又は生体構造」ラベルを持つすべてのボクセルが、例えば表1のような表を使用することにより選択される。より複雑な診断作業に関しては、1つ又は複数の神経学的症状及び1つ又は複数のラベルの間の相関を定める関数を組み込む方法が、使用されることができる。斯かる相関関数は、発見的教授法、規則又は他の手段に基づかれることができる。
【0033】
脳の少なくとも一部の脳画像データ23(ここでは概略的に示される)が、受信される。脳画像データにおいて、脳損傷25が概略的に示される。
【0034】
脳モデル21は、ターゲット画像データ24を得るため、脳画像データ23に対してマッピングされる。このマッピングから、1つ又は複数の関心領域が、患者特有の脳画像データ23に移される。これにより、患者の画像データにおいて損傷25により覆われるROI(又は複数のROI)22が特定される。
【0035】
図3は、ターゲット画像データ7、36の様々な例示的な追加的使用のフロー図を説明する。
【0036】
例示的な実施形態において、ターゲット画像データ36において特定される領域又は関心領域が、視覚化される(ステップ30)。この視覚化は、画像データの読み出し又は解析を支援するために実行されることができる。例として、全てのターゲット画像データが、例えば3D視覚化といった医療視覚化を用いて視覚化されることができる。代替的に、特定された1つ又は複数の関心領域だけが視覚化されることができる。
【0037】
この視覚化は、例えば画像データの追加的な解析と共に、関連した領域へ専門家を誘導するためのROIの強調化とすることができる。この強調化は、任意の適切な強調手段により実行されることができる。
【0038】
ある例示的な実施形態では、画像ベースの計算に関する画像解析が、1つ又は複数の関心領域に関連する画像データの少なくとも一部で自動的に実行される(ステップ31)。画像データは、ユーザにより選択されることができるか、又は実行コンピュータプログラムの設定により自動的に選択されることができる。更に、画像ベースの計算と共に使用されるパラメータが、ユーザにより選択されることができるか、又は実行コンピュータプログラムの設定により自動的に選択されることができる。例えば、脳卒中により影響を受ける脳領域のサイズが、計算されることができる。
【0039】
更なる実施形態において、この画像ベースの自動計算は、画像データを得るのに使用される撮像モダリティ及び/又は取得プロトコルに対してカスタマイズされることができる(ステップ32)。代替的に又は追加的に、画像ベースの自動計算は、特定された1つ又は複数の関心領域に対して更にカスタマイズされることができる。例えば、CT画像データに基づかれる計算は、画像強度に関するハウンスフィールド・ユニットを使用するよう構成されることができ、更に、特有の組織及び損傷といった病理に典型的なボクセル値範囲、即ち強度範囲に基づかれる(relay on)ことができる。
【0040】
画像処理を確認するため(ステップ33)、ターゲット画像データの視覚化が実行されることができる。この確認ステップ33は、他の態様の自動処理の中間結果を検査するため、最終的な結果を決めるため、特有の画像処理アルゴリズムを選択するため、等のために実行されることができる。確認ステップ35は、実施形態の一部30〜32として組み込まれることもできる。
【0041】
脳モデルは、所与の損傷の確率を示すラベルを更に有することができる。ある実施形態において、斯かる確率は、発現から脳モデルの一部である。代替的に、画像ベースの計算の結果に基づかれる脳モデルが、斯かる確率値を用いて更新又は強化されることができる。
【0042】
拡張層34は、画像解析に関連する知識を表す情報、パラメータ、規則等を提供するために提供されることができる。例えば、拡張層は、画像ベースの計算に影響を与える画像取得(モダリティ及び取得プロトコル)に関する知識を表すことができる。拡張層は、異なる源から生じる知識を結合する方法を定める方式を有することができる。拡張層34を使用することにより、画像処理は改善されることができる。なぜなら、関連パラメータ、アルゴリズム等が選択されることができるからである。
【0043】
神経学的欠損、脳画像データ及び任意の特定された関心領域を示すデータが、例えば診断、処置計画又は画像データの解析といった様々な作業において専門家を支援する意志決定支援システムに提供されることもできる。
【0044】
図4は、本発明による視覚化システムの要素を概略的に示す。このシステムは、独立型システムとすることができるか、又は医療取得装置を組み込む、若しくは医療取得装置に組み込まれることができる。図4において概略的に示されるように、医療取得装置は通常、患者が横になる寝台41、又は取得ユニット40に対して患者を位置決めする別の要素を含む。取得ユニットは、医療撮像装置とすることができる。取得ユニットは、ボクセル・データの1つ又は複数のセットの形で、脳画像データを得る。画像データは、本発明の実施形態による画像解析システムを実現するコンピュータシステムに供給される。
【0045】
ある実施形態において、画像データは、磁気共鳴撮像(MRI)、コンピュータ断層撮影(CT)、陽電子電子断層撮影(PET)、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)、超音波スキャン、時間的X線撮像及び回転血管造影法から選択される技術を用いて提供されることができる。
【0046】
神経学的欠損を示すデータが、入力ユニット42に入力される(ステップ47)。上記したように、この入力は、ユーザ相互作用を介して又は臨床情報システムとのインタフェースを介して受信されることができる。この画像データは、入力ユニット42において受信される(ステップ48)。ある実施形態において、この入力ユニット42は、神経学的欠損データ及び画像データ用に分離したユニットとして実現されることができる。ストレージユニット43は、脳モデルを格納する。この場合、各ボクセル又はボクセルのグループは、1つ又は複数のラベルに関連付けられる。この1つ又は複数のラベルが、生体構造ラベル及び神経学的欠損ラベルを有する。ストレージユニット43は、外部ストレージユニットとすることができるか、又は分散されることができる。相関ユニット44は、脳モデルにおける1つ又は複数の関心領域を特定するため、神経学的欠損及び脳モデルを示すデータを相関させる。マッピングユニット49は、ターゲット画像データを得るため、脳画像データに対して脳モデルをマッピングする。特定ユニット400は、ターゲット画像データにおける1つ又は複数の関心領域を特定する。画像解析に関連する任意のユーザ相互作用は通常、コンピュータシステム46のインタフェースを介して提供される。視覚化システムの要素は、汎用又は専用のコンピュータシステム45、46の1つ又は複数のデータプロセッサ及びストレージユニット43により実現されることができる。
【0047】
視覚化システムは更に、意志決定支援システムを有することができる。例えば、意志決定支援システム401は、視覚化システムにおいて実現されることができるか、又は視覚化システムに通信可能に接続されることができる。
【0048】
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの任意の組み合わせを含む適切な形式で実現されることができる。本発明又は本発明のいくつかの特徴は、1つ若しくは複数のデータプロセッサ、及び/又はデジタル信号プロセッサ上で実行されるコンピュータソフトウェアとして実現されることができる。本発明の実施形態の要素及び部品は、任意の適切な態様で物理的、機能的及び論理的に実現されることができる。実際、その機能は、単一のユニットで、複数のユニットで、又は他の機能ユニットの一部として実現されることができる。そのようなものとして、本発明は、単一のユニットで実現されることができるか、又は異なるユニット及びプロセッサ間で物理的及び機能的に分散されることができる。
【0049】
本発明は、特定の実施形態と共に説明されてきたが、本書に記載される特定の形式に限定されることを意図するものではない。むしろ、本発明の範囲は、添付された特許請求の範囲によってのみ限定される。特許請求の範囲において、「有する」という用語は、他の要素又はステップの存在を排除するものではない。更に、個別の特徴が異なる請求項に含まれることができるが、これらは可能であれば有利に結合されることができる。異なる請求項に含まれることは、これらの特徴の組み合わせが、実現できない及び/又は有利でないことを意味するものではない。更に、単数形の参照は、複数性を排除するものではない。従って、「a」「an」「第1」「第2」等への参照は、複数性を除外するものではない。更に、請求項における参照符号は、発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像解析システムであって、
欠損を示すデータを受信し、対象物の少なくとも一部を表す画像データを受信する入力ユニットと、
対象物モデルを格納するストレージユニットであって、各ボクセル又はボクセルのグループが、1つ又は複数のラベルに関連付けられ、前記1つ又は複数のラベルは、生体構造ラベル及び欠損ラベルを有する、ストレージユニットと、
前記対象物モデルにおける1つ又は複数の関心領域を特定するため、前記欠損を示すデータと前記対象物モデルとを相関させる相関ユニットと、
ターゲット画像データを得るため、前記対象物モデルを前記画像データにマッピングするマッピングユニットと、
前記ターゲット画像データにおける1つ又は複数の関心領域を特定する特定ユニットとを有する、画像解析システム。
【請求項2】
前記画像データが、脳画像データであり、前記欠損は、神経学的欠損であり、前記対象物が、脳である、請求項1に記載の画像解析システム。
【請求項3】
前記ターゲット画像データにおける前記特定された1つ又は複数の関心領域を視覚化する視覚化ユニットを更に有する、請求項1に記載の画像解析システム。
【請求項4】
前記1つ又は複数の関心領域に関する前記画像データの少なくとも一部に対し、画像ベースの計算を自動的に実行するよう更に構成される、請求項1に記載の画像解析システム。
【請求項5】
前記画像ベースの自動計算が、前記画像データを得るのに使用される、前記撮像モダリティ及び/又は取得プロトコルに対してカスタマイズされる、請求項4に記載の画像解析システム。
【請求項6】
前記画像ベースの自動計算が、前記特定された1つ又は複数の関心領域に対してカスタマイズされる、請求項4に記載の画像解析システム。
【請求項7】
前記1つ又は複数のラベルが更に、機能的なラベルを有する、請求項1に記載の画像解析システム。
【請求項8】
意志決定支援システムを更に有し、前記意志決定支援システムが、前記欠損、前記画像データ及び任意の特定された関心領域を示すデータを受信する、請求項1に記載の画像解析システム。
【請求項9】
画像データを解析する方法において、
欠損を示すデータを受信するステップと、
対象物の少なくとも一部を表す画像データを受信するステップと、
対象物モデルにアクセスするステップであって、各ボクセル又はボクセルのグループが、1つ又は複数のラベルに関連付けられ、前記1つ又は複数のラベルは、生体構造ラベル及び欠損ラベルを有する、ステップと、
前記対象物モデルにおける1つ又は複数の関心領域を特定するため、前記欠損を示すデータと前記対象物モデルとを相関させるステップと、
ターゲット画像データを得るため、前記対象物モデルを前記画像データにマッピングするステップと、
前記ターゲット画像データにおける1つ又は複数の関心領域を特定するステップとを有する、方法。
【請求項10】
1つ又は複数のデータセットの形で画像データを得る取得ユニットを更に有する、請求項1に記載の画像解析システム。
【請求項11】
コンピュータで使用する命令セットを持つコンピュータプログラムであって、前記命令が、請求項1に記載のステップを前記コンピュータに実行させるよう構成される、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−505949(P2011−505949A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537562(P2010−537562)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【国際出願番号】PCT/IB2008/055119
【国際公開番号】WO2009/077910
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】