説明

腫瘍画像化化合物

【課題】脳および身体の腫瘍の検出および評価に使用する新規のアミノ酸化合物を提供する。
【解決手段】アミノ酸化合物は、インビボで投与される場合、標的部位に、高い特異性を有し、好ましいアミノ酸化合物としては、例えば2-アミノ−3−フルオロ−2−メチルプロパン誘導体で、該誘導体のFが18Fである化合物が挙げられる。さらに、四員環炭素鎖、五員環炭素鎖または六員環炭素鎖のいずれかに結合したα−アミノ酸部分からなる薬学的組成物であり、標識されたアミノ酸化合物は、陽電子放射断層撮影法および単一光子放射型コンピュータ断層撮影法による被験体の腫瘍の検出および/またはモニタリングにおける画像化薬剤として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
陽電子放射断層撮影法(PET)および単一光子放出型コンピュータ断層撮影法(SPECT)を使用して腫瘍を画像化するために、代謝追跡子として使用するための放射標識したアミノ酸の開発が、この二十年間進行中である。放射標識されたアミノ酸が、種々の腫瘍型に適用されきたが、それらの頭蓋内の腫瘍への適用は、他の画像化様式を越えた強力な利点のために、かなりの注目を受けてきた。脳腫瘍の外科的な切除および/または放射線治療の後、従来的な画像化方法(例えば、CTまたはMRI)は、干渉のためおよび処置の効果のモニタリングまたは腫瘍の再発の検出には最適ではないために、組織傷害から残存腫瘍または再発した腫瘍を、確実には区別しない[非特許文献1:Buonocore,E(1992)、Clinical Positron Emission Tomography.Mosby−Year Book,Inc.St.Louis、Mo、pp17〜22;Langleben,DDら(2000)、J.Nucl.Med.41:1861〜1867]。
【背景技術】
【0002】
新生物の診断および画像化のための主要なPET薬剤、2−[18F]フルオロデオキシグルコース(FDG)もまた、脳腫瘍の画像化において、限界を有する。通常の脳皮質組織は、放射または外科的治療の後で生じ得る炎症組織と同じように、高い[18F]FDG取り込みを示す;これらの因子が、[18F]FDGを用いて取得した画像の解釈を困難にし得る[非特許文献2:Griffeth,LKら(1993)、Radiology.186:37〜44;Conti、PS(1995)]。
【0003】
放射標識されたアミノ酸を用いたPET画像およびSPECT画像が、CT、MRIまたは[18F]FDGより、健常な脳内での腫瘍の境界をより明確にし、そのことにより、治療のより良い計画が可能になることを、多くの報告が示している[Ogawa,Tら(1993)、Radiology.186:45〜53;Jager,PLら(2001)、Nucl.Med.42:432〜445]。さらに、いくつかの研究は、アミノ酸吸収の程度が、腫瘍の程度と関連していることを示唆し、このことは、重要な予後の情報を提供し得る[Jager,PLら(2001)J.Nucl.Med.42:432〜445]
11C]α−アミノイソ酪酸(AIB)、L−[11C]メチオニン(Met)、L−[18F]フルオロ−α−メチルチロシン、O−(2−[18F]フルオロエチル)チロシンおよびトランス−1−アミノ−3−[18F]フルオロシクロブチル−1−カルボン酸(FACBC)を含む多くのアミノ酸が、ヒトにおけるPET腫瘍画像化のために首尾よく使用されきた[Jager,PLら(2001)、J.Nucl.Med.42:432〜445;Shoup,TMら(1999)、J.Nucl.Med.40:331〜338]。[18F]FACBCは、米国特許第5,808,146号および同5,817,776号中に開示され、本明細書中に参考として援用される。AIBは、主にA型アミノ酸輸送系を介して細胞に積極的に輸送される、代謝されないα,α−ジアルキルアミノ酸である。A型アミノ酸輸送は、細胞増殖および細胞分裂の間増加し、そして、腫瘍細胞中でアップレギュレートされることが示されている[Palacin,Mら(1998)、Physiol.Rev.78:969〜1054;Bussolati,Oら(1996)、FASEB J.10:920〜926]。動物中に実験的に誘導した腫瘍およびヒト中で自然に生じた腫瘍の研究は、腫瘍における放射標識したAIBの取り込みが、健常な組織と比較して増加したことを示した[Conti,PSら(1986)、Eur.J.Nucl.Med.12:353〜356;Uehara,Hら(1997)、J.Cereb.Blood Flow Metab.17:1239〜1253]。AIBのN−メチル化アナログ、N−MeAIBは、AIBよりさらに多くのA型アミノ酸輸送系に対する選択性を示す[Shotwell,MAら(1983)、Biochem.Biophys.Acta.737:267〜84]。N−MeAIBは、炭素11を用いて放射標識され、ヒト中で代謝的に安定である[Nagren,Kら(2000)、J.Labelled Cpd.Radiopharm.43:1013〜1021]
18Fによる標識およびPET画像化に適したAIBのフッ素化アナログを、本明細書で開示する。これらの薬剤は、α,α−ジアルキル分枝に起因するインビボでの代謝安定性を示し、そして、11Cの20分の半減期に対して、18Fの110分半減期に起因する遠隔への分配能力を有すると予想される。本発明の2個の典型的な化合物、2−アミノ−3−フルオロ−2−メチルプロパン酸(FAMP、5a)および3−フルオロ−2−メチル−2−(メチルアミノ)プロパン酸(N−MeFAMP、5b)、(それぞれ、AIBのフッ素化アナログおよびN−メチルAIB)の合成、放射標識評価および生物学的評価を、具体的に例示する。9L神経膠肉腫によるこれらの放射追跡子の細胞取り込みの優勢な機構が、アミノ酸輸送のインヒビターを使用してインビトロで決定された。健常なラットおよび9L神経膠肉腫腫瘍を有するラットにおいて、[18F]5aおよび[18F]5bの静脈内投与後の組織分配研究を行い、両方の化合物について、放射活性の腫瘍への取り込みを、健常な脳への取り込みと比較した。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Buonocore,E(1992)、Clinical Positron Emission Tomography.Mosby−Year Book,Inc.St.Louis、Mo、pp17〜22;Langleben,DDら(2000)、J.Nucl.Med.41:1861〜1867
【非特許文献2】Griffeth,LKら(1993)、Radiology.186:37〜44;Conti、PS(1995)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明は上記従来技術の課題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
本発明は、脳および身体の腫瘍の検出および評価に使用する新規のアミノ酸化合物を提供する。これらの化合物は、α−アミノイソ酪酸(AIB)アナログの有利な特徴を組み合わせる、すなわち、それらの速い取り込みおよびいくつかの有用なハロゲン同位元素(例えば、フッ素−18、ヨウ素−123、ヨウ素−124、ヨウ素−125、ヨウ素−131、臭素−75、臭素−76、臭素−77、臭素−82、アスタチン−210、アスタチン−211、およびアスタチン同位元素)を含むハロゲン置換基の特性を用いた腫瘍における保持の長期化である。さらに、その化合物は、公知のキレート錯体を使用して、テクネチウム同位元素およびレニウム同位元素で標識され得る。
【0007】
一局面では、本発明は、インビボで被験体に投与した場合、標的部位に対して高い特性を有するアミノ酸化合物を特色とする。好ましいアミノ酸化合物は、少なくとも5:1の標的:非標的比率を示し、インビボで安定であり、投与後1時間以内に標的に実質的に局在する。特に好ましいアミノ酸化合物としては、[18F]FAMP、([18F]5a)および[18F]N−MeFAMP、([18F]5b)が挙げられる。
【0008】
別の局面では、本発明は、四員環炭素鎖、五員環炭素鎖または六員環炭素鎖のいずれかに結合したα−アミノ酸部分からなる薬学的組成物を特色とする。さらに、本発明は、α−アミノイソ酪酸のアナログを特色とする。
【0009】
さらなる局面では、本発明は、さらに画像化剤を含むアミノ酸化合物を特色とし、そして、被験体における腫瘍の検出および/またはモニタリングに、その化合物を使用する。一つの実施形態では、アミノ酸化合物画像化剤は、インビボで投与され、標識に適した手段を使用してモニタリングされる。インビボでのアミノ酸化合物画像化剤を検出および/またはモニタリングするための好ましい方法としては、陽電子放射断層撮影法(PET)および単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)が挙げられる。
【0010】
本発明の化合物としては、フッ素、臭素またはヨウ素置換したシクロブチルアミノ酸、シクロペンチルアミノ酸、シクロヘキシルアミノ酸もしくはそれらの一つ一つの不飽和環状ホモログ、またはメチレニルフッ素置換アナログもしくはヨウ素置換アナログ、またはフッ素置換イソブチルアミノ酸もしくはヨウ素置換イソブチルアミノ酸が挙げられる。その置換した化合物は、以下の一般式:
【0011】
【化13】

【0012】
に属し、ここで、Rは、X、X−HC=CH−またはRであって、
はHであるか、またはRがRである場合、Rである。
は、
【0013】
【化14】

【0014】
を形成するように、
【0015】
【化15】

【0016】
であり、
は、−(C2k+1)、−(C2k−1)または−(C2k−3)であって、ここで、aは、1〜5であって、
xは、0または1であって、
yは、1または2であって、
zは、1,2,3または4であって、そしてyが2である場合、z>yであって、
qは1または0であって、ただし、qが0である場合、nが1およびjが0であり、
nは、1または2であって、ただし、mが0である場合、nは0であり
mは、0または1であって、
jは、0または1であって、
kは、1〜5であって、そして、
Xは、18F、123I、124I、125I、131I、75Br、76Br、77Br、82BrまたはAtである。
【0017】
非環状であるが、立体的に類似した本発明の化合物は、以下の一般式
【0018】
【化16】

【0019】
を有し、ここで、Rは、XまたはX−CH=CH−、aが1〜5であり、
そして、Xは、131I、123I、124I、125I、18F、75Br、76Br、77Br、82BrまたはAtであって、
は、−(C2k+1)、−(C2k−1)または−(C2k−3)であって、そして、
は、−(C2k+1)、−(C2k−1)または−(C2k−3)であって、
kは、1〜5である。
【0020】
本発明の化合物は、腫瘍結合薬剤およびNMDAレセプター結合リガンドとして有用であり、その放射性同位元素形態は、PET画像化およびSPECT画像化を含む腫瘍画像化技術のための追跡子化合物として、特に有用である。XがAtである場合、At同位元素はαエミッタであるので、その化合物は、放射線治療に対する有用性を有する。寿命の短い同位元素の有用な寿命を最大化する化合物を合成し、収率および純度を最大化するために、記載されるような特別な、非標準的な経路が発明されなければならなかった。
【0021】
本発明の環状および非環状化合物は、テクネチウムまたはレニウムで標識され得る。テクネチウム−99m、レニウム186およびレニウム188は、SPECT画像化に対する有用な放射性ヌクレオチドとして公知である。本発明の環状アミノ酸および非環状アミノ酸は、飽和であるかまたは二重結合もしくは三重結合を有する4個〜6個の炭素鎖を介して、Tc−99m金属クラスターまたはRe186金属クラスターまたはRe188金属クラスターに結合している。Tc−99m金属クラスターは、例えば、アルキルチオレート錯体、サイテクトレン(cytectrene)、ヒドラジンニコチンアミド錯体(HYNIC)、シクロペンタジエントリカルボニルまたはN287キレートであり得る。連結構造は、前述の図中のR(Rを置換する)であり得、ここで、RはZ−(CH−CH−CHであり、ここで、aは1、2または3であり、bは0、1または2であり、ZはアルキルチオレートTc複合体もしくはアルキルチオレートRe錯体、TcサイテクトレンもしくはReサイテクトレンまたはTc−HYNIC錯体もしくはRe−HYNIC錯体または当該分野で公知のTcキレート剤もしくはReキレート剤である。構造が、Tc99mのTcを用いて示される場合、Tc同位元素を置換したRe186またはRe188を有する同等の構造を例証することもまた、理解される。
【0022】
本発明の[99mTc]またはRe標識された化合物の例は、以下である:
【0023】
【化17】

【0024】
ここで、Rは、
【0025】
【化18】

【0026】
であり、ここで、aは、1、2または3であって、
bは0、1または2であって、
xは0または1であって、
yは1または2であって、
zは1、2、3または4であって、yが2である場合、x>yであって、
qは1または0であって、
は、−(C2k+1)、−(C2k−1)または−(C2k−3)であって、ここで、kが、1〜5である。
【0027】
【化19】

【0028】
ここで、RはZ、aは1〜5であって、
そして、Rは、−(C2k+1)、−(C2k−1)または−(C2k−3)であって、そして、
は、−(C2k+1)、−(C2k−1)または−(C2k−3
kは1〜5である。
Zは、
【0029】
【化20】

【0030】
(ここで、bは0、1または2であって、
xは0または1であって、
yは1または2であって、
zは1、2、3または4であって、yが2である場合、x>yであって、
qが0または1である)
【0031】
【化21】

【0032】
(M=TcまたはReである)。
【発明の効果】
【0033】
本発明により、所望の効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、9L神経膠肉腫細胞における[18F]FAMP(5a)および[18F]N−MeFAMP(5b)の取り込みが、BCHおよびN−MeAIBによって阻害されたことを示す。値は、コントロールの取り込み(インヒビターなし)の百分率として表した。取り込みは、30分後に決定され、用量および細胞の数に対して正規化した。P値は、各放射追跡子に対するコントロールの吸収に対して、インヒビターの存在下での取り込みの比較を示す(1方向 ANOVA)。=p<0.05、**=p<0.01。バーは、標準誤差を示す。
【図2A】図2Aは、[18F]FAMP(5a)および[18F]N−MeFAMP(5b)の注入後の腫瘍組織(図2A)における活性の比較である。組織は、各時間点で、両側検定により比較した。腫瘍における取り込みは、顕著な違いはなかったが、検出された。バーは、標準誤差を示す。
【図2B】図2Bは、[18F]FAMP(5a)および[18F]N−MeFAMP(5b)の注入後の健常脳(図2B)における活性の比較である。組織は、各時間点で、両側検定により比較した。腫瘍における取り込みは、顕著な違いはなかったが、検出された。バーは、標準誤差を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(発明の詳細な説明)
本明細書で使用された用語および言い回しは、一般に、当業者に認識される意味を有し、当業者に公知の標準的な教科書、雑誌の参考文献および雑誌の文脈に、参考として見出される。
【0036】
本発明の化合物は、悪性腫瘍、特に、脳の腫瘍を有する身体の部位に対する実質的に改善されたPET画像およびSPECT画像を提供する。本明細書で開示された、標識された化合物は、より長い有用な半減期を提供するだけでなく、非標的組織または細胞に対して、低い非特異的結合を有する標的組織/細胞に対して、より大きな結合特異性もまた示す。
【0037】
合成、アミノ酸取り込みアッセイの結果およびα−アミノイソ酪酸(AIB)のフッ素化された2個のアナログ、2−アミノ−3−フルオロ−2−メチルプロパン酸(FAMP)およびフッ素−18で放射標識された3−フルオロ−2−メチル−2−(メチルアミノ)プロパン酸(N−MeFAMP)の健常なラットおよびげっ歯類腫瘍モデル中でのインビボでの評価を本明細書中に、具体的に例示する。
【0038】
18F]FAMPおよび[18F]N−MeFAMPの両方の合成における重要なステップは、環状スルファミデート前駆体の調製を必要とする。キャリアを添加しない求核性置換による両方の化合物の放射合成は、高い放射性化学純度(>99%)の高い産生量(>78%の減衰の補正された)を提供した。
【0039】
9L神経膠肉腫細胞を使用したアミノ酸輸送アッセイは、両方の化合物が、A型アミノ酸輸送系の基質であり、[18F]N−MeFAMPは、A型輸送に関して、[18F]FAMPより高い特異性を示した。健常なフィッシャーラットおよび9L神経膠肉腫腫瘍細胞を頭蓋内に移植したフィッシャーラットにおける組織分配研究もまた、以下に記載のように行った。注入60分で、腫瘍対健常な脳の放射活性は、[18F]FAMPを受けた動物では、36:1であり、[18F]N−MeFAMPを受けた動物では、104:1であった。これらの結果は、[18F]FAMPおよび[18F]N−MeFAMPの両方が、陽電子放射断層撮影法による頭蓋内の新生物の検出に対して有望な画像化薬剤であることを示している。
【0040】
化合物5aおよび5bは、本発明の化合物の例として十分に記載されている。非放射性5aおよび5bの合成は、スキーム1に示される。5aについては、アミノニトリル1は、シュトレッカー型反応を使用して、フルオロアセトンから調製される。精製を促進するために、カルバメート2は、1の酸加水分解の粗産物を、ジ−tert−ブチルジカルボネートで処置し、その後、フラッシュ・クロマトグラフィーにより調製された。アミノ酸5aは、2を水性HClで処理することにより、その塩として分析的に純粋な形で得た。化合物2はまた、14aをテトラブチルアンモニウムフッ化物で処理し(構造に関しては、スキーム4を参照のこと)、粗アミノ酸をジ−tert−ブチルジカルボネートを使用して誘導体化することにより入手され得た。5bの調製は、カルバメート2を初めとして行った。中性の条件下で、tert−ブチル−2,2,2−トリクロロアセトアミデートを使用した2の処理により[Thierry,Jら(1998)、Tetrahedron Lett.39:1557〜1560]、N−tert−ブトキシカルボニル(N−Boc)エステル3を提供し、それをDMF中で、ヨウ化メチルおよび水酸化ナトリウムでアルキル化し、生成物4を提供した。水性HCl中での4の脱保護は、アミノ酸5bをその塩として提供した。アミノニトリル中間体を介した5aおよび5bの合成は直接的であるが、この方法は、[18F]5aおよび[18F]5bの放射性合成を受け入れられない。
【0041】
メタンスルホニルエステル前駆体から[18F]5aを調製する最初の試みは、18Fの分子への取り込みがないために、失敗したが、これは、おそらくそのネオペンチル特性に由来するβ炭素の低反応性のためである。別の方法として、環状スルファミデートは、多くの18F放射性リガンドおよび非放射性α,α−二置換アミノ酸誘導体(3−フルオロ−2−(4−メトキシベンジルアミノ)−2−メチルプロパン酸メチルエステルを含む)を調製するために使用されきたので、魅力的な前駆体であった[Weiland,DMら、(1988)Appl.Radiat.Isotop.39:1219〜1225;Van Dort,MEら、(1995)、J.Med.Chem.38:810〜815;Posakony,JJら(1999)、J.Labelled.Cmpd.Radiopharm.42:S527〜529]。しかし、現在、第一級アミンからの環状スルファミデート形成の文献報告はない。このことは、第二級アミンを含む[18F]5bの合成に対して問題を提示しなかったのに対して、[18F]5aの場合には、環状スルファミデート形成に適しているが、放射性合成の間に容易に除去され得るアミノ置換を利用することが必要であった(以下を参照のこと)。両方の放射性追跡子に対して、放射標識のための前駆体の調製において重要な段階は、環状スルファミデートに変換され得る第二級アミノアルコールの合成に関与していた。
【0042】
18F]5aおよび[18F]5bの合成における一般的な中間体としてとしての役目をするα−メチルセリン誘導体8は、スキーム2に示されるように調製された。炭酸アンモニウムおよびシアン化カルシウムの緩衝溶液を用いた3−ベンジルオキシプロパノンの処理により、ヒダントイン6の形成を生じる。ヒダントインのアルカリ加水分解の後に、ジ−tert−ブチルジカーボネートを用いる粗アミノ酸の処理を行い、N−Boc酸7を得た。中性条件下で、t−ブチル−2,2,2−トリクロレアセトイミデートを用いて、7からt−ブチルエステル8を調製した[Thierry,Jら、(1998)、Tetrahedron Lett.39、1557〜1560]。
【0043】
アミノアルコール12aおよび12bの合成を、スキーム3に示す。12aを調製するために、ベンジルエーテル8の触媒水素化分解により、アルコール9を得た。4,4’−ジメトキシベンズヒドリル(DMB)としても公知の、ビス(4−メトキシフェニル)メチル基を組み込んだが、それは、環状スルファミデート形成のための第2級アミンを提供するが、酸性条件下では急速に除去され得るからである[Hanson,RWら(1965)、J.Chem.Soc.7285〜7297]。この処理は、18Fの組込み後に、一工程で、N−脱アルキル化、求核性開環により得たスルファメートの加水分解、およびt−ブチルエステルの加水分解を可能にする。tert−ブチルエステルの存在下での9のBoc保護基の選択的な除去は、[Goodacre,Jら(1975)、Tetrahedron Lett.42:3609〜12]により報告された手順を改変することにより、p−トルエンスルホン酸を用いて達成された。反応時間(>4日間)を延長しても40℃では、反応が進行しないが、所望の中間体は、溶媒を、減圧下で、40℃で除去した場合、急速に入手された。この手順由来の粗アミノエステルは、ビス(4−メトキシフェニル)クロロメタンを用いてモノアルキル化され、12aを提供した。
【0044】
スキーム3に示されるように、アミノアルコール12bは、化合物8から調製された。第1に、8が、DMF中でヨウ化メチルおよび水素化ナトリウムで処理され、N−メチル誘導体10を定量的な収量で生じた。10の触媒的水素化分解は、アルコール11を提供し、次いで、それを、以前に記載されたように、p−トルエンスルホン酸を用いて12bに変換した。
【0045】
スキーム4は、環状スルファミデート前駆体14aおよび14bの形成ならびにアミノ酸[18F]5aおよび[18F]5bを産生するための引き続く放射標識を示す。アミノアルコール12aおよび12bは、環状スルファミジト13aおよび13bを形成するために、トリエチルアミンの存在下で、チオニルクロライドと反応した。触媒ルテニウム(IV)オキシドとともに、過ヨウ素酸ナトリウムを使用した酸化は、13aおよび13bからそれぞれ14aおよび14bを提供した。前駆体14aおよび14bは、−10℃で保管した場合、少なくとも6ヶ月間安定である。
【0046】
9のメチルスルホニルエステルの求核性置換による[18F]5aを合成する最初の試みは、延長された加熱後の18Fの測定し得る組込みを示さなかった。それに対して、環状スルファミデート前駆体14aは、99%より高い放射化学的な純度の[18F]5aの平均78%の減衰補正収率を提供した(n=4実施)。同様に、同条件下での14bの処理は、99%より高い放射化学的な純度の[18F]5bの平均85%の減衰補正収率を提供した(n=3実施)。放射標識されたアミノ酸は、前駆体14aまたは14bを、キャリアを添加しない[18F]フッ化物で、85℃で20分間処理し、その後85℃で10分間、酸加水分解することにより、ワンポット合成により調製された。次いで、反応混合物は、イオン遅延樹脂を含むカラムに通され、その後、アルミナおよびC−18 SepPaks(登録商標)を含むカラムに通された。溶出画分は、pH6〜7であり、げっ歯類の研究における直接使用に対して適切であった。代表的な合成では、EOSでの[18F]5bの76mCiの全量を、約90分間の合成時間中に、18Fの166mCi(照射の終わりに、EOB)から得た。
【0047】
18F]5aおよび[18F]5bの特定の活性が、直接決定されなかったのに対して、前駆体から生じた最終産物中の標識されなかった材料の最大量は、各場合約1mgである。合成の最後(EOS)での100mCi収量に基づいて、[18F]5aおよび[18F]5bに関する非標識化材料に対する放射性追跡子の最小限の割合は、10gの非標識化材料に対して、1mCiである。非標識化材料のこの量は、[18F]FDGのトリフレート前駆体から生じる非放射活性材料もまた含む[18F]FDG用量中に存在する量と匹敵し得る[Alexoff,DLら(1992)、Internat.J.Rad.Appl.Instr.Part A.43:313〜22]。[18F]FDGの用量中では、非標識化材料の大部分が、グルコースおよびマンノースからなり、これらは両方とも毒性はない。[18F]5aおよび[18F]5bの場合、用量中に存在する非標識化材料の強力な毒性は、これらの化合物をヒト試験に使用する前に、評価されなければならない。
【0048】
18F]5aおよび[18F]5bは、大部分がA型アミノ酸輸送系によって細胞に入ることを試験するために、2個のよく記載されたアミノ酸輸送系のインヒビターの存在下または非存在下で培養された9L神経膠肉腫を使用して、アミノ酸取り込みアッセイを行った。N−MeAIBは、A型アミノ酸輸送系の選択的競合インヒビターであり、それに対して、2−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシル酸(BCH)は一般的に、ナトリウム非依存性L型輸送系に対するインヒビターとして使用されるが、この化合物はまた、ナトリウム依存性B0,+およびB輸送系を介して競合的にアミノ酸取り込みを阻害する[Palacin,Mら(1998)、Physiol.Rev.78:969〜1054]。A型およびL型アミノ酸輸送系は、腫瘍の画像化に使用される放射標識されたアミノ酸のインビボの取り込みに関与している[Jager,PLら、(2001)、Nucl.Med.、42:432〜445;Uehara、Hら(1997)、J.Cereb.Blood Flow Metab.17:1239〜1253]。
【0049】
インヒビター非存在下では、[18F]5aおよび[18F]5bは、9L神経膠肉腫細胞において、インキュベーションの30分後、100万個の細胞あたりの初期用量の0.43%および0.50%の細胞内蓄積をそれぞれ伴って、両方とも似た量の取り込みを示した。このインヒビターの効果の比較を容易にするために、図1に示すように、データをコントロール条件(インヒビターなし)に対する取り込み百分率として表した。[18F]5aの場合、BCHは、コントロールに対して、48%の取り込み活性をブロックしたのに対して、N−MeAIBは、コントロールに対して80%の取り込みをブロックした。コントロールと比較して、BCHおよびN−MeAIBの両方による[18F]5aの取り込みの減少は、統計的に有意であった(一元ANOVAにより、それぞれp<0.05、p<0.01)。BCHによる[18F]5aの取り込み阻害の大きさは、N−MeAIBを使用して観察されたもの未満であるが、このインヒビター間の違いは、この実験では、統計的有意性には達していなかった。
【0050】
18F]5bを使用したアッセイでは、BCHは、コントロールと比較して、33%の活性の取り込みを阻害するが、それに対して、N−MeAIBはコントロールと比較して88%の取り込みをブロックした。N−MeAIBによる[18F]5bの取り込みの減少のみが、コントロールの取り込みとは有意に異なっていた(一元ANOVAにより、p<0.01)が、減少に対する傾向は、BCHで観察された。また、N−MeAIBは、[18F]5bの取り込みを、BCHより大きな程度に減少した(一元ANOVAにより、p<0.05)。
【0051】
まとめると、これらの阻害研究は、[18F]5aおよび[18F]5bが、N−MeAIBの存在下で両方の化合物の取り込みの阻害に基づいた9L神経膠肉腫中のA型アミノ酸輸送系に対する基質であることを示している。さらに、[18F]5aはまた、BCHによる取り込みの阻害に基づいた、少なくとも一つの非A輸送系おそらく、L系に対するインビトロでの基質でもある。データは、[18F]5bが、[18F]5aよりA型アミノ輸送系に関してより選択的な基質であることを示していて、このことは、AIBと比較してA型輸送のためのN−MeAIbの選択性が増加したことと一致している[Shotwell,MAら(1983)、Biochim.Biophys.Acta.737:267〜284;Christensen,HNら、(1983)J.Med.Chem.26:1374〜1378]。[18F]5aおよび[18F]5bが、ラセミ体混合物として評価されるため、これらの化合物の光学異性体は、種々のアミノ酸輸送系に対して、特異性が異なることが起こり得る。他の腫瘍細胞株のパネル中でのこれらの放射性追跡子およびそれらの1つの光学異性体の生物学的輸送特性のより詳細な分析は、進行
中である。
【0052】
正常なラット内での[18F]5aを用いた生物学的分布研究の結果を表I中に示す。尾静脈への[18F]5aの注入5分後では、膵臓および腎臓の両方は、他の研究した組織に比べて、それぞれ組織1gあたりの注入用量の3.46%および6.36%(%ID/g)の有意に高い放射性活性の取り込み量を示した(一元ANOVAにより、p<0.001)。これらの組織中での活性は、120分では、膵臓で2.48%ID/gおよび腎臓で2.97%ID/gであり、他の組織での活性を上回ったままであった(全ての測定時において、一元ANOVAにより、p<0.001)。肝臓は、中程度の活性の取り込みを示し、5分では、0.65%ID/gであったが、120分後では、0.48%ID/gに減少した。心臓、肺、骨、血液、筋肉および精巣を含む、研究した他の組織は、5分では、放射性活性の比較的低い取り込み量(<0.55% ID/g)を示し、2時間の研究の間を通して減少した。脳は、最も低い放射性活性の取り込み量を示し、全ての測定時で約0.05%ID/gであった。
【0053】
正常なラット内での[18F]5bを用いた生物学的分布研究の結果は、[18F]5aで観察された結果と非常に似ていた。[18F]5bに対するこれらの結果を表IIに示す。最も高い取り込みは、膵臓および肝臓で観察され、5分後では、それぞれ2.73%ID/gおよび8.12%ID/gであった。[18F]5aと同様に、脳の活性の取り込みは、非常に低く、全ての測定時で脳中では、約0.04%ID/gであった。これらの化合物の脳での低い取り込みは、A型アミノ輸送系がインタクトの血液脳関門(BBB)には存在しないという観察と一致している[Betz,ALら、(1978)、Science.202:225〜227]。骨における放射性活性の顕著な蓄積の欠如は、2時間の研究の間、いずれの化合物でも生じない代謝に由来するインビボでのフッ素除去が顕著であることを示している。
【0054】
18F]5aおよび[18F]5bの両方を用いた正常なラットから得たデータは、報告された、ラットにおける[11C]AIBの分布[Dunzendorfer,Uら(1981)、Eur.J.Nucl.Med.6:535〜538]およびマウスにおける[14C]AIBの分布[Conti,PSら(1985)、Eur.J.Nucl.Med.10:45〜47]と類似していて、このことは、これらのアミノ酸が、インビボで類似した輸送メカニズムを有していることを示唆している。この観察は、インビトロで、[18F]5aおよび[18F]5bの両方に対して観察されたA型輸送と一致している。健常なコペンハーゲンラットでは、60分での[11C]AIBの取り込みは、腎臓および膵臓で最も高く、それぞれ10.3および6.0の平均相対濃度(組織中の用量画分を組織重量で割り、体重を掛けることにより計算した、平均RC)であった。それに対して、脳は、[11C]AIBの最も低い平均RC(0.2の値である)を有していた。[14C]AIBの用量を受けたヒトメラノーマ移植片を有するヌードスイスマウスでは、類似した結果が得られた。最も高い平均RCは、60分では、腎臓および膵臓で観察され、それぞれ3.4および8.6の値を有したが、脳は、0.23の値を有し、研究した器官の内、最も低い平均RCを有していた。[18F]5aおよび[18F]5bと同様に、膵臓および腎臓における放射性活性の取り込みは、これらのAIBの生物学的分布の研究では、急速であり、注入後5〜15分以内の両組織での平均RCは、1.8より大きかった。AIBのこの両方の実験では、肝臓での中程度の活性の取り込みが観察されたのに対して、血液および筋肉中での平均RCは60分では、低かった。
【0055】
高い膵臓での放射性活性の取り込みは、ラットにおける他の多くの11C標識されたアミノ酸(L−[11C]メチオニン、L−[11C]ロイシンおよび1−アミノシクロペンタン−1−[11C]カルボキシル酸を含む)でも報告されている[Kubota,Kら(1984)、Eur.J.Nucl.Med.9:136〜140]。膵臓の取り込みは、これらの化合物の研究において、60分では、約3%ID/g〜5%ID/gに及んだ。同様に、[18F]FACBCは、正常なフィッシャーラットでは、60分で、3.4% ID/gを示した。[18F]5a、[18F]5bおよび放射標識されたAIB間の生物学的分布パターンの類似、ならびに、特に、放射性活性の膵臓での高い取り込みおよび脳での低い取り込みは、発明者らに、腫瘍を有するラットにおけるこれらの化合物を評価することを促す。
【0056】
腫瘍を有するラットの正常な組織中の尾静脈への[18F]5aの注入の後の放射性活性の組織分布は、正常なラットで観察されたものと類似していて、この分布を表IIIに示した。注入5分後、60分後および120分後での放射性活性の腫瘍への取り込みは、それぞれ、0.91%ID/g、1.96%ID/g、1.87%ID/gであったのに対して、腫瘍とは対側性の正常な脳組織での取り込みは、各測定時で、約0.05%ID/gであった。正常な脳に対して、腫瘍によるより高い活性の取り込みは、各測定時で、統計的に有意であった(両側t検定により、5分および60分では、p<0.001、120分では、p<0.003)。生じた、腫瘍の取り込み:正常な脳の取り込みの割合は、5分、60分および120分で、それぞれ26:1、36:1および37:1であった。
【0057】
腫瘍を有するラットで、[18F]5bを用いて行った同様の研究からの結果を表IVに要約し、そしてその結果は、腫瘍の取り込みが、注入5分後、60分後および120分後でそれぞれ、1.29%ID/g、2.28%ID/gおよび1.94%ID/gであることを示した。各測定時での健常な脳組織に対する腫瘍でのより高い活性の取り込みは、統計的に有意であった(両側t検定により、5分では、p<0.02、60分および120分では、p<0.001)。[18F]5bを用いて得た、5分、60分および120分での腫瘍の取り込み:正常な脳の取り込みの割合は、それぞれ40:1、104:1および97:1であった。測定時間の比較的長い間隔のために、脳に対する腫瘍の最も高い割合は、[18F]5aに対しても[18F]5bに対しても観察されなかった。非ヒト霊長類およびヒト癌患者における画像化の研究は、正常な組織および新生物組織における生物学的分布および追跡子の取り込みの動態学に関するさらに詳細な情報を提供する。
【0058】
18F]5aおよび[18F]5bの両方に関して、腫瘍の脳に対する活性の取り込みの割合は、同じげっ歯類腫瘍モデルにおける[18F]FDGおよびトランス−[18F]FACBCに対して報告されているものより高い[Shoup,TMら(1999)、J.Nucl.Med.40:331〜338]。[18F]FDGの場合、正常脳:腫瘍組織の腫瘍の割合は、60分では、0.8:1であり、正常な脳では、1.30%ID/gおよび腫瘍組織では、1.05%ID/gを示し、このことは、正常な脳組織での[18F]FDG取り込みの高いレベルを示している。注入60分後では、トランス−[18F]FACBCは、7:1の腫瘍対脳の割合を示し、腫瘍組織では、1.72%ID/gに対して、正常脳では、0.26%ID/gであった。腫瘍対脳の放射性追跡子の取り込みの類似した割合は、生検によりグリア芽腫多形が確認されたヒト志願者のPET走査中でのトランス−[18F]FACBCで観察され(注入20分後で6:1の割合)、このことは、このげっ歯類モデルが、脳腫瘍を有するヒト患者中の放射標識されたアミノ酸の画像特性を予測するのに有用であることを示唆している。
【0059】
18F]5aまたは[18F]5bを受けた正常なラットと同様に、腫瘍を有するラットの膵臓および肝臓でも高レベルの取り込みが生じた。さらに、両方の化合物は、腫瘍組織で高い取り込みを有したが、心臓、肺、筋肉、肝臓、骨および精巣を含む試験した他の組織では、比較的低い取り込みを有していた。興味深いことに、[18F]FACBCは、同じ動物モデルの腎臓では、低い取り込み(60分で、0.60%ID/g)を示したが、これは肝臓での取り込みは高い(60分で、1.70%ID/g)が、糸球体濾過液からの再取り込みが少ないことを反映し得る[Shoup,TMら(1999)、J.Nucl.Med.40:331〜338]。げっ歯類のデータに基づいて、[18F]5aまたは[18F]5bを使用したヒト研究での膵臓、腎臓および膀胱が有する最も高い線量測定負荷が、予測される。他の正常な組織中の低い取り込みは、[18F]5aおよび[18F]5bの両方が、脳以外の部位におけるこれらのアミノ酸の高い取り込みを示す腫瘍の画像化に適し得ることを示唆する。例えば、60分で得た腫瘍対筋肉の割合は、[18F]5aに関して6.3:1であり、[18F]5bに関して12:1であるが、それに対して、[18F]FDGに関しては5.3:1の割合、トランス−[18F]FACBCに関しては4.2:1の割合が、この時点で観察された[Shoup,TMら(1999)、J.Nucl.Med.40:331〜338)]。[18F]5aおよび[18F]5bの両方が、ラセミ化合物の混合物として評価されたため、[18F]5aおよび[18F]5bの単独のエナンチオマーが、異なる生物学的分布特性を示すことがあり得る。一つの光学異性体が、腫瘍の画像化に対して優れたインビボ特性を有する場合、それを使用することは、放射線量測定および放射能の組織による取り込みの解釈の点で利点がある。[18F]5aおよび[18F]5bの両方のRエナンチオマーおよびSエナンチオマーの単離および評価は、進行中である。
【0060】
18F]5aおよび[18F]5bの投与後の腫瘍組織および脳組織中の放射能の取り込みの比較を、図2Aおよび図2Bに示す。[18F]5b対[18F]5aを用いて得た脳に対する腫瘍の取り込みの高い割合は、腫瘍によるより高い活性の取り込みのためというよりはむしろ、[18F]5bを含む活性の脳での取り込みが低いためであるようである。研究した3つの時点での腫瘍における活性の取り込みを比較した場合、統計的有意差は、2個の化合物間で検出されなかった(図2Aを参照のこと。)。この観察は、[18F]5aおよび[18F]5bを類似した量で蓄積した、培養した9L神経膠肉腫細胞におけるアミノ酸取り込みアッセイと一致している。しかし、注入60分後および120分後では、[18F]5bを受けたラットの正常な脳組織における放射能の取り込みは、[18F]5aを受けた動物中より顕著に減少していた。[18F]5aの注入60分後では、脳の取り込みは、0.054%ID/gに対して、[18F]5bを受けた動物では0.022%ID/gであり(両側t検定により、p<0.03);[18F]5aの注入120分後では、脳の取り込みは、0.050%ID/gに対して、[18F]5bを受けた動物では、0.020%ID/g(両側t検定により、p<0.003)であった。その化合物間の脳での取り込みにおける違いの大きさは、これらの時点における脳に対する腫瘍での取り込み割合の違いを説明するために十分である。
【0061】
おそらく、正常な脳における活性の取り込みの違いは、A型アミノ酸輸送系(正常なBBBでは、活性ではない[Betz,ALら(1978)、Science.202:225〜227])に関する[18F]5aに対する[18F]5bの高い選択性のためである。他のアミノ酸輸送系のいくつか(例えば、L型輸送系)は、正常なBBBで活性であり[Uehara,Hら(1997)、J.Cereb.Blood Flow Metab.17:1239〜1253]、そして、これらの放射標識されたアミノ酸の取り込みを強力に仲介し得る。A型アミノ酸輸送系は、N−メチル基を有するアミノ酸基質を許容するが、それに対して、他のアミノ酸輸送系は、一般に許容せず[Palacin,Mら(1998)、Physiol.Rev.78:969〜1054;Shotwell,MAら(1983)、Biochim.Biophys.Acta.737:267〜284;Christensen,HNら(1983)J.Med.Chem.26:1374〜1378]、そして、以前に議論した取り込み阻害アッセイは、[18F]5bが[18F]5aより、A型輸送に関してより選択的な基質であることを示唆している。腫瘍または膵臓組織ではなく、正常な脳での[18F]5aと比較して[18F]5bで観察された活性のより低い取り込みは、A型アミノ酸輸送系に対するNメチルアミノ酸の選択性の増加と一致している。[18F]5aおよび[18F]5bが、正常な脳に拡散のみで入る場合、より親油性の[18F]5bは、[18F]5aより高い、脳への取り込みを示すと考えられる。
【0062】
正常な脳での低い取り込みと結びついた腫瘍組織中での[18F]5aおよび[18F]5bの高い取り込みは、これらの化合物で観察された脳に対する腫瘍の高い割合を説明するが、正常なBBBを越えての低い取り込みは、また、脳腫瘍のPET画像化研究における困難を示し得る。非新生物のプロセスに起因するBBBの破壊は、正常な脳組織と比較して障害における放射能の取り込みの増加につながり得る。逆に、低い段階の新生物は、これらの放射性追跡子が腫瘍細胞に到達することを可能にしない正常なBBBを有し得る。これらの潜在的な問題は、さらなる評価を受ける化合物として注意を向けられなければならない。しかし、BBB代謝および輸送におけるわずかな変化が、低い段階の腫瘍におけるBBBのかなりの崩壊より重要であり得、そして、CNSの外側の腫瘍は、この効果に寄与しない。
【0063】
要約すると、[18F]FAMP(5a)および[18F]NMeFAMP(5b)の両方が、安定な前駆体から放射化学的に高い収率(>78% EOB)および高い放射化学的な純度で産生され得、そして、PETによる脳腫瘍の画像化に対して価値のある薬剤である。[18F]5aのために開発された合成方法は、β位置中で18Fで放射性標識された第一級アミンを調製するための効果的な経路を提供する。9L神経膠肉腫細胞を使用した取り込み阻害研究は、両方の化合物が、A型アミノ酸輸送系の基質であることを示し、そしてこれらの化合物が、A型輸送によるかなりの取り込みを受ける18F標識されたアミノ酸の最初の報告であることを意味する。両方の化合物を用いた生物学的分布研究は、げっ歯類の脳腫瘍において、バックグラウンドに対するシグナルの優れた割合を有する急速かつ持続的な放射能の蓄積を示した。[18F]5bの注入により、60分および120分において、それぞれ正常な脳に対して腫瘍における割合は、104:1および97:1となったが、それに対して、[18F]5aの注入は、同じ測定時に、36:1および37:1の割合となった。膵臓および腎臓を除いて、筋肉、肺、心臓、および肝臓を含む研究した他の組織は、放射性活性比較的低い取り込みを示した。毒性、代謝安定性および[18F]5aおよび[18F]5b投与に関連した放射線量測定を決定する研究ならびにこれらの化合物の単離されたRエナンチオマーおよびSエナンチオマーの輸送特性を決定する研究が、現在も進行中である。
【0064】
本発明の化合物が、構造中の任意の原子または原子の組み合わせの同位元素で標識され得ることが理解される。[18F]、[123I]、[124I]および[125I]が、PET、SPECTおよび追跡子分析に対して、特に有用であるとして本明細書では強調されているが、安定な同位元素ホモログの生理学的または薬理学的な特性から生じる使用を含み、そして、当業者に明らかである他の使用も検討される。
【0065】
腫瘍特異的な結合の程度の高さは、ヒト患者ならびに実験動物において、本発明の化合物に対して観察される。高い特異性は、At置換した本発明の化合物の治療用途への使用を思いつかせる。At同位元素は、α粒子のエミッタであり、その短い範囲が、腫瘍の放射線治療に有用である。
【0066】
本発明は、Tc付加物を介してテクネチウム(Tc)標識もまた提供する。Tcの同位元素、とりわけTc99mが、腫瘍の画像化に使用されきた。本発明は、腫瘍の画像化に有用な、Tc−複合化付加化合物を提供する。付加物は、環状アミノ酸および非環状アミノ酸に、4〜6個の炭素鎖(それは、飽和され得るか、または二重結合もしくは三重結合を有する)により結合したTc配位複合体である。二重結合が存在する場合、E(トランス)かまたはZ(シス)かのいずれかの異性体が合成され得、そして、いずれかの異性体が使用され得る。同位元素の有用な寿命を最大化するために、最後の段階として、99mTc同位元素を組み込むために、合成が行われ得る。
【実施例】
【0067】
使用した全ての試薬を、商業的に利用し得る供給源から得た。反応に使用した溶媒を、Aldrich Chemicalsから購入したのに対して、クロマトグラフィーのための溶媒は、VWRから入手した。融点は、正確ではなく、電子化学的9100装置上のキャピラリーチューブ中で決定した。NMR溶媒に対して、他のように示さないおよび参照しない限り、H NMRスペクトルを、Varian分光計を用いて、400MHzで記録した(δ値での化学シフト、HzでのJ)。高解像電子イオン化を使用したVG 70−S 二重焦点マス分光計に基づいて、マススペクトルを決定した。元素分析は、Atlantic Microlabs,Inc.により行われ、他に述べない限り、±0.4%以内であった。語句「通常のワークアップ」とは、無水硫酸マグネシウムの使用、その後の減圧下での濃縮をいう。化合物、3−ベンジルオキシプロパノン[Boger,DLら(1992)、J.Amer.Chem.Soc.114:9318〜9327]およびビス(4−メトキシフェニル)クロロメタン[Dutta,AKら(1996)、J.Med.Chem.39:749〜756]を、文献の手順に従って、調製した。標的化合物5aおよび5bを、それらのフッ素−18およびフッ素−19の形態で、ラセミ化合物の混合物として調製した。
【0068】
(2−アミノ−2−シアノ−3−フルオロプロパン(1))
10mLのHO中の1当量のNHCl(700mg)および1当量のKCN(853mg)の溶液に、3mLのHO中のフルオロアセトン(1.0g、13.1mmol)を添加した。一晩室温で攪拌した後、反応混合物を、10mLの1N NaOHで塩基性化し、5×20mLのEtOで抽出した。通常のワークアップは、アミノニトリル1を透明な油(510mg、38%)として生じ、これをさらなる精製を行わずに使用した:H NMR(CDCl),300MHz δ1.48(3H,d,J=2.1),4.17〜4.33(1H、m),4.33〜4.49(1H,m)。
【0069】
(2−[N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−フルオロ−2−メチルプロパン酸(2))
粗アミノニトリル1(510mg、5.00mmol)を、20mLの6N HCl中で、一晩還流し、そして、溶媒を減圧下で除去した。粗白色固体を、20mLの85:15のCHOH:EtN中に溶解し、2.6当量のジ−tert−ブチルジカルボネート(2.8g)で処理した。一晩攪拌後、溶媒を減圧下で除去し、そして、生じたペーストを氷冷した1:1のEtOAc:0.2N 水性HCl中で、5分間攪拌した。水層をさらに、2×50mLの氷冷したEtOAcで抽出した。合わせた有機物層を2×50mLのHOで洗浄し、その後、通常のワークアップを行った。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl中の10%CHOH)による精製は、2(767mg、69%)を次の段階の使用に適した淡黄色の固体として、提供した。同じ手順を使用して分析的に純粋な試料を得、その後、さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(1:3 EtOAc:ヘキサン、その後1:1 EtOAc:ヘキサン)により精製し、N−Boc酸2を白色固体として提供した:mp 122〜123C(EtOAc/ヘキサン);H NMR(CDCl)δ1.45(9H,s),1.56(3H,d,J=1.6),4.74(2H,d,J=46.8),5.30(1H,ブロード s)。分析(C16FNO)C,H,N。
【0070】
(2−[N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−フルオロ−2−メトキシプロパン酸tert−ブチルエステル(3))
10mLの乾燥CHCl中のN−Boc酸2(767mg、3.46mmol)を一晩、3当量のtert−ブチル−2,2,2−トリクロロアセチミデート(2.27g)とともに攪拌した。減圧下での濃縮後、粗産物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の5% EtOAc)により精製し、3(510mg、53%)を白色固体として提供した:mp 41〜42C(EtOAc/ヘキサン);H NMR(CDCl)δ1.44(9H,s),1.47(3H,d,J=2.4),1.48(9H,s),4.57〜4.85(2H,m),5.34(1H,ブロード s)。分析(C1324FNO)C,H,N。
【0071】
(2−[N−(tert−ブトキシカルボニル)メチルアミノ]−3−フルオロ−2−メチルプロパン酸tertブチルエステル(4))
乾燥DMF中の3(200mg、0.72mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下で、8当量のCHI(0.36mL)を添加し、その後2当量の95%NaH(37mg)を添加した。反応混合物を、一晩室温で攪拌した。反応混合物を、15mLのHOに添加し、その後、3×15mLのEtOで抽出した。合わせた有機物層を、3×20mLのHOで洗浄し、その後、通常のワークアップを行った。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の7.5% EtOAc)による粗産物の精製により、メチル化種4(181mg、86%)を無色の油として提供した:H NMR(CDCl)δ1.44(9H,s),1.46(9H,s),1.51(3H,s),2.94(3H,s),4.51〜5.04(2H,m)。分析(C1426FNO)C,H,N。
【0072】
(2−アミノ−3−フルオロ−2−メチルプロパン酸(5a)、塩酸塩)
N−Bocアミノ酸2(30mg、0.14mmol)を、0.3mLの4N HCl中に懸濁し、そして、50℃まで90分間加熱した。生じた均質な溶液を減圧下でエバポレートし、アミノ酸の粗HCl塩を提供した。固体を2×10mLのEtOで洗浄し、5a(18mg、84%)を白色固体として提供した:分解 204〜206C;
NMR(DO)δ1.52(3H,s),4.55〜4.91(2H,m)。分析(CClFNO)C,H,N。
【0073】
(3−フルオロ−2−メチル−2−(メチルアミノ)プロパン酸(5b)、塩酸塩)
N−Boc tert−ブチルエステル4(30mg、0.10mmol)を、0.6mLの6N HCl中で攪拌し、70Cまで3時間加熱した。生じた溶液を、減圧下でエバポレートし、その後固体を2×10mLのEtOで洗浄し、5b(16mg、91%)を白色固体として提供した:分解 178〜181℃;H NMR(DO)δ1.47〜1.48(3H,m),2.73(3H,s),4.64〜4.90(2H,m)。分析(C11ClFNO)C,H,N。
【0074】
(1−メチル−1−(ベンジルオキシメチル)ヒダントイン(6))
180mLの1:1 EtOH:HO中の3−ベンジルオキシプロパノン(5.7g、34.7mmol)の溶液に、10当量の炭酸アンモニウム(33g)を添加し、その後、4当量の塩化アンモニウム(7.42g)を添加した。室温で30分間攪拌後、4.5当量部分のシアン化カリウム(10.2g)を添加し、その後、反応混合物を、室温で48時間攪拌した。減圧下で溶媒をエバポレートし、その後、生じた固体を3×30mLの水で洗浄し、ヒダントイン6(6.4g、79%の収率)を次の段階での使用に適した黄色味の固体として提供した。分析的に純粋なサンプルを、シリカゲル(EtOAc)を用いてクロマトグラフィーにより得た:mp94.5〜96℃(EtOAc);H NMR(CDCl)δ1.43(3H,s),3.47(1H,d,J=9.6),3.62(1H,d,J=9.6),4.50〜4.60(2H,m),5.37(1H,ブロード s),7.27〜7.38(5H,m)7.45(1H,ブロード s)。分析(C1214)C,H,N。
【0075】
(3−ベンジルオキシ−2−[N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチルプロパン酸(7))
55mLの5M NaOH中のヒダントイン6(2.0g、8.5mmol)の懸濁液を、密閉した鋼容器中で180Cで一晩加熱した。冷却後、濃HClを使用して、反応混合物をpH7にし、その後、溶媒を減圧下でエバポレートした。白色固体を4×20mLの熱EtOHで抽出し、その後、合わせた抽出物を減圧下で濃縮した。生じた残留物を、50mLの9:1 CHOH:EtNに溶解し、そして、2当量のジ−tert−ブチルジカルボネート(3.72g)で、室温で一晩処理した。反応混合物を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl中の5%CHOH)により精製し、7を灰色がかった白色固体(1.76g、67%)として提供した:mp 112.5〜114.5℃(CHOH/CHCl);H NMR(CDCl)δ_1.45(9H,s),_1.46(3H,s)_3.72(1H,d,J=9.2),3.81(1H,d,J=9.6),4.59(2H,d,J=1.6),5.44(1H,ブロード s),7.30〜7.38(5H,m)。分析(C1623NO)C,H,N。
【0076】
(3−ベンジルオキシ−2−[N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチルプロパン酸 tertブチルエステル(8))
15mLのCHCl中のN−Boc カルボン酸7(1.6g、5.17mmol)の溶液に、室温で、3当量部分のtert−ブチル−2,2,2−トリクロロアセトイミデート(3.4g)を添加した。室温で一晩攪拌後、溶媒を減圧下で乾固した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の15% EtOAc)による精製により、8を無色の油(1.71g、90%)として得た:H NMR(CDCl)δ1.44(9H,s),1.45(9H,s),1.48(3H,s),3.66(1H,d,J=8.8),3.79〜3.82(1H,ブロード d),4.48〜4.58(2H,m),5.51(1H,ブロード s),7.28〜7.35(5H、m)。分析(C2031NO)C,H,N。
【0077】
(2−[N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸 tertブチルエステル(9))
20mLのCHOH中のベンジルエステル8(540mg、1.48mmol)および10%Pd−C(130mg)の懸濁液をH雰囲気下で一晩攪拌した。反応混合物をセライト?で濾過し、その後、ろ液を減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の30% EtOAc)による精製により、定量的な収量の9(407mg、100%)を無色の固体として得た:mp44〜45℃(EtOAc/ヘキサン);H NMR(CDCl)δ.437(3H,s),1.442(9H,s),1.48(9H,s),3.72(1H,d,J=11.2),4.00(1H,d,J=11.2),5.32(1H,ブロード s)分析(C1325NO)C,H,N。
【0078】
(3−ベンジルオキシ−2−[N−(tert−ブトキシカルボニル)メチルアミノ]−2−メチルプロパン酸 tertブチルエステル(10))
4を得るために使用した同じ方法を、745mgの8(2.04mmol)を使用して採用した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10% EtOAc)により精製し、10(770mg、99%)を無色の油として得た:H NMR(CDCl)δ1.43(18H,s),1.50(3H,s),2.96(3H,s),3.67(1H,d,J=10),4.04(1H,ブロード,s),4.52(2H,s),7.24〜7.34(5H、m)。分析(C2133NO)C,H,N。
【0079】
(2−[N−(tert−ブトキシカルボニル)メチルアミノ]−3−ヒドロキシ−2−メトキシプロパン酸 tertブチルエステル(11))
8を9に変換するために使用した同じ水素化分解条件を、10(0.92mmol)の350mg部分に適用し、11(266mg、100%)を無色の油として得た:H NMR(CDCl)δ1.45〜1.46(21H,m),2.88(3H,s),3.50(1H,d,J=14.8Hz),4.02(1H,J=15.6Hz)。分析(C1427NO)C,H,N。
【0080】
(3−ヒドロキシ−2−(N−[ビス(4−メトキシフェニル)メチル]アミノ)−2−メチルプロパン酸 tertブチルエステル(12a))
2mLのジエチルエーテル中のアルコール9(100mg、0.36mmol)の溶液に、6mLのEtOHに溶解した1当量のp−トルエンスルホン酸一水和物(69mg)を添加した。反応混合物を減圧下で40℃で濃縮し、その後その残留物を6mLのEtOH中に溶解し、再度濃縮した。このプロセスを4回繰り返し、その時には、TLC分析では、出発物質は存在しなかった。生じた白色固体を3mLのCHClに懸濁し、そして、4.5当量のトリエチルアミン(0.23mL)で処理し、その後、1当量のビス(4−メトキシフェニル)クロロメタン(95mg)で処理した。反応混合物を室温で1時間攪拌した。次いで、溶液を、10mLのEtOAcおよび10mLの水に分配した。水層を、10mLのEtOAcで抽出し、その後、合わせた有機層の通常のワークアップを行った。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製(ヘキサン中の20% EtOAc)により、アミノエステル12aを無色の油(107mg、9からの73%)として得た:H NMR(CDCl)δ1.17(3H、s),1.46(9H,s),3.35(1H,d,J=11.2),3.44(1H,d,J=11.2),3.76(3H,s),3.77(3H,s),4.82(1H,s),6.80〜6.84(4H,m)。7.27〜7.31(4H、m)。分析(C2331NO)C,H,N。
【0081】
(3−ヒドロキシ−2−メチル−2−(メチルアミノ)プロパン酸 tertブチルエステル(12b))
アルコール11(0.88mmol)の255mg部分を、12aの調製で記載されたように、1当量のp−トルエンスルホン酸(167mg)で処理した。生じた固体を、15mLの10%NaCOに添加し、その後、3×15mLのEtOAcで抽出した。合わせた有機層を通常のワークアップに供した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl中の10%CHOH)による精製により、12b(115mg、69%)を無色の油として提供した:H NMR(CDCl)δ1.24(3H、s),1.48(9H,s),2.32(3H,s),3.52(1H,d,J=10.8),3.64(1H,d,J=10.8)。C19NOについてのHRMS計算値:189.13649。検出値189.13627。分析(C19NO)計算値C:57.12,H:10.12,N:7.40。検出値C:55.87,H:10.05,N:7.18。
【0082】
(3−[ビス(4−メトキシフェニル)メチル]−4−メチル−1,2,3−オキサチアゾリジン−4−カルボン酸 tertブチルエステル 2−オキシド(13a)
8mLのトルエン中のアミノアルコール12a(105mg、0.26mmol)および2.2当量のトリエチルアミン(80μL)の溶液を、アルゴン雰囲気下で、氷浴中で冷却し、その後、1mLのトルエン中のチオニルクロライド(34mg)を1.1当量滴下した。15分後、氷浴を取り除き、反応を10分間継続した。反応混合物を、10mLのEtOAcおよび10mLの水に分配した。水層をさらに、3×10mLのEtOAcで抽出した。有機層を合わせ、20mLのブラインで洗浄し、その後通常のワークアップを行った。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の25%EtOAc)により、無色の油として環状スルファミダイトジアステレオマー13a(97mg、83%)の1.6:1の混合物を得た:主なジアステレオマーについてH NMR(CDCl):δ1.32(9H、s),1.37(3H,s),3.78(3H,s),3.79(3H,s),4.23(1H,d,J=8.4),5.34(1H,d,J=8.8),5.91(1H,s),6.83〜6.86(4H,m),7.17〜7.20(2H,m),7.38〜7.41(2H、m)。微量のジアステレオマーについてのH NMR(CDCl):δ1.21(3H,s),1.53(9H,s),3.77(3H,s),3.81(3H,s),4.67(2H,s),5.74(1H,s),6.82〜6.91(4H,m),7.33〜7.36(2H,m),7.51〜7.54(2H、m)。ジアステレオマーの混合物についての分析:(C2329NOS)C,H,N。
【0083】
(3,4−ジメチル−1,2,3−オキサチアゾリン−4−カルボン酸 tertブチルエステル2−オキシド(13b))
2mLのCHCl中に、12bの103mg部分(0.55mmol)およびトリメチルアミン2.2当量部分(0.17mL)を含む溶液に、2mLの脱水CHCl中の1.1当量のチオニルクロライド(72mg)の溶液を、アルゴン下で−78℃で滴下した。反応混合物を一晩、室温まで暖めた。反応混合物を、10mLのEtOAcおよび10mLの水に分配した。水層をさらに、2×10mLのEtOAcで抽出した。有機層を合わせ、その後20mLのブラインで洗浄し、その後、通常のワークアップを行った。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の15% EtOAC)により精製し、1.8:1のジアステレオマー13bの混合物(76mg、58%)を無色の油として得た。化合物は、時間が経つにつれて分解するので、ジアステレオマーの混合物を、ただちに次の工程に使用した。ジアステレオマーは、同じクロマトグラフィー条件を使用して、少量に分けられ得る:主なジアステレオマーについてのH NMR(CDCl):δ1.47(9H,s),1.56(3H,s),2.86(3H,s),4.55(1H,d,J=9.2),4.73(1H,d,J=8.8)。分析(C17NOS)。計算値C:45.94,H:7.28,N:5.95。検出値C:45.10,H:7.59,N:5.64。微量のジアステレオマーについてのH NMR(CDCl):δ1.44(3H,s),1.49(9H,s),2.91(3H,s),4.03(1H,d,J=8.0),5.22(1H,d,J=8.4),分析(C17NOS)。計算値C:45.94,H:7.28,N:5.95。検出値C:46.48,H:7.41,N:5.78。
【0084】
(3−[ビス(4−メトキシフェニル)メチル]−4−メチル−1,2,3−オキサチアゾリン−4−カルボン酸 tertブチルエステル2,2−ジオキシド(14a))
4mLのCHCN中のジアステレオマースルファミダイト13a(97mg、0.22mmol)の溶液を氷浴中で冷却し、そして、連続して1.1当量のNaIO(51mg)、触媒量のRuO・HO(約1mg)および2.4mLのHOで処理した。攪拌の5分後、氷浴を取り除き、その後反応を20分間継続した。反応混合物を10mLのEtOAc中に希釈し、その後10mLの飽和NaHCO溶液で洗浄した。水層を、2×10mLのEtOAcで抽出し、その後合わせた有機相を10mLのブラインで洗浄し、その後通常のワークアップを行った。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中の30% EtOAc)により精製し、環状スルファミデート14aを、淡黄色固体(90mg、89%)として得た:mp143.5〜145C(EtOAc.ヘキサン);H NMR(CDCl)δ1.29(3H,s),1.51(9H,s),3.77(3H,s),3.80(3H,s),4.16(1H,d,J=8.8),4.73(1H,d,J=8.8),5.98(1H,s),6.82〜6.89(4H,m),7.38〜7.44(4H)。分析(C2329NOS)C,H,N。
【0085】
(3,4−ジメチル−1,2,3−オキサチアゾリジン−4−カルボン酸 tertブチルエステル2,2−ジオキシド(14b))
14aを得るために使用した同じ反応条件を、42mgの13b(0.18mmol)に適用して、14b(42mg、94%)を白色固体として得た:mp54〜55℃(EtOAc/ヘキサン);H NMR(CDCl)δ1.50(9H,s),1.52(3H,s),2.93(3H,s),4.22(1H,d,J=8.8),4.88(1H,d,J=8.8)。分析(C17NOS)C,H,N。
【0086】
(14aによる5a(FAMP)の調製)
CHCN(4mL)中の環状スルファミデート14a(130mg、0.28mmol)の溶液に、3当量のテトラブチルアンモニウムフッ化物(THF中に1.0M)を添加し、生じた溶液を室温で一晩攪拌した。反応混合物を減圧下で、濃縮し、残留物を5mLの3N HClで、85℃で1時間処理した。冷却後、水溶液を5mLのエーテルで洗浄し、次いで、6N NaOHを用いてpH7にした。減圧下で溶媒を除去し、生じた白色固体を、9:1 CHOH:EtNに溶解した。この溶液に、2当量部分の(Boc)O(122mg)を添加し、その後、反応混合物を一晩、室温で攪拌した。ワークアップおよび精製を前に記載したように行い、アミノニトリル経路により得た生成物と同じH NMRスペクトルを有する生成物5a(25mg、40%)を得た。
【0087】
([18F]5a(FAMP)および[18F]5b(N−MeFAMP)の放射性合成)
14aから[18F]5aおよび14bから[18F]5bを調製するために、同じ条件を使用した。350μLの[18O]HO中に150〜200mCiの、キャリアを添加していない[18F]HF(20μA、10〜15分ボンバードメント(bombardment)、1.7Ci/nモルの理論上の比活性)を含むウィートンバイアルに、CHCN中に10mgのK222 Kryptofixおよび1mgのKCOを含む溶液を1mL添加し、その後、115Cで、アルゴンガスフロー下で、溶媒を取り除き、その後、さらに1mLのCHCNを添加し、その後アルゴンフローでエバポレーションを行った。この乾燥を全部で3回繰り返し、残留HOを取り除いた。1mLの脱水CHCN中の環状スルファミデート前駆体14aまたは14bの1〜2mg部分をバイアルに添加し、その後反応混合物を85℃で20分間加熱した。溶媒をアルゴンガスフロー下で115℃で除去し、その後、中間生成物を0.5mLの6N HClで、85℃で10分間処理した。放射標識したアミノ酸の溶液を1〜2mLのHOに希釈し、2つのアルミナ N SepPaks(登録商標)および1つのC−18 SepPak(登録商標)を有するシリーズ中の7×120mmのイオン抑制樹脂(Bio Rad AG11A8 50〜100メッシュ)のカラムを通して、HOに抽出した。放射性活性を有する溶出画分を、直接げっ歯類の研究に使用した。放射標識された生成物の同一性を、放射分析TLCを用いて可視化された放射性生成物のRf-を、ニンヒドリン色素で可視化
した標準19F化合物のR(R=0.6、Alltech 0.25mm RP Chiralplate、20:5:5 CHCN:HO:MeOH)と比較することにより確認した。全ての放射性合成において、放射測定のTLC分析に存在する唯一のピークは、5aまたは5bに一致し、生成物の放射性化学純度は、99%を上回る。単離された放射性化学的な収率は、用量キャリブレーターを使用して決定された(Capintec CRC−712M)。
【0088】
(アミノ酸取り込み阻害アッセイ)
9L神経膠肉腫細胞を最初に、加湿インキュベーター条件下(37℃、5%CO/95%空気)でDulbecco改変Eagle培地(DMEM)を含むTフラスコに、単層として増殖させた。増殖培地は、10%ウシ胎仔血清および抗生物質(10,000ユニット/ml ペニシリンおよび10mg/mlストレプトマイシン)を補充した。増殖培地は、1週間に3回取り替え、細胞が1週間の時間でコンフルエンシーに到達するように、細胞を継代した。
【0089】
単層がコンフルエントである場合、細胞を以下の様式で実験のために調製した。T−フラスコから増殖培地を取り除き、その後単層細胞を、細胞とフラスコ間のタンパク質の付着を弱めるために、1×トリプシン:EDTAに約1分間曝露した。次いで、フラスコを打ち、細胞を遊離させた。トリプシンのタンパク質分解作用を阻害するために、補充した培地を添加し、その後、細胞が単分散になるまで、18Ga注射針を介して細胞を吸引した。細胞のサンプルを、血球計算板を使用して顕微鏡下で、計数し、そして、トリパンブルー染色を介して生存/死亡画分を推測した(>98%の生存度)。細胞の残りを遠心管に入れ、75Gで5分間遠心し、上清を取り除いた。次いで、細胞をアミノ酸/血清なしのDMEM塩に、再懸濁した。
【0090】
この研究では、約4.55×10個の細胞を、3mLのアミノ酸を含まない培地±輸送体インヒビター(10mM)中で、[18F]5aまたは[18F]5b(5μCi)のいずれかに、30分間、インキュベーターの条件下で、12×75mmのガラスバイアル中で曝露した。各アッセイ条件は、2組行った。インキュベート後、細胞を2回遠心(75Gで5分間)し、氷冷したアミノ酸/血清なしのDMEM塩でリンスし、上清中の残留活性を取り除いた。バイアルを、Packard Cobra II Auto−Gamma counter内に置き、生の数値の減少を補正し、そして、細胞の数あたりの活性を決定した。これらの研究からのデータ(コントロールと比較して取り込み百分率として表した)を、Excel(登録商標)を使用してグラフ化し、群間の統計的比較を、1元配置ANOVAを用いて解析した(GraphPad Prism software package)。
【0091】
(腫瘍の誘導および動物の調製)
全ての動物実験を、人道的な条件下で行い、そして、エモリー大学Institutional Animal Use and Care Committee(IUCAC)により承認された。ラット9L神経膠肉腫細胞を、雄性フィッシャーラットの脳に、以前記載されたように、移植した[Shoup,TMら(1999)J.Nucl.Med.40:331〜338]。簡単にいうと、定位ヘッドホルダーに置いた、麻酔したラットに、中線の3mm右側の位置および頭蓋外版に対して5mmの深さで、ブレグマから1mm前方に、4×10個のラット9L神経膠肉腫細胞の懸濁液(mLあたり1×10個)を注射した。腫瘍細胞の逆流を最小限にするために、注射は、2分の期間にわたって行い、針を1分の期間をかけて引き抜いた。傷ついた穴および頭皮の切開を閉じ、その後、手順からの回復後、動物をそれらの元のコロニーに戻した。頭蓋内の腫瘍が発生し、このことにより、腫瘍を有するラットにおいて、体重の減少、無気力および猫背の姿勢を生じ、その動物を、移植後17〜19日で使用した。30匹の腫瘍細胞を移植した動物の内、25匹が、解剖により肉眼で見える腫瘍が発生し、本実験に使用された。
【0092】
(げっ歯類生物学的分布研究)
げっ歯類中で、[18F]5aおよび[18F]5bを別個に評価するために、同じ手順を使用した。0.3mLの滅菌水中の約85μCiの[18F]5aまたは[18F]5bの静脈内への注射の後、放射性活性の組織分布を、16匹の健常な雄性フィッシャー344ラット(200〜250g)で決定した。動物には、実験の前に適宜に飼料および水を与えた。0.1mL/100gの1:1 ケタミン(500mg/mL):キシラジン(20mg/mL)溶液の筋肉内への注入により誘導された麻酔の後、放射標識されたアミノ酸をラットに、尾静脈カテーテルにより注入した。4匹のラットの群を、用量の注入の5分後、30分後、60分後および120分後に、屠殺した。動物を解剖し、そして、選択した組織を秤量し、Packard Cobra II 自動γ計測器中で用量標準に従って計測した。未処理の計測により、減少を補正し、勘定は、組織のgあたりの全注入用量の百分率として、標準化した(%ID/g)。各時間点での組織における活性の取り込みの比較は、一元配置ANOVA(GraphPad Prismソフトウェア・パッケージ)を使用して解析した。
【0093】
放射性活性の組織分布をまた、0.3mLの滅菌水中の[18F]5aまたは[18F]5bの約35μCiの血管内への注入の後、腫瘍を有するフィッシャー344ラットにより決定した。手順は、以下の改変を有するが、健常なラットについてすでに記載した手順と類似している。頭蓋内の大部分の存在への麻酔に伴う死を避けるために、RTV−190 げっ歯類拘束デバイス(Braintree Scientific)を使用して尾静脈への注入を、覚醒した動物に行った。動物は、注入の5分後、60分後または120分後に屠殺した。腫瘍組織を添加した通常のラットにおいても、同じ組織をアッセイし、そして、腫瘍とは対側の対応する脳の領域が、比較のために切除され、使用された。各時間点での腫瘍および対側の脳における取り込みを、対になる観察について、両側t検定により比較した(GraphPad Prismソフトウェア・パッケージ)。
【0094】
前述の例示的な記述および本発明の例示となる好ましい実施形態は、図に説明され、詳細に記載され、種々の改変および代わりの実施例が教示される。本発明が示され、記載され、説明されることに対して、当業者は、形態および細部における等価な改変が本発明の真の趣旨および範囲を離れることなく本発明においてなされ得る。先行技術により除外されるものを除いては、本発明の範囲が請求項によってのみ限定されることを理解すべきである。さらに、本明細書に開示された発明は、本明細書で開示された特定の要素の非存在下での実施にも適切であり得る。
【0095】
本出願で引用された全ての参考文献は、本明細書と矛盾しない範囲まで、それら全体が参照として本明細書に援用される。
【0096】
【化22】

【0097】

【0098】

【0099】

【0100】
【表1】

【0101】
【表2】

【0102】
【表3】

【0103】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0104】
本願発明の好ましい実施形態によれば、以下の化合物などが提供される。
【0105】
(1)
構造
【0106】
【化1】

【0107】
を有するアミノ酸アナログであって、ここで、Rが、XまたはX−HC=CH−またはRであって、Rは、Hであるか、またはRがRである場合、Rであって、
【0108】
【化2】

【0109】
を形成するように、

【0110】
【化3】

【0111】
であって、
が、−(C2k+1)、−(C2k−1)または−(C2k−3)であって、ここで、
aが、1〜5であって、
xが、0または1であって、
yが、1または2であって、
zが、1,2,3または4であり、そしてyが2である場合、z>yであって、
qは1または0であって、ただし、qが0である場合、nが1およびjが0であり、
nは、1または2であって、ただし、mが0である場合、nは0であり、
mは、0または1であって、
jは、0、1、2または3であって、
kは、1〜5であって、そして、
Xが、18F、123I、124I、125I、131I、75Br、76Br、77Br、82BrまたはAtである、アミノ酸アナログ。
【0112】
(2)
およびRが、Rである、上記項1に記載の化合物。
【0113】
(3)
xが0であって、
yが1であって、
zが2であって、
qが1であって、
mが0およびjが0である、上記項1に記載の化合物。
【0114】
(4)
Xが、18Fまたは123Iである、上記項3に記載の化合物。
【0115】
(5)
Xが、18Fである、上記項3に記載の化合物。
【0116】
(6)
およびRが、Rであって、
xが0または1であって、
yが2であって、
zが1であって、
qが1であって、
mおよびjが0であって、そして、Xが18Fまたは123Iである、上記項1に記載の化合物。
【0117】
(7)
xが1およびXが18Fである、上記項6に記載の化合物。
【0118】
(8)
xが0およびXが123Iである、上記項6に記載の化合物。
【0119】
(9)
xが1およびXが123Iである、上記項6に記載の化合物。
【0120】
(10)
R1およびR2がR3であって、
xが0であって、
yが1であって、
zが2であって、
qが0であって、
mが1であって、
nが1であって、
jが0およびXが18Fまたは123Iである、上記項1に記載の化合物。
【0121】
(11)
Xが18Fである、上記項10に記載の化合物。
【0122】
(12)
上記項1に記載の化合物であって、ここで、RおよびRが、Rであって、
xが1であって、
yが1であって、
zが1であって、
qが0であって、
mおよびjが0であって、そして、Xが18Fまたは123Iである、化合物。
【0123】
(13)
Xが123Iである、上記項12に記載の化合物。
【0124】
(14)
R1およびR2がRであって、
xが0であって、
yが1であって、
zが2であって、
qが1であって、
mが1であって、
nが1であって、
jが1であって、および
Xが18Fまたは123Iである、上記項1に記載の化合物。
【0125】
(15)
Xが123Iである、上記項14に記載の化合物。
【0126】
(16)
上記項1に記載の化合物であって、ここで、RおよびRがRであって、
xが0であって、
yが1であって、
zが2であって、
qが0であって、
mが0であって、
jが1であって、そして、
Xが18Fまたは123Iである、化合物。
【0127】
(17)
Xが123Iである、上記項16に記載の化合物。
【0128】
(18)
R1およびR2がRであって、
xが0または1であって、
yが2であって、
zが4であって、
qが1であって、
mが1であって、
nが1であって、
jが1であって、そして、
Xが18Fまたは123Iである、上記項1に記載の化合物。
【0129】
(19)
Xが18Fである、上記項18に記載の化合物。
【0130】
(20)
Xが123Iである、上記項18に記載の化合物。
【0131】
(21)
上記項1に記載の化合物であって、ここで、RおよびRがRであって、
xが0または1であって、
yが2であって、
zが4であって、
qが0であって、
mが0であって、
jが1であって、および
Xが18Fまたは123Iである、化合物。
【0132】
(22)
Xが18Fである、上記項21に記載の化合物。
【0133】
(23)
Xが123Iである、上記項21に記載の化合物。
【0134】
(24)
およびRがRではない、上記項1に記載の化合物。
【0135】
(25)
Xが18Fである、上記項24に記載の化合物。
【0136】
(26)
がX−CH=CH−、RがH、yが1およびzが2である、上記項1に記載の化合物。
【0137】
(27)
Xが123Iである、上記項26に記載の化合物。
【0138】
(28)
上記項1に記載の化合物であって、RおよびRがRであって、ここで、kが1〜5であって、jが1、2または3であって、mが1であって、Xが
【0139】
【化4】

【0140】
または
【0141】
【化5】

【0142】
であって、
ここで、bが0、1または2であって、
xが0または1であって、
yが1または2であって、
zが1,2,3または4およびyが2である場合、x>yであって、
qが0または1であり、
M=TcまたはReである、化合物。
【0143】
(29)
Xが、
【0144】
【化6】

【0145】
である、上記項28に記載の化合物。
【0146】
(30)
jが1、2または3およびnが0である、上記項29に記載の化合物。
【0147】
(31)
jが1、2または3およびnが1である、上記項29に記載の化合物。
【0148】
(32)
jが1、2または3およびnが2である、上記項29に記載の化合物。
【0149】
(33)
Xが
【0150】
【化7】

【0151】
である、上記項28に記載の化合物。
【0152】
(34)
jが1、2または3およびnが0である、上記項33に記載の化合物。
【0153】
(35)
jが1、2または3およびnが1である、上記項33に記載の化合物。
【0154】
(36)
jが1、2または3およびnが2である、上記項33に記載の化合物。
【0155】
(37)
上記項28に記載の化合物であって、ここで、Xが、
【0156】
【化8】

【0157】
であって、ここで、bが0、1または2であって、
xが0または1であって、
yが1または2であって、
zが1、2、3または4およびyが2である場合、x>yであって、
qが0または1である、化合物。
【0158】
(38)
jが1、2または3およびnが0である、上記項37に記載の化合物。
【0159】
(39)
jが1、2または3およびnが1である、上記項37に記載の化合物。
【0160】
(40)
jが1、2または3およびnが2である、上記項37に記載の化合物。
【0161】
(41)
Xが
【0162】
【化9】

【0163】
であって、M=TcまたはReである、上記項28に記載の化合物。
【0164】
(42)
jが1、2または3およびnが0である、上記項41に記載の化合物。
【0165】
(43)
jが1、2または3およびnが1である、上記項41に記載の化合物。
【0166】
(44)
jが1、2または3およびnが2である、上記項41に記載の化合物。
【0167】
(45)
18F、RがH、yが1、zが2およびRが−CHである、上記項1に記載の化合物。
【0168】
(46)
一般構造
【0169】
【化10】

【0170】
を有するアミノ酸アナログであって、ここで、RがZ、aが1〜5、
およびRが−(C2k+1)、−(C2k−1)または−(C2k−3)、および
が−(C2k+1)、−(C2k−1)または−(C2k−3)、
kが1〜5であって、
Zが
【0171】
【化11】

【0172】
または、
【0173】
【化12】

【0174】
であって、ここで、bが0、1または2であって、
xが0または1であって、
yが1または2であって、
zが1、2、3または4であり、およびyが2である場合、x>yであって、
qが0または1であって、
M=TcまたはReである、アミノ酸アナログ。
【0175】
(47)
陽電子放射断層撮影法によるインサイチュ腫瘍画像化の方法であって、以下:
画像を発生させる量の上記項1に記載の化合物を、腫瘍を有すると推測される被験体に投与する工程、および陽電子放射断層撮影法により、該被験体における該化合物の分布を測定する工程、
を包含する、方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書および図面に記載される化合物。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【公開番号】特開2009−149678(P2009−149678A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−44923(P2009−44923)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【分割の表示】特願2004−501548(P2004−501548)の分割
【原出願日】平成15年4月24日(2003.4.24)
【出願人】(504391260)エモリー ユニバーシティー (6)
【Fターム(参考)】