説明

膜を用いたガス回収方法およびシステム

速いガスは、ガス分離膜を用いて、速いガスおよび少なくとも1種の遅いガスを含む供給ガスから回収される。コントローラーは、供給ガスと組み合わせるため、膜からの浸透するガスの部分的な再利用に関連してコントロールバルブをコントロールする。コントローラーは、膜からの残余ガスの背圧に関連してコントロールバルブをコントロールする。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
[関連出願のクロスレファレンス]
この特許出願は、2009年6月10日に出願された米国特許仮出願 No.61/185,965の利益の権利を主張する。
【0002】
[従来技術]
ガスを利用する数多くのプロセスがあり、ガスのコストが比較的高いことから、これらを回収することが望まれている。このようなプロセスの多くは、しかしながら、回収のための変動するガスの量を生出する。典型的な回収システムは、回収されることができるガスの量が時間をかけて変化する場合でさえ、効果的且つ経済的にガスを回収する。これらのプロセスの2つは、光ファイバーの製造のための光ファイバー冷却タワー、およびバキューム炉内のパーツの熱処理を含む。ガス分離の当業者は、このような変動する流れを生出する比較的高価なガスの回収が所望される他の数多くのプロセスがあることを理解するであろう。
【0003】
光ファイバーの製造において、溶融したガラスがダイを通して押し出される。この溶融したガラスは、長い冷却タワー(ドロータワー)を用いて急激に冷却される。この冷却タワー内における熱の移動を達成するため、ヘリウムが熱移動媒体として使用される。ヘリウム供給が短く且つ価格が増大することから、ヘリウムの収集および再利用が所望される。
【0004】
光ファイバー糸紡ぎのための冷却ドロータワーからのヘリウムの再利用は、要求のきびしい適用である。タワーからの回収プロセスの間の空気のヘリウムへの追加のため、抽出されたヘリウムは、空気に対して60%より低い体積を含むことができる。高い純度のヘリウムの高い回収率が所望される。冷却タワーへの回収のための高い純度のヘリウム生成物(例えば体積比99%を超える)が冷却効率のため要求される一方で、有用な高いヘリウムの回収が回収プロセスの経済的な理由のため要求される。
【0005】
一般的な光ファイバー糸紡ぎ設備は多くのタワーを含む。タワーごとのヘリウムの流れは、そのタワーの冷却要求に基づいて変化する。おそらく、各タワーは、異なるヘリウム供給の流れを有することができる。経済的な理由のため、単一のヘリウム回収システムに多数のタワーを手当てすることが好ましい。このような可能性のあるシステムは、流れにおけるこれらの変化のため理想的に補償することができる。従って、このような可能性のあるシステムは、個々のドロータワーが施設に加えられ或いは施設から取り除かれるように、供給の流れにおける広い種類とともに動作することができなければならない。
【0006】
ガス分離技術の1つのタイプは、膜、特に重合体の膜によるガス分離である。膜を用いたガス分離は、ガス分離膜の入口へ供給ガスを供給することによって実行される。重合体の膜の構成に基づいて、いくらかのガス(速いガスと呼ばれる)は、他のガス(遅いガスと呼ばれる)より大きな割合で膜を染みとおるであろう。この速いガスが染みとおる流れの中で収集される一方で、遅いガスは保持或いは残余流れで収集される。光ファイバー冷却タワーからヘリウムを回収する膜の使用のいくつかが提案されている。ガラス製の重合体の膜の場合、ヘリウムが速いガスであり、一方、空気の酸素および窒素が遅いガスである。膜システムは、一般に、固定された供給流速に基づいてデザインされている。言い換えると、予め決められたタイプの膜の膜モジュールの数は、処理にあてにされた供給ガスの固定された流速に基づいてデザインされている。予め決められた適用のために必要とされる膜モジュールの数は、供給の流れに直接的に釣り合っている。高い供給の流れを有する膜システムのため、多くの数の膜モジュールが必要とされる。折り曲げた部分は、最大の流れと比較して供給の流れにおける変化を取り扱うプロセス或いはシステムの可能性を説明するパラメーターである。それは以下の式によって示される。
【0007】
折り曲げ部分=[1・正確な供給の流れ/最大の供給の流れ]×100%
【0008】
比較的大きなシステムのための折り曲げ部分における変化は、数多くの膜モジュールの1つ或いはそれ以上を活性化或いは不活性化することによって簡単に適応させることができる。つまり、供給ガスに晒される膜表面の全ての領域は、供給の流れにおける変化を補償するように調節される。
【0009】
光ファイバードローカラムのような比較的低い供給の流れを有するシステムにおいて、この複合モジュールのアプローチは難しい。これは、最大の流れで所望する生成物の純度および回収が単一の商業スケールの膜モジュールだけで達成されるためである。例えば、単一の直径1”或いは2”の膜(しばしば最も小さい商業的に入手可能な膜装置)が最大の流れにとって十分である。単一膜モジュールの使用が現金の支出に関してコストの面で効果的である一方で、受け入れることのできないパフォーマンスが最大の流れより極めて低い流れで実現されるであろう。このような低い流れに関連した問題に取り組むための1つの可能性のある解決策は、上述した複合モジュールによるアプローチを利用することである。このような低い流れへ複合モジュールによるアプローチを適用するため、数多くのカスタム製造された小さな浸透器が必要とされる。従って、これは、高い改造された効率の悪い(コストに関して)問題になる。
【0010】
バキューム炉内のパーツの熱処理において、パーツの比較的高い温度が、ヘリウムのような不活性の冷却ガスの使用を伴ってすばやく冷却される。熱処理を必要とするパーツの量に基づいて、1つ或いはそれ以上のバキューム炉が作動状態に置かれ或いは動作を止めさせられる。一方、いくつかは、ガス分離膜の使用を含む精製ステップを含む冷却ガスの再利用のための種々の戦略を提案される。光ファイバー冷却タワーからのヘリウムの再利用と同様に、経済的な理由のため、1つがガス分離膜を使用するような単一のガス回収システムを用いた複合バキューム炉からヘリウムのような不活性ガスを再利用することが好ましい。このような可能性のあるシステムは、個々のバキューム炉がサービスに加えられ或いはサービスから取り除かれるように、理想的に、供給の流れにおける広いバリエーションのため補償することができる。
【0011】
特にヘリウムに関しては、特許文献において、種々の回収戦略のいくつかが提案されている。
【0012】
米国特許NO.6,517,791は、冷たいしぶきを形成するためのヘリウム回収システムを開示している。膜は、単一の通路内で作用する。システムのための精製目標は、約90%のヘリウムから97%のヘリウムへの比較的狭い上昇でヘリウム量を増大することである。これに対し、光ファイバー糸紡ぎのためのヘリウム回収は、しばしば、ガスの比較的大きな濃縮を要求する。
【0013】
米国特許NO.4,448,582は、光ファイバードロータワー内での再利用のためのヘリウム回収のための極低温の方法を使用する。
【0014】
米国特許NO.5,377,491および5,452,583は、光ファイバードロータワーからのヘリウムの再利用に関係する。膜は、ドロータワー内における再利用のためのヘリウム精製のいくつかの方法の1つとして説明されている。同様に、米国特許NO.6,092、391および6,253、575は、合併、ドロー炉、およびドローファイバー冷却を含む光ファイバー糸紡ぎプロセス全体のためのより完全なヘリウム回収システムを開示している。膜システムは、ヘリウムを回収するための1つの手段として説明されている。
【0015】
米国特許NO.5,158,625は、ヘリウムが硬化ガスとして使用されるタイプの処理される物に接触する再循環ガス媒体内でそれらを硬化することによる熱処理物のためのプロセスを開示している。硬化ガスは熱交換器の手段によって冷却される。硬化動作の終りで、最終段階でポンプによって一次真空が得られるまで、処理容器からヘリウムが引き出される。この引き出されたヘリウムは、機械的なフィルターを備えたコンプレッサーによって精製圧に晒されて、精製圧の下のヘリウムが、不純物が除去された精製器へ送られる。
【0016】
米国特許NO.6,517,791は、ヘリウムガスの回収および精製のための3段階プロセス、およびこの3段階プロセスを用いるためのシステムを開示している。冷たいしぶきを形成するチャンバーからのガスは、粒子がないヘリウムガスを形成するため、粒子除去装置へ導入される。粒子がないヘリウムガスの第1の部分は、再利用のためチャンバーへ戻される。粒子がないヘリウムガスの第2の部分は、精製されたヘリウムガスおよび排気ガスを形成するため、ヘリウムガス精製膜を通り抜ける前に第1のコンプレッサーへ通される。そして、この精製されたヘリウムガスは、粒子がないヘリウムガスの第1の部分と混合するように、チャンバーへ通される。粒子がないヘリウムガスの第3の部分は、液体を含まないヘリウムガスを形成するため、水を除去するための液分離装置へ通されて、あらゆる振動を減衰させるためのレシーバーへ通される。この液体を含まないヘリウムガスは、冷たいしぶきを形成するチャンバーへ再利用される。
【0017】
上述した特許文献が種々の解決策を開示しているけれども、供給流速の広い範囲の提供を十分に開示した方法の説明はない。
【0018】
従って、供給流速の広い範囲を通じて十分に高い純度を達成するために適用された、膜を用いたガスの回収のための改良された方法およびシステムを提供することが目的である。
【0019】
供給流速の広い範囲を通じて十分に高い回収率を達成するために適用された、膜を用いたガスの回収のための改良された方法およびシステムを供給することが他の目的である。
【0020】
供給流速の広い範囲を通じて十分に機能する一方で十分に低い資本コストを負うように適用された、膜を用いたガスの回収のための改良された方法およびシステムを提供することが目的である。
【0021】
[要約]
速いガスおよび少なくとも1種の遅いガスを含む排気ガスの変動する流速を生出するプロセスから速いガスを回収する方法が開示される。この方法は、以下の複数のステップを含む。速いガスおよび遅いガスを含む混合ガスの多くの供給源が与えられる。速いガスおよび遅いガスを含む供給ガスの流れは、1つ或いはそれ以上の供給源から得られ、この供給ガスの流れは、どれだけ多くの供給源が混合ガスを活発に生出するかに基づく変動する流速を有する。これら供給ガスの流れは圧縮される。この圧縮された供給ガスは、第1のガス分離膜へ供給される。速いガスの中で濃縮された第1の浸透する流れ、および速いガスの中で不足した第1の残余流れは、第1のガス分離膜から回収される。供給ガスの流れに混合されて圧縮された第1の浸透する流れの第1の部分は、コンプレッサーへ仕向けられる。第1の浸透する流れの残りの部分は、製品ガスを供給するため回収される。第1の浸透する流れが上記第1の部分と残りの部分との間で配分された度合いは、この方法の動作パラメータに基づいて調節される。
【0022】
また、排出ガスの変化する流速を生出するプロセスから余分のガスを回収するためのシステムが開示される。このシステムは、速いガスおよび遅いガスを含む上記排出ガスの複数の供給源と;上記複数の供給源に流通可能に選択的に接続した供給ガス導管と;上記供給ガス導管に流通可能に接続した入口と出口とを有するコンプレッサーと;入口、浸透出口、および残余出口を有する第1のガス分離膜と;上記第1のガス分離膜の上記入口は、上記コンプレッサーの出口に流通可能に接続され、上記第1のガス分離膜は、上記余分のガスを優先的に浸透し、上記第1のガス分離膜の上記浸透出口に流通可能に接続した第1の浸透導管と;上記第1の浸透導管に流通可能に接続した製品ガス導管と;上記第1の浸透導管と上記コンプレッサー入口を流通可能に接続した再利用導管と;上記第1の浸透導管、上記再利用導管、および上記製品ガス導管に流通可能に接続した再利用コントロールバルブと;上記再利用コントロールバルブによる釣り合った調節をコントロールするように設けられたコントローラーと;を有する。上記排出ガスは、速いガスおよび少なくとも1種の遅いガスを含む。上記再利用コントロールバルブは、上記第1の浸透導管から上記製品ガス導管ではなく上記再利用導管への流れを許容された浸透ガスの割合を調節するように設けられている。上記第1のガス分離膜の上記入口は、上記コンプレッサー出口に流通可能に接続されている。上記第1のガス分離膜は、上記少なくとも1種の遅いガスではなく上記速いガスを優先的に浸透可能である。
【0023】
上記方法および/或いはシステムは、1つ或いはそれ以上の以下の形態を含む:
・上記動作パラメータは、そこから上記供給ガス流れが得られる複数の供給源の数、上記製品ガスの純度、当該方法の実行によって達成された余分のガスの回収、上記供給ガス流れの流速、および上記混合された供給ガス流れおよび上記第1の浸透流れの上記第1の部分の圧力、からなるグループから選択される。
【0024】
・上記複数の供給源は、複数の光ファイバー冷却タワーを有し、上記速いガスはヘリウムであり、上記遅いガスは空気である。
【0025】
・上記複数の供給源は、複数のヘリウム炉を有し、上記速いガスはヘリウムである。
【0026】
・当該方法は、
上記第1の残余流れを第2のガス分離膜へ供給する工程と;
上記第2のガス分離膜から第2の浸透流れおよび第2の残余流れを回収する工程と;
上記第2の浸透流れを上記コンプレッサーへ指向する工程と;をさらに有し、上記第2の浸透流れは、上記第1の部分および上記供給ガス流れとともに圧縮される。
【0027】
・上記供給ガス流れを得る工程は、
1つ或いはそれ以上の複数の供給源からの排出ガス流れを合流する工程と;
上記合流された排出ガス流れを圧縮する工程と;
上記合流されて圧縮された排出ガス流れを第2のガス分離膜へ供給する工程と;
上記第2のガス分離膜から上記速いガス内で濃縮された第2の浸透流れおよび上記速いガス内で不足した第2の残余流れを回収する工程と;を有し、上記第2の浸透流れは、上記供給ガス流れである。
【0028】
・当該方法は、
上記第1の浸透流れを流通可能なコントロールバルブを設ける工程と;
そこから上記供給ガス流れが得られる上記複数の供給源の数を表わす信号をコントローラーへ送る工程と;をさらに有し、
上記動作パラメータは、そこから上記供給ガス流れが得られる上記複数の供給源の数であり、
上記コントローラーは、上記信号に基づいて、上記コントロールバルブを介して、上記第1の浸透流れの上記第1の部分および上記残りの部分への割り当てをコントロールする。
【0029】
・当該方法は、
上記第1の残余流れを流通可能なコントロールバルブを設ける工程と;上記コントロールバルブは、上記第1の残余流れの圧力を選択的に調節するように設けられており、
上記製品ガス内の上記速いガスの純度を計測する工程と;
上記計測された純度を表わす信号を上記コントローラーへ送る工程と;をさらに有し、
上記コントローラーは、上記第1の残余流れを流通可能な上記コントロールバルブを介して、上記計測された純度に基づいて、上記第1の残余流れの圧力の調節をコントロールする。
【0030】
・上記供給ガス流れを得る工程は、
1つ或いはそれ以上の上記複数の供給源からの排出ガス流れを合流する工程と;
上記合流された排出ガス流れを圧縮する工程と;
上記合流されて圧縮された排出ガス流れを第2のガス分離膜へ供給する工程と;
上記第2のガス分離膜から上記速いガス内で濃縮された第2の浸透流れおよび上記速いガス内で不足した第2の残余流れを回収する工程と;を有する。
【0031】
・当該方法は、
上記第2の残余流れを流通可能なコントロールバルブを設ける工程と;上記コントロールバルブは、上記第2の残余流れの圧力を選択的に調節するように設けられており、
上記製品ガス内の上記速いガスの純度を決定する工程と;
上記計測された純度を表わす信号を上記コントローラーへ送る工程と;をさらに有し、
上記コントローラーは、上記第2の残余流れを流通可能なコントロールバルブを介して、上記計測された純度に基づいて、上記第2の残余流れの圧力の調節をコントロールする。
【0032】
・当該方法は、
上記第1の浸透流れを流通可能なコントロールバルブを設ける工程と;
当該方法の実行によって達成された上記速いガスの回収を決定する工程と;
上記決定された回収を表わす信号をコントローラーへ送る工程と;をさらに有し、
上記動作パラメータは、当該方法の実行によって達成された上記余分のガスの回収であり、
上記コントローラーは、上記コントロールバルブを介して、上記信号に基づく、上記第1の浸透流れの上記第1の部分および上記残りの部分への割り当てをコントロールする。
【0033】
・当該方法は、
上記第1の残余流れを流通可能なコントロールバルブを設ける工程と;上記コントロールバルブは、上記第1の残余流れの圧力を選択的に調節するように設けられており、
上記製品ガス内の上記速いガスの純度を計測する工程と;
上記計測された純度を表わす信号をコントローラーへ送る工程と;をさらに有し、
上記コントローラーは、上記第1の残余流れを流通可能な上記コントロールバルブを介して、上記製品ガス純度信号に基づいて、上記第1の残余流れ圧力の調節をコントロールする。
【0034】
・上記供給ガス流れを得る工程は、
1つ或いはそれ以上の上記複数の供給源からの排出ガス流れを合流する工程と;
上記合流された排出ガス流れを圧縮する工程と;
上記合流されて圧縮された排出ガス流れを第2のガス分離膜へ供給する工程と;
上記第2のガス分離膜から上記速いガス内で濃縮された第2の浸透流れおよび上記速いガス内で不足した第2の残余流れを回収する工程と;を有し、
上記第2の浸透流れは、上記供給ガス流れであり、
・当該方法は、
上記第2の残余流れを流通可能なコントロールバルブを設ける工程と;上記コントロールバルブは、上記第2の残余流れの圧力を選択的に調節するように設けられており、
上記製品ガス内の上記速いガスの純度を計測する工程と;
上記計測された純度を表わす信号をコントローラーへ送る工程と;をさらに有し、
上記コントローラーは、上記第2の残余流れを流通可能な上記コントロールバルブを介して、上記製品ガス純度信号に基づいて、上記第2の残余流れ圧力の調節をコントロールする。
【0035】
・当該方法は、
コントローラーを設ける工程と;
上記供給ガス流れが第1の流速を有する一方で当該方法の工程を実行する工程と;
そこから上記供給ガス流れが得られる冷却タワーの数を変えて、それにより上記供給ガス流れの上記流速を変える工程と;
そこから上記供給ガスが得られる冷却タワーの新たな数を表わす信号を上記コントローラーへ送る工程と;
上記第1の浸透流れが、上記信号に基づいて、上記第1の部分および上記残りの部分に割り当てられる度合いを上記コントローラーを伴って調節する工程と;
をさらに有する。
【0036】
・当該方法は、
合流された供給ガス流れと浸透流れの第1の部分の圧力を計測する工程と;
上記第1の浸透流れを流通可能なコントロールバルブを設ける工程と;
上記計測された圧力を表わす信号をコントローラーへ送る工程と;をさらに有し、
上記動作パラメータは、合流された供給ガス流れおよび浸透流れの第1の部分の上記圧力であり、
上記コントローラーは、上記信号に基づいて、上記コントロールバルブを介して、上記第1の浸透流れの上記第1の部分および上記残りの部分への割り当てをコントロールする。
【0037】
・上記速いガスおよび上記遅いガスは、HおよびNe、HおよびCO、HおよびCH、HおよびN、HおよびO、HおよびO/N、COおよびN、COおよびO、COおよびN/O、COおよびCH、NeおよびN、NeおよびO、NeおよびN/O、HeおよびN、HeおよびO、HeおよびN/Oからなるグループから選択される。
【0038】
・上記速いガスはヘリウムであり、上記遅いガスは空気である。
【0039】
・上記第1のガス分離膜の上記残余出口に流通可能に接続した入口、第2の残余出口、および第2の浸透出口を有する第2のガス分離膜と;および
・上記第2のガス分離膜の上記浸透出口と上記再利用導管との間を流通可能に接続した第2の浸透導管。
【0040】
・上記複数の供給源に選択的に流通可能に接続した入口、第2の残余出口、および上記供給ガス導管に流通可能に接続した第2の浸透出口を有する第2のガス分離膜。
【0041】
・1つ或いはそれ以上の上記供給源が上記排出ガスを積極的に生出するか否かを検知する装置、上記コントローラーは、さらに、上記検知装置から、上記排出ガスを積極的に生出する供給源の数を表わす信号を受けるように設けられ、上記信号に基づいて、上記再利用コントロールバルブによる釣り合った調節をコントロールする。
【0042】
・上記コントローラーは、さらに、
当該システムの動作によって達成される上記速いガスの回収を表わす信号を検知装置から受け、
上記回収信号に基づく上記再利用コントロールバルブによる釣り合った調節をコントロールするように設けられている。
【0043】
・上記製品ガス導管内の製品ガス中の上記速いガスの濃度を計測し、計測した濃度を表わす信号を上記コントローラーへ送るように設けられた検知装置を含み、
上記コントローラーは、さらに、
上記検知装置から上記濃度信号を受け、
上記濃度信号に基づく上記再利用コントロールバルブによる釣り合った調節をコントロールする。
【0044】
・第2のガス分離膜は、上記第1のガス分離膜の上記残余出口に流通可能に接続した入口、第2の残余出口、および第2の浸透出口を有する。
【0045】
・第2の浸透導管は、上記第2のガス分離膜の上記浸透出口と上記再利用導管との間を流通可能に接続し、上記複数の供給源は光ファイバー冷却タワーであり、上記速いガスはヘリウムである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
本願発明の特性および目的のさらなる理解のため、添付図面と共に与えられた以下の詳細な説明が参照されるべきであり、その中で、同様の構成要素には、同一の或いは相似の参照符号が与えられる。
【図1】図1は、流速において広い種類を生出するプロセスから余分のガスを回収するためのプロセスおよびシステムの1つの実施例の概略図である。
【図2】図2は、流速において広い種類を生出するプロセスから余分のガスを回収するためのプロセスおよびシステムの他の実施例の概略図である。
【図3】図3は、流速において広い種類を生出するプロセスから余分のヘリウムのガスを回収するためのプロセスおよびシステムの他の実施例の概略図である。
【図4】図4は、光ファイバー製造プロセスからヘリウムを回収するためのプロセスおよびシステムの1つの実施例の概略図である。
【図5】図5は、光ファイバー製造プロセスからヘリウムを回収するためのプロセスおよびシステムの他の実施例の概略図である。
【図6】図6は、光ファイバー製造プロセスからヘリウムを回収するためのプロセスおよびシステムの他の実施例の概略図である。
【0047】
[好ましい実施例の説明]
本願の方法およびシステムは、浸透する流れの部分的な再利用を用いた1つ或いは2つのガス分離膜段階の連続した使用へ仕向けられ、速いガスおよび1つ或いはそれ以上の遅いガスを含む混合ガスの大きく変動する流れを生出するプロセスから、十分高い回収で、余分の速いガスの十分に高い純度を達成できる。
【0048】
膜を用いたガス分離の当業者は、複数の混合ガスと、この混合ガスを速いガスを含む浸透する流れおよび1つ或いはそれ以上の遅いガスを含む残余の流れへ分離する複数のガス分離膜と、の多くの組み合わせがあることに気付くであろう。当業者は、ここに説明された方法およびシステムがこのようなあらゆる組み合わせへ適用され得ることを理解するであろう。速いガスと遅いガスの組み合わせの特別な例は、以下に限定されるものではなく、HおよびNe、HおよびCO、HおよびCH、HおよびN、HおよびO、HおよびO/N、Hおよび空気、COおよびN、COおよびO、COおよびN/O、COおよび空気、COおよびCH、NeおよびN、NeおよびO、NeおよびN/O、Neおよび空気、HeおよびN、HeおよびO、HeおよびN/O、Heおよび空気の例を含む。
【0049】
上記速いガスおよび遅いガスを含む混合ガスは、混合ガスを変動する流速で製造するプロセスからくる。膜を用いたガス分離の当業者が多くのタイプのこのようなプロセスがあることに気付く一方で、このようなプロセスの特別な例は、以下に限定されるものではないが、多くの冷却タワー内でヘリウム冷却を利用する光ファイバー製造プロセス、および多くの真空炉からのヘリウム冷却を利用するプロセスを含む。
【0050】
混合ガスが運ばれるこのような特別なプロセスにかかわらず、上記速いガスおよび遅いガスを含む混合ガスが、1つ或いはそれ以上の混合ガスの供給源(冷却タワーや真空炉なのような)から収集され、1つ或いはそれ以上のガス分離膜による処理のための供給ガスの流れを供給する。本願の方法およびシステムは固定された膜領域を利用する。これは、供給ガスの流量が減少或いは増加したとき、膜の全ての表面領域の一部が加えられたり取り除かれたりしないことを意味する。本願の方法およびシステムは、0−87.5%ほどのターンダウン範囲の下で、有用な製品純度(例えば、>99+%)を維持或いは上回ることが可能で、且つ有用な製品回収率(例えば、>90%)を維持或いは上回ることが可能である。この意外に良い順応性は、浸透する流れの部分的な再利用によって達成される。
【0051】
本願の方法およびシステムは、特に、多くの冷却タワーやプラズマ炉へ適用可能であり、これらのそれぞれは必ずしも時間中ずっと動作しない。例えば、光ファイバーの製造のピークの時間、或いは炉動作のピークの時間の間、全ての冷却タワー、或いは炉(例えば6つ)が動作状態にある。一方、最少の製造の時間の間、全ての冷却タワー或いは炉より少ない台数(例えば、1つ)が動作状態にある。
【0052】
3つの実施例のうち第1のセットの説明が図1−3を参照して以下になされる。
【0053】
図1を参照して、システム100は、変動する流速を有し且つ速いガスおよび遅いガスの混合物の複数の供給源(図示せず)から集められた速いガスおよび遅いガスを含む供給流れFSを有する。一定期間を通して、上記流速は、最大流速と最小流速の比が8:1程度に変化する。これは、87.5%のターンダウンと一致する。この供給流れFSは、環境圧力、超環境圧力、或いは副環境圧力で、上流のプロセスに基づく。
【0054】
上記供給流れFSは、ガス分離膜GSM1の動作圧力程度にガスを圧縮するコンプレッサーCの入口へ差し向けられる。膜GSM1において、余分の速いガス(ヘリウムのような)は、優先的にこの膜に浸透する。結果的に浸透した流れPERM1は、速いガスの中で濃縮されて遅いガス(空気中の酸素や窒素のような)の中で不足する。この混合ガスの浸透しなかった部分は、残余流れRES1として膜GSM1を離れる。
【0055】
当業者の1人は、供給流れFSのあてにされた最大流速の率である、膜GSM1の相対的なサイズ(或いは、図2−3および5−6の実施例における膜GSM1、GSM2の相対的なサイズ)が、膜GSM1の全表面領域(或いは、図2−3および5−6の実施例における膜GSM1、GSM2の全表面領域)に基づいて計算されることに気付くであろう。言い換えると、速いガスおよび遅いガスの混合物の全ての供給源(冷却タワーやヘリウム炉のような)が最大能力で動作された場合に得られた供給流れFSの量は、利用された膜GSM1のサイズ(或いは膜GSM1、GSM2のサイズ)を酷使する。ガス分離の分野の当業者の1人は、供給流れFS(速いガスおよび遅いガスを含む)の構成に基づいて、膜GSM1(およびシステム200、300の場合の膜GSM2)の材料の適したタイプが選択されることに気付くであろう。
【0056】
浸透流れPERM1は、2つの流れに分かれる。1つの流れは、供給流れFSと合流されてコンプレッサーCへ戻される。他方の流れは、コントロールバルブCVbを通して製品流れPSとして与えられる。製品流れPSの小さな部分は、連続的或いは間欠的に分析器Aによって引き抜かれ、余分の速いガスの濃度(或いは、熱伝導率のように余分のガスの濃度と一致する均等のパラメータ)が計測される。通常の動作において、上記製品流れPSは、製品のために有用な純度(例えば、99%を超える)を有する。計測された純度を表わす信号は、分析器Aによってプログラム可能なロジックコントローラーPLCへ送られる。
【0057】
図2に示すように、システム200は、ガス分離膜GMS1の下流側に連続して置かれた第2のガス分離膜GMA2を配置するため、システム100から異なる。第2の膜GSM2からの残余流れRES2は、コントロールバルブCVaを通してベントへ送られる。上述したように、浸透流れPERM1の一部は、コントロールバルブCVbを通るように指向されて製品流れPSとして引き抜かれ、他の部分は、コンプレッサーCでの圧縮のため供給流れFSと合流される。第2のガス分離膜GSM2からの浸透流れPERM2の全ても、供給流れFS、および上述した第1段階の浸透流れPERM1の部分に合流される。2つの浸透流れPERM1、PERM2の位置は、コントロールバルブCVbおよびコンプレッサーCに対して十分な距離によって分離されるべきであることを知るべきである。このことは、浸透流れPERM2の全てが、コントロールバルブCVbに向けて流れる代わりにコンプレッサーCへ向かうことを許容する。
【0058】
システム200のこのような連続した配置は、単一のガス分離膜段階と比較して、速いガスの多量の回収を与えることについて効果的である。膜を用いたガス分離の2つ以上の段階が実行に移されるであろうことを知るべきである。もし、連続した3つのガス分離膜を使用すると、上述した残余流れGSM2が排出される代りに第3のガス分離膜へ仕向けられ、且つこの第3のガス分離膜からの浸透流れが第1および第2のガス分離膜GSM1、GSM2の浸透流れへ合流される。このコンセプトは、第2から最後の残余流れが最後の段階の入口へ仕向けられることにより追加の段階へ拡張されることが可能であり、第1の浸透流れPERM1を除く全てがコンプレッサーCへ戻されて再利用される。段階の数の制限は、十分に高い圧力を有する第1のガス分離膜GSM1の入口への供給を達成するように、合流された浸透流れを圧縮するコンプレッサーCの能力によって広く決められる。
【0059】
図3に最も良く示されるように、システム300は、2つのガス分離膜GSM1、GSM2が使用されることを除いてシステム100と似ている。供給流れFSは、遅いガス(空気に含まれる酸素や窒素のような)と比較して余分の速いガス(ヘリウムのような)が優先的に浸透してそれらを通る第2の膜GSM2の入口へ供給される。この第2の膜GSM2からの残余流れRES2は、コントロールバルブCVcによって制御された方法で排出され、その一方で、浸透流れPERM2が、第1の膜GSM1からの浸透流れPERM1の部分と合流されてコンプレッサーCへ指向される。コントロールバルブCVcは、所望する第1のガス純度および回収率の達成をアシストするように、コントローラーPLCによって調整されても良い。
【0060】
システム300における膜を用いたガス分離の2つの段階の使用は、製品流れPS内で達成される高い純度を許容し、コンプレッサーCのサイズの減少を許容する。また、ガス分離膜GSM1による回収効率が、ガス分離膜GSM2からの浸透流れPERM2を供給流れFSとして利用することの結果としての高い速いガスの濃縮によって増幅されることによって、速いガスの高められた回収を許容する。
【0061】
図1−3の各実施例の参照を伴って、上述した方法およびシステムが、多くの方法でコントロールされることができる。動作パラメータの多くの異なるタイプは、コントロールバルブCVa、CVbの操作を通してコントロールされても良い。膜を用いたガス分離の当業者は、1つのパラメータのコントロールが他のパラメータに効果を及ぼすことに気付くであろう。例えば、製品流れPS純度の上方への調整は、回収に不利益な作用を有する。従って、1つ以上の動作パラメータを一斉或いは同時発生的にコントロールすることが好ましい。
【0062】
製品流れPSの純度は、コントロールされることができる。製品流れPSの純度は、PERM1の純度と同じであり、残余流れRES1(或いは、システム200の場合、残余流れRES2)の背圧を増大或いは減少するように、好ましくはコントロールバルブCVaのコントローラーPLCによる調整を通してコントロールされても良い。コントローラーPLCが純度が設定値を下回ることを決めた場合、コントローラーは、残余流れRES1(或いは、システム200の場合、残余流れRES2)での背圧を減少するようにCVaを開く。これは、速いガスが膜GSM1を通る力を増大し、それにより、浸透流れPERM1および製品流れPSにおける純度を増大する。回収されて再利用される速いガスの純度が所望する設定値に届くまで、上記製品流れPSは、排出され或いは純粋な早いガスで補われる。純度が所望する設定値に達すると、コントロールバルブCVaは、その現時点での設定値に保持される。当業者は、純度の上方への調整が、回収の下方への調整の効果を有することに気付くであろう。純度が純度の設定値のはるか上に離れた場合、コントロールバルブCVaは、残余流れRES1での背圧(或いは、システム200の場合の残余流れRES2)を増大するように、下がる調整されても良く、それにより、流れPERM1およびPSの純度を減少する。
【0063】
代りになるべきものとして、純度は、コントロールバルブCVbが浸透流れPERM1の部分を再利用されるように供給ガス流れFS(或いは、システム200の場合、第2の膜GSM2からの浸透流れPERM2)へ合流するようにそらす度合いを調整することによって、あまり好ましくない方法でコントロールされても良い。純度が非常に低い場合には、コントローラーPLCは、浸透流れPERM1の製品流れPSへ向かう小部分を増大するようにコントロールバルブCVbを調節し、それにより、供給ガス流れFSと合流するための大部分を再利用する。製品流れPSの純度が所望する設定値に達すると、コントロールバルブCVbは、その現時点の設定で保持されても良く、浸透流れPERM1が再利用された度合いが固定されても良い。
【0064】
速いガスの回収がコントロールされても良い。速いガスの回収が広い種々の方法で算出されても良く、そのような計算から多くの数学的微分がなされても良いことが当業者によって理解される一方で、回収を計算する2つの一般的な方法が以下の式を含む。
【0065】
(1)R=MFR製品×C製品/{(MFR製品×C製品)+(MFR残余×C残余)};或いは
(2)R=MFR製品×C製品/MFR供給×C供給
MFRは流速の大きさであり、Cは濃度である。代りになるべきものとして、もし、方法およびシステムが正常に作動した場合、供給流れFSおよび製品流れPSの濃度が一定であるとみなされる。従って、回収は、供給流れFSの流速の大きさによって分割された製品流れPSの流速の大きさとして計算されるであろう。さらなる代替において、製品流れPSが純粋な速いガスを補われて変化する流速の供給源へ戻されて再利用される場合、好ましくは、回収は、混合された製品流れPSおよび補充された純粋な速いガスの流れの流即の大きさによって分割された製品流れPSの流速の大きさとして計算される。回収のいずれの方法が決められたにもかかわらず、回収が計算されるパラメータを表わす信号がコントローラーPLCへ送られて回収を導くとともにそれを回収の設定値と比較する。
【0066】
図1−3の実施例の引き続く参照を伴って、供給ガス流れFS(或いは、システム200の場合、第2の膜GSM2からの浸透流れPERM2)に合流させるように戻して再利用させるようにコントロールバルブCVbが浸透流れPERM1の部分を分ける割合を調整することによって、回収がコントロールされても良い。回収が非常に低い場合、コントローラーPLCは、製品流れPSへの浸透流れPERM1の小部分を増やすようにコントロールバルブCVbを調節し、それにより、供給ガス流れFSに合流するための多くの部分を再利用する。製品流れPSの回収が所望する設定値に達すると、コントロールバルブCVbは、その時点での設定値に保持されても良く、浸透流れPERM1が再利用される度合いが固定されても良い。
【0067】
代りになるべきものとして、回収は、残余流れRES1の背圧を増大或いは減少するコントロールバルブCVaのコントローラーPLCによる調節を通したあまり好ましくない方法でコントロールされても良い。コントローラーPLCが回収が設定値を下回ることを決定する場合、コントローラーはCVaを調節して残余流れRES1(或いは、システム200の場合における残余流れRES2)における背圧を増大する。これは、膜GSM1を浸透して通る速いガスの全量を増大し、それにより、浸透流れPERM1および製品流れPS内における回収を増大する。回収が所望する設定値に達すると、コントロールバルブCVaは、その現時点の設定で保持されても良い。当業者は、膜GSM1(或いは、システム200の場合における膜GSM2)を通る遅いガスの比較的多くの浸透が、残余流れRES1(或いは、システム200の場合における残余流れRES2)の背圧の増大の後に起きるであろうことから、回収の増大が純度を犠牲にして生じることに気付くであろう。もし、回収ガスが回収の設定値から大きく離れた場合、コントロールバルブCVaは、残余流れRES1での背圧を減少するように下げ方向に調節されても良く、それにより、浸透流れPERM1(およびそれに続く製品流れPS)内における速いガスの回収を減少する。その結果として、浸透流れPERM1および製品流れPSの純度が増大されるであろう。
【0068】
上述したように、回収の設定値を超えるレベルへの回収の増大の結果として、純度は、反対に、所望する設定値を下回って下がる。従って、純度および回収の両方が一斉にコントロールされても良く、純度および回収の調節の数回の反復がなされる必要がある。
【0069】
純度および/或いは回収は、供給流れFS内で確かに定期的に観測された流速のための最適化された計画を伴ってコントロールされても良い。システム100、200、300は、速いガスおよび遅いガスの混合ガスを製造する数多くの供給源と一致する数多くの規則正しい流速に出会うであろう。例えば、光ファイバー製造プロセスにおいて、少なくて1つ或いは多くて全て(6つのような)の冷却タワーがあらゆる所定時間で動作状態におかれても良い。結果として、空気が希釈されたヘリウムの供給ガスが、冷却タワーの数と一致した数(6のような)の規則正しい流速を有するであろう。システム100、200、300を最適化するため、特別な流速のための所望される純度および回収レベルと一致するコントロールバルブCVa、CVb(および、随意にCVc)のための調節の各組み合せは、コントローラーPLCに記録される。
【0070】
従って、一例として、6つの冷却タワー光ファイバー製造プロセス或いは6つの真空炉熱処理プロセスへの適用のため、供給流れFSのための6つの流速、およびコントロールバルブCVa、CVb(および随意にCVc)のための調節の6つの組み合わせがある。冷却タワー或いは真空炉のいずれかが動作状態に置かれ或いは非動作状態に置かれた場合、新たな数の冷却タワー或いは炉によって製造された流速と一致する記録された設定に基づいてコントロールバルブCVa、CVb(および、随意にCVc)を自動的に調節するコントローラーPLCへ信号が送られる。
【0071】
当業者は、このような信号がプロセスコントロールの分野で知られた数多くの異なる方法によって発生されても良いことに気付くであろう。この信号は、そこから供給ガス流れが得られる混合ガス(速いガスおよび遅いガスを含む)の供給源に関連する流量計からの信号に基づかされても良い。特定の流量計がゼロではない流れを検知したとき、その流量計が生出した信号は、その流量計を備えた混合ガスの供給源が積極的にそこから供給ガス流れが導かれる混合ガスを生出するかどうかを表わすであろう。代りになるべきものとして、この信号は、そこから供給ガスが得られる供給源へ戻される混合された製品ガスおよび補足の純粋な速いガスの再利用のための供給マニホルドに関連した流量計からの信号に基づかされても良い。検知された流れの増大或いは減少として、この信号は、どのくらい多くの供給源が製品ガスとともに与えられてどれくらい多くの供給源がそこから得られるのかを表わすであろう。
【0072】
3つの(そして特に好ましい)実施例の第2のセットの説明が、図4−6を参照して、ここで以下になされる。
【0073】
図4に最も良く示されているように、システム400は、冷却タワーCT1、CT2、CT3、CT4、CT5、CT6を含む。全ての冷却タワーより少数のものが作動されたかどうかに基づいて、ガスマニホルドMANは、比較的高い濃度(一般に99+%)の速いヘリウムガスを含む冷却材ガスを、その時点で作動しているタワーCT1、CT2、CT3、CT4、CT5、CT6のそれぞれへ供給する。このヘリウムは、熱い光ファイバーを通って冷却するように使用される。光ファイバーの通り抜けの比較的速いスピードのため、空気(主に遅いガスの酸素および窒素)の量が、冷却タワーCT1、CT2、CT3、CT4、CT5、CT6の上流側端部内へ引かれる。
【0074】
空気および勢いの無くなったヘリウムを含む混合ガスは、結合された複数のガス回収キャップによって冷却タワーCT1、CT2、CT3、CT4、CT5、CT6から引き抜かれる。ガス回収キャップは、冷却材ガスの回収能力を上げるために適用されたものとして当業者に良く知られている。特に適したガス回収キャップは、米国公開特許No.US20070113589に開示されたものを含む。冷却タワーCT1、CT2、CT3、CT4、CT5、CT6の内部と上記ガス回収キャップに与えられた真空との間の圧力差のため、混合ガスは、遮断バルブSV1、SV2、SV3、SV4、SV5、SV6およびニードルバルブNV1、NV2、NV3、NV4、NV5、NV6を通ってバッファ容器V1内へ流れる。冷却タワーCT1、CT2、CT3、CT4、CT5、CT6の1つが作動状態にない場合、関連した遮断バルブSV1、SV2、SV3、SV4、SV5、SV6は、不必要な容器V1内への空気の侵入を避けるためもちろん閉じられる。
【0075】
そして、容器V1内の空気/ヘリウム混合ガスは、粒子の問題を除去するためのフィルターF1を通って、第1のコンプレッサーC1の入口へ流れる。容器V1内の圧力(関連する言葉としては“真空”)は、第1のコンプレッサーC1に関連する再利用ループの動作を通してコントロールされる。圧力変換器PT1は、容器V1内の圧力を計測し、その結果を、圧力設定値(一般に、約850mbaraすなわち絶対単位系のミリバール)を有するプログラム可能な論理コントローラーPLC1へ伝達する。容器V1内の圧力が非常に高い(関連する言葉としては“真空レベルが非常に低い”)場合、コントローラーPLC1は、コンプレッサーC1の出口から入口への空気/ヘリウムガス混合物の再利用を減少するように第1のコントロールバルブCV1を調節する。圧力が非常に低い場合、コントローラーPLC1は、コンプレッサーC1の出口から入口への混合ガスの再利用を増大するようにバルブCV1を調節する。容器V1内の圧力をコントロールすることにより、ガスキャップのそれぞれに与えられる真空の度合い(そして、冷却タワーCT1、CT2、CT3、CT4、CT5、CT6から引かれる混合ガスの量)が、ニードルバルブNV1、NV2、NV3、NV4、NV5、NV6を伴ってうまく調整されても良い。第1のコンプレッサーC1に関連した再利用ループの下流側の空気/ヘリウム混合ガスの圧力は、圧力表示器PI1でモニターされても良い。
【0076】
そして、空気/ヘリウム混合ガスで形成された供給流れFSは、ガス分離膜GSM1からの浸透流れPERM1の部分と混合されて、第2のコンプレッサーC2の入口へ指向される。コンプレッサーC2の下流側において、混合された供給流れFS/浸透流れPERM1は、熱交換器HE1で冷却され、第1のドライヤーD1で乾燥されて、フィルターF2へ指向される。フィルターF2において、粒子および凝集物は、合流された混合ガス/浸透ガスから分離されて、除去のために分離器S1へ指向される。圧縮されて、冷却されて、フィルターF2を通された混合ガスは、フィルターF3で粒子がさらに除去される。
【0077】
フィルターF3の下流側の、圧縮され、冷却され、フィルターを通されたガス流れの圧力は、コンプレッサーC2を備えた再利用ループによって少なくとも部分的にコントロールされる。第3の圧力変換器PT3は、ガス流れの圧力を計測して、計測した圧力を表わす信号をコントローラーPLC2へ送る。もし、計測した圧力がコントローラーPLC2の設定値より低い場合、コントローラーPLC2は、コンプレッサーC2を備えた再利用ループを通した合流された混合ガスの再利用を制限するように、第2のコントロールバルブCV2を調節する。同様に、もし、ガス流れの圧力が非常に高い場合、上記PLC2は、再利用ループを通した多くの再利用を許容するようにバルブCV2を調節する。もし、圧力がコントロールできない高いレベルに達した場合、第1の破壊ディスクRD1で圧力を軽くされても良い。冷却され、乾燥された流れ、およびきれいにされたガス流れの圧力は、第3の圧力表示器PI3で観測されても良い。
【0078】
そして、きれいにされたガス流れは、速いヘリウムガスが浸透流れPERM1内を優先的に浸透して通る第1のガス分離膜GSM1の入口内へ指向される。きれいにされたガス流れの浸透しない部分(遅いガスである酸素および窒素内で濃縮されてヘリウム内で不足した)は、膜GSM1の残余ポートを出て、第3のコントロールバルブCV3を通して残余流れRES1として排出される。
【0079】
膜GSM1は、空気からヘリウムを分離するのに適したものとしてガス分離の当業者に知られたあらゆる材料で形成されても良い。
【0080】
浸透流れPERM1は、2つの流れに分かれる。第1の部分は、圧力表示器PI1の下流側の供給流れFSと合流されてコンプレッサーC2の入口へ指向される。第2の部分は、第4のコントロールバルブCV4を通って第3のコンプレッサーC3の入口へ流れる。もし、コンプレッサーC3の下流側の圧力がコントロールできない高いレベルに達した場合、第2の破壊ディスクRD2で圧力を軽くされても良い。この圧力は、第4の圧力表示器PI4でモニターされても良い。
【0081】
製品ガスの少量のサンプルが引き抜かれて分析器A/Cへ指向され、そこで、ヘリウム濃度(純度)が計測される。代りになるべきものとして、ヘリウム濃度を表示できるいくつかの他のパラメータ(熱伝導率のような)が計測されても良い。純度は、コントローラーPLC3、PLC5の制御のために与えられる。製品ガスの残りは、3方バルブTV1へ流れる。コントローラーPLC5は、目標純度が達成されるまで、ニードルバルブNV7および圧力調節器PR2を介して、制御された方法で製品流れを排出するように、バルブTV1を短く作動する。製品ガスの流速の大きさは、流量計MF1で計測されて、圧力は、圧力調節器PR3で調節される。この製品ガスは、バッファ容器V2内に収集される。この製品ガスは、圧力調節器PR5を介して、補充物ヘリウム源からの高い純度のヘリウムを伴って必要なものとして補われる。そして、回収されたヘリウムは、容器V2からマニホルドMANへ指向される合流された流れCSの部分として再利用される。
【0082】
図5に最も良く図示したように、システム500は、システム400と同様であり、第2のガス分離膜GSM2がガス分離膜GSM1の下流側に配置されたことの1つの違いがある。システム500において、ガス分離膜GSM1からの残余ガスRES1は、第2のガス分離膜GSM2の入口へ指向される。残余流れRES1からの速いヘリウムガスは、遅い空気ガスの酸素や窒素と比較して、第2のガス分離膜GSM2を優先的に浸透して通る。第2のガス分離膜GSM2からの浸透流れPERM2の全ての部分は、コンプレッサーC2での圧縮のため、浸透流れPERM1の1つの部分および供給流れFSと合流される。膜GSM1からの浸透流れPERM1の他の部分は、第4のコントロールバルブCV4を通過するように指向されて製品流れPSを供給するようにさらに処理される。膜GSM2は、空気からヘリウムを分離するのに適したものとしてガス分離の当業者に知られたあらゆる材料で形成されても良い。2つの浸透流れPERM1、PERM2の位置は、コントロールバルブCV4およびコンプレッサーC2に対して十分な距離によって分離されるべきであることを知るべきである。このことは、浸透流れPERM2の全てが、コントロールバルブCV4に向けて流れる代わりにコンプレッサーC2へ向かうことを許容する。
【0083】
システム500のこのような連続した配置は、単一のガス分離膜段階と比較して、速いガスの多量の回収を与えることについて効果的である。膜を用いたガス分離の2つの段階は、第2の段階の浸透流れPERM2より高いヘリウム純度を有する第1の段階の浸透流れPERM1を提供する。膜を用いたガス分離の2つ以上の段階が実行に移されるであろうことを知るべきである。もし、連続した3つのガス分離膜を使用すると、上述した残余流れGSM2が排出される代りに第3のガス分離膜へ仕向けられ、且つこの第3のガス分離膜からの浸透流れが第1および第2のガス分離膜GSM1、GSM2の浸透流れへ合流される。このコンセプトは、第2から最後の残余流れが最後の段階の入口へ仕向けられることにより追加の段階へ拡張されることが可能であり、第1の浸透流れPERM1を除く全てがコンプレッサーC2へ戻されて再利用される。段階の数の制限は、(a)十分に高い圧力を有する第1のガス分離膜GSM1の入口への供給を達成するように、合流された浸透流れを圧縮するコンプレッサーC2の能力によって、および(b)最後の浸透の純度(この最後の浸透が供給流れFSの純度より高い純度を有する必要がある)によって広く決められる。
【0084】
図6に最も良く示されるように、システム600は、システム400と同様であり、2つのガス分離膜GSM1、GSM2が使用されることの1つの違いがある。コンプレッサーC1を備えた再利用ループの下流側を流れる空気/ヘリウム混合ガスは、酸素や窒素と比較してヘリウムが優先的に浸透して通る第2の膜GSM2の入口へ供給される。この第2の膜GSM2からの残余流れRES2が排出され、その一方で、浸透流れPERM2(供給流れFSを形成する)が、第1の膜GSM1からの浸透流れPERM1の部分と合流されてコンプレッサーC2へ指向される。この膜GSM2は、空気からヘリウムを分離するのに適したものとしてガス分離の当業者に知られたあらゆる材料で形成されても良い。
【0085】
システム600における膜を用いたガス分離の2つの段階の使用は、製品流れPS内で達成される高い純度を許容し、コンプレッサーC2のサイズの減少を許容する。また、ガス分離膜GSM1による回収効率が、ガス分離膜GSM2からの浸透流れPERM2を供給流れFSとして利用することの結果としての高い速いガスの濃縮によって増幅されることによって、速いガスの高められた回収を許容する。これに対し、システム100が比較的低い純度のヘリウムを冷却タワーCT1、CT2、CT3、CT4、CT5、CT6から受ける場合、回収に不利益に作用することなく、供給流れFSにおける低い流れの期間の間、製品流れPSにおいて所望する純度を得ることは時々難しくなり得る。システム300は、ガス分離膜GSM2の使用を通して、供給流れFSの初めの純度を増幅することによって、この問題と取り組む。
【0086】
システム400、500、600が6つの冷却タワーだけを図示する一方で、より多くのタワーが使用されても良いことに気付くべきである。取り扱い可能な最大数は、その冷却タワーからの流れによるであろう。流れが比較的小さい場合、システム400、500、600は、6つより多くのタワーを取り扱うことができる。概して言えば、タワーからの総流量が高ければ高いほど回収が低くなる。そのため、タワーの最大数は、受け入れ可能と考えられる最も低い回収によってセットされる。タワーからの総流量が増すにつれて、コントロールバルブCV3は適切なサイズにされる必要がある。もし、総流量が、コントロールバルブCV3にとって非常に高い残余流れRES1(或いはRES2)を生出する場合、一対のコントロールバルブが代りに使用されても良い。
【0087】
図4−6の実施例にあるヘリウム回収方法およびシステムの制御は、多くの方法によってなされても良い。動作パラメータの多くの異なるタイプは、コントロールバルブCV3、CV4の操作を通してコントロールされても良い。膜を用いたガス分離の当業者は、1つのパラメータのコントロールが他のパラメータに効果を及ぼすことに気付くであろう。例えば、製品流れPS純度の上方への調整は、回収に不利益な作用を有する。従って、1つ以上の動作パラメータを一斉或いは同時発生的にコントロールすることが好ましい。
【0088】
製品流れPSの純度は、コントロールされることができる。製品流れPSの純度は、PERM1の純度と同じであり、残余流れRES1(或いは、システム500の場合、残余流れRES2)の背圧を増大或いは減少するように、好ましくはコントロールバルブCV3の分析器/コントローラーA/Cによる調整を通してコントロールされても良い。分析器/コントローラーA/Cが純度が設定値を下回ることを決めた場合、分析器/コントローラーは、残余流れRES1(或いは、システム500の場合、残余流れRES2)での背圧を減少するようにCV3を開く。これは、速いガスが膜GSM1を通る力を増大し、それにより、浸透流れPERM1および製品流れPSにおける純度を増大する。回収されて再利用される速いガスの純度が所望する設定値に届くまで、上記製品流れPSは、排出され或いは純粋な早いガスで補われる。純度が所望する設定値に達すると、コントロールバルブCV3は、その現時点での設定値に保持される。当業者は、純度の上方への調整が、回収の下方への調整の効果を有することに気付くであろう。純度が純度の設定値のはるか上に離れた場合、コントロールバルブCV3は、残余流れRES1(或いは、システム500の場合の残余流れRES2)での背圧を増大するように、下がる調整されても良く、それにより、流れPERM1およびPSの純度を減少する。
【0089】
代りになるべきものとして、純度は、コントロールバルブCV4が浸透流れPERM1の部分を再利用されるように供給ガス流れFS(或いは、システム500の場合、第2の膜GSM2からの浸透流れPERM2)へ合流するようにそらす度合いを調整することによって、あまり好ましくない方法でコントロールされても良い。純度が非常に低い場合には、分析器/コントローラーA/Cは、浸透流れPERM1の製品流れPSへ向かう小部分を増大するようにコントロールバルブCV4を調節し、それにより、供給ガス流れFSと合流するための大部分を再利用する。製品流れPSの純度が所望する設定値に達すると、コントロールバルブCV4は、その現時点の設定で保持されても良く、浸透流れPERM1が再利用された度合いが固定されても良い。
【0090】
速いガスの回収がコントロールされても良い。回収を算出する上述したいかなる方法が使用されても良い。好ましくは、回収は、合流された流れCSの流速の大きさによって分割された製品流れPSの流速の大きさとして計算される。回収のいずれの方法が決められたにもかかわらず、回収が計算されるパラメータを表わす信号が分析器/コントローラーA/Cへ送られて回収を導くとともにそれを回収の設定値と比較する。
【0091】
図1−3の実施例の引き続く参照を伴って、供給ガス流れFS(或いは、システム500の場合、第2の膜GSM2からの浸透流れPERM2)に合流させるように戻して再利用させるようにコントロールバルブCV4が浸透流れPERM1の部分を分ける割合を調整することによって、回収がコントロールされても良い。回収が非常に低い場合、分析器/コントローラーA/Cは、製品流れPSへの浸透流れPERM1の小部分を増やすようにコントロールバルブCV4を調節し、それにより、供給ガス流れFSに合流するための多くの部分を再利用する。製品流れPSの回収が所望する設定値に達すると、コントロールバルブCV4は、その時点での設定値に保持されても良く、浸透流れPERM1が再利用される度合いが固定されても良い。
【0092】
代りになるべきものとして、回収は、残余流れRES1の背圧を増大或いは減少するコントロールバルブCV3の分析器/コントローラーA/Cによる調節を通したあまり好ましくない方法でコントロールされても良い。分析器/コントローラーA/Cが回収が設定値を下回ることを決定する場合、コントローラーはCV3を調節して残余流れRES1(或いは、システム500の場合における残余流れRES2)における背圧を増大する。これは、膜GSM1を浸透して通る速いガスの全量を増大し、それにより、浸透流れPERM1および製品流れPS内における回収を増大する。回収が所望する設定値に達すると、コントロールバルブCV3は、その現時点の設定で保持されても良い。当業者は、膜GSM1(或いは、システム500の場合における膜GSM2)を通る遅いガスの比較的多くの浸透が、残余流れRES1(或いは、システム500の場合における残余流れRES2)の背圧の増大の後に起きるであろうことから、回収の増大が純度を犠牲にして生じることに気付くであろう。もし、回収ガスが回収の設定値から大きく離れた場合、コントロールバルブCV3は、残余流れRES1での背圧を減少するように下げ方向に調節されても良く、それにより、浸透流れPERM1(およびそれに続く製品流れPS)内における速いガスの回収を減少する。その結果として、浸透流れPERM1および製品流れPSの純度が増大されるであろう。
【0093】
上述したように、回収の設定値を超えるレベルへの回収の増大の結果として、純度は、反対に、所望する設定値を下回って下がる。従って、純度および回収の両方が一斉にコントロールされても良く、純度および回収の調節の数回の反復がなされる必要がある。
【0094】
図4−6の実施例の引き続く参照を伴って、方法およびシステムをコントロールする他の方法が、圧力表示器PI1の下流側で供給流れFSに合流されてコンプレッサーC2で圧縮される浸透流れPERM1の部分をコントロールバルブCVbがそらす度合いの調節を通してコンプレッサーC2に関連した圧力をコントロールし、浸透流れPERM1が製品流れPSになることを許容するように指向される。上述した2つの制御スキームを比較して、第3の方法は、圧力変換器PT2によって計測される圧力表示器PI1の下流側の供給流れFS圧力の変動性を利用する。圧力変換器PTは、計測された圧力を表わす信号を分析器/コントローラーA/Cへ送る。圧力が非常に低い(低い設定値より下)場合、分析器/コントローラーA/Cは、再利用される浸透流れPERM1の量を増大するように、コントロールバルブCV4を調節する。圧力が非常に高い(高い設定値の上)場合、分析器/コントローラーA/Cは、再利用される浸透流れPERM1の量を減少させるように、コントロールバルブCV4を調節する。この第3の方法で純度がコントロールされる場合、回収は、上述した第1の方法でコントロールされても良い。
【0095】
システム400、500、600の動作は、冷却タワーCT1、CT2、CT3、CT4、CT5、CT6から確かに定期的に観測された流速のため最適化されても良い。例えば、システム400、500、600は、動作状態にある冷却タワーCT1、CT2、CT3、CT4、CT5、CT6の数と一致する定期的な流速の数にでくわすであろう。例えば、6つのうち1つだけ動作状態にあるとき第1の流速と一致し、6つのうち2つが動作状態にあるとき第2の流速と一致し、以下同様となる。システム400、500、600を最適化するため、最適化された純度と一致するコントロールバルブCV3、CV4(および随意にCV5)のための調節のそれぞれの組み合わせ、および特別な流速のための回収レベルが分析器/コントローラーA/Cに保持されている。膜を用いたガス分離の当業者は、調節のこれらの組み合わせが型どおりの実験を通して経験的に決められても良いことに気付くであろう。例の議論を続けて、6つの流速、およびコントロールバルブCV3、CV4(および随意にCV5)のための調節の6つの組み合わせがある。冷却タワーCT1、CT2、CT3、CT4、CT5、CT6が動作状態に置かれ或いは動作状態からはずれたいずれの場合でも、新たな数の冷却タワーT1、CT2、CT3、CT4、CT5、CT6によって生出された流速と一致する記録された調節に従ってコントロールバルブCV3、CV4(および随意にCV5)を自動的に調節する分析器/コントローラーA/Cへ信号が送られる。
【0096】
当業者は、このような信号がプロセスコントロールの分野で知られた多くの異なる方法で発生されても良いことに気付くであろう。この信号は、冷却タワーT1、CT2、CT3、CT4、CT5、CT6に関連する流量計からの信号に基づかされても良い。流量計がゼロではない流れを検知したとき、その流量計が生出した信号は、その流量計を備えた冷却タワーT1、CT2、CT3、CT4、CT5、CT6が積極的にそこから供給ガス流れが導かれるヘリウム/空気排出ガスを生出するかどうかを表わすであろう。代りになるべきものとして、この信号は、冷却タワーT1、CT2、CT3、CT4、CT5、CT6へ戻される製品ガスの再利用のための供給マニホルドに関連した流量計からの信号に基づかされても良い。検知された流れの増大或いは減少として、この信号は、どのくらい多くの冷却T1、CT2、CT3、CT4、CT5、CT6が製品ガスとともに与えられてどれくらい多くの冷却タワーT1、CT2、CT3、CT4、CT5、CT6から供給流れが得られるのかを表わすであろう。
【0097】
ここに開示された方法およびシステムは、いくつかの効果をもたらす。これら方法およびシステムは、供給ガス流れにおいて大きく変動する流れで90%より大きな回収率で、99%+%の製品ガス純度(特に、ヘリウム)を達成することができる。固定された膜表面領域を有する膜分離システム(ガス分離膜の1つ或いは連続した2つの段階を含む)が、純度或いは回収のいずれかで受け入れられない高い下落がなく、複合冷却タワーの処置に使用されることから、ガス回収の経済的な側面が改良される。びシステムは、製品純度(>99+%)および回収率(>90%)を維持或いは上回る一方で、少なくとも87.5%のターンダウンが可能である。この意外に良い順応性は、浸透する流れの部分的な再利用によって達成される。
【0098】
本願発明を実践している好適なプロセスおよび装置が説明されている。本願発明の要旨や範囲から離れることなく、多くの変更および改良が上述した実施例になされることは、当業者にとって理解され直ちに明らかであろう。例えば、図4−6の実施例において、コントロールバルブCV1、CV2、CV3、CV4は、別々のコントローラーPLC1、PLC2、PLC3、PLC4でコントロールされても良く、或いは、その2つ或いは3つのコントロールが単一のコントローラーに組み込まれても良い。さらに、ニードルバルブNV1、NV2、NV3、NV4、NV5、NV6のセットは、流れコントローラーのセットに置き換えられても良い。上述した実施例は、実例に過ぎず、以下のクレームで規定された発明の正しい範囲から外れることなく、統合された方法および装置の他の実施例が使用されても良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
速いガスおよび少なくとも1種の遅いガスを含む排出ガスの変化する流速を生出するプロセスから速いガスを回収する方法であって、
上記速いガスおよび遅いガスを含む混合ガスの複数の供給源を用意する工程と;
1つ或いはそれ以上の上記供給源から供給ガス流れを得る工程と;上記供給ガス流れは、上記速いガスおよび遅いガスを含み、上記供給源のどれだけ多くが上記混合ガスを積極的に生出するかに基づいて変化する流速を有し、
上記供給ガス流れを圧縮する工程と;
上記圧縮された供給ガスを第1のガス分離膜へ供給する工程と;
上記速いガス内で濃縮された第1の浸透流れおよび上記速いガス内で不足した第1の残余流れを上記第1のガス分離膜から回収する工程と;
上記第1の浸透流れの第1の部分をコンプレッサーへ指向する工程と;上記第1の部分は、上記供給ガス流れと混合されて圧縮され、
製品ガスを供給するように上記第1の浸透流れの残りの部分を回収する工程と;
当該方法の動作パラメータに基づいて、上記第1の浸透流れが上記第1の部分と上記残りの部分とに割り当てられる割合を調節する工程と;
を有する方法。
【請求項2】
上記動作パラメータは、そこから上記供給ガス流れが得られる複数の供給源の数、上記製品ガスの純度、当該方法の実行によって達成された余分のガスの回収、上記供給ガス流れの流速、および上記混合された供給ガス流れおよび上記第1の浸透流れの上記第1の部分の圧力、からなるグループから選択される、請求項1の方法。
【請求項3】
上記複数の供給源は、複数の光ファイバー冷却タワーを有し、上記速いガスはヘリウムであり、上記遅いガスは空気である、請求項1の方法。
【請求項4】
上記複数の供給源は、複数のヘリウム炉を有し、上記速いガスはヘリウムである、請求項1の方法。
【請求項5】
上記第1の残余流れを第2のガス分離膜へ供給する工程と;
上記第2のガス分離膜から第2の浸透流れおよび第2の残余流れを回収する工程と;
上記第2の浸透流れを上記コンプレッサーへ指向する工程と;をさらに有し、
上記第2の浸透流れは、上記第1の部分および上記供給ガス流れとともに圧縮される、請求項1の方法。
【請求項6】
上記供給ガス流れを得る工程は、
1つ或いはそれ以上の複数の供給源からの排出ガス流れを合流する工程と;
上記合流された排出ガス流れを圧縮する工程と;
上記合流されて圧縮された排出ガス流れを第2のガス分離膜へ供給する工程と;
上記第2のガス分離膜から上記速いガス内で濃縮された第2の浸透流れおよび上記速いガス内で不足した第2の残余流れを回収する工程と;を有し、
上記第2の浸透流れは、上記供給ガス流れである、請求項1の方法。
【請求項7】
上記第1の浸透流れを流通可能なコントロールバルブを設ける工程と;
そこから上記供給ガス流れが得られる上記複数の供給源の数を表わす信号をコントローラーへ送る工程と;をさらに有し、
上記動作パラメータは、そこから上記供給ガス流れが得られる上記複数の供給源の数であり、
上記コントローラーは、上記信号に基づいて、上記コントロールバルブを介して、上記第1の浸透流れの上記第1の部分および上記残りの部分への割り当てをコントロールする、請求項1の方法。
【請求項8】
上記第1の残余流れを流通可能なコントロールバルブを設ける工程と;上記コントロールバルブは、上記第1の残余流れの圧力を選択的に調節するように設けられており、
上記製品ガス内の上記速いガスの純度を計測する工程と;
上記計測された純度を表わす信号を上記コントローラーへ送る工程と;をさらに有し、
上記コントローラーは、上記第1の残余流れを流通可能な上記コントロールバルブを介して、上記計測された純度に基づいて、上記第1の残余流れの圧力の調節をコントロールする、請求項7の方法。
【請求項9】
a)上記供給ガス流れを得る工程は、
1つ或いはそれ以上の上記複数の供給源からの排出ガス流れを合流する工程と;
上記合流された排出ガス流れを圧縮する工程と;
上記合流されて圧縮された排出ガス流れを第2のガス分離膜へ供給する工程と;
上記第2のガス分離膜から上記速いガス内で濃縮された第2の浸透流れおよび上記速いガス内で不足した第2の残余流れを回収する工程と;を有し、
上記第2の浸透流れは、上記供給ガス流れであり、
b)当該方法は、
上記第2の残余流れを流通可能なコントロールバルブを設ける工程と;上記コントロールバルブは、上記第2の残余流れの圧力を選択的に調節するように設けられており、
上記製品ガス内の上記速いガスの純度を決定する工程と;
上記計測された純度を表わす信号を上記コントローラーへ送る工程と;をさらに有し、
上記コントローラーは、上記第2の残余流れを流通可能なコントロールバルブを介して、上記計測された純度に基づいて、上記第2の残余流れの圧力の調節をコントロールする、請求項7の方法。
【請求項10】
上記第1の浸透流れを流通可能なコントロールバルブを設ける工程と;
当該方法の実行によって達成された上記速いガスの回収を決定する工程と;
上記決定された回収を表わす信号をコントローラーへ送る工程と;をさらに有し、
上記動作パラメータは、当該方法の実行によって達成された上記余分のガスの回収であり、
上記コントローラーは、上記コントロールバルブを介して、上記信号に基づく、上記第1の浸透流れの上記第1の部分および上記残りの部分への割り当てをコントロールする、請求項1の方法。
【請求項11】
上記第1の残余流れを流通可能なコントロールバルブを設ける工程と;上記コントロールバルブは、上記第1の残余流れの圧力を選択的に調節するように設けられており、
上記製品ガス内の上記速いガスの純度を計測する工程と;
上記計測された純度を表わす信号をコントローラーへ送る工程と;をさらに有し、
上記コントローラーは、上記第1の残余流れを流通可能な上記コントロールバルブを介して、上記製品ガス純度信号に基づいて、上記第1の残余流れ圧力の調節をコントロールする、請求項10の方法。
【請求項12】
a)上記供給ガス流れを得る工程は、
1つ或いはそれ以上の上記複数の供給源からの排出ガス流れを合流する工程と;
上記合流された排出ガス流れを圧縮する工程と;
上記合流されて圧縮された排出ガス流れを第2のガス分離膜へ供給する工程と;
上記第2のガス分離膜から上記速いガス内で濃縮された第2の浸透流れおよび上記速いガス内で不足した第2の残余流れを回収する工程と;を有し、
上記第2の浸透流れは、上記供給ガス流れであり、
b)当該方法は、
上記第2の残余流れを流通可能なコントロールバルブを設ける工程と;上記コントロールバルブは、上記第2の残余流れの圧力を選択的に調節するように設けられており、
上記製品ガス内の上記速いガスの純度を計測する工程と;
上記計測された純度を表わす信号をコントローラーへ送る工程と;をさらに有し、
上記コントローラーは、上記第2の残余流れを流通可能な上記コントロールバルブを介して、上記製品ガス純度信号に基づいて、上記第2の残余流れ圧力の調節をコントロールする、請求項10の方法。
【請求項13】
コントローラーを設ける工程と;
上記供給ガス流れが第1の流速を有する一方で当該方法の工程を実行する工程と;
そこから上記供給ガス流れが得られる冷却タワーの数を変えて、それにより上記供給ガス流れの上記流速を変える工程と;
そこから上記供給ガスが得られる冷却タワーの新たな数を表わす信号を上記コントローラーへ送る工程と;
上記第1の浸透流れが、上記信号に基づいて、上記第1の部分および上記残りの部分に割り当てられる度合いを上記コントローラーを伴って調節する工程と;
をさらに有する請求項3の方法。
【請求項14】
合流された供給ガス流れと浸透流れの第1の部分の圧力を計測する工程と;
上記第1の浸透流れを流通可能なコントロールバルブを設ける工程と;
上記計測された圧力を表わす信号をコントローラーへ送る工程と;をさらに有し、
上記動作パラメータは、合流された供給ガス流れおよび浸透流れの第1の部分の上記圧力であり、
上記コントローラーは、上記信号に基づいて、上記コントロールバルブを介して、上記第1の浸透流れの上記第1の部分および上記残りの部分への割り当てをコントロールする、請求項1の方法。
【請求項15】
上記速いガスおよび上記遅いガスは、HおよびNe、HおよびCO、HおよびCH、HおよびN、HおよびO、HおよびO/N、COおよびN、COおよびO、COおよびN/O、COおよびCH、NeおよびN、NeおよびO、NeおよびN/O、HeおよびN、HeおよびO、HeおよびN/Oからなるグループから選択される、請求項1の方法。
【請求項16】
上記速いガスはヘリウムであり、上記遅いガスは空気である、請求項1の方法。
【請求項17】
排出ガスの変化する流速を生出するプロセスから余分のガスを回収するためのシステムであって、
速いガスおよび遅いガスを含む上記排出ガスの複数の供給源と;
上記複数の供給源に流通可能に選択的に接続した供給ガス導管と;
上記供給ガス導管に流通可能に接続した入口と出口とを有するコンプレッサーと;
入口、浸透出口、および残余出口を有する第1のガス分離膜と;上記第1のガス分離膜の上記入口は、上記コンプレッサーの出口に流通可能に接続され、上記第1のガス分離膜は、上記余分のガスを優先的に浸透し、
上記第1のガス分離膜の上記浸透出口に流通可能に接続した第1の浸透導管と;
上記第1の浸透導管に流通可能に接続した製品ガス導管と;
上記第1の浸透導管と上記コンプレッサー入口を流通可能に接続した再利用導管と;
上記第1の浸透導管、上記再利用導管、および上記製品ガス導管に流通可能に接続した再利用コントロールバルブと;上記再利用コントロールバルブは、上記第1の浸透導管から上記製品ガス導管ではなく上記再利用導管への流れを許容された浸透ガスの割合を調節するように設けられ、
上記再利用コントロールバルブによる釣り合った調節をコントロールするように設けられたコントローラーと;
を有するシステム。
【請求項18】
上記第1のガス分離膜の上記残余出口に流通可能に接続した入口、第2の残余出口、および第2の浸透出口を有する第2のガス分離膜と;
上記第2のガス分離膜の上記浸透出口と上記再利用導管との間を流通可能に接続した第2の浸透導管と;
をさらに有する請求項17のシステム。
【請求項19】
上記複数の供給源に選択的に流通可能に接続した入口、第2の残余出口、および上記供給ガス導管に流通可能に接続した第2の浸透出口を有する第2のガス分離膜をさらに有する、請求項17のシステム。
【請求項20】
1つ或いはそれ以上の上記供給源が上記排出ガスを積極的に生出するか否かを検知する装置をさらに有し、
上記コントローラーは、さらに、上記検知装置から、上記排出ガスを積極的に生出する供給源の数を表わす信号を受けるように設けられ、上記信号に基づいて、上記再利用コントロールバルブによる釣り合った調節をコントロールする、請求項17のシステム。
【請求項21】
上記コントローラーは、さらに、
当該システムの動作によって達成される上記速いガスの回収を表わす信号を検知装置から受け、
上記回収信号に基づく上記再利用コントロールバルブによる釣り合った調節をコントロールするように設けられている、請求項17のシステム。
【請求項22】
上記製品ガス導管内の製品ガス中の上記速いガスの濃度を計測し、計測した濃度を表わす信号を上記コントローラーへ送るように設けられた検知装置をさらに有し、
上記コントローラーは、さらに、
上記検知装置から上記濃度信号を受け、
上記濃度信号に基づく上記再利用コントロールバルブによる釣り合った調節をコントロールする、請求項17のシステム。
【請求項23】
上記第1のガス分離膜の上記残余出口に流通可能に接続した入口、第2の残余出口、および第2の浸透出口を有する第2のガス分離膜と;
上記第2のガス分離膜の上記浸透出口と上記再利用導管との間を流通可能に接続した第2の浸透導管と;をさらに有し、
上記複数の供給源は光ファイバー冷却タワーであり、上記速いガスはヘリウムである、請求項17のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−529367(P2012−529367A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515093(P2012−515093)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/037892
【国際公開番号】WO2010/144523
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(591036572)レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード (438)
【Fターム(参考)】