説明

自動ドア装置

【課題】 トイレに備えた自動ドア装置のドアパネルの操作に慣れない者でも操作に戸惑うことがないようにする。
【解決手段】 トイレの便房2の出入り口をドアパネル12が開閉する。便房2の外部に外部操作及び案内装置16が設けられ、これの開スイッチが操作されたとき、ドアパネル12が開かれる。開スイッチの操作でドアパネル12が開放された後、行動検知センサ38の検知結果に従って、トイレの利用者にドアパネルの操作方法を音声または表示によって外部操作及び案内装置16が案内する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ドア装置に関し、特にトイレに設けられる自動ドア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トイレに設けられる自動ドア装置としては、例えば特許文献1に開示されたようなものがある。特許文献1の技術では、トイレの便房内にドアパネルを開く開ボタンと、ドアパネルを閉じる閉ボタンとが配置されており、同じく便房の外部にも開ボタンと閉ボタンとが配置されている。一人の利用者が使用する場合には、便房の外部の開ボタンを押して便房内に入り、便房内の閉ボタンを押すことによって、ドアパネルが閉じられ、施錠が行われる。このとき、便房外の開ボタンを押しても、ドアパネルは開かない。一方、要介護者に介護者が付き添って便房内に入る場合には、外部の開ボタンを押して、ドアパネルを開き、介護者と要介護者とが便房内に入り、介護者が便房の外部に出て、外部の閉ボタンを押して,ドアパネルを閉じる。このとき、ドアパネルは施錠されず、外部の開ボタンを押すことでドアパネルを開くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−163408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているような自動ドア装置は、建物の入口に配置される自動ドア装置とは異なり、便房の内外のボタンの操作によってドアパネルを開閉するものであり、上述したように内外の開閉ボタンの操作の順序によってドアパネルが施錠されたり、されなかったりするため、不慣れな者は操作に戸惑うことがある。特に、最近では、障害者のみならず健常者も使用する多目的トイレが設置される傾向があり、この種の自動ドア装置の操作に慣れない者が操作に戸惑わないようにする必要がある。
【0005】
本発明は、ドアパネルの操作に慣れない者でも操作に戸惑うことがないようにするトイレ用の自動ドア装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の自動ドア装置は、トイレの便房の出入り口を開閉するドアパネルを有している。前記便房の外部に外部操作手段が設けられている。この外部操作手段が操作されたとき、前記ドアパネルが開かれる。前記便房出入り口付近に検知範囲を有する検知センサが設けられている。前記操作手段の操作によって前記ドアパネルが開放された後の前記検知センサの検知結果に従って、案内手段が前記トイレの利用者に前記ドアパネルの操作方法を音声または表示によって案内する。なお、音声及び表示の双方によって案内することも可能である。
【0007】
このように構成された自動ドア装置では、トイレの利用者がドアパネルを開いたが、その後、検知範囲内に止まっているのか、検知範囲を通過して便房内に入ったか等を検知センサの検知結果に基づいて判断し、その判断結果適した案内を案内手段が行う。従って、操作に慣れない利用者でもドアパネルの操作に戸惑うことがない。
【0008】
前記検知センサは、前記検知範囲の状況を時系列で判断するものとすることができる。例えば、予め定めた時間の経過ごとに、検知範囲内での利用者の位置が変化しているか否か、変化している場合、便房内に向かっているのか、便房内に向かった後、検知範囲で利用者を検知しなくなったか、或いは検知しなくなってから検知範囲で検知するようになり、便房内から外部に向かって検知範囲内を利用者が移動しているか等を検知することができる。これによって、利用者の動きに応じた案内を行うことが可能となる。
【0009】
案内手段は、前記便房内に設けることができる。この場合、前記便房内には、前記ドアパネルを閉じさせる内部操作手段が設けられる。前記外部操作手段の操作によって前記ドアパネルが開かれた後、前記利用者が前記検知範囲を通過して前記便房内に入ってから所定時間経過したとき、前記案内手段が前記内部操作手段の操作を案内する。内部操作手段が操作されるとドアパネルが閉じられる。この場合、ドアパネルを施錠することが可能である。
【0010】
このように構成すると、例えば利用者が検知範囲を超えて便房内に入ったが、便房内からドアパネルを閉じる操作方法が分かっていないと判断できるので、内部操作手段の操作を促す案内を行う。
【0011】
前記案内手段は、前記便房の外部に設けることもできる。この場合、前記外部操作手段の操作によって前記ドアパネルが開かれた後、前記検知範囲内に複数の人が存在し、その後に前記便房から前記複数の人のうち一部の人が前記便房から退出して前記所定時間経過したとき、前記案内手段が前記外部操作手段の操作を案内する。外部操作手段の操作によってドアパネルが閉じられる。この場合、ドアパネルを無施錠状態とすることができ、例えば外部操作手段を操作することによってドアパネルを開くことができる。
【0012】
このように構成した場合、要介護者と介護者とが便房内に入り、介護者が便房外に出たが、介護者がドアパネルを閉じる操作方法が分かっていないと判断できるので、外部操作手段の操作を促す案内が行われる。
【0013】
また、上記と同様に前記案内手段を前記便房内に設け、前記便房内に前記ドアパネルを閉じさせる内部操作手段を設けた上で、前記外部操作手段の操作によって前記ドアパネルが開かれた後、前記検知範囲内に前記利用者が所定時間止まったとき、前記案内手段が前記内部操作手段の操作を案内するようにすることもできる。内部操作手段が操作されると、ドアパネルが閉じられる。この場合、ドアパネルを施錠することもできる。
【0014】
このように構成すると、ドアパネルを開いたが、それ以後、どのようにすればよいか利用者が分かっていないと判断できるので、内部操作手段の操作を促す。
【0015】
前記検知センサは、少なくとも前記便房の出入り口での前記利用者の通過の有無を判断するものとできる。例えば検知センサとして、ドアパネルが設けられている戸枠に設けた光電センサや、便房出入り口内側近傍に検知エリアを持つ赤外線センサなどを使用することができる。
【0016】
このように構成すると、検知センサは、利用者の有無のみを判断するので、案内手段に案内をさせるための処理が容易となる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように本発明によれば、トイレに設置された自動ドア装置の操作に習熟していない利用者に対して、状況に応じて案内が行われるので、ドアパネルの操作に戸惑うことがない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態の自動ドア装置の縦断側面図及び平面図である。
【図2】図1の自動ドア装置のブロック図である。
【図3】図1の自動ドア装置の第1の使用例の説明図である。
【図4】図1の自動ドア装置の第2の使用例の説明図である。
【図5】図1の自動ドア装置の第3の使用例の説明図である。
【図6】図1の自動ドア装置の概略フローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態の自動ドア装置の縦断側面図及び平面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態の自動ドア装置の縦断側面図及び平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の第1の実施形態の自動ドア装置は、図1(a)及び(b)に示すように、トイレに設けられている。トイレは、例えば概略直方体の部屋状の便房2を有し、その内部には便器4、手洗い6及び仕切り壁8が配置されている。この便房2の出入り口10を開閉するようにドアパネル12が設置されている。ドアパネル12は、図2に示すドア駆動装置14によって制御されて開閉する。
【0020】
便房2の外部、例えば便房2の出入り口10付近の外部壁には、外部操作及び案内装置16が設置されている。この外部操作及び案内装置16は、図2に示すように、外部操作手段、例えば外部スイッチ18と、外部案内手段、例えば外部音声装置20及び外部表示装置22とを、備えている。
【0021】
外部スイッチ18は、図示していないが、操作されることによってドアパネル12が開放される開スイッチと、操作されることによってドアパネル12が閉じられる閉スイッチとを、備えており、これらの操作による指示は、ドア制御駆動装置8内の制御手段、例えば制御部24に送られ、制御部24がドアパネル12を制御する。
【0022】
外部音声装置20は、制御部24からの指示に従って後述するように外部スイッチ18の操作を音声によって案内するものである。外部表示装置22も、制御部24からの指示に従って、後述するように外部スイッチ18の操作を表示によって案内するものである。
【0023】
図1(a)、(b)に示すように、出入り口10のドアパネル12の側柱26と、ドアパネル12が収容される戸袋27の側面とには、出入り口10に通行者が止まっているか否かを検出する光電センサ28として投光器28Eと受光器28Rが設置されている。光電センサ28の検知信号は図2に示すように制御部24に供給され、ドアパネル12を閉じる指示が制御部24に与えられていても、光電センサ28が通行者を検知している場合には、ドアパネル12は閉じられない。
【0024】
図1(a)及び(b)に示すように、便房2内の出入り口10の近傍には、内部操作及び案内装置30が設置されている。この内部操作及び案内装置30は、図2に示すように、内部操作手段、例えば内部スイッチ32と、内部案内手段、例えば内部音声装置34及び内部表示装置36とを、備えている。これらは、内部にあるか外部にあるかの相違のみで、外部スイッチ18、外部音声装置20及び外部表示装置22と同一の動作をする。
【0025】
図1(a)に示すように、便房2内の出入り口10の上方には、検知センサ、例えば行動検知センサ38が取り付けられている。行動検知センサ38は、図1(b)に破線で示すように、出入り口10から便房2内の床面に検知エリア39を形成し、この検知エリア39は例えば行列状に形成した多数の小検知エリア40、40・・・からなる。行動検知センサ38は、各小検知エリア40、40・・・に対応する投光器及び受光器を備え、これら小検知エリア40、40・・・内に物体が存在するか否かを個別に検出するものである。この検出を時系列的に行い、例えば予め定めた検出時間の経過ごとに繰り返す。これによって行動検知センサ38は、検知エリア39内における物体の移動方向を検知することができる。この検知結果も、制御部24に供給されている。なお、制御部24は、ドアパネル12が閉じられたとき、ドアパネル12を施錠する電気錠41も制御する。
【0026】
図3を参照して、この自動ドア装置の第1の使用例を説明する。第1の使用例は、利用者が1人で便房2内に入る場合である。外部操作及び案内装置16の外部スイッチ18の開スイッチが操作されて、ドアパネル12が開かれる。その後、行動検知センサ38によって図3(a)に示すように利用者42が出入り口10の近辺の小検知エリア40によって検知され、検出時間後に同図(b)に示すように利用者42が便房2の内部に近い小検知エリア40によって検知され、更に検出時間の経過後に同図(c)に示すようにいずれの小検知エリア40でも利用者が検知されなかった場合、利用者は、出入り口10から行動検知センサ38の検知エリア39を超えて便房2の奥に入ったと判断される。
【0027】
この状態から予め定めた時間、例えば上記検出時間よりも長く定めた時間、具体的には10秒経過しても、内部操作及び案内装置30の内部スイッチ32の閉スイッチが操作されないと、即ち、ドアパネル12が内部操作によって閉じられないと、内部操作及び案内装置30の内部音声装置34及び内部表示装置36が動作して、音声及び表示によって内部操作及び案内装置30の内部スイッチ32の閉スイッチを操作するでドアパネル12が閉じられること及びドアパネル12が施錠されることを便房2内の利用者に対して案内する。これによって内部スイッチ32の閉スイッチが利用者によって操作されると、ドアパネル12が閉じられ、電気錠41によってドアパネル12が施錠される。
【0028】
図4を参照して、この自動ドア装置の第2の使用例を説明する。第2の使用例は、要介護者と介護者とが便房2内に入る場合である。外部操作及び案内装置16の外部スイッチ18の開スイッチが操作されて、ドアパネル12が開かれる。その後、行動検知センサ38によって図4(a)に示すように介護者と要介護者と目される2人の利用者42a、42bが出入り口10の近辺の小検知エリア40によって検知され、検出時間経過後に同図(b)に示すように利用者42a、42bが便房2の内部に近い小検知エリア40によって検知され、更に所定時間の経過後に同図(c)に示すようにいずれの小検知エリア40でも利用者が全く検知されなかった場合、利用者42a、42bは、出入り口10から行動検知センサ38の検知エリア39を超えて便房2の奥に入ったと判断される。
【0029】
この状態から同図(d)に示すように、便房2内に近い位置の小検知エリアで1人の利用者が検知され、更に検出時間の経過後に、その1人の利用者が同図(e)に示すように出入り口10に近い小検知エリア40で検知され、更に検出時間の経過後に同図(f)に示すように、いずれの小検知エリア40でも利用者が全く検知されなくなったとすると、介護者が便房2の外部に出たと判断される。
【0030】
この状態から予め定めた時間、例えば10秒経過しても、外部操作及び案内装置16の外部スイッチ18の閉スイッチが操作されないと、即ち、ドアパネル12が外部操作によって閉じられないと、外部操作及び案内装置16の外部音声装置20及び外部表示装置22が動作して、音声及び表示によって外部操作及び案内装置16の外部スイッチ18の閉スイッチを操作するとドアパネル12が閉じられること及びドアパネル12は施錠されないことを案内する。これによって外部にいる介護者によって外部スイッチ18の閉スイッチが操作されると、ドアパネル12が閉じられる。この場合、電気錠41によってドアパネル12は施錠されない。
【0031】
図5を参照して、この自動ドア装置の第3の使用例を説明する。第3の使用例は、利用者が出入り口10付近で立ち止まった場合である。外部操作及び案内装置16の外部スイッチ18の開スイッチが操作されて、ドアパネル12が開かれる。その後、行動検知センサ38によって図5(a)に示すように利用者42が出入り口10の近辺の小検知エリア40によって検知され、検出時間経過後に同図(b)に示すように利用者42がやはり出入り口10の近傍で検知された場合、利用者が操作方法がわからず出入り口10付近に立ち止まっていると判断される。
【0032】
この状態から予め定めた時間、例えば10秒経過しても、この状態が維持されていると、内部操作及び案内装置30の内部音声装置34及び内部表示装置36が動作して、音声及び表示によって内部操作及び案内装置30の内部スイッチ32の閉スイッチを操作するとドアパネル12が閉じられること及びドアパネル12が施錠されることを案内する。これによって利用者が内部スイッチ32の閉スイッチを操作すると、ドアパネル12が閉じられ、電気錠41によってドアパネル12は施錠される。
【0033】
図6に、第1乃至第3の使用例で使用できるように制御部24が行う処理を概略フローチャートで示す。まず、外部スイッチ18が操作されているか判断する(ステップS2)。この判断の答えがノーの場合、判断の答えがイエスになるまでステップS2を繰り返す。この判断の答えがイエスの場合、ドアパネル12を開く(ステップS4)。
【0034】
ステップS4に続いて、検知エリア39の出入り口10付近で利用者が検知されたか判断する(ステップS6)。この判断の答えがノーの場合、この判断の答えがイエスになるまでステップS6を繰り返す。この判断の答えがイエスの場合、複数の利用者が検知されているか判断する(ステップS8)。
【0035】
ステップS8の判断の答えがノーの場合、即ち利用者が一人の第1または第3の使用例の場合、検知された利用者が検知エリア39を便房2の内部側に移動しているか判断する(ステップS10)。この判断の答えがノーの場合、第3の使用例に該当する可能性があるので、所定時間、例えば10秒が経過したか判断する(ステップS12)。この判断の答えがノーの場合、再びステップS10を実行する。この判断の答えがイエスの場合、出入り口付近に所定時間立ち止まっているので、第3の使用例に該当し、内部音声装置34及び内部表示装置36によって音声及び表示によって内部操作及び案内装置30の内部スイッチ32の閉スイッチを操作することを案内する(ステップS14)。
【0036】
ステップS10の判断の答えがノーの場合、図3(a)から同図(b)のように利用者が便房2の内部に移動しているので、同図(c)に示すように検知エリア39内で非検知であるか判断する(ステップS16)。この判断の答えがノーの場合、この判断の答えがイエスになるまで、ステップS16を繰り返す。
【0037】
ステップS16の判断の答えがイエスであると、所定時間、例えば10秒が経過したか判断する(ステップS18)。この判断の答えがノーの場合、ステップS16を再び実行する。この判断の答えがイエスの場合、第1の使用例の場合に該当するので、内部音声装置34及び内部表示装置36によって音声及び表示によって内部操作及び案内装置30の内部スイッチ32の閉スイッチを操作することを案内する(ステップS20)。
【0038】
ステップS8の判断の答えがイエスの場合、即ち、複数の利用者が検知された場合、図4(a)、(b)に示すように、複数の利用が便房2の内部に移動しているか判断する(ステップS22)。この判断の答えがノーの場合、複数の利用者が出入り口10付近で立ち止まっているので、所定時間、例えば10秒が経過したか判断する(ステップS24)。この判断の答えがノーの場合、再びステップS22を実行する。ステップS24の判断の答えがイエスの場合、複数の利用者が出入り口付近に10秒以上立ち止まっているので、内部音声装置34及び内部表示装置36によって便房内部に入り、介護者が便房外部に出て外部スイッチ18を操作することでドアパネル12が閉じられ、ドアパネル12は施錠されないことを音声及び表示で案内する(ステップS26)。
【0039】
ステップS22の判断の答えがイエスの場合、図4(c)に示すように検知エリア39内で利用者が非検知となったか判断する(ステップS28)。この判断の答えがノーの場合、ステップS22を再び実行する。ステップS28の判断の答えがイエスの場合、図4(d)に示すように検知エリア39の便房2の内部側で1人の利用者を検知したか判断し(ステップS30)、その判断の答えがノーの場合、判断の答えがイエスになるまでステップS30を実行する。この判断の答えがイエスになると、図4(e)で示すように検知エリア39の出入り口10付近で1人の利用者を検知したか判断し(ステップS32)、この判断の答えがノーの場合、答えがイエスになるまでステップS32を繰り返す。
【0040】
ステップS32の判断の答えがイエスになると、図4(f)に示すように検知エリア39内で利用者を検知していないか判断する(ステップS34)。この判断の答えがノーの場合、答えがイエスになるまでステップS34を繰り返す。ステップS34の判断の答えがイエスになると、所定時間、例えば10秒が経過したか判断する(ステップS36)。この判断の答えがノーの場合、ステップS34を再び実行する。従って、ステップS36の判断の答えがイエスになったとき、検知エリア39で利用者を検知していない状態が所定時間継続しているので、第2の使用例の状態であり、外部音声装置20及び外部表示装置22で、外部スイッチ18を操作すること、この場合、ドアパネル12は施錠されないことを案内する(ステップS38)。
【0041】
第2の実施形態の自動ドア装置を図7に示す。第2の実施形態の自動ドア装置では、側柱26に、その上下方向に沿って複数、例えば5つの光電センサの投光器44E、46E、48E、50E、52Eが設置され、戸袋27の側面には、これらに対向するように受光器44R、46R、48R、50R、52Rが設置されており、これらは安全センサとしえ使用されるが、そのうちの一部、例えば最も床面に近い位置に或る投光器52E、受光器52Rとを検知センサとして使用したものである。他の構成は、第1の実施形態と同一であるので、同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0042】
この実施形態の自動ドア装置では、外部スイッチ18の開スイッチによってドアパネル12が開かれ、投光器52Eと受光器52Rとによって通行者が検知されたとき、即ち、利用者が出入り口10付近で検知されたとき、その検知された状態が予め定めた時間、例えば10秒継続すると、利用者が便房2内に入らず、出入り口10付近に立ち止まっているので、内部音声装置34及び内部表示装置36によって、内部に入って内部スイッチ32の閉スイッチを操作するとドアパネル12が閉じられること、またドアパネル12が施錠されることを案内する。
【0043】
第3の実施形態の自動ドア装置を図8(a)、(b)に示す。この実施形態の自動ドア装置では、第1の実施形態で使用した行動検知センサ38に代えて、同図(b)に示すように出入り口付近12に第2の実施形態の投光器52Eと受光器52Rとによって形成される検知エリアよりも広い検知エリア54を形成し、この検知エリア54内に利用者が存在するか否かのみを検知するセンサ、例えば赤外線センサ56を、出入り口10の上部の無目に取り付けてある以外、第1の実施形態の自動ドア装置と同一に構成されている。同一部分には同一符号を付して、説明を省略する。
【0044】
この実施形態の自動ドア装置でも、外部スイッチ18の開スイッチによってドアパネル12が開かれ、赤外線センサ56によって通行者が検知されたとき、即ち、利用者が出入り口10付近で検知されたとき、その検知された状態が予め定めた時間、例えば10秒継続すると、利用者が便房2内に入らず、出入り口10付近に立ち止まっているので、内部音声装置34及び内部表示装置36によって、内部に入って内部スイッチ32の閉スイッチを操作するとドアパネル12が閉じられること、またドアパネル12が施錠されることを案内する。
【0045】
第1の実施形態では、行動検知センサ38として多数の小検知エリア40を形成するものを使用したが、これに代えてビデオカメラを使用し、その映像からの動体検出結果を検知結果として使用することもできる。但し、プライバシーの保護の観点から、小検知エリアを形成するものの方が望ましい。また、第1の実施形態では、複数の利用者を個別に判別できるものを使用したが、個別に判別できないものを使用することもできる。その場合、介護者が検知エリア39を出ようとしているか否かの判断は、検知エリア39内に入ったときに検出された面積よりも検知エリア39を出ようとしているときの面積が小さいか否かによって行う。
【符号の説明】
【0046】
2 便房
10 出入り口
12 ドアパネル
16 外部操作及び案内装置(外部操作手段、外部案内手段)
30 内部操作及び案内装置(内部操作手段、内部案内手段)
38 行動検知センサ(検知センサ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレの便房の出入り口を開閉するドアパネルを有する自動ドア装置において、
前記便房の外部に設けられ、操作されたとき、前記ドアパネルを開かせる外部操作手段と、
前記便房出入り口付近に検知範囲を有する検知センサと、
前記操作手段の操作によって前記ドアパネルが開放された後の前記検知センサの検知結果に従って、前記トイレの利用者に前記ドアパネルの操作方法を音声または表示によって案内する案内手段とを、
具備する自動ドア装置。
【請求項2】
請求項1記載の自動ドア装置において、前記検知センサは、前記検知範囲の状況を時系列で判断する自動ドア装置。
【請求項3】
請求項1記載の自動ドア装置において、
前記案内手段は、前記便房内に設けられ、
前記便房内には、前記ドアパネルを閉じさせる内部操作手段が設けられ、
前記外部操作手段の操作によって前記ドアパネルが開かれた後、前記利用者が前記検知範囲を通過して前記便房内に入ってから所定時間経過したとき、前記案内手段が前記内部操作手段の操作を案内する
自動ドア装置。
【請求項4】
請求項1記載の自動ドア装置において、
前記案内手段は、前記便房の外部に設けられ、
前記外部操作手段の操作によって前記ドアパネルが開かれた後、前記検知範囲内に複数の人が存在し、その後に前記便房から前記複数の人のうち一部の人が前記便房から退出して前記所定時間経過したとき、前記案内手段が前記外部操作手段の操作を案内する自動ドア装置。
【請求項5】
請求項1記載の自動ドア装置において、
前記案内手段は、前記便房内に設けられ、
前記便房内には、前記ドアパネルを閉じさせる内部操作手段が設けられ、
前記外部操作手段の操作によって前記ドアパネルが開かれた後、前記検知範囲内に前記利用者が所定時間止まったとき、前記案内手段が前記内部操作手段の操作を案内する
自動ドア装置。
【請求項6】
請求項1記載の自動ドア装置において、
前記検知センサは、少なくとも前記便房の出入り口での前記利用者の通過の有無を判断する自動ドア装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−44096(P2013−44096A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180496(P2011−180496)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)
【Fターム(参考)】