説明

自動二輪車のフットレスト構造

【課題】自動二輪車のフットレスト構造において、ピボットプレートの剛性を確保しつつ、車幅を小さくできるようにする。
【解決手段】ヘッドパイプから後方に延びるメインフレーム、及び、メインフレーム後端に接続されるピボットプレート18を備えて車体を構成する車体フレーム11と、ピボットプレート18に揺動可能に取り付けられ後輪を軸支するスイングアームと、ピボットプレート18に第1、第2取付部71,72を介して締結されるフットレストブラケット51と、フットレストブラケット51の先端部で車体外方に延び、回動自在に取り付けられるフットレストとを有する自動二輪車のフットレスト構造において、フットレストブラケット51は、ピボットプレート18のピボットが設けられる位置の後面18Cに第1、第2取付部71,72が当接し、後方からボルト74,75が差し込まれて締結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車のフットレスト構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動二輪車において、乗員が足を載せるフットレストを、スイングアームを軸支するピボットプレートに側方からボルト締めして取り付けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、フットレストの部分の車幅を小さくするために、ピボットプレートの側面に切り欠き部を設け、この切り欠き部にフットレストを取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4185224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ピボットプレートにおいて特にピボット部周辺はスイングアームから伝達される力によって撓みが生じる部分であるが、上記従来の自動二輪車のフットレスト構造では、ピボットプレートの側面に切り欠き部を設けた分だけ剛性が低くなるため、ピボットプレートの剛性を確保するためにピボットプレートを重厚にしなければならず、車重及び車幅が増加してしまうという課題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、自動二輪車のフットレスト構造において、ピボットプレートの剛性を確保しつつ、車幅を小さくできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、ステアリングシャフトを軸支するヘッドパイプ(16)、前記ヘッドパイプ(16)から後方に延びるメインフレーム(17)、及び、前記メインフレーム(17)後端に接続されるピボットプレート(18)を備えて車体を構成する車体フレーム(11)と、前記ピボットプレート(18)に揺動可能に取り付けられ後輪(3)を軸支するスイングアーム(14)と、前記ピボットプレート(18)に取付部(71,72)を介して締結されるフットレストブラケット(51,251)と、前記フットレストブラケット(51,251)の先端部で車体外方に延び、回動自在に取り付けられるフットレスト(50)とを有する自動二輪車のフットレスト構造において、前記フットレストブラケット(51,251)は、前記ピボットプレート(18)のピボット(22)が設けられる位置の後面(18C)に前記取付部(71,72)が当接し、後方から締結具(74,75,175B)が差し込まれて締結されることを特徴とする。
この構成によれば、ピボットプレートに揺動可能に取り付けられ後輪を軸支するスイングアームと、ピボットプレートに取付部を介して締結されるフットレストブラケットと、フットレストブラケットの先端部で車体外方に延び、回動自在に取り付けられるフットレストとを有し、フットレストブラケットは、ピボットプレートのピボットが設けられる位置の後面に取付部が当接し、後方から締結具が差し込まれて締結されるため、ピボットプレートの側面に切り欠き等が必要なく、ピボットプレートの剛性を確保できるとともに、フットレストブラケットがピボットプレートの後面に締結されることで、フットレストブラケットの車幅方向の出っ張りを小さくでき、車幅を小さくすることができる。
【0006】
また、上記構成において、前記フットレストブラケット(51,251)の上辺側を構成する第1柱部(61,261)と、前記第1柱部(61,261)の前端に設けられる筒状部である第1取付部(71)と、前記フットレストブラケット(51,251)の下辺側を構成する第2柱部(62,262)と、前記第2柱部(62,262)の前端に設けられる筒状部である第2取付部(72)と、前記第1取付部(71)と前記第2取付部(72)との間に渡される梁部(73)とを有する構成としても良い。
この場合、フットレストブラケットの上辺側を構成する第1柱部と、第1柱部の前端に設けられる筒状部である第1取付部と、フットレストブラケットの下辺側を構成する第2柱部と、第2柱部の前端に設けられる筒状部である第2取付部と、第1取付部と前記第2取付部との間に渡される梁部とを有し、梁部を設けることで第1柱部及び第2柱部の剛性が向上し、乗員のフットレストの踏み込み力による第1柱部及び第2柱部のねじれは、車体左右方向の振れに変換される。これにより、乗員のフットレストの踏み込み力はフットレストブラケットを締結する締結具を締める方向に作用するため、締結具の緩みを防止できる。
【0007】
また、前記梁部(73)の前面は前記第1、第2取付部(71,72)の前端部に位置するよう前記各取付部(71,72)に連結し、前記第1、第2柱部(61,261,62,262)は、前記第1、第2取付部(71,72)の後端部に位置するよう前記各取付部(71,72)に連結し、前記梁部(73)の後面と前記第1、第2柱部(61,261,62,262)の前面とは連続面で構成されても良い。
この場合、梁部の前面は第1、第2取付部の前端部に位置するよう各取付部に連結し、第1、第2柱部は、第1、第2取付部の後端部に位置するよう各取付部に連結し、梁部の後面と第1、第2柱部の前面とは連続面で構成されるため、第1、第2柱部及び梁部の剛性が向上する。
【0008】
さらに、前記第1柱部(261)の長さを前記第2柱部(262)の長さより長くした構成としても良い。
この場合、乗員のフットレストの踏み込み力は分力となり、第1柱部には引っ張り力として作用し、第2柱部には圧縮力として作用するが、第1柱部の長さが第2柱部の長さより長いため、第2柱部に作用する圧縮力の分力が大きくなる。このため、締結具に加えて第2取付部とピボットプレートとの当接部で踏み込み力を受けることができ、剛性が向上する。
【0009】
さらにまた、前記第1取付部(71)の上方にはマスターシリンダー(54)を取り付けるマスターシリンダ取付プレート(65)が後上方に向かって延び、該マスターシリンダ取付プレート(65)は前記第1取付部(71)の前記締結具(74)の軸より車体内側方向にオフセットして設けられ、前記マスターシリンダー(54)は、前記第1、第2取付部(71,72)の前記締結具(74,75)の軸より車体内方にオフセットされ、前記マスターシリンダー(54)と前記第1取付部(71)の締結具差込孔(71A)とが後面視で重ならないように設けられる構成としても良い。
この場合、マスターシリンダ取付プレートは第1取付部の締結具の軸より車体内側方向にオフセットして設けられ、マスターシリンダーは、第1、第2取付部の締結具の軸より車体内方にオフセットされるため、マスターシリンダーに作用する上向きの力は、フットレストブラケットを締結する締結具を締める方向に働き、締結具の緩みを防止できる。また、マスターシリンダと第1取付部の締結具差込孔とが後面視で重ならないため、組み付けの際にマスターシリンダが邪魔にならず、組み付け性が向上する。
【0010】
また、前記第1柱部(61,261)及び前記第2柱部(62,262)は、平面視で後方に行くに連れて車幅方向外側に傾斜する構成としても良い。
この場合、第1柱部及び第2柱部は、平面視で後方に行くに連れて車幅方向外側に傾斜するため、フットレストブラケットの前部の車幅を小さくでき、後部の内側にはマスターシリンダーをコンパクトに配置できる。また、フットレストブラケットの後部では第1柱部及び前記第2柱部が車幅方向においてより外側に傾斜し、乗員の踏み込み力はモーメント変換されて締め込み力として変換されるため、フットレストブラケットを締結する締結具の緩みを防止できる。
【0011】
また、前記第1柱部(61,261)、前記第2柱部(62,262)及び前記梁部(73)で形成される面は、前記第1、第2取付部(71,72)の円筒軸に沿って延びる第1面部(76)と、該第1面部(76)の後方から車幅方向外側に傾斜する第2面部(77)とを有しても良い。
この場合、第1、第2取付部の円筒軸に沿って延びる第1面部によって第1、第2取付部間の剛性を確保できる。また、第1面部の後方から車幅方向外側に傾斜する第2面部によって、マスターシリンダーの配置スペースを確保できるとともに、乗員の踏み込み力を、締め込み力として変換することができ、フットレストブラケットを締結する締結具の緩みを防止できる。
【0012】
さらに、前記フットレストブラケット(51)を前記ピボットプレート(18)に締結する前記締結具(74,75)は、前記ピボットプレート(18)の内側に形成したリブ部(59)または肉厚部(58)に締結されても良い。
この場合、ピボットプレートのリブ部または肉厚部にフットレストブラケットを前記ピボットプレートに締結する締結具を締結するため、フットレストブラケットの取り付け強度を確保できる。
また、前記メインフレーム(17)は、トラスフレームで形成され、前記車体フレーム(11)は、前面視方形に形成されたピボットプレート(18)を前記メインフレーム(17)に締結して形成されても良い。
この場合、メインフレームであるトラスフレームにピボットプレートを締結して形成される車体フレームであり、撓みを比較的大きく許容する車体フレームであっても、フットレストブラケットの車幅方向の出っ張りを小さくでき、車幅を小さくすることができる。
また、前記締結具は、両端にねじが形成されて一端が前記ピボットプレート(18)に締結されるピン(175A)と、該ピン(175A)の他端に締結されるナット(175B)とで構成され、前記取付部(72)を前記ピン(175A)に差し込んだ後、前記ナット(175B)を締結することで前記フットレストブラケット(51)が取り付けられる構成としても良い。
この場合、取付部をピンに差し込んだ後、ナットを締結することでフットレストブラケットが取り付けられ、ナットは狭いスペースでも組み付けできるため、フットレストブラケットの後方にスペースを確保でき、フットレストブラケットの後方のデザインの自由度を向上できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る自動二輪車のフットレスト構造では、フットレストブラケットは、ピボットプレートのピボットが設けられる位置の後面に取付部が当接し、後方から締結具が差し込まれて締結されるため、ピボットプレートの側面に切り欠き等が必要なく、ピボットプレートの剛性を確保できるとともに、フットレストブラケットがピボットプレートの後面に締結されることで、フットレストブラケットの車幅方向の出っ張りを小さくでき、車幅を小さくすることができる。
また、フットレストブラケットの第1取付部と前記第2取付部との間に渡される梁部を有し、梁部を設けることで第1柱部及び第2柱部の剛性が向上し、乗員のフットレストの踏み込み力による第1柱部及び第2柱部のねじれは、車体左右方向の振れに変換される。これにより、乗員のフットレストの踏み込み力はフットレストブラケットを締結するボルトを締める方向に作用するため、ボルトの緩みを防止できる。
【0014】
また、梁部の前面は第1、第2取付部の前端部に位置するよう各取付部に連結し、第1、第2柱部は、第1、第2取付部の後端部に位置するよう各取付部に連結し、梁部の後面と第1、第2柱部の前面とは連続面で構成されるため、第1、第2柱部及び梁部の剛性が向上する。
さらに、第1柱部の長さが第2柱部の長さより長いため、第2柱部に作用する圧縮力の分力が大きくなり、締結具に加えて第2取付部とピボットプレートとの当接部で踏み込み力を受けることができ、剛性が向上する。
【0015】
また、マスターシリンダーは、第1、第2取付部の締結具の軸より車体内方にオフセットされるため、マスターシリンダーに作用する上向きの力は、フットレストブラケットを締結する締結具を締める方向に働き、締結具の緩みを防止できる。また、マスターシリンダと第1取付部の締結具差込孔とが後面視で重ならないため、組み付けの際にマスターシリンダが邪魔にならず、組み付け性が向上する。
また、第1柱部及び第2柱部は、平面視で後方に行くに連れて車幅方向外側に傾斜するため、フットレストブラケットの前部の車幅を小さくでき、後部の内側にはマスターシリンダーをコンパクトに配置できる。また、フットレストブラケットの後部では第1柱部及び前記第2柱部が車幅方向においてより外側に傾斜し、乗員の踏み込み力はモーメント変換されて締め込み力として変換されるため、フットレストブラケットを締結する締結具の緩みを防止できる。
また、第1、第2取付部の円筒軸に沿って延びる第1面部によって第1、第2取付部間の剛性を確保できる。また、第1面部の後方から車幅方向外側に傾斜する第2面部によって、マスターシリンダーの配置スペースを確保できるとともに、乗員の踏み込み力を、締め込み力として変換することができ、フットレストブラケットを締結する締結具の緩みを防止できる。
【0016】
さらに、ピボットプレートのリブ部または肉厚部にフットレストブラケットを前記ピボットプレートに締結する締結具を締結するため、フットレストブラケットの取り付け強度を確保できる。
また、メインフレームであるトラスフレームにピボットプレートを締結して形成される車体フレームであり、撓みを比較的大きく許容する車体フレームであっても、フットレストブラケットの車幅方向の出っ張りを小さくでき、車幅を小さくすることができる。
また、取付部をピンに差し込んだ後、ナットを締結することでフットレストブラケットが取り付けられ、ナットは狭いスペースでも組み付けできるため、フットレストブラケットの後方にスペースを確保でき、フットレストブラケットの後方のデザインの自由度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る自動二輪車の右側面図である。
【図2】右側のフットレストの近傍を示す右側面図である。
【図3】右側のフットレストの近傍を車幅方向内側から見た左側面図である。
【図4】右側のフットレストの近傍を後方から見た図である。
【図5】実施の形態の変形例における右側のフットレストブラケットの近傍を示す右側面図である。
【図6】実施の形態の変形例2における第2取付部の近傍を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係る自動二輪車のフットレスト構造について図面を参照して説明する。なお、以下の説明で、上下、前後、左右の方向は、車両の運転者(乗員)から見た方向をいう。
[第1の実施の形態]
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係る自動二輪車の右側面図である。
自動二輪車1は、車体フレーム11の前後の中央にエンジン12が配置され、前輪2を支持するフロントフォーク13が車体フレーム11の前端に操舵可能に支持され、後輪3を支持するスイングアーム14が車体フレーム11の後部の下部に設けられた鞍乗り型の車両である。
【0020】
車体フレーム11は、左右一対のフロントフォーク13を操舵可能に支持するヘッドパイプ16と、ヘッドパイプ16の後部から左右一対で後下方に延びるメインフレームとしてのトラスフレーム17と、トラスフレーム17の後端に接続され下方に延びる左右一対のピボットプレート18と、ピボットプレート18の上部から後方に延びる左右一対のシートフレーム19(図4)とを備えて構成される。
【0021】
トラスフレーム17は、複数のパイプを溶接して構成されたパイプフレームであり、ヘッドパイプ16の上部から後下方に延びるアッパーフレーム17Aと、ヘッドパイプ16の下部から後下方に延びてアッパーフレーム17Aの後部に連結されるロアフレーム17Bと、アッパーフレーム17Aとロアフレーム17Bとの間にトラス状に渡される複数のサブパイプ17Cとを備えて構成される。
トラスフレーム17は、フレーム連結ボルト20が挿通される連結部17Dをアッパーフレーム17Aの後端に有し、フレーム連結ボルト20によってピボットプレート18の上部に締結固定される。
【0022】
左右のピボットプレート18の上下の中間部には、ピボットプレート18を車幅方向に貫通するピボット孔部21が設けられ、スイングアーム14は、ピボット孔部21に挿通されるピボット軸22(ピボット)によって揺動可能に軸支され、後輪3はスイングアーム14の後部に軸支される。スイングアーム14と車体フレーム11との間には、筒状のリヤクッションユニット23が設けられる。
左右のピボットプレート18の上部及び下部には、左右のピボットプレート18間に渡されるクロスメンバ18A,18Bが連結されている。
【0023】
ヘッドパイプ16にはステアリングシャフト(不図示)が軸支され、操行ハンドル24は上記ステアリングシャフトの上方においてフロントフォーク13の上部に取り付けられ、前輪2はフロントフォーク13の下部に軸支されている。燃料を貯留する燃料タンク25は、トラスフレーム17の上方に配置されている。
乗員用のシート26は、燃料タンク25の後端に連続して左右のシートフレーム19上に設けられる。シート26及び燃料タンク25の下方には、サイドカバー27が設けられている。
フロントフォーク13には、前輪2を上方から覆うフロントフェンダー28が設けられ、後輪3の上方には、リヤフェンダー29が設けられる。リヤフェンダー29の後部には、自動二輪車1のブレーキが作動した際に点灯するブレーキランプ29Aが設けられている。
【0024】
エンジン12は、V型2気筒エンジンであり、車幅方向に延びるクランク軸(不図示)が収容されるクランクケース30と、クランクケース30の前部に設けられる前シリンダ31と、後部に設けられる後シリンダ32とを備えている。クランクケース30の後部には変速機33が一体的に設けられている。エンジン12は、車体フレーム11に支持されている。
前シリンダ31及び後シリンダ32には、排気管34が接続され、排気管34の後部には、車両の右側面の後部に配置されるマフラー35が接続される。
【0025】
左右のピボットプレート18の後方には、運転者が足を載せるフットレスト50がそれぞれ配置され、フットレスト50は、ピボットプレート18の後部に取り付けられるフットレストブラケット51に支持されている。車両右側のフットレストブラケット51には、後輪3のブレーキ操作のためのブレーキペダル52と、ブレーキペダル52の操作に連動してブレーキランプ29Aを点灯させるブレーキスイッチ53と、後輪3のブレーキのマスターシリンダー54とが支持されている。後輪3のブレーキは油圧式ブレーキであり、マスターシリンダー54には、ブレーキを作動させるピストン及び作動油等が収容されている。
車両左側においてもフットレストブラケットは同様に設けられてフットレストが支持され、車両左側のフットレストの支持構造は車両右側と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0026】
図2は、右側のフットレスト50の近傍を示す右側面図である。図3は、右側のフットレスト50の近傍を車幅方向内側から見た左側面図である。図4は、右側のフットレスト50の近傍を後方から見た図である。図4では、ブレーキペダル52が外された状態が示されている。
ピボットプレート18は、前面視では方形に形成される角材であり、アルミ合金を鋳造して製造される。図2及び図3に示すように、ピボット孔部21はピボットプレート18の前部に設けられ、フットレストブラケット51が取り付けられる一対のブラケット締結穴部55,56は、ピボットプレート18の後面18Cに上下に並んで形成されている。詳細には、上側のブラケット締結穴部55はピボット孔部21よりも上方に形成され、下側のブラケット締結穴部56はピボット孔部21よりも下方に形成されている。また、ブラケット締結穴部55,56は、後面18Cから後方に突出する突出面55A,56Aを有している。後面18Cは、側面視において後上がりとなるように傾斜している。
【0027】
図3に示すように、ピボットプレート18は、内側面に肉抜き部57が形成されることで軽量化が図られているとともに、肉抜き部57よりも肉厚な肉厚部58、及び、リブ部59が形成されることで、強度及び剛性が確保されている。ピボット孔部21の周囲には、肉厚部58及びリブ部59が形成されている。また、ブラケット締結穴部55,56は、肉厚部58及びリブ部59に形成されているため、フットレストブラケット51の取り付け強度を確保できる。
【0028】
フットレストブラケット51は、フットレストブラケット51の上辺側を構成する第1柱部61と、第1柱部61の前端に設けられる筒状部である第1取付部71(取付部)と、フットレストブラケット51の下辺側を構成する第2柱部62と、第2柱部62の前端に設けられる筒状部である第2取付部72(取付部)と、第1取付部71と第2取付部72との間に渡される梁部73とを有している。
【0029】
第1取付部71は、ピボットプレート18の後面18Cに略直交するように延びる有底円筒部材であり、車両前方側に位置する底部がブラケット締結穴部55の突出面55Aに当接する。第1取付部71は後方に開口する締結具差込孔71A(図4)を有し、ブラケット締結穴部55に締結されるボルト74(締結具)は、締結具差込孔71Aに後方から差し込まれる。
第2取付部72は、ピボットプレート18の後面18Cに略直交するように延びる有底円筒部材であり、車両前方側に位置する底部がブラケット締結穴部56の突出面56Aに当接する。第2取付部72は後方に開口する締結具差込孔72A(図4)を有し、ブラケット締結穴部56に締結されるボルト75(締結具)は、締結具差込孔72Aに後方から差し込まれる。
【0030】
梁部73は、第1取付部71及び第2取付部72の前端部に位置するように連結される板部材であり、第1取付部71及び第2取付部72の円筒軸に略直交する向きで設けられている。梁部73と後面18Cとの間には隙間が設けられており、梁部73はピボットプレート18に当接しない。
第1柱部61は、第1取付部71の後端部の下面に連結されて後下方へ斜めに延び、ブラケット締結穴部56よりも上方の位置まで延びている。第2柱部62は、第2取付部72の後端部の上面に連結されて後上方へ斜めに延び、第1柱部61の下端に連結されている。
【0031】
第1柱部61、第2柱部62及び梁部73で形成される面は、第1取付部71及び第2取付部72の円筒軸に沿って延びる第1面部76と、第1面部76の後方から車幅方向外側に傾斜して後部ほど車幅が大きくなる第2面部77とを有している。すなわち、第2面部77は、平面視では、後方に行くに連れて車幅方向外側に傾斜することになる。第2面部77の大部分は、第1柱部61、第2柱部62によって構成されている。
また、梁部73の後面と第1柱部61及び第2柱部62の前面とは連続面で構成されており、第1柱部61、第2柱部62及び梁部73が繋がることで、側面視で略三角形となる枠状のブラケットが形成されている。このように、第1柱部61、第2柱部62及び梁部73を連続した略三角形に形成することで、フットレストブラケット51の剛性を向上できる。第1柱部61及び第2柱部62の長さは略等しく形成されている。
【0032】
フットレストブラケット51において第1柱部61の下端と第2柱部62の後端とが連結される後部連結部63には、外側方へ突出するホルダー部64が形成されている。ホルダー部64は、対向する一対の壁部64A,64Aと、壁部64A,64A間に渡される支持ピン64Bとを有し、壁部64A,64Aは、側面視で後上がりとなるように配置される。
フットレスト50は、壁部64A,64A間に配置される基部50Aと、基部50Aから車体外方に突出するステップ部50Bとを有し、基部50Aが支持ピン64Bに軸支されることで回動自在となっている。フットレスト50は、支持ピン64Bに設けられるばね(不図示)によって略水平となるように付勢されており、上方に回動させる力が作用した場合には、上記ばねに抗して第1柱部61に近づく方向に回動する。
【0033】
第1取付部71の上部には、後上方に延びるマスターシリンダ取付プレート65が連結されており、マスターシリンダー54はマスターシリンダ取付プレート65に取り付けられる。マスターシリンダ取付プレート65は、第2面部77よりも後方まで延びている。
図4に示すように、マスターシリンダ取付プレート65は、第1取付部71のボルト74のボルト軸(締結具の軸)よりも車体内側方向にオフセットして設けられ、マスターシリンダ取付プレート65の後端には、マスターシリンダー54を支持する支持孔部65Aが上下に並んで一対で設けられている。また、マスターシリンダ取付プレート65には、肉抜き孔65Bが形成されている。
【0034】
マスターシリンダー54は、円筒状に形成されており、内部のピストンを駆動するピストン連結部54Aを下部に有し、軸線が上下方向を指向するように配置される。マスターシリンダー54は、一対の固定部54Bを上部の後部に有し、マスターシリンダー54の支持孔部65Aに挿通される固定ボルト66が固定部54Bに締結されることで固定される。マスターシリンダー54は、前後方向では、マスターシリンダ取付プレート65の後端よりも前方で、第1取付部71の後方に位置している。
マスターシリンダー54は、車体内側方向にオフセットされたマスターシリンダ取付プレート65の内側面側に固定されているため、図4に示すように、後面視では、ボルト74が設けられる締結具差込孔71Aよりも内側に位置し、締結具差込孔71Aに重ならないように配置されている。
マスターシリンダー54はブレーキホース(不図示)を介して後輪3のブレーキ装置に接続される。
【0035】
図3に示すように、フットレストブラケット51の後部連結部63の内側面には、車体内側へ延びる軸部67が設けられており、ブレーキペダル52は、軸部67に回動可能に軸支される。
ブレーキペダル52は、軸部67に嵌合するボス孔部52Aと、ボス孔部52Aの前部から前方へ延びるペダル部52Bと、ボス孔部52Aの後部に設けられる連結部52Cと、ペダル部52Bの内側面に設けられるスプリング連結部52Dとを有している。ブレーキペダル52は、連結部52Cがピストン連結部54Aに連結されることで、マスターシリンダー54に連結され、ペダル部52Bが踏み込まれることで連結部52Cとともにピストン連結部54Aが上昇し、後輪3のブレーキが作動する。スプリング連結部52Dには、ペダル部52Bを上方向に回転するように付勢するリターンスプリング68の一端が連結され、リターンスプリング68の他端は車体側に連結される。
ペダル部52Bは、フットレストブラケット51の内側から第2柱部62の下方を通って外側に延びた後、前方へ屈曲し、ペダル部52Bの先端部は、車幅方向外側に延びてピボットプレート18の外側方に位置しており、ブレーキペダル52は、ボルト75が設けられる締結具差込孔72Aに重ならないように配置されている。
【0036】
本実施の形態では、マスターシリンダ取付プレート65が第1取付部71のボルト74のボルト軸よりも車体内側方向にオフセットして設けられるとともに、フットレストブラケット51の第1面部76の後方から車幅方向外側に傾斜して後部ほど車幅が大きくなる第2面部77が設けられており、第2面部77の内側にスペースを確保できるため、このスペースを利用してマスターシリンダー54をコンパクトに設けることができる。
ブレーキスイッチ53は、上下に延びる円筒状に形成されており、フットレストブラケット51の内側において、マスターシリンダー54の前方に配置されている。ブレーキスイッチ53は、下部の接続部53Aに連結されたスプリング53Bを介してブレーキペダル52のスプリング連結部52Dに接続されており、ペダル部52Bが踏み込まれて接続部53Aが下方に引かれることで作動する。
【0037】
フットレストブラケット51は、マスターシリンダー54がマスターシリンダ取付プレート65に取り付けられた状態で、ピボットプレート18に組み付けされる。フットレストブラケット51の組み付けの際には、まず、第1取付部71及び第2取付部72がピボットプレート18の突出面55A,56Aに当接され、次いで、後方から締結具差込孔71A,72Aにボルト74,75が差し込まれ、ボルト74,75がブラケット締結穴部55,56に締結される。ここで、ボルト74,75は時計回りに回転することで締め込まれる右ねじである。
【0038】
本実施の形態では、マスターシリンダー54が締結具差込孔71Aよりも車体内側にオフセットされており、ボルト74を差し込む際にマスターシリンダー54が邪魔になることがないため、組み付け性が良い。また、ブレーキペダル52が締結具差込孔72Aに重ならないように配置されており、ブレーキペダル52がボルト75を差し込む際に邪魔にならないため、組み付け性が良い。
また、フットレストブラケット51がピボットプレート18の後面18Cにボルト74,75によって締結されるため、車幅を小さくするためにピボットプレート18の側面に切り欠き等を設ける必要がなく、ピボットプレート18の剛性を確保できる。さらに、フットレストブラケット51がピボットプレート18の後方に位置するとともに、この位置からフットレスト50が車体外方に延びるため、フットレストブラケット51及びフットレスト50の部分の車幅を小さくすることができる。
【0039】
運転者がフットレスト50を踏み込むと、図4に示すように、フットレスト50には下方に向く力Fが作用する。力Fが作用すると、第1柱部61及び第2柱部62には、その長手方向の軸を中心に第1柱部61及び第2柱部62を捩じる力が発生することになる。本実施の形態では、第1柱部61と第2柱部62とを連結する梁部73を第1取付部71と第2取付部72との間に渡したため、フットレストブラケット51の剛性が向上している。このため、第1柱部61及び第2柱部62の捩じれは減少し、第1柱部61及び第2柱部62を捩じる力は、フットレストブラケット51を車体左右方向に振れさせる力となり、フットレストブラケット51の全体を、図4の後面視において時計回りに回転させる力Rとして多く変換される。力Rが作用すると、ボルト74,75は、第1取付部71及び第2取付部72を介して、時計回りに回転する力、すなわち、ボルト74,75が締まる方向の力を受ける。このため、ボルト74,75の緩みを防止できる。
【0040】
また、フットレスト50が設けられる第2面部77は後部ほど車幅が大きくなり、踏み込み力による力Rがより大きくなるため、ボルト74,75の緩みを効果的に防止できる。
また、図4に示すように、車体左側のピボットプレート18では、左側のフットレストブラケット(不図示)を締結するボルト174,175は、反時計回りに回転することで締め込まれる左ねじである。これにより、左側のフットレスト(不図示)が踏み込まれた場合においても、踏み込み力によってボルト174,175の緩みを防止できる。
【0041】
また、踏み込みによる力Fは、ピボットプレート18が後上がりに傾斜していることから、図2を参照し、上側のブラケット締結穴部55では、後方に向く引っ張り力がボルト74を介して作用し、下側のブラケット締結穴部56では、前方に向く圧縮力がボルト75及び第2取付部72の前端を介して作用する。このため、下側のブラケット締結穴部56では、力Fは、ボルト75の締結部だけでなく、第2取付部72の前端とブラケット締結穴部56との当接面を介してピボットプレート18の全体で受けられることになり、フットレスト50の踏み込みによるフットレストブラケット51の撓みを低減できる。
【0042】
ブレーキペダル52が踏み込まれるとピストン連結部54Aは上方に移動し、図4に示すように、マスターシリンダー54には上方に向く力Uが作用する。力Uは、マスターシリンダー54がボルト74,75よりも内側にオフセットされていることから、フットレストブラケット51の全体を、後面視において時計回りに回転させる力として作用することになる。これにより、ブレーキペダル52の踏み込み力の作用によってボルト74,75の緩みを防止できる。
【0043】
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、ピボットプレート18に揺動可能に取り付けられ後輪3を軸支するスイングアーム14と、ピボットプレート18に、第1取付部71及び第2取付部72を介して締結されるフットレストブラケット51と、フットレストブラケット51の先端部で車体外方に延び、回動自在に取り付けられるフットレスト50とを有し、フットレストブラケット51は、ピボットプレート18のピボット軸22が設けられる位置の後面18Cに第1取付部71及び第2取付部72が当接し、後方からボルト74,75が差し込まれて締結されるため、ピボットプレート18の側面に切り欠き等が必要なく、ピボットプレート18の剛性を確保できるとともに、フットレストブラケット51がピボットプレート18の後面18Cに締結されることで、フットレストブラケット51の車幅方向の出っ張りを小さくでき、車幅を小さくすることができる。
【0044】
また、フットレストブラケット51の上辺側を構成する第1柱部61と、第1柱部61の前端に設けられる筒状部である第1取付部71と、フットレストブラケット51の下辺側を構成する第2柱部62と、第2柱部62の前端に設けられる筒状部である第2取付部72と、第1取付部71と第2取付部72との間に渡される梁部73とを有し、梁部73を設けることで第1柱部61及び第2柱部62の剛性が向上し、運転者のフットレスト50の踏み込み力による第1柱部61及び第2柱部62のねじれは、車体左右方向の振れに変換される。これにより、運転者のフットレスト50の踏み込み力はフットレストブラケット51を締結するボルト74,75を締める方向に作用するため、ボルト74,75の緩みを防止できる。
【0045】
また、マスターシリンダ取付プレート65は第1取付部71のボルト74,75の軸より車体内側方向にオフセットして設けられ、マスターシリンダー54は、第1、第2取付部71,72のボルト74,75の軸より車体内方にオフセットされるため、マスターシリンダー54に作用する上向きの力Uは、フットレストブラケット51を締結するボルト74,75を締める方向に働き、ボルト74,75の緩みを防止できる。また、マスターシリンダー54と第1取付部71の締結具差込孔71Aとが後面視で重ならないため、組み付けの際にマスターシリンダー54が邪魔にならず、組み付け性が向上する。
また、第1柱部61及び第2柱部62は、平面視で後方に行くに連れて車幅方向外側に傾斜するため、フットレストブラケット51の前部の車幅を小さくでき、後部の内側にはマスターシリンダー54をコンパクトに配置できる。また、フットレストブラケット51の後部では第1柱部61及び第2柱部62が車幅方向においてより外側に傾斜し、運転者の踏み込み力はモーメント変換されて締め込み力として変換されるため、フットレストブラケット51を締結するボルト74,75の緩みを防止できる。
【0046】
さらに、第1取付部71及び第2取付部72の円筒軸に沿って延びる第1面部によって第1、第2取付部間の剛性を確保できる。また、第1面部76の後方から車幅方向外側に傾斜する第2面部77によって、マスターシリンダー54の配置スペースを確保できるとともに、運転者の踏み込み力を、より大きな締め込み力として変換することができ、フットレストブラケット51を締結するボルト74,75の緩みを防止できる。
また、ピボットプレート18の内側に形成したリブ部59または肉厚部58にフットレストブラケット51をピボットプレート18に締結するボルト74,75を締結するため、フットレストブラケット51の取り付け強度を確保できる。
また、メインフレームであるトラスフレーム17にピボットプレート18を締結して形成される車体フレーム11であり、撓みを比較的大きく許容するトラス構造の車体フレーム11であっても、ピボットプレート18の剛性を確保できるとともに、フットレストブラケット51の車幅方向の出っ張りを小さくでき、車幅を小さくすることができる。
【0047】
また、上記実施の形態においては、第1柱部61及び第2柱部62の長さは略等しく形成されているものとして説明したが、本願発明はこれに限定されるものではなく、第1柱部と第2柱部との長さを異ならせても良く、この場合について、変形例1として説明する。
【0048】
[変形例1]
図5は、実施の形態の変形例1における右側のフットレストブラケット251の近傍を示す右側面図である。なお、この変形例1において、上記実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、右側のピボットプレート18の後面18Cには、フットレストブラケット251が取り付けられ、フットレストブラケット251は、第1取付部71、第2取付部72、梁部73、第1取付部71の後端部から後下方に延びる第1柱部261、第2取付部72の後端部から後上方に延びる第2柱部262、及び、マスターシリンダ取付プレート65を有している。
第1柱部261の下端と第2柱部262の後端とが連結される後部連結部263には、外側方へ突出するホルダー部264が設けられ、フットレスト50はホルダー部264に取り付けられる。
【0049】
第1柱部261の長さは、第2柱部262の長さより長く形成されている。フットレスト50の踏み込みによる力Fの分力は、第1柱部261の長さが第2柱部262の長さより長く形成されていることから、第2柱部262に大きく作用する。これにより、下側のブラケット締結穴部56では、踏み込み力を、第2取付部72の前端とブラケット締結穴部56との当接面を介して、ピボットプレート18の全体でより多く受けることになり、フットレスト50の踏み込みによるフットレストブラケット51の撓みをさらに低減できる。
【0050】
[変形例2]
図6は、実施の形態の変形例2における第2取付部72の近傍を示す側面図である。図6は、図3における第2取付部72の近傍に対応する部分を示している。なお、この変形例2において、上記実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
変形例2では、フットレストブラケット51をピボットプレート18に締結する締結具が、植え込みボルト175A(ピン)及び植え込みボルト175Aに締結されるナット175Bにより構成されている。
【0051】
植え込みボルト175Aは、両端にねじが形成されたピンであり、一端がピボットプレート18の後面18Cのブラケット締結穴部56に締結され、他端はブラケット締結穴部56から後方に突出し、この他端にはナット175Bが締結される。
図6に示すように、右側のピボットプレート18のブラケット締結穴部56には、植え込みボルト175Aが締結され、第2取付部72は、植え込みボルト175Aに締結される。
【0052】
フットレストブラケット51は、植え込みボルト175に第2取付部72が差し込まれた後、後方から締結具差込孔72Aに設けられるナット175Bが締結されることでピボットプレート18に固定される。図示は省略するが、第1取付部71も第2取付部72と同様に、植え込みボルトとナットにより締結される。
このように、第2取付部72を植え込みボルト175に差し込んだ後、ナット175Bを締結する構成では、ボルトに比して小さなナット175Bを後方から締結すれば良いため、ナット175Bを差し込むためのスペースをフットレストブラケット51の後方に大きく確保する必要がない。このため、フットレストブラケット51の後方のデザインの自由度を向上できる。
【符号の説明】
【0053】
1 自動二輪車
11 車体フレーム
14 スイングアーム
16 ヘッドパイプ
17 トラスフレーム(メインフレーム)
18 ピボットプレート
18C 後面
22 ピボット軸(ピボット)
50 フットレスト
51,251 フットレストブラケット
54 マスターシリンダー
58 肉厚部
59 リブ部
61,261 第1柱部
62,262 第2柱部
65 マスターシリンダ取付プレート
71 第1取付部(取付部)
71A 締結具差込孔
72 第2取付部(取付部)
73 梁部
74 ボルト(締結具)
75 ボルト(締結具)
76 第1面部
77 第2面部
175A 植え込みボルト(締結具,ピン)
175B ナット(締結具)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングシャフトを軸支するヘッドパイプ(16)、前記ヘッドパイプ(16)から後方に延びるメインフレーム(17)、及び、前記メインフレーム(17)後端に接続されるピボットプレート(18)を備えて車体を構成する車体フレーム(11)と、前記ピボットプレート(18)に揺動可能に取り付けられ後輪(3)を軸支するスイングアーム(14)と、前記ピボットプレート(18)に取付部(71,72)を介して締結されるフットレストブラケット(51,251)と、前記フットレストブラケット(51,251)の先端部で車体外方に延び、回動自在に取り付けられるフットレスト(50)とを有する自動二輪車のフットレスト構造において、
前記フットレストブラケット(51,251)は、前記ピボットプレート(18)のピボット(22)が設けられる位置の後面(18C)に前記取付部(71,72)が当接し、後方から締結具(74,75,175B)が差し込まれて締結されることを特徴とする自動二輪車のフットレスト構造。
【請求項2】
前記フットレストブラケット(51,251)の上辺側を構成する第1柱部(61,261)と、前記第1柱部(61,261)の前端に設けられる筒状部である第1取付部(71)と、前記フットレストブラケット(51,251)の下辺側を構成する第2柱部(62,262)と、前記第2柱部(62,262)の前端に設けられる筒状部である第2取付部(72)と、前記第1取付部(71)と前記第2取付部(72)との間に渡される梁部(73)とを有することを特徴とする請求項1記載の自動二輪車のフットレスト構造。
【請求項3】
前記梁部(73)の前面は前記第1、第2取付部(71,72)の前端部に位置するよう前記各取付部(71,72)に連結し、前記第1、第2柱部(61,261,62,262)は、前記第1、第2取付部(71,72)の後端部に位置するよう前記各取付部(71,72)に連結し、前記梁部(73)の後面と前記第1、第2柱部(61,261,62,262)の前面とは連続面で構成されることを特徴とする請求項2記載の自動二輪車のフットレスト構造。
【請求項4】
前記第1柱部(261)の長さを前記第2柱部(262)の長さより長くしたことを特徴とする請求項2または3記載の自動二輪車のフットレスト構造。
【請求項5】
前記第1取付部(71)の上方にはマスターシリンダー(54)を取り付けるマスターシリンダ取付プレート(65)が後上方に向かって延び、該マスターシリンダ取付プレート(65)は前記第1取付部(71)の前記締結具(74)の軸より車体内側方向にオフセットして設けられ、前記マスターシリンダー(54)は、前記第1、第2取付部(71,72)の前記締結具(74,75)の軸より車体内方にオフセットされ、前記マスターシリンダー(54)と前記第1取付部(71)の締結具差込孔(71A)とが後面視で重ならないように設けられることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の自動二輪車のフットレスト構造。
【請求項6】
前記第1柱部(61,261)及び前記第2柱部(62,262)は、平面視で後方に行くに連れて車幅方向外側に傾斜することを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の自動二輪車のフットレスト構造。
【請求項7】
前記第1柱部(61,261)、前記第2柱部(62,262)及び前記梁部(73)で形成される面は、前記第1、第2取付部(71,72)の円筒軸に沿って延びる第1面部(76)と、該第1面部(76)の後方から車幅方向外側に傾斜する第2面部(77)とを有することを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の自動二輪車のフットレスト構造。
【請求項8】
前記フットレストブラケット(51)を前記ピボットプレート(18)に締結する前記締結具(74,75)は、前記ピボットプレート(18)の内側に形成したリブ部(59)または肉厚部(58)に締結されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の自動二輪車のフットレスト構造。
【請求項9】
前記メインフレーム(17)は、トラスフレームで形成され、前記車体フレーム(11)は、前面視方形に形成されたピボットプレート(18)を前記メインフレーム(17)に締結して形成されることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の自動二輪車のフットレスト構造。
【請求項10】
前記締結具は、両端にねじが形成されて一端が前記ピボットプレート(18)に締結されるピン(175A)と、該ピン(175A)の他端に締結されるナット(175B)とで構成され、前記取付部(72)を前記ピン(175A)に差し込んだ後、前記ナット(175B)を締結することで前記フットレストブラケット(51)が取り付けられることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車のフットレスト構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−206537(P2012−206537A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71685(P2011−71685)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】