説明

自動二輪車

【課題】ダイナミックダンパを設ける場合のばね下重量の増加を抑制できる自動二輪車を提供する。
【解決手段】車輪8,制動装置9及び車輪支持部材10の既存の構成部品が有する質量及びばね性を利用してダイナミックダンパを構成したので、従来の重りが内蔵されたダイナミックダンパを新たに外付けする場合に比べてばね下重量を小さくすることができ、それだけ路面振動に対する応答性を向上できる。車輪8,制動装置9及び車輪支持部材10の少なくとも何れか1つの構成部品の有する質量及びばね性により前記車輪8の振動を吸収するダイナミックダンパ48を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪と、該車輪を制動する制動装置と、該車輪を支持する車輪支持部材とを備えた自動二輪車に関し、詳細には路面からの振動を吸収するダイナミックダンパに関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車では、例えば、路面からの振動が前輪からフロントフォークを介してライダに伝わるのを抑制する観点から、前記フロントフォークの車軸取付ブラケットに、ケーシング内に重りを軸方向に相対移動可能に配置したダイナミックダンパを取り付ける場合がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−290590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記従来の自動二輪車では、重りが収容されたダイナミックダンパをフロントフォークに外付けする構造を採用しているので、ダイナミックダンパの重量分だけフロントフォークのばね下重量が増加し、それだけ路面振動に対する応答性が悪化するおそれがある。
【0004】
本発明は、前記従来の状況に鑑みてなされたもので、ダイナミックダンパを設ける場合のばね下重量の増加を抑制できる自動二輪車を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、車輪と、該車輪を制動する制動装置と、該車輪を支持する車輪支持部材と、該車輪支持部材が取り付けられた車体フレームとを備えた自動二輪車であって、前記車輪,制動装置及び車輪支持部材の少なくとも何れか1つの構成部品の有する質量及びばね性により前記車輪の振動を吸収するダイナミックダンパを構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る自動二輪車によれば、車輪,制動装置,車輪支持部材の既存の構成部品が有する質量及びばね性を利用してダイナミックダンパを構成したので、従来の重りが内蔵されたダイナミックダンパを新たに外付けする場合に比べてばね下重量を小さくすることができ、それだけ路面振動に対する応答性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0008】
図1ないし図6は、本発明の第1実施形態による自動二輪車を説明するための図である。なお、本実施形態の説明のなかで前後,左右という場合は、特記なき限り、シートに着座した状態で見た場合の前後,左右を意味する。
【0009】
図において、1は自動二輪車を示しており、該自動二輪車1は、車体フレーム2と、該車体フレーム2により懸架支持されたエンジン3と、前記車体フレーム2の前端部及び後端部に配設された前輪8,後輪7とを備えている。
【0010】
前記自動二輪車1は、前記車体フレームのエンジン3の上方に配設された燃料タンク5と、該燃料タンク5の後側に配設された鞍乗型のシート4と、前記車体フレーム2により上下揺動自在に支持されたリヤアーム6と、該リヤアーム6と車体フレーム2との間に介設されたリヤクッション12とを備えている。前記リヤアーム6の後端部に前記後輪7が軸支されている。
【0011】
前記自動二輪車1は、前記前輪8と、該前輪8を制動する前輪制動装置9と、その下端部で前輪8を支持するフロントフォーク(車輪支持部材)10と、該フロントフォーク10が取り付けられた前記車体フレーム2とを備えている。
【0012】
前記フロントフォーク10の上端部には操向ハンドル11が取り付けられている。また前記フロントフォーク10は、前記車体フレーム2の前端部に位置するヘッドパイプ2aにより左右操向自在に支持されている。
【0013】
前記フロントフォーク10は、図2に示すように、左,右のフォーク本体15,15と、該左,右のフォーク本体15,15の上端部,中間部同士を連結する上,下ブラケット16,17と、該上,下ブラケット16,17同士を連結する操向軸18とを有する。
【0014】
該操向軸18が軸受(不図示)を介して前記ヘッドパイプ2aにより軸支されている。これによりフロントフォーク10全体が操向軸18を中心に左右回動自在となっている
前記左,右のフォーク本体15は、アウタチューブ15a内にインナチューブ15bを摺動自在に挿入した構造を有する。前記左,右のフォーク本体15には、 図5に示すように、走行路面から前輪8を介して伝わる上下方向の衝撃力を吸収するダンパ機構20が内蔵されている。
【0015】
該ダンパ機構20は、インナチューブ15b内に配置固定されたシリンダ21と、該シリンダ21内に摺動自在に挿入され、減衰機構を有するピストン22と、該ピストン22に連結され、シリンダ21から上方に延びてアウタチューブ15aに固定されたピストンロッド23と、該ピストンロッド23とシリンダ21とを伸び方向に付勢するコイルばね(不図示)とを有する。
【0016】
前記フロントフォーク10は、アウタチューブ15aが車体フレーム2側に取り付けられ、インナチューブ15bに前輪8が取り付けられた、いわゆる倒立タイプのものである。
【0017】
前記左,右のインナチューブ15bの下端部には、車軸取付ブラケット25,25が取り付けられている。該左,右の車軸取付ブラケット25には、前記前輪8を回転自在に支持する車軸8aがナット26で固定されている。
【0018】
前記前輪8は、タイヤ27とホイール28とを備えている。該ホイール28は、タイヤ27が装着されたリム部28aと、前記車軸8aが挿通され、該車軸8aにより軸受(不図示)を介して回転自在に支持されたハブ部28bと、該ハブ部28bとリム部28aとを連結する径方向に延びる複数本のスポーク部28cとを有する。
【0019】
前記ホイール28は、車幅方向に分割された左,右のホイール半体28′,28′同士を、周方向に所定間隔を開けて配置された複数本の結合ボルト31により一体に結合した構造を有する(図4参照)。
【0020】
前記前輪制動装置9は、前記前輪8に取り付けられたブレーキディスク29と、前記フロントフォーク10に取り付けられたブレーキキャリパ30とを有する。
【0021】
前記ブレーキディスク29は、前記ホイール28のハブ部28bの車幅方向外側端面に複数本のボルト32により固定されている。
【0022】
前記ブレーキキャリパ30は、前記ブレーキディスク29の車両後側縁部に配置された鋳物製のキャリパボディ33と、該キャリパボディ33内に配置された上下2組のピストンユニット34,34を有する。なお、キャリパボディは鋳物製でなくても良い。前記各ピストンユニット34は、前記ブレーキディスク29を挟んで互いに対向するよう配置された対向ピストン34a,34bを有する。該各対向ピストン34a,34bの先端には摩擦部材35が固着されている。
【0023】
前記操向ハンドル11のブレーキレバー(不図示)を操作すると、キャリパボディ33の油圧室33aに油圧が供給され、該油圧により各対向ピストン34a,34bが摩擦部材35,35によりブレーキディスク29を挟持する。これにより前輪8が制動される。
【0024】
前記キャリパボディ33は、前記車軸取付ブラケット25に取り付けられている。より詳細には、車軸取付ブラケット25は、後方に延びるキャリパブラケット部25aを有し、該キャリパブラケット部25aの上,下端部には後取付部25b,25bが形成されている。該上,下の後取付部25bに、上,下ボルト36,36により前記キャリパボディ33の上,下取付ボス部33b,33bが固定されている。
【0025】
前記フロントフォーク10は、減衰力を調整する減衰バルブ40を備えている。該減衰バルブ40は、図3,図5に示すように、前記ダンパ機構20のシリンダ21内に連通する第1通路41aとフォーク本体15内に連通する第2通路41bとを有する鋳物製のハウジング41と、該ハウジング41内に配置され減衰機構を有する減衰部42と、該減衰部42が取り付けられたロッド部43と、該ロッド部43の軸芯部に進退可能に挿入されたニードルバルブ44とを有する。なお、前記ハウジング41は鋳物製でなくても良い。
【0026】
前記第1,第2通路41a,41bは、車軸取付ブラケット25に形成されたスライド孔25d,25d内に摺動可能に挿入されており、該スライド孔25dと第1,第2通路41a,41bとの間にはオーリング25e,25eが介在されている。これにより減衰バルブ40は作動油の洩れを防止しつつフロントフォーク10に対して第1,第2通路41a,41bの軸方向に相対移動可能となっている。
【0027】
前記ニードルバルブ44を進退させることにより減衰力の調整を行う。なお、矢印aは、圧縮行程における作動油の流れを示している。
【0028】
そして前記減衰バルブ40は、フロントフォーク10の車軸取付ブラケット25の前側に取り付けられている。詳細には、前記車軸取付ブラケット25には、2組の支持ボス部25c,25cが形成されている。この支持ボス部25c,25cにゴム板からなる弾性部材49を介在させて前記ハウジング41に形成された2組の固定ボス部41c,41cが固定ボルト46,46により固定されている。なお、51はワッシャである。
【0029】
前記弾性部材49を介在させたことにより、前記減衰バルブ40は、フロントフォーク10に対して、弾性部材49の厚さ方向、つまり車両前後方向、より正確にはフロントフォークの軸線に直角の方向に、あるいは弾性部材49の面に平行な方向に相対移動可能となっている。
【0030】
このようにして、減衰バルブ40の質量及び弾性部材49のばね性に応じた容量を有し、路面から前輪8を介してフロントフォーク10に伝わる振動を減衰させるダイナミックダンパ48が構成されている。
【0031】
本実施形態によれば、フロントフォーク10に取り付けられた減衰バルブ40の有する質量及び弾性部材49の有するばね性を利用してダイナミックダンパ48を構成したので、路面から前輪8,フロントフォーク10,操向ハンドル11を介してライダに伝わる振動を減衰バルブ40が相対移動することで吸収することが可能となり、ライダに与える不快感を抑制できる。
【0032】
この場合、前記ダイナミックダンパ48を、ダンパ質量として機能する減衰バルブ40をフロントフォーク10に対して相対移動可能に取り付けることにより構成したので、従来の重りが内蔵されたダイナミックダンパを新たに外付けする場合に比べてフロントフォーク10のばね下重量を小さくでき、それだけ路面振動に対する応答性を向上できる。
【0033】
また本実施形態では、ダイナミックダンパ48を、減衰バルブ40をフロントフォーク10の車軸取付ブラケット25に、両者25,40の間に弾性部材49を介在させて固定ボルト46により結合することにより構成したので、既存の車体構成部品を有効利用してダイナミックダンパ48を構成でき、従来の別体に形成したダイナミックダンパを外付けする場合に比べてコストの上昇がほとんどなく、しかも外観の悪化を防止できる。
【0034】
なお、前記実施形態では、減衰バルブを車両前側に配設したが、該減衰バルブを車両後側,左右外側に配設しても良い。
【0035】
図7は、本発明の第2実施形態による自動二輪車のダイナミックダンパを説明するための図である。図中、図3と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0036】
本実施形態のダイナミックダンパ55は、ブレーキキャリパ30をフロントフォーク10に対して相対移動可能に取り付けることにより構成されており、詳細には以下の構造を有する。
【0037】
前記ダイナミックダンパ55は、ブレーキキャリパ30のキャリパボディ33の各取付ボス部33bと、フロントフォーク10の車軸取付ブラケット25の各後取付部25bとを、両者25,33の間にゴム製の弾性部材56を介在させて上,下ボルト36により締め付けることで、構成されている。これにより前記ブレーキキャリパ30の質量及び弾性部材56のばね性に応じた容量のダイナミックダンパ55が構成されている。
【0038】
また前記キャリパボディ33の各取付ボス部33bと車軸8aとは、概ねV字形状の連結ブラケット57により連結されている。該連結ブラケット57は、キャリパボディ33の相対移動量を前記ダイナミックダンパとしての相対移動量に規制するためのものである。
【0039】
本第2実施形態によれば、ブレーキキャリパ30をフロントフォーク10に対して相対移動可能に取り付けることにより、ダイナミックダンパ55を構成したので、既存の車体構成部品を有効利用してフロントフォーク10のばね下重量を新たなダイナミックダンパを付加する場合に比較して小さくすることができ、前記実施形態と同様の効果が得られる。
【0040】
図8,図9は、本発明の第3実施形態による自動二輪車のダイナミックダンパを説明するための図である。図中、図3,図4と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0041】
本実施形態のダイナミックダンパ60は、ホイール28のリム部28aの底壁部28eに、リング部材61を周方向に相対移動可能に配設することにより構成されており、詳細には以下の構造を有する。
【0042】
前記リング部材61と左,右のホイール半体28′,28′との間にはオイルシール部材62,62が介設されており、該左,右のホイール半体28′,28′同士の合面にはオイルシール部材63が介設されている。これによりホイール28の底壁部28eとリング部材61との間には油密な作動油室64が形成され、該作動油室64には作動油が充填されている。
【0043】
また、前記リング部材61には、絞り部61aが周方向に所定間隔をあけて形成されている。該各絞り部61aは、前記底壁部28eに僅かな隙間tを設けて対向している。
【0044】
前輪8が回転すると、リング部材61が遅れて相対回転し、前輪8とリング部材61との間の絞り部61aを流れる作動油で減衰力が発生する。これによりリング部材61の質量及び前記作動油の減衰力に応じた容量のダイナミックダンパが構成される。
【0045】
本第3実施形態によれば、ダイナミックダンパ60を、ホイール28の底壁部28eに周方向に相対回転可能に配設されたリング部材61と、該リング部材61に前記底壁部28eに所定隙間tを設けて対向するよう形成された絞り部61aと、リング部材61と底壁部28eとで形成された作動油室64に充填された作動油とで構成したので、既存の車体構成部品を有効利用してフロントフォーク10のばね下重量を小さくしつつ前記実施形態と同様の効果が得られる。
【0046】
図10は、本発明の第4実施形態によるダイナミックダンパを説明するための図である。図中、図9と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0047】
本第4実施形態のダイナミックダンパ65は、ホイール28のハブ部28bの外周部に環状の凹部28fを形成し、該凹部28f内にリング部材66を周方向に相対移動可能に配設することにより構成されており、詳細には以下の構造を有する。
【0048】
前記リング部材66と凹部28fとの間にはオイルシール部材67,67が介設され、該左,右のホイール半体28′のハブ部28b合面にはオイルシール部材68が介設されている。これによりホイール28の凹部28fとリング部材66との間には作動油が充填された作動油室69が形成されている。
【0049】
前記リング部材66には、絞り部66aが周方向に所定間隔をあけて形成され、該各絞り部66aは、前記凹部28fに僅かな隙間tをあけて対向している。
【0050】
本実施形態によれば、ダイナミックダンパ65を、ホイール28のハブ部28bの凹部28fに周方向に相対移動可能に配設されたリング部材66と、該リング部材66に凹部28fに所定隙間tを設けて対向するよう形成された絞り部66aと、リング部材66と凹部28fとで形成された作動油室64に充填された作動油とで構成したので、既存の車体構成部品を有効利用してフロントフォーク10のばね下重量を小さくしつつ前記実施形態と同様の効果が得られる。
【0051】
なお、前記実施形態では、前輪8,前輪制動装置9,フロントフォーク10の何れかの構成部品を利用してダイナミックダンパを構成した場合を説明したが、本発明によれば、後輪,後輪制動装置,リヤアームの何れかの構成部品によりダイナミックダンパを構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1実施形態によるダイナミックダンパを備えた自動二輪車の側面図である。
【図2】前記自動二輪車のフロントフォークの正面図である。
【図3】前記フロントフォークに配置された前輪及び前輪制動装置の側面図である。
【図4】前記前輪制動装置の断面図(図3のIV-IV線断面図)である。
【図5】前記フロントフォークに配置された減衰バルブの断面図である。
【図6】前記ダイナミックダンパを構成する減衰バルブの断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態によるダイナミックダンパを構成するブレーキキャリパの側面図である。
【図8】本発明の第3実施形態によるダイナミックダンパを構成するホイールの側面図である。
【図9】前記ホイールの断面図(図8のIX-IX線断面図)である。
【図10】本発明の第4実施形態によるダイナミックダンパを構成するホイールの断面図である。
【符号の説明】
【0053】
1 自動二輪車
2 車体フレーム
8 前輪
9 前輪制動装置
10 フロントフォーク(車輪支持部材)
27 タイヤ
28 ホイール
28a リム部
28b ハブ部
28c スポーク部
28e 底壁部
29 ブレーキディスク
30 ブレーキキャリパ
36,46 ボルト
40 減衰バルブ
48,55,60,65 ダイナミックダンパ
49,56 弾性部材
61,66 リング部材
61a,66a 絞り部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪と、該車輪を制動する制動装置と、該車輪を支持する車輪支持部材と、該車輪支持部材が取り付けられた車体フレームとを備えた自動二輪車であって、
前記車輪,制動装置及び車輪支持部材の少なくとも何れか1つの構成部品の有する質量及びばね性により前記車輪の振動を吸収するダイナミックダンパを構成したことを特徴とする自動二輪車。
【請求項2】
請求項1に記載の自動二輪車において、
前記ダイナミックダンパは、前記構成部品同士を相対移動可能に結合することにより構成されていることを特徴とする自動二輪車。
【請求項3】
請求項2に記載の自動二輪車において、
前記制動装置は、前記車輪に取り付けられたブレーキディスクと、前記車輪支持部材に取り付けられたブレーキキャリパとを有し、
前記ダイナミックダンパは、前記ブレーキキャリパを前記車輪支持部材に対して相対移動可能に取り付けることにより構成されていることを特徴とする自動二輪車。
【請求項4】
請求項3に記載の自動二輪車において、
前記ブレーキキャリパは、複数本のボルトにより前記車輪支持部材に取り付けられており、
前記ダイナミックダンパは、前記ブレーキキャリパと車輪支持部材との間に弾性部材を介在させて前記ボルトにより締め付けることにより、該ブレーキキャリパをダンパ質量とすることにより構成されていることを特徴とする自動二輪車。
【請求項5】
請求項2に記載の自動二輪車において、
前記車輪支持部材は、車体フレームに固定され、下端部で前記車輪を軸支する前フォークと、該前フォークに取り付けられ、減衰力を調整する減衰バルブとを有し、
前記ダイナミックダンパは、前記減衰バルブを前フォークに対して相対移動可能に取り付けることにより構成されていることを特徴とする自動二輪車。
【請求項6】
請求項5に記載の自動二輪車において、
前記減衰バルブは、複数本のボルトにより前記前フォークに取り付けられており、
前記ダイナミックダンパは、前記減衰バルブと前フォークとの間に弾性部材を介在させて前記ボルトにより締め付けることにより、該減衰バルブをダンパ質量とすることにより構成されていることを特徴とする自動二輪車。
【請求項7】
請求項2に記載の自動二輪車において、
前記車輪は、タイヤと、該タイヤが装着されるリム部と車軸が挿通されるハブ部とをスポーク部で連結してなるホイールとを有し、
前記ダイナミックダンパは、前記ホイールのリム部の底壁部に周方向に相対移動可能に配設することにより構成されていることを特徴とする自動二輪車。
【請求項8】
請求項7に記載の自動二輪車において、
前記ダイナミックダンパは、前記リム部の底壁部に周方向に相対回転自在に配設されダンパ質量となるリング部材と、
該リング部材の周方向に所定間隔をあけて形成され、前記底壁部に所定の隙間を設けて対向するよう延びる絞り部と、
前記リング部材と底壁部との間に充填された作動油とで構成されていることを特徴とする自動二輪車。
【請求項9】
請求項2に記載の自動二輪車において、
前記車輪は、タイヤと、該タイヤが装着されるリム部と車軸が挿通されるハブ部とをスポーク部で連結してなるホイールとを有し、
前記ダイナミックダンパは、前記ホイールのハブ部の外周部に周方向に相対移動可能に配設することにより構成されていることを特徴とする自動二輪車。
【請求項10】
請求項9に記載の自動二輪車において、
前記ダイナミックダンパは、前記外周部に相対回転自在に配設されダンパ質量となるリング部材と、
該リング部材の周方向に所定間隔をあけて形成され、前記外周部に所定の隙間を設けて対向するよう延びる絞り部と、
前記リング部材と外周部との間に充填された作動油とで構成されていることを特徴とする自動二輪車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−292358(P2009−292358A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−149029(P2008−149029)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】