自動原稿搬送装置、画像読取装置及び複合装置並びに画像情報読取方法
【課題】原稿集積部に排出される原稿をページ順に揃えつつ、原稿と読取部とが接触する回数を低減できる自動原稿搬送装置を提供すること。
【解決手段】両面原稿(原稿)Pが載置される原稿載置部(原稿トレイ)1と、原稿載置部1に載置された両面原稿Pを搬出する搬出部2と、搬出部2から両面原稿Pに記された画像情報を読み取る読取位置に至る第1搬送路31と、読取位置で画像情報が読み取られた両面原稿Pが排出される原稿集積部(排出トレイ)7と、第1搬送路31から分岐し両面原稿Pを反転させてから第1搬送路31に合流する第1反転機構(第2搬送路32、第3搬送路33、第1原稿反転路36、第1スイッチバックローラ41)と、第1搬送路31に連続し、片面の前記画像情報が読み取られた両面原稿Pを反転させてから再び前記第1搬送路に導く第2反転機構(第5搬送路35、第2スイッチバックローラ42)を備えたこと。
【解決手段】両面原稿(原稿)Pが載置される原稿載置部(原稿トレイ)1と、原稿載置部1に載置された両面原稿Pを搬出する搬出部2と、搬出部2から両面原稿Pに記された画像情報を読み取る読取位置に至る第1搬送路31と、読取位置で画像情報が読み取られた両面原稿Pが排出される原稿集積部(排出トレイ)7と、第1搬送路31から分岐し両面原稿Pを反転させてから第1搬送路31に合流する第1反転機構(第2搬送路32、第3搬送路33、第1原稿反転路36、第1スイッチバックローラ41)と、第1搬送路31に連続し、片面の前記画像情報が読み取られた両面原稿Pを反転させてから再び前記第1搬送路に導く第2反転機構(第5搬送路35、第2スイッチバックローラ42)を備えたこと。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動原稿搬送装置、画像読取装置及び複合装置並びに画像情報読取方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の画像読取装置では、原稿の両面に記された文字や図形などの画像情報を読み取る場合、読取部により原稿の表面を読み取った後で当該原稿をスイッチバックさせることにより、原稿の表裏を反転させて、原稿の裏面を読み取っていた。
【0003】
なお、原稿の表面とは、「原稿載置部に載置された状態で上側に位置する面」のことをいい、原稿の裏面とは、「原稿載置部に載置された状態で下側に位置する面」のことをいう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−64359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、画像読取装置の原稿載置部に載置された原稿を最上から送り出す場合において、原稿集積部に排出される原稿のページ順を揃えるためには、原稿集積部に排出された状態で原稿の表面を下側にする必要がある。
【0006】
しかし、特許文献1では、原稿の両面を読み取った後で原稿の表面が上側になっており、原稿をページ順に揃えるために当該原稿をスイッチバックし、原稿の表裏を反転させて、原稿の表面を下側にしてから原稿集積部に排出している。
したがって、原稿が読取部を再度通過するため、その分原稿と読取部とが接触する回数が増加して、読取部を構成するプラテンガラスが汚れるという問題があった。
【0007】
本発明はこのような観点から創案されたものであり、原稿集積部に排出される原稿をページ順に揃えつつ、原稿と読取部とが接触する回数を低減できる自動原稿搬送装置を提供することを課題とする。
また、前記自動原稿搬送装置を備えた画像読取装置及び複合装置を提供することを課題とする。
さらに、排出トレイに排出される原稿をページ順に揃えつつ、原稿と読取部とが接触する回数を低減できる画像情報読取方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため本発明は、両面原稿が載置される原稿載置部と、前記原稿載置部に載置された両面原稿を搬出する搬出部と、前記搬出部から前記両面原稿に記された画像情報を読み取る読取位置に至る第1搬送路と、前記読取位置で前記画像情報が読み取られた両面原稿が排出される原稿集積部と、前記第1搬送路から分岐し、前記両面原稿を反転させてから前記第1搬送路に合流する第1反転機構と、前記第1搬送路に連続し、片面の前記画像情報が読み取られた前記両面原稿を反転させてから再び前記第1搬送路に導く第2反転機構と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、原稿載置部から搬出された原稿が、第1搬送路から第1反転機構に搬送され、当該第1反転機構で反転されてから第1搬送路を介して読取位置に搬送されることによって、最初に原稿の表面を上側にしたまま、原稿の裏面(又は表面)に記された画像情報を読み取ることができる。また、当該読み取られた原稿が、第2反転機構に搬送され、当該第2反転機構で反転されることによって、原稿の表裏が反転して、原稿の表面が下側になり、原稿の表面(又は裏面)に記された画像情報を読み取ることができる。つまり、原稿の両面を読み取み終えたときに、原稿の表面が下側に位置することになり、この状態のまま原稿集積部に排出されることになる。したがって、原稿集積部に排出される原稿をページ順に揃えるために、原稿が読取位置を再度通過する必要がなく、原稿と読取部とが接触する回数を低減できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、原稿集積部に排出される原稿をページ順に揃えつつ、原稿と読取部とが接触する回数を低減できる自動原稿搬送装置、この自動原稿搬送装置を備えた画像読取装置及び複合装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1実施形態に係る画像読取装置を備えた複合装置の全体構成を説明するための説明図である。
【図2】第1実施形態に係る画像読取装置の構成を示す縦断面図である。
【図3】第1実施形態に係る画像読取装置の構成を説明するための説明図である。
【図4】第1実施形態に係る画像読取装置の両面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【図5】第1実施形態に係る画像読取装置の両面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【図6】第1実施形態に係る画像読取装置の両面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【図7】第1実施形態に係る画像読取装置の片面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【図8】第2実施形態に係る画像読取装置の構成を示す縦断面図である。
【図9】第2実施形態に係る画像読取装置の構成を説明するための説明図である。
【図10】第2実施形態に係る画像読取装置の両面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【図11】第2実施形態に係る画像読取装置の両面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【図12】第2実施形態に係る画像読取装置の両面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【図13】第2実施形態に係る画像読取装置の片面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【図14】第3実施形態に係る画像読取装置の構成を示す縦断面図である。
【図15】第3実施形態に係る画像読取装置の構成を説明するための説明図である。
【図16】第3実施形態に係る画像読取装置の両面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【図17】第3実施形態に係る画像読取装置の両面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【図18】第3実施形態に係る画像読取装置の両面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
続いて、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像読取装置を備えた複合装置の全体構成を説明するための説明図である。
【0013】
(第1実施形態)
複合装置Aは、画像読取装置100と、画像形成装置200とから構成される。また、画像読取装置100は、自動原稿搬送装置100Aと、原稿読取装置100Bとから構成される。
【0014】
画像形成装置200は、図1に示すように、第1記録用紙トレイ201〜第3記録用紙トレイ203と、4つの現像装置204〜207と、各現像装置204〜207に設けられたLEDヘッド208〜211と、転写ベルト212と、定着器213と、スタッカーカバー214と、複数のローラとから主に構成されている。なお、第1記録用紙トレイ201〜第3記録用紙トレイ203は、印刷用媒体(例えば紙など)を収容する役割を果たし、互いに異なるサイズの印刷用媒体を収容する。現像装置204はブラック(K)のトナーを有し、現像装置205はイエロー(Y)のトナーを有し、現像装置206はマゼンタ(M)のトナーを有し、現像装置207はシアン(C)のトナーを有する。また、各現像装置204〜207には、トナーカートリッジが付属されている。さらに、本実施形態のスタッカーカバー214には、フェイスダウンスタッカが用いられている。
【0015】
次に、画像形成装置200の現像プロセスについて説明する。
印刷指令が出されると、第1記録用紙トレイ201〜第3記録用紙トレイ203の何れかから所望のサイズに合った印刷用媒体が矢印2a(2b、2c)方向へ送り出されて、転写ベルト212(矢印2d方向)へ搬送される。
そして、LEDヘッド208〜211が現像装置204〜207に設けられた感光体ドラムの表面を露光することで、静電潜像が形成される。
また、転写ベルト212により印刷用媒体に画像が転写されてから、転写された画像の印刷用媒体への定着が定着器213により行われる。
ここで、片面印刷の場合には、印刷用媒体がスタッカーカバー214(矢印2e方向)に排出される。
一方、両面印刷の場合には、矢印2f〜2h方向へ印刷用媒体が搬送されることで、印刷用媒体が反転して、前に印刷された面と反対側の面が印刷されることになる。
そして、印刷された印刷用媒体の表面が下側(下向き)になるようにスタッカーカバー214に排出される。
なお、印刷用媒体の表面とは、「第1記録用紙トレイ201〜第3記録用紙トレイ203に載置された状態で上側に位置する面」のことをいう。
【0016】
次に、複合装置Aの読み取り及び印刷プロセスについて説明する。なお、表面に1ページ目が記され且つ裏面に2ページ目が記された原稿と、表面に3ページ目が記された原稿(合計3ページ分)を読み取り、当該原稿に記された画像情報を印刷用媒体に印刷する場合について説明する。
原稿に記された画像情報は、原稿読取装置100Bに設けられた読取センサ63(図2参照)によって読み取られ、図示しない画像記憶部に画像データが一旦記憶される。
そして、画像形成装置200が、画像記憶部に記憶された画像データに基づき、まず印刷用媒体の表面に2ページ目の印刷を行った後、矢印2f〜2h方向へ印刷用媒体が搬送されることで、印刷用媒体の表裏が反転して、印刷用媒体の裏面に1ページ目が印刷される。
1ページ目が印刷された後に、印刷用媒体がスタッカーカバー214(矢印2e方向)に排出される。このとき、印刷用媒体は、1ページ目が下側になるようにスタッカーカバー214に排出される。
次に、別の印刷用媒体の表面に3ページ目の印刷を行った後、当該別の印刷用媒体がスタッカーカバー214(矢印2e方向)に排出される。このとき、別の印刷用媒体は、3ページ目が下側になるようにスタッカーカバー214に排出される。
以上のように、原稿のページ順が揃ってスタッカーカバー214に排出されることになる。
【0017】
次に、本発明の第1実施形態に係る画像読取装置100について、適宜図面を用いて詳細に説明する。図2は、第1実施形態に係る画像読取装置の構成を示す縦断面図である。
画像読取装置100は、原稿Pに記された文字や図形などの画像情報を読み取るための装置であり、図2に示すように、原稿トレイ1と、搬出部2と、搬送路3と、原稿反転部4と、駆動部5と、読取部6と、排出トレイ7とを主に備えて構成されている。
【0018】
原稿載置部としての原稿トレイ1は、原稿Pを載置する役割を果たす。原稿トレイ1は、平面視矩形状を呈し、その載置面(底面)が原稿Pを載置可能な大きさ(面積)に形成されている。原稿トレイ1は、排出トレイ7の上方において、筐体外部に露出するように配置されている。当該原稿トレイ1の底部外側には、原稿トレイ1に載置される原稿Pの有無を検知するための原稿有無検知センサ1aが設けられている。
【0019】
搬出部2は、原稿トレイ1に載置された原稿Pを一枚ずつ分離して、搬送路3内に一枚ずつ搬出する役割を果たす。搬出部2は、ピックアップローラ21と、分離ローラ22と、分離パッド23とから構成される。
【0020】
ピックアップローラ21は、原稿トレイ1から分離ローラ22及び分離パッド23に向けて原稿Pを送り出す役割を果たす。ピックアップローラ21は、円柱状を呈し、回転自在に軸支されている。ピックアップローラ21は、その外周面が原稿トレイ1に載置された原稿Pの先端側(一端側)に当接するように原稿トレイ1の上方に配置されている。
【0021】
分離ローラ22は、円柱状を呈し、回転自在に軸支されている。分離ローラ22の下側には、分離ローラ22の外周面に当接するように分離パッド23が配置されている。当該分離パッド23を配置することにより、複数の原稿Pが原稿トレイ1から送り出されたときに、最上に位置する原稿Pと、当該最上に位置する原稿Pより下側に位置する原稿Pとの間に摩擦が生じるため、下側に位置する原稿Pが搬送路3に搬出されるのを阻止することができる。そして、分離ローラ22に当接する最上に位置する原稿Pが、分離ローラ22の回転により搬送路3内に送り出されることになる。
【0022】
搬送路3は、第1搬送路31〜第5搬送路35と、第1原稿反転路36とから構成される。
【0023】
第1搬送路31は、分離ローラ22に連続して配置され、当該分離ローラ22の下流から読取部6に至るまでの経路を形成する。当該第1搬送路31の上流側には、分離ローラ22及び分離パッド23により分離された原稿Pの先端(始端)及び後端(終端)を検知するための第1原稿検知センサ31aが配置されている。
【0024】
第1反転機構を構成する第2搬送路32は、第1搬送路31の途中から分岐され、第1搬送路31と第1原稿反転路36とを繋ぎ、第1搬送路31内を搬送されてくる原稿Pを第1原稿反転路36内に導く役割を果たす。第2搬送路32は、当該分岐点から第1スイッチバックローラ41に至るまでの経路を形成する。
【0025】
第1搬送路31と第2搬送路32との分岐点には、第1切り替え手段としての第1切り替え部材37が配置されている。当該第1切り替え部材37は、図示しない制御部によって、当該分岐点から読取部6までの経路と、第2搬送路32とを切り替えるように制御されている。つまり、第1切り替え部材37は、第2搬送路32を遮断して原稿Pを読取部6に導くとともに、第1搬送路31を遮断して原稿Pを第2搬送路32に導く役割を果たす。第1切り替え部材37は、回転自在に軸支され、図示しないストッパ部と接触する図示しない係止部材を有する。すなわち、筐体内の適所には、第1切り替え部材37が回転した際の移動を規制するストッパ部が設けられており、当該ストッパ部に第1切り替え部材37の係止部材が接触するとともに、後記するトルクリミッタ52が第1切り替え部材37へのトルクの伝達を遮断することで、第1切り替え部材37が所定の位置で停止(固定)するように構成されている。
【0026】
第1反転機構を構成する第1原稿反転路36は、原稿Pの読み取り前に原稿Pを反転させる役割を果たす。第1原稿反転路36は、第1搬送路31の上方に配置されており、第2搬送路32に連続して形成されている。第1原稿反転路36の終端(末端)は、筐体外部に露出している。これによって、原稿Pの搬送方向の長さが第1原稿反転路36の搬送方向の長さよりも長い場合にも当該原稿Pを好適にスイッチバックさせることができる。
【0027】
第1反転機構を構成する第3搬送路33は、第2搬送路32の途中から分岐され、第2搬送路32を経由して、第1原稿反転路36から搬送されてくる原稿Pを第1搬送路31の下流側(読取部6側)へ導く役割を果たす。第3搬送路33は、当該分岐点から第1搬送路31との合流点に至るまでの経路を形成する。
【0028】
第4搬送路34は、第1搬送路31の下流(読取部6側端部)から連続して形成され、読取部6の下流から排出トレイ7に至るまでの経路を形成する。第4搬送路34は、読取部6の下流から第5搬送路35との分岐点に至るまでの正搬送路34aと、当該正搬送路34aに連続して形成され、第5搬送路35との分岐点から排出トレイ7に至るまでの第2原稿反転路34bとから構成される。
【0029】
第2反転機構を構成する第5搬送路35は、第4搬送路34の途中から分岐され、後記する第2スイッチバックローラ42により戻されてきた原稿Pを再度第1搬送路31の下流側(読取部6側)に導く役割を果たす。第5搬送路35は、当該分岐点から第1搬送路31との合流点に至るまでの経路を形成する。
【0030】
第4搬送路34と第5搬送路35との分岐点には、第2切り替え手段としての第2切り替え部材38が配置されている。当該第2切り替え部材38は、前記分岐点から排出トレイ7に至るまでの経路と、第5搬送路35とを切り替える役割を果たす。第2切り替え部材38は、その自重によって、第4搬送路34の正搬送路34aを遮断する(塞ぐ)ように構成されている。そして、読取部6側から原稿Pが第2スイッチバックローラ42に向かうときには、原稿Pにより第2切り替え部材38が押しのけられ(押し広げられ)、原稿Pの末端が第2切り替え部材38を通過すると、その自重によって元の位置に戻る。また、第2スイッチバックローラ42により戻されてきた原稿Pが第5搬送路35に向かうときには、第2切り替え部材38はその自重によって第4搬送路34の正搬送路34aを遮断しているため、第5搬送路35内に原稿Pを好適に導くことができる。
【0031】
原稿反転部4は、第1スイッチバックローラ41と、第2スイッチバックローラ42とから構成される。
【0032】
第1反転機構を構成する第1原稿反転部としての第1スイッチバックローラ41は、第2搬送路32から搬送されてきた原稿Pを第1原稿反転路36内に送り出すとともに、第1原稿反転路36内に送り出した原稿Pをスイッチバックして第3搬送路33内に送り出す役割を果たす。第1スイッチバックローラ41は、第2搬送路32と第1原稿反転路36との間に配置され、第1搬送ローラ41aと、第1プレッシャローラ41bとから構成される。
【0033】
第1搬送ローラ41aは、正逆方向に回動可能に軸支され、図示しないギヤ列を介して、駆動部5の第1搬送モータ51に接続されている。そして、第1搬送ローラ41aが時計方向に回転すると、原稿Pが第2搬送路32内から第1原稿反転路36内に搬送され、第1搬送ローラ41aが反時計方向に回転すると、原稿Pが第1原稿反転路36内から第3搬送路33内に搬送される構成になっている。
【0034】
第1プレッシャローラ41bは、第1搬送ローラ41aに対向配置されている。第1プレッシャローラ41bには、当該第1プレッシャローラ41bを第1搬送ローラ41a側に向けて付勢する図示しない付勢部材が設けられている。すなわち、第1プレッシャローラ41bは、当該第1プレッシャローラ41bと第1搬送ローラ41aとの間を通過する原稿Pを第1搬送ローラ41aに圧接する役割を果たす。
【0035】
第2反転機構を構成する第2原稿反転部としての第2スイッチバックローラ42は、読取部6側から搬送されてきた原稿Pをスイッチバックして第5搬送路35内に送り出すとともに、再度読取部6から搬送されてきた原稿Pを排出トレイ7に排出する役割を果たす。第2スイッチバックローラ42は、第4搬送路34の末端(排出トレイ7の入り口付近)に配置され、第2搬送ローラ42aと、第2プレッシャローラ42bとから構成される。
【0036】
第2搬送ローラ42aは、正逆方向に回動可能に軸支され、図示しないギヤ列を介して、駆動部5の第2搬送モータ53に接続されている。当該第2搬送ローラ42aが反時計方向に回転すると、原稿Pが第4搬送路34内から第5搬送路35内に搬送され、第2搬送ローラ42aが時計方向に回転すると、原稿Pが第4搬送路34内から排出トレイ7に排出される構成になっている。
【0037】
第2プレッシャローラ42bは、第2搬送ローラ42aに対向配置されている。第2プレッシャローラ42bには、当該第2プレッシャローラ42bを第2搬送ローラ42a側に向けて付勢する図示しない付勢部材が設けられている。すなわち、第2プレッシャローラ42bは、当該第2プレッシャローラ42bと第2搬送ローラ42aとの間を通過する原稿Pを第2搬送ローラ42aに圧接する役割を果たす。
【0038】
駆動部5は、第1搬送モータ51と、トルクリミッタ52と、第2搬送モータ53と、電磁クラッチ54と、ワンウェイ機構55とから主に構成される。
【0039】
第1搬送モータ51は、第1スイッチバックローラ41の第1搬送ローラ41a、スキャンローラ8の第3搬送ローラ8a及び第1切り替え部材37に駆動力(回転力)を付与する役割を果たす。また、第1スイッチバックローラ41とスキャンローラ8とは、略等速で原稿Pを搬送できるように図示しないギヤ列を介して連結されている。
【0040】
トルクリミッタ52は、第1搬送モータ51と第1切り替え部材37との間に配置され、二部材間に所定以上のトルクが作用した場合に、当該トルクの伝達を遮断する役割を果たす。すなわち、トルクリミッタ52は、第1搬送モータ51の回転によって受ける力が、第1切り替え部材37の係止部材がストッパ部に接触することで第1切り替え部材37から受ける力よりも大きい場合に空転する。そして、第1切り替え部材37の係止部材がストッパ部に接触するとともに、トルクリミッタ52が第1切り替え部材37へのトルクの伝達を遮断することで、第1切り替え部材37が所定の位置で固定される。
【0041】
第2搬送モータ53は、第2スイッチバックローラ42の第2搬送ローラ42a、ピックアップローラ21及び分離ローラ22に駆動力(回転力)を付与する役割を果たす。また、第2スイッチバックローラ42、ピックアップローラ21及び分離ローラ22は、互いに図示しないギヤ列を介して連結されている。
【0042】
クラッチ手段としての電磁クラッチ54は、第2搬送モータ53と、ピックアップローラ21及び分離ローラ22との間に配置されている。なお、本実施形態では、当該電磁クラッチ54に電力が供給されているときに、第2搬送モータ53の駆動力がピックアップローラ21及び分離ローラ22に伝達されるように設定されている。
【0043】
ワンウェイ機構55は、ピックアップローラ21及び分離ローラ22に各々設けられている。ワンウェイ機構55は、ピックアップローラ21及び分離ローラ22の図示しない駆動伝達軸を固定したときに、原稿Pを上流側に搬送する方向(時計方向)にピックアップローラ21及び分離ローラ22を空転させる役割を果たす。
【0044】
原稿読取装置100Bの一部を構成する読取部6は、原稿Pに記された文字や図形などの画像情報を読み取る役割を果たす。読取部6は、第1搬送路31と第4搬送路34との間(読取位置)に配置されるとともに、筐体底部に形成された開口部から筐体内に臨んで配置されている。読取部6は、プラテンガラス61と、ペーパーガイド62と、読取センサ63とから構成される。
【0045】
プラテンガラス61は、図示しない光源から原稿Pに向けて照射された光が、原稿Pに当たり反射した反射光を縮小投影する役割を果たす。
ペーパーガイド62は、プラテンガラス61の上方に対向配置され、当該ペーパーガイド62とプラテンガラス61との間を通過する原稿Pをプラテンガラス61に押し付ける役割を果たす。
読取センサ63は、プラテンガラス61を挟んでペーパーガイド62と反対側に配置され、プラテンガラス61が縮小投影した反射光を光電変換し、映像信号として電気的出力を行う役割を果たす。
【0046】
また、第1搬送路31の下流側(読取部6側)には、スキャンローラ8と、第2原稿検知センサ9とが配置されている。
【0047】
スキャンローラ8は、読取部6に原稿Pを一定速度で搬送する役割を果たす。スキャンローラ8は、第3搬送ローラ8aと、第3プレッシャローラ8bとから構成される。第3搬送ローラ8aは、正逆方向に回動自在に軸支され、図示しないギヤ列を介して、駆動部5の第1搬送モータ51に接続されている。当該第3搬送ローラ8aが反時計方向に回転すると、原稿Pが読取部6側に向かって搬送される構成になっている。
【0048】
第3プレッシャローラ8bは、第3搬送ローラ8aに対向配置されている。第3プレッシャローラ8bには、当該第3プレッシャローラ8bを第3搬送ローラ8a側に向けて付勢する図示しない付勢部材が設けられている。すなわち、第3プレッシャローラ8bは、当該第3プレッシャローラ8bと第3搬送ローラ8aとの間を通過する原稿Pを第3搬送ローラ8aに圧接する役割を果たす。
【0049】
第2原稿検知センサ9は、スキャンローラ8と読取部6との間に配置され、原稿Pの通過の有無を検知する役割を果たす。すなわち、第2原稿検知センサ9が原稿Pの先端を検知すると、図示しない制御部が、当該検知結果に基づき、原稿Pの先端を検知してから所定量搬送後に読取部6により読み取り処理を行うように制御する。
【0050】
原稿集積部としての排出トレイ7は、搬送路3内を搬送されてきた原稿Pを載置する役割を果たす。排出トレイ7は、平面視矩形状を呈し、その載置面(底面)が原稿Pを載置可能な大きさ(面積)に形成されている。排出トレイ7は、原稿トレイ1の下方に配置されるとともに、筐体外部に露出するように配置されている。
【0051】
なお、画像読取装置100は、第1搬送モータ51、第2搬送モータ53、電磁クラッチ54及び各センサに電気的に接続された制御部を有し、当該制御部が第1搬送モータ51、第2搬送モータ53及び電磁クラッチ54の駆動開始及び駆動停止を制御するとともに、各センサの検知結果を取得して、読み取り処理などを制御する。
【0052】
ここで、図3を参照して、本実施形態の画像読取装置100について更に詳細に説明する。なお、図3は、第1実施形態に係る画像読取装置の構成を説明するための説明図である。
【0053】
図3に示すように、第2スイッチバックローラ42を起点として、第5搬送路35、読取部6及び第4搬送路34を通過して、第2スイッチバックローラ42を終点とするループ状の搬送路の長さをL1(mm)とし、第1搬送路31と第2搬送路32との分岐点を起点として、第1スイッチバックローラ41を終点とする搬送路の長さをL2(mm)とし、第1スイッチバックローラ41を起点として、第1搬送路31と第3搬送路33との合流点を終点とする搬送路の長さをL3(mm)としたときに、L1>L2+L3の関係が満たされるように第1スイッチバックローラ41、第2スイッチバックローラ42及び第1搬送路31〜第5搬送路35が配置されている。
【0054】
次に、図4乃至図6を参照して、原稿Pの両面を読み取る動作の原稿搬送手順について説明する。なお、図4乃至図6は、第1実施形態に係る画像読取装置の両面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【0055】
まず、図示しない制御部が、原稿Pの両面を読み取る指令を取得すると、電磁クラッチ54に電力が供給された後、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53が駆動される(図2参照)。
このとき、制御部が、第1搬送モータ51を時計方向に回転させることで、第1搬送モータ51に接続された第1スイッチバックローラ41、スキャンローラ8及び第1切り替え部材37が時計方向に回転する(図4(a)参照)。
そして、第1切り替え部材37は、第1搬送路31を遮断した状態で停止する。
また、制御部が、第2搬送モータ53を時計方向に回転させることで、第2搬送モータ53に接続されたピックアップローラ21、分離ローラ22及び第2スイッチバックローラ42が時計方向に回転する(図4(a)参照)。
そして、ピックアップローラ21が時計方向に回転すると、原稿トレイ1に載置された原稿Pが分離ローラ22及び分離パッド23に向かって送り出される(図4(a)参照)。
【0056】
次に、送り出された原稿Pは、分離ローラ22及び分離パッド23との間を通過する際に1枚に分離され、分離された原稿Pは、第1搬送路31内に送り出される(図4(a)参照)。
第1搬送路31内に送り出された原稿Pは、第1原稿検知センサ31aの上方を通過して第1切り替え部材37に向かって搬送される(図4(a)参照)。
そして、第1切り替え部材37が第1搬送路31を遮断しているため、原稿Pは第1搬送路31内から第2搬送路32内に搬送されるとともに、第1スイッチバックローラ41に向かって搬送される(図4(b)参照)。
なお、制御部は、第1原稿検知センサ31aが原稿Pの先端を検知すると、原稿Pの先端が第1スイッチバックローラ41に到達するまで所定量搬送する処理を行う。また、制御部は、電磁クラッチ54への電力の供給を停止して、ピックアップローラ21及び分離ローラ22を停止して、次の原稿の搬送処理を行わないように制御する。
【0057】
次に、原稿Pが第1スイッチバックローラ41に到達すると、第1スイッチバックローラ41が時計方向に回転しているため、当該第1スイッチバックローラ41により原稿Pが第1原稿反転路36内に送り出される(図4(b)参照)。
なお、制御部は、第1原稿検知センサ31aが原稿Pの後端を検知すると、所定量搬送する処理を行った後、第1搬送モータ51の駆動を一旦停止して、第1搬送モータ51を反時計方向(逆方向)に回転する。
そして、第1スイッチバックローラ41が反時計方向に回転するため、原稿Pが第1原稿反転路36内から第3搬送路33内に送り出される(図4(c)参照)。
第3搬送路33内に送り出された原稿Pは、スキャンローラ8に向かって第1搬送路31内に搬送される(図4(c)参照)。
そして、原稿Pがスキャンローラ8に到達すると、スキャンローラ8が反時計方向に回転しているため、当該スキャンローラ8により読取部6に向かって送り出される(図4(c)参照)。
【0058】
次に、読取部6に向かって送り出された原稿Pは、第2原稿検知センサ9の上方を通過して、読取部6に搬送される(図4(c)参照)。
なお、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの先端を検知すると、所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの読み取り処理を開始する制御を行う。
そして、読取部6に搬送された原稿Pは、原稿トレイ1に載置された状態で下側に位置する面の画像情報を読み取られて、第4搬送路34の正搬送路34a内に搬送される(図5(a)参照)。
第4搬送路34の正搬送路34a内に搬送された原稿Pは、第2切り替え部材38を押しのけて、第2スイッチバックローラ42に向かって第4搬送路34の第2原稿反転路34b内に搬送される(図5(a)参照)。
そして、第2スイッチバックローラ42に到達した原稿Pの後端側が、第2スイッチバックローラ42に狭持された状態で、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53が停止する。
なお、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの後端を検知すると、原稿Pを所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの画像情報を読み取る処理を終了するとともに、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を停止する。
【0059】
次に、制御部が、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を反時計方向に回転させる。
第2搬送モータ53が反時計方向に回転することで、第2スイッチバックローラ42により狭持されていた原稿Pが、第4搬送路34の第2原稿反転路34b内から第5搬送路35内に送り出される(図5(b)参照)。このとき、第2切り替え部材38がその自重によって第4搬送路34の正搬送路34aを遮断しているため、原稿Pは第4搬送路34の第2原稿反転路34bから第5搬送路35内に好適に送り出される(図5(b)参照)。
そして、第5搬送路35内に送り出された原稿Pは、スキャンローラ8の上流側に向かって第1搬送路31内に搬送される(図5(c)参照)。
第1搬送路31内に搬送された原稿Pが、スキャンローラ8に到達すると、スキャンローラ8が反時計方向に回転しているため、当該スキャンローラ8により読取部6に向かって送り出される(図5(c)参照)。
読取部6に向かって送り出された原稿Pは、第2原稿検知センサ9の上方を通過して、読取部6に搬送される(図5(c)参照)。
なお、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの先端を検知すると、所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの画像情報を読み取る処理を開始する。
【0060】
次に、読取部6に搬送された原稿Pは、原稿トレイ1に載置された状態で上側に位置する面の画像情報を読み取られて、第4搬送路34の正搬送路34a内に搬送される(図5(c)参照)。このとき、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの後端を検知すると、原稿Pを所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの画像情報を読み取る処理を終了する。
第4搬送路34の正搬送路34a内に搬送された原稿Pは、第2切り替え部材38を押しのけて、第2スイッチバックローラ42に向かって第4搬送路34の第2原稿反転路34b内に搬送される(図6(a)参照)。
このとき、制御部は、読み取り処理開始から原稿Pの先端が第2スイッチバックローラ42に到達するまでの搬送量を算出して、原稿Pの先端が第2スイッチバックローラ42に到達する直前に第2搬送モータ53を一旦停止し、第2搬送モータ53を時計方向に回転させる。
【0061】
そして、原稿Pが第2スイッチバックローラ42に到達すると、第2スイッチバックローラ42が時計方向に回転しているため、排出トレイ7内に排出される(図6(a)参照)。
【0062】
なお、次回の原稿P’が原稿トレイ1に載置されている場合には、原稿Pが排出トレイ7に排出されると同時に、原稿トレイ1に載置された原稿Pが分離ローラ22及び分離パッド23に向かって送り出されることになる。すなわち、第2搬送モータ53が時計方向に回転することで、第2スイッチバックローラ42、ピックアップローラ21及び分離ローラ22が時計方向に回転するため、原稿Pを排出しつつ、原稿P’を第1搬送路31内に送り出すことが可能となる。
そして、原稿トレイ1内に載置された原稿が無くなるまで上記動作が繰り返し行われる。また、原稿有無検知センサ1aが原稿トレイ1内に原稿が残っていないことを検知すると、制御部が、最後の原稿が第2スイッチバックローラ42を通過するまで所定量搬送する処理を行った後、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を停止して、原稿の両面を読み取る動作が終了する。
【0063】
次に、図7を参照して、原稿Pの片面を読み取る動作の原稿搬送手順について説明する。なお、図7は、第1実施形態に係る画像読取装置の片面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【0064】
まず、図示しない制御部が、原稿Pの片面を読み取る指令を取得すると、電磁クラッチ54に電力が供給された後、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53が駆動される(図2参照)。
このとき、制御部が、第1搬送モータ51を反時計方向に回転させることで、第1搬送モータ51に接続された第1スイッチバックローラ41、スキャンローラ8及び第1切り替え部材37が反時計方向に回転する(図7(a)参照)。
そして、第1切り替え部材37は、第2搬送路32を遮断した状態で停止する。
また、制御部が、第2搬送モータ53を時計方向に回転させることで、第2搬送モータ53に接続されたピックアップローラ21、分離ローラ22及び第2スイッチバックローラ42が時計方向に回転する(図7(a)参照)。
そして、ピックアップローラ21が時計方向に回転すると、原稿トレイ1に載置された原稿Pが分離ローラ22及び分離パッド23に向かって送り出される(図7(a)参照)。
【0065】
次に、送り出された原稿Pは、分離ローラ22及び分離パッド23との間を通過する際に1枚に分離され、分離された原稿Pは、第1搬送路31内に送り出される(図7(a)参照)。
第1搬送路31内に送り出された原稿Pは、第1原稿検知センサ31aの上方を通過して第1切り替え部材37に向かって搬送される(図7(a)参照)。
そして、第1切り替え部材37が第2搬送路32を遮断しているため、原稿Pはスキャンローラ8に向かって第1搬送路31内を搬送される(図7(b)参照)。
【0066】
次に、原稿Pがスキャンローラ8に到達すると、スキャンローラ8が反時計方向に回転しているため、当該スキャンローラ8により読取部6に向かって送り出される(図7(b)参照)。
読取部6に向かって送り出された原稿Pは、第2原稿検知センサ9の上方を通過して、読取部6に搬送される(図7(b)参照)。
なお、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの先端を検知すると、所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの読み取り処理を開始する制御を行う。
そして、読取部6に搬送された原稿Pは、原稿トレイ1に載置された状態で上側に位置する面の画像情報を読み取られて、第4搬送路34の正搬送路34a内に搬送される(図7(b)参照)。
第4搬送路34の正搬送路34a内に搬送された原稿Pは、第2切り替え部材38を押しのけて、第2スイッチバックローラ42に向かって第4搬送路34の第2原稿反転路34b内に搬送される(図7(b)参照)。
このとき、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの後端を検知すると、原稿Pを所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの画像情報を読み取る処理を終了する。
そして、原稿Pが第2スイッチバックローラ42に到達すると、第2スイッチバックローラ42が時計方向に回転しているため、排出トレイ7内に排出される(図7(c)参照)。
【0067】
なお、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの後端を検知すると、原稿有無検知センサ1aの検知結果に基づき、原稿トレイ1に原稿が載置されているか否かを判定する。原稿トレイ1に原稿が載置されていると判定されたときには、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を回転し続けるとともに、電磁クラッチ54へ電力を供給し続ける。そして、原稿トレイ1内に載置された原稿が無くなるまで上記動作が繰り返し行われる。また、原稿トレイ1に原稿が載置されていないと判定されたときには、原稿Pが第2スイッチバックローラ42を通過するまで所定量搬送する処理を行った後、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を停止するとともに、電磁クラッチ54への電力の供給を停止する。
以上の工程を経て、原稿の片面を読み取る動作が終了する。
【0068】
ここで、本実施形態では、ピックアップローラ21及び分離ローラ22の回転速度が、第2スイッチバックローラ42の回転速度より遅くなるようにギヤ比が設定されている。そのため、スキャンローラ8の回転速度と第2スイッチバックローラ42の回転速度が略等速になるように第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を駆動させたときに、ピックアップローラ21及び分離ローラ22の回転速度が、スキャンローラ8の回転速度よりも遅くなる。したがって、原稿Pの片面を読み取るときは、原稿Pの先端がスキャンローラ8に狭持されると同時に、ピックアップローラ21及び分離ローラ22に搬送されていた原稿Pの後端がスキャンローラ8側に引っ張られて、ピックアップローラ21及び分離ローラ22が駆動軸に対して空転することになる。そして、原稿Pの後端がピックアップローラ21及び分離ローラ22から搬出されて、駆動軸からの駆動伝達が再開すると、次の原稿P’が搬送されるが、上記のようにピックアップローラ21及び分離ローラ22の回転速度をスキャンローラ8の回転速度よりも遅くすることにより、スキャンローラ8に狭持されるまでは次の原稿P’の搬送速度が遅くなる。そのため、原稿Pと次の原稿P’との搬送間隔が広がり、原稿間の距離を好適に確保することが可能となり、ひいては原稿同士が搬送中に接触することを阻止することができる。
【0069】
以上説明した第1実施形態によれば、原稿トレイ1から搬出された原稿Pが、第1搬送路31から第2搬送路32を介して第1原稿反転路36に搬送され、当該第1原稿反転路36で反転されてから第3搬送路33及び第1搬送路31を介して読取部6に搬送されることによって、原稿Pの表面を上側にしたまま、原稿Pの裏面に記された画像情報を最初に読み取ることができる。また、当該読み取られた原稿Pが、第4搬送路34の正搬送路34aを介して第2原稿反転路34bに搬送され、当該第2原稿反転路34bでスイッチバックして、第5搬送路35及び第1搬送路31を介して読取部6に搬送されることによって、原稿Pの表裏が反転して、原稿Pの表面が下側になり、原稿Pの上面に記された画像情報を読み取ることができる。つまり、原稿Pの両面を読み取み終えたときに、原稿Pの表面が下側に位置することになり、この状態のまま排出トレイ7に排出されることになる。したがって、排出トレイ7に排出される原稿Pをページ順に揃えるために、原稿Pが読取部6を再度通過する必要がなく、その分原稿Pと読取部6とが接触する回数を低減でき、ひいてはプラテンガラス61の汚れを最小限に抑制できる。
【0070】
また、第2スイッチバックローラ42を起点として、第5搬送路35、読取部6及び第4搬送路34を通過して、第2スイッチバックローラ42を終点とするループ状の搬送路の長さをL1(mm)とし、第1搬送路31と第2搬送路32との分岐点を起点として、第1スイッチバックローラ41を終点とする搬送路の長さをL2(mm)とし、第1スイッチバックローラ41を起点として、第1搬送路31と第3搬送路33との合流点を終点とする搬送路の長さをL3(mm)としたときに、L1>L2+L3の関係が満たされるようにすることによって、原稿Pの両面を読み取るときに原稿Pを搬送する距離を短縮することができる。したがって、原稿の1枚当たりの所要処理時間を短縮することが可能となり、ひいては画像情報読み取りの生産性を向上させることができる。
さらに、原稿Pの両面に記された画像情報を読み取り、画像形成装置200が両面印刷を行うときには、排出後のページ順を揃えるため、印刷媒体の裏面から印刷を開始する。したがって、本実施形態のように原稿Pの裏面から読み取りを行うと、読み取った画像データのページ入れ替え処理が不要となり、ページ順を最適化するために必要とされる画像記憶のためのメモリ量を低減できる。
【0071】
(第2実施形態)
次に、本発明の画像読取装置100の第2実施形態について、図8を参照して説明する。なお、図8は、本発明の第2実施形態に係る画像読取装置の全体構成を示す縦断面図である。また、第2実施形態に係る画像読取装置100の説明においては、第1実施形態に係る画像読取装置と重複する部分については、説明を省略する。
【0072】
第2実施形態の搬送路3は、第1搬送路31〜第4搬送路34と、第1原稿反転路36とから構成される。
【0073】
第1搬送路31は、分離ローラ22に連続して配置され、当該分離ローラ22の下流から読取部6に至るまでの経路を形成する。
【0074】
第1反転機構を構成する第2搬送路32は、第1搬送路31の途中から分岐され、第1搬送路31内を搬送されてくる原稿Pを第1原稿反転路36内に導く役割を果たす。第2搬送路32は、当該分岐点から第1搬送路31の下流側に合流するまでの経路を形成する。第2搬送路32の下流側は、搬送方向上向きに傾斜するように形成されている。当該第2搬送路32には、分離ローラ22及び分離パッド23により分離された原稿Pの先端(始端)及び後端(終端)を検知するための第1原稿検知センサ32aが配置されている。
【0075】
第1搬送路31と第2搬送路32との分岐点には、第1反転機構を構成する第1切り替え手段としての第1切り替え部材37が配置されている。当該第1切り替え部材37は、図示しない制御部によって、当該分岐点から読取部6までの経路と、第2搬送路32とを切り替えるように制御されている。つまり、第1切り替え部材37は、第2搬送路32を遮断して原稿Pを読取部6に導くとともに、第1搬送路31を遮断して原稿Pを第2搬送路32内に導く役割を果たす。
【0076】
第3搬送路33は、第1搬送路31の下流(読取部6側端部)から連続して形成され、読取部6の下流から排出トレイ7に至るまでの経路を形成する。第3搬送路33は、読取部6の下流から第4搬送路34との分岐点に至るまでの正搬送路33aと、当該正搬送路33aに連続して形成され、第4搬送路34との分岐点から排出トレイ7に至るまでの第2原稿反転路33bとから構成される。
【0077】
第2反転機構を構成する第4搬送路34は、第3搬送路33の途中から分岐され、第2スイッチバックローラ42により戻されてきた原稿Pを再度第1搬送路31の上流側に導く役割を果たす。第4搬送路34は、当該分岐点から第1搬送路31との合流点に至るまでの経路を形成する。
【0078】
第3搬送路33と第4搬送路34との分岐点には、第2反転機構を構成する第2切り替え手段としての第2切り替え部材38が配置されている。当該第2切り替え部材38は、前記分岐点から排出トレイ7に至るまでの経路と、第4搬送路34とを切り替える役割を果たす。第2切り替え部材38は、その自重によって、第3搬送路33の正搬送路33aを遮断する(塞ぐ)ように構成されている。そして、読取部6側から搬送されてきた原稿Pが第2スイッチバックローラ42に向かうときには、第2切り替え部材38は原稿Pにより押しのけられて(押し広げられて)、第3搬送路33の正搬送路33aを遮断する状態を解除し、原稿Pの末端が第2切り替え部材38を通過すると、その自重によって元の位置に戻る。また、第2スイッチバックローラ42により戻されてきた原稿Pが第4搬送路34に向かうときには、第2切り替え部材38はその自重によって第3搬送路33の正搬送路33aを遮断しているため、第4搬送路34内に原稿Pを好適に導くことができる。
【0079】
第1反転機構を構成する第1原稿反転部としての第1スイッチバックローラ41は、第1搬送路31に配置されている。すなわち、第1スイッチバックローラ41は、第1搬送路31において、第1搬送路31と第1原稿反転路36の分岐点と、第1搬送路31と第2搬送路32の合流点との間に配置されている。
【0080】
第2反転機構を構成する第2原稿反転部としての第2スイッチバックローラ42は、第3搬送路33の末端(排出トレイ7の入り口付近)に配置されている。
【0081】
ここで、図9を参照して、第2実施形態の画像読取装置100について更に詳細に説明する。なお、図9は、第2実施形態に係る画像読取装置の構成を説明するための説明図である。
【0082】
図9に示すように、本実施形態では、第2スイッチバックローラ42を起点として、第4搬送路34、第1スイッチバックローラ41、読取部6及び第3搬送路33を通過して、第2スイッチバックローラ42を終点とするループ状の搬送路の長さをL4(mm)とし、第1搬送路31と第2搬送路32との分岐点を起点として、第2搬送路32を通過して、第1スイッチバックローラ41を終点とする搬送路の長さをL5(mm)としたときに、L4>L5の関係が満たされるように第2搬送路32が配置されている。
【0083】
次に、図10乃至図12を参照して、原稿Pの両面を読み取る動作の原稿搬送手順について説明する。なお、図10乃至図12は、第2実施形態に係る画像読取装置の両面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【0084】
まず、図示しない制御部が、原稿Pの両面を読み取る指令を取得すると、電磁クラッチ54に電力が供給された後、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53が駆動される(図8参照)。
このとき、制御部が、第1搬送モータ51を時計方向に回転させることで、第1搬送モータ51に接続された第1スイッチバックローラ41及びスキャンローラ8が時計方向に回転する(図10(a)参照)。
そして、第1切り替え部材37は、第1搬送路31を遮断した状態で停止する。
また、制御部が、第2搬送モータ53を時計方向に回転させることで、第2搬送モータ53に接続されたピックアップローラ21、分離ローラ22及び第2スイッチバックローラ42が時計方向に回転する(図10(a)参照)。
そして、ピックアップローラ21が時計方向に回転すると、原稿トレイ1に載置された原稿Pが分離ローラ22及び分離パッド23に向かって送り出される(図10(a)参照)。
【0085】
次に、送り出された原稿Pは、分離ローラ22及び分離パッド23との間を通過する際に1枚に分離され、分離された原稿Pは、第1搬送路31内に送り出される(図10(a)参照)。
第1搬送路31内に送り出された原稿Pは、第1切り替え部材37に向かって搬送される(図10(a)参照)。
そして、第1切り替え部材37が第1搬送路31を遮断しているため、原稿Pは第1搬送路31内から第2搬送路32内に搬送されるとともに、第1原稿検知センサ32aの上方を通過して第1スイッチバックローラ41に向かって搬送される(図10(b)参照)。
なお、制御部は、第1原稿検知センサ32aが原稿Pの先端を検知すると、原稿Pの先端が第1スイッチバックローラ41に到達するまで所定量搬送する処理を行う。また、制御部は、電磁クラッチ54への電力供給を停止して、ピックアップローラ21及び分離ローラ22を停止して、次の原稿の搬送処理を行わないように制御する。
【0086】
次に、原稿Pが第1スイッチバックローラ41に到達すると、第1スイッチバックローラ41が時計方向に回転しているため、当該第1スイッチバックローラ41により原稿Pが第1原稿反転路36に送り出される(図10(b)参照)。
なお、制御部は、第1原稿検知センサ32aが原稿Pの後端を検知すると、所定量搬送する処理を行った後、第1搬送モータ51の駆動を一旦停止して、第1搬送モータ51を反時計方向(逆方向)に回転する。
そして、第1スイッチバックローラ41が反時計方向に回転するため、原稿Pが第1原稿反転路36内からスキャンローラ8に向かって第1搬送路31内に搬送される(図10(c)参照)。
そして、原稿Pがスキャンローラ8に到達すると、スキャンローラ8が反時計方向に回転しているため、当該スキャンローラ8により読取部6に向かって送り出される(図10(c)参照)。
【0087】
次に、読取部6に向かって送り出された原稿Pは、第2原稿検知センサ9の上方を通過して、読取部6に搬送される(図10(c)参照)。
なお、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの先端を検知すると、所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの読み取り処理を開始する制御を行う。
そして、読取部6に搬送された原稿Pは、原稿トレイ1に載置された状態で下側に位置する面の画像情報を読み取られて、第3搬送路33の正搬送路33a内に搬送される(図11(a)参照)。
第3搬送路33の正搬送路33a内に搬送された原稿Pは、第2切り替え部材38を押しのけて、第2スイッチバックローラ42に向かって第3搬送路33の第2原稿反転路33b内に搬送される(図11(a)参照)。
そして、第2スイッチバックローラ42に到達した原稿Pの後端側が、第2スイッチバックローラ42に狭持された状態で、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53が停止する。
なお、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの後端を検知すると、原稿Pを所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの画像情報を読み取る処理を終了するとともに、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を停止する。
【0088】
次に、制御部が、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を反時計方向に回転させる。
第2搬送モータ53が反時計方向に回転することで、第2スイッチバックローラ42により狭持されていた原稿Pが、第3搬送路33の第2原稿反転路33b内から第4搬送路34内に送り出される(図11(b)参照)。このとき、第2切り替え部材38がその自重によって第3搬送路33の正搬送路33aを遮断しているため、原稿Pは第3搬送路33の第2原稿反転路33b内から第4搬送路34内に好適に送り出される(図11(b)参照)。
そして、第4搬送路34内に送り出された原稿Pは、スキャンローラ8の上流側に向かって第1搬送路31内を搬送される(図11(c)参照)。
第1搬送路31内に搬送された原稿Pが、スキャンローラ8に到達すると、スキャンローラ8が反時計方向に回転しているため、当該スキャンローラ8により読取部6に向かって送り出される(図11(c)参照)。
読取部6に向かって送り出された原稿Pは、第2原稿検知センサ9の上方を通過して、読取部6に搬送される(図11(c)参照)。
なお、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの先端を検知すると、所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの画像情報を読み取る処理を開始する。
【0089】
次に、読取部6に搬送された原稿Pは、原稿トレイ1に載置された状態で上側に位置する面の画像情報を読み取られて、第3搬送路33の正搬送路33a内に搬送される(図11(c)参照)。このとき、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの後端を検知すると、原稿Pを所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの画像情報を読み取る処理を終了する。
第3搬送路33の正搬送路33a内に搬送された原稿Pは、第2切り替え部材38を押しのけて、第2スイッチバックローラ42に向かって第3搬送路33の第2原稿反転路33b内に搬送される(図12(a)参照)。
このとき、制御部は、読み取り処理開始から原稿Pの先端が第2スイッチバックローラ42に到達するまでの搬送量を算出して、原稿Pの先端が第2スイッチバックローラ42に到達する直前に第2搬送モータ53を一旦停止し、第2搬送モータ53を時計方向に回転する。
【0090】
そして、原稿Pが第2スイッチバックローラ42に到達すると、第2スイッチバックローラ42が時計方向に回転しているため、排出トレイ7内に排出される(図12(a)参照)。
【0091】
なお、制御部は、原稿有無検知センサ1aの検知結果に基づき、原稿トレイ1に原稿が載置されているか否かを判定する。原稿トレイ1に原稿が載置されていると判定されたときには、読み取り終了直後に第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を停止させ、電磁クラッチ54へ電力を供給した後に、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を時計方向に回転させる。そして、原稿Pが排出されつつ、次の原稿P’が第1搬送路31内に送り出される。原稿トレイ1内に載置された原稿が無くなるまで上記動作が繰り返し行われる。また、原稿トレイ1に原稿が載置されていないと判定されたときには、原稿Pが第2スイッチバックローラ42を通過し終わるまで所定量搬送する処理を行った後、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を停止するとともに、電磁クラッチ54への電力の供給を停止する。
以上の工程を経て、原稿の両面を読み取る動作が終了する。
【0092】
次に、図13を参照して、原稿Pの片面を読み取る動作の原稿搬送手順について説明する。なお、図13は、第2実施形態に係る画像読取装置の片面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【0093】
まず、図示しない制御部が、原稿Pの片面を読み取る指令を取得すると、電磁クラッチ54に電力が供給された後、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53が駆動される(図8参照)。
このとき、制御部が、第1搬送モータ51を反時計方向に回転させることで、第1搬送モータ51に接続された第1スイッチバックローラ41及びスキャンローラ8が反時計方向に回転する(図13(a)参照)。
そして、第1切り替え部材37は、第2搬送路32を遮断した状態で停止する。
また、制御部が、第2搬送モータ53を時計方向に回転することで、第2搬送モータ53に接続されたピックアップローラ21、分離ローラ22及び第2スイッチバックローラ42が時計方向に回転する(図13(a)参照)。
そして、ピックアップローラ21が時計方向に回転すると、原稿トレイ1に載置された原稿Pが分離ローラ22及び分離パッド23に向かって送り出される(図13(a)参照)。
【0094】
次に、送り出された原稿Pは、分離ローラ22及び分離パッド23との間を通過する際に1枚に分離され、分離された原稿Pは、第1搬送路31内に送り出される(図13(a)参照)。
第1搬送路31内に送り出された原稿Pは、第1切り替え部材37に向かって搬送される(図13(a)参照)。
そして、第1切り替え部材37が第2搬送路32を遮断しているため、第1スイッチバックローラ41に向かって搬送される(図13(a)参照)。
【0095】
次に、原稿Pが第1スイッチバックローラ41に到達すると、第1スイッチバックローラ41が反時計方向に回転しているため、当該第1スイッチバックローラ41によりスキャンローラ8に向かって送り出される(図13(b)参照)。
そして、原稿Pがスキャンローラ8に到達すると、スキャンローラ8が反時計方向に回転しているため、当該スキャンローラ8により読取部6に向かって送り出される(図13(b)参照)。
読取部6に向かって送り出された原稿Pは、第2原稿検知センサ9の上方を通過して、読取部6に搬送される(図13(b)参照)。
なお、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの先端を検知すると、所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの読み取り処理を開始する制御を行う。
そして、読取部6に搬送された原稿Pは、原稿トレイ1に載置された状態で上側に位置する面の画像情報を読み取られて、第3搬送路33の正搬送路33a内に搬送される(図13(b)参照)。
第3搬送路33の正搬送路33a内に搬送された原稿Pは、第2切り替え部材38を押しのけて、第2スイッチバックローラ42に向かって第3搬送路33の第2原稿反転路33b内に搬送される(図13(b)参照)。このとき、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの後端を検知すると、原稿Pを所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの画像情報を読み取る処理を終了する。
そして、原稿Pが第2スイッチバックローラ42に到達すると、第2スイッチバックローラ42が時計方向に回転しているため、排出トレイ7内に排出される(図13(c)参照)。
【0096】
制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの後端を検知すると、原稿有無検知センサ1aの検知結果に基づき、原稿トレイ1に原稿が載置されているか否かを判定する。原稿トレイ1に原稿が載置されていると判定されたときには、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を回転し続けるとともに、電磁クラッチ54へ電力を供給し続ける。そして、原稿トレイ1内に載置された原稿が無くなるまで上記動作が繰り返し行われる。また、原稿トレイ1に原稿が載置されていないと判定されたときには、原稿Pが第2スイッチバックローラ42を通過するまで所定量搬送する処理を行った後、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を停止するとともに、電磁クラッチ54への電力供給を停止する。
以上の工程を経て、原稿の片面を読み取る動作が終了する。
【0097】
以上説明した第2実施形態によれば、前記した第1実施形態と略同等の作用効果を奏することができる。
本実施形態によれば、原稿トレイ1から搬出された原稿Pが、第1搬送路31から第2搬送路32を介して第1原稿反転路36に搬送され、当該第1原稿反転路36で反転されてから第1搬送路31を介して読取部6に搬送されることによって、原稿Pの表面を上側にしたまま、原稿Pの裏面に記された画像情報を最初に読み取ることができる。また、当該読み取られた原稿Pが、第3搬送路33の正搬送路33aを介して第2原稿反転路33bに搬送され、当該第2原稿反転路33bでスイッチバックして、第4搬送路34及び第1搬送路31を介して読取部6に搬送されることによって、原稿Pの表裏が反転して、原稿Pの表面が下側になり、原稿Pの上面に記された画像情報を読み取ることができる。つまり、原稿Pの両面を読み取み終えたときに、原稿Pの表面が下側に位置することになり、この状態のまま排出トレイ7に排出されることになる。したがって、排出トレイ7に排出される原稿Pをページ順に揃えるために、原稿Pが読取部6を再度通過する必要がなく、その分原稿Pと読取部6とが接触する回数を低減でき、ひいてはプラテンガラス61の汚れを最小限に抑制できる。
また、本実施形態によれば、第2スイッチバックローラ42を起点として、第4搬送路34、第1スイッチバックローラ41、読取部6及び第3搬送路33を通過して、第2スイッチバックローラ42を終点とするループ状の搬送路の長さをL4(mm)とし、第1搬送路31と第2搬送路32との分岐点を起点として、第2搬送路32を通過して、第1スイッチバックローラ41を終点とする搬送路の長さをL5(mm)としたときに、L4>L5の関係が満たされることによって、原稿Pの両面を読み取るときに原稿Pを搬送する距離を短縮することができる。したがって、原稿の1枚当たりの所要処理時間を短縮することが可能となり、ひいては画像情報読み取りの生産性を向上させることができる。
【0098】
(第3実施形態)
次に、本発明の画像読取装置100の第3実施形態について、図14を参照して説明する。なお、図14は、本発明の第3実施形態に係る画像読取装置の全体構成を示す縦断面図である。また、第3実施形態に係る画像読取装置100の説明においては、第1実施形態に係る画像読取装置と重複する部分については、説明を省略する。
【0099】
本実施形態では、図14に示すように、電磁クラッチ56が、第1搬送モータ51と第1スイッチバックローラ41との間に配置されている。そして、当該電磁クラッチ56に電力が供給されているときに、第1搬送モータ51の駆動力が第1スイッチバックローラ41に伝達されるように設定されている。
【0100】
ここで、図15を参照して、第3実施形態の画像読取装置100について更に詳細に説明する。なお、図15は、第3実施形態に係る画像読取装置の構成を説明するための説明図である。
【0101】
図15に示すように、本実施形態では、ピックアップローラ21を起点として、分離ローラ22、第1搬送路31及び第2搬送路32を通過して、第1スイッチバックローラ41を終点とするループ状の搬送路の長さをL6(mm)とし、スキャンローラ8を起点として、読取部6及び第4搬送路34を通過して、第2スイッチバックローラ42を終点とする搬送路の長さをL7(mm)とし、分離ローラ22の周速をVh(mm/s)とし、スキャンローラ8の周速をVs(mm/s)としたときに、L7/Vs>L6/Vhの関係が満たされるようにピックアップローラ21、分離ローラ22、スキャンローラ8、第1スイッチバックローラ41、第2スイッチバックローラ42、第1搬送路31、第2搬送路32及び第4搬送路34が配置されている。
【0102】
次に、図16乃至図18を参照して、原稿Pの両面を読み取る動作の原稿搬送手順について説明する。なお、図16乃至図18は、第3実施形態に係る画像読取装置の両面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【0103】
まず、図示しない制御部が、原稿Pの両面を読み取る指令を取得すると、電磁クラッチ54及び電磁クラッチ56に電力が供給された後、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53が駆動される(図14参照)。
このとき、制御部が、第1搬送モータ51を時計方向に回転させることで、第1搬送モータ51に接続された第1スイッチバックローラ41、スキャンローラ8及び第1切り替え部材37が時計方向に回転する(図16(a)参照)。
そして、第1切り替え部材37は、時計方向に回転することにより、第1搬送路31を遮断した状態で停止する(図16(a)参照)。
また、制御部が、第2搬送モータ53を時計方向に回転させることで、第2搬送モータ53に接続されたピックアップローラ21、分離ローラ22及び第2スイッチバックローラ42が時計方向に回転する(図16(a)参照)。
そして、ピックアップローラ21が時計方向に回転すると、原稿トレイ1に載置された原稿Pが分離ローラ22及び分離パッド23に向かって送り出される(図16(a)参照)。
【0104】
次に、送り出された原稿Pは、分離ローラ22及び分離パッド23との間を通過する際に1枚に分離され、分離された原稿Pは、第1搬送路31内に送り出される(図16(a)参照)。
第1搬送路31内に送り出された原稿Pは、第1原稿検知センサ31aの上方を通過して第1切り替え部材37に向かって搬送される(図16(a)参照)。
そして、第1切り替え部材37が第1搬送路31を遮断しているため、原稿Pは第1搬送路31内から第2搬送路32内に搬送されるとともに、第1スイッチバックローラ41に向かって搬送される(図16(a)参照)。
なお、制御部は、第1原稿検知センサ31aが原稿Pの先端を検知すると、原稿Pの先端が第1スイッチバックローラ41に到達するまで所定量搬送する処理を行う。そして、制御部は、電磁クラッチ54への電力の供給を停止して、ピックアップローラ21及び分離ローラ22を停止し、次の原稿の搬送処理を行わないように制御する(図16(b)参照)。
【0105】
次に、原稿Pが第1スイッチバックローラ41に到達すると、第1スイッチバックローラ41が時計方向に回転しているため、当該第1スイッチバックローラ41により原稿Pが第1原稿反転路36内に送り出される(図16(b)参照)。
なお、制御部は、第1原稿検知センサ31aが原稿Pの後端を検知すると、所定量搬送する処理を行った後、第1搬送モータ51の駆動を一旦停止して、第1搬送モータ51を反時計方向(逆方向)に回転する。
そして、第1スイッチバックローラ41が反時計方向に回転するため、原稿Pが第1原稿反転路36内から第3搬送路33内に送り出される(図16(c)参照)。
第3搬送路33内に送り出された原稿Pは、スキャンローラ8に向かって第1搬送路31内に搬送される(図16(c)参照)。
そして、原稿Pがスキャンローラ8に到達すると、スキャンローラ8が反時計方向に回転しているため、当該スキャンローラ8により読取部6に向かって送り出される(図16(c)参照)。
【0106】
次に、読取部6に向かって送り出された原稿Pは、第2原稿検知センサ9の上方を通過して、読取部6に搬送される(図16(c)参照)。
なお、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの先端を検知すると、所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの読み取り処理を開始する制御を行う。
そして、読取部6に搬送された原稿Pは、原稿トレイ1に載置された状態で下側に位置する面の画像情報を読み取られて、第4搬送路34の正搬送路34a内に搬送される(図17(a))。
【0107】
ここで、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの後端を検知すると、原稿有無検知センサ1aの検知結果に基づき、原稿トレイ1に原稿が載置されているか否かを判定する。
そして、原稿トレイ1に原稿が載置されていると判定されたときには、第2搬送モータ53を時計方向に回転するとともに、電磁クラッチ54に電力を供給して、ピックアップローラ21を時計方向に回転させる。これによって、原稿トレイ1に載置された原稿P’が分離ローラ22及び分離パッド23に向かって送り出される(図17(a))。
また、制御部は、第1原稿検知センサ31aが原稿P’の先端を検知すると、原稿P’の先端が第1スイッチバックローラ41に到達するまで所定量搬送するように制御を行うとともに、電磁クラッチ54への電力の供給を停止して、ピックアップローラ21及び分離ローラ22の回転を停止する(図17(b)参照)。
【0108】
一方、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの後端を検知すると、原稿Pを所定量搬送するように制御を行った後に、原稿Pの画像情報を読み取る処理を終了する。
また、制御部は、原稿Pの後端が第2切り替え部材38を通過するまで所定量搬送するように制御を行う。
【0109】
そして、制御部が、第2搬送モータ53を停止し、原稿Pの後端側が第2スイッチバックローラ42に狭持されたときに、原稿P’の先端は第1スイッチバックローラ41まで到達する(図17(b)参照)。また、原稿Pの後端側が第2スイッチバックローラ42に狭持され、原稿Pの搬送が一旦停止した状態で、第1スイッチバックローラ41により原稿P’が第1原稿反転路36内に向かって送り出される(図17(b)参照)。
【0110】
制御部は、第1原稿検知センサ31aが原稿P’の後端を検知すると、所定量搬送するように制御を行った後、第1搬送モータ51を停止するとともに、電磁クラッチ56への電力の供給を停止する。そのため、第1スイッチバックローラ41の回転が停止して、原稿P’が第1スイッチバックローラ41に狭持され、原稿P’の搬送が一旦停止する。
続いて、制御部が、原稿P’の搬送を停止したまま、第1搬送モータ51を反時計方向に回転させるとともに、第2搬送モータ53を反時計方向に回転させる。
第2搬送モータ53が反時計方向に回転されることで、第2スイッチバックローラ42により狭持されていた原稿Pが、第4搬送路34の第2原稿反転路34b内から第5搬送路35内に送り出される(図17(c)参照)。このとき、第2切り替え部材38がその自重によって第4搬送路34の正搬送路34aを遮断しているため、原稿Pは第4搬送路34の第2原稿反転路34bから第5搬送路35内に好適に送り出される。
そして、第5搬送路35内に送り出された原稿Pは、スキャンローラ8の上流側に向かって第1搬送路31内に搬送される(図18(a)参照)。
第1搬送路31内に搬送された原稿Pが、スキャンローラ8に到達すると、スキャンローラ8が時計方向に回転しているため、当該スキャンローラ8により読取部6に向かって送り出される(図18(a)参照)。
【0111】
読取部6に向かって送り出された原稿Pは、第2原稿検知センサ9の上方を通過して、読取部6に搬送される(図18(a)参照)。
制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの先端を検知すると、所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの画像情報を読み取る処理を開始する。
そして、読取部6に搬送された原稿Pは、原稿トレイ1に載置された状態で上側に位置する面の画像情報を読み取られて、第4搬送路34の正搬送路34a内に搬送される(図18(a)参照)。制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの後端を検知すると、原稿Pを所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの画像情報を読み取る処理を終了する。
第4搬送路34の正搬送路34a内に搬送された原稿Pは、第2切り替え部材38を押しのけて、第2スイッチバックローラ42に向かって第4搬送路34の第2原稿反転路34b内に搬送される(図18(b)参照)。
このとき、制御部は、読み取り処理開始から原稿Pの先端が第2スイッチバックローラ42に到達するまでの搬送量を算出して、原稿Pの先端が第2スイッチバックローラ42に到達する直前に第2搬送モータ53を停止し、第2搬送モータ53を時計方向に回転させる。
【0112】
そして、原稿Pが第2スイッチバックローラ42に到達すると、第2スイッチバックローラ42が時計方向に回転しているため、排出トレイ7内に排出される(図18(b)参照)。
【0113】
ここで、原稿P’は、原稿Pの両面の読み取り処理が終了するまで第1スイッチバックローラ41に狭持された状態で待機しており(図17(c)及び図18(a)参照)、原稿Pの読み取り処理が終了すると同時に電磁クラッチ56に電力が供給され、第1スイッチバックローラ41が反時計方向に回転することにより、第1原稿反転路36内から第1搬送路31内に送り出される(図18(b)参照)。したがって、原稿Pを排出トレイ7内に排出しつつ、次の原稿P’を読取部6に向かって搬送することができる(図18(b)参照)。
【0114】
なお、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿P’の後端を検知すると、原稿有無検知センサ1aの検知結果に基づき、原稿トレイ1に原稿が載置されているか否かを判定する。原稿トレイ1に原稿が載置されていると判定されたときには、原稿トレイ1内に載置された原稿が無くなるまで上記動作が繰り返し行われる。また、原稿トレイ1に原稿が載置されていないと判定されたときには、原稿P’が第2スイッチバックローラ42を通過し終わるまで所定量搬送する処理を行った後、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を停止させるとともに、電磁クラッチ54及び電磁クラッチ56への電力の供給を停止する。
以上の工程を経て、原稿の両面を読み取る動作が終了する。
【0115】
以上説明した第3実施形態によれば、前記した第1実施形態と略同等の作用効果を奏することができる。
また、本実施形態によれば、ピックアップローラ21を起点として、分離ローラ22、第1搬送路31及び第2搬送路32を通過して、第1スイッチバックローラ41を終点とするループ状の搬送路の長さをL6(mm)とし、スキャンローラ8を起点として、読取部6及び第4搬送路34を通過して、第2スイッチバックローラ42を終点とする搬送路の長さをL7(mm)とし、分離ローラ22の周速をVh(mm/s)とし、スキャンローラ8の周速をVs(mm/s)としたときに、L7/Vs>L6/Vhの関係が満たされることによって、原稿の両面を読み取るときに前原稿の読み取りと次の原稿の搬出を同時に行うことができるため、原稿の1枚当たりの所要処理時間を短縮することが可能となり、ひいては画像情報読み取りの生産性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0116】
1 原稿トレイ(原稿載置部)
2 搬出部
3 搬送路
31 第1搬送路
32 第2搬送路
33 第3搬送路
33a 正搬送路
33b 第2原稿反転路
34 第4搬送路
34a 正搬送路
34b 第2原稿反転路
35 第5搬送路
36 第1原稿反転路
37 第1切り替え部材(第1切り替え手段)
38 第2切り替え部材(第2切り替え手段)
4 原稿反転部
41 第1スイッチバックローラ(第1原稿反転部)
42 第2スイッチバックローラ(第2原稿反転部)
5 駆動部
6 読取部
61 プラテンガラス
63 読取センサ
7 排出トレイ(原稿集積部)
8 スキャンローラ
A 複合装置
100 画像読取装置
100A 自動原稿搬送装置
100B 原稿読取装置
200 画像形成装置
P 原稿
P’ 原稿
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動原稿搬送装置、画像読取装置及び複合装置並びに画像情報読取方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の画像読取装置では、原稿の両面に記された文字や図形などの画像情報を読み取る場合、読取部により原稿の表面を読み取った後で当該原稿をスイッチバックさせることにより、原稿の表裏を反転させて、原稿の裏面を読み取っていた。
【0003】
なお、原稿の表面とは、「原稿載置部に載置された状態で上側に位置する面」のことをいい、原稿の裏面とは、「原稿載置部に載置された状態で下側に位置する面」のことをいう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−64359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、画像読取装置の原稿載置部に載置された原稿を最上から送り出す場合において、原稿集積部に排出される原稿のページ順を揃えるためには、原稿集積部に排出された状態で原稿の表面を下側にする必要がある。
【0006】
しかし、特許文献1では、原稿の両面を読み取った後で原稿の表面が上側になっており、原稿をページ順に揃えるために当該原稿をスイッチバックし、原稿の表裏を反転させて、原稿の表面を下側にしてから原稿集積部に排出している。
したがって、原稿が読取部を再度通過するため、その分原稿と読取部とが接触する回数が増加して、読取部を構成するプラテンガラスが汚れるという問題があった。
【0007】
本発明はこのような観点から創案されたものであり、原稿集積部に排出される原稿をページ順に揃えつつ、原稿と読取部とが接触する回数を低減できる自動原稿搬送装置を提供することを課題とする。
また、前記自動原稿搬送装置を備えた画像読取装置及び複合装置を提供することを課題とする。
さらに、排出トレイに排出される原稿をページ順に揃えつつ、原稿と読取部とが接触する回数を低減できる画像情報読取方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため本発明は、両面原稿が載置される原稿載置部と、前記原稿載置部に載置された両面原稿を搬出する搬出部と、前記搬出部から前記両面原稿に記された画像情報を読み取る読取位置に至る第1搬送路と、前記読取位置で前記画像情報が読み取られた両面原稿が排出される原稿集積部と、前記第1搬送路から分岐し、前記両面原稿を反転させてから前記第1搬送路に合流する第1反転機構と、前記第1搬送路に連続し、片面の前記画像情報が読み取られた前記両面原稿を反転させてから再び前記第1搬送路に導く第2反転機構と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、原稿載置部から搬出された原稿が、第1搬送路から第1反転機構に搬送され、当該第1反転機構で反転されてから第1搬送路を介して読取位置に搬送されることによって、最初に原稿の表面を上側にしたまま、原稿の裏面(又は表面)に記された画像情報を読み取ることができる。また、当該読み取られた原稿が、第2反転機構に搬送され、当該第2反転機構で反転されることによって、原稿の表裏が反転して、原稿の表面が下側になり、原稿の表面(又は裏面)に記された画像情報を読み取ることができる。つまり、原稿の両面を読み取み終えたときに、原稿の表面が下側に位置することになり、この状態のまま原稿集積部に排出されることになる。したがって、原稿集積部に排出される原稿をページ順に揃えるために、原稿が読取位置を再度通過する必要がなく、原稿と読取部とが接触する回数を低減できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、原稿集積部に排出される原稿をページ順に揃えつつ、原稿と読取部とが接触する回数を低減できる自動原稿搬送装置、この自動原稿搬送装置を備えた画像読取装置及び複合装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1実施形態に係る画像読取装置を備えた複合装置の全体構成を説明するための説明図である。
【図2】第1実施形態に係る画像読取装置の構成を示す縦断面図である。
【図3】第1実施形態に係る画像読取装置の構成を説明するための説明図である。
【図4】第1実施形態に係る画像読取装置の両面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【図5】第1実施形態に係る画像読取装置の両面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【図6】第1実施形態に係る画像読取装置の両面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【図7】第1実施形態に係る画像読取装置の片面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【図8】第2実施形態に係る画像読取装置の構成を示す縦断面図である。
【図9】第2実施形態に係る画像読取装置の構成を説明するための説明図である。
【図10】第2実施形態に係る画像読取装置の両面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【図11】第2実施形態に係る画像読取装置の両面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【図12】第2実施形態に係る画像読取装置の両面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【図13】第2実施形態に係る画像読取装置の片面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【図14】第3実施形態に係る画像読取装置の構成を示す縦断面図である。
【図15】第3実施形態に係る画像読取装置の構成を説明するための説明図である。
【図16】第3実施形態に係る画像読取装置の両面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【図17】第3実施形態に係る画像読取装置の両面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【図18】第3実施形態に係る画像読取装置の両面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
続いて、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像読取装置を備えた複合装置の全体構成を説明するための説明図である。
【0013】
(第1実施形態)
複合装置Aは、画像読取装置100と、画像形成装置200とから構成される。また、画像読取装置100は、自動原稿搬送装置100Aと、原稿読取装置100Bとから構成される。
【0014】
画像形成装置200は、図1に示すように、第1記録用紙トレイ201〜第3記録用紙トレイ203と、4つの現像装置204〜207と、各現像装置204〜207に設けられたLEDヘッド208〜211と、転写ベルト212と、定着器213と、スタッカーカバー214と、複数のローラとから主に構成されている。なお、第1記録用紙トレイ201〜第3記録用紙トレイ203は、印刷用媒体(例えば紙など)を収容する役割を果たし、互いに異なるサイズの印刷用媒体を収容する。現像装置204はブラック(K)のトナーを有し、現像装置205はイエロー(Y)のトナーを有し、現像装置206はマゼンタ(M)のトナーを有し、現像装置207はシアン(C)のトナーを有する。また、各現像装置204〜207には、トナーカートリッジが付属されている。さらに、本実施形態のスタッカーカバー214には、フェイスダウンスタッカが用いられている。
【0015】
次に、画像形成装置200の現像プロセスについて説明する。
印刷指令が出されると、第1記録用紙トレイ201〜第3記録用紙トレイ203の何れかから所望のサイズに合った印刷用媒体が矢印2a(2b、2c)方向へ送り出されて、転写ベルト212(矢印2d方向)へ搬送される。
そして、LEDヘッド208〜211が現像装置204〜207に設けられた感光体ドラムの表面を露光することで、静電潜像が形成される。
また、転写ベルト212により印刷用媒体に画像が転写されてから、転写された画像の印刷用媒体への定着が定着器213により行われる。
ここで、片面印刷の場合には、印刷用媒体がスタッカーカバー214(矢印2e方向)に排出される。
一方、両面印刷の場合には、矢印2f〜2h方向へ印刷用媒体が搬送されることで、印刷用媒体が反転して、前に印刷された面と反対側の面が印刷されることになる。
そして、印刷された印刷用媒体の表面が下側(下向き)になるようにスタッカーカバー214に排出される。
なお、印刷用媒体の表面とは、「第1記録用紙トレイ201〜第3記録用紙トレイ203に載置された状態で上側に位置する面」のことをいう。
【0016】
次に、複合装置Aの読み取り及び印刷プロセスについて説明する。なお、表面に1ページ目が記され且つ裏面に2ページ目が記された原稿と、表面に3ページ目が記された原稿(合計3ページ分)を読み取り、当該原稿に記された画像情報を印刷用媒体に印刷する場合について説明する。
原稿に記された画像情報は、原稿読取装置100Bに設けられた読取センサ63(図2参照)によって読み取られ、図示しない画像記憶部に画像データが一旦記憶される。
そして、画像形成装置200が、画像記憶部に記憶された画像データに基づき、まず印刷用媒体の表面に2ページ目の印刷を行った後、矢印2f〜2h方向へ印刷用媒体が搬送されることで、印刷用媒体の表裏が反転して、印刷用媒体の裏面に1ページ目が印刷される。
1ページ目が印刷された後に、印刷用媒体がスタッカーカバー214(矢印2e方向)に排出される。このとき、印刷用媒体は、1ページ目が下側になるようにスタッカーカバー214に排出される。
次に、別の印刷用媒体の表面に3ページ目の印刷を行った後、当該別の印刷用媒体がスタッカーカバー214(矢印2e方向)に排出される。このとき、別の印刷用媒体は、3ページ目が下側になるようにスタッカーカバー214に排出される。
以上のように、原稿のページ順が揃ってスタッカーカバー214に排出されることになる。
【0017】
次に、本発明の第1実施形態に係る画像読取装置100について、適宜図面を用いて詳細に説明する。図2は、第1実施形態に係る画像読取装置の構成を示す縦断面図である。
画像読取装置100は、原稿Pに記された文字や図形などの画像情報を読み取るための装置であり、図2に示すように、原稿トレイ1と、搬出部2と、搬送路3と、原稿反転部4と、駆動部5と、読取部6と、排出トレイ7とを主に備えて構成されている。
【0018】
原稿載置部としての原稿トレイ1は、原稿Pを載置する役割を果たす。原稿トレイ1は、平面視矩形状を呈し、その載置面(底面)が原稿Pを載置可能な大きさ(面積)に形成されている。原稿トレイ1は、排出トレイ7の上方において、筐体外部に露出するように配置されている。当該原稿トレイ1の底部外側には、原稿トレイ1に載置される原稿Pの有無を検知するための原稿有無検知センサ1aが設けられている。
【0019】
搬出部2は、原稿トレイ1に載置された原稿Pを一枚ずつ分離して、搬送路3内に一枚ずつ搬出する役割を果たす。搬出部2は、ピックアップローラ21と、分離ローラ22と、分離パッド23とから構成される。
【0020】
ピックアップローラ21は、原稿トレイ1から分離ローラ22及び分離パッド23に向けて原稿Pを送り出す役割を果たす。ピックアップローラ21は、円柱状を呈し、回転自在に軸支されている。ピックアップローラ21は、その外周面が原稿トレイ1に載置された原稿Pの先端側(一端側)に当接するように原稿トレイ1の上方に配置されている。
【0021】
分離ローラ22は、円柱状を呈し、回転自在に軸支されている。分離ローラ22の下側には、分離ローラ22の外周面に当接するように分離パッド23が配置されている。当該分離パッド23を配置することにより、複数の原稿Pが原稿トレイ1から送り出されたときに、最上に位置する原稿Pと、当該最上に位置する原稿Pより下側に位置する原稿Pとの間に摩擦が生じるため、下側に位置する原稿Pが搬送路3に搬出されるのを阻止することができる。そして、分離ローラ22に当接する最上に位置する原稿Pが、分離ローラ22の回転により搬送路3内に送り出されることになる。
【0022】
搬送路3は、第1搬送路31〜第5搬送路35と、第1原稿反転路36とから構成される。
【0023】
第1搬送路31は、分離ローラ22に連続して配置され、当該分離ローラ22の下流から読取部6に至るまでの経路を形成する。当該第1搬送路31の上流側には、分離ローラ22及び分離パッド23により分離された原稿Pの先端(始端)及び後端(終端)を検知するための第1原稿検知センサ31aが配置されている。
【0024】
第1反転機構を構成する第2搬送路32は、第1搬送路31の途中から分岐され、第1搬送路31と第1原稿反転路36とを繋ぎ、第1搬送路31内を搬送されてくる原稿Pを第1原稿反転路36内に導く役割を果たす。第2搬送路32は、当該分岐点から第1スイッチバックローラ41に至るまでの経路を形成する。
【0025】
第1搬送路31と第2搬送路32との分岐点には、第1切り替え手段としての第1切り替え部材37が配置されている。当該第1切り替え部材37は、図示しない制御部によって、当該分岐点から読取部6までの経路と、第2搬送路32とを切り替えるように制御されている。つまり、第1切り替え部材37は、第2搬送路32を遮断して原稿Pを読取部6に導くとともに、第1搬送路31を遮断して原稿Pを第2搬送路32に導く役割を果たす。第1切り替え部材37は、回転自在に軸支され、図示しないストッパ部と接触する図示しない係止部材を有する。すなわち、筐体内の適所には、第1切り替え部材37が回転した際の移動を規制するストッパ部が設けられており、当該ストッパ部に第1切り替え部材37の係止部材が接触するとともに、後記するトルクリミッタ52が第1切り替え部材37へのトルクの伝達を遮断することで、第1切り替え部材37が所定の位置で停止(固定)するように構成されている。
【0026】
第1反転機構を構成する第1原稿反転路36は、原稿Pの読み取り前に原稿Pを反転させる役割を果たす。第1原稿反転路36は、第1搬送路31の上方に配置されており、第2搬送路32に連続して形成されている。第1原稿反転路36の終端(末端)は、筐体外部に露出している。これによって、原稿Pの搬送方向の長さが第1原稿反転路36の搬送方向の長さよりも長い場合にも当該原稿Pを好適にスイッチバックさせることができる。
【0027】
第1反転機構を構成する第3搬送路33は、第2搬送路32の途中から分岐され、第2搬送路32を経由して、第1原稿反転路36から搬送されてくる原稿Pを第1搬送路31の下流側(読取部6側)へ導く役割を果たす。第3搬送路33は、当該分岐点から第1搬送路31との合流点に至るまでの経路を形成する。
【0028】
第4搬送路34は、第1搬送路31の下流(読取部6側端部)から連続して形成され、読取部6の下流から排出トレイ7に至るまでの経路を形成する。第4搬送路34は、読取部6の下流から第5搬送路35との分岐点に至るまでの正搬送路34aと、当該正搬送路34aに連続して形成され、第5搬送路35との分岐点から排出トレイ7に至るまでの第2原稿反転路34bとから構成される。
【0029】
第2反転機構を構成する第5搬送路35は、第4搬送路34の途中から分岐され、後記する第2スイッチバックローラ42により戻されてきた原稿Pを再度第1搬送路31の下流側(読取部6側)に導く役割を果たす。第5搬送路35は、当該分岐点から第1搬送路31との合流点に至るまでの経路を形成する。
【0030】
第4搬送路34と第5搬送路35との分岐点には、第2切り替え手段としての第2切り替え部材38が配置されている。当該第2切り替え部材38は、前記分岐点から排出トレイ7に至るまでの経路と、第5搬送路35とを切り替える役割を果たす。第2切り替え部材38は、その自重によって、第4搬送路34の正搬送路34aを遮断する(塞ぐ)ように構成されている。そして、読取部6側から原稿Pが第2スイッチバックローラ42に向かうときには、原稿Pにより第2切り替え部材38が押しのけられ(押し広げられ)、原稿Pの末端が第2切り替え部材38を通過すると、その自重によって元の位置に戻る。また、第2スイッチバックローラ42により戻されてきた原稿Pが第5搬送路35に向かうときには、第2切り替え部材38はその自重によって第4搬送路34の正搬送路34aを遮断しているため、第5搬送路35内に原稿Pを好適に導くことができる。
【0031】
原稿反転部4は、第1スイッチバックローラ41と、第2スイッチバックローラ42とから構成される。
【0032】
第1反転機構を構成する第1原稿反転部としての第1スイッチバックローラ41は、第2搬送路32から搬送されてきた原稿Pを第1原稿反転路36内に送り出すとともに、第1原稿反転路36内に送り出した原稿Pをスイッチバックして第3搬送路33内に送り出す役割を果たす。第1スイッチバックローラ41は、第2搬送路32と第1原稿反転路36との間に配置され、第1搬送ローラ41aと、第1プレッシャローラ41bとから構成される。
【0033】
第1搬送ローラ41aは、正逆方向に回動可能に軸支され、図示しないギヤ列を介して、駆動部5の第1搬送モータ51に接続されている。そして、第1搬送ローラ41aが時計方向に回転すると、原稿Pが第2搬送路32内から第1原稿反転路36内に搬送され、第1搬送ローラ41aが反時計方向に回転すると、原稿Pが第1原稿反転路36内から第3搬送路33内に搬送される構成になっている。
【0034】
第1プレッシャローラ41bは、第1搬送ローラ41aに対向配置されている。第1プレッシャローラ41bには、当該第1プレッシャローラ41bを第1搬送ローラ41a側に向けて付勢する図示しない付勢部材が設けられている。すなわち、第1プレッシャローラ41bは、当該第1プレッシャローラ41bと第1搬送ローラ41aとの間を通過する原稿Pを第1搬送ローラ41aに圧接する役割を果たす。
【0035】
第2反転機構を構成する第2原稿反転部としての第2スイッチバックローラ42は、読取部6側から搬送されてきた原稿Pをスイッチバックして第5搬送路35内に送り出すとともに、再度読取部6から搬送されてきた原稿Pを排出トレイ7に排出する役割を果たす。第2スイッチバックローラ42は、第4搬送路34の末端(排出トレイ7の入り口付近)に配置され、第2搬送ローラ42aと、第2プレッシャローラ42bとから構成される。
【0036】
第2搬送ローラ42aは、正逆方向に回動可能に軸支され、図示しないギヤ列を介して、駆動部5の第2搬送モータ53に接続されている。当該第2搬送ローラ42aが反時計方向に回転すると、原稿Pが第4搬送路34内から第5搬送路35内に搬送され、第2搬送ローラ42aが時計方向に回転すると、原稿Pが第4搬送路34内から排出トレイ7に排出される構成になっている。
【0037】
第2プレッシャローラ42bは、第2搬送ローラ42aに対向配置されている。第2プレッシャローラ42bには、当該第2プレッシャローラ42bを第2搬送ローラ42a側に向けて付勢する図示しない付勢部材が設けられている。すなわち、第2プレッシャローラ42bは、当該第2プレッシャローラ42bと第2搬送ローラ42aとの間を通過する原稿Pを第2搬送ローラ42aに圧接する役割を果たす。
【0038】
駆動部5は、第1搬送モータ51と、トルクリミッタ52と、第2搬送モータ53と、電磁クラッチ54と、ワンウェイ機構55とから主に構成される。
【0039】
第1搬送モータ51は、第1スイッチバックローラ41の第1搬送ローラ41a、スキャンローラ8の第3搬送ローラ8a及び第1切り替え部材37に駆動力(回転力)を付与する役割を果たす。また、第1スイッチバックローラ41とスキャンローラ8とは、略等速で原稿Pを搬送できるように図示しないギヤ列を介して連結されている。
【0040】
トルクリミッタ52は、第1搬送モータ51と第1切り替え部材37との間に配置され、二部材間に所定以上のトルクが作用した場合に、当該トルクの伝達を遮断する役割を果たす。すなわち、トルクリミッタ52は、第1搬送モータ51の回転によって受ける力が、第1切り替え部材37の係止部材がストッパ部に接触することで第1切り替え部材37から受ける力よりも大きい場合に空転する。そして、第1切り替え部材37の係止部材がストッパ部に接触するとともに、トルクリミッタ52が第1切り替え部材37へのトルクの伝達を遮断することで、第1切り替え部材37が所定の位置で固定される。
【0041】
第2搬送モータ53は、第2スイッチバックローラ42の第2搬送ローラ42a、ピックアップローラ21及び分離ローラ22に駆動力(回転力)を付与する役割を果たす。また、第2スイッチバックローラ42、ピックアップローラ21及び分離ローラ22は、互いに図示しないギヤ列を介して連結されている。
【0042】
クラッチ手段としての電磁クラッチ54は、第2搬送モータ53と、ピックアップローラ21及び分離ローラ22との間に配置されている。なお、本実施形態では、当該電磁クラッチ54に電力が供給されているときに、第2搬送モータ53の駆動力がピックアップローラ21及び分離ローラ22に伝達されるように設定されている。
【0043】
ワンウェイ機構55は、ピックアップローラ21及び分離ローラ22に各々設けられている。ワンウェイ機構55は、ピックアップローラ21及び分離ローラ22の図示しない駆動伝達軸を固定したときに、原稿Pを上流側に搬送する方向(時計方向)にピックアップローラ21及び分離ローラ22を空転させる役割を果たす。
【0044】
原稿読取装置100Bの一部を構成する読取部6は、原稿Pに記された文字や図形などの画像情報を読み取る役割を果たす。読取部6は、第1搬送路31と第4搬送路34との間(読取位置)に配置されるとともに、筐体底部に形成された開口部から筐体内に臨んで配置されている。読取部6は、プラテンガラス61と、ペーパーガイド62と、読取センサ63とから構成される。
【0045】
プラテンガラス61は、図示しない光源から原稿Pに向けて照射された光が、原稿Pに当たり反射した反射光を縮小投影する役割を果たす。
ペーパーガイド62は、プラテンガラス61の上方に対向配置され、当該ペーパーガイド62とプラテンガラス61との間を通過する原稿Pをプラテンガラス61に押し付ける役割を果たす。
読取センサ63は、プラテンガラス61を挟んでペーパーガイド62と反対側に配置され、プラテンガラス61が縮小投影した反射光を光電変換し、映像信号として電気的出力を行う役割を果たす。
【0046】
また、第1搬送路31の下流側(読取部6側)には、スキャンローラ8と、第2原稿検知センサ9とが配置されている。
【0047】
スキャンローラ8は、読取部6に原稿Pを一定速度で搬送する役割を果たす。スキャンローラ8は、第3搬送ローラ8aと、第3プレッシャローラ8bとから構成される。第3搬送ローラ8aは、正逆方向に回動自在に軸支され、図示しないギヤ列を介して、駆動部5の第1搬送モータ51に接続されている。当該第3搬送ローラ8aが反時計方向に回転すると、原稿Pが読取部6側に向かって搬送される構成になっている。
【0048】
第3プレッシャローラ8bは、第3搬送ローラ8aに対向配置されている。第3プレッシャローラ8bには、当該第3プレッシャローラ8bを第3搬送ローラ8a側に向けて付勢する図示しない付勢部材が設けられている。すなわち、第3プレッシャローラ8bは、当該第3プレッシャローラ8bと第3搬送ローラ8aとの間を通過する原稿Pを第3搬送ローラ8aに圧接する役割を果たす。
【0049】
第2原稿検知センサ9は、スキャンローラ8と読取部6との間に配置され、原稿Pの通過の有無を検知する役割を果たす。すなわち、第2原稿検知センサ9が原稿Pの先端を検知すると、図示しない制御部が、当該検知結果に基づき、原稿Pの先端を検知してから所定量搬送後に読取部6により読み取り処理を行うように制御する。
【0050】
原稿集積部としての排出トレイ7は、搬送路3内を搬送されてきた原稿Pを載置する役割を果たす。排出トレイ7は、平面視矩形状を呈し、その載置面(底面)が原稿Pを載置可能な大きさ(面積)に形成されている。排出トレイ7は、原稿トレイ1の下方に配置されるとともに、筐体外部に露出するように配置されている。
【0051】
なお、画像読取装置100は、第1搬送モータ51、第2搬送モータ53、電磁クラッチ54及び各センサに電気的に接続された制御部を有し、当該制御部が第1搬送モータ51、第2搬送モータ53及び電磁クラッチ54の駆動開始及び駆動停止を制御するとともに、各センサの検知結果を取得して、読み取り処理などを制御する。
【0052】
ここで、図3を参照して、本実施形態の画像読取装置100について更に詳細に説明する。なお、図3は、第1実施形態に係る画像読取装置の構成を説明するための説明図である。
【0053】
図3に示すように、第2スイッチバックローラ42を起点として、第5搬送路35、読取部6及び第4搬送路34を通過して、第2スイッチバックローラ42を終点とするループ状の搬送路の長さをL1(mm)とし、第1搬送路31と第2搬送路32との分岐点を起点として、第1スイッチバックローラ41を終点とする搬送路の長さをL2(mm)とし、第1スイッチバックローラ41を起点として、第1搬送路31と第3搬送路33との合流点を終点とする搬送路の長さをL3(mm)としたときに、L1>L2+L3の関係が満たされるように第1スイッチバックローラ41、第2スイッチバックローラ42及び第1搬送路31〜第5搬送路35が配置されている。
【0054】
次に、図4乃至図6を参照して、原稿Pの両面を読み取る動作の原稿搬送手順について説明する。なお、図4乃至図6は、第1実施形態に係る画像読取装置の両面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【0055】
まず、図示しない制御部が、原稿Pの両面を読み取る指令を取得すると、電磁クラッチ54に電力が供給された後、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53が駆動される(図2参照)。
このとき、制御部が、第1搬送モータ51を時計方向に回転させることで、第1搬送モータ51に接続された第1スイッチバックローラ41、スキャンローラ8及び第1切り替え部材37が時計方向に回転する(図4(a)参照)。
そして、第1切り替え部材37は、第1搬送路31を遮断した状態で停止する。
また、制御部が、第2搬送モータ53を時計方向に回転させることで、第2搬送モータ53に接続されたピックアップローラ21、分離ローラ22及び第2スイッチバックローラ42が時計方向に回転する(図4(a)参照)。
そして、ピックアップローラ21が時計方向に回転すると、原稿トレイ1に載置された原稿Pが分離ローラ22及び分離パッド23に向かって送り出される(図4(a)参照)。
【0056】
次に、送り出された原稿Pは、分離ローラ22及び分離パッド23との間を通過する際に1枚に分離され、分離された原稿Pは、第1搬送路31内に送り出される(図4(a)参照)。
第1搬送路31内に送り出された原稿Pは、第1原稿検知センサ31aの上方を通過して第1切り替え部材37に向かって搬送される(図4(a)参照)。
そして、第1切り替え部材37が第1搬送路31を遮断しているため、原稿Pは第1搬送路31内から第2搬送路32内に搬送されるとともに、第1スイッチバックローラ41に向かって搬送される(図4(b)参照)。
なお、制御部は、第1原稿検知センサ31aが原稿Pの先端を検知すると、原稿Pの先端が第1スイッチバックローラ41に到達するまで所定量搬送する処理を行う。また、制御部は、電磁クラッチ54への電力の供給を停止して、ピックアップローラ21及び分離ローラ22を停止して、次の原稿の搬送処理を行わないように制御する。
【0057】
次に、原稿Pが第1スイッチバックローラ41に到達すると、第1スイッチバックローラ41が時計方向に回転しているため、当該第1スイッチバックローラ41により原稿Pが第1原稿反転路36内に送り出される(図4(b)参照)。
なお、制御部は、第1原稿検知センサ31aが原稿Pの後端を検知すると、所定量搬送する処理を行った後、第1搬送モータ51の駆動を一旦停止して、第1搬送モータ51を反時計方向(逆方向)に回転する。
そして、第1スイッチバックローラ41が反時計方向に回転するため、原稿Pが第1原稿反転路36内から第3搬送路33内に送り出される(図4(c)参照)。
第3搬送路33内に送り出された原稿Pは、スキャンローラ8に向かって第1搬送路31内に搬送される(図4(c)参照)。
そして、原稿Pがスキャンローラ8に到達すると、スキャンローラ8が反時計方向に回転しているため、当該スキャンローラ8により読取部6に向かって送り出される(図4(c)参照)。
【0058】
次に、読取部6に向かって送り出された原稿Pは、第2原稿検知センサ9の上方を通過して、読取部6に搬送される(図4(c)参照)。
なお、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの先端を検知すると、所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの読み取り処理を開始する制御を行う。
そして、読取部6に搬送された原稿Pは、原稿トレイ1に載置された状態で下側に位置する面の画像情報を読み取られて、第4搬送路34の正搬送路34a内に搬送される(図5(a)参照)。
第4搬送路34の正搬送路34a内に搬送された原稿Pは、第2切り替え部材38を押しのけて、第2スイッチバックローラ42に向かって第4搬送路34の第2原稿反転路34b内に搬送される(図5(a)参照)。
そして、第2スイッチバックローラ42に到達した原稿Pの後端側が、第2スイッチバックローラ42に狭持された状態で、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53が停止する。
なお、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの後端を検知すると、原稿Pを所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの画像情報を読み取る処理を終了するとともに、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を停止する。
【0059】
次に、制御部が、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を反時計方向に回転させる。
第2搬送モータ53が反時計方向に回転することで、第2スイッチバックローラ42により狭持されていた原稿Pが、第4搬送路34の第2原稿反転路34b内から第5搬送路35内に送り出される(図5(b)参照)。このとき、第2切り替え部材38がその自重によって第4搬送路34の正搬送路34aを遮断しているため、原稿Pは第4搬送路34の第2原稿反転路34bから第5搬送路35内に好適に送り出される(図5(b)参照)。
そして、第5搬送路35内に送り出された原稿Pは、スキャンローラ8の上流側に向かって第1搬送路31内に搬送される(図5(c)参照)。
第1搬送路31内に搬送された原稿Pが、スキャンローラ8に到達すると、スキャンローラ8が反時計方向に回転しているため、当該スキャンローラ8により読取部6に向かって送り出される(図5(c)参照)。
読取部6に向かって送り出された原稿Pは、第2原稿検知センサ9の上方を通過して、読取部6に搬送される(図5(c)参照)。
なお、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの先端を検知すると、所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの画像情報を読み取る処理を開始する。
【0060】
次に、読取部6に搬送された原稿Pは、原稿トレイ1に載置された状態で上側に位置する面の画像情報を読み取られて、第4搬送路34の正搬送路34a内に搬送される(図5(c)参照)。このとき、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの後端を検知すると、原稿Pを所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの画像情報を読み取る処理を終了する。
第4搬送路34の正搬送路34a内に搬送された原稿Pは、第2切り替え部材38を押しのけて、第2スイッチバックローラ42に向かって第4搬送路34の第2原稿反転路34b内に搬送される(図6(a)参照)。
このとき、制御部は、読み取り処理開始から原稿Pの先端が第2スイッチバックローラ42に到達するまでの搬送量を算出して、原稿Pの先端が第2スイッチバックローラ42に到達する直前に第2搬送モータ53を一旦停止し、第2搬送モータ53を時計方向に回転させる。
【0061】
そして、原稿Pが第2スイッチバックローラ42に到達すると、第2スイッチバックローラ42が時計方向に回転しているため、排出トレイ7内に排出される(図6(a)参照)。
【0062】
なお、次回の原稿P’が原稿トレイ1に載置されている場合には、原稿Pが排出トレイ7に排出されると同時に、原稿トレイ1に載置された原稿Pが分離ローラ22及び分離パッド23に向かって送り出されることになる。すなわち、第2搬送モータ53が時計方向に回転することで、第2スイッチバックローラ42、ピックアップローラ21及び分離ローラ22が時計方向に回転するため、原稿Pを排出しつつ、原稿P’を第1搬送路31内に送り出すことが可能となる。
そして、原稿トレイ1内に載置された原稿が無くなるまで上記動作が繰り返し行われる。また、原稿有無検知センサ1aが原稿トレイ1内に原稿が残っていないことを検知すると、制御部が、最後の原稿が第2スイッチバックローラ42を通過するまで所定量搬送する処理を行った後、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を停止して、原稿の両面を読み取る動作が終了する。
【0063】
次に、図7を参照して、原稿Pの片面を読み取る動作の原稿搬送手順について説明する。なお、図7は、第1実施形態に係る画像読取装置の片面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【0064】
まず、図示しない制御部が、原稿Pの片面を読み取る指令を取得すると、電磁クラッチ54に電力が供給された後、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53が駆動される(図2参照)。
このとき、制御部が、第1搬送モータ51を反時計方向に回転させることで、第1搬送モータ51に接続された第1スイッチバックローラ41、スキャンローラ8及び第1切り替え部材37が反時計方向に回転する(図7(a)参照)。
そして、第1切り替え部材37は、第2搬送路32を遮断した状態で停止する。
また、制御部が、第2搬送モータ53を時計方向に回転させることで、第2搬送モータ53に接続されたピックアップローラ21、分離ローラ22及び第2スイッチバックローラ42が時計方向に回転する(図7(a)参照)。
そして、ピックアップローラ21が時計方向に回転すると、原稿トレイ1に載置された原稿Pが分離ローラ22及び分離パッド23に向かって送り出される(図7(a)参照)。
【0065】
次に、送り出された原稿Pは、分離ローラ22及び分離パッド23との間を通過する際に1枚に分離され、分離された原稿Pは、第1搬送路31内に送り出される(図7(a)参照)。
第1搬送路31内に送り出された原稿Pは、第1原稿検知センサ31aの上方を通過して第1切り替え部材37に向かって搬送される(図7(a)参照)。
そして、第1切り替え部材37が第2搬送路32を遮断しているため、原稿Pはスキャンローラ8に向かって第1搬送路31内を搬送される(図7(b)参照)。
【0066】
次に、原稿Pがスキャンローラ8に到達すると、スキャンローラ8が反時計方向に回転しているため、当該スキャンローラ8により読取部6に向かって送り出される(図7(b)参照)。
読取部6に向かって送り出された原稿Pは、第2原稿検知センサ9の上方を通過して、読取部6に搬送される(図7(b)参照)。
なお、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの先端を検知すると、所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの読み取り処理を開始する制御を行う。
そして、読取部6に搬送された原稿Pは、原稿トレイ1に載置された状態で上側に位置する面の画像情報を読み取られて、第4搬送路34の正搬送路34a内に搬送される(図7(b)参照)。
第4搬送路34の正搬送路34a内に搬送された原稿Pは、第2切り替え部材38を押しのけて、第2スイッチバックローラ42に向かって第4搬送路34の第2原稿反転路34b内に搬送される(図7(b)参照)。
このとき、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの後端を検知すると、原稿Pを所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの画像情報を読み取る処理を終了する。
そして、原稿Pが第2スイッチバックローラ42に到達すると、第2スイッチバックローラ42が時計方向に回転しているため、排出トレイ7内に排出される(図7(c)参照)。
【0067】
なお、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの後端を検知すると、原稿有無検知センサ1aの検知結果に基づき、原稿トレイ1に原稿が載置されているか否かを判定する。原稿トレイ1に原稿が載置されていると判定されたときには、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を回転し続けるとともに、電磁クラッチ54へ電力を供給し続ける。そして、原稿トレイ1内に載置された原稿が無くなるまで上記動作が繰り返し行われる。また、原稿トレイ1に原稿が載置されていないと判定されたときには、原稿Pが第2スイッチバックローラ42を通過するまで所定量搬送する処理を行った後、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を停止するとともに、電磁クラッチ54への電力の供給を停止する。
以上の工程を経て、原稿の片面を読み取る動作が終了する。
【0068】
ここで、本実施形態では、ピックアップローラ21及び分離ローラ22の回転速度が、第2スイッチバックローラ42の回転速度より遅くなるようにギヤ比が設定されている。そのため、スキャンローラ8の回転速度と第2スイッチバックローラ42の回転速度が略等速になるように第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を駆動させたときに、ピックアップローラ21及び分離ローラ22の回転速度が、スキャンローラ8の回転速度よりも遅くなる。したがって、原稿Pの片面を読み取るときは、原稿Pの先端がスキャンローラ8に狭持されると同時に、ピックアップローラ21及び分離ローラ22に搬送されていた原稿Pの後端がスキャンローラ8側に引っ張られて、ピックアップローラ21及び分離ローラ22が駆動軸に対して空転することになる。そして、原稿Pの後端がピックアップローラ21及び分離ローラ22から搬出されて、駆動軸からの駆動伝達が再開すると、次の原稿P’が搬送されるが、上記のようにピックアップローラ21及び分離ローラ22の回転速度をスキャンローラ8の回転速度よりも遅くすることにより、スキャンローラ8に狭持されるまでは次の原稿P’の搬送速度が遅くなる。そのため、原稿Pと次の原稿P’との搬送間隔が広がり、原稿間の距離を好適に確保することが可能となり、ひいては原稿同士が搬送中に接触することを阻止することができる。
【0069】
以上説明した第1実施形態によれば、原稿トレイ1から搬出された原稿Pが、第1搬送路31から第2搬送路32を介して第1原稿反転路36に搬送され、当該第1原稿反転路36で反転されてから第3搬送路33及び第1搬送路31を介して読取部6に搬送されることによって、原稿Pの表面を上側にしたまま、原稿Pの裏面に記された画像情報を最初に読み取ることができる。また、当該読み取られた原稿Pが、第4搬送路34の正搬送路34aを介して第2原稿反転路34bに搬送され、当該第2原稿反転路34bでスイッチバックして、第5搬送路35及び第1搬送路31を介して読取部6に搬送されることによって、原稿Pの表裏が反転して、原稿Pの表面が下側になり、原稿Pの上面に記された画像情報を読み取ることができる。つまり、原稿Pの両面を読み取み終えたときに、原稿Pの表面が下側に位置することになり、この状態のまま排出トレイ7に排出されることになる。したがって、排出トレイ7に排出される原稿Pをページ順に揃えるために、原稿Pが読取部6を再度通過する必要がなく、その分原稿Pと読取部6とが接触する回数を低減でき、ひいてはプラテンガラス61の汚れを最小限に抑制できる。
【0070】
また、第2スイッチバックローラ42を起点として、第5搬送路35、読取部6及び第4搬送路34を通過して、第2スイッチバックローラ42を終点とするループ状の搬送路の長さをL1(mm)とし、第1搬送路31と第2搬送路32との分岐点を起点として、第1スイッチバックローラ41を終点とする搬送路の長さをL2(mm)とし、第1スイッチバックローラ41を起点として、第1搬送路31と第3搬送路33との合流点を終点とする搬送路の長さをL3(mm)としたときに、L1>L2+L3の関係が満たされるようにすることによって、原稿Pの両面を読み取るときに原稿Pを搬送する距離を短縮することができる。したがって、原稿の1枚当たりの所要処理時間を短縮することが可能となり、ひいては画像情報読み取りの生産性を向上させることができる。
さらに、原稿Pの両面に記された画像情報を読み取り、画像形成装置200が両面印刷を行うときには、排出後のページ順を揃えるため、印刷媒体の裏面から印刷を開始する。したがって、本実施形態のように原稿Pの裏面から読み取りを行うと、読み取った画像データのページ入れ替え処理が不要となり、ページ順を最適化するために必要とされる画像記憶のためのメモリ量を低減できる。
【0071】
(第2実施形態)
次に、本発明の画像読取装置100の第2実施形態について、図8を参照して説明する。なお、図8は、本発明の第2実施形態に係る画像読取装置の全体構成を示す縦断面図である。また、第2実施形態に係る画像読取装置100の説明においては、第1実施形態に係る画像読取装置と重複する部分については、説明を省略する。
【0072】
第2実施形態の搬送路3は、第1搬送路31〜第4搬送路34と、第1原稿反転路36とから構成される。
【0073】
第1搬送路31は、分離ローラ22に連続して配置され、当該分離ローラ22の下流から読取部6に至るまでの経路を形成する。
【0074】
第1反転機構を構成する第2搬送路32は、第1搬送路31の途中から分岐され、第1搬送路31内を搬送されてくる原稿Pを第1原稿反転路36内に導く役割を果たす。第2搬送路32は、当該分岐点から第1搬送路31の下流側に合流するまでの経路を形成する。第2搬送路32の下流側は、搬送方向上向きに傾斜するように形成されている。当該第2搬送路32には、分離ローラ22及び分離パッド23により分離された原稿Pの先端(始端)及び後端(終端)を検知するための第1原稿検知センサ32aが配置されている。
【0075】
第1搬送路31と第2搬送路32との分岐点には、第1反転機構を構成する第1切り替え手段としての第1切り替え部材37が配置されている。当該第1切り替え部材37は、図示しない制御部によって、当該分岐点から読取部6までの経路と、第2搬送路32とを切り替えるように制御されている。つまり、第1切り替え部材37は、第2搬送路32を遮断して原稿Pを読取部6に導くとともに、第1搬送路31を遮断して原稿Pを第2搬送路32内に導く役割を果たす。
【0076】
第3搬送路33は、第1搬送路31の下流(読取部6側端部)から連続して形成され、読取部6の下流から排出トレイ7に至るまでの経路を形成する。第3搬送路33は、読取部6の下流から第4搬送路34との分岐点に至るまでの正搬送路33aと、当該正搬送路33aに連続して形成され、第4搬送路34との分岐点から排出トレイ7に至るまでの第2原稿反転路33bとから構成される。
【0077】
第2反転機構を構成する第4搬送路34は、第3搬送路33の途中から分岐され、第2スイッチバックローラ42により戻されてきた原稿Pを再度第1搬送路31の上流側に導く役割を果たす。第4搬送路34は、当該分岐点から第1搬送路31との合流点に至るまでの経路を形成する。
【0078】
第3搬送路33と第4搬送路34との分岐点には、第2反転機構を構成する第2切り替え手段としての第2切り替え部材38が配置されている。当該第2切り替え部材38は、前記分岐点から排出トレイ7に至るまでの経路と、第4搬送路34とを切り替える役割を果たす。第2切り替え部材38は、その自重によって、第3搬送路33の正搬送路33aを遮断する(塞ぐ)ように構成されている。そして、読取部6側から搬送されてきた原稿Pが第2スイッチバックローラ42に向かうときには、第2切り替え部材38は原稿Pにより押しのけられて(押し広げられて)、第3搬送路33の正搬送路33aを遮断する状態を解除し、原稿Pの末端が第2切り替え部材38を通過すると、その自重によって元の位置に戻る。また、第2スイッチバックローラ42により戻されてきた原稿Pが第4搬送路34に向かうときには、第2切り替え部材38はその自重によって第3搬送路33の正搬送路33aを遮断しているため、第4搬送路34内に原稿Pを好適に導くことができる。
【0079】
第1反転機構を構成する第1原稿反転部としての第1スイッチバックローラ41は、第1搬送路31に配置されている。すなわち、第1スイッチバックローラ41は、第1搬送路31において、第1搬送路31と第1原稿反転路36の分岐点と、第1搬送路31と第2搬送路32の合流点との間に配置されている。
【0080】
第2反転機構を構成する第2原稿反転部としての第2スイッチバックローラ42は、第3搬送路33の末端(排出トレイ7の入り口付近)に配置されている。
【0081】
ここで、図9を参照して、第2実施形態の画像読取装置100について更に詳細に説明する。なお、図9は、第2実施形態に係る画像読取装置の構成を説明するための説明図である。
【0082】
図9に示すように、本実施形態では、第2スイッチバックローラ42を起点として、第4搬送路34、第1スイッチバックローラ41、読取部6及び第3搬送路33を通過して、第2スイッチバックローラ42を終点とするループ状の搬送路の長さをL4(mm)とし、第1搬送路31と第2搬送路32との分岐点を起点として、第2搬送路32を通過して、第1スイッチバックローラ41を終点とする搬送路の長さをL5(mm)としたときに、L4>L5の関係が満たされるように第2搬送路32が配置されている。
【0083】
次に、図10乃至図12を参照して、原稿Pの両面を読み取る動作の原稿搬送手順について説明する。なお、図10乃至図12は、第2実施形態に係る画像読取装置の両面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【0084】
まず、図示しない制御部が、原稿Pの両面を読み取る指令を取得すると、電磁クラッチ54に電力が供給された後、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53が駆動される(図8参照)。
このとき、制御部が、第1搬送モータ51を時計方向に回転させることで、第1搬送モータ51に接続された第1スイッチバックローラ41及びスキャンローラ8が時計方向に回転する(図10(a)参照)。
そして、第1切り替え部材37は、第1搬送路31を遮断した状態で停止する。
また、制御部が、第2搬送モータ53を時計方向に回転させることで、第2搬送モータ53に接続されたピックアップローラ21、分離ローラ22及び第2スイッチバックローラ42が時計方向に回転する(図10(a)参照)。
そして、ピックアップローラ21が時計方向に回転すると、原稿トレイ1に載置された原稿Pが分離ローラ22及び分離パッド23に向かって送り出される(図10(a)参照)。
【0085】
次に、送り出された原稿Pは、分離ローラ22及び分離パッド23との間を通過する際に1枚に分離され、分離された原稿Pは、第1搬送路31内に送り出される(図10(a)参照)。
第1搬送路31内に送り出された原稿Pは、第1切り替え部材37に向かって搬送される(図10(a)参照)。
そして、第1切り替え部材37が第1搬送路31を遮断しているため、原稿Pは第1搬送路31内から第2搬送路32内に搬送されるとともに、第1原稿検知センサ32aの上方を通過して第1スイッチバックローラ41に向かって搬送される(図10(b)参照)。
なお、制御部は、第1原稿検知センサ32aが原稿Pの先端を検知すると、原稿Pの先端が第1スイッチバックローラ41に到達するまで所定量搬送する処理を行う。また、制御部は、電磁クラッチ54への電力供給を停止して、ピックアップローラ21及び分離ローラ22を停止して、次の原稿の搬送処理を行わないように制御する。
【0086】
次に、原稿Pが第1スイッチバックローラ41に到達すると、第1スイッチバックローラ41が時計方向に回転しているため、当該第1スイッチバックローラ41により原稿Pが第1原稿反転路36に送り出される(図10(b)参照)。
なお、制御部は、第1原稿検知センサ32aが原稿Pの後端を検知すると、所定量搬送する処理を行った後、第1搬送モータ51の駆動を一旦停止して、第1搬送モータ51を反時計方向(逆方向)に回転する。
そして、第1スイッチバックローラ41が反時計方向に回転するため、原稿Pが第1原稿反転路36内からスキャンローラ8に向かって第1搬送路31内に搬送される(図10(c)参照)。
そして、原稿Pがスキャンローラ8に到達すると、スキャンローラ8が反時計方向に回転しているため、当該スキャンローラ8により読取部6に向かって送り出される(図10(c)参照)。
【0087】
次に、読取部6に向かって送り出された原稿Pは、第2原稿検知センサ9の上方を通過して、読取部6に搬送される(図10(c)参照)。
なお、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの先端を検知すると、所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの読み取り処理を開始する制御を行う。
そして、読取部6に搬送された原稿Pは、原稿トレイ1に載置された状態で下側に位置する面の画像情報を読み取られて、第3搬送路33の正搬送路33a内に搬送される(図11(a)参照)。
第3搬送路33の正搬送路33a内に搬送された原稿Pは、第2切り替え部材38を押しのけて、第2スイッチバックローラ42に向かって第3搬送路33の第2原稿反転路33b内に搬送される(図11(a)参照)。
そして、第2スイッチバックローラ42に到達した原稿Pの後端側が、第2スイッチバックローラ42に狭持された状態で、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53が停止する。
なお、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの後端を検知すると、原稿Pを所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの画像情報を読み取る処理を終了するとともに、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を停止する。
【0088】
次に、制御部が、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を反時計方向に回転させる。
第2搬送モータ53が反時計方向に回転することで、第2スイッチバックローラ42により狭持されていた原稿Pが、第3搬送路33の第2原稿反転路33b内から第4搬送路34内に送り出される(図11(b)参照)。このとき、第2切り替え部材38がその自重によって第3搬送路33の正搬送路33aを遮断しているため、原稿Pは第3搬送路33の第2原稿反転路33b内から第4搬送路34内に好適に送り出される(図11(b)参照)。
そして、第4搬送路34内に送り出された原稿Pは、スキャンローラ8の上流側に向かって第1搬送路31内を搬送される(図11(c)参照)。
第1搬送路31内に搬送された原稿Pが、スキャンローラ8に到達すると、スキャンローラ8が反時計方向に回転しているため、当該スキャンローラ8により読取部6に向かって送り出される(図11(c)参照)。
読取部6に向かって送り出された原稿Pは、第2原稿検知センサ9の上方を通過して、読取部6に搬送される(図11(c)参照)。
なお、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの先端を検知すると、所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの画像情報を読み取る処理を開始する。
【0089】
次に、読取部6に搬送された原稿Pは、原稿トレイ1に載置された状態で上側に位置する面の画像情報を読み取られて、第3搬送路33の正搬送路33a内に搬送される(図11(c)参照)。このとき、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの後端を検知すると、原稿Pを所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの画像情報を読み取る処理を終了する。
第3搬送路33の正搬送路33a内に搬送された原稿Pは、第2切り替え部材38を押しのけて、第2スイッチバックローラ42に向かって第3搬送路33の第2原稿反転路33b内に搬送される(図12(a)参照)。
このとき、制御部は、読み取り処理開始から原稿Pの先端が第2スイッチバックローラ42に到達するまでの搬送量を算出して、原稿Pの先端が第2スイッチバックローラ42に到達する直前に第2搬送モータ53を一旦停止し、第2搬送モータ53を時計方向に回転する。
【0090】
そして、原稿Pが第2スイッチバックローラ42に到達すると、第2スイッチバックローラ42が時計方向に回転しているため、排出トレイ7内に排出される(図12(a)参照)。
【0091】
なお、制御部は、原稿有無検知センサ1aの検知結果に基づき、原稿トレイ1に原稿が載置されているか否かを判定する。原稿トレイ1に原稿が載置されていると判定されたときには、読み取り終了直後に第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を停止させ、電磁クラッチ54へ電力を供給した後に、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を時計方向に回転させる。そして、原稿Pが排出されつつ、次の原稿P’が第1搬送路31内に送り出される。原稿トレイ1内に載置された原稿が無くなるまで上記動作が繰り返し行われる。また、原稿トレイ1に原稿が載置されていないと判定されたときには、原稿Pが第2スイッチバックローラ42を通過し終わるまで所定量搬送する処理を行った後、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を停止するとともに、電磁クラッチ54への電力の供給を停止する。
以上の工程を経て、原稿の両面を読み取る動作が終了する。
【0092】
次に、図13を参照して、原稿Pの片面を読み取る動作の原稿搬送手順について説明する。なお、図13は、第2実施形態に係る画像読取装置の片面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【0093】
まず、図示しない制御部が、原稿Pの片面を読み取る指令を取得すると、電磁クラッチ54に電力が供給された後、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53が駆動される(図8参照)。
このとき、制御部が、第1搬送モータ51を反時計方向に回転させることで、第1搬送モータ51に接続された第1スイッチバックローラ41及びスキャンローラ8が反時計方向に回転する(図13(a)参照)。
そして、第1切り替え部材37は、第2搬送路32を遮断した状態で停止する。
また、制御部が、第2搬送モータ53を時計方向に回転することで、第2搬送モータ53に接続されたピックアップローラ21、分離ローラ22及び第2スイッチバックローラ42が時計方向に回転する(図13(a)参照)。
そして、ピックアップローラ21が時計方向に回転すると、原稿トレイ1に載置された原稿Pが分離ローラ22及び分離パッド23に向かって送り出される(図13(a)参照)。
【0094】
次に、送り出された原稿Pは、分離ローラ22及び分離パッド23との間を通過する際に1枚に分離され、分離された原稿Pは、第1搬送路31内に送り出される(図13(a)参照)。
第1搬送路31内に送り出された原稿Pは、第1切り替え部材37に向かって搬送される(図13(a)参照)。
そして、第1切り替え部材37が第2搬送路32を遮断しているため、第1スイッチバックローラ41に向かって搬送される(図13(a)参照)。
【0095】
次に、原稿Pが第1スイッチバックローラ41に到達すると、第1スイッチバックローラ41が反時計方向に回転しているため、当該第1スイッチバックローラ41によりスキャンローラ8に向かって送り出される(図13(b)参照)。
そして、原稿Pがスキャンローラ8に到達すると、スキャンローラ8が反時計方向に回転しているため、当該スキャンローラ8により読取部6に向かって送り出される(図13(b)参照)。
読取部6に向かって送り出された原稿Pは、第2原稿検知センサ9の上方を通過して、読取部6に搬送される(図13(b)参照)。
なお、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの先端を検知すると、所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの読み取り処理を開始する制御を行う。
そして、読取部6に搬送された原稿Pは、原稿トレイ1に載置された状態で上側に位置する面の画像情報を読み取られて、第3搬送路33の正搬送路33a内に搬送される(図13(b)参照)。
第3搬送路33の正搬送路33a内に搬送された原稿Pは、第2切り替え部材38を押しのけて、第2スイッチバックローラ42に向かって第3搬送路33の第2原稿反転路33b内に搬送される(図13(b)参照)。このとき、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの後端を検知すると、原稿Pを所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの画像情報を読み取る処理を終了する。
そして、原稿Pが第2スイッチバックローラ42に到達すると、第2スイッチバックローラ42が時計方向に回転しているため、排出トレイ7内に排出される(図13(c)参照)。
【0096】
制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの後端を検知すると、原稿有無検知センサ1aの検知結果に基づき、原稿トレイ1に原稿が載置されているか否かを判定する。原稿トレイ1に原稿が載置されていると判定されたときには、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を回転し続けるとともに、電磁クラッチ54へ電力を供給し続ける。そして、原稿トレイ1内に載置された原稿が無くなるまで上記動作が繰り返し行われる。また、原稿トレイ1に原稿が載置されていないと判定されたときには、原稿Pが第2スイッチバックローラ42を通過するまで所定量搬送する処理を行った後、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を停止するとともに、電磁クラッチ54への電力供給を停止する。
以上の工程を経て、原稿の片面を読み取る動作が終了する。
【0097】
以上説明した第2実施形態によれば、前記した第1実施形態と略同等の作用効果を奏することができる。
本実施形態によれば、原稿トレイ1から搬出された原稿Pが、第1搬送路31から第2搬送路32を介して第1原稿反転路36に搬送され、当該第1原稿反転路36で反転されてから第1搬送路31を介して読取部6に搬送されることによって、原稿Pの表面を上側にしたまま、原稿Pの裏面に記された画像情報を最初に読み取ることができる。また、当該読み取られた原稿Pが、第3搬送路33の正搬送路33aを介して第2原稿反転路33bに搬送され、当該第2原稿反転路33bでスイッチバックして、第4搬送路34及び第1搬送路31を介して読取部6に搬送されることによって、原稿Pの表裏が反転して、原稿Pの表面が下側になり、原稿Pの上面に記された画像情報を読み取ることができる。つまり、原稿Pの両面を読み取み終えたときに、原稿Pの表面が下側に位置することになり、この状態のまま排出トレイ7に排出されることになる。したがって、排出トレイ7に排出される原稿Pをページ順に揃えるために、原稿Pが読取部6を再度通過する必要がなく、その分原稿Pと読取部6とが接触する回数を低減でき、ひいてはプラテンガラス61の汚れを最小限に抑制できる。
また、本実施形態によれば、第2スイッチバックローラ42を起点として、第4搬送路34、第1スイッチバックローラ41、読取部6及び第3搬送路33を通過して、第2スイッチバックローラ42を終点とするループ状の搬送路の長さをL4(mm)とし、第1搬送路31と第2搬送路32との分岐点を起点として、第2搬送路32を通過して、第1スイッチバックローラ41を終点とする搬送路の長さをL5(mm)としたときに、L4>L5の関係が満たされることによって、原稿Pの両面を読み取るときに原稿Pを搬送する距離を短縮することができる。したがって、原稿の1枚当たりの所要処理時間を短縮することが可能となり、ひいては画像情報読み取りの生産性を向上させることができる。
【0098】
(第3実施形態)
次に、本発明の画像読取装置100の第3実施形態について、図14を参照して説明する。なお、図14は、本発明の第3実施形態に係る画像読取装置の全体構成を示す縦断面図である。また、第3実施形態に係る画像読取装置100の説明においては、第1実施形態に係る画像読取装置と重複する部分については、説明を省略する。
【0099】
本実施形態では、図14に示すように、電磁クラッチ56が、第1搬送モータ51と第1スイッチバックローラ41との間に配置されている。そして、当該電磁クラッチ56に電力が供給されているときに、第1搬送モータ51の駆動力が第1スイッチバックローラ41に伝達されるように設定されている。
【0100】
ここで、図15を参照して、第3実施形態の画像読取装置100について更に詳細に説明する。なお、図15は、第3実施形態に係る画像読取装置の構成を説明するための説明図である。
【0101】
図15に示すように、本実施形態では、ピックアップローラ21を起点として、分離ローラ22、第1搬送路31及び第2搬送路32を通過して、第1スイッチバックローラ41を終点とするループ状の搬送路の長さをL6(mm)とし、スキャンローラ8を起点として、読取部6及び第4搬送路34を通過して、第2スイッチバックローラ42を終点とする搬送路の長さをL7(mm)とし、分離ローラ22の周速をVh(mm/s)とし、スキャンローラ8の周速をVs(mm/s)としたときに、L7/Vs>L6/Vhの関係が満たされるようにピックアップローラ21、分離ローラ22、スキャンローラ8、第1スイッチバックローラ41、第2スイッチバックローラ42、第1搬送路31、第2搬送路32及び第4搬送路34が配置されている。
【0102】
次に、図16乃至図18を参照して、原稿Pの両面を読み取る動作の原稿搬送手順について説明する。なお、図16乃至図18は、第3実施形態に係る画像読取装置の両面読み取り動作の原稿搬送手順を説明するための説明図である。
【0103】
まず、図示しない制御部が、原稿Pの両面を読み取る指令を取得すると、電磁クラッチ54及び電磁クラッチ56に電力が供給された後、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53が駆動される(図14参照)。
このとき、制御部が、第1搬送モータ51を時計方向に回転させることで、第1搬送モータ51に接続された第1スイッチバックローラ41、スキャンローラ8及び第1切り替え部材37が時計方向に回転する(図16(a)参照)。
そして、第1切り替え部材37は、時計方向に回転することにより、第1搬送路31を遮断した状態で停止する(図16(a)参照)。
また、制御部が、第2搬送モータ53を時計方向に回転させることで、第2搬送モータ53に接続されたピックアップローラ21、分離ローラ22及び第2スイッチバックローラ42が時計方向に回転する(図16(a)参照)。
そして、ピックアップローラ21が時計方向に回転すると、原稿トレイ1に載置された原稿Pが分離ローラ22及び分離パッド23に向かって送り出される(図16(a)参照)。
【0104】
次に、送り出された原稿Pは、分離ローラ22及び分離パッド23との間を通過する際に1枚に分離され、分離された原稿Pは、第1搬送路31内に送り出される(図16(a)参照)。
第1搬送路31内に送り出された原稿Pは、第1原稿検知センサ31aの上方を通過して第1切り替え部材37に向かって搬送される(図16(a)参照)。
そして、第1切り替え部材37が第1搬送路31を遮断しているため、原稿Pは第1搬送路31内から第2搬送路32内に搬送されるとともに、第1スイッチバックローラ41に向かって搬送される(図16(a)参照)。
なお、制御部は、第1原稿検知センサ31aが原稿Pの先端を検知すると、原稿Pの先端が第1スイッチバックローラ41に到達するまで所定量搬送する処理を行う。そして、制御部は、電磁クラッチ54への電力の供給を停止して、ピックアップローラ21及び分離ローラ22を停止し、次の原稿の搬送処理を行わないように制御する(図16(b)参照)。
【0105】
次に、原稿Pが第1スイッチバックローラ41に到達すると、第1スイッチバックローラ41が時計方向に回転しているため、当該第1スイッチバックローラ41により原稿Pが第1原稿反転路36内に送り出される(図16(b)参照)。
なお、制御部は、第1原稿検知センサ31aが原稿Pの後端を検知すると、所定量搬送する処理を行った後、第1搬送モータ51の駆動を一旦停止して、第1搬送モータ51を反時計方向(逆方向)に回転する。
そして、第1スイッチバックローラ41が反時計方向に回転するため、原稿Pが第1原稿反転路36内から第3搬送路33内に送り出される(図16(c)参照)。
第3搬送路33内に送り出された原稿Pは、スキャンローラ8に向かって第1搬送路31内に搬送される(図16(c)参照)。
そして、原稿Pがスキャンローラ8に到達すると、スキャンローラ8が反時計方向に回転しているため、当該スキャンローラ8により読取部6に向かって送り出される(図16(c)参照)。
【0106】
次に、読取部6に向かって送り出された原稿Pは、第2原稿検知センサ9の上方を通過して、読取部6に搬送される(図16(c)参照)。
なお、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの先端を検知すると、所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの読み取り処理を開始する制御を行う。
そして、読取部6に搬送された原稿Pは、原稿トレイ1に載置された状態で下側に位置する面の画像情報を読み取られて、第4搬送路34の正搬送路34a内に搬送される(図17(a))。
【0107】
ここで、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの後端を検知すると、原稿有無検知センサ1aの検知結果に基づき、原稿トレイ1に原稿が載置されているか否かを判定する。
そして、原稿トレイ1に原稿が載置されていると判定されたときには、第2搬送モータ53を時計方向に回転するとともに、電磁クラッチ54に電力を供給して、ピックアップローラ21を時計方向に回転させる。これによって、原稿トレイ1に載置された原稿P’が分離ローラ22及び分離パッド23に向かって送り出される(図17(a))。
また、制御部は、第1原稿検知センサ31aが原稿P’の先端を検知すると、原稿P’の先端が第1スイッチバックローラ41に到達するまで所定量搬送するように制御を行うとともに、電磁クラッチ54への電力の供給を停止して、ピックアップローラ21及び分離ローラ22の回転を停止する(図17(b)参照)。
【0108】
一方、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの後端を検知すると、原稿Pを所定量搬送するように制御を行った後に、原稿Pの画像情報を読み取る処理を終了する。
また、制御部は、原稿Pの後端が第2切り替え部材38を通過するまで所定量搬送するように制御を行う。
【0109】
そして、制御部が、第2搬送モータ53を停止し、原稿Pの後端側が第2スイッチバックローラ42に狭持されたときに、原稿P’の先端は第1スイッチバックローラ41まで到達する(図17(b)参照)。また、原稿Pの後端側が第2スイッチバックローラ42に狭持され、原稿Pの搬送が一旦停止した状態で、第1スイッチバックローラ41により原稿P’が第1原稿反転路36内に向かって送り出される(図17(b)参照)。
【0110】
制御部は、第1原稿検知センサ31aが原稿P’の後端を検知すると、所定量搬送するように制御を行った後、第1搬送モータ51を停止するとともに、電磁クラッチ56への電力の供給を停止する。そのため、第1スイッチバックローラ41の回転が停止して、原稿P’が第1スイッチバックローラ41に狭持され、原稿P’の搬送が一旦停止する。
続いて、制御部が、原稿P’の搬送を停止したまま、第1搬送モータ51を反時計方向に回転させるとともに、第2搬送モータ53を反時計方向に回転させる。
第2搬送モータ53が反時計方向に回転されることで、第2スイッチバックローラ42により狭持されていた原稿Pが、第4搬送路34の第2原稿反転路34b内から第5搬送路35内に送り出される(図17(c)参照)。このとき、第2切り替え部材38がその自重によって第4搬送路34の正搬送路34aを遮断しているため、原稿Pは第4搬送路34の第2原稿反転路34bから第5搬送路35内に好適に送り出される。
そして、第5搬送路35内に送り出された原稿Pは、スキャンローラ8の上流側に向かって第1搬送路31内に搬送される(図18(a)参照)。
第1搬送路31内に搬送された原稿Pが、スキャンローラ8に到達すると、スキャンローラ8が時計方向に回転しているため、当該スキャンローラ8により読取部6に向かって送り出される(図18(a)参照)。
【0111】
読取部6に向かって送り出された原稿Pは、第2原稿検知センサ9の上方を通過して、読取部6に搬送される(図18(a)参照)。
制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの先端を検知すると、所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの画像情報を読み取る処理を開始する。
そして、読取部6に搬送された原稿Pは、原稿トレイ1に載置された状態で上側に位置する面の画像情報を読み取られて、第4搬送路34の正搬送路34a内に搬送される(図18(a)参照)。制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿Pの後端を検知すると、原稿Pを所定量搬送する処理を行った後に、原稿Pの画像情報を読み取る処理を終了する。
第4搬送路34の正搬送路34a内に搬送された原稿Pは、第2切り替え部材38を押しのけて、第2スイッチバックローラ42に向かって第4搬送路34の第2原稿反転路34b内に搬送される(図18(b)参照)。
このとき、制御部は、読み取り処理開始から原稿Pの先端が第2スイッチバックローラ42に到達するまでの搬送量を算出して、原稿Pの先端が第2スイッチバックローラ42に到達する直前に第2搬送モータ53を停止し、第2搬送モータ53を時計方向に回転させる。
【0112】
そして、原稿Pが第2スイッチバックローラ42に到達すると、第2スイッチバックローラ42が時計方向に回転しているため、排出トレイ7内に排出される(図18(b)参照)。
【0113】
ここで、原稿P’は、原稿Pの両面の読み取り処理が終了するまで第1スイッチバックローラ41に狭持された状態で待機しており(図17(c)及び図18(a)参照)、原稿Pの読み取り処理が終了すると同時に電磁クラッチ56に電力が供給され、第1スイッチバックローラ41が反時計方向に回転することにより、第1原稿反転路36内から第1搬送路31内に送り出される(図18(b)参照)。したがって、原稿Pを排出トレイ7内に排出しつつ、次の原稿P’を読取部6に向かって搬送することができる(図18(b)参照)。
【0114】
なお、制御部は、第2原稿検知センサ9が原稿P’の後端を検知すると、原稿有無検知センサ1aの検知結果に基づき、原稿トレイ1に原稿が載置されているか否かを判定する。原稿トレイ1に原稿が載置されていると判定されたときには、原稿トレイ1内に載置された原稿が無くなるまで上記動作が繰り返し行われる。また、原稿トレイ1に原稿が載置されていないと判定されたときには、原稿P’が第2スイッチバックローラ42を通過し終わるまで所定量搬送する処理を行った後、第1搬送モータ51及び第2搬送モータ53を停止させるとともに、電磁クラッチ54及び電磁クラッチ56への電力の供給を停止する。
以上の工程を経て、原稿の両面を読み取る動作が終了する。
【0115】
以上説明した第3実施形態によれば、前記した第1実施形態と略同等の作用効果を奏することができる。
また、本実施形態によれば、ピックアップローラ21を起点として、分離ローラ22、第1搬送路31及び第2搬送路32を通過して、第1スイッチバックローラ41を終点とするループ状の搬送路の長さをL6(mm)とし、スキャンローラ8を起点として、読取部6及び第4搬送路34を通過して、第2スイッチバックローラ42を終点とする搬送路の長さをL7(mm)とし、分離ローラ22の周速をVh(mm/s)とし、スキャンローラ8の周速をVs(mm/s)としたときに、L7/Vs>L6/Vhの関係が満たされることによって、原稿の両面を読み取るときに前原稿の読み取りと次の原稿の搬出を同時に行うことができるため、原稿の1枚当たりの所要処理時間を短縮することが可能となり、ひいては画像情報読み取りの生産性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0116】
1 原稿トレイ(原稿載置部)
2 搬出部
3 搬送路
31 第1搬送路
32 第2搬送路
33 第3搬送路
33a 正搬送路
33b 第2原稿反転路
34 第4搬送路
34a 正搬送路
34b 第2原稿反転路
35 第5搬送路
36 第1原稿反転路
37 第1切り替え部材(第1切り替え手段)
38 第2切り替え部材(第2切り替え手段)
4 原稿反転部
41 第1スイッチバックローラ(第1原稿反転部)
42 第2スイッチバックローラ(第2原稿反転部)
5 駆動部
6 読取部
61 プラテンガラス
63 読取センサ
7 排出トレイ(原稿集積部)
8 スキャンローラ
A 複合装置
100 画像読取装置
100A 自動原稿搬送装置
100B 原稿読取装置
200 画像形成装置
P 原稿
P’ 原稿
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両面原稿が載置される原稿載置部と、
前記原稿載置部に載置された両面原稿を搬出する搬出部と、
前記搬出部から前記両面原稿に記された画像情報を読み取る読取位置に至る第1搬送路と、
前記読取位置で前記画像情報が読み取られた両面原稿が排出される原稿集積部と、
前記第1搬送路から分岐し、前記両面原稿を反転させてから前記第1搬送路に合流する第1反転機構と、
前記第1搬送路に連続し、片面の前記画像情報が読み取られた前記両面原稿を反転させてから再び前記第1搬送路に導く第2反転機構と、
を備えたことを特徴とする自動原稿搬送装置。
【請求項2】
前記第1搬送路と前記第1反転機構との分岐点に配置され、前記分岐点から前記読取位置に至るまでの経路と前記第1反転機構とを切り替える第1切り替え手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項3】
前記分岐点から前記読取位置に至るまでの経路と前記第1反転機構とを前記第1切り替え手段に切り替えさせる制御部を、さらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項4】
前記第1反転機構は、
前記両面原稿が反転する第1原稿反転路と、前記第1搬送路から分岐し且つ前記第1搬送路と前記第1原稿反転路とを繋ぐ第2搬送路と、前記第2搬送路から分岐し且つ前記第1搬送路の読取位置側に合流する第3搬送路と、前記第2搬送路と前記第1原稿反転路との間に配置され、前記第2搬送路から搬送されてきた両面原稿を前記第1原稿反転路に導くとともに、前記第1原稿反転路に導かれた両面原稿を第3搬送路に導く第1原稿反転部と、を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項5】
前記第2反転機構は、
前記第1搬送路の読取位置側端部から前記原稿集積部に至る第4搬送路から分岐し且つ前記第1搬送路の読取位置側に合流する第5搬送路と、前記第4搬送路に配置され、片面の前記画像情報が読み取られた両面原稿を前記第5搬送路に導き、さらに両面の前記画像情報が読み取られた両面原稿を前記原稿集積部に導く第2原稿反転部とを、有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項6】
前記第4搬送路と前記第5搬送路との分岐点に配置され、前記第4搬送路と前記第5搬送路との分岐点から前記原稿集積部に至るまでの経路と前記第5搬送路とを切り替える第2切り替え手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項7】
前記第2原稿反転部を起点として前記第5搬送路、前記第1搬送路及び前記第4搬送路を通過して前記第2原稿反転部を終点とする搬送路の長さをL1とし、前記第1搬送路と前記第2搬送路との分岐点を起点として前記第1原稿反転部を終点とする搬送路の長さをL2とし、前記第1原稿反転部を起点として前記第3搬送路と前記第1搬送路との合流点を終点とする搬送路長をL3としたときに、
L1>L2+L3
の関係が満たされることを特徴とする請求項5に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項8】
前記第1反転機構は、
前記第1搬送路から分岐し且つ前記両面原稿が反転する第1原稿反転路と、前記第1搬送路と前記第1原稿反転路との分岐点よりも前記第1搬送路の搬出部側から分岐し且つ前記第1搬送路の読取位置側に合流する第2搬送路と、前記第1搬送路に配置され、前記第2搬送路を介して前記第1搬送路から搬送されてきた両面原稿を前記第1原稿反転路に導くとともに、前記第1原稿反転路に導かれた両面原稿を第1搬送路に導く第1原稿反転部と、を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項9】
前記第2反転機構は、
前記第1搬送路の読取位置側端部から前記原稿集積部に至る第3搬送路から分岐し且つ前記第1搬送路の搬出部側に合流する第4搬送路と、前記第3搬送路に配置され、片面の前記画像情報が読み取られた両面原稿を前記第4搬送路に導き、さらに両面の前記画像情報が読み取られた両面原稿を前記原稿集積部に導く第2原稿反転部とを、有することを特徴とする請求項1又は請求項7に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項10】
前記第3搬送路と前記第4搬送路との分岐点に配置され、前記第3搬送路と前記第4搬送路との分岐点から前記原稿集積部に至るまでの経路と前記第4搬送路とを切り替える第2切り替え手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項9に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項11】
前記第2原稿反転部を起点として前記第4搬送路、前記読取位置、前記第1搬送路及び前記第3搬送路を通過して前記第2原稿反転部を終点とする搬送路の長さをL4とし、前記第1搬送路と前記第2搬送路との分岐点を起点として前記第2搬送路及び前記第1搬送路を通過して前記第1原稿反転部を終点とする搬送路の長さをL5としたときに、
L4>L5
の関係が満たされることを特徴とする請求項9に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項12】
筐体をさらに備え、
前記第1原稿反転路の終端は、前記筐体外部に露出していることを特徴とする請求項4乃至請求項11のいずれか一項に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項13】
前記第1原稿反転路は、前記第1搬送路よりも上方に配置されていることを特徴とする請求項4乃至請求項12のいずれか一項に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項14】
前記原稿集積部は、前記原稿載置部よりも下方に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載の自動原稿搬送装置と、
前記両面原稿に記された画像情報を読み取る読取部を含む原稿読取装置と、を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項16】
請求項15に記載の画像読取装置と、
前記画像読取装置が読み取った画像情報を媒体に形成する画像形成装置と、を備えることを特徴とする複合装置。
【請求項17】
両面原稿を反転する第1工程と、
前記反転された両面原稿の一方の面に記された画像情報を読み取る第2工程と、
前記一方の面に記された画像情報を読み取られた両面原稿を反転する第3工程と、
前記反転された両面原稿の他方の面に記された画像情報を読み取る第4工程と、
を備えることを特徴とする画像情報読取方法。
【請求項1】
両面原稿が載置される原稿載置部と、
前記原稿載置部に載置された両面原稿を搬出する搬出部と、
前記搬出部から前記両面原稿に記された画像情報を読み取る読取位置に至る第1搬送路と、
前記読取位置で前記画像情報が読み取られた両面原稿が排出される原稿集積部と、
前記第1搬送路から分岐し、前記両面原稿を反転させてから前記第1搬送路に合流する第1反転機構と、
前記第1搬送路に連続し、片面の前記画像情報が読み取られた前記両面原稿を反転させてから再び前記第1搬送路に導く第2反転機構と、
を備えたことを特徴とする自動原稿搬送装置。
【請求項2】
前記第1搬送路と前記第1反転機構との分岐点に配置され、前記分岐点から前記読取位置に至るまでの経路と前記第1反転機構とを切り替える第1切り替え手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項3】
前記分岐点から前記読取位置に至るまでの経路と前記第1反転機構とを前記第1切り替え手段に切り替えさせる制御部を、さらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項4】
前記第1反転機構は、
前記両面原稿が反転する第1原稿反転路と、前記第1搬送路から分岐し且つ前記第1搬送路と前記第1原稿反転路とを繋ぐ第2搬送路と、前記第2搬送路から分岐し且つ前記第1搬送路の読取位置側に合流する第3搬送路と、前記第2搬送路と前記第1原稿反転路との間に配置され、前記第2搬送路から搬送されてきた両面原稿を前記第1原稿反転路に導くとともに、前記第1原稿反転路に導かれた両面原稿を第3搬送路に導く第1原稿反転部と、を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項5】
前記第2反転機構は、
前記第1搬送路の読取位置側端部から前記原稿集積部に至る第4搬送路から分岐し且つ前記第1搬送路の読取位置側に合流する第5搬送路と、前記第4搬送路に配置され、片面の前記画像情報が読み取られた両面原稿を前記第5搬送路に導き、さらに両面の前記画像情報が読み取られた両面原稿を前記原稿集積部に導く第2原稿反転部とを、有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項6】
前記第4搬送路と前記第5搬送路との分岐点に配置され、前記第4搬送路と前記第5搬送路との分岐点から前記原稿集積部に至るまでの経路と前記第5搬送路とを切り替える第2切り替え手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項7】
前記第2原稿反転部を起点として前記第5搬送路、前記第1搬送路及び前記第4搬送路を通過して前記第2原稿反転部を終点とする搬送路の長さをL1とし、前記第1搬送路と前記第2搬送路との分岐点を起点として前記第1原稿反転部を終点とする搬送路の長さをL2とし、前記第1原稿反転部を起点として前記第3搬送路と前記第1搬送路との合流点を終点とする搬送路長をL3としたときに、
L1>L2+L3
の関係が満たされることを特徴とする請求項5に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項8】
前記第1反転機構は、
前記第1搬送路から分岐し且つ前記両面原稿が反転する第1原稿反転路と、前記第1搬送路と前記第1原稿反転路との分岐点よりも前記第1搬送路の搬出部側から分岐し且つ前記第1搬送路の読取位置側に合流する第2搬送路と、前記第1搬送路に配置され、前記第2搬送路を介して前記第1搬送路から搬送されてきた両面原稿を前記第1原稿反転路に導くとともに、前記第1原稿反転路に導かれた両面原稿を第1搬送路に導く第1原稿反転部と、を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項9】
前記第2反転機構は、
前記第1搬送路の読取位置側端部から前記原稿集積部に至る第3搬送路から分岐し且つ前記第1搬送路の搬出部側に合流する第4搬送路と、前記第3搬送路に配置され、片面の前記画像情報が読み取られた両面原稿を前記第4搬送路に導き、さらに両面の前記画像情報が読み取られた両面原稿を前記原稿集積部に導く第2原稿反転部とを、有することを特徴とする請求項1又は請求項7に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項10】
前記第3搬送路と前記第4搬送路との分岐点に配置され、前記第3搬送路と前記第4搬送路との分岐点から前記原稿集積部に至るまでの経路と前記第4搬送路とを切り替える第2切り替え手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項9に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項11】
前記第2原稿反転部を起点として前記第4搬送路、前記読取位置、前記第1搬送路及び前記第3搬送路を通過して前記第2原稿反転部を終点とする搬送路の長さをL4とし、前記第1搬送路と前記第2搬送路との分岐点を起点として前記第2搬送路及び前記第1搬送路を通過して前記第1原稿反転部を終点とする搬送路の長さをL5としたときに、
L4>L5
の関係が満たされることを特徴とする請求項9に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項12】
筐体をさらに備え、
前記第1原稿反転路の終端は、前記筐体外部に露出していることを特徴とする請求項4乃至請求項11のいずれか一項に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項13】
前記第1原稿反転路は、前記第1搬送路よりも上方に配置されていることを特徴とする請求項4乃至請求項12のいずれか一項に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項14】
前記原稿集積部は、前記原稿載置部よりも下方に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載の自動原稿搬送装置。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載の自動原稿搬送装置と、
前記両面原稿に記された画像情報を読み取る読取部を含む原稿読取装置と、を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項16】
請求項15に記載の画像読取装置と、
前記画像読取装置が読み取った画像情報を媒体に形成する画像形成装置と、を備えることを特徴とする複合装置。
【請求項17】
両面原稿を反転する第1工程と、
前記反転された両面原稿の一方の面に記された画像情報を読み取る第2工程と、
前記一方の面に記された画像情報を読み取られた両面原稿を反転する第3工程と、
前記反転された両面原稿の他方の面に記された画像情報を読み取る第4工程と、
を備えることを特徴とする画像情報読取方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
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【図6】
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【図12】
【図13】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−111321(P2011−111321A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272092(P2009−272092)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】
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