説明

自動原稿送り装置及びそれを備える原稿読取装置

【課題】複数の切替ガイドを備えた自動原稿送り装置において、コンパクトな構成を提供する。
【解決手段】ADF(自動原稿送り装置)は、経路が分岐される第1分岐部及び第2分岐部を有する原稿搬送経路と、上方切替ガイド75と、下方切替ガイド76と、を備える。上方切替ガイド75は、第1分岐部において、原稿が搬送される経路を切替可能である。下方切替ガイド76は、第2分岐部において、原稿が搬送される経路を切替可能である。そして、上方切替ガイド75及び下方切替ガイド76は、原稿の幅方向で見たときに互いに重なり合う位置に移動可能である。そして、第2分岐部では、原稿の幅方向で見たときに上方切替ガイド75と下方切替ガイド76との重なり合う部分で原稿が案内される状態と、上方切替ガイド75と下方切替ガイド76との間を原稿が搬送されるように当該原稿が案内される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動原稿送り装置、及び、当該自動送り搬送装置で原稿を搬送しながら画像情報の読取りを行う原稿読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、原稿が搬送される経路に分岐を設け、この分岐箇所に配置された切替ガイドによって、当該分岐箇所を通過する原稿を適切な方向へ案内する構成の自動原稿送り装置が知られている。特許文献1は、切替ガイドを複数備えた構成の自動原稿送り装置を開示する。
【0003】
特許文献1の自動原稿送り装置は、切替ガイドとして、揺動フラッパと追従フラッパと係合フラッパとを備える。この追従フラッパと係合フラッパは、揺動フラッパの動作に従って動作するように構成されている。これらの切替ガイドが動作することで、原稿が搬送される経路を切り替えることができる。そして、この自動原稿送り装置は、原稿の搬送方向の長さ(原稿長さ)等に応じてこれらの切替ガイドが動作するように制御しており、原稿長さに応じた適切な経路に沿って原稿を搬送させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−233872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1のように複数の切替ガイドを備える構成では、これらの切替ガイド同士の衝突を避けるために、適切な距離を離してそれぞれの切替ガイドを配置する必要がある。特に、複数の分岐箇所に対応するために複数の切替ガイドを個別に動作可能である構成では、1つの切替ガイドの動作範囲に他の切替ガイドの動作範囲が含まれないように各切替ガイドの配置を行う必要があった。この場合、分岐箇所同士が離れてしまうため、経路が長くなってしまい、自動原稿送り装置のサイズが大きくなってしまう。
【0006】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、複数の切替ガイドを備えた自動原稿送り装置において、コンパクトな構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0008】
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の自動原稿送り装置が提供される。即ち、この自動原稿送り装置は、原稿搬送経路と、第1切替ガイドと、第2切替ガイドと、を備える。前記原稿搬送経路は、原稿を搬送するための経路であり、経路が分岐される第1分岐部及び第2分岐部を有する。前記第1切替ガイドは、前記第1分岐部において、原稿が搬送される経路を切替可能である。前記第2切替ガイドは、前記第2分岐部において、原稿が搬送される経路を切替可能である。そして、前記第1切替ガイド及び前記第2切替ガイドは、原稿の幅方向で見たときに互いに重なり合う位置に移動可能である。また、前記第2分岐部では、原稿の幅方向で見たときに前記第1切替ガイドと前記第2切替ガイドとの重なり合う部分で原稿が案内される状態と、前記第1切替ガイドと前記第2切替ガイドとの間を原稿が搬送される状態と、が構成される。
【0009】
これにより、第1切替ガイドと第2切替ガイドとの距離を近くすることができるため、自動原稿送り装置のサイズを小さくすることができる。また、第1切替ガイド及び第2切替ガイドを重なり合わせることなく近づけた場合、第1切替ガイドと第2切替ガイドとの間に隙間が生じてしまい、この隙間に原稿が引っ掛かることがあるが、上記の構成によって、この引っ掛かりの発生も防止できる。
【0010】
前記の自動原稿送り装置においては、以下の構成であることが好ましい。即ち、前記第1切替ガイドには、複数の溝及び突起からなる第1凹凸部が形成されている。前記第2切替ガイドには、前記第1凹凸部と対応するように配置された第2凹凸部が形成されている。そして、前記第1切替ガイドと前記第2切替ガイドとが互いに重なり合うときは、互いの前記突起が相手側の前記溝に入り込む。
【0011】
これにより、第1切替ガイドと第2切替ガイドとが互いに重なり合う位置において、第1切替ガイド及び第2切替ガイドが原稿に対して及ぼす力を幅方向に分散させることができる。そのため、原稿を適切に搬送することができる。
【0012】
前記の自動原稿送り装置においては、以下の構成であることが好ましい。即ち、自動原稿送り装置は、前記原稿搬送経路を形成する固定ガイドを備える。そして、前記第1切替ガイドは、揺動することによって、原稿を前記第2分岐部に案内するか、原稿を前記固定ガイドが形成する経路に案内するか、を切替可能である。
【0013】
これにより、固定ガイドと第1切替ガイドとで第1分岐部が構成され、原稿が搬送される経路を切り替えることができる。
【0014】
前記の自動原稿送り装置においては、以下の構成であることが好ましい。即ち、原稿の幅方向で見たときに、前記第1切替ガイドの搬送方向上流側の先端部が前記固定ガイドと互いに重なり合う位置にあるときと、前記第1切替ガイドの搬送方向上流側の先端部が前記固定ガイドと互いに重なり合わない位置にあるときと、で原稿を案内する経路が異なる。
【0015】
これにより、第1切替ガイドと固定ガイドとの距離を近くすることができるため、自動原稿送り装置のサイズを小さくすることができる。
【0016】
前記の自動原稿送り装置においては、以下の構成であることが好ましい。即ち、自動原稿送り装置は、前記原稿搬送経路を形成する第2固定ガイドを備える。原稿の幅方向で見たときに、前記第2切替ガイドの搬送方向上流側の先端部が前記第2固定ガイドと互いに重なり合う位置にあるときと、前記第2切替ガイドの搬送方向上流側の先端部が前記第2固定ガイドと互いに重なり合わない位置にあるときと、で原稿を案内する経路が異なる。
【0017】
これにより、第2切替ガイドと第2固定ガイドとの距離も小さくできるため、自動原稿送り装置のサイズを小さくすることができる。
【0018】
前記の自動原稿送り装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、この自動原稿送り装置は、弾性部材と、切替駆動部材と、を備える。前記弾性部材は、前記第1切替ガイドから離れる方向又は前記第1切替ガイドに近づく方向に、前記第2切替ガイドを押圧する。前記切替駆動部材は、前記第2切替ガイドに対して、前記弾性部材が押圧する方向と反対方向に力を加えるか否かを切り替えることが可能である。そして、前記切替駆動部材が前記第2切替ガイドに対して力を加えてないときに、原稿の第1面のみを読み取って排出する経路が構成される。
【0019】
即ち、原稿の読取りを行うときは、両面を読み取るよりも片面だけ読み取ることの方が一般的には多い。この点、上記の構成においては、片面のみの画像情報を読み取って排出するときには切替駆動部材が力を発生させる必要がない。従って、省エネルギー性に優れた自動原稿送り装置が実現できる。
【0020】
本発明の第2の観点によれば、前記の自動原稿送り装置を備える原稿読取装置が提供される。
【0021】
これにより、装置のサイズを小さくすることができ、更に、原稿の引っ掛かりを防止した構成の原稿読取装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る複合機の外観斜視図。
【図2】イメージスキャナ装置の構成を示す正面断面図。
【図3】導入経路及び片面用排出経路を説明する模式図。
【図4】第1反転経路を説明する模式図。
【図5】第2反転経路を説明する模式図。
【図6】両面用排出経路を説明する模式図。
【図7】第1反転経路が形成されるときの上方切替ガイド及び下方切替ガイドの位置関係を示す図。
【図8】第2反転経路が形成されるときの上方切替ガイド及び下方切替ガイドの位置関係を示す図。
【図9】片面用排出経路又は両面用排出経路が形成されるときの上方切替ガイド及び下方切替ガイドの位置関係を示す図。
【図10】上方切替ガイド及び下方切替ガイドの詳細な形状を示す斜視図。
【図11】上方切替ガイド及び下方切替ガイドを駆動する構成を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に係る複合機1の外観斜視図である。
【0024】
複合機1は、コピー機能及びファクシミリ機能を備えており、ブックスキャナ及びオートドキュメントフィードスキャナとして機能するイメージスキャナ装置(原稿読取装置)11を、当該複合機1の上部に備えている。また、複合機1は、コピー部数、ファクシミリ送信先及び原稿読取等を指示するための操作パネル12を備える。
【0025】
更に、複合機1は、記録媒体としての用紙に画像を形成する画像形成部等を内蔵した複合機本体13と、前記用紙を順次供給する給紙カセット14と、を備えている。なお、複合機本体13は、通信回線を介して画像情報を伝送するための図略の送受信部等を備える。
【0026】
次に、図2を参照して、複合機1が備えるイメージスキャナ装置11について説明する。図2は、イメージスキャナ装置11の構成を示す正面断面図である。なお、本実施形態における正面図は、搬送される原稿の幅方向で見た図と表現することもできる。
【0027】
図2に示すように、イメージスキャナ装置11は、原稿台カバー21と、プラテンガラス22と、コンタクトガラス23と、を備えている。この原稿台カバー21には自動原稿送り装置(オートドキュメントフィーダ、ADF)24が備えられている。また、イメージスキャナ装置11は、プラテンガラス22及びコンタクトガラス23の下方に、原稿100の画像情報を読み取るためのスキャナユニット25を備えている。
【0028】
スキャナユニット25は、原稿台の内部で左右方向に移動可能なキャリッジ110を備えている。このキャリッジ110には、光源111と、複数の反射ミラー112と、集光レンズ113と、電荷結合素子(CCD)114と、が配置されている。光源111は読取原稿に対して光を照射し、読取原稿からの反射光は、複数の反射ミラー112で反射した後、集光レンズ113を通過して収束してCCD114の表面に結像する。そして、CCD114は、入射された収束光を電気信号に変換して出力する。
【0029】
また、前記原稿台カバー21が備えるADF24は、図2に示すように、当該原稿台カバー21の上部に設けられた給紙トレイ52と、この給紙トレイ52の下方に設けられた排紙トレイ53と、を備える。また、ADF24の内部には、給紙トレイ52と排紙トレイ53とを繋ぐ原稿搬送経路40が構成されている。
【0030】
ユーザが図1に示す操作パネル12を操作して、イメージスキャナ装置11をオートドキュメントフィードスキャナとして使用するように指示すると、給紙トレイ52に重ねてセットされた原稿100が、原稿搬送経路40に沿って1枚ずつ搬送される。そして、原稿搬送経路40に沿って搬送される原稿100がコンタクトガラス23のガラス面(読取位置)を通過するときに、この原稿100の画像情報がスキャナユニット25によって読み取られる。その後、原稿100は、原稿搬送経路40に沿って搬送されて、排紙トレイ53へ排出される。
【0031】
一方、イメージスキャナ装置11をブックスキャナとして使用する場合は、読み取るべきブック原稿をユーザがプラテンガラス22上に載置する。そして、ADF24の下部に配置されたプラテンシート51によって、ブック原稿を上側から押圧して、動かないように固定する。この状態で、左右方向に移動しながらスキャナユニット25が読取りを行うことで、ブック原稿の画像情報が読み取られる。
【0032】
次に、ADF24の内部の構成を詳細に説明する。なお、以下の説明において、正面視でみたときに給紙トレイ52がある側を単に「右側」と称し、正面視におけるその反対側を単に「左側」と称することがある。
【0033】
本実施形態のADF24は、原稿100の片面(第1面)のみを読み取るときと、原稿100の両面(第1面及び第2面)を読み取るときと、で原稿100の搬送される経路が異なるように構成されている。初めに、原稿100の片面のみを読み取るときの経路と、その経路に配置される部材について、図2及び図3を参照して説明する。図3は、導入経路41及び片面用排出経路43を説明する模式図である。
【0034】
原稿100の片面のみを読み取るときは、図3に示すように、原稿100を読取位置まで案内するための導入経路41と、原稿100を読取位置から排紙トレイ53まで案内するための片面用排出経路43と、に沿って原稿100が搬送される。
【0035】
導入経路41には、上流側から順に、ピックアップローラ30と、分離ローラ31と、レジストローラ32と、三連ローラ33と、搬送ローラ34と、が配置されている。以下に、上流側から下流側の順で、導入経路41の経路上に配置される各部の構成について説明する。
【0036】
導入経路41の上流側の端部近傍には、ピックアップローラ30及び分離ローラ31が配置されている。ピックアップローラ30は、分離ローラ31の回転軸を中心にして回動可能に構成されており、ADF24の非動作時においては、図2における上側にピックアップローラ30が保持されている。一方、原稿100を繰り込む際はピックアップローラ30が下方に回動し、給紙トレイ52に重ねてセットされている原稿100のうち、最上層にある原稿100の端部に接触する。この状態でピックアップローラ30が回転することによって、給紙トレイ52上の最上層の原稿100が分離ローラ31へ搬送される。
【0037】
ピックアップローラ30の駆動によって分離ローラ31へ送られた原稿100は、回転駆動する分離ローラ31によって1枚ずつ分離された後に、下流側に配置されたレジストローラ32へ搬送される。
【0038】
レジストローラ32は、対向するローラとともに、搬送されてくる原稿100の先端部を一時的に止めて弛ませ、所定時間後に弛みを除去しつつ下流側に搬送する。これにより、原稿100の斜行が矯正される。レジストローラ32を通過した原稿100は、下流側に配置された三連ローラ33へ搬送される。
【0039】
なお、分離ローラ31から三連ローラ33のやや上流側までの導入経路41は、直線状の経路となっている。
【0040】
三連ローラ33は、中央に配置される駆動ローラ331と、この駆動ローラ331を挟み込むように上下に配置される従動ローラ332,333と、で構成されている。導入経路41に沿って搬送される原稿100は、駆動ローラ331とその上方に配置される従動ローラ332との間を通過して左斜め下側へ搬送される。三連ローラ33を通過した原稿100は、下流側に配置された搬送ローラ34へ搬送される。なお、駆動ローラ331の下方に配置される従動ローラ333は、従動ローラ332と回転方向が逆となっており、駆動ローラ331と従動ローラ333との間を通過する原稿100を右側へ搬送することができる。
【0041】
搬送ローラ34は、対向するローラとともに原稿100をニップして回転することで、この原稿100を右斜め下側(読取位置側)へ搬送する。そして、原稿100が前記読取位置を通過するときに、スキャナユニット25によって第1面の画像情報が読み取られる。なお、この搬送ローラ34は回転方向を切替可能に構成されており、逆方向に回転することで、原稿100を左斜め上側(三連ローラ33側)へ搬送することができる。
【0042】
なお、三連ローラ33のやや上流側から読取位置までの導入経路41は、左側に膨らんだ(左側に凸となるように湾曲した)経路(図3に示す導入湾曲経路411)となっている。
【0043】
次に、片面用排出経路43について説明する。片面用排出経路43には、上流側から順に、三連ローラ35と、搬送ローラ36と、共通ローラ38及び対向ローラ39と、が配置されている。以下に、上流側から下流側の順で、片面用排出経路43の経路上に配置される各部の構成について説明する。
【0044】
読取位置のやや下流側には上下に分岐する箇所があり、この分岐箇所の近傍には三連ローラ35が配置されている。この三連ローラ35は、中央に配置されるレジストローラ351と、レジストローラ351を挟み込むように上下に配置される従動ローラ352,353と、で構成されている。スキャナユニット25によって画像情報が読み取られた原稿100は、レジストローラ351とその上方に配置される従動ローラ352との間を通過して右斜め上側へ搬送される。この三連ローラ35を通過した原稿100は、下流側に配置された搬送ローラ36によって、この搬送ローラ36の右斜め下側に位置する共通ローラ38へ搬送される。なお、このレジストローラ351は、前記レジストローラ32と同等の構成となっており、レジストローラ351とその下方に配置される従動ローラ353との間を左斜め下側へ搬送される原稿100の斜行を矯正することができる。
【0045】
共通ローラ38は、対向するように配置された対向ローラ39とともに原稿100をニップして回転することで、この原稿100を右側へ搬送して、排紙トレイ53に排出する。以上のようにして、給紙トレイ52にセットされた原稿100の片面のみの画像情報が読み取られる。なお、この共通ローラ38は回転方向を切替可能に構成されており、原稿100の排出を行うときと逆方向に回転することで、原稿100を左側(読取位置側)へ搬送することができる。
【0046】
次に、原稿100の両面を読み取るときの経路について、図2、及び図4から図6までを参照して説明する。図4は、第1反転経路45を説明する模式図である。図5は、第2反転経路46を説明する模式図である。図6は、両面用排出経路47を説明する模式図である。
【0047】
原稿100の両面を読み取るときにおいても、原稿100の片面のみを読み取るときと同様に、給紙トレイ52にセットされた原稿が前記導入経路41に沿って読取位置まで搬送される。そして、原稿100の第1面の画像情報がスキャナユニット25によって読み取られる。また、本実施形態のADF24は、原稿100の搬送方向の長さ(原稿長さ)を検出可能に構成されており、検出された原稿長さに基づいて図略の経路ガイド等を操作することで、導入経路41の次に原稿100が搬送される経路を切替可能に構成されている。
【0048】
初めに、原稿長さが短い場合に原稿100が搬送される経路について説明する。この場合の原稿100は、導入経路41に沿って読取位置まで搬送された後に、図4に示す第1反転経路45に沿って搬送されるように構成されている。この第1反転経路45は、上流側から順に、第1反転前経路451と、第1反転中経路452と、第1反転後経路453と、から構成されている。
【0049】
第1反転前経路451には、上流側から順に、三連ローラ35と搬送ローラ36とが配置されている。第1反転前経路451に沿って搬送される原稿100は、片面用排出経路43と同様に、レジストローラ351とその上方に配置される従動ローラ352との間を通過して右斜め上側へ搬送される。そして、原稿100は、搬送ローラ36によって、右方向へ搬送されて第1反転中経路452へ搬送される。
【0050】
第1反転中経路452は、途中までは片面用排出経路43と同様に、右斜め下方へ原稿100を案内する。しかし、その途中の分岐箇所から後は、原稿100が左斜め下方へ搬送されるように案内する。この第1反転中経路452は、右側に膨らんだ(右側に凸となるように湾曲した)経路となっている。この第1反転中経路452に沿って搬送されることで、原稿100の裏表が反転する。つまり、第1反転中経路452に沿って搬送される前までは下側(スキャナユニット25側)を向いていた第1面が、第1反転中経路452に沿って搬送された後は、上側を向くようになる。そして、第1反転中経路452に沿って搬送された原稿100は、第1反転後経路453へ搬送される。
【0051】
第1反転後経路453には、上流側から順に、搬送ローラ37と三連ローラ35とが配置される。第1反転後経路453に沿って搬送される原稿100は、搬送ローラ37によって左側へ搬送されて、三連ローラ35のレジストローラ351によって斜行が矯正された後に、読取位置を通過する。このようにして、原稿長さが短い場合の原稿100を反転させている。
【0052】
次に、原稿長さが長い場合の原稿100を反転させる経路について説明する。ここで、原稿長さが長い場合とは、原稿長さが第1反転経路45の長さと同等か、原稿長さの方が長い場合を意味する。仮に、原稿長さが長い原稿100を第1反転経路45に沿って搬送した場合、原稿100の後端部が読取位置にまだ残っている状態で反転後の原稿100の先端部が読取位置を通過しようとするため、原稿100が重なってしまい、紙詰まりを起こしてしまう。そのため、図5に示すように、原稿長さが長い場合における原稿100が通過する第2反転経路46は、第1反転経路45よりも長く構成されている。
【0053】
第2反転経路46は、第2反転前経路461と、第2反転中経路462と、第2反転後経路463と、から構成される。第2反転前経路461は、第1反転前経路451よりも更に右側へ延びている。第2反転中経路462は、第1反転中経路452と同様に、右側に膨らんだ(右側に凸となるように湾曲した)経路を有している。第2反転後経路463は、第1反転後経路453よりも更に右側へ延びている。
【0054】
なお、第2反転後経路463が原稿100を左側へ搬送するときに共通ローラ38を経由するが、前述のように共通ローラ38は回転方向を切替可能であるため、共通ローラ38を左側へ搬送することができる。このように共通ローラ38は、排出ローラとしての機能と搬送ローラとしての機能とを備えている。このようにして、原稿長さが長い場合の原稿100を反転させている。
【0055】
そして、第1反転経路45又は第2反転経路46によって反転され、第2面の画像情報が読み取られた原稿100は、図6に示す両面用排出経路47へ搬送される。
【0056】
両面用排出経路47に沿って搬送される原稿100は、読取位置を左側へ通過した後に、搬送ローラ34によって左斜め上側へ搬送される。そして、原稿100は、駆動ローラ331とその下方に配置される従動ローラ333との間を通過して右方向へ搬送される。
【0057】
なお、読取位置から三連ローラ33までの両面用排出経路47は、左側に膨らんだ(左側に凸となるように湾曲した)経路(図6に示す排出湾曲経路471)となっている。なお、導入湾曲経路411に沿って搬送される原稿100と、排出湾曲経路471に沿って搬送される原稿100とでは、原稿100の搬送方向が互いに逆方向となっている。この点、本実施形態の搬送ローラ34は回転方向を切替可能であり、更に、従動ローラ332と従動ローラ333の回転方向が互いに逆方向となるため、上記の双方向搬送に対応している。
【0058】
そして、両面用排出経路47に沿って搬送され、三連ローラ33を通過した原稿100は、右方向に搬送され、搬送ローラ36を経由した後に、右斜め下方へ搬送される。そして、片面用排出経路43に沿って搬送される原稿100と同様に、共通ローラ38及び対向ローラ39によって、排紙トレイ53に排出される。なお、搬送ローラ36のやや下流の分岐箇所から共通ローラ38のやや上流の分岐箇所までの両面用排出経路47は、第2反転前経路461と第2反転後経路463とを接続している(図6に示す接続経路472)。以上のように、給紙トレイ52にセットされた原稿100の両面の画像情報が読み取られる。
【0059】
次に、第1反転中経路452の近傍に配置された、原稿100の搬送される経路を切り替える部材について図7から図10までを参照して説明する。図7は、第1反転経路45が形成されるときの上方切替ガイド75及び下方切替ガイド76の位置関係を示す図である。図8は、第2反転経路46が形成されるときの上方切替ガイド75及び下方切替ガイド76の位置関係を示す図である。図9は、片面用排出経路43又は両面用排出経路47が形成されるときの上方切替ガイド75及び下方切替ガイド76の位置関係を示す図である。図10は、上方切替ガイド75及び下方切替ガイド76の詳細な形状を示す斜視図である。
【0060】
この第1反転中経路452の近傍には、固定ガイド(第1固定ガイド)71と、固定ガイド(第2固定ガイド)72と、固定ガイド73と、上方切替ガイド(第1切替ガイド)75と、下方切替ガイド(第2切替ガイド)76と、が配置されている。
【0061】
また、図7から図9までに示すように、上方切替ガイド75は、原稿100の幅方向で見たときに三角形状に構成されている。そして、図10に示すように、上方切替ガイド75は、所定の厚みを有する三角形状の板材(三角板751)が原稿の幅方向に複数重ねて配置された構成となっている。この三角板751の下方には、複数の突起及び溝からなる凹凸部(第1凹凸部)754が形成されている。なお、この上方切替ガイド75は、原稿100の幅方向に向けられた回動軸752を回動中心として回動可能に構成されている。
【0062】
また、図7から図9までに示すように、下方切替ガイド76についても、原稿100の幅方向で見たときに三角形状に構成されている。そして、図10に示すように、下方切替ガイド76についても、所定の厚みを有する三角形状の板材(三角板761)が原稿100の幅方向に複数重ねて配置されている。そして、下方切替ガイド76には、この三角板761の先端部(突起)と、三角板761が形成されていない箇所(溝)と、で構成された凹凸部(第2凹凸部)764が形成されていると言うことができる。なお、この下方切替ガイド76は、原稿100の幅方向に向けられた回動軸762を回動中心として回動可能に構成されている。
【0063】
そして、上方切替ガイド75又は下方切替ガイド76が回動したときに、凹凸部754が有する突起は凹凸部764が有する溝に入り込むことができるように、突起及び溝の間隔等が設定されている。一方、上方切替ガイド75又は下方切替ガイド76が回動したときに、凹凸部764が有する突起が凹凸部754が有する溝に入り込むことができるように、突起及び溝の間隔等が設定されている。このように、上方切替ガイド75の下部(搬送方向下流側の先端部)と、下方切替ガイド76の上部(搬送方向上流側の先端部)と、は原稿100の幅方向で見たときに、重なり合わせることができる。
【0064】
そして、この重なり合った箇所で原稿100を案内するときは、この複数の突起によって原稿100を案内するため、原稿100に対して、幅方向の複数箇所で力を均等に(分散させて)加えることができる。
【0065】
また、上方切替ガイド75及び下方切替ガイド76は互いに独立して回動を行うことができ、この回動によって原稿100が搬送される経路を切り替えることができる。具体的には、上方切替ガイド75の搬送方向上流側の先端部が位置を変えることにより、原稿100を右斜め下側に搬送するか、原稿100を右側に搬送するか、を切り替えることができる(第1分岐部)。また、下方切替ガイド76の搬送方向上流側の先端部が位置を変えることにより、原稿100を左斜め下側へ搬送するか、原稿100を右斜め下側へ搬送するか、を切り替えることができる(第2分岐部)。以下、第1反転経路45が形成されるときと、第2反転経路46が形成されるときと、片面用排出経路43又は両面用排出経路47が形成されるときと、における各ガイドの位置関係について説明する。
【0066】
第1反転経路45が形成されるときは、図7に示すように、上方切替ガイド75の搬送方向下流側の先端部と下方切替ガイド76の搬送方向上流側の先端部とが重なり合うような位置関係となっている。また、固定ガイド71の下部は、上方切替ガイド75の三角板751が入り込むことができるような図略の溝が形成されており、この構成によって、固定ガイド71と上方切替ガイド75の搬送方向上流側の先端部とが互いに重なり合う位置関係となっている。
【0067】
このようにして形成された第1反転経路45に沿って搬送される原稿100は、初めに、上方切替ガイド75と固定ガイド72との間に形成された経路に沿って搬送される。次に、原稿100は、上方切替ガイド75と下方切替ガイド76との重なり合っている箇所のうち、第1反転経路45が形成される側の面によって案内される。その後、原稿100は、下方切替ガイド76と固定ガイド73とによって形成された経路に沿って読取位置に向けて搬送される。なお、本明細書において、「上方切替ガイド75と下方切替ガイド76との重なり合っている箇所のうち、第1反転経路45が形成される側の面によって原稿100が案内される」ことを、単に「上方切替ガイド75と下方切替ガイド76との重なり合っている箇所で原稿100が案内される」と称することがある。
【0068】
第2反転経路46が形成されるときは、図8に示すように、上方切替ガイド75が、第1反転経路45が形成されるときに比べて反時計回りに回動した箇所に位置している。そのため、上方切替ガイド75の搬送方向上流側の先端部と固定ガイド71とが重なり合わないような位置関係となっている。なお、第2反転経路46が形成されるときは下方切替ガイド76の位置は任意である。
【0069】
このようにして形成された第2反転経路46に沿って搬送される原稿100は、固定ガイド71の下方であって、上方切替ガイド75の上方に形成される直線状の経路に沿って搬送される。
【0070】
片面用排出経路43又は両面用排出経路47が形成されるときは、図9に示すように、上方切替ガイド75が固定ガイド71と重なり合うような位置関係となっている。具体的には、固定ガイド72の右側には、下方切替ガイド76の三角板761が入り込むことができるような図略の溝が形成されており、この構成によって、固定ガイド72の第1反転経路45が形成される側の端部と、下方切替ガイド76の搬送方向上流側の先端部とが互いに重なり合う位置関係となっている。
【0071】
このようにして形成された片面用排出経路43又は両面用排出経路47に沿って搬送される原稿100は、初めに、上方切替ガイド75と固定ガイド72との間に形成された経路に沿って搬送される。その後、下方切替ガイド76の上方に形成された経路に沿って搬送され、共通ローラ38に到達する。
【0072】
次に、上方切替ガイド75と下方切替ガイド76とを駆動するための構成について図11を参照して説明する。図11は、上方切替ガイド75及び下方切替ガイド76を駆動する構成を示す正面図である。
【0073】
上方切替ガイド75を回動させるための駆動機構750は、ソレノイド755と、回動アーム757と、コイルバネ759と、を主要な構成として備える。
【0074】
ソレノイド755は、電流を流すことにより、可動鉄心756を引き込むように駆動することができる。この可動鉄心756の先端には回動アーム757が相対回転可能に取り付けられている。また、回動アーム757は、回動軸758を中心として回動可能に構成されているため、可動鉄心756が引っ張られることにより、回動アーム757が時計回りに回動する。この回動アーム757が時計回りに回動することで、上方切替ガイド75に力を伝達するための伝達軸753を左斜め下側に引っ張ることになるため、上方切替ガイド75を固定ガイド71から遠ざかる方向へ回動させることができる。
【0075】
また、回動アーム757は、回動軸758と反対側の端部に、コイルバネ759が取り付けられている。このコイルバネ759は、図11に矢印で示す方向(回動アーム757を反時計回りに回動する方向)に回動アーム757を付勢している。そのため、ソレノイド755に電流を流していない状態では、上方切替ガイド75の搬送方向上流側の先端部は固定ガイド71と重なり合う方向へ回動している。従って、上方切替ガイド75は、ソレノイド755に電流を流すことなく、第1反転経路45、片面用排出経路43、及び両面用排出経路47を形成することができる。そのため、ソレノイド755に流す電流を最小限にすることができる。
【0076】
一方、下方切替ガイド76を回動させるための駆動機構760は、ソレノイド(切替駆動部材)765と、回動アーム767と、コイルバネ(弾性部材)769と、を主要な構成として備える。
【0077】
駆動機構760が備えるソレノイド765に電流を流すと、可動鉄心766がソレノイド765側に引き込まれるので、回動アーム767は回動軸768を中心に時計回りに回動する。回動アーム767が時計回りに回動することで、下方切替ガイド76に力を伝達するための伝達軸763も時計回りに回動させることができるため、下方切替ガイド76を上方切替ガイド75に近づける向きに回動させることができる。
【0078】
一方、コイルバネ769は、図11に示す方向(回動アームを時計回りに回動する方向)に回動アーム767を付勢している。そのため、ソレノイド765に電流を流していない状態では、下方切替ガイド76は上方切替ガイド75から離れる方向へ回動している。従って、下方切替ガイド76は、ソレノイド765に電流を流すことなく、第2反転経路46、片面用排出経路43、及び両面用排出経路47を形成することができる。そのため、ソレノイド765に流す電流を最小限にすることができる。
【0079】
以上に説明したように本実施形態のADF24は、原稿搬送経路40と、上方切替ガイド75と、下方切替ガイド76と、を備える。原稿搬送経路40は、原稿100を搬送するための経路であり、経路が分岐される第1分岐部と第2分岐部とを有する。上方切替ガイド75は、第1分岐部において、原稿100が搬送される経路を切替可能である。下方切替ガイド76は、第2分岐部において、原稿100が搬送される経路を切替可能である。そして、上方切替ガイド75及び下方切替ガイド76は、原稿100の幅方向で見たときに互いに重なり合う位置に移動可能である。そして、第2分岐部では、原稿100の幅方向で見たときに上方切替ガイド75と下方切替ガイド76との重なり合う部分で原稿100が案内される状態と、上方切替ガイド75と下方切替ガイド76との間を原稿100が搬送されるように当該原稿100が案内される状態と、が構成される。
【0080】
これにより、上方切替ガイド75と下方切替ガイド76との距離を近くすることができるため、ADF24の高さ方向のサイズを小さくすることができる。
【0081】
また、本実施形態のADF24において、上方切替ガイド75には、複数の溝及び突起からなる凹凸部754が形成されている。一方、下方切替ガイド76には、凹凸部754と対応するように配置された凹凸部764が形成されている。そして、上方切替ガイド75と下方切替ガイド76とが互いに重なり合うときは、互いの突起が相手側の溝に入り込む。
【0082】
これにより、上方切替ガイド75と下方切替ガイド76とが互いに重なり合う位置において、上方切替ガイド75及び下方切替ガイド76が原稿100に対して及ぼす力を幅方向に分散させることができる。そのため、原稿100を適切に搬送することができる。
【0083】
また、本実施形態のADF24は、原稿搬送経路40を形成する固定ガイド71を備える。そして、上方切替ガイド75は、回動することによって、原稿100を第2分岐部に案内するか、原稿100を固定ガイド71と上方切替ガイド75とが形成する経路に案内するか、を切替可能である。
【0084】
これにより、固定ガイド71と上方切替ガイド75とで第1分岐部が構成され、原稿100が搬送される経路を切り替えることができる。
【0085】
また、本実施形態のADF24において、原稿100の幅方向で見たときに、上方切替ガイド75の搬送方向上流側の先端部が、固定ガイド71と互いに重なり合う位置と、固定ガイド71と互いに重なり合わない位置と、で原稿100を案内する経路が異なる。
【0086】
これにより、上方切替ガイド75と固定ガイド71との距離を近くすることができるため、ADF24の高さ方向のサイズを小さくすることができる。
【0087】
また、本実施形態のADF24は、原稿搬送経路40を構成する固定ガイド72を備える。原稿100の幅方向で見たときに、下方切替ガイド76搬送方向上流側の先端部が、固定ガイド72と互いに重なり合う位置と、固定ガイド72と互いに重なり合わない位置と、で原稿100を案内する経路が異なる。
【0088】
これにより、上方切替ガイド75に加え、下方切替ガイド76についても固定ガイド72との距離を近くすることができるため、ADF24の幅方向のサイズを小さくすることができる。
【0089】
また、本実施形態のADF24は、コイルバネ769とソレノイド765とを備える。コイルバネ769は、上方切替ガイド75から離れる方向に下方切替ガイド76を押圧する。ソレノイド765は、下方切替ガイド76に対して、上方切替ガイド75に近づける方向に力を加えるか否かを切り替えることが可能である。そして、ソレノイド765が下方切替ガイド76に力を加えていないときに、片面用排出経路43が構成される。
【0090】
これにより、原稿100の片面の画像情報を読み取るときは、ソレノイド765に電流を流す必要がないため、省エネルギー性に優れたADF24が実現できる。
【0091】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0092】
上記実施形態では、弾性部材としてコイルバネを用いたが、上方切替ガイド75及び下方切替ガイド76を所定の方向に付勢することができれば、弾性部材としてコイルバネ以外の部材(例えば板バネ、ゴム等)を用いることができる。また、ソレノイド以外の部材(例えば空気圧シリンダ)を切替駆動部材として用いることもできる。
【0093】
読取位置から搬送ローラ34までの経路に分岐箇所を設け、搬送ローラ34に代えて三連ローラを設置しても良い。これにより、搬送ローラ34の回転方向を切り替えるための構成を省略することができる。
【0094】
上記実施形態で用いた縮小光学系のスキャナユニット25に代えて、密着型イメージセンサ等を使用する構成に変更することができる。
【0095】
上記実施形態ではイメージスキャナ装置11は複合機1の一部として備えられているが、この構成に代えて、単体のイメージスキャナ装置として構成することができる。
【符号の説明】
【0096】
1 複合機
11 イメージスキャナ装置(原稿読取装置)
24 ADF(自動原稿送り装置)
40 原稿搬送経路
75 上方切替ガイド(第1切替ガイド)
76 下方切替ガイド(第2切替ガイド)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を搬送するための経路であり、経路が分岐される第1分岐部及び第2分岐部を有する原稿搬送経路と、
前記第1分岐部において、原稿が搬送される経路を切替可能な第1切替ガイドと、
前記第2分岐部において、原稿が搬送される経路を切替可能な第2切替ガイドと、
を備え、
前記第1切替ガイド及び前記第2切替ガイドは、原稿の幅方向で見たときに互いに重なり合う位置に移動可能であり、
前記第2分岐部では、
原稿の幅方向で見たときに前記第1切替ガイドと前記第2切替ガイドとの重なり合う部分で原稿が案内される状態と、
前記第1切替ガイドと前記第2切替ガイドとの間を原稿が搬送される状態と、
が構成されることを特徴とする自動原稿送り装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動原稿送り装置であって、
前記第1切替ガイドには、複数の溝及び突起からなる第1凹凸部が形成されており、
前記第2切替ガイドには、前記第1凹凸部と対応するように配置された第2凹凸部が形成されており、
前記第1切替ガイドと前記第2切替ガイドとが互いに重なり合うときは、互いの前記突起が相手側の前記溝に入り込むことを特徴とする自動原稿送り装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の自動原稿送り装置であって、
前記原稿搬送経路を形成する固定ガイドを備え、
前記第1切替ガイドは、揺動することによって、原稿を前記第2分岐部に案内するか、原稿を前記固定ガイドが形成する経路に案内するか、を切替可能であることを特徴とする自動原稿送り装置。
【請求項4】
請求項3に記載の自動原稿送り装置であって、
原稿の幅方向で見たときに、前記第1切替ガイドの搬送方向上流側の先端部が前記固定ガイドと互いに重なり合う位置にあるときと、前記第1切替ガイドの搬送方向上流側の先端部が前記固定ガイドと互いに重なり合わない位置にあるときと、で原稿を案内する経路が異なることを特徴とする自動原稿送り装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の自動原稿送り装置であって、
前記原稿搬送経路を形成する第2固定ガイドを備え、
原稿の幅方向で見たときに、前記第2切替ガイドの搬送方向上流側の先端部が前記第2固定ガイドと互いに重なり合う位置にあるときと、前記第2切替ガイドの搬送方向上流側の先端部が前記第2固定ガイドと互いに重なり合わない位置にあるときと、で原稿を案内する経路が異なることを特徴とする自動原稿送り装置。
【請求項6】
請求項1から5までの何れか一項に記載の自動原稿送り装置であって、
前記第1切替ガイドから離れる方向又は前記第1切替ガイドに近づく方向に、前記第2切替ガイドを押圧する弾性部材と、
前記第2切替ガイドに対して、前記弾性部材が押圧する方向と反対方向に力を加えるか否かを切り替えることが可能な切替駆動部材と、
を備え、
前記切替駆動部材が前記第2切替ガイドに対して力を加えてないときに、原稿の第1面のみを読み取って排出する経路が構成されることを特徴とする自動原稿送り装置。
【請求項7】
請求項1から6までの何れか一項に記載の自動原稿送り装置を備えることを特徴とする原稿読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−225324(P2011−225324A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96477(P2010−96477)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】