説明

自動小売装置及びその操作方法

自動的かつ人の介在なしに、分配または販売される物品を中に受け取り、この物品を保管し、および物品をユーザ/顧客に分配または販売する自動装置。この商店は、封緘された複数の出荷用コンテナのハウジング内への進入を制御するエントリ手段を該ハウジング内に含む。また、ハウジング内には、複数の出荷用コンテナの各々に開口部を形成する自動形成手段と、ハウジングの保管エリア内に、開封済みの複数の出荷用コンテナを保管する保管手段と、保管されている開封済みの出荷用コンテナのうちの1つの内部から物品を取出すために、開封済みの出荷用コンテナのうちの選択されたものに入るコンピュータ制御取出し手段とがあり、さらに、取出した物品を、該ハウジングの出力部へ移動させる移動手段が含まれている。このような自動装置は、ユーザまたは顧客に物品を分配または販売する関係者間での取り決めに対して、自動装置の稼働に関する新たな方法を可能にする。さらに、このような自動装置は、特に、モジュール構成で実施されるのに非常に適している。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2007年5月2日に出願された「自動保管分配システム及びその操作方法」と題する国際出願PCT/US2007/010757号の優先権を主張すると共にその継続出願である。この継続出願は、2007年11月15日に出願された「自動保管分配システム及びその操作方法」と題する米国仮特許出願第60/988,428号の利益を主張する。これら特許出願の両方の全体の開示は、参照として本出願で援用される。
【技術分野】
【0002】
本発明は、概して、自動保管分配システム及びその操作方法に関する。より具体的には、一実施形態において、出荷用コンテナを自動的に受け取り、開封して保管し、この出荷用コンテナから物品を取り出して顧客へ配送するモジュール自動システム、及びそのための方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【図1】本発明による自動保管分配システムの一実施形態を示す。
【図2】図1の保管流通システム内に受け取られた保管されるタイプの典型的な出荷用コンテナを示す。
【図3】様々な出荷用コンテナに形成された多様な開口部を示す。
【図4】様々な出荷用コンテナに形成された多様な開口部を示す。
【図5】様々な出荷用コンテナに形成された多様な開口部を示す。
【図6】図1の自動保管分配システムの一実施形態の斜視図を示す。
【図7】図6の保管分配システムの入口ポート顧客インターフェースのより詳細な図を示す。
【図8】入口端部及び出口端部におけるハウジングの内部のより詳細な図を示す。
【図9】本発明の商品取り出し装置84の一実施形態を示す。
【図10】図1のハウジング内で使用するためのコンベヤシステムの一実施形態を示す。
【図11】許可された商品をハウジング内に入れるのに用いることができるポータル(ドアシステムである)の代替的な実施形態を示す。
【図12】図11のポータルに適合できるトラックコンベヤシステムを示す。
【図13】典型的な出荷用コンテナ(本願明細書においては、「箱」または「配送カートン」と呼ぶ場合がある)を示し、一実施形態において、このコンテナは、箱の商品取り出し開口部の形成を容易にするために、上方に開けられるフラップを有する。
【図14】切断される前の位置にあるフラップを既に有する箱の更に2つの図を示す。
【図15】出荷用コンテナに開口部を形成するのに有用な切断装置の詳細を示す。
【図16】モジュールユニットで構成されている自動小売商店(本願明細書において用いる場合、自動「商店」という用語は、自動「販売」装置を意味する)又は自動分配システムを示す。
【図17】ロボットシステム及び搬送システムを覆っているハウジング166を有する図16のモジュール自動システムを示す。
【図18】複数のロボット移送システムを備えたモジュールシステムを示す。
【図19】ユーザポート取り出しモジュールを示す。
【図20】出荷用コンテナを本システムのモジュールへ及びそのシステムのモジュールから移送するのに用いられる移送ポートを含む自動モジュールの一実施形態の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本発明者の既出願である国際出願PCT/US2007/010757号は、米国での出願用に参考として本出願で援用され、一般に、自動保管分配システムについて記載しており、より具体的には、小売商店として構成されている。本願明細書における図1〜図10は、本発明者の以前のPCT出願の図1〜図10より成り、次により具体的に説明する。
【0005】
図1は、物品を保管および販売する自動商店2のシステムの一実施形態を示す。この自動商店は、ハウジング4を備え、このハウジング4は、封緘された出荷用コンテナ(図2の符号29)を、保管のためにそのハウジング4内に受け取り、且つ保管されている出荷用コンテナ29の内部から取り出された図3の物品32を該ハウジングの出口20へ分配するためのものである。
【0006】
一実施形態において、商店は、複数の封緘された出荷用コンテナのうち少なくともいくつかの外のり寸法が他とは異なる場合に、複数の封緘された出荷用コンテナ29がハウジング4へ進入することを制御するためのエントリ手段8(図8の安全なポータル/インターロックエリア80)を含む。
【0007】
さらに図1の実施形態は、以下を示す。
・ハウジング内に進入した複数の封緘された出荷用コンテナの各々の外面の少なくとも一部の位置を決定する感知手段10;
・封緘された出荷用コンテナの各々に固有の決定された位置を用いて、複数の出荷用コンテナの各々に開口部を形成するための自動形成手段12(および図8の符号82);
・複数の開封された出荷用コンテナをハウジングの保管範囲内に保管するための保管手段14(および図8の符号86);
・保管されている開封済みの出荷用コンテナの1つの中から、形成した開口部を介して物品を取り出すために、保管範囲内に配置されている開封済みの出荷用コンテナのうちの選択されたコンテナの中に進入するためのコンピュータ制取り出し手段16(および図8の符号84、および図9の符号90、92);および
・取り出した物品をハウジング出口20へ移動させるための移動手段18(および図8の符号88、図10の符号106)。図1の要素6は、出荷用コンテナのハウジング4への移送を表し、要素22は、ハウジング4内の要素のための制御装置を示し、要素24は、商店から物品を取得するための選択および支払いを行うための使用者/顧客インターフェースである。
【0008】
図6に示すように、自動保管分配システムは、出荷用コンテナを感知またはスキャンまたは他の方法で識別するセンサ/スキャナ/ID装置62を含む入口ポートを有するハウジング60と、インターロックエリア64と、コンテナ保管エリア66と、出口エリア68と、入口インターロックエリア64と出口インターロックエリア68との間に配設されたコンテナコンベヤシステム70とを含む。図7には、顧客インターフェース72も図示されており、顧客インターフェースは、タッチスクリーン74と、前記自動商店の顧客が、商店内に保管されている1つ又は複数の所望の物品を選択できるようにする商品選択および支払インターフェース装置76とを含む。また、一実施形態において、顧客インターフェースにより、この自動商店の顧客は、選択した1個または複数の所望の物品の支払いを行うこともできる。一実施形態において、インターネットを介して顧客がこの自動商店にアクセスできるようにするためのインターネットに接続した通信デバイス、タッチスクリーン74、または、自動商店の場所に配置されている他の選択および/または支払い装置76が、該システムに装備されても良い。一実施形態において、本願明細書に記載されているハウジングは、出荷用コンテナのための安全な環境を提供する手段および自動商店を操作する、本願明細書において列挙した以外の手段も装備することもできる。一実施形態において、エントリ手段は、配送員が、安全なエリア内に入ることなく、許可された出荷用コンテナのみの、自動商店への進入を許可するための許可手段を含むことができる。さらに、一実施形態において、許可手段は、配送員を許可する手段を含むことができ、この配送員は、一度許可されると、許可された出荷用コンテナを前記エントリ手段に供給するものと考えられる。一実施形態において、許可手段は、特定の出荷用コンテナがハウジング内に入ることが事前に決定されており、かつ予め許可されていることを確認するために、データベースと通信する手段を含むことができる。一実施形態において、許可手段は、遠隔地および/または遠隔地にいる人物および/またはコンピュータとリアルタイムで通信することができる。許可手段は、出荷用コンテナの同一性を決定するための出荷用コンテナ識別(ID)装置を含む。一実施形態において、この出荷用コンテナID装置は、データベースにアクセスして、決定された同一性に基づいて、1つ以上の如何なる物品がその出荷用コンテナに収容されており且つそれらの物品が出荷用コンテナ内に如何に配列されているかを決定することができる。
【0009】
この出荷用コンテナが、許可されていないと判断された場合には、商店内への進入は承認されず、阻止される。
【0010】
さらに、一実施形態において、出荷用コンテナID装置は、出荷用コンテナの同一性を決定する出荷用コンテナID装置の機能を高めるために、出荷用コンテナを操作する操作装置と協働することができる。一実施形態において、この操作装置は、グリッパ機構、ロボット、または、一実施形態において、出荷用コンテナを回転させることのできる何らかの装置のうちの1つ以上を含むことができる。一実施形態において、出荷用コンテナID装置は、カメラ画像化システムを含むことができる。一実施形態において、このカメラ画像化システムは、画像またはパターン認識技術を用いて出荷用コンテナを識別することができ、また、一実施形態において、開封された出荷用コンテナ内に配置された商品を認識および識別することができる。一実施形態において、カメラ画像化システムは、出荷用コンテナの属性を感知するカラー画像センサを含むことができ、この属性は、次に、現場または遠隔地のデータベースに格納されている情報と比較されて出荷用コンテナを識別する。一実施形態において、このカメラシステムまたは他のセンサ型システムは、コンピュータ制御システムによって利用されて、上記操作装置または物品取り出し装置を案内して出荷用コンテナから取出されるべき物品またはパッケージをシステムが確保するのを支援することができる。一実施形態において、このデータベースは、所定の出荷用コンテナおよび/または特定の物品またはパッケージに固有の情報を含むことができ、この情報は、一実施形態において、該システムにより、センサまたはカメラシステムによって生成された情報と共に利用されて取り出し装置および/または操作装置の案内を促進にすることができる。一実施形態において、この同じデータベースは、コンテナまたはパッケージが該商店内にあることが許可されているか否かを決定する際に用いられるデータベースと共に利用されることができる、および/またはそのデータベースと統合されることもできる。別法として、出荷用コンテナID装置は、バーコード認識システム、RFIDシステム、テキスト読み出しシステム、光学スキャナのうちの1つ又は複数を用いることで構成されてもよく、これらのシステムの各々は、前述したカメラ画像化システムを用いて、または用いることなく、操作することができる。
【0011】
一実施形態において、このシステムは、ハウジング内に進入する出荷用コンテナを、ハウジング内のさらなる各所へ移動するための搬送システムを含むことができる。
【0012】
図11は、箱を、出荷用コンテナまたは箱配送トラックから、システムの安全なエントリポータルへ自動的に移送するトラックドッキングステーションを示す。一実施形態において、エントリポータル126は、回転ドア120を備え、この回転ドア120は、箱29を回転させて、一方の側128のポータルに箱29が積み込まれ、箱が壁122の他方の側へ通過して、ハウジングの内側126へ入る。回転ドア装置内のデバイダ124は、箱を分離して、配送員または他の者による該ハウジング内への未許可のアクセスを防ぐ。ポータル126と実質的に同一のポータルが、ハウジングの出口ポータルに用いられてもよい。
【0013】
図12は、積み込みが、トラック132と、箱29を回転ポータル120内に積み込むコンベヤシステム134とを介して遂行されることを示しており、これらの箱は、許可されると、ハウジング壁122を通過して、ハウジングの安全な環境126内に入る。
【0014】
一実施形態において、トラック132は、一実施形態において、このトラックからコンベヤシステムへ箱を自動的に移送することのできるロボットまたは自動システムを有することができ、このコンベヤシステムは、一実施形態において、上述したタイプの商店または倉庫の入口ポータルに接続することができる。一実施形態において、このシステムを用いると、一実施形態において、箱が商店内に積み込まれることができる速度が大幅に加速されることができ、また、一実施形態において、出荷用コンテナを自動エントリ手段またはポータルに与えるための他のシステムまたは人手を必要としない。一実施形態において、トラックは、商店の制御システムと直接通信するコンピュータを備えていてもよく、このコンピュータは、一実施形態において、承認コードを伝えることができる。加えて、そのトラックコンピュータと商店のコンピュータとは、一実施形態において、該トラックと進入ポータルとの間で、パッケージが如何にして且つ何時移送されるべきかに関するデータを、互いに電子的にやりとりすることができる。一実施形態においては、他のデータおよび電子的結合は、移送の他の態様を容易にし、およびいつ問題が生じたか、または、例えば、積み込み処理がいつ完了したか、または、該自動商店に進入するのを許可されなかった箱があるか否か且つそれは何時かを確認することができる。一実施形態において、問題が生じた場合、トラック運転手は、商店のシステムの通信ポータルを利用して、遠隔地のコンピュータまたは人と通信し、発生した問題を解決しようと試みることができる。
【0015】
また、このことによって、重要な要件が、土地(land)、電気接続および好ましくはインターネット接続を導入することである場合に、一両日以内に商店を設置して操業することが出来る。
【0016】
また、運搬会社から商品を受取る際に関与する人々を必要とせずに、商店をどこにでも開店させることが出来る。
【0017】
一実施形態において、このシステムは、外観が従来の建物のようにデザインされた物で、ハウジング構造の外部を覆うことが出来る。
【0018】
図8に示すように、出荷用コンテナは、安全なポータル/インターロックエリア80を通過し、そこで、ロボット式箱開口機構82によって、該出荷用コンテナに開口部が形成され、開口された出荷用コンテナは、物品取り出し装置84を用いて保管エリア86へ搬送され、最終的に、ユーザが注文した物品を収容するユーザコンテナ88が、追加のコンベヤ89によって、ハウジング4の出口に向かって移動されることが図示されている。
【0019】
一実施形態において、形成手段(これは、概して、図1の要素12として、より具体的には、図8の要素82として、および代替的に図15の要素140〜146として図示されている)は、複数の出荷用コンテナの各々の識別された種類に固有の位置に、かつ固有の寸法で、出荷用コンテナに開口部を形成し、それによって、一実施の形態では前記コンピュータ制御取り出し手段が、形成された開口部を通過することによって、開封された出荷用コンテナ内に確実に進入できるように作動することができる。
【0020】
図15に示す実施形態においては、開封装置は、箱の閉じ目で箱を開封し、フラップの切断に備えて箱のフラップを開くように持ち上げ、物品取り出し開口部を形成する。
【0021】
図13は、本願明細書に記載されたタイプの自動箱開封装置を用いた場合に生じる、フラップ138が部分的に上方へ開かれた状態の出荷用コンテナ29を示し、この開封装置は、まず、テープを切断し、次に、フラップを持ち上げ、箱のフラップを切断するか、または、フラップを切断しない。
【0022】
図14は、フラップ138が切断される前に既に定位置にある状態の箱29の更に2つの図を示す。
【0023】
一実施形態において、本システムは、例えば、コンテナ内部の物品の物理的配置に基づくことを含む、箱の特定のパラメータに関する情報(この情報は、例えば、コンピュータメモリに格納された)に基づいて、箱のどこに開口部を形成するかを決定することができる。この形成手段は、出荷用コンテナに開口部を形成するような方法で、出荷用コンテナから、その側部を除去し、出荷用コンテナの外面の一部を除去することによって、或いは、開口部を閉じているテープを除去し、それによって封を切り、コンテナのフラップを持上げ、次に、他の実施形態では代わりに、該コンテナから該フラップを物理的に分離し、または、例えば、テープを使用して、開封された位置の箱の側部に該フラップを貼り付けてコンテナの外側部にフラップを固着することによって、開口部を形成する。一実施形態において、本システムは、開口部を作るために出荷用コンテナから除去した物を処理する処理装置をさらに含むことができる。
【0024】
出荷用コンテナ(本願明細書において以後「箱」または「マスターカートン」と呼ぶ場合がある)に開口部を形成するのに利用することのできる一つの方法は、出荷のために封緘されるフラップを閉じるのに典型的に用いられるテープをスライスし、それらのフラップを持上げ、箱フラップの底面の角部にブレードを入れ、そこでフラップが、箱の残りの部分に接触し、該フラップの長さ方向に沿って移動し、フラップを箱から切断する自動機械を用いることに留意されたい。さらに、吸引カップおよび真空装置等の吸引装置は、フラップを把持して開位置まで操作し、除去および廃棄のためにフラップを把持する。
【0025】
図15により詳細に示すように、箱開封装置は、箱29のフラップ138を保持して引込み位置に移動させて、箱29のフラップ138を切断する自動切断システム144に対する準備を行う吸引装置アーム146および吸引カップ148を含む。自動切断システム144は、一実施形態において、回転ブレードまたは他の可動ブレードとすることができる切断ブレード140を、箱29からフラップ138を切断できるようにフラップ138の下に位置決めするアーム142を有する。
【0026】
また、一実施形態において、配送会社によって配送されたパレットからエントリ手段まで出荷用箱を自動的に移送することによって、これらの出荷用箱をハウジングまで持っていくために、自動またはロボット式デパレタイザが用いられることができることに留意されたい。別法として、一実施形態において、出荷用商品のパレット全体を、安全なエントリポータルを介してハウジング内に移送するために、十分に大きい安全なエントリポータルを備えたシステムを用いることができ、その後、デパレタイザシステムが、ハウジング内で作動して、これらの箱を上記箱開封システムおよび/または保管ラックまで移送することができる。同様に、一実施形態において、単一のユーザ宛のユーザ配送コンテナのうちの複数のコンテナを1つのパレットに載せるために、上記商品取り出し装置の後ろであって、出口ポータルに供給される前で、「パレタイザ」を用いることができる。
【0027】
本願明細書において用いる場合、「ユーザ配送コンテナ」は、ユーザ/顧客が要求した商品を、本システムの出口ポートを介して該ユーザ/顧客へ提供するために、システムによって用いられる任意のコンテナを意味する。
【0028】
図10に示すように、上記ハウジングは、許可されたコンテナをハウジング60内部へ運搬するための第1コンベヤ102と、これらのコンテナを開口手段、並びに保管手段86へ運搬するための第2コンベヤ104と、選択した商品およびコンテナを、インターロックエリア68を通って、ハウジング外部へと続く出口ポートへ運搬するための第3コンベヤ106とを有する。このインターロックエリアに対して内部ドア108と外部ドア110がそれぞれ設けられている点に注意する。
【0029】
図9に示すように、物品取り出し装置84は、開封済みのコンテナ29を保管エリア86の内外に位置決めする第1ロボット装置90と、図3、図4、図5に示すように開封済みのコンテナの開口部を介してその内部から物品を取り出す第2ロボット装置92とを使用する。
【0030】
一実施形態において、この物品取り出し装置は、前記物品を前記出荷用コンテナから取り出すため取り出し装置を案内する視覚システムおよび/またはパターン認識を含むことができる。ロボット式物品把持装置は、前記物品取り出し装置が、いつ物品を把持したかを決定する真空検知を用いてもよい。一実施形態において、物品取り出し装置は、ロボット装置、ガントリ、異なるサイズ及び形状からなるグリッパ、および方法のうちの1つ又は複数を含むことができ、例えば、グリッパは、一実施形態において、出荷用コンテナから物品を把持するための複数の吸引カップまたは電気機械把握装置のうちの1つまたは複数を用いたタイプとすることができる。一実施形態において、パターン認識技術を用いると、該視覚システムは、どんな種類の物品が箱の中にあるかも決定することができ、また、この情報を用いて、箱をどこに保管するかおよび/または箱からアイテムをどのように移動させるかを決定することができる。
【0031】
本装置の一実施形態において、所定の開封済みの出荷用コンテナまたはマスターカートンからの物品のピッキングの動作は、商品のピッキングの前に、所定のマスターカートンが保管されている保管棚の近傍で(近隣で)行われる。さらに、そこにおいて、所定のマスターカートンからの物品のピッキングの動作は、所定のマスターカートンが、保管構造物に隣接して、かつカートンが、物品のピッキングの前に保管されている同じ場所またはその場所の近くに位置している間に行われる。このようにして、本システムは、専用のピッキングシステムが配設されている共通のピッキング位置にマスターカートンを運ばないようになっている。
【0032】
本装置の別の実施形態においては、物品のピッキング順序は、開封された出荷用箱の第1および第2のコンテナ内からとすることができ、次に、ピッキングされた物品は、第3の箱に詰められ、第3の箱は、その後、安全な出口または配送ポータルを通って自動倉庫から搬出されてトラックに積み込まれ、該トラックは、第3の箱を自動商店まで運び、その自動商店は、商品を自動的に受取り、出荷用箱を開封し、必要に応じて、物品を該商店のユーザへ再配達する。
【0033】
一実施の形態において、本装置は、マスターカートンからの物品の取り出しを実行するのに用いる好適な実施形態の特定の視覚ソフトウェアアルゴリズムを用いることができ、このアルゴリズムは、カメラの視野内にパターンを検知し、認識したパターンを用いて、所定の物品またはパッケージの残りがどこにあるかを推測および予測するのに用いられる。一実施形態において、本装置は、パターン認識ソフトウェアと共に用いられて1つの粗雑に梱包された/乱雑に梱包された物品を、複数の物品を含むケースから取り出すことができ、パッケージは、任意のまたは予測不可能な位置にあったものである。さらに、そこにおいて、取り出されるべきパッケージは、柔軟な材料で包装され、パッケージは、出荷用カートン内の予め厳密に決められた位置に配置されてはいない。さらに、物品を取り除くのに用いられる本装置は、真空グリッパとすることができ、この場合、使用される真空装置は、真空ポンプである。一実施形態において、視覚システムは、データベースからのケース毎のピックポイントと関連して用いることができ、該データベースは、取り出し装置が、取り除くべき物品を把持するためにどこに移動させるかを決定するのを支援する。
【0034】
一実施形態において、上記ハウジングは、スタンドアロン型ハウジングのような固定構造物、建物、または、トレーラのような移動可能な構造物のうちの一つとすることができる。さらに一実施形態において、ハウジングは、地上または地下のいずれかの位置に配置されるのに適することができる。ハウジングは、ハウジング内の適所にコンテナまたは人物の許可された進入のみを許容する安全な入力システムを含む。この安全な入力システムは、上記インターロックエリア内への進入を防止するための外部ドアを有するインターロックエリアを含む。一実施形態において、この外部ドアの開放は、許可手段が自動商店への進入を許可した場合に可能にすることができる。一実施形態において、外部ドアの許可された開放は、物理的なロックと鍵、またはこれに類似する他の装置を利用しても行える。
【0035】
一実施形態においては、インターロックエリアは、人間が介入することなく、許可された出荷用コンテナのみを受け取り、自動的にこのエリアを通過させるように構成されることができる。一実施形態において、該インターロックエリアは、外部ドアと内部ドアによって区切られたエリアであり、外部ドアが閉鎖され、該インターロックエリア内にあるのは許可された人または出荷用コンテナのみであるとセンサが決定した後でないと、許可されたコンテナが内部ドアを通過することができない。
【0036】
一実施形態において、自動商店は、受け取った未開封の出荷用コンテナを保管しておく保管手段を有することができ、それによって、一実施の形態では、この未開封の出荷用コンテナがハウジング出口へ送られることができる。また、一実施形態において、この自動商店は、開封された出荷用コンテナから取り出した物品の組み合わせを使用者へ送ったり、未開封の出荷用コンテナを使用者へ送ったりすることができる。
【0037】
この商店は、コンテナを保管するための保管手段を有し、この保管手段は、一実施形態において、出荷用コンテナを受け取り、これを内部に保管しておく複数の保管エリアを含むことができる。一実施形態において、この保管エリアは、1個または複数の大箱またはラックの配列を含むことができる。一実施形態において、この保管手段は、開封済みまたは封緘した出荷用コンテナを、物品取り出し装置がコンテナから物品を取り出すか、または、開封されていないコンテナを単に取り出すのに最も適した位置に保管することができる。これには、開封済みの出荷用コンテナを、開口部が上方または取り出し機構に向いた状態で、あるいは、出荷用コンテナ内部の商品を上手く取り出すのに適した別の方向を向いた状態で保管することを含む。一実施形態において、これには、コンテナを取り出し装置に対して正面から提示する、または、コンテナをある角度で、あるいは開口部が上方を向いた状態で、もしくは開口部が取り出し装置の方向に向かい正面を向いた状態で、取り出し装置に対して提示するのに適したラック、または、複数の物品の内部レイアウトや位置を、特定タイプのコンテナおよび/またはそのタイプのコンテナに収納されている物品タイプに関するデータベース情報に基づいて監視できる位置に設置されたラックを含むことが出来る。一実施形態において、出荷用コンテナは特定の位置に特定の向きで保管できるので、例えば、保管場所内で開口部を特定の方向に向いた状態で位置決めされるだけでなく、指定の側部が特定の方向に向いた状態でコンテナを位置決めすることにより、一実施の形態において、パッケージの1つを握持するために取り出し装置をどこに配置すればよいかをシステムが決定できる。
【0038】
一実施形態において、本発明は、人々がハウジングに接近することを制限でき、より詳細には、ハウジング内に配置されているどの商品またはコンテナに接近することも制限できる、封鎖され安全な構造体またはハウジングを含む。この実施形態において、本発明は、
・一実施の形態において、物品、および/または、ハウジング内へ運搬される物品を収容する、様々な異なる形状または異なる寸法の出荷用コンテナを含むことのできる、複数の封緘された出荷用コンテナを受け取る荷積みポートと、
・許可された出荷用コンテナのみがハウジング内に入ることができる、またはこれに加え、あるいは代替的に、システム内に保管されることできることを保障するセキュリティ許可手段と、
・ハウジング内に荷積みされている出荷用コンテナの位置および/またはその外面の少なくとも一部の位置を、本システムが検出できる出荷用コンテナ検出手段と、
・出荷用コンテナに開口部を形成する開封手段と、
・出荷用コンテナの少なくともいくつかを保管するための保管場所へ開封済みの出荷用コンテナを搬送する搬送手段と、
・物品および/または物品を収容するパッケージを出荷用コンテナ内部から取り出す取り出し手段と、
・ハウジング内に配置された出荷用コンテナから、コンテナおよび/または物品を、ハウジングの外にいる本システムの使用者へ移送できるようにするための搬送手段であって、一実施形態において、このシステムの使用者は、分配中のこの物品にアクセスし、本システムから取り除くことができる搬送手段と、
を含む。
【0039】
これに加えて、本システムは、様々な実施形態において、
・使用者が本システムと通信して、注文選択のようなデータをこのシステムに入力するために、図6に示すような、典型的には安全なハウジングの外に配置された、タッチスクリーンビデオシステム等のユーザインターフェースを有することができ、
・指定の出荷用コンテナ、指定の物品またはパッケージタイプ、および/または指定の出荷用コンテナの場所および方向、または、出荷用コンテナの内部に配置されている指定の商品またはパッケージの位置および方向を識別するために、コンピュータ制御センサ、および電気機械センサ、パターンおよび/または画像認識ハードウェアおよび/またはソフトウェアを含む他の技術を有することができ、および
・本願明細書に記載した装置のいくつかまたは全てを含む、システム内の様々な装置のいくつかまたは全てを制御するコンピュータ制御手段を有することができる。
【0040】
別の実施形態では、本システムは、上記ハウジング内に保管されている様々な出荷用コンテナの内部から、複数の物品のうち1個を取り出して、複数の物品を、ハウジング内から供給され、一実施形態において、例えば紙袋、ビニール袋、段ボール箱のような入れ物を含むことができる、1個の使用者コンテナ内に移動することができることを含むこともできる。
【0041】
このように、本発明者の前のPCT出願は、販売装置として構成される自動保管および分配装置を示すと共に記述しており、以下の特徴を有する:
・ハウジングの外部にある非管理制御エリアと、ハウジングの内部にある管理エリアとを分けたハウジングであって、この管理エリアは、管理エリア内での人の存在を要することなく、機能操作が、販売装置として完全に自動化されることが意図されている、ハウジング;
・このハウジングに結合され、自動販売装置に配達された出荷用箱をハウジングの外部から受け取る受け取りエリア;
・配達された出荷用箱が、自動化販売装置の内部の被制御エリアに入ることが許可されていることを検証する許可手段;
・この許可システムと結合され、ハウジング内の被制御エリアに進入するように、配達された出荷用箱のうちの許可されたものだけの移動を可能にする自動出荷用箱エントリ手段であって、前記許可システムおよび自動箱エントリ手段は、少なくとも配送員が、箱エントリ手段を通って該ハウジング内に入ることを防ぐ、自動出荷用箱エントリ手段;
・配達された出荷用箱の箱エントリ手段から、ハウジング内の管理エリア内への移動を制御する自動搬入手段;
・ハウジング内の被制御エリア内に配設され、複数の配達された出荷用箱を受け取り、前記配達された出荷用箱に、物品取り出し開口部を形成する自動箱開封手段;
・開封された出荷用箱の、ハウジング内の管理エリアの保管エリア部分への自動保管を行う保管手段;および
・少なくとも2つの開封済み出荷用箱の各々の内部から、少なくとも1つの物品を取り出し、少なくとも2つの取り出した物品をユーザ配送コンテナに入れる自動取り出し手段、および
・ユーザ配送コンテナを、ハウジングの出口ポートへ移動させる自動搬出手段、
・この出口ポートは、該ユーザ配送コンテナが、ハウジング内の管理エリアから、ハウジングの外部にいるエンドユーザまで移動することを可能にし、前記出口ポートは、少なくともエンドユーザが、この出口ポートを通って該ハウジング内に入ることを防ぐ。
<効果>
【0042】
上記のシステムは、配送コンテナを用いて、1つ又は複数の物品を顧客に引き渡す代わりに、配送コンテナを用いることなく、または、1つ又は複数の物品を1つの配送コンテナ内に引き渡すことなく、および1つ又は複数の物品を1つの配送コンテナ内に引き渡して、多数の物品を顧客に引き渡すことができることに留意されたい。例えば、顧客は、出口ポータル/顧客インターフェースにおいて、いくつかのアイテムを含む袋またはボックスを受取った後、最後の引渡しアイテムとして大きなプラスチックボトルを受取ることができる。
【0043】
上記自動販売装置の「ハウジング」部分は、一見したところでは、ただの自動販売機のハウジングにしか思えないかもしれないが、上述したユニークな特徴が、上記保管および販売装置を非常に有用かつ効率的な販売装置になるようにし、かつ可能にすることを留意されたい。
【0044】
例えば、上記許可手段と自動出荷用箱エントリ手段の組合せは、ハウジングへの進入を許可された引渡された出荷用箱のみが、実際にハウジングに進入できるようになっており、および引き渡された出荷用箱の実際の進入は、上記自動搬入手段からの支援を受けて、全て自動化されており、すなわち、人の支援が必要ない構成を提供する。
【0045】
従って、引き渡された出荷用箱のハウジング内への進入を制御するのに、ハウジング内に人手は必要なく、また、引き渡された出荷用箱の中の物品の取出し、出荷用箱の保管、および注文に応じた、保管された出荷用箱からの実際の取出し/注文選別に対するアクセスを実行するために、およびハウジングの外部から接近可能な該ハウジングのある位置への選別された商品の送り届けに備えるために、引き渡された出荷用箱を開封処理するのに、ハウジング内に人手は必要なく、また、位置から該ハウジング内の管理エリアへの人の接近は、防止される。
【0046】
加えて、自動出荷用箱エントリ手段は、ハウジング内の管理エリアへの人による接近も防止することに留意されたい。一実施形態において、保守および修理、ならびに組立ておよび解体のために、人が該ハウジング内に入るための、ハウジングの内部への人のアクセスは、施錠装置を備えた通常のドアによって検証することができる。
【0047】
以前の自動小売商店では、機械/商店内に製品を積み込むために、および商店から実際に製品を分配または販売するために、人が一定期間、建物または構造物内にいることが必要であった。このシステムは、商品が、自動的に積み込まれ、処理され、保管され、および分配される段階まで、ハウジングの内部の空間が自動化されるように設計されているため、機能するのに空間内に人は必要ない。従って、上記の商品保管および分配/販売装置の場合、保管および分配システム(すなわち、本発明に従って構築された小売店または倉庫分配システム)の稼働に伴う「人件費」および「不動産費用」の多くが不要となる。このようなコストは、従業員が作業するための十分な面積および十分な照明、空気、熱等の従業員が「居住可能な」環境、従業員の個人的ニーズに対処するための場所(バスルーム等)、休憩時間の提供、休暇、下級職員を監視する管理職員等を提供するための要件を含む。これら全てのコスト、ならびに従業員に関する他の全ての諸経費および間接費が不要となる。従業員がいない場合、一実施形態において、商店の規模は、販売される商品を実際に保管して分配するのに必要な規模とあまり変わらない規模に限定することができ、また、従業員に関するそのような居住可能性の要求を満たすのに必要な不動産が不要となる。加えて、従業員がいないため、順守すべき連邦法、州法、地域法および条例はほとんどない。例えば、従業員の要求に直接適用する法令だけでなく、防火や安全に関連する法令、米国障害者法等もほとんどない。
【0048】
従って、本システムは、建築および操作に関するコストの削減、ならびに、従来の建物と比較しての空間要件および不動産賃貸コストの削減、設備及び照明用の電気料金の削減、内部火災の消化に関連する建築基準法に適合する必要のないシステムを設置することができること、その他の人の安全性の問題(内部で働いている人がいないため)、重要要件が、土地、電気接続および好ましくはインターネット接続を導入することのみである状態で、一両日以内に、商店を設置して操業することができること、箱配送会社から物品を受取る際に関与する人々を必要とせず、商店をどこにでも開店させることができること、外観が従来の建物のようにデザインされた物で、ハウジング構造体の外部を覆うことができること等の他の効果を提供することが意図されている。
【0049】
加えて、保険料、盗難品コスト、不動産コスト、水道光熱費、人件費、管理費、破損品コスト、および従来の倉庫保管または従来の小売店に付随する他の多くのコストが削減されるか、またはなくなる。さらに、自動化され、コンパクトで、密に保管される商品システムを有することによる恩恵、ならびに商品および物品を受け取り、開封し、保管し、取出して配送する自動システムを有することによる恩恵が得られ、このトータルシステムは、一実施形態において、モジュール化することができ、さらに、地上、地下またはその両方に積重ねることのできるモジュール式で、および不動産の利用に関して非常に効率的になるような方法で設置されることから恩恵を受けることができる。この不動産の効率的な利用、および労働者を実質的に必要としないことは、高効率システムのユーザに対する恩恵と組合わさって、コストを削減し、かつ経営効率を向上させるであろうかなりの恩恵をもたらし、また、ユーザおよび消費者に対するコストを削減する機会を与えるであろう。また、本システムは、地域住民のすぐ近くに低コストで設置することができるという利点があり、そのため、該システムは、一実施形態において、より大きな分配システムの一部として、以前は実現不可能だった目的を達することができる。
【0050】
従来の保管分配システム、または小売商店と比較して、上記システムおよびその様々な実施形態の別の特定の効果は、そのような従来のシステムのかなりのコストは、製造業者から中間の保管/流通施設へ、およびそこから、ユーザが物品を手に入れる場所まで(すなわち、例えば、小売店の棚の上に)、(中に更なる物品が入っているまたは入っていない)カートンを移動させる際に必要な労働力によるものであるということである。物品製造業者および商店所有者/オペレータにかかるこのような出荷、保管および取扱いコストは、最終的に、物品の最終販売価格への反映というかたちで最終顧客に転嫁される。一方、本発明のシステムは、保管分配システム(すなわち、本発明に従って構築された小売商店または倉庫分配システム)が、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)およびフェデラル・エクスプレス(Fed Ex)または他の様々なトラック運搬会社等の既存の物品輸送インフラストラクチャおよびサービスを活用して、本発明のシステムのハウジングへコンテナを届けることを可能にする。典型的にこれらの既存の運搬サービス会社は、非常に有効的かつ魅力的な料金で、文字通り地球上のあらゆる場所に物品運搬を提供する。従って、本発明によるコンテナの運搬および構造物の搭載に、このようなサービス会社を利用することにより、自社製品を自社分配するために、トラック部隊、運転手および複数の中央流通センター、ならびに、品出しおよび製品の選別に要する信頼できる社員を用意しなければならない物品製造業者にとって大幅な節約となる。
【0051】
この点については、施設と特定の信頼関係を築く必要のない、複数の宅配サービス、運搬会社等の様々な配達従業員は、一実施形態において、上記システムに「荷積みする」ことができることに留意されたい。換言すれば、新たな商品をシステムに荷積みするために、従来のシステムに近づいてアクセスする、信頼できる代理店または従業員を伝統的に必要とする自動販売システムまたは自動小売装置等の自動システムの場合、および従業員が、自動機械への荷積みを専門としている場合、トラック、倉庫およびロジスティック・システムが全て、従来の機械に関する処理および荷積みを専門としている場合(およびこれらの人達、トラックおよび装置は全て、装置の管理のみを専門としているため)、自動販売システムまたは自動小売装置のオペレータは、(丁寧かつ正確に補充し、アイテムを正しい位置に補充し、素直であり、かつシステム、自動小売または自動販売システムのオペレータまたはオーナーから窃盗を働かない専門の荷積み要員に頼る必要があり)一実施形態において、かなり信頼でき、かつ正式なビジネス関係を築ける従業員を擁することが重要である。
【0052】
そのため、代わりに、該システムが、自動的に荷積みすることができ、それにより、既存の一般の効率的な運搬業界を活用した場合に可能であろうスケールメリットを十分に得ることは不可能である。箱の開封およびシステム内への装入を完全に自動化することにより、要求されることは、箱をシステムへ送り届けて、コンベヤシステムに載せることだけとなるため、システムのオーナーまたはオペレータは、信頼できる人に機械への「荷積み」をやらせる必要はない。従って、本発明の多くの優れた効果のうちの1つは、もはや信頼できる人に箱を開封させる、または、商品を該システムに荷積みさせる必要がないため、オペレータまたはオーナーが、一般運搬業者または普通の非専用の運搬会社を利用して、箱を配達できるようにすることである。
<新たな操作方法>
【0053】
この結果、このような自動システムの多くの固有の特徴は、そのような自動装置を用いた場合の、物品の保管および分配および/または販売に取組むための多くの新たな方法の可能性を提示する。
【0054】
このように、販売装置として構成された本発明の装置は、一実施形態において、顧客にとって、単一の統合された小売店に見える構造物内で、物品の様々な生産業者が、顧客への物品の販売を直接的に管理することを可能にする。この小売店は、一実施形態において、商品のサプライヤーが、従業員を雇うことなく、または、自己の利益を守るために存在する代理店を有することなく、商品のサプライヤーが、消費者/エンドユーザに非常に近い物理的な小売店舗から、自身の商品を納入して、直接顧客に販売することを可能にする。このことは、自動商店の一部を借りて、自分達の商品を商店に保管し、電子的方法、例えば、コンピュータネットワークの利用により、商店内で割当てられた、商品のためのスペースを管理することのできる、商品の様々な生産業者または流通業者によって可能になる。
【0055】
さらなるビジネス方法は、配送事業体の代理店を利用して、上記システムの自動荷積みを始めるため、受取り代理業者または荷積み人員は必要ない。この有利な結果は、事前に関係者間で、許可コードをやりとりさせることによって可能になり、コードは、配送事業体による上記装置内へのコンテナの自動荷積みおよび進入を実行できる。
【0056】
商店に配送されている商品は、特定のサプライヤーまたは商品の種類に関連付けられたコードを含むことができる注文番号等の、その商品に関連付けられた、2つの関係者(自動商店を管理している第1の関係者と、商品の配送を管理している第2の関係者)間で設定された配送コードを有し、これらの商品は、配送の前に注文され、配送コードは、出荷用カートンが上記ハウジング内に入れるようになる前に、配送代理業者によって伝えられる。
【0057】
このような自動小売商店の別の実施形態においては、商店の受取り機能は、コンピュータシステムによって自動化および制御されるため、商品が保管されるように意図される保管エリア内の位置は、事前に決められ、自動受取りおよび保管システムは、所定の事業体が、いつでも商店に入れることのできる商品の量を制御し、かつ制限する。出荷用箱を商店内に受け取るプロセス、および箱を商店内に保管するプロセスが、自動小売商店と取引関係のある上述した様々な事業体間での取り決めによって設定された所定のルールによって支配されるコンピュータによって制御されるならば、(およびこの実施形態の下位の形態においては、他の事業体が許可しない限り)ある一つの事業体が、別の事業体に割当てられたスペースを使用しようとすることが防止される。
【0058】
事業体は、実際には、商店の内部に、または、商品保管エリアの内部にアクセスできないため、他の事業体の商品に影響を与える可能性はない。
【0059】
従って、ハウジング内の管理される保管スペースは、いくつかの異なる方法で割当てることができることは有利である。例えば、機械内部のスペースは、特定のエリアに割当てられた特定の物理的位置を有し、特定の事業体による使用に対してのみ指定されたエリアである特定のエリアを有することができる。別の例においては、特定の事業体に指定されるスペースの部分は、様々な箱または出荷用コンテナが、いつでも商店内のどこに保管されるかに関係なく、店全体での立方体のエリアまたはスペースに基づいている。この状況において、スペースのこれらの部分は、商店または保管エリア内の特定の専用位置またはエリアがないスペースの量である。
【0060】
商店のスペースの一部を管理する各事業体は、インターネット等のコンピュータネットワークを通じて、どの商品を、事業体のそれぞれのスペースに荷積みできるようにするかおよび/またはスペースに荷積みされる商品の受取り、取扱い、保管および/または販売に関して、どういう価格および他のパラメータを設定したいのかを制御することができる。
【0061】
従って、自動物品販売装置を操作する第1の方法は、
・ハウジングの外部に存在する非管理エリアと、ハウジングの内部に存在する管理エリアとを分けるハウジングを設けることであって、管理エリアは、管理エリア内での人の存在を要することなく、物品の保管および販売装置として、その機能操作で完全に自動化されることを意図されていることと、
・配送された出荷用箱のうちの許可されたものだけを、ハウジングの内部の管理エリアに入れるという制御された動作を可能にする自動出荷用箱エントリ手段を設けることと、
・ハウジングの内部の管理エリア内に配設され、複数の出荷用箱に、物品取り出し開口部を形成する自動箱開封手段を設けることと、
・ハウジングの内部の前記管理エリアの保管エリア部分に、前記開封された出荷用箱を移動させることと、
・ハウジングのための出口ポートを設けることと、
・販売装置内に保管されている物品の購入のための注文を出す、自動販売装置のユーザに応答して、保管エリア内に置かれた少なくとも2つの開封済みの出荷用箱の各々の内部から、少なくとも1つの物品を取出す物品取り出しシステムを設けることであって、物品は、その後、ユーザ配送用コンテナ内に自動的に配置されて、出口ポートへ自動的に移動され、そこで前記ユーザが、ユーザ配送用コンテナを管理することができることと、
・複数の独立した事業体の間で合意を交わすことであって、この合意は、各事業体が、出荷用箱の該ハウジングの保管エリア内への移動に関する制御が制限されることを実現できることと、
を備える。
【0062】
自動物品販売装置を操作する第2の方法は、
・ハウジングの外部に存在する非管理エリアと、ハウジングの内部に存在する管理エリアとを分けるハウジングを設けることであって、管理エリアは、管理エリア内での人の存在を要することなく、物品の保管および販売装置として、その機能操作が完全に自動化されることを意図されていることと、
・配送された出荷用箱のうちの許可されたものだけを、ハウジングの内部の管理エリアに入れるという動作を可能にする自動出荷用箱エントリ手段を設けることと、
・ハウジングの内部の管理エリア内に配設され、複数の出荷用箱に、物品取り出し開口部を形成する自動箱開封手段を設けることと、
・該ハウジングの内部の管理エリアの保管エリア部分への、開封された出荷用箱の自動保管を実行することを備え、
・販売装置内に保管されている物品の購入のための注文を出す、自動販売装置のユーザに応答して、自動物品取り出し手段が、少なくとも2つの開封済みの出荷用箱の各々の内部から、少なくとも1つの物品を取出し、その物品は、その後、ユーザ配送用コンテナ内に自動的に配置されて、ハウジングの出口ポートへ自動的に移動され、そこで前記ユーザは、ユーザ配送用コンテナを管理することができ、および
・複数の独立した事業体の間で合意が交わされ、その合意は、各事業体が、出荷用箱のハウジングの保管エリア内への移動に関する制御が制限されることを実現できる。
【0063】
上記第1または第2の方法において、この合意は、制限された制御が、所定の事業体の出荷用コンテナの、ハウジングの保管エリアのうちの所定の割合のみへの移動進入を可能にすることを実現できる。
【0064】
上記第1または第2の方法において、前記事業体の各々は、販売装置によって販売される物品の製造業者またはサプライヤーのいずれかである。
【0065】
上記第1または第2の方法において、前記事業体の各々は、自動販売装置の保管エリアの自社の部分に保管されることを許可される物品の種類を管理する。
【0066】
上記第1または第2の方法において、前記事業体の各々は、自動販売装置の保管の自社の部分から販売されることを許可される物品の種類を管理する。
【0067】
上記第1または第2の方法において、前記事業体の各々に対する合意によって許可された制御の制限は、事業体のそれぞれが、
・許可された自社物品が、自動販売装置によってどのように販売されるか、
・許可された自社物品の販売価格を管理すること、
・何らかの販売促進活動を利用すべき場合を管理すること、
・開封済みの出荷用コンテナを、(開封されている場合に)再封緘して、ある場所の1つの自動販売装置から、第1の自動販売装置の場所とは異なる場所の別の自動販売装置へ再発送することに関する許可を管理すること、
を制御することを可能にする。
【0068】
先行する何れかの段落の方法においては、事前に関係者間で決められた合意に従って、自動販売装置のコンピュータシステムに命令が入力され、上記自動出荷用箱エントリ手段、および出荷用箱の保管エリアへの移動を制御して、ハウジング内に実際に保管されることになる商品が、合意事項によって制限される。
【0069】
先行する段落の方法においては、コンピュータシステムに入力された命令は、何れか一つの事業体が、別の事業体に割当てられている保管エリア内のスペースを利用することを防ぎ、さらに、
・1つの事業体が、別の事業体に割当てられた保管スペースを利用することを可能にする命令が与えられること、
・保管スペースは、各事業体に割当てられた、保管エリア内の特定の物理的位置に割当てられており、その位置は、特定の所定の事業体による使用に対してのみ指定されたエリアであること、
・保管エリアは、各事業体の出荷用コンテナが、いつでも商店内のどこに保管されるかに関係なく、保管エリアの立方体エリア全体に基づいていること、
・およびこの状況において、スペースの各事業体の部分が、保管エリア内の特定の専用位置またはエリアがないスペースの量であること
のうちの1つ以上が可能である。
【0070】
先行する段落の方法において、各事業体は、インターネット等のコンピュータネットワークを用いることにより、保管スペースの一部を管理して、どの物品を自社の保管スペースに荷積みできるようにするか、および/または自社の保管スペースに荷積みされる物品の受取り、取扱い、保管および/または販売に関して、どういう価格設定、販売条件および他のパラメータを設定したいのかを制御する。
【0071】
先行する段落の方法において、事業体間の前記合意は、保管スペースの貸し借りの取り決めを含む。
【0072】
上記第1または第2の方法において、前記合意は、上記自動物品販売装置を用いることにより、前記独立した事業体が、一般の顧客に直接物品を販売することを可能にする。
【0073】
上記第1または第2の方法において、自動物品販売装置のコンピュータシステムに入力された命令は、事業体からの販売すべき物品を有する出荷用コンテナの、自動物品販売装置への進入を制御することにより、事業体間の合意を実施する。すなわち、物品が、自動物品販売装置に進入できるようになっていない場合、その事業体は、装置によって販売を行えない。
【0074】
上記第1または第2の方法において、自動物品販売装置のコンピュータシステムに入力された命令は、保管エリアに進入する物品の種類および量を制御する。
【0075】
上記第1または第2の方法において、コンピュータシステムに入力された命令は、保管エリアに進入する、所定の事業体からの物品の量を、その保管エリアに保管されるのを許可された物品の分類パラメータの総量の関数として制御する。
・この場合、少なくとも2つの事業体の商品が、保管エリアに進入し、また、少なくとも2つの事業体の商品が、保管エリアの共用部分に保管される。
・上記分類パラメータは、
・サイズ、
・製品タイプ、
・ドル価値、
・量
に基づいている。
・複数の独立した事業体は、互いに無関係である。
・複数の独立した事業体は、関連のない団体である。
【0076】
上記第1または第2の方法において、複数の事業体からの物品は、保管エリアに保管され、保管エリア内の異なる事業体の物品の区別は、中に物品が保管されている、様々な事業体の各々の物品に割当てられているスペースを割当てるために、保管エリア内の物理的な境界に依存しない。
【0077】
段落16の方法においては、物品を保管するために、事業体の1つに与えられるスペースの量は、上記物品取り出しシステムのコンピュータ制御によって決定される。
【0078】
上記第1または第2の方法において、コンピュータ制御システムに入力された命令は、事業体間の合意で設定されたルールを実施する。
【0079】
上記第1または第2の方法において、その合意は、事業体が、物品が自動販売装置から売れるまで、保管エリア内に移動された物品の所有権を維持することを規定している。
【0080】
先行する段落の方法において、貸し借りの取り決めは、ある1つの事業体が、自動販売装置のオペレータ、管理者またはオーナーに支払うレンタル料金を設定し、このレンタル料金は、特定の事業体による当該販売装置からの物品の販売の額、数量、利益幅および/または全体の採算性によって、少なくとも部分的に決まる。
【0081】
先行する段落の方法において、貸し借りの取り決めは、ある1つの事業体が、自動販売装置のオペレータ、管理者またはオーナーに支払うレンタル料金を設定し、このレンタル料金は、特定の事業体の物品の保管のための管理された保管エリアに必要なスペースの量によって、少なくとも部分的に決まる。
【0082】
先行する2つの段落の方法においては、レンタル料金は、特定の事業体の物品の保管のための管理された保管エリアに必要なスペースの量によって、および特定の事業体による当該販売装置からの物品の販売の額、数量、利益幅および/または全体の採算性によって、少なくとも部分的に決まる。
【0083】
一つの状況において、事業体は、上記自動商店と、自動商店への商品の進入の両方を制御し、および商品のサプライヤーからのどの種類の商品を、商店に進入できるようにするかも制御することができる。
【0084】
このような状況において、事業体間の取り決めは、商店に進入する商品の所有権は、下記の事項のうちの1つ又は複数が満たされるまで、その商品のサプライヤーにあるということにすることができる。
・商品が、商店からその商店のユーザへ移動され、または、商店からその商店のユーザへ販売された時点であり、それにより、商品は、その商品のサプライヤーによって、自動商店から商品を受取るエンドユーザに直接販売されたと見なされる。この状況において、商店を管理する事業体は、商品を購入または所有しないが、単に、物品のサプライヤーとエンドユーザとの間の売買を容易にする。複数の商品が、エンドユーザへの販売に混合されている場合には、商店を管理する事業体は、複数の独立した商品のサプライヤーの各々と、1つのエンドユーザとの間の売買を容易にする。
・商品が、商店からその商店のユーザへ移動され、または、商店からその商店のユーザへ販売された時点であり、それにより、商品は、商店のエンドユーザが、商品を注文した後、および商品が、自動商店から商品を受取るエンドユーザへ引き渡される前に、商品のサプライヤーによって、商店を管理する事業体に販売されたと見なされることに合意される。
【0085】
別の状況においては、一方の事業体は、商店を管理し、第1の事業体とは異なる他方の事業体は、自動商店への物品のサプライヤーであり、このサプライヤーは、自動商店に進入する商品のうちの少なくともいくつかの進入を制御することができる。
【0086】
このような状況において、事業体間の取り決めは、商店に進入する商品の所有権は、下記の事項のうちの1つ以上が満たされるまで、その商品のサプライヤーにある(または、別法として、別の実施形態においては、商店を管理する事業体に販売されない)ということにすることができる。
・商品が、商店からその商店のユーザへ移動され、または、商店からその商店のユーザへ販売された時点であり、それにより、物品は、その物品のサプライヤーによって、自動商店から、商品を受取るエンドユーザに直接販売されたと見なされる。この状況において、商店を管理する事業体は、商品を購入または所有しないが、単に、商品のサプライヤーとエンドユーザとの間の売買を容易にする。複数の商品が、エンドユーザへの販売に混合されている場合には、商店を管理する事業体は、複数の独立した商品のサプライヤーの各々と、1つのエンドユーザとの間の売買を容易にする。
・商品が、商店からその商店のユーザへ移動され、または、商店からその商店のユーザへ販売された時点であり、それにより、商品は、商店のエンドユーザが、商品を注文した後、および商品が、自動商店から商品を受取るエンドユーザへ引き渡される前に、商品のサプライヤーによって、商店を管理する事業体に販売されたと見なされることに合意される。
【0087】
別の状況においては、商店を管理する事業体があり、また、自動商店に進入する商品のうちの少なくともいくつかの進入を制御することができる自動商店への商品の独立したサプライヤーがある。
【0088】
このような状況において、事業体間の取り決めは、商店に進入する特定の種類の全ての商品の一部の所有権は、下記の事項のうちの1つ以上が満たされるまで、商品のサプライヤーにある(または、別法として、別の実施形態においては、商店を管理する事業体に販売されない)ということにすることができる。
・商品が、商店のユーザによって注文された時点の直近または後、または、商品が、エンドユーザへの引渡しのために、出荷用カートンから取出されるか、または、商店から商店のユーザへ販売される時点の直近または後であり、それにより、商品は、その商品のサプライヤーによって、自動商店から、商品を受取るエンドユーザに直接販売されたと見なされる。この状況において、商店を管理する事業体は、商品を購入または所有しないが、単に、商品のサプライヤーとエンドユーザとの間の売買を容易にする。複数の商品のサプライヤーからの複数の物品が、同じユーザへのある販売に混合されている場合には、商店を管理する事業体は、複数の独立した商品のサプライヤーの各々と、1つのエンドユーザとの間の売買を容易にする。
・商品が、商店からその商店のユーザへ移動され、または、商店からその商店のユーザへ販売された時点であり、それにより、商品は、商店のエンドユーザが、商品を注文した後、および商品が、自動商店から商品を受取るエンドユーザへ引き渡される前に、商品のサプライヤーによって、商店を管理する事業体に販売されたと見なされることに合意される。
【0089】
上記新規な方法の追加的な説明は、
・第1の関係者と、少なくとも第2の関係者との間に取り決めを有するビジネス方法であって、第1の関係者は、第2の関係者を利用して、商品を自動商店に配達し:
・商店は、商店から販売すべき商品を保管するための保管エリアを有し、
・第1の関係者は、商店から販売される商品の操作および販売における金銭的利害を有し;
・第2の関係者は、商店へ配達されるべき商品の(少なくとも)配達者であり、
・商店は、安全な荷積みポートと共に機能して、第2の関係者が、配達した商品を安全な荷積みポートを介して、商店の内部の保管エリア内へ移送できるようにする商品移送システムを含み、
・安全な荷積みポートは、第2の関係者が、商店の保管エリア内に保管されている商品のいずれかにアクセスするのを制限することができ、
・商店は、商店内に移送される商品の識別を判断する手段を有し、
・商店は、商店内に置かれている商品に対する電子注文を受けて、商品を配送ポートに供給することができること、を含む。
【0090】
さらに、商店の内部は無人であり、および
・第2の関係者が、配達された商品を、商店の内部に移送できるように設計されており、第2の関係者は、それでもなお、商店の保管エリア内に保管されている商品のいずれかにアクセスすることが制限されており、および
・第2の関係者は、顧客、代理業者、ウェブサイト、購買団体等から受取る商品の注文に応じて、配達した商品を、商店の内部へ移送できるようになっている。
【0091】
さらなる好適な実施形態において、本システムは、複数の独立した事業体が各々、独立した配送代理業者からのマスターカートン内の商品を受取る自動商店と連動して、自動小売商店内のスペースの別々の部分を管理する方法と共に用いることができる。
【0092】
この実施形態において、代理業者は、複数の事業体の他の配送代理業者と別であってもよく、また、商品を収容するマスターカートンは、安全なポータルを介して自動商店のハウジング内に受け取られた後、自動的に開封され、事前に様々な事業体に割当てられている、または、様々な事業体による使用回数によって、独立した事業体の特定の1つに割当てられている、保管エリアの一部または相当部分に保管される。事業体は、自動商店に送られ、中に移動されて保管される商品の種類を管理し、また、事業体は、自身が管理することのできる商品の販売価格を管理することができ、および商店は、複数のマスターコンテナから、複数の異なる物品を取出し、かつ混合することができ、この場合、物品の混合は、個別の事業体の異なるものからの保管コンテナからの物品の混合を含む。
【0093】
さらに、別の実施形態においては、個別の事業体は、インターネット通信リンクを通じて、自社に割当てられたスペースの部分を制御する。一実施形態において、個別の事業体は、商品をどのように陳列するかということと、商品の電子的提示のコンテンツとを制御することができる。追加的な実施形態においては、事業体は、価格設定の変更、および商品に対するインセンティブの変更を管理する。さらなる実施形態においては、自動商店に保管された商品は、顧客に販売されるまで、管理する事業体に所有権がある。
【0094】
追加の実施形態において、個別の事業体は、自動商店のオーナーまたはオペレータに管理料を支払う。さらなる実施形態においては、個別の事業体は、自動商店内で管理するスペースに対するレンタル料金を支払う。また別の実施形態においては、所定の1つの事業体が、自動商店のオペレータ、管理者またはオーナーに支払う料金は、特定の事業体の商品の販売の金額、数量、利益幅および/または全体の採算性によって、少なくとも部分的に決まる。追加的な実施形態においては、所定の1つの事業体が、自動商店のオペレータ、管理者またはオーナーに支払う料金は、特定の事業体の商品の保管に必要なスペースの量によって、少なくとも部分的に決まる。
【0095】
本装置およびシステムは、第1の関係者と、少なくとも第2の関係者とを含む方法と共に用いることができ、第1の関係者は、第2の関係者を利用して商品を販売する自動商店に商品を配達し、さらに、
・商店は、商店から販売される商品を保管するための保管エリアを有し、および
・一実施形態において、第1の関係者は、商店から販売される商品の操作および販売における金銭的利害を有し、および
・一実施形態において、第2の関係者は、商店へ配達されるべき商品の(少なくとも)配達者であり、または、商店へ配達することができ、および/または商店に進入することのできる商品のうちの少なくともいくつかを決定し、および
・商店は、安全な荷積みポートと共に機能して、第2の関係者が、配達した商品を安全な荷積みポートを介して、商店の内部の保管エリア内へ移送できるようにする商品移送システムを含み、および
・一実施形態において、安全な荷積みポートは、第2の関係者が、商店の保管エリア内に保管されている商品のいずれかに物理的にアクセスするのを、または、商店内に保管されている、他の事業体が所有する商品に影響を与えるのを制限することができ、および
・商店は、商店内に移送される商品の同一性を決定する手段を有しており、および
・商店は、商店内に置かれている商品に対する電子注文を受ける配送ポートを介して商品を供給することができ、
・商店は、注文の品を、商店のユーザに引き渡すための安全なポータルを有しており、および
・商店は無人であり、および
・一実施形態において、商店は、第2の関係者が、配達された商品を、商店の内部に移送できるように設計されており、第2の関係者は、それでもなお、商店の保管エリア内に保管されている商品のいずれかにアクセスすることが制限されており、および
・別の実施形態においては、第2の関係者は、商店から離れている顧客、代理業者、ウェブサイトまたは購買団体から受ける購入の注文に応じて、商店のハウジング内に保管されている物品は、ユーザポータルを介して、システムのユーザに引き渡され、または、引き渡された商品を遠隔地へ輸送し、遠隔注文したエンドユーザに商品を届ける配送代理業者へ商品を引き渡される。
<モジュール式の実施形態および他の方法>
<緊急モジュール>
【0096】
上記の装置を用いる別の方法は、緊急時に必要な医薬品、保護装置または他の規制物質等の緊急物資を分配できるようにする緊急自動分配システムとしてである。本システムが、緊急商品を分配することを可能にする許可コードを、システムに与えることができる。
【0097】
本システムの1つの便益は、商品が、非常に安全なハウジング内に保存されるため、システムを、潜在的に緊急事態の影響を受ける可能性のある人達の近くの場所に配置することができるということである。別の便益は、商品を、内密に保管することができ、この場合、中にどういう商品が保管されているかを、限られた数の人だけが承知しているということである。本システムの別の便益は、システムへの商品の販売業者と、システムから商品を受取る人との間の人的接触を最小限にして、商品を地域住民に分配することができる(特に、人が隔離された状況にある場合に有用である)。
【0098】
このようなシステムは、保管エリア内であって管理され、かつ遠隔監視された環境内に保管されている物資に触れる人がいない、またはほとんどいないということを提供する。保管エリアの一部を無菌に保つ必要がある場合にも、このことは可能である。
【0099】
広大な地理的領域全体に緊急物資を分配する時間を最小限にするために、この種の自動システムのネットワークを、広い地理的領域全体に展開することができる。また、潜在的な、または実際の自然災害に対処するために、または、戦時中に生じる緊急事態に対処するために、システム全体を、航空機またはヘリコプター等の空輸手段によって降下させることもできる。このようにして、地域住民への物品の配給を、効率的に実施することができる。この実施は、安全なハウジング内からエンドユーザへの商品の管理された引渡しを確実にするために、IDコード、PINコード、指紋分析または顔認識を必要としてもよい管理された引渡しポートによって強化されることに留意されたい。
【0100】
自動商店および完全自動倉庫のさらなる特徴は、以下のことを含むことができる。
・商品の混合(マスターカートンからの物品の注文選別および商品の新たな注文カートンへの再混合)。
・箱は、全体的に安全なシステムに入れられる。
・箱は、自動的に開封される。
・箱は、保管エリアに保管される。
・システムのユーザは、複数の保管箱から、特定の物品群を注文する。
・物品は、パターン認識ソフトウェアを用いて、自動的に選別される。
・物品は、共通の袋に混ぜられ(物品は、そこで混合される)、自動的に装入される。
・装入済みの袋は、安全なエリアから出て、混合されたパッケージを受取る人に向かう。
・複数のユーザが、同時に、商品を購入し、システムから注文を入力することができる。
・複数の注文を同時にこなすことができる。
・複数の注文を、同時にまたはほぼ同時に、複数のユーザに提示して実行することができる。
【0101】
上述したように、上記自動商店および完全自動倉庫は、装置全体が、自動化されており、およびハウジングの外部構造が屋外に位置し、内部の装置を保護するハウジングを含むことのできる安全なハウジングに囲まれていること、また、ハウジング内のスペースは、上述した装置の機能のうちのいずれかを人が実行することが意図されていないように特徴付けられていることを含むことができる。従って、ハウジングの一実施形態は、鋼製であり、自動システムは、例えば、貨物用コンテナ等の構造物内に入れる、すなわち、収容することができる。
【0102】
そのため、ハウジングは、例えば、トイレ、製品を装入するための通路、照明装置、消化スプリンクラーシステム、環境快適性および安全性システム、人の活動に適した温度、HVAC(冷暖房空調設備)、換気装置、通信システムを含む、通常、人が住む建物に必要であろう何らかのサポートシステムを収容する必要がない。これらのシステムを必要としないこと、およびモジュールを耐火性にする、例えば、鋼鉄で形成して囲むことは、そのような自動システムを、例えば、貨物用コンテナ等の構造物内に構築することができることを意味する。
【0103】
自動商店モジュールまたは自動倉庫モジュール用のハウジングとして使用することができる、貨物用コンテナと同様の構造物、または、他の種類の構造「モジュール」の場合の実施形態において、貨物用コンテナの1つ又は複数の側面は、商品および/または出荷用コンテナまたは箱が、該モジュールに進入すること、およびそのモジュールの外へ移送されることを可能にする1つ又は複数のポータルを有することができる。モジュールのハウジング内への開口またはポータルは、ガントリロボット、コンベヤベルトおよび/または他の機械システム等の搬送手段が、商品および物品を一つ又は複数のモジュールの内外へ移動することを促進することができる。
【0104】
図16は、コンクリートまたはアスファルト面151によって支持される貨物輸送コンテナと同様の構造物を用いたモジュールユニット152で構成されている自動商店または分配システム150を示す。モジュール152は、モジュール152の少なくとも一方の端部に開口部154を有し、そこで、出荷用箱および/または物品を、モジュールの内部からロボット搬送台158へ、または搬送台からモジュール内部へ通すことができる。ロボット搬送台は、様々なモジュールの前に位置決めされるために、上下左右に動くことができる。ロボット機構156は、搬送台が、ロボット156に取付けられた垂直ビーム上で上下に移動できるように、左右に動いて搬送台を動かすことができる。商品は、搬送台158の内外に移動させることができ、および該モジュールの内外に、および/またはユーザ取出しポートモジュール162内へ運搬することができ、ユーザは、取出しポートモジュールで、商品を取出すことができる。モジュール153は、特に、配送員が出荷用箱をモジュール153内に装入するための進入モジュールとして使用される自動装入セキュリティインターロックエリアを備えることができ、この箱は、その後、ロボットおよび搬送台によって、他のモジュールのいずれかへ移動させて、出荷用箱を保管することができる。また、モジュール153は、箱が様々なモジュールへ運搬されてその中に保管される前に、モジュールシステムに進入した箱のうちのいくつかまたは全てを開封することのできる箱開封装置を収容することもできる。取出しユーザポート164は、ユーザが、物品を、または、物品を含むユーザ引渡しコンテナを取出すことができるポートである。ポート160は、ロボットが、保管モジュールから該取出しモジュール内に取出された物品またはユーザ引渡しコンテナを、ポートを介して移送することができるポートである。
【0105】
この実施形態において、貨物用コンテナまたは他の同様の構造物/モジュールのハウジングは、上記自動商店の重要な要素および装置および手段のうちのいくつかまたは全てを収容することができ、および商店自体の搬送装置等の商店内の装置は、モジュールの外部に商品を移動させることができる追加的な搬送システムと共に、および複数のモジュール間で、および様々なモジュールと、引渡しまたはユーザポートとの間で、および/またはモジュールと、複数のモジュールに結合されている共用出荷用カートン進入モジュールまたは装置との間で作動することができる。
【0106】
各々が、それ自体のハウジングを有し、かつ後に、搬送装置および手段(一部の搬送装置は、モジュールのハウジングの外部にあってもよい)と結合される、複数の個別のモジュールを含むこのようなシステムにおいては、搬送システム上で移動させることができ、かつモジュールのハウジングによって保護することができない商品および装置および物品の安全および保護は、個々のモジュールのハウジングの外部にある搬送装置を覆って保護するように形成された追加的なハウジングを有することによって守ることができる。
【0107】
図17は、ハウジング166が、上記ロボットシステムおよび搬送システムをカバーしている状態の図16のモジュール式自動システムを示す。
【0108】
図18は、複数のロボット移送システム156および168を備えたモジュールシステムを示し、両移送システムは、箱、コンテナ、物品および/または他の商品を、他のモジュールに積荷入し、またはそのモジュールから取出すように設計することができる。
【0109】
図19は、複数のユーザポートまたはユーザポータル164、および複数のユーザインタフェースビデオユニット166を有するユーザポート取出しモジュール162を示す。ポータル160は、ロボット移送システムにより、ユーザ引渡しコンテナをモジュール162のハウジング内に移送するのに使用することができる。
【0110】
図20は、箱等の出荷用コンテナを、モジュール152のハウジングの内外に移送するのに使用でき、また、ユーザ引渡しコンテナおよび/または物品を、ポート154を介してモジュールハウジング152の内外に移送するための移送ポート154を備えた自動モジュール152の一実施形態を示す。
【0111】
一実施形態において、このモジュールは、鋼鉄または他の金属等の難燃性材料で形成されており、または、該モジュールは、他の不燃性材料で構成されている。
【0112】
このように、上記システムの外部にいる人が、個々のモジュールのハウジング、または、結合されたシステムの全体にわたって商品を搬送する搬送装置または手段を保護するように設計されているハウジングのいずれかによって保護される商品、物品または装置にアクセスすることのできる場所は、該システム内にはない。このシステムモジュールを有することにより、例えば、建設活動自体の場所を、商店または倉庫が、稼働のために位置している場所から離すことができるため、製造コストを大幅に低減することができる。モジュールは、世界のどこにでも建造することができ、また、システムの貨物用コンテナサイズの部分は、最終的な場所および目的地に適合して、所望の場所に、全体として完全な倉庫または販売活動を構成する。
【0113】
本願明細書に記載されている本発明の別の態様によれば、様々な自動モジュール同士間およびそれらの間で、物品コンテナまたは箱を移動させる1つ以上の搬送手段によって、1つのシステムに結合される分かれた個々の自動化モジュールである複数のコンパートメントを用いた区画化システムがある。
【0114】
一実施形態において、ある方法で一緒に結合される、それら自体が実質的に個別かつ独立したハウジングを備えた分かれた自動化モジュールの利用は、商品を含む出荷用等の出荷用コンテナおよび個々の物品を、複数のコンパートメントまたはモジュールから、複数のコンパートメントが結合されている共通のユーザポート位置まで自動的に移送することを可能にする。共通ポートへのこのような結合は、ガントリロボット、クレーン、コンベヤシステム、エレベータ、または同様の装置の組合せ等の搬送システムを用いることによって実現される。さらに、ある方法で一緒に結合される、それら自体が実質的に個別かつ独立したハウジングを備えた分かれた自動化モジュールの利用は、商品を含む出荷用箱等の出荷用コンテナおよび個々の物品を、複数のモジュールに結合されている安全な入口ポータル等の共用出荷用コンテナエントリ手段から自動的に移動できるようにし、エントリ手段は、出荷用コンテナを、複数の結合されたモジュール内に移動させる。この結合は、ガントリロボット、クレーン、コンベヤシステム、エレベータまたは同様の装置の組合せ等の搬送システムを用いることによって実現される。
【0115】
一実施形態において、該モジュールの構造の耐火性は、該モジュールのハウジング内に何らかの消火システムを有する必要がないようになっている。
【0116】
別の実施形態においては、一緒に結合されている複数の自動化モジュールの各々は、本明細書の他の箇所に記載されている自動商店または自動倉庫の同じ装置および/または機能性のほとんどまたは全てを有する。モジュールのこのような実施形態は、許可された出荷用コンテナの、モジュールのハウジング内への自動進入を制御すると共に、少なくとも配送員が、モジュールのハウジング内へのアクセスを制限する安全な入口ポータルを含む。このような実施形態も、自動箱開封または出荷用コンテナ開封手段、モジュールのハウジング内の出荷用コンテナや商品を移動させる自動搬送手段、複数の出荷用コンテナを保管する保管装置、出荷用コンテナから物品を移す取出し装置、1つまたは複数の取り出した物品をユーザ側へ搬送する手段を含むであろう。
【0117】
特定の実施形態において、モジュールは、その中に、本願明細書のどこかに記載されているような自動倉庫の同じ装置および/または機能性の全てを有する。
【0118】
特定の実施形態において、該モジュールは、その中に、本願明細書のどこかに記載されているようなASRS、ASDSまたは安全なハウジングの同じ装置および/または機能性の全てを有する。
【0119】
本願明細書に記載したモジュールのうちのいずれか1つにおいては、耐火性であるように、および1つのモジュールから別のモジュールへの延焼を防ぐように作用するように、あるいは、モジュールのうちのいずれか1つから、モジュールの外部の場所への延焼を防ぐように設計されている自動モジュールとして設計することができる。
【0120】
特定の実施形態において、モジュールのうちのいくつかは、システムの作動中はいつでも、モジュールに含まれるいくつかの限定された機能および装置のみを有し、システムの他の重要な機能は、限定された機能性を有するモジュール以外の場所で遂行される。例えば、所定の1つのモジュールは、この所定の1つのモジュール内に含まれる出荷用箱を開封する手段を有しないように設計することができ、また、所定の1つのモジュールは、該所定の1つのモジュール内に保管されている、開封済みの箱の中から製品を取出す機能のみを有していてもよく、この場合、所定の1つのモジュール内に保管されている開封済みの箱は、所定の1つのモジュールの外部の場所に配設されている箱開封手段によって開封されたものである。
【0121】
この状況において、箱は、まず、箱開封手段または出荷用コンテナ開封手段および装置を含む第1のモジュール内で開封することができる。該第1のモジュール内の箱開封手段によって開封された後、開封済みの箱は、搬送システムにより、異なる種類のモジュールであってもよく、かつ上述したような所定の1つのモジュール等の箱開封手段または装置を含まない第2のモジュールへ運ぶことができる。次に、開封済みの箱は、第2のモジュールのハウジング内に進入し、その後の取出しのために、第2のモジュール内の保管システム内に保管することができる。それから、第2のモジュールは、開封済みの箱の中から製品を移すのに使用できる物品取出し手段および装置を中に配設することができ、この場合、中から移された物品は、搬送手段を介して該システムのユーザまで直接運ぶことができ、または、物品は、第2のモジュール内に保管されていた箱から取出される他の物品と混合することができ、あるいは、他のモジュールの中から取出された他の物品と混合することができ、この場合、他のモジュールは、第1および/または第2の記載したモジュールに結合されている。
【0122】
これらの物品は、袋または箱等のユーザ引渡しコンテナ内に混合することができ、およびユーザによって出された注文または命令に応じて、ユーザポートへ送ることができる。様々な物品の1つの共用ユーザ引渡しコンテナ内への実際の混合および配置は、所定の1つのモジュール内で行うことができ、また、全てのモジュールのハウジングの外部の場所で、およびシステムに結合されている場所、例えば、ユーザポートが配設されている所の近傍に配設することができる場所でも行うことができる。
【0123】
そのため、これらのモジュールは、共に機能することができ、かつ共用制御システムによって制御することができるモジュールのネットワークまたはシステムに結合されており、制御システムは、モジュールのうちのいくつかまたは全てで生じる動作を制御することができ、また、出荷用コンテナ、箱、物品および/または物品の組合せを、システム全体の内外に移動させる搬送システムまたはロボット等の結合システムの動作を制御および調節することもできる。
【0124】
従って、一実施例において、複数の異なる自動化モジュール内に保管されている複数の物品を注文したユーザは、実際に、制御システムに、各々は異なるモジュール内に配設することのできる複数の取出し装置を作動させて、それぞれのモジュールから様々な別々の種類の物品を取出させた後、システムに、取出された物品を協働してユーザのところまで移動させて、別のパッケージあるいは1つの混合ユーザ引渡しコンテナ内に混入させる。
【0125】
モジュールシステムの別の実施形態においては、複数の独立したモジュールは、各々が、それ自体の独立したハウジング進入/出口ポートおよび構造物を有し、ハウジングが、内部に保管された商品を保護し、かつ外部の要素から隔離するように機能する複数のモジュールが、搬送手段により、およびそれぞれの外部ハウジングを互いに付着させることにより、一緒に結合されるように、共に結合することができ、この場合、複数のモジュールの各々は、ハウジング内の装置に、または、ハウジング内に保管されている商品に人々がアクセスできないようになっている独立したハウジングを有しており、さらに、モジュールのうちの第1のモジュールは、システムの外部にいる配送員からシステムに配達されている出荷用箱を受取る安全なエントリ手段を有し、エントリ手段は、配達されている出荷用箱が、移動されて第1のモジュール内に進入することが、実際に許可されているかを確認するための自動許可システムも含んでいる。
【0126】
システムの第2のモジュールは、出荷用箱が、まず、第1のモジュールのエントリ手段を通って該システム内に進入し、その後、商品が、自動搬送手段により、第1のモジュールから第2のモジュールへ移送・搬送された後に、出荷用箱が該第2のモジュールのハウジング内に進入することを可能にするように設計することができる。
【0127】
物品取出し開口部を出荷用箱に形成する自動箱開封装置は、第1のモジュール内にのみ配設することができ、あるいは、または加えて、箱開封手段は、自動箱開封手段を含む別のモジュール内に配設することができる。
【0128】
開封済みの箱の自動保管は、1つまたは複数の結合されたモジュール内で行うことができ、また一実施形態において、保管および/または取出し装置および手段は、1つまたは複数のモジュールの内部に恒久的に配設することができ、あるいは、モジュールのうちのいくつかは、一次保管エリアのみを含むことができ、この場合、保管棚システムの内外に箱を移動させるロボット等の保管および取出し装置の一部、およびこの保管および取出し機能を実行するロボット等の取出し装置は、複数のモジュールのうちの1つの内外に移動することができ、それにより、1つの保管および取出しロボットを、複数の保管モジュールのために供用することができる。
【0129】
1つのロボットを、複数の分かれたモジュールで利用することのできる実施形態において、ロボットは、例えば、様々なモジュールのハウジング内に保管されている開封済みの箱から物品を取出すように作動することができ、あるいは、同じロボットは、様々なモジュールのハウジング内にある様々な保管場所に箱を運ぶために、1つ以上の箱を1つまたは複数のモジュール内に持っていくのに使用することができる。
【0130】
ユーザ引渡しコンテナ内の1つの物品または複数の物品を、システムのユーザへ引き渡すという機能は、物品が、該システムのユーザに向かってシステムを出て行くユーザポータルを有することにより、実行することができ、また、互いに隣接する複数のユーザ窓口として機能するためだけに用いられるモジュール内に配設することができる複数のユーザ窓口があってもよく、あるいは、他の機能を備えた、または他の機能を備えていない複数のモジュールが、物品または商品を複数のユーザに引渡すための1つ以上のユーザポータルを有することができる。
【0131】
ユーザ引渡しコンテナをハウジングの出口ポートへ移動させるための、または、出荷用コンテナを様々なモジュールの内外に移動させるのに用いられる自動搬送手段は、システムの複数のモジュールのポータルにアクセスすることができるガントリ型ロボットを含むことができる。この搬送装置は、複数のモジュールのうちのいずれか1つから、複数のモジュールのうちの他のいずれか1つへ、物品または出荷用コンテナまたは箱を移動させる。このことは、1つのモジュールからの物品を、他のモジュールから取出した物品と共に持ってきて、混合された、または別々の物品を、最終的にユーザポートへ引渡すのに利用することができる。該ユーザポートは、商品または物品を、結合されたモジュールの保護システムおよび関連する搬送手段の中から、該システムの外部にいるユーザへ移送することを可能にする。入口ポートまたはエントリ手段またはユーザポートまたは引渡しポートの各々は、少なくともエンドユーザまたは配送員が、ハウジング内に進入することを防ぐことができ、また、人が、該モジュールのハウジング内に、および該ハウジング内に保管されている商品に直接アクセスすることを防ぐ。
【0132】
誰かがシステムから商品を手に入れたい場合、システムは、アイテムを取出して、ユーザポートに移送する自動化手段を使用させるように設計されている。本願明細書に記載されている自動モジュール商店、倉庫または販売装置のシステムは、タッチスクリーン、キーパッド、ビデオモニタ、および/または別の遠隔地から遠隔注文するためのインターネットへのリンク等の1つ以上の受注システムおよび装置を含むことができ、前述した全ての様々なシステムは、ユーザが見て注文するために、商店を介して売りに出されている商品をビデオスクリーンに表示する機能を含むことができる。支払いシステムの様々な形態は、既知のクレジットカード、現金、手形、コイン、デビットカードおよびRFIDシステムを含むことができる。
【0133】
別の実施形態においては、内部にロボットを有し、モジュールの外部に配置されている外部ロボットへ商品を送るモジュール商店または倉庫が提供され、外部ロボットは、複数のモジュールから製品を取出すことができ、また、外部ロボットおよび内部ロボットは、統合システムを実現するために、互いに連動して協働する。複数のモジュールから出された商品の注文は、1つの共通の引渡しポートへ送ることができ、さらに、複数の保管モジュールに保管されていた商品を含む共通のパッケージに入れることができる。
【0134】
保管および取出しモジュールは、1つのモジュール内で火災が発生した場合に、他のいずれかのモジュールに、またはモジュールの外部に容易に火が広がることのないように、各々が内蔵式になっている。
【0135】
上述したように、モジュールは、互いに積重ねることができ、および/または互いに隣接して配置することができる。モジュールは、ロボットが物品を取出すための小島(isle)を有することができ、小島は、ロボットをうまく操作して、中に保管されている商品を取出すのに必要な最小限のスペースを利用する。モジュールは、典型的には、人のいる建物のためのものである温度制御または電灯照明のかたちの相当の水道光熱費を使用しない。モジュールは、人用のトイレを必要とせず、また、モジュールの構造物内に水を持って行くための配管設備または水源を必要としない。モジュールは、完全な暗闇で、または完全な闇に近い状態で稼働することが可能であり、また、モジュールの稼働は、人による窃盗の可能性がないため安全である。モジュールは、商品配送員または積み込み員が、商店の内部から商品を盗む(横領する)ことを防ぐために、完全に自動化された安全な方法で装入することができる。配送員の行動および安全な装入ポートへの商品の装入作業の映像は、監視カメラによって捉えることができ、また、配送員は、安全な装入ポートが、商品のポートを介した移送を許可する前に、システムにコードを入力する必要があってもよい。配達される商品に関連する情報に関する(紙のまたは電子書式の運搬証券の形式の)一連のデータは、配送員によって装置のコンピュータ制御システムへ伝達することができ、また、配達される商品に関するデータは、制御システムによって受入れられる。制御システムが、一旦、配送員から受取ったデータが有効であると判断すると、制御システムは、装入する人が商品を安全な構造物内に移送することを可能にするために、安全な装入ポートを使用可能にする。
【0136】
上記の段落に記載されている特徴は、モジュール商店または倉庫と共に用いることができるが、それらの特徴の多くは、本願明細書の他の箇所に記載されているような単一のハウジングを有する自動システムにも組込むことができる。
【0137】
本願明細書に記載されているシステムの一実施形態を、自動販売機の内部で販売される商品の自動在庫補充を有する機能を備えた自動販売機とすることができることに留意されたい。このようなシステムは、自動販売機を充填する、および差し替える(補充する)方法および装置を含むことができ、この場合、労働者の削減、窃盗の低減、コストの低減が、目的の一部である。このような効果は、地理的/配達地域密度の制約を最小限にし、および別のトラックを追加し、既存の流通インフラストラクチャを活用するのに必要な固定費の投資を削減することにより、事業体が事業を成長させる速度を増すことができ、これは、わずかな増加で拡張可能であり、その結果、新たな店舗を回転させるための増加した物流費は、地理的または配達地域密度を気にせずに間に合わせることができ、および専用ルートに関する固定費を追加することができる。
【0138】
一実施形態において、記載されているような第1の自動商店またはモジュールまたは自動倉庫システムは、配達されたマスターカートンを受取って開封し、品目を選別して、a)より小さなケースパック、またはb)同様のまたは異なる製品タイプの様々なパックのいずれかを形成した後、パックし直して、運搬またはトラック輸送サービスによる集荷のための自動引渡し窓口へ出力し、その後、運搬サービスにより集荷されて、本願明細書に記載されているタイプのような第2の完全自動化商店または自動販売機へ配達することができ、第2の商店は、混合タイプの商品を含む出荷用コンテナを自動的に開封することができ、その後、出荷用カートンを保管し、注文に応じて、中に収容されている商品を取出すことができ、また、異なる種類の物品が、同じ商店の箱または出荷用コンテナ内にあるため、箱の中のどの物品を掴むかを判断するのを支援するための視覚システムを用いることができる。このことは、所定の自動商店において、所要の一覧表を減らしながらも、あらゆる種類の商品を保管および/または販売することにも備える場合に、特に有用である。2つの完全自動化分配設備を互いに協働させて使用するこの利用法は、現在または従来のデザインの設備のいずれかまたは両方での現在の手作業の利用によって実現するのが現実的ではない高い効率をもたらすことができる。
【0139】
ある人が、上記システムから物品を入手することを容易にするために、システムは、そのような人が、該アイテムを取出して、ユーザポートへ移送する自動化手段を使用するように設計されている。
【0140】
−付属書−
本発明者の既出願である国際出願PCT/US2007/010757の写し
[書類名] 特許請求の範囲
[請求項1]
商品を保管した後に分配するための自動商店であって、前記自動商店は、封鎖された出荷用コンテナを前記ハウジング内に受容して保管するための、また、前記商品を前記ハウジング出口へ分配するためのハウジングを有しており、前記商品は保管されている出荷コンテナの内部から取り出され、前記自動商店は、
複数の封鎖された出荷用コンテナの前記ハウジング内への進入を制御する進入手段を備え、前記複数の封鎖された出荷用コンテナの少なくともいくつかは、他の複数の封鎖された出荷用コンテナとは異なる外部寸法を有し、
前記ハウジングに進入した前記複数の封鎖された出荷用コンテナの各々の外面の少なくとも一部の位置を決定する感知手段をさらに備え、
前記決定した、前記出荷用コンテナの各々に独特の位置を使用して、前記複数の出荷用コンテナの各々に開口部を形成する自動形成手段をさらに備え、
前記ハウジングの保管エリア内に前記開封した複数の出荷用コンテナを保管する保管手段をさらに備え、
前記保管されている開封された出荷用コンテナのうち1個の中から商品を取り出すべく前記形成された開口部を通過することにより、前記保管範囲内に配置されている前記開封された出荷用コンテナのうち選択されたものの内部に進入するための、コンピュータ制御された取り出し手段をさらに備え、
前記取り出した商品を前記ハウジング出口まで移動させる移動手段をさらに備える、自動商店。
[請求項2]
前記自動商店の顧客が内部に保管されている商品から所望の1個または複数を選択できるようにする顧客インターフェースをさらに含む、請求項1または48に記載の自動商店。
[請求項3]
前記自動商店の顧客が、選択した所望の前記1個または複数の商品の支払いを行えるようにする顧客インターフェースをさらに含む、請求項2に記載の自動商店。
[請求項4]
前記顧客インターフェースは、顧客が前記自動商店に配置されているインターネット、タッチ画面、他の選択および/または支払い装置を介して前記自動商店にアクセスできるようにする1個または複数のインターネット接続した通信デバイスを含む、請求項2または3に記載の自動商店。
[請求項5]
前記ハウジングは、前記出荷用コンテナと上で挙げた前記自動商店の動作手段とのための安全な環境を提供する手段を含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の自動商店。
[請求項6]
前記進入手段は、許可された出荷用コンテナのみに前記自動商店への進入を許可する許可手段を含む、請求項1乃至5および46のいずれか1項に記載の自動商店。
[請求項7]
前記許可手段は配送員を許可する手段を含み、前記配送員は一旦許可されると、許可された出荷用コンテナを前記進入手段へ供給すると考えられる、請求項6に記載の自動商店。
[請求項8]
前記許可手段はデータベースと通信して、特定の出荷用コンテナが待たれており、前記ハウジングへの進入が事前に許可されているかどうかを確認する、請求項6に記載の自動商店。
[請求項9]
前記許可手段は遠隔地および/または遠隔地にいる人物および/またはコンピュータとリアルタイムで通信する、請求項6に記載の自動商店。
[請求項10]
前記許可手段は、前記出荷用コンテナのタイプのIDを決定するための出荷用コンテナ識別(ID)装置を含む、請求項6に記載の自動商店。
[請求項11]
前記出荷用コンテナID装置は、どの1個または複数の商品が前記出荷用コンテナ内に内容されており、前記出荷用コンテナ内にこれらの商品がどのように配列されているかを、決定されたそのIDに基づいて決定するために、データベースにアクセスすることができる、請求項10に記載の自動商店。
[請求項12]
前記出荷用コンテナID装置の出荷用コンテナのIDを決定する機能を拡張するために、前記出荷用コンテナID装置を、前記出荷用コンテナを操作する操作装置と協働させる、請求項10に記載の自動商店。
[請求項13]
前記操作装置はグリッパ機能、ロボット、前記出荷用コンテナを回転させる装置のうち1個または複数を含む、請求項12に記載の自動商店。
[請求項14]
前記出荷用コンテナID装置はカメラ画像化システムを含む、請求項10に記載の自動商店。
[請求項15]
前記カメラ画像化システムは、画像またはパターン認識技術を使用して前記出荷用コンテナの識別を行う、請求項14に記載の自動商店。
[請求項16]
前記カメラ画像化システムは、前記出荷用コンテナの属性を感知するためのカラー画像センサを含み、前記感知された属性は、前記出荷用コンテナを識別するために、次に、ローカルまたは遠隔地にあるデータベースに保存されている情報と比較される、請求項15に記載の自動商店。
[請求項17]
前記出荷用コンテナID装置は、バーコード認識システム、RFIDシステム、テキスト文字読み取りシステム、光学スキャナのうち1個または複数を使用する、請求項10に記載の自動商店。
[請求項18]
前記ハウジングは、スタンドアロン式建物のような固定構造、またはトレーラのような移動式構造のうちの一方である、請求項1、46、48のいずれか1項に記載の自動商店。
[請求項19]
前記ハウジングは、地上または地下のうち一方の位置に配置されるように適合されている、請求項18に記載の自動商店。
[請求項20]
前記ハウジングは、前記ハウジング内の各場所への許可された進入のみを許す安全な入力システムを含む、請求項6、46に記載の自動商店。
[請求項21]
前記安全な入力システムは、前記ハウジングの外の場所から相互ロックエリア内への進入を防止するための外部ドアを有する前記相互ロックエリアを含む、請求項20に記載の自動商店。
[請求項22]
前記外部ドアの開放は、前記許可手段が前記自動商店への進入を許可した場合に有効にされる、請求項21に記載の自動商店。
[請求項23]
前記外部ドアの許可された開放は、物理的なロックと鍵、または類似タイプの装置を利用して有効化される、請求項22に記載の自動商店。
[請求項24]
前記相互ロックエリアは、人間の介入なしに、許可された出荷用コンテナのみを受容し、次に自動的にこれを通過させるように適合されている、請求項21に記載の自動商店。
[請求項25]
前記相互ロックエリアは、前記外部ドアと内部ドアによって区画されたエリアであり、前記許可されたコンテナの前記内部ドアの通過は、前記外部ドアが閉鎖され、センサが許可された人物または出荷用コンテナのみが前記相互ロックエリア内にあると決定した場合にのみ行われる、請求項21に記載の自動商店。
[請求項26]
前記ハウジング内に進入する出荷用コンテナを前記ハウジング内のさらなる場所へ移動するための運搬システムをさらに含む、請求項5に記載の自動商店。
[請求項27]
前記形成手段は、前記出荷用コンテナのある場所にある寸法の前記開口部を形成するように動作し、前記ある場所とある寸法は、前記複数の出荷用コンテナの各々の識別されたタイプ独特のものであり、前記開口部が形成されることにより、前記コンピュータ制御された取り出し手段が、前記開口部を通過することで、開封された出荷用コンテナに入れるようになる、請求項11に記載の自動商店。
[請求項28]
前記形成手段は、以下の技術のうち1個または複数によって前記開口部を形成する:
i. 前記出荷用コンテナから1個または複数の側部を除去する、
ii. 前記出荷用コンテナの外面の一部を除去する、
iii. 前記コンテナの垂れ蓋を開封/開け、次に、前記コンテナに前記開口部を形成する形で、前記垂れ蓋を前記コンテナから物理的に離すか、または前記垂れ蓋を前記コンテナの外側部に固定する、請求項27に記載の自動商店。
[請求項29]
前記開口部を作成するために、前記出荷用コンテナから除去した材料を処分する処分装置をさらに含む、請求項28に記載の自動商店。
[請求項30]
前記保管手段はさらに、受容した未開封の出荷用コンテナをその内部に保管して、前記未開封の出荷用コンテナが前記ハウジング出口へ移動できるようにする、請求項1、46、48に記載の自動商店。
[請求項31]
前記保管手段は、前記出荷用コンテナをその内部に保管するべく受容するための複数の保管エリアを含んでおり、前記保管エリアは1個または複数の大箱またはラックの配列を含む、請求項1、46、48に記載の自動商店。
[請求項32]
前記開封された出荷用コンテナを前記保管エリア内に移動するための出荷用コンテナ位置決めシステムをさらに含む、請求項31に記載の自動商店。
[請求項33]
前記商品取り出し装置は、前記出荷用コンテナから前記商品を取り出すために、視覚システムとパターン認識を使用して前記取り出し装置を案内するロボット式商品掴持装置を含んでいる、請求項1、46、48に記載の自動商店。
[請求項34]
前記商品取り出し装置は、前記商品取り出し装置が商品を掴んだことを決定するために真空感知を使用するロボット式商品掴持装置を含む、請求項1、46、48に記載の自動商店。
[請求項35]
前記商品取り出し装置は、ロボット式装置、ガントリ、サイズと形状の異なるグリッパのうち1個または複数を含む、請求項1、46、48に記載の自動商店。
[請求項36]
前記グリッパは、1個または複数の吸引カップまたは電気機械掴持装置を使用するタイプのものであってよい、請求項35に記載の自動商店。
[請求項37]
前記保管エリアから顧客が選択した商品を取り出すために、前記商品取り出し装置は前記顧客インターフェースと協働する、請求項2、46、48に記載の自動商店。
[請求項38]
前記形成手段は、前記形成手段がどのように前記出荷用コンテナに前記開口部を形成するかを決定できるようにするための情報を保存しているデータベースにアクセスし、前記開口部は、識別された前記複数の出荷用コンテナの各々のタイプ特化した形で位置決めおよび寸法されている、請求項10、46、48に記載の自動商店。
[請求項39]
前記データベース情報により、前記形成手段は、前記識別された出荷用コンテナタイプの特定のパラメータに基づいて前記開口部を形成することができる、請求項38に記載の自動商店。
[請求項40]
前記保管手段は、前記商品取り出し装置に対して前記出荷用コンテナを、前記開口部が、前記商品取り出し装置が前記保管された出荷用コンテナへの接近を開始すると予測される方向に関連した上方または正面に向く角度で提示するように設置されたラックを含む、請求項31に記載の自動商店。
[請求項41]
前記保管手段は、データベース情報を保存したメモリ装置を含み、前記保管手段は、前記開封された出荷用コンテナを保管する場所を、識別された前記出荷用コンテナの各々のタイプに特化したデータベース情報に基づいて決定する、請求項1に記載の自動商店。
[請求項42]
前記保管された出荷用コンテナから取り出された所望の商品を受容し、ここから、顧客が選択した商品を内容した顧客パッケージを生成するために、前記顧客インターフェースと協働する梱包システムをさらに含んでおり、前記顧客パッケージは前記移動手段によって前記ハウジング出口へ移動されている、請求項1に記載の自動商店。
[請求項43]
前記選択された1個または複数の商品の顧客の配送を確認するために、前記移動手段によって前記ハウジング出口へ移動された商品を識別するための商品識別システムをさらに含む、請求項2、46、48に記載の自動商店。
[請求項44]
前記ハウジング出口は相互ロックエリアを含み、前記相互ロックエリアは、前記ハウジング外部から前記相互ロックエリア内への進入を防止するための外部ドアを設けている、請求項5、46、48に記載の自動商店。
[請求項45]
各進入手段感知手段が実行する全ての動作が、完全に自動化された方法で、またいかなる人間の介入もなく制御されるようにするためのシステム制御装置をさらに含む、請求項1に記載の自動商店。
[請求項46]
商品を保管および販売するための自動商店であって、前記自動商店は、各々が複数の商品を内容している、タイプの異なる複数の封鎖した出荷用コンテナを内部に保管するべく受容するハウジングを有し、前記ハウジングはまた、保管されている出荷用コンテナの内部から取り出された前記商品を前記ハウジング出口へ分配し、
前記ハウジング内に受容され前記複数の封鎖された出荷用コンテナの各々の外面の少なくとも一部の位置を決定する感知手段と、
前記複数の出荷用コンテナの各々に開口部を形成するために、前記封鎖された出荷用コンテナの各々に特化した前記決定された位置を使用するコンピュータ制御された形成手段とによって特徴付けられ、前記形成された開口部は、前記開封された出荷用コンテナ内部からの商品の自動取り出しを可能にする形で位置決めおよび寸法されている、自動商店。
[請求項47]
前記感知手段は、複数の受容した出荷用コンテナタイプのIDを決定する出荷用コンテナ識別(ID)装置を含み、前記コンテナタイプはそのコンテナに特化した属性を示し、前記属性は、前記コンテナ、および/または前記コンテナ内の商品、および前記コンテナ内におけるこれらの配列のサイズに関連し、
前記コンピュータ制御された形成手段は、前記複数の出荷用コンテナの各々の識別されたタイプに特化した位置に、特化した寸法で前記開口部を形成する、請求項1に記載の自動商店。
[請求項48]
商品を保管および販売するための完全防犯型の自動商店であって、前記自動商店はハウジングを有し、前記ハウジングはコンピュータ制御によって密封および動作されるので、封鎖された出荷用コンテナを受容して保管するため、また、前記保管されている出荷用コンテナ内部から取り出された商品をその出口へ分配するために内部に人間を配置する必要がなく、
その入口地点にて、複数の封鎖した出荷用コンテナを受容するために、コンピュータ制御された安全進入手段を備え、前記進入手段は前記ハウジング内への進入を、許可された封鎖された出荷用コンテナのみが前記ハウジング内へ進むことができるように制御し、前記ハウジング内に入った前記複数の封鎖された出荷用コンテナの少なくとも数個は、前記ハウジング内に入った前記複数の封鎖された出荷用コンテナの別のものの外部寸法とは異なった寸法を有し、
前記ハウジング内に入った複数の出荷用コンテナに開口部を形成するための自動形成手段をさらに備え、
前記複数の開封された出荷用コンテナを前記ハウジングの保管エリア内に保管するための保管手段をさらに備え、
前記保管されている開封された出荷用コンテナの打ちの1つの中から商品を取り出すために、前記保管エリアに配置されている前記開封された出荷用コンテナの選択されたものの中に、形成された穴を通過することで進入するためのコンピュータ制御された取り出し手段をさらに備え、
前記取り出した商品を前記ハウジング出口へ移動する移動手段をさらに備える、自動商店。
[請求項49]
商品を保管および販売する自動商店を動作する方法であって、前記自動商店はハウジングを有し、前記ハウジングは封鎖された出荷用コンテナを内部に受容して保管し、また、前記ハウジング内に保管されている出荷用コンテナから取り出された商品が前記ハウジング出口へ分配され、
複数のタイプの異なる封鎖された出荷用コンテナの前記ハウジング内への進入を制御するステップを備え、この場合、前記複数の封鎖された出荷用コンテナの少なくとも数個の外部寸法は、前記複数の封鎖された出荷用コンテナの別のものの外部寸法とは異なっており、
前記複数の封鎖された出荷用コンテナの位置およびタイプの少なくとも1つを識別する情報を展開させるステップをさらに備え、
前記開発された位置およびタイプに関する情報を、前記コンテナに開口部を形成するために使用するステップをさらに備え、前記開口部は、前記コンテナ内部から商品の自動取り出しを可能にする位置および寸法になっており、
前記ハウジング内に前記コンテナを保管するステップをさらに備え、
前記保管されたコンテナから選択した商品を取り出し、前記商品を前記ハウジング出口へ分配するステップをさらに備える、方法。
[請求項50]
上に挙げた前記ステップは、記述したとおりの順序で実行される、請求項48に記載の方法。
[請求項51]
前記自動商店の顧客が、顧客インターフェースを使用して、保管されている商品のうち所望の1個または複数を選択できるようにするステップをさらに含む、請求項48に記載の方法。
[請求項52]
前記自動商店の顧客が、顧客インターフェースを使用して、選択した1個または複数の所望の商品の支払いを行えるようにするステップをさらに含む、請求項48に記載の方法。
[請求項53]
前記顧客が、前記自動商店に配置されているインターネット、タッチ画面、あるいは他の選択および/または支払い装置を介して、前記自動商店にアクセスできるようにするステップをさらに含む、請求項50、51のいずれか1項に記載の方法。
[請求項54]
許可された出荷用コンテナのみに前記自動商店への進入を許可するステップをさらに含む、請求項48に記載の方法。
[請求項55]
前記許可ステップは、前記複数の出荷用コンテナのタイプのIDを決定することを含む、請求項53に記載の方法。
[請求項56]
前記許可ステップは、どの1個または複数の商品が前記出荷用コンテナ内に内容されているか、また、これらの商品が前記出荷用コンテナ内でどのように配列されているかを、前記決定された出荷用コンテナのIDに基づいて決定するために、データベースにアクセスする、請求項54に記載の方法。
[請求項57]
前記許可ステップは、前記許可ステップを前記出荷用コンテナのIDを決定するように拡張するべく前記出荷用コンテナを操作する手段を備える、請求項54に記載の方法。
[請求項58]
前記形成ステップは、前記開口部を、前記複数の出荷用コンテナの各々の識別されたタイプに特化したある場所およびある寸法にて前記出荷用コンテナに形成するように動作し、このように開口部を形成することで、前記コンピュータ制御された取り出し手段が、形成された開口部を通過することで、前記開放された出荷用コンテナ内に確実に進入できるようになる、請求項54に記載の方法。
[請求項59]
前記形成ステップは、以下の技術の1つまたは複数によって前記開口部を形成し:
i. 前記出荷用コンテナの1または複数の側部を除去する、
ii. 前記出荷用コンテナの外面の一部を除去する、請求項54に記載の方法。
【0141】
[書類名] 明細書
[発明の名称] 商品を販売するための自動商店
[技術分野]
[0001]
本発明は、概して、商品を販売するための自動商店に関し、また、より詳細には、一実施形態において、コンテナの受領、開封、保管、出荷と、出荷用コンテナからの商品の取り出しとを自動的に行うシステムに関する。
[発明を実施するための最良の形態]
[0002]
図1は、商品を保管および販売する自動商店2のシステムの一実施形態を示す。この自動商店はハウジング4を設けており、このハウジング4は、封鎖された出荷用コンテナ(図2の符号29)を内部に受容して保管し、また、保管されている出荷用コンテナ29の内部から取り出された図3の商品32をハウジング出口20へ分配する。
[0003]
一実施形態では、商店は、複数の封鎖された出荷用コンテナのうち少なくとも1個の寸法が他とは異なる場合に、複数の封鎖された出荷用コンテナ29がハウジング4へ進入することを制御するための入口手段8、80を設けている。
[0004]
さらに図1の実施形態は、ハウジング内に進入した複数の封鎖された出荷用コンテナの各々の外面の少なくとも一部の位置を決定する感知手段10を示す。
[0005]
図1の実施形態は、封鎖された出荷用コンテナの各々に特化する決定された位置を使用して、複数の出荷用コンテナの各々に開口部を形成するための自動形成手段12(さらに図8の符号82)を示す。
[0006]
図1の実施形態は、複数の開封された出荷用コンテナをハウジングの保管範囲内に保管するための保管手段14(さらに図8の符号86)を示す。
[0007]
図1の実施形態は、コンピュータ制御された取り出し手段16(さらに図8の符号84、図9の符号90、92)をさらに示しており、この取り出し手段16は、保管されている開封された出荷用コンテナの1つの中から、形成した開口部を介して商品を取り出すために、保管範囲内に配置されている開封された出荷用コンテナから選択したものの中に進入する。
[0008]
図1の実施形態はさらに、取り出した商品をハウジング出口20へ移動させるための移動手段18(さらに図8の符号88、図10の符号106)を示す。要素6は、出荷用コンテナのハウジング4への移送を表し、要素22は、ハウジング4内の要素を制御するための制御装置を示し、要素24は、商店から商品を取得するために選択および支払いを行うための使用者/顧客インターフェースである。
[0009]
図6および図7は、図1に示した自動商店のさらなる詳細を示しており、ここでは、上記自動商店の顧客が、保管されている商品のうち所望の1個または複数を選択できるようにする顧客インターフェース72をさらに装備している。さらに、顧客インターフェースにより、この自動商店の顧客は、選択した1個または複数の所望の商品の支払いを行うこともできる。インターネットを介して顧客がこの自動商店にアクセスできるようにするための、インターネットに接続した通信デバイス、タッチ画面74、または、自動商店の場所に配置されているこれ以外の選択および/または支払い装置76をシステムに装備することも可能である。ここに記載するハウジングは、出荷用コンテナのための安全な環境を提供する手段や、これ以外の、ここで引用した自動商店を動作させる手段を装備することもできる。進入手段は、許可された出荷用コンテナのみを扱う自動商店へのエントリを許可するための許可手段を含んでいてよい。さらに、この許可手段に配送人物を許可する手段を設けることもでき、この配送人物は、一度許可されると、許可された出荷用コンテナを上記の進入手段に供給するものと考えられる。許可手段は、特定の出荷用コンテナがハウジング内に入ることが事前に決定されており、これが事前に許可されていることを確認するために、データベースと通信する手段を設けていてよい。許可手段は、遠隔地と、および/または遠隔地にいる人物および/またはコンピュータとリアルタイムで通信するために有効化することができる。許可手段は、出荷用コンテナの証明を決定するための出荷用コンテナ識別(ID)装置を装備している。この出荷用コンテナID装置は、データベースにアクセスし、出荷用コンテナにどの1個または複数の商品が入っているか、また、これらの商品を出荷用コンテナ内にどのように配列するかを、決定されたその証明に基づいて決定することができる。
[0010]
出荷用コンテナID装置は、さらに、出荷用コンテナを操作するための操作装置と協働させて、出荷用コンテナの証明を決定する出荷用コンテナID装置の能力を拡張することが可能である。この操作装置は、グリッパ機構、ロボット、出荷用コンテナを回転させることができる装置を1個または複数装備していてよい。出荷用コンテナID装置は、カメラ画像化システムを設けていてよい。このカメラ画像化システムは、画像またはパターン認識技術を使用することで、出荷用コンテナを識別し、さらに、開封された出荷用コンテナ内の商品を認識および識別することができる。カメラ画像化システムは、出荷用コンテナの属性を感知するカラー画像センサを装備していてよく、感知された属性は、ローカルまたは遠隔地にあるデータベースに保存されている情報と比較されて、出荷用コンテナが識別される。コンピュータ制御システムがこのカメラシステムまたは他のセンサタイプのシステムを利用することにより、操作装置または商品取り出し装置を案内できるようになる。このデータベースは、所与の出荷用コンテナ、および/または特定の商品やパッケージに特化した情報を含んでいてよく、システムはこの情報を、センサまたはカメラシステムが生成した情報と共に利用することで、取り出し装置および/または操作装置の案内を促進することができる。この同じデータベースを利用する、および/または、コンテナまたはパッケージを商店内に許可するかどうかを決定するデータベースに統合することができる。出荷用コンテナID装置は、バーコード認識システム、RFIDシステム、テキスト読み出しシステム、光学スキャナを1つまたは複数使用している。
【0142】
[0011]
ハウジングは、スタンドアロン型ハウジングのような固定構造、建物、トレーラのような移動可能な構造のものであってよい。さらにハウジングは、地上または地下のいずれかの位置に配置するように適合することができる。ハウジングは、ハウジング内に配置するコンテナまたは人物の許可された進入のみを許容する安全な入力システムを装備している。この安全な入力システムは、内部への進入を防止するための外部ドアを設けた相互ロックエリアを備えている。この外部ドアの開放は、許可手段が自動商店への進入を許可した場合に可能となる。外部ドアの許可された開放は、物理的なロックと鍵、またはこれに類似する他の装置を利用しても行える。相互ロックエリアを、人間が介入することなく、許可された出荷用コンテナのみを受容し、自動的にこのエリアを通過させるように設けることができる。相互ロックエリアは、外部ドアと内部ドアによって区切られたエリアであり、上記外部ドアが閉鎖され、相互ロックエリア内にあるのは許可された人物または出荷用コンテナのみであるとセンサが決定した後でないと、許可されたコンテナが内部ドアを通過することができない。
[0012]
このシステムは、ハウジング内に進入した出荷用コンテナを、ハウジング内のさらなる各所へ移動するための運搬システムを装備していてよい。
[0013]
形成手段は、識別されたタイプの複数の出荷用コンテナの各々に特化した場所および寸法で、上記出荷用コンテナに開口部を形成するよう動作できるので、上記コンピュータ制御された取り出し手段は、この形成された開口を通過することにより、開封された出荷用コンテナに確実に進入することができる。このシステムは、箱のどこに開口場所を作成するかを、その箱の特定のパラメータ上の情報に基づいて、例えば内部の物理的なレイアウトに基づいて決定することができる。形成手段は次の方法で開口部を形成する:出荷用コンテナから1側部を除去する、上記出荷用コンテナの外面の一部を除去する、開口部を密封しているテープを除去し、コンテナの垂れ蓋を開封して持ち上げる、またあるいは、別の実施形態では上記垂れ蓋をコンテナから物理的に分離する、もしくは、例えば垂れ蓋を箱の側部にテープで留めて箱を開放状態にするというように垂れ蓋をコンテナの外側に固定して、コンテナに開口部を形成する。さらにこのシステムは、出荷用コンテナから除去した材料を処分することで開口部を作成する処分装置を設けていてよい。
[0014]
自動商店は、受容した未開封の出荷用コンテナをハウジング出口へ移送するために、この未開封の出荷用コンテナを保管しておく保管手段を設けることができる。さらにこのシステムは、開封された出荷用コンテナから取り出した商品の組み合わせを使用者の元へ移送したり、未開封の出荷用コンテナを使用者の元へ移送したりすることができる。
[0015]
この商店は、出荷用コンテナを受容し、これを内部に保管しておく複数の保管エリアを設けた、コンテナを保管するための保管手段を具備している。この保管エリアは、1個または複数の大箱またはラックの配列を含んでいてよい。保管手段は、開封済みまたは閉鎖した出荷用コンテナを、商品取り出し装置がコンテナから商品を最も取り出すのに適した位置に保管することができる。これには、出荷用コンテナを、開口部が上方または取り出し機構に向いた状態で、あるいは、出荷用コンテナ内部の商品を上手く取り出すのに適した別の方向を向いた状態で保管することが含まれる。これには、コンテナを取り出し装置に対して提示する、または、コンテナをある角度で、あるいは開口部が上方を向いた状態で、もしくは開口部が取り出し装置の方向に向かい正面を向いた状態で、取り出し装置に対して提示するのに適したラック、または、商品の内部レイアウトや位置を、特定タイプのコンテナおよび/またはそのタイプのコンテナに収納されている商品タイプに関したデータベース情報に基づいて監視できる位置に設置されたラックが関与する。出荷用コンテナは特定の位置に特定の向きで保管できるため、例えば、保管場所内で開口部を特定の方向に向けるだけでなく、特定の側部が特定の方向に向いた状態でコンテナを位置決めすることにより、パッケージの1つを握持するために取り出し装置をどこに配置すればよいかをシステムが決定できるようにすることが可能である。
[0016]
このシステムはさらに、開封済みの出荷用コンテナを保管エリア内へ移動させる、出荷用コンテナ位置決めシステムを設けることができる。
[0017]
商品取り出し装置は、視覚システム、および/またはパターン認識を使用して、出荷用コンテナから商品を取り出すべく取り出し装置を案内する、ロボット式商品掴持装置を設けていてよい。商品取り出し装置は、真空感知を使用して、商品取り出し装置が商品を掴持した時を決定する、ロボット式商品掴持装置を装備することもできる。商品取り出し装置は、ロボット式装置、ガントリ、サイズおよび形状の異なるグリッパ、方法のうち1または複数を含んでいてよく、例えば、グリッパは、1個または複数の吸引カップあるいは電気機械掴持装置を装備したタイプのものであってよい。
[0018]
本発明の一実施形態によれば、人がハウジング内に接触することを制限できる、より詳細には、ハウジング内に配置されているどの商品またはコンテナに接触することをも制限できる、封鎖され安全な構造またはハウジングは、搭載ポート、セキュリティ許可手段、出荷用コンテナ検出手段、開封手段、運搬手段、取り出し手段、運搬手段を設けている。上記搭載ポートは、商品、および/または、ハウジング内へ移送される商品を内容した、様々な形状または寸法の出荷用コンテナであってよい、複数の封鎖された出荷用コンテナを受領することができ、上記セキュリティ許可手段は、許可された出荷用コンテナのみがハウジング内に入れる、またはこれに加え、あるいは代替的に、システム内に保管されるようにし、上記出荷用コンテナ検出手段は、ハウジング内に搭載された出荷用コンテナの外面の少なくとも一部の位置および/または場所をシステムに検出させ、上記開封手段は出荷用コンテナに開口部を形成し、上記移送手段は、出荷用コンテナの少なくともいくつかを保管するために、開封済みの出荷用コンテナを保管場所へ移送し、上記取り出し手段は、商品および/または商品を内容したパッケージを出荷用コンテナ内部から取り出し、上記移送手段は、ハウジング内に配置されたコンテナおよび/または商品を出荷用コンテナ内からハウジングの外にいるシステム使用者へ移送できるようにし、また、システムの使用者は分配中のこの商品に接触し、システムから取り除くことができる。これに加えて、典型的に本システムは、使用者がシステムと通信して、注文選択のようなデータをシステムに入力できるようにするために、安全なハウジングの外に配置されている、タッチ画面ビデオシステムのような使用者インターフェースを設けることができる。さらに、本システムは、コンピュータ制御されたセンサや、これ以外の、電気機械センサ、パターン、画像認識ハードウェアおよび/またはソフトウェアを含む技術を利用して、特定の出荷用コンテナ、特定の商品またはパッケージタイプ、特定の出荷用コンテナの場所および向き、出荷用コンテナ内に配置されている特定の商品またはパッケージの場所および向きを識別することができる。本システムは、ここで記述した装置のいくつかまたは全てを含む、システム内の様々な装置のいくつかまたは全てを制御するコンピュータ制御手段を装備している。
[0019]
別の実施形態では、本システムは、様々な出荷用コンテナの内部に収容されている複数の商品のうち1個を取り出して、複数の商品を、ハウジング内から供給された例えば紙袋、ビニール袋、段ボール箱のような1個の使用者コンテナ内に移動する能力をさらに備えていてよい。
[0020]
搭載ポートまたは使用者アクセスポートは、ハウジングから分離した構造である必要はなく、本発明のいくつかの実施形態では、搭載および使用者アクセスポートは同一または異なる構造をハウジングとして利用できる点に注意する。さらに、搭載または使用者アクセスポートは、ハウジングに接続する別個の構造を使用して形成できる点にも注意する。ポートは、ハウジングに接続した、またはハウジングとは別個のコンベヤベルト、エレベータシステム、空気圧管構造を具備した運搬装置を含んでいてよい。さらに、別の実施形態では、ポートは安全ドアであってよく、コンテナまたはパッケージはこのドアから手作業で配置または取り出される。
【0143】
[0021]
商品取り扱い
本発明によれば、ハウジングは、内部に配置されている商品の自動取り扱いを提供する装置を含む。
[0022]
あるタイプのこうした自動取り扱い装置は、複数のコンテナを、コンテナ(または、コンテナ内の商品)運送用の搭載ポートと運搬装置によってハウジング内へ送り、さらに、使用者アクセスポートによって、ハウジングの外にいる使用者のハウジングの元へ送る、使用者のための運搬装置を設けている。これらの運搬装置どうしは完全に個別のものであるか、または、組み合わせたもの、さらには同一の装置であってもよい。いくつかの例では、「出荷用コンテナ」という用語は、例えば箱、カートン、袋、管などの多様なタイプの収容装置またはパッケージを意味するものである点に注意する。このようなコンテナは、その中に1個の商品または品物を、および/または複数の品物を保管または内容することができる。多くの実施形態では、システム内に受容され、またシステムによって搭載される出荷用コンテナは、サイズ、形状、材料厚さが幅広く様々に異なったものであり、また、ダンボール波形材料、例えばボール紙や他の梱包材料といった多様なタイプの材料からなっている。
[0023]
本発明の1つの態様によれば、ASDSは、ハウジングにあるコンテナを識別した後に、ASDSの制御システムを有効にして、そのコンテナがハウジングまたはハウジング内の保管エリアへの運搬を許可されたものであるかどうかを決定できるコンテナ識別(ID)システムを含む。制御システムによるこの決定は、その時点で制御システムが特定タイプのコンテナ、さらには特定の独特のパッケージの到着を待っているかどうかなど、多くの要因に基づいて行うことができる。さらに、コンテナにハウジング内への進入を許可する決定は、ハウジング内にそのコンテナを保管するための十分な空間があるかどうかについての制御システムによる決定に基づくこともできる。IDシステムは、バーコードスキャナ、RFID装置、カメラ、光学センサ、機械センサ、他のセンサを設けていてよい。
[0024]
ハウジングはさらに、コンテナの一部に開口部を自動作成する装置を設けていてよく、この作成作業には、コンテナの一部を内部の商品を損傷しない方法で除去することが含まれ、また、コンテナの開口部は、コンテナ内の商品を取り出すことができる寸法と場所に十分に作成される。あるいは、開封装置でコンテナを開封せずに、そのままの未開封状態で第2保管場所へ送ることもできる。
[0025]
コンテナを操作するために様々なタイプの従来システムを使用でき、および/または、コンテナに開口部を作成するために、回転刃および/または固定刃、レーザビームカッタなどのような切断器具を使用できる点に注意する。このような装置は当該技術分野で周知であり、例えば米国特許6,863,486号を参照することができる。
[0026]
運搬装置はコンテナをハウジング内の保管場所へ移動するために使用され、この保管場所には棚、ラック、大箱が含まれる。運搬装置には従来タイプのコンベヤベルトやチェーン駆動式の移送システム(モータ、油圧または空気圧システム、ネジ供給機、ラックおよびピニオン、またはピストン機構、他の機械装置などの装置によって給電されるもの)が含まれ、また、この運搬装置をさらなる商品取り扱い機構、例えばガントリロボット、多軸関節アームロボット、他の機械ベースの商品取り扱いシステムと共に使用してもよいし、これらと組み合わせずに単独で使用してもよい。
[0027]
この保管場所への運搬は、コンテナに開口部を作成する前後に行うことができる。
[0028]
コンテナを開封する際、一度コンテナに開口部を作成すると、ハウジング内に設置されている商品取り出し装置がこの開口部に接触してコンテナから商品を取り出すことができるようになり、これにより商品をコンテナの第2場所への移送が可能になる。こうした商品の第2場所への移送は、商品取り出し装置によって、または商品取り出し装置をさらなる運搬装置と組み合わせることで行える。
[0029]
一実施形態では、コンテナからの商品の取り出しはグリッパを使用して達成される。グリッパは、真空ベースの吸引カップまたは機械爪タイプのグリッパ、あるいは他の材料取り扱い機構を装備していてよく、これらは全て一般に当該技術分野で周知のものである。コンテナからの商品の適切な取り出しを促進するために、光学、視覚、真空センサ、および他のセンサを利用したロボット式装置を使用できる。
[0030]
好ましい実施形態では、処分装置を設け、開口部を形成するためにコンテナから除去した材料がある場合にはこれを処分装置で捕獲し、処分または再生エリアへ移送する。このような安全装置は、機械または吸引タイプのグリッパ、ロボットアーム、他の材料取り扱い装置を設けていてよい。この装置の、コンテナの一部を除去して開口部を形成する部分は、さらに、この装置の、開口部形成のために除去した材料を取り除き、処分するために使用される部分を形成することもできる。
【0144】
[0031]
複数のコンテナ、または形状および/またはサイズの類似した、あるいは異なるコンテナを収容できるように、ハウジングに複数の保管場所を設けることができる点に注意する。各コンテナには、類似した、あるいは異なる品物または商品を収容することができる。あるコンテナには1種類の品物を詰め、別のコンテナには複数の種類の品物または商品を詰めることができる。
[0032]
コンテナから商品を取り除いた商品取り出し装置は、運搬装置の全てまたは一部であることができ、この商品を第2保管場所に運搬することができる。あるいは、別の運搬装置で商品を第2保管場所へ移動させてもよい。
[0033]
本発明の別の態様によれば、第2保管場所は、使用者の元へ配送される返却不能な袋または箱などのさらなるコンテナとする、または第2保管場所にこのようなコンテナを配置しておくことができる。このようなコンテナを、ここでは配送用コンテナと呼ぶ。一実施形態では、商品取り出し装置が、この配送用コンテナを、1つまたは複数のコンテナから取り除いた1または複数の商品を商品取出し装置から直接受け取れる位置へと移動させる。商品が配送用コンテナ内に入れられると、システムが、使用者が要求した1または複数の品物を内容したこのコンテナを吐出し、ハウジングの使用者アクセスポートの外へ、さらに使用者の元へ運搬させることができる(またはパッケージ配送サービス)。あるいは、配送用コンテナを、追加の品物を受容できるよう不確定な期間配置しておく、および/または、使用者(またはパッケージ配送サービス)が取りに来るまで数時間、数日あるいはそれ以上の期間配置しておくことができる。これにより、配送用コンテナは使用者が要求した品物を受容する。使用者が未開封のコンテナを要求した場合には、配送用コンテナを使用しないこともある。
[0034]
配送用コンテナは、ハウジング内に配置する前に事前形成されるタイプのもの、または、ハウジング内で形成されるタイプのものであってよく、このような形成は従来のカートンまたは袋形成装置のうちいずれかを用いて行われ、また、カートンや袋は、コンテナを使用者の元に移送および/または移動する際に使用者または配送サービスを補助するハンドルを設けるように形成することができる。
[0035]
本発明の別の実施形態では、配送用コンテナは使用せず、保管された商品は、袋やカートンを使用しない運搬装置により、使用者アクセスポートで待っている使用者に直接、個別に配送される。
[0036]
本発明のこの態様の好ましい実施形態では、システムは、例えば接着テープを使用して配送用コンテナを密封することができる。あるいは、パッケージ配送サービスが配送用コンテナを使用者へ配送し易くするために、コンテナに受取人/使用者情報を印刷または貼付する自動手段を提供してもよい。
[0037]
ASDSのハウジングは、例えば異なる温度や湿度といった異なる環境条件を備えた様々な区間を設けていてよい。このような条件は、ハウジングの内部、上、付近に設置した空調システムや他の冷蔵システムを使用して得ることができ、これにより、ハウジング内部の少なくとも一部を空調、冷蔵、冷凍条件、および/または大気環境条件に維持することが可能になる。
[0038]
本発明のさらなる態様によれば、支払い機構を自動保管および分配システムに関連させる、またはこれに含めることで、自動販売装置を構成している。例えば、システムおよび構造に物品を保管および販売する小売店が設けられている場合には、商店の使用者が支払いシステムにアクセスできる方法には次のようなものがある:
i)インターネット/オンラインベースのアクセスを使用する、
ii)使用者が商店の1個または複数の商品を要求できるようにするための、ハウジングの外、しかしハウジングに近い場所に設置されている、例えばタッチ画面、バーコードスキャナ、メニュー/リストシステム、他の入力装置のような注文エントリインターフェースデバイスを使用する、
iii)使用者が商店の近くにいる場合には、PDAや携帯電話のような、使用者に供給された装置を使用する。
[0039]
さらに、様々な使用者支払いシステムを自動販売装置と共に使用することで、使用者が配送された商品の支払いを行えるようにすることが可能になる。使用者は代金を現金、デビット、クレジット、他の電子方法によって支払うことができ、支払いは保管システムの側で行うか、または、インターネットや携帯電話からリモートリンクを利用して処理することができる。
[0040]
自動販売装置には、安全なコードや他の方法を使用してアクセスすることができ、また、これらの方法では磁気カード、生体測定装置、PINナンバーコード、他の類似したシステムを使用することができる。これにより、配送サービス員が範囲内から商品またはパッケージを安全な方法で配送または取り除くことができる。
【0145】
[0041]
したがって、本システムは販売システムとしても使用することができる。そのため、支払いと引き換えに物品を分配するか、あるいは、範囲内から荷物を取り出してさらなる運搬を行う配送サービスのように許可を得た人物以外が保管されている品物に接触することを防止する安全な分配システムとして使用することも可能である。
[0042]
またさらに別の実施形態では、本システムは、安全性の目的で内部にある物品への接触を制御する、さらに、必要に応じてシステムから品物を販売することを可能にする自動倉庫として使用することができる。
[0043]
したがって、同じシステムを、安全な分配倉庫、小売店、大口小売店としていつでも機能させることが可能である。そのため、例えば小荷物配送会社が、商品をある分配場所から別の分配場所へ、または最終的に顧客へ配送するための分配流通拠点としてこのシステムを使用することができ、内部の物品またはコンテナにアクセスするために支払いは必要ない。別のシナリオでは、これと同じシステムを、システムが販売している品物の購入に興味を持った人物に対して品物をハウジングから販売するために使用することができる。
[0044]
さらに、本システムは、利用者がハウジング内に保管されている品物を取得できるようにする公共倉庫または分配システムとして利用でき、これにより、利用者は品物またはパッケージを好きな時に取り出すことができる。
[0045]
上述の装置を利用するには、利用者は乗りつけ式または歩いて行ける窓口へ行く。
[0046]
商店からの高度なサービスとして、商店にいる利用者が補助を必要とするときは、遠隔ビデオおよび/または音声リンクを介して、離れた場所にいる実際の職員と会話することができる。
[0047]
本発明のさらなる好ましい実施形態の別の態様によれば、自動保管および分配システムは画像化システムを含む。画像化システムは、機械センサ、視覚または画像装置、他の光学装置のような感知機構、並びにバーコード装置、無線周波数IDタグ装置(RFID)を使用して、ハウジング内のコンテナの向きを識別するために使用できる。
[0048]
このような画像化システムをロボット式装置やコンベヤ装置と協働させることにより、コンテナを保管できるように再方位付けする上での補助や、コンテナを開口部形成のために確実かつ正確に配置する上での補助を行うことができる。
[0049]
先述の商品取り出し装置はこの画像システム、追加のセンサ(例えば吸引センサ、さらなる画像または近似センサ)を使用して、コンテナから取り除く商品をどのように掴持または固定するかを識別する。さらに、所望であれば、商品取り出し装置に、コンテナから商品を取り除く際に2個以上の商品を掴持させることが可能である点にも注意する。
[0050]
システムは、コンテナ寸法の計測、コンテナ内容物、開口部の向きおよび出された命令、コンテナまたはカートン内部における商品のレイアウト、コンテナまたはカートン内部の商品またはパッケージの色または形に関する情報、また、コンテナに内容されている品物が割れ物か頑丈なものかに関する情報の全てに、ハウジングに設けられたデータベースからアクセスすることができ、このデータベースは、インターネット、無線システム、有線通信接続を使用し、リモートリンクを介して遠隔地から更新することができる。
【0146】
[0051]
本発明の好ましい実施形態のさらなる態様によれば、ハウジング内に保管されている出荷用コンテナは、開封後には商品の保管コンテナとして使用でき、即ち、全ての商品が内部に収納された状態の出荷用コンテナが保管場所へ移動され、ここで、使用者(即ち顧客)の要求を満たすために、商品取り出し装置が1個または複数の保管されているコンテナから商品を選択的に取り除く点に注意する。品物を収容して分配システムハウジングまで運ぶコンテナは、取り出し装置によって個々の品物を自動的に取り出せるようにする保管装置としても機能するため、これにより、人が不連続的に品物を手作業でハウジングの保管エリア内に入れる必要がなくなる。
[0052]
本発明の配列による特定の利点は、使用者が、製造業者から密封されたコンテナで大量に出荷された商品の各々を取得することができる、自動的な、即ち人間が接触することのないプロセスを提供することである。つまり、ハウジング内に受容された出荷用コンテナは商品製造業者の工場または倉庫で「密封」されており、使用者は、ハウジング内に保管されている1または複数の様々なコンテナ内部から1個以上の商品を、人間が商品に接触しない方法で取得することができる。
[0053]
上述したように別の実施形態では、このシステムは、未開封のコンテナ、および開封されたコンテナからの品物を使用者アクセスポートへ分配および/または運搬することができる。これは、コンテナによっては1品目の品物しか内容していないことがあり、また所与の使用者は特定の品物を収容したカートン全体の取り出しまたは購入を希望するかもしれないため望ましい。
[0054]
本発明の好ましい実施形態のまたさらなる態様では、出荷用コンテナから全ての商品を取り除かれると、処分装置がコンテナの処分を行う。一実施形態では、この装置は、空のコンテナを、ハウジング内に配置されるか、取り付けられている1台または複数の圧縮装置を備えた処分場所へ運搬することができる。
[0055]
本発明の好ましい実施形態のさらなる態様では、コンテナの計測結果が、事前に、遠隔地からまたは直接、自動保管および分配システムのコンピュータ制御装置に入力される。この測定結果が視覚装置および/または開封装置に情報として提供される。コンテナおよび内容物の識別が終わると、コンテナおよび内部の商品の様々な個々の属性の特質を使用して、コンテナおよびその内容物の取り扱いと、これらのシステム内、およびシステム内部周囲への移送を決定および/または制御することができる。
[0056]
好ましい実施形態のさらなる特徴には、ハウジング内で行われるプロセスのあらゆる部分を監視できる、遠隔ビデオによるシステムの監視が含まれるため、故障発生時には、遠隔地にあるコンピュータまたは作業者がこの状況を査定し、さらにシステムの遠隔制御を行うことで、所与の問題を修正するができる。
[0057]
これに加えて、ポートまたはハウジングにコンテナを搭載する人物に対して、様々な電子手段のうちの1つから許可コードを入力するように要求することができる。この電子手段には、磁気カード、PINナンバー、指紋読み取り機、または、この人物に安全なポートを起動させてハウジング内にコンテナ搭載できるようにさせる他の方法が含まれる。搭載ポートおよび使用者アクセスポートの両方は安全に設計され、これにより、いかなる人物もハウジングエリアまたは保管エリア内に進入することを禁止される。そのため、ある人物がパッケージまたはカートンをハウジングに移送することを許可されても、この同じ人物はハウジングの内部に入ることはできない。こうすることで、コンテナを移送する人物が、分配システムの所有者と事前に何らかの関係がある人物である必要はなく、また、信頼関係などが全くなくてもよいため、移送を行う人物が分配システムのハウジング内へコンテナまたはパッケージを搭載する作業が促進される。
[0058]
上述したシステムおよびその様々な実施形態には、従来技術による保管および分配システム、または小売商店と比較して、上記従来技術のシステムにおける、カートン(カートン内にさらなる商品があってもなくても)を製造業者から中間保管/分配施設まで、さらにここから使用者が商品を引き取る場所(即ち、小売商店の棚の上)まで配送するための人件費に伴う高額なコストがかからないという特定の利点がある。商品製造業者、商店所有者/オペレータにかかるこうした出荷、保管、取り扱いのコストは、これを反映した商品の最終価格という形で、そのまま使用者にはね返る。これに対し、本発明のシステムでは、保管および分配システム(即ち、本発明に従って構造された小売商店または倉庫分配システム)により、既存の商品移送インフラストラクチャおよびサービス、例えばユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)やフェデラルエクスプレス(FedEx)または他の一般トラック運送会社を有効活用することで、コンテナを本発明のシステムのハウジングに配送させることができる。典型的にこれらの既存の運搬サービス会社は、非常に効果的かつ競争的な料金で、地球上の文字通りあらゆる場所に商品を運搬する。そのため、本発明によるコンテナの運搬および構造の搭載にこうしたサービス会社を利用することにより、自社製品を自社分配するためにトラック部隊、運転手、複数の中央集中型分配センタ、並びに、在庫常備、および/または製品の取り出しに要する信頼できる職員を用意しなければならない商品製造業者にとって大幅な節約となる。
[0059]
本発明のシステムはまた、商品の初期分類、最終保管、最終的な使用者への配送の全てを、従業員のための追加コストなく、また、従業員に必要な物理的および経済的なインフラストラクチャを提供することなく賄える、ハウジング内の自動システムを備えている。そのため、小売店または分配倉庫の運営に関する「人手」および「不動産」コストの多くを回避することができる。このようなコストには、従業員に対して、労働に十分な範囲、十分な証明、空気、熱などのような「居住可能」な環境、洗面所のように個人的な要求を満たすための場所、休暇や休日、レベルの低い社員を監督する総務および管理社員などを提供する必要性が含まれる。これら全てのコスト、並びに従業員のオーバヘッドコスト、間接費を回避することができる。従業員がいなければ、商店の規模は、供給する商品を実際に保管および分配するのに必要な大きさよりも若干大きければよく、また、不動産は従業員に必要なこうした居住性を満たすものでなくてよい。
[0060]
上述したハウジング内でのカートンおよび商品の取り扱いが、人間が介入することなく、機械化および自動化された方法で達成されるという事実に関するさらなる利点は、
・ハウジングへのカートンの搭載は、トラック運転手/カートン配送員のように技術を持たない人物でも行える。
・従業員および第3者である配送員に関する問題、例えば商品や金銭の盗難、並びに取り扱いミスが原因の商品損傷を回避できる。
これらの利点により、自動商店の所有者/運営者にとって実際のコスト節約が得られ、伝統的な商店と比較して、供給する商品のコストを上げずにより高い利益率を得られる。
【0147】
[0061]
ある実施形態を参考にしながら本発明を開示してきたが、上で定義した本発明の分野および範囲から逸脱しない限り、記述した実施形態に多くの修正、改造、変更を加えることが可能である。さらに、本発明は記述した実施形態に限定されるものではなく、上述の表現、並びにその同等物によって定義される全範囲を包括するものである。
[0062]
上の記述によれば、本発明はとりわけ以下の特徴を含む:
1.囲い。
2.パッケージを囲いの中へ移送できるようにするポート。このポートに、ハウジング内への進入を制御可能に遮断する手段を設けることができる。
3.パッケージを囲いから外へ移送できるようにするポート。このポートにも、ハウジング内への進入を制御可能に遮断する手段を設けることができる。
4.パッケージの中の商品を自動的に、人間が接触または介入することなく、パッケージから取り出すことができるように、囲いの中でパッケージの一部を除去して開口部を作成する手段。
[0063]
本発明のさらなる態様によれば:
・ポートからハウジング内に移送された少なくとも1個のパッケージの中には複数の「商品」が入っている。
・この商品の中にさらなるパッケージが含まれ、このパッケージ内にさらなる商品が入っていてよい。
・パッケージを切除して開口部を作成するための切除装置を含んだパッケージ開封装置。
・開口部を使用してパッケージから商品を取り除き、商品をさらなる場所に移送するための、囲いの中に配置された商品取り出し装置をさらに設けている。
・使用者の要求に応じて囲いの中のある場所から取り出した品物を使用者に提供する。
・この場合、さらなる商品を囲いの中の、商品供給業者によって密封された1個または複数のパッケージ内に受容し、商品は、ハウジング内の完全に自動的な手段によってハウジングの取り出し部にいる使用者に届けられるため、商品は、人間が接触することなく、密封されたパッケージから取り除かれて使用者へ届けられる。
[0064]
さらに、
1.さらなる場所は事前に決定された囲い内の保管場所であってよい。または、
2.さらなる場所は使用者アクセスポートであってよい。
3.さらなる場所は使用者アクセスポートを介して使用者に提供される「供給コンテナ」であってよい。
4.パッケージのうち少なくとも1個を、ポートを介してハウジング内から外へ移送するための移送手段がハウジング内に配置されている。
5.商品取り出し装置が商品をハウジング内の保管場所から移送手段に提供する。
6.ポートは、囲い内に残っているパッケージへの接触を規制できる(これは非常に沢山あると思われる)。
8.入口ポートと出口ポートは同じものである。
9.入口ポートと出口ポートは違うものである。
[0065]
本発明の別の実施形態によれば、本発明は、
1.囲いと、
2.パッケージを囲いの中に移送できるようにするポートと、
3.パッケージを囲いの外へ移送できるようにするポートとを含んでいる。
4.パッケージを入口から囲いの中へ移送するための運搬システムをさらに含み、この運搬システムは、
a.パッケージ内のパッケージおよび/または商品を識別する手段と、
b.パッケージの向きを分析する装置と、
c.この向きの分析に基づいてパッケージを操作する装置と、
d.パッケージが囲いの中に入れるかどうかを決定する装置とを含んでおり、
i.この決定はパッケージのコード/入力走査に基づいて行われ、
ii.この決定はハウジングが、予め受けている知識から、例えば無線接続を介して予測しているものに基づいて行われる。
[0066]
別の実施形態では、本発明は、
1.パッケージを内部に保管するための囲いを備え、この囲いには搭載ポートおよび使用者アクセスポートが設けられており、
2.パッケージを囲いの中へ移送するためのコンベヤをさらに備え、
3.囲いの中へ移送されたパッケージの一部を除去するシステムをさらに備え、この一部がパッケージから除去されることで、商品を取り除くことができる開口部が作成され、
4.囲いの中に配置された、開口部を介して商品をパッケージから取り除き、商品をさらなる場所へ移送するための商品取り出し装置をさらに備え、
a.このさらなる場所は囲いの中の保管場所であり、
b.このさらなる場所は使用者アクセスポートである。
[0067]
本発明によるビジネス方法では、「一般的な運搬装置」の出荷設備を使用して使用者に提供された囲いにパッケージおよび商品を「搭載する」ことが可能な自動パッケージ/商品保管および取り出しシステムを作成するために、上述の囲いと装置を使用することを含む。
[0068]
この方法は、各々が異なる商品を製造する複数の製造業者を許容するため、これら製造業者の品物を大量に所与の囲いへ出荷することができ、次に、この囲いは人間の介入なしに「自己搭載」を行えるため、出荷において著しいコストの節約となり、囲いでの人件費も低減できる。
[0069]
開口部作成の一方法としては、コンテナの垂れ蓋を開放/開封し、次に、コンテナに開口部を形成する方法で、コンテナから垂れ蓋を物理的に離す、または垂れ蓋をコンテナの外側に固定する。
[0070]
完全自動システムは、密封され、また、人間の介入なく、他とは外部寸法が異なるコンテナが混入したコンテナを許容するように運転することでき、出荷用コンテナに多様な外部寸法の開口部を作成するように調整/適合することができる開口部手段を備え、また、出荷用コンテナの開口部を調整する手段、システムが正確な許可コードが受信しない限り、コンテナがコンテナ開口手段へ進むことを阻止することを決定するために属性情報を使用する手段を備えている。
【0148】
[0071]
本システムが扱うことができるいくつかの状況を以下に示す:
所与の箱内の複数のパッケージが同じタイプのものである(同一品目)。
所与の箱内のパッケージが様々なまたは多種混合した製品タイプのものである(特徴、サイズ、タイプの異なる袋)。
取り出し装置が箱内に入ってパッケージを取り出す。
複数のパッケージが(事前梱包されている)箱内に位置決めされている(この場合、仕切り壁がない、無作為である、行や列、積み上げおよび/または層などのパターンに整理されている可能性がある)。
パッケージは、袋やポーチのように可撓性の梱包材料で作成されている(瓶、箱、缶、硬質または半硬質のコンテナ(ヨーグルトやカテージチーズの容器のタイプ)などの硬質のパッケージとは反対である。)
ここで、可撓性のパッケージは変形し易く、箱の中で移動する傾向があり、従って箱の中での場所が予測し難いため、取り出し装置は製品のどこを掴むか決定することが難しくなる。
パッケージは、箱の中に、少なくとも若干無整理状態に位置決めされるか、無作為に保管される。
最初の梱包状態が散乱した状態でなくても、取り出し装置(または運搬システム、ハンドル)がパッケージを無整理状態またはやや散らかった状態にしてしまうこともある(最初の梱包状態とは、例えば、製品が製造される工場や、パッケージがカートンに詰められる遠隔地の倉庫など多様な分配地点から出荷される際に、パッケージが箱内に詰められた状態を意味する)。
[0072]
このシステムは、出荷用カートンを自動的に開放し、この出荷用カートンを保管用コンテナとして使用でき、注文を自動的に取り上げて、多様でバラツキのある異なる出荷用カートンタイプ、形状、サイズ、異なるパッケージタイプ(袋、箱、瓶)、形状、サイズ、また、出荷用カートン内でのパッケージの多様な物理的向き、カートンを保管すべき異なる温度範囲を取り扱うことができる。いくつかの従来型システムでは、作業員が手作業で出荷用カートンを開封し、パッケージを分与用の箱へ移動させる。その後、パッケージは、移動される製品のタイプに関係なく、また、出荷用コンテナ内にパッケージがどのように配列されているかに関係なく、分配機構が正確に動作するために要求した特定の形に配列されなければならない。タイプの異なるパッケージは異なるサイズおよび形状を有し、これらが出荷用カートンに最初に詰められており、また、異なる品物タイプが様々な形で配列されている。パッケージは、全て同じ品物タイプで統一された形に整理される。この搭載パターンは(無作為なパターン、パターンなしを含む)分与または取り出し機構によって命令される。
[0073]
出荷用コンテナは保管用コンテナとして使用でき、ここから商品を取り出すことができる。
このシステムは、インテリジェントな箱開封とインテリジェントな箱を操作/位置決めした保管の組み合わせたものであり、これにより、商品取り出し装置は、商品を取り出すために取り出し装置をどのように、またどこへ操作すればよいかを事前に決定する機能を備えることができる。
[0074]
このシステムは、パッケージ入力を許可し、搭載された箱/袋を顧客取り出しエリアへと移動し、箱を密封し、または、宛先の出荷情報を箱にラベル付けし、ハウジング/システム内の、あるいはこれに関連した待ち列エリアに箱を保管する、もしくは、許可を受けた人物が機械にIDを提示することで、制御システムがコンテナの取り出しを許可するパッケージIDシステムを設けることができる。
[0075]
本システムへの配送は:
それぞれが自己の識別コードを持った、運転手付きのトラック、または複数の配送業者、あるいは関連性のない複数のトラック輸送または運送業者によって行うことができる。
[0076]
コンテナはトラックから手作業で、自動コンベヤシステムで、パレットで、フォークリフトによって荷降ろしできる。
[0077]
出荷用コンテナは、特定タイプのコンテナとして、特定タイプの商品が内容されているものとして、バーコードマーク、図形、テキスト文字、記号、RFIDタグを含むIDを有するものとして識別される。
[0078]
出荷用コンテナは、テープ、糊、ホチキスを使用して閉鎖または密封されていてよい。出荷用コンテナはまた、ボール紙、ダンボール紙、プラスチック、波形材料、これ以外の材料で作成した箱であってよい。出荷用コンテナは、サイズおよび形状が異なり、プラスチックまたは紙を含む様々な材料で作成された袋であってよい。出荷用コンテナは、複数の商品を内容でき、この場合、少なくとも1個の商品はパッケージであってよく、このパッケージは少なくとも1個の商品を内容していてよい。
[0079]
出荷用コンテナ内に保管されているパッケージは、行、列、層に整理された形で保管することができるため、いくつかのパッケージは他のパッケージによって閉じ込められ、この場合、特定のコンテナ内の複数のパッケージは正面に向いた状態で、また他の複数のパッケージは様々な方向に向いた状態で保管されるか、あるいは、パッケージが移送中に位置を移動できる形で保管されるか、もしくは、商品が出荷用コンテナ内に無作為な形で保管される。
[0080]
商品のタイプは多様であってよく、食品、電子機器、構成部品、紙製品などの品物を含んでいてよい。
[0081]
パッケージのタイプもまた様々であってよく、瓶、缶、袋、筒、ポーチを含んでいてよい。
[0082]
出荷用コンテナ内の商品は、特定タイプの商品として、特定タイプのパッケージとして、特定タイプの商品を内容したパッケージとして識別される。
[0083]
パッケージは、パッケージと、開封された出荷用コンテナ内でのその方向または位置とを識別するために様々なタイプのセンサおよびカメラによって検出される、バーコードマーク、図形、テキスト文字、記号、RFIDタグを含むIDを有する。
[0084]
ハウジングは、説明した自動商店の構成部品およびシステムを収容するものであってよく、システムに関連するコンテナおよび装置にとって安全な環境を提供し、また、スタンドアロン型建物、移動式のトレーラであってよく、地上または地下に設けることができ、小型または大型であってよく、部屋または大型建物サイズのキャビネット内に収容でき、さらに、木製、金属製、石製、プラスチック製、その他の建築材料製であってよい。
[0085]
入口ポート開口部は、パッケージをハウジング内に入れるためにハウジングに設けた開口部であってよく、この開口部は、様々なサイズおよび形状のパッケージがハウジング内に入れる十分な大きさを有する。
[0086]
組み込まれたコンピュータ制御システムおよびPCは、機械および/または電気機械中継器を少なくともその一部を遠隔的にて制御し、また、完全にハウジング内に配置するか、あるいはハウジング付近に配置したハードウェアを備えることができ、このハードウェアは、少なくともその一部が遠隔地にあってよく、および/または遠隔地にあるコンピュータシステムと通信することができ、さらに、ネットワークまたは通信リンクにリンクしていてよく、システムのユーザと通信するためにビデオインターフェースを動作させることができ、また、商店にいる人物が遠隔地にいる別の人物またはコンピュータと通信できるようにするために、ビデオおよび/または音声通信リンクを動作させることができる。
[0087]
このシステムはソフトウェアを備えており、このソフトウェアは、商店内または離れた場所にあってよいデータベースを有し、在庫レベルを監視する機能を持ち、さらに、商店内にいる使用者、顧客、製造業者、メンテナンス作業員、所有者、投資者、貸与者、および他の関係者に対してインターネット上で情報を送信できる、システムまたはハウジング内の全ての装置を制御する機能を持ち、また、故障が生じた場合には、システム動作を完全にまたは部分的に停止することができる。
[0088]
配送員インターフェースは、配送を進める許可を付与し、配送員/業者を識別する(および/またはIDを有効化する)機能、また、特定の配送が予測され、制御システムの注文データベースに基づいて事前に許可されていることを確認する機能を有する。さらに、このインターフェースは、配送に関するあらゆる問題を扱うために、電子メール、ビデオ会議、ビデオ電話、無線音声などにより、例えば遠隔地と、および/または遠隔地にいる人物やコンピュータとリアルタイムで通信する機能を設けていてよい。バッジ、船荷証券、ピンコード、生体測定、他のコードなどを使用して、許可を作動させることができる。
[0089]
出荷用コンテナ識別/ID装置は、その出荷用コンテナが何であるか、その内容物、そのIDを決定でき、また、出荷用コンテナの内容物、タイプ、梱包されている商品の個数、商品のサイズを決定することができる。
[0090]
このシステムは、出荷用コンテナの属性をより上手く感知できるよう、グリッパ機構を利用して、ロボットを使用して、または出荷用コンテナを回転させる装置を使用して、出荷用コンテナを操作するように設計される。このシステムは、画像またはパターン認識ソフトウェアを実装したカメラ、バーコード認識システム、RFIDシステム、テキスト文字読み取りシステム、光学スキャナ、別タイプのセンサ、機械または電気機械スイッチ、光線、カラー認識センサを利用でき、また、このシステムは、出荷用コンテナの属性を決定し、この情報をローカルまたは遠隔のデータベースに保存されている情報と比較することで、制御システムデータベースにこのID情報を供給し、その出荷用コンテナにシステム内を通過させるべきかどうかを決定することができる。
【0149】
[0091]
安全な入口は、許可を得た人物のみがハウジングに入れるように規制された安全な入口であってよい。ハウジング内に入るためには、出荷用コンテナは第1開口部を通過しなければならないが、この開口部の通過は外部ドア(バリア、ゲート、柵、棒、その他の物理的な安全機構)によって典型的に防止される。外部ドアは、ハウジングの外部の付近に配置される、近隣に位置する、間接的に接続していてよいため、許可されたコードによって、また、物理的なロックおよび鍵、または他の類似タイプの装置などを利用して外部ドアの許可を得た開放を行うことができ、また、パッケージは、この外部開口部を通過した後に、相互ロックセキュリティ保持エリア内に位置する。これを、相互に関連し合って開閉を行う2つのドアを利用して行うことで、出荷用コンテナまたは人物がシステム内に無許可アクセスすることを防止することができる。セキュリティ保持エリア以降のさらなる進入は、典型的に内部ドアによって遮断される。外部ドアが閉鎖されるまで、内部ドアは開封されない。少なくとも2つのドアをセキュリティ保持エリアと共に使用するこの配列は、人物、出荷用コンテナ、他の物体の無許可進入を防止するために用いられる。あるいは、本システムは、システムが内部安全ドアを開放する前に、防犯エリア内に誰もいないことを決定するために、カメラ、動作センサ、赤外線センサ、専用の検出ソフトウェア、他の類似した装置を利用することができる。さらに、本システムは、遠隔地にいる人物またはコンピュータがシステムの搭載エリアまたは防犯エリア内の活動を監視できるように、システムの防犯エリアを監視するカメラを装備できる。
[0092]
本システムは、無許可の物体または人物がシステム内に侵入することを防止するための防犯エリアを設けている。システム内への入口の入口開口部の先には防犯エリアが設けられており、この防犯エリアでは、配送員が出荷用コンテナを運搬手段上に置いた後には、1個または複数の出荷用コンテナを配置できるようになるため、システムが外部安全ドアを閉鎖すると、パッケージ搭載中はシステム内に誰も侵入できないようになる。
[0093]
出荷用コンテナは、パッケージをハウジング内に移動する運搬システム上に搭載され、また、出荷用コンテナはシステム内に搭載でき、および/またはコンベヤシステム上に搭載でき、セキュリティ保持エリア内に直接搭載でき、さらに、コンテナをハウジング内の表面上に配置することで搭載でき、または、ハウジング内に配置されている、コンテナをとり上げて、例えばロボット、ガントリ、クレーン、他の手段によって移動させる移送装置によって搭載できる。この移送装置はその上に出荷用コンテナを一度に1個ずつ搭載することで、あるいは、一度に複数のコンテナを搭載することで、または、ハウジングへの開口部にて複数の出荷用コンテナを1つのパレットに載せて配置することで移動することができる。このシステムはまた、出荷用コンテナをパレットからハウジング内のある地点へ、さらにコンテナ開封手段に向けて移動する手段を装備していてよい。このシステムはさらに、デパレタイザと共に使用できる。コンテナ開封装置は、閉鎖した出荷用コンテナの各々に特化する決定された位置を使用して、複数の出荷用コンテナの各々に開口部を形成する自動形成手段を装備しており、開口部を形成するには、コンテナ材料を切除し、テープを切断し、垂れ蓋を開く、および/または垂れ蓋を切除する。開口部は、複数の出荷用コンテナの識別された各々のタイプに特化した方法で寸法され、位置決めされるため、商品を、これが行および列に保管されている開封された出荷用コンテナから自動的に取り出すことができ、また、正面、頂部、側部などから取り除くことができ、そのため、例えば特定量のリップ部を切除せずに残し保持部として機能させることが可能であり、さらに、箱を別の場所で、別の方法で切断することもできる。このシステムは、開口部を形成するために除去した材料を処分する処分装置を使用することができ、処分された材料は再利用される。
[0094]
商品取り出し装置は商品をコンテナから取り除くためのものである。
[0095]
商品取り出し装置は開口部より商品を取り出す。商品取り出し装置は、注文品を収集するために、ロボットおよび視覚システムを使用して、開口部を形成した箱から商品を取り出す。商品取り出し装置は、注文品収集のために商品取り出し装置を案内する視覚システムおよびパターン認識を使用する。商品取り出し装置は、いつパッケージに固定されたかを決定する真空感知、ロボット、ガントリ、グリッパ、サイズおよび形状の異なる吸引カップ、電気機械グリッパを使用する。このシステムは、選択された商品を取り出すために使用者選択システムと協働させたり、使用者が選択した商品の使用者パッケージを生成するために、システム内のパッケージングシステムと協働させたりすることができる。パッケージングシステムは、使用者選択システムと協働させることができる。
[0096]
本システムの利点の1つは、例えば複数の小荷物サービスやトラック運送会社などの、設備との特別な信頼関係が全くない様々な配送員がシステムに「商品搭載」を行えることである。言い換えれば、ベンディングシステムや自動小売商店のような自動システムでは、従来、信頼できる業者や従業員が従来のシステムを訪問してシステム内に新たに商品を搭載すること、これらの従業員が自動機械への商品搭載を専門としていること、トラック、倉庫、ロジスティックシステムの全てが従来の機械での処理や搭載を専門としていること、これらの人々やトラックや装置の全てがその機器での管理に特化していること、などが必要であり、システムへのサービス提供および商品補充を行う人員やトラックなどの資源を有する特定の小売商店またはベンディング運営者が最も必要とするのは、品物をきちんと丁寧に正確な場所に補充する貢献的な商品補充員で、自動小売商店またはベンディングシステムの運営者または所有者に対して正直であり、補充時にシステムから窃盗を働かない、十分に信頼でき、常識的なビジネス関係を結べる従業員であるという概念がある。これでは、自動補充が可能で、既存の効率的な一般の運送業界を利用できるシステムで得られる規模の経済的恩恵を十分に得ることは不可能である。箱の開封とシステム内への搭載を完全自動化することで、要求される作業は箱をシステムへ配送し、コンベヤシステム上に配置するだけになるので、システムの所有者または運営者は機械に「商品補充」させるのに信頼できる人材を使う必要がなくなる。したがって、本システムの多くの優れた利点の1つは、信頼できる人物が箱を開封しシステム内に商品を搭載する必要がなくなるために、運営者または所有者が、箱の配送に一般的な輸送会社または、大衆的で非専門的な運送会社を利用できることである。
[0097]
従来の自動商店または自動ベンディングシステムにおけるシステムの多くは、特定の分与または取り出し機構が正確に商品の分与または取り出しを行えるように、所与のシステム専用に高度に整理され、特定の方法で補充される行または列から商品を分与しまたは取り出すように設計された分与装置または取り出し装置を利用する。この従来システムの要求によって、作業員が元の出荷用コンテナから手作業で商品を取り出し、これを手作業で特定のベンディングまたは自動商店システム用の大箱、コンパートメント、他の保管システムに搭載しなければならない。
[0098]
したがって、特定のタイプの取り出しまたは分与システム内に収まるように設計された特別な出荷用コンテナに商品を梱包した状況を除いて、多くの出荷用コンテナは、単純に自動装置内に入れられ、典型的なベンディングまたは自動商店システムから取り出されるものとしては適していない。
【0150】
[図面の簡単な説明]
[0099]
[図1] 本発明による自動商店の一実施形態を示す。
[図2] 図1の商店内に受容および保管されるタイプの典型的な出荷用コンテナを示す。
[図3] 様々な出荷用コンテナに形成された多様な開口部を示す。
[図4] 様々な出荷用コンテナに形成された多様な開口部を示す。
[図5] 様々な出荷用コンテナに形成された多様な開口部を示す。
[図6] 図1の商店の一実施形態を示し、この実施形態の商店は、入口ポート、出荷用コンテナセンサ/スキャナ/ID装置62、相互ロックエリア64、コンテナ保管エリア66、出口エリア68、入口64と出口68の間に配置されたコンテナ運搬システム70を設けている。さらに、タッチ画面74と、商品選択および支払いインターフェースデバイス76とを設けた顧客インターフェース72を示している。
[図7] 図6の商店の入口ポートおよび顧客インターフェースのより詳細な図を示す。
[図8] 入口端部におけるハウジングの内部の図を示しており、ロボット式箱開封機構82によって開口部を形成された、安全な入口/相互ロックエリア80を通過する出荷用コンテナが保管エリア86へ運搬され、最後に、使用者が注文した商品を内容した使用者容器88が、コンベヤ89によってさらにハウジング4の出口へと移送されている。
[図9] 本発明の商品取り出し装置84の一実施形態を示し、この装置は、第1ロボット装置90を使用して、開封済みのコンテナ29を保管エリア86の内外に位置決めし、第2ロボット装置92を使用して、図3、図4、図5に示すように開封済みのコンテナの開口部を介してその内部から商品を取り出す。
[図10] 図1のハウジング内で使用するためのコンベヤシステムの一実施形態を示す。このコンベヤシステムは、許可されたコンテナをハウジング内部へ運搬するための第1コンベヤ102と、これらのコンテナを開口手段、並びに保管手段86へ運搬するための第2コンベヤ104と、選択した商品およびコンテナを、相互ロックエリア68を通って、ハウジング外部へと続く出口ポートへ運搬するための第3コンベヤ106とを設けている。相互ロックエリアには内部ドア108と外部110がそれぞれ設けられている点に注意する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を保管し、販売し、および分配するモジュール式自動小売商店であって、このモジュール式自動小売商店は、複数のハウジングを含み、各ハウジングは、封緘された出荷用コンテナを、保管のために1つ又は複数のハウジング内に受け取るために、または、この1つ又は複数のハウジングの出力部にいる顧客に物品を販売および分配するために、該ハウジングの内部に人がいる必要がないように、コンピュータ制御によって操作され、該物品が、受け取られた出荷用コンテナのうちの保管したものの内部から取出される、当該モジュール式自動小売商店は、
前記モジュール式小売商店のための安全な環境を集合的に構成するために、互いに接続される必要がある複数のモジュールを備え、前記接続されたモジュールが、その中に配設された以下の手段、すなわち、
コンピュータによって制御され、そのエントリポイントにおいて、複数の封緘された出荷用コンテナを前記ハウジング内に選択的に受け取る安全なエントリ手段を含み、前記出荷用コンテナが段ボール箱の形態であり、
前記安全なエントリ手段は、前記ハウジング内への進入が許可された、封緘された出荷用コンテナのみが、前記エントリポイントから前記ハウジング内へ、自動的かつ人の操作なしに通過するように、前記コンピュータによって制御され、
前記エントリ手段は、前記出荷用コンテナが保管されている前記ハウジングの保管エリア内に人々が入るのを自動的に防ぐために、前記コンピュータによって制御される物理的境界を含み、
前記ハウジング内に進入した複数の出荷用コンテナに、自動的かつ人の操作なしに、開口部を形成する自動形成手段を含み、
自動的かつ人の操作なしに、前記開封された複数の出荷用コンテナを、少なくとも2つの前記モジュール内に設けられた保管エリアへ移動させる自動保管手段を含み、
前記自動小売商店の顧客が、中に保管された物品のうちの所望の1つ又は複数を選択して、前記選択した1つ又は複数の物品に対する支払いを行うことを可能にする顧客インターフェースを含み、
前記保管エリア内にある開封済みの出荷用コンテナのうちの選択されたものに、自動的かつ人の操作なしに入り、保管されている開封済みの出荷用コンテナのうちの選択されたものの内部から、前記顧客が選択した物品を取出すために、前記出荷用コンテナのうちの選択されたものに形成された開口部を通過するコンピュータ制御取出し手段を含み、
取出された物品のみが、自動的かつ人の操作なしに、前記保管エリアの内部から前記ハウジングの出力部まで通過するように、コンピュータによって制御される安全な出力手段を含み、前記出力手段が、前記出力部から、前記出荷用コンテナが保管されている前記ハウジングの保管エリア内に人が進入するのを自動的に防ぐために、前記コンピュータによって制御される物理的境界を含み、
前記取り出した物品を、自動的かつ人の操作なしに、前記ハウジングの出力部へ移動させるコンピュータ制御移動手段と、を含み、
前記顧客が、前記小売商店から2つの物品を選択した場合に、少なくとも1つの物品が、前記モジュールのうちの1つから取出され、第2の商品が、第2のモジュールから取出され、前記コンピュータ制御移動手段が、前記少なくとも2つの物品を、単一の出力ポートまで運び、そこで前記顧客が両方の物品を取出すことができる、モジュール式自動小売商店。
【請求項2】
前記モジュールのうちのいずれかの中に配設された何らかのエントリまたは出力手段が、インターロックエリアを含み、その結果、各モジュールは、前記ハウジングの外部からの未許可の進入に対して単独で安全である、請求項1に記載の安全な自動小売商店。
【請求項3】
前記複数のモジュールの各々が、その中に保管エリアを含む、請求項1に記載の安全な自動小売商店。
【請求項4】
前記複数のモジュールは、前記モジュールのうちの1つのみに配設されている共通の安全なエントリ手段を共有する、請求項1に記載の安全な自動小売商店。
【請求項5】
前記複数のモジュールは、前記モジュールのうちの1つのみに配設されている共通の安全な出力手段を共有する、請求項1に記載の安全な自動小売商店。
【請求項6】
前記複数のモジュールは、前記モジュールのうちの1つのみに配設されている共通の顧客インターフェースを共有する、請求項1に記載の安全な自動小売商店。
【請求項7】
前記複数のモジュールは、前記モジュールのうちの1つのみに配設されている共通の自動形成手段を共有する、請求項1に記載の安全な自動小売商店。
【請求項8】
前記複数のモジュールは、前記モジュールのうちの1つのみに配設されている共通のコンピュータ制御物品取出し手段を共有する、請求項1に記載の安全な自動小売商店。
【請求項9】
前記複数のモジュールは、前記顧客によって選択された物品を取出すために、前記モジュールのうちの1つから別のモジュールへ移動する共通のコンピュータ制御物品取出し手段を共有する、請求項1に記載の安全な自動小売商店。
【請求項10】
自動物品販売装置を操作する方法であって、
ハウジングの外部に存在する非管理エリアと、前記ハウジングの内部に存在するコンピュータ管理エリアとを分けるハウジングを設けることであって、前記管理エリアは、前記管理エリア内での人の存在を要することなく、物品保管販売装置として、その機能操作で完全に自動化されていることと、
販売すべき物品が中に入っている、配送された出荷用コンテナのうちの許可されたものだけを、前記ハウジングの内部の管理エリアに入れるという制御された動作を可能にする自動コンピュータ制御出荷用箱エントリ手段を設けることと、
前記ハウジングの内部の管理エリア内に配設され、複数の発送コンテナに、物品取り出し開口部を形成する自動コンピュータ制御箱開封手段を設けることと、
前記ハウジングの内部の前記管理エリアの保管エリア部分に、前記物品を移動させることと、
前記ハウジングのためのコンピュータ制御出口ポートを設けることと、
前記販売装置内に保管されている物品の購入のための注文を出す、該自動販売装置のユーザに応答して、前記保管エリアから、少なくとも1つの物品を取出すコンピュータ制御商品取り出しシステムを設けることであって、前記物品は、その後、ユーザ配送用コンテナ内に自動的に配置されて、前記出口ポートへ自動的に移動され、そこで前記ユーザが、前記ユーザ配送用コンテナを管理することができることと、
複数の分かれた事業体の間でのルールを設定する合意を交わすことであって、このルールは、各事業体が、出荷用コンテナの前記ハウジングの保管エリア内への移動に関する制御が制限されることを実現でき、前記自動コンピュータ制御出荷用箱エントリ手段のコンピュータコントローラは、前記合意事項に従って、前記エントリ手段を制御するようにプログラムされることと、
を備える方法。
【請求項11】
前記自動コンピュータ制御出荷用箱エントリ手段の前記コンピュータコントローラは、各事業体が、所定量の商品の、自動物品販売装置のハウジング内への進入を許可することができるように、事業体間での取り決めのルールに従ってプログラムされる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記所定量は、以下の所定量、すなわち、
顧客への販売取引価格、
前記ハウジング内部の保管エリア、
所定の種類の商品
のうちの1つである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
1つの事業体は、前記自動物品販売装置のオーナーであり、他の事業体は、前記自動物品販売装置によって販売される物品のサプライヤーである、請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2011−502917(P2011−502917A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534269(P2010−534269)
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/083834
【国際公開番号】WO2009/065145
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(503224404)
【Fターム(参考)】