説明

自動書庫システム

【課題】スペース増大させることなく、低コストを図りながらも利用者に利便性のよい自動書庫システムを提案する。
【解決手段】自動書庫システムは、図書が収納された複数のコンテナ15を保管するコンテナ保管棚2A,2Bと、利用者が図書の予約処理を行う予約手段51と、予約手段で予約された図書が収納された予約コンテナを保管する予約コンテナ一時待機棚13と、コンテナ保管棚と予約コンテナ一時待機棚の間で予約コンテナを移動する搬送手段6A,6Bと、利用者が予約コンテナから図書取出し作業を行う出納ステーション11と、予約手段で予約した図書を利用者が出納ステーションへ取りに行く予定時間を設定する時間設定手段と、時間設定手段で設定された予定時間に対し、予め設定された基準時間になると予約コンテナを予約コンテナ一時待機棚へ移動するように搬送手段の動作を制御する制御手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動書庫システムに関し、特に利用者自らが出庫指示を行い、図書の取出操作を行なうものに関する。
【背景技術】
【0002】
自動書庫システムは、図書の利用者が専用端末から自動書庫システムに図書の出庫指示を行い、出庫指示に応じた図書を書庫から出庫し、出庫された図書の取出し作業を職員が行って、カウンタに取りに来た利用者に渡すといった形態で利用されることが多い。しかし、職員の手を煩わせることなく、利用者自身が自分で図書の取出しを行うことも望まれている。このような利用者が自分で図書の取出しを行う装置が特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−327738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の装置では、利用者が図書を取り出す出納ステーションを複数設けるとともに、利用者によって予約された図書が収納された予約コンテナを一時保管する待機棚を出納ステーション近傍に設置し、この待機棚から出納ステーションに予約コンテナを搬送して、利用者が自分で図書を取り出すようにしている。出納ステーションを複数設け、予約コンテナを一時保管する待機棚を出納ステーション近傍に設置するため、出納ステーションおよび周辺装置全体の設置スペースの増大やコストUPを招いてしまう。また、待機棚には数に限りがあるため、予約件数が多いと待機棚に空きスペースができるまでコンテナ搬送が行えず、利用者の待ち時間が長くなる場合がある。無論待機棚の数を増設すれば予約コンテナを待機させることはできるが、その分、設置スペースの増大やコストUPを招いてしまう。それに、予約コンテナは原則として、予約番号順に行われることを前提として空きのある出納ステーションに自動的に搬送され利用者待ちの状態に入ってしまう。このため、利用者が出納ステーション周辺にいない場合には、実際に稼動していない出納ステーションが発生しているにも関わらず、時点の予約利用者はキャンセル処理が行われるまで、待たなくてはならないケースが少なくないことがある。
【0005】
本発明は、スペース増大させることなく、低コストを図りながらも利用者に利便性のよい自動書庫システムを提案することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明では、複数の図書が収納可能なコンテナを保管するコンテナ保管棚から、利用者が専用端末から図書を検索、出庫指示をするときに併せて、利用者が出納ステーションに図書を取りに行く予定時間を入力して設定するようにし、予定時間が近くなったら予約図書が収納されているコンテナを予約コンテナ一時待機棚に移動し、予約コンテナ一時待機棚から出納ステーションへ搬送するようにした。つまり、本発明では、図書を予約した順番ではなく、予約した図書を利用者が取りに行く予定時間によって、予約コンテナを予約コンテナ一時待機棚へ移動する順序を管理することで、予約コンテナ一時待機棚を有効に利用するとともに、利用者の待ち時間を短くするようにした。
【0007】
また、複数の図書が収納可能なコンテナを保管するコンテナ保管棚の、出納ステーションへ予約コンテナを搬送する出庫搬送手段に近い領域を、予約コンテナ一時待機棚と設定し、通常は空き状態としてコンテナを保管しないようにした。
【0008】
すなわち、本発明に係る自動書庫システムは、図書が収納された複数のコンテナを保管するコンテナ保管棚と、利用者が図書の予約処理を行う予約手段と、予約手段で予約された図書が収納された予約コンテナを保管する予約コンテナ一時待機棚と、コンテナ保管棚と予約コンテナ一時待機棚との間で予約コンテナを移動する搬送手段と、利用者が予約コンテナからの図書取出し作業を行う出納ステーションと、予約手段で予約した図書を利用者が出納ステーションへ取りに行く予定時間を設定する時間設定手段と、時間設定手段で設定された予定時間に対し、予め設定された基準時間になると、予約コンテナを予約コンテナ一時待機棚へ移動するように搬送手段の動作を制御する制御手段を有することを特徴としている。
【0009】
本発明に係る自動書庫システムでは、予約コンテナ一時待機棚に保管された予約コンテナを出納ステーションに搬送する出庫搬送手段を有し、予約手段による予約処理は受付番号を発行する発行処理を含み、発行処理によって発行された受付番号が出納ステーション側から入力されると、予約コンテナ一時待機棚に位置している予約コンテナを出納ステーションへ搬送するように、制御手段で出庫搬送手段の動作を制御することを特徴としている。
【0010】
本発明に係る自動書庫システムでは、時間設定手段で設定された予定時間が予め設定された所定時間を経過すると、予約手段によって行われた予約内容をキャンセル処理し、予約コンテナ一時待機棚に位置している予約コンテナを予約コンテナ一時待機棚以外のコンテナ保管棚へ移動するように、制御手段で搬送手段の動作を制御することを特徴としている。
【0011】
本発明に係る自動書庫システムでは、職員が図書の取出しと返却を行う職員用の出納ステーションと、予約コンテナ一時待機棚に位置する予約コンテナを職員用の出納ステーションへ搬送する窓口搬送手段をさらに有し、時間設定手段で設定された予定時間が予め設定された所定時間経過すると、予約コンテナ一時待機棚に位置する予約コンテナを職員用の出納ステーションへ搬送するように窓口搬送手段の動作を制御手段で制御することを特徴としている。
【0012】
本発明に係る自動書庫システムでは、予約コンテナ一時待機棚が出庫搬送手段の近傍に位置することを特徴としている。
【0013】
本発明に係る自動書庫システムでは、コンテナ保管棚におけるコンテナ排架位置のアドレス情報を制御手段に記憶し、これらアドレス情報のうち、出庫搬送手段の近傍のアドレス情報が付与されているコンテナ排架位置を、制御手段で予約コンテナ一時待機棚として割り当てることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、予定時間が近くなると予約コンテナを予約コンテナ一時待機棚に移動するので、予約した順序でなく、予約した図書を利用者が取りに行く予定時間に応じて予約コンテナが予約コンテナ一時待機棚に移動される。このため、予約コンテナ一時待機棚を有効に利用できて、利用者の待ち時間を短くすることができ、コンテナ保管棚のスペースを増大させることなく、低コストを図りながらも利用者の利便性を向上することができる。
【0015】
本発明によれば、予約図書が収納されている予約コンテナを保管する予約コンテナ一時待機棚を、出納ステーションへ予約コンテナを搬送する出庫搬送手段の近傍に位置することで、特別な設備を設けることなく、通常の設備だけで予約コンテナの一時置き場所を確保することができる。このため、予約コンテナの一時置き場所のためのスペースを特に設ける必要も無く、通常出庫よりも短い時間で出納ステーションに予約コンテナを搬送することができ、よりスペース増大させることなく、低コストを図りながらも利用者の利便性を向上することができる。特に利用者用出納ステーションの設置数が少なく、予約処理が図書館内の端末のみに制限されず、ネットワーク経由で遠方からも予約処理が可能な場合に効果を発揮することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態である自動書庫システムの一構成例を示す概略平面図である。
【図2】自動書庫システムのコンテナ保管棚と予約コンテナ一時待機棚と出庫搬送手段を示す側面図である。
【図3】利用者用の出納ステーションと職員用の出納ステーションと出庫搬送手段と窓口搬送手段の一形態を示す配置図である。
【図4】利用者用の出納ステーションと職員用の出納ステーションと出庫搬送手段と窓口搬送手段の一形態を示す配置図である。
【図5】職員用の出納ステーションの構成を示す斜視図である。
【図6】利用者用の出納ステーションの構成を示す斜視図である。
【図7】予約手段の構成を示す斜視図である。
【図8】自動書庫システムの制御系の構成を示すブロック図である。
【図9】図書の予約から取出しに係る制御の一形態を示すフローチャートである。
【図10】図書の予約から取出しに係る制御の一形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る自動書庫システムの一形態について図面を用いて説明する。図1に示す自動書庫システム1は、図書館の書庫4内に配列され、複数の図書16(図2参照)が収納可能なコンテナ15を保管するコンテナ保管棚となるラック2A,2Bと、ラック2A,2Bの間に形成される通路5A,5Bを移動可能なスタッカークレーン6A,6Bと、各スタッカークレーンで運び出されるコンテナ15・・を搬送台車9へ搬送する搬送コンベア7,8と搬送台車9との間でコンテナ15の受け渡しを行う水平搬送コンベア38と、コンテナ15が運ばれ、職員がコンテナ15に対して図書の取出し作業と返却作業を行なう職員用の出納ステーション10と、利用者がコンテナ15から図書の取出作業を行う利用者用の出納ステーション11と、受付カウンタ12及び利用者カウンタ50に設けられた予約手段51等を有している。これらの構成により図書16を収納したコンテナ15は、出納ステーション10,11とラック2A,2Bとの間で入庫と出庫が行われる。
【0018】
ラック2A,2Bは、通路5A,5Bに対して前面に、列、連、段を有する単式と、通路5A,5Bに対して前面と後面に列、連、段を有する複式のものがある。単式と複式とを比較した場合、複式のラックの方が収納量は多くなる半面、後面から取り出す場合は前面に排架されたコンテナ15を一旦他の棚の排架換えしなければならないので、単式に比べてコンテナ出庫間隔が長くなる傾向となる。図1に示すラック2A,2Bは複式のみのであり、通路5A,5Bと対面する区分は前面側、反対側を後面側としている。例えば、ラック2Bにおいて、符号201は前面側、符号202は後面側をそれぞれ示す。図1においては複式のラックを例示したが、単式のものであってもよい。また、ラック2A,2Bには、書庫4に固定するタイプと書庫4内を移動可能なタイプがあるが、本形態では固定するタイプを例に説明するが、移動タイプのものであっても構わない。
【0019】
スタッカークレーン6A,6Bは、それぞれ通路5A,5B内を往復及び上下に移動してラック2A,2Bに保管されているコンテナ15の中から任意の位置に保管されているコンテナ15を選択し、搬送コンベア7,8の出庫用搬送コンベア7A,8Aへと搬送するとともに、搬送コンベア7,8の入庫用搬送コンベア7B,8Bに位置するコンテナ15をラック2A,2Bへと搬送する周知のものである。
【0020】
搬送台車9は、搬送コンベア7,8と水平搬送コンベア38の間を往復移動してコンテナ15を搬送するもので、図2に示すように、出庫用台車9Aと入庫用台車9Bが上下に配置されている。
【0021】
搬送コンベア7,8は、スタッカークレーン6A,6Bと搬送台車9との間でコンテナ15の受け渡しをするもので、スタッカークレーン6A,6Bから出庫用台車9Aへコンテナ15を搬送する出庫用搬送コンベア7A,8Aと、入庫用台車9Bからスタッカークレーン6A,6Bへコンテナ15を搬送する出庫用搬送コンベア7B,8Bがそれぞれ上下に配置されている。
【0022】
水平搬送コンベア38は、搬送台車9と垂直搬送コンベア39との間で、コンテナ15の搬送を行うもので、出庫用台車9Aから垂直搬送コンベア39Aへコンテナ15を搬送する出庫用水平搬送コンベア38Aと、垂直搬送コンベア39Bから入庫用台車9Bへコンテナ15を搬送する入庫用水平搬送コンベア38Bとが上下に配置されている。
【0023】
垂直搬送コンベア39は、出庫用水平搬送コンベア38Aで搬送されたコンテナ15を職員用の出納ステーション10または利用者用の出納ステーション11へ搬送する出庫用垂直搬送コンベア39Aと、職員用の出納ステーション10または利用者用の出納ステーション11からコンテナ15を入庫用水平搬送コンベア38Bへ搬送する入庫用垂直搬送コンベア39Bとを備えている。
【0024】
出納ステーション10と出納ステーション11の内部には、ステーション内でコンテナ15を移動するステーションコンベア40,41がそれぞれ設置されている。ステーションコンベア40,41は、図4に示すように、出庫用垂直搬送コンベア39Aからコンテナ15を受け取る出庫用ステーションコンベア40A、41Aと、各出納ステーションから入庫用垂直搬送コンベア39Bへコンテナ15を搬送する入庫用ステーションコンベア40B,41Bを備えていて、各出納ステーションと垂直搬送コンベア39との間でコンテナ15の受け渡しが行えるように構成されている。
【0025】
自動書庫システム1では、職員用の出納ステーション10と利用者用の出納ステーション11の複数の出納ステーションを備えている。職員用の出納ステーション10と利用者用の出納ステーション11は、図3に示すように、書庫4の位置する建物のフロアF1に対して異なるフロアF2、F3にそれぞれ設置されている。このため、職員用の出納ステーション10と利用者用の出納ステーション11とは、図4に示すように、垂直搬送コンベア39にそれぞれ接続されている。職員用の出納ステーション10と利用者用の出納ステーション11の位置関係は、図3に示すように異なるフロアに設置する形態に限定されるものではなく、両者が同一フロアあるいは書庫4と両者を同一フロアに設置する形態でも無論かまわない。各出納ステーションと書庫4とを同一フロアに設置する場合、垂直搬送コンベア39は不要となる。これら出納ステーション10,11や書庫4の配置は、システムを導入する建物や利用形態に応じて適宜変更することができる。
【0026】
職員用の出納ステーション10は、図5に示すように外観を呈した筐体からなり、その手前側には作業用カウンタ18が、内部にはコンテナ15を搬送するためのステーションコンベア40が設置され、筐体の側面には各種情報が表示されるモニタ20、作業完了ボタン23、筐体の上面には移動完了ランプ24がそれぞれ設けられている。
【0027】
作業用カウンタ18の上面には、図書ID読み取り装置21、マウス22、キーボード25等が設けられている。図書ID読み取り装置21は、図書16にそれぞれ貼付された図示しないバーコードを読み取る際に使用される。入力手段となるマウス22及びキーボード25は各種データを入力する際に使用される。作業完了ボタン23は、出納ステーション10において図書16の取出し作業や返却作業が終了したコンテナ15を書庫4に戻す際(入庫時)に操作され、移動完了ランプ24は書庫4から運ばれたコンテナ15がステーションコンベア40の所定位置に到着した際に点灯するものである。
【0028】
出納ステーション10にはステーションコンベア40を覆うためのカバー28,28が設けられている。各カバー28にはそれぞれステーションの幅方向に開閉可能なドア29,29が設けられている。各ドア29は通常閉じられていて、コンテナ15が所定位置に到着した際に手動で開放される。モニタ20には、入出庫される図書16の名称、分類、ID番号等の図書データや予約図書である内容が表示される。これらモニタ20、図書ID読み取り装置21、マウス22、作業完了ボタン23、移動完了ランプ24、キーボード25は、出納ステーション10に設置されているステーション端末61と通信可能に接続されている。
【0029】
利用者用の出納ステーション11は、図6に示すように、基本的には出納ステーション10と同一の機能を備えていて、その筐体の手前側には作業用カウンタ181が、内部にはコンテナ15を搬送するためのステーションコンベア41が設置され、筐体の側面には各種情報が表示されるモニタ201、作業完了ボタン231、箱体の上面には移動完了ランプ241がそれぞれ設けられている。
【0030】
作業用カウンタ181の上面には、図書ID読み取り装置211、マウス221、キーボード215等が設けられている。図書ID読み取り装置211は、図書16にそれぞれ貼付された図示しないバーコードを読み取る際に使用される。入力手段となるマウス221及びキーボード251は各種データを入力する際に使用される。作業完了ボタン231は出納ステーション11において図書16の取出し作業が終了したコンテナ15を書庫4に戻す際(入庫時)に操作され、移動完了ランプ241は書庫4から運ばれたコンテナ15がステーションコンベア41の所定位置に到着した際に点灯するものである。
【0031】
出納ステーション11にはステーションコンベア41を覆うためのカバー281,281が設けられている。各カバー281にはそれぞれステーションの幅方向に開閉可能なドア291,291が設けられている。各ドア291は通常閉じられていて、コンテナ15が所定位置に到着した際に手動で開放される。モニタ201には、入出庫される図書16の名称、分類、ID番号等の図書データと、後述するキャンセル情報が表示される。これらモニタ201、図書ID読み取り装置211、マウス221、作業完了ボタン231、移動完了ランプ241、キーボード251は出納ステーション11に設置されているステーション端末62と通信可能に接続されている。出納ステーション10,11には、図示しないコンテナ情報(ID)読み取り手段が設置されていて、各出納ステーションに到着したコンテナ15を識別できるように構成されている。
【0032】
図1に示すように、利用者カウンタ50には、利用者が借りたい図書16を予約する予約手段51が設置されている。予約手段51は、図7に示すように、予約端末52と、予約端末52に対して利用者認証情報(利用者ID)や予約したい図書16の情報を入力する入力手段53と、受付番号や予定時間を印刷して発行するプリンタ54と、入力手段53で入力された情報や受付番号や予定時間等を表示するモニタ55を備えている。予約手段51は、利用者が予約した図書16を出納ステーション11へ取りに行く予定時間Tを入力して設定できるように構成されているが、本形態では入力手段53に時間設定手段としての機能を持たせている。無論、時間設定手段を入力手段53とは個別に設ける形態でもよい。
【0033】
次に、自動書庫システム1の制御系の構成について説明する。
自動書庫システム1は、図8に示すように、サーバー機能を持つ制御手段としてのシステム管理機60と、各出納ステーション10,11に設けられたステーション端末61,62と、制御手段としての中央制御盤63とを備えている。システム管理機60には、予約手段51の予約端末52、ステーション端末61,62、中央制御盤63がそれぞれ接続されていて、各端末との間で情報の通信が可能とされている。
【0034】
ステーション端末61,62は中央制御盤63とも接続されていて、中央制御盤63との間で情報の通信が可能とされている。予約端末52、システム管理機60、ステーション端末61,62及び中央制御盤63は、周知のコンピュータで構成されている。
【0035】
自動書庫システム1は、図書館に導入されている既存の図書館システムと通信可能に接続されている。この図書館システムは、図書館が所有している図書16の情報を管理している。
【0036】
予約端末52は、図示しない図書館システムと接続されており、利用者が図書検索を行えるように構成されている。予約端末52は、利用者が図書16を検索した後に、出庫したい図書16の情報を入力手段53から入力して予約すると、当該予約情報をシステム管理機60に通知する機能と、システム管理機60から通知される受付番号を帳票としてプリントあるいはモニタ55に表示する機能を備えている。つまり、予約手段52による予約処理は予約情報を発行する発行処理を含んでいる。また、本形態において、入力手段53は、利用者が予約した図書16を出納ステーション11へ取りに行く予定時間Tを入力する機能も備えている。このため、予約端末52は、予定時間Tが入力されて設定されると、システム管理機60に予定時間情報を送信し、さらに入力された予定時間Tをモニタ55に表示する機能とプリンタ54で打ち出す機能を備えている。予約手段51はプリンタ54を備えているが、必ずしもプリンタ54は必要ではなく、受付番号と予定時間Tをモニタ55に表示して、表示された情報を利用者にメモさせるようにしてもよい。特に、ネットワーク経由で、図書館外の端末から予約処理が可能な場合は、プリンタが無いこともある。
【0037】
利用者は、その氏名、住所等の個人情報と利用者IDとがシステム管理機60にデータベース化されて記憶されていて、予約手段51を使用する際に利用者IDを入力手段53から入力する。本形態では、利用者IDをデータベース化しているが、後に説明する利用者用の出納ステーション11での予約コンテナの呼び出し時(図書取出し時)に予約内容を特定できればよいので、必ずしもデータベース化の必要はない。また、利用者の認証については、利用者IDを入力する形態ではなく、例えば周知のICカードを利用者に発行し、当該ICカードを読取端末で読み取って認証するようにしてもよい。この場合、予約端末52やステーション端末62にICカードの読取端末を接続することで、利用者の操作性が向上することになる。
【0038】
中央制御盤63には、スタッカークレーン6A,6Bと、搬送コンベア7,8と、搬送台車9と、水平搬送コンベア38と、垂直搬送コンベア39と、ステーションコンベア40,41の各駆動源がそれぞれ接続されていて、システム管理機60から送信される指令に基づいて、各駆動源の作動をして各部の動作を制御する。ステーション端末61,62は、各出納ステーションでの図書の取出しや返却作業において作業指示をする機能を備えている。
【0039】
システム管理機60は、どの図書がどのコンテナ15に収納され、そのコンテナ15がラック2A、2Bのどの排架位置に格納されているか等の情報が記憶されたデータベース機能を有するとともに、中央制御盤63にスタッカークレーン6A,6Bや各コンベアの動作指令を送る機能を備えている。このため、各コンテナ15にはコンテナを識別するバーコードで構成された図示しないコンテナID(情報)が貼り付けられ、図書16にも図書識別のための図示しない図書IDが貼り付けられている。また、システム管理機60には、各コンテナ15の排架位置情報となる各ラックと、その列、連、段、前面側と後面側の情報からなる格納アドレスが記憶されているとともに、コンテナ15と図書16と格納アドレスとがデータテーブルとされて記憶されている。システム管理機60は、このデータテーブルを参照することで、図書16が収納されているコンテナ15の位置やラック2A、2Bの空き位置を検索可能とされている。
【0040】
システム管理機60には、ラック2A、2Bにおけるコンテナ排架位置のアドレス情報のうち、出庫搬送手段となる出庫用搬送コンベア7A,8A近傍のアドレス情報が付与されているコンテナ排架位置を、予約手段51によって予約された図書16が収納されている予約コンテナ15Aを一時保管する予約コンテナ一時待機棚13として割り当てる機能を備えている。このため、予約コンテナ一時待機棚13として割り当てられるコンテナ排架位置には、出納ステーション10,11から入庫された図書16が収納されたコンテナ15や、単に図書16を保管するために収納しているコンテナ15が入れられないように空きスペースとされている。
【0041】
システム管理機60は、予約端末52から予約情報が通知されると、予約情報を受付け、受付番号を発行して予約端末52に通知する機能を備えている。システム管理機60には、設定された予定時間Tに対し、これよりも前の基準時間T1(例えば予定時間の10分前)が予め設定されているとともに、予定時間Tに対して基準時間T1(予定時間の10分前)となると、予約コンテナ15Aをラック2A,2Bから予約コンテナ一時待機棚13へ移動するように中央制御盤63に動作指令を送信する機能を備えている。この指令を受けた中央制御盤63は搬送手段となるスタッカークレーン6A,6Bの動作を制御する。
【0042】
システム管理機60は、利用者が予約した図書16を取りに行く出納ステーション11のステーション端末62から、予約手段51の発行処理によって発行された受付番号もしくは利用者IDが入力されると、予約コンテナ一時待機棚13に位置している予約コンテナ15Aを出納ステーション11に搬送するように中央制御盤63に指令を送信する機能を備えている。中央制御盤63は、この指令を受けると、出庫搬送手段となるスタッカークレーン6A,6B、出庫用搬送コンベア7A,8A、出庫用搬送台車9A、出庫用水平搬送コンベア38Aと垂直搬送コンベア39の動作を制御する。
【0043】
システム管理機60には、設定された予定時間Tよりも遅い所定時間T2(例えば経過時間30分)が予め設定されていて、予定時間Tから所定時間T2を経過しても、出納ステーション11のステーション端末62から受付番号もしくは利用者IDが入力されないと、予約手段51によって行われた予約処理をキャンセル処理し、予約コンテナ一時待機棚13に位置している予約コンテナ15を、予約コンテナ一時待機棚13以外で空いているコンテナ排架位置へ移動するように中央制御盤63に動作指令を送信する。この指令を受けた中央制御盤63は、搬送手段となるスタッカークレーン6A,6Bの動作を制御する。システム管理機60は、図示しないがキーボードやマウスなどの入力手段とタッチパネルで構成されたモニタを備えていて、これら入力手段やモニタ上で基準時間T1と所定時間T2の設定や変更が可能とされている。
【0044】
ステーション端末62は、システム管理機60によってキャンセル処理がなされた後に、ステーション端末62から受付番号もしくは利用者IDが入力されると、その受付番号の予約情報がキャンセルされたことを図6に示す出納ステーション11のモニタ201に表示する機能を備えている。
【0045】
このような構成の自動書庫システム1における図書16の予約から取出しまでの動作について、図9に示すフローチャートを用いて説明する。なお、ラック2A,2Bに保管されているコンテナ15やコンテナ内の図書16のID情報、利用者ID及び予約コンテナ一時待機棚13となる格納アドレスは、既にシステム管理機60に登録されているものとする。
【0046】
図9のステップST1では、利用者が入力手段53を操作して予約したい図書16を検索し、ステップST2において専用端末となる予約端末52で利用者認証を行う。ここでは、入力手段53を操作して自身の利用者IDを入力するとともに、出庫予約した図書を取りに行く予定時間Tを入力して出庫予約指示を予約端末52に指示する。利用者認証は入力した利用者IDが登録されているか否かで行われる。予約端末52は予定時間Tが入力されると、出庫予約指示をシステム管理機60に通知する。
【0047】
ステップST3では、予約端末52から発せられる出庫予約指示をシステム管理機60が受付けて受付番号を発行し、この受付番号を予約端末52に通知する。そして、予約端末52は、プリンタ54を作動して受付番号と予定時間Tが記載された帳票をプリントして発行する。ステップST4では出庫データが保存される。出庫データとは、予約された図書16と予約された図書16が収納されているコンテナ15と予定時間Tである。
【0048】
ステップST5では、システム管理機60によって予定時間Tに対する予め設定された基準時間T1であるか否かが判断され、例えば予定時間Tの10分前となるとステップST6に進み、予約した図書16が収納された予約コンテナ15Aを、予約コンテナ一時待機棚13へ移動する処理が実行される。ここでは、予約された図書16が収納されたコンテナ15が保管されている格納アドレスと、予約コンテナ一時待機棚13内の空きアドレスをシステム管理機60が割り出す。そして、中央制御盤63に対して割り出した格納アドレスにあるコンテナ15を、予約コンテナ一時待機棚13内の空きアドレスへ予約コンテナ15Aとして移動すべく指令する。指令を受けた中央制御盤63は、スタッカークレーン6A,6Bを作動して、予約コンテナ15Aを予約コンテナ一時待機棚13内の空きアドレスとなっている排架位置へと移動する。
【0049】
ステップST7では、予定時間Tよりも所定時間T2経過したか否かがシステム管理機60によって判断され、所定時間T2を経過するまでステップST8における出庫操作が待たれる。そして所定時間T2を経過すると、ステップST14からステップST16に示すキャンセル処理が実行される。
【0050】
ステップST8では、利用者(予約者)が予約コンテナ15Aの出庫操作処理を行う。ここではステーション端末62の入力手段を用いて、予約者自身の利用者IDを入力して利用者認証を行うとともに、ステップST2で発行された受付番号を入力し、図示しない確定キーを操作する。ここで利用者認証が通り、受付番号が正しい場合にはステップST9に進む。ステップST9では、予約コンテナ一時待機棚13から利用者用の出納ステーション11へと予約コンテナ15Aを搬送する処理を実行すべく、システム管理機60から中央制御盤63に対して指令がなされる。
【0051】
中央制御盤63は、スタッカークレーン6A、6Bと搬送コンベア37A、38A、出庫用搬送台車9A、出庫用水平搬送コンベア38A、出庫用垂直搬送コンベア39A及びステーションコンベア41の該当するものを作動する。先の例では、予約コンテナ15Aはラック2Aの予約コンテナ一時待機棚13に一時保管されているので、ここでは、スタッカークレーン6A、搬送コンベア37A、出庫用搬送台車9A、出庫用水平搬送コンベア38A、出庫用垂直搬送コンベア39Aを出庫搬送手段として作動して予約コンテナ15Aを出納ステーション11へと搬送する。出納ステーション11へ搬送された予約コンテナ15Aはステーションコンベア41の作動によってステーションの所定位置へと搬送される。
【0052】
ステップST10では、利用者(予約者)による図書取出し作業が実行される。ここでは、出納ステーション11の所定位置に予約コンテナ15Aが到着したことが図示しないコンテナ情報(ID)読み取り装置によって検知されると、モニタ201に取り出すべき図書情報が表示される。ここで利用者(予約者)は、ドア291,291を手動で開放し、予約コンテナ15Aから予約した図書16を取り出す。そして、図書ID読み取り装置211で図書16の図書IDを読み取らせる。ここで図書16の図書IDを読取った時点で、データ的に該当図書は出納ステーションに保持されたコンテナから取出し処理され、システム管理機60に記憶されているデータベースを更新する。読み取られた図書IDは、予約された図書16の図書IDか否かをステーション端末62によって判断される。ここで読み取られた図書IDと予約された図書16の図書IDが一致する場合にはステップST11に進み、取出すべき他の図書の有無が判断される。ここでは予約した全ての図書16の図書IDが、図書ID読み取り装置211によって読み取られた否かで他の図書の有無を判断する。本形態では予約図書を1冊とするのでステップST12に進む。
【0053】
ステップST12では、図書取出し完了操作が行われる。この操作は作業完了ボタン231が利用者によって押されることで完了する。作業完了ボタン231が押されると、ステーション端末62から完了信号がシステム管理機60に送信され、システム管理機60は、この完了信号を受けて、ステップST13においてコンテナ入庫搬送処理を実行する。コンテナ入庫搬送処理とは、出納ステーション11から書庫4へと予約コンテナ15Aを入庫するものである。システム管理機60は、ラック2Aまたはラック2Bの中から、予約コンテナ一時待機棚13以外の空きアドレスを検索し、当該空きアドレスへと予約図書が取り出された予約コンテナ15Aを搬送すべく中央制御盤63に指令を出す。中央制御盤63は、ステーションコンベア41、入庫用垂直搬送コンベア39B、入庫用水平搬送コンベア38B、入庫用搬送台車9B及び入庫用搬送コンベア7B、8Bとスタッカークレーン6A、6Bの何れか該当するものをそれぞれ作動して、検索した空きアドレスのあるラック2Aまたはラック2Bへと予約コンテナ15Aを搬送して入庫して、この制御を終える。
【0054】
一方、ステップST7において、予定時間Tを所定時間T2を経過すると、システム管理機60はステップST14に進んで予約内容をキャンセルし、ラック2Aまたはラック2Bの中から予約コンテナ一時待機棚13以外の空きアドレスを検索する。そして予約コンテナ一時待機棚13から空きアドレスのあるラックへ予約コンテナ15Aを移動すべく中央制御盤63に指令する。中央制御盤63は、スタッカークレーン6A、6Bの何れか該当するものを入庫用の搬送手段としてそれぞれ作動して、検索した空きアドレスのラック2Aまたはラック2Bへと予約コンテナ15Aを移動する。
【0055】
仮に、所定時間T2の経過後つまりは予約内容キャンセル処理実行後に、ステップST15において利用者(予約者)により出納ステーション11からステップST8と同様の予約コンテナの出庫操作が行われると、ステーション端末62は、ステップST16においてモニタ201に予約内容がキャンセルされたことを表示し、利用者に知らせる。
【0056】
このように、利用者が予約した図書を取りに行く予定時間Tを設定するようにしたので無駄に予約コンテナを予約コンテナ一時待機棚13に待機させることなく、また予定時間Tから所定時間T2を経過した場合、予約内容はキャンセル処理され、予約コンテナ一時待機棚13へ搬送された予約コンテナ15Aがラック2Aまたはラック2Bへと戻されるので、予約コンテナ一時待機棚13に対して新たな予約コンテナ15Aを移動することができ、予約コンテナ一時待機棚13を有効に利用できて、利用者の利便性を向上することができる。
【0057】
また、予約図書が収納されている予約コンテナ15Aを保管する予約コンテナ一時待機棚13を、出納ステーション11へ予約コンテナ15Aを搬送する出庫搬送手段の近傍のラック2Aまたは2Bに設定したので、特別な設備を設けることなく、通常の設備だけで予約コンテナ15Aの一時置き場所を確保することができる。このため、予約コンテナ15Aの一時置き場所のためのスペースを、ラックを増設しないで確保できるので、通常出庫よりも短い時間で出納ステーション11に予約コンテナ15Aを搬送することができ、利用者の待ち時間を短くすることができ、ラックの占用スペースを増大させることなく、低コストを図りながらもより利用者の利便性を向上することができる。
【0058】
図10は、図9に示す図書16の予約から取出しまでの動作の別な形態を示すものである。この形態では、利用者による図書16の予約から取出しまでを示すステップST21からステップST33まで処理内容が、図9に示すステップST1からステップST13までの処理内容と同一である。このため、ステップST21からステップST33まで処理内容の説明は省略する。図9と図10で異なるのは、予定時間Tよりも所定時間T2経過した後の処理である。図9では、予定時間Tを所定時間T2経過すると、予約内容をキャンセルするようにしたが、図10では予定時間Tを所定時間T2経過した予約コンテナ15Aを職員用の出納ステーション10へ搬送し、利用者が予約した図書16を別な出納ステーションで受け取れるようにしている。
【0059】
すなわち、図10のステップST27において、予定時間Tよりも所定時間T2経過すると、システム管理機60はステップST34において、予約コンテナ15Aを職員用の出納ステーション10へ搬送すべく中央制御盤63に指令する。中央制御盤63では、この指令を受けて、スタッカークレーン6A、6Bと搬送コンベア37A、38A、出庫用搬送台車9A、出庫用水平搬送コンベア38A、出庫用垂直搬送コンベア39A及びステーションコンベア40の該当するものを窓口搬送手段として作動する。先の例では、予約コンテナ15Aはラック2Aの予約コンテナ一時待機棚13に一時保管されているので、スタッカークレーン6Aと搬送コンベア37Aを作動して出庫用搬送台車9Aへ予約コンテナ15Aを搬送する。搬送された予約コンテナ15Aは、出庫用水平搬送コンベア38Aの作動によって出庫用垂直搬送コンベア39Aへと搬送され、出庫用垂直搬送コンベア39Aの作動によって出納ステーション10へと搬送され、ステーションコンベア40の作動によって職員用の出納ステーション10の所定位置へと搬送される。
【0060】
所定時間T2の経過後に、ステップST35において図書館の職員による図書取出し処理がなされる。ここでの図書取出し処理は、取出した図書16の図書情報及び出庫予約した利用者IDや受付番号のプリンタ32による帳票発行処理を含む。職員は、発行された帳票を取出した図書16(予約された図書)に挟んで、図示しない予約図書置き場においておく。
【0061】
所定時間T2の経過後に、利用者(予約者)が予約者用の出納ステーション11から図書取出操作を行なうと、ステップST36において、ステーション端末62は、予約図書が職員用の出納ステーション10へ搬送された内容をモニタ201に表示して処理を終える。その後、利用者は受付カウンタ12に予約した図書を取りに行き、利用者IDや受付番号を職員に提示し、予約図書置き場に取り置きされた図書16を受け取る。
【0062】
このように予定時間Tから所定時間T2を経過した場合に、職員用の出納ステーション10に予約コンテナ15Aを搬送することで、利用者は予定時間Tに予約図書を出納ステーション11へ取りに行くことができない場合でも、出納ステーション10において職員から受け取ることができる。このため、利用者は待ち時間を短く予約図書を確実に受け取ることができるとともに、再度図書の予約をしないで済むので利便性が向上する。
【符号の説明】
【0063】
1 自動書庫システム
2A,2B コンテナ保管棚
6A、6B 搬送手段/出庫搬送手段/窓口搬送手段(スタッカークレーン)
7A,8A 出庫搬送手段/窓口搬送手段(出庫用搬送コンベア)
9A 出庫搬送手段/窓口搬送手段(出庫用搬送台車)
10 職員用の出納ステーション
11 利用者用の出納ステーション
13 予約コンテナ一時待機棚
15・・ 複数のコンテナ
15A 予約コンテナ
16 図書
38A 出庫搬送手段/窓口搬送手段(出庫用水平搬送コンベア)
39A 出庫搬送手段/窓口搬送手段(出庫用垂直搬送コンベア)
51 予約手段
53 時間設定手段
60,63 制御手段
T 予定時間
T1 基準時間
T2 所定時間
M 操作者(利用者もしくは職員)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
図書が収納された複数のコンテナを保管するコンテナ保管棚と、
利用者が図書の予約処理を行う予約手段と、
前記予約手段で予約された図書が収納された予約コンテナを保管する予約コンテナ一時待機棚と、
前記コンテナ保管棚と前記予約コンテナ一時待機棚との間で前記予約コンテナを移動する搬送手段と、
前記利用者が前記予約コンテナからの図書取出し作業を行う出納ステーションと、
前記予約手段で予約した図書を前記利用者が前記出納ステーションへ取りに行く予定時間を設定する時間設定手段と、
前記時間設定手段で設定された予定時間に対し、予め設定された基準時間になると、前記予約コンテナを前記予約コンテナ一時待機棚へ移動するように前記搬送手段の動作を制御する制御手段を有することを特徴とする自動書庫システム。
【請求項2】
請求項1記載の自動書庫システムにおいて、
前記予約コンテナ一時待機棚に保管された予約コンテナを前記出納ステーションへ搬送する出庫搬送手段を有し、
前記予約手段による予約処理は受付番号を発行する発行処理を含み、
前記制御手段は、前記発行処理によって発行された受付番号が前記出納ステーション側から入力されると、前記予約コンテナ一時待機棚に位置している予約コンテナを前記出納ステーションに搬送するように、前記出庫搬送手段の動作を制御することを特徴とする自動書庫システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の自動書庫システムにおいて、
前記制御手段は、前記時間設定手段で設定された予定時間が予め設定された所定時間を経過すると、前記予約手段によって行われた予約内容をキャンセル処理し、前記予約コンテナ一時待機棚に位置している予約コンテナを前記予約コンテナ一時待機棚以外のコンテナ保管棚へ移動するように前記搬送手段の動作を制御することを特徴とする自動書庫システム。
【請求項4】
請求項1または2記載の自動書庫システムにおいて、
職員が図書の取出しと返却を行う職員用の出納ステーションと、
前記予約コンテナ一時待機棚に位置する予約コンテナを前記職員用の出納ステーションへ搬送する窓口搬送手段を有し、
前記制御手段は、前記時間設定手段で設定された予定時間が予め設定された所定時間を経過すると、前記予約コンテナ一時待機棚に位置する予約コンテナを前記職員用の出納ステーションへ搬送するように前記窓口搬送手段の動作を制御することを特徴とする自動書庫システム。
【請求項5】
請求項2、3または4記載の自動書庫システムにおいて、
前記予約コンテナ一時待機棚は、前記出庫搬送手段の近傍に位置することを特徴とする自動書庫システム。
【請求項6】
請求項5記載の自動書庫システムにおいて、
前記制御手段は、前記コンテナ保管棚におけるコンテナ排架位置のアドレス情報が記憶されていて、これらアドレス情報のうち、前記出庫搬送手段の近傍のアドレス情報が付与されているコンテナ排架位置を、前記予約コンテナ一時待機棚として割り当てることを特徴とする自動書庫システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−51743(P2011−51743A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−203012(P2009−203012)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(000163833)金剛株式会社 (31)
【Fターム(参考)】