説明

自動販売機

【課題】 商品の売り切れ検知を搬送ベルト単位で確実に行うことができる自動販売機を提供する。
【解決手段】 スイッチユニット31と売り切れ検知レバー(従動レバー21及び駆動レバー22)とネジSCの頭部(搬送補助板4fを搬送ベルト4eに取り付けるネジSCの頭部)によって売り切れ検知手段を構成し、商品搬出動作が繰り返されて搬送ベルト4e上の商品COが無くなったときに搬送補助板4fを搬送ベルト4eに取り付けるネジSCの頭部によって従動レバー21及び駆動レバー22を介してスイッチユニット31内のマイクロスイッチ37のスイッチ部37aが押して売り切れ信号を生成できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種類が異なる商品の保管と選択された商品の販売を行う自動販売機、特に、商品の保管状態と商品の搬出動作を前面透明板を通じて外部から視認できるように構成されたシースルー型の自動販売機に関する。
【背景技術】
【0002】
シースルー型の自動販売機は、前面に設けられた透明板と、透明板の後側に所定配列で配置された複数の商品収納部と、所定の商品収納部から搬出された商品を受容し得る商品バケットと、商品バケットを上下左右方向に移動可能な商品バケット駆動手段とを備える。各商品収納部は複数の商品を一列に並べて載置可能な搬送ベルトを有し、該搬送ベルトは商品収納部または商品バケットに設けられたベルト駆動手段によって前後方向に移動可能であり、前方移動により最前端の商品を商品バケットに搬出し得る。
【0003】
この自動販売機では、庫内に保管されている商品を前面の透明板を通じて外部から視認することができ、また、一連の商品搬出動作、即ち、所定の商品搬出部の搬送ベルトと正対するように商品バケットが移動する動作,搬送ベルトの動作によって最前端の商品が商品バケットに搬入される動作及び商品が搬入された商品バケットが販売口に向かって移動する動作等を前面の透明板を通じて外部から視認することができる。
【特許文献1】特開平11−134542号公報
【特許文献2】特開平9−259342号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の自動販売機では、搬送ベルト上に載置された商品の後側に売り切れ等の文字が記された売り切れ表示板を設け、この売り切れ表示板を透明板を通じて購買者に視認させることで商品が売り切れであることを告げているが、このような方法では売り切れ商品が誤って選択されることを完全に防止することはできない。
【0005】
因みに、搬送ベルトから商品バケットへの商品搬入を検知するための光センサ等の搬入検知器を商品バケットが備えているものでは、前記売り切れ表示板が露呈しているにも拘わらず金銭投入後に誤って売り切れ商品が選択された場合に、商品搬出動作を1回行って商品バケットに商品が搬入されないことを搬入検知器で検出し、非搬入の検出結果に基づいて投入金銭を返却すると共にこの金銭返却によって購買者に選択商品が売り切れであることを再認識させている。
【0006】
前記のような商品搬出動作を行わずに商品の売り切れを搬送ベルト単位で検出するには、搬送ベルトの先端近傍に商品の有り無しを検出可能な光センサ等を設けてその検出結果を表示することも可能ではあるが、搬送ベルト上の商品の有り無しを直接検出する方法を採用すると、商品の姿勢や商品の表面状態及び形状等の要因によって検出不良を生じ易いために所期の売り切れ検知が適切に行えなくなる恐れがある。
【0007】
本発明は前記事情に鑑みて創作されたもので、その目的とするところは、商品の売り切れ検知を搬送ベルト単位で確実に行うことができる自動販売機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明は、種類が異なる商品の保管と選択された商品の販売を行う自動販売機であって、複数の商品を一列に並べて載置可能な搬送ベルトを有する複数の商品収納部と、所定の商品収納部の搬送ベルトを前後方向に移動可能な搬送ベルト駆動手段と、所定の商品収納部の搬送ベルトから搬出された商品を受容し得る商品バケットと、商品バケットを上下左右方向に移動可能な商品バケット駆動手段と、各商品収納部の搬送ベルトに取り付けられ搬送ベルト上に載置された最後尾の商品を支える役目を果たす搬送補助板と、該搬送補助板が商品無し位置に来たことを検出して売り切れ信号を送出可能な売り切れ検知手段と、売り切れ検知手段からの売り切れ信号に基づいて売り切れの表示を行う売り切れ表示手段を備える、ことをその特徴とする。
【0009】
この自動販売機によれば、商品搬出動作が繰り返されて搬送ベルト上の商品が無くなって搬送補助板が商品無し位置に来ると、売り切れ検知手段からが押されて売り切れ信号が送出される。売り切れ検知手段は搬送ベルト単位で設けられているので、前記売り切れ信号に基づいて商品の売り切れを搬送ベルト単位で検出することができる。また、搬送ベルト上の商品の有り無しを直接検出する方法ではなく、搬送補助板が商品無し位置に来たことを検出して売り切れ信号を送出できるので、商品の姿勢や商品の表面状態及び形状等に拘わらず所期の売り切れ検知及び購買者に対する売り切れ情報の提供を確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、商品の売り切れ検知を搬送ベルト単位で確実に行うことができる自動販売機を提供することができる。
【0011】
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1〜図11は本発明の一実施形態を示す。
【0013】
図1はシースルー型の自動販売機の正面図、図2は図1に示した自動販売機の内部機構を示す販売機本体の正面図、図3は図1及び図2に示した商品収納部の商品ガードを除外した部分上面図、図4は搬送補助板の分解斜視図及び取り付け状態の縦断面図、図5は図3から搬送ベルトを除外した図、図6は図5に示した売り切れ検知レバー(従動レバー及び駆動レバー)の斜視図、図7は図5のa,b,c,d,e線の各断面図、図8は図5に示したスイッチユニットの上面図と上ケース除外の上面図と側面図と縦断面図、図9は図1及び図2に示した商品バケットの正面図と縦断面図と動作説明図、図10及び図11は売り切れ検知動作の説明図である。
【0014】
まず、図1〜図9を引用して自動販売機の構成について説明する。
【0015】
図2に示すように、販売機本体1は前面を開口した断熱性の庫室2を備え、庫室2の下側に図示省略の機械室を備えている。庫室2には上下方向に間隔をおいて7個の棚板3が取り付けられ、各棚板3上には3個の商品収納部4が左右方向に並べて設けられている。
【0016】
各棚板3は、棚板3の左右両端を庫室2の左右内面に設けられたフック(図示省略)に係合するか、或いは、棚板3の左右両端を庫室2の左右内面にネジ止めすることによって庫室2内に配置されている。
【0017】
また、棚板の3の前側には上下方向の移動を可能としたエレベータ5が設けられ、庫室2の左右側面にはエレベータ5を庫室2内で上下方向に移動させるための第1のバケット駆動機構6が設けられている。さらに、エレベータ5上には商品バケット7が設けられ、エレベータ5には商品バケットをエレベータ5上で左右方向に移動させる第2のバケット駆動機構8(図9(B)参照)が設けられている。
【0018】
図示を省略したが、庫室2内には商品冷却または商品加温を行うため蒸発器,ヒータ及び送風機が設けられ、機械室内には蒸発器とともに冷凍装置を構成する圧縮機や凝縮器等が収容されている。
【0019】
図1に示すように、販売機本体1の前面開口には主扉11が開閉自在に設けられている。この主扉11の前面には縦長の開口部11aが形成されていて、この開口部11aにはガラスやブラスチック等から成る透明板12が嵌め込まれている。また、主扉11の前面には、LCD等から成る表示部13と、紙幣投入口14と、商品選択ボタン15と、主扉用ロックを操作するためのレバー16と、硬貨投入口17と、硬貨返却レバー18と、硬貨返却口19と、商品販売口20が設けられている。
【0020】
図2及び図3に示すように、各商品収納部4は、断面コ字形のフレーム4aと、フレーム4aの内側に架設されたベルト案内板4bと、フレーム4a及びベルト案内板4bの前後端にそれぞれ回転自在に設けられた前後1対で左右2組のシャフト4cと、前側の2つのシャフト4cの端部に取り付けられた従動歯車4dと、各前後1対のシャフト4c及びベルト案内板4bに巻き付けられた無端状の搬送ベルト4eと、各搬送ベルト4eに取り付けられた搬送補助板4fと、コイルバネによって上向きに付勢された状態で各搬送ベルト4eの前側上部に配された上下移動可能な商品ガード4gと、ベルト案内板4bの上面中央に着脱自在に取り付けられた仕切り板4hとを備える。
【0021】
各商品収納部4は各搬送ベルト4eを個々に動かすための動力源を有しておらず、後に詳述するように商品バケット7の駆動歯車7c4から従動歯車4dに回転力が伝達されたときに搬送ベルト4eは前後方向に移動し得る。
【0022】
各商品収納部4の各搬送ベルト4e上には紙パック飲料や缶飲料等の商品COを前後方向に一列に並べた状態で載置することができ、搬送補助板4fは最後尾の商品COを支える役目を果たす。勿論、仕切り板4hを外せば、左右寸法が大きな商品を2つの搬送ベルト4e上に跨って載置し両搬送ベルト4eの前方移動によって1個ずつ搬出することも可能である。
【0023】
図4に示すように、搬送補助板4fはプラスチック等から直方体形状に形成されていて、搬送ベルト4eの所定位置に設けられた2つの孔4e1にその裏面側からワッシャーWAを介してネジSCを挿入し、各ネジSCを搬送補助板4fの下面の2つのネジ穴4f1にそれぞれねじ込むことによって搬送ベルト4eに取り付けられている。ネジSCの頭部のベルト裏面からの突出寸法はワッシャーWAの厚みによって任意に調整することができ、このネジSCの頭部は売り切れ検知用の被検出部を構成する。
【0024】
また、搬送補助板4fのくりぬき部分4f2には金属等から成る錘プレートWPを複数枚重ね合わせたものが収められている。各錘プレートWPには4つの孔WP1が形成されていて、複数枚重ね合わせた錘プレートWPの各孔WP1にワッシャーWAを介してネジSCを挿入し、各ネジSCをくりぬき部分4f2のネジ穴4f3にそれぞれねじ込むことによって搬送補助板4fに取り付けられている。錘プレートWPは搬送補助板4fの自立状態を安定させるためのもので、その枚数及び重量は実験等によって適宜選択される。
【0025】
ベルト案内板4bには、図6に示す売り切れ検知レバーが組み込まれている。この売り切れ検知レバーは従動レバー21と駆動レバー22とから成り、対称形を成す左側用のものと右側用のものが1組ずつ使用されている。
【0026】
従動レバー21は、円筒状部分を有する2つの軸部21aと、各軸部21aの端から前側に平行に伸びる2つの従動片21bと、一方の軸部21aの端から後側に伸びる1つの作動片21cとを有する。各従動片21bには後述するガイド溝4b3との協働により該従動片21bの上下動作を案内するためのガイド突起21b1が設けられている。一方、駆動レバー22は、円筒状部分を有する1つの軸部22aと、軸部22aから前側に伸びる作動片22bと、軸部22aから後側に伸びる駆動片22cと、駆動片22cの側端に設けられた断面L字形の駆動突起22dとを有する。
【0027】
ここで従動レバー21と駆動レバー22のベルト案内板4bへの組み付け構造について図5及び図7を参照して説明する。
【0028】
ベルト案内板4bには前部上面には、従動レバー21の作動片21cを除く部分を上から見た形状と相似形を成す孔4b1が左右対称形に形成されており、各孔4b1の軸部21aに対応する部分(軸支部分)4b2は軸21aを回転自在に支えるために貫通していないが、他の部分は貫通している。また、孔4b1のガイド突起21b1に対応する部分にはガイド溝4b3が形成されている。さらに、孔4b1の各従動片21bに対応する部分の後側には、搬送補助板4fを搬送ベルト4eに取り付けるネジSCの頭部が非接触状態で通過可能な直線溝4b4が形成されている。
【0029】
また、ベルト案内板4bの前部下面には、従動レバー21の作動片21cを受容する凹部4b5が孔4b1と連通し且つ後方に向かって形成されている。この凹部4b5には駆動レバー22も収め入れられていて、該駆動レバー22の軸部22aは凹部の4b5の左右壁に設けられた軸支部分4b6に回転自在に支えられている。この軸支部分4b6の下端開口は蓋板4b7によって閉じられていて、該蓋板4b7は軸部22aを支持し駆動レバー22の落下を防止している。
【0030】
駆動レバー22の作動片22bは従動レバー21の作動片21cの上側にあってその下面を作動片21cの上面に接しており、従動レバー21の従動片21bに下向きの力がかかっていない状態(非売り切れ状態)では、駆動レバー22の駆動突起22dは凹部4b5を通じてベルト案内板4bの下面から下方に突出してその下端をスイッチユニット31の被押圧片33の上面に接している。この状態では、駆動レバー22の作動片22bによって従動レバー21の作動片21cが下方に押されていて、従動レバー21の従動片21bが作動片21cよりも高い位置にある。
【0031】
ここでスイッチユニット31の構成について図8を参照して説明する。
【0032】
スイッチユニット31は、直方体形状の下ケース32と、同形状の上ケース33と、断面コ字形の被押圧片34と、同形状のスライド片35と、コイルバネ36と、マイクロスイッチ37とから成る。このスイッチユニット31は、下ケース32のネジ挿入孔32fと上ケース33のネジ挿入孔33cにネジ(図示省略)を挿入し、該ネジを部品収納部4のフレーム4aの底面にねじ込むことによりフレーム4aに固着されている(図7(C)〜図7(E)参照)。
【0033】
下ケース32は、対向する2側面に縦長の溝部32aを有し、各溝部32aの内面に矩形状の係合突起32bを有する。また、下ケース32aには上面を開口した2つの矩形凹部32c,32dが隔壁32eを介して形成され、該隔壁32eにはロッド挿入溝32e1が形成されている。さらに、下ケース32の4隅にはネジ挿入孔32fがそれぞれ形成されている。
【0034】
上ケース33は、対向する2側面に下ケース32の溝部32aよりも僅かに小さな幅を有する係合片33aを有し、各係合片33aには下ケース32の係合突起32bの嵌め込みを可能とした矩形状の係合孔33a1を有する。また、上ケース33の上面には一方の矩形凹部32cに対応する矩形孔33bが形成されている。さらに、上ケース33の4隅には下ケース32のネジ挿入孔32fに対応したネジ挿入孔33cがそれぞれ形成されている。各係合片33aの係合孔33a1と下ケース32の係合突起32bとの係合を解除することにより上ケース33は下ケース32から取り外すことができ、逆に各係合片33aの係合孔33a1を下ケース32の係合突起32bに嵌め込んで係合させることにより上ケース33を下ケース32に取り付けることができる。
【0035】
被押圧片34は、上ケース33の矩形孔33bよりも僅かに小さな矩形状上面を有し、対向する2側面に2つのテーパー突起34aをそれぞれ有する。また、各テーパー突起34aには、上ケース33の矩形孔33bの下端に係合して上方への抜け出しを防止するための抜け防止突起34bを有する。
【0036】
スライド片35は、被押圧片34を反転したような形状を成し、被押圧片34のテーパー突起34aに噛み合う2つのテーパー突起35bを対向する2側面に有する。また、スライド片35のマイクロスイッチ側の面には鍔付きロッド35bが一体または別体にて形成されていて、ロッド35bは隔壁32eのロッド挿入溝32e1に挿入されている。
【0037】
コイルバネ36は、スライド片35のロッド35bに嵌挿されていてスライド片35を図8(D)において左方向に付勢している。
【0038】
マイクロスイッチ37は、下ケース32の他方の凹部32dに設けられ、スイッチ部37aがスライド片35のロッド35bと間隔をおいて向き合うように下ケース32にネジ37bによって固定されている。
【0039】
このスイッチユニット31は、上ケース33の矩形孔33bから露出する被押圧片33を押し下げることにより、被押圧片34のテーパー突起34aによってスライド片35のテーパー突起35aを図8(D)において右方向に押してスライド辺35をコイルバネ36の付勢力に抗して同方向に移動させ、この移動によってスライド片35のロッド35bの先端でマイクロスイッチ37のスイッチ部37aを押すことができる。被押圧片33の押し下げを解除すれば、コイルバネ36の付勢力によってスライド片35が元の位置に復帰してロッド35bによるマイクロスイッチ37のスイッチ部37aを押圧が解除されると共に、復帰するスライド片35のテーパー突起35aによって被押圧片34のテーパー突起34aが押し上げられて被押圧片34も元の位置に復帰する。被押圧片34には抜け防止突起34bが設けられているので、該被押圧片34aが上ケース33の矩形孔33bから上方に抜け出すことはない。
【0040】
前記スイッチユニット31は各商品収納部4のフレーム4aの底面部分に左右に間隔をおいてネジ止めされており、2つの駆動レバー22の駆動突起22d各スイッチスイッチ31の被押圧片33の上面のほぼ中心に接している。
【0041】
前記スイッチユニット31は売り切れ検知用の接触型センサを構成し、該スイッチユニット31と前記売り切れ検知レバー(従動レバー21及び駆動レバー22)と前記ネジSCの頭部(搬送補助板4fを搬送ベルト4eに取り付けるネジSCの頭部)は、搬送補助板4fが商品無し位置に来たことを検出して売り切れ信号を送出可能な売り切れ検知手段を構成する。
【0042】
図9に示すように、商品バケット7は、底板部7aと、底板部7aに設けられた左右移動用の複数のローラー7bと、底板部7aの左右に取り付けられた2つの駆動ユニット7cと、底板部7a上に配置された前後1対のシャフト7dと、前後1対のシャフト7dに巻き付けられた左右2つの無端状の搬出ベルト7eとを備える。また、底板部7aの内部には、後述するガイドロッド8cが挿入されたガイドブッシュ7fが設けられている。
【0043】
各駆動ユニット7cは、押し下げレバー7c1と連結アーム7c2と商品ガード7c3を同時に動作させるための第1モータ及び歯車機構(図示省略)を内部に有し、また、連結アーム7c2に設けられた駆動歯車7c4を回転させるための第2モータ及び歯車機構(図示省略)を内部に有する。さらに、一方の駆動ユニット7cには、前後1対のシャフト7dの一方を回転させて両搬出ベルト7eに商品を前方に送り込む動作を行わせる第3モータ及び歯車機構(図示省略)が設けられている。
【0044】
この駆動ユニット7cにおける駆動歯車7c4を回転させるための第2モータ及び歯車機構(図示省略)は所定の商品収納部4の搬送ベルト4eを前後方向に移動可能な搬送ベルト駆動手段を構成している。
【0045】
第2のバケット駆動機構8は、図9(B)に示すように、エレベータ5に設けられた左右1対のシャフト8aと、左右1対のシャフト8aに巻き付けられた無端状のベルト8bと、エレベータ5に左右方向に架設されたガイドロッド8cと、一方のシャフト8aに回転力を伝えるモータ(図示省略)とを備えている。尚、この第2のバケット駆動機構8としては、モータ駆動のボールネジをエレベータ5に設けて、ボールネジに係合するナットを商品バケット7に連結した機構を採用することもできる。
【0046】
因みに、前記商品バケット7は、バケット本体7aをベルト8bの一部に固着されると共に、底板部7a内のガイドブッシュ7fをガイドロッド8cに係合していて、ローラー7bをエレベータ5の上面に接触している
第1のバケット駆動機構6は、一部がエレベータ5の左右端に連結された無端状の2本のチェーン(図示省略)と、機構上部と下部に配置され各チェーンが巻き付けられた各2つの歯車(図示省略)と、各チェーンの一部に取り付けられたバランスウェイト(図示省略)と、機構上部と下部に配置され左右2つの歯車を連結するロッド(図示省略)と、一方のロッドに回転力を伝えるモータ(図示省略)とを備えている。尚、第1のバケット駆動機構6としては、前記バランスウェイト6cを排除した無端状の2本のチェーンを上下の歯車に巻き付けた機構を採用することもできる。
【0047】
前記の第1のバケット駆動機構6と第2のバケット駆動機構8は、商品バケット7を上下左右方向に移動可能な商品バケット駆動手段を構成している。
【0048】
次に、前述の自動販売機における商品販売動作について説明する。
【0049】
紙幣投入口14または硬貨投入口17に金銭が投入された後に所定の商品選択ボタン15が押されると、第1のバケット駆動機構6と第2のバケット駆動機構8の動作によって、待機位置にある商品バケット7が選択商品が収納された商品収納部4に向かって移動し、商品バケット7と商品収納部4とが互いのベルト7e,4eの上面の高さ位置がほぼ一致する状態で向き合う。
【0050】
そして、商品バケット7の一方の駆動ユニット7cにおける第1モータが作動して、押し下げレバー7c1と連結アーム7c2と商品ガード7c3が待機位置から商品搬出位置に変位する(図9(C)参照)。
【0051】
これにより、押し下げレバー7c1が待機位置から下降して商品収納部4の一方の商品ガード4gをバネ付勢力に抗して押し下げて、商品ガード4gが商品収納部4の搬送ベルト4eと商品バケット7の搬出ベルト7eの間の隙間に挿入される。また、連結アーム7c2が待機位置から後方に突出して駆動歯車7c4が商品収納部4の一方の従動歯車4dに係合する。さらに、商品ガード7c3が待機位置から下降して、商品ガード7c3が商品収納部4の搬送ベルト4eと商品バケット7の搬出ベルト7eの間の隙間に挿入される。
【0052】
そして、商品バケット7の一方の駆動ユニット7cにおける第2モータが作動して駆動歯車7c4が回転し、この回転力が商品収納部4の一方の従動歯車4dに伝達されて一方の搬送ベルト4eが前送り方向に回転する。これと同時に、商品バケット7における第3モータが作動して両搬出ベルト7eが前送り方向に回転し、搬送ベルト4e上の最前端の商品COが商品バケット7の搬出ベルト7e上に搬入される。
【0053】
所定の商品収納部4から商品バケット7への商品COの搬入が完了すると、商品バケット7の一方の駆動ユニット7cにおける第1モータが前記とは逆方向に作動して、押し下げレバー7c1と連結アーム7c2と商品ガード7c3を商品搬出位置から待機位置に復帰し、商品収納部4の商品ガード4gはコイルバネの付勢力によって待機位置に復帰する。
【0054】
そして、第1のバケット駆動機構6と第2のバケット駆動機構8の動作によって、商品バケット7が商品販売の目標位置に移動する。因みに、前述の自動販売機では図2に示した待機位置が商品販売の目標位置となっている。
【0055】
そして、商品バケット7における第3モータが作動して両搬出ベルト7eが前送り方向に回転し、搬出ベルト7e上の商品COが商品販売口20に向かって搬出される。
【0056】
次に、前述の自動販売機における売り切れ検知動作について図10及び図11を参照して説明する。
【0057】
商品収納部4の搬送ベルト4e上に1以上の商品COが存在するときには、図10に示すように、搬送補助板4fを搬送ベルト4eに取り付けるネジSCの頭部はベルト案内板4bの直線溝4b4内に位置している。つまり、売り切れ検知レバーを構成する従動レバー21及び駆動レバー22は定常状態、即ち、従動レバー21の従動片21bが作動片21cよりも高い位置にあり、且つ、駆動レバー22の駆動突起22dの下端がスイッチユニット31の被押圧片33の上面に接している状態にある。
【0058】
先に述べた商品搬出動作が繰り返されて搬送ベルト4e上の商品COが無くなると、図11に示すように、搬送補助板4fを搬送ベルト4eに取り付けるネジSCの頭部は従動レバー21の従動片21b上に移行する。搬送補助板4fは錘プレートWPを内蔵していて重量があるため浮き上がることはなく、ネジSCの頭部は従動片21bに確実に下向きの力を加える。これにより、従動レバー21が軸部21aを中心として図11において反時計回り方向に回転し、この回転により従動レバー21の作動片21cから駆動レバー22の作動片22bに上向きの力が加わり、駆動レバー22が軸部22aを中心として図11において時計回り方向に回転する。
【0059】
駆動レバー22が時計回り方向に回転すると、駆動レバー22の駆動突起22dによってスイッチユニット31の被押圧片33がコイルバネ36の付勢力に抗して下方に押し下げられる。これにより、スライド片35が図11において右方向に移動し、スライド片35のロッド35bの先端によってマイクロスイッチ37のスイッチ部37aが押されて売り切れ信号が生成される。
【0060】
売り切れ検知用のスイッチユニット31は搬送ベルト単位で設けられているので、前記売り切れ信号に基づいて商品COの売り切れを搬送ベルト単位で検出することができる。また、搬送ベルト4e上の商品COの有り無しを直接検出する方法ではなく、搬送補助板4fが商品無し位置に来たことを検出して売り切れ信号を送出できるので、商品COの姿勢や商品COの表面状態及び形状等に拘わらず所期の売り切れ検知を確実に行うことができる。
【0061】
前記の売り切れ信号は購買者が商品選択ボタン15を押す時点、即ち、商品販売前の時点で既に得られているので、金銭投入後に誤って売り切れ商品が選択された場合でも、従来のように商品搬出動作を1回行ってから投入金銭を返却するような無駄な手順を踏む必要はなく、商品選択ボタン15を押された時点で表示部13に「選択された商品は売り切れです」等の表示を行ったり、或いは、音声によって売り切れであることを購買者に告げることができ、商品の売り切れに関し購買者に対して迅速な情報提供を行うことができる。
【0062】
勿論、売り切れ商品が誤って選択されることを防止するために、各搬送ベルト4eに取り付けられた搬送補助板4fに売り切れ等の文字が記された売り切れ表示を設けて、この売り切れ表示を透明板12を通じて購買者に視認させることで商品が売り切れであることを告げるようにしておいても構わない。
【0063】
尚、前述の実施形態では、マイクロスイッチ37を内蔵したスイッチユニット31を接触型センサとして示したが、マイクロスイッチ37の代わりに感圧スイッチ等の他のスイッチ素子を組み込んでもよい。また、スイッチ素子のみを接触型センサとして使用してもよく、この場合には駆動レバー22の駆動突起22dの下側にスイッチ素子の動作部を配置して駆動突起22dで動作できるようにすればよい。
【0064】
また、前述の実施形態では、従動レバー21及び駆動レバー22から成る売り切れ検知レバーを含むものを売り切れ検知手段として示したが、搬送補助板4fが商品無し位置に来たときにネジSCの頭部で動作可能な位置にマイクロスイッチや感圧スイッチ等の他のスイッチ素子を設けて売り切れ検知レバーを有しない売り切れ検知手段を構成しても前記同様の売り切れ検知を行うことができる。
【0065】
さらに、前述の実施形態では、売り切れ検知手段として接触型センサを含むものを示したが、反射型光スイッチや近接スイッチ等の非接触型センサを用いて前記同様の売り切れ検知を行うこともできる。図12はその一例を示すもので、搬送補助板4fが商品無し位置に来たときにネジSCの頭部を検出可能な反射型光スイッチ41をベルト案内板4bに設けたものであり、図中の4b4’は搬送補助板4fを搬送ベルト4eに取り付けるネジSCの頭部が非接触状態で通過可能な直線溝、4b7は光スイッチ41を配置するための孔である。勿論、搬送ベルト4eに光通過用の孔を形成すれば図中に破線で示すように光スイッチ41をフレーム4aの底面に設けることも可能である。
【0066】
さらに、前述の実施形態では、紙幣投入口14または硬貨投入口17に金銭を投入して所定の商品選択ボタン15を押すことによって所望の商品COを搬出するものを示したが、ICカードに記録された電子マネーによる商品販売を可能としたシースルー型の自動販売機に本発明を適用しても構わない。
【0067】
図13はその一例を示すもので、この自動販売機は紙幣投入口14,硬貨投入口17,硬貨返却レバー18,硬貨返却口19及び金銭処理に係る装置並びに制御系の代わりに、ICカード51に記録された電子マネーの読み取りと書き込み(減算)を可能とした電子マネー読み書き器52と電子マネーの読み書きに係る制御系を有する。
【0068】
図14はこの自動販売機による商品販売の手順を示す。購買者がICカード51を電子マネー読み書き器52に置くとICカード51に記録されている電子マネーの金額(残金)が読み取られ、商品を購入するに充分な残金がない場合には表示部13に「残金が不足しています」等の表示を行う(ステップST1〜ST4)。商品を購入するに充分な残金がある場合には商品選択ボタン15の押圧を待ち、押された場合には前記売り切れ信号の有無から売り切れを判別し、選択商品が売り切れの場合には「選択された商品は売り切れです」等の表示を行ったり、或いは、音声によって売り切れであることを購買者に告げる(ステップST5〜ST7)。選択商品が売り切れでない場合にはICカード51に記録されている電子マネーから商品金額を減算して書き換えを行い、前記同様の商品搬出動作を行って選択商品の販売を行う(ステップST8,ST9)。
【0069】
勿論、金銭による商品販売機能と電子マネーによる商品販売機能を併せ持つシースルー型の自動販売機に本発明を適用しても前記同様の作用効果が得られることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明を適用したシースルー型の自動販売機の正面図である。
【図2】図1に示した自動販売機の内部機構を示す販売機本体の正面図である。
【図3】図1及び図2に示した商品収納部の商品ガードを除外した部分上面図である。
【図4】搬送補助板の分解斜視図及び取り付け状態の縦断面図である。
【図5】図3から搬送ベルトを除外した図である。
【図6】図5に示した売り切れ検知レバー(従動レバー及び駆動レバー)の斜視図である。
【図7】図5のa,b,c,d,e線の各断面図である。
【図8】図5に示したスイッチユニットの上面図と上ケース除外の上面図と側面図と縦断面図である。
【図9】図1及び図2に示した商品バケットの正面図と縦断面図と動作説明図である。
【図10】売り切れ検知動作の説明図である。
【図11】売り切れ検知動作の説明図である。
【図12】売り切れ検知手段の他の例を示す図である。
【図13】電子マネーによる商品販売を可能としたタイプの自動販売機に本発明を適用した図である。
【図14】図13に示した自動販売機の商品販売動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
4…商品収納部、4e…搬送ベルト、4f…搬送補助板、SC…ネジ、商品バケット、6…第1の…バケット駆動機構、8…第2のバケット駆動機構、13……表示部、21…従動レバー、22…駆動レバー、31…スイッチユニット、37…マイクロスイッチ、41…反射型光スイッチ、51…ICカード、52…電子マネー読み書き器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
種類が異なる商品の保管と選択された商品の販売を行う自動販売機であって、
複数の商品を一列に並べて載置可能な搬送ベルトを有する複数の商品収納部と、
所定の商品収納部の搬送ベルトを前後方向に移動可能な搬送ベルト駆動手段と、
所定の商品収納部の搬送ベルトから搬出された商品を受容し得る商品バケットと、
商品バケットを上下左右方向に移動可能な商品バケット駆動手段と、
各商品収納部の搬送ベルトに取り付けられ搬送ベルト上に載置された最後尾の商品を支える役目を果たす搬送補助板と、
該搬送補助板が商品無し位置に来たことを検出して売り切れ信号を送出可能な売り切れ検知手段と、
売り切れ検知手段からの売り切れ信号に基づいて売り切れの表示を行う売り切れ表示手段を備える、
ことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
売り切れ検知手段は、搬送補助板またはその近傍箇所に設けられた被検出部と、該被検出部が商品無し位置に来たことを検出する接触型センサとを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
【請求項3】
売り切れ検知手段は、搬送補助板またはその近傍箇所に設けられた被検出部と、該被検出部が商品無し位置に来たことを検出する非接触型センサとを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
【請求項4】
被検出部は、搬送補助板を搬送ベルトに取り付けるネジの頭部から成る、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の自動販売機。
【請求項5】
ICカードに記録された電子マネーの読み書きを可能とした電子マネー読み書き手段と、
非売り切れ商品が選択された後にICカードに記録されている電子マネーから商品金額を減算して書き換えを行う電子マネー減算手段とを備える、
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の自動販売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−4243(P2006−4243A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−180934(P2004−180934)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000001845)サンデン株式会社 (1,791)
【Fターム(参考)】