説明

自動車のバックドア取付構造

【課題】バックドアの開閉による応力集中と、車軸からの入力による応力集中の双方の影響を受けても、バックドア開口部の耐久性能の低下を防ぐ。
【解決手段】バックドア開口部の上部コーナー部3aにおいて、エクステンション部材5は、表面にダンパーステー4をボルト結合するためのブラケット9を固定する部位の裏面に、当該エクステンション部材を補強するリテーナ10が固定され、リテーナ10は、エクステンション部材の面に沿って延設された延長部10aと、延長部10aに延設されエクステンション部材の接合用フランジ5aの面に沿って形成されている接合用フランジ10bとから構成され、リテーナの接合用フランジがエクステンション部材、アウターリーンフォースメント7及びインナーリーンフォースメント8の各接合用フランジ5a、7a、8aと共に重ね合わされた状態で接合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のバックドア開口部の上部に設けられたドアヒンジを介して上方に開くバックドアを有する自動車のバックドア取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ステーションワゴンやハッチバックタイプの自動車では、跳ね上げ式バックドアを備えている(例えば、特許文献1参照。)。このバックドアは図5(A)、(B)に示すように、車両50のバックドア開口部51の上部となるルーフパネル52の後端部52aに、ドアヒンジ53を介して取り付けられている。また、バックドア54の開操作性をよくするために、バックドア54はダンパーステー55を介してバックドア開口部51のリアピラー56における上部コーナー部56Aに連結されている。このダンパーステー55は、バックドア54に対しては開操作力を付与できる位置に連結されている。また、ドアヒンジ53及びダンパーステー55は、バックドア開口部51に対して左右一対に設けられている。
【0003】
このようなダンパーステー55が連結されるリアピラー56の構造は図6(A)、(B)、図7に示すように、車体側面後方の外側面を構成するクォーターパネル61に、リアピラー56の外側面を構成するエクステンション部材62が接合されている。エクステンション部材62の室内側には、アウターリーンフォースメント63と、このアウターリーンフォースメント63に接合され空間部OSを有する閉断面体を構成するインナーリーンフォースメント64とが配置されている。これらエクステンション部材62、アウターリーンフォースメント63及びインナーリーンフォースメント64は、バックドア開口部51の開口側において接合用フランジ62a、63a及び64aによって接合されている。
【0004】
また、リアピラー56にダンパーステー55を連結するためのダンパーステーブラケット65をエクステンション部材62に取り付ける部分の剛性を高めるために、当該エクステンション部材62の裏面には、リテーナ66が接合されている。このようにリテーナ66を補強材として使用するのは、バックドア54を開閉すると、エクステンション部材62のダンパーステーブラケット65を取り付ける部分に開閉荷重が加わって応力が集中するからである。
【0005】
このリテーナ66がダンパーステーブラケット65をエクステンション部材62に取り付ける部分の裏面に接合されている場合と、接合されていない場合とを比較すると、接合されている場合には図8(A)に示すように、その部位に発生する高応力(図中、実線により囲まれている斜線部分)の面積が小さいが、接合されていない場合には図8(B)に示すように、その部位に発生する高応力(図中、実線により囲まれている斜線部分)の面積が大きくなる。この高応力が発生すると、その部位の耐久性能が低下することになる。
【0006】
なお、図5(B)、図6(A)、(B)、図7、図8(A)、(B)中、矢印UPは車体上方方向を、矢印RHは車体右側方向を、矢印LHは車体左側方向を、矢印RRは車体後方方向を示す。
【0007】
【特許文献1】特開2003−226263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、背景技術に記載したバックドア開口部51のリアピラー56におけるダンパーステー55を連結する上部コーナー部56Aの構造では、自動車の走行時におけるタイヤから伝達される路面からの入力(以下、明細書において「車軸からの入力」という。)で、四角形に形成されているバックドア開口部51の形状が四角形から平行四辺形や菱形に変形するので、上部コーナー部56Aでは高応力が集中することになる。したがって、バックドア54の開閉による応力集中と、車軸からの入力による応力集中の双方の影響を受けることで、耐久性能が低下してしまうことが懸念されている。また、リアピラー56におけるダンパーステー55を連結する上部コーナー部56Aは、このような応力を繰り返して受けると、その部分に亀裂が生じる虞があった。
【0009】
なお、このような問題に対して、エクステンション部材62の板厚を厚くすることが考えられるが、エクステンション部材62の重量が増加して、燃費向上のための車両軽量化に逆行することになる。また、補強用ガセットを追加することも考えられるが、部品追加になるのでコストが上がることになる。
【0010】
本発明は、このような従来の難点を解消するためになされたもので、バックドアの開閉による応力集中と、車軸からの入力による応力集中の双方の影響を受けても、バックドア開口部の耐久性能の低下を防ぐことができる自動車のバックドア取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的を達成する本発明の第1の態様である自動車のバックドア取付構造は、車両のバックドア開口部の上部となるルーフパネルの後端部にドアヒンジを介してバックドアが設けられ、バックドアはバックドア開口部の左右一対の側部となるリアピラーにおける上部コーナー部に、それぞれ当該バックドアの開操作力を付与するダンパーステーを介して連結され、リアピラーの外側面を構成しバックドア開口部の開口側に接合用フランジが形成されたエクステンション部材が車体側面後方の外側面を構成するクォーターパネルに接合されている自動車のバックドア取付構造において、エクステンション部材は、表面にダンパーステーをボルト結合するためのブラケットを固定する部位の裏面に、当該エクステンション部材を補強するリテーナが固定され、リテーナは、エクステンション部材の面に沿って延設された延長部と、延長部に延設されエクステンション部材の接合用フランジの面に沿って形成されている接合用フランジとから構成され、リテーナの接合用フランジはエクステンション部材の接合用フランジと重ね合わされた状態で接合されているものである。なお、本明細書において、「延設」とは一方向に延びるように設けることを意味する。
【0012】
このような第1の態様である自動車のバックドア取付構造によれば、リアピラーにおけるダンパーステーを連結する上部コーナー部のエクステンション部材に、バックドアの開閉や車軸の入力により荷重が加わっても、エクステンション部材を補強するリテーナが、エクステンション部材の面に沿って延設されると共に当該エクステンション部材の接合用フランジまで延設され、さらにリテーナの接合用フランジとエクステンション部材の接合用フランジとが重ね合わされた状態で接合されることでその部分の剛性が高くなるので、その応力値を従来のリテーナより小さくすることができる。
【0013】
本発明の第2の態様は第1の態様である自動車のバックドア取付構造において、リアピラーは、エクステンション部材の室内側に配置されるアウターリーンフォースメントと、アウターリーンフォースメントと接合され空間部を有する閉断面体を構成することでリアピラーを補強するインナーリーンフォースメントとを備え、アウターリーンフォースメント及びインナーリーンフォースメントのうち少なくとも1つの接合用フランジが、エクステンション部材の接合用フランジ及びリテーナの接合用フランジと共に重ね合わされた状態で接合されているものである。
【0014】
このような第2の態様である自動車のバックドア取付構造によれば、リアピラーにおけるダンパーステーを連結する上部コーナー部のエクステンション部材に、バックドアの開閉や車軸の入力により荷重が加わっても、エクステンション部材を補強するリテーナが、エクステンション部材の面に沿って延設されると共に当該エクステンション部材の接合用フランジまで延設され、さらにエクステンション部材の接合用フランジ及びリテーナの接合用フランジと共に、アウターリーンフォースメントの接合用フランジ及びインナーリーンフォースメントのうち少なくとも1つの接合用フランジが重ね合わされた状態で接合されることでその部分の剛性がより高くなるので、その応力値をリテーナの接合用フランジとエクステンション部材の接合用フランジとが重ね合わされた状態で接合された場合よりも小さくすることができる。
【0015】
本発明の第3の態様は第1の態様又は第2の態様である自動車のバックドア取付構造において、各接合用フランジは、車両の前後方向に向かって延びているエクステンション部材の面に対して屈曲しているものである。
【0016】
このような第3の態様である自動車のバックドア取付構造によれば、その屈曲部により曲げに対する強さが大きくなるので、さらに、リアピラーにおけるダンパーステーを連結する上部コーナー部の剛性を高くすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の自動車のバックドア取付構造によれば、後部ドアの開閉による応力集中と、車軸からの入力による応力集中の双方の影響を受けても、バックドア開口部の耐久性能の低下を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の自動車のバックドア取付構造を実施するための最良の形態例について、図面を参照して説明する。なお、図1(A)、(B)、図2、図3(A)、(B)図4(A)、(B)中、矢印UPは車体上方方向を、矢印RHは車体右側方向を、矢印LHは車体左側方向を、矢印RRは車体後方方向を示す。
【0019】
本発明の自動車のバックドア取付構造は、従来の跳ね上げ式後部ドアを備えた車両のバックドア開口部に適用されるもので、図1(A)、(B)、図2に示すように、車両のバックドア開口部(図6に示す符号51。)の上部となるルーフパネル2の後端部2aにドアヒンジ(図示せず。)を介してバックドア(図示せず。)が設けられている。このドアヒンジは、バックドア開口部に対して左右一対に設けられている。バックドアは、バックドア開口部の左右一対の側部となるリアピラー3における上部コーナー部3Aに、それぞれ当該バックドアの開操作力を付与するダンパーステー4を介して連結されている。なお、図1(A)、図2においては、バックドア開口部を車両後方から見て、右側部分を示しているが、図示しない左側部分も同様の構成である。
【0020】
また、リアピラー3の外側面を構成しバックドア開口部の開口側に接合用フランジ5aが形成されたエクステンション部材5が車体側面後方の外側面を構成するクォーターパネル6に接合されている。リアピラー3は、さらに、エクステンション部材5の室内側に配置されるアウターリーンフォースメント7と、アウターリーンフォースメント7と接合され空間部OSを有する閉断面体を構成することでリアピラー3を補強するインナーリーンフォースメント8とを備えている。このアウターリーンフォースメント7は、エクステンション部材5の接合用フランジ5aに重ね合わせて接合するための接合用フランジ7aが形成され、インナーリーンフォースメント8は、アウターリーンフォースメント7の接合用フランジ7aに重ね合わせて接合するための接合用フランジ8aが形成されている。
【0021】
さらに、エクステンション部材5は、表面にダンパーステー4をボルト結合するためのブラケット9を固定する部位の裏面に、当該エクステンション部材5を補強するリテーナ10が固定されている。このリテーナ10は図1(C)に示すように、エクステンション部材5の面に沿って延設された延長部10aと、延長部10aに延設されエクステンション部材5の接合用フランジ5aの面に沿って形成されている接合用フランジ10bとから構成されている。なお、図1(C)中、左側のリテーナ66は従来のもので、右側のものが本発明に使用されるリテーナ10である。この図を見てわかるように、従来のリテーナ66(点線DLより右側の区域)をエクステンション部材5の接合用フランジ5aの先端まで延長している。
【0022】
このリテーナ10は、延長部10aがエクステンション部材5の面に沿って接合され、接合用フランジ10bがエクステンション部材5の接合用フランジ5a及びアウターリーンフォースメント7の接合用フランジ7aと共に重ね合わされた状態で結合されている。重ね合わせの順番は、車両の外側から内側に向かって、エクステンション部材5、リテーナ10、アウターリーンフォースメント7、インナーリーンフォースメント8となっている。また、リテーナ10が固定されるエクステンション部材5の部位は、バックドア開口部のリアピラー3における上部コーナー部3Aである。
【0023】
また、各接合用フランジ5a、10b、7a、8aは、車両の前後方向に向かって延びているエクステンション部材5の面に対して屈曲して形成されている。なお、ここでいう接合とは、スポット溶接の他、リベット止め、ボルト止めも該当する。
【0024】
このように構成された本発明の自動車のバックドア取付構造におけるバックドアの開閉時や車軸の入力時における作用について以下に説明する。
【0025】
バックドアの開閉や車軸からの入力があると、リアピラー3におけるダンパーステー4を連結する上部コーナー部3Aのエクステンション部材5に荷重が加わる。この際、エクステンション部材5を補強するリテーナ10が、エクステンション部材5の面に沿って延設されると共に当該エクステンション部材5の接合用フランジ5aまで延設され、さらにエクステンション部材5の接合用フランジ5a及びリテーナ10の接合用フランジ10bと共に、アウターリーンフォースメント7の接合用フランジ7aが重ね合わされた状態で接合されることで、その部分の剛性が従来のリテーナより高くなっている。なお、エクステンション部材5の接合用フランジ5a、リテーナ10の接合用フランジ10b及びアウターリーンフォースメント7の接合用フランジ7aと共に、インナーリーンフォースメント8の接合用フランジ8aも重ね合わせた状態で接合することで、さらに、その部分の剛性が従来のリテーナより高くすることができる。
【0026】
また、各接合用フランジ5a、10b、7a、8aが、車両の前後方向に向かって延びているエクステンション部材5の面に対して屈曲して形成されているので、その屈曲部により曲げに対する強さが大きくなっている。これにより、リアピラー3におけるダンパーステー4を連結する上部コーナー部3Aの剛性がより高くなっている。
【0027】
したがって、リアピラー3におけるダンパーステー4を連結する上部コーナー部3Aのエクステンション部材5に荷重が加わっても、従来のリアピラーにおけるダンパーステーを連結する上部コーナー部のエクステンション部材よりもその応力値を小さくすることができるので、後部ドアの開閉による応力集中と、車軸からの入力による応力集中の双方の影響を受けても、バックドア開口部の耐久性能の低下を防ぐことができる。
【0028】
このように、リテーナ自体を改造することでバックドア開口部の耐久性能の低下を防止しているので、部品点数の増加によるコストアップを防ぐことができ、また、エクステンション部材の板厚を厚くして剛性を高めることによる車両重量の増加を防ぐことができる。さらに、バックドア開口部の剛性が高まるので、操縦安定性を向上させることが可能になる。
【0029】
次に、本発明の自動車のバックドア取付構造と、従来の自動車のバックドア取付構造とについて比較するために、バックドアの開閉耐久解析と、悪路耐久解析とを行った。解析装置は、FEM(有限要素法)による汎用解析プログラムである構造解析ソルバをインストールしたパーソナルコンピュータを使用した。なお、従来の自動車のバックドア取付構造は、図6に示す構造のもので、本発明の自動車のバックドア取付構造は、図1に示す構造のものである。
【0030】
バックドアの開閉耐久解析は、リアピラーにおけるダンパーステーを連結する上部コーナー部へのダンパーステーからの開閉荷重に対する応力を検出して解析を行った。解析結果は図3(A)、(B)に示すように、従来の自動車のバックドア取付構造では、リアピラー56におけるダンパーステーを連結する上部コーナー部56Aのエクステンション部材62に高応力(図中、実線により囲まれている斜線部分)が発生していたが、本発明の自動車のバックドア取付構造では、リアピラー3におけるダンパーステーを連結する上部コーナー部3Aのエクステンション部材5に高応力は発生しないことが確認できた。
【0031】
また、悪路耐久解析は、リアピラーにおけるダンパーステーを連結する上部コーナー部への車軸からの入力に対する応力を検出して解析を行った。解析結果は図4(A)、(B)に示すように、従来の自動車のバックドア取付構造では、リアピラー56におけるダンパーステーを連結する上部コーナー部56Aのエクステンション部材62に発生する高応力(図中、実線により囲まれている斜線部分)の面積が大きくなっていたが、本発明の自動車のバックドア取付構造では、リアピラー3におけるダンパーステーを連結する上部コーナー部3Aのエクステンション部材5には高応力(図中、実線により囲まれている斜線部分)が僅かに発生するに留まっていることが確認できた。
【0032】
したがって、リアピラーにおけるダンパーステーを連結する上部コーナー部に荷重が加わっても、従来のリアピラーにおけるダンパーステーを連結する上部コーナー部よりも剛性が高められていることが確認できたので、後部ドアの開閉による応力集中と、車軸からの入力による応力集中の双方の影響を受けても、バックドア開口部の耐久性能の低下を防ぐことが確認できた。
【0033】
なお、上述した実施例においては、リアピラーを補強するためにアウターリーンフォースメント及びインナーリーンフォースメントを備えていたが、これに限らず、主としてエクステンション部材でリアピラーが構成され、本発明のリテーナの接合用フランジがエクステンション部材の接合用フランジと重ね合わされた状態で接合されているものでもよい。この場合には、上述した実施例のリアピラーにおけるダンパーステーを連結する上部コーナー部より応力値が大きくなるが、従来のリテーナを使用した主としてエクステンション部材でリアピラーが構成されているものよりも、ダンパーステーを連結する上部コーナー部の応力値を小さくすることができるようになる。
【0034】
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の自動車のバックドア取付構造における好ましい実施の形態例を示す図で、(A)はリアピラーにおけるダンパーステーを連結する上部コーナー部の斜視図、(B)は(A)のA−A断面図、(C)はリテーナの詳細図である。
【図2】図1のリアピラーにおけるダンパーステーを連結する上部コーナー部を示す分解斜視図である。
【図3】バックドア開閉の解析結果を示す図で、(A)は従来の自動車のバックドア取付構造の応力コンター図、(B)は本発明の自動車のバックドア取付構造の応力コンター図である。
【図4】悪路耐久の解析結果を示す図で、(A)は従来の自動車のバックドア取付構造の応力コンター図、(B)は本発明の自動車のバックドア取付構造の応力コンター図である。
【図5】跳ね上げ式バックドアを備えた自動車の後部を示す図で、(A)はバックドアとバックドア開口部との関係を示す説明図、(B)はバックドア開口部の後面図である。
【図6】従来の自動車のバックドア取付構造を示す図で、(A)はリアピラーにおけるダンパーステーを連結する上部コーナー部の斜視図、(B)は(A)のA−A断面図である。
【図7】従来の自動車のバックドア取付構造のリアピラーにおけるダンパーステーを連結する上部コーナー部を示す分解斜視図である。
【図8】従来の自動車のバックドア取付構造のリアピラーにおけるダンパーステーを連結する上部コーナー部を示す図で、(A)はリテーナ在りの応力コンター図、(B)はリテーナ無しの応力コンター図である。
【符号の説明】
【0036】
2……ルーフパネル
2a……後端部
3……リアピラー
3a……上部コーナー部
4……ダンパーステー
5……エクステンション部材
5a……接合用フランジ
6……クォーターパネル
7……アウターリーンフォースメント
7a……接合用フランジ
8……インナーリーンフォースメント
8a……接合用フランジ
10……リテーナ
10a……延長部
10b……接合用フランジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のバックドア開口部の上部となるルーフパネルの後端部にドアヒンジを介してバックドアが設けられ、前記バックドアは前記バックドア開口部の左右一対の側部となるリアピラーにおける上部コーナー部に、それぞれ当該バックドアの開操作力を付与するダンパーステーを介して連結され、前記リアピラーの外側面を構成し前記バックドア開口部の開口側に接合用フランジが形成されたエクステンション部材が車体側面後方の外側面を構成するクォーターパネルに接合されている自動車のバックドア取付構造において、
前記エクステンション部材は、表面に前記ダンパーステーをボルト結合するためのブラケットを固定する部位の裏面に、当該エクステンション部材を補強するリテーナが固定され、
前記リテーナは、前記エクステンション部材の面に沿って延設された延長部と、前記延長部に延設され前記エクステンション部材の前記接合用フランジの面に沿って形成されている接合用フランジとから構成され、前記リテーナの前記接合用フランジは前記エクステンション部材の前記接合用フランジと重ね合わされた状態で接合されていることを特徴とする自動車のバックドア取付構造。
【請求項2】
前記リアピラーは、
前記エクステンション部材の室内側に配置されるアウターリーンフォースメントと、
前記アウターリーンフォースメントと接合され空間部を有する閉断面体を構成することで前記リアピラーを補強するインナーリーンフォースメントとを備え、
前記アウターリーンフォースメント及び前記インナーリーンフォースメントのうち少なくとも1つの接合用フランジが、前記エクステンション部材の前記接合用フランジ及び前記リテーナの前記接合用フランジと共に重ね合わされた状態で接合されていることを特徴とする請求項1記載の自動車のバックドア取付構造。
【請求項3】
前記各接合用フランジは、車両の前後方向に向かって延びている前記エクステンション部材の前記面に対して屈曲していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動車のバックドア取付構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−880(P2010−880A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−160873(P2008−160873)
【出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(000157083)関東自動車工業株式会社 (1,164)
【Fターム(参考)】