説明

自動車の動きに選択的に影響を及ぼすための装置、システム、及び方法

【課題】遠隔操作で選択的に展開し、ターゲット車両をホイール又は下部構造の形態に関わらず制御下で停止する非致死的車両デバイスを提供する。
【解決手段】デバイスは、遠隔操作で作動準備完了状態又は作動準備解除状態にする機構、遠隔操作で展開を行う制御装置、スパイク/スネア展開機構、「スピードハンプ」型ハウジング、及び複数のスパイクを備えた一つ又はそれ以上のスネアの組み合わせを含む。ハウジングは、突出(展開されるまで車両が乗り越える)していてもよいし、埋め込まれていてもよい。ひとたび作動準備完了状態にされると、センサの組み合わせにより独立した展開を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2008年9月29日に出願された、「自動車を拘束するためのシステム及び方法」という表題の米国仮特許出願第61/101,142号の優先権の恩恵を主張する、2009年9月29日に出願された、「自動車の動きに選択的に影響を及ぼすための装置、システム、及び方法」という表題の米国特許出願第12/569,872号の一部継続出願である。本特許出願は、更に、2009年10月20日に出願された、「自動車の動きに選択的に影響を及ぼすための装置、システム、及び方法」という表題の米国仮特許出願第61/253,510号の優先権の恩恵を主張するものである。出典を明示することにより、これらの出願に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。
【0002】
本開示は、全体として、陸上車両の動きに選択的に影響を及ぼすための装置、システム、及び方法に関する。詳細には、本開示は、自動車の動きに選択的に影響を及ぼすための装置、システム、及び方法に関し、例えば、車両の一つ又はそれ以上のタイヤに絡まることによって、自動車を制止し、拘束し、及び/又は動かなくする。
【背景技術】
【0003】
陸上車両の動きを減速し、不能化し、動かなくし、及び/又は拘束するための従来のデバイスには、バリヤ、スパイクストリップ、撒き菱、わな即ちスネア(snare)、及び電気システム不能化デバイスが含まれる。例えば、従来のスパイクストリップは、ロールアップデバイス又はアコーディオン型デバイスのいずれかに収納された細長いベース構造から上方に突出したスパイクを含む。これらの従来のスパイクストリップは、拡げられ、展開され、近づいてくるターゲット車両がスパイクストリップを乗り越えるように所期の道路上に置かれる。従来のスパイクストリップがターゲット車両の経路にうまく置かれると、ターゲット車両の一つ又はそれ以上のタイヤをスパイクが突き刺し、これによってタイヤを萎ませる。これにより、運転者は車両のコントロールを維持するのが困難になり、人身障害及び/又は物的損害が引き起こされる場合がある。
【0004】
従来のデバイスは、最初に応答した人、警官、武装兵員、又は他の保安要員によって使用された。多くの場合、こうした人達は、これらのデバイスの配置時にその直ぐ近くにいなければならない。例えば、スパイクストリップの従来の配置方法は、こうした人達がスパイクストリップを、近づいてくるターゲット車両の経路にぽんと放ることである。この従来の方法は、ターゲット車両の運転者が保安要員を轢こうとする場合があるため、又はスパイクストリップを避けようとしてターゲット車両のコントロールを失い、保安要員にぶつかる場合があるため、保安要員に危険を及ぼす。更に、一つのステアリングタイヤだけが急速に萎むと、ターゲット車両は激しく傾き、近くにいる保安要員、傍らの人達、又は構造にぶつかる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第12/569,872号
【特許文献2】米国仮特許出願第61/101,142号
【特許文献3】米国仮特許出願第61/253,510号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、従来のデバイスには、ターゲット車両の経路にこれらのデバイスを置くのが困難であるということ、これらのデバイスの配置及び回収時に保安要員に危険が及ぶということを含む多くの欠点がある。ターゲット車両がこれらのデバイスに遭遇するときに保安要員がターゲット車両の近くにいるため、保安要員を車両にぶつかる危険に晒してしまう。更にこれらのデバイスは、ターゲット車両と選択的に係合し、他の車両を安全に通過させる性能が限られているか或いは無い。
【課題を解決するための手段】
【0007】
A.概要
多くの特定の実施例を完全に理解し、そして説明するため、本発明による実施例を以下に説明する。様々な実施例の多くの特定の詳細を、舗装面と係合するタイヤを持つ車両用を動けなくするデバイス即ちインモビライズデバイスを参照して以下に説明するが、これらの実施例は、他の地面係合特徴(例えば軌道)及び他の種類の地形(例えばダート、砂利道、及び他の非舗装面)でも使用できる。幾つかの場合では、周知の構造又は作動は図示しておらず、詳細に説明しない。これは、以下の開示と関連した本発明の要旨の態様を明らかに示すためである。例えば、ホイールは、一般的には、その周囲に中実のゴム又は空気が入ったタイヤが装着されたホイールに関する。しかしながら、本発明は、図示し且つ説明した実施例の特定の詳細の一つ又はそれ以上がなくても実施できるということは当業者には理解されよう。
【0008】
本発明の態様は、全体として、回転ホイールを含む車両の移動に影響を及ぼすための装置に関する。これらの実施例の一態様は、車両の経路に置かれるように形成されたハウジングを含む装置に関する。回転ホイールは、ハウジング、収縮構成及び伸長構成を持つメンブレン又はスネア、及びスネアに連結された引っ掛かり部材を横切る。スネアはハウジング内に収縮構成で配置されており、伸長構成でホイールに巻き付くように形成されている。引っ掛かり部材は、スネアが収縮構成にある場合にホイールに引っ掛かるように形成されている。
【0009】
本発明のこの他の態様は、全体として、第1及び第2の回転ホイールを含む車両の移動に影響を及ぼすためのシステムに関する。実施例の一態様は、車両の経路に置かれるように形成されたハウジングを含む。第1及び第2の回転ホイールは、ハウジング、収縮構成及び伸長構成を持つ第1及び第2のスネア、これらの第1及び第2のスネアに夫々連結された第1及び第2の引っ掛かり部材の組、及び引っ掛かり部材の個々の組を安全構成即ち収納構成から作動準備完了構成即ち展開構成まで展開するように形成された安全機構を横切る。第1スネアは収縮構成でハウジング内に配置されており、伸長構成で第1ホイールに巻き付くように形成されている。第2スネアは収縮構成でハウジング内に配置されており、伸長構成で第2ホイールに巻き付くように形成されている。引っ掛かり部材の個々の組は、個々のスネアをハウジングから収縮構成と伸長構成との間で引き出すように形成されており、個々の引っ掛かり部材は、収納構成において、ハウジングによって全体にシールドされており、展開構成で露呈される。
【0010】
本発明の更に別の態様は、全体として、回転ホイールを持つ車両の移動に影響を及ぼすための方法に関する。実施例の一態様は、回転ホイールがハウジングを横切るようにハウジングを車両の経路に置く工程と、スネアをハウジングに入れ、引っ掛かり部材をスネアに連結する工程と、引っ掛かり部材をハウジングに関して露呈する工程と、引っ掛かり部材を回転ホイールと係合する工程と、スネアを回転ホイールの周囲に絡ませ、対象車両を停止する工程とを含む。
【0011】
本開示による特定の実施例は、選択された移動車両が所定の経路に沿って移動するとき、当該車両のホイールに絡みつき、車両を制止し、拘束し、即ち動けなくする、車両拘束システムを含む。車両拘束システムのハウジングは、地面に、又はターゲット車両の経路に、例えば車道に設置又は配置される。例示の実施例では、車両がハウジングを乗り越えるとき、車両の前ホイールが引っ掛かり、スネアがハウジングから引き出され、前ホイールの回転中に前ホイールに巻き付く。車両の後ホイールが引っ掛かると、第2スネアがハウジングから引き出され、後ホイールの回転中に後ホイールに巻き付く。前後のホイールの両方に第1及び第2のスネアが絡まると、ターゲット車両は減速し、停止する。これは、車両に永久的損傷を生じることなく、又は車両の運転者を傷つけることなく行うことができる。
【0012】
本開示による特定の他の実施例は、車道の幅に亘って横方向に少なくとも部分的に延びるプロチュバランスとして形成されたハウジングを含む。ハウジングから引き出されたスネアは、車道のタイヤの周囲で捩じられ、車道のタイヤに絡みつくのに十分な強度を持つネット及び/又はウェブ状材料を含んでいてもよい。ハウジングは、来入するターゲット車両の前タイヤ及び/又は後タイヤと係合するための第1及び/又は第2のネットサブシステムを含んでいてもよい。ターゲット車両の前タイヤがハウジングを乗り越えるとき、ネット/ウェブ状材料がハウジング内の第1ネットサブシステムから引き出され、車両の前タイヤと係合し、タイヤの回転中に前タイヤに絡みつく。同様に、ターゲット車両の後タイヤがハウジングを乗り越えるとき、ネット/ウェブ状材料がハウジング内の第2ネットサブシステムから引き出され、車両の後タイヤと係合し、タイヤの回転中に後タイヤに絡みつく。両タイヤ組に絡みついた状態で、車両は、前輪駆動であろうと後輪駆動であろうと四輪駆動であろうと、減速し、停止する。特定の実施例では、車両インモビライズデバイスは、車両のホイールの形態に応じて、例えば前輪駆動、後輪駆動、又は四輪駆動のいずれであるかに応じて、ターゲットの前ホイール又は後ホイールのいずれかに絡まる構成要素を含んでいてもよい。
【0013】
ハウジングは、道路の表面から僅かに盛り上がった道路プロチュバランス、例えば「スピードバンプ」(「スピードハンプ」、「道路ハンプ」、又は「スピード防止帯」とも言う)として形成されていてもよい。別の態様では、ハウジングは、道路の切欠き部に設置され、経路と面一に着座するように形成されていてもよい。いずれにせよ、ハウジングは、車両を動かなくする性能が来入車両の運転者から隠されるように形成されていてもよい。
【0014】
本開示による特定の他の実施例は、選択的に作動準備完了状態(armed) 及び作動準備解除状態(disarmed)をとるシステムを含む。作動準備解除状態にある場合には、システムは、「スリープ」モード,又は「消勢」モードに置かれ、車両は、従来のスピードバンプとほぼ同様に、ハウジングを何の支障もなく乗り越えることができる。しかしながら、システムが作動準備完了状態にある場合には、システムは、作動準備完了後にハウジングを乗り越える車両のタイヤに引っ掛かる。特定の実施例では、上文中に説明したように、システムを、車両センサ及び/又はオペレータ制御式デバイスから、有線通信又は無線通信により、遠隔操作で選択的に作動準備完了状態及び作動準備解除状態にすることができる。
【0015】
本開示による特定の他の実施例は、第1及び第2のネット/ウェブ状材料が夫々引き出される二つの開口部を持つ、例えば開口部毎に一つのスネアを持つハウジングを含む。ネット/ウェブ状材料は、ハウジングの開口部を乗り越える車両ホイールと係合するため、棘、スパイク、釘、ステープル、接着剤パッチ、又はこの他の種類の引っ掛かり部材が取り付けられた、又は一体に設けられた区分を含む。システムが作動準備完了状態にあり、ターゲット車両が検出されたとき、第1ネット/ウェブ状材料用の引っ掛かり部材は、車両の前ホイールが上ハウジングの第1開口部を乗り越えるときに露呈されるように、例えばハウジングの上面から外に突出するように位置決めされる。これにより、車両の前ホイールが引っ掛かる。前ホイールが回転し続けると第1ネット/ウェブ状材料がホイールの回転によって引っ張られ、材料がハウジングから引き出され、回転している第1ホイールに巻き付く。同様に、第2ネット/ウェブ状材料用の引っ掛かり部材は、車両の後ホイールが上ハウジングの第2開口部を乗り越えるときに露呈されるように、例えばハウジングの上面から外に突出するように位置決めされる。これにより、車両の後ホイールがスパイク/棘に引っ掛かり、第2ネット/ウェブ状材料がハウジングから引き出され、回転している後ホイールに絡み付く。
【0016】
本開示に説明した本発明の要旨は、二組のネット/ウェブ状材料を使用するシステムに限定されない。変形例では、車両インモビライズシステムは、前ホイールの組だけと係合するネット/ウェブ状材料を含んでいてもよいし、後ホイールの組だけと係合するネット/ウェブ状材料を含んでいてもよい。更に別の変形例では、ネット/ウェブ状材料は、車両の一方の側の前ホイール及び後ホイールの両方を捉える即ち絡みつくような大きさ及び形態を備えていてもよい。追加として、二組のネット/ウェブ状材料を使用する実施例では、ハウジングは、これらの組の両方が同じ開口部から順次引き出されるように形成されていてもよい。更に別の実施例では、第1ネット/ウェブ状材料が前ホイールについて使用されるようになっているのに対し、異なるネット/ウェブ状材料が後ホイールについて使用されるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1A】図1Aは、本開示の一実施例による第1構成の車両インモビライズデバイスを示す概略図である。
【図1B】図1Bは、図1Aに示す車両インモビライズデバイスの第2構成を示す概略図である。
【図2】図2は、図1A及び図1Bに示すデバイスを使用して車両を動かなくするための本開示の一実施例による方法を示す概略図である。
【図3A】図3Aは、本開示の別の実施例による車両インモビライズデバイスを示す概略図である。
【図3B】図3Bは、図3Aの車両インモビライズデバイスを示す平面図である。
【図4A】図4Aは、本開示の別の実施例による第1構成の車両インモビライズデバイスを示す概略図である。
【図4B】図4Bは、図3Aに示す車両インモビライズデバイスの第2構成を示す概略図である。
【図4C】図4Cは、図3Aに示す車両インモビライズデバイスの第3構成を示す概略図である。
【図5】図5は、本開示の更に別の実施例による車両インモビライズデバイスの斜視図である。
【図6A】図6Aは、本開示の他の実施例による車両インモビライズデバイスの第1斜視図である。
【図6B】図6Bは、図6Aに示す車両インモビライズデバイスの第2斜視図である。
【図6C】図6Cは、図6Aに示す車両インモビライズデバイスの第3斜視図である。
【図7A】図7Aは、本開示の更に他の実施例による車両インモビライズデバイスの第1構成を示す部分斜視図である。
【図7B】図7Bは、展開モジュールが設けられていない、図7Aの車両インモビライズデバイスの一端の斜視図である。
【図7C】図7Cは、展開モジュールが設けられていない、図7Aの車両インモビライズデバイスの他端の斜視図である。
【図7D】図7Dは、図7Aの車両インモビライズデバイスの制御セグメントの構成要素を示す詳細図である。
【図7E】図7Eは、図7Aの車両インモビライズデバイスの制御セグメントの手持ち式遠隔制御デバイスを示す詳細図である。
【図8】図8は、車両インモビライズデバイス用展開モジュールの本開示による一実施例を示す概略断面図である。
【図9A】図9Aは、図7A乃至図7Dの車両インモビライズデバイスに装填した図8の展開モジュールを示す概略断面図である。
【図9B】図9Bは、図8Aの展開モジュールを収納構成で示す詳細図である。
【図9C】図9Cは、図8Aの展開モジュールを展開構成で示す詳細図である。
【図10】図10A乃至図10Eは、展開モジュールを取り外した、図7A乃至図7Dに示す車両インモビライズデバイスの様々な構成を示す斜視図である。
【図11】図11A乃至図11Cは、図10A乃至図10Dに示すアクチュエータ機構の本開示による一実施例を示す斜視図である。
【図12】図12A乃至図12Dは、図11A乃至図11Cに示すアクチュエータ機構の作動順序を示す図である。
【図13】図13A乃至図13Hは、本開示の別の実施例による車両インモビライズデバイスを示す図である。
【図14】図14A及び図14Bは、本開示の実施例による解放自在のスパイク連結を示す詳細図である。
【図15A】図15Aは、図7A乃至図7Dの車両インモビライズデバイス用のスネア部材の一実施例の部分図である。
【図15B】図15Bは、図15Aのスネア部材用の繋ぎ紐及びスパイクの一実施例の斜視図である。
【図16】図16A及び図16Bは、図7A乃至図7Dの車両インモビライズデバイス用のスネア部材の別の実施例の部分図である。
【図17】図17は、本開示の一実施例による図15のスネア部材用のコードの一実施例の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
B.車両の移動に選択的に影響を及ぼす、例えば、車両を制止し、拘束し、又は動かなくするための装置、システム、及び方法の実施例
図1A及び図1Bは、本開示の一実施例による車両インモビライズデバイス100の異なる構成を示す概略図である。詳細には、図1Aは、デバイス100を第1構成即ち収納構成で示し、図1Bは、デバイス100を第2構成即ち展開構成で示す。図1Aに示す収納形態では、デバイス100は、スピードバンプ1の形態、又はスピードバンプ1に収容された形態である。二連の引っ掛かり部材、例えばタイヤスパイク2及び3がスピードバンプの内部に収納形態で配置されている。個々の引っ掛かり部材の材料、大きさ、及び形状は、車両がデバイス100を乗り越えるとき、例えばホイールがデバイス100を横切るとき、ホイールに貫入し、ホイールを貫通し、ホイールにラッチ止めし、及び/又はホイールに付着するように選択できる。
【0019】
二連のスパイク2及び3にスネア部材4及び5が夫々連結されている。これらのスネア部材もまた、スピードバンプ1内に収納形態で配置されている。個々のスネア部材は、スネアネット、織製メンブレン、これらの組み合わせ、又はホイールに巻き付くのに適した他の適当な部材を含む。スネア部材用の材料の例には、ポリエステル(例えばダクロン(ダクロン(Dacron)は登録商標である))、ポリエチレン(例えばスペクトラ(スペクトラ(Spectra)は登録商標である)、又はダイニーマ(ダイニーマ(Dyneema)は登録商標である))、アラミド(例えばテクノラ(テクノラ(Technora)は登録商標である)、又はケブラー(ケブラー(Kevlar)は登録商標である))、これらの組み合わせ、又は適当な強さ及び可撓性を持ち、スピードバンプ1内に入れることができるファイバ又はフィルムに形成できる他の材料が含まれる。本開示の実施例によれば、個々のスネア部材の長さは、少なくとも、動かなくされるべき車両のホイールの周囲の長さとほぼ等しい。例えば、直径が83.82cm(33インチ)のホイールについては、スネア部材4及び5の長さは、少なくとも約228.6cm(90インチ)である。個々のスネア部材の大きさ及び形状は、動かなくしようとする車両の予想された大きさ及び可能性のある速度に基づいて変えてもよい。個々のスネア部材は、例えばアコーディオン状に折り畳むこと、ロール状に丸めること、又はこれらの組み合わせによってパッケージでき、スピードバンプ1からのスネア部材の速度及び引き出しを制御するようにスピードバンプ1内に配置される。
【0020】
図1Bに示すデバイス100の第2形態即ち展開形態では、露呈されたスパイク6がスピードバンプ1の外側に配置されている。一連のスパイク3のうちの一つのスパイクであるスパイク6の展開は、火工技術により、機械的に(例えばばねによって弾性的に押圧することによって)、電気的に、空気圧で、又はアクチュエータ10を使用する任意の他の適当な技術によって行われる。図1Bに示す実施例では、スピードバンプ1内に配置された膨張可能な嚢10を使用してスパイク6を空気圧で展開してもよい。他の実施例によれば、並進、枢動、これらの組み合わせ、又は任意の他の適当な移動形態を含む様々な動きによってスパイクを展開してもよい。
【0021】
図2を追加的に参照すると、デバイス100を使用して車両を動かなくするための本開示の一実施例による方法が示してある。展開したスパイク8上をタイヤTが転動し、スパイク8がタイヤTに貫入し及び/又はタイヤTにラッチ止めされる。図2に示す第2の構成即ち変形例では、スパイクがタイヤに突き刺さることにより、スネア部材9が展開され、スプールから巻き出され、又はその他の方法で、前にパッケージングが行われた収容構成から引き出される。
【0022】
図3A及び図3Bは、本開示の別の実施例による車両インモビライズデバイス200を示す概略図である。図1A及び図1Bに示す実施例と比較すると、一連のスパイク列の両方がスピードバンプ1の前面に配置されている。即ち、展開されたスパイク14は、その後、デバイス200を乗り越えるホイール(図示せず)と接触し、こうしたホイールが登る最初の表面から突出するようにスピードバンプ1の内側に配置されている。図3Bに示す実施例では、スパイク14は、スピードバンプ1の表面上に設けられた易壊性(frangible) シーム11を通って展開してもよい。
【0023】
図4A乃至図4Cは、本開示の更に別の実施例による車両インモビライズデバイス300を示す。図4Aに示す収納構成では、スパイク12の組がスピードバンプ1の内側に配置されている。本開示による他の実施例と同様に、個々のスパイク組は複数の棘を含んでいてもよい。例えば、図4A乃至図4Cでは、各スパイク組12に二つの棘が設けられている。図4Bに示す部分展開構成では、第1カバー13を作動し、スパイク12の第1の組を露呈できる。本開示による他の実施例と同様に、個々のカバーは、火工技術により、機械的に、電気的に、空気圧で、又は任意の他の適当な技術によって作動できる。図4Cに示す展開構成では、第2カバー13を作動し、スパイク12の別の組を露呈できる。従って、カバー13を二段階で開放することによって、二つのスパイク組12を順次露呈することができる。
【0024】
図5は、本開示の別の実施例による車両インモビライズデバイス350の斜視図である。インモビライズデバイス350は、移動、設置、取り外し、及び再配置を容易にするようにコイル状に巻いた形態で示してある。ファスナ360を使用し、道路表面、例えばアスファルト、コンコリート、又は他の適当な堅固な表面にデバイス350を固定的に位置決めできる。他の実施例では、デバイス350はハウジング(図示せず)内に配置されていてもよい。例えば、デバイス350は、易壊性シームを持つスピードバンプのような形状のリサイクル可能なハウジング内に配置されていてもよい。易壊性シームを通してデバイス350が作動できる。
【0025】
図6A乃至図6Cは、本開示の別の実施例による収納構成の車両インモビライズデバイス400の斜視図である。詳細には、図6B及び図6Cは、適当な環境に配置したデバイス400を示す。図6Cでは、デバイス400を展開するためのセンサ410が展開デバイス400の前方に配置された状態で示してある。
【0026】
センサ410は、車両(図示せず)の存在を決定するために使用できる。例えば、センサ410は、質量、熱、音、電磁場、振動、動き、又は他の適当な特性を含む車両の一つ又はそれ以上の特徴又は特性の存在を確認できる。車両の存在を決定する際、センサ410は、車両インモビライズデバイス100、200、300、350、又は400のうちの一つを展開構成に再構成でき、例えばアクチュエータ10を賦勢し、デバイス100から少なくとも一組のスパイク6を展開できる。
【0027】
本開示の他の実施例によれば、個々のセンサをスピードバンプ1上に配置でき、又はその内側に配置できる。例えば、膨らませた嚢(図示せず)を含む圧力センサをスピードバンプ1の前縁に配置でき、嚢は、車両(図示せず)によって潰されたとき、空気圧信号を空気圧アクチュエータに送出する。別の態様では、近接スイッチが電気信号を火工アクチュエータに送ることができ、又は他の適当なセンサが信号を対応する適当なアクチュエータに送ることができる。
【0028】
図7Aは、本開示の更に別の実施例による車両インモビライズデバイス500を第1構成即ち収納構成で示す部分斜視図である。インモビライズデバイス500は、前傾斜部510及び後傾斜部520を含む。前傾斜部510は、近づいてくるターゲット車両のタイヤ(図7Aには示さず)と最初に係合し、後傾斜部520は、地面G、例えば舗装面と係合したホイールに移行的バックダウン(transition back down)を提供できる。前傾斜部510及び後傾斜部520は、長さ方向軸線Aに沿って延び、長さ、高さ、及び/又は傾斜角度が同じであってもよいし異なっていてもよい。更に、前傾斜部510及び後傾斜部520は、前傾斜部510と後傾斜部520との間のキャビティ530のいずれかの側に一体のユニットとして連結されていてもよいし、別に位置決めされていてもよい。本開示による前傾斜部510及び後傾斜部520の特定の実施例は、夫々、傾斜部表面512及び522を備えていてもよい。これらの表面は、平らな表面、凹状表面、凸状表面、又はこれらの組み合わせを含む。本開示による前傾斜部510及び後傾斜部520の特定の他の実施例は、段階的表面、例えばホイール係合地面Gとキャビティ530との間をつなぐ段を備えていてもよい。
【0029】
図7Aを再び参照すると、インモビライズデバイス500は、更に、制御セグメント560を含んでいてもよい。図7Aに示す制御セグメント560は、インモビライズデバイス500の一端に連結されている。本開示による制御セグメント560の特定の他の実施例は、インモビライズデバイス500に沿った中間位置に、例えば前傾斜部510及び後傾斜部520のセグメント間に配置されてもよい。例えば、インモビライズデバイス500のハウジングセグメント502を、端部から端部まで、組み合わせ、例えば関連し又は配置できる。これらのハウジングセグメント502(例えば、図7Bには、三つの個々のハウジングセグメント502a乃至502c、及び制御セグメント560が示してある)は、長さが同じであってもよいし異なっていてもよい。従って、組み合わせられるべきハウジングセグメント502の数及び長さを選択することによって、インモビライズデバイス500の長さを調節できる。末端セグメント504は、制御セグメント560とは反対側のインモビライズデバイス500の長さ方向一端に連結されていてもよい。例えば、末末端セグメント504は、図7Bに示すように端プレートを含んでいてもよく、又は制御セグメント560とほぼ同じ外部形状及び大きさを備えていてもよい。
【0030】
図7B及び図7Cは、前傾斜部510と後傾斜部520との間でハウジングに組み込まれたキャビティ530を示す。キャビティ530は、展開モジュール(図7B及び図7Cには示さず)を収容する大きさ及び形状を備えている。インモビライズデバイス500の特定の実施例は、傾斜部510及び520を一つしか備えていない。例えば、キャビティが傾斜部と隣接して配置される。インモビライズデバイス500の特定の他の実施例は、傾斜部510及び520のいずれも備えておらず、キャビティ530は、部分的に又は完全にホイール係合地面Gに、例えばトレンチ溝として形成されている。
【0031】
図7B及び図7Cは、更に、ハウジングセグメント502、末端セグメント504、及び/又は制御セグメント560を組み合わせるための、スロット506(図7Bには、二つのスロット506a及び506bが示してある)及びタブ508(図7Cには、二つのタブ508a及び508bが示してある)を含む連結システムを示す。詳細には、個々のタブ508は対応するスロット506と相互係止し、一連のセグメントを互いに関連する。他の実施例は、一連のセグメントを様々な順序で組み合わせることができる、及び/又は様々な長さのインモビライズデバイス500を形成できる様々な連結システムを使用してもよい。
【0032】
図7Dは、制御セグメント560を保護カバーを取り外した状態で示す。制御セグメント560は、例えば、アクチュエータエネルギ源562a、制御装置564、電源566、例えばバッテリーを含んでいてもよい。アクチュエータエネルギ源562aは、アクチュエータ機構570を賦勢するためのガス発生器、加圧アキュムレータタンク、又は任意の他のエネルギ源を含んでいてもよい。図7Dに示す本開示による実施例は、タンク562aからの圧力の解放を制御するための制御マニホールド562bに連結されたタンク562aを示す。制御マニホールド562bとアクチュエータ機構570との間に流体流れ経路を形成するため、配管562cを使用してもよい。制御装置564は、例えば、システムの作動準備完了及び/又は作動準備解除を行うためのスイッチ、システムのモニター、車両検出器410、アクチュエータエネルギ源562、及び/又は電源566を連結するための一つ又はそれ以上の電気回路を含んでいてもよい。制御デバイス564は、スパイク6を展開するため、アクチュエータ機構570の賦勢及び消勢を制御する。制御セグメント560の他の実施例は、上文中に説明した電気システムと同様の、機械的システム、空気圧システム、液圧システム、又は他のシステムを使用してもよい。制御セグメント560は、更に、システムの付随装置、例えば手持ち式遠隔制御デバイス、交換部品、及び/又はインモビライズデバイス500の組み立て又は再設定を行うための工具用の収納空間を含んでいてもよい。
【0033】
図7Aに示すインモビライズデバイス500の実施例には、制御セグメント560から延びる二本のケーブル562d及び562eが示してある。ケーブル562dは、車両検出器410(図6C参照)を制御装置564に接続し、ケーブル562eは、手持ち式遠隔制御デバイス590を制御装置564に接続する。ケーブル562eを介して制御装置564に接続された手持ち式遠隔制御デバイス590に加えて、又はデバイス590の代わりに、無線遠隔デバイス(図示せず)を無線周波数信号、赤外線信号、又はその他の種類の無線信号で制御装置564と通信できる。
【0034】
図7Eは、本開示の一実施例による作動準備完了スイッチ即ちアームスイッチ592及び点火スイッチ594を含む手持ち式遠隔制御デバイス590を示す。アームスイッチ592は、インモビライズデバイス500を「オン」状態にする(例えば、インモビライズデバイス500の引っ掛かり態様を可能にする)及び/又は「オフ」状態にする(例えば、インモビライズデバイス500が従来のスピードバンプのように機能するようにする)のに使用できる。点火スイッチ594は、スパイク6を、車両検出器410からの信号に応じて展開するのでなく、収納構成から手作業で展開するのに使用できる。点火スイッチ594はインモビライズデバイス500を作動準備解除状態にする、例えばスパイク6を展開構成から収納するのにも使用できる。点火スイッチ594は、不時に作動されることがないようにするため、保護カバー596の下に配置されていてもよい。手持ち式遠隔制御デバイス590は、更に、追加の制御装置及び/又は様々なシステムパラメータの状態、例えばアキュムレータタンクの圧力、バッテリーの電圧、等を示すためのディスプレーを含んでいてもよい。
【0035】
図8は、本開示による一実施例の展開モジュール540の概略断面図である。展開モジュール540は、スネア部材9、複数のスパイク6、及びスパイク6をスネア部材9に連結するための複数の繋ぎ紐702をパッケージするためのケース542を含む。ケース542は、キャビティ530を覆い、スネア部材9に対して塵埃シールドを提供するため、例えば金属等の比較的剛性の材料、例えばキャンバス等の比較的可撓性の材料、又はこれらの材料の組み合わせから形成されていてもよい。本開示による一実施例は、キャンバスケース542を含んでいてもよく、これにより、所望である場合には、展開モジュール540を折り畳むことができる。ケース542は、少なくとも一つの開口部544及び少なくとも一つのカバー546を含んでいてもよい。例えば、図5を更に参照されたい。展開モジュール540がキャビティ530に装填されている場合、開口部544により、スパイク6及び/又は繋ぎ紐702を取り出すためにケース542にアクセスできる。伸長構成では、スネア部材9は、スネア部材9及び繋ぎ紐702によって開口部544を通して引っ張られる。
【0036】
図8は、スネア部材9をケース542内にパッケージされた収縮構成で示す。詳細にはスネア部材9は、アコーディオン状に折り畳まれた状態で示してある。本開示によるスネア部材9の特定の実施例は、追加として、又は別の態様として、ロール状に丸められていてもよいし、様々な様式に従って折り畳まれていてもよい。様々な様式の折り畳みの例には、経本折り、折り込み折り、地図折り、及び/又はポスター折りが含まれる。スネア部材9をケース542内にパッケージングすることにより、インモビライズデバイス500からスネア部材9を延ばすことに対して大きな悪影響を及ぼすことなく、スネア部材9を取り扱うことができ、例えば輸送又は装填を行うことができる。
【0037】
図9Aは、インモビライズデバイス500のキャビティ530に装填した展開モジュール540を示す、本開示による一実施例の概略断面図である。前傾斜部510の前傾斜部表面512がキャビティ530の一方の側でアクチュエータ機構570まで延びている。アクチュエータ機構570は上面572を含み、この上面の傾斜角度は、前傾斜部表面512の傾斜角度よりも小さくてもよく、同様であってもよく、又はこれよりも大きくてもよい。本開示によるアクチュエータ機構570の特定の実施例は、ホイール係合地面Gに対して10°乃至30°の範囲の傾斜角度を有する。図9Aでは、上面572の傾斜角度は約20°である。アクチュエータ機構570は、別の態様では、キャビティの反対側に配置されていてもよく、例えば、後傾斜部520の後傾斜部表面522がアクチュエータ機構(図示せず)から下方に傾斜していてもよく、又は個々のアクチュエータ機構(図示せず)がキャビティ530の両側に配置されていてもよい。
【0038】
図9Aは、更に、キャビティ530の底部及び側部のうちの一つ又はそれ以上と形態が一致する大きさ及び形状のケース542を示す。ケース542は、キャビティ530の底部から上方に、キャビティ530の前縁530a及び/又は後縁530bに見合った所定の垂直位置まで延びていてもよい。別の態様では、ケース542の開口部544及び/又はカバー546は、前縁530a及び/又は後縁530bよりも下に位置決めされていてもよい。例えば、図9Aに示すように、キャビティ530内での開口部544及びカバー546の垂直方向位置は、全体として、収納構成でのスパイク6の垂直方向位置と対応していてもよい。図9Aに示す実施例では、前縁530aと後縁530bとの間の横方向間隔は、ホイールTがキャビティ530を跨ぎ、ホイールTとケース542のカバー546とが接触しないように選択されてもよい。従って、ホイールTはインモビライズデバイス500を横切るときに展開モジュール540に衝撃を加えない。
【0039】
図9Bは、収納構成を示す、図9Aに示すインモビライズデバイス500の詳細図である。展開モジュール540がキャビティ530に装填された状態で、スパイク6を展開モジュール540内のスネア部材9に連結する繋ぎ紐702が開口部544を通って延びるように、個々のスパイク6をケース542から取り出してアクチュエータ機構570に装着できる。個々の繋ぎ紐702は、展開モジュール540内のスネア部材9の収納構成に影響を及ぼすことなく、スパイク6を取り出すのに十分な長さを備えていてもよい。
【0040】
図9Cは、展開構成を示す、図9Aに示すインモビライズデバイス500の詳細図である。スパイク6をアクチュエータ機構570によって展開したとき、繋ぎ紐702は、開口部544を通して更に延ばされる。個々の繋ぎ紐702の長さは、それでも、展開モジュール540の内部のスネア部材9の収縮構成に影響を及ぼさないのに十分である。
【0041】
図10A乃至図10Eは、展開モジュール540を取り外した車両インモビライズデバイス500の様々な構成の態様を示す斜視図である。図10Aは、車両インモビライズデバイス500の一部を収納構成で示す。アクチュエータ機構570は、前傾斜部510の後縁514と、キャビティ530の側部532との間に配置されていてもよい。図10Aに示すように、キャビティ530の側部532は、アクチュエータ機構570の側面574によって形成されていてもよい。アクチュエータ機構570は、第1矩形部材570aと、全体が第1矩形部材570aの内側に配置された第2矩形部材570bとを含む。第1矩形部材570aは、上面572、側面574、及び上面572及び側面574に形成された複数のスロット576を含む。本開示によるアクチュエータ機構570の特定の他の実施例は、矩形以外の断面形状、例えばU字形状又はL字形状の部材570a及び/又は570bを含んでいてもよい。
【0042】
収納構成では、例えば図10Bに示すように、第2矩形部材570bは上面572から比較的に離れており、第1矩形部材570aの底面578に比較的近い。底面578と第2矩形部材570bとの間にアクチュエータ580が位置決めされる。アクチュエータ580は、賦勢時に第2矩形部材570bを上面572に向かって移動する。第2矩形部材570bは上面572に又はその近くにあるとき、ばねリテーナ582等の少なくとも一つの係止機構が第2矩形部材570bを第1矩形部材570aに関して係止する。従って、アクチュエータ580は第2矩形部材570bを移動するが、第2矩形部材570bを上面572の近くに維持することは必要とされない。各リテーナ582は、ばねによって押圧されたピンを含んでいてもよい。ピンは、通常は、第2矩形部材570bの移動路の外に保持される。例えば、第2矩形部材570bにより、ばねによって押圧されたピンは、第1矩形部材570a内に突出しないようにされている。このとき、ばねによって押圧されたピンは、もはや第2矩形部材570bの移動経路の外に保持されておらず、例えば、もはや第2矩形部材570bは、ばねによって押圧されたピンが第1矩形部材570a内に突出しないようにブロックしておらず、ばねによって押圧されたピンは、第1矩形部材570a内に突出し、第2矩形部材570bを上面572に又はその近くに係止する。
【0043】
図10Bは、インモビライズデバイス500が収納構成にある場合の、図10aに示すアクチュエータ機構570及びスパイク6の詳細図である。図10Bは、特に、各スパイク6と整合した個々のスロット576を示し、アクチュエータ機構570は非作動形態にあり、第2矩形部材570bは底面578と近接しており、リテーナ582は非係止形態にある。図10Bは、更に、チップ6a及び本体6bを含む個々のスパイク6を示す。チップ6aは、ターゲット車両のホイールを貫通するのに適した、例えば17−4ステンレス鋼等の比較的硬質の材料を含む。チップ6aは本体6bに締り嵌めによって、溶接によって、又は他の適当な連結方法によって連結されていてもよい。本体6bは、チップ6aのベースから突出したスタブを受け入れるシャフトを含んでいてもよく、又はシャフトをチップ6aのベースに設けられた穴に挿入してもよい。各スパイク6は、更に、チップ6a及び本体6bの両方に関して比較的細くなった部分6cを含んでいてもよい。
【0044】
図10Cは、車両インモビライズデバイス500の一部を部分展開形態即ち「作動準備完了」形態で示す。詳細には、図10Cは、スロット576を通って突出した個々のスパイク6、作動形態のアクチュエータ機構570、上面572と近接した第2矩形部材570b、及び係止形態のリテーナ582を示す。図10Cは、更に、個々のスパイク6のベース6dが本体6bよりも大きいが、それでもスロット576を通過できるということを示す。ベース6dは、ターゲット車両の移動ホイールがスパイク6と係合したとき、本体6bが傾くことができるようにするのに適した、例えば304ステンレス鋼等の比較的可撓性の材料を含んでいてもよい。
【0045】
図10Dは、部分展開形態に係止した車両インモビライズデバイス500のリテーナ582を示す。詳細には、ばねによって押圧されたピン584が第1矩形部材570aの内部に突出し、第2矩形部材570bの凹所586と係合した状態で示してある。従って、ばねによって押圧されたピン584は、第2矩形部材570bがアクチュエータ機構570によって上面572に向かって移動された後、第2矩形部材570bが底面578に向かって移動しないようにする。本開示によるインモビライズデバイス500の特定の実施例は、第2矩形部材570bの凹所586を含んでいなくてもよく、及び/又はこれらの凹所586が、第2矩形部材570bを貫通した穴、スロット、又は他の形成部を含んでいてもよい。更に、第2矩形部材570bがアクチュエータ機構570によって上面572に向かって移動された後、第2矩形部材570bが底面578に向かって移動しないようにするため、ばねによって押圧されたピン以外の積極的係止デバイスを使用してもよい。
【0046】
図10Eは、展開形態の車両インモビライズデバイス500の一部を示す斜視図である。上文中に論じたように、インモビライズデバイス500は、端部から端部まで連結された一つ又はそれ以上のセグメント502を含んでいてもよい。制御セグメント560は、図10Eに示すインモビライズデバイス500のセグメント502aに連結された状態で示してある。図10Eは、更に、インモビライズデバイス500の前方に設置されたセンサ410まで延びるケーブル562a、作動形態のアクチュエータ機構570、及び上面572と近接した第2矩形部材570bを示す。詳細には、図10Eでは、スパイク6が第2矩形部材570bから外れており、カバー546が開放されており、例えば後傾斜部520と重なっており、スネア部材9及び繋ぎ紐702が展開モジュール540から取り出されている。本開示によるカバー546の特定の実施例は、セグメント502と同様にセグメント状をなしている(図10Eには、個々のカバーセグメント546a乃至546dが示してある)。カバー546は、展開モジュール540の長さに亘って延びる単一の一体のカバーを含んでいてもよく、又はセグメント502よりも少数の、同数の、又は多数のセグメントを含んでいてもよい。
【0047】
図11A乃至図11Cは、本開示によるアクチュエータ機構800の別の実施例を示す斜視図である。アクチュエータ800は、好ましくは、一つ又はそれ以上のリンク820(例えば、図11Aには四つのリンク820a乃至820dが示してある)によって一組の重なった部材850、860、及び870に作動的に連結された一つ又はそれ以上のアクチュエータ810を含む(例えば、図11Aには、二つのアクチュエータ810a及び810bが示してある)。含まれるアクチュエータ810が単一であってもよいが、アクチュエータ機構800の信頼性を向上するため、複数のアクチュエータが重複して設けられているのが好ましい。個々のアクチュエータ810には、例えば、ピストン/シリンダ組み合わせ、モータ、又は潜在的エネルギ(例えば、圧縮ガス、未点火の火工材料、バッテリーの電気エネルギ、等)を運動エネルギ(例えば線型移動、回転移動、等)に変換する他の周知のデバイスが含まれる。図11Aに示す実施例では、各アクチュエータ810は空気圧作動式ピストン/シリンダ組み合わせ812及び長さ方向に延びるピストンロッド814を含む。連結ロッド816がアクチュエータ810のピストンロッドを互いに作動的に連結する。これにより、アクチュエータ810のいずれか又は両方により、ピストンロッド814をインモビライズデバイス500の長さ方向軸線Aとほぼ平行に並進させ、又はこのような並進が起こらないようにする。
【0048】
個々のリンク820は、好ましくはピストンロッド814の各端のところで、ピストンロッド814に連結されている。図11Aに示すように、各リンク820は、好ましくは、スライド822、一つ又はそれ以上のクランクアーム824、及びリストピン826を含む。各スライド822は、少なくとも一つのピストンロッド814に作動的に連結されていることにより、変位がなされる。好ましくは、個々のスライド822の動きは所定の経路に沿って、例えば直線をなして案内される。一つ又はそれ以上のクランクアーム(図示せず)が個々のスライド822間を延びており且つこれらのスライドを個々のリストピン826で互いに連結する(図12A参照)。各リストピン826は、好ましくは、対応するクランクアームから横方向に延びている。
【0049】
個々のリストピン826は、重なった部材850、860、及び870の各々の対応する軌道又は溝と作動的に係合する。第1部材850は、長さ方向軸線Aとほぼ平行に延びる第1軌道852を含む。従って、第1軌道852は、第1部材850の移動に影響を及ぼさない長さ方向移動範囲のリストピン826を提供する。しかしながら、第1部材850は、本質的に、長さ方向軸線Aに対して垂直なリストピン826の移動に応答する。第2部材860は第1部材850と重なっており、長さ方向軸線Aに対してほぼ垂直に延びる第2軌道862を含む。従って、第2軌道862は、第2部材860の移動に影響を及ぼさない、長さ方向軸線Aに対して垂直な移動範囲のリストピン826を提供する。しかしながら、第2部材860は、本質的に、長さ方向軸線Aと平行なリストピン826の移動に応答する。好ましくは、第2軌道862は、図12A乃至図12Dで最もよくわかるように、いわゆる「ドッグレッグ」形状を備えていてもよい。第3部材870は第2部材860と重なっており、リストピン826の移動を案内する第3軌道872を含む。好ましくは、第3軌道862は、図12A乃至図12Dで最もよくわかるように、全体にL字形状を備えていてもよい。好ましくは、第3部材870はアクチュエータ810に関して全体に固定されており、第1部材850は第2部材860及び第3部材870に対して移動し、第2部材860は第1部材850及び第3部材870に対して移動する。
【0050】
図12A乃至図12Dは、図11A乃至図11Cに示すアクチュエータ機構570の作動順序の本開示による一実施例を示す。インモビライズデバイス500の収納構成では、図12Aに示すように、ピストンロッド814が延ばされており、リストピン826が第1軌道852aの第1端852a、第2軌道862の第1端862a、及び第3軌道872の第1端872aと近接している。
【0051】
アクチュエータ810のイニシエーティングによりピストンロッド814及びスライド822を図12bで右方に変位する。これに応じてクランクアーム824がリストピン826を移動する。リストピン826は、第3軌道872によって全体に長さ方向に、長さ方向経路に沿って、第1中間位置872bまで案内される。第1中間位置872bで、第3軌道872は、リストピン826を長さ方向軸線aに対して垂直方向に案内を開始する。これと同時に、リストピン826は、第1軌道852内で、第1部材850が全体として第3部材870に対して移動しないように、中間位置852bまで移動する。これと同時に、リストピン826は、リストピン826が第2軌道862内で移動するように、第2軌道862の第1端862aと近接したままである。かくして、第2部材860は第3部材870に対して全体に長さ方向に移動する。
【0052】
アクチュエータ810を同じ方向に作動し続けると、ピストンロッド814及びスライド822が図12Cで右方に変位し、クランクアーム824はリストピン826を移動し続ける。リストピン826は、第3軌道872によって、全体に斜行した経路に沿って第2中間位置872cまで案内される。第2中間位置872cでは、第3軌道872はリストピン826を長さ方向軸線aに対してほぼ垂直に案内し始める。これと同時に、リストピン826は第1軌道852内で第2端852cまで移動するが、第1部材850は、全体として第3部材870に対して移動しない。これと同時に、リストピン826は、リストピン826を第2軌道862内で長さ方向に移動するように第2軌道862内で中間位置862bまで移動する。かくして、第2部材860は、第3部材870に対する全体に長さ方向の移動範囲の終端に達する。
【0053】
アクチュエータ810を同じ方向に作動し続けると、ピストンロッド814及びスライド822が図12Dで右方に変位し、クランクアーム824がリストピン826を移動し続ける。リストピン826は、第3軌道872によって、長さ方向軸線Aとほぼ垂直な経路に沿って第3軌道872の第2端872dまで案内される。これと同時に、リストピン826は第1軌道852の第2端852cにとどまり、リストピン826は第1軌道852を長さ方向軸線Aに対してほぼ垂直方向に移動する。かくして、第1部材850は、第3部材870に対して移動する。これと同時に、リストピン826は第2軌道862内で第2端862cまで移動するが、第2部材860は、全体として、第3部材870に対して移動しない。
【0054】
かくして、図11A乃至図12Dに示す本開示の実施例によれば、第2部材860は、第1部材850及び第3部材870に対し、長さ方向軸線Aと平行に移動する。第2部材860のこの相対的移動により、第3部材870のスロット876の下のスパイク6が露呈される。更に、第1部材850は、第2部材860及び第3部材870に対し、長さ方向軸線Aに対して垂直方向に移動する。第1部材850のこの相対的移動により、スパイク6をスロット876を通して延ばし、インモビライズデバイス500を作動準備完了状態にする。
【0055】
図11A乃至図12Dは、更に、ピストン814の方向を逆転するのに使用される随意の再設定工具Rを示す。従って、アクチュエータ機構800をインモビライズデバイス500の収納構成に再設定するのに再設定工具Rを使用できる。
【0056】
図13A乃至図13Hは、本開示によるインモビライズデバイス900の別の実施例を示す。詳細には、インモビライズデバイス900は、インモビライズデバイス900のキャビティ530に配置された展開モジュール540に被せて配置されたシールド910を含む。従って、シールド910は、ホイールTがインモビライズデバイスを横切るときにホイールTを支持し、これによってホイールTに衝撃、圧縮、又は展開モジュール540を損なう他の作用が加わらないようにする。シールド910は、スネア部材9の伸長構成でキャビティ530を露呈するように、及び/又はスネア部材9がインモビライズデバイス900から延びるのに大きな悪影響が及ぼされないように、傾斜部510、520のうちの少なくとも一方に関して移動自在であってもよい。図13Aは、互いに連結された三つのハウジングセグメント902及び二つの末端セグメント904を含むインモビライズデバイス900を示す。図13Bは、作動セグメント902の一つ及び末端セグメント904の一つを互いにリンクするための本開示による別の実施例を示す。詳細には、ペグ906が、協働凹所908の対応する部分に装着されてもよい。図13C及び図13Dは、シールド910を二つの部分開放形態で示す。ホイールTの重量が加わったとき、シールド910を支持するため、キャビティ530に一つ又はそれ以上の支持体912が設けられていてもよい。図13Eは、インモビライズデバイス900のキャビティ530に装着したスネア部材9を示す。スネア部材9は、支持体912を取り囲む個々のメッシュを含んでいてもよく、隣接したハウジングセグメント902に配置されたスネア部材セグメントを互いに関連するメッシュカップラー9aが含まれていてもよい。図13F及び図13Gは、インモビライズデバイス900を作動準備完了状態にするための順序を示す。図13Fに示す収納構成では、スパイク6は、枢動プレート920に取り付けられていてもよい。インモビライズデバイス900を作動準備するとき、押圧部材(図13Gには示さず)により、枢動プレート920及びスパイク6を個々の作動セグメント902から伸長してもよい。図13Hに示す作動準備完了状態では、スパイク6が延び、シールド910が枢動して例えば後傾斜部上に外れるように、ロック(図示せず)が枢動プレート920を維持する。
【0057】
図14A及び図14Bは、スパイクをアクチュエータ機構に解放自在に連結するための、本開示による特定の実施例を示す詳細図である。インモビライズデバイス500又は900の部分展開形態では、個々のスパイク6は、接着、磁気、又は所定の力で解放できる任意の適当な連結手段によって第2矩形部材570bに一時的に及び解放自在に連結されている。図14Aは、ミネソタ州セントポールの3M社が製造している再閉鎖可能なデュアルロック(デュアルロック(Dual Lock)は登録商標である)ファスナを含む、適当な一時的及び解放自在の連結の一例を示す。図14Bは、個々のスパイク6を例えば第2矩形部材570bに一時的に及び解放自在に連結する別の方法を示す。詳細には、好ましくは、少なくとも一つのカップ620を第2矩形部材570bに設ける。個々のスパイク6をカップ620に押し込むため、弾性部材622がカップ620の一部を横切って延びていてもよい。
【0058】
図15Aは、伸長形態のスネア部材9の一実施例の両隅部の部分を示す部分平面図である。スネア部材9は、ネット700、例えばポリエチレンメッシュネットを含んでいてもよい。ネット700は、好ましくは、ターゲット車両のホイールの軌道を包囲するのに適した幅Wを持ち、好ましくは、ターゲット車両のホイールの周囲の少なくとも約1.25倍延びるのに適した長さLを持つ。例えば、ターゲット車両が約165.1cm(約65インチ)の軌道を有し、外径が約71.12cm(約28インチ)のホイールを備えている場合には、ネット700の幅Wは約482.6cm(約190インチ)であり、その長さは少なくとも約279.4cm(約110インチ)である。例におけるネット700の幅は、インモビライズデバイス500のセグメント502の数、ターゲット車両の軌道がインモビライズデバイス500の長さに沿って移動する上での所定の可能な分散、ターゲット車両軌道を越える所定の寸法、及び/又はこれらの及び他のファクタの組み合わせに基づいて選択される。例におけるネット700の好ましい最小長さは、ホイールの周囲の1.25倍を計算することによって選択される。
【0059】
ネット700はメッシュを含んでいてもよく、これらのメッシュは、ネット700の収縮構成では、ほぼ菱形形状を有し、遠い方の向き合った点間の長軸M1は、近い方の向き合った点間の短軸M2の約3倍乃至4倍である。例えば、幅方向での個々のメッシュの大きさは、ネット700の収縮構成、例えば収納構成では約2.54cm(1インチ)であってもよく、長さ方向での個々のメッシュの大きさは、ネット700の収縮構成で約8.89(約3.5インチ)であってもよい。本発明による特定の他の実施例は、ほぼ正方形形状のメッシュを備えていてもよい。
【0060】
メッシュ700は、コードの長さを接合し、メッシュを形成する「ウィーバーズノット(Weavers Knots)」及び/又は「フィッシャーマンズノット(Fisherman's Knot)」 等の周知の技術に従って製造されてもよい。本開示による特定の実施例は、例えば1部のアクリル樹脂及び20部の水を含むアクリル希釈液でネットの材料をコーティングし、結び目の固定を補助し、これらの結び目が滑ったり崩れたりしないようにする工程を含む。
【0061】
本出願人は、約3:1の幅方向延伸倍率を提供するのが望ましい。従って、各メッシュは、幅方向で、例えばターゲット車両のホイール軌道と平行に、その初期寸法よりも3倍大きい寸法まで再成形され、又は延伸される。例えば、メッシュサイズ(未延伸状態)が4.445cm(1.75インチ)×4.445cm(1.75インチ)のネット700は、インモビライズデバイス500が一杯に展開された形態でメッシュ700がターゲット車両のホイールに絡みついた押圧された(延伸された)状態で計測すると、約9.525cm(約3.75インチ)である。この例によれば、ターゲット車両のホイール軌道に捕捉された収縮状態のネット700の約165.1cm(約65インチ)が約622.3cm(約245インチ)まで延ばされ、ほぼホイール軌道内のターゲット車両の下部構造(車台)の特徴に絡みつく。
【0062】
図15Aを再び参照すると、スネア部材9は、更に、ネット700の前縁704aに沿って設けられた第1ストリップ710、ネット700の後縁704bに沿って設けられた第2ストリップ720、及び/又は長さ方向ストリップ730(図15には、個々の長さ方向ストリップ730a及び730bが示してある)を含む。第1ストリップ710は、例えば、リップステッチ(rip-stitching) でネット700に縫い付けられた約2.54cm(約1インチ)幅のナイロンウェブを含んでいてもよい。従って、第1ストリップ710をネット700に固定する方法及び/又は縫製材料により、ターゲット車両のホイールがネット700を展開モジュール540から取り出すのに応じて第1ストリップ710を少なくとも部分的に取り外すことができる。第2ストリップ720は、ネット700のほぼ全長に亘って延びる単一のストリップを含む。第2ストリップ720は、例えば、ターゲット車両のホイールがネット700を展開モジュール540から取り出すのに応じて第2ストリップ720がネット700に少なくとも固定されたままであるようにネット700に固定的に縫い付けられた約5.08cm(約2インチ)幅のナイロンウェブを含んでいてもよい。個々の長さ方向ストリップ730は、第1ストリップ710と第2ストリップ720との間でネット700のメッシュと絡み合った単一のストリップを含んでいてもよい。長さ方向ストリップ730は、ターゲット車両のホイールがネット700を展開モジュール540から取り出すのに応じて長さ方向ストリップ730が少なくとも第1及び第2のストリップ710、720にほぼ固定された状態のままであるように、第1及び第2のストリップ710、720にしっかりと固定されていてもよい。
【0063】
第1ストリップ710、第2ストリップ720、及び/又は長さ方向ストリップ730は、その収縮形態では、例えばインモビライズデバイス500の収納形態では、ほぼネット700と同じ大きさ及び形状を維持する。ネット700の後縁704bに固定された第2ストリップ720は、絡みついたホイールの回転を抑え、これによってターゲット車両が動かないようにするように、ターゲット車両のホイールにスネア部材9をしっかりと保持するのを補助する。長さ方向ストリップ730は、更に、スネア部材9をターゲット車両のホイールにしっかりと保持するのを補助し、及び/又はネット700がターゲット車両のホイールに巻き付くときに拡がらないようにする。
【0064】
図15Bは、個々のスパイク6に連結された繋ぎ紐702の一実施例の詳細図である。繋ぎ紐702は、ネット700の前縁704aのところで個々のメッシュを対応するスパイク6に連結する。個々の繋ぎ紐702は、ネット700と同じ材料で形成されていてもよく、又はスパイク6及びネット700を連結するのに適した任意の他の材料で形成されていてもよい。繋ぎ紐702の端部にループが周知の織製技術又は編製技術によって形成されていてもよい。
【0065】
図16A及び図16Bは、図7A乃至図7Dの車両インモビライズデバイス用のスネア部材の他の実施例の部分図である。図16Aは、繋ぎ紐702をネット700’の構造と一体化した、本開示による特定の実施例の一例を示す。ネット700’の形成に使用されたコードは、ネット700’の前縁704aを越えて延びて個々のスパイク6に連結されているか或いは、スパイク6が例えば図16Aに示すようにネット700’の前縁704aと一体化されている。図16Bは、別体の繋ぎ紐702をなくし、スパイク6をネット700’’に、好ましくはネット700’’を形成するのに使用されたコードに直接連結した、本開示による他の特定の実施例の一例を示す。
【0066】
第1ストリップ710は、第1ストリップ710の少なくとも一つの中断部710cがターゲット車両のホイール軌道内に位置決めされるように、複数のセグメント(例えば、図16Bには二つのセグメント710a及び710bが示してある)を含んでいてもよい。例えばネット700、700’、又は700’’を含む本開示による特定の実施例でセグメント状第1ストリップ710を使用してもよい。
【0067】
本開示によれば、ネット700は、様々な性能要求を満たすように形成できる。例えば、ネットの第1実施例は、第1性能要求を満たすため、専ら単一の種類のファイバで形成されていてもよい。しかしながら、ネットの第2実施例は、第2性能要求を満たすため、二つ又はそれ以上の種類のファイバで形成されていてもよい。「性能要求」とは、運動量を吸収する性能に関する。様々な性能要求の例には、最大80.47km/時(50マイル/時)で走行している最大2.722t(6000ポンド)の第1車両を停止すること、又は最大48.28km/時(30マイル/時)で走行している最大18.144t(40000ポンド)の第2車両を停止することが含まれる。第2車両を停止するための性能要求は、第1車両を停止するための性能要求の約4倍である。本発明者は、展開モジュール540は少なくとも幾つかの共通性を含んでいてもよく、例えば、ケース542は、キャビティ530に装着するのに適した共通の大きさを備えていてもよく、ネット700の構造は、様々な性能要求を満たす及び/又は様々な製造費の様々な展開モジュール540を提供するようにネット700の構造を変えてもよいということを発見した。
【0068】
図17は、図15のスネア部材及び/又は図16の繋ぎ紐702の形成に使用できる本開示によるコード750の一実施例の詳細図である。コード750は、ファイバ又はフィラメント752で形成されていてもよく、これらのファイバ又はフィラメントを互いに撚って糸754を形成する。本開示による特定の実施例は、フィラメント752を右撚り(right laid)方向に撚る工程を含む。これは、「ゼットツイスト(Z-twist)」 としても周知である。複数の糸754(図17には三本の糸754が示してある)を互いに撚ってストランド756を形成する。本開示による特定の実施例は、糸754を左撚り(left laid) 方向に撚る工程を含む。これは、「エスツイスト(S-twist)」 としても周知である。複数のストランド756(図17には三本のストランド756が示してある)を互いに撚ってコード750を形成する。本開示による特定の実施例は、ストランド756を右撚り方向に、即ち「ゼットツイスト」で撚る工程を含む。本開示による他の実施例は、三本よりも多数の又は少数の糸754、三本よりも多数の又は少数のストランド756、及び/又はエスツイスト及びゼットツイストの様々な組み合わせを含む。コード750の形成で、他の技術、例えば撚りでなく編製を使用してもよい。
【0069】
コード750は、本開示による特定の実施例で、ハイブリッド構造を備えていてもよい。例えば、フィラメント752は複数の材料を含んでいてもよく、個々の糸754に様々な材料を使用してもよく、個々のストランド756に様々な材料を使用してもよく、及び/又はコード750の形成でこれらの各々の組み合わせが含まれていてもよい。適当な材料及びこれらの材料の特性の幾つかの例を以下の表1に記載する。
【0070】
【表1】

【0071】
表1で特定したコードのサイズはインチ単位であり、表1で特定した強度は、ポンド単位で表した引張強度である。摩擦堅牢度(abrasion)及び費用特性は、表1に特定した材料についでである。本開示による特定の実施例は、更に、これよりも大きい又は小さいサイズのコード、例えば直径が約0.345cm(約0.136インチ)の#96サイズのコードを使用してもよい。
【0072】
本開示の特定の実施例によるファイバ材料、糸材料、ストランド材料、又はコード材料の混合物を使用し、例えば性能、重量、摩擦堅牢度、及び費用等の特徴の組が、ネット700全体について、均質なファイバ、糸、ストランド、及びコードを使用した場合と異なるネット700を形成してもよい。従って、本発明者は、様々な態様に対して展開モジュール540を注文製作するのに様々なネット700を使用でき、例えばセグメント502及び560等のインモビライズデバイス500の他の特徴が少なくとも幾分かの共通性を共有してもよいということを発見した。
【0073】
次に、車両インモビライズデバイスを実施するための本開示の実施例による方法を説明する。検問所、入口ゲート、又は車両の通行のスクリーニングを行うのが望ましい任意の他の場所の「停止ゾーン」の前に位置決めされた「判定ゾーン」に車両インモビライズデバイス100、200、300、又は400を位置決めする。当該位置に近づく車両は、代表的には、当該位置に配置された保安要員が、車両が判定ゾーンの停止箇所に来たときに車両の取り調べを行うことができるように、減速する。敵意のない車両は、代表的には、判定ゾーンの通過を許可され、停止ゾーンを迂回する。車両が判定ゾーンでの取り調べに対して停止しない場合には、保安要員は、車両が例えば車両インモビライズデバイス100を乗り越える前に、センサ、例えばセンサ410がアクチュエータ機構510を賦勢し、スパイク6を展開するように、車両インモビライズデバイス100、200、300、又は400の作動準備を選択的に完了できる。車両が車両インモビライズデバイス100を乗り越えると、スパイク6が車両の前輪のタイヤに刺さり、これにラッチ止めされる。車両が動き続けると、タイヤはスネア部材9をスピードバンプ1から引き出し、スネア部材9が捩じれ、回転しているタイヤの周囲に絡み付く。次に、スパイク7がスピードバンプ1の外に展開され、車両の後輪タイヤに刺さり、これにラッチ止めされる。車両が動き続けると、スネア部材5がスピードバンプ1から引き出され、捩じれ、回転している後輪タイヤの周囲に絡み付く。次いで、絡み付いたスネア部材は、タイヤが梃子の作用で車両の下部構造に押し付けられて停止するまで、捩じれ続ける。従って、車両の減速及び停止を制御された非致死的方法で行うことができる。
【0074】
本開示によれば、他の実施例は、後輪タイヤ用スパイクを展開するための様々な特徴を含んでいてもよい。例えば、スパイク7は、前輪タイヤが車両インモビライズデバイス100、200、300、又は400の一つを乗り越える時間と、後輪タイヤが車両インモビライズデバイス100、200、300、又は400の一つを乗り越える時間との間の時間よりも短い所定期間後に展開されてもよい。例えば、スパイク6の展開後所定期間後に、例えば約0.1秒を越えない時間後にスパイク7を展開するのにスマート論理タイミングデバイスを使用してもよい。後輪タイヤ用スパイクは、更に、前輪タイヤが所定長さのスネア部材を引き出した後に展開されてもよく、又は後輪タイヤと車両インモビライズデバイス100、200、300、又は400との接触に基づいて展開されてもよい。前輪タイヤが車両インモビライズデバイスを乗り越えた後、及び後輪タイヤが車両インモビライズデバイスに乗り上げる前に後輪タイヤ用スパイクが展開される限り、この他の技術を使用してもよい。
【0075】
本開示によれば、スパイクを露呈するためにスピードバンプを萎ませる又は圧縮することによってスパイクの展開を行うことができる。従って、前輪タイヤが、例えば車両インモビライズデバイス100の第1部分を萎ませてスパイク6を露呈し、これらのスパイク6と係合してもよく、次いで後輪タイヤが車両インモビライズデバイス100の第2部分を萎ませてスパイク7を露呈し、これらのスパイク6と係合してもよい。
【0076】
本開示によれば、更に他の実施例は、交通経路の選択的位置に位置決めされるようになったポータブルスピードバンプの形態でパッケージングされた、又はポータブルスピードバンプ内に収容された車両インモビライズデバイスを含んでいてもよい。スピードバンプは、交通を減速するのにも使用でき、特定の車両の運転者に知られずに、車両乗員に対する損傷の危険を最小にして、特定の車両を選択的に動かなくすることもできる。
【0077】
本開示によれば、車両インモビライズデバイスの別の実施例を、特定の車両を見込んで、遠隔操作で作動準備完了状態にすることができる。特定の車両がスピードバンプに近づくと、返しが付いたスパイクをスピードバンプから展開し、一連の捕獲イベントを開始する。また、車両がスピードバンプに達する前に車両インモビライズデバイスを遠隔操作で作動準備解除状態にすることもできる。作動準備解除状態にされると、車両インモビライズデバイスは単に交通を減速するための従来のスピードバンプに戻る。
【0078】
本開示によれば、車両インモビライズデバイスの更に他の実施例は、乗り入れ道路又は通路の道路勾配の下に永久的に又は半永久的に設置でき、上文中に説明した方法に従って遠隔操作で又は直接的に賦勢できる。本開示の別の実施例によれば、個々のスネア部材をハウジングから車両のタイヤに向かって、例えば火工材料によって発射できる。
【0079】
本開示の実施例によれば、スパイクは、スネア部材の縁部の近くで、スネア部材のネット接合部(例えば結び目)のところでスネア部材に連結されていてもよく、又はスネア部材の表面に亘って分配されていてもよい。裏打ち層即ち二重張層を使用してスパイクをスネア部材の構造的ストランドに連結してもよい。
【0080】
本開示の更に別の実施例によれば、スパイクは、スピードバンプのハウジングに関してばね負荷されていてもよく、又は他の方法で押圧されていてもよい。従って、ばね又は押圧エレメントをアクチュエータで解放することにより、スパイクを展開できる。
【0081】
本開示の更に別の実施例によれば、車両インモビライズデバイスを現場で改装するためのキットは、アクチュエータ機構を賦勢するための展開モジュール及び/又は交換エネルギ源を含んでいてもよい。
【0082】
本開示による追加の実施例は、車両インモビライズデバイスに電力を提供するバッテリー又は太陽電池、バッテリーの充電状態及び車両インモビライズデバイスが作動準備完了状態にあるかどうかを示すインジケータ、車両インモビライズデバイスの作動制御を評価するための自己診断装置、及び車両インモビライズデバイスを適当な距離から遠隔操作で作動準備完了状態にするための無線又は有線の制御装置を含んでいてもよい。更に、本開示による実施例は、車両インモビライズデバイスを通過する重量のある車両に耐えるための強化体を含んでいてもよく、又は車両インモビライズデバイスが水や砂塵等の様々な環境に露呈されないように保護するための特徴を含んでいてもよい。更に、本開示による実施例は、地形及び車両インモビライズデバイスの所期の実施に従って、例えば単一の又は一つ以上の走行レーンを横切って延びるようにサイズが定められていてもよい。
【0083】
以上から、本発明の特定の実施例を例示の目的で本明細書中に説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができるということは理解されよう。従って、本発明は、特定の実施例によって制限されない。
【符号の説明】
【0084】
100 車両インモビライズデバイス
1 スピードバンプ
2、3 タイヤスパイク
4、5スネア部材
8 展開したスパイク
9 スネア部材
10 嚢

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転ホイールを含む車両の移動に影響を及ぼすための装置において、
長さ方向軸線に沿って延びるハウジングと、
前記長さ方向軸線に沿って延び、前記ハウジングと隣接して配置された展開モジュールと、
収縮構成及び伸長構成を持ち、前記展開モジュール内に前記収縮構成で配置され、前記伸長構成で前記ホイールに巻き付くように形成されたスネアと、
前記スネアが収縮構成にある状態で前記ホイールに引っ掛かるように形成された引っ掛かり部材とを含む、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
前記ハウジングは、前記長さ方向軸線とほぼ平行に延びる第1及び第2の傾斜部を含み、前記キャビティ展開モジュールが前記第1及び第2の傾斜部間に配置されている、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において、
前記第1傾斜部は、ホイール係合地面から前記キャビティの前縁まで上り勾配の前傾斜部表面を含み、前記展開モジュールは、前記キャビティ内に配置されており、前記第2傾斜部は、前記キャビティの後縁から前記ホイール係合地面まで下がり勾配の後傾斜部表面を含む、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置において、
前記ハウジングは、前記長さ方向軸線に沿って延びる複数のハウジングセグメントを含む、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置において、更に、
隣接したハウジングセグメントを前記長さ方向軸線に沿って連結する少なくとも一つのリンクを含む、装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置において、
個々のリンクは、第1ハウジングセグメントから延びるタブ及び第2ハウジングセグメントに形成されたスロットを含み、前記タブが前記スロットと相互係止し、前記第1ハウジングセグメントを前記第2ハウジングセグメントに関し、前記長さ方向軸線に沿って固定する、装置。
【請求項7】
請求項4に記載の装置において、
前記ハウジングは、更に、前記スネアが前記収縮構成にあるとき、前記引っ掛かり部材の展開を制御するように形成された制御セグメントを含む、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置において、更に、
前記制御セグメントを前記ハウジングセグメントの一つに前記長さ方向軸線に沿って連結する少なくとも一つのリンクを含む、装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置において、
前記展開モジュールは、前記スネアが前記収縮構成にある状態で前記スネアをパッケージングするハウジングを含み、前記ハウジングは、前記スネアが前記収縮構成にある状態で前記キャビティに装着され、前記スネアが前記伸長構成にある状態で前記キャビティから取り出されるように形成されている、装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置において、
前記展開モジュールは、前記引っ掛かり部材を前記スネアに連結する繋ぎ紐を含み、前記繋ぎ紐は、前記スネアが前記収縮構成にある状態で前記ハウジングの開口部を通って延びる、装置。
【請求項11】
回転ホイールを含む車両の移動に影響を及ぼすための装置において、
前記ホイールに引っ掛かるように形成された複数の引っ掛かり部材と、
前記ホイールが横切るように前記車両の経路に位置決めされるように形成された、前記引っ掛かり部材が前記引っ掛かり部材の収納構成で配置されたハウジングと、
前記引っ掛かり部材の展開構成で前記引っ掛かり部材を前記ハウジングから延ばすように形成されたデバイスと、
前記引っ掛かり部材に連結されたスネアと、を含み、前記スネアは、前記ハウジングに収納構成で配置されており、伸長構成で前記ホイールの周囲に巻き付くように形成されている、装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置において、
前記ハウジングは複数の穴を含み、前記引っ掛かり部材は、前記引っ掛かり部材の展開構成で前記穴を通って延びる、装置。
【請求項13】
請求項11に記載の装置において、
前記デバイスは、前記引っ掛かり部材を前記引っ掛かり部材の前記展開構成に維持するように形成されたロックを含む、装置。
【請求項14】
請求項11に記載の装置において、
個々の引っ掛かり部材は、第1及び第2の端間を延びる細長い本体と、前記第1端に連結されたチップと、前記第2端に連結されたベースとを含むスパイクを含み、前記チップは、前記本体に関して比較的硬質であり、前記ベースは、前記本体に関して比較的可撓性である、装置。
【請求項15】
回転ホイール間に所定の幅を持つ車両の移動に影響を及ぼすためのスネアにおいて、
個々のメッシュの伸長構成と収納構成との間の幅方向延伸倍率が約3:1であるように形成されたメッシュを含む、スネア。
【請求項16】
請求項15に記載のスネアにおいて、
前記メッシュの幅は、前記回転ホイール間の幅とほぼ同じであり、前記メッシュの長さは、少なくとも、前記回転ホイールの一つの周囲と同じである、スネア。
【請求項17】
請求項15に記載のスネアにおいて、更に、
前記メッシュに連結されたウェブを含み、前記ウェブは、
前記ホイールの回転に対し、前記メッシュの前縁に沿って配置された前縁ストリップと、
前記ホイールの回転に対し、前記メッシュの後縁に沿って配置された後縁ストリップと、
前記メッシュの長さに沿って配置された少なくとも一つの長さ方向ストリップと、を含む、スネア。
【請求項18】
請求項15に記載のスネアにおいて、
前記前縁ストリップは、前記メッシュの前記前縁にリップステッチで連結された少なくとも一つのストリップセグメントを含み、前記後縁ストリップは、前記メッシュの前記後縁のほぼ全体に固定的に縫い付けられた単一のストリップを含み、各長さ方向ストリップは、前記前縁ストリップ及び前記後縁ストリップに固定的に縫い付けられており、前記前縁ストリップと前記後縁ストリップとの間で個々のメッシュと絡み合っている、スネア。
【請求項19】
請求項15に記載のスネアにおいて、更に、
前記前縁ストリップを、前記ホイールに連結されるように形成された引っ掛かり部材に連結する少なくとも一つの繋ぎ紐を含む、スネア。
【請求項20】
請求項15に記載のスネアにおいて、
前記メッシュは、(1)少なくとも二つのファイバ材料、(2)少なくとも二つの糸材料、(3)少なくとも二つのストランド材料、及び(4)少なくとも二つのコード材料のうちの少なくとも一つの混合物を含む、スネア。
【請求項21】
請求項20に記載のスネアにおいて、
前記材料は、ポリエステル、ポリエチレン、及びアラミドのうちの少なくとも二つを含む、スネア。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図13E】
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【図13F】
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【図13G】
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【図13H】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【公表番号】特表2013−508588(P2013−508588A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535341(P2012−535341)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/053425
【国際公開番号】WO2011/053495
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(511080454)パシフィック サイエンティフィック エナジェティック マテリアルズ カンパニー (4)
【Fターム(参考)】