説明

自動車両との正面衝突の際に人を保護するための装置

【課題】コンパクトかつ簡単な装置を提供することである。
【解決手段】この装置は、車両にしっかり取着可能な長めのハウジング(1)を有し、このハウジングは直線状に上昇可能に案内される上部(1c)を有し、この上部には、ヒンジ支持体が取着されているか、上部はヒンジ支持体を直接に形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に記載の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
歩行者、スケーターまたは2輪車乗りが、自動車両によって轢かれ、フロントフードまたはエンジンフードならびに風防ガラスへ投げられて、少なくとも重傷を負う事故が年々多数起こっている。この場合、特に成人の事故被害者の頭部および上体が危険に晒されている。何故ならば、この人は、自動車両との衝突の際に、衝突実験および実際の経験が示したように、ほぼ、フロントフードの、後方の比較的硬い領域で、風防ガラスへの移行部にぶつけられ、かなり負傷するからである。
【0003】
このような要求に基づいて、自動車産業は、この点で人の保護を改善するという問題に鋭意取り組んでいる。
【0004】
この問題を解決するための一連の可能性は知られている。例えば、風防ガラスの手前にあるネット状の受け押え要素、あるいは、風防ガラスとフロントガラスの間の移行領域にある、衝突の場合にセンサの制御で膨張可能なエアバッグ。
【0005】
DE 28 41 315に関連したDE 28 14 107 Aは、人の、フロントフードへの衝突の際の、負傷の危険性を減少させる他の解決原理を示す。この原理は、フロントフードの、走行方向と反対の後方の領域、その領域に位置している比較的硬くかつ剛直な衝撃領域を著しく緩和するという思想に基づく。このことは、衝突センサによって作動される、フロントフードを静止位置から、この静止位置に比べて持ち上げられた柔軟な衝突位置へ調節するための装置によって、すなわち、いわゆる「アクティブなフロントフード」によって引き起こされる。フロントフードが、衝突センサによって検知される、人との衝突の際に、静止位置すなわち通常位置よりも持ち上げられた衝突位置に柔軟に調節されることによって、フロントフードと、車両の硬い下部構造(エンジン等)との距離、すなわち、人の胸部または頭部の衝突の際に、より好都合なエネルギ低下の方向に作用する、車両の車体の変形距離が形成される。この変形距離は頭部および胸部の緩やかな減速および負傷の危険性の低下を引き起こす。
【0006】
フロントフードの「アクティブな」上昇としては、異なった作動方法を有する一連の構造的な可能性が知られている。
【0007】
例えば、DE 197 12 961 A1は、風防ガラス側にヒンジ装置によって回転自在に取り付けられている「アクティブなフロントフード」による、衝突に対する保護を示す。このヒンジ装置は、旋回自在または可動に取り付けられたヒンジ支持体によって、間接的に車両前部の車体に取着されており、衝突の場合、フロントフードは、ヒンジ支持体に係合するエネルギ蓄積手段、好ましくはばね蓄勢手段によって、上方に旋回または移動されすなわち持ち上げられることができる。
【0008】
この知られた構造は、ヒンジ装置自体を、取り付けられたヒンジ支持体によって、車両よりも持ち上げるという思想に基づいている。それ故に、衝突の場合の、ヒンジ装置とフロントフードとの間の複雑な解除手段を設けることは必要ない。
【0009】
本発明はこの構造原理を前提にする。
知られた例では、3つの実施の形態が示されている。
【0010】
第1の実施の形態では、いわばヒンジ装置のためのベースプレートを形成するヒンジ支持体の、前方の端部部分は、螺着プレートの回転軸によって、前方のフェンダのための支柱に関節式に結合されている。ヒンジ支持体の、後方の端部部分は、センサで制御されるロック手段によって、偏心的に取り付けられたロッキング・バーにロックされている。回転軸から所定の間隔をあけて、エネルギ蓄積手段、例えば予圧されたコイルばねが、ヒンジ支持体に関節式に係合する。衝突の場合に、ロック手段は解除され、ヒンジ支持体は解放される。このヒンジ支持体は、予圧されたコイルばねの故に、回転軸を中心として迅速に上方へ旋回され、フロントフードを、ヒンジ装置と共に所定の角度だけ持ち上げる。その他に、ヒンジ支持体が、衝突の場合に、ピボット軸受なしに、リンクガイドによって、限定された行程だけ上へ上昇される2つの実施の形態も示されている。一方の実施の形態では、ヒンジ支持体は、2つのアーチ状に湾曲されたガイド・アームに載っている。他方の実施の形態では、傾斜して設けられており、力を逸らす中間要素を介してヒンジ支持体に結合されているピストン・シリンダユニットが設けられている。
【0011】
1つのガイド・アームによるヒンジ支持体の上昇の場合および2つガイド・アームによる上昇の場合、上昇の際には、力を逸らす手段が必要である。このことによって、摩擦損失の他に、構成要素の分解による力の損失が生じる。このことは、上昇のためにばね蓄勢手段を使用するまさにその際に、不都合であることが明らかになる。何故ならば、ばね蓄勢手段は、相応に大きい寸法でなければならず、従って、上昇装置が取着されねばならない個所では必ずしも用いられないかなりの空間を要するからである。更に、ヒンジ支持体の手動による戻りすなわち逆動の際には、より大きな力が必要である。更に、2つのガイド・アームによるヒンジ支持体のガイドの場合、湾曲した軌道が必要である。このことは、前記の欠点に追加して、ばね蓄勢手段のばねのための湾曲した軌道を必要とする。この軌道は、確実にヒンジ支持体を上昇するために、非常に費用をかけてのみ作られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
自動車両との正面衝突の際に人を保護するための、明細書導入部に記載の装置を、ばね蓄勢手段によるフロントフードの上昇の際に力の逸らしが不要であるように、更に、保護装置の非常にコンパクトなかつ比較的単純な構造が達成されるように、形成するという課題が、本発明の基礎になっている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題の解決は、自動車両との正面衝突の際に人を保護するための装置であって、自動車両は、車両前部を覆うフロントフードを有し、このフロントフードは風防ガラス側の、車両の両側で、各々のヒンジ装置を介して車両前部の車体に回動自在に連結されており、この保護装置は、ヒンジ装置が車体側で連結されており、かつ車両前部の車体に上昇可能に取着されているヒンジ支持体と、このヒンジ支持体を上昇させるためのばね蓄勢装置と、センサで制御されるアクチュエータを持つ解除・押え装置とを具備し、この解除・押え装置は、ヒンジ支持体が基本状態では押さえ付けられており、衝突の場合には、限られた上昇運動(作動行程)のために、フロントフードをヒンジ領域で持ち上げつつセンサ制御で解放されることができるように、形成されてなる装置において、本発明により、この装置は、車両にしっかり取着可能な長めのハウジングを有し、このハウジングは直線状に上昇可能に案内される上部を有し、この上部には、ヒンジ支持体が取着されているか、上部はヒンジ支持体を直接に形成していること、一端には、ハウジングにしっかりと互いに平行に延びている支持ボルトに回転自在に連結されており、かつ他端には、複数のガイドボルトを有する2つの旋回レバーが設けられており、ガイドボルトは、ガイド穴内で摺動可能に保持されており、これらのガイド穴自体は、ハウジングの上部に結合されている延長部に形成されていること、および複数の旋回レバーには、夫々、これらの旋回レバーを上昇方向に予圧するための少なくとも1つの上昇ばねが割り当てられていることによって、実現される。
【0014】
本発明に係わるレバー・上昇装置の、直線状に上昇可能に案内されるヒンジ支持体によって、ヒンジ支持体の、同形のかつ確実な上昇が保証されている。レバー上昇装置の簡単な構造は、装置の単純なかつ安価な構造を可能にする。
【0015】
入れ子式のハウジング部分によって、最も短い全長(閉じられた全長が、移動する上昇行程よりも短い)でもおよび僅かな幅でも、繰り出された状態で、大きな力を縦方向に吸収することができるコンパクトなシステムを形成することができることは好都合である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図面に種々の図および状態で示された実施の形態を参照して、本発明の詳述する。
【0017】
自動車両との前面衝突の際に人を保護するための、図面に示された、本発明に係わる装置は、ヒンジ装置によって風防ガラスの側に取り付けられた、自動車両のフロントフードが、人との衝突の場合に、取付領域で、フロントフードのヒンジ装置を含めて、車両前部の車体に対し所定の行程だけ上昇されるという原理に基づいている。
【0018】
装置は、まず、実質的に矩形のハウジング1を有する。このハウジングは、フロントフードをアクティブに上昇させるためのセンサ制御される構成要素を有し、車両前部の車体で、従来の方法で、ヒンジ装置の領域に、好ましくは、フェンダの支柱に取着されている。この場合、車両前部の両側には、夫々、このような装置が取着されている。
【0019】
図1ないし4に示した図示した実施の形態では、ハウジングは、互いに入れ子式の3つのハウジング部分と、ハウジングの底部を複数の側壁と共に形成しかつ車体側にしっかり取着されている下部1aと、複数の側壁を延長するための移動可能な中間部分1bと、ハウジングの蓋部を複数の側壁と共に形成する同様に移動可能な上部1cとからなる。個々のハウジング部分は、典型的には、端面に、対応のガイドを有する。その目的は、中間部分及び上部の、確実なかつ傾かない上昇を保証するためである。
【0020】
上部1cは、頭部側に、実質的に矩形のプレート2(以下、上昇プレートという)を有する。この上昇プレートには、典型的には、ヒンジ支持体が取着されている。このヒンジ支持体は、シーソーのように偏心的に連結されていることができる。ヒンジ支持体には、フロントフードのための対応のヒンジ装置、例えば、4つの関節からなるヒンジ(4-Gelenk-Scarnier)が、周知のように、車体側に取着されている。フロントフードを取着するためにはヒンジフランジが設けられている。ヒンジフランジには、ヒンジロッドの、2つの上方の関節が連結されている。
【0021】
しかしまた、上昇プレートが直接ヒンジ支持体として形成されていてもよい。
【0022】
例えば図3および4に示すように、上昇プレートが繰り出されるとき、ヒンジ支持体従ってまたヒンジ装置は、フロントフードの後部と共に上昇される。この場合、ヒンジ支持体従ってまたヒンジ装置および乗用車のフロントフードは、明快にするために、図示されていない。
【0023】
ハウジングの、車体にしっかり取着された下部1aには、長辺の壁部では、端面の領域に、2つの支持ボルト(Lagerbolzen)3,4が互いに平行にしっかり取着されている。これらの支持ボルトには、夫々、旋回レバー5,6が回転自在に取り付けられている。更に、これらの支持ボルトには、夫々、上昇用のコイルばね7,8の大きなばね力が付勢されている。このばね力によって、夫々、脚部がハウジングにしっかり緊張されており、他方の脚部は、夫々、対応の旋回レバーを上昇方向に支えつつ、この旋回レバーを把持する。
【0024】
互いに交差する、同じ長さの旋回レバー5,6の自由端は、夫々、ガイドボルト9,10を有する。このガイドボルトは、案内されつつ、ガイド穴11,12内に保持されている。これらのガイド穴は、支持プレート13の、下方の延長部13a,13bに形成されている。支持プレート自体は、上昇プレート2の下側に取着されている。上昇プレートが相応に大きい寸法であるときは、この支持プレートは省略することができる。
【0025】
更に、ハウジングの下部1aには、作動された状態では押し出されたボルト14aを有する、センサで制御される火工技術的なアクチュエータ14が取着されている。押え用のコイルばね16によって押え方向に予圧されている2腕式の押えつめ15が、回転自在に連結されている。上方の腕、押え腕、押えつめ15は、被押えつめ17と解除可能に作用係合しており、他方、下方の腕、制御腕は、アクチュエータ14のボルト14aと作用係合している。
【0026】
更に、ハウジングの底部には、対応の開口部の上に、上昇されたシステムの、これから説明される逆動のためのねじスリーブ18がしっかり取着されている。
【0027】
図1及び2に示した基本状態では、ハウジング部分1ないし1cは入れ子式に折り畳まれており、旋回レバー5,6は、折り畳まれていて、水平状態にある。上昇用のコイルばね7,8は予圧されている。押えつめ15の、フック状の押え腕は、被押えつめ17と作用係合しており、支持プレート13を上昇プレート(ヒンジ支持体)と共に上昇ばねの予圧力に抗して押さえ付ける。
【0028】
アクチュエータ14が解除されるとき、このアクチュエータはボルト14aを押し出す。このボルトは、押えつめ15を、押え用のコイルばね16のばね力に抗して、開放しつつ回転させる。このことによって、押えつめ15と被押えつめ17との間の作用係合は取り消される。上昇用の強いコイルばね7,8の大きな予圧力をかけられて、旋回レバー5,6は上昇しつつ回転する。この場合、ガイドボルト9,10は、旋回レバーの端部に沿って、支持プレートの従ってまたハウジングの上部1cのガイド穴11,12内で摺動する。上部1cが平行に案内されかつ旋回レバーの腕が回転することによって、上昇運動がなされる。旋回レバーの円運動から生じる水平方向の相対行程は、長孔によって形成されたガイド穴11,12によって補償される。上昇された状態は、図3及び4に示されている。
【0029】
望まない解除の場合、または、例えば車の出し入れの際の、人の関与なしに、軽度の衝突なしにまたは軽度の衝突により解除する場合に、あるいは検査の目的での解除の場合に、上昇されたシステムを逆動することが必要である。このことは、最も容易にかつ最も安価には、手動でなされる。上昇ばね7,8の力が非常に高くて、車両前部の両側で上昇される複数のシステムは、面積の大きなフロントフードの湾曲を防止するために、出来る限り同形に逆動されねばならないので、補助ツールが必要である。
【0030】
逆動は、ねじ部分を有する逆動バーを用いてなされる。逆動バーは、上昇プレート2に形成された開口部2aを通って、ねじスリーブ18に取り付けられて、自らの環状カラーで上昇プレートに接触している。逆動バーは、押えつめ15と被押えつめ17との間の、押えるための作用係合が再度形成されるまで、捩じ込まれる。この後、逆動バーは除かれる。この逆動は、複数の過程で、2つの上昇装置において、交互に実行される。
【0031】
図5,6には、本発明の第2の実施の形態が示されている。この実施の形態では、2つの旋回レバーの均等な上昇を改善するために、2つの旋回レバーの運動の同時作動がなされる。複数の構成要素が図1ないし4の構成要素と機能的に同一である限り、これらの構成要素は同一の参照符号を有する。
【0032】
第1の実施の形態と異なり、2つの旋回レバー5,6は、ハウジングの中央で、下部1aに平行に設けられた2つの支持ボルト3,4上に互いに一直線に並んで、回転可能に取り付けられている。これらの旋回レバーは、支持領域に、複数の歯車19,20を有する。これらの歯車は、取り付けられた状態では、互いに噛合しており、従って、同時作動の回転運動を保証する。
【0033】
旋回レバー5,6は、夫々、上昇用の二重のコイルばね7,8によって、システムの基本状態で予圧されている。これらのコイルばねの間には、夫々、割り当てられた旋回レバーが位置している。
【0034】
2つの旋回レバーは、上方の腕に、夫々、しっかり取り付けられたガイドボルト9,10を有する。これらガイド支持ボルトは、第1の実施の形態と同様に、ガイド穴11,12内で摺動する。これらのガイド穴は、ハウジングの上昇可能な上部1cの延長部13a,13bに形成されている。
【0035】
図1ないし4の場合のように、延長部13aには、被押えつめ17が形成されている。ばねで予圧された押えつめ15は、この被押えつめへ、ラッチ式に係合する。押えつめは、ハウジングにしっかりと下部1aに回転自在に連結されている。
【0036】
アクチュエータ14が解除されるとき、このアクチュエータはボルトを押し出す。このボルトは、押え用のコイルばね16の力に抗して、押えつめ15を旋回し、これにより、被押えつめ17を解除する。このことによって、上昇用の2つの二重のコイルばね7,8は、旋回レバー5,6を、同時作動の運動中に、上昇しつつ旋回させる。ガイドボルト9,10および支持プレートの延長部13a,13bによって、ハウジングの上部1cが連行される。
【0037】
上昇された状態は、図6に点線で示されている。
【0038】
更に、第2の実施の形態に対して述べたことが相応に当て嵌まる。
【0039】
上昇システムに関して、フロントフードの上昇の際に、例えば位置移動を保証するために、平行な調整ではなく、ハウジングの上部1cの望ましい角位置が望まれるとき、このことは、図5,6に示した第2の実施の形態の変更の実施の形態において、ガイド穴が旋回レバー5,6の非対称なレバーの長さに適合されることによって、達成される。
【0040】
図示した複数の実施の形態が好適な実施の形態であるが、本発明がこれらの実施の形態に限定されないことは明らかである。
【0041】
ハウジング1は、図1ないし4の場合のように3部構成のみならず、図5ないし8に示した実施の形態の場合のように2部構成のみならず、1部構成でデザインされていてもよく、ハウジングの蓋部を形成する上昇プレートを有する。この上昇プレートは、追加の複数のガイドを有し、この上昇プレートには、延長部13a,13bが取着されている。
【0042】
実際また、押え・解除システム(14ないし17)が異なって形成されていてもよい。例えば、この押え・解除システムは、被押えつめ17の代わりに、回転つめによって把持される保持ボルトを有することもできる。火工技術的なアクチュエータの代わりに、電源によって作動可能な復旧電磁石が設けられていてもよく、逆動も他の方法でなされてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】引っ込んだ基本状態にある、本発明に係わる、ヒンジ支持体用の旋回レバー上昇装置の、その第1の実施の形態を等角投影図で示す。
【図2】引っ込んだ基本状態にある、図1に示す装置の縦断面図を示す。
【図3】解除されて上昇された状態にある、図1に示した上昇装置を等角投影図で示す。
【図4】同様に繰り出された状態にある、図3に示した装置を、縦断面図で示す。
【図5】図6に示した装置の水平断面図を示す。
【図6】旋回レバーの上昇運動を歯車により対称的な旋回レバーと同時作動させることを示す第2の実施の形態を、略垂直縦断面図で示す。
【図7】図8に示す装置の水平断面図を示す。
【図8】図6のように同時作動された旋回レバー、但し非対称的な旋回レバーを示す第3の実施の形態を、略縦断面図で示す。
【符号の説明】
【0044】
1 ハウジング
1a ハウジングの下部
1b ハウジングの中間部分
1c ハウジングの上部
2 上昇プレート
2a 開口部
3 支持ボルト
4 支持ボルト
5 旋回レバー
6 旋回レバー
7 上昇用のコイルばね
8 上昇用のコイルばね
9 ガイドボルト
10 ガイドボルト
11 ガイド穴
12 ガイド穴
13 支持プレート
13a (支持プレートの)延長部
13b (支持プレートの)延長部
14 アクチュエータ
14a 押出し可能なボルト
15 押えつめ
16 押え用のコイルばね
17 被押えつめ
18 ねじスリーブ
19 歯車
20 歯車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両との正面衝突の際に人を保護するための装置であって、この自動車両は、車両前部を覆うフロントフードを有し、このフロントフードは風防ガラス側の、車両の両側で、各々のヒンジ装置を介して前記車両前部の車体に回動自在に連結されており、
前記ヒンジ装置は、車体側に連結されており、かつ前記車両前部の車体に上昇可能に取着されているヒンジ支持体と、このヒンジ支持体を上昇させるためのばね蓄勢装置と、センサで制御されるアクチュエータを持つ解除・押え装置とを具備し、この解除・押え装置は、ヒンジ支持体が基本状態では押さえ付けられており、衝突の場合には、限られた上昇運動(作動行程)のために、フロントフードをヒンジ領域で持ち上げつつセンサ制御で解放されることができるように、形成されてなる装置において、
この装置は、車両にしっかり取着可能な長尺のハウジング(1)を有し、このハウジングは、直線状に上昇可能に案内される上部(1c)を有し、この上部には、前記ヒンジ支持体が取着されているか、前記上部は前記ヒンジ支持体を直接に形成していること、一端には、ハウジングにしっかりと互いに平行に延びている支持ボルト(3,4)に回転自在に連結されており、かつ他端には、複数のガイドボルト(9,10)を有する2つの旋回レバー(5,6)が設けられており、前記ガイドボルトは、ガイド穴(11,12)内で摺動可能に保持されており、これらガイド穴自体は、前記ハウジングの前記上部(1c)に結合されている延長部(13a,13b)に形成されていること、および前記旋回レバー(5,6)には、夫々、これらの旋回レバー(5,6)を上昇方向に予圧するための少なくとも1つの上昇ばね(7,8)が割り当てられていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記上昇ばね(7,8)は、前記支持ボルト(3,4)に保持されているコイルばねとして形成されており、これらのコイルばねのうち、一方の脚部は前記ハウジングにしっかりと緊張されており、他方の脚部は対応の前記旋回レバーを抱持することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記2つの旋回レバー(5,6)は、同じ長さであることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記2つの支持ボルト(3,4)は、夫々、端面に隣接したハウジング領域に設けられており、前記旋回レバー(5,6)は、互いに側方にずれて前記支持ボルト(3,4)に取り付けられており、交差する前記旋回レバーの前記ガイドボルト(9,10)は、前記対応のガイド穴(11,12)内に保持されていることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記2つの旋回レバー(5,6)は、異なった長さであることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項6】
前記2つの支持ボルト(3,4)は、前記ハウジングの中央に設けられており、前記2つの旋回レバー(5,6)は、互いに一直線状に前記支持ボルトに取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記旋回レバー(5,6)の支持領域では、レバーの丸くなった端部の周囲の一部分に、夫々、歯車(19,20)が取着されており、向かい合った前記複数の歯車は、取り付けられた状態では、噛合していることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
各々の旋回レバー(5,6)には、二重のコイルばね(7,8)が割り当てられていることを特徴とする請求項2または7に記載の装置。
【請求項9】
前記解除・押え装置は、前記ハウジングにしっかり連結されておりかつ閉じ方向に予圧された押えつめ(15)を有し、この押えつめは、前記アクチュエータ(14)と解除可能に作用係合するための制御腕と、前記ハウジングの前記上部(1c)と結合されている被押えつめ(17)と解除可能かつ押え可能に作用係合するための押え腕とを有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1に記載の装置。
【請求項10】
前記ハウジング(1)は、複数構成で入れ子式にデザインされていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1に記載の装置。
【請求項11】
前記ハウジングの底部には、逆動バーを収容するためのねじソケット(18)が取着されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2007−506607(P2007−506607A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518008(P2006−518008)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【国際出願番号】PCT/EP2004/006572
【国際公開番号】WO2005/005209
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(505104984)アイエスイー・インノモーティブ・システムズ・ヨーロップ・ゲーエムベーハー (9)
【Fターム(参考)】