説明

自動車用消耗品の性能測定法

少なくとも1つの燃料噴射バルブ、潤滑システムおよびそれぞれがコンピュータに操作できるように結合された少なくとも3つのCANbusネットワークノードを有する自動車において、エンジン潤滑油、燃料およびタイヤからなるグループから選ばれる少なくとも1つの自動車用消耗品の性能を決定する方法で、その方法は少なくとも1つの燃料噴射バルブを通して燃料をエンジンに供給しエンジン潤滑油でエンジンを潤滑しながら車を運転することからなり、そこで第1CANbusネットワークノードがコンピュータに少なくとも1つの燃料噴射バルブの開放時間に基づくエンジン燃料供給速度を示す信号を送り、1つまたはそれ以上の第2CANbusネットワークノードがエンジンのパワーアウトプットを示す1つまたはそれ以上の変数を示す信号をコンピュータに送り、1つまたはそれ以上の第3CANbusネットワークノードが車の運転条件を示す1つまたはそれ以上の信号をコンピュータに送り、コンピュータが1つまたはそれ以上の第2CANbusネットワークノードによってコンピュータに送られる1つまたはそれ以上の信号、1つまたはそれ以上の第3CANbusネットワークノードによってコンピュータに送られる1つまたはそれ以上の信号および予め決められたアルゴリズムを用いて運転条件に対して補正されたエンジンのパワーアウトプットを示す変数(補正パワーアウトプット)を計算し、コンピュータが補正パワーアウトプットおよびエンジン燃料供給速度を示す信号を伝送および/または記憶することを特徴とする方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車用消耗品の性能測定法、特にエンジン潤滑油、燃料およびタイヤからなるグループから選ばれる少なくとも1つの自動車用消耗品の性能測定法に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
エンジン潤滑油、燃料およびタイヤのような自動車用消耗品の性能測定は新規な潤滑油、燃料およびタイヤの開発プロセスの一部として有用である。そのような消耗品の性能測定は実験室での“ローリングロード”上のような標準条件下で車を運転することによってあるいは試験床上のエンジンの外でエンジンを運転することによって行うことができる。そのような方法の不利な点は運転条件が車による一般的使用での実際の運転条件に対応しないかもしれないことである。
【0003】
路上試験での車両運転によるエンジン潤滑油、燃料あるいはタイヤの性能測定は、異なるエンジン潤滑油、燃料あるいはタイヤ間の比較のため、比較しうる運転条件を達成するため非常に注意しなければならないという不利益を有する。
【0004】
これらの問題を克服あるいは少なくとも緩和する、エンジン潤滑油、燃料またはタイヤのような自動車用消耗品の性能測定法の必要性が残されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かくして、本発明によれば、少なくとも1つの燃料噴射バルブ、潤滑システムおよび各々がコンピュータに操作可能に接続された少なくとも3つのネットワークノードからなるCANbusネットワークをもつエンジンを有する自動車のエンジン潤滑油、燃料およびタイヤからなるグループから選ばれる少なくとも1つの自動車用消耗品の性能を測定する方法が与えられ、その方法は:
エンジンに少なくとも1つの燃料噴射バルブを通して燃料を供給しつつ、エンジン潤滑油でエンジンを潤滑しながら車両を運転することからなり、そこで
第1CANbusネットワークノードが少なくとも1つの燃料噴射バルブの開放時間に基づくエンジン燃料供給速度を示す信号をコンピュータに送り、
1つまたはそれ以上の第2CANbusネットワークノードがエンジンのパワーアウトプットを表す1つまたはそれ以上の変数を示す1つまたはそれ以上の信号をコンピュータに送り、
1つまたはそれ以上の第3CANbusネットワークノードが車の運転条件を示す1つまたはそれ以上の信号をコンピュータに送り、
コンピュータが1つまたはそれ以上の第2CANbusネットワークノードによってコンピュータに送られる1つまたはそれ以上の信号、1つまたはそれ以上の第3CANbusネットワークによってコンピュータに送られる1つまたはそれ以上の信号および予め決められたアルゴリズムを用いて車の運転条件に対して補正したエンジンのパワーアウトプットを示す変数(補正パワーアウトプット)を計算し、さらに
コンピュータが補正パワーアウトプットおよびエンジン燃料供給速度を示す信号を伝送および/または記憶ことを特徴とする。
【0006】
本発明は上述の技術的問題を少なくとも1つの燃料噴射バルブの開放時間に基づく燃料供給速度を示すCANbus信号を用いることによって解決する。そのようなエンジン燃料供給速度は一般に車の燃料タンク中の燃料の量に基づく速度よりもより正確である。
【0007】
本発明はまた上述の技術的問題を1つまたはそれ以上の第2CANbusネットワークノードによってコンピュータに送られる1つまたはそれ以上の信号、1つまたはそれ以上の第3CANbusネットワークノードによってコンピュータに送られる1つまたはそれ以上の信号および予め決められたアルゴリズムを用いて車両運転条件に対して補正したエンジンのパワーアウトプットを示す変数(補正パワーアウトプット)を計算することによって解決する。
【0008】
本発明は補正パワーアウトプットおよび車両エンジンの実際の運転条件下で集められるべきエンジン燃料供給速度を示す信号を与える。本発明はローリングロード上で運転される車両で用いてもよいが、好ましくは本発明の方法は路上試験における補正パワーアウトプットおよびエンジン燃料供給速度を示す信号を得るために用いられ、それは“リアルワールド”のデータを与える利点がある。
【0009】
本発明で使用される自動車はCANbusシステムを備えたどんな車両でもよい。本発明で用いられる車両はハイブリッド車でもよい。
【0010】
本発明で用いられるエンジンはスパーク点火エンジンおよび/または圧縮点火エンジンでよい。
【0011】
CANbusは従来の多電線織機(マルチワイヤルーム(multi−wire looms))に代わって個々のシステムおよびセンサーを結びつけるために自動車上で用いられるシリアルコミュニケーションシステムである。CANはコントローラエリアネットワークの頭字語である。それは乗用車および営業車でますます普通のものになってきている。CANbusから得られるデータの全体はSAE規格J1939で定義されている。
【0012】
CANbusネットワークノードはFMS CANbus規格に一致する。FMS CANbus規格は欧州の自動車製造業者間のトラックおよびバスからのCANbus情報を標準化するための協定合意である(FMSはフリートマネジメントシステム(全車両管理システム)を表す)。規格の目標は既知の標準化されたやり方でCANbus技術を用いて車の情報を得るための手段を与えることである。FMS CANbusシステムはDAF、メルセデスベンツ、スカニア、ボルボ、MAN、イヴェコおよびルノーのような欧州製トラックで利用できる。全てのFME CANbusシステムがFMS CANbus規格に従って利用できる全てのデータを与えるわけではない。規格の全ては(www.fms−standard.com)から得られる。
【0013】
CANbusネットワークノードは少なくとも下記の事項を示す信号をコンピュータに送る:
(a) 少なくとも1つの燃料噴射バルブの開放時間に基づくエンジン燃料供給速度;
(b) 参照エンジントルク、
名目摩擦パーセンテージトルク、
実エンジンパーセンテージトルク
ドライバー要求エンジンパーセンテージトルク、
エンジン速度、
エンジン負荷、
車輪に基づく車両速度、
追加圧力、
吸気マニホールド温度、
交流発電機電流、
交流発電機電位、
エンジントルク、
エンジン回転速度、
車両速度、および
それらの組合せ
からなるグループから選ばれるエンジンのパワーアウトプットを示す1つまたはそれ以上の変数、および
(c) 外気温度、
吸気マニホールド温度、
車両重量、
充電システム電位(ボルト)、
電気的負荷、
牽引力および
それらの組合せ
からなるグループから選ばれる1つまたはそれ以上の運転条件。
【0014】
高度もまた本発明で用いられる車両運転条件であるが、これはコンピュータに直接信号を供給する全地球測位システム(GPS)から入手できる。
【0015】
CANbusは1MHzまでのバス速度、例えば250KHzで操作できる。CANbusネットワークノードはFMS CANbusノードでよい。FMS CANbus規格はウェブページ(www.fms−standard.com)から入手できる。
【0016】
FMS規格を用いてCANbusから検索されるデータは
・ 実車両速度
・ トラック寿命間全走行距離
・ 実燃料消費量
・ トラック寿命間全燃料消費量
・ タコグラフ速度
・ タコグラフのドライバーノブ状態
・ タコグラフの運転時間規制超過警告
・ タコグラフの過回転および方向指示器
・ 車両識別(VINナンバー)
・ ブレーキスイッチ
・ クルーズ・コントロール(車速設定装置)の状態
・ クラッチスイッチ
・ PTO(パワーテイクオフ、即ち例えばポンプや吊り上げ装置のような補助的なシステムを駆動するためのエンジンの使用)のオン/オフ
・ スロットルの位置
・ アクセル荷重と位置
・ 全走行時間
・ 次の定期整備および
・ エンジン温度
からなるグループから選ばれる1つまたはそれ以上のデータである。
【0017】
多くの異なる車両システムが同じバス・ハードウェアを共有するので、利用できるCANbusバンド幅を最も安全上重要なシステムに割り当てることが重要である。ノードは3つの優先準位の1つに割り当てられる。例えば、エンジン制御、ブレーキおよびエアバッグのような安全システムを活性化するための指令に最高の優先度が与えられ、より重要でないものより先に作動される。オーディオおよびナビゲーション装置は中位の優先度を与えられ、照明の単なる活性化には最低の優先度が与えられる。アービトレーション(調停)として知られるプロセスがメッセージの優先度を決定する。実際に、使用者にとって、全ての作動は即時に現れる。
【0018】
CANbusネットワークノードはコンピュータに無線で結合されてもよい。好ましくは、CANbusネットワークノードは電線を通してコンピュータに直接結合される。CANbusネットワークノードは信号をオンボードのプロセッサに送りそれは積載コンピュータまたは車から離れたコンピュータにデータを送る前にデータを整列または記憶する。
【0019】
コンピュータは車から離れていてもあるいは車上に積載されたコンピュータでもよい。
【0020】
積載コンピュータは
・ 伝達装置およびアンテナ
・ 位置決め装置およびアンテナ
・ 車のドライバーと相互に作用するスクリーンとキーボード、および
・ エレクトロニクスとプログラムをもったユニット
【0021】
積載コンピュータは車のドライバーをナビゲーション、コミュニケーション、指令操作、人時間/活動度の記載、位置決めなどで支援する。積載コンピュータは車のタコグラフに接続されてもよい。タコグラフはCANbusインターフェースを備えていてもよい。
【0022】
積載コンピュータは補正パワーアウトプットおよびエンジン燃料供給速度を示す信号を衛星、携帯電話、双方向ラジオまたは他の無線伝達装置を通して送る。積載コンピュータは代わりにあるいはさらに補正パワーアウトプットおよびエンジン燃料供給を示す信号を記憶することもできる。
【0023】
CANbusからの信号および/または補正パワーアウトプットおよびエンジン燃料供給を示す信号は、同じか、同様または同程度の補正パワーアウトプットで得られたデータをその同じか、同様または同程度の補正パワーアウトプットでの相対エンジン燃料供給速度を決定するため相互に比較できるようにデータ保管場所に置かれる。
【0024】
コンピュータは1つまたはそれ以上の第2CANbusネットワークノードによってコンピュータに送られた1つまたはそれ以上の信号を用いてエンジンのパワーアウトプットを示す変数(算出パワーアウトプット)を計算しまた1つまたはそれ以上の第3CANbusネットワークノードによってコンピュータに送られた1つまたはそれ以上の信号を用いて予め決められたアルゴリズムに従い補正パワーアウトプットを与えるように補正する。コンピュータは算出パワーアウトプットおよび補正パワーアウトプットを同時にまたは順次に計算する。好ましくは、コンピュータは算出パワーアウトプットを計算しついで算出パワーアウトプットを1つまたはそれ以上の第3CANbusネットワークノードによってコンピュータに送られた1つまたはそれ以上の信号を用いて予め決められたアルゴリズムに従い補正パワーアウトプットを与えるように補正する。
【0025】
本発明によって測定された補正パワーアウトプットおよびエンジン燃料供給速度を示す信号はエンジン潤滑油、燃料およびタイヤからなるグループから選ばれる少なくとも1つの自動車用消耗品の性能の尺度を与える。
【0026】
コンピュータによって伝送および/または記憶される補正パワーアウトプットおよびエンジン燃料供給速度を示す信号はエンジン潤滑油、燃料およびタイヤからなるグループから選ばれる少なくとも1つの異なる自動車用消耗品を用いて得られた少なくとも1組の補正パワーアウトプットおよびエンジン燃料供給速度を示す信号についてのデータと比較される。コンピュータによって伝送および/または記憶される補正パワーアウトプットおよびエンジン燃料供給速度を示す信号からなるデータセットはある時間にわたって車を運転しながら集められる。追加のデータセットが1つまたはそれ以上の異なる自動車用消耗品を用いて車を運転しながら集められる。少なくとも1つの自動車用消耗品の性能が1つまたはそれ以上のそのようなデータセットから決定される。特に、同じか、同様または同程度の補正パワーアウトプットをもつが異なる自動車用消耗品を用いて得られたデータを選ぶことにより、それらの消耗品の性能が、同じか、同様または同程度の補正パワーアウトプットを有するデータに対してエンジン燃料供給速度を示す信号を比較することによって決定および/または比較できる。
【0027】
本発明の方法は、必ずしも同程度の運転条件を達成しようと努めることなくある時間にわたって車を運転することを可能にする。補正パワーアウトプットおよびエンジン燃料供給速度を示す信号からなる十分なデータセットを集めることにより、少なくとも1つのデータセットが異なる自動車用消耗品を用いて得られたデータセットの補正パワーアウトプットと同じか、同様または同程度の補正パワーアウトプットを有し、このようにして同じか、同様または同程度の補正パワーアウトプットでそれらのデータセット間のエンジン燃料供給速度を示す信号の比較が可能になる。そのような比較は自動車用消耗品の性能を決定あるいは比較するために用いられる。
【0028】
コンピュータによって伝送および/または記憶される補正パワーアウトプットおよびエンジン燃料供給速度を示す信号からなるデータセットはそれぞれ異なるエンジン潤滑油を用いるが同じ燃料とタイヤを用いて2つまたはそれ以上の運転時間で車を運転しながら集められる。それぞれの運転時間から十分なデータセットを集めることによって、2つの運転時間のそれぞれからの少なくとも1組のデータセットは同じか、同様あるいは同程度の補正パワーアウトプットをもつ。エンジン潤滑油は異なるが同じか、同様あるいは同程度の補正パワーアウトプットをもつそれらのデータセットに対してエンジン供給速度を示す信号を比べることにより、潤滑油の相対的性能が決定される。
【0029】
コンピュータによって伝送および/または記憶される補正パワーアウトプットおよびエンジン燃料供給速度を示す信号からなるデータセットはそれぞれ異なる燃料を用いるが同じエンジン潤滑油とタイヤを用いて2つまたはそれ以上の運転時間で車を運転しながら集められる。それぞれの運転時間から十分なデータセットを集めることによって、2つの運転時間のそれぞれからの少なくとも1つのデータセットは同じか、同様あるいは同程度の補正パワーアウトプットをもつ。燃料は異なるが同様あるいは同程度の補正パワーアウトプットをもつそれらのデータセットに対してエンジン燃料供給速度を示す信号を比べることにより、燃料の相対的性能が決定される。
【0030】
コンピュータによって伝送および/または記憶される補正パワーアウトプットおよびエンジン燃料供給速度を示す信号からなるデータセットはそれぞれ異なるタイヤを用いるが同じエンジン潤滑油と燃料を用いて2つまたはそれ以上の運転時間で車を運転しながら集められる。それぞれの運転時間から十分なデータセットを集めることによって、2つの運転時間のそれぞれからの少なくとも1つのデータセットは同じか、同様あるいは同程度の補正パワーアウトプットをもつ。タイヤは異なるが同じか、同様あるいは同程度の補正パワーアウトプットをもつそれらのデータセットに対してエンジン燃料供給速度を示す信号を比べることにより、タイヤの相対的性能が決定される。
【0031】
本発明の方法はエンジン潤滑油、燃料およびタイヤからなるグループから選ばれる自動車用消耗品の評価に用いられ、好ましくは新しいエンジン潤滑油および/または燃料の評価に用いられる。
【0032】
本発明の方法は自動車用消耗品についてのマーケティング情報を与えるために用いられる。
【0033】
本発明の方法は顧客あるいは潜在的顧客に自動車用消耗品の性能についての情報を与えるために用いられる。
【0034】
本発明の方法はドライバーの差異および/または天候条件による変異を除くあるいは少なくとも軽減する利点を有する。
【0035】
本発明はここに例としてのみまた添付の図を参照して述べられ、そこで図1は本発明の方法におけるコンピュータへの信号の送信を模式的な形で表している。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の方法におけるコンピュータへの信号の送信を模式的な形で表した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1を参照すると、少なくとも1つの燃料噴出バルブ(示されていない)、潤滑システム(示されていない)とCANbusネットワーク(15)をもつエンジン(14)を有する自動車(示されていない)がエンジンに少なくとも1つの燃料噴射バルブを通して燃料を供給し、エンジン潤滑油でエンジンを潤滑しながら運転される。
【0038】
第1CANbusネットワークノード(1)はコンピュータ(3)に少なくとも1つのエンジン燃料噴射バルブの開放時間(4)に基づくエンジンの燃料供給速度を示す信号(2)を送る。1つまたはそれ以上の第2CANbusネットワークノード(5)はコンピュータ(3)にエンジンのパワーアウトプットを示す1つまたはそれ以上の変数を示す1つまたはそれ以上の信号(6)を送る。1つまたはそれ以上の第3CANbusネットワークノード(8)はコンピュータ(3)に自動車運転条件を示す1つまたはそれ以上の信号(9)を送る。コンピュータ(3)は1つまたはそれ以上の第2CANbusネットワークノード(5)によってコンピュータ(3)に送られる1つまたはそれ以上の信号(6)、1つまたはそれ以上の第3CANbusネットワークノード(8)によってコンピュータ(3)に送られる1つまたはそれ以上の信号(9)および予め決められたアルゴリズムを用いてエンジンのパワーアウトプットを示す変数(補正パワーアウトプット)を計算する。コンピュータは補正パワーアウトプット(12)およびエンジン燃料供給速度を示す信号(2)を移送および/または記憶する。
【0039】
コンピュータ(3)は1つまたはそれ以上の第2CANbusネットワークノード(5)によってコンピュータ(3)に送られた1つまたはそれ以上の信号(6)を用いてエンジンのパワーアウトプットを示す変数(算出パワーアウトプット)(10)を計算し、ついでエンジンの算出パワーアウトプット(10)を予め決められたアルゴリズムに従って補正パワーアウトプット(12)を与えるように1つまたはそれ以上の第3CANbusネットワークノード(8)によってコンピュータ(3)に送られた1つまたはそれ以上の信号(9)を用いて補正する。
【0040】
補正パワーアウトプットとコンピュータによって伝送および/または記憶されたエンジン燃料供給速度を示す信号からなるデータセットは車をある時間にわたり運転しながら集められる。追加のデータセットが車を1つまたはそれ以上の異なる自動車用消耗品を用いて運転するときに集められる。少なくとも1つの自動車用消耗品の性能が1つまたはそれ以上のそのようなデータセットから決定される。特に、異なる自動車用消耗品を用いて得られたが同じか、同様または同程度の補正パワーアウトプットをもつデータを選ぶことにより、それらの消耗品の性能が、同じか、同様または同程度の補正パワーアウトプットをもつデータに対するエンジン燃料供給速度を示す信号を比較することによって決定および/または比較される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの燃料噴射バルブ、潤滑システムおよびそれぞれがコンピュータに操作可能に結合された少なくとも3つのネットワークノードからなるCANbusネットワークをもつ自動車において、エンジン潤滑油、燃料およびタイヤからなるグループから選ばれる少なくとも1つの自動車用消耗品の性能を測定する方法で、
エンジンに燃料を少なくとも1つの燃料噴射バルブを通して供給しエンジン潤滑油でエンジンを潤滑しながら車を運転することからなり、そこで
第1CANbusネットワークノードが少なくとも1つの燃料噴射バルブの開放時間に基づくエンジン燃料供給速度を示す信号をコンピュータに送り、
1つまたはそれ以上の第2CANbusネットワークノードがエンジンのパワーアウトプットを示す1つまたはそれ以上の変数を示す1つまたはそれ以上の信号をコンピュータに送り、
1つまたはそれ以上の第3CANbusネットワークノードが車の運転条件を示す1つまたはそれ以上の信号をコンピュータに送り、
コンピュータが1つまたはそれ以上の第2CANbusネットワークノードによってコンピュータに送られる1つまたはそれ以上の信号、1つまたはそれ以上の第3CANbusネットワークノードによってコンピュータに送られる1つまたはそれ以上の信号および予め決められたアルゴリズムを用いて運転条件に対して補正したエンジンのパワーアウトプットを示す変数(補正パワーアウトプット)を計算し、そして
コンピュータが補正パワーアウトプットおよびエンジン燃料供給速度を示す信号を伝送および/または記憶する
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
コンピュータが1つまたはそれ以上の第2CANbusネットワークノードによってコンピュータに送られる1つまたはそれ以上の信号を用いてエンジンのパワーアウトプットを示す変数(算出パワーポイント)を計算し、コンピュータがエンジンの算出パワーアウトプットを予め決められたアルゴリズムに従い1つまたはそれ以上の第3CANbusネットワークノードによってコンピュータに送られる1つまたはそれ以上の信号を用いて補正パワーアウトプットを与えるように補正することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
コンピュータが算出パワーアウトプットを計算し、ついでエンジンの算出パワーアウトプットを予め決められたアルゴリズムに従い1つまたはそれ以上の第3CANbusネットワークノードによってコンピュータに送られる1つまたはそれ以上の信号を用いて補正パワーアウトプットを与えるように補正することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
エンジンのパワーアウトプットを示す1つまたはそれ以上の変数が、参照エンジントルク、名目摩擦パーセンテージトルク、実エンジンパーセンテージトルク、ドライバー要求エンジンパーセンテージトルク、エンジン速度、エンジン負荷、車輪に基づく車両速度、追加圧力、吸気マニホールド温度、交流発電機電流、交流発電機電位、エンジントルク、エンジン回転速度、車両速度、およびそれらの組合せからなるグループから選ばれることを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の方法。
【請求項5】
車両運転条件が外気温度、吸気マニホールド温度、車両重量、充電システム電位(ボルト)、電気的負荷、牽引力およびそれらの組合せからなるグループから選ばれる1つまたはそれ以上の運転条件であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の方法。
【請求項6】
補正パワーアウトプットおよびコンピュータによって伝送および/または記憶されるエンジン燃料供給速度を示す信号がエンジン潤滑油、燃料およびタイヤからなるグループから選ばれる少なくとも1つの異なる自動車用消耗品を用いて得られる少なくとも1つの補正パワーアウトプットおよびエンジン燃料供給速度のデータセットと比較されることを特徴とする請求項1〜5の何れか1つに記載の方法。
【請求項7】
補正パワーアウトプットおよびコンピュータによって伝送および/または記憶されるエンジン燃料供給速度を示す信号のデータセットが、燃料およびタイヤは同じだがそれぞれ異なるエンジン潤滑油を用いて2つまたはそれ以上の運転時間で運転しながら集められることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
補正パワーアウトプットおよびコンピュータによって伝送および/または記憶されるエンジン燃料供給速度を示す信号のデータセットが、エンジン潤滑油およびタイヤは同じだがそれぞれ異なる燃料を用いて2つまたはそれ以上の運転時間で運転しながら集められることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
補正パワーアウトプットおよびコンピュータによって伝送および/または記憶されるエンジン燃料供給速度を示す信号のデータセットが、エンジン潤滑油および燃料は同じだがそれぞれ異なタイヤを用いて2つまたはそれ以上の運転時間で運転しながら集められることを特徴とする請求項6に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2010−502888(P2010−502888A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527187(P2009−527187)
【出願日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際出願番号】PCT/GB2007/003144
【国際公開番号】WO2008/029078
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(501354624)カストロール リミテッド (8)
【Fターム(参考)】