自動車用燃料タンク
【課題】内蔵部品が強固に燃料タンクの外壁内面に融着することができ、充分な強度を有する燃料タンクを提供する。
【解決手段】自動車用燃料タンク1において、内蔵部品20には、燃料タンクの外壁の内面に融着して内蔵部品20を取付ける取付部材30が複数設けられる。取付部材30は、燃料タンクの外壁の内面に当接する当接部32が形成される。当接部32は、燃料タンクの外壁の内面に密着する当接面33と、当接面から突出し先端部の断面形状が三角形で、燃料タンクの外壁の内部に侵入する突条34が形成され、突条34の頂点の当接面からの高さは燃料タンクの外壁の肉厚の30%〜70%であることを特徴とする自動車用燃料タンクである。
【解決手段】自動車用燃料タンク1において、内蔵部品20には、燃料タンクの外壁の内面に融着して内蔵部品20を取付ける取付部材30が複数設けられる。取付部材30は、燃料タンクの外壁の内面に当接する当接部32が形成される。当接部32は、燃料タンクの外壁の内面に密着する当接面33と、当接面から突出し先端部の断面形状が三角形で、燃料タンクの外壁の内部に侵入する突条34が形成され、突条34の頂点の当接面からの高さは燃料タンクの外壁の肉厚の30%〜70%であることを特徴とする自動車用燃料タンクである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性合成樹脂製の燃料タンクに関するものであり、特に、熱可塑性合成樹脂部材をブロー成形することにより外壁が形成され、内部に内蔵部品を有する燃料タンクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車用等の燃料タンクの構造としては、金属製のものが用いられていたが、近年、車両の軽量化や、錆が発生しないこと、所望の形状に成形しやすいことなどによって熱可塑性合成樹脂製のものが用いられるようになってきた。
熱可塑性合成樹脂製の自動車用燃料タンクの製造は、中空体を成形することの容易性からブロー成形方法が多く用いられてきた。ブロー成形方法では、溶融した熱可塑性合成樹脂部材のパリソンを円筒状にして上から押出して、そのパリソンを金型で挟みパリソン中に空気を吹き込み、自動車用燃料タンクを製造していた。
【0003】
一方、ブロー成形方法においても、燃料タンクの内部にバルブ類や燃料の流動音を抑制するためのバッフルプレート等の内蔵部品を設けることが求められている。
そこで、内蔵部品120を樹脂枠にセットして、その樹脂枠を金型内にセットして、ブロー成形して樹脂枠を燃料タンクの外壁の内周面に固着して内蔵部品120を燃料タンク内部に取付けるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかしこの場合には、内蔵部品120を樹脂枠にセットして燃料タンクの外壁の内周面に固着するため、成形後に樹脂枠を切除する手間が必要であり、小さい内蔵部品120では、樹脂枠が大きくなり、重量が増加する場合がある。
【0005】
また、燃料タンクの内部に内蔵部品を設けるには、図14〜図15に示すように行っている場合もある(例えば、特許文献2参照。)。
それは、まず、図14に示すように、パリソン208がブロー成形金型240内に入る前に内蔵部品220を支持棒241に載せて、ブロー成形金型240を開いて、その内部に位置させる。その後、ブロー成形金型240を開いたままで、パリソン208を下降させて、パリソン208の内部に内蔵部品220が位置するようにする。
【0006】
その後、図15に示すように、ブロー成形金型240を閉じる前に、ブロー成形金型240の両側から押圧ピン242を出し、パリソン208を押圧して、パリソン208を内蔵部品220の側端に押付ける。このとき、パリソン208の内面はまだ固化していないので、パリソン208と内蔵部品220の側端は、融着することができる。
そして、支持棒241を下降させて、ブロー成形金型240を閉じて、空気を吹き込み、ブロー成形を行う。
【0007】
この場合は、内蔵部品220の先端に形成したパリソン208と当接する当接面233とパリソン208の内面とは単に接触するのみで、パリソン208の内部に当接面233が侵入せず、接着性が弱く、充分に融着強度が大きくなく、燃料の振動や、燃料タンクの膨張等により、剥離する恐れがあった。
【0008】
また、燃料タンクの強度を向上させるために、その上下の外壁同士を凹ませて、数箇所に亘り溶着するものもある。しかし、この場合には、部分的に外壁同士を凹ませて溶着するため、燃料タンクの内部容積が減少してしまうことになる。
【0009】
【特許文献1】特開平1−301227号公報
【特許文献2】特開平6−143396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そのため、本発明は、内蔵部品が強固に燃料タンクの外壁内面に融着することができ、充分な強度を有する燃料タンクを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための請求項1の本発明は、ブロー成形で形成され、内部に内蔵部品を取付けられ、合成樹脂で形成された外壁を有する自動車用燃料タンクにおいて、
内蔵部品には、燃料タンクの外壁の内面に融着して内蔵部品を取付ける取付部材が複数設けられ、取付部材は、燃料タンクの外壁の内面に当接する当接部が形成され、当接部は、燃料タンクの外壁の内面に密着する当接面と、当接面から突出し先端部の断面形状が三角形で、燃料タンクの外壁の内部に侵入する突条が形成され、突条の頂点の当接面からの高さは燃料タンクの外壁の肉厚の30%〜70%であることを特徴とする自動車用燃料タンクである。
【0012】
請求項1の本発明では、内蔵部品には、燃料タンクの外壁の内面に融着して内蔵部品を取付ける取付部材が複数設けられているため、内蔵部品を複数個所で燃料タンクの外壁の内面に融着して固定することができ、安定して取り付けることができる。
取付部材は、燃料タンクの外壁の内面に当接する当接部が形成されているため、燃料タンクの外壁の内面に融着して固定されることができる。
【0013】
当接部は、燃料タンクの外壁の内面に密着する当接面と、当接面から突出し先端部の断面形状が三角形で、燃料タンクの外壁の内部に侵入する突条が形成されている。このため、当接面が燃料タンクの外壁の内面に密着して、突条が燃料タンクの外壁の内部に侵入する寸法の最大値を制御することができるともに、突条が燃料タンクの外壁の内部に侵入して、強固に燃料タンクの外壁と溶着することができる。
【0014】
突条の頂点の当接面からの高さは、燃料タンクの外壁の肉厚の30%〜70%であるため、突条は燃料タンクの外壁の内部に充分に進入することができ、燃料タンクの外壁の内部の溶融した部分と接触して、突条の頂点部分は燃料タンクの外壁と溶着しやすく、強固に溶着することができる。さらに、燃料タンクの外壁の肉厚の30%〜70%であるため突条が外壁の内部に侵入しすぎて、強度を低下させることがない。
【0015】
請求項2の本発明は、突条は、当接面に円弧状に複数本形成され、突条の間隔は1mm〜3mmであり、突条を横断し半径方向に複数のエア抜き溝が形成された自動車用燃料タンクである。
【0016】
請求項2の本発明では、突条は、当接面に円弧状に複数本形成されたため、当接面の全方向において、ずれることを防止して、当接面の広範囲の部分が強固に燃料タンクの外壁に溶着されることができる。
突条の間隔は1mm〜3mmであるため、突条と突条の間に燃料タンクの外壁が侵入することができ、燃料タンクの外壁と当接面が強固に固定されることができる。
突条を横断し半径方向に複数のエア抜き溝が形成されたため、燃料タンクの外壁に当接面を押圧するときに、突条と燃料タンクの外壁との間の空気を排出することができ、燃料タンクの外壁と当接面を密着させることができる。
【0017】
請求項3の本発明は、突条は、当接面に間隔を置いて、半径方向に複数本形成され、突条の間隔は1mm〜3mmである自動車用燃料タンクである。
【0018】
請求項3の本発明では、突条は、当接面に間隔を置いて、半径方向に複数本形成され、突条の間隔は1mm〜3mmであるため、燃料タンクの外壁に当接面を押圧するときに、突条と燃料タンクの外壁との間の空気を半径方向に排出することができ、取付部材が当接面で回転方向や、横方向にずれることが防止できる。また上記と同様に、突条の間隔は1mm〜3mmであるため、突条と突条の間に燃料タンクの外壁が侵入することができ、燃料タンクの外壁と当接面が強固に固定されることができる。
【0019】
請求項4の本発明では、当接面から段状に突出部が形成され、突出部の表面から突条が形成され、突条の頂点の当接面からの高さは燃料タンクの外壁の肉厚の30%〜70%である自動車用燃料タンクである。
【0020】
請求項4の本発明では、当接面から段状に突出部が形成され、突出部の表面から突条が形成されたため、突条の先端の角度を大きくすることができ、燃料タンクの外壁と突条を融着するときに、突条が外壁となじみ易く、強固に溶着することができる。突出部も燃料タンクの外壁の内部に侵入することができ、突条は確実に燃料タンクの外壁と融着することができる。
【0021】
請求項5の本発明は、取付部材は、内蔵部品とは別体で形成された後、内蔵部品と係合された自動車用燃料タンクである。
【0022】
請求項5の本発明では、取付部材は、内蔵部品とは別体で形成された後、内蔵部品と係合されたため、取付部材の成形が容易であり、取付部材の当接面の形状を自由に形成することができる。また、取付部材の材質を選択することが容易で、耐燃料油性で、燃料タンクの外壁と溶着しやすい材料を選択することができる。
【0023】
請求項6の本発明は、燃料タンクの外壁は、外壁の外側から、外部本体層、外部接着剤層、バリヤ層、内部接着剤層と内部本体層の5層で形成され、外部本体層と内部本体層は、高密度ポリエチレン(HDPE)で形成され、バリヤ層はエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)で形成され、外部接着剤層と内部接着剤層は、高密度ポリエチレン(HDPE)とバリヤ層の両方に接着性を有する合成樹脂で形成された自動車用燃料タンクである。
【0024】
請求項6の本発明では、外部本体層と内部本体層は、高密度ポリエチレン(HDPE)で形成されたため、燃料タンクの外側は、充分な剛性と耐衝撃性を有するとともに、内部本体層に燃料が浸透しても燃料タンクの剛性を確保し、耐衝撃性を向上させることができる。
【0025】
バリヤ層はエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)で形成されるため、ガソリンの透過防止性に優れるとともに、溶融成形が可能で加工性にも優れている。また、高湿度下において、あるいはアルコールを含有するガソリンに対しても優れた透過防止性を有する。
【0026】
外部接着剤層と内部接着剤層は、高密度ポリエチレン(HDPE)とバリヤ層の両方に接着性を有する合成樹脂で形成されたため、外部接着剤層と内部接着剤層は、バリヤ層と、外部本体層及び内部本体層とをそれぞれ強固に接着して、燃料タンクの各層間を強固に接着し、一体化させて、燃料タンクの燃料透過防止性と、強度を確保することができる。
【0027】
請求項7の本発明は、内蔵部品は、燃料の流動音抑制のためのバッフルプレート又は、バルブが形成された自動車用燃料タンクである。
【0028】
請求項7の本発明では、内蔵部品は、燃料の流動音抑制のためのバッフルプレート又は、バルブが形成されたため、燃料タンクをブロー成形すると同時にバッフルプレート又は、バルブを取付けて燃料の排出、燃料蒸気の排出防止、燃料の流動音抑制をすることができる燃料タンクを容易に製造することができる。
【発明の効果】
【0029】
燃料タンクの内蔵部品の取付部材は、当接部を有し、当接部は、当接面と突条が形成されているため、当接面が燃料タンクの外壁の内面に密着して、突条の燃料タンクの外壁の内部に侵入する寸法の最大値を制御することができるともに、突条が燃料タンクの外壁の内部に侵入して、強固に燃料タンクの外壁と溶着することができる。
突条の頂点の当接面からの高さは、燃料タンクの外壁の肉厚の30%〜70%であるため、突条は燃料タンクの外壁の内部に充分に進入することができ、燃料タンクの外壁の内部の溶融した部分と接触して、突条の頂点部分は燃料タンクの外壁と溶着しやすく、強固に溶着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の実施の形態である自動車用の燃料タンク1について、図1〜図13に基づき説明する。図1は、本発明の実施の形態の燃料タンク1の斜視図であり、図2は、熱可塑性合成樹脂製の燃料タンク1の外壁10の一部断面図であり、外壁10の多層構造の構成を示すものである。
図3は、燃料タンク1の内蔵部品20の一例を示す斜視図である。
【0031】
図4〜図10は、燃料タンク1の内蔵部品20を燃料タンク1の外壁内面に取付ける取付部材30を示す図である。
図11〜図13は、燃料タンク1を製造するブロー成形する工程を示す図である。
【0032】
本発明の実施の形態では、燃料タンク1は、図1に示すように、その燃料タンク1に燃料ポンプ(図示せず)等を出し入れするためにポンプユニット取付孔4が上面に形成されている。また、燃料タンク1の側面又は上面には、インレットパイプ(図示せず)から燃料を注入する燃料注入孔5が形成されている。
【0033】
また、燃料タンク1の周囲には外周リブ2が全周に亘り形成されており、外周リブ2のコーナー部等の所定箇所には、数箇所に亘り取付用孔3が形成され、取付用孔3と車体をボルト締めすることにより、燃料タンク1を車体に取付けている。
さらに、燃料タンク1の上面には、内部の燃料蒸気を回収するホース等を接続する各所の取付孔6が形成されている。
【0034】
本実施の形態において、燃料タンク1は、ブロー成形で形成され、その外壁10は、図2に示すように、外側から順に表皮層11、外部本体層12、外部接着剤層13、バリヤ層14、内部接着剤層15及び内部本体層16から形成されている。
ブロー成形においては、上記の6層から構成されるパリソンが使用される。6層以上の層構成を有するパリソンを使用することもできる。また、後述するように、表皮層11は外部本体層12に再生部材や、フィラー等を混入する場合に使用されるが、表皮層11を省略することもできる。
【0035】
表皮層11、外部本体層12は、耐衝撃性が大きく、燃料油に対しても剛性が維持される熱可塑性合成樹脂から形成され、高密度ポリエチレン(HDPE)から形成されることが好ましい。外部本体層12が、無機フィラーを含有した場合には、外部本体層12の表面を覆うため、表皮層11が使用され、表面に無機フィラーが出ることがなく、表面を円滑にすることができる。
【0036】
表皮層11と外部本体層12と、後述する内部本体層16に使用する高密度ポリエチレン(HDPE)は、例えば、具体的には以下のポリエチレンを使用することができる。
高密度ポリエチレン(HDPE)は、溶融流動速度(MRF:21.6kg/10min)が5〜7であって、密度(g/cm3)が0.944〜0.950のものを使用することができる。
【0037】
外部本体層12は、高密度ポリエチレン(HDPE)を主に含有する再生材を主材として形成してもよい。高密度ポリエチレン(HDPE)を主に含有する再生材は、例えば、使用後に回収された燃料タンク1を粉砕してリサイクルして使用する場合や、燃料タンク1の製造工程中で発生する製造工程中で発生する切れ端や不良品を粉砕してリサイクルして使用する場合がある。燃料タンク1は、主として高密度ポリエチレン(HDPE)から構成されているため、燃料タンク1を粉砕した再生材は、高密度ポリエチレン(HDPE)を主として有している。
これ等の再生材を100%使用する場合と、再生材に新材の高密度ポリエチレン(HDPE)を混合して使用する場合がある。
【0038】
バリヤ層14は、燃料油の透過が極めて少ない熱可塑性合成樹脂から形成されている。バリヤ層14を構成する熱可塑性合成樹脂は、例えば、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、半芳香族ナイロン(PPA)を使用することができるが、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)が好ましい。
バリヤ層14を有するため、後述する内部本体層16を浸透してきたガソリン等の燃料油を、バリヤ層14で透過を防ぐことができ、大気中に燃料油が蒸発することを防止できる。
【0039】
バリヤ層14として、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)を使用する場合は、ガソリンの透過防止性に優れるとともに、溶融成形が可能で加工性にも優れている。また、高湿度下においても、ガソリンの透過防止性に優れている。さらに、アルコールを含有するガソリンに対しても優れた透過防止性を有することができる。
【0040】
外部接着剤層13は、外部本体層12とバリヤ層14の間に設けられて、この2層を接着し、内部接着剤層15は、内部本体層16とバリヤ層14の間に設けられて、この2層を接着する。外部接着剤層13と内部接着剤層15は、同じ材料で形成され、高密度ポリエチレン(HDPE)とバリヤ層14の両方に接着性を有する合成樹脂で形成される。このため、外部接着剤層13と内部接着剤層15は、バリヤ層14と、外部本体層12及び内部本体層16とをそれぞれ強固に接着して、それぞれの層が一体的に密着して、燃料タンク1の燃料透過防止性と、強度を確保することができる。
【0041】
外部接着剤層13と内部接着剤層15に使用される接着性の熱可塑性合成樹脂としては、例えば、変性ポリオレフィン樹脂を使用することができ、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂、特に不飽和カルボン酸変性ポリエチレン樹脂が好ましい。これは、ポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸を共重合又はグラフト重合させることにより製造することができる。
【0042】
内部本体層16は、表皮層11で述べたように、表皮層11の使用するものと同じ材料である高密度ポリエチレン(HDPE)を使用する。
内部本体層16は、燃料タンク1の外壁10の全体の厚さの15%〜67%の厚さを有する。外壁10は全体として3mm〜8mmの肉厚を有するため、0.45mmから5.36mmの範囲の肉厚を有する。これにより、燃料タンク1の外壁10は、内部本体層16が充分な肉厚を有するため、燃料で膨潤しても剛性を保ち、耐衝撃性を確保することができる。
【0043】
燃料タンク1の内部には、例えば、図3に示す内蔵部品20が取付けられている。内蔵部品20の取付け方法については後述する。
次に、図3に基づき、内蔵部品20について説明する。内蔵部品20は、燃料タンク1の外壁の内面の上下を支える複数の柱部材21と、柱部材21を相互に連結する梁部材22を有する。
【0044】
柱部材21の燃料タンク1の外壁の内面に当接する先端部分には、取付部材30が取付けられている。本実施の形態では、取付部材30は、柱部材21の先端に柱部材21とは別体で形成されて係止されているが、柱部材21と取付部材30を一体的に形成してもよい。
取付部材30については、後述する。
【0045】
柱部材21は、燃料タンク1の内部の所定の位置に取付けられて、後述するように取付部材30が燃料タンク1の外壁の内面に融着されることにより、燃料タンク1内に取付けられて、燃料タンク1の外壁の複数の部分を保持することができる。このため、燃料タンク1の外壁の強度を増加させることができるとともに、燃料タンク1の膨張や収縮を防止できるとともに、衝撃に対しても強度を維持することができる。
【0046】
また、柱部材21は、図3の左端部に示すように、上側の取付部材30と下側の取付部材30が梁部材22の部分で若干ずれて設けられてもよい。
さらに、柱部材21の一部に燃料タンク1の外壁の収縮あるいは膨張に対応するために寸法変化防止部材23を形成することができる。
【0047】
梁部材22は、柱部材21を相互に連結して、梁部材22を燃料タンク1の外壁内面の所定の位置に取付けられるようにすることができる。梁部材22は、軽量化と剛性を確保するため、断面コ字形又は中空状に形成することができる。
また、図3に示すように、梁部材22にバッフルプレート24を一体的に形成することができる。この場合には、燃料タンク1内の燃料の波打ちを防止して、流動音抑制をすることができる。
【0048】
また、バッフルプレート24以外にも、各種のホース類と接続するバルブ類や、燃料タンク1の内部に設けられるサブタンク等を梁部材22に設けることができる。
さらに、梁部材22の一部に燃料タンク1の外壁の収縮あるいは膨張に対応するために寸法変化防止部材23を形成することができる。
【0049】
内蔵部品20は、ポリアセタール、高密度ポリエチレン(HDPE)等の耐燃料油性の熱可塑性合成樹脂で形成することができる。これにより燃料タンク1の強度を向上させることができるとともに、燃料タンク1の内部に取付けられても、燃料油による膨潤等で剛性が低下することがない。
【0050】
つぎに、取付部材30について説明する。取付部材30は、図3に示すように円筒状又は四角形の筒状に形成する場合や、平板状に形成する場合がある。
円筒状又は四角形の筒状に形成する場合について、図4〜図10に基づき説明する。図4は、取付部材30の平面図、図5は取付部材30の正面図、図6は底面図、図7は、A−A線に沿った断面図、図8と図9は、図7のB部分の拡大断面図である。図10は、取付部材30の他の実施の形態の平面図である。
【0051】
取付部材30は、内蔵部品20と連結又は連続する連結部31と、燃料タンク1の外壁の内面に当接する当接部32から形成される。
本実施の形態では、連結部31は、円筒状に形成され、内部が中空状である。四角柱状に形成してもよい。連結部31の下端には、係止部38が形成され、連結部31が柱部材21の先端に嵌め込まれたときに、係止部38の爪が柱部材21の先端に係合されて、取付部材30が強固に取付けられる。
平板状の取付部材30は、連結部31はなく、当接部32の下面に設けられた突起や、接着面で直接、柱部材21の先端に係止又は接着して取付けられる。
【0052】
当接部32は、燃料タンク1の外壁の内面に密着する円形の当接面33と、当接面33から突出し先端部の断面形状が三角形で、燃料タンク1の外壁の内部に侵入する突条34が形成されている。突条34は、図4の形態では、円弧状に複数本平行に形成されている。このため、当接面33のどちらの方向にもずれることがなく、全方向において、当接面33が強固に燃料タンク1の外壁に溶着されることができる。
【0053】
突条34の頂点35の間隔は1mm〜3mmであることが好ましい。この場合は、当接部32を燃料タンク1の外壁内面に押し当てると、突条34がパリソン8である燃料タンク1の外壁に侵入し、突条34と突条34の間に溶融した燃料タンク1の外壁が入り込むことができ、燃料タンク1の外壁と当接面33が強固に固定されることができる。
【0054】
図4に示すように、突条34を横断し半径方向に4本のエア抜き溝36が形成されている。このため、燃料タンク1の外壁に当接面33を押圧するときに、突条34と燃料タンク1の外壁との間の空気を排出することができ、燃料タンク1の外壁と当接面33を密着させることができる。
【0055】
突条34の頂点35の当接面33からの高さは、燃料タンク1の外壁の肉厚の30%〜70%である。燃料タンク1の外壁の肉厚が3mm〜8mm程度であり、従って、頂点35の高さは1.5mm〜5mm程度である。このため、燃料タンク1の外壁に当接面33を押圧するときに、突条34は、燃料タンク1の外壁の内部に充分に進入することができ、燃料タンク1の外壁の内部の溶融した部分と接触して、突条34の頂点部分は燃料タンク1の外壁と溶着することができる。したがって、燃料タンク1の外壁と当接部32は、強固に溶着することができる。さらに、突条34の高さは、燃料タンク1の外壁の肉厚の30%〜70%であるため突条34が外壁に食い込みすぎることがなく、外壁の強度を低下させることがない。
【0056】
燃料タンク1の外壁に当接面33を押圧するときに、突条34が形成された当接面33が、燃料タンク1の外壁の内面に密着する。このため、突条34は、さらに外壁の内面には進入することができず、突条34の燃料タンク1の外壁の内部に侵入する寸法の最大値を制御することができる。
【0057】
図8に示すように、当接部32において、まず当接面33から階段状に突出部37を形成して、突出部37の表面から突条34を形成することができる。この場合は、突条34の部分は高さが小さくなるので、突条34の頂点35の角度を大きくすることができる。したがって、燃料タンク1の外壁と突条34を融着するときに、突条34の頂点35が外壁の内部に侵入したときに、溶融した外壁が突条34と突条34の間に入り易く、外壁と突条34がなじみ易く、強固に溶着することができる。
【0058】
図9に示すように、当接部32において、まず当接面33から直接、突条34を形成することができる。この場合は、突条34の頂点35の角度を小さくすることができ、溶融した外壁に突条34が侵入し易くなる。また、突条34の頂点35部分の体積が小さく、溶融し易いため、突条34と燃料タンク1の外壁の融着が容易となる。
【0059】
図10に示すように、突条34は、当接面33に間隔を置いて、半径方向に複数本形成することができる。突条34と突条34の間には、エア抜き溝36が形成される。この場合は、燃料タンク1の外壁に当接面33を押圧するときに、突条34と燃料タンク1の外壁との間の空気をエア抜き溝36に沿って半径方向に排出することができ、取付部材30が当接面33で回転方向や、横方向にずれることが防止できる。
【0060】
次に、ブロー成形による本件発明の燃料タンク1の製造方法を、図11〜図13に基づき説明する。
まず、図11に示すように、内蔵部品20を支持棒41に保持して、ブロー成形金型40が開いた内部に位置させる。その後、パリソン8を下降させて、内蔵部品20をパリソン8の内部に位置させる。
【0061】
そして、図12に示すように、第1ピンチ板43をスライドさせて、パリソン8の下端を支持棒41とともに挟持する。それとともに、ブロー成形金型40に設けられた複数の押圧ピン42をスライドさせて、パリソン8を内蔵部品20に取付けられた取付部材30と押圧ピン42で挟むように押圧する。
【0062】
そうすると、パリソン8の内面はまだ溶融状態にあるため、上述のように、取付部材30の当接部32の突条34がパリソン8の内面に進入し、当接部32とパリソン8が融着することができる。このとき、内蔵部品20は、支持棒41により保持されているので、取付部材30と内蔵部品20は、燃料タンク1の外壁の所定の位置に確実に取付けられることができる。
【0063】
その後、図13に示すように、支持棒41を下降させてブロー成形金型40から抜き、第2ピンチ板44をスライドさせてパリソン8を閉じるとともに、ブロー成形金型40を閉じて、スライドカッター46でパリソン8を切断する。ブロー成形金型40を閉じるときには、押圧ピン42は、そのままパリソン8を押圧続ける。これにより、内蔵部品20を所定位置に保持し続けることができる。
【0064】
そして、エアノズル45からパリソン8の内部に空気を吹き込み、パリソン8の外面をブロー成形金型40に押圧して、燃料タンク1を形成する。このとき、押圧ピン42の先端面とブロー成形金型40のキャビティー内面とは同一平面になることができる。
その後、ブロー成形金型40を開き、燃料タンク1を取出す。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態である燃料タンク斜視図である。
【図2】本発明の燃料タンクの外壁の構造を示す部分拡大断面図である。
【図3】本発明の燃料タンクの内部に取付けられる内蔵部品の斜視図である。
【図4】本発明の取付部材の平面図である。
【図5】本発明の取付部材の正面図である。
【図6】本発明の取付部材の底面図である。
【図7】本発明の取付部材の断面図であり、図4のA−A線に沿った断面図である。
【図8】本発明の取付部材の当接面の部分拡大断面図である。
【図9】本発明の取付部材の他の当接面の部分拡大断面図である。
【図10】本発明の他の取付部材の平面図である。
【図11】本発明の燃料タンク製造方法を示すブロー成形金型を開いた状態の断面図である。
【図12】本発明の燃料タンク製造方法を示すブロー成形金型の押圧ピンをスライドさせた状態の断面図である。
【図13】本発明の燃料タンク製造方法を示すブロー成形金型を閉じた状態の断面図である。
【図14】従来の燃料タンク製造方法を示すブロー成形金型を閉じた状態の断面図である。
【図15】従来の燃料タンク製造方法を示すブロー成形金型の押圧ピンをスライドさせた状態の断面図である。
【符号の説明】
【0066】
1 燃料タンク
8 パリソン
10 外壁
20 内蔵部品
30 取付部材
31 連結部
32 当接部
33 当接面
34 突条
36 エア抜き溝
40 ブロー成形金型
41 支持棒
42 押圧ピン
45 エアノズル
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性合成樹脂製の燃料タンクに関するものであり、特に、熱可塑性合成樹脂部材をブロー成形することにより外壁が形成され、内部に内蔵部品を有する燃料タンクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車用等の燃料タンクの構造としては、金属製のものが用いられていたが、近年、車両の軽量化や、錆が発生しないこと、所望の形状に成形しやすいことなどによって熱可塑性合成樹脂製のものが用いられるようになってきた。
熱可塑性合成樹脂製の自動車用燃料タンクの製造は、中空体を成形することの容易性からブロー成形方法が多く用いられてきた。ブロー成形方法では、溶融した熱可塑性合成樹脂部材のパリソンを円筒状にして上から押出して、そのパリソンを金型で挟みパリソン中に空気を吹き込み、自動車用燃料タンクを製造していた。
【0003】
一方、ブロー成形方法においても、燃料タンクの内部にバルブ類や燃料の流動音を抑制するためのバッフルプレート等の内蔵部品を設けることが求められている。
そこで、内蔵部品120を樹脂枠にセットして、その樹脂枠を金型内にセットして、ブロー成形して樹脂枠を燃料タンクの外壁の内周面に固着して内蔵部品120を燃料タンク内部に取付けるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかしこの場合には、内蔵部品120を樹脂枠にセットして燃料タンクの外壁の内周面に固着するため、成形後に樹脂枠を切除する手間が必要であり、小さい内蔵部品120では、樹脂枠が大きくなり、重量が増加する場合がある。
【0005】
また、燃料タンクの内部に内蔵部品を設けるには、図14〜図15に示すように行っている場合もある(例えば、特許文献2参照。)。
それは、まず、図14に示すように、パリソン208がブロー成形金型240内に入る前に内蔵部品220を支持棒241に載せて、ブロー成形金型240を開いて、その内部に位置させる。その後、ブロー成形金型240を開いたままで、パリソン208を下降させて、パリソン208の内部に内蔵部品220が位置するようにする。
【0006】
その後、図15に示すように、ブロー成形金型240を閉じる前に、ブロー成形金型240の両側から押圧ピン242を出し、パリソン208を押圧して、パリソン208を内蔵部品220の側端に押付ける。このとき、パリソン208の内面はまだ固化していないので、パリソン208と内蔵部品220の側端は、融着することができる。
そして、支持棒241を下降させて、ブロー成形金型240を閉じて、空気を吹き込み、ブロー成形を行う。
【0007】
この場合は、内蔵部品220の先端に形成したパリソン208と当接する当接面233とパリソン208の内面とは単に接触するのみで、パリソン208の内部に当接面233が侵入せず、接着性が弱く、充分に融着強度が大きくなく、燃料の振動や、燃料タンクの膨張等により、剥離する恐れがあった。
【0008】
また、燃料タンクの強度を向上させるために、その上下の外壁同士を凹ませて、数箇所に亘り溶着するものもある。しかし、この場合には、部分的に外壁同士を凹ませて溶着するため、燃料タンクの内部容積が減少してしまうことになる。
【0009】
【特許文献1】特開平1−301227号公報
【特許文献2】特開平6−143396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そのため、本発明は、内蔵部品が強固に燃料タンクの外壁内面に融着することができ、充分な強度を有する燃料タンクを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための請求項1の本発明は、ブロー成形で形成され、内部に内蔵部品を取付けられ、合成樹脂で形成された外壁を有する自動車用燃料タンクにおいて、
内蔵部品には、燃料タンクの外壁の内面に融着して内蔵部品を取付ける取付部材が複数設けられ、取付部材は、燃料タンクの外壁の内面に当接する当接部が形成され、当接部は、燃料タンクの外壁の内面に密着する当接面と、当接面から突出し先端部の断面形状が三角形で、燃料タンクの外壁の内部に侵入する突条が形成され、突条の頂点の当接面からの高さは燃料タンクの外壁の肉厚の30%〜70%であることを特徴とする自動車用燃料タンクである。
【0012】
請求項1の本発明では、内蔵部品には、燃料タンクの外壁の内面に融着して内蔵部品を取付ける取付部材が複数設けられているため、内蔵部品を複数個所で燃料タンクの外壁の内面に融着して固定することができ、安定して取り付けることができる。
取付部材は、燃料タンクの外壁の内面に当接する当接部が形成されているため、燃料タンクの外壁の内面に融着して固定されることができる。
【0013】
当接部は、燃料タンクの外壁の内面に密着する当接面と、当接面から突出し先端部の断面形状が三角形で、燃料タンクの外壁の内部に侵入する突条が形成されている。このため、当接面が燃料タンクの外壁の内面に密着して、突条が燃料タンクの外壁の内部に侵入する寸法の最大値を制御することができるともに、突条が燃料タンクの外壁の内部に侵入して、強固に燃料タンクの外壁と溶着することができる。
【0014】
突条の頂点の当接面からの高さは、燃料タンクの外壁の肉厚の30%〜70%であるため、突条は燃料タンクの外壁の内部に充分に進入することができ、燃料タンクの外壁の内部の溶融した部分と接触して、突条の頂点部分は燃料タンクの外壁と溶着しやすく、強固に溶着することができる。さらに、燃料タンクの外壁の肉厚の30%〜70%であるため突条が外壁の内部に侵入しすぎて、強度を低下させることがない。
【0015】
請求項2の本発明は、突条は、当接面に円弧状に複数本形成され、突条の間隔は1mm〜3mmであり、突条を横断し半径方向に複数のエア抜き溝が形成された自動車用燃料タンクである。
【0016】
請求項2の本発明では、突条は、当接面に円弧状に複数本形成されたため、当接面の全方向において、ずれることを防止して、当接面の広範囲の部分が強固に燃料タンクの外壁に溶着されることができる。
突条の間隔は1mm〜3mmであるため、突条と突条の間に燃料タンクの外壁が侵入することができ、燃料タンクの外壁と当接面が強固に固定されることができる。
突条を横断し半径方向に複数のエア抜き溝が形成されたため、燃料タンクの外壁に当接面を押圧するときに、突条と燃料タンクの外壁との間の空気を排出することができ、燃料タンクの外壁と当接面を密着させることができる。
【0017】
請求項3の本発明は、突条は、当接面に間隔を置いて、半径方向に複数本形成され、突条の間隔は1mm〜3mmである自動車用燃料タンクである。
【0018】
請求項3の本発明では、突条は、当接面に間隔を置いて、半径方向に複数本形成され、突条の間隔は1mm〜3mmであるため、燃料タンクの外壁に当接面を押圧するときに、突条と燃料タンクの外壁との間の空気を半径方向に排出することができ、取付部材が当接面で回転方向や、横方向にずれることが防止できる。また上記と同様に、突条の間隔は1mm〜3mmであるため、突条と突条の間に燃料タンクの外壁が侵入することができ、燃料タンクの外壁と当接面が強固に固定されることができる。
【0019】
請求項4の本発明では、当接面から段状に突出部が形成され、突出部の表面から突条が形成され、突条の頂点の当接面からの高さは燃料タンクの外壁の肉厚の30%〜70%である自動車用燃料タンクである。
【0020】
請求項4の本発明では、当接面から段状に突出部が形成され、突出部の表面から突条が形成されたため、突条の先端の角度を大きくすることができ、燃料タンクの外壁と突条を融着するときに、突条が外壁となじみ易く、強固に溶着することができる。突出部も燃料タンクの外壁の内部に侵入することができ、突条は確実に燃料タンクの外壁と融着することができる。
【0021】
請求項5の本発明は、取付部材は、内蔵部品とは別体で形成された後、内蔵部品と係合された自動車用燃料タンクである。
【0022】
請求項5の本発明では、取付部材は、内蔵部品とは別体で形成された後、内蔵部品と係合されたため、取付部材の成形が容易であり、取付部材の当接面の形状を自由に形成することができる。また、取付部材の材質を選択することが容易で、耐燃料油性で、燃料タンクの外壁と溶着しやすい材料を選択することができる。
【0023】
請求項6の本発明は、燃料タンクの外壁は、外壁の外側から、外部本体層、外部接着剤層、バリヤ層、内部接着剤層と内部本体層の5層で形成され、外部本体層と内部本体層は、高密度ポリエチレン(HDPE)で形成され、バリヤ層はエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)で形成され、外部接着剤層と内部接着剤層は、高密度ポリエチレン(HDPE)とバリヤ層の両方に接着性を有する合成樹脂で形成された自動車用燃料タンクである。
【0024】
請求項6の本発明では、外部本体層と内部本体層は、高密度ポリエチレン(HDPE)で形成されたため、燃料タンクの外側は、充分な剛性と耐衝撃性を有するとともに、内部本体層に燃料が浸透しても燃料タンクの剛性を確保し、耐衝撃性を向上させることができる。
【0025】
バリヤ層はエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)で形成されるため、ガソリンの透過防止性に優れるとともに、溶融成形が可能で加工性にも優れている。また、高湿度下において、あるいはアルコールを含有するガソリンに対しても優れた透過防止性を有する。
【0026】
外部接着剤層と内部接着剤層は、高密度ポリエチレン(HDPE)とバリヤ層の両方に接着性を有する合成樹脂で形成されたため、外部接着剤層と内部接着剤層は、バリヤ層と、外部本体層及び内部本体層とをそれぞれ強固に接着して、燃料タンクの各層間を強固に接着し、一体化させて、燃料タンクの燃料透過防止性と、強度を確保することができる。
【0027】
請求項7の本発明は、内蔵部品は、燃料の流動音抑制のためのバッフルプレート又は、バルブが形成された自動車用燃料タンクである。
【0028】
請求項7の本発明では、内蔵部品は、燃料の流動音抑制のためのバッフルプレート又は、バルブが形成されたため、燃料タンクをブロー成形すると同時にバッフルプレート又は、バルブを取付けて燃料の排出、燃料蒸気の排出防止、燃料の流動音抑制をすることができる燃料タンクを容易に製造することができる。
【発明の効果】
【0029】
燃料タンクの内蔵部品の取付部材は、当接部を有し、当接部は、当接面と突条が形成されているため、当接面が燃料タンクの外壁の内面に密着して、突条の燃料タンクの外壁の内部に侵入する寸法の最大値を制御することができるともに、突条が燃料タンクの外壁の内部に侵入して、強固に燃料タンクの外壁と溶着することができる。
突条の頂点の当接面からの高さは、燃料タンクの外壁の肉厚の30%〜70%であるため、突条は燃料タンクの外壁の内部に充分に進入することができ、燃料タンクの外壁の内部の溶融した部分と接触して、突条の頂点部分は燃料タンクの外壁と溶着しやすく、強固に溶着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の実施の形態である自動車用の燃料タンク1について、図1〜図13に基づき説明する。図1は、本発明の実施の形態の燃料タンク1の斜視図であり、図2は、熱可塑性合成樹脂製の燃料タンク1の外壁10の一部断面図であり、外壁10の多層構造の構成を示すものである。
図3は、燃料タンク1の内蔵部品20の一例を示す斜視図である。
【0031】
図4〜図10は、燃料タンク1の内蔵部品20を燃料タンク1の外壁内面に取付ける取付部材30を示す図である。
図11〜図13は、燃料タンク1を製造するブロー成形する工程を示す図である。
【0032】
本発明の実施の形態では、燃料タンク1は、図1に示すように、その燃料タンク1に燃料ポンプ(図示せず)等を出し入れするためにポンプユニット取付孔4が上面に形成されている。また、燃料タンク1の側面又は上面には、インレットパイプ(図示せず)から燃料を注入する燃料注入孔5が形成されている。
【0033】
また、燃料タンク1の周囲には外周リブ2が全周に亘り形成されており、外周リブ2のコーナー部等の所定箇所には、数箇所に亘り取付用孔3が形成され、取付用孔3と車体をボルト締めすることにより、燃料タンク1を車体に取付けている。
さらに、燃料タンク1の上面には、内部の燃料蒸気を回収するホース等を接続する各所の取付孔6が形成されている。
【0034】
本実施の形態において、燃料タンク1は、ブロー成形で形成され、その外壁10は、図2に示すように、外側から順に表皮層11、外部本体層12、外部接着剤層13、バリヤ層14、内部接着剤層15及び内部本体層16から形成されている。
ブロー成形においては、上記の6層から構成されるパリソンが使用される。6層以上の層構成を有するパリソンを使用することもできる。また、後述するように、表皮層11は外部本体層12に再生部材や、フィラー等を混入する場合に使用されるが、表皮層11を省略することもできる。
【0035】
表皮層11、外部本体層12は、耐衝撃性が大きく、燃料油に対しても剛性が維持される熱可塑性合成樹脂から形成され、高密度ポリエチレン(HDPE)から形成されることが好ましい。外部本体層12が、無機フィラーを含有した場合には、外部本体層12の表面を覆うため、表皮層11が使用され、表面に無機フィラーが出ることがなく、表面を円滑にすることができる。
【0036】
表皮層11と外部本体層12と、後述する内部本体層16に使用する高密度ポリエチレン(HDPE)は、例えば、具体的には以下のポリエチレンを使用することができる。
高密度ポリエチレン(HDPE)は、溶融流動速度(MRF:21.6kg/10min)が5〜7であって、密度(g/cm3)が0.944〜0.950のものを使用することができる。
【0037】
外部本体層12は、高密度ポリエチレン(HDPE)を主に含有する再生材を主材として形成してもよい。高密度ポリエチレン(HDPE)を主に含有する再生材は、例えば、使用後に回収された燃料タンク1を粉砕してリサイクルして使用する場合や、燃料タンク1の製造工程中で発生する製造工程中で発生する切れ端や不良品を粉砕してリサイクルして使用する場合がある。燃料タンク1は、主として高密度ポリエチレン(HDPE)から構成されているため、燃料タンク1を粉砕した再生材は、高密度ポリエチレン(HDPE)を主として有している。
これ等の再生材を100%使用する場合と、再生材に新材の高密度ポリエチレン(HDPE)を混合して使用する場合がある。
【0038】
バリヤ層14は、燃料油の透過が極めて少ない熱可塑性合成樹脂から形成されている。バリヤ層14を構成する熱可塑性合成樹脂は、例えば、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、半芳香族ナイロン(PPA)を使用することができるが、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)が好ましい。
バリヤ層14を有するため、後述する内部本体層16を浸透してきたガソリン等の燃料油を、バリヤ層14で透過を防ぐことができ、大気中に燃料油が蒸発することを防止できる。
【0039】
バリヤ層14として、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)を使用する場合は、ガソリンの透過防止性に優れるとともに、溶融成形が可能で加工性にも優れている。また、高湿度下においても、ガソリンの透過防止性に優れている。さらに、アルコールを含有するガソリンに対しても優れた透過防止性を有することができる。
【0040】
外部接着剤層13は、外部本体層12とバリヤ層14の間に設けられて、この2層を接着し、内部接着剤層15は、内部本体層16とバリヤ層14の間に設けられて、この2層を接着する。外部接着剤層13と内部接着剤層15は、同じ材料で形成され、高密度ポリエチレン(HDPE)とバリヤ層14の両方に接着性を有する合成樹脂で形成される。このため、外部接着剤層13と内部接着剤層15は、バリヤ層14と、外部本体層12及び内部本体層16とをそれぞれ強固に接着して、それぞれの層が一体的に密着して、燃料タンク1の燃料透過防止性と、強度を確保することができる。
【0041】
外部接着剤層13と内部接着剤層15に使用される接着性の熱可塑性合成樹脂としては、例えば、変性ポリオレフィン樹脂を使用することができ、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂、特に不飽和カルボン酸変性ポリエチレン樹脂が好ましい。これは、ポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸を共重合又はグラフト重合させることにより製造することができる。
【0042】
内部本体層16は、表皮層11で述べたように、表皮層11の使用するものと同じ材料である高密度ポリエチレン(HDPE)を使用する。
内部本体層16は、燃料タンク1の外壁10の全体の厚さの15%〜67%の厚さを有する。外壁10は全体として3mm〜8mmの肉厚を有するため、0.45mmから5.36mmの範囲の肉厚を有する。これにより、燃料タンク1の外壁10は、内部本体層16が充分な肉厚を有するため、燃料で膨潤しても剛性を保ち、耐衝撃性を確保することができる。
【0043】
燃料タンク1の内部には、例えば、図3に示す内蔵部品20が取付けられている。内蔵部品20の取付け方法については後述する。
次に、図3に基づき、内蔵部品20について説明する。内蔵部品20は、燃料タンク1の外壁の内面の上下を支える複数の柱部材21と、柱部材21を相互に連結する梁部材22を有する。
【0044】
柱部材21の燃料タンク1の外壁の内面に当接する先端部分には、取付部材30が取付けられている。本実施の形態では、取付部材30は、柱部材21の先端に柱部材21とは別体で形成されて係止されているが、柱部材21と取付部材30を一体的に形成してもよい。
取付部材30については、後述する。
【0045】
柱部材21は、燃料タンク1の内部の所定の位置に取付けられて、後述するように取付部材30が燃料タンク1の外壁の内面に融着されることにより、燃料タンク1内に取付けられて、燃料タンク1の外壁の複数の部分を保持することができる。このため、燃料タンク1の外壁の強度を増加させることができるとともに、燃料タンク1の膨張や収縮を防止できるとともに、衝撃に対しても強度を維持することができる。
【0046】
また、柱部材21は、図3の左端部に示すように、上側の取付部材30と下側の取付部材30が梁部材22の部分で若干ずれて設けられてもよい。
さらに、柱部材21の一部に燃料タンク1の外壁の収縮あるいは膨張に対応するために寸法変化防止部材23を形成することができる。
【0047】
梁部材22は、柱部材21を相互に連結して、梁部材22を燃料タンク1の外壁内面の所定の位置に取付けられるようにすることができる。梁部材22は、軽量化と剛性を確保するため、断面コ字形又は中空状に形成することができる。
また、図3に示すように、梁部材22にバッフルプレート24を一体的に形成することができる。この場合には、燃料タンク1内の燃料の波打ちを防止して、流動音抑制をすることができる。
【0048】
また、バッフルプレート24以外にも、各種のホース類と接続するバルブ類や、燃料タンク1の内部に設けられるサブタンク等を梁部材22に設けることができる。
さらに、梁部材22の一部に燃料タンク1の外壁の収縮あるいは膨張に対応するために寸法変化防止部材23を形成することができる。
【0049】
内蔵部品20は、ポリアセタール、高密度ポリエチレン(HDPE)等の耐燃料油性の熱可塑性合成樹脂で形成することができる。これにより燃料タンク1の強度を向上させることができるとともに、燃料タンク1の内部に取付けられても、燃料油による膨潤等で剛性が低下することがない。
【0050】
つぎに、取付部材30について説明する。取付部材30は、図3に示すように円筒状又は四角形の筒状に形成する場合や、平板状に形成する場合がある。
円筒状又は四角形の筒状に形成する場合について、図4〜図10に基づき説明する。図4は、取付部材30の平面図、図5は取付部材30の正面図、図6は底面図、図7は、A−A線に沿った断面図、図8と図9は、図7のB部分の拡大断面図である。図10は、取付部材30の他の実施の形態の平面図である。
【0051】
取付部材30は、内蔵部品20と連結又は連続する連結部31と、燃料タンク1の外壁の内面に当接する当接部32から形成される。
本実施の形態では、連結部31は、円筒状に形成され、内部が中空状である。四角柱状に形成してもよい。連結部31の下端には、係止部38が形成され、連結部31が柱部材21の先端に嵌め込まれたときに、係止部38の爪が柱部材21の先端に係合されて、取付部材30が強固に取付けられる。
平板状の取付部材30は、連結部31はなく、当接部32の下面に設けられた突起や、接着面で直接、柱部材21の先端に係止又は接着して取付けられる。
【0052】
当接部32は、燃料タンク1の外壁の内面に密着する円形の当接面33と、当接面33から突出し先端部の断面形状が三角形で、燃料タンク1の外壁の内部に侵入する突条34が形成されている。突条34は、図4の形態では、円弧状に複数本平行に形成されている。このため、当接面33のどちらの方向にもずれることがなく、全方向において、当接面33が強固に燃料タンク1の外壁に溶着されることができる。
【0053】
突条34の頂点35の間隔は1mm〜3mmであることが好ましい。この場合は、当接部32を燃料タンク1の外壁内面に押し当てると、突条34がパリソン8である燃料タンク1の外壁に侵入し、突条34と突条34の間に溶融した燃料タンク1の外壁が入り込むことができ、燃料タンク1の外壁と当接面33が強固に固定されることができる。
【0054】
図4に示すように、突条34を横断し半径方向に4本のエア抜き溝36が形成されている。このため、燃料タンク1の外壁に当接面33を押圧するときに、突条34と燃料タンク1の外壁との間の空気を排出することができ、燃料タンク1の外壁と当接面33を密着させることができる。
【0055】
突条34の頂点35の当接面33からの高さは、燃料タンク1の外壁の肉厚の30%〜70%である。燃料タンク1の外壁の肉厚が3mm〜8mm程度であり、従って、頂点35の高さは1.5mm〜5mm程度である。このため、燃料タンク1の外壁に当接面33を押圧するときに、突条34は、燃料タンク1の外壁の内部に充分に進入することができ、燃料タンク1の外壁の内部の溶融した部分と接触して、突条34の頂点部分は燃料タンク1の外壁と溶着することができる。したがって、燃料タンク1の外壁と当接部32は、強固に溶着することができる。さらに、突条34の高さは、燃料タンク1の外壁の肉厚の30%〜70%であるため突条34が外壁に食い込みすぎることがなく、外壁の強度を低下させることがない。
【0056】
燃料タンク1の外壁に当接面33を押圧するときに、突条34が形成された当接面33が、燃料タンク1の外壁の内面に密着する。このため、突条34は、さらに外壁の内面には進入することができず、突条34の燃料タンク1の外壁の内部に侵入する寸法の最大値を制御することができる。
【0057】
図8に示すように、当接部32において、まず当接面33から階段状に突出部37を形成して、突出部37の表面から突条34を形成することができる。この場合は、突条34の部分は高さが小さくなるので、突条34の頂点35の角度を大きくすることができる。したがって、燃料タンク1の外壁と突条34を融着するときに、突条34の頂点35が外壁の内部に侵入したときに、溶融した外壁が突条34と突条34の間に入り易く、外壁と突条34がなじみ易く、強固に溶着することができる。
【0058】
図9に示すように、当接部32において、まず当接面33から直接、突条34を形成することができる。この場合は、突条34の頂点35の角度を小さくすることができ、溶融した外壁に突条34が侵入し易くなる。また、突条34の頂点35部分の体積が小さく、溶融し易いため、突条34と燃料タンク1の外壁の融着が容易となる。
【0059】
図10に示すように、突条34は、当接面33に間隔を置いて、半径方向に複数本形成することができる。突条34と突条34の間には、エア抜き溝36が形成される。この場合は、燃料タンク1の外壁に当接面33を押圧するときに、突条34と燃料タンク1の外壁との間の空気をエア抜き溝36に沿って半径方向に排出することができ、取付部材30が当接面33で回転方向や、横方向にずれることが防止できる。
【0060】
次に、ブロー成形による本件発明の燃料タンク1の製造方法を、図11〜図13に基づき説明する。
まず、図11に示すように、内蔵部品20を支持棒41に保持して、ブロー成形金型40が開いた内部に位置させる。その後、パリソン8を下降させて、内蔵部品20をパリソン8の内部に位置させる。
【0061】
そして、図12に示すように、第1ピンチ板43をスライドさせて、パリソン8の下端を支持棒41とともに挟持する。それとともに、ブロー成形金型40に設けられた複数の押圧ピン42をスライドさせて、パリソン8を内蔵部品20に取付けられた取付部材30と押圧ピン42で挟むように押圧する。
【0062】
そうすると、パリソン8の内面はまだ溶融状態にあるため、上述のように、取付部材30の当接部32の突条34がパリソン8の内面に進入し、当接部32とパリソン8が融着することができる。このとき、内蔵部品20は、支持棒41により保持されているので、取付部材30と内蔵部品20は、燃料タンク1の外壁の所定の位置に確実に取付けられることができる。
【0063】
その後、図13に示すように、支持棒41を下降させてブロー成形金型40から抜き、第2ピンチ板44をスライドさせてパリソン8を閉じるとともに、ブロー成形金型40を閉じて、スライドカッター46でパリソン8を切断する。ブロー成形金型40を閉じるときには、押圧ピン42は、そのままパリソン8を押圧続ける。これにより、内蔵部品20を所定位置に保持し続けることができる。
【0064】
そして、エアノズル45からパリソン8の内部に空気を吹き込み、パリソン8の外面をブロー成形金型40に押圧して、燃料タンク1を形成する。このとき、押圧ピン42の先端面とブロー成形金型40のキャビティー内面とは同一平面になることができる。
その後、ブロー成形金型40を開き、燃料タンク1を取出す。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態である燃料タンク斜視図である。
【図2】本発明の燃料タンクの外壁の構造を示す部分拡大断面図である。
【図3】本発明の燃料タンクの内部に取付けられる内蔵部品の斜視図である。
【図4】本発明の取付部材の平面図である。
【図5】本発明の取付部材の正面図である。
【図6】本発明の取付部材の底面図である。
【図7】本発明の取付部材の断面図であり、図4のA−A線に沿った断面図である。
【図8】本発明の取付部材の当接面の部分拡大断面図である。
【図9】本発明の取付部材の他の当接面の部分拡大断面図である。
【図10】本発明の他の取付部材の平面図である。
【図11】本発明の燃料タンク製造方法を示すブロー成形金型を開いた状態の断面図である。
【図12】本発明の燃料タンク製造方法を示すブロー成形金型の押圧ピンをスライドさせた状態の断面図である。
【図13】本発明の燃料タンク製造方法を示すブロー成形金型を閉じた状態の断面図である。
【図14】従来の燃料タンク製造方法を示すブロー成形金型を閉じた状態の断面図である。
【図15】従来の燃料タンク製造方法を示すブロー成形金型の押圧ピンをスライドさせた状態の断面図である。
【符号の説明】
【0066】
1 燃料タンク
8 パリソン
10 外壁
20 内蔵部品
30 取付部材
31 連結部
32 当接部
33 当接面
34 突条
36 エア抜き溝
40 ブロー成形金型
41 支持棒
42 押圧ピン
45 エアノズル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロー成形で形成され、内部に内蔵部品を取付けられ、合成樹脂で形成された外壁を有する自動車用燃料タンクにおいて、
上記内蔵部品には、上記燃料タンクの外壁の内面に融着して上記内蔵部品を取付ける取付部材が複数設けられ、該取付部材は、上記燃料タンクの外壁の内面に当接する当接部が形成され、該当接部は、上記燃料タンクの外壁の内面に密着する当接面と、該当接面から突出し先端部の断面形状が三角形で、上記燃料タンクの外壁の内部に侵入する突条が形成され、該突条の頂点の上記当接面からの高さは上記燃料タンクの外壁の肉厚の30%〜70%であることを特徴とする自動車用燃料タンク。
【請求項2】
上記突条は、上記当接面に円弧状に複数本形成され、上記突条の間隔は1mm〜3mmであり、上記突条を横断し半径方向に複数のエア抜き溝が形成された請求項1に記載の自動車用燃料タンク。
【請求項3】
上記突条は、上記当接面に間隔を置いて、半径方向に複数本形成され、上記突条の間隔は1mm〜3mmである請求項1に記載の自動車用燃料タンク。
【請求項4】
上記当接面から段状に突出部が形成され、該突出部の表面から上記突条が形成され、上記突条の頂点の上記当接面からの高さは上記燃料タンクの外壁の肉厚の30%〜70%である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の自動車用燃料タンク。
【請求項5】
上記取付部材は、上記内蔵部品とは別体で形成された後、上記内蔵部品と係合された請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の自動車用燃料タンク。
【請求項6】
上記燃料タンクの外壁は、外壁の外側から、外部本体層、外部接着剤層、バリヤ層、内部接着剤層と内部本体層の5層で形成され、上記外部本体層と内部本体層は、高密度ポリエチレン(HDPE)で形成され、上記バリヤ層はエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)で形成され、上記外部接着剤層と内部接着剤層は、高密度ポリエチレン(HDPE)とバリヤ層の両方に接着性を有する合成樹脂で形成された請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の自動車用燃料タンク。
【請求項7】
上記内蔵部品は、燃料の流動音抑制のためのバッフルプレート又は、バルブが形成された請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の自動車用燃料タンク。
【請求項1】
ブロー成形で形成され、内部に内蔵部品を取付けられ、合成樹脂で形成された外壁を有する自動車用燃料タンクにおいて、
上記内蔵部品には、上記燃料タンクの外壁の内面に融着して上記内蔵部品を取付ける取付部材が複数設けられ、該取付部材は、上記燃料タンクの外壁の内面に当接する当接部が形成され、該当接部は、上記燃料タンクの外壁の内面に密着する当接面と、該当接面から突出し先端部の断面形状が三角形で、上記燃料タンクの外壁の内部に侵入する突条が形成され、該突条の頂点の上記当接面からの高さは上記燃料タンクの外壁の肉厚の30%〜70%であることを特徴とする自動車用燃料タンク。
【請求項2】
上記突条は、上記当接面に円弧状に複数本形成され、上記突条の間隔は1mm〜3mmであり、上記突条を横断し半径方向に複数のエア抜き溝が形成された請求項1に記載の自動車用燃料タンク。
【請求項3】
上記突条は、上記当接面に間隔を置いて、半径方向に複数本形成され、上記突条の間隔は1mm〜3mmである請求項1に記載の自動車用燃料タンク。
【請求項4】
上記当接面から段状に突出部が形成され、該突出部の表面から上記突条が形成され、上記突条の頂点の上記当接面からの高さは上記燃料タンクの外壁の肉厚の30%〜70%である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の自動車用燃料タンク。
【請求項5】
上記取付部材は、上記内蔵部品とは別体で形成された後、上記内蔵部品と係合された請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の自動車用燃料タンク。
【請求項6】
上記燃料タンクの外壁は、外壁の外側から、外部本体層、外部接着剤層、バリヤ層、内部接着剤層と内部本体層の5層で形成され、上記外部本体層と内部本体層は、高密度ポリエチレン(HDPE)で形成され、上記バリヤ層はエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)で形成され、上記外部接着剤層と内部接着剤層は、高密度ポリエチレン(HDPE)とバリヤ層の両方に接着性を有する合成樹脂で形成された請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の自動車用燃料タンク。
【請求項7】
上記内蔵部品は、燃料の流動音抑制のためのバッフルプレート又は、バルブが形成された請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の自動車用燃料タンク。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−132297(P2009−132297A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−310482(P2007−310482)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(308039414)株式会社FTS (60)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(308039414)株式会社FTS (60)
【Fターム(参考)】
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