説明

自動車窓用のワイパーブレードアセンブリ、その付属体、およびワイパー装置

【課題】同時押出成形よりも簡単に製造し、付属体の部品同士を、中央連結部に連結する際の困難性を回避する「フラットブレード」タイプのワイパーブレードアセンブリを提供する。
【解決手段】本発明は、自動車窓用のワイパブレードアセンブリに関し、圧力作用バーティブラ20、およびワイパーブレード30を受け入れる長寸の支持体10と、洗浄液を分配して噴射する装置を有するワイパー付属体40とを備え、この付属体40は、長寸の支持体10に組み付けられている。本発明によれば、長寸の支持体10は、ワイパー付属体40を固定するための手段を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車窓用のワイパーブレードアセンブリに関する。
【0002】
また、本発明は、ワイパーブレードアセンブリの付属体、およびこのワイパーブレードアセンブリを統合した自動車窓用のワイパー装置に関する。
【背景技術】
【0003】
「フラットブレード」としても知られている自動車窓用のワイパーブレードアセンブリの技術の一例が、国際公開WO2007/000346号(特許文献1)に開示されている。
【0004】
この「フラットブレード」技術は、2つの機能的に異なる部分からなる硬質の長尺部品の回りに構築される構造からなっている。
【0005】
その第1の部分は、「バーティブラ(脊椎)」とも称される一般的には金属の圧力作用ロッドが収容される中空部を有し、かつエラストマーワイパーブレードを保持するクリップを有する半硬質可撓性プラスチック材料からなる支持体である。
【0006】
前記固い長尺部品の第2の部分は、拭き取りの質を改善するための付属体である。第1のタイプの付属体は、例えば、拭き取られるガラス表面に対するワイパーブレードの押圧力を増加させるために、車両の相対風を利用するウインドデフレクタである。他のタイプの付属体は、泥の突起物やウインドシールド上で潰れた虫の残骸のような、窓に付着した固形物を、ワイパーブレードの拭き取り動作と協働して除去することができる適切な洗浄液の噴射装置である。
【0007】
上述した国際公開(特許文献1)は、ウインドデフレクタと液体噴射装置とを組み合わせた付属体を有する「フラットブレード」技術に関するワイパーブレードアセンブリを開示している。
【0008】
現在、支持体および付属体の機能を統合した複合長尺部品は、少なくとも2つの材料を同時押出成形することで得られる。第1の材料は、適切な支持機能を遂行するための半硬質プラスチック材料であり、また、少なくとも他の材料としては、気流の偏向および/または液体の噴射、または、その他の機能として、少なくとも付属体の機能を遂行するために、エラストマーのようなものが使用される。
【0009】
しかしながら、「フラットブレード」として知られるこの構造は、多くの欠点を有している。
【0010】
第1に、支持体および付属体として使用される固い長尺部品は、複合的な特性を有する異なる材料を、同時押出成形により製造することは困難である点に留意するべきである。さらに、このようにして得られる「ワイパーブレードアセンブリ」の剛性は、所望の付属体の機能を発揮するため、支持体に適切な材料を加えることにより増大される。この場合の欠点は、温度が低いときに、きわめて深刻となる。
【0011】
一方、ワイパーブレードアセンブリ駆動機構に連結される連結部を、同時押出成形された構成体に差し込むためには、部品を2つの部分に分離しなければならない。そのため、連結部に対する連結の問題が発生する。洗浄液を搬送するための長い管路を構成体に設ける際に、部材間で洗浄液を連続的に循環させることに関する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開WO2007/000346号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的の1つは、現在実施されている同時押出成形よりも簡単に製造することができ、上述した困難性、特に、付属体の部品同士を中央連結部に連結する際の困難性を回避した「フラットブレード」タイプのワイパーブレードアセンブリを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、自動車窓用のワイパーブレードアセンブリに関する本発明によって達成される。本発明のワイパーブレードアセンブリは、
− 補強ロッドおよびワイパーブレードを受け入れる固い長寸の支持体と、
− 前記長寸の支持体(10)に組み付けられ、洗浄液を分配して噴射するための装置を有するワイパー付属体(40)とを備えている。
本発明に係るワイパーブレードアセンブリは、前記長寸の支持体(10)が、前記ワイパー付属体(40)を前記長寸の支持体(10)に固定する手段を備えていることを特徴としている。
【0015】
このように、本発明に係るワイパーブレードアセンブリは、中心部分、すなわち、長寸の支持体の周辺に構成されていることを理解する必要がある。長寸の支持体は、補強ロッドまたは「バーティブラ」、およびワイパーブレードを受け入れるためだけでなく、付属体、例えば洗浄液を分散し噴射するための装置を備えるウインドデフレクタを受け入れるためにも使用される。本発明の範囲内において、前記付属体は、一部が前記支持体から独立である一方、組み立てられて適切な手段により、前記支持体に固定することができる。このように、本発明は、上述した国際出願で公知の固い複合部品のみからなっているものの機能を分離しているものである。
【0016】
本発明は、多くの利点を有する。
【0017】
公知の「フラットブレード」システムとは異なり、支持体および付属体は、支持体としての半硬質プラスチック材料、または、付属体としてのエラストマーやプラスチック材料のいずれかによる簡単な押出成形により、それぞれ別個に独立に製造される。そのため、各部分は、簡単に製造される。
【0018】
一方、中央連結部を備える本発明に係るワイパーブレードアセンブリは、非常に簡単である。本発明では、前記ワイパー付属体は、支持体上における中央連結部の各側部に配置される2つの部分から構成される。以下にさらに詳細に示すように、連結部は、長寸の支持体上の要求された位置に配置し、次いで、連結部の各側部において、2つの付属体を支持体上に組み付けて固定するだけでよい。
【0019】
さらに、これにより、例えば、単一の支持体の製造、および、ワイパーブレードアセンブリの機能を有する付属体の採用により、部品の好ましい標準化が可能となる。
【0020】
付属体は、例えばスプレーランプとも称される、洗浄液を搬送する長尺路から、洗浄液を分散噴射する装置を備えており、本発明は、前記付属体の各部分の洗浄液搬送路を連結する連結手段を提供するものである。付属体の部分間で洗浄液を連続的に循環させることは、各部分の搬送路に、1つまたは複数の固いチューブの端部を挿入することができる前記連結手段により、連結部の位置において確実に行われる。特に前記連結手段は、前記中央連結部に設けられている。
【0021】
また前記連結手段は、中央連結部と一体的に設けられているか、またはそれに固定される。
【0022】
さらに、本発明に係るワイパーブレードアセンブリの可撓性は、前記長寸の尺支持体が横方向のノッチを備えているため、特に低温の場合において、容易に改善されている。このようなノッチは、支持体が付属体と同時押出成形で形成される先行技術の一体部品では得られないものであることに留意すべきである。美的観点からすると、支持体のノッチは、付属体を一旦支持体上に組み付けると、その付属体によって隠蔽されるため見えない。
【0023】
結局、本発明のワイパーブレードアセンブリにおける支持体および付属体の2つの分離した部分からなる構成と、相補的な形状を利用したこれらの実装とにより、所要の部分に付属体を装着することが可能である標準的な中央要素としての支持体の回りに、分離した機能を完全に統合させることが可能となる。例えば、フロントワイパーブレードアセンブリとして、所定の形状を有するウインドデフレクタを付属体として選択することができる。リアワイパーブレードアセンブリにおいては、フロントワイパーブレードアセンブリと同様の標準的な支持体が、リアウインドウにより適した他の形状からなるウインドデフレクタを、付属体として受け入れることとなる。
【0024】
ワイパー付属体を長寸の支持体に固定するのに、多くの方法が考えられる。
【0025】
極めて一般的には、付属体は、相補的な形状を利用して、支持体に固定される。
【0026】
第1の実施形態によれば、前記固定手段は、前記付属体を前記長寸の支持体にクリップする手段である。
【0027】
第2の実施形態によれば、前記固定手段は、前記長寸の支持体の外面に形成された外部スライドに挿入しうるように前記付属体に形成された関節で繋がった長寸の突起である。
【0028】
第3の実施形態によれば、前記固定手段は、前記長寸の支持体に形成されたスライドに前記付属体を保持させる手段である。可能な保持手段としては、ノッチとそれと協動する突起とすることが可能である。
【0029】
第4の実施形態によれば、前記固定手段は、前記付属体上に配置され、前記長寸の支持体にクランプ可能な少なくとも1つのサイドフックを備えている。
【0030】
第5の実施形態によれば、前記固定手段は、前記長寸の支持体上に設けられ、前記付属体に形成されている長寸の溝と協働可能な形状を有する長寸のリブを備えている。
【0031】
非限定的な例として、添付の図面とともに示す以下の説明により、本発明およびその実施形態を、よく理解しうるものと思う。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1a】本発明に係るワイパーブレードアセンブリの断面図である。
【図1b】図1aのワイパーブレードアセンブリの装着状態を示す断面図である。
【図2】図1a、図1bのワイパーブレードアセンブリの他の実施形態の断面図である。
【図3】本発明に係るワイパーブレードアセンブリの他の実施形態の断面図である。
【図4a】本発明に係るワイパーブレードアセンブリの部分斜視図である。
【図4b】付属体の装着前の図4aのワイパーブレードアセンブリにおける長寸の支持体の斜視図である。
【図4c】図4bの長寸の支持体に、図4aのワイパーブレードの付属体を固定する手段の詳細な斜視図である。
【図4d】1つの付属体の一部を装着した後における図4aのワイパーブレードアセンブリの装着状態を示す斜視図である。
【図5a】図4aとは異なるワイパーブレードアセンブリの断面図である。
【図5b】図5aに示すワイパーブレードアセンブリの可能な装着状態の斜視図である。
【図5c】図5aのワイパーブレードアセンブリの異なる例の断面図である。
【図5d】図5aのワイパーブレードアセンブリのさらに異なる例の断面図である。
【図6】本発明に係るワイパーブレードアセンブリの異なる例の断面図である。
【図7】本発明に係るワイパーブレードアセンブリの異なる例の断面図である。
【図8】図7に示すワイパーブレードアセンブリの異なる例の断面図である。
【図9】図7に示すワイパーブレードアセンブリのさらに異なる例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1aは、押出成形された半硬質プラスチック材料からなる長寸の支持体10を備える自動車窓用のワイパーブレードアセンブリの断面図である。この長寸の支持体10は、「フラットブレード」技術により形成され、圧力作用金属ロッド20または「バーティブラ」を嵌入しうる中空部11を有し、平板状であって、ワイパーブレードアセンブリのほぼ全長に渡って延在している。また、長寸の支持体10は、内部にエラストマーワイパーブレード30が差し込まれる長寸のクリップ12を備えている。
【0034】
図1aに示すように、付属体40は、押出成形により長寸の支持体10とは別に製造され、長寸の支持体10に固定される。図1aの実施形態においては、付属体40は、洗浄液を分散噴射する装置42を備えるウインドデフレクタ41である。噴射装置42は、例えば、車両の窓に洗浄液を噴射するための孔421a、421bが設けられた2つの長寸路42a、42bを備えている。長寸路42a、42bは、スプレーランプとも称される。
【0035】
図1aの付属体40は、押出成形されたエラストマーである1つの材料のみからなっている。一般的に、ワイパー付属体40は、少なくとも1のエラストマーと、少なくとも1のプラスチック材料とを押出成形することにより形成されている。
【0036】
図1bは、長寸の支持体10の上に付属体40を組み付けて固定する方法を示す。図に示すように、付属体40を、長寸の支持体10の上に置き、次いで、長寸の支持体10の上に、付属体40を垂直方向に組み付けるため、長寸路42a、42bを備える付属体40の側部を弾性的に離間させる。ついで、前記側部を解放し、付属体40を固定するためのクリップ43a、43bを長寸の支持体10に結合された要素14a、14bに係合させることにより、長寸の支持体10に付属体40を固定する。
【0037】
図2は、図1a、図1bのものと類似するワイパーブレードアセンブリを示す。図2の場合、アセンブリは、長寸の支持体10に設けられたスライド15a、15bを用いて、付属体40を支持体に沿ってスライドさせることによりで得られる。長寸の支持体10に設けられた保持手段16a、16bと、付属体40に設けられた保持手段44a、44bとをそれぞれ結合することにより、これらの部分を固定する。
【0038】
図3は、付属体40が組み付け固定された長寸の支持体10を有する図1aのワイパーブレードアセンブリの他の実施形態を示す。既に述べたように、付属体40は、長寸の支持体10とは別に、押出成形により形成される。付属体40は、洗浄液の噴射装置42を備えるウインドデフレクタ41である。この実施形態では、洗浄液の噴射装置42は、ワイパーブレードアセンブリに沿って洗浄液を搬送するとともに、例えば、自動車の窓に、洗浄液を噴射しうる1つの長寸路42を有する。
【0039】
図3の中央に示すように、長寸の支持体10は、長寸フック21を有する。長寸フック21は、付属体40に形成されている長寸フック21に設けた相補的な形状の凹部22に嵌合することができる。
【0040】
図3から了解されるように、凹部22は、付属体40におけるウインドデフレクタ41の反対側のベース部23に形成されている。このベース部23は、ウインドデフレクタ41のベースであり、その剛性は、ウインドデフレクタ41の全体の剛性とは異なっている。ベース部23は、長寸の支持体10上に付属体40を良好に保持させるため、より高い剛性とすることが望ましい。
【0041】
このように、長寸フック21と凹部22の協動、およびより高い剛性を有するベース部23の存在により、付属体40を長寸の支持体10の上に装着したとき、長寸の支持体10上に付属体40を確実に保持させることができる。
【0042】
ベース23は、例えば、付属体40を構成するウインドデフレクタ41上に同時押出成形によって形成される。
【0043】
ベース23は、長寸の支持体10にクランプさせ、付属体40を長寸の支持体10に固定させることのできるサイドフック24を備えていることに留意すべきである。
【0044】
図示の実施形態において、サイドフック24は、洗浄液を分配噴霧する噴射装置42を保持している。
【0045】
図4a、図4bは、本発明の他の実施形態と、ワイパーブレードアセンブリを装着する手順を示す。
【0046】
図4aは、ワイパーブレードアセンブリ駆動機構に連結可能な中央連結部50を備えるワイパーブレードアセンブリの全体を示す。この場合、図4aに示すように、付属体40は、中央連結部50の各側部の長寸の支持体10に配置される2つの部分40a、40bを備えている。
【0047】
図4bは、可撓性が増すように、複数の横溝17が設けられた長寸の支持体10を示す。横溝17は、本図に示されている形状とは異なる形状の支持体に形成してもよい。
【0048】
また、この図から、ベース部40aが長寸の支持体10に装着されていることが分かると思う。
【0049】
図4cは、付属体40のベース部40a、40bが、長寸の支持体10にどのようにして固定されるのかを詳細に示している。固定手段は、長寸の支持体10上に形成され、あり継ぎ形状の保持形態を有する長寸リブ18と、付属体40に形成され、あり継ぎ形状の保持形態を有する長寸溝45とから構成されている。図4dから分かるように、付属体40の各ベース部40a、40bは、長寸リブ18を長寸溝45にスライドさせ、あり継ぎ形状部を相互に結合するか、または、他の公知の保持形状部によって固定することにより、長寸の支持体10に装着される。長寸リブ18および長寸溝45の相補的な形状により、付属体40と長寸の支持体10とは正確に適合する。
【0050】
長寸リブ18の存在は、長寸の支持体10に形成されている横溝17により得られる可撓性に、影響を与えることはないことに留意すべきである。
【0051】
図4a〜図4dに示す例において、図4aのベース部40a、40bは、洗浄液を搬送するための少なくとも1つの長寸路を有する。図4cでは、洗浄液を搬送するための2つの長寸路42a、42bを見ることができる。
【0052】
付属体40は、ベース部40a、40bを備え、全洗浄システムに渡って洗浄液を連続的に循環させるために、各ベース部40a、40bの対応する通路を連結する必要がある。このことは、図4a〜図4dにおいて、中央連結部50の各側部に設けられ、洗浄液搬送路と一直線状に並んで配置されているチューブ51を使用することにより実現される。装着作業を行う際には、チューブ51の各端部を、対応する通路に挿入するだけで十分である。
【0053】
図5a〜図5cは、長寸リブ18および長寸溝45を有する図4a〜図4dのワイパーブレードアセンブリの他の実施形態を示す。
【0054】
図5a〜図5cから了解されるように、洗浄液を分散し、かつ搬送する装置を備える付属体40は、プラスチック材料からなるウインドデフレクタ41とともに、同時押出成形されたプラスチック材料からなる2つの長寸突起47a、47bを用いて、長寸の支持体10に固定される。
【0055】
図5aの他の実施形態においては、長寸突起47a、47bは、長寸の支持体10上で、付属体40の機械抵抗を改善するべく、長寸リブ18に対して締め付けるための応力を付与する。
【0056】
図5bは、長手方向に挿入することにより、長寸の支持体10に付属体40を装着できる可能性を示している。
【0057】
図5cの他の実施形態においては、長寸突起47a、47bは、サイドリム19a′、19b′とそれぞれ協動するようになっている。
【0058】
図5dの他の実施形態においては、長寸突起47a、47bは、長寸の支持体10に設けられた外部スライド19a、19bにそれぞれ挿入される。ウインドデフレクタ41の弾性により、全体のシステムは、スライド19a、19bに対して応力を付与する。
【0059】
このように、図5c、図5dの実施形態では、長寸リブ18に対して、長寸突起47a、47bをクランプさせる必要はない。
【0060】
図6は、図2のワイパーブレードアセンブリの他の実施形態を示す。ワイパーブレードアセンブリの構成要素が示されている。すなわち、押出成形された半硬質プラスチック材料からなる長寸の支持体10は、「バーティブラ」とも称される圧力作用金属ロッド20に適応する中空部11を有し、平板状を呈し、実質上ワイパーブレードアセンブリの全長に渡って延在するとともに、エラストマーワイパーブレード30が差し込まれる長寸のクリップ12を有する。
【0061】
また、このワイパーブレードアセンブリは、組み立てて長寸の支持体10に固定される付属体40を備えている。
【0062】
既に述べたように、付属体40は、長寸の支持体10とは別に押出成形によって得られる。この実施形態では、付属体40は、洗浄液の噴射装置42を含むウインドデフレクタ41である。噴射装置42は、例えば、自動車の窓に洗浄液を噴射するための孔421a、421bを有する2つの長寸路42a、42bを備えている。長寸路42a、42bは、スプレーランプとも称される。この実施形態では、洗浄液を搬送するための2つの通路を示しているが、所望の機能を得るには、1つの通路であってもよい。
【0063】
本発明によれば、長寸の支持体10は、スライド15a、15bを構成する手段を備えている。本実施形態では、スライド15a、15bを構成する手段は、それぞれ、付属体40に付属された差込み26a、26bに対する凹部を構成する2つの突起25a、25bを備えている。
【0064】
差込み26a、26bは、付属体40の側縁部に設けられ、長寸の支持体10の長手方向に延在する。
【0065】
差込み26a、26bは、付属体40に配置され、突起25a、25b間に保持させるため、スライドさせて装着される。
【0066】
このように、2つの部分の固定は、長寸の支持体10および付属体40にそれぞれ設けられ、連結された保持手段を構成する手段である突起25a、25bおよび差込み26a、26bによって行われる。
【0067】
図7は、本発明の他の実施形態を示し、エラストマーワイパーブレード30が差し込まれる長寸のクリップ12の位置において、長寸の支持体10の長手方向の縁部に、2つの突出部27a、27bが設けられている。この突出部27a、27bは、長寸の支持体10に統合され、長寸の支持体10の全長に渡って長手方向に延在している。
【0068】
この突出部27a、27bは、付属体40の下部に設けられ、付属体40の全長に渡って長手方向に延在するノッチ28a、28bに対し、長手方向にスライドさせて装着される。
【0069】
ノッチ28a、28bは、プラスチック材料からなり、プラスチック材料のウインドデフレクタ41と同時押出成形により形成される。突出部27a、27bからより好ましい抵抗力を得るため、ノッチ28a、28bは、ウインドデフレクタ41よりも固い材料で形成することが好ましい。
【0070】
付属体40の低い位置にノッチ28a、28bを形成することにより、ウインドデフレクタ41との干渉を回避することが可能となる。事実、既存のデフレクタを使用することが可能となる。
【0071】
図8は、図7の他の実施形態であり、長寸の支持体10は、ノッチ28a′、28b′と、突出部27a′、27b′を有する付属体40とを備えている。このような要素による位置決めは、図7の場合と同じである。既に述べたように、付属体40に設けられた突出部27a′、27b′は、付属体40とともに適宜同時押出成形される。
【0072】
図9は、図8の他の実施形態を示し、長寸の支持体10は、ノッチ28a″、28b″を備えている。この場合、ノッチ28a″、28b″は、図8に示す長寸の支持体10のノッチ28a′、28b′の位置と異なる位置に配置される。実際には、図9において、ノッチ28a″、28b″は、図8に対して直交して配置されている。
【0073】
同様に、付属体40は、図8における付属体40の突出部27a′、27b′の位置と異なる位置に、突出部27a″、27b″を有する。この実施形態では、図9に示すように、突出部27a″、27b″が垂直方向に位置決めされている。
【0074】
既に述べたように、突出部27a″、27b″は、付属体40を構成するウインドデフレクタ41とともに同時押出成形される。
【0075】
上述した実施形態は、非限定的なものであり、種々の材料と組み合わせた「フラットブレード」タイプのワイパーブレードアセンブリの広範な範囲に適用可能である。また、洗浄液を分散噴射するための装置を有する付属体40を備えた同じ長寸の支持体10は、前方(a)の窓と同様に、後方(b)の窓のためのワイパーブレードアセンブリにおいても、同じ効果を発揮することができる。
【符号の説明】
【0076】
10 長寸の支持体
11 中空部
12 長寸のクリップ
14a、14b 要素
15a、15b スライド
16a、16b 保持手段
17 横溝
18 長寸リブ
19a、19b スライド
19a′、19b′ サイドリム
20 金属ロッド
21 長寸フック
22 凹部
23 ベース部
24 サイドフック
25a、25b 突起
26a、26b 差込み
27a、27b、27a′、27b′、27a″、27b″ 突出部
28a、28b、28a″、28b″ ノッチ
30 エラストマーワイパーブレード
40 付属体
40a、40b ベース部
41 ウインドデフレクタ
42 噴射装置
42a、42b 長寸路
421a、421b 孔
43a、43b クリップ
44a、44b 保持手段
45 長寸溝
47a、47b 長寸突起
50 中央連結部
51 チューブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車窓用のワイパーブレードアセンブリであって、
− 圧力作用ロッド(20)およびワイパーブレード(30)を受け入れる長寸の支持体(10)と、
− 前記長寸の支持体(10)に組み付けられ、洗浄液を分配して噴射するための噴射装置(42)を有するワイパー付属体(40)とを備え、
前記長寸の支持体(10)は、前記ワイパー付属体(40)を、前記長寸の支持体(10)に固定する固定手段を備えることを特徴とする自動車窓用のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項2】
前記付属体(40)は、ウインドデフレクタ(41)を含むことを特徴とする、請求項1記載の自動車窓用のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項3】
前記洗浄液を分配し噴射するための前記装置は、少なくとも1つの噴射用長寸路(42a、42b)を備えていることを特徴とする、請求項1または2記載の自動車窓用のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項4】
前記長寸の支持体(10)は、可撓性を増加させるための横溝(17)を備えていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動車窓用のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項5】
前記固定手段は、前記ワイパー付属体(40)および前記長寸の支持体(10)に配置され、相互に相補的な形状で協働しうることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動車窓用のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項6】
前記固定手段は、前記ワイパー付属体(40)を前記長寸の支持体(10)に対するクリップ(43a、43b、14a、14b)であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動車窓用のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項7】
前記固定手段は、前記長寸の支持体(10)に設けられたスライド(15a、15b)に、前記ワイパー付属体(40)を保持する保持手段(16a、16b、21、25a、25b、27a、27b、44a、44b、22、26a、26b、28a、28b)であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動車窓用のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項8】
前記保持手段は、少なくとも1つのノッチ(28a、28b、28a′、28b′、28a″、28b″)と協働する少なくとも1つの突出部(27a、27b、27a′、27b′、27a″、27b″)を含むことを特徴とする、請求項7記載の自動車窓用のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項9】
前記ワイパー付属体(40)に配置されている前記保持手段は、前記ワイパー付属体(40)と同時押出成形により形成されていることを特徴とする、請求項7または8記載の自動車窓用のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項10】
前記保持手段は、フック(21)を受け入れる凹部(22)を有することを特徴とする、請求項7記載の自動車窓用のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項11】
前記固定手段は、前記ワイパー付属体(40)に配置され、前記長寸の支持体(10)にクランプ可能な少なくとも1つのサイドフック(24)を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動車窓用のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項12】
前記固定手段は、前記長寸の支持体(10)上に形成され、前記ワイパー付属体(40)に形成されている長寸溝(45)と協働可能な形状を有する長寸リブ(18)を備えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動車窓用のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項13】
前記固定手段は、前記ワイパー付属体(40)に形成され、前記長寸の支持体(10)に形成された長寸のリブ(18)に挿入可能な長寸突起(47a、47b)であることを特徴とする、請求項12記載の自動車窓用のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項14】
前記長寸突起(47a、47b)は、前記長寸リブ(18)に対してクランプする突起であることを特徴とする、請求項13記載の自動車窓用のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項15】
前記長寸突起(47a、47b)は、前記長寸の支持体(10)に形成されている保持手段(19a、19b、19a′、19b′)に協働可能な保持突起を構成していることを特徴とする、請求項13記載の自動車窓用のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項16】
前記保持手段は、サイドリム(19a′、19b′)であることを特徴とする、請求項15記載の自動車窓用のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項17】
前記保持手段は、スライド(19a、19b)であることを特徴とする、請求項15記載の自動車窓用のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項18】
前記長寸の支持体(10)は、前記ウインドデフレクタ(41)を補強するための長寸リブ(18)を備えていることを特徴とする、請求項2〜17のいずれか1項に記載の自動車窓用のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項19】
前記ワイパーブレードアセンブリは、中央連結部(50)を有し、前記ワイパー付属体(40)は、長寸の支持体(10)における中央連結部(50)の各側部に配置された2つのベース部(40a、40b)から構成されていることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1項に記載の自動車窓用のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項20】
前記付属体(40)の前記各ベース部(40a、40b)の洗浄液搬送路(42a、42b)を連結する連結手段(51)を含むことを特徴とする、請求項3または19記載の自動車窓用のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項21】
前記連結手段(51)は、前記中央連結部(50)に設けられていることを特徴とする、請求項20記載の自動車窓用のワイパーブレードアセンブリ。
【請求項22】
ワイパーブレードアセンブリの長寸の支持体(10)に組み付けられ、洗浄液を分散し噴射するための装置を備えるワイパー付属体(40)において、
前記ワイパー付属体(40)は、前記長寸の支持体(10)に固定される手段を含むことを特徴とする自動車窓用のワイパー付属体。
【請求項23】
自動車のウインドシールドのためのワイパー装置において、
このワイパー装置は、請求項1〜21のいずれか1項に記載のワイパーブレードを含むことを特徴とするワイパー装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−502876(P2011−502876A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533614(P2010−533614)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【国際出願番号】PCT/EP2008/065739
【国際公開番号】WO2009/065821
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(509329213)
【Fターム(参考)】