説明

自動遮光システム

【課題】カーテン等の遮光体を遮光位置に自動駆動して日射を遮光する。
【解決手段】異なる位置に配置された複数の日射センサ4a−4cと、異なる位置に配置された複数の遮光カーテン6a−6cと、各遮光カーテンそれぞれを日射遮光位置と日射非遮光位置との間で個別駆動する駆動モータ5a−5cと、各日射センサそれぞれのセンサ信号に基づいて各駆動モータを駆動して各遮光カーテンを個別に日射遮光位置と日射非遮光位置との間で制御する制御本体(プログラマブルコントローラ)7とを具備した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家屋、ビル、車両、等のウインドウに付設されるカーテン、ブラインド、その他の遮光体を自動的に駆動してウインドウを覆うことで日射を遮光する自動遮光システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、家屋、ビル、車両等のウインドウにはカーテン等の遮光体が設けられている。それら遮光体により窓ガラスを覆って日射を遮光するための装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、これら遮光体の遮光操作が手動式の場合では、例えば自動車においてカーテンが閉められないまま車内が強い日差しに放置されることがあり、このような放置はしばしば不都合なことが起こりえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−245662
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明においては、特定の日射状態を検知することでカーテン等の遮光体により自動的にその日射を遮光する自動遮光システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による自動遮光システムは、遮光体を日射遮光位置と日射非遮光位置との間で自動的に駆動制御する自動遮光システムであって、異なる位置に配置された複数の日射センサと、異なる位置に配置された複数の遮光体と、各遮光体それぞれを日射遮光位置と日射非遮光位置との間で個別駆動する駆動装置と、各日射センサそれぞれのセンサ信号に基づいて上記駆動装置を駆動して各遮光体を個別に日射遮光位置と日射非遮光位置との間で制御する制御本体とを具備したことを特徴とする。
【0007】
上記遮光体により遮光される対象としては家屋、ビル、車両、等のウインドウがあるが、これらに特に限定するものではない。また、車両の場合、自動車、鉄道車両等を含む。
【0008】
駆動装置には、モータを含むが、これに限定されない。
【0009】
上記制御本体は、プログラマブルコントローラにより構成することが好ましい。
【0010】
上記遮光体には、カーテン、ブラインド、等があるが、特に限定しない。
【0011】
本発明において、複数の日射センサを異なる位置として例えば自動車のリアウインドウ、ルーフウインドウ、サイドウインドウ等にそれぞれ配置した場合、自動車進行方向により日射センサからレベルが異なるセンサ信号が制御本体に入力される。制御本体は、この日射センサから入力するセンサ信号のレベルから日射の強弱を判別することができるから、日射が強いウインドウに配置の遮光体であるカーテンやブラインドを駆動装置で駆動して遮光することができる。また、複数の日射センサを異なる位置として例えば家屋の異なるウインドウに配置した場合、日射センサからレベルが異なるセンサ信号が制御本体に入力される。制御本体は、この日射センサから入力するセンサ信号のレベルから日射の強弱を判別することができるから、日射が強いウインドウに配置の遮光体であるカーテンやブラインドを駆動装置で駆動して遮光することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上から本発明によれば、複数の日射センサのうち、特定の日射状態にあることを検知した日射センサ出力に応答してその日射センサに対応するカーテン等の遮光体を日射遮光位置に自動的に駆動して当該日射を遮光することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は本発明の実施の形態にかかる自動遮光システムが搭載される自動車の側面構成と、自動遮光システムのブロック構成とを示す図である。
【図2】図2(a)は図1の自動車のウインドウ正面側、図2(b)は図2(a)のA−A線に沿う概略断面の構成を示す図である。
【図3】図3は図1の自動遮光システム内の制御本体のブロック構成を示す図である。
【図4】図4は自動車の進行方向に応じて各ウインドウでの遮光カーテンによる遮光状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係る自動遮光システムを説明する。図1を参照して、自動車1は、一例として示すものであり、サイドウインドウ2a、ルーフウインドウ2b、リアウインドウ2c、等の各種ウインドウを有する。この自動車1に自動遮光システム3が搭載される。
【0015】
自動遮光システム3は、複数の日射センサ4a−4cと、複数の駆動モータ5a−5cと、複数の遮光カーテン6a−6cと、プログラマブルコントローラからなる制御本体7と、を有する。
【0016】
図1で示すように自動車1のサイドウインドウ2a近傍には日射センサ4aと遮光カーテン6aとが、また、ルーフウインドウ2b近傍には日射センサ4bと遮光カーテン6bとが、また、リアウインドウ2c近傍には日射センサ4cと遮光カーテン6cとがそれぞれ配置されている。これら遮光カーテン6a−6cは、それぞれ、駆動モータ5a−5cにより、対応するウインドウ2a−2cを遮光するよう駆動される。
【0017】
なお、図2(a)(b)で示すように、これらウインドウ2a−2cそれぞれの近傍に設けた遮光カーテン6a−6cそれぞれは、対応する駆動モータ5a−5cそれぞれにより、日射遮光位置Aと日射非遮光位置Bとの間を上下移動させられて日射を遮光することができるようになっている。
【0018】
図3を参照して、自動遮光システム3の制御本体7は、プログラマブルコントローラとして、内部に、日射センサ4a−4cにそれぞれ対応して設けたA/D変換部7a−7cと、システム全体の制御を司るCPU8と、プログラムやCPUの作業領域を提供する各種メモリ9と、駆動モータ5a−5cにそれぞれ対応するモータ駆動指令を出力するモータ駆動部10a−10cと、を有する。
【0019】
A/D変換部7a−7cは、それぞれ日射センサ4a−4cから入力されるセンサ信号がアナログ信号であるため、このセンサ信号をデジタル信号に変換するために設けられている。CPU8は、自動遮光システム3全体をメモリ9に格納されている自動遮光プログラムに従い制御するようになっている。CPU8は、各A/D変換部7a−7cによりデジタル信号化されたセンサ信号に基づいてモータ制御指令をモータ駆動部10a−10cに出力する。CPU8は、例えば日射センサ4a−4cから入力されるセンサ信号から日射が強いと判断すると、モータ駆動部10a−10cにそれに対応するモータ駆動指令を出力する。モータ駆動部10a−10cはCPU8のモータ制御指令に応答してそれぞれ駆動モータ5a−5cを駆動する。駆動モータ5a−5cは駆動されることで遮光カーテン6a−6cを日射遮光位置と日射非遮光位置との間で個別駆動する。この個別駆動では、遮光に応じて遮光カーテン6a−6cを日射遮光位置A、日射非遮光位置B、および、それら両位置の中間位置、まで駆動することができる。
【0020】
以上の構成を備えた自動遮光システム3においては、制御本体7は、各日射センサ4a−4cそれぞれのセンサ信号に基づいてモータ駆動部10a−10cを制御し、これにより駆動モータ5a−5cを駆動して各遮光カーテン6a−6cを個別に日射遮光位置と日射非遮光位置との間で制御することができるようになっている。
【0021】
なお、自動車1の各ウインドウに対する日射の強弱に応じて遮光カーテンの降ろす量を制御できるようにすればよい。例えば図4で示すように、自動車1に対して後方日射が強い場合では、日射センサ4cのセンサ信号レベルが最大であり、一方側面日射が強い場合では、日射センサ4a1のセンサ信号レベルが最大であり、他方側面日射が強い場合では、日射センサ4a2のセンサ信号レベルが最大である。そして、制御本体7は、これら日射センサそれぞれのセンサ信号のレベルから、例えば、最大のセンサ信号レベルに対応する遮光カーテンをウインドウの遮光領域を最大とするよう制御してもよい。こうした制御を、自動車1の進行方向の変化に伴い強い日射方向が変化する場合に、その日射変化に対応させて遮光カーテンを自動制御することができて、快適運転を行ううえでは好ましい。
【0022】
なお、上述の実施の形態では遮光対象が自動車のウインドウであったが、カーテン等の遮光体を日射遮光位置に自動的に駆動して当該日射を遮光することに限定されるものではなく、家屋、ビル等のウインドウであっても同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0023】
1 自動車
2a−2c ウインドウ
3 自動遮光システム
4a−4c 日射センサ
5a−5c 駆動モータ
6a−6c 遮光カーテン
7 制御本体(プログラマブルコントローラ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮光体を日射遮光位置と日射非遮光位置との間で自動的に駆動制御する自動遮光システムであって、異なる位置に配置された複数の日射センサと、異なる位置に配置された複数の遮光体と、各遮光体それぞれを日射遮光位置と日射非遮光位置との間で個別駆動する駆動装置と、各日射センサそれぞれのセンサ信号に基づいて上記駆動装置を駆動して各遮光体を個別に日射遮光位置と日射非遮光位置との間で制御する制御本体とを具備したことを特徴とする自動遮光システム。
【請求項2】
上記遮光体は、ウインドウの窓ガラスに沿って日射遮光位置と日射非遮光位置との間を遮光するよう制御されるカーテン状またはブラインド状の遮光体で構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−88464(P2011−88464A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−241215(P2009−241215)
【出願日】平成21年10月20日(2009.10.20)
【出願人】(000167288)光洋電子工業株式会社 (354)
【Fターム(参考)】