自己ピボット式脊椎インプラント及び関連器具
椎間インプラント(100)は、挿入端部(110)、対向する係合端部(115)、並びにそれぞれの隣接する椎骨端板と接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面(120、125)を有する。第1及び第2の主表面の各々は、前縁、後縁を有し、挿入端部及び係合端部の間を延びる。前壁及び後壁(130)は、第1及び第2の主表面の間に及びそれぞれの前縁及び後縁に沿って形成され、挿入端部及び係合端部において収束する。スロット(135)は、係合端部において形成され、前壁及び後壁の間を少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びる。ポスト(180)は、スロット内に位置決めされ、前壁及び後壁の少なくとも一方から離間し、かつ第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延びる。ポストは、複数の露出ファセットを有し、かつピボット式挿入器具と係合するように構成される。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
腰椎融合のための椎体間スペーサの片側経椎間孔挿入は、インプラントが椎間腔に入った状態でインプラントが被る湾曲操作経路のために、処置の任務を負う外科医に問題を呈している。この処置は、インプラントに望ましい経路に従うように限られた量の回転又は連接を許容しながらインプラントを挿入器具に連結する更に別の問題を呈する。これらはまた、初期アクセス通路がまだ線形であり、インプラントが椎間腔に入った状態でインプラントを湾曲経路に沿って操作又は連接すべきであるという他の脊椎への角度的片側進入に対してもそれ自体問題を呈している。従来の経椎間孔横方向椎体間融合(TLIF)インプラントは、例えば、線形挿入経路と、インプラントの望ましい前方位置決めを提供する押し込み器を使用する望ましい位置内へのインプラントのハンマー打撃との組合せを使用して挿入される。代替的に、能動回転技術と交互して段階的直線ハンマー打撃工程は、多くの場合に、入口位置から最終の望ましい位置までインプラントを操作するのに使用される。従来のTLIF、並びに他の角度的片側システム及び挿入方法は、インプラントを椎間腔内のその最終の望ましい位置まで容易に挿入することを可能にするインプラント、手段、及び方法を提供できていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
従って、挿入中又は椎間腔内にある状態でインプラントを操作することができる容易性を改善する脊椎インプラント及び関連器具及び方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0003】
簡単に言えば、本発明の第1の実施形態は、挿入端部と、対向する係合端部と、それぞれの隣接する椎骨端板に接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面とを備えた椎間インプラントを有する。第1及び第2の主表面の各々は、前縁、後縁を有し、かつ挿入端部及び係合端部の間を延びる。前壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその前縁に沿って形成される。後壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその後縁に沿って形成される。前壁及び後壁は、挿入端部及び係合端部において収束する。スロットが、係合端部において形成され、かつ前壁及び後壁の間を少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びる。ポストが、スロット内に位置決めされ、前壁及び後壁の少なくとも一方から離間し、かつ第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延びる。ポストは、複数の露出ファセットを有し、かつピボット式挿入器具と係合するように構成される。
【0004】
本発明の別の実施形態は、挿入端部と、対向する係合端部と、それぞれの隣接する椎骨端板に接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面とを備えた椎間インプラントを有する。第1及び第2の主表面の各々は、前縁、後縁を有し、挿入端部及び係合端部の間を延びる。各前縁は、係合端部に近いほぼ線形部分及びほぼ凹状部分を有し、各後縁は、係合端部に近いほぼ線形部分及びほぼ凸状部分を有する。前縁のほぼ線形部分は、第1及び第2の主表面の各々に対して係合端部において後縁のほぼ線形部分と共に収束する。前壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその前縁に沿って形成される。後壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその後縁に沿って形成される。前壁及び後壁は、挿入端部及び係合端部において収束する。スロットが、係合端部において形成され、かつ前壁及び後壁の間を少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びる。ポストが、スロット内に位置決めされ、前壁及び後壁の少なくとも一方から離間し、かつ第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延びる。ポストは、複数の露出ファセットを有し、かつピボット式挿入器具と係合するように構成される。
【0005】
本発明の更に別の実施形態は、挿入端部と、対向する係合端部と、それぞれの隣接する椎骨端板と接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面とを備えた椎間インプラントを有する。第1及び第2の主表面の各々は、前縁、後縁を有し、挿入端部及び係合端部の間を延びる。各前縁は、ほぼ凹状であり、各後縁は、ほぼ凸状である。前壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその前縁に沿って形成される。後壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその後縁に沿って形成される。前壁及び後壁は、挿入端部及び係合端部において収束する。スロットが、係合端部において形成され、前壁及び後壁の間を少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びる。ポストが、スロット内に位置決めされ、前壁及び後壁から離間し、かつ第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延びる。ポストは、その周囲全体の周りに配置された複数のファセットを有し、かつピボット式挿入器具と係合するように構成される。少なくとも1つの当接面が、ポストから遠位にスロット内に配置される。少なくとも1つの当接面は、ポストがピボット式挿入器具と係合する時にポストの周りのインプラントの回転を制限する。
【0006】
本発明の更に別の実施形態は、挿入端部と、対向する係合端部と、それぞれの隣接する椎骨端板と接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面とを備えた椎間インプラントを有する。第1及び第2の主表面の各々は、前縁、後縁を有し、挿入端部及び係合端部の間を延びる。各前縁は、ほぼ凹状であり、各後縁は、ほぼ凸状である。軸線方向ボアが、前縁及び後縁の間に形成され、かつ第1及び第2の主表面の間を延びる。前壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその前縁に沿って形成される。後壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその後縁に沿って形成される。前壁及び後壁は、挿入端部及び係合端部において収束する。スロットが、係合端部において形成され、かつ前壁及び後壁に沿って少なくとも部分的に延びる。ポストが、スロット内に位置決めされ、第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延びる。ポストは、複数のファセットを有し、かつピボット式挿入器具と係合するように構成される。椎間インプラントはまた、複数のマーカを有する。マーカの少なくとも1つは、前壁及び後壁の一方の内部で第1及び第2の主表面の間を延びる。マーカの少なくとも1つの他のものは、マーカのその少なくとも1つに対してほぼ横断方向に配置され、かつ挿入端部から軸線方向ボアに向けて延びる。
【0007】
本発明の更に別の実施形態は、患者の隣接する椎体の第1及び第2の端板の間に配置された椎間腔の中に椎間インプラントを埋め込む方法を有する。本方法は、必要な脊椎レベルまでアクセス通路を設ける段階と、隣接する椎骨の間の椎間板物質の少なくとも一部分を取り除く段階と、椎体間スペーサインプラントを設ける段階とを有する。インプラントは、挿入端部と、対向する係合端部と、それぞれの第1及び第2の椎骨端板と接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面とを有する。第1及び第2の主表面の各々は、前縁、後縁を有し、挿入端部及び係合端部の間を延びる。各前縁は、ほぼ凹状であり、各後縁は、ほぼ凸状である。第1及び第2の主表面の各々は、それぞれの表面から突出して挿入端部から係合端部まで延びる複数の湾曲平行隆起部を有する。複数の平行隆起部の各々は、複数の歯を有する。前壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその前縁に沿って形成される。後壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその後縁に沿って形成される。前壁及び後壁は、挿入端部及び係合端部において収束する。スロットが、係合端部において形成され、前壁及び後壁の間に少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びる。ポストが、スロット内に位置決めされ、前壁及び後壁の少なくとも一方から離間し、かつ第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延びる。ポストは、複数の露出ファセットを有し、かつピボット式挿入器具と係合するように構成される。本方法はまた、挿入器具を準備する段階を有する。器具は、近位端、遠位端、及びそれらの間の縦軸線、並びに内側部材及び外側部材を有する。内側部材は、外側部材に対して縦軸線に沿って移動可能である。内側部材は、遠位端において把持部分を有する。把持部分は、複数のポストファセットと係合するように構成された複数のファセット面を有する。本方法はまた、把持部分がポストを取り囲むように器具の把持部分をインプラントのスロットの中に挿入する段階と、ポストが把持部分に対して回転可能に固定されるようにインプラントのポストを器具の把持部分と係合させる段階と、少なくとも挿入端部が少なくとも部分的に空にした椎間腔の中に導入されるまで、かつ第1及び第2の主表面の隆起部の少なくとも一部分が第1及び第2の椎骨端板にそれぞれ接触するようにアクセス通路を通して器具を使用してインプラントを挿入する段階と、インプラントのポストが器具の把持部分と係合したままであるが、ポストの回転が把持部分内で許容されるように器具を調節する段階と、インプラントのポストがインプラントの把持部分に対して連接し、かつインプラントが望ましい位置の中に椎骨レールによって案内されるように嵌入力を器具の近位端に送達する段階と、器具の把持部分からインプラントのポストを解除する段階と、アクセス通路を通して器具を引き抜く段階とを有する。
【0008】
本発明の更に別の実施形態は、患者の隣接する椎体の第1及び第2の端板の間に配置された椎間腔における脊椎手術のためのシステムを有する。システムは、挿入端部と対向する係合端部とを備えた椎間インプラントを有する。第1及び第2の対向する主表面は、それぞれの隣接する椎骨端板と接触するように構成される。第1及び第2の主表面の各々は、前縁、後縁を有し、挿入端部及び係合端部の間を延びる。前壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその前縁に沿って形成される。後壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその後縁に沿って形成される。前壁及び後壁は、挿入端部及び係合端部において収束する。スロットが、係合端部において形成され、前壁及び後壁の間に少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びる。ポストが、スロット内に位置決めされ、前壁及び後壁の少なくとも一方から離間し、かつ第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延びる。ポストは、複数の露出ファセットを有する。試行インプラントは、挿入端部及び対向する係合端部を有する。第1及び第2の対向する主表面は、それぞれの隣接する椎骨端板と接触するように構成される。第1及び第2の主表面の各々は、前縁、後縁を有し、挿入端部及び係合端部の間を延びる。前壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその前縁に沿って形成される。後壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその後縁に沿って形成される。前壁及び後壁は、挿入端部及び係合端部において収束する。スロットが、係合端部において形成され、前壁及び後壁の間に少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びる。ポストが、スロット内に位置決めされ、前壁及び後壁の少なくとも一方から離間し、かつ第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延びる。ポストは、複数の露出ファセットを有する。挿入器具は、近位端、遠位端、及びそれらの間の縦軸線、内側部材、及び外側部材を有する。内側部材は、縦軸線に沿って外側部材に対して平行移動可能であり、かつ遠位端において把持部分を有する。把持部分は、椎間インプラント及び試行インプラントのポストファセットの複数のものと係合可能な複数のファセット面を有する。器具は、把持部分が椎間インプラント及び試行インプラントのうちの一方のポストへの器具の連結を可能にするための開放構成を取る第1の構成と、所定の力の下で把持部分内でポストが回転することを可能にしながら、器具が椎間インプラント及び試行インプラントのうちの一方のポストに確実に連結する第2の構成と、把持部分に対するポストの回転を防止しながら、器具が椎間インプラント及び試行インプラントのうちの一方のポストに確実に連結する第3の構成とを有する。
【0009】
本出願の器具の好ましい実施形態の以上の要約並びに以下の詳細説明は、添付の図面と共に読むとより良く理解されるであろう。本出願の自己ピボット式脊椎インプラント及び関連手段を例示する目的のために、好ましい実施形態が図面に示されている。しかし、本出願は、図示の配置及び手段通りには限定されないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の好ましい実施形態による自己ピボット式TLIFインプラントの後面斜視図である。
【図2】図1の自己ピボット式TLIFインプラントの前面斜視図である。
【図3】図1の自己ピボット式TLIFインプラントの上位面図である。
【図4】図1の自己ピボット式TLIFインプラントの前面及び左側面斜視図である。
【図5】図1の自己ピボット式TLIFインプラント及びインプラントの中に挿入するように構成された骨成長促進材料の前面斜視図である。
【図6】放射線不透過マーカの好ましい配置を示す図1の自己ピボット式TLIFインプラントの前面斜視図である。
【図7】挿入器具を開放構成に示す本発明の第1の好ましい実施形態による挿入器具の部分前面斜視断面図である。
【図8A】図7の挿入器具の上位面図である。
【図8B】開放構成の図7の挿入器具の部分前面斜視図である。
【図9A】初期連接位置及び最終ロック構成の図7の挿入器具の上位面図である。
【図9B】初期連接位置及び最終ロック構成の図7の挿入器具の断面図である。
【図9C】初期連接位置及び一時的ロック構成の図7の挿入器具の断面図である。
【図9D】最終連接位置及び一時的ロック構成の図7の挿入器具の断面図である。
【図10A】最終連接位置及び最終ロック構成の図7の挿入器具の断面図である。
【図10B】最終連接位置及び最終ロック構成の図7の挿入器具の上位面図である。
【図10C】最終連接位置及び開放構成の図7の挿入器具の断面図である。
【図11A】インプラントが挿入される時の部分的に切り欠いた椎間腔に対して図1のインプラント及び図7の器具の1つの位置の部分的に切り欠いた上位面図である。
【図11B】第2の位置の図11Aのインプラント及び器具の部分的に切り欠いた上位面図である。
【図11C】第3の位置の図11Bのインプラント及び器具の部分的に切り欠いた上位面図である。
【図11D】第4の位置の図11Cのインプラント及び器具の上位面図である。
【図12A】本発明の実施形態による試行インプラントの後面斜視図である。
【図12B】図12Aの試行インプラントの前面斜視図である。
【図12C】図12Aの試行インプラントの後面図である。
【図12D】図12Aの試行インプラントの左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明では、単に便宜的にある一定の専門用語を使用し、それらは限定的なものではない。用語「右」、「左」、「下側」、及び「上側」は、参照する図面内の方向を示している。用語「内向き」又は「遠位に」及び「外向き」又は「近位に」は、患者の体又は椎体間スペーサインプラント及びその関連部分の幾何学的中心へ向う方向及びそれから離れる方向をそれぞれ意味する。用語「前側」、「後側」、「上位」、「下位」、及び関連の用語及び/又は語句は、参照する人体の好ましい位置及び向きを示すものであり、限定することを意味するものではない。専門用語は、上記列挙した用語、その派生語、及び同様の趣旨の用語を含む。
【0012】
図1〜図6を参照すると、挿入端部110及び係合端部115を有するTLIFスペーサ100が提供されており、挿入端部110は、好ましくは、弾丸形先端部112を形成するか、又は挿入の容易さを高めるため及び/又はインプラント100を挿入するように構成された2つの椎体に延長力を印加するための何らかの他のテーパのついた幾何学形状を有する。インプラント100は、上椎体の下位端板と接触するように構成された第1の主表面又は上位面120と、下椎体の上位端板と接触するように構成された第2の主表面又は下位面125とを更に有する。前及び後側の1つ又はそれよりも多くの壁130は、上及び下位面120、125の間を延び、上及び下位面120、125の両方を通って延びる軸線方向ボア140を取り囲む。軸線方向ボア140は、骨移植片190又は他の融合補強材料を収容するように構成される。
【0013】
1つ又はそれよりも多くの横方向窓150が、壁130に配置され、椎体の間に起こり、軸線方向ボア140内に配置された骨移植片190の血管新生を強化して融合を助け、並びに軸線方向ボア140の容積を増大させる融合を観察するための可視窓を提供する。1つ又はそれよりも多くの表面特徴部145が、軸線方向ボア140内で骨移植片190を固定するのを補助するように軸線方向ボア140を形成する壁130の下位部分に沿って設けられる。特徴部145は、頭蓋−尾部方向に沿って軸線方向ボア140を通って延びる1つ又はそれよりも多くの隆起部、溝、又は骨移植片190と軸線方向ボア140を形成する壁130の内部との間の摩擦を高める他の表面模様付けの形態を取ることができる。
【0014】
第1の好ましい実施形態では、TLIFスペーサ100は、その挿入端部及び係合端部110、115の間に曲線の幾何学形状を有するインゲン豆又はバナナの形状を有する。この形状は、ほぼ凹状の前壁130と共に上及び下位面120、125の前縁と、ほぼ凸状の後壁130と共に上及び下位面120、125の後縁とを有することによって達成することができる。しかし、様々な幾何学形状は、椎体の端板とインプラント100の間の表面接触の望ましい量、椎間腔内に埋め込むのに望ましいインプラント100の数(例えば、1つ又は2つ)、外科医に対して選択された手法、又は椎間腔内のインプラントの望ましい位置(前方又は後方)などに応じてインプラント100に対して利用することができる。挿入端部110に隣接する上位面120上に配置されるのは、TLIFインプラント100の曲率に沿って互いに対して平行に配置された複数の曲線の上位隆起部160である。
【0015】
第1の好ましい実施形態では、上位隆起部160は、頂点を形成するために出会う2つの直線的に傾斜した表面を有する。上位隆起部160が、挿入端部110から離れてそれらの曲線の経路に沿って延びると、上位隆起部160は、遮断されて複数の上位歯162を形成する。上位歯162は、係合端部115においてかつ軸線方向ボア140の前及び後側の少なくとも一部分に沿って配置される。同様に、挿入端部110に隣接する下位面125上に配置されるのは、TLIFインプラント100の曲率に沿って互いに対して平行に配置された複数の曲線の下位隆起部165である。下位隆起部165が、挿入端部110から離れてそれらの曲線の経路に沿って延びると、下位隆起部165は、遮断されて複数の下位歯167を形成する。下位歯167は、係合端部115にかつ軸線方向ボア140の前及び後側上に配置される。上位及び下位隆起部160、165は、隣接する椎体の圧縮力を受けてTLIFインプラント100の挿入を案内するが、上位及び下位歯162、167は、TLIFインプラント100の1次固定を補助する。
【0016】
図3、図4、及び図6を参照すると、ステンレス鋼、チタン、タンタル、又はチタン−アルミニウム−ニオビウム(TAN)などのピン又はビーズのようなX線写真画像が可能な材料から作られた1つ又はそれよりも多くの放射線不透過マーカ170は、椎間腔の中への挿入中及び挿入した後に、可視化を可能にしてTLIFインプラント100の位置を制御するためにTLIFインプラント100に含まれる。第1の好ましい実施形態では、マーカ170は細長く、第1のマーカ170A、第2のマーカ170B、及び第3のマーカ170Cを有する。第1及び第2のマーカ170A、170Bは、インプラント100の前壁130内の横方向窓150の両側の頭蓋−尾部方向に配置される。第3のマーカ170Cは、挿入端部110の近くに配置され、その縦軸線は、挿入端部110から軸線方向ボア140に向けて延びる。
【0017】
係合端部115は、上及び下位面120、125の間に完全に延びる壁130がないことを特徴とする。すなわち、スロット135は、前壁及び後壁130の間に少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びる係合端部115に形成される。ポスト180は、前壁及び後壁130から離間し、上及び下位面120、125の間に少なくとも部分的に延び、器具係合特徴部として機能するスロット135内に位置決めされる。ポスト180と係合するように、器具200(図7)の係合部分に対してスロット135によって十分な空間が与えられる。図9及び図10に示すように、インプラント100内では、軸線方向ボア140とポスト180の間に配置された壁130は、ポスト180に面する第1及び第2の嵌合面132、134を有し、その間に器具200に対してインプラント100の許容可能な連接の範囲に対する1対の機械的停止部を提供する鈍角が形成される。第1及び第2の嵌合面132、134は、好ましくは、線形表面であるが、湾曲などとすることもできる。代替的に、止めピンなどを使用してインプラント100の連接を制限することができる。
【0018】
ここで図9及び図10を参照すると、第1の好ましい実施形態では、ポスト180は、断面が多角形であり、その全円周の周囲に配置されて上及び下位面120、125の間を頭蓋−尾部方向に延びる9つの露出ファセット182a〜182iを有する。ファセット182a〜182iは、インプラント100の挿入中に器具200とインプラント100の間の係合及び相互作用を強化するように構成される。好ましくは、7つのファセット182a〜182f、182iは、平坦面であるが、残りの2つのファセット182g〜182hは、湾曲面である。代替的な実施形態では、ポスト180は、異なる多角数のファセット182を有することができる。更に別の代替的な実施形態では、ポスト180は、円筒形であり、従って、ファセット182がない場合もあり、その挿入中に器具200に対してインプラント100の連接を支配するための他の特徴部を含んでもよい。例えば、ポスト180は、凹部、歯、表面模様付け、又は溝などを有することができる。
【0019】
ここで図1〜図5及び図7を参照すると、上位面120の係合端部115は、ポスト180の近くから発してインプラント100の係合端部115の近くに配置されたある一定の角度で収束する上位の第1及び第2の平坦セグメント123、124を有する上位のコーナ122で終端する。同様に、下位面125の係合端部115は、ポスト180の近くから発してインプラント100の係合端部115の近くに配置されたある一定の角度で終端して収束する下位の第1及び第2の平坦セグメント128、129を有する下位のコーナ127で終端する。上位の第1の平坦セグメント123及び下位の第1の平坦セグメント128は、以下に詳細に説明するように器具200の一部分によって係合可能であるように構成され、上位の第2の平坦セグメント124及び下位の第2の平坦セグメント129と同様に、トグルなし接続を提供する。上位及び下位のコーナセグメント122、127の両方のリムは、上及び下位面120、125からインプラント100の中心に向けて短い距離だけ延びる幅を有する。リムの表面はまた、器具200とインプラント100の間の相互作用を強化するために平坦である。インプラント100は、以下に限定されるものではないが、チタン、ステンレス鋼、同種移植骨、又はポリアリルエーテルエーテルケトン(PEEK)及びポリエーテルケトンケトン(PEKK)、チタン発泡体、又は多孔質PEEKなどのようなポリマーを有する様々な生体適合性材料から形成することができる。
【0020】
図7〜図8を参照すると、近位端201と遠位端202の間を延びる縦軸線を有する器具200を提供する。器具200は、細長内側部材250を取り囲む細長カニューレ外側部材210を有する。内側部材250は、縦軸線に沿って外側部材210に対して平行移動可能であるように構成される。代替的に、器具200は、外側部材210が、同じ方式で実施するために縦軸線に沿って内側部材250に対して平行移動可能であるように構成することができる。外側部材210の近位端は、外側部材210に対して内側部材250を平行移動させるためのハンドル部分(図示せず)及び作動機構(図示せず)を有する。外側部材210の遠位端は、カニューレの遠位部分を形成する間隙230によって分離された外側部材の第1のアーム220及び外側部材の第2のアーム240を有する。間隙230は、外側部材の第1及び第2のアーム220、240の近位端に配置されたカニューレの両側に1対の横方向向き面232を有する。横方向向き面232は、外側部材210に対して内側部材250の後退に対する停止部として機能する。第1のアーム220の内部表面は、外側部材の第1のアームの内部直線部分224の遠位に配置された外側部材の第1のアームの内部線形テーパ222を有するが、第2のアーム240の内部表面は、外側部材の第2のアームの内部直線部分244の遠位に配置された外側部材の第2のアームの内部線形テーパ242を有する。第1及び第2のアームの内部線形テーパ222、242は、組み合わされて2つの楔面を形成する。
【0021】
外側部材210の横方向に延びる上位の外部平坦面215は、外側部材の第1及び第2のアーム220、240の遠位端と横方向向き面232の間に配置される。同様に、外側部材210の横方向に延びる下位の外部平坦面216は、外側部材の第1及び第2のアーム220、240の遠位端と横方向向き面232の間に配置される。横方向に延びる上位の外部平坦面215及び横方向に延びる下位の外部平坦面216は、以下に詳細に説明するように、連接範囲の一端において上位及び下位の第1の平坦セグメント123、128と当接することにより、かつ連接範囲の他端において上位及び下位の第2の平坦セグメント124、129と相互作用することによってインプラント100の過度の連接を防止するように停止部として機能するように構成される。横方向に延びる上位及び下位の外部平坦面215、216はまた、インプラント挿入処置の一部分の間に、インプラント100の上位及び下位の第1の平坦セグメント123、128に対して、又はインプラント100の上位及び下位の第2の平坦セグメント124、129に対して当接する。
【0022】
内側部材250は、その遠位端において、把持部分255と、把持部分255から近位端に向けて縦軸線に沿って内側部材250の中央を通って延びるスプリット270によって分離された内側部材の第1のアーム260及び内側部材の第2のアーム280とを有する。把持部分255の内部表面は、インプラント100のポスト180の多角断面幾何学形状に相補的に適合し、従って、複数のファセット182a〜182iのうちのいくつかと係合するように構成された複数の係合面257を有する。第1の好ましい実施形態では、ポスト180の9つのファセット182a〜182iのうちの7つと係合するように構成された7つの係合面257a〜257gが存在する。外側部材の第1及び第2のアーム220、240の内部表面と相互作用するように構成された時に、内側部材の第1のアーム260の外面は、内側部材の第1のアームの外部直線部分264の遠位に配置された内側部材の第1のアームの外部線形テーパ262を有するが、内側部材の第2のアーム280の外面は、内側部材の第2のアームの外部直線部分284の遠位に配置された内側部材の第2のアームの外部線形テーパ282を有する。内側部材の第1のアームの外部線形テーパ262と内側部材の第1のアーム260の遠位先端の間に配置されるのは、内側部材の第1のアームの第2の外部線形テーパ266である。
【0023】
同様に、内側部材の第2のアームの外部線形テーパ282と内側部材の第2のアーム280の遠位先端の間に配置されるのは、内側部材の第2のアームの第2の外部線形テーパ286である。更に、内側部材の第1のアームの横方向向き平坦面265及び内側部材の第2のアームの横方向向き平坦面285は、内側部材の第1のアームの外部直線部分264及び内側部材の第2のアームの外部直線部分284の近位にかつそれらに隣接してそれぞれ形成され、その結果、1対のコーナがそれらの間に形成され、その結果、内側部材の第1及び第2のアームの横方向向き平坦面265、285は、横方向向き面232に面してそれらと係合する。
【0024】
図12を参照すると、インプラント100と同一又はこれに類似する幾何学形状及び表面特徴部を有し、横方向孔310及び縦方向孔320を更に有する試行インプラント300が提供されており、従って、試行インプラントの完全な説明は、便宜上の目的のみで省略され、かつ限定するものではない。試行インプラント300は、チタン又はステンレス鋼などのようなX線画像の下で可視である材料から形成される。横方向及び縦方向孔310、320は、横及び前面X線と共に見る時に試行インプラント300の最適位置決めを補助する。横方向孔310は、蛍光透視法の下で椎体の棘状突起に対して外科医が試行インプラント300を中心に置くことを可能にする。縦方向孔320は、試行インプラント300が回転しているか否かを示し、その場合には、外科医は、好ましくは、より多くの椎間板物質を取り除くべきであることを知ることになる。横方向及び縦方向孔310、320は、好ましい実施形態ではほぼ円形又は円筒形であるように示されているが、そのように限定されるものではない。横方向及び縦方向孔310、320は、画像の下で試行インプラント300の位置の可視化を可能にする矩形、正方形、矢印形、及び/又は三角形のような殆どあらゆるサイズ及び/又は形状を有することができる。更に、試行インプラント300は、試行インプラント300の位置が光学的又は機械的に可視可能なマーカ又は他の特徴部により可視化することができる時に、横方向及び縦方向孔310、320又はいずれの孔を有することにも限定されない。
【0025】
作動中に、及び続いて図1〜図12を参照すると、好ましくは、片側経椎間孔進入により、修復又は置換を必要とする脊椎椎間板が識別され、少なくとも部分的椎間板切除が実施される。試行インプラント300は、椎間腔の中への挿入に適切なサイズのインプラント100を測定するために器具200を使用して挿入され、かつ取り外される。器具200を使用する試行インプラント300の挿入及び操作は、以下で説明するように、器具200を使用してインプラント100を挿入及び操作する方法と同一である。横方向及び縦方向孔310、320は、椎間腔内の試行インプラント300の適切な位置を確かめて、次に、インプラントサイズを選択するために、横及び/又は前面X線を使用して見られる。
【0026】
従って、試行インプラント300は、単に椎体の間で高さを測定する以上のものに使用される。試行インプラント300は、最終のインプラント100と同じ望ましい位置に連接し、かつその中に挿入されるので、試行インプラント300を使用して、インプラント100の望ましい位置が到達可能であるか否か及び十分な椎間板物質が取り外されているか否かなどを判断することができる。
【0027】
次に、骨移植片190が、軸線方向ボア140の中に挿入されて表面特徴部145を通じてその中に固定され(既にそれに対して組み立て済みない場合)、次に、インプラント100が、器具200が図7、図8、及び図10Cに見られるように開放構成を取るように、作動機構(図示せず)の操作により内側部材250に対して外側部材210を後退させることによって器具200に結合される。次に、把持部分255は、ポスト180の周囲の中心に置かれ、内側部材250は、作動機構の操作により外側部材210に対して部分的に後退し、それによって内側部材の第1及び第2のアームの外部直線部分264、284と内側部材の第1及び第2のアームの横方向向き平坦面265、285との間に形成されたコーナの対を押し付け、内側部材の第1及び第2のアームの横方向向き平坦面265、285と横方向向き面232の間に間隙230を提供しながら、内側部材の第1及び第2のアームの外部直線部分264、284が、外側部材の第1及び第2のアームの内部直線部分224、244に当接するまで、外側部材の第1及び第2のアームの内部線形テーパ224、244に対して摺動的に押し当たる。その結果、把持部分255は、図9Cに示すように、係合面257a〜257gが、ポスト180の複数のファセット182a〜182iに対して接触状態になるように、かつポスト180が、把持部分255によって一時的に捕捉されるようにポスト180の周囲に圧潰され、内側部材の第1のアームの第2の外部線形テーパ286は、第2の線形表面134に押し当たる。
【0028】
この一時的ロック構成において、インプラント100は器具に固定され、しかし、ポスト180は、把持部分255に対して回転することができるが、把持部分255から出るのを防止される。図9A、図9B、図10A、及び図10Bに示すように、ポスト180の周りの把持部分255の最終のロッキングは、作動機構の連続操作により外側部材210に対して内側部材250を完全に後退させることによって達成され、それによって外側部材の第1のアームの内部線形テーパ222及び外側部材の第2のアームの内部線形テーパ242を押し付けて、内側部材の第1のアームの外部線形テーパ262及び内側部材の第2のアームの外部線形テーパ282それぞれに当接するようになり、それによって内側部材の第1及び第2のアーム260、280のあらゆる部分が、外側部材の第1及び第2のアームの内部線形テーパ222、242と内側部材の第1及び第2のアームの外部線形テーパ262、282との間の接触によりスプリット270にわたる互いの力の下で分離するのを防止しながら間隙230を閉鎖し、最後にインプラント100を器具200にロックする。この最終ロック構成において、上位及び下位の外部平坦面215、216は、上位及び下位の第1の平坦セグメント123、128それぞれと接触し、間隙230は閉鎖し、内側部材の第1及び第2の外部線形テーパ286は、依然として第2の線形表面134に当接し、かつポスト180は、把持部分255に対して回転することができない。
【0029】
最終ロック構成において、器具200のハンドル部分は把持され、インプラントの挿入端部110は、弾丸形先端部112が椎間腔に入って隣接する椎体を後退させ始めるまで、椎間板切除処置中に作り出された経椎間孔窓の中に挿入され、上位及び下位隆起部160、165の遠位端は、上椎体の内部表面及び下椎体の上位面それぞれと接触する。軽いハンマー打撃又は他の嵌入力が、器具200の近位端201に付加され、インプラント100を少なくとも部分的に椎間腔の中に押し付ける。トグリングは、器具200がインプラント100に対してその最終ロック構成にある時に(1)上位及び下位の外部平坦面215、216との上位及び下位の第1の平坦セグメント123、128の当接、及び/又は(2)第1のアームの第2の線形テーパ286との第2の線形表面134の当接、及び/又は(3)係合面257a〜257fとのポスト180の複数のファセット182a〜182iの当接による嵌入力の送達中にインプラント100と器具200の間で防止される。
【0030】
図11Aに見られるように、器具200が最後にインプラント100にロックした状態で、嵌入力が、インプラント100を線形経路に沿って椎間腔内の望ましい位置に駆動すると、内側部材250は、器具がインプラント100に対してその一時的ロック構成を再び取るように、外側部材210に対して前進し、そこでインプラント100は器具に結合されるが、ポスト180は、把持部分255に対して回転可能である。この時点で、付加的な軽いハンマー打撃又は他の嵌入力が、器具200の近位端に付加され、上位及び下位隆起部160、165は、椎体の端板と接触し、インプラント100の回転を容易にし、挿入端部110が椎間腔の中に進行する時にインプラント100の挿入の経路を案内する。上位及び下位隆起部160、165がインプラント100を椎間腔内の望ましい位置の中に案内する時に、ポスト180及び従って椎間板100は、第2の線形表面134(挿入方法の開始構成)に当接する内側部材のアームの第2の外部線形テーパ286と、第1の線形表面132(最大角度形成)に当接する内側部材の第1のアームの第2の外部線形テーパ266との間の相互作用によって設けられた停止部によって制限された範囲で把持部分255に対して回転する。
【0031】
挿入過程の全体を通して、椎間腔に対する器具200のシャフトの角度は、インプラント100を連接するように実施されるアクションの全てが、インプラントの能動回転の必要なく軽い嵌入力が上位及び下位隆起部160、165によって案内されたその望ましい最終の位置の中にインプラント100を入れる時にインプラント100自体によって行われるので一定に維持される。内側部材の第1のアームの第2の外部線形テーパ266と第1の線形表面132との間での接触時に、インプラント100は、椎間腔に対してその望ましい最終の位置に又はその近くにある。この時点で、インプラント100は、内側部材250を外側部材210に対して遠位に後退させることにより、かつ器具200のハンドルを操作することにより、蛍光透視画像の下でマーカ170の位置を見ながらインプラント100の最適最終位置決めを椎間腔に対して達成するまでインプラント100を器具200にここでも最終的にロックすることにより、必要に応じて再位置決めすることができる。マーカ170の配置は、単一X線画像、例えば、横方向画像を椎間腔に対するインプラント100の正確な位置を判断するのに使用することを可能にする。次に、インプラント100は、上述のように、器具200がその開放構成を取るまで作動機構を操作することによって器具200から解除され、把持部分255は、もはやポスト180と接触しない。椎骨端板と上及び下位面120、125の間の圧縮力は、器具200が椎間腔及び患者の体から取り外される時に所定位置にインプラント100を維持する。
【0032】
試行インプラント300の挿入及び取り外しは、インプラント100の上位及び下位隆起部160、165と同じ上位及び下位隆起部の試行インプラント300の上及び下位面上への具備により、上及び下椎体の隣接する端板において溝の形成を生じる場合がある。上及び下椎体の隣接する端板におけるこのような溝の形成は、インプラント100の挿入に必要ではないが、試行インプラント300によって予め形成された溝と上位及び下位隆起部160、165との案内嵌合により、器具200を使用してインプラント100の挿入を容易にするのを補助することができる。
【0033】
本発明の実施形態は、経椎間孔経路を通して挿入するように構成された椎体間スペーサに関して本明細書に説明したが、全椎間板置換デバイス及び背側置換デバイスのような様々なインプラントは、単にこのようなインプラントを器具係合特徴部のための適切なファセットポスト及び任意的に本明細書で説明する停止部及びトグルなし担持面を有することができるように構成することによって利用することができる。従って、インプラント100は、バナナ又はインゲン豆形状に限定されることなく、椎間腔内に適合することができるあらゆる幾何学形状を取ることができる。更に、一連の椎間腔への角度的進入は、細長インプラントが、それが後−横方向進入、経横方向、及び直接横方向処置のように椎間腔の中に直線経路に沿って送達された状態で操作又はピボット回転されることが望ましい場合に利用することができる。
【0034】
代替的な実施形態では、横方向に延びる上位及び下位の外部平坦面215、216と上位及び下位の第1の平坦セグメント123、128の相互作用及び当接、並びに横方向に延びる上位及び下位の外部平坦面215、216と上位及び下位の第2の平坦セグメント124、129の相互作用及び当接によって供給される嵌入力の送達中のインプラント100と器具200の間の非トグリングインタフェースには、非線形当接面も設けることができる。器具がその最終ロック構成を取る時に、表面が嵌合するか又は互いに当接することができる限り、非トグリングインタフェースを設けることができる。
【0035】
同様に、第1及び第2の線形表面132、134によって具現化された器具200に対するインプラント100の過度の連接を防止する連接停止部、及びそれらの間に配置された鈍角によって与えられる連接の範囲は、所定の用途に対して望ましい連接範囲に具体的に調節することができる様々な角度によって提供することができ、従って、必ずしも鈍角になる必要はない。更に、第1及び第2の線形表面132、134、並びにそれらに対して当接している内側部材の第1及び第2のアームの第2の外部線形テーパ266、286は、線形表面である必要はない。そうではなく、連接範囲を制限する目的のために132と266の間及び134と286の間のあらゆる嵌合当接面で十分であることになる。更に、第1及び第2のアームの第2の外部線形テーパ266、286の両方によって当接可能であることによって連接の範囲を制限することができる単一当接面が備えられ、かつそれが第1及び第2のアームの第2の外部線形テーパ266、286に対して選択された幾何学形状に嵌合当接面をもたらす限り線形である必要はないように、鈍角が、第1及び第2の線形表面132、134の間で取り除かれる実施形態を考えることができる。
【0036】
本発明の広範な発明概念から逸脱することなく上述の実施形態に変更を加えることができることは、当業者によって認められるであろう。従って、本発明は、開示した特定的な実施形態に限定されることなく、修正を本発明の説明によって定める本発明の精神及び範囲内に包含することを意図していることが理解される。
【符号の説明】
【0037】
100 椎間インプラント
110 挿入端部
115 係合端部
120、125 第1及び第2の対向する主表面
130 前壁及び後壁
135 スロット
180 ポスト
【背景技術】
【0001】
腰椎融合のための椎体間スペーサの片側経椎間孔挿入は、インプラントが椎間腔に入った状態でインプラントが被る湾曲操作経路のために、処置の任務を負う外科医に問題を呈している。この処置は、インプラントに望ましい経路に従うように限られた量の回転又は連接を許容しながらインプラントを挿入器具に連結する更に別の問題を呈する。これらはまた、初期アクセス通路がまだ線形であり、インプラントが椎間腔に入った状態でインプラントを湾曲経路に沿って操作又は連接すべきであるという他の脊椎への角度的片側進入に対してもそれ自体問題を呈している。従来の経椎間孔横方向椎体間融合(TLIF)インプラントは、例えば、線形挿入経路と、インプラントの望ましい前方位置決めを提供する押し込み器を使用する望ましい位置内へのインプラントのハンマー打撃との組合せを使用して挿入される。代替的に、能動回転技術と交互して段階的直線ハンマー打撃工程は、多くの場合に、入口位置から最終の望ましい位置までインプラントを操作するのに使用される。従来のTLIF、並びに他の角度的片側システム及び挿入方法は、インプラントを椎間腔内のその最終の望ましい位置まで容易に挿入することを可能にするインプラント、手段、及び方法を提供できていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
従って、挿入中又は椎間腔内にある状態でインプラントを操作することができる容易性を改善する脊椎インプラント及び関連器具及び方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0003】
簡単に言えば、本発明の第1の実施形態は、挿入端部と、対向する係合端部と、それぞれの隣接する椎骨端板に接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面とを備えた椎間インプラントを有する。第1及び第2の主表面の各々は、前縁、後縁を有し、かつ挿入端部及び係合端部の間を延びる。前壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその前縁に沿って形成される。後壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその後縁に沿って形成される。前壁及び後壁は、挿入端部及び係合端部において収束する。スロットが、係合端部において形成され、かつ前壁及び後壁の間を少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びる。ポストが、スロット内に位置決めされ、前壁及び後壁の少なくとも一方から離間し、かつ第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延びる。ポストは、複数の露出ファセットを有し、かつピボット式挿入器具と係合するように構成される。
【0004】
本発明の別の実施形態は、挿入端部と、対向する係合端部と、それぞれの隣接する椎骨端板に接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面とを備えた椎間インプラントを有する。第1及び第2の主表面の各々は、前縁、後縁を有し、挿入端部及び係合端部の間を延びる。各前縁は、係合端部に近いほぼ線形部分及びほぼ凹状部分を有し、各後縁は、係合端部に近いほぼ線形部分及びほぼ凸状部分を有する。前縁のほぼ線形部分は、第1及び第2の主表面の各々に対して係合端部において後縁のほぼ線形部分と共に収束する。前壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその前縁に沿って形成される。後壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその後縁に沿って形成される。前壁及び後壁は、挿入端部及び係合端部において収束する。スロットが、係合端部において形成され、かつ前壁及び後壁の間を少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びる。ポストが、スロット内に位置決めされ、前壁及び後壁の少なくとも一方から離間し、かつ第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延びる。ポストは、複数の露出ファセットを有し、かつピボット式挿入器具と係合するように構成される。
【0005】
本発明の更に別の実施形態は、挿入端部と、対向する係合端部と、それぞれの隣接する椎骨端板と接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面とを備えた椎間インプラントを有する。第1及び第2の主表面の各々は、前縁、後縁を有し、挿入端部及び係合端部の間を延びる。各前縁は、ほぼ凹状であり、各後縁は、ほぼ凸状である。前壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその前縁に沿って形成される。後壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその後縁に沿って形成される。前壁及び後壁は、挿入端部及び係合端部において収束する。スロットが、係合端部において形成され、前壁及び後壁の間を少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びる。ポストが、スロット内に位置決めされ、前壁及び後壁から離間し、かつ第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延びる。ポストは、その周囲全体の周りに配置された複数のファセットを有し、かつピボット式挿入器具と係合するように構成される。少なくとも1つの当接面が、ポストから遠位にスロット内に配置される。少なくとも1つの当接面は、ポストがピボット式挿入器具と係合する時にポストの周りのインプラントの回転を制限する。
【0006】
本発明の更に別の実施形態は、挿入端部と、対向する係合端部と、それぞれの隣接する椎骨端板と接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面とを備えた椎間インプラントを有する。第1及び第2の主表面の各々は、前縁、後縁を有し、挿入端部及び係合端部の間を延びる。各前縁は、ほぼ凹状であり、各後縁は、ほぼ凸状である。軸線方向ボアが、前縁及び後縁の間に形成され、かつ第1及び第2の主表面の間を延びる。前壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその前縁に沿って形成される。後壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその後縁に沿って形成される。前壁及び後壁は、挿入端部及び係合端部において収束する。スロットが、係合端部において形成され、かつ前壁及び後壁に沿って少なくとも部分的に延びる。ポストが、スロット内に位置決めされ、第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延びる。ポストは、複数のファセットを有し、かつピボット式挿入器具と係合するように構成される。椎間インプラントはまた、複数のマーカを有する。マーカの少なくとも1つは、前壁及び後壁の一方の内部で第1及び第2の主表面の間を延びる。マーカの少なくとも1つの他のものは、マーカのその少なくとも1つに対してほぼ横断方向に配置され、かつ挿入端部から軸線方向ボアに向けて延びる。
【0007】
本発明の更に別の実施形態は、患者の隣接する椎体の第1及び第2の端板の間に配置された椎間腔の中に椎間インプラントを埋め込む方法を有する。本方法は、必要な脊椎レベルまでアクセス通路を設ける段階と、隣接する椎骨の間の椎間板物質の少なくとも一部分を取り除く段階と、椎体間スペーサインプラントを設ける段階とを有する。インプラントは、挿入端部と、対向する係合端部と、それぞれの第1及び第2の椎骨端板と接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面とを有する。第1及び第2の主表面の各々は、前縁、後縁を有し、挿入端部及び係合端部の間を延びる。各前縁は、ほぼ凹状であり、各後縁は、ほぼ凸状である。第1及び第2の主表面の各々は、それぞれの表面から突出して挿入端部から係合端部まで延びる複数の湾曲平行隆起部を有する。複数の平行隆起部の各々は、複数の歯を有する。前壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその前縁に沿って形成される。後壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその後縁に沿って形成される。前壁及び後壁は、挿入端部及び係合端部において収束する。スロットが、係合端部において形成され、前壁及び後壁の間に少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びる。ポストが、スロット内に位置決めされ、前壁及び後壁の少なくとも一方から離間し、かつ第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延びる。ポストは、複数の露出ファセットを有し、かつピボット式挿入器具と係合するように構成される。本方法はまた、挿入器具を準備する段階を有する。器具は、近位端、遠位端、及びそれらの間の縦軸線、並びに内側部材及び外側部材を有する。内側部材は、外側部材に対して縦軸線に沿って移動可能である。内側部材は、遠位端において把持部分を有する。把持部分は、複数のポストファセットと係合するように構成された複数のファセット面を有する。本方法はまた、把持部分がポストを取り囲むように器具の把持部分をインプラントのスロットの中に挿入する段階と、ポストが把持部分に対して回転可能に固定されるようにインプラントのポストを器具の把持部分と係合させる段階と、少なくとも挿入端部が少なくとも部分的に空にした椎間腔の中に導入されるまで、かつ第1及び第2の主表面の隆起部の少なくとも一部分が第1及び第2の椎骨端板にそれぞれ接触するようにアクセス通路を通して器具を使用してインプラントを挿入する段階と、インプラントのポストが器具の把持部分と係合したままであるが、ポストの回転が把持部分内で許容されるように器具を調節する段階と、インプラントのポストがインプラントの把持部分に対して連接し、かつインプラントが望ましい位置の中に椎骨レールによって案内されるように嵌入力を器具の近位端に送達する段階と、器具の把持部分からインプラントのポストを解除する段階と、アクセス通路を通して器具を引き抜く段階とを有する。
【0008】
本発明の更に別の実施形態は、患者の隣接する椎体の第1及び第2の端板の間に配置された椎間腔における脊椎手術のためのシステムを有する。システムは、挿入端部と対向する係合端部とを備えた椎間インプラントを有する。第1及び第2の対向する主表面は、それぞれの隣接する椎骨端板と接触するように構成される。第1及び第2の主表面の各々は、前縁、後縁を有し、挿入端部及び係合端部の間を延びる。前壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその前縁に沿って形成される。後壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその後縁に沿って形成される。前壁及び後壁は、挿入端部及び係合端部において収束する。スロットが、係合端部において形成され、前壁及び後壁の間に少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びる。ポストが、スロット内に位置決めされ、前壁及び後壁の少なくとも一方から離間し、かつ第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延びる。ポストは、複数の露出ファセットを有する。試行インプラントは、挿入端部及び対向する係合端部を有する。第1及び第2の対向する主表面は、それぞれの隣接する椎骨端板と接触するように構成される。第1及び第2の主表面の各々は、前縁、後縁を有し、挿入端部及び係合端部の間を延びる。前壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその前縁に沿って形成される。後壁は、第1及び第2の主表面の間にかつその後縁に沿って形成される。前壁及び後壁は、挿入端部及び係合端部において収束する。スロットが、係合端部において形成され、前壁及び後壁の間に少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びる。ポストが、スロット内に位置決めされ、前壁及び後壁の少なくとも一方から離間し、かつ第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延びる。ポストは、複数の露出ファセットを有する。挿入器具は、近位端、遠位端、及びそれらの間の縦軸線、内側部材、及び外側部材を有する。内側部材は、縦軸線に沿って外側部材に対して平行移動可能であり、かつ遠位端において把持部分を有する。把持部分は、椎間インプラント及び試行インプラントのポストファセットの複数のものと係合可能な複数のファセット面を有する。器具は、把持部分が椎間インプラント及び試行インプラントのうちの一方のポストへの器具の連結を可能にするための開放構成を取る第1の構成と、所定の力の下で把持部分内でポストが回転することを可能にしながら、器具が椎間インプラント及び試行インプラントのうちの一方のポストに確実に連結する第2の構成と、把持部分に対するポストの回転を防止しながら、器具が椎間インプラント及び試行インプラントのうちの一方のポストに確実に連結する第3の構成とを有する。
【0009】
本出願の器具の好ましい実施形態の以上の要約並びに以下の詳細説明は、添付の図面と共に読むとより良く理解されるであろう。本出願の自己ピボット式脊椎インプラント及び関連手段を例示する目的のために、好ましい実施形態が図面に示されている。しかし、本出願は、図示の配置及び手段通りには限定されないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の好ましい実施形態による自己ピボット式TLIFインプラントの後面斜視図である。
【図2】図1の自己ピボット式TLIFインプラントの前面斜視図である。
【図3】図1の自己ピボット式TLIFインプラントの上位面図である。
【図4】図1の自己ピボット式TLIFインプラントの前面及び左側面斜視図である。
【図5】図1の自己ピボット式TLIFインプラント及びインプラントの中に挿入するように構成された骨成長促進材料の前面斜視図である。
【図6】放射線不透過マーカの好ましい配置を示す図1の自己ピボット式TLIFインプラントの前面斜視図である。
【図7】挿入器具を開放構成に示す本発明の第1の好ましい実施形態による挿入器具の部分前面斜視断面図である。
【図8A】図7の挿入器具の上位面図である。
【図8B】開放構成の図7の挿入器具の部分前面斜視図である。
【図9A】初期連接位置及び最終ロック構成の図7の挿入器具の上位面図である。
【図9B】初期連接位置及び最終ロック構成の図7の挿入器具の断面図である。
【図9C】初期連接位置及び一時的ロック構成の図7の挿入器具の断面図である。
【図9D】最終連接位置及び一時的ロック構成の図7の挿入器具の断面図である。
【図10A】最終連接位置及び最終ロック構成の図7の挿入器具の断面図である。
【図10B】最終連接位置及び最終ロック構成の図7の挿入器具の上位面図である。
【図10C】最終連接位置及び開放構成の図7の挿入器具の断面図である。
【図11A】インプラントが挿入される時の部分的に切り欠いた椎間腔に対して図1のインプラント及び図7の器具の1つの位置の部分的に切り欠いた上位面図である。
【図11B】第2の位置の図11Aのインプラント及び器具の部分的に切り欠いた上位面図である。
【図11C】第3の位置の図11Bのインプラント及び器具の部分的に切り欠いた上位面図である。
【図11D】第4の位置の図11Cのインプラント及び器具の上位面図である。
【図12A】本発明の実施形態による試行インプラントの後面斜視図である。
【図12B】図12Aの試行インプラントの前面斜視図である。
【図12C】図12Aの試行インプラントの後面図である。
【図12D】図12Aの試行インプラントの左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明では、単に便宜的にある一定の専門用語を使用し、それらは限定的なものではない。用語「右」、「左」、「下側」、及び「上側」は、参照する図面内の方向を示している。用語「内向き」又は「遠位に」及び「外向き」又は「近位に」は、患者の体又は椎体間スペーサインプラント及びその関連部分の幾何学的中心へ向う方向及びそれから離れる方向をそれぞれ意味する。用語「前側」、「後側」、「上位」、「下位」、及び関連の用語及び/又は語句は、参照する人体の好ましい位置及び向きを示すものであり、限定することを意味するものではない。専門用語は、上記列挙した用語、その派生語、及び同様の趣旨の用語を含む。
【0012】
図1〜図6を参照すると、挿入端部110及び係合端部115を有するTLIFスペーサ100が提供されており、挿入端部110は、好ましくは、弾丸形先端部112を形成するか、又は挿入の容易さを高めるため及び/又はインプラント100を挿入するように構成された2つの椎体に延長力を印加するための何らかの他のテーパのついた幾何学形状を有する。インプラント100は、上椎体の下位端板と接触するように構成された第1の主表面又は上位面120と、下椎体の上位端板と接触するように構成された第2の主表面又は下位面125とを更に有する。前及び後側の1つ又はそれよりも多くの壁130は、上及び下位面120、125の間を延び、上及び下位面120、125の両方を通って延びる軸線方向ボア140を取り囲む。軸線方向ボア140は、骨移植片190又は他の融合補強材料を収容するように構成される。
【0013】
1つ又はそれよりも多くの横方向窓150が、壁130に配置され、椎体の間に起こり、軸線方向ボア140内に配置された骨移植片190の血管新生を強化して融合を助け、並びに軸線方向ボア140の容積を増大させる融合を観察するための可視窓を提供する。1つ又はそれよりも多くの表面特徴部145が、軸線方向ボア140内で骨移植片190を固定するのを補助するように軸線方向ボア140を形成する壁130の下位部分に沿って設けられる。特徴部145は、頭蓋−尾部方向に沿って軸線方向ボア140を通って延びる1つ又はそれよりも多くの隆起部、溝、又は骨移植片190と軸線方向ボア140を形成する壁130の内部との間の摩擦を高める他の表面模様付けの形態を取ることができる。
【0014】
第1の好ましい実施形態では、TLIFスペーサ100は、その挿入端部及び係合端部110、115の間に曲線の幾何学形状を有するインゲン豆又はバナナの形状を有する。この形状は、ほぼ凹状の前壁130と共に上及び下位面120、125の前縁と、ほぼ凸状の後壁130と共に上及び下位面120、125の後縁とを有することによって達成することができる。しかし、様々な幾何学形状は、椎体の端板とインプラント100の間の表面接触の望ましい量、椎間腔内に埋め込むのに望ましいインプラント100の数(例えば、1つ又は2つ)、外科医に対して選択された手法、又は椎間腔内のインプラントの望ましい位置(前方又は後方)などに応じてインプラント100に対して利用することができる。挿入端部110に隣接する上位面120上に配置されるのは、TLIFインプラント100の曲率に沿って互いに対して平行に配置された複数の曲線の上位隆起部160である。
【0015】
第1の好ましい実施形態では、上位隆起部160は、頂点を形成するために出会う2つの直線的に傾斜した表面を有する。上位隆起部160が、挿入端部110から離れてそれらの曲線の経路に沿って延びると、上位隆起部160は、遮断されて複数の上位歯162を形成する。上位歯162は、係合端部115においてかつ軸線方向ボア140の前及び後側の少なくとも一部分に沿って配置される。同様に、挿入端部110に隣接する下位面125上に配置されるのは、TLIFインプラント100の曲率に沿って互いに対して平行に配置された複数の曲線の下位隆起部165である。下位隆起部165が、挿入端部110から離れてそれらの曲線の経路に沿って延びると、下位隆起部165は、遮断されて複数の下位歯167を形成する。下位歯167は、係合端部115にかつ軸線方向ボア140の前及び後側上に配置される。上位及び下位隆起部160、165は、隣接する椎体の圧縮力を受けてTLIFインプラント100の挿入を案内するが、上位及び下位歯162、167は、TLIFインプラント100の1次固定を補助する。
【0016】
図3、図4、及び図6を参照すると、ステンレス鋼、チタン、タンタル、又はチタン−アルミニウム−ニオビウム(TAN)などのピン又はビーズのようなX線写真画像が可能な材料から作られた1つ又はそれよりも多くの放射線不透過マーカ170は、椎間腔の中への挿入中及び挿入した後に、可視化を可能にしてTLIFインプラント100の位置を制御するためにTLIFインプラント100に含まれる。第1の好ましい実施形態では、マーカ170は細長く、第1のマーカ170A、第2のマーカ170B、及び第3のマーカ170Cを有する。第1及び第2のマーカ170A、170Bは、インプラント100の前壁130内の横方向窓150の両側の頭蓋−尾部方向に配置される。第3のマーカ170Cは、挿入端部110の近くに配置され、その縦軸線は、挿入端部110から軸線方向ボア140に向けて延びる。
【0017】
係合端部115は、上及び下位面120、125の間に完全に延びる壁130がないことを特徴とする。すなわち、スロット135は、前壁及び後壁130の間に少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びる係合端部115に形成される。ポスト180は、前壁及び後壁130から離間し、上及び下位面120、125の間に少なくとも部分的に延び、器具係合特徴部として機能するスロット135内に位置決めされる。ポスト180と係合するように、器具200(図7)の係合部分に対してスロット135によって十分な空間が与えられる。図9及び図10に示すように、インプラント100内では、軸線方向ボア140とポスト180の間に配置された壁130は、ポスト180に面する第1及び第2の嵌合面132、134を有し、その間に器具200に対してインプラント100の許容可能な連接の範囲に対する1対の機械的停止部を提供する鈍角が形成される。第1及び第2の嵌合面132、134は、好ましくは、線形表面であるが、湾曲などとすることもできる。代替的に、止めピンなどを使用してインプラント100の連接を制限することができる。
【0018】
ここで図9及び図10を参照すると、第1の好ましい実施形態では、ポスト180は、断面が多角形であり、その全円周の周囲に配置されて上及び下位面120、125の間を頭蓋−尾部方向に延びる9つの露出ファセット182a〜182iを有する。ファセット182a〜182iは、インプラント100の挿入中に器具200とインプラント100の間の係合及び相互作用を強化するように構成される。好ましくは、7つのファセット182a〜182f、182iは、平坦面であるが、残りの2つのファセット182g〜182hは、湾曲面である。代替的な実施形態では、ポスト180は、異なる多角数のファセット182を有することができる。更に別の代替的な実施形態では、ポスト180は、円筒形であり、従って、ファセット182がない場合もあり、その挿入中に器具200に対してインプラント100の連接を支配するための他の特徴部を含んでもよい。例えば、ポスト180は、凹部、歯、表面模様付け、又は溝などを有することができる。
【0019】
ここで図1〜図5及び図7を参照すると、上位面120の係合端部115は、ポスト180の近くから発してインプラント100の係合端部115の近くに配置されたある一定の角度で収束する上位の第1及び第2の平坦セグメント123、124を有する上位のコーナ122で終端する。同様に、下位面125の係合端部115は、ポスト180の近くから発してインプラント100の係合端部115の近くに配置されたある一定の角度で終端して収束する下位の第1及び第2の平坦セグメント128、129を有する下位のコーナ127で終端する。上位の第1の平坦セグメント123及び下位の第1の平坦セグメント128は、以下に詳細に説明するように器具200の一部分によって係合可能であるように構成され、上位の第2の平坦セグメント124及び下位の第2の平坦セグメント129と同様に、トグルなし接続を提供する。上位及び下位のコーナセグメント122、127の両方のリムは、上及び下位面120、125からインプラント100の中心に向けて短い距離だけ延びる幅を有する。リムの表面はまた、器具200とインプラント100の間の相互作用を強化するために平坦である。インプラント100は、以下に限定されるものではないが、チタン、ステンレス鋼、同種移植骨、又はポリアリルエーテルエーテルケトン(PEEK)及びポリエーテルケトンケトン(PEKK)、チタン発泡体、又は多孔質PEEKなどのようなポリマーを有する様々な生体適合性材料から形成することができる。
【0020】
図7〜図8を参照すると、近位端201と遠位端202の間を延びる縦軸線を有する器具200を提供する。器具200は、細長内側部材250を取り囲む細長カニューレ外側部材210を有する。内側部材250は、縦軸線に沿って外側部材210に対して平行移動可能であるように構成される。代替的に、器具200は、外側部材210が、同じ方式で実施するために縦軸線に沿って内側部材250に対して平行移動可能であるように構成することができる。外側部材210の近位端は、外側部材210に対して内側部材250を平行移動させるためのハンドル部分(図示せず)及び作動機構(図示せず)を有する。外側部材210の遠位端は、カニューレの遠位部分を形成する間隙230によって分離された外側部材の第1のアーム220及び外側部材の第2のアーム240を有する。間隙230は、外側部材の第1及び第2のアーム220、240の近位端に配置されたカニューレの両側に1対の横方向向き面232を有する。横方向向き面232は、外側部材210に対して内側部材250の後退に対する停止部として機能する。第1のアーム220の内部表面は、外側部材の第1のアームの内部直線部分224の遠位に配置された外側部材の第1のアームの内部線形テーパ222を有するが、第2のアーム240の内部表面は、外側部材の第2のアームの内部直線部分244の遠位に配置された外側部材の第2のアームの内部線形テーパ242を有する。第1及び第2のアームの内部線形テーパ222、242は、組み合わされて2つの楔面を形成する。
【0021】
外側部材210の横方向に延びる上位の外部平坦面215は、外側部材の第1及び第2のアーム220、240の遠位端と横方向向き面232の間に配置される。同様に、外側部材210の横方向に延びる下位の外部平坦面216は、外側部材の第1及び第2のアーム220、240の遠位端と横方向向き面232の間に配置される。横方向に延びる上位の外部平坦面215及び横方向に延びる下位の外部平坦面216は、以下に詳細に説明するように、連接範囲の一端において上位及び下位の第1の平坦セグメント123、128と当接することにより、かつ連接範囲の他端において上位及び下位の第2の平坦セグメント124、129と相互作用することによってインプラント100の過度の連接を防止するように停止部として機能するように構成される。横方向に延びる上位及び下位の外部平坦面215、216はまた、インプラント挿入処置の一部分の間に、インプラント100の上位及び下位の第1の平坦セグメント123、128に対して、又はインプラント100の上位及び下位の第2の平坦セグメント124、129に対して当接する。
【0022】
内側部材250は、その遠位端において、把持部分255と、把持部分255から近位端に向けて縦軸線に沿って内側部材250の中央を通って延びるスプリット270によって分離された内側部材の第1のアーム260及び内側部材の第2のアーム280とを有する。把持部分255の内部表面は、インプラント100のポスト180の多角断面幾何学形状に相補的に適合し、従って、複数のファセット182a〜182iのうちのいくつかと係合するように構成された複数の係合面257を有する。第1の好ましい実施形態では、ポスト180の9つのファセット182a〜182iのうちの7つと係合するように構成された7つの係合面257a〜257gが存在する。外側部材の第1及び第2のアーム220、240の内部表面と相互作用するように構成された時に、内側部材の第1のアーム260の外面は、内側部材の第1のアームの外部直線部分264の遠位に配置された内側部材の第1のアームの外部線形テーパ262を有するが、内側部材の第2のアーム280の外面は、内側部材の第2のアームの外部直線部分284の遠位に配置された内側部材の第2のアームの外部線形テーパ282を有する。内側部材の第1のアームの外部線形テーパ262と内側部材の第1のアーム260の遠位先端の間に配置されるのは、内側部材の第1のアームの第2の外部線形テーパ266である。
【0023】
同様に、内側部材の第2のアームの外部線形テーパ282と内側部材の第2のアーム280の遠位先端の間に配置されるのは、内側部材の第2のアームの第2の外部線形テーパ286である。更に、内側部材の第1のアームの横方向向き平坦面265及び内側部材の第2のアームの横方向向き平坦面285は、内側部材の第1のアームの外部直線部分264及び内側部材の第2のアームの外部直線部分284の近位にかつそれらに隣接してそれぞれ形成され、その結果、1対のコーナがそれらの間に形成され、その結果、内側部材の第1及び第2のアームの横方向向き平坦面265、285は、横方向向き面232に面してそれらと係合する。
【0024】
図12を参照すると、インプラント100と同一又はこれに類似する幾何学形状及び表面特徴部を有し、横方向孔310及び縦方向孔320を更に有する試行インプラント300が提供されており、従って、試行インプラントの完全な説明は、便宜上の目的のみで省略され、かつ限定するものではない。試行インプラント300は、チタン又はステンレス鋼などのようなX線画像の下で可視である材料から形成される。横方向及び縦方向孔310、320は、横及び前面X線と共に見る時に試行インプラント300の最適位置決めを補助する。横方向孔310は、蛍光透視法の下で椎体の棘状突起に対して外科医が試行インプラント300を中心に置くことを可能にする。縦方向孔320は、試行インプラント300が回転しているか否かを示し、その場合には、外科医は、好ましくは、より多くの椎間板物質を取り除くべきであることを知ることになる。横方向及び縦方向孔310、320は、好ましい実施形態ではほぼ円形又は円筒形であるように示されているが、そのように限定されるものではない。横方向及び縦方向孔310、320は、画像の下で試行インプラント300の位置の可視化を可能にする矩形、正方形、矢印形、及び/又は三角形のような殆どあらゆるサイズ及び/又は形状を有することができる。更に、試行インプラント300は、試行インプラント300の位置が光学的又は機械的に可視可能なマーカ又は他の特徴部により可視化することができる時に、横方向及び縦方向孔310、320又はいずれの孔を有することにも限定されない。
【0025】
作動中に、及び続いて図1〜図12を参照すると、好ましくは、片側経椎間孔進入により、修復又は置換を必要とする脊椎椎間板が識別され、少なくとも部分的椎間板切除が実施される。試行インプラント300は、椎間腔の中への挿入に適切なサイズのインプラント100を測定するために器具200を使用して挿入され、かつ取り外される。器具200を使用する試行インプラント300の挿入及び操作は、以下で説明するように、器具200を使用してインプラント100を挿入及び操作する方法と同一である。横方向及び縦方向孔310、320は、椎間腔内の試行インプラント300の適切な位置を確かめて、次に、インプラントサイズを選択するために、横及び/又は前面X線を使用して見られる。
【0026】
従って、試行インプラント300は、単に椎体の間で高さを測定する以上のものに使用される。試行インプラント300は、最終のインプラント100と同じ望ましい位置に連接し、かつその中に挿入されるので、試行インプラント300を使用して、インプラント100の望ましい位置が到達可能であるか否か及び十分な椎間板物質が取り外されているか否かなどを判断することができる。
【0027】
次に、骨移植片190が、軸線方向ボア140の中に挿入されて表面特徴部145を通じてその中に固定され(既にそれに対して組み立て済みない場合)、次に、インプラント100が、器具200が図7、図8、及び図10Cに見られるように開放構成を取るように、作動機構(図示せず)の操作により内側部材250に対して外側部材210を後退させることによって器具200に結合される。次に、把持部分255は、ポスト180の周囲の中心に置かれ、内側部材250は、作動機構の操作により外側部材210に対して部分的に後退し、それによって内側部材の第1及び第2のアームの外部直線部分264、284と内側部材の第1及び第2のアームの横方向向き平坦面265、285との間に形成されたコーナの対を押し付け、内側部材の第1及び第2のアームの横方向向き平坦面265、285と横方向向き面232の間に間隙230を提供しながら、内側部材の第1及び第2のアームの外部直線部分264、284が、外側部材の第1及び第2のアームの内部直線部分224、244に当接するまで、外側部材の第1及び第2のアームの内部線形テーパ224、244に対して摺動的に押し当たる。その結果、把持部分255は、図9Cに示すように、係合面257a〜257gが、ポスト180の複数のファセット182a〜182iに対して接触状態になるように、かつポスト180が、把持部分255によって一時的に捕捉されるようにポスト180の周囲に圧潰され、内側部材の第1のアームの第2の外部線形テーパ286は、第2の線形表面134に押し当たる。
【0028】
この一時的ロック構成において、インプラント100は器具に固定され、しかし、ポスト180は、把持部分255に対して回転することができるが、把持部分255から出るのを防止される。図9A、図9B、図10A、及び図10Bに示すように、ポスト180の周りの把持部分255の最終のロッキングは、作動機構の連続操作により外側部材210に対して内側部材250を完全に後退させることによって達成され、それによって外側部材の第1のアームの内部線形テーパ222及び外側部材の第2のアームの内部線形テーパ242を押し付けて、内側部材の第1のアームの外部線形テーパ262及び内側部材の第2のアームの外部線形テーパ282それぞれに当接するようになり、それによって内側部材の第1及び第2のアーム260、280のあらゆる部分が、外側部材の第1及び第2のアームの内部線形テーパ222、242と内側部材の第1及び第2のアームの外部線形テーパ262、282との間の接触によりスプリット270にわたる互いの力の下で分離するのを防止しながら間隙230を閉鎖し、最後にインプラント100を器具200にロックする。この最終ロック構成において、上位及び下位の外部平坦面215、216は、上位及び下位の第1の平坦セグメント123、128それぞれと接触し、間隙230は閉鎖し、内側部材の第1及び第2の外部線形テーパ286は、依然として第2の線形表面134に当接し、かつポスト180は、把持部分255に対して回転することができない。
【0029】
最終ロック構成において、器具200のハンドル部分は把持され、インプラントの挿入端部110は、弾丸形先端部112が椎間腔に入って隣接する椎体を後退させ始めるまで、椎間板切除処置中に作り出された経椎間孔窓の中に挿入され、上位及び下位隆起部160、165の遠位端は、上椎体の内部表面及び下椎体の上位面それぞれと接触する。軽いハンマー打撃又は他の嵌入力が、器具200の近位端201に付加され、インプラント100を少なくとも部分的に椎間腔の中に押し付ける。トグリングは、器具200がインプラント100に対してその最終ロック構成にある時に(1)上位及び下位の外部平坦面215、216との上位及び下位の第1の平坦セグメント123、128の当接、及び/又は(2)第1のアームの第2の線形テーパ286との第2の線形表面134の当接、及び/又は(3)係合面257a〜257fとのポスト180の複数のファセット182a〜182iの当接による嵌入力の送達中にインプラント100と器具200の間で防止される。
【0030】
図11Aに見られるように、器具200が最後にインプラント100にロックした状態で、嵌入力が、インプラント100を線形経路に沿って椎間腔内の望ましい位置に駆動すると、内側部材250は、器具がインプラント100に対してその一時的ロック構成を再び取るように、外側部材210に対して前進し、そこでインプラント100は器具に結合されるが、ポスト180は、把持部分255に対して回転可能である。この時点で、付加的な軽いハンマー打撃又は他の嵌入力が、器具200の近位端に付加され、上位及び下位隆起部160、165は、椎体の端板と接触し、インプラント100の回転を容易にし、挿入端部110が椎間腔の中に進行する時にインプラント100の挿入の経路を案内する。上位及び下位隆起部160、165がインプラント100を椎間腔内の望ましい位置の中に案内する時に、ポスト180及び従って椎間板100は、第2の線形表面134(挿入方法の開始構成)に当接する内側部材のアームの第2の外部線形テーパ286と、第1の線形表面132(最大角度形成)に当接する内側部材の第1のアームの第2の外部線形テーパ266との間の相互作用によって設けられた停止部によって制限された範囲で把持部分255に対して回転する。
【0031】
挿入過程の全体を通して、椎間腔に対する器具200のシャフトの角度は、インプラント100を連接するように実施されるアクションの全てが、インプラントの能動回転の必要なく軽い嵌入力が上位及び下位隆起部160、165によって案内されたその望ましい最終の位置の中にインプラント100を入れる時にインプラント100自体によって行われるので一定に維持される。内側部材の第1のアームの第2の外部線形テーパ266と第1の線形表面132との間での接触時に、インプラント100は、椎間腔に対してその望ましい最終の位置に又はその近くにある。この時点で、インプラント100は、内側部材250を外側部材210に対して遠位に後退させることにより、かつ器具200のハンドルを操作することにより、蛍光透視画像の下でマーカ170の位置を見ながらインプラント100の最適最終位置決めを椎間腔に対して達成するまでインプラント100を器具200にここでも最終的にロックすることにより、必要に応じて再位置決めすることができる。マーカ170の配置は、単一X線画像、例えば、横方向画像を椎間腔に対するインプラント100の正確な位置を判断するのに使用することを可能にする。次に、インプラント100は、上述のように、器具200がその開放構成を取るまで作動機構を操作することによって器具200から解除され、把持部分255は、もはやポスト180と接触しない。椎骨端板と上及び下位面120、125の間の圧縮力は、器具200が椎間腔及び患者の体から取り外される時に所定位置にインプラント100を維持する。
【0032】
試行インプラント300の挿入及び取り外しは、インプラント100の上位及び下位隆起部160、165と同じ上位及び下位隆起部の試行インプラント300の上及び下位面上への具備により、上及び下椎体の隣接する端板において溝の形成を生じる場合がある。上及び下椎体の隣接する端板におけるこのような溝の形成は、インプラント100の挿入に必要ではないが、試行インプラント300によって予め形成された溝と上位及び下位隆起部160、165との案内嵌合により、器具200を使用してインプラント100の挿入を容易にするのを補助することができる。
【0033】
本発明の実施形態は、経椎間孔経路を通して挿入するように構成された椎体間スペーサに関して本明細書に説明したが、全椎間板置換デバイス及び背側置換デバイスのような様々なインプラントは、単にこのようなインプラントを器具係合特徴部のための適切なファセットポスト及び任意的に本明細書で説明する停止部及びトグルなし担持面を有することができるように構成することによって利用することができる。従って、インプラント100は、バナナ又はインゲン豆形状に限定されることなく、椎間腔内に適合することができるあらゆる幾何学形状を取ることができる。更に、一連の椎間腔への角度的進入は、細長インプラントが、それが後−横方向進入、経横方向、及び直接横方向処置のように椎間腔の中に直線経路に沿って送達された状態で操作又はピボット回転されることが望ましい場合に利用することができる。
【0034】
代替的な実施形態では、横方向に延びる上位及び下位の外部平坦面215、216と上位及び下位の第1の平坦セグメント123、128の相互作用及び当接、並びに横方向に延びる上位及び下位の外部平坦面215、216と上位及び下位の第2の平坦セグメント124、129の相互作用及び当接によって供給される嵌入力の送達中のインプラント100と器具200の間の非トグリングインタフェースには、非線形当接面も設けることができる。器具がその最終ロック構成を取る時に、表面が嵌合するか又は互いに当接することができる限り、非トグリングインタフェースを設けることができる。
【0035】
同様に、第1及び第2の線形表面132、134によって具現化された器具200に対するインプラント100の過度の連接を防止する連接停止部、及びそれらの間に配置された鈍角によって与えられる連接の範囲は、所定の用途に対して望ましい連接範囲に具体的に調節することができる様々な角度によって提供することができ、従って、必ずしも鈍角になる必要はない。更に、第1及び第2の線形表面132、134、並びにそれらに対して当接している内側部材の第1及び第2のアームの第2の外部線形テーパ266、286は、線形表面である必要はない。そうではなく、連接範囲を制限する目的のために132と266の間及び134と286の間のあらゆる嵌合当接面で十分であることになる。更に、第1及び第2のアームの第2の外部線形テーパ266、286の両方によって当接可能であることによって連接の範囲を制限することができる単一当接面が備えられ、かつそれが第1及び第2のアームの第2の外部線形テーパ266、286に対して選択された幾何学形状に嵌合当接面をもたらす限り線形である必要はないように、鈍角が、第1及び第2の線形表面132、134の間で取り除かれる実施形態を考えることができる。
【0036】
本発明の広範な発明概念から逸脱することなく上述の実施形態に変更を加えることができることは、当業者によって認められるであろう。従って、本発明は、開示した特定的な実施形態に限定されることなく、修正を本発明の説明によって定める本発明の精神及び範囲内に包含することを意図していることが理解される。
【符号の説明】
【0037】
100 椎間インプラント
110 挿入端部
115 係合端部
120、125 第1及び第2の対向する主表面
130 前壁及び後壁
135 スロット
180 ポスト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)挿入端部及び対向する係合端部と、
(b)それぞれの隣接する椎骨端板と接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面であって、この第1及び第2の主表面の各々が、前縁、後縁を有し、かつ前記挿入端部及び係合端部の間を延びる前記第1及び第2の対向する主表面と、
(c)前記第1及び第2の主表面の間にかつその前記前縁に沿って形成された前壁と、
(d)前記第1及び第2の主表面の間にかつその前記後縁に沿って形成された後壁であって、前記前壁及びこの後壁が、前記挿入端部及び係合端部において収束する前記後壁と、
(e)前記係合端部において形成され、かつ前記前壁及び後壁の間を少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びるスロットであって、ポストが、このスロット内に位置決めされ、この前壁及び後壁の少なくとも一方から離間し、かつ前記第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延び、このポストが、複数の露出ファセットを有し、かつピボット式挿入器具と係合するように構成される前記スロットと、
を有する椎間インプラント。
【請求項2】
各前縁が、ほぼ凹状であり、各後縁が、ほぼ凸状である請求項1に記載の椎間インプラント。
【請求項3】
前記第1及び第2の主表面の各々が、このそれぞれの表面から突出して前記挿入端部から前記係合端部まで延びる複数の湾曲平行隆起部を有し、この複数の平行隆起部の各々が、複数の歯を有する請求項2に記載の椎間インプラント。
【請求項4】
前記前壁及び後壁は、前記係合端部に近い前記インプラントの第1の高さ及び前記挿入端部での第2の高さを定め、この第2の高さは、この第1の高さよりも低い請求項1に記載の椎間インプラント。
【請求項5】
(a)挿入端部及び対向する係合端部と、
(b)それぞれの隣接する椎骨端板と接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面であって、この第1及び第2の主表面の各々が、前縁、後縁を有し、かつ前記挿入端部及び係合端部の間を延び、各前縁が、この係合端部に近いほぼ線形部分及びほぼ凹状部分を有し、各後縁が、この係合端部に近いほぼ線形部分及びほぼ凸状部分を有し、この前縁のこのほぼ線形部分が、この第1及び第2の主表面の各々に対してこの係合端部でこの後縁のこのほぼ線形部分に収束する前記第1及び第2の対向する主表面と、
(c)前記第1及び第2の主表面の間にかつその前記前縁に沿って形成された前壁と、
(d)前記第1及び第2の主表面の間にかつその前記後縁に沿って形成された後壁であって、前記前壁及びこの後壁が、前記挿入端部及び係合端部において収束する前記後壁と、
(e)前記係合端部において形成され、かつ前記前壁及び後壁の間を少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びるスロットであって、ポストが、このスロット内に位置決めされ、この前壁及び後壁の少なくとも一方から離間し、かつ前記第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延び、このポストが、複数の露出ファセットを有し、かつピボット式挿入器具と係合するように構成される前記スロットと、
を有する椎間インプラント。
【請求項6】
各前縁が、ほぼ凹状であり、各後縁が、ほぼ凸状である請求項5に記載の椎間インプラント。
【請求項7】
前記第1及び第2の主表面の各々が、このそれぞれの表面から突出して前記挿入端部から前記係合端部まで延びる複数の湾曲平行隆起部を有し、この複数の平行隆起部の各々が、複数の歯を有する請求項6に記載の椎間インプラント。
【請求項8】
前記前壁及び後壁は、前記係合端部に近い前記インプラントの第1の高さ及び前記挿入端部での第2の高さを定め、この第2の高さは、この第1の高さよりも低い請求項5に記載の椎間インプラント。
【請求項9】
椎間インプラントであって、
(a)挿入端部及び対向する係合端部と、
(b)それぞれの隣接する椎骨端板と接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面であって、この第1及び第2の主表面の各々が、前縁、後縁を有し、かつ前記挿入端部及び係合端部の間を延び、各前縁が、ほぼ凹状であり、各後縁が、ほぼ凸状である前記第1及び第2の対向する主表面と、
(c)前記第1及び第2の主表面の間にかつその前記前縁に沿って形成された前壁と、
(d)前記第1及び第2の主表面の間にかつその前記後縁に沿って形成された後壁であって、前記前壁及びこの後壁が、前記挿入端部及び係合端部において収束する前記後壁と、及び
(e)前記係合端部において形成され、かつ前記前壁及び後壁の間を少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びるスロットであって、ポストが、このスロット内に位置決めされ、この前壁及び後壁から離間し、かつ前記第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延び、このポストが、その周囲全体の周りに配置された複数のファセットを有し、かつピボット式挿入器具と係合するように構成される前記スロットと、
を有し、
少なくとも1つの当接面が、前記ポストから遠位に前記スロット内に配置され、この少なくとも1つの当接面は、このポストが前記ピボット式挿入器具と係合する時にこのポストの周りのインプラントの回転を制限する、椎間インプラント。
【請求項10】
前記第1及び第2の主表面の各々が、このそれぞれの表面から突出して前記挿入端部から前記係合端部まで延びる複数の湾曲平行隆起部を有し、この複数の平行隆起部の各々が、複数の歯を有する請求項9に記載の椎間インプラント。
【請求項11】
前記前壁及び後壁は、前記係合端部に近い前記インプラントの第1の高さ及び前記挿入端部での第2の高さを定め、この第2の高さは、この第1の高さよりも低い請求項9に記載の椎間インプラント。
【請求項12】
(a)挿入端部及び対向する係合端部と、
(b)それぞれの隣接する椎骨端板と接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面であって、この第1及び第2の主表面の各々が、前縁、後縁を有し、かつ前記挿入端部及び係合端部の間を延び、各前縁が、ほぼ凹状であり、各後縁が、ほぼ凸状であり、軸線方向ボアが、この前縁及び後縁の間に形成され、かつこの第1及び第2の主表面の間を延びる前記第1及び第2の対向する主表面と、
(c)前記第1及び第2の主表面の間にかつその前記前縁に沿って形成された前壁と、
(d)前記第1及び第2の主表面の間にかつその前記後縁に沿って形成された後壁であって、前記前壁及びこの後壁が、前記挿入端部及び係合端部において収束する前記後壁、
(e)前記係合端部において形成され、かつ前記前壁及び後壁に沿って少なくとも部分的に延びるスロットであって、ポストが、このスロット内に位置決めされ、かつ前記第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延び、このポストが、複数のファセットを有し、かつピボット式挿入器具と係合するように構成される前記スロットと、
(f)複数のマーカであって、このマーカの少なくとも1つが、前記前壁及び後壁のうちの一方の内部で前記第1及び第2の主表面の間を延び、このマーカの少なくとも1つの他のものが、このマーカの前記少なくとも1つに対してほぼ横断方向に配置され、かつ前記挿入端部から前記軸線方向ボアに向けて延びる前記複数のマーカと、
を有する椎間インプラント。
【請求項13】
前記第1及び第2の主表面の各々が、このそれぞれの表面から突出して前記挿入端部から前記係合端部まで延びる複数の湾曲平行隆起部を有し、この複数の平行隆起部の各々が、複数の歯を有する請求項12に記載の椎間インプラント。
【請求項14】
前記前壁及び後壁は、前記係合端部に近い前記インプラントの第1の高さ及び前記挿入端部での第2の高さを定め、この第2の高さは、この第1の高さよりも低い請求項12に記載の椎間インプラント。
【請求項15】
患者の隣接する椎体の第1及び第2の端板の間に配置された椎間腔の中に椎間インプラントを埋め込む方法であって、この方法が、
(a)必要な脊椎レベルまでアクセス通路を設ける段階と、
(b)隣接する椎骨の間の椎間板物質の少なくとも一部分を取り除く段階と、
(c)(i)挿入端部及び対向する係合端部と、
(ii)それぞれの第1及び第2の椎骨端板と接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面であって、この第1及び第2の主表面の各々が、前縁、後縁を有し、かつ前記挿入端部及び係合端部の間を延び、各前縁が、ほぼ凹状であり、各後縁が、ほぼ凸状であり、この第1及び第2の主表面の各々が、このそれぞれの表面から突出してこの挿入端部からこの係合端部まで延びる複数の湾曲平行隆起部を有し、この複数の平行隆起部の各々が、複数の歯を有する前記第1及び第2の対向する主表面と、
(iii)前記第1及び第2の主表面の間にその前記前縁に沿って形成された前壁と、
(iv)前記第1及び第2の主表面の間にその前記後縁に沿って形成された後壁であって、前記前壁及びこの後壁が、前記挿入端部及び係合端部において収束する前記後壁と、
(v)前記係合端部において形成され、かつ前記前壁及び後壁の間を少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びるスロットであって、ポストが、このスロット内に位置決めされ、この前壁及び後壁のうちの少なくとも一方から離間し、かつ前記第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延び、このポストが、複数の露出ファセットを有し、かつピボット式挿入器具と係合するように構成される前記スロットと、を有する椎体間スペーサインプラントを準備する段階と、
(d)(i)近位端、遠位端、及びそれらの間の縦軸線と、
(ii)内側部材及び外側部材であって、この内側部材が、この外側部材に対して前記縦軸線に沿って移動可能であり、この内側部材が、前記遠位端で把持部分を有し、この把持部分が、前記複数のポストファセットと係合するように構成された複数のファセット面を有する前記内側部材及び外側部材と、を有する挿入器具を準備する段階と、
(e)前記器具の前記把持部分をこの把持部分が前記ポストを取り囲むように椎間インプラントの前記スロットの中に挿入する段階と、
(f)前記ポストが前記把持部分に対して回転的に固定されるように前記インプラントのこのポストを前記器具のこの把持部分と係合させる段階と、
(g)少なくとも前記挿入端部が、前記少なくとも部分的に空にした椎間腔の中に導入されるまで、かつ前記第1及び第2の主表面の前記隆起部の前記少なくとも一部分が、それぞれ前記第1及び第2の椎骨端板に接触するように、前記アクセス通路を通じて前記器具を使用して前記インプラントを挿入する段階と、
(h)前記インプラントの前記ポストは前記器具の前記把持部分と係合したままであるが、このポストの回転がこの把持部分内で許容されるようにこの器具を調節する段階と、
(i)前記インプラントの前記ポストが前記器具の前記把持部分に対して連接し、かつこのインプラントが椎骨レールによって望ましい位置の中に案内されるようにこの器具の前記近位端に嵌入力を送達する段階と、
(j)前記器具の前記把持部分から前記インプラントの前記ポストを解除する段階と、
(k)前記アクセス通路を通して前記器具を引き抜く段階と、
を有する方法。
【請求項16】
段階(c)の前に、少なくとも1つの試行適合スペーサを挿入して取り除く段階であって、この試行適合スペーサが、その第1及び第2の主表面から突出する複数の湾曲平行隆起部を有する前記挿入して取り除く段階を更に有し、
前記試行インプラントの挿入が、この試行インプラントを用いて段階(e)からス(i)を実行する段階を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
患者の隣接する椎体の第1及び第2の端板の間に配置された椎間腔における脊椎手術のためのシステムであって、このシステムが、
(a)(i)挿入端部及び対向する係合端部と、
(ii)それぞれの隣接する椎骨端板と接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面であって、この第1及び第2の主表面の各々が、前縁、後縁を有し、かつ前記挿入端部及び係合端部の間を延びる前記第1及び第2の対向する主表面と、
(iIi)前記第1及び第2の主表面の間にその前記前縁に沿って形成された前壁と、
(iv)前記第1及び第2の主表面の間にその前記後縁に沿って形成された後壁であって、前記前壁及びこの後壁が、前記挿入端部及び係合端部において収束する前記後壁と、
(v)前記係合端部において形成され、かつ前記前壁及び後壁の間を少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びるスロットであって、ポストが、このスロット内に位置決めされ、前記前壁及び後壁のうちの少なくとも一方から離間し、かつ前記第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延び、このポストが、複数の露出ファセットを有する前記スロットと、
を有する椎間インプラントと、
(b)(i)挿入端部及び対向する係合端部と、
(ii)それぞれの隣接する椎骨端板と接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面であって、この第1及び第2の主表面の各々が、前縁、後縁を有し、かつ前記挿入端部及び係合端部の間を延びる前記第1及び第2の対向する主表面と、
(iIi)前記第1及び第2の主表面の間にその前記前縁に沿って形成された前壁、
(iv)前記第1及び第2の主表面の間にその前記後縁に沿って形成された後壁であって、前記前壁及びこの後壁が、前記挿入端部及び係合端部において収束する前記後壁と、
(v)前記係合端部において形成され、かつ前記前壁及び後壁の間を少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びるスロットであって、ポストが、このスロット内に位置決めされ、前記前壁及び後壁のうちの少なくとも一方から離間し、かつ前記第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延び、このポストが、複数の露出ファセットを有する前記スロットと、
を有する試行インプラントと、
(c)(i)近位端、遠位端、及びそれらの間の縦軸線と、
(ii)内側部材及び外側部材であって、この内側部材が、この外側部材に対して前記縦軸線に沿って平行移動可能であり、かつ前記遠位端で把持部分を有し、この把持部分が、前記椎間インプラント及び前記試行インプラントの前記複数のポストファセットと係合可能な複数のファセット面を有する前記内側部材及び外側部材と、を有する挿入器具、を有し、
前記器具は、前記把持部分が、前記椎間インプラント及び前記試行インプラントのうちの一方の前記ポストへのこの器具の連結を可能にするための開放構成を取る第1の構成と、この器具が、このポストが所定の力の下でこの把持部分内で回転することを可能にしながら、この椎間インプラント及びこの試行インプラントのうちの一方のこのポストに確実に連結される第2の構成と、この器具が、この把持部分に対するこのポストの回転を防止しながら、この椎間インプラント及びこの試行インプラントのうちの一方のこのポストに確実に連結される第3の構成とを有する、システム。
【請求項1】
(a)挿入端部及び対向する係合端部と、
(b)それぞれの隣接する椎骨端板と接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面であって、この第1及び第2の主表面の各々が、前縁、後縁を有し、かつ前記挿入端部及び係合端部の間を延びる前記第1及び第2の対向する主表面と、
(c)前記第1及び第2の主表面の間にかつその前記前縁に沿って形成された前壁と、
(d)前記第1及び第2の主表面の間にかつその前記後縁に沿って形成された後壁であって、前記前壁及びこの後壁が、前記挿入端部及び係合端部において収束する前記後壁と、
(e)前記係合端部において形成され、かつ前記前壁及び後壁の間を少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びるスロットであって、ポストが、このスロット内に位置決めされ、この前壁及び後壁の少なくとも一方から離間し、かつ前記第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延び、このポストが、複数の露出ファセットを有し、かつピボット式挿入器具と係合するように構成される前記スロットと、
を有する椎間インプラント。
【請求項2】
各前縁が、ほぼ凹状であり、各後縁が、ほぼ凸状である請求項1に記載の椎間インプラント。
【請求項3】
前記第1及び第2の主表面の各々が、このそれぞれの表面から突出して前記挿入端部から前記係合端部まで延びる複数の湾曲平行隆起部を有し、この複数の平行隆起部の各々が、複数の歯を有する請求項2に記載の椎間インプラント。
【請求項4】
前記前壁及び後壁は、前記係合端部に近い前記インプラントの第1の高さ及び前記挿入端部での第2の高さを定め、この第2の高さは、この第1の高さよりも低い請求項1に記載の椎間インプラント。
【請求項5】
(a)挿入端部及び対向する係合端部と、
(b)それぞれの隣接する椎骨端板と接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面であって、この第1及び第2の主表面の各々が、前縁、後縁を有し、かつ前記挿入端部及び係合端部の間を延び、各前縁が、この係合端部に近いほぼ線形部分及びほぼ凹状部分を有し、各後縁が、この係合端部に近いほぼ線形部分及びほぼ凸状部分を有し、この前縁のこのほぼ線形部分が、この第1及び第2の主表面の各々に対してこの係合端部でこの後縁のこのほぼ線形部分に収束する前記第1及び第2の対向する主表面と、
(c)前記第1及び第2の主表面の間にかつその前記前縁に沿って形成された前壁と、
(d)前記第1及び第2の主表面の間にかつその前記後縁に沿って形成された後壁であって、前記前壁及びこの後壁が、前記挿入端部及び係合端部において収束する前記後壁と、
(e)前記係合端部において形成され、かつ前記前壁及び後壁の間を少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びるスロットであって、ポストが、このスロット内に位置決めされ、この前壁及び後壁の少なくとも一方から離間し、かつ前記第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延び、このポストが、複数の露出ファセットを有し、かつピボット式挿入器具と係合するように構成される前記スロットと、
を有する椎間インプラント。
【請求項6】
各前縁が、ほぼ凹状であり、各後縁が、ほぼ凸状である請求項5に記載の椎間インプラント。
【請求項7】
前記第1及び第2の主表面の各々が、このそれぞれの表面から突出して前記挿入端部から前記係合端部まで延びる複数の湾曲平行隆起部を有し、この複数の平行隆起部の各々が、複数の歯を有する請求項6に記載の椎間インプラント。
【請求項8】
前記前壁及び後壁は、前記係合端部に近い前記インプラントの第1の高さ及び前記挿入端部での第2の高さを定め、この第2の高さは、この第1の高さよりも低い請求項5に記載の椎間インプラント。
【請求項9】
椎間インプラントであって、
(a)挿入端部及び対向する係合端部と、
(b)それぞれの隣接する椎骨端板と接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面であって、この第1及び第2の主表面の各々が、前縁、後縁を有し、かつ前記挿入端部及び係合端部の間を延び、各前縁が、ほぼ凹状であり、各後縁が、ほぼ凸状である前記第1及び第2の対向する主表面と、
(c)前記第1及び第2の主表面の間にかつその前記前縁に沿って形成された前壁と、
(d)前記第1及び第2の主表面の間にかつその前記後縁に沿って形成された後壁であって、前記前壁及びこの後壁が、前記挿入端部及び係合端部において収束する前記後壁と、及び
(e)前記係合端部において形成され、かつ前記前壁及び後壁の間を少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びるスロットであって、ポストが、このスロット内に位置決めされ、この前壁及び後壁から離間し、かつ前記第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延び、このポストが、その周囲全体の周りに配置された複数のファセットを有し、かつピボット式挿入器具と係合するように構成される前記スロットと、
を有し、
少なくとも1つの当接面が、前記ポストから遠位に前記スロット内に配置され、この少なくとも1つの当接面は、このポストが前記ピボット式挿入器具と係合する時にこのポストの周りのインプラントの回転を制限する、椎間インプラント。
【請求項10】
前記第1及び第2の主表面の各々が、このそれぞれの表面から突出して前記挿入端部から前記係合端部まで延びる複数の湾曲平行隆起部を有し、この複数の平行隆起部の各々が、複数の歯を有する請求項9に記載の椎間インプラント。
【請求項11】
前記前壁及び後壁は、前記係合端部に近い前記インプラントの第1の高さ及び前記挿入端部での第2の高さを定め、この第2の高さは、この第1の高さよりも低い請求項9に記載の椎間インプラント。
【請求項12】
(a)挿入端部及び対向する係合端部と、
(b)それぞれの隣接する椎骨端板と接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面であって、この第1及び第2の主表面の各々が、前縁、後縁を有し、かつ前記挿入端部及び係合端部の間を延び、各前縁が、ほぼ凹状であり、各後縁が、ほぼ凸状であり、軸線方向ボアが、この前縁及び後縁の間に形成され、かつこの第1及び第2の主表面の間を延びる前記第1及び第2の対向する主表面と、
(c)前記第1及び第2の主表面の間にかつその前記前縁に沿って形成された前壁と、
(d)前記第1及び第2の主表面の間にかつその前記後縁に沿って形成された後壁であって、前記前壁及びこの後壁が、前記挿入端部及び係合端部において収束する前記後壁、
(e)前記係合端部において形成され、かつ前記前壁及び後壁に沿って少なくとも部分的に延びるスロットであって、ポストが、このスロット内に位置決めされ、かつ前記第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延び、このポストが、複数のファセットを有し、かつピボット式挿入器具と係合するように構成される前記スロットと、
(f)複数のマーカであって、このマーカの少なくとも1つが、前記前壁及び後壁のうちの一方の内部で前記第1及び第2の主表面の間を延び、このマーカの少なくとも1つの他のものが、このマーカの前記少なくとも1つに対してほぼ横断方向に配置され、かつ前記挿入端部から前記軸線方向ボアに向けて延びる前記複数のマーカと、
を有する椎間インプラント。
【請求項13】
前記第1及び第2の主表面の各々が、このそれぞれの表面から突出して前記挿入端部から前記係合端部まで延びる複数の湾曲平行隆起部を有し、この複数の平行隆起部の各々が、複数の歯を有する請求項12に記載の椎間インプラント。
【請求項14】
前記前壁及び後壁は、前記係合端部に近い前記インプラントの第1の高さ及び前記挿入端部での第2の高さを定め、この第2の高さは、この第1の高さよりも低い請求項12に記載の椎間インプラント。
【請求項15】
患者の隣接する椎体の第1及び第2の端板の間に配置された椎間腔の中に椎間インプラントを埋め込む方法であって、この方法が、
(a)必要な脊椎レベルまでアクセス通路を設ける段階と、
(b)隣接する椎骨の間の椎間板物質の少なくとも一部分を取り除く段階と、
(c)(i)挿入端部及び対向する係合端部と、
(ii)それぞれの第1及び第2の椎骨端板と接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面であって、この第1及び第2の主表面の各々が、前縁、後縁を有し、かつ前記挿入端部及び係合端部の間を延び、各前縁が、ほぼ凹状であり、各後縁が、ほぼ凸状であり、この第1及び第2の主表面の各々が、このそれぞれの表面から突出してこの挿入端部からこの係合端部まで延びる複数の湾曲平行隆起部を有し、この複数の平行隆起部の各々が、複数の歯を有する前記第1及び第2の対向する主表面と、
(iii)前記第1及び第2の主表面の間にその前記前縁に沿って形成された前壁と、
(iv)前記第1及び第2の主表面の間にその前記後縁に沿って形成された後壁であって、前記前壁及びこの後壁が、前記挿入端部及び係合端部において収束する前記後壁と、
(v)前記係合端部において形成され、かつ前記前壁及び後壁の間を少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びるスロットであって、ポストが、このスロット内に位置決めされ、この前壁及び後壁のうちの少なくとも一方から離間し、かつ前記第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延び、このポストが、複数の露出ファセットを有し、かつピボット式挿入器具と係合するように構成される前記スロットと、を有する椎体間スペーサインプラントを準備する段階と、
(d)(i)近位端、遠位端、及びそれらの間の縦軸線と、
(ii)内側部材及び外側部材であって、この内側部材が、この外側部材に対して前記縦軸線に沿って移動可能であり、この内側部材が、前記遠位端で把持部分を有し、この把持部分が、前記複数のポストファセットと係合するように構成された複数のファセット面を有する前記内側部材及び外側部材と、を有する挿入器具を準備する段階と、
(e)前記器具の前記把持部分をこの把持部分が前記ポストを取り囲むように椎間インプラントの前記スロットの中に挿入する段階と、
(f)前記ポストが前記把持部分に対して回転的に固定されるように前記インプラントのこのポストを前記器具のこの把持部分と係合させる段階と、
(g)少なくとも前記挿入端部が、前記少なくとも部分的に空にした椎間腔の中に導入されるまで、かつ前記第1及び第2の主表面の前記隆起部の前記少なくとも一部分が、それぞれ前記第1及び第2の椎骨端板に接触するように、前記アクセス通路を通じて前記器具を使用して前記インプラントを挿入する段階と、
(h)前記インプラントの前記ポストは前記器具の前記把持部分と係合したままであるが、このポストの回転がこの把持部分内で許容されるようにこの器具を調節する段階と、
(i)前記インプラントの前記ポストが前記器具の前記把持部分に対して連接し、かつこのインプラントが椎骨レールによって望ましい位置の中に案内されるようにこの器具の前記近位端に嵌入力を送達する段階と、
(j)前記器具の前記把持部分から前記インプラントの前記ポストを解除する段階と、
(k)前記アクセス通路を通して前記器具を引き抜く段階と、
を有する方法。
【請求項16】
段階(c)の前に、少なくとも1つの試行適合スペーサを挿入して取り除く段階であって、この試行適合スペーサが、その第1及び第2の主表面から突出する複数の湾曲平行隆起部を有する前記挿入して取り除く段階を更に有し、
前記試行インプラントの挿入が、この試行インプラントを用いて段階(e)からス(i)を実行する段階を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
患者の隣接する椎体の第1及び第2の端板の間に配置された椎間腔における脊椎手術のためのシステムであって、このシステムが、
(a)(i)挿入端部及び対向する係合端部と、
(ii)それぞれの隣接する椎骨端板と接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面であって、この第1及び第2の主表面の各々が、前縁、後縁を有し、かつ前記挿入端部及び係合端部の間を延びる前記第1及び第2の対向する主表面と、
(iIi)前記第1及び第2の主表面の間にその前記前縁に沿って形成された前壁と、
(iv)前記第1及び第2の主表面の間にその前記後縁に沿って形成された後壁であって、前記前壁及びこの後壁が、前記挿入端部及び係合端部において収束する前記後壁と、
(v)前記係合端部において形成され、かつ前記前壁及び後壁の間を少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びるスロットであって、ポストが、このスロット内に位置決めされ、前記前壁及び後壁のうちの少なくとも一方から離間し、かつ前記第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延び、このポストが、複数の露出ファセットを有する前記スロットと、
を有する椎間インプラントと、
(b)(i)挿入端部及び対向する係合端部と、
(ii)それぞれの隣接する椎骨端板と接触するように構成された第1及び第2の対向する主表面であって、この第1及び第2の主表面の各々が、前縁、後縁を有し、かつ前記挿入端部及び係合端部の間を延びる前記第1及び第2の対向する主表面と、
(iIi)前記第1及び第2の主表面の間にその前記前縁に沿って形成された前壁、
(iv)前記第1及び第2の主表面の間にその前記後縁に沿って形成された後壁であって、前記前壁及びこの後壁が、前記挿入端部及び係合端部において収束する前記後壁と、
(v)前記係合端部において形成され、かつ前記前壁及び後壁の間を少なくとも部分的にそれらに沿って連続的に延びるスロットであって、ポストが、このスロット内に位置決めされ、前記前壁及び後壁のうちの少なくとも一方から離間し、かつ前記第1及び第2の主表面の間を少なくとも部分的に延び、このポストが、複数の露出ファセットを有する前記スロットと、
を有する試行インプラントと、
(c)(i)近位端、遠位端、及びそれらの間の縦軸線と、
(ii)内側部材及び外側部材であって、この内側部材が、この外側部材に対して前記縦軸線に沿って平行移動可能であり、かつ前記遠位端で把持部分を有し、この把持部分が、前記椎間インプラント及び前記試行インプラントの前記複数のポストファセットと係合可能な複数のファセット面を有する前記内側部材及び外側部材と、を有する挿入器具、を有し、
前記器具は、前記把持部分が、前記椎間インプラント及び前記試行インプラントのうちの一方の前記ポストへのこの器具の連結を可能にするための開放構成を取る第1の構成と、この器具が、このポストが所定の力の下でこの把持部分内で回転することを可能にしながら、この椎間インプラント及びこの試行インプラントのうちの一方のこのポストに確実に連結される第2の構成と、この器具が、この把持部分に対するこのポストの回転を防止しながら、この椎間インプラント及びこの試行インプラントのうちの一方のこのポストに確実に連結される第3の構成とを有する、システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【公表番号】特表2013−509940(P2013−509940A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537848(P2012−537848)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/063371
【国際公開番号】WO2011/056172
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(505377463)ジンテス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (186)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/063371
【国際公開番号】WO2011/056172
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(505377463)ジンテス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (186)
【Fターム(参考)】
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