説明

自然エネルギー併用型回転多段棚式、多目的養液栽培装置

【課題】
従来から、野菜類の養液栽培にはいろいろと考案されているが、敷地面積が広い、少量多品種に向かない、エネルギーのランニングコスト高と、課題があった。本願発明は、これらを大幅に改善した自然エネルギー利用の回転多段棚式、多目的養液栽培装置を提供する。
【解決手段】
両サイドにエンドレスチェーンを設け、その間に目的に応じた養液循環型の棚箱を複数吊り下げ多段式回転システム(1)、その回転システム(1)を作動する動力、照明用に、風力発電、太陽光発電、水力発電の自然エネルギーシステム(2)を使用、広い敷地面積を必要とせず、回転多段棚式、多目的養液栽培装置が完成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両サイドにエンドレスチェーンを設け、その間に目的に応じた養液循環型の棚箱を複数吊り下げ多段式回転システム(1)、その回転システム(1)を作動する動力、照明用、防犯装置用に、風力発電、太陽光発電、水力発電の自然エネルギーシステム(2)を使用、当初の設備投資は必要であるが、広い敷地面積を必要とせず、高効率で環境バランスが取れた、設置場所も自由な構造を特徴とする、自然エネルギー併用型回転多段棚式、多目的養液栽培装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からの養液栽培装置としては水耕栽培を含めて、自然の田畑を利用することなく、自然の気温、害虫に左右されず野菜類を計画生産できるため、最近は小規模から大規模と拡大されている。
【0003】
特に小規模では、個人的な趣味では少量のため野菜類も3〜4種類と少量に分けて数種栽培されているが、大規模的には1〜2種類の品種に絞り同一品種を大量に栽培し生産コストを下げる手法が一般的で大企業が進出している。
【0004】
特に養液栽培は、ビニールハウスや工場の中に作られ、構造としては、鉄製の構造物による立柱架台と、野菜類を種子や苗を植え育てる棚箱、野菜類の養分となる養液とで構成されている。
【0005】
それに重要な事は、養液を流す量や方法、室内の温度管理、更には照明の量や照明の色と光の質(赤外線、紫外線、LEDライト、ライトの色という意味)などにより、野菜の種類や生産スピードが異なるため、これらの量や照射時間をコントロールする必要がある。
【0006】
特に最近は、地球温暖化による天候不順と高温化は、豪雪、豪雨、少雨、突風、台風、乾燥と従来より急変化が大きく、又、再発も多く、特に突風と台風の発生が多発しており、自然状態での野菜類の成育には大打撃が散発し、又、バッタの大発生や、浮き草の大発生もあり、ますます自然での成育には問題が多い。
【0007】
この問題解決の為には、ビニールハウス内や工場内での大量養液栽培での水耕栽培が最適であるが、栽培面積が広く必要で、更に動力、照明用の電力が必要で、ランニングコスト高で採算的に合わず、問題点が多い。
【0008】
野菜類の販売単価は、自然成育品と、養液栽培品との価格差で、見た目の良否と市場価格と連動しているが、その上に野菜の品質でビタミンなどの成分の良否も加味されており、成分が良く、市場価格に近い野菜類を生育できる養液栽培装置の開発が急務である。
【0009】
この改善策として、従来は、平面上のビニールハウス式や平面使用の工場水耕栽培装置から、回転しない2段〜3段式の固定段棚式が製作されているが、管理上の人件費高と養液循環用モーター、冷暖房、照明用などのエネルギー代でコスト高になっており、この種の装置が増加すれば、地球温暖化の原因にもなり、無人化装置と自然エネルギー使用の養液栽培装置の開発が必要である。
【0010】
最近では、多段式の栽培棚式や架台内での回転式も考案されており、参考文献は次の通りである。
【特許文献1】特開2007−159410
【特許文献2】特開2007−105001
【特許文献3】特開2006−262750
【特許文献4】特開2006−203226
【特許文献5】特開平8−66133
【特許文献6】特開平7−289104
【特許文献7】特開平11−241392
【0011】
上記の特開2007−159410に記載されている装置は回転しない作りで、特開2006−203226の装置も無人化と自然エネルギー使用には至っていない。
【0012】
特許文献7の特開平11−241392は、菜園ミニハウスとして、回転式で考案されているが実用化されていない。
【0013】
その他に市場に大型化として実用化されている固定式で多段式では、両方からの拝み方式が流通しているが、広い面積が必要で、電源を市販電力と太陽光発電併用型が一部利用されている程度で、まだ改善が必要。
【0014】
本願発明の、自然エネルギー併用型回転多目的養液栽培装置は、全体の構造物は立体フレーム式で、敷地面積が少なくて済み、栽培用の多段棚も回転式とし、更に電力や照明の電源には大半を自然エネルギーを使用、全自動化で半ばロボット化し、多数装置が流通しても環境悪化は少ない。
【0015】
全体の立体フレーム式の構造物及び自然エネルギー装置の製作価格が割高となるが、大消費地での装置利用、半ばロボット化で人件費を押え、輸送コスト安と人件費安と装置の大量発注で全体的なコストを下げ、CO2排出削減となり、環境効果が大きい利点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
解決しようとする問題点は、
イ、高い地価の為、できる限り少ない敷地で養液栽培の収穫効果を数倍あげるのはどうしたらよいか。
ロ、同じ装置で4〜5種類の野菜類を栽培したり、栽培品種の変更を簡単にできる方法はどうしたらよいか。
ハ、温暖化防止のため自然エネルギー使用のハウス栽培が良いが、発電が不安定であるのと、逆に製作コスト高になるが、発電が安定し、コスト安にするにはどうすればよいか。
ニ、ハウス水耕栽培の一番の利点は、自然の天候に左右されず、無農薬と害虫の被害もなく、同じ型の美形の野菜類が成育できることで、養液の配分、照明、温度の管理などと装置を半自動化し、野菜類によるが、1年間に数回の収穫又は、周年栽培による収穫をすることが、全体のコスト安につながるが、どうすればよいか。
本発明は、これらの欠点や課題を解決する為になされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
請求項1の発明は、養液栽培施設に関するもので、両サイドにエンドレスチェーンを設け、その間に目的に応じた養液循環型の棚箱を複数吊り下げ多段式回転システム(1)、その回転システム(1)を作動する動力、照明用、防犯装置用に、風力発電、太陽光発電、水力発電の自然エネルギーシステム(2)を使用、当初の設備投資は必要であるが、広い敷地面積を必要とせず、高効率で環境バランスが取れた、設置場所も自由な構造を特徴とする、自然エネルギー併用型回転多段棚式、多目的養液栽培装置を提供するものである。
【0018】
請求項2の発明は、多段式回転システム(1)は、搬送用特殊チェーンを利用、チェーン用スプロケット間の中心シャフトがない作りで、養液循環棚箱は、流水用に傾斜を設け、目的に応じ、長方形の浅水、深水、雨トイ式とし、又細長用には円筒、円すい、網目型を用意、その中から選定、交換使用でき、普通の土壌を使用することなく、多種の野菜類が栽培できる回転棚を特徴とする請求項1に記載する、自然エネルギー併用型回転多段棚式、多目的養液栽培装置を提供するものである。
【0019】
請求項3の発明は、無風地区では、商用電源主体の装置と小型では手動型の装置も製作するが、主力は自然エネルギーを主体とした装置で、自然エネルギーシステム(2)には、自然エネルギーの弱点で、不安定な発電量をカバーするため、風力発電と太陽光発電を併用、特に水力発電機には、養液の貯水タンク内の水圧を利用し発電、暖房用には太陽熱温水器を設け、それぞれの利点を集合して、自然エネルギーをバッテリーに充電利用するシステムで、市販の電力をほとんど使用しない、ハイブリッド型養液栽培省力化ユニット構造を特徴とする、請求項1、2、に記載する、自然エネルギー併用型回転多段棚式、多目的養液栽培装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0020】
以上の様な手段で本発明は新機構を有するもので次の発明効果がある。
イ、地価が高い、限られた敷地でも装置を高層化し、水耕栽培の吊り棚箱を多段にし、栽培面積の拡大ができ、栽培植物の変更もしやすい。
ロ、更に、自然エネルギー利用でエネルギーコスト高も、装置の多段高層化で収穫量の増大でバランスを取り、市販の電力を使用せず、水耕栽培装置の長期利用による環境破壊の懸念も少なくできる。
【0021】
ハ、発明の養液水耕栽培装置は、高層、多段式でも回転式であり、最適位置での自由停止が可能で、種子の種まき、収穫には問題なく、低位置での生産、出荷、管理の自動制御がしやすい。
ニ、水耕装置産業は、製作コストがかかる反面、養液や温度、照明を半自動化でき、収穫サイクルを自然サイクルより多くでき、自然災害や天候に左右されず、計画栽培が可能である。
【0022】
ホ、風力発電機は、風速により発電量も不安定であるが、性能もよくなり、風速8m/秒で発電もし、価格もかなり安価となっており、又、太陽光も発電率は効率で、価格も利用しやすく、その上、水力発電は、養液貯水タンクの高水圧で発電し、それぞれの欠点と長所を生かし、総体的に発電量がアップでき、市販電力の使用を少なくでき、自然エネルギー利用向上にも効果がある。
従って、野菜類の大量消費地に装置を作り、収穫回転を高くすれば、輸送コストも大幅に削減でき、環境面にも大きな効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本願発明の自然エネルギー併用型、回転多段棚式、多目的養液栽培装置の一形態を示せば図1の様になる。概況の説明をすれば、図1は、全体の姿図で、立柱フレーム1で長方形の立体的な構造物を配し、3方面からテントを装着し、建物内の温度及び湿度を管理する装置全体姿図である。
【0024】
図2では全体の斜視図で、建物立体フレーム全体は立柱フレーム1で構成され、上部には、風力発電機3を、太陽光発電4、水力発電機5を配置、両サイドのエンドレスチェーン13に水耕栽培用の棚箱浅水型14、棚箱雨トイ型15、棚箱深水型16が多段的に吊り下げられ、モーターで回転出来るシステムとなっている。
【0025】
栽培装置全体は、電力は自立型となっているが、不足の場合市販の商用電力も利用し併用は出来る。
全体の建物構造物の高さや広さの面積は自由で、栽培する品種も、葉菜、葉茎菜、果菜、根菜、花菜や、一部芋類、豆類、果実の一部も栽培できる装置に変更できる多目的型装置が提供できる。
【実施例】
【0026】
以下、本発明の一実施例を図に基づいて説明する。
【0027】
図1は全体の姿図で、立柱フレーム1で長方型の立体的な構造物を配し、3方向から巻き上げ式テントを装着し、上部には、自然エネルギー装置を備えた使用状態姿図で建屋1棟図である。
【0028】
図2は全体の斜視図で左側面と正面の一部がわかる図となっており、立柱フレーム1の4本で立柱型で建屋で構築し、自然エネルギー併用型回転多段棚式、多目的養液栽培装置の斜視図で全体で1つの建屋を建屋1棟と表示する。
【0029】
図2の全体が特許請求の項に含まれるもので、建屋の構築物の上部から説明すると、3は風力発電機で、方向舵の不要なダウンウインド型で、羽根も外周が幅広く、弱風でも風を捕える消音型の高効率の風車で、小型は500wから大型機は100kwの製作ができ、太陽光発電器4も小面積で高効率の装置で、製作と取付方法の工夫で、従来の価格より、実用的に使用しやすい価格に押えている。
【0030】
5の水力発電機は養液(または清水)の貯水タンクの水圧で6のジェットノズル式クロスフロー水車を回し、風力発電と太陽光発電の併用で発電し、養液水耕栽培用の養液の循環や照明、冷暖房用7に利用、小規模機は数百ワットから中型機は数拾キロワットが発電できる仕組で、発電の一部は、バッテリー8に充電し、基本的に自然エネルギー全体で水耕栽培装置の必要電力のほとんどを賄う作りである。
【0031】
11は、赤色灯を備えた防犯カメラで、太陽熱温水器は必要に応じて、サイズと温水の蓄熱水量で決め、全体の暖房用及び養液混合用に利用する。
【0032】
13の搬送用チェーンは、21のスプロケット4ヶにエンドレスで両サイドに装着し、その間に、14の浅水型棚箱、15の雨トイ型棚箱、16の深水型棚箱を吊り下げ、すべて棚箱の両サイドはエンドレスチェーン13の両サイドに固定し吊り下げて装着、それぞれの棚箱の固定はボルト締めで、棚箱の取り替えが自由にできる作りである。
【0033】
17の養液箱には6のジェットノズル式クロスフロー水車から落下した養液が、一度溜る箱で、この箱の下部の両サイドにある19の養液落下調整バルブから出た養液は、別の吊り棚箱の両サイド上に装着されている20の養液受円すい皿に落下、この時19の養液落下調整バルブの片方を開き、片方を閉じて、養液の流水方向を決め流れをスムーズにし、19の調整バルブの先は、ゴム付で養液の拡散を防止している。
【0034】
図3は背面図で、22は換気扇で23は建物壁面で構築されている。5、9、10、11、13、15、16は図2の通りで9−イは、配線保護パイプである。
【0035】
図4は平面図で、24は屋上フロアー部で、その上に3の風力発電機、水力発電機の5、更に冷暖房空調装置の7、バッテリーの8、太陽光発電器の4、太陽熱温水器12があり、防犯装置11も2ヶ所設け、太陽光発電器4や12の温水器は必要に応じ台数を増やすことができる。
【0036】
図5は、モーターとチェーン及び栽培棚箱取付展開図で、左右のスプロケット21の間には回転シャフトがない作りで、左右のスプロケット21は、29のスプロケット固定フレームで固定され、中心の回転シャフトがないため、スプロケット21に装着された浅水用14の棚箱は、スプロケットとチェーンが同時に回転しても棚箱14は上向きの状態で、そのまま左へ送られ、棚箱の水はチェーンの回転スピードの調整もあり、全く流れ出ない。
【0037】
21のスプロケットは32のピローで固定され、モーター連結スプロケット30が左右あり、このスプロケットは、モーター駆動用チェーン27を通じ、モーター駆動シャフト28に連結され、モーター31により回転し、全体装置の小型から大型まで強度に応じ、対応規格品を取付ける。
【0038】
図2、図5の棚箱(ユニットタイプ)は、基本的に浅水型も、深水型、雨トイ型も同じスタイルであり、浅水型で説明すれば、14の浅水型棚箱は左より右が少し高く傾斜をつけた作りで、箱の両サイドに20の養液受円すい皿を設け、その下には、ゴムで少ししぼられた排ノズル25が備えられた作りで、各棚箱への養液がスムーズに自然に流れ込む方式で、葉菜、花菜、芋類の栽培に適した棚箱で棚箱には傾斜を前もって付けない平底型もあり更に、平底型に傾斜をつける時はチャンネル、溝型部品を使用する。
【0039】
図6−1、図6−2は、33円筒型、34円すい型棚箱の図で、主に根菜や長芋類、葉茎菜の栽培に適した作りである。
【0040】
図7は、果菜用網付棚箱35で、36はウリ果物が受皿にて成育している図で、37はカズラなどのキュウリ果菜の成育状態の図を示す。
【0041】
図8は、通常は風速10〜12mで発電するが、今回の設置品は風速8mで発電する、ダウンウインド式の多翼型風力発電機の姿図で、幅広ブレード38で弱風を受け、39の発電機を回し発電、40の回転軸より後方で風を受けて、38の幅広ブレードが回転するシステムで、強風にも強度は耐える構造で、発電効率のよい風力発電機を採用、発電能力は1台500wから100kwまで設置でき、消音型である。
【0042】
図9は太陽光発電器で、41のモジュールは市販されているモジュールの中から、効率を数社テストの上、高効率のモジュールを採用、必要の台数は養液栽培装置1基当り、500w〜数キロワットを備える。
【0043】
図10は、高水圧水力発電機拡大図で、自然エネルギーのみで安定して電力を得るためには、この水力発電機が必要で、そのシステムは中型の養液型水耕栽培装置には、2kwの電力が必要で、前もって42の貯水タンク内に3,000L(約3tの重量)の養液か清水を貯蔵しておき、この時約3tの高圧の液を、1秒間に18Lの割で6のジェットノズル液でクロスフロー水車に放水し、約3.3kw(200v3相)の発電をする。円の中は6のダブルジェットノズル部分の拡大図である。
【0044】
この放出した養液(又は清水)は、14の棚箱浅型を通じ、43の下部貯水タンク内に一度溜め、その液を10の揚水ポンプで9の揚水パイプを通じ、42の貯水タンクに揚水する。この時、12.5m揚水するのに2.2〜2.4kw用のポンプが必要で、1,100Lの水が揚水できる。25の排液ノズルには44のゴムが設けられ、水の拡散を防止している。
【0045】
この場合、風力発電機は風速8m/s用で平均700w程度の発電となり、更に太陽光発電器1kw用(平均、晴天時で600wの発電)を備え、合計で1.3kwの発電で、バッテリー1.5kw用を含め利用する。
【0046】
前述の水力発電機の発電量3.3kwを安定させるためには、風力及び太陽光の両発電量1.3kwで3分の1の電力を補助、不安定な発電量をバッテリーと共に調整使用する。
【0047】
一般の大手の市販電力を全く利用せず、自然エネルギーのみで養液水耕栽培装置を稼働させる為には、風力発電機や太陽光発電器が、季節により15日〜20日の長期に亘りあまり発電しない事を想定し、水耕栽培装置内の照明、養液の循環の水量、空調設備を通常より大幅に制限し、野菜、果菜物が成育が遅れても、茎が枯れない状態に自動コントロールし、想定を超える天候異変にも対応する装置を電力量下限感知機で制御する。
【0048】
図11は、真空型太陽熱温水器で、冬の積雪した真冬でも晴天時には、水温は65度以上になり、他からのエネルギーなしで、暖房用には相当の利用効果があり、45の真空温水用高圧ガラス管の数や大きさと台数により、能力を増減できる。
【0049】
自然エネルギーで、風力発電機では定格風速が8m/sで700wの発電をすれば、3〜4mでは100w〜200wの発電はしており、更に太陽光発電でも晴天時1kwの40%減で600wの発電をし、雨天時や曇りの日でも、発電は0ではなく、100w〜200wは発電中で、風力と合計すれば200w〜400wの電力は発電中で、水耕栽培の水量や、照明の量を4〜6分の1に制限コントロールする事で、長期の無風日や雨の日が続いても、栽培野菜が枯れる事は少ない。
【0050】
図12は、棚箱吊り状態詳細図で、13の搬送用チェーンが連結される穴に直接吊り固定ナット26を通す方法と、三角型固定金具をチェーン13に前もって取付けておき、47の吊り棚箱の穴と合わせ26の固定ナットを通して固定する方法があり、吊り棚箱47のサイズや目的に合った棚箱が交換しやすい構造となっている。
【0051】
図13は13のチェーンの穴と47の吊り棚箱の穴を合わせ26の吊り固定ボルトナットを固定、割ピンを備えた詳細図を表す。
【0052】
図14はハイブリッドシステム系統図で、3の風力発電は、48の整流機で直流になおしコントローラーへ、太陽光は、直流であり直にコントローラーへ、水力も交流を直流に48の整流機を通じ、コントローラーへ通す。コントローラーではバッテリーの過充電、過放電を防ぎ、逆流防止装置を設け、8のバッテリーに入電する。12v系の製品55はそのまま防犯灯など使用できる。
【0053】
主力はそのままインバーター50で直流を交流に変換し、負荷コンセント53から揚水ポンプ10、照明54、冷暖房7の器具を使用する。51の商用電源は、自然エネルギーの発電が一定を下回った時、自動で切り替わり、メーター52で、使用電力が記録される。
【0054】
制限コントローラー56は、商用電源51を使用しない時、コントローラー49から一定量の電流が低下した時、電圧センサーが働き、揚水ポンプ11や照明、冷暖房、54、7との接続で、それぞれへの使用電流と電圧を感知し、使用電流を制限する、電力量下限感知コントローラー装置である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
日本の農産物は60%以上を外国からの輸入に頼り過ぎるため、価格安定のため自給率を高める必要性があり、又、地球温暖化で天候不順等、台風、水害による日本列島の地形による大災害の発生での大幅減収も予想され、更には、少子化と農業従事者の高齢化のため、ますます農産物の自給率は低下が予想され、水耕栽培は電力を必要とする為、自然エネルギーを併用した装置の拡充は不可欠である。
【0056】
その為には、従来の方法とは大幅に異なり、腰を折る作業が少なく、高所作業が少なく、作業範囲も狭く、作業環境に勝れ半自動制御された、女性や高齢者にも操作がしやすく、重労働化を防止できる本願発明の自然エネルギー併用型回転多段棚式、多目的養液栽培装置が最適で、小規模装置は、個人住宅の駐車場の上か、大型は地域の農協単位で、又は企業単位で、各種野菜の養液水耕栽培スーパー施設団地を形成でき、各装置を連動コントロール制御をすれば、より省力化され低コストで、高層構造物と自然エネルギーの製作コストは十分吸収できる。
【0057】
本願発明の養液水耕栽培装置は、同一種類を形も同じく、栄養成分も同じで、大量に成育できるメリットがあり、計画生産が可能で、生鮮を維持できる缶詰製法と連動すれば、新鮮野菜と長期保存食とが確保でき、地震や水害が多い日本では、従来の自然農業70%、機械式装置養液水耕栽培、野菜生産方式30%程度に引き上げ、食の安定確保の生産方式確立が必要で、産業上においても十分な経済効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】使用状態姿図(建屋1棟図とも言う)
【図2】自然エネルギー併用型、回転多段棚式多目的養液栽培装置の全体斜視図
【図3】背面図
【図4】平面図
【図5】モーターとチェーン及び栽培棚箱取付展開図
【図6】円筒(図6−1)、円すい型棚箱(図6−2)
【図7】網付果菜用棚箱
【図8】ダウンウインド型風力発電機の姿図
【図9】太陽光発電器
【図10】高水圧水力発電機拡大図
【図11】真空型太陽熱温水器
【図12】棚箱吊り状態詳細図
【図13】固定ボルトナット詳細図
【図14】ハイブリッドシステム系統図
【符号の説明】
【0059】
1.立柱フレーム
2.巻上げ式テント
3.風力発電機
4.太陽光発電器
5.水力発電機
6.ジェットノズル式クロスフロー水車
7.冷暖房空調装置
8.バッテリー
9.揚水パイプ
9−イ.配線保護パイプ
10.揚水ポンプ
11.赤色灯付防犯装置
12.太陽熱温水器(真空型)
13.搬送用チェーン
14.浅水型棚箱
15.雨トイ型棚箱
16.深水型棚箱
17.養液箱
18.スイッチ及びコントロールボックス
19.養液調整バルブ
20.養液受円すい皿
21.スプロケット(チェーン用ギアー)
22.換気扇
23.建物壁面
24.屋上フロアー
25.排液ノズル
26.吊り固定ボルトナット
27.モーター駆動チェーン
28.モーター駆動シャフト
29.スプロケット固定フレーム
30.モーター連結スプロケット
31.モーター
32.ピロー
33.円筒型棚箱
34.円すい型棚箱
35.網付果菜用棚箱
36.ウリ果物受皿
37.キュウリ果菜
38.幅広ブレード
39.発電機
40.回転軸
41.モジュール
42.貯水タンク
43.下部貯水タンク
44.排液ノズルゴム
45.真空温水用高圧ガラス管
46.三角型固定金具
47.吊り棚箱
48.整流機
49.コントローラー
50.インバーター
51.商用電源
52.メーター器
53.負荷コンセント
54.照明、空調器
55.12v系製品
56.制限コントローラー



























【特許請求の範囲】
【請求項1】
養液栽培施設に関するもので、両サイドにエンドレスチェーンを設け、その間に目的に応じた養液循環型の棚箱を複数吊り下げ多段式回転システム(1)、その回転システム(1)を作動する動力、照明用、防犯装置用に、風力発電、太陽光発電、水力発電の自然エネルギーシステム(2)を使用、当初の設備投資は必要であるが、広い敷地面積を必要とせず、高効率で環境バランスが取れた、設置場所も自由な構造を特徴とする、自然エネルギー併用型回転多段棚式、多目的養液栽培装置。
【請求項2】
多段式回転システム(1)は、搬送用特殊チェーンを利用、チェーン用スプロケット(チェーン用ギヤーとも言う、以下省略)間の中心シャフトがない作りで、養液循環棚箱(栽培ユニットという、以下省略)は、流水用に傾斜を設け、目的に応じ、長方型の浅水、深水、雨トイ式とし、又細長用には円筒、円すい、網目型を用意、その中から選定、交換使用でき、普通の土壌を使用することなく、多種の野菜類が栽培できる回転棚を特徴とする請求項1に記載する、自然エネルギー併用型回転多段棚式、多目的養液栽培装置。
【請求項3】
無風地区では商用電源主体の装置と小型では手動型の装置も製作するが、主力は自然エネルギーを主体とした装置で、自然エネルギーシステム(2)には、自然エネルギーの弱点で、不安定な発電量をカバーするため、風力発電と太陽光発電を併用、特に水力発電機には、養液の貯水タンク(貯水槽とも言う、以下省略)内の水圧を利用し発電、暖房用には太陽熱温水器を設け、それぞれの利点を集合して、自然エネルギーをバッテリーに充電利用するシステムで、市販の電力をほとんど使用しない、ハイブリッド型養液栽培省力化ユニット構造を特徴とする、請求項1、2、に記載する、自然エネルギー併用型回転多段棚式、多目的養液栽培装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−100700(P2009−100700A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−277108(P2007−277108)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(591099016)
【出願人】(507299301)
【出願人】(504352711)株式会社総合印刷新報社 (2)
【Fターム(参考)】