説明

自転車用ブレーキ装置

【課題】ブレーキ作動ケーブルを簡単に取り外すことができるようにする。
【解決手段】このブレーキ装置は、自転車フレームに装着可能な固定ブラケット30f,30rと、ブレーキドラム40と、ブレーキドラム40を制動するブレーキ機構32f,32rと、ブレーキ機構32f,32rを作動させるブレーキ作動装置と、を備えている。そして、ブレーキ作動装置は作動部材60と回転部材35とを備えている。作動部材60は固定ブラケット30f,30rに対して相対的に可動に装着されてブレーキ機構32f,32rを作動させる。回転部材35は、固定ブラケット30f,30rに対して相対的に、作動部材60とは独立して、回転可能に装着されている。また、回転部材35は、作動部材60を移動させる作動部材移動ユニット92を有するとともに、ブレーキ作動ケーブルを巻き取るケーブル巻き取り面を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車用ブレーキ装置、特に、自転車用ホイールのハブを制動する自転車用ブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在入手可能な自転車用ブレーキ装置には、リムブレーキ装置およびハブブレーキ装置が含まれる。リムブレーキ装置には、ホイールのリムにブレーキをかけるカンチレバーブレーキあるいはキャリパーブレーキが含まれる。ハブブレーキ装置は、ホイールハブにブレーキをかけるものであり、ハブブレーキ装置には、ドラムブレーキ、バンドブレーキ、ローラブレーキなどが含まれる。ハブブレーキは、ホイールのハブにブレーキをかけるので、ホイールリムが曲がったとしても、制動が可能である。
【0003】
ローラブレーキなどのドラムブレーキは、ブレーキシューが、ホイールハブと同時に回転する管状ブレーキドラムの内側周面と接触するときに生じる摩擦によって、制動を行う。バンドブレーキは、ブレーキベルトがブレーキドラムの外側周面と接触するときに生じる摩擦によって、制動を行う。また、ローラブレーキにおいては、円周方向に間隔を空けて配置されるローラが、カムによって直径に沿って外側へ変位され、これにより、ブレーキドラムの内側周面に対してブレーキシューを移動させる。
【0004】
この種のブレーキ装置においては、ブレーキシューあるいはブレーキバンドを移動させてブレーキドラムに接触させるために、作動アームを有するブレーキアクチュエーターが設けられており、作動アームの基端部は固定ブラケットに回転可能に装着される。ボーデンブレーキケーブルのインナケーブルは、作動アームの遠端部へ取り付けられ、これにより、ボーデンケーブルのアウタケーブルに対して相対的にインナケーブルを引っ張りおよび解放することによって、作動アームが回転させられる。ボーデンケーブルのアウタケーブルは、通常、自転車フレームあるいは固定ブラケットに取り付けられる。
【特許文献1】特開2004−10007号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
作動アームの基部は、一般に、固定ブラケットおよび固定ブラケットに装着されているハブキャップによって形成されたケーシング内に収容されている。作動アームは、ケーシングの側面に形成されたスロットを通って延設されており、ボーデンケーブルのインナケーブルは、作動アームの遠端部へ取り付けられる。ここで、作動アームの延設部は突出部を形成することになり、この突出部が障害物にひっかかる場合がある。さらに、ボーデンケーブルのインナケーブルは、通常、ボルト/ナットアッセンブリを用いる作動アームに取り付けられるため、ケーブルを作動アームから取り外す場合には、ナットおよびボルトを取り外す必要がある。このため、自転車用ホイールを取り外すための労力が増えるだけでなく、インナケーブルを再装着するたびに、ブレーキを再調整する必要がある。
【0006】
本発明の課題は、自転車用ブレーキ装置において、障害物等に引っかかるおそれのある突出部をなくすことにある。
【0007】
本発明の別の課題は、ケーブルを簡単に取り外すことができる自転車用ブレーキ装置を得ることにある。
【0008】
本発明のさらに別の課題は、ケーブルの着脱に際して、ブレーキの再調整を不要にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る自転車用ブレーキ装置は、自転車フレームに対して相対的に回転不能に装着可能な固定ブラケットと、自転車のハブ体とともにハブ軸回りに一体的に回転するブレーキドラムと、ブレーキドラムに制動力を印加するブレーキ機構と、ブレーキ機構を作動させるブレーキ作動装置と、を備えている。そして、ブレーキ作動装置は作動部材と回転部材とを備えている。作動部材は固定ブラケットに対して相対的に可動に装着されてブレーキ機構を作動させるための部材である。回転部材は、固定ブラケットに対して相対的に、作動部材とは独立して、回転可能に装着されている。また、回転部材は、作動部材を移動させる作動部材移動ユニットを有するとともに、ブレーキ作動ケーブルを巻き取るケーブル巻き取り面を有している。
【0010】
本発明の別の見地に係る自転車用ブレーキ装置は、自転車フレームに対して相対的に回転不能に装着可能でハブ軸が通過可能な開口部を有する固定ブラケットと、自転車のハブ体とともにハブ軸回りに一体的に回転するブレーキドラムと、ブレーキドラムに制動力を印加するブレーキ機構と、ブレーキ機構を作動させるブレーキ作動装置と、を備えている。そして、ブレーキ作動装置は作動部材と回転部材とを備えている。作動部材は固定ブラケットに対して相対的に可動に装着されてブレーキ機構を作動させるための部材である。回転部材は、固定ブラケットに対して相対的に回転可能に装着され、ハブ軸が通過可能な開口部を有する。また、回転部材は、作動部材を移動させる作動部材移動ユニットを有するとともに、ブレーキ作動ケーブルを巻き取るケーブル巻き取り面を有している。
【発明の効果】
【0011】
以上のような本発明では、ブレーキ作動ケーブルの取り外しが簡単になり、またケーブルの着脱時に再調整が不要になる。また、本発明の一態様によれば、障害物に引っかかるおそれのある突出部をなくすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、本発明の一実施形態によるブレーキ部品を備える自転車1の側面図である。自転車1は、フレームボディ2およびフロントフォーク3と、フロントフォーク3の上部に固定されたハンドルステム10およびステアリングのためにハンドルステム10に固定されたハンドルバー11を有するハンドルバー部4と、着座のためのサドル9と、フロントホイール6と、リアホイール7と、フロントホイール6およびリアホイール7にブレーキをかけるためのブレーキシステム8と、ペダル5aの回転をリアホイール7に伝達するためのドライブ部分5と、を備える
フロントホイール6およびリアホイール7は、フロントおよびリアハブ(図4参照、ただしフロントハブ6aだけを示す)を備えており、それぞれは、ハブアクスル15a(図6)と、ハブ6aの外周部に配置されたフロントおよびリアリム6b,7b(図1)と、フロントおよびリアリム6b,7bに取り付けられたタイヤ6c,7cと、ハブ6aをそれぞれのリム6b,7bに連結するスポーク6d,7dと、を備える。図6に示す通り、ハブ軸15aは、フレーム2のフロントフォーク3に回転不能に装着される。また、ハブ体15bは、ハブ軸15aに回転可能に支持される。フロントハブ6aは、クイックリリースレバー6e(図1)を有しており、これにより、取り外しが簡単なクイックリリースハブを提供する。クイックリリース機構は、例えば、自転車産業振興協会によって発行された、1993年の日本工業規格(JIS)自転車版(276ページ)において、知られており、説明されている。したがって、ここでは、クイックリリース機構の詳細な説明を行わない。本実施形態において、ハブ6aは、フロントフォーク3およびチェーンステー2aに、通常の六角袋ナット45で固定される。
【0013】
図2に示す通り、ブレーキシステム8は、フロントおよびリアブレーキレバー12f,12rと、フロントおよびリアブレーキレバー12f,12rによって作動されるブレーキ装置13f,13rと、フロントおよびリアブレーキレバー12f,12rをフロントおよびリアブレーキ装置13f,13rにそれぞれ連結するフロントおよびリアブレーキケーブル14f,14rと、を備える。ブレーキケーブル14f,14rは、2つの端部がフロントおよびリアブレーキレバー12f,12rとフロントおよびリアブレーキ装置13f,13rを連結するインナケーブル16f,16rを有する。ブレーキケーブル14f,14rは、また、インナケーブル16f,16rを外装するアウタケーブル17f,17rを有する。フロントブレーキレバー12fは、ハンドルバー11の左端部に装着されたグリップ18aの内側に装着される。また、リアブレーキレバー12rは、ハンドルバー11の右端部に装着されたグリップ18bの内側に装着される。ブレーキレバー12f,12rは、鏡像関係に配置された同等の部品である。それぞれのブレーキレバー12f,12rは、ハンドルバー11に装着されるレバーブラケット20と、レバーブラケット20のピボットシャフト20aに回動可能に支持されたレバー部材21と、レバーブラケット20にネジ留めされたアウタ係止部22と、を備える。それぞれのレバーブラケット20は、装着部20bと、雌ネジ形成部20cと、を有しており、装着部20bがハンドルバー11に取り外し可能に装着可能であり、また、アウタ係止部22が雌ネジ形成部20cにネジ締めされている。インナケーブル16f,16rは、それぞれのアウタ係止部22を通り、それぞれのレバー部材21に装着される対応の内側係止部21aによって係止される。レバー部材21は、付勢部材(図示せず)によってブレーキ解放位置へ付勢される。
【0014】
本実施形態において、フロントおよびリアブレーキ装置13f,13rは、ローラブレーキ装置である。ブレーキ装置13f,13rは、フロントホイール6およびリアホイール7のハブにそれぞれブレーキをかけるよう機能する。図2〜図5および図7に示す通り、ブレーキ装置13f,13rは、ブレーキ装置13f,13rを自転車のフロントフォーク3あるいはチェーンステー2aに回転不能に固定する固定ブラケット30f,30rと、ブレーキ機構32f,32rと、ブレーキ機構を32f,32rを作動するカバー部材35の態様の回転部材を有するブレーキ作動ユニット33f,33rと、を備える。
【0015】
それぞれの固定ブラケット30f,30rは、例えば、鋼材の板をプレス成形することによって、生成された第1面および第2面を有するブラケットボディ34を備える。ブラケットボディ34は、基部34a(図7)と、ほぼ直径方向に沿って基部34aから延設されるテーパ状アーム部34bと、アーム部34bの遠端部で形成されほぼ一様な幅のプレート外形を有する係止部34cと、を備える。基部34aは、ハブ軸15aを通して収容するよう必要な大きさにされた開口部34hと、非常に短い管状部34dと、3つの軸方向に延設されるシュー係止突出部34fと、バネ係止部34gと、を備える。図6に示す通り、カバー部材35およびブラケットボディ34の基部34aは、ハブ軸15aの一端にネジ留めされる六角袋ナット45によって、ハブ軸15aに保持される。
【0016】
ブラケットボディ34の係止部34cは、ブラケット固定部材25fあるいは25rおよび挿入部材19を介して、フロントフォーク3あるいはチェーンステー2aに固定される。ブレーキ製造業者は、フロントブレーキ装置13fと共にブラケット固定部材25fを供給する。また、ブラケット固定部材25fは自転車フレーム1のフロントフォーク3に溶接される。ブラケット固定部材25f,25rは、そこに装着される(例えば、ネジで留められた)アウタケーブル17f,17rをそれぞれ係止するアウタ装着部31f,31rを備える。図3に示す通り、アウタ装着部31fは、アウタ係止部31aと、アウタ固定部31bと、を備える。アウタ係止部31aはアウタケーブル17fを係止するよう配置され、アウタ固定部31bはアウタ係止部31aを固定するよう配置されており、この方法により、ケーブル軸方向におけるアウタ係止部31aの係止位置がネジによって調整可能となる。ブレーキの遊び(つまり、ブレーキドラムとブレーキシューとの間の隙間)は、この軸方向位置を調整することにより調整することができる。アウタ装着部31fがブラケットボディ34に装着されているので、フロントホイール6を取り付けあるいは取り外すときに、アウタケーブル17fを取り付けあるいは取り外す必要はない。
【0017】
ブレーキ機構32f,32rはほぼ同等の構造であるので、フロントブレーキ機構32fのみを詳細に説明する。図6に示す通り、フロントブレーキ機構32fは、ブレーキドラム40と、ブレーキシュー41と、を備える。ブレーキドラム40は、左側アダプタ15cを介してハブ体15bと共に一体的に回転する円筒状のドラムボディ43を備える。ドラムボディ43は、底部50および底部50の外周部に形成された周辺部51を有するボウル構造を有するステンレス鋼合金部材である。輪郭形成(スプライン形成)部50bが底部50おける開口部50aの内周面に形成されており、スプライン形成部50bは左側アダプタ15cの外周面に形成された相補的なスプライン形成部と噛み合っている。その結果、ドラムボディ43は、ハブボディ15bに対して相対的に回転不能に装着される。アルミニウム合金製の冷却ディスク44は、ドラムボディ43の外周面に熱的に連結される。
【0018】
環状ブレーキ面51aは、ドラムボディ43の周辺部51の内周面上に形成されており、ブレーキシュー41はブレーキ面51aと接触、解放可能であり、これにより、ブレーキドラム40への制動力を提供する。ブレーキ面51aは、その断面が径方向に外側に向かうにつれて幅が狭まる台形状に周辺部51の軸中心部を凹状に形成することにより生成される。
【0019】
本実施形態において、図8および図9に示す通り、ブレーキシュー41は、3つのセグメントに円周方向に分割されたリング状部材を備える。接触面41aは、ブレーキシュー41のそれぞれのセグメントの外周面に形成され、これにより、ブレーキ時に、ドラムボディ43のブレーキ面51aと接触する。それぞれの接触面41aは、径方向外側に凸状に突出する台形の態様の断面を有しており、これにより、ブレーキ面51aと接触する。接触面41aの中心に、第1バネ部材53(図6参照)が装着される環状バネ凹部41bが形成される。第1バネ部材53は、弾性のワイヤ材料を円形に曲げることにより形成された環状のバネ部材である。このような構成は、ブレーキシュー41のそれぞれのセグメントをブレーキドラム40から離れる位置に向かって(つまり、径方向内側に)付勢することを簡単にする。3つの径方向外側に凹状である回転ストップ部41cおよび6つのローラ接触面41dが、ブレーキシュー41の内周面に形成される。固定ブラケット30fのブラケットボディ34に形成された3つのシュー係止突出部34f(図6および7)は、これらの回転ストップ部41c内に嵌合し、それにより、ブラケットボディ34に対して相対的なセグメントに分割されたブレーキシュー41の回転をほぼ防ぐ。もちろん、ブレーキシュー41は、係止突出部34fと回転ストップ部41cとの間の遊びにより多少は回転することになる。
【0020】
ブレーキ作動ユニット33f,33rは、形状における違いがあるが、構造的にほぼ同等である。したがって、フロントブレーキ作動ユニット33fのみを詳細に説明する。ブレーキ作動ユニット33fは、ブレーキシュー41のセグメントをブレーキドラム40へ向かって押圧するよう用いられる。図6および図7に示す通り、ブレーキ作動ユニット33fは、ブラケットボディ34に対して相対的に回転可能に装着されるカバー部材35と、作動アーム60の態様である作動部材と、カム部材61と、複数の(例えば6つの)ローラ62と、ローラケース63と、を備える。作動アーム60は、固定ブラケット30fのブラケットボディ34とドラムボディ43との間に装着されて、ハブ軸15aの回りに回転することが可能である。カム部材61は作動アーム60とともに一体的に回転する。複数のローラ62は接触カム部材61とブレーキシュー41との間に配置され、ローラケース63は、互いから回転方向に間隔を空けて配置されたローラ62を保持する。
【0021】
作動アーム60は金属プレートから形成されている。作動アーム60の基端部は、曲げられており、また、カム部61の外周面と結合する結合孔60aを有する。作動アーム60は、ブレーキ解放位置(図17に示す)と制動位置(図18に示す)との間で回転し、トーションコイルバネの態様の第2バネ部材70によって、ブレーキ解放位置へ向かって付勢されている。バネ部材70の一端70aはブラケットボディ34に係止され、他端70bは作動アーム60に係止される。第2バネ部材70はカバー部材35によって覆われている。
【0022】
カム部材61は、作動アーム60に回転不能に固定され、これにより、作動アーム60の回転に応じて回転する。また、カム部材61は、鋼材製の厚い壁状の管状部材によって形成することができる。図7、図17および図18に示す通り、複数のカム部61cは、カム部材61の外周面上に形成されている。それぞれのカム部61cは、傾斜カム面61aと、凹部61bと、を有する。本実施形態において、それぞれのカム面61aの径方向距離は、時計回り方向に次第に増加する。また、凹部61bは、隣接する組の傾斜カム面61aの下方に凹状に形成されている。
【0023】
ローラ62は、カム部材61の外周面とブレーキシュー41のローラ接触面41dとの間に装着される。ローラ62は、カム部材61の回転に応じて、ブレーキシュー41を押圧する。ローラ62は、ローラケース63に装着され、これにより、円周方向に間隔を空けて配置され、同時に、カム部材61の回転に応じて径方向移動が可能となる。より詳細には、複数の(例えば6つの)保持突出部63aがローラケース63に形成されている。この保持突出部63aは、円周方向に間隔を空けて配置され、また、ハブにおいて軸方向の外側に突出して、ローラ62を保持する。ローラケース63は、保持突出部63aより軸方向にさらに突出し、ブラケットボディ34において保持スロット34gと係合する保持突出部63bによって、ブラケットボディ34に回転不能に係止される。第3ばね部材72は、保持突出部63bとブラケットボディ34との間に装着され、これにより、ローラケース63を図7における時計回り方向に付勢する。このように、ローラ62は、ブラケットボディ34に対して相対的に回転方向に関して、ほぼ固定される。グリースが、ローラケース63内でローラ62の周りに詰められ、これにより、ローラ62は、カム部材61の回転に応じて、径方向にスムーズに移動することができる。ローラの使用は、また、グリースの蒸発およびブレーキ温度の上昇によるブレーキ性能の変動を最小限にすることに役立つ。
【0024】
図10は、カバー部材35の外側斜視図である。また、図11は、カバー部材35の内側斜視図である。図10に示す通り、カバー部材35は円板形状の部材であり、中央開口部80と、ブレーキ制御エレメント支持部82と、を備えている。中央開口部80は、ハブアクスル15aを通して収容するよう必要な大きさに形成されている。また、図11に示す通り、カバー部材35は、インナケーブル16fが沿って巻き取られるケーブル巻き取り溝84aを有する軸方向に延設されるほぼ円形の外側周辺フランジ84と、カートリッジベアリング88を収容する軸方向に延設される内側周辺フランジ86と、ブレーキ制御エレメント支持部82を補強する軸方向に延設される補強フランジ90と、カバー部材35の内側側面35aから延設される作動部材移動ユニット92と、を備える。
【0025】
作動部材移動ユニット92は、細長い概ね長方形の突出部92a,92bを備える。本実施形態において、突出部92aは、外側周辺フランジ84の内周面84bから傾斜して径方向に内側に延設される。つまり、突出部92aの方向によって定められる仮想軸Yは、開口部80の中心を横切らない。同様に、突出部92bは、外側周辺フランジ84の内周面84bから傾斜して径方向に内側に延設されており、したがって、突出部92bの方向によって定められる仮想軸Zは、開口部80の中心を横切らない。本実施形態において、仮想軸Y,Zは、中央開口部80をまたいでいる。
【0026】
突出部92a,92bは、互いに間隔を空けて配置され、これにより、カバー部材35が固定ブラケット30fに装着されるとき、突出部92a,92bは作動アーム60の遠端部をまたぐ。したがって、図7に示す時計回り方向にカバー部材35を回転させることにより、突出部92aの円周方向に面する側面92a’が作動アーム60の側面60bと接触することになり、その結果、作動アーム60を時計回りに回転させる。同様に、反時計回り方向にカバー部材35を回転させることにより、突出部92bの円周方向に面する側面92b’が作動アーム60の側面60cと接触することになり、その結果、作動アーム60を反時計回りに回転させる。作動アーム60がカバー部材35の径方向に外側に突出しないので、作動アーム60が外部の物にひっかかる危険性がない。
【0027】
図12から明らかなように、ブレーキ制御エレメント支持部82は、概ね円形で180°を超えてカーブしている装着開口部100を有する。開口部100を形成するカバー部材35の面は、開口部100の側部入り口を形成するほぼ平行な第1および第2壁面35b,35c(図11参照)を形成する。図11に示す通り、補強フランジ90は、開口部100の形状および壁面35b,35cに沿って続いており、これにより、その分、ブレーキ制御エレメント支持部82の強度を補強する。
【0028】
図13は、インナケーブルに16fに取り付けられたブレーキケーブル取り付けユニット104の態様のブレーキ制御エレメント取り付けユニットの詳細な図である。ブレーキケーブル取り付けユニット104は、ボルト108と、ナット110と、ワッシャ112の態様のロック部材と、を備える。図14は、ナット110が外された状態の、ブレーキケーブル取り付けユニット104の図である。図14に示す通り、ボルト108は、雄ネジ形成部120およびロック部124を有するボルト軸116を備える。ロック部124は、ネジ形成部120より大きな直径を有しており、インナケーブルを通して収容する開口部(図示せず)と、平行なフラット面124a,124bと、を備える。ワッシャ112は、ボルト軸120のロック部124の平行なフラット面124a,124bと係合する1組のほぼ平行な内面112a,112bを有する環状の部材である。ワッシャ112は、また、1組のほぼ平行なフラット外面112c,112dと、1組の曲面状外面112e,112fと、を有する。平行な外面112c,112dは、幅W1を有しており、これにより、図15に示す通り、平行な壁面35b,35cを通過することができ、したがって、ブレーキケーブル取り付けユニット104がブレーキ制御エレメント支持部82に位置決めされることになる。曲面状外面112e,112fは、後述する理由で、幅W1より大きな幅W2を有する。
【0029】
ドラムボディ43および冷却ディスク44の形状は、ダイカスト成形あるいは鍛造などのプロセスによって製造された後、機械加工プロセスによって所望の寸法に仕上げられる。その後、冷却ディスク44は、ドラムボディ43の外側周辺面上に、既知の方法で、装着される。その後、ブレーキシュー41の2つのセグメントおよび第1バネ部材53が、ドラムボディの内部に組み付けられて装着される。また、ブレーキシュー41の残りのセグメントが取り付けられる。このときに、内部に、十分なグリースを詰めることもできる。ブレーキシュー41の装着が終わると、ブレーキシュー41のセグメントがブレーキ面51aに押圧され、ローラ62がローラケース63に装着され、そして、ローラ62およびローラケース63がブレーキシュー41の径方向内側に挿入される。このときに、内部に、十分なグリースをさらに塗りつけることもできる。その後、作動アーム60が取り付けられたカム部材61が、ローラ62の径方向内側に挿入され、第3ばね部材72がブラケットボディ34とローラケース63の係止突出部63bとの間に引っ掛けられ、そして、カバー部材35がハブアクスル15aの上に配置される。
【0030】
インナケーブル16fにブレーキケーブル取り付けユニット104を取り付けるために、インナケーブル16fは、ボルト108のボルト軸116のロック部124における開口部を通ってネジ締めされる。その後、ワッシャ112は、ロック部124に配置され、これにより、ワッシャ112の内面112a,112bが、対応するロック部124のフラット面124a,124bと係合することになる。最後に、ナット110が、ボルト108のネジ形成部120に締め込まれて、これにより、インナケーブル16fをボルト108に固定する。その後、ブレーキケーブル取り付けユニット104は、向きを合わせられて、ワッシャ112の外面112c,112dがカバー部材35の平行な壁面35b,35cと整列し、ブレーキケーブル取り付けユニット104が、ブレーキ制御エレメント支持部82における開口部100に挿入される。
【0031】
ブレーキ装置13fを装着するフロントホイール6をフロントフォーク3に組み付けるとき、ブレーキ装置13fのブラケットボディ34の係止部34cに装着される挿入部材19が、ブラケット固定部25fに押し込まれ、そして、ハブ6aのハブ軸15aがフロントフォーク3に装着される。その後、六角袋ナット45が、ハブアクスル15aの両端に取り付けられ、適切なトルクで締め付けられて、これにより、カバー部材35を固定ブラケット30fに保持し、そして、フロントホイール6の装着が完了する。
【0032】
取り外し手順は、上記の逆である。従来のブレーキケーブル保持装置と異なり、ブレーキケーブル16を、工具を使用することなく、単にブレーキケーブル取り付けユニット104を取り外すことにより、カバー部材35から取り外すことができる。ブレーキケーブル16fが再び取り付けられるとき、ブレーキシュー41の前の調整は保持されるので、ブレーキシュー41の調整を繰り返す必要はない。
【0033】
ブレーキ装置13f,13rの動作を、上述したフロントブレーキ装置13fを参照して説明する。ブレーキケーブル14f,14rがセットされて、インナケーブル16f,16rが張力下にある状態で、ブレーキレバー12f,12rが作動されていないときのブレーキシュー41とブレーキドラム40との間の遊びを、ブレーキレバー12f,12rに装着されたアウタ係止部22あるいはブレーキ装置13f,13rに装着されたアウタ装着部31f,31rによって調整することができる。この状態において、フロントブレーキレバー12fを握ることにより、インナケーブル16fを引っ張り、その結果、カバー部材35を反時計回りに回転させる。このとき、ワッシャ112の平行な外面112c,112dは、カバー部材35の平行な壁面35b,35cとの整列から外れて回転する。ブレーキ制御エレメント支持部82が、回転的には静止しているブレーキケーブル取り付けユニット104に対して相対的に回転するからである。曲面状壁面112e,112f間の幅W2が、平行な壁面112c,112d間の幅W1よりも大きいので、曲面状壁面112e,112f、すなわちワッシャ112が、カバー部材35の壁面35b,35c間を通ることができない。これにより、ブレーキケーブル取り付けユニット104がカバー部材35から外れることを防止し、連結の信頼性がさらに向上される。
【0034】
カバー部材35の反時計回りの移動は、カバー部材35の突出部92bの側面92b’を介して作動アーム60の側面60cに伝達され、これにより、作動アーム60を、第2バネ部材70の付勢力に抗して、反時計回りに回転させる。その結果、作動アーム60は、図17に示すブレーキ解放位置から図18に示す制動位置へと回転する。
【0035】
作動アーム60が制動位置に回転すると、カム部材61はそれと一体的に回転し、そして、ローラ62は傾斜したカム面61a上に乗り上がる。その結果、ローラ62は径方向に外側に変位されて、ブレーキシュー41の接触面41aを第1バネ部材53の付勢力に抗してブレーキドラム40のブレーキ面51aに対して押圧する。これにより、当初は、ブレーキシュー41の押圧力に比例した制動力が生成される。このとき、ブレーキドラム40は、図18の反時計回り方向に回転しているので、ブレーキシュー41も、また、反時計回りに多少回転し、ローラケース63は、ローラ62を介して同じ方向に多少回転する。これにより、ローラ62は、径方向外側にさらに変位され、増加された制動力が生成される。ブレーキ面51aが台形の構造に凹状に形成されており、接触面41aが台形の構造に外側に突出しているので、摩擦面間の摩擦接触力が楔作用によって増加する。
【0036】
手がフロントブレーキレバー12fから外されると、作動アーム60は、第2バネ部材70の付勢力に応じてブレーキ解放位置へと時計回りに回転し、そして、作動アーム60の側面60cと突出部92bの面92b’との間の当接の結果、それに応じてカバー部材35が回転する。カム部材61が作動アーム60とともに一体的に回転するので、ローラ62は、傾斜したカム面61aから降りて、ブレーキシュー41が、第1バネ部材53の付勢力に応じて径方向内側に移動する。このとき、ローラケース63は、第3ばね部材72の付勢力に応じて時計回り方向に回転し、そして、制動力が止まる。
【0037】
本発明にかかる種々の実施の形態を説明したが、本発明の精神および範囲を逸脱することなくさらなる変形を行ってもよい。例えば、ホイールハブにブレーキをかけるローラブレーキを説明したが、ハブブレーキ装置はそれに限定されない。本発明の特徴を、ハブにブレーキをかけるバンドブレーキあるいはドラムブレーキに適用することもできる。説明した実施形態におけるブレーキ面51aおよび接触面41aは、台形の構造を有するが、ブレーキ面51aおよび接触面41は、代わりに、フラットな面とすることもできる。
【0038】
上述した実施形態において、アウタケーブル17fを係止するアウタ装着部31fは、フロントフォーク3に溶接されたブラケット固定部材25fに配置されているが、アウタ装着部131fを、代わりに、図19に示す通り、固定ブラケット130fのブラケットボディ134のアーム部134bに配置することもできる。本実施形態において、アーム部134bは、後方へ(図19において右側へ)突出するアウタ装着ブラケット134h上に形成されている。このアウタ装着ブラケット134hは、取り外し可能にアウタ装着部131fを係止する。
【0039】
図20および図21に示す通り、アウタ装着ブラケット134hは、アーム部134bと一体的に形成されている。ほぼケーブル軸に沿って延びてアウタ装着部131fを装着する外側固定スリット134iは、アウタ装着ブラケット134hの上側の中心に形成されている。アウタ装着部131fは、アウタ係止部131aと、アウタ固定ブラケット131bと、を備える。アウタ装着部131fはブレーキケーブル14fのアウタケーブル17fを係止し、アウタ固定ブラケット131bはアウタ係止部131aを固定し、これにより、アウタ係止部131aの係止された位置はケーブル軸方向に調整可能となる。アウタ固定ブラケット131bは、アウタ装着部131fを、取り外し可能にかつ回転不能に、アウタ装着ブラケット134hに係止する。
【0040】
アウタ係止部131aは、インナケーブル16fを通して収容する管状ロッド構造を有する。雄ネジ部131cがアウタ係止部131aの外側周辺部に形成され、これにより、アウタ固定ブラケット131bにネジ締めされる。ケーブル軸に沿ったこのアウタ係止部131aの位置を、アウタ固定ブラケット131bに対して相対的にアウタ係止部131aのネジ締め位置によって調整することができる。アウタ係止部131aは、アウタ固定ブラケット131b上の位置に、雄ネジ部131cにネジ締めされるロックナット131dによって保持される。
【0041】
例えば、金属プレートを曲げることにより、アウタ固定ブラケット131bを形成することもできる。アウタ固定ブラケット131bは、アウタ係止部131aがネジ締めされる装着部131eと、装着部131eの一方の側から図20において下方へ曲がっている後部壁面部131gと、装着部131eの両端から下方へ曲がっている側壁面部131hと、を有する。
【0042】
装着部131eには、アウタ係止部131aがネジ込まれる雌ネジ形成部131k(図21)が形成される。後部壁面部131gには、アウタ固定スリット134iにおいて係止される2つの凸部131i,131jが形成されている。後部壁面部131gの中央部分を曲げることにより、凸部131iが形成されている。また、後部壁面部131gの下端を曲げることにより、凸部131jが形成されている。これらの凸部131i,131jの幅は、アウタ固定スリット134iの幅より多少小さく、これにより、アウタ固定スリット134iの内部に嵌合可能である。
【0043】
側壁面部131hは、折り曲げることにより形成され、側壁面部131hと後部壁面部131gとの隙間は、アウタ装着ブラケット134hの厚みと等しい。アウタ装着ブラケット134hは、このように、側壁面部131h(図21における右端)の後部エッジと後部壁面部131gとの間でスライドする。アウタ固定ブラケット131bは、アウタ装着ブラケット134hにスライドされることによって固定される。また、アウタ固定ブラケット131bは、アウタ固定スリット134に嵌合する突出部131i,131jによって、回転不能に配置される。
【0044】
このようなアウタ装着部131fでは、アウタ固定ブラケット131bをアウタ装着ブラケット134fから取り外すことにより、アウタケーブル17fを取り外すことができる。このアウタ固定ブラケット131bは、従来のアウタ固定部より大きな部品である。したがって、一方の手で取り付けるあるいは取り外すことがより簡単である。また、同様に、アウタケーブル17fは、より容易に取り付けられ、取り外される。また、アウタ係止部131aが、アウタ装着ブラケット134hに対して回転不能に係止されるので、アウタ係止部131aは、装着あるいはライディング時に回転しない。したがって、ホイールを取り付けるあるいは取り外すとき、アウタケーブルの取り付け/取り外し作業を簡単に行うことができ、また、アウタケーブル17fは確実に固定される。
【0045】
所望により、種々の構成要素の大きさ、形状、配置、向きを変更することもできる。他の構成要素と直接的に連結あるいは接触する構成要素は、それらの間に中間構造物を備えていてもよい。一つの構成要素の機能は二つあるいはそれ以上によって達成されてもよい。一つの実施の形態の構造および機能を他の態様に適用してもよい。すべての利点が必ずしも同時に特定の実施の形態にもたらされる必要はない。先行技術から区別されるそれぞれの特徴は、それ単独として、あるいは他の特徴と組み合わせとして、そのような特徴により実施される構造的あるいは機能的思想を含む出願人によるさらなる発明の内容として付帯的に考慮されるものとする。したがって、本発明の範囲は、開示された特定の構造、または特定の構造あるいは特徴に対して認識した初期の対象あるいは重点によって限定されないものとする。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態によるブレーキ部品を備える自転車の側面図である。
【図2】自転車のブレーキシステムの具体的な実施形態の概略図である。
【図3】フロントブレーキ装置の具体的な実施形態の側面図である。
【図4】フロントブレーキ装置の正面図である。
【図5】カバーが外された状態のフロントブレーキ装置の側面図である。
【図6】フロントブレーキ装置の拡大した部分断面図である。
【図7】自転車用ブレーキ装置の具体的な実施形態の分解組立図である。
【図8】ブレーキシューアッセンブリの具体的な実施形態の側面図である。
【図9】ブレーキシューアッセンブリの一部の平面図である。
【図10】カバー部材の外側斜視図である。
【図11】カバー部材の内側斜視図である。
【図12】ブレーキ制御エレメント支持部のより詳細な図である。
【図13】ブレーキケーブル取り付けユニットのより詳細な図である。
【図14】ナットが外された状態のブレーキケーブル取り付けユニットの図である。
【図15】カバー部材におけるブレーキ制御エレメント支持部に挿入されようとしているブレーキケーブル取り付けユニットの図である。
【図16】カバー部材に取り付けられたブレーキケーブル取り付けユニットの図である。
【図17】ブレーキ解放状態におけるブレーキ装置の部分的な断面図である。
【図18】ブレーキ作動状態におけるブレーキ装置の部分的な断面図である。
【図19】フロントブレーキ装置の他の実施形態の側面図である。
【図20】アウタ装着部の詳細な図である。
【図21】アウタ装着部の側面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 自転車
2 フレームボディ
6a ハブ
8 ブレーキシステム
15a ハブ軸
15b ハブ体
16f インナケーブル
17f アウタケーブル
25f,25r ブラケット固定部材
30f,30r,130f 固定ブラケット
32f,32r ブレーキ機構
33f,33r ブレーキ作動ユニット
35 カバー部材
40 ブレーキドラム
60 作動アーム
80 中央開口部
82 ブレーキ制御エレメント支持部
84 外側周辺フランジ
84a ケーブル巻き取り溝
92 作動部材移動ユニット
92a,92b 突出部
100 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車フレームに対して相対的に回転不能に装着可能な固定ブラケットと、
自転車のハブ体とともにハブ軸回りに一体的に回転するブレーキドラムと、
前記ブレーキドラムに制動力を印加するブレーキ機構と、
前記ブレーキ機構を作動させるブレーキ作動装置と、
を備え、
前記ブレーキ作動装置は、
前記固定ブラケットに対して相対的に可動に装着されて前記ブレーキ機構を作動させるための作動部材と、
前記固定ブラケットに対して相対的に、前記作動部材とは独立して、回転可能に装着された回転部材と、を備えており、
前記回転部材は、前記作動部材を移動させる作動部材移動ユニットを有するとともに、ブレーキ作動ケーブルを巻き取るケーブル巻き取り面を有している、
自転車用ブレーキ装置。
【請求項2】
前記回転部材は円板形状を有する、請求項1に記載の自転車用ブレーキ装置。
【請求項3】
前記ケーブル巻き取り面はケーブル巻き取り溝を有する、請求項1に記載の自転車用ブレーキ装置。
【請求項4】
前記回転部材はブレーキ制御エレメント支持部を備える、請求項1に記載の自転車用ブレーキ装置。
【請求項5】
前記ブレーキ制御エレメント支持部は前記回転部材における開口部を有する、請求項4に記載の自転車用ブレーキ装置。
【請求項6】
前記作動部材移動ユニットは前記回転部材の側面から延設されている、請求項4に記載の自転車用ブレーキ装置。
【請求項7】
前記作動部材移動ユニットは、前記作動部材の対向する両側に配置された第1および第2突出部を備える、請求項6に記載の自転車用ブレーキ装置。
【請求項8】
自転車フレームに対して相対的に回転不能に装着可能であり、ハブ軸が通過可能な開口部を有する固定ブラケットと、
自転車のハブ体とともにハブ軸回りに一体的に回転するブレーキドラムと、
前記ブレーキドラムに制動力を印加するブレーキ機構と、
前記ブレーキ機構を作動させるブレーキ作動装置と、
を備え、
前記ブレーキ作動装置は、
前記固定ブラケットに対して相対的に可動に装着されて前記ブレーキ機構を作動させるための作動部材と、
前記固定ブラケットに対して相対的に回転可能に装着され、前記ハブ軸が通過可能な開口部を有する回転部材と、を備えており、
前記回転部材は、前記作動部材を移動させる作動部材移動ユニットを有するとともに、ブレーキ作動ケーブルを巻き取るケーブル巻き取り面を有している、
自転車用ブレーキ装置。
【請求項9】
前記ケーブル巻き取り面はケーブル巻き取り溝を有する、請求項8に記載の自転車用ブレーキ装置。
【請求項10】
前記作動部材移動ユニットは前記回転部材の側面から延設されている、請求項8に記載の自転車用ブレーキ装置。
【請求項11】
前記作動部材は前記ハブ軸が通過可能な開口部を有する作動アームを備えている、請求項10に記載の自転車用ブレーキ装置。
【請求項12】
前記作動部材移動ユニットは前記作動アームの対向する両側に配置された第1および第2突出部を備えている、請求項10に記載の自転車用ブレーキ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2007−62717(P2007−62717A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−215703(P2006−215703)
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】