説明

航空貨物コンテナにおける密輸品を調査する装置

【課題】 同じ貨物を異なる撮像モードにより走査可能な装置を提供する。
【解決手段】 航空貨物コンテナ内の密輸品を調査する装置を開示する。装置は放射線源設置構造体及び検出器設置構造体を備え、それぞれ少なくとも1つの支柱アセンブリから構成される。放射線源及び検出器はそれぞれ支柱アセンブリ上に取り付けられ、支柱アセンブリに沿って同期して昇降可能である。支柱アセンブリは放射線源及び検出器を安定して取り付けることに使用される。ターンテーブル及び走査システムの異なる移動モードを組み合わせることにより、様々な走査モードにより対象物を走査することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は貨物のセキュリティの調査に関する。本発明は特に航空貨物における密輸品を調査する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、航空コンテナのような航空貨物は今もなお主に手作業による調査及びX線管透過法(寸法の小さな航空コンテナのみ調査可能である)により調査されている。CT(コンピュータ断層撮影法)を使用する装置も貨物調査用に使用され、例として、X線管を使用するSmith Corporation の製品や放射線源を使用するHualixing Company の製品が挙げられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの2つのタイプの製品は使用の際に大きな制約を受ける。この理由としてX線管は比較的低い透過能力を示し、放射線源は使用及び取り扱いの際に厳格な制御を受けることが挙げられる。
【0004】
特に、これらの装置は全て水平方向通過型の走査を使用し、CT撮像調査を行う。即ち、対象物は水平方向に通過し、走査システムが対象物の進行路の周囲を回転する。従って、CT調査システムにおいて、貨物通過率は比較的低い。更に、このCT調査システムは構造、寸法、及び透過能力に厳格な制約を受ける。従って、システムは比較的寸法の大きな航空貨物を調査することには使用できない。例えば、今日の装置は2メートルの長さ及び2メートルの幅を有する航空コンテナを調査することができない。更に、上述した水平方向通過型の走査は貨物通路の左右側の領域と同じだけの領域を占有する必要がある。従って、これらの装置は比較的広いスペースを占有する。
【0005】
更に、従来技術において、透過による撮像、マルチビューの撮像、及びCT撮像のような多くの種類の放射線による撮像のモードが開発されてきた。異なる撮像モードは通常、走査システムの異なる貨物走査モードに対応する。上述した従来技術による調査装置は通常、走査モードのうち1つを実現可能であるのみである。従って、撮像モードの選択は制限される。しかしながら、貨物の調査において、ときには同じ貨物が異なる撮像モードにより走査される必要がある。現在の調査装置はこれらの要求に応えることができない。
【0006】
本発明の目的は従来技術における上述した課題のうち少なくとも1つを解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を実現するために、本発明は航空貨物コンテナ内の密輸品を調査する装置を提供する。装置は、対象物調査位置に設置され、対象物を搬送し、対象物を回転させることに使用されるターンテーブルと、ターンテーブルの周囲に設けられ、対象物を走査して撮像データを得ることに使用される走査システムとを備える。走査システム放射線源及び検出器と、放射線源を設置するための放射線源設置構造体及び検出器を設置するための検出器設置構造体とを備える。放射線源設置構造体及び検出器設置構造体はそれぞれ少なくとも1つの支柱アセンブリから構成される。放射線源及び検出器はそれぞれ支柱アセンブリ上に取り付けられ、支柱アセンブリに沿って同期して昇降可能である。
【0008】
本発明による装置において、支柱アセンブリは放射線源及び検出器を安定して取り付けることに使用される。放射線源及び検出器は支柱アセンブリに沿って同期して昇降可能である。ターンテーブルは対象物を搬送し回転させることができる。従って、ターンテーブル及び走査システムの異なる移動モードを組み合わせることにより、本発明の装置は様々な走査モードにより対象物を走査することができる。更に、本発明によると、放射線源及び検出器は支柱アセンブリに取り付けられるため、装置は構造的に安定しており、設置の便がよく、狭小な空間にも設置可能である。本発明の装置は、2メートルの長さ及び/又は2メートルの幅を越える航空コンテナを調査することができる。更に、装置において対象物の通過速度は比較的高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1乃至3は本発明の実施例における航空貨物輸送コンテナにおける密輸品を調査する装置を示す。これらの図面に示すように、装置はターンテーブル11を備える。ターンテーブル11は対象物を調査する位置に設けられ、調査の対象となる航空コンテナ等の調査の対象となる対象物(図示しない)を搬送し、調査の対象となる対象物を回転させるように使用される。装置はターンテーブルに向かって水平方向に対象物を搬送し、調査完了時にターンテーブルから対象物を搬出する当業者に周知の対象物搬送システム(図示しない)を更に備える。対象物搬送システム及びターンテーブルは搬送システムと総称される。ターンテーブル11は対象物搬送システムの搬送路上に設けられる。
【0010】
実施例において、ターンテーブル11は複合回転搬送ワークテーブルである。現在係属中の中国特許出願第200610169797.3号明細書は複合回転搬送ワークテーブルを開示しており、その全体がここで開示されたものとする。複合回転ワークテーブルは走査路を通過して対象物を搬送するのみならず、対象物を走査路において回転もさせる。従って、対象物が回転中に調査される場合に、走査システム(詳細は後述する)が対象物の周囲を回転するのではなく、対象物自体が回転する。
【0011】
装置はターンテーブル駆動制御サブシステム(図示しない)を更に備える。駆動制御サブシステムはターンテーブルが回転軸の周囲を連続して回転するように、或いはターンテーブルが既定の角度を回転するようにターンテーブルの回転を駆動及び制御する。通常ターンテーブル駆動制御サブシステムはモータ、及びモータ用のサーボ制御装置を備える。
【0012】
装置はターンテーブルの周囲に設けられる走査システムを更に備える。走査システムは撮像データを得るために対象物を走査することに使用される。図示のように、走査システムはターンテーブル11の両側に放射線源6及び検出器17を備える。放射線源6及び検出器17は上下方向に同期して移動可能であり、これにより放射線源6から放射される水平方向の放射線の面16と検出器17が設けられる面とは確実に連続して同一水平面に位置される。
【0013】
放射線源6は制御可能なX線やガンマ線を放射するが、電気線形加速器、アイソトープ源、或いはX線管であってもよい。検出器17は対象物を通過する放射線を電気信号に変換するが、固体検出器、ガス探知機であってもよい。検出器は構造形態において、1つ以上の直線配列や円弧配列、或いは高エネルギー探知機や低エネルギー探知機を使用してもよい。走査システムはデータコレクタを更に備える。データコレクタは検出器の電気信号をデジタル信号に変換し、バスやイーサネット(登録商標)を介して主制御コンピュータにこれらを送信する。検出器17自体にデータコレクタを設けることも可能である。
【0014】
走査システムは放射線源6を設置する放射線源設置構造体、及び検出器17を設置する検出器設置構造体を更に備える。放射線源設置構造体及び検出器設置構造体はターンテーブル11の両側に設けられる。放射線源設置構造体や検出器設置構造体は1つ以上の支柱アセンブリから構成される。
【0015】
実施例において、放射線源設置構造体及び検出器設置構造体はそれぞれ1つ以上の支柱アセンブリから構成される。実施例において、支柱アセンブリはそれぞれ実質的に同一の構造を有する。図1乃至3において、放射線源を設置するための構造体は好適に1つの支柱アセンブリを備え、検出器設置構造体は好適に2つの支柱アセンブリを備え、これにより3本の支柱の態様を採る走査枠を形成する。このような3本の支柱構造体により、検出器及び放射線源が確実に堅固に取り付けられる環境下において占有領域が最大限減少される。これらに加え、占有領域を更に減少させるために、2つの支柱アセンブリに設けられる検出器は好適には平面検出器配列である。平面態様を採る検出器配列は湾曲した面の態様を採る検出器配列と比較して占有する領域が少ない。
【0016】
図1乃至3において、支柱アセンブリは上下方向に設けられる支柱8,1,10を備える。放射線源設置構造体の支柱アセンブリは支柱8を備え、検出器設置構造体の2つの支柱アセンブリはそれぞれ支柱1及び支柱10を備える。各支柱上において昇降機構は支柱の延伸方向に移動可能に設けられ、支柱によって支持される。放射線源や検出器は昇降機構上に取り付けられる。昇降機構はローラ案内ネジ12、及び支柱に沿って設けられる昇降台2,7,9を備える。図1乃至3に示すように、昇降台のうち参照符号7は放射線源設置構造体の支柱アセンブリ内の昇降台を示し、参照符号2,9はそれぞれ検出器設置構造体の2つの支柱アセンブリ内の昇降台を示す。昇降台7,2,9は案内ネジ12上螺合している。放射線源6や検出器17は対応する昇降台上に固定して取り付けられる。従って、案内ネジ12が回転する場合に、昇降台7,2,9は案内ネジ12のネジ山との相互作用により案内ネジ12に沿って昇降可能である。
【0017】
実施例において、昇降台はナットを介して係合により案内ネジに連結される。即ち、ナットは案内ネジと係合により連結され、且つ昇降台に固定される。別例において、昇降台自体が貫通するネジ山を設けた通路を備える。ネジ山を設けた通路が案内ネジに螺合している。
【0018】
昇降台は支柱に沿って設けられる少なくとも1つの案内レールを更に備えてもよい。昇降台は案内レールに沿って摺動自在であり、これにより案内レールは昇降台が昇降するように案内する。図示のように、昇降機構は好適には案内ネジ12の両側に設けられる2つの案内レール13を備える。実施例において、昇降台は滑動部を介して案内レールに摺動自在に連結される。滑動部は案内レールと摺動自在に連結され、昇降台は滑動部に固定して連結される。別例において、昇降台は貫通する通路を備えてもよい。案内レールは通路を通過して延びる。
【0019】
検出器設置構造体や放射線源設置構造体が複数の支柱アセンブリを備える場合に、設置構造体は支柱アセンブリ間の構造の安定性を得るために、隣接する支柱の各組の間を連結する梁柱接合部を更に備えてもよい。図1乃至3に示すように、検出器設置構造体において、梁柱接合部が支柱1,10間に連結される。
【0020】
検出器を設置するための構造体が複数の支柱アセンブリから構成される場合に、構造体は隣接する昇降台の各対の間を連結する交差梁柱接合部を更に備えてもよい。検出器(好適には平面状の検出器)は交差梁柱接合部に固定して取り付けられる。即ち、交差梁柱接合部を介して昇降台上に固定して取り付けられる。
【0021】
図1乃至3に示すように、構造体において、交差梁柱接合部4は昇降台2,9間に連結され、検出器17は交差梁柱接合部4に連結される。機械的構造の堅固な性質により、精密な製造、特に堅固な構造体を精密に製造する必要性を減少させるために、交差梁柱接合部4の両端はそれぞれ検出器昇降台2,9の連結点に連結されるが、一端はヒンジにより固定され、他端は弾性的に連結される。これにより、検出器の交差梁柱接合部4は走査作業中に同期して移動可能である。
【0022】
本発明による装置は走査駆動制御サブシステムを更に備える。走査駆動制御サブシステムは放射線源及び検出器を上下方向に同期して移動するように駆動及び制御する。これにより放射線源及び検出器は連続して上下方向に移動可能であり、或いは上下方向の既定の位置に移動可能である。走査駆動制御サブシステムは支柱アセンブリ内の案内ネジ12を駆動するサーボ駆動モータ5と、サーボ駆動モータ5の同期操作を制御するサーボ同期制御器(図示しない)を備える。本発明の装置が3本の支柱の枠である場合にサーボ同期制御器は三軸サーボ同期制御器となる。
【0023】
本発明による装置は主制御コンピュータを更に備えてもよい。ターンテーブル駆動制御サブシステム及び走査駆動制御サブシステムの制御部は実施例において、例えば主制御コンピュータ及び主制御コンピュータ内の特別なソフトウェアによって実現可能な1つの制御システムによって実行され得る。主制御コンピュータは操作者の指示に従って装置の動作を制御し撮像データによる画像を形成及び表示するように、マンマシン対話型インターフェイスを提供してもよい。例えば操作者はマンマシン対話型インターフェイスを介して、ターンテーブルの連続した回転角度や既定の角度の位置、放射線源や検出器の連続した移動の距離や既定の上下方向の位置等のパラメータをターンテーブル駆動制御サブシステム、及び走査駆動制御サブシステムに入力可能である。従って、操作者は様々な態様を採る対象物を走査するように装置を制御可能である。更に、主制御コンピュータは走査システムによって得られた撮像データを使用して既定のデータ処理アルゴリズムにより撮像を実施することができる。
【0024】
上述したように、本発明による装置は様々な操作モードにより対象物を調査することができる。これらのモードは例えば以下のものから構成される。
(1)透過型平面撮像モード。ターンテーブルは対象物を少なくとも1つの既定の角度の位置に移動させる。対象物が各既定の角度の位置にある場合に、放射線源及び検出器は同期して上下方向に一度走査し、全ての既定の角度の位置における透過による撮像データを得る。装置は各既定の角度の位置における透過による撮像データに従って、対象物が各既定の角度の位置にある場合の二次元の透過像をそれぞれ形成する。
(2)多面型三次元撮像モード。ターンテーブルは対象物を複数の既定の角度の位置に移動させる。対象物が各既定の角度の位置にある場合に、放射線源及び検出器は同期して上下方向に一度走査し、全ての既定の角度の位置における透過による撮像データを得る。装置は既定の角度の位置における透過による撮像データに従って、対象物三次元の像を再現する。多面型三次元撮像モードにて使用されるアルゴリズムとして、現在係属中の中国特許出願第200610076574.2号明細書にその例が開示され、その全体がここで開示されたものとする。
(3)二次元CT(コンピュータ断層撮影法)撮像モード。放射線源や検出器が少なくとも1つの既定の上下方向の位置に移動される。放射線源及び検出器が各既定の上下方向の位置に移動された場合に、ターンテーブルは対象物を連続して回転させ、既定の上下方向の位置におけるCT投影データを得る。装置は既定の上下方向の位置におけるCT投影データに従って既定の上下方向の位置における対象物の二次元断面像を再現する。
(4)螺旋状CT撮像モード。放射線源及び検出器は第1の既定の上下方向の位置から第2の既定の上下方向の位置に向かって上下方向に移動する。その間にタ―ンテーブルは対象物を連続して回転させて螺旋状に対象物を走査し、第1の既定の上下方向の位置及び第2の上下方向の位置の間における対象物の螺旋状CT走査データを得る。装置は螺旋状CT走査データに従って、第1の既定の上下方向の位置及び第2の既定の上下方向の位置の間における対象物の三次元の断層撮影による像(ボリュームデータ)を再現する。
【0025】
上述したモードは例示に過ぎない。ターンテーブルはいかなる既定の角度の位置にも連続して回転可能であり、或いは回転可能であり、(放射線源及び検出器を含む)走査システムは上下方向におけるいかなる既定の上下方向の位置にも連続して移動可能である、或いは移動可能であることに留意する必要がある。当業者は本発明の装置のターンテーブル及び走査システムの移動モードの様々な組み合わせを研究することにより、本発明の装置の様々な可能な操作モードを得るだろう。操作者は1つ以上の様々な可能な操作モードを対象物の調査のために選択可能である。
【0026】
本発明による装置により標準の寸法の航空コンテナ等の大型の寸法の貨物及び中型の寸法の貨物の迅速な調査が可能となり、(多面型撮像方法や螺旋状CT法を使用することにより)透過型平面画像、CTによる断層平面画像、及び三次元画像(ボリュームデータ)等の放射線画像が得られる。これらの画像は航空コンテナに含まれる貨物の形状及び密度分布を示す。調査者は最終的に、貨物が申告したものと一致するか否か、更には密輸品の有無を迅速に判断可能である。従って、装置によって得られる対象物の特徴に関する情報を分析することにより、正確にして、且つ好適なセキュリティの調査を実施することができる。
【0027】
本発明による装置の例示的な作業工程を以下に示す。
工程(1): 対象物をターンテーブル11に搬送する。
工程(2)乃至(4)において、本発明の装置を使用して、透過型平面撮像モードにより対象物を調査する。
工程(2): ターンテーブル11は静止する。放射線源6及び検出器17が同期して上下方向に一度走査して、現在の角度の位置における対象物の透過による撮像データを得る。
工程(3): ターンテーブル11は90°回転し、工程(2)をもう一度実行して別の透過による撮像データを得る。
工程(4): 工程(2)及び(3)から得た透過による像をコンピュータの画面上に表示し、操作者が2つの透過による像を分析し、疑わしい領域が発見された場合に工程(8)に進む。
【0028】
工程(5)乃至(7)において、本発明の装置を使用して、多面型三次元撮像モードにより対象物を調査する。
工程(5): ターンテーブル11は比較的小さな角度、例えば10°乃至30°回転し、工程(2)をもう一度実行する。
工程(6): 工程(5)を10回繰り返して実行する。
工程(7): 上述した12の透過による画像データを使用してデータ処理により対象物の三次元画像を再現する。疑わしい領域が発見された場合に工程(8)に進む。それ以外の場合、対象物は検査に合格する。
【0029】
工程(8)において、本発明の装置を使用して二次元CT撮像モードや螺旋状CT撮像モードにより疑わしい領域を走査する。具体的には放射線源6及び検出器17は疑わしい領域の面に位置され、ターンテーブル11は対象物を連続して回転させる。二次元CT撮像モードにおいて、放射線源6及び検出器17は静止した状態を保持し、現在位置にてCT投影データを得て、データ処理により二次元断面像を再現する。螺旋状CT撮像モードにおいて、放射線源6及び検出器17は上下方向にて疑わしい領域の範囲内を走査する。これにより疑わしい領域のCT投影データを得て、データ処理により三次元の断層撮影法による画像(ボリュームデータ)を再現する。
工程(9):操作者は断層撮影法による画像により最終的な判断を下す。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施例における装置の側面図。
【図2】実施例における図1に示す装置の上面図。
【図3】実施例における図1に示す装置の左側面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物調査位置に設置され、調査の対象となる対象物を搬送し、同対象物を回転させることに使用されるターンテーブルと、
該ターンテーブルの周囲に設けられ対象物を走査して撮像データを得るために使用される走査システムとを備え、同走査システムは、
放射線源及び検出器を備えることと、
放射線源を設置するための放射線源設置構造体及び検出器を設置するための検出器設置構造体とを備えることと、
該放射線源設置構造体及び検出器設置構造体はそれぞれ少なくとも1つの支柱アセンブリから構成されることと、該放射線源及び検出器はそれぞれ支柱アセンブリ上に取り付けられ、同支柱アセンブリに沿って同期して昇降可能であることとを特徴とする航空貨物コンテナ内の密輸品を調査する装置。
【請求項2】
前記ターンテーブルは複合回転搬送ワークテーブルであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記支柱アセンブリはそれぞれ
上下方向に設けられる支柱と、
支柱に沿って設けられ同支柱によって支持される昇降機構とを備え、前記放射線源及び前記検出器のうちいずれか一方は同昇降機構上に設けられることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記昇降機構は、
支柱に沿って設けられる案内ネジと、
案内ネジに設けられ同案内ネジと螺合する昇降台とを備え、放射線源及び検出器のうちいずれか一方は昇降台上に固定して取り付けられることと、
案内ネジが回転する場合に昇降台は案内ネジのネジ山の相互作用により同案内ネジに沿って昇降可能であることとを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記昇降台はナットを介して案内ネジと螺合し、同ナットは案内ネジと螺合し、昇降台に固定して連結されるか、或いは
昇降台が貫通するネジ山を設けた通路を備え、同ネジ山を設けた通路が案内ネジに螺合していることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記昇降台は支柱に沿って設けられる少なくとも1つの案内レールを更に備えることと、同昇降台は案内レールに沿って摺動自在であり、これにより案内レールは昇降台が昇降するように案内することを特徴とする請求項3又は4に記載の装置。
【請求項7】
前記昇降台は滑動部を介して案内レールに摺動可能に連結され、同滑動部は案内レールに摺動可能に連結され、昇降台に固定して連結されるか、或いは
昇降台は貫通する通路を備え、案内レールを受承することを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記放射線源設置構造体は1つの支柱アセンブリを備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記検出器設置構造体は複数の支柱アセンブリを備えることを特徴とする請求項1又は8に記載の装置。
【請求項10】
前記検出器設置構造体は複数の支柱アセンブリの複数の支柱のうち隣接する支柱の各対の間を連結する梁柱接合部を更に備えることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記検出器設置構造体は複数の支柱アセンブリの複数の昇降台のうち隣接する昇降台の各対の間に連結される交差梁柱接合部を更に備えることと、検出器は交差梁柱接合部に固定して取り付けられ、交差梁柱接合部を介して昇降台上に固定して取り付けられることとを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記交差梁柱接合部の一端は隣接する昇降台のうち1つとヒンジにより固定され、交差梁柱接合部の他端は隣接する昇降台のうち他方と弾性的に連結されることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記検出器設置構造体は2つの支柱アセンブリを備えることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記装置は対象物を水平方向にターンテーブルに向かって搬送し、調査完了時に同ターンテーブルから搬出する対象物搬送システムを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記装置はターンテーブルが回転軸の周囲を連続して回転するように、或いはターンテーブルが既定の角度の位置に向かって回転するようにターンテーブルの回転を駆動及び制御するターンテーブル駆動制御サブシステムを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記装置は放射線源及び検出器を上下方向に同期して移動するように駆動及び制御して、これにより放射線源及び検出器を連続して上下方向に移動可能とし、或いは上下方向の既定の位置に向かって移動可能とする走査駆動制御サブシステムを更に備えることを特徴とする請求項3又は15に記載の装置。
【請求項17】
前記走査駆動制御サブシステムは、
各支柱アセンブリ内の案内ネジを駆動するサーボ駆動モータと、
サーボ駆動モータの同期作業を制御するサーボ同期制御器とを備えることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記装置は操作者の指示に従って装置の動作を制御し、撮像データに従って画像を形成及び表示するためのマンマシン対話型インターフェイスを提供する主制御コンピュータを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記装置は対象物を複数の作業モードのうち少なくとも1つにより調査することを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記複数の作業モードは、
ターンテーブルが対象物を少なくとも1つの既定の角度の位置に移動させ、同対象物が各既定の角度の位置にある場合に、放射線源及び検出器が同期して上下方向に一度走査し各既定の角度の位置における透過による撮像データを得て、装置は各既定の角度の位置における透過による撮像データに従って対象物が各既定の角度の位置にある場合の二次元の透過による像をそれぞれ形成する透過型平面撮像モードと、
ターンテーブルが対象物を複数の既定の角度の位置に移動させ、対象物が各既定の角度の位置にある場合に放射線源及び検出器は同期して上下方向に一度走査し各既定の角度の位置における透過による撮像データを得て、装置は各既定の角度の位置における透過による撮像データに従って対象物の三次元の像を再現する多面型三次元撮像モードと、
放射線源及び検出器が少なくとも1つの既定の上下方向の位置に移動され、放射線源及び検出器が各既定の上下方向の位置に移動された場合にターンテーブルは対象物を連続して回転させ各既定の上下方向の位置におけるCT投影データを得て、装置は各既定の上下方向の位置におけるCT投影データに従って各既定の上下方向の位置における対象物の二次元断面像を再現する二次元CT撮像モードと、
放射線源及び検出器が第1の既定の上下方向の位置から第2の既定の上下方向の位置に向かって上下方向に移動し、その間にタ―ンテーブルは対象物を連続して回転させて螺旋状に対象物を走査し、第1の既定の上下方向の位置及び第2の既定の上下方向の位置の間における対象物のCT螺旋状走査データを得て、装置はCT螺旋状走査データに従って第1の既定の上下方向の位置及び第2の既定の上下方向の位置の間における対象物の三次元の断層撮影によるボリューム画像を再現する螺旋状CT撮像モードとから選択されることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記検出器は平面態様を採る検出器配列であることを特徴とする請求項1に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−63572(P2009−63572A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−217995(P2008−217995)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(503414751)同方威視技術股▲分▼有限公司 (18)
【出願人】(502192546)清華大学 (20)
【Fターム(参考)】