説明

色を変化させる消費者用製品

本発明は、装飾層を有する多層の薄膜を含み、目立つ色の変化を与えることができるパーソナルケア製品に関する。本発明は、練り歯磨き型、石鹸型、および他の製品を含む製品において、水(または唾液)で希釈されるまで適用可能である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001] 感覚シグナルは消費者への重要な利益の伝達において重要な役割を果たしている。例えば、練り歯磨きを用いる際、典型的には製品が使用の間に約束通りに働いた、または何かをなしたという直接のシグナルは存在しない。視覚的な合図、例えば泡が色を白色から青色に変化させることはこの認知を劇的に向上させることができるであろうが、当技術はそのような技術は現在実行可能では無い可能性があることを報告している。
【0002】
[0002] さらに、この色の変化が起こる速度を、そのシグナルを消費者のコンプライアンスを確認するために(例えば、子供が適切にブラッシングしたことを確認するために)用いることができるように制御する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0003】
[0003] 本発明は薄膜を含む組成物を含む。薄膜は第1の遮蔽(shielding)ポリマー層、中間の装飾層、および第2の遮蔽ポリマー層で構成されている。第1および第2の遮蔽層は中間装飾層の少なくとも一部を覆い隠す。
【0004】
[0004] 組成物を口腔ケア、パーソナルケア、または家庭用ケア計画において用いる方法も含まれる。
【発明を実施するための形態】
【0005】
[0005] 全体において用いられるように、範囲はその範囲内にあるそれぞれおよび全ての値を記述するための略記として用いられる。範囲内のあらゆる値は、範囲の末端として選択することができる。加えて、本明細書において引用される全ての参考文献をそのまま本明細書に援用する。本開示における定義および引用された参考文献の定義において不一致がある場合には、本開示が統制する。
【0006】
[0006] 本発明は概して口腔ケア組成物、パーソナルケア組成物、および家庭用ケア組成物を含む。口腔ケア組成物には練り歯磨きのような組成物が含まれ、パーソナルケア組成物にはローションおよびシャワーゲルのようなものが含まれ、家庭用ケア組成物には万能クリーニング溶液および皿用洗浄剤のようなものが含まれる。他の典型的な組成物を本明細書の他の箇所で開示する。
【0007】
[0007] 本発明は薄膜を含む口腔ケア組成物も含む。薄膜は少なくとも第1および第2の遮蔽ポリマー層および第1および第2の遮蔽層の間に配置された中間装飾層を含む。口腔ケア組成物は、練り歯磨き、ゲル、マウスリンス(mouthrinse)、ロゼンジ、フロス、歯用テープ(toothtape)、細片、糖菓剤、またはワニスを含むあらゆる形であってよい。
【0008】
[0008] 遮蔽層(少なくとも2個のそれが存在する)は、装飾層(単数または複数)の視覚的様相を、口腔との接触および/または口腔中での機械的操作の前に装飾層の本当の視覚的様相がはっきり見えないように覆い隠す役目を果たす。“覆い隠す”により、それが装飾層の上に存在すること、および/またはその後それが存在しないことが、薄膜および/または組成物全体の視覚的様相を変化させる遮蔽層を含むことを意図する。例えば、遮蔽層は不透明で装飾層を視覚的に遮蔽してよく;遮蔽層は半透明または透明であるが、遮蔽層が存在しないことが結果として薄膜の知覚される色の変化をもたらすように色がついていてよく;さらには、もし装飾層が、(遮蔽層の除去により)口腔に曝露された際に色を変化させる構成要素、例えばpHまたは温度に感受性の薬剤を含んでいるならば、遮蔽層は透明であってよい。あるいは、遮蔽層は、放出された際に組成物全体の美的な面(aesthetic)を変化させる装飾層中の化合物薬剤を遮蔽していてよく、そのような化合物(単数または複数)または薬剤は装飾層の内部で視覚的に識別可能であってよく、またはそうでなくてもよい。
【0009】
[0009] 遮蔽層は不連続であってよく、またはそれらは装飾層の全領域を覆っていてよい。薄膜は1個より多くの装飾層を含んでいてよい。
[0010] 下記の図はこの物質をさらに図説しており、それは薄膜のスラリーを連続的に注ぐこと(casting)により、または当技術のあらゆる他の方式により調製されてよい。
【0010】
【化1】

【0011】
[0011] 1態様において、遮蔽層は少なくともヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、グリセリン、および酸化チタンを含む。別の態様において、遮蔽層は少なくともHPMC、グリセリン、および酸化チタンを含む。別の態様において、中間装飾ポリマー層は少なくともHPMC、グリセリン、および顔料を含む。特定の態様において、装飾中間層の顔料は赤色、青色、緑色、またはそれらの混合物であるが、あらゆる色が適切である。組成物は2個より多くの遮蔽層を含んでいてよい。
【0012】
[0012] 1態様において、ポリマー層のいずれもヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を含んでいてよい。ポリマー層のいずれも他のものの中で顔料、FD&C色、およびレーキ色、および様々な色を与える化合物の1種類以上を含んでいてよい。
【0013】
[0013] 口腔ケア組成物は様々な成分、例えば少なくとも1種類の研磨剤、少なくとも1種類のフッ化物の源、少なくとも1種類の泡の量を増大させるための薬剤、少なくとも1種類の界面活性剤、少なくとも1種類のビタミン、少なくとも1種類のポリマー、少なくとも1種類の香味料;少なくとも1種類の酵素、少なくとも1種類の湿潤剤、および/または少なくとも1種類の保存剤およびそれらの組み合わせを含んでいることができる。
【0014】
[0014] 本発明は、使用者に歯のブラッシングの完了を知らせる方法であって、第1の遮蔽ポリマー層、少なくとも1個の中間の装飾ポリマー層、および第2の遮蔽ポリマー層を含む、本明細書で記述されている口腔ケア組成物を適用することを含む方法も含み、ここで第1および第2の不透明な層は共同して少なくとも1個の中間装飾層の少なくとも一部を歯に対して隠し、歯および口腔ケア組成物のブラッシングが泡を生じさせ、口腔ケア組成物の明瞭な色の変化が観察される。特定の態様において、色の変化は組成物全体において、または組成物の使用により生じた泡においてである。
【0015】
[0015] 例えば、配合物が通常の方式で用いられる場合、薄膜は急速に溶解し、着色剤または顔料がますます目立った状態になることを可能にする。泡は1分以内に色を白色から装飾的な色に変化させる。この効果は、練り歯磨きの水中での1:3スラリーの、練り歯磨きが分配され薄膜が溶解する際の白色から装飾的な色への変化によっても説明される。色の変化の程度は、処方中の薄膜の量を増加または減少させることにより容易に変えることができる。
【0016】
[0016] 特定の態様において、研磨剤は組成物中に約1〜20重量%の量で存在する。特定の態様において、フッ化物の源は約0.01〜5重量%の量で存在する。特定の態様において、泡の量を増大させる薬剤は約1〜90重量%の量で存在する。特定の態様において、香味料は約0.01〜5重量%の量で存在する。特定の態様において、テープまたは細片はさらに少なくとも1種類の湿潤剤を約0.01〜5重量%の量で含む。
【0017】
[0017] 口腔ケア組成物はさらに1種類以上のフッ化物イオンの源を含んでいてよい。多種多様なフッ化物イオンを生じる物質を、本組成物における可溶性フッ化物の源として用いることができる。適切なフッ化物イオンを生じる物質の例は、本明細書に援用するBrinerらへの米国特許第3,535,421号、Parran, Jr.らへの米国特許第4,885,155号、およびWidderらへの米国特許第3,678,154号において見つけることができる。
【0018】
[0018] 代表的なフッ化物イオンの源には、フッ化第一スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム(sodium monfluorophosphate)(MFP)、フルオロケイ酸アンモニウム、およびスズフッ化物類、例えばフッ化第一スズおよび塩化第一スズ、ならびにそれらの組み合わせが含まれるが、それらに限定されない。ある特定の態様には、フッ化第一スズまたはフッ化ナトリウムおよびそれらの混合物が含まれる。
【0019】
[0019] 特定の態様において、本発明の口腔ケア組成物は、約25ppm〜5,000ppmのフッ化物イオンを供給するのに十分な量のフッ化物イオンの源またはフッ素を提供する成分も含んでいてよい。
【0020】
[0020] フッ化物イオンの源は本発明の組成物に、1態様において約0.01%から3.0%まで、または別の態様において組成物の重量により約0.03%から1.0%までのレベルで添加されてよい。
【0021】
[0021] 本発明の口腔ケア組成物は、口腔に接着した細片またはテープがブラッシングされる際に生じる泡の量を増大させるための薬剤も含んでいてよい。
[0022] 泡の量を増大させる薬剤の説明的な例にはポリオキシエチレンおよびアルギネートポリマー類を含むがそれに限定されない特定のポリマー類が含まれるが、それらに限定されない。
【0022】
[0023] ポリオキシエチレンは、本発明の口腔ケア組成物により生じる泡の量および泡の厚さを増大させることができる。ポリオキシエチレンは一般にポリエチレングリコール(“PEG”)またはポリエチレン酸化物としても知られている。この発明に適したポリオキシエチレン類は、約200,000〜約7,000,000の分子量を有するであろう。1態様において、分子量は約600,000から約2,000,000までであり、別の態様において約800,000から約1,000,000までであろう。Polyox(登録商標)はUnion Carbideにより生産される高分子量ポリオキシエチレンに関する商品名である。
【0023】
[0024] ポリオキシエチレンは、本発明の口腔ケア組成物の口腔ケアキャリヤー構成要素の重量により約1%から90%まで、1態様において約5%から50%まで、および別の態様において約10%から20%までの量で存在していてよい。
【0024】
[0025] 所望により本発明の口腔ケアテープまたは細片中に含まれる別の薬剤は、界面活性剤または共存できる界面活性剤の混合物である。適切な界面活性剤は、広いpH範囲の全体を通して適度に安定である界面活性剤、例えば陰イオン性、陽イオン性、非イオン性または双性イオン性界面活性剤である。
【0025】
[0026] 適切な界面活性剤は、Agricolaらへの米国特許第3,959,458号;Haefeleへの米国特許第3,937,807号;およびGieskeらへの米国特許第4,051,234号においてより完全に記述されており、それを本明細書に援用する。
【0026】
[0027] 特定の態様において、本明細書において有用な陰イオン性界面活性剤には、アルキル基中に10から18個までの炭素原子を有するアルキルサルフェート類の水溶性塩類、および10から18個までの炭素原子を有する脂肪酸のスルホン化モノグリセリド類(sulfonated monoglycerides)の水溶性塩類が含まれる。ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウム ラウロイルサルコシネートおよびナトリウム ココナッツ(coconut)モノグリセリドスルホネート類はこのタイプの陰イオン性界面活性剤の例である。陰イオン性界面活性剤の混合物を利用することもできる。
【0027】
[0028] 別の態様において、本発明において有用な陽イオン性界面活性剤は、約8から18個までの炭素原子を含む1本の長いアルキル鎖を有する脂肪族第四級アンモニウム化合物の誘導体として広く定義することができ、例えば次のものである:塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジイソブチルフェノキシエチルジメチルベンジルアンモニウム、ココナッツ アルキルトリメチルアンモニウム ニトライト、フッ化セチルピリジニウム、およびそれらの混合物。
【0028】
[0029] 説明的な陽イオン性界面活性剤は、本明細書に援用するBrinerらへの米国特許第3,535,421号において記述されている第四級アンモニウムフッ化物である。特定の陽イオン性界面活性剤は組成物中で殺菌剤として働くこともできる。
【0029】
[0030] 本発明の組成物において用いることができる説明的な非イオン性界面活性剤は、アルキレンオキシド基(本質的に親水性である)と本質的に脂肪族またはアルキル芳香族であってよい有機性疎水性化合物の縮合により生成される化合物として広く定義することができる。適切な非イオン性界面活性剤の例には、Pluronics、アルキルフェノール類のポリエチレンオキシド縮合物、エチレンオキシドのプロピレンオキシドおよびエチレンジアミンの反応生成物との縮合に由来する生成物、脂肪族アルコール類のエチレンオキシド縮合物、長鎖第三級アミンオキシド類、長鎖第三級ホスフィンオキシド類、長鎖ジアルキルスルホキシド類およびそのような物質の混合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0030】
[0031] 特定の態様において、本発明において有用な双性イオン性合成界面活性剤は脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム(phosphomium)、およびスルホニウム化合物の誘導体として広く記述することができ、ここで脂肪族基は直鎖または分枝状であることができ、ここで脂肪族置換基の1個は約8から18個までの炭素原子を含み、1個は陰イオン性の水可溶化基(water−solubilizing group)、例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェートまたはホスホネートを含む。組成物中に含めるのに適した界面活性剤の説明的な例には、アルキル硫酸ナトリウム、ナトリウム ラウロイルサルコシネート、ココアミドプロピルベタイン(cocoamidopropyl betaine)およびポリソルベート20、およびそれらの組み合わせが含まれるが、それらに限定されない。
【0031】
[0032] 界面活性剤または共存できる界面活性剤の混合物は、本発明の組成物中に組成物の総重量により約0.1%から約5.0%まで、別の態様において約0.3%から約3.0%まで、および別の態様において約0.5%から約2.0%まで存在することができる。個々の細片またはテープ中の界面活性剤の用量(すなわち1回量)は、約0.001〜0.05重量%、0.003〜0.03重量%、および別の態様において約0.005〜0.02重量%である。
【0032】
[0033] 本発明の実施において用いられる香味料には、精油および様々な香味アルデヒド類、エステル類、アルコール類、および類似の物質が含まれるが、それらに限定されない。精油の例には、スペアミント、ペパーミント、ウィンターグリーン、サッサフラス、チョウジ、セージ、ユーカリ、マヨラマ、桂皮、レモン、ライム、グレープフルーツ、およびオレンジの油が含まれる。メントール、カルボン(carvone)、およびアネトール(anethole)のような化学物質も有用である。特定の態様は、ペパーミントおよびスペアミントの油を用いる。
【0033】
[0034] 香味料は口腔用組成物中に、約0.1〜約5重量%および約0.5〜約1.5重量%の濃度で組み込まれる。
[0035] 本発明の口腔ケア組成物は、所望により、細菌の細胞壁中に見られるカルシウムと錯体を作ることができる1種類以上のキレート剤を含んでいてもよい。このカルシウムの結合は細菌の細胞壁を弱め、細菌の溶菌を増加させる。
【0034】
[0036] 本発明におけるキレート剤としての使用に適した薬剤の別のグループは可溶性ピロホスフェート類である。本組成物中で用いられるピロリン酸塩類は、アルカリ金属ピロリン酸塩類のいずれかであることができる。特定の態様において、塩類には四アルカリ金属ピロホスフェート、二アルカリ金属二酸ピロホスフェート、三アルカリ金属一酸ピロホスフェート、およびそれらの混合物が含まれ、ここでアルカリ金属はナトリウムまたはカリウムである。塩類は、それらの水和および非水和形態の両方において有用である。本組成物において有用な有効量のピロリン酸塩は、一般に少なくとも1.0%のピロリン酸イオン、約1.5%から約6%まで、約3.5%から約6%までのそのようなイオンを提供するのに十分である。個々の細片またはテープ中のキレート剤の用量(すなわち1回量)は約0.01〜0.6重量%、別の態様において約0.035〜0.06重量%である。
【0035】
[0037] 本発明の口腔ケア細片またはテープ組成物は所望により1種類以上のポリマーも含む。そのような物質は当技術で周知であり、それらの遊離酸または部分的にもしくは完全に中和された水溶性のアルカリ金属(例えばカリウムおよびナトリウム)もしくはアンモニウム塩類の形で用いられる。特定の態様は、無水マレイン酸またはマレイン酸と別の重合可能なエチレン的に(ethylenically)不飽和な単量体、例えば、メチルビニルエーテル(メトキシエチレン)の、約30,000〜約1,000,000の平均分子量(M.W.)を有する1:4〜4:1コポリマー類を含む。これらのコポリマー類は、例えばGAF Chemicals CorporationのGantrez AN 139(M.W.500,000)、AN 119(M.W.250,000)およびS−97医薬グレード(Pharmaceutical Grade)(M.W.70,000)として入手できる。
【0036】
[0038] 他のポリマーには、無水マレイン酸のアクリル酸エチル、ヒドロキシエチルメタクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、またはエチレンとの1:1コポリマー類(後者は例えばMonsanto EMA No. 1103、M.W.10,000およびEMA Grade 61として入手できる)、およびアクリル酸のメチルもしくはヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル酸メチルもしくはエチル、イソブチルビニルエーテルまたはN−ビニル−2−ピロリドンとの1:1コポリマー類のようなポリマーが含まれる。
【0037】
[0039] 一般に、適切なものは、活性化された炭素−炭素オレフィン性二重結合および少なくとも1個のカルボキシル基を含む、重合したオレフィン的に(olefinically)またはエチレン的に不飽和なカルボン酸類、すなわち、それがモノマー分子においてカルボキシル基に関してアルファ−ベータ位に、または末端のメチレンのグルーピング(methylene grouping)の一部としてのどちらかで存在するため重合において容易に機能するオレフィン性二重結合を含む酸である。そのような酸の実例となるものは、アクリル、メタクリル、エタクリル、アルファ−クロロアクリル、クロトン、ベータ−アクリロキシプロピオン、ソルビン、アルファ−クロロソルビン(alpha−chlorsorbic)、ケイ皮、ベータ−スチリルアクリル、ムコン、イタコン、シトラコン、メサコン、グルタコン、アコニット、アルファ−フェニルアクリル、2−ベンジルアクリル、2−シクロヘキシルアクリル、アンゲリカ(angelic)、ウンベル(umbellic)、フマル、マレインの酸および無水物である。そのようなカルボキシル性モノマー類と共重合できる他の異なるオレフィン性モノマー類には、酢酸ビニル、塩化ビニル、マレイン酸ジメチルおよび同様のものが含まれる。コポリマー類は、水溶性のために十分なカルボン酸塩基(carboxylic salt groups)を含む。
【0038】
[0040] さらなる種類のポリマー性薬剤には、置換されたアクリルアミド類のホモポリマー類および/または不飽和スルホン酸類のホモポリマー類およびその塩類を含む組成物が含まれ、特にその場合、ポリマー類は本明細書に援用するZahidへの米国特許第4,842,847号、1989年6月27日において記述されている1,000〜2,000,000の分子量を有する2−アクリルアミド 2 メチルプロパンスルホン酸のようなアクリルアミドアルカンスルホン酸類から選択される不飽和スルホン酸類に基づく。
【0039】
[0041] 別の有用な種類のポリマー性薬剤には、ポリアミノ酸類、特に、本明細書に援用する米国特許第4,866,161号(Sikesら)において開示されているような、ある割合の陰イオン性界面活性アミノ酸、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸およびホスホセリンを含むポリアミノ酸類が含まれる。
【0040】
[0042] 本発明の口腔ケア組成物は、所望により1種類以上の酵素を含んでいてもよい。有用な酵素には、入手可能なプロテアーゼ類、グルカノヒドロラーゼ類、エンドグリコシダーゼ類、アミラーゼ類、ムタナーゼ類、リパーゼ類およびムチナーゼ類またはそれらの共存できる混合物のいずれかが含まれる。特定の態様において、酵素はプロテアーゼ、デキストラナーゼ、エンドグリコシダーゼおよびムタナーゼである。別の態様において、酵素はパパイン、エンドグリコシダーゼまたはデキストラナーゼおよびムタナーゼの混合物である。本発明における使用に適した追加の酵素がDringらへの米国特許第5,000,939号、米国特許第4,992,420号;米国特許第4,355,022号;米国特許第4,154,815号;米国特許第4,058,595号;米国特許第3,991,177号;および米国特許第3,696,191号において開示されており、それらを全て本明細書に援用する。本発明におけるいくつかの共存できる酵素の混合物の内の酵素は、1態様において約0.002%から約2.0%まで、または別の態様において約0.05%から約1.5%まで、またはさらに別の態様において約0.1%から約0.5%までを構成する。
【0041】
[0043] 水も本発明の口腔用組成物中に存在していてよい。市販用の口腔用組成物の調製において用いられる水は、脱イオン化されており有機性不純物を含まないものであるべきである。水は一般に組成物の残りを構成し、口腔用組成物の重量により約10%から50%まで、約20%から40%まで、または約10%から15%までを含む。水のこの量には、他の物質と共に、例えばソルビトールまたは本発明のいずれかの構成要素と共に導入される量に加えて添加される遊離水が含まれる。
【0042】
[0044] 口腔ケア組成物の調製において時々、望ましい粘稠度を与えるために多少の増粘性物質を添加する必要がある。特定の態様において、増粘剤はカルボキシビニルポリマー類、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロースおよびセルロースエーテル類の水溶性塩類、例えばナトリウム カルボキシメチルセルロースおよびナトリウム カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースである。天然ガム類、例えばカラヤ(karaya)、アラビアガム、およびトラガカントガムを組み込むこともできる。組成物の質感をさらに向上させるために、コロイド性ケイ酸アルミニウムマグネシウムまたは微細に分割されたシリカを増粘性組成物の構成要素として用いることができる。組成物の総重量により0.5%から5.0%までの量の増粘剤を用いることができる。
【0043】
[0045] 口腔用組成物の特定の態様の範囲内では、組成物が空気への曝露の際に堅くなるのを防ぐために湿潤剤を組み込むのも望ましい。特定の湿潤剤は、歯磨組成物に望ましい甘味または香味を与えることもできる。湿潤剤は、純粋な湿潤剤に基づいて、一般に歯磨組成物の重量により1態様において約15%から70%まで、または別の態様において約30%から65%までを含む。
【0044】
[0046] 適切な湿潤剤には、食用多価アルコール類、例えばグリセリン、ソルビトール、キシリトール、プロピレングリコール、ならびに他のポリオール類およびこれらの湿潤剤の混合物が含まれる。グリセリンおよびソルビトールの混合物は、特定の態様において、本明細書における練り歯磨き組成物の湿潤剤構成要素として用いられてよい。
【0045】
[0047] 上記の構成要素に加えて、この発明の態様は様々な任意の歯磨剤成分を含むことができ、その一部を下記で記述する。任意の成分には、例えば接着剤、石鹸泡剤(sudsing agents)、香味料、甘味料、追加の抗プラーク剤、研磨剤、および着色剤が含まれるが、それらに限定されない。これらの、および他の任意の構成要素は、Majetiへの米国特許第5,004,597号;Agricolaらへの米国特許第3,959,458号およびHaefeleへの米国特許第3,937,807号においてさらに記述されており、それらを全て本明細書に援用する。
【0046】
[0048] 本発明は、その方法の観点において、安全かつ有効な量の本明細書で記述した組成物を口腔に適用することを含む。これらの量、例えば細片またはテープの約20mmから2000mmまでは、口の中に約15秒間から約12時間まで留められる。加えて、口腔ケア細片またはテープは歯を清潔にするために単独で残すことができ、またはブラシと共に用いることができる。
【実施例】
【0047】
実施例1:分解試験
[0049] 様々な態様において、本発明の組成物は分解試験を通過する。好ましい分解試験において、薄膜断片の試料を含む組成物1グラムを2インチ(50.8mm)の電磁式攪拌子(magnetic star bar)の上に置く。攪拌子を透明な容器、例えば30℃の水300mlを含む500mlビーカーの中に置く。次いで攪拌子を含む水を、破れた、および破れていない薄膜断片の存在に関して分析する。分析は、水を、薄膜の形状の最初の長さの半分未満である網の目を通してこすことを含むことができる。この試験は、いずれかの断片が分解しなかったかどうかを示すであろう。
【0048】
実施例2:色変化処方
[0050] 実施例2は多層色変化処方(白色→青色)を示す説明的な態様を説明する。
【0049】
[0051] 表1:不透明な白色層1
【0050】
【表1】

【0051】
表2:青色層2
【0052】
【表2】

【0053】
表3:不透明な白色層3
【0054】
【表3】

【0055】
実施例3−実施例2の多層色変化処方の調製
[0052] 層1を1ミルで注ぎ、次いで90℃のオーブン中で10分間乾燥させた。層2を層1の上に1ミルで注ぎ、次いで同じ方式で乾燥させた。層3を1ミルで注ぎ、最終的な組成物を100℃でさらに10分間乾燥させた。フィルムは白色〜灰白色に見えた。次いで、切断して小さい断片にし、練り歯磨き中に配合した(下記の処方)。
【0056】
実施例4:色変化薄膜を含む完全な練り歯磨き
[0053] 実施例4は多層色変化処方の完全な練り歯磨きを示す説明的な態様を説明する。
【0057】
[0054] 表4:色変化薄膜を含む完全な練り歯磨き
【0058】
【表4】

【0059】
[0055] 完全な配合物を通常の方式で用いる際、薄膜は急速に溶解し、着色剤がますます目立った状態になるのを可能にする。説明的な例において、泡の色は白色から暗青色へと1分以内に変化する。この効果は、練り歯磨きの水中での1:3スラリーの、練り歯磨きが分配され薄膜が溶解する際の白色から青色への変化により説明される。色の変化の程度は、処方中の薄膜の量を増加または減少させることにより容易に変えることができる。
【0060】
[0056] 他の色または効果は、上記の実施例中の顔料を置き替えることにより容易に代用される:
実施例5:赤色色変化練り歯磨き
[0057] 層2中の青色顔料を酸化鉄またはD&C赤色#30で置き替える。
【0061】
実施例6:緑色色変化練り歯磨き
[0058] 層2中の青色顔料を顔料緑色7号で置き換える。
実施例7:金色の輝きの遅延放出を有する練り歯磨き
[0059] 層2中の青色顔料を、(様々な製造業者から、例えばPresperseから商品名Timeronの下で入手可能である)TiOでコートした雲母上の酸化鉄に基づく着色剤で置き換える。
【0062】
実施例8:ひりひりする感覚のもの(Tingle Senate)の遅延放出を有する練り歯磨き
[0060] 層2中の5%処方のグリセリンを(IFFからの)ひりひりする感覚のもの(Tingle Sensate)で置き換える。
【0063】
実施例9:青色色変化練り歯磨き
[0061] 中間層中の顔料をレーキ色で置き換える。
[0062] 表5:青色色変化歯磨剤の構成要素。
【0064】
【表5】

【0065】
[0063] 色の変化は、白色の組成物から色の付いた組成物へのものであってよい。しかし、色の変化は1つの色から別の色へのものであってもよいことは理解されるであろう。一部の態様において、後の色は前の色に取って代わることができる。他の態様において、後の異なる色は第2の顔料が第1の顔料と組み合わせられた組み合わせの結果もたらされてよい。
【0066】
[0064] 例えば、異なる色の付いた基剤、例えば薄緑色の基剤を、練り歯磨き中の白色−青色−白色三重層薄膜と組み合わせることができる。色の変化は、緑色から青色へのものであろう。
【0067】
[0065] 別の例において、上記で述べた白色−色付き−白色薄膜の代わりに、三重層薄膜は外側の層(すなわち層1および3)において1つの色、および中間層において別の色を有することができる。例えば、組成物は黄色−青色−黄色の薄膜の配色を有していてよい。三重層薄膜は黄色に見えるが、結果として生じる泡は色を青色または緑色(黄色および青色の層の混合により)に変化させるであろう。
【0068】
[0066] 他の説明的な態様において、交互の薄膜の配合物は安定性および使用による溶解可能性を確実にするであろう。溶解および放出の調整は、それぞれの層の厚さを増加させることにより容易に行うことができるであろう。
【0069】
[0067] いくつかの参考文献が引用されており、その開示全体を本明細書に援用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜を含む組成物であって、薄膜が以下のもの:
第1の遮蔽ポリマー層、
中間の装飾ポリマー層、および
第2の遮蔽ポリマー層
を含み、第1および第2の遮蔽層が中間装飾層の少なくとも一部を覆い隠し、組成物の使用の際に中間装飾層を明らかに見えるようにするように適合されている、前記組成物。
【請求項2】
組成物が口腔ケア組成物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
薄膜の第1の遮蔽層および第2の遮蔽層の少なくとも一方が実質的に不透明である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
薄膜の第1の遮蔽層および第2の遮蔽層の少なくとも一方が実質的に半透明である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
薄膜がさらに包含物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
包含物が虹色のような光沢を有する(pearlescent)粒子、光を反射する粒子、雲母、不透明なポリマービーズ、小さな光るもの(glitter)、および薄片(flakes)から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
第1および第2の遮蔽層の少なくとも一方が口腔への曝露の際に溶解する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
第1および第2の遮蔽層の少なくとも一方が脆い、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
薄膜がさらに追加の装飾層を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
少なくとも1個の装飾層が、顔料、FD&C染料、およびレーキ色からなるグループから選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
薄膜がさらに追加の遮蔽層を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
少なくとも1個の遮蔽層が、顔料、FD&C染料、およびレーキ色からなるグループから選択される少なくとも1つのメンバーを含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
遮蔽層の少なくとも1個がさらに酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、ヘクトライト、粘土、炭素繊維、不透明にする顔料、FD&C、およびレーキ色から選択される構成要素を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
薄膜が有効薬剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
練り歯磨きまたはゲルの形である、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
ポリマー層の少なくとも1個がHPMCおよびプロピレングリコールを含む、請求項1に記載の口腔ケア組成物。
【請求項17】
ポリマー層の少なくとも1個がヒドロキシプロピルセルロースを含む、請求項1に記載の口腔ケア組成物。
【請求項18】
さらに少なくとも1種類の研磨剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
さらに研磨性シリカ、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、リン酸三カルシウム(tricalcium phosphate)、リン酸二カルシウム二水和物(dihydrated dicalcium phosphate)、ケイ酸アルミニウム、か焼アルミナ、ベントナイト、およびシリカ性物質から選択されるメンバーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
さらに少なくとも1種類のフッ化物イオンの源を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
さらにフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム(sodium monfluorophosphate)(MFP)、フルオロケイ酸アンモニウム、フッ化第一スズおよび塩化第一スズから選択されるフッ化物イオンの源を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
さらに少なくとも1種類の界面活性剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
さらに少なくとも1種類のビタミン、少なくとも1種類のポリマー、少なくとも1種類の香味料;少なくとも1種類の酵素、少なくとも1種類の湿潤剤、および/または少なくとも1種類の保存剤およびそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
さらにアルギン酸ナトリウムおよびポリオキシエチレンから選択される薬剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
さらにウィンターグリーンの油、ペパーミントの油、スペアミントの油、サッサフラスの油、チョウジの油、アスパルテーム、アセスルファム(acesulfame)、サッカリン、デキストロース、果糖およびシクラミン酸ナトリウムから選択される薬剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項26】
口腔の表面からプラークを除去する方法であって、口腔の表面を請求項1に記載の組成物と接触させ、薄膜の第1および第2の遮蔽層の少なくとも一方が除去されて装飾層の少なくとも一部が明らかに見えるようになるまで組成物を口腔の表面に対して機械的に操作することを含む、前記方法。
【請求項27】
機械的操作が、咀嚼、フロッシング、歯磨き、擦り、拭い、およびすすぎから選択される行為により成し遂げられる、請求項19に記載の方法。
【請求項28】
装飾層が明らかに見えるようになることが、組成物全体の色の変化により示される、請求項19に記載の方法。
【請求項29】
研磨剤が研磨性シリカ、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、リン酸三カルシウム、リン酸二カルシウム二水和物、ケイ酸アルミニウム、か焼アルミナ、ベントナイト、および他のシリカ性物質、またはそれらの組み合わせから選択される1つのメンバーである、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
組成物がパーソナルケア製品である、請求項1に記載の組成物。
【請求項31】
パーソナルケア製品がシャワーゲル、ローション、クリーム、液状石鹸および固形石鹸からなるグループから選択される、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
組成物が家庭用ケア組成物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項33】
家庭用ケア組成物が皿用洗浄剤および万能クリーナーからなるグループから選択される、請求項32に記載の組成物。

【公表番号】特表2012−522780(P2012−522780A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503398(P2012−503398)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/039324
【国際公開番号】WO2010/114551
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(590002611)コルゲート・パーモリブ・カンパニー (147)
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
【Fターム(参考)】