説明

色域マッピングのためのシステムおよび方法

【課題】色空間内の少なくとも一つの第1色を装置色域へマッピングするためのシステムおよび方法が提供されるが、ここで、当該装置色域は、連続的で重複しない複数の四面体へ分割される。
【解決手段】装置色域への色のマッピングを可能とする、効率的な計算スキームのためのシステムおよび方法が提供される。いくつかの実施形態では、装置色域が、知覚的に均一な色空間である装置非依存の色空間で表現される。いくつかの実施形態では、重複しない連続した四面体の集合が、全装置色域を分割するために用いられる。いくつかの実施形態では、開示された方法は、入力色を囲む四面体の検索空間を合理的に狭めることにより、そして、入力色が検索された四面体の外側に位置する場合であっても入力色空間の目標色域内の同等の色の特定を可能とすることによって、装置非依存の空間内の入力色と同等の目標色の特定を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラフィックスおよびカラーマネジメントの分野、特に、色を装置色域へマッピングするための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー画像の再現処理をする図形出力装置は、一般的に、当該装置によって正確にレンダリング可能な色の範囲を有する。装置がレンダリング可能な色の範囲は、装置の色域、またはカラーガマットと称される。人間の目に視覚的に知覚可能な色の範囲は、たとえば国際照明委員会のXYZ(CIE XYZ)色空間のような装置非依存の仕様を用いて、数学的にモデル化されうる。国際照明委員会のXYZ(CIE XYZ)色空間では、色は、外的要素とは関連なく、一義的に特定される。ほとんどの装置は、可視色全部をレンダリングすることはできないので、一般的な装置の色域は、視覚的に知覚可能な色空間の一部である。色が装置の物理的なレンダリング性能を超えている場合、色は装置の「色域外」であると言われる。
【0003】
入力装置の色空間によって表現される色が目標装置の異なる色空間へと変換される場合、入力装置のいくつかの色は、目標装置の色域外となる。たとえば、赤−青−緑(「RGB」)色空間で特定されうるデジタル画像は、典型的に、印刷処理中にシアン−マゼンタ−イエロー−ブラック(「CMYK」)色空間へ変換される。目標色空間の色域外である入力色空間の色は、目標色空間において近似される。たとえば、CMYK色空間において色域外であるRGB色空間は、CMYK色要素の所定の組合せによって近似される。
【0004】
1つの方法として、入力色に対して最小の色差を有する、目標装置の色域内の色を使用することによって、目標装置において色域外の色を近似する方法がある。最小色差(「MinCD」)は、CIEまたはその他の組織によって特定される様々な方法を使用して計算される。実際、最小色差は、色域内の色によって近似される色域外の色同士間の、知覚的または比色分析上の色差を減少させることを追及する。しかし、そのような方法の採用は、典型的に、色域内および色域外の色を決定するための、目標色域表面の反復検索を伴うものであった。次に、目標色域表面に関連する付加的な処理が、色域外の色についての色域内への近似値を決定するために実行される。目標色域表面のそのような反復検索および関連する処理は、計算上コスト高であり、効率的ではない。したがって、色域外の色を識別し、近似するための効率的なアルゴリズムが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示内容と同様に、色空間内の少なくとも一つの第1色を装置色域へマッピングするためのシステムおよび方法が提供されるが、ここで、当該装置色域は、連続的で重複しない複数の四面体へ分割される。いくつかの実施形態では、本方法は、複数の四面体から候補四面体を選択するステップを含む。選択された候補四面体は、目標色域表面に露出される少なくとも1つの面を有する。候補四面体を囲う1つ以上の境界ボックスが、第1色を囲う境界ボックスを決定するために検索される。いくつかの実施形態では、境界ボックスは色空間軸と整列されたエッジを持ち、各々の境界ボックスは、個別の候補四面体を囲んでいる。いくつかの実施形態では、第1色が少なくとも一つの選択された候補四面体の境界内にあると決定される場合、装置色域内の同等な第2色が決定される。第1色が境界ボックス内にあるが候補四面体外にあると決定される場合、同等な第2色を決定するために、クリッピングが第1色へ適用される。
【0006】
本発明の実施形態はまた、コンピュータ読み取り可能な媒体またはコンピュータ読み取り可能なメモリを使用するプロセッサによって生成、格納、アクセス、または修正される、ソフトウウェア、ファームウェア、プログラム指令に関する。記載された方法は、印刷装置を含む様々な計算機器、周辺機器上で実行される。
【0007】
さらなる目的および利点は、部分的には以下の記載に説明され、部分的には記載から明らかであり、または、実施を通じて理解される。これらの目的および利点は、添付した特許請求の範囲において特に指定される構成要素および組合せにより、認識され、達成される。前述の一般的な記載および以下の詳細な記載の両方は、例示的かつ解説的なものであるにすぎず、特許請求の範囲のように発明を限定するものではないと理解されるべきである。これらおよびその他の実施形態が、次の図面に関連して以下にさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】例示的なプリンタとして示される、出力装置へ接続された計算機を有するシステムのブロック図を示す。
【図2A】色変換処理のための、例示的なデータフローを表すブロック図を示す。
【図2B】色変換処理の数ステップを概説する、例示的な処理フローを示す。
【図3】開示された実施形態と整合性のある方法で、色域外の色を近似するための例示的な方法を示すフローチャートである。
【図4】開示された実施形態と整合性のある方法で、四面体へ分割された、複数の立方体を含む例示的な色空間を示す。
【図5】開示された実施形態と整合性のある方法で、四面体へ分割されうる例示的な個々の色立方体を示す。
【図6】色域表面の一部の3つの隣接する色立方体を示す。
【図7】例示的な境界ボックス内の、例示的な四面体の2つの異なる斜視図を示す。
【図8】は、色域表面b−c−d外にある例示的な2点「p1」および「p2」を使用するクリッピングを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで、添付の図面に示される様々な実施形態が、詳細に参照される。
【0010】
可能な限り、同一または類似の構成を参照するために、同一の参照番号が全ての図面を通して使用される。
【0011】
図1は、開示された実施形態に従って、例示的なプリンタ170として示された出力装置へ接続された計算装置110を使用するシステム100の例示的なブロック図を示す。一般的に、ここに開示された方法は、図1のシステム100に示される計算装置110、例示的なプリンタ170を含む、色変換操作を実行可能な任意の画像処理装置、および/または、色空間変換、カラーマネジメント、および/または色空間変換を実行するその他の装置上においても実行されうることに注意すべきである。いくつかの実施形態では、装置は、第1色空間で入力を受付け、第2色空間で出力を生成する。ある事例においては、当該第2色空間は、第1色空間とは異なる。本文献に記載された方法および装置はまた、適切な修正を伴って、そして、ここに開示された実施形態と整合性のある、当業者にとって明らかな方法により、上記装置類へ適用されうる。しかし、説明の簡易化および容易化のため、本方法は例示的なプリンタ170を参照して説明される。
【0012】
一般的に、プリンタ170は、電子データから物理的文書を生成するように構成され、レーザプリンタおよびLEDプリンタ、インクジェットプリンタ、熱感式プリンタ、レーザ撮像装置、およびオフセットプリンタを含む、電子写真式プリンタを含むがこれに限られない。プリンタ170は、多くのファクシミリ機器およびデジタルコピー機に搭載されているような画像転送/受信機能、画像スキャン機能、および/またはコピー機能を有する。本文献に記載される方法および装置はまた、適切な修正を伴って、そして、ここに開示された実施形態と整合性のある方法により、これら様々な印刷装置類へ適用されうる。
【0013】
いくつかの実施形態では、プリンタ170は、一つ以上の入出力ポート175を含み、I/Oポート175および接続120を使用して計算装置110上のリソースと通信し、これにアクセスできる。プリンタ170は、色データを含む入力印刷データを、計算装置110から受信する。たとえば、計算装置110は、入力色データを表示するモニタを含む、汎用コンピュータである。汎用コンピュータは、出力用データを処理するアドビフォトショップ(登録商標)のようなアプリケーションをさらに含む。いくつかの実施形態では、計算装置110は、デジタルカメラのような画像形成装置の形態を有する。
【0014】
計算装置110は、従来の通信プロトコルおよび/またはデータポートインタフェースを使用する、有線または無線接続120を介して、プリンタ170へ接続される。一般的に、接続120は、装置間のデータ転送を可能とするいかなる通信チャネルでもよい。一実施形態では、たとえば、装置は、適切な接続を介するデータ転送用パラレルポート、シリアルポート、イーサネット(登録商標)、USB、SCSI、ファイヤワイヤ(登録商標)、および/または同軸ケーブルポートのような、従来のデータポートを備えている。データポートは、有線または無線ポートである。
【0015】
計算装置110は、RGB色空間、sRGB色空間、またはその他のタイプの色空間のような、入力色データを表現する一つの色空間を使用する。他方、プリンタ170は、印刷前に色データを表現するために、CMY色空間、CMYK色空間、またはその他のタイプの色空間を含む、プリンタ170に固有な色空間を使用する。いくつかの実施形態では、プリンタ170固有の色空間は、計算装置110の入力色空間と一致しない可能性がある。したがって、入力色空間からプリンタ170固有の色空間への入力色データの色変換が、色データを印刷する前にプリンタ170を使用して実行される。いくつかの実施形態では、一つ以上の色空間変換は、プロファイル接続空間(「PCS」)のような、中間色空間への変換を使用することによって実行される。PCSの一例として、CIE XYZ色空間がある。
【0016】
プリンタ170は、CPU176、ファームウェア171、メモリ172、プリントエンジン177、および二次記憶装置173を接続する、バス174をさらに含む。プリンタ170はまた、色空間変換、色域マッピング、色変換、および、開示された実施形態に整合した方法によるその他のカラーマネジメントルーチンを遂行するためのアプリケーションの一部を実行可能な、その他のアプリケーション特定集積回路(ASICs)、および/またはフィールドプログラマブルアレイ(FPGAs)178を含む。いくつかの実施形態では、プリンタ170はまた、カラーマネジメント機能を実行するためのソフトウェアを含む、プリンタオペレーティングシステムおよびその他適切なアプリケーションソフトウェアを含むソフトウェアを実行できる。いくつかの実施形態では、プリンタ170は、数あるオプションのうち、用紙サイズ、出力トレイ、色選択、および印刷解像度を、ユーザ設定可能とする。
【0017】
いくつかの実施形態では、CPU176は、汎用プロセッサ、特定目的プロセッサ、または組込みプロセッサである。CPU176は、制御情報および指令を含むデータを、メモリ172および/またはファームウェア171と交換できる。メモリ172は、SDRAMまたはRDRAMのような、しかしこれに限られない任意のタイプのダイナミックランダムメモリ(「DRAM」)である。ファームウェア171は、ブートアップシーケンス、予め定義されたルーチン、ならびに、色空間変換、輝度計算、ルックアップテーブル、およびその他コードを含む、カラーマネジメントを実行するためのルーチンを含むがこれらのみに限定されない指令およびデータを保持する。いくつかの実施形態では、ファームウェア171のコードおよびデータは、CPU176によって起動される前に、メモリ172へコピーされる。いくつかの実施形態では、ファームウェア171のデータおよび指令は、アップデートすることができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、ファームウェア171はまた、色空間変換に関する計算を実行し、メモリ172へ値を格納するルーチンを含む。色空間変換が実行されるとき、色は入力色空間から出力色空間へ変換される。いくつかの実施形態では、色空間変換処理は、出力色空間へ変換する前の、入力色空間から一つ以上の中間色空間への変換を伴う。いくつかの実施形態では、ルーチンは、CPU176および/または、色域内および色域外の色の決定および処理に関する計算の一部を実行する計算装置110によって実行されるコードを含む。ファームウェア171のルーチンはまた、色域マッピング機能同様、入力色データおよび計算装置110から受信される関連する色空間情報を処理するコードを含む。
【0019】
一つ以上のカラーマネジメント関連の計算を実行するルーチンの一部は、ハードドライブ、コンピュータディスク、CD−ROM,DVD ROM、CD±RWまたはDVD±RW、USBフラッシュドライブ、メモリースティック(登録商標)、または、その他適した媒体を含む、取り外し可能でコンピュータ読み取り可能な媒体上に格納され、プリンタ170の任意の適した下位システム上でも作動する。たとえば、色域マッピングおよび処理に関する計算を実行するアプリケーションの一部は、取り外し可能でコンピュータ読み取り可能な媒体上にあり、メモリ172へコピーされたファームウェア171のルーチンを使用するCPU176によって読み取られ、起動される。
【0020】
いくつかの実施形態では、CPU176は指令を受けて起動し、印刷された文書を生成するために、ASICs/FPGAs178およびプリントエンジン177へ制御およびデータを提供する。いくつかの実施形態では、ASICs/FPGAs178はまた、プリントエンジン177へ制御およびデータを提供する。ASICs/FPGAs178はまた、一つ以上の変換、圧縮、および色変換アルゴリズムを実装する。
【0021】
いくつかの実施形態では、入力色データ、入力カラープロファイル、固有カラープロファイル、計算されたルックアップテーブル、および変換された色データが、メモリ172または二次記憶装置173へ格納される。入力カラープロファイルは、入力色データ215(図2A)を記述できる一方、固有カラープロファイルは、プリントエンジン177の色性質を記述できる。例示的な二次記憶装置173は、内蔵または外付けハードディスク、メモリースティック(登録商標)、またはその他のプリンタ170内および/または接続して使用されうるメモリ格納装置である。本発明の実施形態において、計算された値およびルックアップテーブルを格納するメモリは、専用メモリであるか、もしくは汎用メモリの一部を構成するか、または、これらの組合せである。いくつかの実施形態では、メモリは、必要に応じてルックアップテーブルを保持するために、動的に割り当てられる。いくつかの実施形態では、ルックアップテーブルを保持するために割り当てられたメモリは、処理後、動的に解放される。
【0022】
図2Aは、色変換のための例示的なデータフローを表すブロック図200を示す。いくつかの実施形態では、ステップ220から240までの機能は、カラーマネジメントモジュール(「CMM」)によって実装および実行される。
【0023】
入力色空間内の入力データ210は、ステップ220において、装置非依存空間および/またはPCSへ変換される。ある装置によって再現可能な色の完全な集合は、装置の色域と称される。入力装置によって再現可能な入力色空間内の色は、入力装置の色域を形成する。入力色空間内の入力装置によって再現可能な色は入力装置の色域を形成し、色域は色立方体255−1のような立方体を形成する。
【0024】
一般的に、色立方体255は、3つの異なるセンサを使用する人間の視覚システムによって知覚される色の、3種類のセンサを用いた一の再現結果、又は所定の近似であると解される。たとえば、3つのセンサは、R、G、およびBベクトルとして表現され、3次元色空間は立方体としてモデル化されうる。一つの頂点は、3つセンサが全てゼロである状態を表すが、これはブラック(「K」)に対応する。図2Aに示されるように、頂点Kを出発する、3つのエッジの各々に沿ったセンサベクトルが存在する。これら3つのベクトルは、R、G、およびBセンサへの刺激の大きさを表す。この立方体は、ブラックの正反対の頂点にホワイト(「W」)を有する。たとえば、入力色空間を記述するために、3つのベクトルは、反対の頂点の二次補色であるシアン(「C」)、マゼンタ(「M」)、またはイエロー(「Y」)に由来する3原色、すなわち、レッド(「R」)、グリーン(「G」)、またはブルー(「B」)から構成されるものとみなされる。
【0025】
いくつかの実施形態では、入力プロファイル225は、入力色空間から装置非依存空間および/またはPCS228−1への変換を実行するために使用される。いくつかの実施形態では、入力プロファイル225は、装置の装置固有色空間を記述する装置特有プロファイルの生成を可能とするICC仕様、および、この装置固有の色空間と装置非依存の色空間つまりPCSとの間で色データを変換するために必要とされるさらなる関連情報を含む。ICCプロファイルフォーマットは、たとえばCIE XYZに基づく色空間、RGBに基づく色空間、そしてCMYKに基づく色空間を含む、様々な装置依存および装置非依存色空間と適合する。
【0026】
いくつかの実施形態では、入力カラープロファイル225は、入力色空間を特定する。たとえば、sRGBのような、一般に知られ、かつ/または広く使用される色空間は、入力カラープロファイル225によって特定される。いくつかの実施形態では、sRGBの詳細なICC仕様は、プリンタ170のメモリ172または二次記憶装置173、および/または計算装置110に格納される。いくつかの実施形態では、入力カラープロファイル225は、入力色空間の詳細なICC仕様を含む。入力プロファイル225は、ステップ220において一般色空間変換ルーチンの微調整を可能とする、装置特有の色空間の定義を提供する。これによって、入力データ210のより正確な色のPCS変換を容易とする。
【0027】
図2Aに示されるように、到着する入力データ210は、一入力装置色空間215にあると一般的に解される。入力プロフィル228−1は、ルックアップテーブル、マトリックス、および/または、パラメトリック曲線を用いて色変換を促すために利用される。プロファイルは、デジタル画像内のコード化されたデータから予想される色のオープン仕様を構成する。したがって、プロファイルは、装置依存入力色仕様を、標準、または、装置非依存色空間またはプロファイル接続空間(PCS)として知られる装置非依存の色仕様への変換を可能とする。変換後、入力装置色空間215内の入力装置の色域は、装置非依存色空間228−1内の対応する同等な色域へ変換される。
【0028】
同様に、図2Aに示されるように、色立方体255−2によって表現される目標装置色空間218は、出力プロファイル235を用いて、装置非依存色空間228−2へ変換される。したがって、目標装置色空間218内の目標装置の色域は、装置非依存色空間228−2内の対応する同等な色域へ変換される。
【0029】
ステップ230では、装置非依存色空間228−1内の入力色域から、装置非依存色空間228−2内の目標色域へ、入力色の再現を可能とするために色域マッピングが実行される。いくつかの実施形態では、装置非依存色空間228−1および228−2は、同じ色空間であり、ステップ230において使用される顕色空間と同一でありうる。目標色域内(装置非依存空間228−2内)で再現できない、入力色域内(装置非依存空間228−1内)の色は、目標色域でのそれらの再現が可能となるように変更される。たとえば、しばしばCMYK色空間を使用するプリンタは、通常RGB色空間を使用するディスプレイより狭い色域を典型的に提供する。CIE XYZのような装置非依存空間内でディスプレイおよび印刷装置の色域が再現される場合、いくつかの表示色は、印刷装置の色域内の色へマッピングされない可能性がある。したがって、ある事例では、色域マッピングステップ230は、それに対応する色域外の色の再現を可能とするために、出力装置の色域内の近似色を決定する。
【0030】
また、色域マッピングルーチン230は、そのマッピング体系またはレンダリングインテントによって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、色精度が望まれる場合、入力と目標との間の比色分析値を最小化するために、色域マッピングが実行される。いくつかの実施形態では、入力色と目標色との間の、人間の目によって知覚される知覚上の色差が最小化される、「知覚マッピング」が使用される。顕色モデルは、基本的な比色分析を、多様に変化する観察条件下での顕色特性の予測へと拡張する。人間の目は相対的な色差に対してより敏感なので、相対的な色差を維持するようにカラーマッピングを変化させること(絶対明度を維持しようと試みるのではなく)は、しばしばより見栄えの良い結果をもたらす。したがって、色域マッピングルーチン230は、入力色域色を目標色域内の色へマッピングする際、一つ以上のマッピング体系、レンダリングインテント、または顕色モデルを使用する。説明の簡易化および容易化のため、例示的な色域マッピング技術が、比色分析精度を維持する目的で、ここに記載される。しかし、本方法は、当業者にとって自明であるように、その他の目標物またはレンダリングインテントが採用される場合も利用可能である。カラーモデルおよび目標物はしばしば知覚に基づくので、これらのマッピングは、ときおり、「顕色」色空間内に発生すると言われる。
【0031】
いくつかの実施形態では、色域マッピングルーチン230は、2段階で作動する。第1段階では、色域マッピングルーチン230内のモデルは、装置非依存色空間から顕色空間へのマッピングを提供する。顕色空間では、原色および目標色域の両者が、さらなる処理のために再現される。第2段階では、色域マッピングルーチン230は、顕色空間から、元の装置非依存色空間へのマッピングを提供する。顕色空間は、CIELUV空間、CIELAB空間、CIECAM02Jab色空間、またはその他任意の知覚的に均一な座標空間を含む。これらよく知られる色空間の詳細はCIEから容易に入手可能であり、また、たとえば「顕色モデル」Mark D.Fairchild,p.265−77,2005,John Wiley&Sons Ltd.,West Sussex,Englandから入手されうる。
【0032】
CIELUVのような顕色空間では、空間軸が、明度、彩度、色相を単位として定義される。彩度とは、「色彩の豊富さ」と「ホワイトの明るさ」の比である。色彩の豊富さは、ある刺激の色とグレーとの間の差として知覚される。したがって、彩度は、同様な観察条件下でホワイトに見える刺激色の明るさに対する刺激色の色彩の豊富さである。明度は、「ホワイトの明るさ」に対する明るさの比である。言い換えると、明度は、同様な観察条件下でホワイトに見える刺激色の明るさに対する刺激色の明るさである。色相とは、可視スペクトル内の色勾配を意味し、刺激色が赤、緑、青、および黄として記述される刺激色と同一または相違すると記述される度合いである。
【0033】
いくつかの実施形態では、色域マッピングルーチン230によって目標装置の色域へマッピングされる色データは、出力プロファイル235を使用して、装置非依存空間228から、ステップ240で目標色空間へ変換される。目標色空間内の出力データ245は、その後出力される。
【0034】
図2Bは、色変換処理の数ステップを概説する、例示的な処理フローを示す。処理フロー250は、色変換生成の処理パイプラインの一部として実行される、ステップ255から270を含む。一方、ステップ275および280は、より初期の色変換プロセス中に生成された情報を使用する、色内容変換の処理パイプラインの一部として実行される。
【0035】
いくつかの実施形態では、色変換生成処理は、色変換(Color Transform)を生成するためのプラグインと共に、入力および目標プロファイル、カラーマネジメントモジュール内ルーチンを使用する。いくつかの実施形態では、CMM内のルーチンは、目標装置の色域へマッピングされた出力データ245を生成するために、入力画像データ210へ色変換を適用する。説明を簡易化および容易化するため、数ステップがパイプラインの記述から省略されている。いくつかの実施形態では、処理フロー250は、カラーマネジメントシステムの一部、たとえば、Microsoft(登録商標)Windows(登録商標)Color System(「WCS」)である。
【0036】
入力色装置モデル260および目標装置色モデル270は、各々の装置プロファイル225および235を使用して、色立方体225の単位で生成され特定される。PCSルーチン220への変換を含む入力色装置モデル260は、例示的な装置非依存色空間228−1のような、入力色空間から装置依存の色空間への、色空間変換を実行する。反対に、PCSルーチン240からの変換を含む目標装置色モデル270は、装置依存の色空間228−2から目標色空間270への色空間変換を実行する。いくつかの実施形態では、目標装置色モデル270は、PCSルーチンへの変換も含む。いくつかの実施形態では、入力色装置モデル260および目標装置色モデル270は、その機能を実行するために、数学公式、統計的技法、および/またはLUTを使用できる。いくつかの実施形態では、このモデルは、現存モデルと協調して動作する「プラグイン」モジュールを使用して、修正、変更、置換、および/または拡張される。たとえば、WCSは、基本モデルを置換し、機能性の付加を容易とすることができるプラグインモジュールを可能とする。
【0037】
いくつかの実施形態では、入力装置色域境界モデル285および目標色域境界モジュール290は、装置モデルプロファイルおよびCMMで利用可能なルーチンを使用して、それぞれ入力および目標装置について色域境界を計算する。いくつかの実施形態では、境界モジュールは、色域の凸包に対応する凸状の境界を計算する。いくつかの実施形態では、境界は、表面を有する格子点を囲むことにより計算される。いくつかの実施形態では、境界は、頂点の順列されたリストとして、色域マッピングモジュール265へ提供される。
【0038】
色域マッピングモジュール265は、例えば、装置非依存の色空間228−1における一つの色域からなる第1色域から、装置非依存の色空間228−2における一つの色域からなる第2色域へ、出力色についての制約を充足しつつ色をマッピングするために、各々の装置の色域境界の順位付けされた頂点のリストという形態で提供されうる、入力装置および目標装置の色域境界を使用する。たとえば、制約は、色相、輝度、または、色相および輝度が、色域マッピング中に可能な程度に維持されるように指定する。いくつかの実施形態では、色域マッピングモジュール265は、一つ以上の色域マッピングモジュールを使用する。いくつかの実施形態では、一つ以上の色域マッピングモジュールおよび/または色域マッピングモジュール265内アルゴリズムが、プラグインとして提供され、既存の基本アルゴリズムを修正、変更、および/または拡張するために使用される。たとえば、WCSは、基本色域マッピングアルゴリズムの置換を可能とするプラグイン機能を提供する。
【0039】
従来形態では、入力色が目標装置の色域外であるかどうかを決定するために、そして、凡その一致を決定するために、四面体補間および最小色差(「MinCD」)を用いる方法がしばしば採用される。装置の色域は、典型的に、サンプリングされた色域内の色集合を、装置非依存の色空間から装置色空間へマッピングするテーブルによって再現される。したがって、サンプリングされていない色を正確にマッピングするためには、再現装置の色空間内の凡そ対応する色を決定するための隣接する色間の補間法が採用されうる。従来、補間法は、補間計算に用いられる、隣接する色の最適な集合のサンプルの検索を伴うものであった。そのような最適な集合の一例は、補間対象の色の境界四面体を形成する色の集合である。四面体補間法は、補間後の色について、かなり正確な結果をもたらす。したがって、補間を遂行する従来の方法は、以下のステップを実行する。
1.目標装置の全色域を覆う、重複しない四面体を検出する。
2.入力色の各々について入力色を囲む四面体を検索する。
3.境界四面体が検出される場合、再現装置の色空間内の色座標を検出するために補間する。
4.境界四面体が検出されない場合、当該色は色域外であり、MinCD法が適切な四面体の表面上の適切な色を検出するために使用される。
5.適切な四面体が色域外色について検出された後、四面体補間が、目標装置の色空間内部で同等な色域内色を検出するために使用される。
【0040】
上記従来の方法では、全ての四面体が、ある色が色域外であるとの決定に先立ち検索される。次に、各々の色域外色について適切な四面体が決定される。最後に、色域外色と同等の色域内色を検出するために、四面体補間が適用される。ゆえに、色域外色の数が増加するに連れて、計算コストの顕著な上昇、および結果として発生するパフォーマンスの低下が顕在化する。
【0041】
入力値から目標値への色域変換は、しばしば色域圧縮を伴う。たとえば、ディスプレイ装置およびグラフィックカードの色域は、典型的に、印刷装置の色域よりも広範にわたる。したがって、色域マッピングモジュール265内の既存または製造者提供のアルゴリズムは、必ずしも全ての入力色を目標装置の色域内へマッピングするわけではない。他の事例では、製造者提供のアルゴリズムは、単に、全ての入力色を目標空間へマッピングするためには不十分である。したがって、データが色域マッピングモジュール265へ到達する時、入力データ210内の色の大多数が色域外となる場合がある。ある事例では、色域マッピングモジュール265へ到達する全ての色のうち、25%が色域外となる。上述のように、色域外色の数の増加は、補間エンジンおよび従来の色内容変換プロセスを顕著に減速させる。
【0042】
色内容変換プロセス中、変換最適化モジュール275は、入力色空間からの代表的なサンプルを使用し、そのサンプルを色変換生成プロセス中に生成される色変換によって処理することで、入力色空間から目標色空間への直接マッピングを提供する単一のLUTを生成する。入力データ210を処理するとき、入力−目標LUT内では検出されない全てのサンプルは、補間エンジン280を用いて補間される。
【0043】
図3は、開示された実施形態と整合性のある方法で、色域外色を近似するための例示的な方法300を示すフローチャートを示す。いくつかの実施形態では、例示的な方法300は、色域マッピングモジュール265に実装されるか、または、既存の業者提供のおよび/または色域マッピングモジュール265内の基本アルゴリズムを置換、変更、および/または拡張するためのプラグインとして提供される。いくつかの実施形態では、方法300は、色域マッピングモジュール265内の既存アルゴリズムと同時に作動する。図2Aの処理フローに関連する方法300の記載は、例示的なものであり、かつ、説明のみを目的としており、方法300は当業者に明らかな適切な改良を伴う、その他の色域マッピングおよび補間処理へ適用される。
【0044】
ステップ303では、目標装置の色域の全体を覆う、重複しない連続的な四面体が、装置色空間の一例である第1色空間内で定義される。いくつかの実施形態では、目標装置の色域は、まず一つ以上の色立方体255−2へ分割され、それから当該色立方体は、四面体へ分割される。目標装置の色域表面を形成する面を有する四面体を囲む色立方体は、マッピング後の装置非依存の色空間228−2内の同等物を用いて目標色についての検査を受ける。たとえば、目標色域を覆う色立方体は、CIELUVまたはCIELAB、または他の適切な知覚的に均一な装置非依存の色空間へマッピングされる。
【0045】
図4は、開示された実施形態と整合性のある方法で、四面体へ分割された複数のサブ色立方体420を有する色立方体410を含む、例示的な色空間を示す。たとえば、目標装置色空間218は、複数の色立方体420へ分割される。各々の色立方体(またはサブ立方体)420は、目標装置空間218の一部を再現する。
【0046】
図5は、開示された実施形態と整合性のある方法で、四面体へ分割されうる例示的な個々の色立方体を示す。いくつかの実施形態では、個々の色立方体は、図5に示される四面体へ分割される。図5に示されるように、色立方体は2つの等しい角柱510−1および520−1へ分割され、各々の角柱は3つの四面体へ分割される。したがって、図5に示されるように、色立方体は、6つの四面体へ分割される。各々の四面体は、三角形および当該三角形がなす平面の外側にある頂点によって特定される。したがって、角柱510−1は、それぞれ、頂点a1および三角形(b,c1,d)、(b,e,f)、(b,d,f)によって規定される、3つの四面体510−2を含む。同様に、角柱520−1は、それぞれ、頂点a2および三角形(b,c2,d)、(b,e,f)、(b,d,f)によって規定される、3つの四面体520−2を含む。各四面体の2面は、立方体の面に沿って位置することに注意すべきである。各々の残りの面は、隣接する四面体と共有される。色空間410の頂点またはエッジに沿って位置する立方体という例外はあるが、各々の四面体はまた、隣接する立方体と少なくとも2つの面を共有する。
【0047】
図6は、目標装置色域表面600の一部における、3つの隣接する色立方体255−1、255−2、および255−3を示す。装置色域表面600の一部のみが、図6に示されていることに注意すべきである。いくつかの実施形態では、目標色域表面600は、例示的な装置非依存の色空間228−2のような、装置非依存の色空間内の目標装置の色域に対応する。いくつかの実施形態では、例示的な装置非依存の色空間228−1内の入力装置の色域からの色は、装置非依存の色空間228−2内の色域表面600の表面上または内部の色へマッピングされる。いくつかの実施形態では、色域表面600は、凸曲面である。
【0048】
次に、いくつかの実施形態のステップ310では、境界ボックスが目標色域内の各々の四面体について決定される。図7は、例示的な境界ボックス710内の、例示的な四面体720の2つの異なる斜視図(1)および(2)700を示す。境界ボックス710のエッジは、本例では長方形CIELUV空間である色空間の軸に対して整列している。さらに、境界ボックス710は、四面体720の各々の頂点が境界ボックス710の別々の面、エッジ、または頂点上に位置するように、四面体720を囲んでいる。したがって、図7に示されるように、頂点cが境界ボックス710の面上に位置する一方、四面体720の頂点a、b、およびdは、境界ボックス710のエッジ上に位置する。
【0049】
ステップ313では、シーケンスの第1または次の色が、処理のために選択される。次に、アルゴリズムは、その色を囲む境界ボックス720が見つかるまで、ステップ320、323、および328を繰り返す。境界ボックス720が見つからない場合、色が色域から離れ過ぎている可能性がある。したがって、いくつかの実施形態のステップ378では、かかる状態がフラグされ、様々な他のアルゴリズムが目標装置の色域内と同等な色を認識するように呼び出される。
【0050】
目標色を囲む境界ボックス720がステップ323で見つかった場合(「Yes」)、その後ステップ330で、アルゴリズムは、入力色が境界四面体710内にあるか否かを確認する。
【0051】
【数1】

【0052】
【表1】

【0053】
数式1は、線形方程式を繰り返し使用して、係数s、t、およびuについて解くことができる。s、t、およびuが全て正(>0)かつs+t+u≦1である場合、目標色は四面体内に存在する。s+t+u>1かつs、t、およびuが全て正のとき、点「p」は、四面体abcdの三角形bcdの外にある。
【0054】
【表2】

【0055】
【表3】

【0056】
【表4】

【0057】
ステップ370では、従来の四面体補間または任意の処理方法が、入力値または装置非依存の同物から、目標色空間内の目標色を決定するために使用される。
【0058】
ステップ340において、「q」が境界四面体表面上に位置しない場合(「No」)、アルゴリズムは色立方体内に他の候補四面体があるかどうかをステップ333で確認する。たとえば、点p2について、線p2−p2’は三角形b−c−dと交わらない。ゆえに、色域表面上の他の四面体/立方体が、点p2についての同等色を見つけるために検索されうる。
【0059】
ステップ333において、クリッピング後の色が決定されておらず、かつ、処理されるべき色立方体内にさらなる四面体が存在する場合(「Yes」)、同じ色立方体内の次の候補四面体がステップ353の処理のために選択される。いくつかの実施形態では、選択されるべき次の候補四面体は、色域表面上に面を有する他の四面体である。
【0060】
アルゴリズムは、当該色を含む境界四面体が見つかるか、または、全ての四面体が処理されるまで、ステップ330、360、340、333、および353を繰り返す。ステップ333において処理されるべき四面体がない場合(「No」)、MinCD法または任意の方法がステップ343で目標色を見つけるために用いられる。アルゴリズムは、全ての色がステップ373で処理されたかどうかを確認する。ステップ373で全ての色が処理された場合(「Yes」)、アルゴリズムはステップ380で終了する。さらなる色が未処理のままである場合、アルゴリズムはステップ313へ続く。
【0061】
例示的な方法300では、境界ボックスは、入力色が境界ボックス内にあるかどうかが決定されるように、迅速に検索される。一度候補境界ボックスが認識された場合、方法300は、色域外であるが、色域表面に十分近接しており、候補色立方体に面する表面の2〜3境界ボックス内にある色についての適合色を見つけることができる。いくつかの実施形態では、例示的な方法300は、原色が色域外にあるときであっても、その同等色が検索中の四面体の境界ボックス内にある場合には、それと同等の目標色の決定を可能とする。さらに、従来の方法と比較して、クリッピングを実行時に、より少ない数の候補四面体、および/または、より少ない数の三角形面が検索される。
【0062】
本発明のその他の実施形態は、本明細書の考慮、および、ここに開示される発明の実践を通じて当業者に明らかになる。本明細書および実施例は、例示的なものにすぎないと解釈され、本発明の本来の範囲および思想は以下の請求項によって示されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの第1色を、一の色空間内の、複数の連続する重複しない四面体へ分割される装置色域にマッピングするための方法であって、
前記複数の四面体から、少なくとも一面が目標色域表面に露出された少なくとも一つの候補四面体を選択するステップと、
少なくとも一つの前記候補四面体を囲み、そのエッジが前記色空間の軸に対して整列された少なくとも一つの境界ボックスのうち、少なくとも一つの前記選択された候補四面体を囲む前記境界ボックスを検索して、前記第1色を囲む少なくとも一つの前記境界ボックスを決定するステップと、
前記第1色が少なくとも一つの前記選択された候補四面体の境界内にあると決定された場合、前記装置色域内の同等な第2色を決定するステップと、
前記第1色が前記境界ボックス内にあり、かつ、少なくとも一つの前記選択された候補四面体の外にあると決定された場合、前記同等な第2色を決定するために、前記第1色にクリッピングを適用するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記方法は、カラーマネジメントシステムへのプラグインとして実装されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カラーマネジメントシステムは、WCSであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
入力色が前記四面体の境界内にあるかどうかの決定は、a、b、c、およびdが、前記選択された候補四面体の頂点であり、pが、前記第1色を再現する色空間内の一点であり、
【表1】

する請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記s、t、およびuがいずれも正数かつゼロ以外であり、さらに、s+t+u≦1である場合、前記入力色が、前記選択された候補四面体の境界内であると決定されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記s、t、およびuがいずれも正数かつゼロ以外であり、さらに、s+t+u>1である場合、前記第1色が、前記候補四面体の境界外にあると決定されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記選択された候補四面体と隣接する少なくとも一つの前記候補四面体を、候補四面体の集合に追加するステップと、
候補四面体の前記集合から、前記選択された候補四面体と隣接し、頂点aを前記選択された候補四面体と共有する候補四面体を除去するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記色空間は、知覚的に均一な装置非依存の色空間であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記装置非依存の色空間は、CIELUV色空間、CIEVAB色空間、またはCIECAM02Jab色空間のいずれか一つであることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1色が少なくとも一つの前記選択された候補四面体内に位置しない場合、前記装置色域内の同等な第2色を決定するために、最小色差(「MinCD」)を用いるステップをさらに含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも一つの第1色を、一の色空間内の、複数の連続する重複しない四面体へ分割される装置色域にマッピングするための方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記複数の四面体から少なくとも一面が目標装置色域表面に露出された少なくとも一つの候補四面体を選択するステップと、
少なくとも一つの前記候補四面体を囲み、そのエッジが前記色空間の軸に対して整列された少なくとも一つの境界ボックスのうち、少なくとも一つの前記選択された候補四面体を囲む前記境界ボックスを検索して、前記第1色を囲む少なくとも一つの前記境界ボックスを決定するステップと、
前記第1色が少なくとも一つの前記選択された候補四面体の境界内にあると決定された場合、前記装置色域内の同等な第2色を決定するステップと、
前記第1色が前記境界ボックス内にあり、かつ、少なくとも一つの前記選択された候補四面体の外にあると決定された場合、前記同等な第2色を決定するために、前記第1色にクリッピングを適用するステップと、
を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記コンピュータプログラムは、カラーマネジメントシステムへのプラグインとして実装されることを特徴とする請求項11に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記カラーマネジメントシステムは、WCSであることを特徴とする請求項12に記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
入力色が前紀四面体の境界内にあるかどうかの決定は、a、b、c、およびdが、前記選択された候補四面体の頂点であり、pが、前記第1色を再現する色空間内の一点であり、
【表2】

する請求項11〜13のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記s、t、およびuがいずれも正数かつゼロ以外であり、さらに、s+t+u≦1である場合、前記入力色が、前記選択された候補四面体の境界内であると決定されることを特徴とする請求項14に記載のコンピュータプログラム。
【請求項16】
前記s、t、およびuがいずれも正数かつゼロ以外であり、さらに、s+t+u>1である場合、前記第1色が、前記候補四面体の境界外にあると決定されることを特徴とする請求項14に記載のコンピュータプログラム。
【請求項17】
前記選択された候補四面体と隣接する少なくとも一つの前記候補四面体を、候補四面体の集合に追加するステップと、
候補四面体の前記集合から、前記選択された候補四面体と隣接し、頂点aを前記選択された候補四面体と共有する候補四面体を除去するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載のコンピュータプログラム。
【請求項18】
前記色空間は、知覚的に均一な装置非依存の色空間であることを特徴とする請求項11〜17のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項19】
前記装置非依存の色空間は、CIELUV色空間、CIEVAB色空間、またはCIECAM02Jab色空間のいずれか一つであることを特徴とする請求項18に記載のコンピュータプログラム。
【請求項20】
前記第1色が少なくとも一つの前記選択された候補四面体内に位置しない場合、前記装置色域内の同等な第2色を決定するために、最小色差(「MinCD」)を用いるステップをさらに含むことを特徴とする請求項11〜19のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項21】
請求項11〜20のいずれか一項のコンピュータプログラムが格納された、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−148108(P2010−148108A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−284484(P2009−284484)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【出願人】(507031918)コニカ ミノルタ システムズ ラボラトリー, インコーポレイテッド (157)
【Fターム(参考)】