説明

色対色の位置ずれを検出するシステム及び方法

【課題】色位置合わせ模様を利用して色対色の処理方向の位置ずれエラーを検出するシステム及び方法が提供される。
【解決手段】このシステム及び方法は、複数の色での印刷を可能にするプリンタを含み、プリンタはプリンタにより基板上に印刷される色位置合わせ模様に対応する情報を有する信号を生成するセンサを有する。このシステム及び方法は、センサから信号を受信し、色対色の処理方向の位置ずれを検出するためにアルゴリスムを介してその信号を分析するプロセッサを更に含む。色位置合わせ模様は、複数の区画を含み、各区画は、複数の色のうちの異なる色に関連し、複数の区画のうちの少なくとも1つの他の区画とは異なる、少なくとも1つの解像度を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
多色印刷システムでは、様々な種類の色を得るために、限定された数の色分割を利用して基板に印を付け、各分割は、円形又は楕円形を有する点又は周期的な線模様等の個別の形状を利用して、基板に印を付ける。この考えは、一般に、色階調として知られ、基板上への2つ以上の模様化分割の組み合わせを含む。所望の色の視覚的効果を得るために、色分割と階調設計は、注意深く選択される。
【背景技術】
【0002】
多くの先行技術の印刷システムは、シアン、マゼンタ、黄色及び黒色(CMYKとも呼ばれる)の色分割を利用し、それらの色分割は、個別の密集点を利用して、基板に印を付ける。1つの従来技術の方法によれば、点は、点の上に点が重なるように付され、第1色分割及び第2色分割を基板に付して、所望の色を得るために、第2色分割の点は、第1色分割の点の上に重ねられる。第2の従来技術の方法によれば、点は、点の上に点が重ならないように付され、所望の色を得るために、第2色分割の点は、第1色分割の点の空隙内に配置される。多色印刷システムは、様々な機械関連の問題による色分割間の位置ずれの影響を受ける。点の上に点が重なる表現と点の上に点が重ならない表現の両方に対して、色分割の位置ずれにより、実際に印刷された色において、著しい色ずれが生じる場合があり、その色ずれは、人間の目にとまる。
【0003】
回転集積点集合の別の印付け方法は、色分割の位置ずれによる異常(例えば、色ずれ)が僅かであり、人間の目にあまり感知され得ないので、広範囲に利用されている。しかしながら、これらの場合でも、色の位置ずれは、特に、1つを超える色分割を含む物体の端で、問題があり得る。従って、印刷エンジン内で正しい動作を行うために、色分割の位置ずれの特徴を表記することは重要である。
【0004】
色分割の位置ずれの特徴を表記する多くの先行技術の方法は、物理的なトンボを利用することを含む。トンボは、2つの細線を含み、各線は、異なる色分割を利用して形成される。2つの線は、整列され、1つの直線を形作るように継ぎ合わされる。2つの線の整列は、分析され、整列の誤りは、色分割のうちの一方の、他方に対する位置ずれを示す。分析は、顕微鏡を用いて印刷されたトンボを検討することと、位置ずれが生じているか判別することとを含み得る。そのような分析は、面倒で、自動化には通用しない。分析は、高解像度走査装置を用いて印を描画することと、トンボの相互位置を特定する複合型ソフトウェアを利用して、高解像度走査画像を分析することとを含み得る。この種類の分析は、高価な高解像度の走査設備を必要とし、大量の計算能力を含み得る。更に、この種類の処理は、トナー飛散物のような小さな欠陥でさえ間違いを起こし易い。
【0005】
高容量及び/又は高品質画像を出力する高性能プリンタ装置に利用される別の従来技術の方法では、色分割の位置ずれは、移動する感光体ベルト上の2つの主要な分割区画(例えば、シアン及びマゼンタ)の端の間の遷移時間を測定することにより特徴付けられる。区画は、高速走査方向(感光体ベルトの長手軸に対して横手方向)と低速走査方向(感光体ベルトの長手軸に平行)の両方の位置ずれを判定するのを可能にする傾斜した端部(例えば、山形紋)を有する。簡単な光検出器を利用して、山形紋の移動端の間の時間を測定し、次に、この時間を利用して、低速走査方向と高速走査方向の両方の位置ずれを計算し得る。この方法の欠点は、光検出器が、感光体ベルトの幅にわたり2つ又は3つの位置にのみにある場合に、紙面にわたる位置ずれを測定することができないことである。色分割位置ずれの特徴を表記するこの方法は、光検出器と関連する分析ソフトウェアの費用のために、高性能の印刷システムでの利用に指定されている。
【0006】
他の従来技術の方法は、上述のように、色の位置ずれを検出するのに周期的線模様を利用することを含む。例えば、図1は、色位置合わせを検出するのに利用される従来技術の色位置合わせ線模様を示す。参照番号100により特定される色位置合わせ模様では、黒が参照色である。7の模様(要素110)を利用して、横方向の位置ずれを定め、破線(要素120)を利用して、処理方向の位置ずれを定める。図1に示される黒と白の描画からははっきりしないかもしれないが、7の模様は、色付けされた7と黒色の7との間で入れ替わる。各色/黒色の組みの7の模様は、横方向の測定の1組みを与える。図1では、全18の印に対して、色毎の3つの横方向測定と、全36の印に対して、色毎の9つの処理方向測定がある。処理方向は、矢印130により示される。
【0007】
図2は、図1の拡大図を示す。模様は、参照番号200により特定される。説明のために、図2での全ての解像度は、1200dpiである。図2は、その上、ベルト上の印(MOB)センサ250の位置とMOBセンサの視線260とを示す。模様は、色(即ち、シアン210、マゼンタ220、黄色230、及び黒色240)毎に区画又は印16を含む。線模様は、36線区画又は印の全印刷出力に対して、色毎に9回繰り返される。線区画又は印の数のみが、位置ずれシステムにより計数される。このように、印があまりにも多いか又は少しかない場合、余剰な印又は欠損した印に関連する色は、知られていない。
【0008】
各区画が、MOBセンサ250の視界の下を通る場合、矩形波300は、図3に示されるように、区画毎に生成される。矩形波300中の全ての長方形は、図2により示される全ての区画が同じ幅を有するので、同じ幅を有する。参照番号310及び320は、それぞれ、シアン区画の先端がMOBセンサ250により検出される時間と、黒色区画の後端がMOBセンサ250により検出される時間とを特定する。各区画の中心は、参照番号330により示される。
【0009】
図2により示される模様200を利用して、色対色の位置ずれを検出するために、タイムスタンプが、各区画の先端及び後端に対して、プロセッサ又はコントローラにより発行される。これらの2つのタイムスタンプは、プロセッサにより平均をとられ、各区画又は印の中心に対するタイムスタンプを計算する。処理速度を知ることに加えて、各色区画(CMY)の中心と参照区画(K)の中心との間の時間により、プロセッサは、参照区画に対する各色区画の位置と、MOBセンサに対する参照区画の位置とを計算することができる。これらの値は、プロセッサにより、各区画の名目位置と比較され、CMYK模様毎に(処理方向の)位置の誤差を生成する。
【0010】
MOBセンサは、全ての色をほぼ同等に見ているので、実際にどの色区画又は印を特定しているのかという考えはない。どの色が読み出されているかを判定するためには、検出される色の数は、予想される色の数と正確に同じでなければならない。色区画又は印を下に置く順序は、定刻前に知られているので、区画の正確な数がMOBセンサにより知られる場合、判定される色の順序は、予想されるものに直接対応すると仮定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、区画があまりにも多いか又はあまりにも少ない場合、色位置合わせコントローラは、どの色が欠落しているのか、又は、どの色が誤って検出されているのか判定する手段がない。その情報がない場合、プロセッサは、全てのデータを捨て去り、色位置合わせアクチュエータに正確な命令を発しない。その結果、(追加の色位置合わせの反復が実行される必要がある場合)生産性が落ちるか、或いは、(コントローラが別の試みをしないように選択し、位置ずれの現レベルが不変のままである場合)効率が問題になる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の態様は、従来技術線模様の欠点を克服する色位置合わせ模様を利用して、色対色の処理方向の位置ずれを検出するシステム及び方法を提供することである。
【0013】
本開示の別の態様は、システム処理負荷を最小限にする簡単な処理アルゴリスムを利用して、色位置合わせ模様を分析することにより、色対色の処理方向の位置ずれを検出するシステム及び方法を提供することである。
【0014】
本開示の別の態様は、色対色の位置ずれシステムが処理方向の位置ずれ誤差を検出し、どの色が位置ずれ誤差と関連しているかを知るのを可能にする、色位置合わせ模様を提供することである。
【0015】
従って、本開示は、色対色位置ずれ及び検出システムに向けられる。このシステムは、色対色の処理方向の位置ずれ誤差を補正する能力もある。このシステムは、複数の色での印刷を可能にするプリンタを含む。プリンタは、MOBセンサのような、プリンタにより基板上に印刷される色位置合わせ模様に対応する情報を有する信号を生成するセンサを有する。システムは、センサから信号を受信し、色対色の処理方向の位置ずれを検出するために、その信号を分析するプロセッサを更に含む。色位置合わせ模様は、複数の区画を含み、各区画は、複数の色のうちの異なる色に関連する。複数の区画の各区画は、複数の区画のうちの少なくとも1つの他の区画とは異なる、少なくとも1つの解像度を含む。特に、一実施形態では、各区画は、長方形であり、少なくとも1つの他の区画の幅とは寸法が異なる幅を有する。
【0016】
プロセッサは、複数の色のうちの第2色に対する、複数の色のうちの第1色の色対色の処理方向の位置ずれを検出するための、プロセッサ上で実行可能な色対色位置ずれ分析モジュールを含む。本開示による一実施形態では、色空間は、CMYKである。しかしながら、本開示は、CIE L*a*b*、XYZ、及びRGBのような他の色空間に対して実装さえ得る。
【0017】
位置ずれを検出するために、色対色位置ずれ分析モジュールは、センサからの信号を利用して、矩形波を生成する。矩形波は、本開示によるアルゴリスムを利用して分析され、いずれかの色対色の処理方向の位置ずれがあるかを判定する。プロセッサは、保有するデータが対象とするいずれかの色に対して、少なくとも1つの色対色の位置ずれが存在すると判定する場合、色対色の位置ずれ補正を実施する。
【0018】
本開示は、その上、複数の色で印刷可能なプリンタを有する印刷システム内で、色対色の位置ずれを検出する方法に向けられる。方法は、プリンタにより基板上に印刷される色位置合わせ模様に対応する情報を有する信号を生成し、色対色の処理方向の位置ずれを検出するために、その信号を分析することを含む。前述のような色位置合わせ模様は、複数の区画を含み、各区画は、複数の色のうちの異なる色に関連する。複数の区画の各区画は、複数の区画のうちの少なくとも1つの他の区画とは異なる、少なくとも1つの解像度を含む。特に、一実施形態では、各区画は、長方形であり、少なくとも1つの他の区画の幅とは寸法が異なる幅を有する。
【0019】
分析工程の間に色対色の処理方向の位置ずれを検出するために、矩形波が、センサからの信号を利用して生成される。矩形波は、本開示によるアルゴリスムを利用して分析され、色対色の処理方向の位置ずれがあるかを判定する。その方法は、少なくとも1つの色対色の位置ずれが存在すると判定された場合に、色対色の位置ずれを補正することを更に含む。
【0020】
本開示は、色位置合わせ模様に更に向けられる。色位置合わせ模様は、複数の区画を含み、各区画は、複数の色のうちの異なる色に関連する。複数の区画の各区画は、複数の区画の少なくとも1つの他の区画とは異なる、少なくとも1つの解像度を含む。特に、一実施形態では、各区画は、長方形であり、少なくとも1つの他の区画の幅とは寸法が異なる幅を有する。色位置合わせ模様は、色対色の処理方向の位置ずれを判定するために、基板上にプリンタにより印刷され、センサにより感知されるように構成される。
【0021】
ここに開示される、色対色の処理方向の位置ずれを検出するためのシステム及び方法の他の特徴は、ここに開示されるシステム及び方法を例として示す付属の図面と関連する、以下の詳細な記載から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】横方向及び処理方向の位置ずれを測定するための、従来技術の色対色の位置合わせ模様を示す。
【図2】処理方向の色位置ずれを測定するための、従来技術の色位置合わせ模様を示す図1の拡大図を示す。
【図3】図2により示される従来技術の色位置合わせ模様に対応する矩形波を示す。
【図4】本開示による、処理方向の色対色の位置ずれを測定するための色位置合わせ模様を示す。
【図5】本開示による、図4により示される色位置合わせ模様に対応する矩形波を示す。
【図6】本開示による、処理方向の色対色の位置ずれを検出するための、色対色位置ずれ分析モジュールにより実行される工程を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図4に関して、本開示による、処理方向の色対色の位置ずれを測定するための色位置合わせ模様が示される。
【0024】
模様は、参照番号400により特定される。模様は、描画であり得る。説明のために、図4の全ての解像度は、1200dpiである。模様は、色毎に異なる解像度又は寸法を含む(即ち、シアン410、マゼンタ420、黄色400、及び黒色440)。理解されるように、黒色の解像度440は、厚さが48画素であり、黄色の解像度430は、厚さが120画素であり、マゼンタの解像度420は、厚さが96画素であり、シアンの解像度410は、厚さが72画素である。従って、色位置合わせ模様400は、複数の区画(410,420,430,440)を含み、各区画は、複数の色のうちの異なる色に関連し、複数の区画の少なくとも1つの他の区画とは異なる少なくとも1つの解像度(即ち、厚さ)を含む。当業者は、複数の区画の各区画に対して、複数の異なる解像度を考慮し得る。
【0025】
複数の区画(410,420,430,440)の各区画は、複数の区画のうちの少なくとも1つの他の区画とは異なる少なくとも1つの解像度を含み得る。特に、一実施形態では、各区画は、長方形であり、少なくとも1つの他の区画の幅とは寸法が異なる幅を有する。
【0026】
例えば、図4に示されるように、C線、M線、Y線の厚さは、それぞれ、黒色の1.5倍、2倍及び2.5倍である。しかしながら、乾式複写工程の変化に対して利用され得、堅牢であり得る数多くの値がある。この模様は、以下に記載される図5に示される矩形波模様をもたらし得る。
【0027】
加えて、プリンタ及びプロセッサが提供され得る。プリンタは、複数の色で印刷する能力を有し、プリンタにより基板上に印刷される色位置合わせ模様400に対応する情報を含む信号を生成するセンサを有する。プロセッサは、センサからの信号を受信し、色対色の処理方向の位置ずれを検出するためにアルゴリスムを介してその信号を分析するように有効にされ得る。アルゴリスムは、図6を参照しながら、以下に記載されることになる。
【0028】
複数の色のうちの第2色に対する、複数の色のうちの第1色の色対色の処理方向の位置ずれを検出するために、プロセッサは、プロセッサ上で実行可能な色対色位置ずれ分析モジュールを含み得る。本開示による一実施形態では、色空間は、CMYKである。しかしながら、本開示は、CIE L*a*b*、XYZ、及びRGBのような他の色空間に対して実装され得る。色対色位置ずれ分析モジュールは、図5に関して記載されるようなセンサからの信号を利用して、矩形波を生成し得る。
【0029】
図5に関して、本開示による、図4に示される色位置合わせ模様に対応する矩形波が表される。
【0030】
矩形波500は、図5により示されるように、区画毎に生成される。矩形波500内の全ての長方形は、図4に示される全ての区画が異なる幅を有するので、異なる幅を有する。参照番号510及び520は、それぞれ、シアンの先端がセンサにより検出される時間と、黒色区画の後端がセンサにより検出される時間とを特定する。各区画の中心は、参照番号により示される。
【0031】
矩形波500は、アルゴリスム(図6)を利用して分析され、色対色の処理方向の位置ずれがあるかを判定する。加えて、プロセッサは、保有するデータが対象とするいずれかの色に対して、少なくとも1つの色対色の位置ずれを判定する場合、色対色の位置ずれ補正を実行する。
【0032】
図6に関して、本開示による、処理方向の色対色の位置ずれを検出するために、色対色位置ずれ分析モジュールにより実行される工程を示す流れ図が表される。
【0033】
一般に、アルゴリスムは、第1色の先端の第1タイムスタンプと、第1色の後端の第2タイムスタンプとを検出し、第1タイムスタンプと第2タイムスタンプとの平均をとり、第1色の先端と後端との間の差を計算し、その差が既定の範囲内あるかを判定し、色位置合わせ模様の複数の色の各色に対して処理を繰り返す。
【0034】
具体的に、図6に関して、アルゴリスムは、次のプロセス600を実行する。工程610では、低から高への遷移を探すために、信号がMOBセンサを介して監視される。工程620では、低から高への遷移が見られる場合、タイムスタンプが、印(TSLE)の先端に対して発行される。工程630では、高から低への遷移に対する探索が、MOBセンサから行われる。工程640では、高から低への遷移が見られる場合、タイムスタンプが、印(TS後端)の後端に対して発行される。工程650では、印の中心(TS中心=(TS後端−TS先端)/2+TS先端)に対するタイムスタンプが、計算される。工程660では、TS後端−TS先端が、1つ以上の色についての許容可能な範囲内にあるか判定が行われる。答えがYESの場合、プロセスは、黒色に対する色位置が計算される工程670に移動する。答えがNOの場合、プロセスは、TS後端−TS先端が黒色印と見なされ、捨て去られる工程680に移動する。プロセスは、第1サイクル又は第1反復に対して終了する。しかしながら、プロセスは、連続した反復プロセスであり得る。言い換えれば、プロセスの工程は、少なくとも監視工程、センシング工程、遷移工程及び計算工程が常に繰り返される、数サイクル又は数反復にわたり繰り返され得る。
【0035】
更に、工程660に関して、TS後端−TS先端が、予想されるシアン印の許容可能な範囲内(つまり、名目値の±10%)にある場合、アルゴリスムは、TS中心を、シアンのタイムスタンプとする。TS後端−TS先端が、予想されるマゼンタ印の許容可能な範囲内(つまり、名目値の±10%)にある場合、アルゴリスムは、TS中心をマゼンタのタイムスタンプにする。TS後端−TS先端が、予想される黄色印の許容可能な範囲内(つまり、名目値の±10%)にある場合、アルゴリスムは、TS中心を黄色のタイムスタンプにする。TS後端−TS先端が、予想される黒色印の許容可能な範囲内(つまり、名目値の±10%)にある場合、アルゴリスムは、TS中心を黒色のタイムスタンプにする。次に、工程680では、TS後端−TS先端を色のうちのいずれにも割り当てることができない場合、それを不適当な印とみなして捨て去り、黒色印のタイムスタンプが、4つのトンボのこの集合に対して検出されない場合、黒色に対する他の色の位置は計算され得ずに、存在する色のタイムスタンプは捨て去られる。アルゴリスムは、たとえ色が順序通りでなくても、重ならない限り、色を適切に検出し得ることにも留意するべきである。
【0036】
加えて、本開示の模範的実施形態は、7の模様が、プロセス位置ずれの図4に関して示されるように、黒色に対して48画素、マゼンタに対して96画素、シアンに対して120画素及び黄色に対して120画素である、色毎に異なる厚さを有することにより、横方向の位置ずれを含むように補外され得る。
【0037】
要約すれば、本開示は、色毎に固有の模様を作成することを含む。印の先端と後端との間の時間が検出されている場合、各色は、異なる寸法の印を有し得る。それは、コントローラアルゴリスム内で検査され得る。アルゴリスムは、色判定を行い、保有するデータが対象とするいずれかの色に対して補正を実行し得る。
【0038】
従って、処理のための本方法は、各印の先端及び後端のタイムスタンプを発行することを含む。各印の中心のタイムスタンプを計算するために、これらの2つのタイムスタンプは、平均をとられる。処理速度を知ることに加えて、各色印(CMY)の中心と参照印の中心との間の時間により、参照印に対する各色印の位置と、MOBセンサに対する参照印の位置とを計算することができる。CMYK毎に(処理方向の)位置誤差を生成するために、これらの値は、各印の名目位置と比較される。
【0039】
加えて、各印の先端及び後端のタイムスタンプが生成される場合、これらのタイムスタンプの平均をとり、印の中心のタイムスタンプを定めることに加えて、先端と後端との間の差が計算され得る。その差が、所与の色の特定の範囲内にある場合、中心タイムスタンプは、その色に割り当てられる。これは、図6に関する前述のアルゴリスムを利用して示される。
【0040】
次の考察は、本方法及びシステムが実装され得る適切なコンピュータ環境の、簡潔で一般的な記載を提供するように意図されている。必要とされないかもしれないが、本方法及びシステムは、プリンタ又は単一のコンピュータ又はMFD(多機能デバイス)又はサーバ又は、処理アルゴリスムを実行する複数のプロセッサにより実行される、プログラムモジュール等のコンピュータで実行可能な命令に一般的に関連して記載される。一般的に、プログラムモジュールは、特定の作業を実行するか、又は、特定の抽象的なデータ型を実行するルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造等を含む。更に、本方法及びシステムは、携帯デバイス、多重プロセッサシステム、マイクロプロセッサ基盤の又はプログラム可能な民生電気機器、ネットワーク接続のPC、小型コンピュータ、大型コンピュータ、MFD等を含む、他のコンピュータシステム構成で実施され得ることを当業者は理解する。本方法及びシステムは、通信ネットワークを介して遠隔処理デバイスにより作業が実行される、分散型コンピュータ環境内で実施され得る。分散型コンピュータ環境では、プログラムモジュールは、局所メモリ格納デバイスと遠隔メモリ格納デバイスの両方の中に配置され得る。
【0041】
加えて、本明細書で利用される「符号」、又は本明細書で利用される「プログラム」は、作業を実行するためにコンピュータ又は実行デバイスにより利用され得る、任意の複数の2値又は任意の実行可能な、解釈された、又はコンパイルされた符号である。この符号又はプログラムは、幾つかの周知のコンピュータ言語のいずれか1つで作成され得る。本明細書で利用される「コンピュータ」は、データを操作するような、格納、処理、迂回、操作、又は実行するいずれかのデバイスを意味し得る。「コンピュータ」は、1つ以上のプロセッサに処理アルゴリスムを実行させるために、1つ以上のプリンタ又はMFD又はサーバの内部に組み込まれ得る。従って、本開示は、図示される特定の形態に限定されず、付属の請求項内で、本明細書に記載される実施形態の趣旨及び範囲から逸脱しない全ての変更、修正、及び変態を含むように意図されていると理解されるべきである。本開示は、その上、追加の実施形態としてコンピュータで読み出し可能な媒体を含み、その媒体は、本開示による、本明細書に記載される方法を実施するために、少なくとも1つのプロセッサにより実行されるように構成されたプロクラム可能な命令を格納する。コンピュータで読み出し可能な媒体は、フラッシュメモリ、CD−ROM、ハードドライブ等を含み得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
色対色の処理方向の位置ずれ誤差を補正するシステムであって、前記システムが、
複数の色で印刷可能なプリンタであって、前記プリンタにより基板上に印刷される色位置合わせ模様に対応する情報を含む信号を生成するセンサを有するプリンタと、
前記センサから前記信号を受信し、色対色の処理方向の位置ずれを検出するために、アルゴリスムを介して前記信号を分析するプロセッサと
を含み、
前記色位置合わせ模様が複数の区画を含み、各区画は、前記複数の色のうちの異なる色に関連し、前記複数の区画のうちの少なくとも1つの他の区画とは異なる少なくとも1つの解像度を含む、
システム。
【請求項2】
前記複数の区画の各区画が、長方形であり、少なくとも1つの他の区画の幅とは寸法が異なる幅を有し、前記プロセッサが、前記複数の色のうちの第2色に対する、前記複数の色のうちの第1色の色対色の処理方向の位置ずれを検出するための、前記プロセッサ上で実行可能な色対色位置ずれ分析モジュールを含み、前記プロセッサは、保有するデータが対象とするいずれかの色に対して、少なくとも1つの色対色の位置ずれが存在すると判定する場合、色対色の位置ずれ補正を実行する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
印刷システム内で色対色の処理方向の位置ずれを検出する方法であって、前記方法が、
複数の色で印刷可能なプリンタに色位置合わせ模様を送信することと、
センサを介して、前記プリンタにより基板上に印刷される前記色位置合わせ模様に対応する情報を有する信号を生成することと、
プロセッサを介して、前記センサから前記信号を受信することと、
アルゴリスムを介して、色対色の処理方向の位置ずれを検出するために前記信号を分析することと
を含み、
前記色位置合わせ模様が複数の区画を含み、各区画は、前記複数の色のうちの異なる色に関連し、前記複数の区画のうちの少なくとも1つの他の区画とは異なる少なくとも1つの解像度を含む、
方法。
【請求項4】
前記複数の区画の各区画が、長方形であり、少なくとも1つの他の区画幅とは寸法の異なる幅を有し、前記複数の色のうちの第2色に対する、前記複数の色のうちの第1色の色対色の処理方向の位置ずれを検出するための、前記プロセッサ上で実行可能な色対色位置ずれ分析モジュールを更に含む、請求項3に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−224991(P2011−224991A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84928(P2011−84928)
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】