説明

花粉症薬

【課題】レイシエキス、炭、ニンニクエキスおよびハチミツからなる花粉症薬の天然成分からなり、副作用のない安全で、簡便かつ効果的に、スギ花粉などによるアレルギーを治療、改善および/または予防することのできる花粉症薬を提供する。
【解決手段】レイシエキス、炭、ニンニクエキスおよびハチミツからなる花粉症薬。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レイシエキス、炭、ニンニクエキスおよびハチミツからなる花粉症薬に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スギ花粉の大量飛散やブタクサなどの帰化植物の広がり、都市化の進展に伴う大気汚染が原因と考えられる花粉症が大きな問題となっている。たとえば、スギ花粉症患者は、くしゃみや鼻汁、眼のかゆみなどを伴うアレルギー症状を引き起こす。また、スギ花粉症の患者数は、1970年以降、大気汚染なども相まって急激に増加し、現在、全国民の15%を超える2000万人以上にのぼると考えられている。
【0003】
また、住宅についても気密性の高い建材などが多く用いられるようになってきていることから、塵、埃、ダニなどのいわゆるハウスダストがアレルゲンとなるアレルギーも増加している。このようなアレルゲンを物理的に体内に取り込まないために、フィルターにより花粉を捕らえるマスクや鼻栓、また空気清浄機などを用いているが、満足のいく効果が得られていないのが現状である。
【0004】
一方で、体内に取り込まれたアレルゲンによるアレルギー反応の抑制方法なども考えられている。ここで用いられているのが、抗ヒスタミン剤やステロイド剤が多い。しかしながら、抗ヒスタミン剤は眠気の原因となり、またステロイド剤の場合は、糖尿病誘発、感染抵抗力低下、肥満、高血圧または骨粗しょう症などの副作用が懸念されている。さらに、ステロイド剤を長期投与すると、ステロイド抵抗性とよばれる、治療効果が徐々に低下する現象が観察される。
【0005】
また、花粉自体に作用して花粉を失活させる花粉症予防剤も提案されている(特許文献1および2参照)。この予防剤は、花粉を無害化する点で画期的であるが、皮膚や粘膜に直接作用させる必要があり、そのため刺激が強く、また、すでに生じたかゆみなどのアレルギー反応を緩和させることはできないなどの問題があった。
【0006】
【特許文献1】特開平9−157152号公報
【特許文献2】特開2000−016941号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、レイシエキス、炭、ニンニクエキスおよびハチミツの天然成分からなり、副作用のない安全で、簡便かつ効果的に、スギ花粉などによるアレルギーを治療、改善および/または予防することのできる花粉症薬を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するために鋭意研究した結果、レイシエキス、炭、ニンニクエキスおよびハチミツの天然成分からなる花粉症薬が、副作用のない安全で、簡便かつ効果的に花粉症を治療、改善および/または予防することができることを見出し、本発明に至った。
【0009】
すなわち、本発明は、レイシエキス、炭、ニンニクエキスおよびハチミツからなる花粉症薬に関する。
【0010】
本発明はまた、アガリクスエキス、レイシエキス、シイタケエキス、マイタケエキス、メシマコブエキス、コンブエキス、結晶セルロース、ニンニクエキス、炭、ハチミツおよび酢からなる花粉症薬に関する。
【0011】
前記花粉症薬が、アガリクスエキス0.2〜1.5重量%、レイシエキス0.02〜1重量%、シイタケエキス0.5〜2重量%、マイタケエキス0.5〜2重量%、メシマコブエキス5〜25重量%、コンブエキス5〜25重量%、結晶セルロース10〜30重量%、ニンニクエキス10〜30重量%、炭1〜5重量%、ハチミツ3〜15重量%および酢5〜15重量%からなることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、副作用のない安全で、簡便かつ効果的に花粉症を治療、改善および/または予防することができる花粉症薬を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
花粉症は、たとえば、スギ、ヒノキ、カモガヤ、ヨモギ、ブタクサ、シラカバなどの植物の花粉がアレルゲンとなるアレルギー症状をいう。
【0014】
本発明は、レイシエキス、炭、ニンニクエキスおよびハチミツからなる花粉症薬に関する。
【0015】
本発明では、レイシエキス、炭、ニンニクエキスおよびハチミツを必須としている。いずれか1成分でも配合されない場合、花粉症に対する効果的な治療、改善および/または予防が期待できない。
【0016】
これらの配合割合はとくに限定されないが、花粉症薬を構成する組成物中に、レイシエキス0.02〜1重量%、炭1〜5重量%、ニンニクエキス10〜30重量%およびハチミツ3〜15重量%が含まれていることが好ましい。この範囲を外れると、花粉症の治療、改善および/または予防の効果が低下する傾向がある。
【0017】
本発明はまた、レイシエキス、炭、ニンニクエキスおよびハチミツに、さらに、アガリクスエキス、シイタケエキス、マイタケエキス、メシマコブエキス、コンブエキス、結晶セルロースおよび酢を配合した花粉症薬が、花粉症の治療、改善および/または予防の点から好ましい。
【0018】
炭としては、木炭、竹炭など通常の炭を用いることができる。また、酢としては穀物酢(たとえば、米酢など)、果実酢(リンゴ酢)など市販されているものを用いることができる。ハチミツおよび結晶セルロースとしては市販されているものを用いることができる。
【0019】
レイシエキス、ニンニクエキス、アガリクスエキス、シイタケエキス、マイタケエキス、メシマコブエキス、コンブエキスおよびについても、とくに制限はなく、天然から採取したものを、当該分野で周知の方法、たとえば、エタノールやメタノールなどの溶媒により抽出および乾燥させたものであっても、市販されているものであっても使用することができる。
【0020】
本発明の花粉症薬が、レイシエキス、炭、ニンニクエキスおよびハチミツに、さらに、アガリクスエキス、シイタケエキス、マイタケエキス、メシマコブエキス、コンブエキス、結晶セルロースおよび酢を配合してなる場合、それぞれの配合量は、アガリクスエキス0.2〜1.5重量%、レイシエキス0.02〜1重量%、シイタケエキス0.5〜2重量%、マイタケエキス0.5〜2重量%、メシマコブエキス5〜25重量%、コンブエキス5〜25重量%、結晶セルロース10〜30重量%、ニンニクエキス10〜30重量%、炭1〜5重量%、ハチミツ3〜15重量%および酢5〜15重量%の範囲で配合されることが好ましい。
【0021】
本発明の花粉症薬は、前記成分を混合することで簡便に製造することができる。また、一般的な医薬製剤として調製する場合、たとえば、前記成分を医薬に許容可能な担体と混合して医薬製剤を得ることができる。ここで、医薬に許容可能な担体としては、賦形剤、結合剤、崩壊剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤、乳化剤、希釈剤、溶解補助剤などがあげられる。賦形剤としては、たとえば、乳糖、コンスターチ、白糖、ブドウ糖、ソルビットなどがあげられる。結合剤としては、ポリビニルビアゴム、トラガント、ゼラチン、シュラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンなどがあげられる。崩壊剤としては、たとえば、デンプン、寒天、ゼラチン、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カルシウム、デキストラン、ペクチンなどがあげられる。着色剤としては、医薬品に添加することが認可されているものであれば、制限なく使用することができる。矯味剤および矯臭剤としては、ココア、ハッカ、芳香酸、桂皮などがあげられる。必要により、pH調製剤、緩衝剤、安定化剤、保存剤などを適宜使用することもできる。
【0022】
本発明の花粉症薬の剤型はとくに制限されず、たとえば、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤、シロップ剤、液剤、乳剤、懸濁剤などの経口投与、経鼻投与などに適した形態で処方される。錠剤の形態で提供されるとき、糖衣、ゼラチン衣などのコーティングを施すこともできる。
【0023】
また、たとえば、ウエハースなどに用いられるようなサンドクリーム、粉末食品などの形態に応用することもできる。
【0024】
本発明の花粉症薬の投与量は、剤型の種類、投与方法、被検対象の年齢や体重、症状などを考慮して決定される。成人患者では、たとえば、1日あたり0.5〜5gを1〜数回に分けて投与することができる。より好ましくは1〜4g/日、さらに好ましくは2〜3g/日である。投与期間も患者の治癒経過などに応じて決定される。
【実施例】
【0025】
つぎに、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
【0026】
実施例1(花粉症薬)
アガリクスエキス0.03g、レイシエキス0.002g、シイタケエキス0.05g、マイタケエキス0.04g、メシマコブエキス0.7g、コンブエキス0.6g、結晶セルロース0.8g、ニンニクエキス0.8g、炭0.1g、ハチミツ0.3g、米酢0.4gを混合して、花粉症薬を製造した。
【0027】
得られた花粉症薬を、スギ花粉症と自覚する患者33人に1日3gを180日間服用させた。その結果、26人(約79%)が完治し、残りの7人(約21%)についても概ね完治した。それまでのくしゃみや鼻水といったスギ花粉症患者に特有の症状が抑えられた。
【0028】
比較例1
レイシエキスを配合しない以外は、実施例1と同様の方法で製造した。
【0029】
得られた組成物を、スギ花粉症と自覚する患者33人に1日3gを180日間服用させたが、いずれの患者に対しても治療効果が認められなかった。
【0030】
比較例2
炭を配合しないを配合しない以外は、実施例1と同様の方法で製造した。
【0031】
得られた組成物を、スギ花粉症と自覚する患者33人に1日3gを180日間服用させたが、いずれの患者に対しても治療効果が認められなかった。
【0032】
比較例3
ニンニクエキスを配合しないを配合しない以外は、実施例1と同様の方法で製造した。
【0033】
得られた組成物を、スギ花粉症と自覚する患者33人に1日3gを180日間服用させたが、いずれの患者に対しても治療効果が認められなかった。
【0034】
比較例4
ハチミツを配合しないを配合しない以外は、実施例1と同様の方法で製造した。
【0035】
得られた組成物を、スギ花粉症と自覚する患者33人に1日3gを180日間服用させたが、いずれの患者に対しても治療効果が認められなかった。
【0036】
実施例1および比較例1〜4より、レイシエキス、炭、ニンニクエキスおよびハチミツからなる花粉症薬は、花粉症の治療、改善および/または予防に極めて効果的であった。また、これらの成分のうち1種類でも配合されない場合、花粉症に対する治療、改善および/または予防の効果が認められなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レイシエキス、炭、ニンニクエキスおよびハチミツからなる花粉症薬。
【請求項2】
アガリクスエキス、レイシエキス、シイタケエキス、マイタケエキス、メシマコブエキス、コンブエキス、結晶セルロース、ニンニクエキス、炭、ハチミツおよび酢からなる花粉症薬。
【請求項3】
アガリクスエキス0.2〜1.5重量%、レイシエキス0.02〜1重量%、シイタケエキス0.5〜2重量%、マイタケエキス0.5〜2重量%、メシマコブエキス5〜25重量%、コンブエキス5〜25重量%、結晶セルロース10〜30重量%、ニンニクエキス10〜30重量%、炭1〜5重量%、ハチミツ3〜15重量%および酢5〜15重量%からなる請求項2記載の花粉症薬。

【公開番号】特開2006−282621(P2006−282621A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−106648(P2005−106648)
【出願日】平成17年4月1日(2005.4.1)
【出願人】(505121590)
【Fターム(参考)】