説明

苗木用トレイを梱包するための体系と方法

【課題】苗木の取扱い及び出荷を改善するための梱包体系、装置、及び方法を提供する。
【解決手段】苗木のトレイを輸送するためのボール紙運搬台が提供される。ボール紙運搬台は、第一と第二の端部及び第一と第二の側部を有する苗木トレイを受容するための底部パネルを含んでもよい。ボール紙運搬台はまた、底部パネルの第一と第二の側部から上方向に延在する支持側部壁含んでもよい。支持側部壁は各々、その頂部に支持表面又は肩部を画定する。ボール紙運搬台はまた、底部パネルの第一と第二の端部から外方向に延在する端部壁パネルを含んでもよい。端部壁を形成するために、端部壁パネルを底部パネルから上方向に折り曲げて配列してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに述べられる主題は、苗木を輸送するための体系、装置及び方法に概ね関する。さらに詳細には、ここに開示される主題は、苗木のトレイを配置可能なボール紙運搬台を使用する、輸送のための苗木の梱包に関する。
【背景技術】
【0002】
小さい又はか弱い植物、若木、挿し木又は同様の物のような、まだ完全な生育をしていない苗木の出荷は、栽培業者、卸業者、及び小売業者に対して常にある難題を提起してきた。生存に適した条件に植物を保持すること及び取り扱いによる損傷から植物を保護することは、出荷中の主要な関心事である。さらに卸業者は、各々の苗木に関する経費を低くするために、配達と取扱いに関する効率を最大にするのに役立つ、苗木を大量に出荷出来るようにする必要がある。
【0003】
しばしば多数の苗木トレイが、苗木の大量の出荷のために箱型容器内に積層される。トレイは、出荷中に各苗木に肥料と水を供給する土壌用の保持領域を備える。苗木がトレイの積層による押し潰しや損傷を受けることを防止するために、トレイはしばしば、積層可能なボール紙運搬台に配置され、ボール紙運搬台は箱型容器内に挿入及び積層が可能である。ボール紙運搬台を多数の異なる材料から製作してもよい一方で、波形繊維板のボール紙運搬台が、頑丈で安価であることにより一般的に使用される。底部と側部を補強されたプレハブ式の波形繊維板のボール紙運搬台は、大きな耐久性を備える。このようなプレハブ式のボール紙運搬台はまた、それらの準備組立と容積により苗木の出荷経費を大いに増加する。
【0004】
一般的にブランクと称される、組立てられていない平らなシートの波形繊維板を、苗木のトレイを保持するための箱内に積層可能であるボール箱を製作するために、また使用することが出来る。組立てられた時に、ボール紙運搬台の全ての側部と底部で支持を備えるブランクを使用することが出来る。しかしながらこれらのブランクは、複雑な折り曲げ説明書を有し、しばしば組立が複雑になる。これらのボール紙運搬台を製作するために、ブランクを折り曲げることで生ずる折り曲げの数と特定の指示は、苗木が梱包される畑や温室での苗木の梱包作業を遅らせる。その結果、組立経費は苗木に関する出荷経費を大いに増加する。
【0005】
簡単なブランクが開発され、それは互いに平行に延在する二つの壁を有するボール紙運搬台に成る。これらのボール紙運搬台は、対応するブランクから容易に製作される。苗木を積み込む作業員は、二つの平行な壁を製作するために、ブランクの第一側と第二側を折り曲げることによって容易にボール紙運搬台を形成出来る。このようにボール紙運搬台は、側部壁の間に配置される底部パネルを有する平行な側部壁によって形成される。底部パネルは、苗木のトレイを載せられる表面を備える。側部壁はまた、他のボール紙運搬台を上に積層するための支持を備えている。二つの側部壁を有するボール紙運搬台を容易に形成することによって、荷積み効率は増加し、それ故に、苗木に関する荷積み時間と出荷経費は低減する。
【0006】
これら二つの側面を有するボール紙運搬台を形成するために使用されるブランクは、荷積み効率を増加することが可能である一方で、苗木のトレイを出荷するためにこれらを使用する場合に、これらのボール紙運搬台において別の問題が発生する。出荷される苗木及び苗木のトレイの性質により、これらの二つの側面を有するボール紙運搬台は、側壁と平行なボール紙運搬台の底部パネルに沿って曲がる傾向がある。このボール紙運搬台の曲がりは、苗の損傷及び出荷箱内のボール紙運搬台の積層の崩壊の機会の増加を導く。
【0007】
さらに、苗木のトレイは、苗木の生命維持を助けるために苗木が配置される土中の水分を保持することに役立つ。この水分はしばしば箱内で蒸発する。ボール紙運搬台の繊維板がこの水分を吸収して、運搬台は強度を失う。このことは苗木トレイが載っている底部パネルにおいて特に当てはまる。苗木トレイの重量は、湿っている底部パネルを弛ませる。弛むことは、それ自体の重量でボール紙運搬台とトレイとを曲げ、それ故に弛んだボール紙運搬台は崩れる機会を増大し、さらにトレイを内側に曲げて苗木を損傷させる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の観点から、箱の荷積み効率を損なうことなく、輸送箱の中の苗木トレイの改善された取扱い、特に輸送箱内の苗木への損傷の可能性を減少することに関して、改善された取扱いが必要である。
【0009】
この開示に従って、新しい梱包体系、装置、及び方法が、苗木の取扱い及び出荷を改善するために提供される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
その結果、例えばボール紙運搬台及び苗木の輸送箱内のような苗木のトレイを輸送するための新しい梱包体系、装置、及び方法を提供することが、本開示の第一の目的である。本開示から明らかになるような、この及びその他の目的は、少なくとも全体に又は部分的に、ここに述べられた主題によって達成される。
【0011】
当業者に対して、最上の形態を含む本主題の完全な及び出来る限りの開示が、添付の図面を参照にすることも含めて、明細書の残りの部分でより詳細に述べられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
さて参照は、本主題の現在の好適な実施形態に対して、図で示される一つ又はそれ以上の例示で詳細になされるだろう。各々の例示は主題を限定することなく説明するために提供される。事実、ある実施形態の一部分として図解され述べられる特徴を、さらに別の実施形態を生み出すために別の実施形態に使用することが可能である。本主題が、このような修正と変形を包含することを意味する。
【0013】
図1は、概ね10で指定するボール紙運搬台を示し、苗木の概ね50で指定するトレイを運搬するために使用される。ボール紙運搬台10は、トレイ50を載せることが出来る底部パネル12を有する。ボール紙運搬台10は、ボール紙運搬台10の両側に概ね20で指定する端部壁を含む。さらにボール紙運搬台10は、概ね30で指定する支持側部壁を有し、それはボール紙運搬台10の両側部から上方に延伸する。支持側部壁30は、そこに他のボール紙運搬台を積層させてもよい。各々の支持側部壁30が、外側壁パネル32、頂部棚パネル34及び内側壁パネル36を有する。頂部棚パネル34は、上部支持表面又は肩部を創出し、ボール紙運搬台を運搬箱内に入れる場合に、その上に別のボール紙運搬台を配置してもよい。トレイ50が支持側部壁30と端部壁20との間にしっかりと納まるような大きさに、ボール紙運搬台10をしてもよい。例えば、支持側部壁30と端部壁20は、トレイ50の側部52と端部54のそれぞれで終端となってもよい。
【0014】
ボール紙運搬台10を任意の適切な材料から製作してもよい。例えば、ボール紙運搬台10を、プラスチック、硬質繊維板、繊維板又は同様の物から組立ててもよい。例えば、ボール紙運搬台10を波形のダンボールのような繊維板から製作してもよい。好ましくは、ボール紙運搬台10を、以下に述べるような単一ブランクを折り曲げて形成してもよい。
【0015】
図2は、図1の矢視線I−Iに沿って示すボール紙運搬台10の断面図を示す。支持側部壁30は、逆三角形の断面のような三角形の断面形状を有してもよい。しかしながら支持壁30が、その他の断面形状、例えば矩形、台形、又は同様の形状を有してもまたよい。外側壁パネル32は、支持側部壁30の外側を形成する。上部支持表面を形成する頂部棚パネル34は、別のボール紙運搬台10を配置出来る表面を備えるためにボール紙運搬台10の底部パネル12とほぼ平行に延在し、それ故にボール紙運搬台10を積層可能にする。
【0016】
支持側部壁30は、高さD1を有し、底部パネル12に配置されるトレイ50の上に十分な隙間D2を備える。この隙間D2は、トレイ50に在る苗木が、支持側部壁30の上部支持表面に配置される別のボール紙運搬台10によって損傷を受けることなく上方へ延伸することを可能にする。従って、トレイ50の頂部56との間の隙間D2は、不必要な又は有害な曲げ無しで自然の姿勢で直立させるために、苗木の茎又は幹に対して十分に大きくすることが出来る。その結果、輸送される苗木の種類によって、支持側部壁30とトレイ50上方の隙間D2は変わってもよい。
【0017】
ボール紙運搬台10の底部パネル12に収斂する内側壁パネル36と外側壁パネル32とを備える逆三角形の断面形状を有することによって、支持側部壁30は、ボール紙運搬台10が輸送箱に配置される時に、ボール紙運搬台10内のトレイ50を固定するのに役立つ。ボール紙運搬台10が箱内に在る時に、基盤12から鋭角αで上方向に及び内方向に延伸する支持側部壁30の内側壁パネル36を有することによって、内側壁パネル36は、所定の場所にトレイ50を保持するために斜めにトレイ50の頂部56の周囲でトレイ50の側面52と隣接することによって、ボール紙運搬台10に固定されたトレイ50の保持に役立つことが出来る。このように、ボール紙運搬台10は、ボール紙運搬台10が配置される箱が輸送される間、トレイ50の動揺を防止するために役立ってもよい。垂直方向へのトレイ50の動きを最小にすることによって、支持側部壁30は、トレイ50に配置された苗木への損傷を防止するために役立つ。
【0018】
図3は、概ね60で指定するブランクを示し、ボール紙運搬台10を形成するために、ブランクを使用することが出来る。上に述べたボール紙運搬台10の端部壁20と支持側部壁30とを形成するために、折り目に沿ってブランク60を折り曲げることが出来る。ブランク60を、例えばプラスチック、硬質繊維板、繊維板、又は同様の材料から製作してもよい。例えばブランク60を、ボール紙から形成してもよい。このボール紙を波形にしてもよい。ボール紙内の波形は、頑丈なボール紙運搬台10を作り出すために、ブランク60の別のパネルに強度を付加する。ブランク60は、第一端部の折り目14、第二端部の折り目16、第一側部壁の折り目18、及び第二側部壁の折り目19の間に形成される底部パネル12を含む。
【0019】
第一と第二の端部折り目14と16は、底部パネル12の第一と第二の端部を画定してもよい。さらに第一側部壁の折り目18と第二側部壁の折り目19とは、底部パネル12の第一と第二の側部をそれぞれに画定してもよい。
【0020】
ブランク60はまた、底部パネル12から第一端部の折り目14と第二端部の折り目16の向き合う側面に端部壁パネル22を含む。端部壁パネル22を、ボール紙運搬台10の端部壁20を形成するために底部パネル12から第一と第二の折り目14、16に沿って上方向に折り曲げることが出来る。底部パネル12から第一と第二の側部壁の折り目18、19の向き合う側面で、ブランク60は、支持側部壁30を形成ために使用される、外側壁パネル32、頂部棚パネル34及び内側壁パネル36を含む。底部パネル12の側部から外方向へ延伸する各外側壁パネル32は、側部壁の折り目18、19のそれぞれに続く。外側壁パネル32の各々に、頂部棚パネル34が続き、それから内側壁パネル36のそれぞれが続く。
【0021】
支持側部壁30を形成するために、各外側壁パネルを側部壁の折り目18、19に沿って折り曲げる時に、各々の内側壁パネル36と頂部棚パネル34とを支持壁の折り目38に沿って折り曲げてもよい。様々な方法で内側壁パネル36を底部パネル12に又は底部パネル12の周囲に固定してもよい。底部パネル12に内側壁パネル36を保持するために、例えば、接着剤、接着ストリップ、テープ、ステイプル、又は同様の物を使用してもよい。
【0022】
その他の機械的な手段をまた使用してもよい。例えば、内側壁パネル36の外側端部40において、一つ又はそれ以上の差込(jag)42が、ブランク60から外向きに延伸してもよい。これらの差込42は、外側壁パネル32が支持壁30を形成するために側部壁の折り目18、19に沿って内側に折り曲げられ、頂部棚パネル34と内側壁パネル36とが支持壁の折り目38に沿って内側に折り曲げられる時に、側部壁の折り目18、19の各々に沿ってブランク60に切り込まれた対応するスリーブ又はスロット44にはめ込まれてもよい。頂部棚パネル34は、ブランク60に切り込まれた指穴46を有してもよい。これらの指穴46は、配置される及び/又は取除かれる輸送箱からボール紙運搬台10の容易な挿入と取外しが可能である。
【0023】
図4は、底部パネル12に配置される苗木のトレイ50を備えるブランク60を示す。トレイ50を底部パネル12に配置し、外側壁パネル32をA1方向に側部壁の折り目18、19に沿って上に折り曲げることが出来る。頂部棚パネル34をA2方向に支持壁の折り目38を中心に折り曲げ、一方支持側部壁30を形成するために、内側壁パネル36をA3方向に支持壁の折り目38を中心に折り曲げることが出来る。外側壁パネル32、頂部棚パネル34、及び内側壁パネル36が折り曲げられると、差込42が、スリーブ44(図3を参照)に挿入され、ボール紙運搬台10の支持側部壁30が形成される。同様に、支持側部壁30をトレイ50が底部パネル12に配置される前に形成してもよい。
【0024】
ブランクが図4に示すような波形ボール紙で製作されるなら、リブ62は、側部壁の折り目18、19及び支持側部壁30に垂直に延びてもよく、一方、端部の折り目14、16及び端部壁20とは平行に延びる。波形のこれらのリブ62はまた、ボール紙運搬台10の安定化に役立つことが出来る。さらに、ブランク60は、使用されるトレイ50の大きさ次第で別の大きさにすることが可能である。同様に底部パネル12は、別の幅と長さにすることが可能であり、端部壁と側部壁を形成するパネルは、輸送されるトレイの大きさ及び苗木の大きさ次第で別の高さになってもよい。
【0025】
図5に示すように、一度、外側壁パネル32が側部壁の折り目18、19に沿って折り曲げられ、頂部棚パネル34と内側壁パネル36とが、支持側部壁30を形成するために支持壁の折り目38に沿って向こう側に折り曲げられると、端部壁20を形成するために端部パネル22を上に折り曲げることが出来き、ボール紙運搬台10の形成は完成する。しかしながら、箱の外のボール紙運搬台10に関しては、支持壁30がトレイ50に接して上方になければならない必然性はない。さらに端部壁20は、ボール紙運搬台10が挿入される輸送箱の外にある場合に、トレイ50の端部54に接していなければならない必然性はない。
【0026】
図6は、輸送箱70に配置されるボール紙運搬台10を示し、支持側部壁30が形成され苗木のトレイ50がボール紙運搬台10の底部パネル12に配置されている。図6から分かるように、概ね70で指定する輸送箱にはめ込むために、端部壁20を形成する端部パネル22を立ち姿勢に折り曲げなければならない。輸送箱70は、ボール紙運搬台10が輸送箱70に配置される場合に、ボール紙運搬台10の支持側部壁30と端部壁20とによって形成される外辺部の形状に概ね一致する内部72を有してもよい。ボール紙運搬台10が輸送箱70の中に配置されるまでは、端部壁20を形成するために第一と第二端部の折り目14、16(図4参照)に沿って端部パネル22を折り曲げることはない。ボール紙運搬台10がB方向で内部72に下ろされる時に、輸送箱70の端部壁74は、端部壁20を形成するために第一と第二端部の折り目14、16に沿ってC方向に端部パネル22を折り曲げる。輸送箱70の内部72にボール紙運搬台10を下ろすために、指穴46を使用して輸送箱70の中にボール紙運搬台10を下ろしてもよい。一度、ボール紙運搬台10が輸送箱70に下ろされると、輸送箱70は、図1に示すように直立した又は立ち姿勢で、支持側部壁30と端部壁20とを保持できる。この点で、ボール紙運搬台10は、四つの側面で支持される。端部壁20は、底部パネル12の弛みを防止するために、支持側部壁30に垂直な方向により大きな支持を付与することによって、より丈夫なボール紙運搬台10を作り出すのに役立つ。
【0027】
図7は、輸送箱70内に配置されるボール紙運搬台10を示す。トレイ50をボール紙運搬台10の底部パネル12に置いてもよく、支持側部壁30を形成するパネルは、適宜、支持側部壁30を作成するために迅速に折り曲げられる。頂部棚パネル34は指穴46を画定し、そこでボール紙運搬台10を輸送箱70内に下ろすことが可能になる。ボール紙運搬台10が輸送箱70内に配置される時に、輸送箱70の端部壁74はボール紙運搬台10の端部壁20を形成するために端部パネル22を押し上げる。それから、ボール紙運搬台10は、別のボール紙運搬台の上部支持表面に又は輸送箱70の底部に堅固に支えられるまで、輸送箱70の中へ下方に押される。
【0028】
図8は、輸送箱70内に配置されたボール紙運搬台10を示す。ボール紙運搬台10は、苗木を運ぶためにそこに配置されたトレイ50を有する。トレイ50は、ボール紙運搬台10の底部パネルに在る。輸送箱70は、トレイ50内に配置される苗木に対して所望する保護を備えるために、垂直位置でボール紙運搬台10の支持側部壁30と端部壁20とを支持する。輸送箱70の側部壁76は、垂直位置でボール紙運搬台10の支持側部壁30を支持するのに役立ち、トレイ50の側面52に接する支持側部壁30を押すことが出来る。輸送箱70の端部壁74は、垂直位置でボール紙運搬台10の端部壁20を支持するのに役立ち、トレイ50の端部54に接する端部壁20を押すことが出来る。頂部棚パネル34は上部支持表面を備え、輸送箱70内で上部支持表面の頂部に同様のボール紙運搬台の積層を見込んでいる。
【0029】
上述の通り、輸送箱70の高さH(図6参照)は、輸送箱70内に嵌め込まれる精選された数のボール紙運搬台10の高さに一致してもよい。例えば図9に示すように、輸送箱70の高さHは、最終のボール紙運搬台が輸送箱70の内部72の外端部73と同一平面となるように輸送箱70の内部72内に積層されるべき六個のボール紙運搬台10を可能にする。この時点で内部蓋78と外部蓋79が、輸送箱70の頂部壁を形成する最上部ボール紙運搬台の上で閉じられてもよい。最上部のボール紙運搬台10が、輸送箱70の内部72の外端部73と同一面内に在るから、このボール紙運搬台10はまた、内部蓋78及び外部蓋79が閉じた位置に折り曲げられると、これらの蓋78、79によって形成される頂部壁と同一面となるだろう。
【0030】
図10Aと10Bに示すように、内部蓋78の上部の上に折り曲げられる外部蓋79と共に、内部蓋78を閉じた位置に折り曲げ、輸送箱70の頂部壁80を形成するために固定してもよい。同様の内部及び外部蓋を輸送箱70の底部壁を形成するために閉じた位置に折り曲げて固定してもよい。内部蓋78と外部蓋79の、閉じる折り曲げと固定とが、さらに苗木トレイの迅速な且つ容易な出荷を促進する。ボール紙運搬台の支持側部壁の間に堅固に配置されたトレイと輸送箱70内に堅固に配置されたボール紙運搬台とによって、輸送箱70内のトレイの移動が最小化又は防止される。
【0031】
輸送箱70の頂部と底部の両方の内部及び外部蓋78、79は、各々の組の蓋が閉じた位置に折り曲げられる場合に、輸送箱70の内部72の開口部が完全開口範囲となる長さと幅を有してもよい。例えば、内部蓋78の端部82は互いに終端となってもよく、外部蓋79の端部84は互いに終端となってもよい。代替として、内部蓋78の端部82は、内部蓋78が閉じた位置に折り曲げられる場合に、互いに重なり合ってもよく、一方、外部蓋79の端部84は、内部蓋78が閉じた位置に折り曲げられる場合に、互いに重なり合ってもよい。各々の組の蓋78、79を備える輸送箱70の内部72の開口部が、完全開口範囲であることによって、輸送箱70内に収納される苗木は、外部温度からより良好に断熱される。また、端部壁20と支持側部壁30とを有する各ボール紙運搬台10(図1参照)によって、少なくとも二層の壁が、ボール紙運搬台10のトレイ内の苗木と輸送箱70を取り囲む外部環境との間に存在する。さらに、幅方向と長手方向の強度を最大にすることが出来る。
【0032】
図11は、ボール紙運搬台10が、輸送箱内に在る時に、ボール紙運搬台10の底部パネル12上にトレイ50を有するボール紙運搬台10の側面を示す。トレイ50の重量は、ボール紙運搬台10上で下向きの力F1を生じる。この生じた力F1は、ボール紙運搬台10を方向E1とE2で内側に曲げるように働き、それ故に底部パネル12を外側に曲げる。端部壁20を上方向に、側部壁30と垂直に折り曲げることによって、端部壁20は、力F1によって生ずる内側へ曲がるボール紙運搬台10の傾向を防止する。側部壁30と垂直に延在する端部壁20は、ボール紙運搬台10のいずれの側においても幅方向でボール紙運搬台10に強度を付与することによって曲がる傾向を阻止する。ボール紙運搬台10が、トレイ50からの水分の吸収を介して湿った後でさえ、端部壁20はなお、端部壁20によって付与された安定性により底部パネル12のいかなる弛みも最小にするのに役立つ。このように、ボール紙運搬台10の頑丈さと安定性は、たった二つの平行な側部壁を有するボール紙運搬台で大いに増進される。同時に、ボール紙運搬台10を組立てるのに必要な時間の合計は、ボール紙運搬台10内に端部壁20を形成するために特別な段階を必要としないから増加しない。これは、所望される場所に苗木を出荷するために使用される輸送箱内にボール紙運搬台10を配置することによって、端部壁20を所定の位置に押し込めることが可能なことによる。
【0033】
ボール紙運搬台10内に端部壁20と支持側部壁30の両方を有することによって、ボール紙運搬台10はより安定し、端部壁20と支持側部壁30とが、三つの異なる方向で支持を加えるから曲がりにくい又は潰れにくい。図12Aで分かるように、支持側部壁30は、内側壁パネル36と外側壁パネル32と頂部棚パネル34とによって、長さ方向Zで安定性を与える。さらに、支持側部壁30のこれらのパネル32、34、36はまた、高さ方向Yでボール紙運搬台10に安定性を与える。最後に、ボール紙運搬台10の端部壁20を製作するために上に折り曲げる端部壁パネル22を有することによって、安定性がボール紙運搬台10の幅方向Xに創出される。幅方向X、高さ方向Y、及び長さ方向Zでボール紙運搬台10に付与された安定性を有することによって、さらに安定なボール紙運搬台が、そこにトレイ50を配置するために作られる。支持側部壁30と端部壁20とによって、X、Y、及びZ方向に付与された安定性は、ボール紙運搬台10、それ故にそこに配置されるトレイ50の弛み又は曲がりを最小にするために役立つ。従ってボール紙運搬台10の安定性により、トレイ50内の苗木への損傷を最小化することが出来る。
【0034】
端部壁74、側部壁76、内部蓋78及び外部蓋79を備える輸送箱70は、三つの方向で同じように安定性を増す。図12Bで示すように、側部壁76は、Y方向とZ方向に安定性を増す。端部壁74は、X方向とY方向に安定性を増し、一方、外部蓋79は、Z方向に安定性を増し、内部蓋78は、図12Aに示すようにX方向に安定性を増す。
【0035】
さらに、ボール紙運搬台10を製作するために使用される繊維板の波形に応じて、波形のリブはまた、異なる方向でボール紙運搬台10の安定化に役立つことが出来る。例えば、支持側部壁30と垂直に延在する波形のリブは、高さ方向Yと幅方向Xの両方向でボール紙運搬台10の安定性を強化するのに役立つことが出来る。ボール紙運搬台10に配置されるトレイ50はまた、トレイ50の安定性に応じて幅方向Xと長さ方向Zの両方向でボール紙運搬台10を安定化するのに役立つことが出来る。同様に、輸送箱70のボール紙運搬台10のトレイ内に収納される苗木の保護のために、波形のリブが輸送箱70の安定性を強化するのに役立つように、輸送箱70を波形繊維板から製作してもよい。輸送箱70の波形のリブは、X、Y、及びZ方向のいずれか又は全てに輸送箱70を強化できる。
【0036】
上に開示した梱包体系及び装置は、箱の荷積み及び荷降ろし時に効率が上がるようになっており、一方、ボール紙を最小に使用する箱で、より大きな強度を創出している。このような体系は、苗木の荷積みと荷降ろしの労働経費を削減し、それ故に苗木に関する全体の経費を低減する。体系は理解することが容易であり、労働力の育成が限定されるかもしれない第三世界各国を含む大量生産の環境においてでさえ、苗木を梱包し出荷する効率を向上できる。
【0037】
図面で示され上に述べられた本開示の実施形態は、添付の請求項の範囲内でなされ得る多数の実施形態の典型である。輸送用の苗木の梱包トレイのための形態は、明確に開示されたもの以外の多数の形態を包含できることが考えられる。従って、これに由来する特許の範囲が、添付の請求項の範囲によってのみ限定されるであろうことは、出願人の意向である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本主題によるボール紙運搬台の実施形態の略斜視図を示す。
【図2】図1の矢視線I−Iに沿ったボール紙運搬台の実施形態の略垂直断面図を示す。
【図3】本主題によるボール紙運搬台を製作するために使用されるブランクの実施形態の斜視図を示す。
【図4】本主題によるボール紙運搬台を製作するために使用される図3のブランクの略斜視図を示す。
【図5】本主題によるボール紙運搬台の少なくとも一部分を形成ために折り曲げられた図3のブランクの斜視図を示す。
【図6】本主題による梱包体系で使用されるボール紙運搬台の実施形態の略斜視図を示す。
【図7】本主題による梱包体系の実施形態の斜視図を示す。
【図8】図7による梱包体系の斜視図を示す。
【図9】図7による梱包体系の斜視図を示す。
【図10A】図7による梱包体系の斜視図を示す。
【図10B】図7による梱包体系の斜視図を示す。
【図11】本主題によるボール紙運搬台の実施形態の略側面図を示す。
【図12A】本主題による梱包体系の実施形態の略斜視図を示す。
【図12B】図12Aによる梱包体系の略斜視図を示す。
【符号の説明】
【0039】
10 ボール紙運搬台
12 底部パネル
14、16 端部の折り目
18、19 側部壁の折り目
20 端部壁
22 端部壁パネル
30 支持側部壁
32 外側壁パネル
34 頂部棚パネル
36 内側壁パネル
38 支持壁の折り目
50 トレイ
60 ブランク
70 輸送箱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
苗木トレイを輸送するための梱包体系であって、
(a)ボール紙運搬台であって、
(i)第一と第二の端部及び第一と第二の側部を有し、苗木トレイを受容するように配列される底部パネルと、
(ii)前記底部パネルの第一と第二の側部から上方向に延在し、上部支持表面又は肩部を画定する支持側部壁と、
(iii)前記底部パネルの第一と第二の端部から外方向に延在し、端部壁を形成するために前記底部パネルから上方向に折り曲げられるように配列される端部壁パネルと、
を具備するボール紙運搬台と、
(b)箱の側部壁と箱の端部壁とを有し、前記輸送箱に挿入される各ボール紙運搬台の前記支持壁及び前記端部壁が、前記箱の側部壁及び前記箱の端部壁によって支持されるように、前記輸送箱の内部に一つ又はそれ以上のボール紙運搬台を受容ように配列される輸送箱と、
を具備する、梱包体系。
【請求項2】
前記ボール紙運搬台の各支持側部壁が、内部側面壁、外部側面壁、及び頂部棚パネルを包含する、請求項1に記載の梱包体系。
【請求項3】
前記ボール紙運搬台の各支持側部壁が、三角形の断面を有する、請求項2に記載の梱包体系。
【請求項4】
前記ボール紙運搬台の各頂部棚パネルが、前記対応する内側壁パネルと前記対応する外側壁パネルとの間に配置される、請求項3に記載の梱包体系。
【請求項5】
各支持側部壁の前記三角形の断面が、前記それぞれの支持側部壁の上部支持表面を形成する前記頂部棚パネル及び、前記底部パネルのそれぞれの側部に収斂する、前記対応する内側壁パネルと対応する外側壁パネルを包含する、請求項4に記載の梱包体系。
【請求項6】
前記苗木トレイの側部が、前記トレイの最上面の周囲で前記ボール紙運搬台の内側壁パネルと隣接する、請求項5に記載の梱包体系。
【請求項7】
前記ボール紙運搬台が、ブランクから形成される、請求項2に記載の梱包体系。
【請求項8】
前記ボール紙運搬台の支持側部壁が、前記苗木トレイ内に配置される前記苗木のための空間を備えるように特定の高さを有する、請求項2に記載の梱包体系。
【請求項9】
前記ボール紙運搬台が繊維板である、請求項1に記載の梱包体系。
【請求項10】
前記繊維板が波形のボール紙である、請求項9に記載の梱包体系。
【請求項11】
リブが前記波形のボール紙によって画定され、幅方向又は高さ方向の少なくとも一つの方向で前記ボール紙運搬台を強化する、請求項10に記載の梱包体系。
【請求項12】
前記ボール紙運搬台の端部壁は、前記端部壁と前記支持側部壁の両方が垂直に延在する場合に、前記支持側部壁と接触する、請求項1に記載の梱包体系。
【請求項13】
前記ボール紙運搬台の端部壁は、前記端部壁が垂直に延在する場合に、苗木のトレイの端部と接触する、請求項1に記載の梱包体系。
【請求項14】
前記ボール紙運搬台の支持側部壁の上部支持表面が、その上に別のボール紙運搬台を配置してもよい積層可能な表面を備える、請求項1に記載の梱包体系。
【請求項15】
複数のボール紙運搬台が、前記輸送箱内で積層可能である、請求項14に記載の梱包体系。
【請求項16】
前記輸送箱は、前記輸送箱内で複数のボール紙運搬台を、互いの頂部に積層させることが可能である高さを有する、請求項15に記載の梱包体系。
【請求項17】
前記輸送箱の高さは、前記輸送箱が閉じられる場合に、前記最上段のボール紙運搬台の上部支持表面が前記輸送箱の頂部と同一面になるように、特定数量のボール紙運搬台の高さと一致する、請求項16に記載の梱包体系。
【請求項18】
前記輸送箱が、内部蓋と外部蓋とを含み、前記内部蓋と外部蓋とが閉じた位置に在る場合に、前記内部蓋と外部蓋とは、少なくとも一つの頂部壁と底部壁とを形成する、請求項1に記載の梱包体系。
【請求項19】
前記輸送箱の内部蓋は、前記内部蓋が閉じた位置に在る場合に互いに隣接する端部を包含し、前記外部蓋は、前記外部蓋が閉じた位置に在る場合に互いに隣接する端部を包含する、請求項18に記載の梱包体系。
【請求項20】
苗木のトレイを輸送するためのボール紙運搬台であって、
(a)第一と第二の端部及び第一と第二の側部を有し、苗木トレイを受容するように配列される底部パネルと、
(b)前記底部パネルの前記第一と第二の側部から上方向に延在し、上部支持表面又は肩部を画定する支持側部壁と、
(c)前記底部パネルの第一と第二の端部から外方向に延在し、端部壁を形成するために前記底部パネルから上方向に折り曲げられるように配列される端部壁パネルと、
を具備するボール紙運搬台。
【請求項21】
前記ボール紙運搬台の各支持側部壁が、内側壁パネル、外側壁パネル、及び頂部棚パネルを包含する、請求項20に記載のボール紙運搬台。
【請求項22】
前記ボール紙運搬台の各支持側部壁が、三角形の断面を有する、請求項21に記載のボール紙運搬台。
【請求項23】
前記ボール紙運搬台の各頂部棚パネルが、前記対応する内側壁パネルと前記対応する外側壁パネルとの間に配置される、請求項22に記載のボール紙運搬台。
【請求項24】
各支持側部壁の前記三角形断面が、前記それぞれの支持側部壁の上部支持表面を形成する前記頂部棚パネル及び、前記底部パネルのそれぞれの側部に収斂する前記対応する内側壁パネルと対応する外側壁パネルを包含する、請求項23に記載のボール紙運搬台。
【請求項25】
前記苗木トレイの側部が、前記トレイの最上面の周囲で前記ボール紙運搬台の内側壁パネルと隣接する、請求項24に記載のボール紙運搬台。
【請求項26】
前記ボール紙運搬台が、ブランクから形成される、請求項21に記載のボール紙運搬台。
【請求項27】
前記ボール紙運搬台の支持側部壁が、苗木トレイ内に配置される苗木のための空間を備えるように特定の高さを有する、請求項21に記載のボール紙運搬台。
【請求項28】
前記ボール紙運搬台が繊維板である、請求項20に記載のボール紙運搬台。
【請求項29】
前記繊維板が、波形のボール紙である、請求項28に記載のボール紙運搬台。
【請求項30】
リブが前記波形のボール紙によって画定され、幅方向又は高さ方向の少なくとも一つの方向で前記ボール紙運搬台を強化する、請求項29に記載のボール紙運搬台。
【請求項31】
前記ボール紙運搬台の端部壁は、前記端部壁と前記支持側部壁の両方が垂直に延在する場合に、前記支持側部壁と接触する、請求項20に記載のボール紙運搬台。
【請求項32】
前記ボール紙運搬台の端部壁は、前記端部壁が垂直に延在する場合に、苗木のトレイの端部と接触する、請求項20に記載のボール紙運搬台。
【請求項33】
前記ボール紙運搬台の支持側部壁の上部支持表面が、その上に別のボール紙運搬台を配置してもよい積層可能な表面を備える、請求項20に記載のボール紙運搬台。
【請求項34】
出荷するための苗木トレイを準備する方法であって、
(a)ボール紙運搬台の底部パネルに苗木のトレイを配置する段階と、
(b)底部パネルの第一と第二の側部に沿って支持側部壁を形成するために、支持壁の折り目に沿って前記ボール紙運搬台を折り曲げる段階と、
(c)前記底部パネルの第一と第二の端部の周囲に端部壁を形成するために、第一と第二の端部壁の折り目に沿って前記ボール紙運搬台を折り曲げる段階と、
(d)箱の側部壁と箱の端部壁とを有する箱内に前記ボール紙運搬台を配置する段階であって、その結果、前記箱の側部壁と箱の端部壁とが、垂直な位置で前記支持側部壁と前記端部壁とを支持する段階と、
を具備する方法。
【請求項35】
さらに、前記輸送箱内で互いの頂部に複数のボール紙運搬台を積層する段階を包含する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記支持側部壁が上部支持表面又は肩部を画定し、その上に別のボール紙運搬台を載せることが出来る、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記輸送箱が、特定数量のボール紙運搬台をしっかりと保持する、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
端部壁を形成するために、第一と第二の端部壁の折り目に沿って前記ボール紙運搬台を折り曲げる段階が、輸送箱内に前記ボール紙運搬台を配置する段階によって実行される、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
前記支持側部壁が、逆三角形の断面を有する、請求項34に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【公開番号】特開2008−56355(P2008−56355A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−226045(P2007−226045)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】