説明

荷電粒子線装置

【課題】
電子線を照射した際に得られる2次電子像のコントラストが大きく、互いに直交する2種類の直線形状突起物集合体及びこれを用いた走査型電子顕微鏡用寸法校正試料を提供することにある。
【解決手段】
(100)面単結晶シリコン基板の結晶面を利用して、直線パターンの上面を形成し、上面に対して鋭角の角度を有する側壁を(111)面で形成し、<011>軸に平行または垂直に直線形状突起構造体を形成する。突起構造体の上面に平行な断面は上面から底部に向かって横幅が小さくなる逆テーパ構造とする。
【効果】
本発明によって、互いに直交する2種類の直線形状突起物の境界から得られる2次電子像のコントラストを大きくし、縦方向横方向の2方向で寸法校正を精度良く行うことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体を用いた試料に関し、特に走査形電子顕微鏡に用いられる寸法校正用試料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
走査形電子顕微鏡は、電子線を走査して得られる2次電子の信号波形を用いて寸法を測定することが可能である。寸法測定をする前に、予め寸法が分かっている部材を用いて測定を行い、走査電子顕微鏡の測定で求まった寸法と実際の寸法との校正を行えば、その後の寸法測定精度を向上させることができる。そのため、走査形電子顕微鏡には通常寸法校正専用の試料が準備される。
【0003】
走査形電子顕微鏡の寸法校正を精度良く行うためには、コントラストが大きい2次電子像を得ることが重要である。2次電子は凹凸段差の境界部分で多量に発生することが知られており、寸法校正用試料には、切り立った側壁をもつ微細な凹凸段差を有する構造体が求められる。また、一般に走査形電子顕微鏡では平面上の縦方向と横方向のそれぞれの寸法を測定する機能を有しており、縦方向と横方向の2軸を校正できる寸法校正用試料が求められる。
【0004】
寸法校正用試料としては、特許文献1のように、上面が(110)面であるシリコン基板をアルカリ系のエッチング液で加工して側壁を(111)面で構成した寸法校正用試料が用いられる。(111)面は(110)面に比べて非常にエッチング速度が遅く、切り立った側壁を形成することが可能であり、なおかつ直線形状パターンの境界線が原子レベルで正確な直線となるためにピッチ寸法測定をどの位置で行っても同一の値となるためである。(110)面の上面と、側壁の(111)面は互いに垂直となる。
【0005】
また、特許文献2では、直線形状パターンを同一ピッチで配置した基板を2個製作し、それぞれの長手方向が直交するように試料台に接着することで縦方向と横方向の2方向を校正できるようにしている。
【0006】
一方、結晶方位に依存しない方法として、シリコン基板をRIE(Reactive Ion
Etching )などによりドライエッチング加工する方法も考えられる。特許文献3では、ドライエッチング加工する材料とは別の材料を底部に配置し、エッチングガスを工夫するなどして上面と鋭角の角度を有する側壁を形成している。また、特許文献4では、紫外光や電子ビームによる露光により、パターンを形成している。
【0007】
また、非特許文献1では、ダイシングにより(110)面に平行または直行するように溝を切り、異方性エッチングを行うことで、断面がひし形の溝を形成することが記載されている。また、ひし形の面は(111)面で形成されていることが記載されている。
【0008】
【特許文献1】特開2004−251682号公報
【特許文献2】特開2003−222715号公報
【特許文献3】特開2000−200829号公報
【特許文献4】特開2000−340521号公報
【非特許文献1】「ダイシングおよび異方性エッチングによるシリコン加工」東京都立産業技術研究所研究報告 第3号(2000)p117
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように、単結晶シリコン基板をアルカリ系のエッチング液で加工すれば直線形状パターンの境界線を原子レベルで正確な直線にすることが可能であるが、上面が(110)面のシリコン基板を加工した場合には同一基板上に直交する直線形状パターンが形成できず、上面が(100)面のシリコン基板を加工した場合には側壁が上面に対して鈍角に傾斜するという問題がある。
【0010】
また、特許文献2のような方法では、2個の基板を接着するため縦方向と横方向の直交精度が低くなってしまう。
【0011】
さらに、特許文献3,4のような方法では、側壁と底面の境界が丸みをもってしまったり、直線形状パターンの境界線のラフネスが大きく、測定する場所によってピッチ寸法測定値がばらついてしまう欠点がある。
【0012】
また、非特許文献1のような手法では、所定の切り込み深さが必要となるが、マイクロスケールのような微細な間隔で均等に試料に切り込みを入れることは、ダイシングによる方法では不可能である。また、マイクロスケールのような微細間隔の構造を作成しようとすれば、テラス構造が形成される前にひし形構造が繋がってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決する方法として、上面が(100)面のシリコン基板をアルカリ系のエッチング液で加工する際、54.7° の傾斜をもつ(111)面を裏面側から加工して逆テーパ構造とし、直線構造を構成する突起構造体の断面積が上面から底部に向かうにつれて小さくなる逆テーパ構造になるようにする。この構造により、凹凸段差境界から得られる2次電子像のコントラストを大きくし、なおかつ縦方向と横方向に直交する直線形状を同一基板上に形成することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
以上のような構成によれば、電子線を照射した際に得られる2次電子像のコントラストが大きい直線形状突起物集合を提供することができる。
【0015】
なお、本発明の他の目的、及び他の具体的な構成,効果については、以下発明の実施の形態の欄で詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態の直線形状突起物集合について図面を用いて説明する。
【0017】
図1は本発明における走査形寸法校正用試料の実施形態を示す上面図、図2は図1のA−A′を拡大した側面断面図である。
【0018】
寸法校正用試料はベースシリコン基板1,シリコン酸化膜層2,エピタキシャルシリコン基板3から構成され、直線形状突起物21が同一ピッチαで複数個配置されている。直線形状突起物は上面11がエピタキシャルシリコン基板3の(100)面、直線形状突起物の底面12がベースシリコン基板1の(100)面となっており、直線形状突起物の側壁13aはエピタキシャルシリコン基板3の(111)面、側壁13bはベースシリコン基板1の(111)面で構成されている。直線形状突起物21の上面11と側壁13aは54.7° の角度を有し、その断面積は上面から底部に向かうにつれて小さくなる逆テーパ構造となっている。一方、底部近傍においても直線形状突起物の底面12と側壁13bは54.7° の角度を有しているが、その方向は側壁13aとは逆の順テーパ構造となっている。エピタキシャルシリコン基板3の厚さaはベースシリコン基板1の加工厚さbよりも大きくしておく。
【0019】
図3は直線形状突起物21を同一ピッチαで複数個配置した集合体22aと22bを同一基板上に配置したものである。本発明においては、縦方向と横方向の結晶軸方向が等価であるため、本実施例のように、直線形状突起物21の長手方向を集合体22aと22bのように直交するように配置することが可能である。
【0020】
さて、ピッチ寸法αは、任意に設計することが可能であるが、半導体素子の寸法から概ね100nm以下である。しかし、測定対象物の寸法は様々なものが考えられるため、寸法校正用試料も様々なピッチ寸法のものを集積化することで、広い寸法範囲で測定精度を高めることが可能となる。図4はピッチ寸法αの直線形状突起物集合体22a及び22b、ピッチ寸法βの直線形状突起物集合体22c及び22d、ピッチ寸法γの直線形状突起物集合体22e及び22fを同一基板上に集積化した例である。本実施例ではピッチ寸法を3種類としているが、もちろんより多くのピッチ寸法を集積化することも可能である。
【0021】
なお、上面が(100)面の時は、[011]軸或いは

軸を用いて、直線形状突起物を作るが、この軸を<011>と表す。
【0022】
次に、図5を用いて本発明の製造工程について説明する。
(a)ベースシリコン基板1上にシリコン酸化膜層2とエピタキシャルシリコン基板3を形成する。この構造は一般的なSOI(Silicon on Insulator)ウエハと同様である。その後、熱酸化により熱酸化膜層4を形成する。
(b)熱酸化膜層4上にホトレジスト5を形成し、EB(Electoron Beam)により直線形状パターンを描画した後、現像を行う。縮小投影露光装置を使用して紫外線による感光,現像を行っても構わないが、ピッチ寸法が100nm以下になると解像度を得ることが難しいためである。
(c)ドライエッチングにより熱酸化膜層4の一部を除去し、次いでホトレジスト5を全面除去する。
(d)例えば水酸化カリウム水溶液などのアルカリ系のエッチング液に浸し、エピタキシャルシリコン基板3をエッチング加工する。この時、直線形状突起物21の側壁13cは、上面11に対して傾斜54.7° を有するテーパ状に形成される。
(e)フッ化水素酸に浸し、シリコン酸化膜層2の一部を除去加工する。この時エピタキシャルシリコン基板3には鋭角突起部17が現れる。このとき、熱酸化膜層4も溶けるが、熱酸化膜層4はシリコン酸化膜層2に比べて厚いため、シリコン酸化膜層2の一部を除去加工しても残っている。
(f)再び水酸化カリウム水溶液などのアルカリ系のエッチング液に浸し、エピタキシャルシリコン基板3及びベースシリコン基板1をエッチング加工する。この時、鋭角突起部17の水酸化カリウム水溶液に対するエッチング速度は非常に早いため、ベースシリコン基板1が僅かに加工された段階で、直線形状突起物21の上面11に対して鋭角の角度を有する側壁13aが形成される。
(g)最後に熱酸化膜層4を除去する。熱酸化膜層4は絶縁膜であり、電子線を照射した際に電荷が溜まってチャージアップが起き、2次電子像が得られにくくなる現象が生じるため除去しているが、チャージアップの影響が無視できるならばこの工程は省略しても構わない。
【0023】
ところで、図5(b)では、直線形状パターンの形成にEB(Electoron Beam)を使用しているが、この方法では寸法校正用試料製作の度に全ての直線形状パターンを描画する必要があり、高コストになってしまう。これを解決する手段として、予め直線形状パターンを形成した金属型を製作して、エピタキシャルシリコン基板上に形成した樹脂に押し付けてパターン転写する方法が考えられる。このような方法はナノインプリント技術と呼ばれ、安価な微細構造転写技術として注目されているものである。
【0024】
そこで、図6を用いて、ナノインプリント技術を適用した本発明の製造工程を説明する。
(a)単結晶シリコン基板6上にホトレジスト5を形成し、EB(Electoron Beam)により直線形状パターンを描画した後、現像を行う。縮小投影露光装置を使用して紫外線による感光,現像を行っても構わないが、ピッチ寸法が100nm以下になると解像度を得ることが難しいためである。
(b)RIE(Reactive Ion Etching)によりドライエッチング加工する。RIE加工で形成される側壁18と底面19の境界20は丸みを帯びた形状となる。RIE加工終了後、ホトレジスト5を全面除去する。
(c)電気鋳造により、例えばニッケル製の凹型金属型7を製作する。
(d)更に凹型金属型7から凸型金属型8を製作する。
(e)図5(b)同様、熱酸化膜層4上に形成したホトレジスト5に凸型金属型8を押し付ける。この場合は樹脂を感光させる必要が無いため、ホトレジストではなく、他の樹脂を使用しても構わない。凸型金属型8を押し付ける際にはホトレジスト5が軟化する温度まで加熱しておく。必要であれば凸型金属型8も加熱しておく。また、押し付ける際には気泡などが界面に残留しないように周囲雰囲気を真空引きしておく。
(f)凸型金属型8をじゅうぶん押し付けた状態で数秒〜数分間保持し、冷却後凸型金属型8を引き上げる。凸型金属型8に形成された直線形状パターンが転写される。凸型金属型8の引き上げがスムーズに行えるよう、凸型金属型8の上面には例えばシリコーンオイルなどの離型剤を塗布することも行われる。熱酸化膜層4の上にはわずかにホトレジストの残膜9が残る。
(g)ホトレジストの残膜9を例えばドライエッチングにより除去する。この状態で図5(b)の状態となる。
【0025】
以降は図5(c)〜(g)と同様の工程を実施すれば良い。
【0026】
この方法では、一度EB(Electoron Beam)で直線形状パターンを形成して金属型と製作してしまえば、図6(e)〜(g)の工程を繰り返すことで微細な直線形状パターンを効率良く製造することができる。
【0027】
図7は本発明形態の寸法校正用試料に上部から電子線を当てて得られる2次電子の強度を模式的に示したものである。直線形状突起物間の開口部14を上面側から観察した際に直線形状突起物の底面12と側壁13bの境界15は見えず、直線形状突起物の上部境界16から得られる2次電子像のコントラストを大きくすることができ、ピッチ寸法αの信号波形を精度良く捉えることが可能となる。
【0028】
一方図8は、図6(b)で示したように、直線構造体をドライエッチング加工して得られるシリコン基板に上部から電子線を当てて得られる2次電子の強度を模式的に示したものである。本発明形態の構造を用いない場合、RIE加工側壁18とRIE加工底面19の境界20は丸みを帯びた形状となってしまい、電子線を照射した際に各直線形状突起物境界から得られる2次電子像のコントラストが小さくなってしまう。この場合、ピッチ寸法αの信号波形が精度良く捉えられず、正確な寸法校正を行うことが困難となる。
【0029】
以上のように、本発明形態の構造を用いることで電子線を照射した際に各直線形状突起物境界から得られる2次電子像のコントラストを大きくすることができ、寸法校正を精度良く行うことが可能となる。
【0030】
(構造のメリット)
また、本発明の寸法校正試料は、構造的にも優れている。直線形状突起物間の開口部
14を上面側から観察した際に直線形状突起物21の底面12と側壁13bの境界15は見えなくなる。また、16の逆テーパ構造の突起構造体が、底面12から発生する二次電子の進行を妨げる。これにより、直線形状突起物の上部境界16を大きなコントラストで観察することができる。さらに、直線形状突起物の底部近傍を順テーパ構造にすることで、直線形状突起物に無理な力がかかっても集中応力を低減し、頑強な構造を実現することが可能となる。また、上面側から直線形状突起物を走査型電子顕微鏡で寸法を測定する際には底面12から放出される2次電子がノイズになってしまうが、厚さbだけ底面が下がったことでノイズがより低減される効果もある。
【0031】
このように製造された寸法校正用試料31は、図9に示すように例えばステンレス製の試料台32に例えばエポキシ系の接着剤33で接着した後、最終的にステージ34の隅に装着する。
【0032】
図10は電子顕微鏡装置に寸法校正用試料31を装着したステージ34を組み込んだ図である。電子顕微鏡装置35では、電子源36から放出された電子線37が集束レンズ
38,対物レンズ39,収差補正用レンズ40などを介して測定対象物41に入射し、そこから放出された2次電子は2次電子検出器42で検出される。寸法校正が必要な場合は、ステージ34を動かして、ステージ34の隅に設置された寸法校正用試料31を観察すれば良い。シリコンウエハの寸法検査に用いられる電子顕微鏡では、測定対象物41がほぼ厚さの一定なシリコンウエハであり、寸法校正用試料31の表面と測定対象物41の表面が同一平面上になるように設計し、電子線の焦点位置を同じにすることで、寸法校正をより正確に反映させることができる。また、ステージ34の移動や2次電子像の画像処理をシステム化することで、寸法校正を自動で行うことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態を示す上面図である。
【図2】本発明の実施形態を示す側面断面図である。
【図3】本発明の実施形態の配置例を示す上面図である。
【図4】本発明の実施形態の集積化例を示す上面図である。
【図5】本発明の製造工程を説明する図である。
【図6】本発明の第2の製造工程を説明する図である。
【図7】本発明の実施形態に電子線を当てて得られる2次電子の強度を模式的に示した図である。
【図8】本発明の実施形態による効果を比較説明するための2次電子強度の模式図である。
【図9】本発明の実施形態によって製造した電子顕微鏡調整用試料を電子顕微鏡のステージに組み込んだ図である。
【図10】本発明の実施形態によって製造した電子顕微鏡調整用試料を電子顕微鏡装置に組み込んだ図である。
【符号の説明】
【0034】
1 ベースシリコン基板
2 シリコン酸化膜層
3 エピタキシャルシリコン基板
4 熱酸化膜層
5 ホトレジスト
6 単結晶シリコン基板
7 凹型金属型
8 凸型金属型
9 ホトレジスト残膜
11 直線形状突起物上面
12 底面
13a,13b,13c 側壁
14 直線形状突起物間の開口部
15 底面と側壁の境界
16 直線形状突起物上部境界
17 鋭角突起部
18 RIE加工側壁
19 RIE加工底面
20 境界
21 直線形状突起物
22a,22b,22c,22d,22e,22f 直線形状突起物集合体
31 寸法校正用試料
32 試料台
33 接着剤
34 ステージ
35 電子顕微鏡装置
36 電子源
37 電子線
38 集束レンズ
39 対物レンズ
40 収差補正用レンズ
41 測定対象物
42 2次電子検出器
a エピタキシャルシリコン基板厚さ
b ベースシリコン基板加工厚さ
α,β,γ 直線形状突起物のピッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の突起構造体を所定の間隔を置いて所定の方向に配列した寸法校正用試料において、
各突起構造体の上面に平行な断面の、前記配列方向に沿った幅が上面から下方に向かうにつれて細くなることを特徴とした寸法校正用試料。
【請求項2】
複数の突起構造体を所定の間隔を置いて所定の方向に配列した寸法校正用試料において、
各突起構造体は、突起構造体の上面に平行な断面の、前記配列方向に沿った幅が上面から下方に向かうにつれて細くなる上層と、
前記上層の下に存在し、下方に向かうにつれて前記幅が太くなる下層からなることを特徴とした寸法校正用試料。
【請求項3】
請求項1又は2の寸法校正用試料において、各突起構造体の上面に平行な断面の形状は長方形であることを特徴とする寸法校正用試料。
【請求項4】
請求項1又は2の寸法校正用試料において、
当該寸法校正用試料の突起構造体の配列方向が互いに垂直となる少なくとも2つの寸法校正用試料が単結晶シリコン基板上に形成されていることを特徴とする寸法校正用試料。
【請求項5】
請求項1又は2の寸法校正用試料において、突起構造体の上面をシリコン結晶の(100)面と構成し、突起構造体の配列方向が[011]軸或いは

軸となることを特徴とする寸法校正用試料。
【請求項6】
請求項4の寸法校正用試料において、各寸法校正用試料における各突起構造体の間隔が異なることを特徴とする寸法校正用試料。
【請求項7】
請求項2の寸法校正用試料において、
突起状構造体の下層の前記断面形状の幅は、上層の前記断面形状の幅よりも小さいことを特徴とする寸法校正用試料。
【請求項8】
突起構造体を所定の間隔を置いて複数配列した寸法校正用試料において、各突起構造体は、上層と下層のシリコン基板から構成され、下層のシリコン基板が有する凸部の上部に上層のシリコン基板が存在し、上層のシリコン基板は、上面に平行な断面の、前記配列方向に沿った幅が上面から下方に向かうにつれて細くなることを特徴とする寸法校正用試料。
【請求項9】
請求項8のシリコン基板において、各突起構造体の下層のシリコン基板の、上面に平行な断面積が、上面より小さいことを特徴とする寸法校正用試料。
【請求項10】
酸化層を介した上層と下層のシリコン基板を有する基板の、上層のシリコン基板の一部をエッチングし、前記エッチングによって上層のシリコンが除去された部分から、前記酸化層の一部を除去し、さらに酸化層の除去された部分から上層及び下層のシリコンの一部を除去する寸法校正試料作成方法。
【請求項11】
荷電粒子源と、
試料を搭載するステージと、
前記荷電粒子源から出射した荷電粒子線を試料上に収束する対物レンズと、
を有する荷電粒子線装置において、
請求項1乃至9のいずれかの寸法校正用試料を配置したことを特徴とする荷電粒子線装置。
【請求項12】
請求項11の荷電粒子線装置において、
前記ステージに試料を搭載したときの試料の表面と、前記寸法校正用試料の上面の高さが同じであることを特徴とする荷電粒子線装置。
【請求項13】
荷電粒子源と、
試料を搭載するステージと、
前記荷電粒子源から出射した荷電粒子線を試料上に収束する対物レンズと、
前記試料から放出される荷電粒子を検出する荷電粒子検出器と、
を有する荷電粒子線装置において、
前記荷電粒子検出器の信号に基づいて形成された検出信号強度から得られる長さを請求項1乃至9のいずれか寸法構成試料の基づいて定めることを特徴とする荷電粒子線装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−224258(P2008−224258A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−59359(P2007−59359)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】