説明

蒸留されたオリーブ果汁抽出物の製造方法

本発明により、全て天然で、ヒドロキシチロソルが豊富であり、苦味がないオリーブ果汁抽出物の製造するための新規プロセス、およびその蒸留液が提示される。新規果汁抽出物蒸留液、および本新規オリーブ果汁抽出物蒸留液を含有する組成物も本発明の一部である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、蒸留されたオリーブ果汁抽出物、およびこれらの抽出物を製造する方法に関する。オリーブ果汁抽出物は強力な酸化防止活性を有するため、栄養補給剤として使用可能である。これらの新規抽出物を含有する栄養組成物も本発明の一部である。
【0002】
[発明の背景]
オリーブ油とオリーブ抽出物の薬効については広く認識されている。オリーブ油を製造するために、オリーブ果実をペースト状に粉砕する。このペーストに圧力を加え、粉砕された果実から油を分離する。押圧することによって、オリーブ油が提供されることに加えて、多くの水溶性植物化学物質を含有するオリーブ果実の水含有物も放出される。この水は、「植物水、オリーブ果汁およびオリーブ廃水」を含むいくつかの名前で知られている。興味深いことに、オリーブ果汁およびその処分については、オリーブ油製作者にとっては問題となるが、このオリーブ果汁は、有利な栄養特性を有し得るフェノール化合物の望ましい豊富な供給源であり得る。
【0003】
過去には、栄養オリーブ果汁を濃縮する方法は、時間がかかる培養、濾過および/または遠心分離および/または噴霧乾燥ステップを含んでいた。もう1つの問題は、オリーブ果汁のにおい、苦味および混濁のため、ならびに活性ポリフェノールの1種であるヒドロキシチロソルの含有量が低いため、食品または栄養補助食品での乾燥または液体オリーブ果汁の有用性は限定的であることである。
【0004】
したがって、全て天然で、ヒドロキシチロソルが豊富であり、苦味がないオリーブ果汁抽出物であって、効率的で費用効果のよいものを製造するためのより良好な方法を開発することが望ましいであろう。
【0005】
[発明の説明]
本発明により、全て天然で、ヒドロキシチロソルが豊富であり、苦味がないオリーブ果汁抽出物蒸留液を製造するための新規プロセスが提示される。新規果汁抽出物蒸留液、および本新規オリーブ果汁抽出物蒸留液を含有する組成物も本発明の一部である。
【0006】
典型的なオリーブは、約50%の水、22%の油、19%の炭水化物、6%のセルロース、2%のタンパク質、ならびに(組み合わせて)0.2%のオレウロペイン(oleuropein)およびヒドロキシチロソルを含有する。果実(およびその後の抽出物)の正確な構成は、使用されるオリーブの品種、収穫の時期、さらには成長条件次第で異なることは理解されるべきである。
【0007】
文献報告(例えば、Brianteら,2002,J.Biotechn.93:109−119,およびSoler−Rivasら 2000,J Sci Food Agric 80:1013−1023を参照のこと)に反して、本発明に従って、苦味をオリーブ果汁に与える未知の化合物は、ヒドロキシチロソルでもオレウロペインでもないことが見出された。理論に束縛されることは望ましくないが、それらは不安定なフェノールエステル基を含有し得る。苦味の化合物の識別に関係なく、それらは塩基に非常に感応性であり、より高いpHでは安定でない。
【0008】
本明細書および特許請求の範囲を通して使用される場合、以下の定義が適用される。
「HT」は、ヒドロキシチロソルを意味する。
「オリーブ果汁」、「オリーブ廃水」および「植物水」は、全て交換可能に使用される用語である。それらは、オリーブ油製造の間に製造される水相を指す。それは、HTおよびオレウロペインなどの対象の化合物との炭水化物の錯体混合物によるスラリーである(結合したHTを含有し、その後分解してHTが生じてもよい)。
【0009】
したがって、本発明の一態様は、
a)透明であり、固形物が減少され、トリグリセリドが減少され、脂肪酸が減少された、ヒドロキシチロソル富化オリーブ果汁濃縮物を得ることと、
b)ステップa)からのヒドロキシチロソル抽出物を蒸留し、オリーブ果汁蒸留液を形成することと
を含んでなるヒドロキシチロソルが豊富なオリーブ果汁の製造方法である。
【0010】
本発明のもう1つの態様は、
a)固形物、トリグリセリドおよび脂肪酸の量が未処置のオリーブ果汁と比較して実質的に減少されたオリーブ果汁抽出物を得ることと、
b)水不混和性溶媒でオリーブ果汁抽出物を抽出し、ヒドロキシチロソル抽出物を得ることと、
c)ヒドロキシチロソル抽出物を蒸留し、オリーブ果汁蒸留液を形成することと
を含んでなるヒドロキシチロソルが豊富なオリーブ果汁蒸留液の製造方法である。
【0011】
トリグリセリド、遊離脂肪酸または他のエステル(オリーブ油、オレイン酸およびオレイン酸エチルエステルなど)がオリーブ果汁に存在する場合、蒸留されたHTの汚染を防ぐために、果汁を蒸留する前に減少させるか、または完全に除去されなければならない。脂肪酸およびエステルはHTに可溶性ではないが、脂肪酸および単純なエステル(オレイン酸およびオレイン酸エチルエステルなど)はHTと一緒に蒸留されるため、混濁蒸留液または2相蒸留液が形成される。
【0012】
[トリグリセリド、脂肪酸、オレイン酸エチルエステルが減少された蒸留物の形成]
本発明の本プロセスで使用可能なオリーブ果汁には、2つの主要な典型的に商業的に入手可能な形態がある。第1のものは、新鮮なオリーブ果汁である。これは、単に、創作者(典型的にオリーブ油生産者)から未処置の状態で得ることができるか、または固形物およびトリグリセリドを除去する遠心分離または濾過などの手順を経ていてもよい。再水和後、本発明で使用可能な第2の形態は、クエン酸で安定化された噴霧乾燥または凍結乾燥された形態である。いかなる供給源も、下記のような処理の後、蒸留可能である。典型的に、出発果汁は、固形物、脂肪(油)および/または繊維がその中に存在してもよいか、あるいは遠心分離または限外濾過などの前処理後、固形物およびトリグリセリドまたは脂肪酸を含まない。濃縮された形態で購入されるか、または当該技術分野で既知の標準技術によって使用前に濃縮されたオリーブ果汁も適切である。
【0013】
必要ならば、同時出願の特許出願[代理人整理番号26254WO]に記載され、本明細書に概説されるようなエタノール沈殿によって、繊維および/または非揮発性物質の一部を除去することが可能である。
【0014】
典型的に未加工のオリーブ果汁には、大量の微細な繊維が含まれる。これらは膜フィルターを詰まらせる傾向があり、膨大なメンテナンスを必要とするため、濾過することが難しい。オリーブ果汁に存在する繊維、残渣の油および脂質および/または他の固形物は、凝塊形成が可能であり、a)(体積で)オリーブ果汁または部分的に濃縮されたオリーブ果汁の約40〜400%に等しい量で溶媒を添加し、2相を形成すること、およびb)2相を分離することによって容易に減少させることができる。
【0015】
本プロセスに使用可能な溶媒は、n−ブタノールのような水混和性またはほぼ混和性のいかなる溶媒または溶媒混合物でもあり得る。特に最終製品が、食品中、あるいは医薬品または栄養補給製品の一部として使用される場合、アルコール、特にC1〜C4(またはそれらの混合物)が好ましく、そしてエタノールが特に好ましい。利用可能な他の溶媒としては、アセトニトリルおよびアセトンも挙げられる。
【0016】
溶媒の量は特に重要ではなく、混合物中の水の量に依存する。通常、存在する水の量と少なくとも等しい量で溶媒が必要である。そのため、例えば、エタノールが溶媒である場合、水500mlに対して約600mlのEtOHが必要である。しかしながら、これは広範囲:水の量と比較して約40〜400重量%の溶媒、好ましくは、水の量と比較して100〜240%、より好ましくは約160〜220%の溶媒となる傾向がある。重要な基準は、2つの明白な相が形成されるように十分な溶媒が添加されることである。
【0017】
このステップの温度は特に重要ではなく、0℃〜約80℃、または混合物の沸点未満のいかなる温度の範囲に及んでもよい。都合がよいのは、温度が約20℃〜60℃、最も都合がよいのは室温または約25℃である。
【0018】
この時点で、2つの相が存在し、2つの相を分離するためにいかなる都合のよい手段も使用可能である。分離方法は、材料の実際の構成次第である。ある種のバッチに関しては、ここで濾過器および/または遠心分離機を容易に使用可能である。他のバッチは、単純なデカンテーションまたは通常の相分離によって簡単に加工処理することができる。
【0019】
所望であれば、プロセスをより経済的にするため、溶媒を再利用のために回収可能である。蒸発は、一般に、溶媒を回収する最も簡単な方法である。
【0020】
得られた製品は、固形物、トリグリセリド、脂肪酸(例えばオレイン酸)および脂肪酸エチルエステル(例えばオレイン酸エチルエステル)が減少されたオリーブ果汁抽出物であり、これを本発明の次のステップ用の出発物質として使用することができる。減少とは、抽出物に残留する固形物、トリグリセリド、脂肪酸およびオレイン酸エステルの量が実質的に減少し、ほぼ検知されないことを意味する。必要に応じて、n−ヘキサンによる抽出によって、あるいは遠心分離および/またはデカンテーションによって、トリグリセリド、脂肪酸およびオレイン酸エチルエステルをさらに減少させることができる。最適な結果を得るために、これらの成分の量が可能な限り低い(約1%未満)ことが好ましい。特に好ましい実施形態において、オリーブ果汁抽出物には、固形物が含まれず、トリグリセリドが含まれず、脂肪酸が含まれず、そして脂肪酸エチルエステルが含まれない。
【0021】
[HTの抽出]
本発明により、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチルおよびTHFなどの水不混和性溶媒を使用することによって、上記ステップから得られるような透明で、固形分、トリグリセリド、脂肪酸、オレイン酸エチルエステルが減少されたオリーブ果汁抽出物からヒドロキシチロソルを抽出可能であることが見出された。最終製品が栄養製品または薬品として使用されることを目的とするものを含むほとんどの用途で、酢酸エチル、特に食品級の酢酸エチルが好ましい。
【0022】
抽出物中のヒドロキシチロソルの含有量を増加させるために、(8〜9などの)より高いpHで抽出することが好ましいが、約3〜11の範囲のいかなるpHも使用可能である。約9より高いpHでの加水分解では、遊離オレイン酸も形成されるが、これは、必要であれば、わずかに酸性のpH(約6以下)でn−ヘキサンによって抽出可能である。
【0023】
比較的低い分配係数(EtOAc/水は約1である)のために、最適な結果を得るためには、抽出を数回繰り返す必要があるか、または多段階式抽出カラムで抽出を実行することができる。HTのこのような抽出係数は、pH(pH4〜8で)に影響されないにもかかわらず、より低いpHでは、かなりの量の未知の化合物も抽出され、それによって、抽出物中のHTの純度が低下するため、抽出は、約7以上のpHでより効率的である。
【0024】
抽出ステップからそのように得られた抽出物は、本発明のさらにもう1つの態様を構成する。抽出物は透明であり、出発オリーブ果汁と比較して、固形物の量が減少され、トリグリセリドの量が減少され、脂肪酸の量が減少されている。好ましくは、「量が減少された」とは、非常に低いことであり、すなわち、出発果汁に存在した量の10%未満である量で存在し、そしてより好ましくは、ほとんど検知されない。
【0025】
他のステップで、透明で、固形物、トリグリセリド、脂肪酸オレイン酸エチルエステルが減少されたオリーブ果汁抽出物からHTを抽出する代わりに、吸着プロセスを使用して濃縮することができる。例えば、欧州特許第2172429号明細書、国際公開第02/064537号パンフレットに記載されるようなプロセスで、溶媒によってヒドロキシチロソルを抽出する代わりに、樹脂上での吸着によってヒドロキシチロソルを富化することができる。本プロセスにおいて、中性樹脂、好ましくはAMBERLYST XADまたは同様の種類の樹脂を使用してのクロマトグラフィー処理が好ましい。
【0026】
[HT抽出物の蒸留]
上記プロセスのいずれであっても、結果として得られたHT富化抽出物を、従来の、または好ましい短経路蒸留装置を使用して、ここで蒸留することができる。オリーブ果汁がより低いHT濃度(すなわち、約10%未満)を有する場合、純粋なHTの蒸留が報告されているにもかかわらず(Baraldaら 1983 Liebigs Ann.Chem.684−686)、HTを蒸留することができないため、またはHTが分解するため、蒸留物は不可能である。
【0027】
本発明に従って、驚くべきことに、抽出後、少なくとも約30%のHTを含有する富化抽出物を蒸留して、高い収率(約60%より高い)で、さらにより高濃度の蒸留液を得ることが可能であることが見出された。
【0028】
好ましい実施形態において、約2ミリバール未満の真空で蒸留を行う。結果として得られた蒸留液は、本発明のさらにもう1つの態様を形成し、ほぼ無色で非常に粘性の液体であって、約50〜85%のHTと、8〜15%のチロソルを含有する。
【0029】
所望であれば、蒸留液に第2の分画蒸留を行うことによって、チロソルをほぼ完全に除去することができる。したがって、本発明のもう1つの態様は、以前に得られた蒸留液を再蒸留して、10:1〜>50:1のヒドロキシチロソル対チロソルの比率を有する再蒸留物を製造することである。
【0030】
本発明の蒸留液(すなわち、最初の蒸留の後に製造された蒸留液と、第2の蒸留の後に製造された蒸留液)は、従来の飼料、食品または飲料と組み合わせて使用することにより、人間または動物用の栄養品目の成分であり得る。さらに、従来の方法を使用して、蒸留液を、タブレット、カプセル、液体などの医薬品へと調製してもよい。あるいは、それらを化粧品組成物の一部として使用することができる。
【0031】
本発明を以下の非限定的な実施例においてさらに例示する。
【0032】
[実施例]
[実施例1]
[出発物質]
特記されない限り、記載される全ての%は重量パーセントを指す。
【0033】
出発物質はHIDROX6%(CreAgri,Haywood,CA)であった。(ロット6022406002。これは、クエン酸によって安定化された凍結乾燥オリーブ果汁である。その含有量は以下の通りである。重量%):
炭水化物:約60%
脂質(オリーブ油):約15%
繊維:約10%
ヒドロキシチロソル:2.1%
水:約2%
外観:
水での溶解度:混濁した微細な懸濁液
風味:苦い
色:ベージュブラウン粉末
【0034】
[実施例2]
窒素雰囲気の反応フラスコに、CreAgri(実施例1)からのHIDROX(6%ポリフェノール)100gおよび80mlの水を添加した。この混合物を80℃まで加温し、pH9.0に調節して、続いて、pHを維持するために10モル/lの水酸化ナトリウムを合計38ml連続的に添加しながら、80℃、pH9.0で30分間攪拌した。懸濁液を60℃まで冷却した。ヒドロキシチロソルの含有量は、塩基処理によって約130%まで増加した。
【0035】
200gのエタノールを添加することによって、固形物および沈殿性物質は60℃で沈殿した。混合物を冷却し、30分間、周囲条件で撹拌し、ブフナー漏斗で濾過した。濾過ケーキを、50gのエタノール70%/水30%で洗浄した。10モル/lの塩酸約5mlを用いて濾液をpH5に調節し、そしてローターベイパー(20ミリバール、60℃)で蒸発させ、エタノールを回収し、非揮発性残渣33.5gを得た。含有量[重量%]:7.4%のヒドロキシチロソル、0.8%のチロソル。収率:最初のヒドロキシチロソルの119%。
【0036】
残渣(33.5g)を32mlの水中に溶解した。微量の脂肪酸および油を100mlのn−ヘキサンで抽出した。10モル/lの水酸化ナトリウム約4mlを用いて水相をpH8.0に調節し、そして5×100mlの酢酸エチルで抽出した。有機相を10mlの水で連続的に洗浄した。酢酸エチル溶液を組み合わせ、蒸発させ、3.29gのヒドロキシチロソルを得た。含有量[重量%]:66.0%のヒドロキシチロソル、8.3%のチロソル。収率:最初のヒドロキシチロソルの103%。
【0037】
抽出されたヒドロキシチロソル2.97gを、0.02〜0.2ミリバールの短経路蒸留装置で蒸留し、2.38gのヒドロキシチロソルを得た。含有量[重量%]:80.1%のヒドロキシチロソル、9.7%のチロソル。収率:最初のヒドロキシチロソルの101%。
【0038】
[実施例3]
短経路蒸留の19.7gのヒドロキシチロソル(含有量:70%のヒドロキシチロソル、11%のチロソル)をカラムを通して真空(0.02〜0.2ミリバール)で分画蒸留し、86%のヒドロキシチロソル、2.6%のチロソルの含有量で、9.6gのヒドロキシチロソルを得た。
【0039】
[実施例4]
繊維が除去された濃縮オリーブ果汁試料を得た(含有量=0.89%ヒドロキシチロソル)。243gを190gまで真空でさらに濃縮した(約50%の不揮発性物質を含有した)。窒素雰囲気下の反応フラスコで、混合物を80℃まで加温し、pH8.0に調節し、続いて、pHを維持するために10モル/lの水酸化ナトリウムを合計32ml連続的に添加しながら、80℃、pH8.0で30分間攪拌した。
【0040】
暗色混合物に280gのエタノールを添加し、沈殿物を形成した。混合物を冷却し、周囲条件で1時間撹拌した。溶液の上澄みを沈殿物からデカンテーションし、ローターベイパーで蒸発させ、エタノールを回収した。不揮発性残渣は78gであった。含有量[重量%]:2.6%のヒドロキシチロソル、0.6%のチロソル。収率:最初のヒドロキシチロソルの93%。
【0041】
残渣(78g)を77mlの水に溶解し、5×100mlの酢酸エチルで抽出した。有機相を10mlの水で連続的に洗浄した。酢酸エチル溶液を組み合わせ、蒸発させ、4.0gのヒドロキシチロソルを得た。含有量[重量%]:40.3%のヒドロキシチロソル、9.4%のチロソル。収率:最初のヒドロキシチロソルの74%。
【0042】
抽出されたヒドロキシチロソル3.6gを、0.02〜0.2ミリバールの短経路蒸留装置で蒸留し、3.0gのヒドロキシチロソルを得た。含有量[重量%]:41%のヒドロキシチロソル、14.6%のチロソル。収率:最初のヒドロキシチロソルの63%。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシチロソルが豊富なオリーブ果汁蒸留液の製造方法であって、
a)透明であり、固形物が減少され、トリグリセリドが減少され、脂肪酸が減少された、ヒドロキシチロソル富化オリーブ果汁濃縮物を得ることと、
b)ステップa)からのヒドロキシチロソル抽出物を蒸留し、オリーブ果汁蒸留液を形成することと
を含んでなる方法。
【請求項2】
新鮮なオリーブ果汁と比較して、減少された量の固形物、炭水化物、トリグリセリド、脂肪酸を含有するオリーブ果汁抽出物を、水不混和性溶媒によって抽出し、ヒドロキシチロソル富化オリーブ果汁濃縮物を得ること
を含んでなる方法によって、ステップa)のオリーブ果汁濃縮物が形成される請求項1に記載のヒドロキシチロソルが豊富なオリーブ果汁蒸留液の製造方法。
【請求項3】
抽出ステップがpHを約3〜約11に調節することをさらに含んでなる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
pHが約5〜約10に調節される請求項3に記載の方法。
【請求項5】
pHが約7〜約9に調節される請求項4に記載の方法。
【請求項6】
水不混和性溶媒が、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、THFおよびそれらの混合物からなる群から選択される請求項2に記載の方法。
【請求項7】
溶媒が酢酸エチルである請求項6に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも酢酸エチルの一部を除去することと、ステップb)より前に酢酸エチルを回収することとをさらに含んでなる請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ヒドロキシチロソル富化オリーブ果汁濃縮物が樹脂上でオリーブ果汁を吸着することによって製造される請求項1に記載の方法。
【請求項10】
樹脂がAMBERLYST XAD型中性樹脂である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
c)ステップb)からの蒸留液を再蒸留して、約10:1〜>50:1のヒドロキシチロソル対チロソルの比率を有する再蒸留物を製造すること
をさらに含んでなる請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ステップa)のオリーブ果汁抽出物が、pH7〜9および温度60〜90℃でのオリーブ果汁の加水分解を含んでなる方法によって製造される請求項1に記載の方法。
【請求項13】
透明であり、新鮮なオリーブ果汁と比較して、減少された量の固形物、炭水化物、トリグリセリド、脂肪酸を含有する請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法によって製造されたオリーブ果汁抽出物。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法によって製造されたオリーブ果汁蒸留液または再蒸留物。
【請求項15】
請求項13または14に記載の組成物を含んでなる栄養組成物。
【請求項16】
請求項13または14に記載の組成物を含んでなる飼料組成物。
【請求項17】
請求項13または14に記載の組成物を含んでなる化粧品組成物。

【公表番号】特表2010−536352(P2010−536352A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−521350(P2010−521350)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【国際出願番号】PCT/EP2008/006789
【国際公開番号】WO2009/024317
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】