説明

蒸発加湿器又は物質交換器用の接触体、及び、蒸発加湿器又は物質交換器

波形構造材料層10,10’から成る、蒸発加湿器又は物質交換器用の接触体1に関する。各材料層10,10’が熱可塑性プラスチック材から成り、溶接、接着、ポジ係合によって互いに接続され、各材料層10,10’の2つの長手縁4;5での波形構造軸2,2’が、各長手縁4;5に対してほぼ直交に延出する波形構造軸部24,25;24’,25’を含み、軸2,2’が、各材料層10,10’において、波形構造軸2,2’が少なくとも三回方向転換するように、少なくとも2つの異なる方向に延出する斜め領域21,21’;22,22’を有し、第1斜め領域21,21’における波形構造軸2,2’が、隣接する長手縁4に対して角度α1で位置し、第2斜め領域22,22’が、他の長手縁5に対して角度α2で位置し、両角度α1とα2とが30°〜60°であり、各波形構造材料層10,10’の最大高は12mmである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体の加湿、冷却および/又は洗浄のための蒸発加湿器又は物質交換器用の接触体に関し、前記接触体は、互いに隣接するとともに、一方においては、液体が接触体の上部から通過可能で、他方においては、気体流が横断流としてそれを通過して前記液体へと加湿のために流れることが可能な空間格子構造を形成する複数の波形構造材料層から成る。更に、本発明は、少なくとも1つの接触体を備える蒸発加湿器又は物質交換器、に関する。
【背景技術】
【0002】
最初に述べた目的のための蒸発加湿器と物質交換器、更に、そのための接触体、は実用用途から知られている。上述したタイプの蒸発加湿器と物質交換器は、特に、住居又はオフィス建築物、倉庫、温室、畜舎、その他の部屋、更に、技術設備の、空気の加湿と、同時に空気の冷却、及び、気体又は空気の反応的洗浄、例えば、畜舎からの排気からの、アンモニアなどの悪臭の除去、のために使用される。並置され、前記接触体を形成する前記波形構造材料層は、接触体が占める体積に対して大きな表面を有し、この表面は接触体に液体を充填することによって湿潤される。接触体を通して横断流として前記液体へと流れる気体流によって、前記液体の蒸発が達成され、気体流はそれによって加湿され、物理的に不可避な蒸発によって同時に冷却される。気体流からの、埃粒子などの固体粒子は液体中に保持されそれによって気体流から除去される。更に、気体流中の物体と液体又はこの液体に添加された物質との間で、洗浄作用などの望ましい化学的作用を有する反応を、接触体中において起こさせることができる。
【0003】
従来から知られている接触体においては、個々の材料層中の波形構造軸は、各材料層の一方の長手縁から他方の長手縁へ直線方向に延出しており、これはこれら材料層の製造が単純であるという利点があるが、これによって、空気が非常に低い流れ抵抗を有する接触体を通ることによって、その結果、この接触体を高い流速と、それに応じて短い滞留時間で流れることになるという欠点がある。更に、そのように単純な波形構造材料層を有する接触体では、これら材料層を、波形構造軸の長手方向に光が通過することが許容され、これがいくつかの用途、特に、人工的な昼/夜リズムの畜舎においては、厄介で望ましくないという問題がある。
【0004】
上述したタイプの接触体と、上述した用途用に、波形構造材料層用として二種類の材料が知られている。第1の材料は、紙であり、これは、一方では含浸によって湿潤可能であり、他方においては補強されて、それによってそれから作られた接触体は自己支持構造とされる。更に、前記湿潤は、水と空気の作用下での接触体の分解を防止するために行われる。出発物質として、紙は非常に経済的であるが、その湿潤にも拘わらず、この材料の接触体は、比較的限られた安定性と耐性しかないことが判った。これによって接触体を比較的頻繁に交換する必要が生じる。更に、この材料は、酸耐性ではなく、そのため、接触体の酸による洗浄、例えば、ギ酸やクエン酸での脱石灰、は不可能である。更に、この材料の物理的安定性は低いので、紙の即座の破壊をもたらす高圧水噴流による接触体の洗浄は除外される。事実、紙の接触体では、例え低い負担でも、比較的短い寿命しか達成されない。
【0005】
前記波形構造材料層の第2の材料として、無機、耐腐食性、吸湿性で不燃性であるファイバグラスが知られている。この材料は、事実、より長い寿命と安定性を期待することができる。しかし、これは、高い材料費の代償で初めて得られるものである。
【0006】
更に、公知の接触体の欠点は、上述した材料からなる材料層を互いに接続するのに通常使用されるいかなる接続構造も恒久的に耐久性があるものではないという点にある。特に、間欠的作業、即ち、断続的に湿潤又は濡れ状態で、断続的に乾燥状態となる作業に使用される接触体では、接着接続の領域の層材料が特に応力を受け、比較的早く接着剤とのその接続状態が失われる。最悪のケースでは、これによって接触体の分解が起こり、使用不能となる。ここでも、酸は、材料層の結合に対して通常悪影響を与える。
【0007】
DE 28 31 639 C2は、材料及び熱交換器とミスト収集器用のプレート電池を開示し、これは、その波の底部が横断流を形成する複数の反対方向の波形構造プレートと、隣接するプレートとを備え、波形構造の頂部は互いに接触するか、若しくは、空隙を挟んで互いに反対側に位置し、流路は、流れに影響を与える固定具(fixtures)を有する。更に、ここでは、前記流路に横壁が配設され、これらの壁は、各隣接するプレートの波頂部に、接触又は空隙を挟んで分布され、いわば三次元的なジグザグ状の流路が隣接するプレートの流路部分から形成されている。前記プレートは、プラスチックから形成することができ、深絞りによって形成することができる。
【0008】
この公知のプレート電池の場合、波形構造部のそれぞれがプレート電池の全厚みを通って延出する直線状の波形構造軸を有することが欠点であると見なされる。プレート電池を通って流れる空気が短すぎない滞留時間でかつ高すぎない速度でそれを通って流れるようにするためには、プレート電池の内部に追加の横壁を配設しなければならず、これによってその構造が高価なものになる。更に、波形構造軸の連続的な直線的配置によって、上部からプレート電池内に供給される液体がプレート電池の前方と後方、即ち、空気上昇流側と空気下降流側から通過して、それから排出されこの液体部分が空気流との交換のためにもはや利用不能となる可能性が高い。
【0009】
DE 26 07 312 B2は、チャンバを通って流れる空気を加湿するための装置を開示し、これは、前記チャンバ内に配置された水と空気のための複数の接触体を有し、これら接触体は、複数の平行な波形構造板から成り、これらの板には垂直に水が流され、これらの板は、これら板の間での水平方向の空気の流れを可能にするためにスペーサによって互いに分離されている。ここで、前記接触板のひだ部は実質的に垂直に延出し、それらのひだ部の高さは非常に低くそれらのひだ部のシーケンスは非常に短いので、これらのプレートに供給される水が実質的に全プレート表面にわたる毛細管力によって保持されるように構成され、そして、前記スペーサは、そのひだ部が実質的に水平に延出する波形構造支持プレートから成る。この装置は、特に、装置を通って流れる空気によって水滴が捕捉される問題を解決しようとするものである。前記接触プレートを構成する材料は、吸湿性、例えば、紙、非吸湿性、例えば金属又はプラスチック、である。
【0010】
この装置では、その垂直に延出する流路によって水が装置を非常に高速に流れ、したがって、短い装置中での滞留時間しかないことが欠点であると考えられる。同じことは、装置を通って流れ、非常に低い抵抗で、そしてそれに対応して非常に高い流速で直線状の水平な流路にそって装置を通過する空気流にも当てはまる。
従って、空気流も装置内での滞留時間が短い。したがって、この装置は空気の所望の加湿性に関して効率が比較的低い。
【0011】
EP 0 554 471 B1から、熱交換器、物質交換器又はバイオリアクタ用のビルトインエレメントが知られており、このエレメントは、その内部に形成された、互い交換又は反応される二種類の流体媒体の流路において逆流状態で流すことができ、ここで、前記エレメントは、第1媒体用の入口側と出口側、そして第2媒体用の入口側と出口側とを有し、かつ、該エレメントは、互いにその頂部が固定され、熱可塑性膜から成る少なくとも2つの壁から構成され、これらの壁のそれぞれは互いに対して、その固定点が頂部領域と底領域とに配設され、かつ、互いに固定された二つの隣接する壁がその頂部と底部とが互いに対して角度βで配置されるように構成されている。ここでは、更に、前記ビルトインエレメントは、前記2つの流体媒体の一方の流れ方向において、モジュール的に直列接続されたエレメント部を有し、それぞれ、1つのエレメント部から次のエレメント部に向けて、流率が2つの流体媒体間において、角度β=0の逆流から角度β≠0の逆流へ、又は、角度β≠0の逆流から角度β=0の逆流へと、変化するように構成されている。このビルトインエレメントは、発電所やケミカルプラント用の冷却塔において所謂滴下 (trickling)エレメントとして使用されるものである。それらは大きな表面積と長い流路を形成し、これらはコンパクトな三次元空間に収納される。個々の層の波形構造の高さは、通常、約20mm〜30mmであり、比較的大きい。その外形は、例えば、立方体又は円筒形とすることができる。このようなビルトインエレメントを通過して流れる流体媒体の滞在時間は、その構成により、化学又は生物的反応における熱又は物質交換のために十分に長いものであって、前記媒体は、例えば、前記エレメントを重力によって流れる液体、及びエレメントを通してファンによって送られる気体、とすることができる。これらの公知のビルトインエレメントは、基本的に、水がその頂部から底部へと流れ、空気が底部から頂部へと流れる逆流冷却装置を構成するために使用される。従って、前記ビルトインエレメントを通って流れる水は、逆流して流れる空気によって冷却され、蒸発した水は冷却塔の排気とともに何ら利用されることなく、大気中へと逃げる。冷却塔用の個々のビルトインエレメントは、比較的大きなものであって、その標準高さは300mm以上であり、その幅も同程度である。実際には、冷却塔のビルトインエレメントの長さは2メートル以上にもなる。更に、冷却塔内には、複数の層、大抵は4つから6つの層、が、積層される。同様に、各層において複数のビルトインエレメントが並置されている。冷却塔内において全体として非常に大きなビルトイン装置となり、それは、水に対するなんらかの冷却作用を実現するためには、必然的に大きなサイズにしなければならない。これに対して、本発明による接触体は、逆流としての液体と気体とが、液体が重力によって頂部から底部へと流れ気体がそれに対して横切るようにほぼ水平方向で流れる、空間的に小さくコンパクトな装置として使用されることを目的とするものである。それ自身、接触体用としては大きすぎる冷却塔用ビルトインエレメントがもしも接触体として使用されるならば、頂部に供給される液体は、比較的短い距離の後に、既に、接触体の前部と後部とに排出されることになり、気体流との交換のためにはもはや利用できなくなってしまうであろう。これに対して、本発明による接触体では、液体が、接触体の頂部から底部への流路全体を通じて、接触体の内部に留まることが必須である。上述した理由により、冷却塔用のビルトインエレメントは、本出願の意味における接触体としての利用に適したものではない。
【0012】
【特許文献1】DE 28 31 639 C2
【特許文献2】DE 26 07 312 B2
【特許文献3】EP 0 554 471 B1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明の第1の課題は、上記タイプの接触体であって、上述した欠点を回避し、特に、高い安定性と、良好な耐久性、経済的な製造、良好な効率をコンパクトな構成で実現することにある。更に、前記接触体は、洗浄が容易で、光の通過を阻止するものでなければならない。更に、少なくとも1つの接触体を備えた蒸発加湿器又は物質交換器を形成することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この課題の第1の部分は、上述したタイプの接触体であって、本発明による以下を特徴とする接触体によって達成される。
前記各材料層が熱可塑性プラスチック材から成り、
前記材料層が溶接および/又は接着および/又はポジ係合(positive fit)によって互いに接続され、
各材料層の2つの長手縁での波形構造軸が、前記各長手縁に対してほぼ直交に延出する波形構造軸部を含み、そしてこれら波形構造軸部間の波形構造軸が、各材料層において、波形構造軸が少なくとも三回方向転換するように、それらの間に少なくとも1つの方向転換部を備える、前記長手縁に対して斜めに延出するとともに少なくとも2つの異なる方向に延出する領域を有し、
第1斜め領域における前記波形構造軸が、隣接する長手縁に対して角度α1で位置し、第2斜め領域ではそれらの軸が他の長手縁に対して角度α2で位置し、
前記両角度α1とα2とが30°ないし60°であり、そして、
前記各波形構造材料層が、12mm以下の波形構造高さを備えている。
【0015】
本発明によって提供され、各材料層内において少なくとも三回存在する、前記波形構造軸の方向転換によって、一方では、個々の材料層の物理的安定性のみならずそれから形成される接触体の物理的安定性が提供され、それにより、それか比較的大きな容量でも軽量で同時に非常に安定したものとなる。本発明による前記接触体の第2の利点は、前記波形構造軸の複数回の方向転換により、気体流と光線との直線状の通過の可能性が無くなることにある。従って、この接触体内を流れる気体流は前記波形構造軸の少なくとも三回の方向転換によって高い流れ抵抗とより高い乱れとを受けることになる為に、この気体流が接触体内を通過する滞留時間が増大する。そしてそれによって生じる乱空気流は、液体から気体流内への、又は、液体と気体との間の物質交換、における湿気の取り込みに有利である。同時に、波形構造軸の方向転換によって外部から接触体に当たる光線が完全にシールドされるために、例えば人工的な昼夜リズムの畜舎などのある種の用途においては厄介な問題であるところの外部からの接触体を通る光の伝達が安全に回避される。接触体内へ気体の侵入と接触体からの気体の排出時において最も好適な気体流条件を確保するために、前記波形構造軸は、各材料層の前記2つの長手縁において、各長手縁に対してほぼ直角に延出する長手軸部を有する。これにより、気体の侵入時と排出時において、すべての部分気体流が互いに対して平行に、かつ、接触体の上昇流表面と下降流表面とに対してそれぞれ垂直に、流れるという作用が達成される。これによって流れの障害が防止される。更に、このように構成された各長手縁によって、隣接する材料層を安定的に相互接続することが可能になるという利点が提供され、これは、全体的に、接触体の安定性と強度とにとって非常に有利である。前記材料層のそれぞれが熱可塑性プラスチックの膜から成ることによって、接触体の高い安定性と恒久的な耐久性が得られ、接触体は、酸による損傷無く作動することができ、又は、必要な場合には、脱石灰のために酸で処理することかでき、或いは、たとえ高温の水でも、高圧水で物理的に洗浄することができる。実際、これによって、従来の接触体の二倍あるいは二倍以上の寿命が達成される。材料層の膜は多孔性ではなく、従って紙のようには液体を吸収しないが、本発明による接触体は、波形構造軸の複数回の方向転換と、擾乱気体流とによって、少なくとも、上述した公知の材料からなる同じサイズの従来の接触体と同等の蒸発又は交換能力を有する。熱可塑性プラスチックの膜を使用することによって、接続により、材料層の恒久的に耐久性を有する接続が達成される。例え、或いは、本発明による前記材料層が溶接又はポジ係合(positive fit)によって互いに接続された場合でも、材料層の恒久的結合は湿気と乾燥との頻繁な変化によっても悪影響を受けるものではない。紙材料から成る従来の接触体においては、材層上又は材料層内の、カルシウムなどの堆積物によって、多孔性の減少によって、性能が低下するが、本発明に接触体では、材料層の表面上に堆積物の薄い層が形成されれば、それによってかえって性能が向上する。というのは、この堆積物の薄層によって、液体による材料層の広範囲な濡れが促進されるからである。
【0016】
別の好適実施例によれば、前記方向変換部は、前記波形構造軸の前記斜め領域の間の前記材料層の長手中央軸上にある。この実施例は、一方で、単純でありながら、他方で、有利な対称構造、したがって、材料層、そしてそれによって形成される接触体、の全ての方向において同等に安定した構造を達成する。
【0017】
更に、好ましくは、前記長手中央軸の一方の前記波形構造軸は、互いに対して平行に、かつ、前記長手中央軸に対して角度α1で延出し、前記長手中央軸の他方の前記波形構造軸は、互いに対して平行に、かつ、前記長手中央軸に対して角度α2で延出する。角度α1とα2との適切な選択によって、空気流に対する所望の流れ抵抗を得るために、或いは、蒸発又は交換能力を最適化するために、接触体の特性に対して特異的に影響を与えることができる。本発明による前記接触体の特性は、比較的単純な方法で調節することができるので、空気加湿、冷却および/又は洗浄用の既存のプラントにおいて、そのプラントに対するなんら追加の技術的変更を必要とすることなく、従来の接触体を、何ら問題無く、本発明による接触体によって置き換えることができる。
【0018】
ここでの単純な対称構成は、好ましくは、前記角度α1とα2とが互いに反対向きでしかも同じ大きさを有することによって達成される。
【0019】
角度α1とα2との大きさは、好ましくは、それぞれ材料層の長手中央軸に対する測定で、約45°である。前記波形構造軸は、それぞれ、各材料層の長手中央軸での90°の偏向を表す。
【0020】
接触体の材料層の長手縁部に対してほぼ直角に延出する前記波形構造軸部は、気体流と液体流との間の物質交換に対して比較的僅かしか貢献しないので、これらの波形構造軸部は、比較的短いものにすべきである。この点に関して、好ましくは、接触体の材料層の長手縁部に対してほぼ直角に延出する前記波形構造軸部は、それぞれ、それに対して鉛直なそれらの長手縁部の間での測定での材料層の全長の5%〜15%に相当する軸方向長さを有する。
【0021】
連続使用において、前記接触体は、気体が接触体と接触するようになる上昇流表面において特に、最も大きな物理的応力を受け、そこから気体が逃げる下降流表面ではそれよりも低い応力を受ける。ここで接触体を特に耐久性の高いものとするために、各材料層の前記長手縁部の1つから延出する少なくとも1つの辺縁領域は大きな材料厚を有するように構成される。この増加された材料厚は、更に、これらの辺縁領域において材料層の溶接又は形状嵌合(formfitting)接続が改善、促進され、それによって特に安定した接続構造が提供されるという利点を提供する。更に、前記増加材料厚は、接触体が高圧水噴流によって洗浄された時の接触体に対する損傷のリスクを低減する。
【0022】
前記長手縁部の1つから延出する増加材料厚を有する前記辺縁部は、好ましくは、気体流が、磨耗性固体粒子、例えば、ダストや砂、を捕捉し、その後、それらが接触体中の気体流から分離される時に、特に有利な、気体上昇流側の辺縁領域である。
【0023】
同じ構成によって、前記材料層を、互いに対して異なる状態で配置することができ、それによって接触体の異なる特性を達成することができる。この点に関する第1の実施例では、2つのそれぞれ隣接する材料層が、波形構造軸が前記斜め領域において互いに交差する状態で互いに近接配置される。この構成において、接触体内での気体流抵抗は比較的低く、気体の蒸発は、主として、気体流の乱流によって行われる。
【0024】
別実施例では、2つの隣接する材料層は、波形構造軸が互いに対して平行となる状態で、互いに近接配置される。この構成においては、接触体内での気体流抵抗は比較的高く、気体の蒸発は、主として、気体が波形構造の最も深い領域において液体の収集を通して圧縮されることによって行われる。これにより、気体が高率で加湿されるが、そのためには、気体をより高い率で供給することが必要であり、このような供給率は、例えば、対応する能力のファンによって提供することができる。
【0025】
前記気体のための流路は、接触体の内部において所望の気体の乱流を達成するためには比較的短いものとすべきである。好ましくは、前記波形構造材料層の波形構造高さは、6〜10mm、好ましくは約6mmである。
【0026】
物理的安定性を増大させ、かつ、体積を増大させることなく接触体の濡れ可能面積を増大させる目的で、2つの波形構造材料層の間に、孔有り、又は孔無しとすることが可能な、平坦な追加の材料層を設けることができる。
【0027】
この層は、接触体のある種の用途において光バリアとして作用する。これについて好ましくは、前記材料層を形成する熱可塑性プラスチックが暗色、好ましくは、黒色に着色される。これによって入射光は大幅に吸収される。
【0028】
別実施例では、前記材料層を形成する熱可塑性プラスチックは、活性炭によって着色される。これによって、プラスチック材は黒色になるとともに、同時に、それはUV放射線に対して抵抗性を備えたものとなり、これは、接触体が太陽光線に対して露出される場合には重要である。これに対して、紙材料から成る公知の接触体は、光に晒されたとき比較的急速に脆くなり、従って、非常に損傷を受けやすいか、使用不能となることさえある。
【0029】
接触体中の気体流の乱流性を促進するために、更に、前記材料層が、それらの波形構造に加えて、これら波形構造に対して小さな、乱流生成又は乱流増大構造、を備えたものとされる。
【0030】
具体的には、上記構造は、例えば、前記材料層のエンボス部によって形成することができる。材料層は、熱可塑性プラスチックから成るので、前記エンボス部は、容易に提供することができ、例えば、前記材料層の波形構造を形成する時に既に準備されている高温の工具によって恒久的に安定的に提供することができる。
【0031】
前記材料層に対して可能な限り迅速かつ容易に接触可能とするために、好ましくは、前記材料層の溶接および/又は接着および/又はポジ係合(positive fit)相互接続部は、2つの隣接する材料層のそれぞれ接触する表面領域における選択的接続部とされる。対応の溶接点は、例えば加熱可能な溶接スパイク又はランスによって、形成することができる。接着接続の場合、接着点は便宜配置され、ポジ係合(positive fit)接続点は、例えば、スナップファスナ状に構成、形成することができる。記載した全てのタイプの接続は、熱可塑性プラスチックから成る材料層上において非常に長い耐久性を有し、それらは、液体の種類、又は変化する湿/乾燥条件のいずれによっても損傷を受けることがない。
【0032】
前記プラスチックは、好ましくは、ポリプロピレン(PP)、又はポリエチレン(PE)又はポリスチレン(PS)又は塩化ポリビニール(PVC)とすることが提案される。それらの特性により、これらのプラスチック材は、経済的で、非常に濡れやすく、耐久性があり、強度があるので接触体用として特に適切である。
【0033】
既に最初に述べたように、接触体に加えて、本発明は、更に、上述したタイプの接触体を少なくとも1つ備える蒸発加湿器又は物質交換器にも関する。本発明による蒸発加湿器又は物質交換器は、前記接触体が、蒸発加湿器又は物質交換器の壁式部材として構成され、垂直に延出する長手縁を備える前記材料層が垂直平面に配置され、前記接触体の厚みを形成する、それらの長手縁間の材料層の長さが前記接触体の高さと幅よりも小さいことを特徴とする。前記高さと幅に対して、前記接触体の厚みは、本発明の蒸発加湿器又は物質交換器においては比較的小さい、が、本発明による前記接触体の構成により、たとえ、気体流が接触体をその最も小さな寸法の方向に通過する場合においてさえ、液体と気体流との間の適切な接触と交換が確保される。従って、建物の壁に設置可能で、しかも、それらが設けられる建物の壁よりも大幅に厚みが大きくない蒸発加湿器又は物質交換器を形成することができる。これにより、建物内において蒸発加湿器又は物質交換器を非常にコンパクトに設置することが可能となる。更に、窓開口部を備えた既存の建築物において、建築物の内部空間の冷却のために、1つの窓又は複数の窓を、本発明によって適当に製造された蒸発加湿器又は物質交換器と置き換えることも可能である。
【0034】
更に、本発明による蒸発加湿器又は物質交換器において、好ましくは、前記接触体を通過可能な気体は、空気、又は、気体および/又は液体および/又は固体汚染物質又は混入物を含む空気である。この場合、前記蒸発加湿器又は物質交換器は、空気の加湿及び冷却、又は、その洗浄を行い、そのような空気は、外部環境から取り入れられ、それが建物内に供給されるまでに洗浄されるか、或いは、建物からの排出空気又は装置から出る汚染物質は、それが大気中に放出される前に洗浄される。
【0035】
本発明による蒸発加湿器又は物質交換器において、更に、好ましくは、前記接触体を通過可能な液体は水又は、酸又はアルカリ液である。水の使用によって、特に、接触体を通過する気体の加湿と冷却とが行われる。酸又はアルカリ液が使用される場合、前記液体は、特に、前記接触体を通過する気体流との化学反応に使用される。厩舎の通気の場合、この反応は、例えば、前記液体として硫酸を使用した化学的吸収による、接触体を通過する空気からのアンモニアの分離とすることができる。この場合、アンモニアは、硫酸とによって、硫酸アンモニウムに変換され、これが酸と共に排出される。本発明による蒸発加湿器又は物質交換器の接触体は熱可塑性膜から成るので、酸やアルカリなどの侵食的な(aggressive)液体も、接触体に対して損傷を与えること無く使用することが可能である。紙材料から成る接触体では、そのような侵食的な液体は、急速な損傷又は破壊をもたらすであろう。
【0036】
本発明によれば、更に、前記蒸発加湿器又は物質交換器において、少なくとも1つの接触体が、蒸発加湿器又は物質交換器の保持フレームに取り外し及び交換可能に保持されることが提案される。これにより、必要であれば、蒸発加湿器又は物質交換器を迅速にメンテナンスすることが可能となる。同時に、蒸発加湿器又は物質交換器の接触体を、オプションとして、ビルトイン状態又は、或いは、取り外された状態で、洗浄し、その後、それを再使用することができる。なぜなら、それらの高い物理的及び化学的耐性により、個々の接触体を、高温水とすることさえも可能な高圧の水噴流のみならず、例えば、脱灰剤によって化学的にも、何ら損傷を与えることなく、洗浄のために処理することが可能であるからである。
【0037】
最後に、本発明による蒸発加湿器又は物質交換器において、接触体を通過する前記液体用に、少なくとも1つの循環ポンプが、設けられ、これに加えて又はそれに代えて、前記接触体を通過する前記気体のために少なくとも1つのファンが設けられる。これにより蒸発加湿器又は物質交換器は、外部装置から独立したものなり、それによって、蒸発加湿器又は物質交換器の問題の無い運転が確保される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の2つの実施例を、図面を参照して説明する。これら図面において、図1は接触体の断面の略側面図であり、図2は接触体を備える空気加湿器又は物質交換器を示す図であり、図3は前記接触体の個々の材料層の断面を図示している。
【0039】
図1を参照すると、接触体1は、それぞれ図面の平面に対して平行で、かつ、互いに前後にかつ隣接して配置されるとともに、適当な方法で互いに接続されて接触体1を形成する、複数の材料層10及び10’を有する。使用時において、前記接触体1内の材料層10,10’は、通常は垂直面にある。
【0040】
全ての材料層10,10’は、波形構造軸2,2’を備える波形構造を有し、前記軸のそれぞれは前記波形構造の波形構造の谷部又は波形構造の頂部を通るコースに等しい。
【0041】
図面の観察者に面する前記材料層10は、実線で示されている波形構造軸2を有する波形構造を有する。その断面において、前記波形構造は、例えば、正弦波、台形又は直交形のものとすることができる。図1における左側の長手縁4から、前記波形構造軸2は、先ず、右側へ水平に延出し、それによって、接触体1の辺縁領域40を形成する波形構造軸部24が形成されている。更に右側に向けて、前記波形構造軸20は、領域21において材料層10の長手中央軸3に対して斜め下方に延出している。波形構造軸2は、そこで、約90°の方向転換23を行い、その後、更に右側に向かって、領域22で再び上方に延出する。波形構造軸2は、右側長手縁5に設けられた辺縁領域50において再び水平に延出する。
【0042】
左側の長手縁4とそれに対して平行な長手中央軸3とに対して、長手軸3の左側の前記波形構造軸2は、角度α1を形成し、そして、それに対して鏡面対称に、長手中央軸3の右側に対して、角度α2を形成する。ここで、これらの角度α1及びα2はそれぞれ45°であり、従って、長手中央軸3において波形構造軸2のコースにおける前記方向転換部23の角度は90°になる。
【0043】
観察者に面して前記第1材料層10の真後に位置する第2材料層10’において、破線で示された波形構造軸2’は、辺縁領域40及び50において第1材料層10に対して平行に延出し、それによって、第2材料層10’において、前記辺縁領域40及び50に形成されて、接触体1のこれら辺縁領域40及び50において前記第1材料層10の波形構造軸部24及び25と平行な、波形構造軸部24’及び25’が形成されている。ここで、前記第1材料層10は、それぞれ、前記第2材料層10’に面する波形構造底領域で、第1材料層10に面するこの第2材料層10’の波形構造頂部領域に隣接している。これらの隣接領域において、各接続点6が、溶接および/又は接着および/又はポジ係合(positive fit)として提供されている。
【0044】
前記コースの続きにおいて、前記波形構造軸2’は、前記波形構造軸2に対して対称状に反対側のコースを有する。これは、前記第1材料層10と形状が同じ第2材料層10’を、第1材料層10に対して上下逆さまにすることによって簡単に達成することができる。これによって、両波形構造軸2及び2’が、互いに、この実施例では90°の角度で、交差する構成が達成される。前記波形構造軸2’の左側から右側のコースをみると、それによって、材料層10’の左側長手縁4から、前記水平な波形構造軸部24が延出している。辺縁領域40の右側において、波形構造軸2’は、領域21’で長手中央軸3に対して斜め上方に延出している。そこに設けられる方向転換部23’から、波形構造軸2’は、右側の底に対して右側辺縁領域50へと斜め下方に延出している。その後、波形構造軸2’は、辺縁領域50内の波形構造軸部25’として再び水平に延出している。
【0045】
図面の例によって説明したように前記材料層10及び10’の波形構造によって、複数の材料層10,10’を交互に接続することによって、空間格子が形成され、これを通して、例えば、気体流、例えば、空気流、が左から右に水平に流れることができ、更に、これを通して、液体流、例えば、水流、が、上から下に垂直に滴下することができる。それによって前記気体は、液体流から水分を吸収し、その結果、気体流が加湿され、冷却される。更に、それによって気体を洗浄することができ、ダストなどを除去することができる。
【0046】
前記材料層10,10’の材料は、熱可塑性プラスチック、例えば、ポリプロピレン(PP)、又はポリエチレン(PE)又はポリスチレン(PS)又は塩化ポリビニール(PVC)である。前記膜は、好ましくは、熱と非常に効率的な製造を可能にする形成工具とを使用して、押出し連続処理によって好適かつ有利に製造することができる。冷却後、前記膜はその形状で固定され、特に、個々の材料層10、10’を接触体1に接続した後は、たとえ材料の厚みが小さくても良好な安定性を有する。前記材料層10、10’は、先ず、大きな膜シートとして形成し、熱形成することができ、それらの形状での冷却と固化との後、それらを所望の必要な長さと幅に切断することができる。更に、前記態様の製造によって、材料層10,10’の材料厚みをそれらの幅に亘って変化させ、それによって、特に2つの辺縁領域40,50において材料厚を増大させることができる。これらの辺縁領域40及び50において、個々の材料層10,10’は、例えば、単純で耐久性のある方法で熱融着などによって互いに接合して前記接触体1を形成する。
【0047】
図面の例からの変形例において、前記角度α1とα2は、勿論、その他の値および/又は変化する値を有することが可能である。更に、前記波形構造軸2、2’は、例に示した三つの方向転換部よりも多数の方向転換部23,23’を含むものとすることができる。
【0048】
図2は、蒸発加湿器又は物質交換器7の一例を示す略斜視図であって、この蒸発加湿器又は物質交換器7は、単数又は複数の接触体1を備えている。この単数又は複数の接触体1アセンブリ(arrangement)は、必要に応じた接触体1の簡単な取り外しと設置が可能とするべく、両側方に設けられた保持フレーム71に取り外し可能に構成されている。上部において、前記接触体1アセンブリの上方には液体ディストリビュータ71が設けられ、液体が上部から接触体1のアセンブリ内へと導入され、それらの上部に渡って可能な限り均等に分配される。前記液体、例えば、水又は酸、は、接触体1のアセンブリを通って滴下し、重力の作用によって上部から下部へと空間構造を形成し、このようにして、それは最終的に、トラフ構造に構成されるとともに接触体1のアセンブリの下方に設けられている集液器74に到達する。ここに提示した実施例においては、この集液器74の内部に循環ポンプ72が設けられ、これが液路75を介して前記液体を集液器74から前記液体ディストリビュータ71へと供給し、そこから液体は再び接触体1アセンブリを通って下方へと流れる、又は、滴下する。使用済みの液体は必要に応じて、手動によって、又は自動的に補給される。
【0049】
前記液体に対する直交流として、気体流が前記接触体1アセンブリを通して実質的に水平方向で流れ矢印79の方向に通される。これのために、図2において前記蒸発加湿器又は物質交換器7の後部に、観察者から離間して配設されたファン76が使用され、このファンは周部保護壁によってその周部が包囲されている。
【0050】
前記接触体1アセンブリ内において、図1において既に説明した材料層10,10’が、垂直方向に交互に配設され、これら材料層10,10’の長手縁5が観察者に面している。
【0051】
前記接触体1アセンブリな内部において、前記液体流と、それに対して直交して流れる前記気体流は、流れ方向79において互いに交換状態となり、前記液体の一部が気化し、それによって前記気体流は加湿されるとともに冷却される。同時に、前記気体流は蒸発加湿器又は物質交換器7内において洗浄することができ、それによって、例えば、流入する気体流から固体又は液体粒子が洗い流されるか、または、気体と液体との間で化学反応が生じる。
【0052】
図2に明瞭に図示されているように、水平方向、即ち、気体流方向79に対して平行な方向視で、前記接触体1アセンブリは、比較的小さな厚み又は深さしか有していないので、蒸発加湿器又は物質交換器7を建築物の壁、又は機械のハウジングやプラントに、何ら問題無く設置することが可能である。前記波形構造軸のコースにより、図1に図示されているように、複数の方向転換によって、接触体1の厚みがたとえ僅かなものであっても、それによって、液体流と気体流との間で強力な交換と相互反応が生じ、それによってコンパクトな構成で高い効率が確保される。
【0053】
図3は、接触体1の個々の材料層10又は10’の断面を図示している。ここで前記波形構造は、高さhを備えた台形の構造である。前記波形構造に加えて、前記材料層10,107は、隆起したエンボス構造として構成された更に小さな構造11,11’を有し、これが、材料層10,10’上を通過する気体流中に望ましい乱流を発生させるのに貢献する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】接触体の断面の略側面図
【図2】接触体を備える空気加湿器又は物質交換器を示す図
【図3】接触体の個々の材料層の断面図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体の加湿、冷却および/又は洗浄のための、蒸発加湿器又は物質交換器用の接触体(1)であって、前記接触体(1)が、互いに隣接するとともに、一方においては、液体が接触体の上部から通過可能で、他方においては、気体流が横断流としてそれを通過して前記液体へと加湿のために流れることが可能な空間格子構造を形成する複数の波形構造材料層(10,10’)を含むものにおいて、
前記各材料層(10,10’)が熱可塑性プラスチックの膜から成り、
前記材料層(10,10’)が溶接、接着、及びポジティブ係合(6)の少なくとも何れか1つによって互いに接続され、
各材料層(10,10’)の2つの長手縁(4,5)での波形構造軸(2,2’)が、前記各長手縁(4;5)に対してほぼ直交するように延出する波形構造軸部(24,25;24’,25’)を含み、これら波形構造軸部(24,25;24’,25’)間の波形構造軸(2,2’)が、各材料層(10,10’)において、波形構造軸(2,2’)が少なくとも三回方向転換するように、それら波形構造軸の間に少なくとも1つの方向転換部(23)を備える、前記長手縁(4,5)に対して斜めに延出するとともに少なくとも2つの異なる方向に延出する領域(21,21’;22,22’)を有し、
第1斜め領域(21,21’)における前記波形構造軸(2,2’)が、隣接する長手縁(4)に対して角度α1で位置し、第2斜め領域(22,22’)ではそれらの軸が他の長手縁(5)に対して角度α2で位置し、
前記両角度α1とα2とが30°ないし60°であり、
前記各波形構造材料層(10,10’)は、その波形高さが12mm以下であることを特徴とする接触体。
【請求項2】
請求項1に記載の接触体であって、前記方向変換部(23)は、前記波形構造軸(2,2’)の前記斜め領域(21,22;21’,22’)の間の前記材料層(10,10’)の長手中央軸(3)上にある。
【請求項3】
請求項2に記載の接触体であって、前記長手中央軸(3)の一方の前記波形構造軸(2,2’)は、互いに対して平行に、かつ、前記長手中央軸(3)に対して角度α1で延出し、前記長手中央軸(3)の他方の前記波形構造軸は、互いに対して平行に、かつ、前記長手中央軸(3)に対して角度α2で延出する。
【請求項4】
請求項3に記載の接触体であって、前記角度α1とα2とは互いに反対向きで、且つ、同じ大きさを有する。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の接触体であって、前記角度α1とα2とは、それぞれ約45°である。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の接触体であって、前記長手縁(4,5)に対してほぼ直交方向に延出する前記波形構造軸部(23,25;24’,25’)は、それぞれ、それらに対して垂直なそれらの長手縁(4,5)間での測定で前記材料層(10,10’)の全長の5〜15%と同等の軸心方向長さを有する。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項に記載の接触体であって、前記各材料層(10,10’)の前記長手縁(4,5)の一方から延出する少なくとも1つの辺縁領域(40,50)は、増大された材料厚みを有する。
【請求項8】
請求項7に記載の接触体であって、前記長手縁(4,5)の一方から延出する増大材料厚を有する前記辺縁領域(40,50)は、気体上昇流側(40)の辺縁領域である。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか一項に記載の接触体であって、2つのそれぞれ隣接する材料層(10,10’)は、波形構造軸(2,2’)が、前記斜め領域(21,21’;22,22’)において互い交差する状態で、互いに隣接している。
【請求項10】
請求項1〜8の何れか一項に記載の接触体であって、2つのそれぞれ隣接する材料層(10,10’)は、波形構造軸(2,2’)が、互いに平行な状態で、互いに隣接している。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか一項に記載の接触体であって、前記材料層(10,10’)の前記波形構造の高さは、6〜10mm、好ましくは約8mmである。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか一項に記載の接触体であって、2つの波形構造材料層(10,10’)のそれぞれの間に、孔有り又は孔無し構造である平坦な別の材料層が設けられている。
【請求項13】
請求項1〜12の何れか一項に記載の接触体であって、前記材料層(10,10’)を形成している前記熱可塑性プラスチックは、暗色、好ましくは、黒、に着色されている。
【請求項14】
請求項13に記載の接触体であって、前記材料層(10,10’)を形成している前記熱可塑性プラスチックは、活性炭によって着色されている。
【請求項15】
請求項1〜14の何れか一項に記載の接触体であって、前記材料層(10,10’)は、それらの波形構造に加えて、更に、前記波形構造よりも小さな、乱流生成構造又は乱流増大構造(11,11’)、を備えている。
【請求項16】
請求項15に記載の接触体であって、前記構造(11,11’)は、前記材料層(10,10’)のエンボス加工によって形成されている。
【請求項17】
請求項1〜16の何れか一項に記載の接触体であって、前記材料層(10,10’)の前記溶接および/又は接着および/又はポジティブ係合相互接続(6)は、2つの隣接する材料層(10,10’)のそれぞれ接触する表面領域における選択的接続部である。
【請求項18】
請求項1〜17の何れか一項に記載の接触体であって、前記プラスチックは、ポリプロピレン(PP)、又はポリエチレン(PE)又はポリスチレン(PS)又は塩化ポリビニール(PVC)である。
【請求項19】
請求項1〜18の何れか一項に記載の接触体(1)を少なくとも1つ備える蒸発加湿器又は物質交換器(7)であって、前記接触体(1)は、前記蒸発加湿器又は物質交換器の壁式部材として構成され、垂直に延出する長手縁(4, 5)を備える前記材料層(10,10’)が垂直平面に配置され、前記接触体(1)の厚みを形成するそれらの長手縁(4,5)間の材料層(10,10’)の長さは、前記接触体(1)の高さと幅よりも小さいことを特徴とする蒸発加湿器又は物質交換器。
【請求項20】
請求項19に記載の蒸発加湿器又は物質交換器であって、前記接触体(1)を通過可能な前記気体は、
空気、若しくは、
気体汚染物質および/又は液体汚染物質および/又は固体汚染物質、又は、混入物を含む、空気である。
【請求項21】
請求項19又は20に記載の蒸発加湿器又は物質交換器であって、前記接触体(1)を通過可能な前記液体は、水、若しくは、酸又はアルカリ液である。
【請求項22】
請求項19〜21の何れか一項に記載の蒸発加湿器又は物質交換器であって、前記少なくとも1つの接触体(1)は、蒸発加湿器又は物質交換器(7)の保持フレーム(71)に取り外し及び交換可能に保持されている。
【請求項23】
請求項19〜22の何れか一項に記載の蒸発加湿器又は物質交換器であって、前記接触体(1)を通過する前記液体用に少なくとも1つの循環ポンプ(72)が設けられ、前記循環ポンプ(72)加えて又は前記循環ポンプ(72)に代えて、前記接触体(10)を通過する前記気体用に少なくとも1つのファン(76)が設けられている。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−534261(P2008−534261A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503409(P2008−503409)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【国際出願番号】PCT/EP2006/002715
【国際公開番号】WO2006/103028
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(507320384)2ハー・クンストシュトッフ・ゲー・エム・ベー・ハー (1)
【Fターム(参考)】