説明

蒸着およびエピタキシャルリフトオフプロセスのためのタイル状基板

本発明の実施形態は、一般に、エピタキシャルリフトオフ(ELO)膜、およびそのような膜の製造方法に関する。実施形態は、数多くのエピタキシャル成長基板または面がタイル状に配列された共通の支持基板上に、複数のELO膜またはスタックを同時かつ別個に成長させる方法を提供する。その後、ELO膜は、ELOプロセス中にエッチングステップによってエピタキシャル成長基板から取り除かれる。支持基板上に配置されたエピタキシャル成長基板を含むタイル状成長基板は、ELO膜をさらに成長させるために再使用することができる。一実施形態では、支持基板上に離して配置された2またはそれ以上のガリウムヒ素成長基板を含むタイル状成長基板が提供され、支持基板が、約5×10−℃−から約9×10−℃−までの範囲内の熱膨張係数を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、光起電、半導体および電子の材料および装置の製造方法に関し、より詳細には、エピタキシャルリフトオフ(ELO)プロセスおよび当該プロセスにより形成される薄膜および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光起電またはソーラ装置、半導体装置またはその他の電子装置は、通常は、様々な製造プロセスを利用して基板の表面を操作することにより、製造される。それら製造プロセスには、蒸着、アニーリング、エッチング、ドーピング、酸化、窒化およびその他の多くのプロセスが含まれる。一般に、製造される装置は、底基板の一部または全体を電子装置の最終構造に組み入れる。例えば、光起電装置は、多くの場合、ガリウムヒ素ウエハ上に形成され、これは、最終的な光起電装置の本質的な部分として組み込まれる。エピタキシャルリフトオフ(ELO)は、薄膜装置および材料の製造においてあまり一般的な手法ではなく、この手法は、最終製造装置に底基板を組み入れることはない。
【0003】
ELOプロセスは、ガリウムヒ素ウエハのような成長基板に配置される犠牲層上で、エピタキシャル層、膜または材料を成長させるステップを提供する。その後、犠牲層は、ウエット酸浴槽において選択的にエッチングにより除去され、エピタキシャル材料が成長基板から分離される。分離されたエピタキシャル材料は、薄い層または膜であり、通常は、ELO膜またはエピタキシャル膜と呼ばれる。各ELO膜は、一般に、光起電またはソーラ装置、半導体装置またはその他の電子装置のような特定の装置と比較して、様々な組成の数多くの層を含む。
【0004】
成長基板は、通常は、ガリウムヒ素またはその他のIII/V族元素の結晶性ウエハである。成長基板は、非常に脆くて高価である。成長基板は、高価であり、完成したELO膜または装置に組み入れると、商業的に非常に費用がかかる。このため、ELO膜が取り除かれると、成長基板は、さらにELO膜を製造するために、洗浄されて、処理を施されて、再利用される。成長基板を再利用することによりコストが幾分低減されるが、製造されたELO膜の各々について成長基板をきれいにするプロセスは、依然として非常にコストがかかる。ELOプロセスが商業的に実現可能なELO膜を提供しない場合であっても、成長基板をきれいにしなくてはならない。また、成長基板は非常に脆いため、ELOまたは洗浄プロセス中に成長基板に曝される追加的な各ステップとともに、基板が細かく砕け、ひびが入り、あるいは破損する可能性が増加する。また、成長基板の各々は、製造プロセス中に損傷しなくても、平均寿命が限られている。
【0005】
成長基板の費用の高さがELOプロセスの商業的な利用がないことの一因であるかもしれないが、その他の要因もこの技術の使用を苦しめている。ELOプロセス全体は、これまでずっと、薄いELO膜装置を商業的に製造するための非常にコストのかかる技術であった。現在のELOプロセスは、単一のELO膜の製造中に数多くの製造ステップを通じて単一の成長基板を移動させるため、スループットが非常に低い。現在のELOプロセスは、時間および費用がかかり、商業的品質を有するELO膜を製造することはほとんどない。
【0006】
したがって、ELOプロセスによりエピタキシャル膜スタックを成長させる方法の要求、並びに、高いスループットを有し、現在知られているELOプロセスよりも効率的で時間消費が少なく費用のかからない方法の要求が存在する。
【発明の概要】
【0007】
本発明の実施形態は、一般に、エピタキシャルリフトオフ(ELO)膜、およびそのような膜の製造方法に関する。実施形態は、数多くのエピタキシャル成長基板(例えば、エピタキシャルまたは結晶性の基板、ウエハまたは面)がタイル状に並べられた共通の支持基板上に、複数のELO膜またはスタックを同時かつ別個に成長させる方法を提供する。その後、ELO膜は、ELOプロセス中にエッチングステップによってエピタキシャル成長基板から取り除かれる。バルク方式と同様に、タイル状成長基板(tiled growth substrate)の各々を数多くの製造プロセスに曝している間に多数のELO膜を製造できるため、全体的なスループットが非常に高くなる。しかしながら、複数のタイル状成長基板は、各々が支持基板上に配置された複数のエピタキシャル成長基板を含むが、製造プロセスに連続的または同時に曝すことができる。支持基板上に配置されたエピタキシャル成長基板を含むタイル状成長基板は、ELO膜をさらに成長させるために再使用することができる。
【0008】
ELO膜の各々は、複数のエピタキシャル層を含み、それらは、化学蒸着法(CVD)によって、各エピタキシャル成長基板上またはその上方に配置された犠牲層上で、成長する。支持膜、ハンドルまたはテープは、支持基板として、ELO膜の反対面上またはその上方に配置させることができる。支持膜は、圧縮を維持することによりELO膜を安定させるとともに、ELOプロセスのエッチングおよび除去ステップ中およびその後にELO膜を保持するために使用される。
【0009】
エピタキシャル成長基板は、通常は、ガリウムヒ素のようなIII/V族化合物の結晶物質である。エピタキシャル成長基板および支持基板は、一般に、エピタキシャル成長基板上に蒸着されるELO膜と同様に、エピタキシャル成長基板内の応力を低減または防止するために、同様またはほぼ同様の熱膨脹係数(CTE)を有するように適合される。ガリウムヒ素成長基板のようなガリウムヒ素は、通常、約5.73×10−℃−乃至約6.86×10−℃−の範囲のCTEを有する。したがって、一実施形態では、支持基板と、当該支持基板上で互いに離して隣り合うように配置された2またはそれ以上のガリウムヒ素成長基板とを含む、ガリウムヒ素のタイル状成長基板のようなタイル状成長基板が提供される。支持基板のCTEは、約5×10−℃−乃至約9×10−℃−の範囲内、好ましくは約5.2×10−℃−乃至約8.5×10−℃−の範囲内、より好ましくは約5.26×10−℃−乃至約8.46×10−℃−の範囲内のように、約9×10−℃−またはそれ未満とすることができる。
【0010】
別の実施形態では、支持基板の上方に別個に配置された2またはそれ以上のガリウムヒ素基板を含むタイル状成長基板であって、支持基板が、約650℃またはそれ未満の温度でガリウムヒ素基板内において約0.1%またはそれ未満の最大応力を与えるCTEを有するタイル状成長基板が提供される。
【0011】
エピタキシャル成長基板と支持基板との間において、同一、同様またはほぼ同様の熱膨脹係数(CTE)を達成するために、支持基板が部分的に材料のCTEと適合またはほぼ適合するように選択される材料の種類は、エピタキシャル成長基板内に含む。したがって、本明細書に記載の多くの実施例においては、エピタキシャル成長基板が、エピタキシャル成長ガリウムヒ素、ガリウムヒ素合金またはその誘導体を含むウエハ、層、薄層または面であり、支持基板が、少なくとも1の金属または金属材料、セラミック材料またはそれらの組合せを含むか、あるいはそれらから形成される。
【0012】
幾つかの実施例では、支持部材が、ニオブ、ニオブ合金、炭化チタン、ケイ酸マグネシウム、ステアタイト、炭化タングステン、炭化タングステンサーメット、イリジウム、アルミナ、アルミナセラミックス、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ジルコニア、炭化ジルコニウム、オスミウム、タンタル、ハフニウム、モリブデン、モリブデン合金、クロム、それらの酸化物、それらのケイ酸塩、それらの合金、それらの誘導体またはそれらの組合せを含むことができる。幾つかの実施例では、支持基板が孔を有していないか、または実質的に孔を有していない。その他の実施例では、支持基板がフッ化水素およびフッ化水素酸に対する耐性を有するものとすることができる。
【0013】
幾つかの実施形態では、タイル状成長基板が、ガリウムヒ素基板の間に延びてガリウムヒ素基板を互いに分離するギャップを有することができる。別の実施形態では、タイル状成長基板が、支持基板上に配置された接着層と、この接着層上に互いに離して隣り合うように配置された2またはそれ以上のガリウムヒ素基板とを含むことができる。別の実施形態では、タイル状成長基板が、ガリウムヒ素基板と、支持基板およびガリウムヒ素基板の間に配置された接着層との間に、ギャップを有することができる。支持基板は、少なくとも2のガリウムヒ素基板のようなエピタキシャル成長基板を含むが、通常は、3,4,5,6,9,12,16,20,24,50,100またはそれ以上のエピタキシャル成長基板またはガリウムヒ素基板を含む。
【0014】
その他の実施形態では、接着層が、感圧接着剤(PSA)、光学接着剤または紫外線硬化接着剤を含む。幾つかの実施例では、接着層がメルカプトエステル化合物を含むことができ、フタル酸ブチルオクチル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリレート単量体、それらの誘導体、またはそれらの組合せをさらに含むことができる。その他の実施例では、接着層が、シリコーンまたはケイ酸ナトリウムを含むことができる。
【0015】
別の実施形態では、ELOプロセス中に複数のエピタキシャル薄膜を形成する方法が提供され、この方法は、支持基板上に配置された複数のガリウムヒ素成長面上に複数のアルミニウムヒ素犠牲層を同時に蒸着させるステップを含み、各ガリウムヒ素成長面上に単一のアルミニウムヒ素犠牲層が蒸着されて、ガリウムヒ素成長面の各々が、支持基板上に互いに隣り合うように離して配置され、ギャップが、ガリウムヒ素成長面の間に延びてガリウムヒ素成長面を互いに分離する。この方法は、複数のアルミニウムヒ素犠牲層上に複数の緩衝層を同時に蒸着させるステップであって、各アルミニウムヒ素犠牲層上に単一の緩衝層を蒸着させるステップと、複数の緩衝層上に複数のガリウムヒ素活性層を同時に蒸着させるステップであって、各緩衝層上に単一のガリウムヒ素活性層を蒸着させるステップと、ガリウムヒ素活性層をガリウムヒ素成長面から分離しながら、アルミニウムヒ素犠牲層をエッチングするステップとをさらに含む。
【0016】
別の実施形態では、ELOプロセス中に複数のエピタキシャル成長基板を形成するステップと、複数のエピタキシャル成長基板を支持基板上に固着するステップとを含む、タイル状成長基板を形成する方法が提供される。この方法はさらに、支持基板上に配置された各エピタキシャル成長基板の上に犠牲層を蒸着するステップと、犠牲層の各々の上にエピタキシャル材料を蒸着するステップと、更なるELOプロセス中にエピタキシャル成長基板からエピタキシャル材料を取り除きながら、犠牲層をエッチングするステップとを含む。その他の実施例において、この方法は、様々なELO膜および材料を形成するために、タイル状成長基板、すなわち支持基板上に配置されたエピタキシャル成長基板を、更なる蒸着およびELOプロセスに曝すステップを提供する。
【0017】
幾つかの実施形態では、タイル状成長基板を形成する方法であって、ホスト基板上に第1犠牲層を形成するステップと、第1犠牲層の上に第1エピタキシャル層を形成するステップと、第1犠牲層をエッチングすると同時にホスト基板から第1エピタキシャル層を除去し、第1ELOプロセス中に第1エピタキシャル成長基板を形成するステップと、第2犠牲層の上に第2エピタキシャル層を形成するステップと、第2犠牲層をエッチングすると同時にホスト基板から第2エピタキシャル層を除去し、第2ELOプロセス中に第2エピタキシャル成長基板を形成するステップと、第1および第2エピタキシャル成長基板を支持基板上に固着するステップとを含む方法が提供される。
【0018】
様々な実施例では、本明細書に記載のELOプロセス中に形成されるエピタキシャル材料が、ガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、インジウムガリウムリン化物、それらの合金、それらの誘導体、またはそれらの組合せを含むことができる。エピタキシャル材料は、複数の層を含むことができる。一実施例では、エピタキシャル材料が、ガリウムヒ素を含む層と、アルミニウムガリウムヒ素を含む別の層とを有する。具体的な一実施例では、エピタキシャル材料が、複数層のセル構造を備えることができる。セル構造の層は、ガリウムヒ素、nドープされたガリウムヒ素、pドープされたガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、nドープされたアルミニウムガリウムヒ素、pドープされたアルミニウムガリウムヒ素、インジウムガリウムリン化物、それらの合金、それらの誘導体、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0019】
幾つかの実施例では、エピタキシャル材料が、ガリウムヒ素緩衝層、アルミニウムガリウムヒ素不動態化層(passivation layer)およびガリウムヒ素活性層を含む。幾つかの実施例では、エピタキシャル材料が、第2アルミニウムガリウムヒ素不動態化層をさらに備える。ガリウムヒ素緩衝層は、約100nmから約500nmの範囲内の厚さを有することができ、アルミニウムガリウムヒ素不動態化層は、各々が約10nmから約50nmの範囲内の厚さを有することができ、ガリウムヒ素活性層は、約500nmから約2,000nmの範囲内の厚さを有することができる。その他の実施例では、ガリウムヒ素緩衝層が約300nmの厚さを有することができ、アルミニウムガリウムヒ素不動態化層の各々が約30nmの厚さを有することができ、ガリウムヒ素活性層が約1,000nmの厚さを有することができる。
【0020】
犠牲層は、アルミニウムヒ素(ヒ化アルミニウム)、その合金、その誘導体またはそれらの組合せを含むことができる。犠牲層は、アルミニウムヒ素層を含むことができ、この層は、約1nmから約10nmまでの範囲内、望ましくは約4nmから約6nmまでの範囲内のように、約20nmまたはそれ未満の厚さを有することができる。幾つかの実施形態では、犠牲層または材料を、ELOエッチングステップ中にウエットエッチング液に曝すことができる。ウエットエッチング液は、フッ化水素酸を含むことができるとともに、界面活性剤および/または緩衝剤(buffer)をさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の上記特徴を詳細に理解することができるように、上で簡潔に要約した本発明のより詳細な説明は実施形態によって参照することができ、その一部は、添付図面に示されている。しかしながら、添付図面は、本発明の典型的な実施形態を単に示しているに過ぎず、よって本発明の範囲を制限するものとみなされるべきでなく、本発明は、他の同等で有効な実施形態を許容することができることに留意されたい。
【図1】図1A乃至図1Dは、本明細書に記載の実施形態に係るタイル状成長基板を示している。
【図2】図2A乃至図2Bは、本明細書に記載の実施形態に係る別のタイル状成長基板を示している。
【図3】図3A乃至図3Bは、本明細書に記載の実施形態に係るタイル状成長基板上に配置されるELO薄膜スタックを示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態は、一般に、エピタキシャルリフトオフ(ELO)膜およびこのような膜の製造方法に関するものである。実施形態は、数多くのエピタキシャル成長基板(例えば、エピタキシャルまたは結晶性の基板、ウエハまたは面)がタイル状に並べられた共通の支持基板上に、複数のELO膜またはスタックを同時かつ別個に成長させる方法を提供する。その後、ELO膜は、ELOプロセス中にエッチングステップによってエピタキシャル成長基板から取り除かれる。バルク方式と同様に、タイル状成長基板の各々を数多くの製造プロセスに曝している間に多数のELO膜を製造できるため、全体的なスループットが非常に高くなる。しかしながら、複数のタイル状成長基板は、各々が支持基板上に配置された複数のエピタキシャル成長基板を含むが、製造プロセスに連続的または同時に曝すことができる。支持基板上に配置されたエピタキシャル成長基板を含むタイル状成長基板は、ELO膜をさらに成長させるために再使用することができる。
【0023】
図1A乃至図1Dは、本明細書の一実施形態に記載のように、支持基板110上に配置された複数のエピタキシャル成長基板120を含むタイル状成長基板100を示している。一実施形態では、エピタキシャル成長基板120が、支持基板110上のエピタキシャル面となっている。エピタキシャル面は、支持基板110に形成、蒸着、成長または固着された結晶性の基板、ウエハ、薄膜、層またはその他の材料とすることができる。図1A乃至図1Dは、20のエピタキシャル成長基板120を含むタイル状成長基板100を示しており、5つのエピタキシャル成長基板120の列が支持基板110の側部116に沿って延在し、4つのエピタキシャル成長基板120の列が支持基板110の側部118に沿って延在している。
【0024】
図2A乃至図2Bは、本明細書の別の実施形態に記載のように、支持基板210上に配置された複数のエピタキシャル成長基板220を含むタイル状成長基板200を示している。別の実施形態では、図2A乃至図2Bに示すように、タイル状成長基板200が16のエピタキシャル成長基板220を含むことができ、4つのエピタキシャル成長基板220の列が支持基板210の側部216に沿って延在し、4つのエピタキシャル成長基板220の列が支持基板210の側部218に沿って延在している。その他の実施形態では、タイル状成長基板100および200が、異なる数量および配置構成のエピタキシャル成長基板120または220を含むことができる。タイル状成長基板100および200は、各々が、例えば、3,4,5,6,9,12,16,20,24,50,100またはそれ以上のエピタキシャル成長基板120または220ように、2またはそれ以上のエピタキシャル成長基板120または220を有する。幾つかの実施形態では、タイル状成長基板100および200は、各々が、2から100までの範囲内の任意の整数、またはそれ以上のエピタキシャル成長基板120または220を備えることができる。
【0025】
支持基板110は、下面102および上面104を有し、支持基板210は、下面202および上面204を有する。一実施形態では、接着層108が支持基板110の上面104に配置され、エピタキシャル成長基板120が接着層108上に配置され、接着層208が支持基板210の上面204に配置され、エピタキシャル成長基板220が接着層208上に配置されている。
【0026】
図1A乃至図1Bに記載の接着層108および図2Aに記載の接着層208は、接着層108がエピタキシャル成長基板120と上面104との間に配置されて、かつエピタキシャル成長基板120の下方の領域の外側に延びることがないように、あるいは、接着層208がエピタキシャル成長基板220と上面204との間に配置されて、かつエピタキシャル成長基板220の下方の領域の外側に延びることがないように、上面104または204を横切って延びる不連続層とすることができる。あるいは、図1C乃至図1Dに記載の接着層108が、図2Bに記載の接着層208と同様に、上面104または204を横切って延びる連続層として示されている。
【0027】
一実施形態においては、タイル状成長基板100を形成している間、接着層108が支持基板110の上面104に不連続に配置され、各エピタキシャル成長基板120が各接着層108を完全に覆うように、エピタキシャル成長基板120が接着層108上に配置される。したがって、各接着層108は、その上に配置される各エピタキシャル成長基板120と同じか、それより少ない面積を有する。代替的に、タイル状成長基板100を形成する別の実施形態では、個々の接着層108が、各エピタキシャル成長基板120の下側を部分的または完全に覆うように、各エピタキシャル成長基板120上に配置され、その後、エピタキシャル成長基板120が支持基板110に位置決めされて固着される。タイル状成長基板100について記載した構成と同じ構成は、タイル状成長基板200にも適用され、接着層208が支持基板210の上面204に配置され、あるいは複数のエピタキシャル成長基板220を支持基板210上に位置決めして固着する前に、接着層208が各エピタキシャル成長基板220上に配置される。
【0028】
代替的な実施形態では、接着層108または208が存在せず、エピタキシャル成長基板120が支持基板110の上面104に直接配置されるか、あるいはエピタキシャル成長基板220が支持基板210の上面204に直接配置される。エピタキシャル成長基板120または同様の成長面は、化学蒸着法(CVD)プロセス、原子層成長法(ALD)プロセス、原子層エピタキシー蒸着(ALE)プロセス、物理的気相成長法(PVD)またはスパッタリングプロセス、無電解析出プロセスによって、支持基板110の上面104に直接、蒸着、成長または形成することができる。CVD、ALDおよびALEプロセスは、熱による、プラズマ、パルス状の有機金属堆積技術を含む。
【0029】
接着層は単層であっても、複数の層を含むものであってもよい。接着層は、接着剤または固着剤を含むことができ、ポリマー、コポリマー、オリゴマー、それらの誘導体、またはそれらの組合せとすることができる。幾つかの実施形態では、単一の接着層または複数の接着層を支持基板上に配置することができ、その後に、エピタキシャル成長基板が接着層または各接着層に固着される。代替的には、接着層をエピタキシャル成長基板の各々に配置することができ、その後に、エピタキシャル成長基板が支持基板に固着される。
【0030】
一実施形態では、接着層がコポリマーを含む。一実施例では、コポリマーがエチレン/酢酸ビニル(EVA)コポリマーまたはその誘導体であってもよい。接着層として有用なEVAコポリマーは、カリフォルニア州のサンタローザ所在のDynatex Internationalから市販されているWAFER GRIP接着膜である。その他の実施例では、接着層が、ホットメルト接着剤、有機材料または有機被覆、無機材料またはそれらの組合せを含むことができる。幾つかの実施形態では、接着層が約5μmから約100μmまでの範囲内の厚さを有することができる。
【0031】
別の実施形態では、接着層が、ゴム、発泡体またはそれらの誘導体のようなエラストマを含むことができる。代替的には、接着層は、ネオプレン、ラテックスまたはそれらの誘導体のような材料を含むことができる。接着層はモノマーを含むことができる。例えば、接着層は、エチレンプロピレンジエンモノマーまたはその誘導体を含むことができる。
【0032】
その他の実施形態では、接着層が、感圧接着剤(PSA)、アクリル系PSAまたはその他の接着積層体を含むか、あるいはそれらによって固着することができる。一実施例では、PSAが、100HT(高温)アクリル系PSAまたは100HTL(高温ライナ)アクリル系PSAであってもよい。幾つかの実施例では、接着層が、ポリビニル、ポリカーボネート、ポリエステル、それらの誘導体またはそれらの組合せを含む積層体であるPSAであってもよい。幾つかの実施例では、接着層が、約50μmから約250μmまでの範囲内の厚さを有するPSA積層体を含むものであってもよい。接着層に使用される可能性のある多くのPSA積層体は、ミネソタ州セントポール所在の3M Inc.のアクリル系PSA接着積層体(100シリーズ)のように、市販されている。
【0033】
別の実施形態では、エピタキシャル成長基板を支持基板に接合または固着するときに、接着層が光学接着剤または紫外線硬化接着剤を含むものであってもよい。ある実施例では、光学接着剤または紫外線硬化接着剤が、フタル酸ブチルオクチル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリレート単量体、それらの誘導体またはそれらの組合せを含む。硬化接着剤は、エピタキシャル成長基板および支持基板の一方または両方に塗布することができる。幾つかの実施形態では、接着剤を硬化させて接着層を形成するために、エピタキシャル成長基板を介してUV光源を光らせることができる。一般に、接着剤は、約5分のように、約1分から約10分までの範囲内、好ましくは約3分から約7分までの範囲内の期間、紫外線放射に曝される。接着剤は、約50℃のように、約25℃から約75℃の範囲内の温度で硬化される。接着層は、Norland紫外線硬化光学接着剤として市販されているような、光学接着剤および/または紫外線硬化接着剤から形成されるか、それらを含むことができる。
【0034】
幾つかの実施例では、接着層108,208および308が光学接着剤または紫外線硬化接着剤を含むものであってもよい。接着層108,208および308は、接着層がメルカプトエステル化合物を含むことができ、フタル酸ブチルオクチル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリレート単量体、それらの誘導体またはそれらの組合せをさらに含むことができる。その他の実施例では、接着層108および208が、シリコーンまたはケイ酸ナトリウムを含むことができる。
【0035】
タイル状成長基板100上で各エピタキシャル成長基板120を分離するために、ギャップ112のような領域、エリア、空間または間隔がエピタキシャル成長基板120間に延在している。ギャップ112は、支持基板110の上面104、接着層108の上面、または停止層、保護層またはその他の層のようなその他の材料の表面を見せることができる。同様に、エピタキシャル成長基板220についても、各エピタキシャル成長基板220を互いに分離するために、ギャップ212のような領域、エリア、空間または間隔がエピタキシャル成長基板220間に延在している。ギャップ212は、支持基板210の上面204、接着層208の上面、または停止層、保護層またはその他の層のようなその他の材料の表面を見せることができる。多くの実施例では、支持基板110の上面104がギャップ112内で露出され、あるいは支持基板210の上面204がギャップ212内で露出される。
【0036】
代替的な実施形態では、図には現れていないが、タイル状成長基板100または200が、支持基板110または220に配置された複数のエピタキシャル成長基板120または220を含み、エピタキシャル成長基板120または220が互いに分離されていないものであってもよい。幾つかの実施例では、タイル状成長基板100または200がガリウムヒ素基板アセンブリであり、このアセンブリが、ガリウムヒ素またはその誘導体を含む複数のエピタキシャル成長基板120または220を含む。
【0037】
タイル状成長基板100,200または300は、ガリウムヒ素基板アセンブリであり、このアセンブリが、支持基板110,210または310の上に配置された2またはそれ以上のガリウムヒ素成長基板(例えば、エピタキシャル成長基板120,220または320)を有する。本明細書に記載の多くの実施形態では、エピタキシャル成長基板120,220または320がガリウムヒ素成長基板である。
【0038】
ガリウムヒ素成長基板のようなガリウムヒ素は、通常、約5.73×10−℃−乃至約6.86×10−℃−の範囲内の熱膨脹係数(CTE)を有するので、支持基板が、同様またはほぼ同様のCTEを有する材料から形成されるか、またはそのような材料を含む。本明細書に記載の幾つかの実施形態では、支持基板110,210および/または310のような支持基板が、約5×10−℃−乃至約9×10−℃−の範囲内、好ましくは約5.2×10−℃−乃至約8.5×10−℃−の範囲内、より好ましくは約5.26×10−℃−乃至約8.46×10−℃−の範囲内のように、約9×10−℃−またはそれ未満のCTEを有する材料から形成されるか、またはそのような材料を含むものであってもよい。
【0039】
多くの実施形態では、支持基板が、約20℃から約650℃までの範囲内の温度で、ガリウムヒ素成長基板のようなエピタキシャル成長基板内において約0.1%またはそれ未満の最大応力を生じる。幾つかの実施例では、支持基板(例えば、支持基板110,210および/または310)が、約650℃、約630℃またはそれ未満の温度で、エピタキシャル成長基板120,220または320内において約0.1%またはそれ未満の最大応力を与えるCTEを有するものであってもよい。幾つかの実施例では、ギャップ112がエピタキシャル成長基板120間に延びてそれらを互いに分離し、ギャップ212がエピタキシャル成長基板220間に延びてそれらを互いに分離し、ギャップ312がエピタキシャル成長基板320間に延びてそれらを互いに分離する。
【0040】
エピタキシャル成長基板と支持基板との間において、同一、同様またはほぼ同様の熱膨脹係数(CTE)を達成するために、支持基板が部分的に材料のCTEと適合またはほぼ適合するように選択される材料の種類は、エピタキシャル成長基板内に含む。したがって、本明細書に記載の多くの実施例においては、エピタキシャル成長基板が、エピタキシャル成長ガリウムヒ素、結晶性ガリウムヒ素、ガリウムヒ素合金またはそれらの誘導体を含むウエハ、層、薄層または面である。
【0041】
支持基板は、タイル状成長基板において使用され、金属材料、セラミック材料、プラスチック材料またはそれらの組合せを含むか、あるいはそれら材料から形成することができる。支持基板は、一般に、少なくとも1の金属または金属材料、セラミック材料またはそれらの組合せを含むか、あるいはそれらから形成される。幾つかの実施例では、支持基板が無孔であるか、または実質的に無孔である。その他の実施例では、支持基板がフッ化水素およびフッ化水素酸に対する耐性を有するものとすることができる。
【0042】
幾つかの実施例では、支持部材が、ニオブ、ニオブ合金、炭化チタン、ケイ酸マグネシウム、ステアタイト、炭化タングステン、炭化タングステンサーメット、イリジウム、アルミナ、アルミナセラミックス、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ジルコニア、炭化ジルコニウム、オスミウム、タンタル、ハフニウム、モリブデン、モリブデン合金、それらの酸化物、それらのケイ酸塩、それらの合金、それらの誘導体またはそれらの組合せを含むことができる。
【0043】
幾つかの実施形態では、支持基板が、少なくとも1の金属材料を含むか、または少なくとも1の金属材料から形成することができる。支持基板は、金属材料の単一の層、または同じ金属材料または異なる金属材料からなる複数の層を含むことができる。幾つかの実施例では、支持基板の金属材料が、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、アルミニウム、それらの合金、またはそれらの組合せのような少なくとも1の金属を含む。金属材料は、様々な合金濃度で、シリコン、カーボンおよび/またはホウ素も含むことができ、かつ/または微量のその他の元素を含むことができる。
【0044】
幾つかの実施形態では、支持基板が、モリブデンまたはモリブデン合金を含む少なくとも1の金属材料を含むか、またはそのような金属材料から形成することができる。モリブデン含有金属材料は、アニールされたモリブデン、応力緩和状態のモリブデン、再結晶化モリブデン、アニールされたニオブ、冷間加工されたニオブ、鍛造ニオブ、アニールされたレニウム、変形レニウム、アニールされたタンタル、 冷間加工されたタンタル、二ケイ化モリブデン(MoSi2)、モリブデンチタン炭素合金(MoTiC合金)、モリブデン−チタン合金(95.5Mo−0.5Ti)、モリブデン−チタン−炭素合金(Mo−0.5Ti−0.02C、モリブデン合金362)、モリブデン−チタン−ジルコニウム合金(MoTiZr合金)、モリブデンTZC(Mo−1Ti−0.3Zr)、アーク鋳造モリブデンTZM(Mo−0.5Ti−0.1Zr;Mo合金363)(応力緩和および再結晶)、P/MモリブデンTZM(Mo−0.5Ti−0.1Zr;Mo合金364)(応力緩和および再結晶)、モリブデンレニウム合金(Mo−44.5Re−アニールされている)、モリブデンレニウム合金(Mo−47.5Re−アニールおよび変形されている)、Mo−Cu合成物(Ametekモリブデン−銅合成物AMC7525,8020または8515)、それらの誘導体、それらの合金、またはそれらの組合せを含むことができる。幾つかの実施例では、支持基板が、約75重量%のモリブデンおよび約25重量%の銅、または約80重量%のモリブデンおよび約20重量%の銅、または約85重量%のモリブデンおよび約15重量%の銅を包含するモリブデン銅を含むか、またはそのようなモリブデン銅から形成することができる。
【0045】
幾つかの実施形態では、支持基板が、タングステンまたはタングステン合金を含む少なくとも1の金属材料を含むか、またはそのような金属材料から形成することができる。タングステン含有金属材料は、高密度の機械加工可能なタングステン(CMW(登録商標)1000AMS−T−21014 AMS−7725 ASTM B777)、タングステン合金(CMW(登録商標)3000合金−AMS−T−21014 AMS−7725、およびCMW(登録商標)3950−合金AMS−T−21014 ASTM B777)およびW−Cu合成物(Ametekタングステン銅合成物AWC8515,8812または9010)、それらの誘導体、それらの合金、またはそれらの組合せを含むことができる。幾つかの実施形態では、支持基板が、約85重量%のタングステンおよび約15重量%の銅、または約88重量%のタングステンおよび約12重量%の銅、または約90重量%のタングステンおよび約10重量%の銅を包含するタングステン銅を含むか、またはそのようなタングステン銅合成物から形成することができる。
【0046】
その他の実施形態では、支持基板が、ニオブまたはニオブ合金を含む少なくとも1の金属材料を含むか、またはそのような金属材料から形成することができる。ニオブ含有金属材料は、ニオブ合金C−103 (89Nb−10Hf−1Ti)(冷延鋼板、応力緩和および再結晶されている)、ニオブ合金C−129Y(80Nb−10W−10Hf−0.1Y)、ニオブ合金Cb−752(Nb−10W−2.5Zr)、それらの誘導体、それらの合金、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0047】
その他の実施形態では、支持基板が、チタンまたはチタン合金および/またはジルコニウムまたはジルコニウム合金を含む少なくとも1の金属材料を含むか、またはそのような金属材料から形成することができる。チタンまたはジルコニウムを含有する金属材料は、チタン合金Ti−6Al−2Sn−4Zr−2Mo−0.1Si(二重アニールされている)、チタンTi−6Al−2Sn−4Zr−2Mo(Ti−6−2−4−2)(二重アニールされたシート)、ジルコニウム(グレード702−商業的純度)、ジルコニウム(原子炉級)、それらの誘導体、それらの合金、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0048】
その他の実施形態では、支持基板が、アルミニウム−ケイ素合金のような、少なくとも1の膨張制御(CE)合金を含むか、またはそのような合金から形成することができる。一実施例では、アルミニウム−ケイ素合金が、Osprey Metalsから入手できるCE7Al−Si膨張制御合金のような、約30重量%のアルミニウムおよび約70重量%のケイ素を含む。
【0049】
その他の実施形態では、支持基板が、鉄または鉄合金を含む少なくとも1の金属材料を含むか、またはそのような金属材料から形成することができる。鉄含有金属材料は、鉄−ニッケル合金、鉄−ニッケル−マンガン合金(Fe−36Ni−0.35Mn−0.20Si−0.02C)Carpenter Invar 36(登録商標)合金(冷間引抜バー、冷延ストリップ、アニールされたバーおよびストリップ)、鉄−ニッケル−コバルト合金、Carpenter Kovar(登録商標)合金(ガラスおよびセラミックシーリング合金)、鉄−ニッケル−コバルト−チタン合金、鉄−ニッケル−コバルト−チタン−ニオブ合金、鉄−ニッケル−コバルト−チタン−タンタル合金、鉄−ニッケル−コバルト−チタン−ニオブ−タンタル合金Carpenter Pyromet(登録商標)CTX−3 Superalloy(熱処理済み、982℃以上のろう付けサイクルのための熱処理)、鉄−ニッケル−コバルト−ニオブ−チタン−アルミニウム合金、INCOLOY(登録商標)合金903、鉄−ニッケル−コバルト−ニオブ−チタン合金、INCOLOY(登録商標)合金907、鉄−ニッケル−コバルト−ニオブ−チタン合金、INCOLOY(登録商標)合金909、Fe−Ni合金、Fe−Ni−Mn合金(Allegheny Ludlum AL42(商標)電気合金)、UNS K94100、それらの誘導体、それらの合金、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0050】
一実施例では、支持基板が、米国のAllegheny Ludlum Corporationから入手可能なAL42(商標)電気合金である、約58.4重量%のFe、約40.8重量%のNiおよび約0.5重量%のMnを含む鉄−ニッケル−マンガン合金を含むか、またはそのような合金から形成することができる。
【0051】
別の実施例では、支持基板が、冷間引抜バー、冷延ストリップおよびアニールされたバーおよびストリップとして入手可能なCarpenter Invar 36(登録商標)合金である、約63.4重量%のFe、約36重量%のNi、約0.35重量%のMn、約0.20重量%のSiおよび約0.02重量%のCを含む鉄−ニッケル−マンガン合金を含むか、またはそのような合金から形成することができる。
【0052】
別の実施例では、支持基板が、Carpenter Kovar(登録商標)Fe−Ni−Co合金である、約53.4重量%のFe、約29重量%のNi、約17重量%のCo、約0.30重量%のMn、約0.20重量%のSiおよび約0.02重量%のCを含む鉄−ニッケル−コバルト合金を含むか、またはそのような合金から形成することができる。
【0053】
別の実施例では、支持基板が、ニオブ、タンタルまたはその両方を含む可能性がある鉄−ニッケル−コバルト−チタン合金を含むか、またはそのような合金から形成することができる。鉄−ニッケル−コバルト−チタン合金は、Carpenter Pyromet(登録商標)CTX−3 Superalloyである、約37−39重量%のNi、約13−15重量%のCo、約1.25−1.75重量%のTi、約4.50−5.50重量%のNbとTaの混合物、および約36.3−41.8重量%または残余のFeを含む。
【0054】
別の実施例では、支持基板が、INCOLOY(登録商標)合金903である、約36−40重量%のNi、約13−17重量%のCo、約0.30−1.15重量%のAl、約1.00−1.85重量%のTi、約2.40−3.50重量%のNb、および約36.5−47.3重量%または残余のFeを包含する鉄−ニッケル−コバルト−ニオブ−チタン−アルミニウム合金を含むか、またはそのような合金から形成することができる。
【0055】
別の実施例では、支持基板が、INCOLOY(登録商標)合金907である、約35−40重量%のNi、約12−16重量%のCo、約4.30−5.20重量%のNb、約1.3−1.8重量%のTi、約0.02−0.20重量%のAl、約0.07−0.35重量%のSi、および約36.5−47.3重量%または残余のFeを包含する鉄−ニッケル−コバルト−ニオブ−チタン合金を含むか、またはそのような合金から形成することができる。
【0056】
別の実施例では、支持基板が、INCOLOY(登録商標)合金909である、約35−40重量%のNi、約12−16重量%のCo、約4.30−5.20重量%のNb、約1.3−1.8重量%のTi、約0.001−0.15重量%のAl、約0.25−0.50重量%のSi、約0.001−0.06重量%のC、および約36.3−47.1重量%または残余のFeを包含する鉄−ニッケル−コバルト−ニオブ−チタン合金を含むか、またはそのような合金から形成することができる。
【0057】
幾つかの実施形態では、支持基板が、少なくとも1のセラミック材料を含むか、またはそのようなセラミック材料から形成することができる。支持基板は、1のセラミック材料の単一の層、または同じセラミック材料または異なるセラミック材料の複数の層を含むことができる。支持基板のセラミック材料は、酸化アルミニウム、アルミナ、酸化ケイ素、シリカ、酸化ジルコニウム、ジルコニア、酸化ハフニウム、ハフニア属、酸化マグネシウム、酸化マグネシウムケイ素(ステアタイト)、硫化マグネシウムスカンジウム、ホウ化セリウム、ホウ化カルシウム、酸化鉄アルミニウム、酸化フェロアルミニウム、グラファイト、それらの酸化物、それらのホウ化物、それらの誘導体、またはそれらの組合せのような少なくとも1の材料を含む。
【0058】
幾つかの具体的な実施例では、支持基板が、96%アルミナ、薄膜(焼成)、92%アルミナ(不透明体)、85%アルミナ(硝子体)、95%アルミナ(硝子体)、99.5%アルミナ(硝子体)、アルミナ(96% Al)、99.5%アルミナ(薄膜基板)、99.6%アルミナ(薄膜基板)、ベリリア(99.5% BeO)、ホウ化カルシウム、ホウ化セリウム(CeB)、アルバイト(Feldspar NaAlSi)、方解石(CaCO)、ステアタイト(酸化マグネシウムケイ素)、硫化マグネシウムスカンジウム(MgSc)、硫化亜鉛ガリウム(ZnGa)、CoorsTekアルミナAD−85(公称名 85% Al)、CoorsTekアルミナAD−90(公称名 90% Al)、CoorsTekアルミナAD−94(公称名 94% Al)、CoorsTekアルミナAD−96(公称名 96% Al)、CoorsTekアルミナFG−995(公称名 98.5% Al)、CoorsTekアルミナAD−995(公称名 99.5% Al)、CoorsTekアルミナAD−998(公称名 99.8% Al)、アドバンストセラミックALC1081(C−786)アルミナ、アドバンストセラミックALC1082(C−786)アルミナ、アドバンストセラミックACL1085(C−795)アルミナ、CeramTec665ステアタイト(MgO−SiO)、CeramTec771 94%アルミナ(Al)、CeramTecグレード614白96%アルミナ(Al)、CeramTecグレード698ピンク96%アルミナ(Al)、CeramTec975 99.5%アルミナ(Al)、CeramTec433 99.9%アルミナ(Al)、CeramTec950強化アルミナ(Al−ZrO)、CeramTec848ジルコニア(ZrO)、Corning7056アルカリホウケイ酸塩破砕/粉末ガラス、Du−CoセラミックスDC−9−L−3ステアタイト、Du−CoセラミックスDC−10−L−3ステアタイト、Du−CoセラミックスDC−16−L−3ステアタイト、Du−CoセラミックスCS−144−L−5ステアタイト、Du−CoセラミックスDC−265−L−6アルミナ(96% Al)、酸化フェロアルミニウムP87,P890,P3640またはP3142、ICE Al94,96,99.5または99.8、ICE加熱圧縮SiC、ICEムライト(3Al−SiO)、ICEステアタイトL−4またはL−5、CoorsTekムライト(S2)、3M Nextel(商標)440,550,610,650または720工業用セラミック繊維、MorganアドバンストセラミックスDeranox(商標)970または975アルミナ、MorganアドバンストセラミックスSintox(商標)FFアルミナ、SaxonburgセラミックスL−3またはL−5ステアタイト、アルミナ(SaxonburgセラミックスS−697/S−700−02アルミナ)、アルミナ(SaxonburgセラミックスS−700−22アルミナ)、アルミナ(SaxonburgセラミックスS−660アルミナ)、アルミナ(SaxonburgセラミックスS−699アルミナ(粉砕可能)、CoorsTekジルコニア強化アルミナ(ZTA)、グラファイト(PocoグラファイトFabmate(登録商標)無孔特殊グラファイトおよびPocoグラファイトDurabraze(登録商標)精製/機械加工特殊グラファイト)、Wieland ALLUX(登録商標)/ZIROX(登録商標)セラミックベニア、それらの酸化物、それらのホウ化物、それらの誘導体、またはそれらの組合せから選択される、少なくとも1のセラミック材料を含むか、またはそのようなセラミック材料から形成することができる。
【0059】
本明細書に記載のその他の実施形態では、ELOプロセス中に複数のエピタキシャル成長基板、膜または材料を形成するステップと、その後に複数のエピタキシャル成長基板を支持基板上に固着するステップとを含む、タイル状成長基板を形成する方法が提供される。その後、この方法では、タイル状成長基板を使用してさらにELO膜またはその他のエピタキシャル材料を形成するステップが提供される。このステップは、支持基板上に配置された各エピタキシャル成長基板の上に犠牲層を蒸着して、犠牲層の各々の上にエピタキシャル材料を蒸着することにより行われる。エピタキシャル材料は、単一層を含むことができるが、通常は、光起電またはソーラ装置またはその一部のような、複数の層を含む。この方法はさらに、更なるELOプロセス中にエピタキシャル成長基板からエピタキシャル材料を取り除きながら、犠牲層をエッチングするステップを含む。
【0060】
一実施例では、タイル状成長基板を形成する方法であって、ホスト基板上に第1犠牲層を形成するステップと、第1犠牲層上に第1エピタキシャル層を形成するステップと、ホスト基板から第1エピタキシャル層を除去しながら第1犠牲層をエッチングし、第1ELOプロセス中に第1エピタキシャル成長基板を形成するステップと、ホスト基板上に第2犠牲層を形成するステップと、第2犠牲層上に第2エピタキシャル層を形成するステップと、ホスト基板から第2エピタキシャル層を除去しながら第2犠牲層をエッチングし、第2ELOプロセス中に第2エピタキシャル成長基板を形成するステップと、第1および第2エピタキシャル成長基板を支持基板上に固着するステップとを含む方法が提供される。
【0061】
別の実施例では、タイル状成長基板を形成する方法であって、ホスト基板上に配置される第1犠牲層上に第1エピタキシャル層を形成するステップと、ホスト基板から第1エピタキシャル層を除去しながら第1犠牲層をエッチングし、第1ELOプロセス中に第1エピタキシャル成長基板を形成するステップとを含む方法が提供される。この方法はさらに、複数の蒸着およびELOプロセス中に複数のエピタキシャル成長基板を形成するステップを提供する。その後、この方法は、複数のエピタキシャル成長基板を支持基板に固着して、タイル状成長基板を形成するステップを提供する。別の実施形態において、この方法は、様々なELO膜および材料を形成するために、タイル状成長基板、すなわち支持基板上に配置されたエピタキシャル成長基板を、更なる蒸着およびELOプロセスに曝すステップを提供する。
【0062】
図3Aは、接着層308上に配置された複数のエピタキシャル成長基板320を含むタイル状成長基板300を示し、本明細書の一実施形態に記載のように、接着層がさらに支持基板310上に配置されている。その他の実施形態では、支持基板310が複数のエピタキシャル成長基板320を含み、その各々が、複数の接着層308が支持基板310に広がるように、別個の接着層308上に配置されている。その他の実施形態では、複数のエピタキシャル成長基板320が、接着層無しで、支持基板310上に直接配置されている。
【0063】
タイル状成長基板300は、一列または複数列のエピタキシャル成長基板320を含むことができる。図3Aには、5つのエピタキシャル成長基板320を含む列が示されている。一実施例では、タイル状成長基板300が4列含み、このため、20のエピタキシャル成長基板320を有している。本明細書の実施形態に記載のように、各エピタキシャル成長基板320上に形成または蒸着されたエピタキシャルスタック420が存在するように、タイル状成長基板300は、その上に複数のエピタキシャルスタック420を含むものとして示されている。ギャップ312のような空間、エリアまたは領域は、ELO膜スタック316の各々の間に延びており、ELO膜スタックは、独立したエピタキシャル成長基板320に配置された各エピタキシャルスタック420を含む。
【0064】
図3Bは、本明細書に記載の実施形態に係る、エピタキシャル成長基板320上に配置されたエピタキシャルスタック420を含む単一のELO膜スタック316を示している。接着層308および支持基板310は、ELO膜スタック316の詳細を説明するために、図示省略されている。一実施形態においては、エピタキシャルスタック420が、犠牲層404上に配置されたエピタキシャル材料418を含み、犠牲層がエピタキシャル成長基板320上に配置されている。エピタキシャル材料418は、少なくともガリウムヒ素からなるのガリウムヒ素活性層410を含むが、緩衝層および不動態化層を含むその他の層を複数含むことができる。図3A乃至図3Bに示すように、犠牲層404上にエピタキシャル材料418が配置され、このエピタキシャル材料418が、本明細書の実施形態に示すように、犠牲層404上に配置された緩衝層406、緩衝層406に配置された不動態化層408、不動態化層408上に配置されたガリウムヒ素活性層410、およびガリウムヒ素活性層410上に配置された不動態化層412を含む。
【0065】
図3Aは、タイル状成長基板300上に配置された5つのエピタキシャルスタック420からなる単一列を示しているが、エピタキシャルスタック420は、様々な配置構成でタイル状成長基板300上に配置することができる。単一列または複数列のエピタキシャルスタック420を、タイル状成長基板300上に配置することができる。5つのエピタキシャルスタック420の各列は、2またはそれ以上のエピタキシャルスタック420を有することができる。幾つかの実施例では、タイル状成長基板300が、2,3,4,5,6,10,12,20,24,30,50,100またはそれ以上のエピタキシャルスタック420を含むことができ、その各々が、エピタキシャル成長基板320上に含まれている。様々な実施形態では、ELOプロセスが、エピタキシャル成長基板320またはエピタキシャル材料418のその他の層からELO膜またはエピタキシャル材料418を剥ぎ取りながら、エッチングプロセス中に犠牲層404を取り除くステップと、エピタキシャル材料418がエピタキシャル成長基板320から取り除かれるまで、それらの間にエッチング隙間(etch crevice)を形成するステップとを含む。
【0066】
一実施形態では、タイル状成長基板300上に薄膜スタックが設けられ、これが、複数のエピタキシャルスタック420を含み、その各々がエピタキシャル成長基板320(例えば、GaAsを含む)上に配置されており、各エピタキシャルスタック420が、図3A乃至図3Bに示すように、犠牲材料404の層の上に蒸着されたエピタキシャル材料418の層を含む。
【0067】
各エピタキシャルスタック420内のエピタキシャル材料418および/または犠牲材料404の層は、同じ組成または異なる組成を持つことができる。幾つかの実施例では、エピタキシャル材料418の各層は、ガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、インジウムガリウムリン化物、それらの合金、それらの誘導体、またはそれらの組合せを独立に含むことができる。また、エピタキシャル材料418の各層は、複数の層を有することができる。一実施例では、エピタキシャル材料418の各層は、ガリウムヒ素を含む層と、アルミニウムガリウムヒ素を含む別の層とを独立に備える。その他の実施例では、エピタキシャル材料418の各層が、緩衝層406、不動態化層408およびガリウムヒ素活性層410を独立に含むことができる。幾つかの実施例では、エピタキシャル材料418の各層が第2不動態化層412をさらに含む。一実施例では、エピタキシャル材料418の各層が、ガリウムヒ素を含む緩衝層406と、アルミニウムガリウムヒ素を含む不動態化層408および412と、ガリウムヒ素活性層410とを独立に含むことができる。
【0068】
幾つかの実施例では、ガリウムヒ素緩衝層が、約100nmから約400nmの範囲内の厚さを有することができ、不動態化層408および412の各々が、約10nmから約50nmの範囲内の厚さを有することができ、ガリウムヒ素活性層410が、約400nmから約2,000nmの範囲内の厚さを有することができる。その他の実施例では、ガリウムヒ素緩衝層406が約300nmの厚さを有することができ、不動態化層408および412の各々が、約30nmの厚さを有することができ、ガリウムヒ素活性層410が約1,000nmの厚さを有することができる。不動態化層408および412の各々は、アルミニウムガリウムヒ素合金またはその誘導体を独立に含むことができる。
【0069】
その他の実施例では、ガリウムヒ素活性層410またはエピタキシャル材料418の各層は、複数の層を含む光起電セル構造(太陽電池構造)を備えることができる。一実施例では、光起電セル構造の層が、ガリウムヒ素、nドープされたガリウムヒ素、pドープされたガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、nドープされたアルミニウムガリウムヒ素、pドープされたアルミニウムガリウムヒ素、インジウムガリウムリン化物、それらの合金、それらの誘導体、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0070】
別の実施形態では、犠牲材料404の各層が、アルミニウムヒ素、その合金、その誘導体、またはそれらの組合せのような材料を独立に含むことができる。幾つかの実施例では、犠牲材料404の各層が、約1nmから約10nmまでの範囲内、好ましくは約4nmから約6nmまでの範囲内のように、約20nmまたはそれ未満の厚さを有するアルミニウムヒ素(ヒ化アルミニウム)層を独立に含むことができる。
【0071】
エピタキシャル成長基板320は、III/IV族物質のような様々な材料を含むか、そのような材料から形成することができ、またその他の元素をドープすることができる。一実施形態では、エピタキシャル成長基板320が、ガリウムヒ素、ガリウムヒ素合金またはそれらの誘導体を含むことができる。幾つかの実施例では、エピタキシャル成長基板320が、nドープされたガリウムヒ素、またはpドープされたガリウムヒ素を含むことができる。ガリウムヒ素成長基板のようなガリウムヒ素は、約5.73×10−℃−乃至約6.86×10−℃−の範囲内のCTEを有することができる。
【0072】
別の実施形態では、タイル状成長基板300上に様々なエピタキシャル材料を形成する方法が提供され、その方法が、エピタキシャル成長基板320上に複数のエピタキシャルスタック420を蒸着させるステップを含み、ELOスタック316が、エピタキシャル材料418の層を含むエピタキシャルスタック420を含み、各エピタキシャルスタック420が、犠牲材料404の層の上に蒸着される。
【0073】
別の実施形態では、タイル状成長基板300上に様々なエピタキシャル材料を形成する方法が提供され、その方法が、エピタキシャル成長基板320上に複数のエピタキシャルスタック420を蒸着させるステップであって、各エピタキシャルスタック420が犠牲材料404の層の上に蒸着されたエピタキシャル材料418の層を含むステップと、少なくとも1のELOプロセス中にタイル状成長基板300からエピタキシャル材料418の層を取り除きながら、犠牲材料404の層をエッチングするステップとを含む。
【0074】
幾つかの実施形態では、タイル状成長基板300が、2,3,4,5,6,10,12,20,24,50,100またはそれ以上のエピタキシャルスタックを有することができる。エピタキシャル材料418の各層は、同じ組成または異なる組成を有することができる。同様に、犠牲材料404の各層は、同じ組成または異なる組成を有することができる。エピタキシャル材料418の各層は、複数の層を含むことができ、ガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素またはそれらの誘導体を独立に含むことができる。ある実施例では、エピタキシャル材料418の各層が、ガリウムヒ素を含む層と、アルミニウムガリウムヒ素を含む別の層とを独立に備える。一実施形態では、エピタキシャル材料418の各層が、緩衝層406、不動態化層408、ガリウムヒ素活性層410および不動態化層412を独立に含むことができる。幾つかの実施例では、緩衝層406がガリウムヒ素を含み、不動態化層408および412がそれぞれアルミニウムガリウムヒ素を独立に含むことができ、活性層410がガリウムヒ素を含むことができる。
【0075】
幾つかの実施形態では、犠牲層404または材料を、ELOエッチングステップ中にウエットエッチング液に曝すことができる。ウエットエッチング液は、フッ化水素酸を含むことができるとともに、界面活性剤および/または緩衝剤をさらに含む。幾つかの実施例では、犠牲層404または材料を、約0.3mm/時またはそれ以上、好ましくは約1mm/時またはそれ以上、より好ましくは約5mm/時またはそれ以上の割合で、ウエットエッチングプロセス中にエッチングすることができる。
【0076】
幾つかの代替的な実施形態では、犠牲層404または材料を、ELOエッチングステップ中に電気化学エッチングに曝すことができる。電気化学エッチングは、バイアスプロセス(biased process)またはガルバニックプロセス(galvanic process)を含むことができる。別の実施例では、犠牲層404または材料を、ELOエッチングステップ中に気相エッチングに曝すことができる。気相エッチングは、フッ化水素蒸気に犠牲層404または材料を曝すことを含む。本明細書に記載のELOプロセスは、光化学エッチングプロセス、熱的に強化されたエッチングプロセス、プラズマ強化されたエッチングプロセス、応力強化されたエッチングプロセス、それらの派生プロセス、またはそれらの組合せのような、エッチングプロセスまたはエッチングステップを含むことができる。
【0077】
別の実施形態では、エピタキシャルリフトオフプロセス中に複数のエピタキシャル薄膜を形成する方法が提供され、その方法が、支持基板上に配置された複数のガリウムヒ素成長基板上に複数のアルミニウムヒ素犠牲層を同時に蒸着させるステップを含み、単一のアルミニウムヒ素犠牲層が、各ガリウムヒ素成長基板上に蒸着され、ガリウムヒ素成長基板の各々が、支持基板上に互いに隣り合うように離して配置され、ギャップが、ガリウムヒ素成長面間に延びて、それらを互いに分離させる。
【0078】
この方法は、複数のアルミニウムヒ素犠牲層上に複数の緩衝層を同時に蒸着させるステップをさらに含む。単一の緩衝層を、各アルミニウムヒ素犠牲層上にCVDによって蒸着させることができる。その後、複数のガリウムヒ素活性層が、同時に成長させるか、若しくは、単一のガリウムヒ素活性層が各緩衝層上に蒸着されるように、複数の緩衝層上に蒸着される。
【0079】
支持膜、ハンドルまたはテープは、支持基板として、ガリウムヒ素活性層またはELO膜の反対面上またはその上方に蒸着させることができる。支持膜は、圧縮の維持によりガリウムヒ素活性層を安定させるとともに、ELOプロセスのエッチングおよび除去ステップ中またはその後にガリウムヒ素活性層を保持するために、使用される。ELOプロセスは、ガリウムヒ素成長面からガリウムヒ素活性層を分離しながら、アルミニウムヒ素犠牲層をエッチングするステップを含む。エッチングプロセス中、てこの作用を提供して、エピタキシャル成長基板からELO膜を一列ずつまたはすべての列を同時に分離するために、支持膜を使用することができる。
【0080】
上記記載は本発明の実施形態に向けられているが、本発明の基本的な範囲を逸脱することなく、本発明のその他の実施形態および更なる実施形態を考え出すことができ、その発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって決定されるものである。

【図1A】

【図1B】

【図1C】

【図1D】

【図2A】

【図2B】

【図3A】

【図3B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガリウムヒ素基板アセンブリであって、
約5×10−℃−から約9×10−℃−までの範囲内の熱膨張係数を有する支持基板と、
前記支持基板上に配置される接着層と、
前記接着層上に互いに隣り合うように離して配置される少なくとも2のガリウムヒ素成長基板とを備え、ギャップが前記ガリウムヒ素成長基板の間に延びて、前記ガリウムヒ素成長基板を互いに分離することを特徴とするガリウムヒ素基板アセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のガリウムヒ素基板アセンブリにおいて、
前記熱膨張係数が、約5.2×10−℃−から約8.5×10−℃−までの範囲内であることを特徴とするガリウムヒ素基板アセンブリ。
【請求項3】
請求項1に記載のガリウムヒ素基板アセンブリにおいて、
前記少なくとも2のガリウムヒ素成長基板が、4またはそれ以上のガリウムヒ素成長基板を含むことを特徴とするガリウムヒ素基板アセンブリ。
【請求項4】
請求項3に記載のガリウムヒ素基板アセンブリにおいて、
前記少なくとも2のガリウムヒ素成長基板が、12またはそれ以上のガリウムヒ素成長基板を含むことを特徴とするガリウムヒ素基板アセンブリ。
【請求項5】
請求項1に記載のガリウムヒ素基板アセンブリにおいて、
前記支持基板が、ニオブ、ニオブ合金、炭化チタン、ケイ酸マグネシウム、ステアタイト、炭化タングステン、炭化タングステンサーメット、イリジウム、アルミナ、アルミナセラミックス、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ジルコニア、炭化ジルコニウム、オスミウム、タンタル、ハフニウム、モリブデン、モリブデン合金、それらの酸化物、それらのケイ酸塩、それらの合金、それらの誘導体およびそれらの組合せからなる群から選択される材料を備えることを特徴とするガリウムヒ素基板アセンブリ。
【請求項6】
請求項1に記載のガリウムヒ素基板アセンブリにおいて、
前記支持基板が、孔を有していないか、または実質的に孔を有していないことを特徴とするガリウムヒ素基板アセンブリ。
【請求項7】
請求項1に記載のガリウムヒ素基板アセンブリにおいて、
前記支持基板がフッ化水素またはフッ化水素酸に対する耐性を有するか、または実質的に耐えることを特徴とするガリウムヒ素基板アセンブリ。
【請求項8】
請求項1に記載のガリウムヒ素基板アセンブリにおいて、
前記接着層が、光学接着剤または紫外線硬化接着剤を含むことを特徴とするガリウムヒ素基板アセンブリ。
【請求項9】
請求項8に記載のガリウムヒ素基板アセンブリにおいて、
前記接着層が、メルカプトエステル化合物を含むことを特徴とするガリウムヒ素基板アセンブリ。
【請求項10】
請求項9に記載のガリウムヒ素基板アセンブリにおいて、
前記接着層が、フタル酸ブチルオクチル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリレート単量体、それらの誘導体およびそれらの組合せからなる群から選択される材料をさらに含むことを特徴とするガリウムヒ素基板アセンブリ。
【請求項11】
請求項1に記載のガリウムヒ素基板アセンブリにおいて、
前記接着層が、シリコーンまたはケイ酸ナトリウムを含むことを特徴とするガリウムヒ素基板アセンブリ。
【請求項12】
ガリウムヒ素基板アセンブリであって、
支持基板上に配置される接着層と、
前記接着層上に互いに隣り合うように離して配置される少なくとも2のガリウムヒ素成長基板とを備え、
前記支持基板が、約650℃またはそれ未満の温度で前記ガリウムヒ素基板内において約0.1%またはそれ未満の最大応力を与える熱膨張係数を備え、ギャップが前記ガリウムヒ素成長基板の間に延びて、前記ガリウムヒ素成長基板を互いに分離することを特徴とするガリウムヒ素基板アセンブリ。
【請求項13】
請求項12に記載のガリウムヒ素基板アセンブリにおいて、
前記熱膨張係数が、約9×10−℃−またはそれ未満であることを特徴とするガリウムヒ素基板アセンブリ。
【請求項14】
請求項13に記載のガリウムヒ素基板アセンブリにおいて、
前記熱膨張係数が、約5×10−℃−から約8×10−℃−までの範囲内であることを特徴とするガリウムヒ素基板アセンブリ。
【請求項15】
請求項12に記載のガリウムヒ素基板アセンブリにおいて、
前記熱膨張係数が、約5.2×10−℃−から約8.5×10−℃−までの範囲内であることを特徴とするガリウムヒ素基板アセンブリ。
【請求項16】
請求項12に記載のガリウムヒ素基板アセンブリにおいて、
前記少なくとも2のガリウムヒ素成長基板が、4またはそれ以上のガリウムヒ素成長基板を含むことを特徴とするガリウムヒ素基板アセンブリ。
【請求項17】
請求項16に記載のガリウムヒ素基板アセンブリにおいて、
前記少なくとも2のガリウムヒ素成長基板が、12またはそれ以上のガリウムヒ素成長基板を含むことを特徴とするガリウムヒ素基板アセンブリ。
【請求項18】
請求項12に記載のガリウムヒ素基板アセンブリにおいて、
前記支持基板が、ニオブ、ニオブ合金、炭化チタン、ケイ酸マグネシウム、ステアタイト、炭化タングステン、炭化タングステンサーメット、イリジウム、アルミナ、アルミナセラミックス、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ジルコニア、炭化ジルコニウム、オスミウム、タンタル、ハフニウム、モリブデン、モリブデン合金、それらの酸化物、それらのケイ酸塩、それらの合金、それらの誘電体およびそれらの組合せからなる群から選択される材料を備えることを特徴とするガリウムヒ素基板アセンブリ。
【請求項19】
請求項12に記載のガリウムヒ素基板アセンブリにおいて、
前記支持基板が、孔を有していないか、または実質的に孔を有していないことを特徴とするガリウムヒ素基板アセンブリ。
【請求項20】
請求項12に記載のガリウムヒ素基板アセンブリにおいて、
前記支持基板がフッ化水素またはフッ化水素酸に対する耐性を有するか、または実質的に耐えることを特徴とするガリウムヒ素基板アセンブリ。
【請求項21】
請求項12に記載のガリウムヒ素基板アセンブリにおいて、
前記接着層が、光学接着剤または紫外線硬化接着剤を含むことを特徴とするガリウムヒ素基板アセンブリ。
【請求項22】
請求項21に記載のガリウムヒ素基板アセンブリにおいて、
前記接着層が、メルカプトエステル化合物を含むことを特徴とするガリウムヒ素基板アセンブリ。
【請求項23】
請求項22に記載のガリウムヒ素基板アセンブリにおいて、
前記接着層が、フタル酸ブチルオクチル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリレート単量体、それらの誘電体およびそれらの組合せからなる群から選択される材料をさらに含むことを特徴とするガリウムヒ素基板アセンブリ。
【請求項24】
請求項12に記載のガリウムヒ素基板アセンブリにおいて、
前記接着層が、シリコーンまたはケイ酸ナトリウムを含むことを特徴とするガリウムヒ素基板アセンブリ。
【請求項25】
タイル状成長基板の形成方法であって、
ホスト基板上に配置される犠牲層上にガリウムヒ素を有するエピタキシャル材料を形成するステップと、
前記ホスト基板から前記エピタキシャル材料を取り除きながら前記犠牲層をエッチングして、エピタキシャルリフトオフプロセス中にガリウムヒ素成長基板を形成するステップと、
少なくとも2のガリウムヒ素成長基板を支持基板上に固着するステップと、
前記支持基板上に配置された前記ガリウムヒ素成長基板を更なる蒸着およびエピタキシャルリフトオフプロセスに曝すステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法において、
前記支持基板が、約5×10−℃−から約9×10−℃−までの範囲内の熱膨張係数を有することを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法において、
前記熱膨張係数が、約5.2×10−℃−から約8.5×10−℃−までの範囲内であることを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項25に記載の方法において、
前記支持基板が、ニオブ、ニオブ合金、炭化チタン、ケイ酸マグネシウム、ステアタイト、炭化タングステン、炭化タングステンサーメット、イリジウム、アルミナ、アルミナセラミックス、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ジルコニア、炭化ジルコニウム、オスミウム、タンタル、ハフニウム、モリブデン、モリブデン合金、それらの酸化物、それらのケイ酸塩、それらの合金、それらの誘電体およびそれらの組合せからなる群から選択される材料を備えることを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項25に記載の方法において、
前記支持基板が、孔を有していないか、または実質的に孔を有していないことを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項25に記載の方法において、
前記支持基板がフッ化水素またはフッ化水素酸に対する耐性を有するか、または実質的に耐えることを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項25に記載の方法において、
前記支持基板上に接着層を形成するステップと、
前記接着層上に前記ガリウムヒ素成長基板を配置するステップとをさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法において、
前記接着層が、光学接着剤または紫外線硬化接着剤を含むことを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法において、
前記接着層が、メルカプトエステル化合物を含むことを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法において、
前記接着層が、フタル酸ブチルオクチル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリレート単量体、それらの誘電体およびそれらの組合せからなる群から選択される材料をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項31に記載の方法において、
前記接着層が、シリコーンまたはケイ酸ナトリウムを含むことを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項25に記載の方法において、
前記ガリウムヒ素成長基板がガリウムヒ素合金またはその誘導体を含むことを特徴とする方法。
【請求項37】
請求項25に記載の方法において、
前記支持基板が、4またはそれ以上のガリウムヒ素成長基板を含むことを特徴とする方法。
【請求項38】
請求項37に記載の方法において、
前記支持基板が、12またはそれ以上のガリウムヒ素成長基板を含むことを特徴とする方法。
【請求項39】
請求項25に記載の方法において、
前記エピタキシャル材料が、ガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、インジウムガリウムリン化物、それらの合金、それらの誘導体およびそれらの組合せからなる群から選択される材料を含むことを特徴とする方法。
【請求項40】
請求項39に記載の方法において、
前記エピタキシャル材料が、ガリウムヒ素を含む層と、アルミニウムガリウムヒ素を含む別の層とを備えることを特徴とする方法。
【請求項41】
請求項39に記載の方法において、
前記エピタキシャル材料が、ガリウムヒ素緩衝層と、少なくとも1のアルミニウムガリウムヒ素不動態化層と、ガリウムヒ素活性層とを備えることを特徴とする方法。
【請求項42】
請求項41に記載の方法において、
前記ガリウムヒ素緩衝層が、約100nmから約500nmまでの範囲内の厚さを有し、前記アルミニウムガリウムヒ素不動態化層の各々が、約10nmから約50nmまでの範囲内の厚さを有し、前記ガリウムヒ素活性層が、約500nmから約2,000nmまでの範囲内の厚さを有することを特徴とする方法。
【請求項43】
請求項39に記載の方法において、
前記エピタキシャル材料が、複数の層を有する太陽電池構造を備え、この太陽電池構造が、ガリウムヒ素、nドープされたガリウムヒ素、pドープされたガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、nドープされたアルミニウムガリウムヒ素、pドープされたアルミニウムガリウムヒ素、インジウムガリウムリン化物、それらの合金、それらの誘導体、およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも2の材料を含むことを特徴とする方法。
【請求項44】
請求項25に記載の方法において、
前記犠牲層が、アルミニウムヒ素、その合金、その誘導体およびそれらの組合せからなる群から選択される材料を含むことを特徴とする方法。
【請求項45】
請求項44に記載の方法において、
前記犠牲層が、約1nmから約20nmまでの範囲内の厚さを有するアルミニウムヒ素層を含むことを特徴とする方法。
【請求項46】
タイル状成長基板の形成方法であって、
エピタキシャルリフトオフプロセス中に複数のガリウムヒ素成長基板を形成するステップと、
前記複数のガリウムヒ素成長基板を支持基板上に固着するステップと、
前記支持基板上に配置された前記複数のガリウムヒ素成長基板に対して、蒸着プロセスおよび更なるエピタキシャルリフトオフプロセスを実行するステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項47】
請求項46に記載の方法において、
前記支持基板が、約5×10−℃−から約9×10−℃−までの範囲内の熱膨張係数を有することを特徴とする方法。
【請求項48】
エピタキシャルリフトオフプロセス中に複数のエピタキシャル薄膜を形成する方法であって、
支持基板上に配置された複数のガリウムヒ素成長面上に複数のアルミニウムヒ素犠牲層を同時に蒸着させるステップであって、各ガリウムヒ素成長面上に単一のアルミニウムヒ素犠牲層が蒸着されて、前記ガリウムヒ素成長面の各々が、前記支持基板上に互いに隣り合うように離して配置され、ギャップが、前記ガリウムヒ素成長面の間に延びて前記ガリウムヒ素成長面を互いに分離するステップと、
前記複数のアルミニウムヒ素犠牲層上に複数の緩衝層を同時に蒸着させるステップであって、各アルミニウムヒ素犠牲層上に単一の緩衝層を蒸着させるステップと、
前記複数の緩衝層上に複数のガリウムヒ素活性層を同時に蒸着させるステップであって、各緩衝層上に単一のガリウムヒ素活性層を蒸着させるステップと、
前記ガリウムヒ素活性層を前記ガリウムヒ素成長面から分離しながら、前記アルミニウムヒ素犠牲層をエッチングするステップとを備えることを特徴とする方法。


【公表番号】特表2012−519381(P2012−519381A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552225(P2011−552225)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/025796
【国際公開番号】WO2010/099544
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(510312640)アルタ デバイセズ,インコーポレイテッド (11)
【氏名又は名称原語表記】ALTA DEVICES,INC.
【Fターム(参考)】