説明

蒸着装置及びそれを使用する蒸着方法

【課題】底部及び側壁を有するボート又はるつぼの形の容器、及び前記容器に存在する蒸発された原材料から燐光体又はシンチレータ材料を層の形でその上に蒸着するための支持体を蒸着アセンブリとして含む蒸着装置を提供する。
【解決手段】前記容器は、一つ以上の穿孔を有する少なくとも二つのカバー又は蓋のアセンブリ7,8を内部に含み、カバー又は蓋の一つは前記支持体により近い第一蓋としての外部蓋8であり、他のカバー又は蓋は前記ボート又はるつぼの底部により近い第二蓋としての内部蓋7であり、前記外部蓋8に存在する穿孔は、前記ボート又はるつぼの底部により近い前記内部蓋7に存在する穿孔の全表面積より大きい全表面積を有し、前記蒸着装置において前記るつぼの底部又は前記原材料は前記支持体のいかなる場所からも前記穿孔を通して決して直接見ることができない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱されたるつぼに存在する原材料からの燐光体又はシンチレータ材料の蒸着装置に装着された支持体上への均一な蒸着を与える蒸着装置に関し、それによって液化された原材料の吐き出しによる不均一な蒸着を生じる「スポットエラー」又は「ピット」を避けるのに加えて、支持体温度に影響を及ぼさずに、前記支持体へのより一定の蒸着速度を生じるものである。
【背景技術】
【0002】
物理蒸着(PVD)並びに化学蒸着(CVD)技術では、特別に設計された電気加熱るつぼの使用に加えて、均一な燐光体又はシンチレータ被覆組成及びその全表面にわたる均一な層厚さの蒸着を与える要因は、例えばUS−A 2004/0219289に記載されているように、支持体の位置における蒸気クラウドのプロファイルを決定する距離と関係する。
【0003】
USシリアルNo.60/839339に開示されているように、支持体上に放射線像貯蔵燐光体層を製造する方法は、蒸着装置において一つ以上の耐熱性るつぼからの結合剤のない貯蔵燐光体層の蒸着を確実にするためにアルカリ金属ハロゲン化物塩及びランタノイドドーパント塩又はそれらの組み合わせの原材料の蒸着工程を含み、一つ以上のシャッターは前記るつぼと前記支持体の間に位置され、前記蒸着工程がシャッターを開放しながら開始するとき、開始温度は蒸着される支持体の側とは反対の支持体の裏側の支持体の近くに位置された熱電対によって測定及び記録され、その温度は追加の加熱が適用されるとき、250℃未満、100℃以上である。より特定された実施形態では、蒸着される支持体の側とは反対の支持体の裏側の近くに位置された熱電対によって測定及び記録される前記開始温度は、抵抗加熱又は放射線加熱によって与えられる追加の加熱が適用されるとき、220℃未満、130℃以上である。
【0004】
その発明の有利な効果として、その明細書及び実施例において上述したように、抵抗加熱蒸発工程においてるつぼのシャッターを開放することによって蒸発を開始しながら、原材料が蒸着されない支持体の裏側の熱電対によって測定及び記録される温度が250℃未満、100℃以上の範囲である条件において、追加の加熱が適用されるとき、かくして得られた貯蔵燐光体プレートに対して最適なスピード及びシャープネスが測定されることが確立されている。
【0005】
しかしながら、特に支持体の表側と裏側の温度の操縦及び制御に関して所望の燐光体又はシンチレータ材料の均一な蒸着に有利な両手段は、かなり複雑である。
【0006】
とにかく、いかなる蒸発工程においても、加熱された容器に存在する液化された原材料の吐き出しによる燐光体又はシンチレータの不均一な蒸発を生じる「スポットエラー」又は「ピット」を避けるために注意を払うべきである。表面の望ましくない不均一性の物理的存在に加えて、スピード又は感度の差は診断画像形成のためのスクリーン、プレート又はパネルとしてのその使用に重荷を負わせうる。特にそれらの燐光体がシンチレータとして直接放射線写真において、即発燐光体として増感スクリーンにおいて、又はコンピュータ放射線写真(CR)に使用される刺激性燐光体としての貯蔵パネルにおいて好適であるときにそうである。
【0007】
さらに、隙間における針状結晶の望ましくない生長は避けるべきである。さらに、過剰の大きい「スポットエラー」又は「ピット」の存在、特に「支持体上で生長された針状結晶間の隙間の針状結晶の生長」の存在は、MTFデータによって表示される像シャープネスにマイナスの影響を持ち、従ってその改良が大きく要求されている。
【発明の開示】
【0008】
それゆえ、本発明の目的は、望ましい燐光体又はシンチレータ組成の均一な蒸着を有するスクリーン、パネル又はプレートの製造を可能にし、さらにMTF測定によって表現される解像度又はシャープネスを増大する、簡単な蒸着装置を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、スクリーン又はパネルの針状燐光体又はシンチレータ層における結晶均一性の損失を避けるために、蒸着時の針状結晶間の間隙又は隙間における「針状結晶の隙間生長」を避けることである。
【0010】
本発明のさらなる目的は、特に支持体上への燐光体又はシンチレータ材料の蒸着が考えられる真空室における真空条件において、CDV又はPDV技術を適用しながら調製される燐光体又はシンチレータのための支持体に望ましくない「スポット」又は「ピット」が到達することを防止するためのツールとして簡単な構成を提供することにある。
【0011】
上述の有利な効果は特定の蒸着装置の使用によって実現され、その装置は装置に装着された支持体上に蒸着される原材料のためのボート又はるつぼの形の容器を含み、前記容器はるつぼの内部に装着された穿孔されたカバー又は蓋のアセンブリを与えられ、そのるつぼから蒸発された原材料が前記容器の加熱時に逃避し、前記アセンブリは請求項1に規定された特徴を有する。本発明の好ましい実施形態の特徴は従属請求項に規定されている。
【0012】
本発明のさらなる利点及び実施形態は以下の記載から明らかになるだろう。
【0013】
図1は、幅「W」、高さ「H」及び長さ「L」としての寸法の意味の表示を有するるつぼの図を示し、図中、(1)は折り曲げられたるつぼを表わし、(2)はるつぼの容器を表わし、(3)はリップ(るつぼの両側で存在)を表わし、(4)はスリット(5)を中に有するカバープレートを表わし、支持体の光反射表面の垂線と刺激性燐光体の蒸気の入射角が20°以下にされており、ガイドプレート(6)はさらに蒸気流れを支持体の方に向ける。幅「W」は常に長さ「L」より小さいことは明らかである。一つの長いスリットは、規則的な部位で妨げられるかどうかにかかわらず、るつぼの最も長い側又は長さと平行に配置される。スリット(5)は、カバープレート(4)の金属を通る伝導によるスリット開口における熱の損失を避けるために、境界において断熱部材を任意選択的に与えられる。
【0014】
図2は、(図1の位置Aを通って切断された)側面図を示す。
【0015】
図3は、(図1の位置Bを通って切断された)正面図を示す。
【0016】
図4は、外部又は第一のカバー又は蓋(8)及び内部又は第二のカバー又は蓋(7)をそれぞれ表わす、内部に位置された折り曲げられた穿孔カバープレート(7)及び(8)を有するるつぼ構成のための(位置Aを通って切断された)側面図を示す。
【0017】
図5は、内部に位置された同じ折り曲げられた穿孔カバープレート(7)及び(8)を有する図4と同じるつぼ構成のための(位置Bを通って切断された)正面図を示す。
【0018】
図6は、るつぼ(2)の底部により近い穿孔内部(第二)蓋(7)の全表面積と、支持体により近い穿孔外部(第一)蓋(8)の全表面積の間の比率の関数として1lp/mmにおけるMTFを示す。
【0019】
図7は、るつぼ(2)の底部により近い穿孔内部(第二)蓋(7)の全表面積と、支持体により近い穿孔外部(第一)蓋(8)の全表面積の間の比率の関数として3lp/mmにおけるMTFを示す。
【0020】
図8は、実験に使用される穿孔カバーの幾つかの例を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明による蒸着装置では、蒸発アセンブリとして、底部及び側壁を有するボート又はるつぼの形の容器、及び前記容器に存在する蒸発原材料から燐光体又はシンチレータ材料を層の形でその上に蒸着するための支持体を与えられ、前記容器は一つ以上の穿孔を有する少なくとも二つのカバー又は蓋のアセンブリを内部に含み、カバー又は蓋の一つは前記支持体により近い第一蓋としての外部蓋であり、他のカバー又は蓋は前記ボート又はるつぼの底部により近い第二蓋としての内部蓋であり、前記外部蓋における穿孔は前記ボート又はるつぼの底部により近い前記内部蓋の穿孔の全表面積を越える全表面積を有し、前記蒸着装置において前記るつぼの底部又は前記原材料は前記支持体のいかなる場所からも前記穿孔を通して決して直接見ることができない。
【0022】
両方の蓋又はカバーの間の距離は蒸発工程ごとに変動可能であり、前記距離はるつぼに存在する蒸発されるべき原材料の量に依存する。従って、両カバーの互いに対する及び原材料の表面レベルに対する位置決めは蒸発工程の開始時の原材料の量に依存する。特に、原材料は通常、底部から外部又は第一蓋の位置まで測定したるつぼ高さの80%より大きいレベルまでるつぼを満たさないが、第二又は内部蓋は前記るつぼ高さの2%〜40%の範囲の距離内で第一蓋の下に位置される。第二蓋についての前記るつぼ高さの前記40%レベルは内部蓋が蒸発工程の開始時に液化された原材料と接触していることを意味するが、蒸発工程の開始時に内部蓋の位置の上に位置された液化材料を任意選択的に持つことは推奨されないが除外されない。しかし、その任意のケースにおいて、蒸発時にるつぼに残る液化原材料のレベルが内部蓋の位置の下にできるだけ早く(即ち、全蒸発時間又はサイクルの時間の少なくとも半分以内に)沈むことが推奨される。特別な実施形態では、るつぼは蒸着工程が効果的に開始するまで閉鎖カバー(即ち、るつぼの上に位置された開口のないカバー)を与えられる。
【0023】
(ソーダライム、石英、サファイア)ガラスシート、アルミニウム、鉄、錫、クロムなどの金属シートから構成されるものとして一般に知られるウェブ又は支持体(substrate,support)(その上に形成された燐光体層の気相蒸着の場合において、アラミドのような耐熱性樹脂又は炭素繊維強化シート、非晶質炭素(a−C)シート、有機被覆と任意選択的に組み合わされる(銀)鏡層又は酸化物層でカバーされているかどうか問わない)にスポットが到達するのを避けるための一つの方法は、るつぼの周囲縁によって支持されかつ前記るつぼの少なくとも一部をカバーする金属ラスターでトレー、ボート又はるつぼを含む容器の出口上をカバーすることである。
【0024】
容器並びに穿孔カバーのかかる材料組成が物理的影響に対して抵抗性であるべきであること、材料が耐火材料であるべきであることは明らかである。それゆえ、所望の耐火材料は、Mo,Nb,Ta及びWからなる材料の群から選択される。耐火カバー材料として使用するために好適な材料の究極の選択は最も一般的にはその取り扱い性に依存する。というのは、カバーは、容器、ボートもしくはるつぼ上への又は任意選択的にその煙突内へのカバーとして使用するために好適であるために、蒸発された原材料の逃避を少なくするために、及び製造されるべき燐光体又はシンチレータのスクリーン又はパネルの支持体上への均一な蒸着を制御するために所望の形(例えば、いわゆる「ニップ領域」又はローラ間又は他の「平坦化手段」又は「曲げ手段」における所望の厚さのプレートの折り曲げ又は曲げによる変形)にカバーをもたらすべきであるからである。
【0025】
さらに、容器に存在する原材料だけが支持体上へ後で蒸着されるために設計された高い工程温度(700〜900℃の範囲)で溶融すべきであることは明らかである。例えばるつぼに含まれる原材料及びるつぼ材料から構成される「混合溶融」結晶の形成は明らかに認識されるべきではない。というのは、蒸着された層中のるつぼ材料の存在は望ましくない汚染、場合によっては着色の源を形成するからである。物理的に不活性であることに加えて、カバー材料並びにるつぼ材料が可能な限り化学的に不活性であるべきであること、接触する原材料とるつぼ材料の間の化学反応がほぼ不可能であるべきであることは明らかである。そうでなければスクリーン又はパネルの支持体上への蒸着された生成物の組成が十分に規定されないからである。かかる「規定されない」組成に加えて、蒸着された層の均質性又は均一性はさらに制御外であるべきである。
【0026】
それらのスポット欠陥を避けるために最も有利な効果を得るために様々な構成が利用可能である。極めて小さい穴がカバーに存在するときであっても、前記カバーは蒸発原材料が容器と支持体の間の蒸着装置の空間に入る前に通過するるつぼにおける最後のバリヤーとして存在し、過剰の「スポットエラー」又は「ピット」は蒸着された層のパターンの均一性をなお妨げうる。底部及び周囲側壁を有するるつぼに存在する穿孔カバーのアセンブリを提供し、支持体により近い穿孔された第一カバー又は外部蓋の穿孔の全表面積がるつぼの底部により近い穿孔されたカバーの穿孔の全表面積に等しいか又はそれより大きくすることによって今や解決策が見い出された。その一つの実施形態では、前記内部蓋は液化された原材料の上に、即ちそれと接触して位置される。かかる構成は遅い蒸着、即ち1分あたりの低量の燐光体又はシンチレータ材料の蒸着、及び支持体温度の容易な維持をもたらし、一方支持体に到達する熱の形の追加の蒸着エネルギーが少ない。さらに、るつぼにおける両方の穿孔されたカバーがそれらの穿孔パターンが決して重ならないように装着すること、即ちるつぼの底部が支持体のいかなる場所からも見ることができず観察できないように装着することは、蒸着を実施しているときにその支持体上への望ましくないスポットエラー又はピットの不存在をもたらす。しかしながら、さらに重要なことに本発明の特に有利な効果として、かかる穿孔されたカバーアセンブリの使用の結果として、前記支持体の裏側上の近くに位置された熱電対によって測定された支持体の温度変化の減少がMTF百分率で測定するとシャープネスの増大をもたらすことが予期せぬことに見出された。
【0027】
るつぼのアセンブリを形成する続く穿孔されたカバーの構成(その一つは支持体により近い位置に存在し、それはるつぼの底部上の原材料により近いものより大きい全開口又は穴表面積を有する)は様々な方法で与えられることができる。
【0028】
従って、ある実施形態では、両カバーにおける穿孔を形成する穴又は小さなスリットは楕円、円、三角形、正方形、長方形、六角形(例えばハニカム形)又は別の多角形又はさらには規定されない形態(但し、それらに限定されない)のような形状で同一又は異なってもよい。別の実施形態では、両カバーに穿孔として存在する前記小さい穴又はスリットはそれらが各々表わす表面に関して同一であってもそうでなくてもよい。穿孔として穴又は小さいスリットの組み合わせが与えられてもよく、その場合、形態又は形状が同じであるが、それらの各々の表面積が異なるもの、形態又は形状が異なるが、それらの各々の表面積が同じであるもの、又は形態又は形状とそれらの各々の表面積が異なるものがある。しかし、前述のような必要な条件はともに常に満たされるべきである。即ち、続く穿孔されたカバーにおける穿孔と、燐光体又はシンチレータ層が蒸着されるスクリーン又はパネルの支持体により近い穿孔されたカバーについての穿孔のより大きい全表面積との間に重なりが全くないべきである。ある特別な実施形態では、支持体により近い穿孔されたカバーは、小さい蓋表面を各々表わす穿孔を多く持つ。別の実施形態では、支持体により近い穿孔されたカバーは、るつぼの底部のより近くに位置されたカバーより大きい表面を各々表わす穿孔を少なく持つ。それらの実施形態に対する、即ち穿孔されたカバーのアセンブリにおける穿孔パターンに対する制限は、前述したように穿孔間に重なりがないという追加の条件に明らかに依存する。
【0029】
二つの穿孔されたプレート又はカバーの場合において、これらのプレート又はカバーが平行なカバーとして装着されることが最も有利であることが理解される。従って、ある実施形態では、本発明による蒸着装置では、前記内部蓋及び前記外部蓋は前記容器において互いに対して平行に装着される。特に、前記内部蓋及び前記外部蓋は、るつぼの底部に対して又は底部(前記底部が平坦でない場合)にもしくは液化された原材料の表面に接する平面に接する平面に対して平行に装着される。別の実施形態では、前記内部蓋及び前記外部蓋は互いに対して平行に装着されるが、るつぼの底部に対して又は底部にもしくは液化された原材料の表面に接する平面に対して平行ではない。さらに別の実施形態では、前記内部蓋及び前記外部蓋は各々に対して平行に装着されないが、それらの二つの蓋の一つはるつぼの底部に対して又は底部に接する平面に対して又は液化された原材料の表面に対して平行に位置される。そして、さらに別の実施形態では、前記内部蓋、前記外部蓋又はるつぼの底部の平面又はるつぼの底部の平面又は前記底部に接する平面又は液化された原材料の表面は互いに対して平行である。最も重要な条件は、本発明の蒸着装置において前記るつぼの底部が前記支持体のいかなる場所からも前記穿孔を通して決して直接見ることができないことである。
【0030】
特に、本発明による蒸着装置は有利には、前記内部蓋及び前記外部蓋において1mm〜5mmの範囲の等価円直径を有する穿孔を持ち、前記穿孔の穴の中心間の平均距離は2mm〜10mmの範囲である。用語「等価円直径」及び「等価円」は、各穿孔形状を許容し、穿孔の寸法及び穿孔間の距離をその形状から独立した方法で規定するために導入されている。従って、用語「等価円直径」は、どのような穿孔であれ、その円に等価な表面積として表現される穿孔の表面積に関し、そこから直径が計算される。同じ等価円表面積から、穿孔間の平均距離を表わすために中心がとられる。従って、例えば支持体により近い穿孔されたカバーについて中心に大きいサイズを有しかつるつぼの側壁の近くに小さいサイズを有する穿孔、るつぼの底部により近い穿孔されたカバーについてその逆の穿孔が、本発明の蒸着装置におけるカバーアセンブリの構成に有利でありうる。
【0031】
ある実施形態では、本発明による蒸着装置では、前記内部蓋と前記外部蓋の間であらゆる距離が実行可能であり、るつぼの底部により近い第二又は内部蓋は液化された原材料中に位置されないことが有利である。別の実施形態では、本発明による蒸着装置では、前記内部蓋と前記外部蓋の間であらゆる距離が実行可能であるが、任意選択的に、るつぼの底部により近い第二又は内部蓋が液化された原材料中に位置されることは除外されない。但し、それは全蒸発時間の50%より多い時間にわたって前記液化された原材料中に位置されないことが条件である。
【0032】
本発明による蒸着装置では、アセンブリにおける穿孔されたプレート又はカバー間の最短距離は、上部から底部まで垂直に測定された内部るつぼの全高さの2%〜40%の範囲である。本発明による別の実施形態では、穿孔されたカバーアセンブリは、前記穿孔が両プレートに対して同一であるように構成される。本発明によるさらに別の実施形態では、アセンブリは、前記穿孔が二つの穿孔されたプレートの両方に対して異なるように構成され、そこでは支持体により近いプレートが、るつぼ容器の底部に、即ち蒸着されるべき原材料の表面により近い穿孔されたカバーの全表面積より大きい全表面積を表わす、より多くてより小さい穿孔を持つ。
【0033】
本発明による蒸着装置における穿孔されたカバーアセンブリのさらなる実施形態では、前記カバーは一つのカバー内に異なる穿孔寸法を有し、そこでは支持体により近い穿孔されたカバーの側壁の近くに小さいサイズ、中心に大きいサイズが与えられ、るつぼの底部により近くに位置された穿孔されたプレートに対しては逆である。るつぼの内側に二つよりさらに多い穿孔されたカバーを与えることは除外されない。従って、前記るつぼの底部にさらにより近い、即ち他の二つの穿孔されたカバーより支持体からさらに遠い距離に存在する第三カバーについて、穿孔パターンに関して制限は全くない。但し、前記他の二つの穿孔されたカバーが本発明に従って開示されたような特性を持つことが条件である。
【0034】
本発明による蒸着装置では、二つのカバー又は蓋及び前記るつぼの前記アセンブリは同じ又は異なる耐火材料から構成され、前記耐火材料はタンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)及び耐熱性ステンレス鋼からなる群から選択された金属又は金属合金である。例えばUS−A 6977385に記載されているように原材料組成物のハロゲン化物及び前記耐火材料からなる化合物の形成の結果としてある程度着色された蒸着針状結晶を得ることは除外されない。前記耐火材料はるつぼ及び穿孔されたカバーアセンブリに対して同じ又は異なる組成を有することが有利である。良好な、即ち均一な熱伝導特性のために、るつぼの壁及びそこに装着された穿孔カバーについて同じ組成を持つことが有利である。なぜならば、るつぼ容器の例えば抵抗誘導又は放射線加熱による前記良好な熱伝導性が、蒸発るつぼから蒸気クラウドの形の原材料の逃避を可能にする前に穿孔穴もしくはスリット又はカバーの内側上への又はるつぼの側壁上への原材料の望ましくない蒸着の発生を避けることが確立されている。それゆえ、壁又はカバー温度がるつぼにおける液化原材料の温度以下に下がらないことが好ましい。さらに、例えば追加の抵抗加熱構成要素又は誘導加熱、従ってるつぼの外側の位置からエネルギーを加えることによって両方の穿孔されたカバー間の空間の内側の温度の増加を与えることが望ましいかもしれない。抵抗加熱の場合、これは、例えばるつぼの内側(即ち、両方の穿孔されたカバー)に位置された赤外ヒータ又はランプによって与えられる放射線エネルギーを加えることによって又はるつぼの外側の両カバー間の領域に装着された余分の抵抗加熱によって実施されてもよい。誘導加熱は、より不活性な蒸発システムのために、るつぼのより厚い壁の存在を要求するかもしれず、かくして蒸着工程のさらに良好な制御能力を与える。異なる追加のエネルギー源の組み合わせを適用してもよい。この手段はUS出願2007/0098880の開示に完全に従っている。両カバー間の空間内のランプの存在によって与えられる追加の利点は、これらのランプがそらせ板として作用できることである。それによって支持体により近いカバーにおける穿孔の構成に関する自由度が多く与えられ、そこでは前述のように「重なりが全くない」構成を提供することは一層容易であるだろう。
【0035】
穴又はスリット又は他の穿孔パターンのないカバー(閉鎖カバーとして「非穿孔カバー」又は「スロットカバー」とも称される)は、特に加熱時に、蒸発アセンブリの非穿孔最外カバーとして存在することが好ましい。るつぼを最適な一定の高い温度(前記温度はるつぼ全体にわたって均一に分布されることが好ましい)にもたらす前に支持体により近い穿孔されたカバーの穴又はスリットをカバーすることは、「定常流動」での原材料の蒸発を開始することを可能にする。いったん「スロットカバー」が除去されると、原材料の蒸発は支持体の方向への連続的かつ均一な蒸気流を得る方法で行われ、そこでは本発明の蒸着装置における蒸発又は蒸着室内に案内プレートを与えられることが有利であり、それによって蒸気流又はクラウドを支持体の方へ案内し、燐光体又はシンチレータ材料が蒸着される領域をよりシャープに規定する。蒸発アセンブリと支持体の間の一つ以上のそらせ板の存在は支持体上の蒸着領域を小さい区域又は領域に有利に制限し、例えば蒸着装置の蒸着室の壁上のようなシンチレータ又は燐光体材料の望ましくない蒸着及び損失を避ける。るつぼに存在する原材料の消耗又は枯渇は、少なくとも40%のボートにおける原材料の十分に高い充填率から蒸発を開始することによって又は補給ユニットを蒸着装置に与えることによって避けられることができる。これは、US出願2007/0104864に記載されているように、即ち、かかる粒状材料を供給開口を通して供給路に沿って蒸発領域に移動することによって実施されてもよい。別の実施形態では、折り曲げられたボート又はるつぼの形状は変更されてもよく、そこでは蒸着ボートがL形状に曲げられてもよく、L形状部分において底部プレートの容器部分の深さは容器において多くの原材料を持つために増大されてもよい。
【0036】
特に蒸着工程において、即ち蒸着工程全体にわたって例えば10−5〜1Paの範囲の極めて低い圧力で、蒸発された原材料は数十メートル/秒から数百メートル/秒までの範囲の速度で制御されない方法で液化又は溶融された原材料混合物から逃避しうる。前述のように本発明による穿孔されたカバーの配置(カバー穿孔によって表わされる全表面積が、対応するカバーから支持体までの距離が減少するにつれて増大する)を使用することによって、支持体上への蒸着が形成される速度が顕著に弱められ、蒸着を実施している間の支持体の温度の変化は最小にされ、1lp/mm及び3lp/mmでMTF測定から測定された、かくして形成された蒸着燐光体又はシンチレータ層のシャープネスは増大する。
【0037】
さらに、それらの手段の全ては、蒸着を開始している間、支持体と針状燐光体層の間の「下層」の少なくとも部分的な存在を避け、そこでは「非晶質」中間層は、例えばUS−A 6967339及び7161160における記載と比較すると、かなり減少した範囲に見える。同じことはUS−A 7193235のように針状CsBr下層の任意の存在に関して言うことができ、それは存在しうるが、その場合においてかなり減少した範囲で生長するにすぎない。かかる中間層の存在は、減少した範囲であっても、陽極酸化されたアルミニウム支持体と針状燐光体層の間の接着性に有利でありうる。支持体と針状燐光体の間の接着性を改良するためには、任意選択的に混入された染料又は顔料を与えられた有機被覆を適用することが有利でありうる。さらに別の実施形態では、蒸発の終わりに、穿孔されたカバー上に穿孔のないスロットカバーを置くことによる突然の停止のようにるつぼの原材料を消耗させることが推奨される。その間、蒸発は予測できない形態及び組成を有するピット及びスポットエラーを起こしうるからである。あるいは、接着性のためには、プラズマ処理が支持体に与えられうる。支持体上への燐光体層の接着性は、例えば金属支持体上への好ましくは0.005〜1μmのオーダの厚さを有する陽極酸化のように、酸化物層によって支持体上に与えられてもよい。支持体との直接接触において及び支持体と燐光体層の間の中間層として反射鏡フィルムがスピードのために与えられてもよい。均一に分布されたドーパント又は活性化剤のために、US−A 7193225に記載されているように、支持体の熱伝導率は例えば0.1〜20W/mKの範囲にあるべきである。支持体上に蒸着された針状結晶の均一な分布はさらに、構造化された支持体から出発している間に与えられうる。
【0038】
本発明による蒸着装置のるつぼに装着された穿孔カバーの穿孔構成に関するそれらの特別な手段の結果として、前記蒸着を実施している間の蒸着条件の変化は最小にされ、支持体温度の変化は遅くなり、針状結晶の形の異方性生長した結晶の寸法はより均一な結晶性によって特徴づけられる。針状結晶のより小さくてより均一な直径の変化が小さいことはさらに、より厚い針状結晶間の空間をより多く利用できること、そして針状結晶の充填密度が低いこと、そして針状結晶間の「クロストーク」が小さく、燐光体層におけるクラッキングの傾向が小さいことを意味する。これは、考慮されている本発明の目的によれば、高いMTF百分率として表示される良好な解像度又はシャープネスをもたらす。
【0039】
るつぼと支持体の間の最短距離の平均値に関して、これらは好ましくは10cm〜60cm、さらに好ましくは10cm〜30cmであることが知られている。例えば100cmより大きい距離のように距離が大きすぎると、材料のかなりの損失及び工程の収率の低下をもたらし、一方、例えば10cmより小さい距離(例えば5cm以下)のように距離が小さすぎると、支持体の高すぎる温度及び不均一に蒸着された層をもたらす。支持体の温度の増加を避けるための手段は例えばUS−A 6720026に記載されている。しかしながら、冷却されたガスの入口は前記冷却されたガス及び蒸発された原材料のさらなる原子又は分子を生じ、その結果として蒸着された材料の不整を生じる。
【0040】
柱状結晶を有する刺激性燐光体層と関連した変調伝達関数を改良するためには、柱状結晶の直径サイズは好ましくは1μm〜20μm、より好ましくは1μm〜10μmである。かかる柱状結晶直径が1μm未満のサイズであるとき、MTFは柱状結晶による刺激された放出光の散乱のために低下し、柱状結晶直径が20μm以上のサイズの厚さであるとき、MTFはまた、刺激された放出光の指向性の衰えのために低下する。さらに、直径は、励起光のビームが約60μmであるとき、約12μm以下であることが好ましく、一方ピクセルサイズは少なくとも20μmであるべきである。励起光のビームが約30μmであるとき、直径は約6μm以下であることが好ましく、一方ピクセルサイズは少なくとも10μmであるべきである。しかしながら、シャープネスはピクセルサイズによるより針状結晶の寸法と関連した特徴によって多く決定される。ここで与えられた柱状結晶直径のサイズは、支持体の平面に平行な柱状結晶の表面の観察を通して各柱状結晶の断面領域を円に変換することによって得られた直径の平均値であり、それは観察された視野において少なくとも100個の柱状結晶を含む顕微鏡写真を使用して計算される。針状結晶の平均長さは100μm〜1000μmの範囲であることが好ましい。マンモグラフィのような特定の用途に対して、平均長さは100μm〜500μmの範囲である。柱状結晶間の間隔は30μm以下であることが好ましく、用途に依存して、さらには10μm以下であることがより好ましい。長さの間隔が30μmを越えるとき、感度は、刺激性燐光体層の充填率が少なくなるので低下する。それぞれの柱状結晶間の間隔は30μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以下である。30μmを越える間隔は燐光体層の燐光体の充填率を低下するからである。推奨される充填率は60〜95%の範囲である。例えばマンモグラフィ用途に適用される薄い燐光体層に対しては65〜80%の範囲であり、例えば胸部放射線写真のような用途の厚くて感受性のある層に対しては75〜90%の範囲である。特にマンモグラフィ用途に関して、刺激性燐光体層及びその上に与えられた光反射層を有する放射線像貯蔵パネルは、前記刺激性燐光体層が、刺激する光及び前記燐光体層によって放出された刺激された光を5〜20μmの散乱長さで散乱し、前記光反射層が、刺激する光を5μm以下の散乱長さで散乱するように形成される(US出願2004/0104363に開示)。
【0041】
柱状結晶の幅は支持体の温度、真空度、蒸気流の入射角度などによって影響されるので、それらのファクターを制御することによって所望の長さの柱状結晶を得ることができる。
【0042】
前述のような蒸着装置を使用することによって蒸着層として作られる好ましい燐光体又はシンチレータはアルカリ金属タイプのものである。特に、貯蔵燐光体は例えばUS−A 5736069に記載されているものが考えられる。
【0043】
かかる燐光体は以下に与えられる一般式を有するものとして開示されている:
1+X.aM2+X′.bM3+X′′:cZ
式中M1+はLi,Na,K,CsおよびRbからなる群から選択される少なくとも一つの構成要素であり、
2+はBe,Mg,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,Cu,Pb及びNiからなる群から選択される少なくとも一つの構成要素であり、
3+はSc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Al,Bi,In及びGaからなる群から選択される少なくとも一つの構成要素であり、
ZはGa1+,Ge2+,Sn2+,Sb3+及びAs3+からなる群から選択される少なくとも一つの構成要素であり、
X,X′及びX′′は同じであっても異なってもよく、各々はF,Br,Cl,及びIからなる群から選択されるハロゲン原子を表わし、0≦a≦1,0≦b≦1及び0<c≦0.2である。
【0044】
本発明による蒸着装置において支持体上に放射線像貯蔵燐光体層を製造する方法において、前記方法は、結合剤のない針状貯蔵燐光体層の蒸着を確実にするためにアルカリ金属ハロゲン化物塩及びランタノイドドーパント塩又はそれらの組み合わせの原材料の蒸着工程を含み、そこではるつぼの底部により近い前記内部蓋の穿孔の全表面積と支持体により近い前記外部蓋の穿孔の全表面積の間の比率が1.0以下である。特に、本発明の方法によれば、前記比率が0.50以下であることが有利であり、前記比率が0.30以下であることがさらに有利である。本発明の方法による一つの実施形態では、蒸発を開始する前、前記るつぼは、前記るつぼに存在する原材料を蒸発を可能にする開始温度まで加熱しながら、閉鎖カバーとして非穿孔カバーでさらにカバーされる。さらに、本発明の方法によれば、蒸発時に既に示唆したように前記内部(第二)と前記外部(第一)穿孔蓋の間の空間内に追加の加熱が適用される工程を与えることが有利である。本発明による方法では、蒸着速度が0.3〜3mg/cm.minの範囲である工程を前記方法が含むことがさらに推奨される。
【0045】
特定のスクリーン又はパネル、特にマトリックス化合物としてのアルカリ金属ハロゲン化物及びドーパント又は活性化剤化合物としてのランタノイドから構成される燐光体又はシンチレータ層を有するものは、本発明による蒸着装置において製造され、特にCsX:Eu刺激性燐光体(式中、XはBr及びClからなる群から選択されるハロゲン化物を表わす)を含有する燐光体スクリーン又はパネルがそこで有利に製造される。
【0046】
貯蔵燐光体プレートのX線抵抗性のために、主成分CsBrとは異なる塩をるつぼ中の原材料に添加することが有利でありうる。約5〜100p.p.m.より好ましくは25p.p.m.以下の範囲の量の「不純物」としての例えばNa又はRb塩の添加が有利でありうる。特に形成された針状結晶の表面におけるフッ化物イオン又はそこからの有機溶媒ガスの任意の存在は耐湿性に有利であることができ、従って輝度の損失を避けることができる。
【0047】
かかるスクリーン又はパネルを製造するための製造工程はUS−A 6802991に記載されている。像シャープネスのために、針状Eu活性化アルカリ金属ハロゲン化物燐光体、特にUS−A 2003/0091729に記載されているようなEu活性化CsBr燐光体スクリーンが好ましく、改良された感度に照らして、US−A 6730243のような前記燐光体のアニールが有利に実施され、前記アニール工程は、支持体上に蒸着された冷却された蒸着混合物を80〜220℃の温度にもたらし、それをその温度に10分〜15時間維持することからなる。かかるアニール工程は周囲雰囲気又は不活性雰囲気で実施されてもよい。アニール後、例えば酢酸セルロースフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、及びポリカーボネートフィルムのようなプラスチックフィルムのような二つの樹脂フィルム間;例えば石英、ホウケイ酸ガラス、及び化学強化ガラスのようなシートガラス間、又はアルミニウム、鉄、銅、及びクロム又はそれらの酸化物のような金属シートの包囲フィルム間の燐光体パネルの熱封止を適用してもよい。
【0048】
針状燐光体層の高度の結晶性は、US−A 2001/0007352及び対応EP−A 1113458に示されているように特定のXRDスペクトルを与えるX線回折技術によって容易に分析される。
【0049】
アルカリ金属ハロゲン化物塩としてCsBrを使用することが有利であり、そこではランタノイドドーパント塩としてEuX,EuX,EuOX又はEuX(2<z<3)が使用される。ある実施形態では、CsBr及びEuOBr及び/又はEuBrの混合物がるつぼにおける原材料混合物として与えられ、そこでは両原材料の比率は通常、約90%の安価なCsBr及び約10%の高価なEuOBrである(ともに重量%として表示)。
【0050】
別の実施形態では、アルカリ金属ハロゲン化物塩とランタノイドドーパント塩の組み合わせとして式CsEuX′x+αyによる塩(式中、x/y>0.25,α≧2であり、X′はCl,Br及びI及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるハロゲン化物である)がさらに有利に使用される。
【0051】
本発明による蒸着装置では、圧力は通常、蒸着工程全体を通して10−5〜1Paの範囲で維持される。
【0052】
本発明による蒸着装置においてとられる手段を考慮すると、例えば少なくとも500〜800p.p.m.の範囲の高い量のユウロピウムドーパントが達成可能であり、さらに改良された均一性を示し、そこではユウロピウムドーパントは針状結晶の体積にわたってより均一に分配され、高いドーパント量を有するスクリーン又はパネルが、供給された蒸発原材料の十分に高い濃度勾配のおかげで望ましくない隙間の針状結晶の生長を妨げる危険なしで利用可能になる。増大したスピードを別として、改良されたシャープネスが、本発明によるカバーアセンブリでとられる手段によって得られる。例えばUS−A 6730243及び7126135に記載されるように又はシリアルNo.11/855499に記載されているように熱又は放射線でアニールすることによって、スピードを所望のレベルに増加させるためにいかなる手段をさらにとってもよい。
【0053】
平坦な針状燐光体層表面を有するため、US−A 6936304に記載のような研磨工程を適用してもよく、所望により、その後、刺激性燐光体層に対してその幅方向に(好ましくは乾燥した)ガスを吹き付け、ガス吹き付け手段の幅方向と平行にガス吹き付け手段に隣接する吸引手段で吸引することによって前記研磨工程後に存在する微細な燐光体粉末粒子を除去してもよい。サンドブラスチングによる研磨を適用してもよい。
【0054】
湿分による老化及び劣化に対する保護のために、蒸着された燐光体層は例えばパリレン層のような保護層によって保護され、それはUS−A 6710356に記載されたような蒸着工程によって又は転写箔の形で例えばUS−A 7141135に記載されたような積層工程によってその上に被覆されてもされなくてもよい。US−A 5871879,6287274,6299754,6306510及び6366013のようなガラスの形の積層体を適用してもよい。積層はバッチで、即ちプレートごとに、又は連続的に進行する製造方法で、即ち特にUS−A 7141135に開示されるようにロール上で実施されてもよい。積層によるトップコーティングはさらに、シャープネスに有利でありうる。なぜならば、例えば有機又は無機ポリマーの形の原材料とは異なる材料が針状結晶間の空間内に部分的に透過することは全くないので、針状結晶の頂部内ではクロストークが避けられるからである。積層した層のさらなる利点は、実際に長時間使用した後の燐光体の回収と関連する。例えば接着部材が湿分に対する保護のために像形成領域の外側のパネルの表面の部分又は支持体の表面の部分と保護積層箔の間に置かれるとき、燐光体層の最も大きい部分に接着剤が存在しないので燐光体を回収することが容易になるだろう。燐光体層と積層された保護層の間の良好な接着のために接着剤を使用することを別として、燐光体層の表面のプラズマ処理を適用してもよい。(例えば研磨、プラズマ処理などによる)燐光体層の平坦性、及び燐光体層との接触側の積層された保護層の平坦性を求めた全ての手段は、貯蔵燐光体プレートの露光及び読み出し後に得られた像におけるスクリーン構造ノイズの減少に有利であることは明らかである。
【0055】
さらなる実施形態では、保護層及び支持体の周囲部分は、露光ユニットから走査読み出しユニットへの輸送及びそれらにおける輸送の結果として貯蔵燐光体パネルの頻繁な使用による機械的損傷に対する保護を与えるために面取りされる。
【0056】
所望により、例えばUS−A 6800362,6822243,6844056,7091501及び7193226に記載されたもの並びにUS出願2004/0164251及び2004/0228963に記載されたもののような他の保護層を適用してもよい。アミン化合物及びイソシアネート化合物(そのいずれかが脂肪族化合物である)を使用して、ポリウレア保護フィルムを燐光体層上に形成してもよい。保護層はさらに紫外線吸収化合物を含有してもよく、あるいはアルミナ蒸発層を含んでもよい。
【0057】
保護層の粗さは、像形成工程に使用される走査装置及び読み出し装置における輸送条件に適応されてもよい。
【0058】
最も重要な条件として、例えば数千の層が数nm〜数十nmの層あたりの厚さで一つの薄いフィルムに積層されるいわゆるナノ構造制御フィルムを燐光体層に接着することによって25℃の周囲温度で24時間あたり0.5ml/mよりずっと小さいレベルまで湿分吸収を減少するために多数のオーバーコート層がさらに与えられてもよい。
【0059】
蒸発の開始及び終了の前、及び保護層を燐光体層上に被覆又は積層した後、支持体上にダストに対する保護を与えることが有利である。例えば一組のブラシのような機械的手段の使用に加えて、特にダストのない部屋が利用できるなら、(一時的な)箔で直接的な積層が有利である。ポリマー箔によるダストの静電的誘引を避けるために、例えばポリエチレン−ジオキシ−チオフェン(PEDT)のような帯電防止箔を与えてもよい。別の実施形態では、一時的な層としてのダスト除去接着層を、保護層に適用し、望ましくないダスト又は汚れた粒子を除去するために除去してもよい。
【0060】
一つより多くのるつぼ(それらの少なくとも一つ又は好ましくはそれらの両方が前記のような望ましい構成を持つ)を使用することは、利点として、両るつぼが蒸発工程において独立して作用することを与えうる。それは、両るつぼが高い蒸発温度での蒸気圧及び組成において異なる組成物で満たされるとき、例えば一方のるつぼが支配量又は独占量の主要な親又はマトリックス化合物(例えばCsBr)で満たされ、一方、他のるつぼが支配量又は独占量のドーパント(例えばEuOBr)で満たされるとき、蒸着制御に有利でありうる。別の実施形態では、一つのるつぼ、例えばドーパント又は活性化剤を与える原材料を有するるつぼを支持体のより近くに位置させてもよい。
【0061】
前述のように一つより多いるつぼを使用することによる別の利点は、例えば一つより多い針状層が望まれるときであり、そこではその各層は同じ又は異なる組成を有してもよく、続く蒸着はそれぞれのるつぼからのそれぞれのスロットカバーの除去とそれぞれのるつぼのそれぞれのスロットカバーのカバーの間の時間内に行われてもよい。
【0062】
アルミニウム支持体を有する貯蔵燐光体プレートは、例えばKomec−Helsen,Wilrijk、ベルギーから入手可能な、高速度(例えば少なくとも30000r.p.m.)で作用する精密で極めて速いのこ盤を使用することによって所望の形態に切断されることができる。
【0063】
本発明をその好ましい実施形態と関連して以下の実施例に記載するが、本発明をそれらの実施形態に限定することを意図しないことは理解されるだろう。
【実施例】
【0064】
蒸着装置において、H.C.Starck,Liaison Office Benelux,Mijdrecht、オランダによって供給されたタンタルの耐火性材料プレートから長さ方向15cm、幅方向3.5cm及び高さ方向4.75cmの寸法を有する矩形のボート又はるつぼ(2)に折り曲げた。
【0065】
かくして折り曲げられたるつぼ(1)は、均一な方法で加熱される抵抗加熱るつぼを得るためにUS−A 2006/0013966に述べられたようなノッチ及び穿孔を与えられた。ノッチ及び穿孔の存在は、小さなるつぼ区域を通る電力の形の等量のエネルギーの通過のおかげでクランプによる冷却を回避し、それによって質量効果をかなりの程度まで低下するからである。
【0066】
第一又は外部蓋はるつぼの頂部(位置0)をカバーし、一方第二又は内部蓋は底部により近く、第一蓋又はカバーの15mm下に位置された。
【0067】
るつぼの抵抗加熱のために必要な電極とるつぼを接続するために、るつぼは蓋(3)を有し、それはるつぼの両側で20mmの長さ及び35mmの幅を有していた。るつぼ(1)は60mm×200mmの寸法を有する開口なしの閉鎖カバープレート(4)でカバーされ、それは蒸着が開始されない限り、るつぼをカバーし、一方蒸発を効果的に開始する前にるつぼ中の原材料を所望の温度まで加熱した。
【0068】
内部蓋又は穿孔されたカバー(5)及び(6)の裂け目又は開口の数、並びに前記裂け目又は開口の寸法は表1に与えられている。穿孔されたカバー(5)はここでは「外部蓋」又は支持体により近いカバーと称され、一方穿孔されたカバー(6)は「内部蓋」又はるつぼの底部により近いカバーと称される。穿孔されたカバー(5)及び(6)の開口の寸法は裂け目の幅又は開口の(等価円)直径、並びに開口の全表面積と関連する。
【0069】
第一状態、即ち穿孔間に「重なりを持たない」状態が常に満たされると、支持体のいかなる場所からも、るつぼ又はボートの底部も原材料の表面もるつぼアセンブリにおける穿孔された内部蓋又はカバーの開口を通して観察することができないことは明らかである。
【0070】
さらに、重要な操縦パラメータとして、タンタルカバーで保護された熱電対によって測定されたるつぼの温度が与えられた:表1中の一つの数字は、るつぼの底部上に存在する原材料の塊で測定された温度(Tbulk)に関連し、他の数字は、二つの穿孔された内部蓋又はカバーの位置間のボートの部分で測定された温度(Tfold)に関連する。第三の制御された温度として、装着された陽極酸化アルミニウム支持体の裏側の温度は熱電対によって測定された。その支持体の寸法は104mm×104mm×0.8mmであった。
【0071】

【0072】
マトリックス及びドーパント又は活性化剤のそれぞれのための原材料としてCsBr及びEuOBrから出発して、熱蒸着工程においてCsBr:Euスクリーンを製造した。そのために330gのCsBrを、主要な又はマトリックスCsBr成分に対して0.5重量%の量でEuOBrと混合し、その混合物を、二つの連続する穿孔蓋又はカバーを装着する前に蒸着装置の蒸着室のるつぼに添加した。
【0073】
容器の最も高い場所とアルミニウム支持体の間の距離は195mmに設定された。
【0074】
蒸発中、陽極酸化されたアルミニウム支持体を支持体ホルダーに対して装着した。支持体はランプによって160℃の温度に加熱された。
【0075】
出発材料を有する容器を720±11℃の温度に加熱した。蒸発の開始前、蒸発室は4mPaの圧力に排気された。蒸発工程中、Arが1.0〜2.5Paの圧力で室に導入された。
【0076】
るつぼの電極クランプと側壁の間の上部蓋の横断面領域におけるノッチの存在のおかげで、さらに各リップが穿孔を与えられるため、かかるるつぼはクランプ部分間のクランプする部位でより均一に加熱され、いったん原材料の蒸発工程が開始されると、温度はるつぼの全ての他の部位より低かった。
【0077】
さらに、これは、平衡が達成され、るつぼの均一な加熱が現われ、蒸発された原材料の均一な蒸着がなされる場合であった。さらに、液化された原材料の「吐き出し」に対する危険が減少したことが観察された。
【0078】
本発明の蒸着装置では、るつぼは、アセンブリを非穿孔最外閉鎖又はスロットカバーでカバーしながら最適な一定の高い温度に加熱され、前記温度をるつぼ全体にわたって均一に分布させ、さらに前記最外非穿孔カバーの除去後に均一な蒸気クラウドの「定常流れ」で原材料(CsBr及びEuOBr)を液化及び蒸発した。
【0079】
燐光体層の蒸着後及び冷却後、層を170℃の温度で4時間加熱することによってアニーリング工程が実施された。
【0080】
スクリーン又はパネルの各々の穿孔間で、るつぼは洗浄工程、続いて燃焼工程によってクリーニングされた。従って、原材料を蒸発された形で蒸着することによって原材料から新しい蒸着工程を開始する前に、本発明のようなるつぼを含む蒸着装置は新しくされた表面を与えられた。
【0081】
所望により水性又は非水性溶液で実施され、さらに超音波処理と組み合わされるクリーニングは、るつぼ、耐火材料から構成された一つ以上のカバー又は腐食部分を更新又は代替するために現在実施されている一連の実験内では要求されなかった。
【0082】
表2に示されたような被覆量又は被覆重量(mg/cm)を有するCsBr:Eu刺激性燐光体層を支持体上に蒸着した。さらに、燐光体層の蒸着後に分析されたEuドーパント量(mg/kg(p.p.m.)で表示)はその表2に与えられた。
【0083】
スクリーンの感度はさらに以下のようにして測定された:スクリーンは約50mRの線量で80kVpで均一に露光された。読み出しはフライングスポットスキャナーでなされた。
【0084】
スキャナーにおいて、走査光源は685nmで発光する30mWダイオードレーザであった。誘電層で両側を被覆された3−mm BG−39(Schottの商品名)フィルターを使用して、刺激光とスクリーン放出光を効率的に分離した。
【0085】
光電子増倍管におけるスクリーン領域によって生成された平均信号として走査平均レベル(SAL)を決定した。この平均信号は、Agfaパウダーイメージングプレートによって生成された信号と比較された。参照用のAgfaパウダーイメージングプレートと比較した感度(%で表示)を得て、表2に与えた。
【0086】
最後に、1lp/mm及び3lp/mmでMTFと表示される像シャープネスがさらに測定され、その数字が以下の表2に与えられた。
【0087】

【0088】
表2のデータから、1mg/cmよりずっと小さい低蒸着速度が、予期せぬことに、1mg/cmより大きい蒸着速度が推奨されるUS−A 6720026及びUS出願2005/0077478の開示とは対照的に、シャープネスに関して優れた結果を与えることが結論づけられる。
【0089】
本発明による蒸着装置において穿孔されたカバーアセンブリを使用することによって、本発明の目的において考慮されたように「吐き出し」又は望ましくない斑点の形成が避けられるだけでなく、たとえドーパントが多い量で存在しても、即ち、活性化剤又はドーパントとして二価Euを有し、最終的に少量の三価のEuを含む針状CsBr:Eu燐光体に関して高い濃度であったとしても、ドーパントの均一な分布が利用可能になる。
【0090】
本発明の有利な効果として、るつぼに存在する原材料から形成された燐光体針状結晶の遅い蒸着が燐光体中の高い量の均一に分布されたドーパント又は活性化剤を可能にし、それによって、高いスピードをパネルに与えるだけでなく、さらに針状結晶間の良好な分離、少ないクロストーク及び良好な解像度又はシャープネス、良好な操縦のおかげで燐光体針状結晶が蒸着される支持体のほぼ一定の温度も可能にする。
【0091】
るつぼに存在する液化原材料の表面とそれらの原材料により近い穿孔されたカバーの間、その穿孔されたカバーと支持体により近い穿孔された外部カバーの間に形成された圧力、及びるつぼと支持体の間の空間の差のおかげで、蒸発された原材料を蒸着している間の支持体の温度増加は避けられ、従って望ましくない間隙生長現象なしで均一な針状結晶の生長を与え、さらに改良されたシャープネスを与える。
【0092】
穿孔を通して支持体のいかなる場所からもるつぼの底部に存在する原材料を直接見ることを阻止することは、蒸着された燐光体又はシンチレータ層上への原材料の望ましくない斑点の付着を回避する。
【0093】
本発明はその好ましい実施形態と関連して記載されたが、本発明をそれらの実施形態に限定する意図がないことが理解されるだろう。そして添付請求項に規定した本発明の範囲から逸脱しない限り、例えば前述のような所望の構成を有する一つより多いるつぼを使用することによって多数の変更をなしうることは当業者に明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】図1は、幅「W」、高さ「H」及び長さ「L」としての寸法の意味の表示を有するるつぼの図を示す。
【図2】図2は、図1の位置Aを通って切断された側面図を示す。
【図3】図3は、図1の位置Bを通って切断された正面図を示す。
【図4】図4は、外部又は第一のカバー又は蓋(8)及び内部又は第二のカバー又は蓋(7)をそれぞれ表わす、内部に位置された折り曲げられた穿孔カバープレート(7)及び(8)を有するるつぼ構成のための位置Aを通って切断された側面図を示す。
【図5】図5は、内部に位置された同じ折り曲げられた穿孔カバープレート(7)及び(8)を有する図4と同じるつぼ構成のための位置Bを通って切断された正面図を示す。
【図6】図6は、るつぼ(2)の底部により近い穿孔内部(第二)蓋(7)の全表面積と、支持体により近い穿孔外部(第一)蓋(8)の全表面積の間の比率の関数として1lp/mmにおけるMTFを示す。
【図7】図7は、るつぼ(2)の底部により近い穿孔内部(第二)蓋(7)の全表面積と、支持体により近い穿孔外部(第一)蓋(8)の全表面積の間の比率の関数として3lp/mmにおけるMTFを示す。
【図8】図8は、実験に使用される穿孔カバーの幾つかの例を示す。
【符号の説明】
【0095】
1 折り曲げられたタンタルるつぼ
2 るつぼの容器
3 リップ(るつぼの両側に存在)
4 穿孔はないがスリット5を与えられたカバープレート
5 さらなる穿孔のないカバープレート4におけるスリット
6 支持体の方向に蒸気を案内するガイドプレート
7 底部により近い折り曲げられた穿孔された内部カバープレート
8 支持体により近い折り曲げられた穿孔された外部カバープレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部及び側壁を有するボート又はるつぼの形の容器、及び前記容器に存在する蒸発された原材料から燐光体又はシンチレータ材料を層の形でその上に蒸着するための支持体を蒸着アセンブリとして含む蒸着装置であって、前記容器が、一つ以上の穿孔を有する少なくとも二つのカバー又は蓋のアセンブリを内部に含み、カバー又は蓋の一つは前記支持体により近い第一蓋としての外部蓋であり、他のカバー又は蓋は前記ボート又はるつぼの底部により近い第二蓋としての内部蓋であり、前記外部蓋に存在する穿孔が、前記ボート又はるつぼの底部により近い前記内部蓋に存在する穿孔の全表面積より大きい全表面積を有し、前記蒸着装置において前記るつぼの底部又は前記原材料が前記支持体のいかなる場所からも前記穿孔を通して決して直接見ることができない、蒸着装置。
【請求項2】
前記内部蓋と前記外部蓋の間のあらゆる距離が実行可能であり、るつぼの底部により近い第二又は内部蓋が液化された原材料中に位置されない、請求項1に記載の蒸着装置。
【請求項3】
前記内部蓋と前記外部蓋の間のあらゆる距離が実行可能であり、るつぼの底部により近い第二又は内部蓋が、液化された原材料中に位置されるとき、全蒸発時間の50%より多い時間、前記液化された原材料中に位置されないままである、請求項1に記載の蒸着装置。
【請求項4】
前記内部蓋及び前記外部蓋における穿孔が1mm〜5mmの範囲の等価円直径を有し、前記穿孔の中心間の平均距離が2mm〜10mmの範囲である、請求項1に記載の蒸着装置。
【請求項5】
前記内部蓋及び前記外部蓋が前記容器において互いに対して平行に装着されている、請求項1に記載の蒸着装置。
【請求項6】
前記るつぼ及び二つのカバー又は蓋の前記アセンブリが同じ又は異なる耐火材料から構成され、前記耐火材料がタンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)及び耐熱性ステンレス鋼からなる群から選択された金属又は金属合金である、請求項1に記載の蒸着装置。
【請求項7】
支持体上に放射線像貯蔵燐光体層を製造する方法であって、前記方法が請求項1に記載の蒸着装置において結合剤のない針状貯蔵燐光体層の蒸着を確実にするためにアルカリ金属ハロゲン化物塩及びランタノイドドーパント塩又はそれらの組み合わせの原材料の蒸着工程を含み、るつぼの底部により近い前記内部蓋における穿孔の全表面積と支持体により近い前記外部蓋における穿孔の全表面積の間の比率が1.0以下である、方法。
【請求項8】
蒸発開始前に、前記るつぼは、前記るつぼに存在する原材料を蒸発を可能にする開始温度まで加熱しながら、閉鎖しているカバーとして非穿孔カバーでさらにカバーされる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
蒸発中、追加の加熱が前記内部蓋と前記外部蓋の間の空間内に適用される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
蒸着速度が0.3〜3mg/cm.minの範囲である工程を含む、請求項7に記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−108408(P2009−108408A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−264718(P2008−264718)
【出願日】平成20年10月14日(2008.10.14)
【出願人】(307010203)アグファ・ヘルスケア・エヌヴィ (10)
【Fターム(参考)】