説明

蓄熱性樹脂皮膜およびこれを用いた蓄熱性を有するボード

【課題】低周波領域の吸音特性や断熱特性にも優れ、かつ熱制御が可能な蓄熱性樹脂皮膜を提供する。
【解決手段】本発明の蓄熱性樹脂皮膜1は、樹脂皮膜11と、樹脂皮膜11中に分散して充填された蓄熱材12とを備えている。
樹脂皮膜11は、シリコーン樹脂またはアクリル樹脂などで構成されている。
蓄熱材12は、相変化物質を含有するマイクロカプセルで構成されている。
蓄熱材12としてのマイクロカプセルは、相変化物質12aの周囲を壁膜12bで被覆した微小の球体で構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄熱性樹脂皮膜およびこれを用いた蓄熱性を有するボードに係り、特に断熱性や低周波領域の遮音特性等に優れた蓄熱性樹脂皮膜およびこれを用いた蓄熱性を有するボードに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建材市場においては、グラスウールから成る断熱材が広く使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
かかる断熱材としてのグラスウールは、当該グラスウールの内部に存在する空隙部分が熱伝導を緩和することで、断熱性能を付与するものであるところ、当該断熱性能は素材の厚さや空隙率等で規定されており、性能向上・コストダウンは略完成域の状態にある。
【0004】
一方、このような断熱材としてのグラスウールにおいては、より高い熱制御が求められているものの、有効な素材が開発されていないのが現状である。
【0005】
【特許文献1】特開平9−170276号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、例えば低周波吸音材に使用されている樹脂皮膜中に蓄熱材を分散させることで、熱制御が可能な蓄熱性樹脂皮膜およびこれを用いた蓄熱性を有するボードを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様である蓄熱性樹脂皮膜は、樹脂皮膜中に蓄熱材を分散させて成るものである。
【0008】
本発明の第2の態様は、第1の態様である蓄熱性樹脂皮膜において、蓄熱材は、相変化物質を含有するマイクロカプセルから成るものである。
【0009】
本発明の第3の態様は、第1の態様または第2の態様である蓄熱性樹脂皮膜において、樹脂皮膜は、シリコーン樹脂またはアクリル樹脂から成るものである。
【0010】
本発明の第4の態様は、第1の態様乃至第3の態様の何れかの態様である蓄熱性樹脂皮膜において、樹脂皮膜は、無機化合物および/または炭素繊維を含むものである。
【0011】
本発明の第5の態様である蓄熱性を有するボードは、第1の態様乃至第4の態様の何れかの態様である蓄熱性樹脂皮膜と、蓄熱性樹脂皮膜の背面側に積層された多孔質材料から成る多孔質体層とを備えるものである。
【0012】
本発明の第6の態様である蓄熱性を有するボードは、第1の態様乃至第4の態様の何れかの態様である蓄熱性樹脂皮膜と、蓄熱性樹脂皮膜の背面側に積層された多孔質材料から成る多孔質体層と、蓄熱性樹脂皮膜の前面側に積層された多孔質材料から成る他の多孔質体層を備えるものである。
【0013】
本発明の第7の態様は、第5の態様または第6の態様である蓄熱性を有するボードにおいて、多孔質体層および/または他の多孔質体層は、グラスウール、ロックウールの何れかまたはこれらの混合物から成るものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1の態様乃至第7の態様の蓄熱性樹脂皮膜およびこれを用いた蓄熱性を有するボードによれば、樹脂皮膜中に蓄熱材が分散されていることから、当該蓄熱材を構成する相変化物質の融点を変更することで、熱制御が可能で、断熱性や低周波領域の吸音特性にも優れた蓄熱性を有するボードを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の蓄熱性樹脂皮膜およびこれを用いた蓄熱性を有するボードの好ましい実施の形態例について、図面を参照して説明する。
[実施例1]
図1は本発明の第1の実施例における蓄熱性樹脂皮膜の断面図を示している。
【0016】
同図において、本発明の蓄熱性樹脂皮膜1は、樹脂皮膜11と、樹脂皮膜11中に分散して充填された蓄熱材12とを備えている。
【0017】
蓄熱材12は、相変化物質(PCM「Phase Change Material」)を含有するマイクロカプセルで構成されている。
【0018】
蓄熱材12としてのマイクロカプセルは、相変化物質12aの周囲を壁膜12bで被覆した微小の球体で構成されている。マイクロカプセルの相変化物質12aとしては、例えば20℃付近に融点を有し潜熱量の大きなパラフィン類が使用され、また、マイクロカプセルの壁膜12bとしては、例えばメラミン樹脂やノンホルマリンが用いられている。
【0019】
ここで、本発明で用いられる蓄熱材12としての相変化物質の融点(相変化点)は、20℃付近に設定することが好ましい。また、蓄熱材12としてのマイクロカプセルの直径は、1〜数百μm程度とすることが好ましい。
【0020】
このような構成の蓄熱材12としてのマイクロカプセルは公知の方法、例えば蓄熱性粒子の表面に熱可塑性樹脂を噴霧する方法(特開昭62−45680号公報)等によりマイクロカプセル化することができる。
【0021】
このような構成の蓄熱材12としてのマイクロカプセルによれば、熱を繰り返し吸収・放出することができる。具体的には、壁膜12bの内部に存在する相変化物質12aは、固体から液体へ、若しくは液体から固体へ相変化する過程で潜熱の吸収・放出をするという蓄熱、蓄冷作用を呈し、このような効果を発揮する温度は相変化物質12aであるパラフィンの融点を変更することで調節することができる。なお、このような蓄熱材12としてのマイクロカプセルとしては三木理研工業株式会社の蓄熱蓄冷マイクロカプセルが好適する。
【0022】
樹脂皮膜11は、100Hz乃至200Hz程度未満の低周波領域において優れた吸音特性を発揮する材料、具体的には、本発明者等が先に開発した低周波吸音材を構成する樹脂皮膜が好適する。
【0023】
当該樹脂皮膜11は、難燃性を有しかつ燃焼時に有害ガスを発生しない材料で形成されている。具体的には、シリコーン樹脂に2:1〜1:1の比で、Si、Ca、Sr、Ba、Al、Mgの何れか1種を含む化合物またはSi、Ca、Sr、Ba、Al、Mgの何れか1種を含む化合物の混合物から成る無機化合物を混入したもので形成されている。
【0024】
このような構成の膜状の樹脂皮膜11においては、ネットワーク構造のシリコーン樹脂の多孔室部分に嵩さ密度が高くかつ粒径の小さい硫酸バリウム等を混入することで、不燃性でかつ柔軟性がある上、所定の面密度を有する膜を形成することができる。
【0025】
図2は、本発明の実施例における膜状の樹脂皮膜11の吸音率、面密度、膜厚、発熱量、発熱速度を比較例とともに示した説明図である。
【0026】
ここで、本実施例における膜状の樹脂皮膜11は、シリコーン樹脂に2:1の比で硫酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウムを混入したもので形成されており、比較例としてウレタンから成る膜が使用されている。
【0027】
なお、発熱量は建築基準法第2条第9号に規定する方法により、発熱速度はISO5660に規定する方法により測定した。
【0028】
同図より、本実施例における膜状の樹脂皮膜11は、その膜厚を比較例の膜厚より略1/3程度薄くしても、比較例と同等の吸音率および面密度を得ることができる。また、建築基準法第2条第9号に規定する不燃グレードに適合させることができ、さらに、燃焼発熱速度を[200kW/m]・10sec未満にすることができる。
【0029】
次に、このような構成の膜状の樹脂皮膜11に要求される諸性能について説明する。
【0030】
第1に、樹脂皮膜11としては単位面積当たりの燃焼発熱量が8MJ/m以下のものを使用することが好ましい。樹脂皮膜11の単位面積当たりの燃焼発熱量が8MJ/mを超えると、本実施例による製品の適用法規である建築基準法第2条第9号に規定される不燃グレードに適合できないからである。なお、樹脂皮膜11の燃焼発熱量は樹脂皮膜11の原料用樹脂に配合させる無機フィラーの種類や配合量などにより調節することができる。
【0031】
このような無機化合物を含むシリコーン樹脂から成る膜状の樹脂皮膜11によれば、幅100mm、長さ100mm、厚さ3〜50mmの試験片において、ISO5660で規定する燃焼発熱量試験において、単位面積当たりの燃焼発熱量を8MJ/m以下にすることができる。
【0032】
第2に、樹脂皮膜11としては燃焼発熱速度が[200kW/m] ・10sec未満のもの使用することが好ましい。樹脂皮膜11の燃焼発熱速度が[200kW/m] ・10sec以上の場合、建築基準法第2条第9号に規定の不燃グレードに適合しないからである。
【0033】
このような無機化合物を含むシリコーン樹脂から成る膜状の樹脂皮膜11によれば、幅100mm、長さ100mm、厚さ3〜50mmの試験片において、ISO5660で規定する燃焼発熱速度試験において、燃焼発熱速度を[200kW/m] ・10sec未満にすることができる。
【0034】
本発明においては、面密度が3kg/m程度の樹脂皮膜11中に蓄熱材12としてのマイクロカプセルが50%程度(マイクロカプセルの含有量:1.5kg/m)分散されている。
【0035】
このような構成の蓄熱性樹脂皮膜1によれば、100Hz乃至200Hz程度未満の低周波領域において優れた吸音特性を有し、かつ蓄熱材12としてのマイクロカプセルを構成する相変化物質12a(パラフィン)の融点を調節することで熱制御が可能な断熱材を提供することができる。
[実施例2]
図3は図1に示す蓄熱性樹脂皮膜1を用いた蓄熱性を有するボードの断面図を示している。なお、同図において図1と共通する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0036】
図3において、本発明の蓄熱性を有するボード2は、蓄熱性樹脂皮膜1と、当該蓄熱性樹脂皮膜1の背面側(音源側と反対の側)に積層された多孔質体層3とを備えている。
【0037】
多孔質体層3は、難燃性を有する材料、具体的にはボード状若しくはフェルト状のグラスウール若しくはセラミック繊維によるフェルト材料(シリカ)で形成されている。本実施例においては、多孔質体層3は、かさ密度が32kg/m(32K)のグラスウールで形成されている。
【0038】
多孔質体層3の厚さは1〜100mmとすることが好ましい。厚さが1mm未満では多孔質体層3の骨格部分の振動による吸音効果が低下し、また厚さが100mmを超えると板材としての振動が減少し、吸音効果が低下するからである。なお、蓄熱性樹脂皮膜1としての強度とスペースファクターとを考慮すると、厚さが10〜50mmの多孔質体層3が好適する。
【0039】
本実施例において、樹脂皮膜11に多孔質体層3を積層するのは、樹脂皮膜11部分が付加質量、すなわち錘の役割として作用し、多孔質体層3がバネ、すなわち空気バネの役割として作用し、皮膜振動による吸音を行わせるためである。
【0040】
このような構成の多孔質体層3においては、低周波領域から高周波領域のまでの広範囲に亘って吸音特性が優れており、また固体伝搬音や振動の低減にも効果的な制振性を発揮する。
【0041】
なお、樹脂皮膜11は、製品形態の自由度を向上させ、現場における施工を簡単にするため、接着やシリコーングラフト反応等により多孔質体層3と一体化することが好ましい。
【0042】
図4は、第2の実施例における蓄熱性を有するボード2の吸音特性を比較例と共に示した説明図である。同図において、横軸は周波数[Hz]、縦軸は残響室法吸音率、L1は多孔質体(グラスウール)の厚さを50mmとした従来の吸音材の吸音特性、L2は面密度が3kg/mで、厚さが0.5mmのシリコーン樹脂から成る樹脂皮膜11中に、蓄熱材12としてのマイクロカプセルを50%(マイクロカプセルの含有量:1.5kg/m)分散させた蓄熱性樹脂皮膜1と、当該蓄熱性樹脂皮膜1の背面側(音源側と反対の側)に、かさ密度が32kg/m(32K)で定型寸法(縦609mm×横910mm×厚さ50mm)のグラスウールから成る多孔質体層3を積層した第2の実施例における蓄熱性を有するボード2の吸音特性を示している。
【0043】
同図より、L1で示すように、従来の吸音材は、200Hz程度を超える高周波領域では吸音率が高いものの、200Hz程度以下の低周波領域では吸音率が低く、これに対して、L2で示すように、第2の実施例における蓄熱性を有するボード2は、200Hz程度を超える高周波領域では吸音率が低いものの、200Hz程度以下の低周波領域では吸音率が高いことが分かる。従って、このような構成の蓄熱性を有するボード2を使用すれば、実施例1と同様に、低周波領域において優れた吸音特性を有し、熱制御が可能な断熱材を提供することができる。
[実施例3]
図5は本発明の第3の実施例における蓄熱性を有するボードの断面図である。なお、同図において、図3と共通する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0044】
図5において、本発明の蓄熱性を有するボード4は、蓄熱性樹脂皮膜1と、蓄熱性樹脂皮膜1の背面側(音源側と反対の側)に積層された多孔質体層3と、蓄熱性樹脂皮膜1の前面側(音源側)に積層された他の多孔質体層5とを備えている。ここで、他の多孔質体層5は多孔質体層3と同様のもので構成されている。
【0045】
図6は、従来の吸音材と本実施例における蓄熱性を有するボード4の熱伝導率を示している。ここで、比較例はかさ密度が32kg/m(32K)のグラスウールから成るボード(多孔質体層)を定型寸法(縦609mm×横910mm×厚さ50mm)で作成した従来の吸音材を示しており、実施例は面密度が3kg/mで、厚さが0.5mmのシリコーン樹脂から成る樹脂皮膜11中に蓄熱材12としてのマイクロカプセルを50%(マイクロカプセルの含有量:1.5kg/m)分散させた蓄熱性樹脂皮膜1と、当該蓄熱性樹脂皮膜1の前面側および両面側に、かさ密度が32kg/m(32K)でそれぞれ定型寸法(縦609mm×横910mm×厚さ50mm)のグラスウールから成る多孔質体層3、5を積層した第3の実施例における蓄熱性を有するボード4を示している。
【0046】
同図より、実施例における蓄熱性を有するボード4の熱伝導率は、比較例のものよりも1/4程度小さくなっており、断熱特性が大幅に向上していることが判る。従って、このような構成の蓄熱性を有するボード4を使用すれば、実施例3と同様に、低周波領域において優れた吸音特性を有し、熱制御が可能な断熱材を提供することができる。
[実施例4]
前述の実施例では、樹脂皮膜11を無機化合物を含むシリコーン樹脂で形成した場合について述べているが、当該樹脂皮膜11は、アクリル樹脂に2:1〜1:1の比で、Si、Ca、Sr、Ba、Al、Mgの何れか1種を含む化合物またはSi、Ca、Sr、Ba、Al、Mgの何れか1種を含む化合物の混合物から成る無機化合物、並びに次に示す炭素繊維を混入したもので形成してもよい。
【0047】
このような構成の樹脂皮膜11においては、アクリル樹脂に炭素繊維を添加することで、不燃性でかつ柔軟性がある上、所定の面密度を有する樹脂皮膜を形成することができる。
【0048】
ここで炭素繊維としては、繊維径が10〜30μm、長さの平均値が0.3〜2mm、添加量が主剤のアクリル樹脂に対し0.5〜10部のものを使用することが好ましい。ここで、繊維径を10〜30μmとしたのは、繊維径を10μm未満にすると樹脂間の結合が低下するからであり、繊維径が30μmを超えると樹脂の柔軟性が低下するからである。また、長さの平均値が0.3〜2mmとしたのは、長さの平均値を0.3mm未満にすると樹脂間の結合が低下するからであり、長さの平均値が2mmを超えると樹脂の柔軟性が低下するからである。さらに、添加量が主剤のアクリル樹脂に対し0.5〜10部としたのは、添加量が主剤のアクリル樹脂に対し0.5部未満では樹脂間の結合が低下するからであり、添加量が主剤のアクリル樹脂に対し10部を超えると樹脂の柔軟性が低下するからである。
【0049】
図7は、実施例4における樹脂皮膜の吸音率、面密度、膜厚、発熱量、発熱速度を比較例とともに示した説明図である。
【0050】
ここで、実施例4における樹脂皮膜11は、アクリル樹脂に2:1の比で硫酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムを混入したもの形成されており、比較例としてウレタンから成る樹脂皮膜が使用されている。
【0051】
なお、発熱量は建築基準法第2条第9号に規定する方法により、発熱速度はISO5660に規定する方法により測定した。
【0052】
同図より、実施例4における樹脂皮膜11は、その膜厚を比較例の膜厚より略1/3程度薄くしても、比較例と同等の吸音率および面密度を得ることができる。また、建築基準法第2条第9号に規定する不燃グレードに適合させることができ、さらに、燃焼発熱速度を[200kW/m]・10sec未満にすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
前述の実施例においては、図面に示した特定の実施の形態をもって本発明を説明しているが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、次のように構成してもよい。
【0054】
第1に、前述の実施例においては、低周波吸音材として無機材料を含有するシリコーン樹脂からなる樹脂皮膜を使用した場合について述べているが、これに代えて、無機材料を含有しない樹脂皮膜、または樹脂皮膜の片面または両面に金属箔を積層した積層体から成るものを使用してもよい。
【0055】
第2に、前述の実施例においては、多孔質体としてグラスウールを使用した場合について述べているが、これに代えてロックウールなどの無機系繊維凝集体、セルロースファイバ、粗毛フェルト、獣毛フェルト、PET繊維フェルト、ポリエチレンフェルトなどの有機系繊維凝集体、金属系繊維凝集体の何れか、またはこれらの混合物から成るものを使用してもよい。
【0056】
第3に、前述の実施例においては、多孔質体としてグラスウールを使用した場合について述べているが、これに代えて、発泡セメント、発泡ガラス、ガラス焼結体などの無機系材料、発泡ウレタン、発泡シリコーン、発泡スチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレンなどの有機系材料、金属粒焼結体、無機系材料または金属材料の有機バインダーによる結合体の何れか、またはこれらの混合物から成るものを使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1の実施例における蓄熱性樹脂皮膜の断面図。
【図2】本発明の第1の実施例における樹脂皮膜の吸音率、面密度、膜厚、発熱量、発熱速度を示す説明図。
【図3】本発明の第2の実施例における蓄熱性を有するボードの断面図。
【図4】本発明の第2の実施例における蓄熱性を有するボードの吸音特性を示す説明図。
【図5】本発明の第3の実施例における蓄熱性を有するボードの断面図。
【図6】本発明の第3の実施例における蓄熱性を有するボードの熱伝導率を示す説明図。
【図7】本発明の第4の実施例における樹脂皮膜の吸音率、面密度、膜厚、発熱量、発熱速度を示す説明図。
【符号の説明】
【0058】
1・・・蓄熱性樹脂皮膜
11・・・樹脂皮膜
12・・・蓄熱材
12a・・・相変化物質
12b・・・壁膜
2、4・・・蓄熱性を有するボード
3、5・・・多孔質体層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂皮膜中に蓄熱材を分散させて成ることを特徴とする蓄熱性樹脂皮膜。
【請求項2】
前記蓄熱材は、相変化物質を含有するマイクロカプセルから成ることを特徴とする請求項1記載の蓄熱性樹脂皮膜。
【請求項3】
前記樹脂皮膜は、シリコーン樹脂またはアクリル樹脂から成ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の蓄熱性樹脂皮膜。
【請求項4】
前記樹脂皮膜は、無機化合物および/または炭素繊維を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3何れか1項記載の蓄熱性樹脂皮膜。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4何れか1項記載の蓄熱性樹脂皮膜と、前記蓄熱性樹脂皮膜の背面側に積層された多孔質材料から成る多孔質体層とを備えることを特徴とする蓄熱性を有するボード。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4何れか1項記載の蓄熱性樹脂皮膜と、前記蓄熱性樹脂皮膜の背面側に積層された多孔質材料から成る多孔質体層と、前記蓄熱性樹脂皮膜の前面側に積層された多孔質材料から成る他の多孔質体層を備えることを特徴とする蓄熱性を有するボード。
【請求項7】
前記多孔質体層および/または前記他の多孔質体層は、グラスウール、ロックウールの何れかまたはこれらの混合物から成ることを特徴とする請求項5または請求項6記載の蓄熱性を有するボード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−29962(P2009−29962A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−196354(P2007−196354)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【出願人】(306013119)昭和電線デバイステクノロジー株式会社 (118)
【出願人】(507254274)
【Fターム(参考)】