説明

蓄電器及び車両

【課題】蓄電器を効率良く冷却することを目的とする。
【解決手段】複数の電池セル11を冷却風を通過させるための隙間を介して積層した蓄電器1であって、電池セル11の端子設置面に隣接する面に冷却風が流入する流入面を形成し、前記複数の電池セル11を拘束する拘束バンド16を、前記端子設置面に設置したことを特徴とする。各蓄電素子間の隙間を流れる熱交換媒体の媒体通路を犠牲にするとがない上に、端子周辺の狭い領域にコンパクトに拘束バンドを配置できる。前記端子設置面を含む面内方向であって、かつ、電池セル11の積層方向に対して直交する方向への前記拘束バンドの移動を阻止する当接部を設けるのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電素子を熱交換媒体を通過させるための隙間を介して積層した蓄電器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気車両、ハイブリッド車両の駆動用又は補助用電源として、冷媒を通過させるための隙間を介して角型電池を積層した組電池が知られている。この種の組電池では、車両走行時に受ける振動による各角型電池の位置ずれを防止するために、組電池全体を拘束バンドで拘束している。
【0003】
特許文献1(特開2001−68081号公報)に開示した組電池の構成を説明する。
図6は、組電池の斜視図である。
【0004】
組電池100は、角型の電池セル102を複数個(図示例では、15個)並列配置することにより構成されている。電池セル102の並設方向における両端部には、エンドプレート103、104が設けられている。
【0005】
各電池セル102のXZ平面を含む側面には正極端子111及び負極端子112が設けられており、各電池セル102は正極端子111と負極端子112とが交互に反対向きとなるように並列配置され、隣接する端子111、112を順次相互に接続することにより各電池セル102を直列に接続している。
【0006】
エンドプレート103、104には、固定部材106により拘束板105が固定されており、この拘束板105は、電池セル102の並設方向に延びており、Z軸方向視において組電池12を横断するように設けられている。
【0007】
隣接する電池セル102間には、冷媒を通過させるための隙間120が形成されており、隙間120を介して組電池100の内部をZ軸方向に冷却風が流れる。これにより、組電池100を冷却して、温度上昇による組電池100の劣化を抑制している。
【特許文献1】特開2001−68081号公報
【特許文献2】特開2006−172882号公報
【特許文献3】特開2007−48750号公報
【特許文献4】特開2007−165698号公報
【特許文献5】特開2005−5167号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の構成では、隣接する電池セル102間に形成された隙間120に流入又は流出する冷却風が、拘束板105に当接する。そのため、組電池100に対する冷却効率が損なわれるおそれがある。
【0009】
そこで、本願発明は、蓄電器の冷却と拘束を両立することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の蓄電器は、(1)複数の蓄電素子を熱交換媒体を通過させるための隙間を介して積層した蓄電器であって、前記蓄電素子の端子設置面に隣接する面に熱交換媒体が流入する流入面を形成し、前記複数の蓄電素子を拘束する拘束バンドを、前記端子設置面に設置したことを特徴とする。
【0011】
(1)の構成によれば、各蓄電素子間の隙間を流れる熱交換媒体の媒体通路を犠牲にするとがない上に、端子周辺の狭い領域にコンパクトに拘束バンドを配置できる。
【0012】
(2)(1)の構成において、前記端子設置面を含む面内方向であって、かつ、前記蓄電素子の積層方向に対して直交する方向への前記拘束バンドの移動を阻止する当接部を設けるのが好ましい。
【0013】
(2)の構成によれば、蓄電器に外力が加わった際に、各蓄電素子の位置ずれを効果的に抑制できる。
【0014】
(3)(2)の構成において、前記当接部を前記隙間に配置されるスペーサに設けることができる。
【0015】
(3)の構成によれば、当接部をスペーサと別部材で構成する必要がなくなるため、蓄電器の構造を簡素化することができる。
【0016】
(4)(3)の構成において、前記スペーサには、前記積層方向に隣接する蓄電素子を押圧する複数の突起部を設けるのが好ましい。
【0017】
(4)の構成によれば、蓄電体の内部の発電要素を押圧できるため、蓄電体の性能低下を抑制できる。
【0018】
(5)(4)の構成において、前記突起部は、前記熱交換媒体をガイドするガイド部材を兼ねている。
【0019】
(5)の構成によれば、前記隙間内における熱交換媒体を一方向にスムーズに流すことができる。しかも、突起部は押圧部材とガイド部材とを兼ねているため、部品点数の削減によるコストの低下及び構造の簡素化を図ることができる。
(6)(1)乃至(5)の構成において、前記拘束バンドは、前記端子設置面における端子間領域の外側に配置することができる。
【0020】
(6)の構成によれば、端子設置面における端子間領域を有効に活用することができる。例えば、端子間領域に配置されるガス放出弁との干渉を容易に回避することができる。また、ガス放出弁の寸法を大きくすることもできる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、各蓄電素子間の隙間を流れる熱交換媒体の媒体通路を犠牲にするとがない上に、端子周辺の狭い領域にコンパクトに拘束バンドを配置できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0023】
図1、図2及び図4を参照しながら、本発明の一実施形態である蓄電器の概略構成を説明する。図1は蓄電器の斜視図であり、図2は組電池の分解斜視図である。図4は図1の蓄電器のY1−Y2断面図であり、説明を容易にするために、一部の構造を投影して図示している。
【0024】
蓄電器1は、スペーサ13を介して電池セル(蓄電素子)11をX軸方向に積層した組電池12と、組電池12のX軸方向両端部にそれぞれ配置されるエンドプレート14、15とを含む。本実施例では、組電池12をY軸方向に二個配列している。なお、電池セル11の積層方向、つまり、X軸方向が特許請求の範囲に記載の「積層方向」に相当する。
【0025】
電池セル11のZ軸方向の一端面(以下、端子設置面という)には、正極端子11a及び負極端子11bが設けられている。また、端子設置面における、端子11a、bに挟まれた領域の外側には、組電池12をX軸方向の圧縮するための拘束バンド16が設置されている。なお、端子設置面とは、組電池12のX,Y及びZ軸方向の端面のうち端子11a、bが位置する側の面という意味である。
【0026】
このように、端子設置面に拘束バンド16を接触させて配置することにより、端子11a、11b周辺の狭い領域にコンパクトに拘束バンド16を配置できる。これにより、蓄電器1を小型化することもできる。
【0027】
拘束バンド16は、電池セル11の積層方向(X軸方向)に延びており、その一端部がエンドプレート14に固定され、その他端部がエンドプレート15に固定されている。スペーサ13及びエンドプレート14、15には、拘束バンド16のY軸方向の移動を阻止するための当接部13a、14a、15aが形成されている。なお、Y軸方向が特許請求の範囲に記載の「前記端子設置面を含む面内方向であって、かつ、前記蓄電素子の積層方向に対して直交する方向」に相当する。
【0028】
上述の構成によれば、Y軸方向の負荷が蓄電器1に加わった際に、当接部13a、14a、15aに拘束バンド16を当接させることができるため、各電池セル11のY軸方向への位置ずれを効果的に抑制できる。
【0029】
蓄電器1のY軸方向の一端面(流入面)には、冷却風(熱交換媒体)を蓄電器1に導入するための吸気管17が取り付けられており、蓄電器1のY軸方向の他端面には、蓄電器1に導入された冷却風を排出するための排気管18が取り付けられている。
【0030】
上述の構成において、吸気管17に導入された冷却風は、組電池12のY軸方向の一端面の側からX軸方向に隣接する電池セル11の隙間に流入する。これらの電池セル11の隙間に流入した冷却風は、スペーサ13に沿ってY軸方向に進み各電池セル11を冷却する。
【0031】
電池セル11の冷却に用いられた冷却風は、組電池12のY軸方向の他端面から流出して、排気管18に排出される。このように、冷却風の流入口及び流出口が形成された組電池12のY軸方向の端面を避けて拘束バンド16を配置することにより、拘束バンド16に冷却風が接触するのを防止できる。これにより、組電池12に対する冷却効率の低下を抑制できる。換言すれば、組電池12に対する冷却風の通風面積の低下を抑制できる。
【0032】
次に、図1乃至図5を参照しながら、蓄電器1の詳細な構成を説明する。図3は拘束バンド16の構造を詳細に図示した蓄電器の分解斜視図であり、図5は、X軸方向視における蓄電器1の側面図である。なお、図1乃至図3では、当接部13aを省略して図示している。
【0033】
これらの図において、電池セル11は、角型であり、発電要素を有している。発電要素は、電極板(正極板及び負極板)と、セパレータと、電解質とで構成されており、公知の構成を適宜、適用することができる。
【0034】
ここで、正極板としては、アルミニウム等の金属(合金を含む)で形成された集電体の表面に正極層を形成したものを用い、負極板としては、アルミニウム等の金属(合金を含む)で形成された集電体の表面に負極層を形成したものを用いることができる。より具体的には、ニッケル−水素電池では、正極層の活物質として、ニッケル酸化物を用い、負極層の活物質として、MmNi(5−x−y−z)AlxMnyCoz(Mm:ミッシュメタル)等の水素吸蔵合金を用いることができる。また、リチウムイオン電池では、正極層の活物質として、リチウム−遷移金属複合酸化物を用い、負極層の活物質として、カーボンを用いることができる。
【0035】
電池セル11のZ軸方向一端面には、突状の正極端子11a及び負極端子11bがY軸方向に並んで設けられている。X軸方向に隣接する電池セル11は、互いに正極端子11a及び負極端子11bの向きがY軸方向において反対向きとなるように配列されている。また、Y軸方向に隣接する電池セル11は、互いに正極端子11a及び負極端子11bの向きがY軸方向において同じ向きとなるように配列されている。
【0036】
正極端子11a及び負極端子11bの間にはガス放出弁11cが形成されている(図2参照)。ガス放出弁11cは、過充電などの際に電解液が電気分解することにより発生したガスにより電池セル11の内圧が高まると破壊するように構成されている。これにより、電池セル11の内部のガスを電池セル11の外部に放出して、電池セル11の内圧上昇を抑制できる。
【0037】
Y軸方向に隣接する電池セル11は、不図示のバスバーにより直列に接続されている。具体的には、各電池セル11の端子11a、11bのうち組電池12の中央側(Y軸方向の中央側)に位置する端子11a及び端子11bを、前記バスバーにより接続している。
【0038】
X軸方向に隣接する電池セル11は、不図示のバスバーにより直列に接続されている。
具体的には、各電池セル11の端子11a、11bのうち組電池12の外側(Y軸方向の外側)に位置する端子11a及び11bを、前記バスバーにより接続している。拘束バンド16及び当接部13a、14a、15aにより各電池セル11のY軸方向への位置ずれが防止されるため、前記バスバーの変形をも抑制することができる。
【0039】
次に、X軸方向に隣接する電池セル11の隙間に配置されるスペーサ13の構成について説明する。図2に図示するように、スペーサ13のX軸方向(電池セル11の積層方向)の両端面には、複数の突起部13cが櫛歯状に形成されている。スペーサ13の資材には、樹脂を用いることができる。
【0040】
突起部13cは、Y軸方向に延びており、Z軸方向に一定の間隔を隔てて複数設けられている。突起部13cと電池セル11の内部に収容された発電要素とのY軸方向の寸法は、略同じに設定されている。蓄電器1の組立状態において(図1参照)、突起部13cのX軸方向の端面は、電池セル11に当接して、電池セル11の内部の発電要素を押圧している。これにより、蓄電器1の振動時において、集電体から正極層及び負極層の活物質が剥がれるのを防止できる。その結果、組電池12の性能低下を抑制できる。
【0041】
また、突起部13c及び電池セル11の当接状態において、各突起部13cの間には隙間が形成されている。この隙間を通って、吸気管17から吸気された冷却風が、電池セル11の外面に沿ってY軸方向に移動する。このように、本実施形態の突起部13cは、電池セル11を押圧する押圧部材と冷却風をガイドするガイド部材としての役割を有している。これにより、部品点数の削減による低コスト化及び蓄電器1の小型化をはかることができる。さらに、電池の性能低下の防止と冷却効率の向上とを同時に実現することができる。
【0042】
図4に図示するように、スペーサ13の上端面には、第1〜第3の当接部13a1〜3が形成されている。第1の当接部13a1と右側に配置された電池セル11の負極端子11bとの間には、第1のアッパー拘束バンド16a1が設けられており、第2の当接部13a2と右側に配置された電池セル11の正極端子11aとの間には、第2のアッパー拘束バンド16a2が設けられており、第2の当接部13a2と左側に配置された電池セル11の正極端子11aとの間には、第3のアッパー拘束バンド16a3が設けられており、第3の当接部13a3と左側に配置された電池セル11の負極端子11bとの間には、第4のアッパー拘束バンド16a4が設けられている。
【0043】
アッパー拘束バンド16a1〜4は、図3に図示するように、両端部がL字状に折れ曲がった曲部161a1〜4を有しており、この曲部161a1〜4はエンドプレート14、15のX軸方向の端面に沿ってZ軸方向に延びている。
【0044】
アッパー拘束バンド16a1〜4の資材には、樹脂を用いることができる。また、アッパー拘束バンド16a1〜4の表面には、絶縁処理を施すのが好ましい。これにより、蓄電器1の漏電などを防止できる。
【0045】
アッパー拘束バンド16a1〜4の曲部161a1〜4には、不図示のリベットを締結するための孔部162a1〜4が形成されている。
【0046】
ロア拘束バンド16b1〜4は、図3に図示するように、両端部がL字状に折れ曲がった曲部161b1〜4を有しており、この曲部161b1〜4はエンドプレート14、15のX軸方向の端面に沿ってZ軸方向に延びている。
【0047】
ロア拘束バンド16b1〜4の資材には、樹脂を用いることができる。また、ロア拘束バンド16b1〜4の表面には、絶縁処理を施すのが好ましい。これにより、蓄電器1の漏電などを防止できる。
【0048】
ロア拘束バンド16b1〜4の曲部161b1〜4には、不図示のリベットを締結するための孔部162b1〜4が形成されている。
【0049】
上述の構成において、アッパー拘束バンド16a1及びロア拘束バンド16b1を蓄電器1の取り付け位置に位置決めした状態において、アッパー拘束バンド16a1の孔部162a1及びロア拘束バンド16b1の孔部162b1は、YZ面内における位置が重複している。
【0050】
したがって、これらの孔部162a1、162b1にX軸方向から不図示のリベットを挿入して、かしめることにより、アッパー拘束バンド16a1及びロア拘束バンド16b1を固定することができる。これにより、組電池12をX軸方向から拘束することができる。
【0051】
さらに、アッパー拘束バンド16a1は、端子設置面に接触している。これにより、端子11a、11b周りの小スペースにコンパクトにアッパー拘束バンド16a1を組み付けることができる。
【0052】
また、端子11a又は端子11bと第1の当接部13a1との間にアッパー拘束バンド16a1を配置することにより、ガス放出弁11cとアッパー拘束バンド16a1とがオーバラップするのを防止できる。これにより、電池異常に際にガス放出弁11cから容易にガスを放出させることができる。さらに、ガス放出弁11cのサイズを大きくすることもできる。
【0053】
アッパー拘束バンド16a2〜4及びロア拘束バンド16b2〜4についても、アッパー拘束バンド16a1及びロア拘束バンド16b1と同様の方法で、固定することができる。また、アッパー拘束バンド16a2〜4は、アッパー拘束バンド16a1と同様の効果を得ることができる。
【0054】
組電池12及びロア拘束バンド16b1〜4の間には、絶縁シート24が配設されている。これにより、蓄電器1の漏電を防止することができる。
【0055】
エンドプレート14、15にはそれぞれ、締結穴部14b、15bが形成されており、これらの締結穴部14b、15bにボルトを締結することにより、エンドプレート14、15をロアカバー(不図示)に固定することができる。また、図3に図示するように、X軸方向に並列された27個のスペーサ13のうち5つのスペーサ13のみに、ロアカバー(不図示)に固定するための締結穴部13bを形成している。
【0056】
このように、一部のスペーサ13のみに締結穴部13bを形成することにより、全てのスペーサ13に締結穴部を形成する場合よりも、作業効率及びコストの削減を図ることができる。また、拘束バンド16により組電池12をX軸方向に圧縮して拘束しているため、締結穴部13bを有するスペーサ13の数が少なくても、電池セル11の位置ずれを確実に防止することができる。
【0057】
吸気管17は組電池12のY軸方向の一端面に取り付けられており、排気管18は組電池12のY軸方向の他端面に取り付けられている。
【0058】
次に、蓄電器1の冷却時の動作について説明する。組電池12の温度が所定温度を超えると、不図示の冷却ファンが作動して、吸気管17内に冷却風が供給される。吸気管17内の冷却風は、組電池12のY軸方向の一端面からスペーサ13及び電池セル11の間に形成された隙間に流入する。
【0059】
本実施形態では、冷却風の流入口が形成される組電池12のY軸方向の端面を避けて拘束バンド16を配置しているため、拘束バンド16に冷却風が接触するのを防止できる。つまり、拘束バンド16に妨げられることなく組電池12に冷却風を送り込むことができるため、組電池12を効率良く冷却することができる。
【0060】
組電池12に流入した冷却風は、スペーサ13のX軸方向の両端面に形成された突起部13c(図2参照)にガイドされながら、Y軸方向に進み、各電池セル11を冷却する。電池セル11の冷却に用いられた冷却風は、組電池12のY軸方向の他端面から流出して、排気管18を通って外部に排出される。
【0061】
本実施例形態では、冷却風の流出口が形成される組電池12のY軸方向の端面を避けて拘束バンド16を配置しているため、拘束バンド16に冷却風が接触するのを防止できる。つまり、拘束バンド16に妨げられることなく組電池12から冷却風を排出することができるため、組電池12を効率良く冷却することができる。
【0062】
(実施形態の変形例)
上述の実施形態では、スペーサ13に形成された突起部を当接部13aとしたが、拘束バンド16に突起部を形成し、この突起部をスペーサ13に形成された開口部(当接部)に係合させてもよい。これにより、上述の実施形態と同様に、電池セル11のY軸方向への位置ずれを効果的に抑制できる。
【0063】
また、スペーサ13を省略することもできる。この構成であっても、冷却風の流入口及び流出口を避けるように拘束バンド16が配置されているため、拘束バンド16に冷却風が接触するのを防止できる。スペーサ13を省略した場合に、拘束バンド16に当接する当接部を電池セル11の外面に設けることができる。
【0064】
電池セル11、組電池12の個数は、適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】蓄電器の斜視図である。
【図2】組電池の斜視図である。
【図3】拘束バンドの構造を詳細に図示した蓄電器の分解斜視図である。
【図4】図1の蓄電器Y1−Y2断面図である。
【図5】X軸方向から視たときの蓄電器の側面図である。
【図6】従来の組電池の斜視図である。
【符号の説明】
【0066】
1 40 蓄電器
11 411 421 電池セル
11a 11b 41a 41b 端子
12 41 42 組電池
13 スペーサ
13a 当接部
13c 突起部
14 15 48 49 エンドプレート
16 46 47 拘束バンド
17 吸気管
18 排気管



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蓄電素子を熱交換媒体を通過させるための隙間を介して積層した蓄電器であって、
前記蓄電素子の端子設置面に隣接する面に前記熱交換媒体が流入する流入面を形成し、前記複数の蓄電素子を拘束する拘束バンドを、前記端子設置面に設置したことを特徴とする蓄電器。
【請求項2】
前記端子設置面を含む面内方向であって、かつ、前記蓄電素子の積層方向に対して直交する方向への前記拘束バンドの移動を阻止する当接部を有することを特徴とする請求項1に記載の蓄電器。
【請求項3】
前記隙間に配置されるスペーサを有し、
前記スペーサは、前記当接部を有することを特徴とする請求項2に記載の蓄電器。
【請求項4】
前記スペーサは、前記積層方向に隣接する蓄電素子を押圧する複数の突起部を有することを特徴とする請求項3に記載の蓄電器。
【請求項5】
前記突起部は、前記熱交換媒体をガイドするガイド部材を兼ねることを特徴とする請求項4に記載の蓄電器。
【請求項6】
前記拘束バンドは、前記端子設置面における端子間領域の外側に位置することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一つに記載の蓄電器。
【請求項7】
前記端子設置面における端子間領域にガス放出弁を設けたことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一つに記載の蓄電器。
【請求項8】
前記蓄電体は、角型であることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一つに記載の蓄電器。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちいずれか一つに記載の蓄電器を有する車両。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−205820(P2009−205820A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−44159(P2008−44159)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】