説明

蓄電素子

【課題】発電要素を収容するケースの気密性を確保することができる蓄電素子を提供する。
【解決手段】本発明に係る蓄電素子は、発電要素と、隔壁によって構成されるケースであって、発電要素を収容するケースと、隔壁を貫通するリベットであって、胴部と、該胴部に連設される挿通部とを備えるリベットと、該リベットと電気的に接続される導電性部材と、隔壁と導電性部材との間及び隔壁と胴部との間の少なくとも一方に配置される封止部材とを備え、挿通部は、隔壁、封止部材及び導電性部材に挿通され、該挿通部のうち、少なくとも隔壁、封止部材及び導電性部材に挿通される部分は、胴部よりも小径であり、挿通部の先端部は、軸心方向に非貫通穴を有して中空軸状に形成され、且つ、挿通部が隔壁、封止部材及び導電性部材に挿通された状態で、かしめられ、非貫通穴の底は、隔壁と導電性部材との間に位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電要素と、該発電要素を収容するケースと、該ケースの隔壁を貫通するリベットとを備える蓄電素子に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両(自動車、自動二輪車等)や各種機器(携帯端末、ノート型パソコン等)の動力源として、電池(リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等)やキャパシタ(電気二重層キャパシタ等)といった放充電可能な蓄電素子が採用されている。例えば、電池には、種々タイプのものが提供されている。その一つとして、発電要素と、該発電要素に電気的に接続された集電体と、発電要素及び集電体を収容するケースと、ケースの外部に配置された外部端子と、ケースの隔壁の内面に沿って配置された内部封止部材と、隔壁の外面に沿って配置された外部封止部材と、隔壁、内部封止部材及び外部封止部材に挿通されたリベットとを備え、外部端子と集電体とがリベットを介して電気的に接続された電池が提供されている。
【0003】
リベットは、導電性材料で構成されている。リベットは、軸状の胴部と、該胴部に連設された中実軸状又は中空軸状(筒状)の挿通部とを備えている。挿通部の外径は、胴部の外径よりも小径に設定されている。そして、挿通部がケースの隔壁、内部封止部材、外側封止部材及び集電体に挿通された状態で、挿通部の先端部がかしめられる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
これにより、リベットの挿通部の先端部は、拡径した状態になっている。すなわち、中実軸状の挿通部を備えたリベットが採用された電池では、リベットの挿通部の先端部全体が押し潰されて大径に変形し、一方、中空軸状の挿通部を備えたリベットが採用された電池では、リベットの挿通部の先端部が径方向外方に傾倒しつつ押し潰されて鍔状に変形する。
【0005】
従って、これらの電池において、リベットの胴部及びかしめられた先端部は、該リベットを挿通した貫通孔の周辺領域に圧縮力を作用させつつ、ケースの隔壁、内部封止部材、外部封止部材及び集電体を一体的に挟み込む。その結果、ケースの隔壁に対して内部封止部材及び外部封止部材が密接し、リベットを挿通した貫通孔が封止され、ケース内が気密にされる。また、リベットを介して集電体及び発電要素がケースに固定される。
【0006】
ところで、中実軸状の挿通部を備えたリベットであれば、挿通部の剛性が高いため、一回のかしめ処理でリベットの挿通部の先端部を十分にかしめることができない場合がある。そうすると、かしめ処理を複数回行えばよいことになる。しかしながら、かしめ処理を繰り返し行うと、その都度リベットに対して大きな力を作用させることになり、その結果、ケースの隔壁が変形してしまうことがある。
【0007】
そうなると、隔壁に対する内部封止部材及び外部封止部材の密接度が低下し、ケースの気密性を確保できなくなることがある。特に、電池を軽量化するためにアルミニウム合金でケースを構成すると、アルミニウム合金がステンレス等の鋼材に比べて柔らかいため、リベットに対するかしめ処理に伴う隔壁の変形が顕著になり、ケースの気密性が格段に低くなってしまう。
【0008】
これに対し、中空軸状の挿通部を備えたリベットであれば、挿通部の中央部に空洞が形成されて薄肉になっているため、かしめ処理したときに挿通部の先端部は変形しやすい。
【0009】
しかしながら、中空軸状の挿通部は、中実軸状の挿通部に比して剛性が低い。そのため、かしめ処理するときに、挿通部の先端部の一部が外側に拡がらず、空洞側に押されて膨出することがある。そうなると、挿通部の先端部は、リベットを挿通した貫通孔周辺を挟み込むのに必要十分な外径の鍔状にならないことがある。
【0010】
従って、中空軸状の挿通部を備えたリベットであっても、中実軸状の挿通部を備えたリベットと同様に、ケースの気密性を確保できない場合がある。
【0011】
また、この種の問題は、電池に限られず、キャパシタ(電気二重層キャパシタ等)についても同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2002−324541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明は、ケースの気密性を確保することができる蓄電素子を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る蓄電素子は、
発電要素と、
隔壁によって構成されるケースであって、発電要素を収容するケースと、
隔壁を貫通するリベットであって、胴部と、該胴部に連設される挿通部とを備えるリベットと、
該リベットと電気的に接続される導電性部材と、
隔壁と導電性部材との間及び隔壁と胴部との間の少なくとも一方に配置される封止部材とを備え、
挿通部は、隔壁、封止部材及び導電性部材に挿通され、
該挿通部のうち、少なくとも隔壁、封止部材及び導電性部材に挿通される部分は、胴部よりも小径であり、
挿通部の先端部は、軸心方向に非貫通穴を有して中空軸状に形成され、且つ、挿通部が隔壁、封止部材及び導電性部材に挿通された状態で、かしめられ、
非貫通穴の底は、隔壁と導電性部材との間に位置する。
【0015】
かかる構成によれば、リベットの挿通部は、隔壁、封止部材及び導電性部材に挿通され、その状態で挿通部の先端部がかしめられる。挿通部の先端部をかしめることで、挿通部がリベットの軸に対して直交する方向へ隔壁を押す力が働く。その際、挿通部の先端部に設けられた非貫通穴の底は、隔壁と導電性部材との間に位置する。これにより、隔壁近傍で挿通部が空洞側に押されて膨出することはなくなる。すなわち、挿通部と隔壁とが密着し、挿通部が隔壁を押す力を確実に生じさせることができるため、隔壁と挿通部との間の気密性が確保される。さらに、挿通部の先端部が中空軸状に形成されているため、複数回に亘るかしめ処理を行うことなく、挿通部の先端部を鍔形状に確実に変形させることができる。また、挿通部の先端部が鍔形状に変形することで、挿通部がリベットの軸心に対して平行な方向へ隔壁と導電性部材とを押すことができる。これにより、隔壁と導電性部材との間及び隔壁と胴部との間の少なくとも一方に配置される封止部材が確実に圧迫され、ケースの気密性が確保される。
【0016】
ここで、本発明に係る蓄電素子の一態様として、
挿通部は、隔壁側から導電性部材側に向かって挿通され、
封止部材は、隔壁と導電性部材との間及び隔壁と胴部との間の両方に配置される、
ようにすることができる。
【0017】
かかる構成によれば、リベットの胴部側では、胴部と隔壁の間に一方の封止部材が配置され、リベットの挿通部側では、隔壁と導電性部材との間にもう他方の封止部材が配置され、この状態でリベットの挿通部の先端部がかしめられている。そのため、挿通部の先端部が鍔形状に変形する際に生じるリベットの軸心と平行な方向の力が、隔壁と導電性部材との間及び隔壁と胴部との間に伝わる。その結果、二つの封止部材が確実に圧迫され、より効果的にケースの気密性を保つことができる。
【0018】
この場合、
封止部材の少なくとも一つは、隔壁に挿通される環状凸部を備え、
該環状凸部は、挿通部の外周を覆った状態で隔壁に挿通される、
ようにすることができる。
【0019】
かかる構成によれば、封止部材は、胴部と隔壁との間及び隔壁と挿通部との間とに跨って配置されている。これにより、胴部と隔壁との間及び隔壁と挿通部との間に配置される封止部材が、挿通部がかしめられる際に生じる力によって圧迫されるため、より効果的にケースの気密性を保つことができる。
【0020】
また、本発明に係る蓄電素子の他態様として、
挿通部の先端部は、該挿通部の軸心から遠ざかるほど厚みが薄くなるようにかしめられる、
ようにすることができる。
【0021】
かかる構成によれば、挿通部の先端部を該挿通部の軸心から遠ざかるほど厚みが薄くなるようにかしめることで、挿通部の先端部と隔壁又は導電性部材との間の密着性を高めることができる。
【0022】
また、本発明に係る蓄電素子の別の態様として、
挿通部は、非貫通穴の中空軸状部分のみがかしめられる、
ようにすることができる。
【0023】
かかる構成によれば、リベットの挿通部において、その中空軸状部分のみがかしめられ、中実軸状部分はかしめられないので、かしめ処理を複数回行う必要がない。また、かしめ処理時に、中実軸状部分に大きな作用が加えられないため、隔壁又は導電性部材が変形することを抑制することができる。
【0024】
また、本発明に係る蓄電素子の他態様として、
非貫通穴の底は、隔壁と導電性部材との間であって、該導電性部材側に寄った位置に位置する、
ようにすることができる。
【0025】
かかる構成によれば、リベットの挿通部において、その中空軸状部分のみがかしめられ、中実軸状部分はかしめられないので、かしめ処理を複数回行う必要がない。また、かしめ処理時に、中実軸状部分に大きな作用が加えられないため、隔壁又は導電性部材が変形することを抑制することができる。
【0026】
また、本発明に係る蓄電素子のさらに別の態様として、
導電性部材は、ケース内に配置される集電体であって、発電要素と電気的に接続される集電体であり、
封止部材は、隔壁の内面に配置される内部封止部材を含み、
挿通部は、ケースの外側から内側に向かって、隔壁、内部封止部材及び集電体に挿通される、
ようにすることができる。
【0027】
かかる構成によれば、リベットの挿通部は、隔壁、内部封止部材及び集電体に挿通され、その状態で挿通部の先端部がかしめられる。これにより、隔壁と集電体との間に配置される内部封止部材が確実に圧迫され、ケースの気密性が確保される。
【0028】
また、本発明に係る蓄電素子の別の態様として、
導電性部材は、ケース内に配置される集電体であって、発電要素と電気的に接続される集電体であり、
封止部材は、隔壁の外面に配置される外部封止部材を含み、
挿通部は、ケースの外側から内側に向かって、外部封止部材、隔壁及び集電体に挿通される、
ようにすることができる。
【0029】
かかる構成によれば、リベットの挿通部は、外部封止部材、隔壁及び集電体に挿通され、その状態で挿通部の先端部がかしめられる。これにより、隔壁と胴部との間に配置される外部封止部材が確実に圧迫され、ケースの気密性が確保される。
【0030】
また、本発明に係る蓄電素子のさらに別の態様として、
導電性部材は、ケース外に配置される引抜部材であり、
封止部材は、隔壁の内面に配置される内部封止部材を含み、
挿通部は、ケースの内側から外側に向かって、内部封止部材、隔壁及び引抜部材に挿通される、
ようにすることができる。
【0031】
かかる構成によれば、リベットの挿通部は、内部封止部材、隔壁及び引抜部材に挿通され、その状態で挿通部の先端部がかしめられる。これにより、隔壁と胴部との間に配置される内部封止部材が確実に圧迫され、ケースの気密性が確保される。
【0032】
また、本発明に係る蓄電素子の別の態様として、
導電性部材は、ケース外に配置される引抜部材であり、
封止部材は、隔壁の外面に配置される外部封止部材を含み、
挿通部は、ケースの内側から外側に向かって、隔壁、外部封止部材及び引抜部材に挿通される、
ようにすることができる。
【0033】
かかる構成によれば、リベットの挿通部は、隔壁、外部封止部材及び引抜部材に挿通され、その状態で挿通部の先端部がかしめられる。これにより、隔壁と引抜部材との間に配置される外部封止部材が確実に圧迫され、ケースの気密性が確保される。
【0034】
また、本発明に係る蓄電素子のさらに別の態様として、
導電性部材は、ケース内に配置される集電体であって、発電要素と電気的に接続される集電体であり、
封止部材は、隔壁の内面に配置される内部封止部材と、隔壁の外面に配置される外部封止部材とを含み、
挿通部は、ケースの外側から内側に向かって、外部封止部材、隔壁、内部封止部材及び集電体に挿通される、
ようにすることができる。
【0035】
かかる構成によれば、リベットの挿通部は、外部封止部材、隔壁、内部封止部材及び集電体に挿通され、その状態で挿通部の先端部がかしめられる。これにより、隔壁と集電体との間に配置される内部封止部材及び隔壁と胴部との間に配置される外部封止部材が確実に圧迫され、ケースの気密性が確保される。
【0036】
また、本発明に係る蓄電素子の別の態様として、
導電性部材は、ケース外に配置される引抜部材であり、
封止部材は、隔壁の外面に配置される外部封止部材と、隔壁の内面に配置される内部封止部材とを含み、
挿通部は、ケースの内側から外側に向かって、内部封止部材、隔壁、外部封止部材及び引抜部材に挿通される、
ようにすることができる。
【0037】
かかる構成によれば、リベットの挿通部は、内部封止部材、隔壁、外部封止部材及び引抜部材に挿通され、その状態で挿通部の先端部がかしめられる。これにより、隔壁と胴部との間に配置される内部封止部材及び隔壁と引抜部材との間に配置される外部封止部材が確実に圧迫され、ケースの気密性が確保される。
【発明の効果】
【0038】
以上のように、本発明に係る蓄電素子によれば、ケースの気密性を確保することができるといった優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態に係る電池の斜視図を示す。
【図2】同電池の側面図を示す。
【図3】図1のA−A線断面図を示す。
【図4】図1のB−B線断面図を示す。
【図5】同電池の端子構造の拡大断面図を示す。
【図6】同電池のリベット近傍の拡大断面図を示す。
【図7】同端子構造の上方から見た分解斜視図を示す。
【図8】同端子構造の下方から見た分解斜視図を示す。
【図9】他実施形態に係る電池の端子構造の拡大断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明に係る蓄電素子の一実施形態である電池について、図面を参酌しつつ説明する。本実施形態に係る電池は、非水電解質二次電池、より詳しくは、リチウムイオン二次電池である。本実施形態に係る電池は、図1〜図4に示す如く、ケース本体2と、該ケース本体2の開口部を塞いで密閉する蓋板3とで構成されるケース1を備えている。また、蓋板3には、ケース1内に収納された発電要素4と電気的に接続された端子構造9が設けられている。
【0041】
ケース本体2及び蓋板3は、アルミニウム合金やステンレス合金等の金属を用いて形成される。本実施形態では、ケース本体2及び蓋板3は、アルミニウム合金を用いて形成されている。アルミニウム合金として、未加工のアルミニウム合金(いわゆる、F材)や、焼なまし材(いわゆる、O材)、加工硬化させたアルミニウム合金(いわゆる、H材)、上記以外の熱処理されたアルミニウム合金(いわゆる、T材)が採用されている。ケース本体2は、長円筒形状にされた巻回型の発電要素4を収納すべく、幅方向に偏平な有底角筒状である。蓋板3は、ケース本体2の開口部に対応した長方形状の板材である。
【0042】
蓋板3には、図5〜図8に示す如く、後述するリベット12を挿通するための貫通孔3aが長手方向に間隔をあけて二つ形成されている。各貫通孔3aの周辺領域は、例えば、コイニング加工によって、厚み方向に圧縮成型されている。これにより、各貫通孔3aの周辺領域は、他の領域よりも薄肉に形成されている。そして、貫通孔3aの周辺領域が圧縮成形されることにより、貫通孔3aの周辺領域では、加工硬化が生じ、剛性が高められている。
【0043】
貫通孔3aの周辺領域が圧縮成型によって薄肉にされることで、蓋板3の外面上に、後述するように、外部ガスケット11を嵌合可能な凹部(第一凹部)3bが形成されている。
【0044】
図1〜図4に戻り、蓋板3は、ケース本体2の開口部に嵌め込まれ、レーザ溶接等により密閉固定される。
【0045】
発電要素4は、帯状の正極シート5と帯状の負極シート6とを、その間に帯状のセパレータ7を挟んだ状態で、左右の異なる方向にずらし、左右方向の回転軸を中心に上下に長円となる長円筒形状に巻回したものである。発電要素4は、絶縁性シートで形成した絶縁カバー(図示しない)で全体が覆われ、ケース1と絶縁された状態で、該ケース1内に収納されている。正極シート5は、アルミニウム箔の表面に正極活物質を担持させたものである。負極シート6は、銅箔の表面に負極活物質を担持させたものである。正極シート5及び負極シート6は、それぞれ左右のずれ方向の端縁部に、活物質の未塗工部を有している。これにより、発電要素4の左右の端部では、アルミニウム箔や銅箔が露出し、これら電極の金属箔が巻回された巻き束状のままはみ出している。
【0046】
また、発電要素4の左右の端部にはみ出した金属箔には、それぞれ集電体8が電気的に接続されている。集電体8は、上下に長尺な導電性金属部材である。より詳しくは、正極の集電体8は、アルミニウム又はアルミニウム合金を用いて形成され、負極の集電体8は、銅又は銅合金を用いて形成されている。集電体8の上部は、水平に折り曲げられて接続部8aとされる。該接続部8aより下方の部分は、前後に二股に分けられて下方に突出している。そして、この二股に分けられた部分は、発電要素4の端部と共に、図示しない挟持板に挟まれて、超音波溶接等により接続固定されている。
【0047】
端子構造9は、正極の端子構造9と負極の端子構造9とを備えている。各端子構造9は、図5〜図8に詳細に示されるように、蓋板3の左右の端部に形成されたそれぞれの貫通孔3aを内外で挟むようにして配置された樹脂プレート10及び外部ガスケット11と、該樹脂プレート10及び外部ガスケット11を介して貫通孔3aに挿通され、集電体8の接続部8aと電気的に接続されるリベット12と、外部ガスケット11に近接して配置された端子回り止め部材13と、該端子回り止め部材13を介して蓋板3の外面に配置された端子ボルト14と、該端子ボルト14とリベット12とを電気的に接続する引抜部材15とを備えている。これにより、ケース1内の発電要素4と端子ボルト14とが電気的に接続される。
【0048】
尚、樹脂プレート10及び外部ガスケット11は、封止部材に相当する。また、樹脂プレート10、外部ガスケット11及び端子回り止め部材13は、絶縁部材に相当する。リベット12は、補助端子に相当する。端子ボルト14は、外部端子に相当する。引抜部材15は、導電性部材に相当する。
【0049】
樹脂プレート10は、絶縁性と封止性を備えた合成樹脂部材である。より詳しくは、樹脂プレート10には、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂が用いられる。但し、材質はこれに限定されるものではなく、適宜選択可能である。樹脂プレート10は、長方形状である。樹脂プレート10の下面には、集電体8の接続部8aを受け入れ可能な凹部10aが形成されている。樹脂プレート10は、その凹部10aが集電体8の接続部8aを受け入れた状態で、該接続部8aに形成された貫通孔8bと一致する貫通孔10bを有している。
【0050】
外部ガスケット11は、絶縁性と封止性を備えた合成樹脂部材である。より詳しくは、外部ガスケット11には、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂が用いられる。但し、材質はこれに限定されるものではなく、適宜選択可能である。
【0051】
外部ガスケット11は、リベット12の胴部12aより一回り大きい矩形状である。外部ガスケット11は、外周部を除いて上面を窪ませることにより、外周に、周回状の外壁部11aを備えている。外部ガスケット11は、外壁部11a内に、リベット12の胴部12aを受け入れ可能な凹部11bを備えている。外部ガスケット11は、その凹部11bがリベット12の胴部12aを受け入れた状態で、該リベット12の第一かしめ部12bを挿通可能な貫通孔11cを有している。外部ガスケット11の下面には、蓋板3の貫通孔3aを挿通して樹脂プレート10の貫通孔10bに挿入される環状凸部11dが形成されている。
【0052】
尚、樹脂プレート10は、蓋板3の下面(内面)に配置される結果、ケース1内に配置される。外部ガスケット11は、蓋板3の上面(外面)に配置される結果、ケース1の外面に配置される。蓋板3の上面のうち、外部ガスケット11が配置される領域には、外部ガスケット11の下部(ブリッジ部)を受け入れ可能な非円形状の凹部(第一凹部)3bが形成されている。そこで、外部ガスケット11の下部(蓋板3との接合面)が第一凹部3bに挿入されることにより、外部ガスケット11は、その軸回りにおける回転が規制された状態となる。尚、本実施形態において、第一凹部3bは、矩形状である外部ガスケット11の下部形状に対応して矩形状に形成されている。また、第一凹部3bは、例えばコイニング加工により形成される。
【0053】
リベット12は、正極側のリベット12と負極側のリベット12とを含む。正極側のリベット12は、アルミニウム又はアルミニウム合金で形成される導電性金属部材である。負極側のリベット12は、銅又は銅合金で形成される導電性金属部材である。図7及び図8に示す如く、胴部12aの下面から挿通部としての第一かしめ部12bが下方に突設されている。胴部12aの上面から別の挿通部としての第二かしめ部12cが上方に突設されている。第一かしめ部12b及び第二かしめ部12cは、いずれも外観軸状であり、胴部12aよりも小径である。
【0054】
胴部12aは、軸状に形成されている。そして、胴部12aの外径は、蓋板3の貫通孔3aの孔径よりも大径である。胴部12aは、周方向に等間隔配置された四つの平面部(採番しない)を外周上に備えている。そして、胴部12aが外部ガスケット11の凹部11bに受け入れられた状態で、四つの平面部のそれぞれは、外部ガスケット11の外壁部11aの内壁面と面対向するようになっている。
【0055】
第一かしめ部12bは、蓋板3の貫通孔3a、集電体8の接続部8aの貫通孔8b、樹脂プレート10の貫通孔10b及び外部ガスケット11の貫通孔11cに挿通される部分である。第一かしめ部12bは、蓋板3の外側から内側に向けて、すなわち、蓋板3側から集電体8側に向けて挿入される。本実施形態では外部ガスケット11の環状凸部11dが蓋板3の貫通穴3a及び樹脂プレート10の貫通穴10bに挿通されるため、第一かしめ部12bは、外部ガスケット11の貫通穴11cに挿通されることにより、蓋板3の貫通穴3a及び樹脂プレート10の貫通穴10bに挿通された状態にもなる。
【0056】
第一かしめ部12bは、蓋板3の貫通孔3a、樹脂プレート10の貫通孔10b、外部ガスケット11の貫通孔11c及び集電体8の貫通孔8bに挿通された状態で、先端部が樹脂プレート10の内面からケース1の内側に向けて突出する長さに形成されている。
【0057】
第一かしめ部12bの先端部には、軸心方向の非貫通穴12dが形成されている。これにより、第一かしめ部12bの先端部は、中空軸状に形成されている。そして、図6に示す如く、先端部がかしめ処理された状態で、非貫通穴12dの底12eは、蓋板3と集電体8との間に位置している。
【0058】
非貫通孔12dは、ドリルを用いて形成されている。これに伴い、非貫通孔12dの底12eは、ドリルの先端形状に対応してテーパ状になっている。
【0059】
そして、第一かしめ部12bの先端部は、かしめ処理されることで径方向外方に傾倒しつつ押し潰されて第一かしめ部12bの基端側よりも大径の鍔状になっている。すなわち、第一かしめ部12bの先端部は、かしめ処理されることで蓋板3の貫通孔3aよりも大径になっている。
【0060】
その結果、胴部12aと第一かしめ部12bの鍔状になった先端部とが、貫通孔3a,8b,10b,11cの周辺を挟み込み、且つ、外部ガスケット11を蓋板3の外面に密接させるとともに樹脂プレート10を蓋板3の内面に密接させている。これにより、貫通孔3a,8b,10b,11cの周囲が封止され、ケース1内が気密に保たれている。なお、言うまでもないが、第一かしめ部12bに対するかしめ処理は、蓋板3をケース本体2に溶接する前段階で行われる。
【0061】
第二かしめ部12cは、図7及び図8に示す如く、胴部12aよりも小径な中実軸状に形成されている。第二かしめ部12cは、引抜部材15に形成された後述の第一貫通孔15aに挿入可能な軸径を有する。そして、図5及び図6に示す如く、第二かしめ部12cを引抜部材15の第一貫通孔15bに挿通した状態で該第二かしめ部12cの先端部がかしめられる。これにより、引抜部材15は、胴部12aと第二かしめ部12cの鍔状に変形した先端部とに挟み込まれ、リベット12に物理的且つ電気的に接続されている。なお、第二かしめ部12cに対するかしめ処理は、第一かしめ部12bに対するかしめ処理前に予め行われる。
【0062】
ここで、蓋板3の貫通孔3a、集電体8の接続部8aの貫通孔8b、樹脂プレート10の貫通孔10b、外部ガスケット11の貫通孔11c及び環状凸部11d、リベット12の第一かしめ部12bの寸法関係を説明しておく。図5に詳細に示されるように、蓋板3の貫通孔3aの内径と、樹脂プレート10の貫通孔10bの内径とは、同一ないし略同一である。また、蓋板3の貫通孔3aの内径や、樹脂プレート10の貫通孔10bの内径と、外部ガスケット11の環状凸部11dの外径とは、同一ないし略同一である。また、外部ガスケット11の環状凸部11dの長さと、蓋板3及び樹脂プレート10の厚みの合計とは、同一ないし略同一である。また、外部ガスケット11の環状凸部11dの内径と、集電体8の接続部8aの貫通孔8bとは、同一ないし略同一である。また、外部ガスケット11の環状凸部11dの内径や、集電体8の接続部8aの貫通孔8bと、リベット12の第一かしめ部12bの外径とは、同一ないし略同一である。また、リベット12の第一かしめ部12bの長さと、蓋板3、集電体8の接続部8a、樹脂プレート10及び外部ガスケット11の厚みの合計とは、同一ないし略同一である。
【0063】
従って、リベット12の胴部12aが外部ガスケット11の凹部11bに挿入され、リベット12の第一かしめ部12bが該凹部11bの底面の貫通孔11cを通って集電体8の接続部8aの貫通孔8bに挿通され、該接続部8aの貫通孔8bから下方に突出する第一かしめ部12bの先端部分が下方からかしめられる。これにより、リベット12は、集電体8の接続部8aと電気的に接続され且つ蓋板3から絶縁された状態で、蓋板3に取り付けられる。
【0064】
端子回り止め部材13は、樹脂プレート10や外部ガスケット11と同様、絶縁性を備えた合成樹脂部材である。但し、端子回り止め部材13には、樹脂プレート10や外部ガスケット11よりも硬度を高くするために、例えば、ポリフェニレンサルファイド樹脂にガラス繊維をフィラーとして均一に混合した強化樹脂材料が用いられる。あるいは、ポリフェニレンサルファイド樹脂の代わりに、4Fパーフル オロ アルキルビニルエーテル(PFA)樹脂が用いられる。また、ガラス繊維以外の無機繊維であってもよい。但し、材質はこれらに限定されるものではなく、適宜選択可能である。但し、端子回り止め部材13は、絶縁性を備えていなくてもよい。ケース1の材質としてアルミニウムやアルミニウム合金が用いられる場合、正極の端子回り止め部材13を非絶縁性とすることで、正極の電位とケース1の電位とを一致させるようにしてもよい。これにより、ケース1の腐食を抑制することができる。また、ケース1の材質として鉄やステンレス鋼が用いられる場合、負極の端子回り止め部材13を非絶縁性とすることで、負極の電位とケース1の電位とを一致させるようにしてもよい。正極又は負極の電位とケース1の電位とを一致させる方法としては、例えば、端子回り止め部材13にフィラーの他に導電性の物質(例えばカーボン)を混合し、半導体化させる方法が挙げられる。
【0065】
端子回り止め部材13は、端子ボルト14の頭部14aより一回り大きい矩形状である。端子回り止め部材13は、外周部を除いて上面を窪ませることにより、外周に、周回状の外壁部13aを備えている。端子回り止め部材13は、外壁部13a内に、端子ボルト14の頭部14aを受け入れ可能な凹部13bを備えている。端子回り止め部材13は、凹部13b内に、非円形状の嵌合凸部13cを備えている。そして、凹部13bが端子ボルト14の頭部14aを受け入れた状態で、嵌合凸部13cは、端子ボルト14の頭部14aに形成された非円形状の嵌合凹部(嵌合凹溝)14cに嵌入する。従って、凹部13b内の嵌合凸部13c(即ち、凹部13b内において、外壁部11aの上端面よりも低い位置にある嵌合凸部13c)が端子ボルト14の頭部14aの嵌合凹部14c内に嵌入することにより、端子回り止め部材13は、端子ボルト14をその軸回りにおける回転を規制した状態で受け入れる。尚、本実施形態において、端子ボルト14の嵌合凹部14cは、頭部14aを一端から他端にかけて切り欠いた矩形状である。そして、端子回り止め部材13の嵌合凸部13cは、矩形状である嵌合凹部14cに対応して矩形状に形成されている。
【0066】
端子回り止め部材13の下面には、非円形状の凸部13dが形成されている。本実施形態において、凸部13dは、矩形状の凸面(隆起面)である。そして、蓋板3の上面のうち、端子回り止め部材13が配置される領域には、端子回り止め部材13の凸部13dを受け入れ可能な非円形状の凹部(第二凹部)3cが形成されている。そこで、端子回り止め部材13の凸部13dが第二凹部3cに挿入されることにより、外部ガスケット11と同様、端子回り止め部材13は、その軸回りにおける回転が規制された状態となる。尚、本実施形態において、第二凹部3cは、矩形状である凸部13dに対応して矩形状に形成されている。また、第二凹部3cは、例えばコイニング加工により形成される。
【0067】
端子回り止め部材13が蓋板3の上面に配置されるに際しては、端子回り止め部材13の下面(凸部13dの表面を含む)が適切な手段で処理されることにより、端子回り止め部材13の下面にガラス繊維が露出するようにする。適切な手段としては、端子回り止め部材13の下面を機械的に削り取ることが好ましい。例えば、やすり等で端子回り止め部材13の下面の表面を削ることにより、ガラス繊維が露出する。次いで、端子回り止め部材13の下面の凸部13dが蓋板3の上面の第二凹部3cに嵌入して、端子回り止め部材13が蓋板3の上面に固定される。この蓋板3に対する端子回り止め部材13の固定方法は、特に限定されないが、例えば、蓋板3の上面(特に、第二凹部3c)及び端子回り止め部材13の下面の少なくとも何れか一方に、適切な接着手段(接着フィルム、液状接着剤、固体状接着剤等)が供給され、該接着手段を介して蓋板3に対して端子回り止め部材13が固定されるようにしてもよい。接着剤としては、一般的な接着剤を用いることができる。但し、エポキシ樹脂系の接着剤が好ましい。エポキシ樹脂は、端子回り止め部材13に用いられる合成樹脂との接着性に劣るが、無機繊維との接着性が良好である。従って、端子回り止め部材13の下面にガラス繊維が露出することにより、端子回り止め部材13が蓋板3に強固に接着される。
【0068】
端子ボルト14は、外部機器と電気的に接続するためのものである。端子ボルト14は、鉄やステンレス鋼、クロムモリブデン鋼等の鋼、その他の強度の高い導電性金属部材である。端子ボルト14は、上述の如く、端子回り止め部材13の凹部13b内に挿入される大きさに形成された頭部14aと、該頭部14aの上面から突出し、外周に雄ネジが刻設された軸部14bとを備えている。上述の如く、頭部14aの下面には、非円形状の嵌合凹部(嵌合凹溝)14cが形成されている。従って、端子ボルト14は、凹部13b内の嵌合凸部13cが該嵌合凹部14c内に嵌入することにより、蓋板3から絶縁され且つ軸部14bの軸回りにおける回転が規制された状態で、端子回り止め部材13に支持されている。
【0069】
引抜部材15は、銅合金等からなる長方形状の導電性金属部材である。引抜部材15の表面には、防錆等の他、滑りを良くするためにニッケルメッキが施されている。引抜部材15の一端部には、第一貫通孔15aが形成され、他端部には、第二貫通孔15bが形成されている。第一貫通孔15aには、リベット12の第二かしめ部12cが挿通される。第二貫通孔15bには、端子ボルト14の軸部14bが挿通される。そして、リベット12の第二かしめ部12cのうち、引抜部材15の第一貫通孔15aから上方に突出する先端部分が上方からかしめられる。これにより、リベット12と引抜部材15とが一体化される。
【0070】
尚、端子ボルト14は、その軸部14bが引抜部材15の第二貫通孔15bに挿通されるだけである。しかしながら、例えば図示しない外部機器のリード線の圧着端子が端子ボルト14の軸部14bに嵌められ、端子ボルト14の軸部14bにナットが締め付けられると、端子ボルト14は僅かに持ち上がり、頭部14aの上面が引抜部材15の下面に圧接する。これにより、端子ボルト14の頭部14bとナットとの間でリード線の圧着端子が引抜部材15と共に挟持される。これにより、圧着端子と端子ボルト14と引抜部材15とが電気的に確実に接続される。従って、リード線の圧着端子は、端子回り止め部材13、外部ガスケット11及び樹脂プレート10によって蓋板3から絶縁された、端子ボルト14、引抜部材15、リベット12及び集電体8を介して、発電要素4と電気的に接続される。これにより、外部機器と電池とが電気的に接続される。
【0071】
しかも、端子ボルト14の頭部14aの嵌合凹部14cが蓋板3の上面に固定された端子回り止め部材13の凹部13b内の嵌合凸部13cと嵌合することにより、ナットが端子ボルト14の軸部14bに締め付けられることによって供回りしようとする端子ボルト14は、確実に回り止めされる。尚、この際、端子ボルト14の頭部14aの嵌合凹部14cと端子回り止め部材13の凹部13b内の嵌合凸部13cとの間に多少の隙間が生じるものであっても、端子ボルト14がある程度の角度だけ空転するだけであるので、特に支障はない。
【0072】
また、このとき、端子回り止め部材13は、端子ボルト14の回り止めを行うため、端子ボルト14から回転トルクを受けることになる。しかしながら、端子回り止め部材13の下面は、ガラス繊維が露出した状態となって蓋板3の上面に密着されている。これにより、端子回り止め部材13は、蓋板3との摩擦抵抗が向上した状態で固定される。従って、端子回り止め部材13は、端子ボルト14からの回転トルクによって端子ボルト14と供回りすることなく、確実に回り止めされる。そして、この効果は、蓋板3の上面の第二凹部3cと端子回り止め部材13の下面の凸部13dとが凹凸嵌合することによってさらに顕著となっている。また、上述の如く、蓋板3の上面(特に、第二凹部3c)及び端子回り止め部材13の下面の少なくとも何れか一方に接着手段(接着剤等)が供給され、端子回り止め部材13が接着手段によって蓋板3に固定されているため、回り止めがより確実になる。
【0073】
尚、端子ボルト14の軸部14b(雄ネジ部)の周長が短い場合、即ち、端子ボルト14の軸部14bが小径である場合、端子回り止め部材13の材質として、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)などの合成樹脂が単独で用いられるのであれば、端子ボルト14からの回転トルクに耐えられないことがある。しかしながら、ガラス繊維等の無機繊維が合成樹脂に混合されることにより、端子回り止め部材13の強度が向上する。また、それのみならず、コスト削減にもなり得る。
【0074】
また、端子回り止め部材13は、蓋板3上で外部ガスケット11とは分離されているため、リベット12の封止を行う外部ガスケット11に回転トルクが伝達されることはない。従って、外部ガスケット11に不用意な力が加わることはなく、外部ガスケット11による封止(具体的には、外部ガスケット11の下面と蓋板3の上面(第一凹部3bの上面)との間の封止、外部ガスケット11の環状凸部11dの外周面と蓋板3の貫通孔3aの内周面及び樹脂プレート10の貫通孔10bの内周面との間の封止、外部ガスケット11の環状凸部11dの内周面とリベット12の第一かしめ部12bの外周面との間の封止)が損なわれるということはない。
【0075】
また、端子ボルト14の軸部14bに加わる回転トルクは、端子ボルト14とは分離されたリベット12に伝達されることはない。従って、リベット12が回転することにより、リベット12の、集電体8の接続部8aとのかしめが緩み、接続が損なわれる、という問題は生じない。しかも、樹脂プレート10や外部ガスケット11に不用意な力が加わることはなく、樹脂プレート10や外部ガスケット11による封止(具体的には、樹脂プレート10の上面と蓋板3の下面との間の封止、外部ガスケット11の下面と蓋板3の上面(第一凹部3bの上面)との間の封止、外部ガスケット11の環状凸部11dの外周面と蓋板3の貫通孔3aの内周面及び樹脂プレート10の貫通孔10bの内周面との間の封止、外部ガスケット11の環状凸部11dの内周面とリベット12の第一かしめ部12bの外周面との間の封止)が損なわれるということもない。
【0076】
そして、外部ガスケット11と端子回り止め部材13が分離して設けられることにより、外部ガスケット11には、封止部材として適切な硬度の材質を選択し、端子回り止め部材13には、端子ボルト14からの回転トルクに耐えるのに適切な硬度の材質を選択することができるようになる。より詳しくは、外部ガスケット11が弾性変形して導電性部材(蓋板3、集電体8、リベット12)の表面と密着することにより、封止効果が高まるため、外部ガスケット11には、ある程度の柔軟性が要求される。端子回り止め部材13の柔軟性が強いと、端子ボルト14からの回転トルクによって、嵌合凸部13cが摩耗、欠損しやすくなり、それが進行すれば、端子ボルト14の回り止め機能が機能しなくなる。そのため端子回り止め部材13には、端子ボルト14からの回転トルクに耐えるだけの剛性が要求される。
【0077】
ところで、本実施形態のリベット12では、第一かしめ部12bや第二かしめ部12cをかしめることにより生じるリベット12の全体的な塑性変形が抑制されるよう、胴部12aの軸長方向の寸法が従来のものよりも長くなっている。その結果、蓋板3の上面からの引抜部材15の高さ位置は、従来の端子構造に比べて必然的に高くなる。また、本実施形態の端子回り止め部材13の嵌合凸部13cは、端子回り止め部材13が端子ボルト14を回り止めするにあたり、端子ボルト14から回転トルクを直接受ける部分である。従って、端子回り止め部材13の嵌合凸部13cは、その回転トルクに耐えるだけの強度を有するために、高さ方向の厚みを十分なものにする必要がある。その結果、端子ボルト14の頭部14aの高さ位置は高くなり、これに伴い、やはり、蓋板3の上面からの引抜部材15の高さ位置は、従来の端子構造に比べて必然的に高くなる。そのため、本実施形態において、外部ガスケット11の外壁部11aは高く、蓋板3の上面から該外壁部11aの上端面までの沿面距離が長くなっている(好ましくは、蓋板3の幅寸法に対する沿面距離の比が0.15〜0.3)。また、端子回り止め部材13の外壁部13aは高く、蓋板3の上面から該外壁部13aの上端面までの沿面距離が長くなっている(好ましくは、蓋板3の幅寸法に対する沿面距離の比が0.15〜0.3)。
【0078】
より詳しくは、外部ガスケット11の外壁部11aは、リベット12の胴部12aを全体的ないし略全体的に収容し、且つ、外壁部11aの上端面が引抜部材15の下面に当接ないし僅かな間隔を有して離間するように、形成されている。また、端子回り止め部材13の外壁部13aは、端子ボルト14の頭部14aを全体的ないし略全体的に収容し、且つ、外壁部13aの上端面が引抜部材15の下面に当接ないし僅かな間隔を有して離間するように、形成されている。
【0079】
かかる構成により、電池が、結露などで発生する水滴や導電性雰囲気(静電気やダスト)に晒された場合であっても、外部ガスケット11の外壁部11aや端子回り止め部材13の外壁部13aがカバー(あるいは遮断壁)となる。これにより、蓋板3とリベット12との間の短絡や蓋板3と端子ボルト14との間の短絡が好適に防止される。
【0080】
本実施形態に係る電池は、以上の通りである。リベット12の第一かしめ部12bは、外部ガスケット11、蓋板3、樹脂プレート10及び集電体8に挿通され、その状態で第一かしめ部12bの先端部がかしめられている。第一かしめ部12bの先端部をかしめることで、第一かしめ部12bがリベット12の軸に対して直交する方向へ蓋板3を押す力が働く。その際、第一かしめ部12bの先端部の非貫通穴12dの底12eは、蓋板3と集電体8との間に位置する。これにより、蓋板3近傍で第一かしめ部12bが空洞側に押されて膨出することはなくなる。すなわち、第一かしめ部12bと蓋板3とが密着し、第一かしめ部12bが蓋板3を押す力を確実に生じさせることができるため、蓋板3と第一かしめ部12bとの間の気密性が確保される。さらに、第一かしめ部12bの先端部が中空軸状に形成されているため、複数回に亘るかしめ処理を行うことなく、第一かしめ部12bの先端部を鍔形状に確実に変形させることができる。また、第一かしめ部12bの先端部が鍔形状に変形することで、第一かしめ部12bがリベット12の軸心に対して平行な方向へ蓋板3と集電体8とを押すことができる。これにより、蓋板3と集電体8との間に配置される樹脂プレート10及び蓋板3と胴部12aとの間に配置される外部ガスケット11が確実に圧迫され、ケース1の気密性が確保される。
【0081】
図6に基づき、説明すると、リベット12の第一かしめ部12bの、蓋板3の貫通孔3a周辺における部分が中実であるため、かしめ処理時に矢印Aの方向へ力が生じ、蓋板3とリベット12間との気密性が確保される。また、第一かしめ部12bの先端部が中空であるため、かしめ処理時に第一かしめ部12bの先端部は、確実に鍔形状に変形される。その結果、矢印Bの方向へ力が生じ、外部ガスケット11、蓋板3、樹脂プレート10及び集電体8間が圧迫され、ケース1の気密性が確保される。
【0082】
また、リベット12の胴部12a側では、胴部12aと蓋板3の間に外部ガスケット11が配置され、リベット12の第一かしめ部12b側では、蓋板3と集電体8との間に樹脂プレート10が配置され、この状態で第一かしめ部12bの先端部がかしめられている。そのため、第一かしめ部12bの先端部が鍔形状に変形する際に生じるリベット12の軸心と平行な方向の力が、蓋板3と集電体8との間及び蓋板3と胴部12aとの間に伝わる。その結果、樹脂プレート10と外部ガスケット11が確実に圧迫され、より効果的にケース1の気密性を保つことができる。
【0083】
また、外部ガスケット11の環状凸部11dが第一かしめ部12bの外周を覆った状態で蓋板3に挿通されることにより、外部ガスケット11は、蓋板3と胴部12aとの間及び蓋板3と第一かしめ部12bとの間に跨って配置されている。これにより、蓋板3と胴部12aとの間及び蓋板3と第一かしめ部12bとの間に配置される外部ガスケット11が、第一かしめ部12bがかしめられる際に生じる力によって圧迫されるため、より効果的にケース1の気密性を保つことができる。
【0084】
また、第一かしめ部12bの先端部は、該第一かしめ部12bの軸心から遠ざかるほど厚みが薄くなるようにかしめられている。これにより、第一かしめ部12bの先端部と蓋板3又は集電体8との間の密着性を高めることができる。
【0085】
尚、本発明に係る蓄電素子は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0086】
例えば、上記実施形態においては、非貫通穴12dの底12eが蓋板3の内面SFよりもケース1の内側に位置するようにしている。しかしながら、これに限定されるものではない。例えば、非貫通穴12dの底12eが蓋板3の内面と一致又は略一致するようにしてもよい。このようにしても、第一かしめ部12bの先端部のみが中空軸状になるため、上記実施形態と同様に、第一かしめ部12bの先端部を、樹脂プレート10と外部ガスケット11とを確実に挟み込むことのできる必要十分な鍔状に形成することができる。
【0087】
また、上記実施形態において、第一かしめ部12bがケース1の外側から内側に向けて蓋板3に挿通されることを前提に、ケース1の内側に位置することになる第一かしめ部12bの先端部がかしめられるようにした。しかしながら、これに限定されるものではない。例えば、リベット12が胴部12aと第一かしめ部12bとで構成され、第一かしめ部12bがケース1の内側から外側に向けて蓋板3に挿通され、ケース1の外側に位置することになる第一かしめ部12bの先端部がかしめられるようにしてもよい。
【0088】
その具体的な例を図9に示す。かかる端子構造9’は、ケース1’の内側から外側に向けて蓋板3’に挿通されるリベット12’を備える。リベット12’は、発電要素(図示しない)に電気的に接続される胴部12a’と、該胴部12a’に連設され、蓋板3’に挿通される挿通部12b’とを備えている。蓋板3’の内面には樹脂プレート10’が配置され、蓋板3’の外面には外部ガスケット11’が配置されている。また、外部ガスケット11’の外面には導電性部材としての引抜部材15’が配置されている。リベット12’の挿通部12b’は、樹脂プレート10’、蓋板3’、外部ガスケット11’、引抜部材15’の順に挿通される。そして、引抜部材15’から突出する挿通部12b’の先端部がかしめられる。
【0089】
また、上記実施形態において、リベット12の胴部12aは軸状に形成されている。しかしながら、これに限定されるものではない。リベット12の胴部12aは、第一かしめ部12bが挿通される蓋板3や集電体8等に挿通されない形状であればよく、特定の形状に限定されない。そういった意味で、リベット12の胴部12aは、例えば薄板状であってもよい。
【0090】
また、上記実施形態において、外部ガスケット11の下面全面が蓋板3の上面の第一凹部3bに嵌入される例を示した。しかしながら、外部ガスケット11の下面に凸部が設けられ、蓋板3の第一凹部が該凸部を受け入れ可能な大きさとされ、端子回り止め部材13と同様、外部ガスケット11の凸部が該第一凹部に嵌入されるようにしてもよい。
【0091】
逆に、上記実施形態において、端子回り止め部材13の下面に凸部13dが設けられ、蓋板3の上面には、該凸部13dを受け入れ可能な大きさの第二凹部3cが設けられ、端子回り止め部材13の凸部13dが蓋板3の第二凹部3cに嵌入される例を示した。しかしながら、凸部13dが設けられず、蓋板3の第二凹部が端子回り止め部材13の下面全面を受け入れ可能な大きさとされ、外部ガスケット11と同様、端子回り止め部材13の下面全面が該第二凹部に嵌入されるようにしてもよい。
【0092】
但し、蓋板3の断面モーメントが上がり、その結果、蓋板3の機械的強度が高められる点で、蓋板3に第一凹部3b及び第二凹部3cが設けられるようにするのが好ましい。また、この場合、第一凹部3b及び第二凹部3cのうち、何れか一方が小さくされることにより、第一凹部3bと第二凹部3cとの距離が離間する。これにより、第一凹部3bと第二凹部3cとが相互に影響を与えないようにすることができる。上記実施形態において、外部ガスケット11用の第一凹部3bが端子回り止め部材13用の第二凹部3cよりも大きい例を示した。これは、第一凹部3bの面積が広くなるにつれ、蓋板3の平坦性及び機械的強度が向上し、その結果、封止効果及び耐久性が向上するためである。
【0093】
尚、外部ガスケット11であれ、端子回り止め部材13であれ、凸部は、一つでなく、複数であってもよい。また、外部ガスケット11及び端子回り止め部材13は、矩形状ではなく、例えば、円形状、六角形状、八角形状であってもよい。
【0094】
また、上記実施形態において、正極の集電体8及び正極のリベット12は、アルミニウム又はアルミニウム合金を用いて形成され、負極の集電体8及び負極のリベット12は、銅又は銅合金を用いて形成される例を示した。しかしながら、電池の種類に応じた導電性金属材料であれば、これらの材料は任意である。また、上記実施形態において、端子ボルト14と引抜部材15の材料についても例示した。しかしながら、強度や導電性等の特性が適合する導電性金属材料であれば、これらの材料も任意である。
【0095】
また、上記実施形態において、端子ボルト14の頭部14aの上面から軸部(雄ネジ部)14bが突出する例を示した。しかしながら、この雄ネジの代わりに、円筒形や多角形の筒状等の適宜形状の軸部が突出し、該軸部の上端面に、ねじ穴が穿設されているようにしてもよい。
【0096】
また、発電要素は、上記実施形態の如く、長円筒形状の巻回型のものには限定されず、他の形状のものでもよく、積層型のものであってもよい。
【0097】
また、上記実施形態において、端子構造9が蓋板3に設けられる例を示した。しかしながら、端子構造9がケース本体2に設けられるようにしてもよい。すなわち、リベット12がケース本体2を貫通するようにしてもよい。この場合においても、ケース本体2として、O材が用いられるのが好ましい。なお、言うまでもないが、ケース本体2は、O材以外のアルミニウム合金やその他の金属材料を用いて形成してもよい。
【0098】
また、上記実施形態において、リベット12の両端(第一かしめ部12b及び第二かしめ部12c)がかしめられるようにした。しかしながら、これに限定されるものではない。例えば、リベット12が胴部12aと第一かしめ部12bとで構成され、第一かしめ部12bの先端部がかしめられるようにしてもよい。
【0099】
また、上記実施形態において、リベット12と端子ボルト14とが別体で構成され、引抜部材15を介してこれらが電気的に接続されるようにした。しかしながら、これに限定されるものではない。例えば、リベット12と端子ボルト14の軸部14bとが一体的に形成されたものであってもよい。この場合、端子回り止め部材13は不要である。
【0100】
また、上記実施形態において、蓋板3の外面に外部ガスケット11と端子回り止め部材13とが別々となっている。しかしながら、これに限定されるものではない。例えば、外部ガスケット11と端子回り止め部材13とが一体的に形成されてもよい。
【0101】
また、上記実施形態において、外部ガスケット11に、蓋板3の貫通孔3aに嵌入させる環状凸部11dが設けられた。しかしながら、これに限定されるものではない。例えば、樹脂プレート10に、蓋板3の貫通孔3aに嵌入可能な環状凸部が設けられてもよい。あるいは、外部ガスケット11及び樹脂プレート10の両方に、蓋板3の貫通孔3aに嵌入可能な環状凸部が設けられてもよい。
【0102】
また、上記実施形態において、リチウムイオン二次電池について説明した。しかしながら、電池の種類や大きさ(容量)は任意である。
【0103】
また、本発明は、リチウムイオン二次電池に限定されるものではない。本発明は、種々の二次電池、その他、一次電池や、電気二重層キャパシタ等のキャパシタにも適用可能である。
【0104】
また、上記実施形態において、リベット12の第一かしめ部12bの先端部がかしめ処理され、集電体8の接続部8aの貫通孔8bの周囲に直接圧縮力が作用するようにした。しかしながら、これに限定されるものではない。例えば、接続部8a上に座金を配置し、接続部8aの貫通孔8b及び座金の貫通孔に挿通されて座金から突出する第一かしめ部12bの先端部をかしめ処理するようにしてもよい。このようにすれば、第一かしめ部12bのかしめ処理された先端部による圧縮作用を座金が受けることになり、集電体8の接続部8aの機械強度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0105】
1…電池ケース、2…ケース本体、3…蓋板、3a…貫通孔、3b…第一凹部(凹部)、3c…第二凹部(凹部)、4…発電要素、5…正極シート、6…負極シート、7…セパレータ、8…集電体、8a…接続部、8b…貫通孔、9…端子構造、10…樹脂プレート(内部封止部材(内部絶縁封止部材))、10a…凹部、10b…貫通孔、11…外部ガスケット(外部封止部材(外部絶縁封止部材))、11a…外壁部、11b…凹部、11c…貫通孔、11d…環状凸部、12…リベット、12a…胴部、12b…第一かしめ部(挿通部)、12c…第二かしめ部、12d…非貫通穴、12e…底、13…端子回止部材、13a…外壁部、13b…凹部、13c…嵌合凸部、13d…凸部、14…端子ボルト(外部端子)、14a…頭部、14b…軸部、14c…嵌合凹部、15…引抜部材(導電性部材)、15a…第一貫通孔、15b…第二貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電要素と、
隔壁によって構成されるケースであって、前記発電要素を収容するケースと、
前記隔壁を貫通するリベットであって、胴部と、該胴部に連設される挿通部とを備えるリベットと、
該リベットと電気的に接続される導電性部材と、
前記隔壁と前記導電性部材との間及び前記隔壁と前記胴部との間の少なくとも一方に配置される封止部材とを備え、
前記挿通部は、前記隔壁、前記封止部材及び前記導電性部材に挿通され、
該挿通部のうち、少なくとも前記隔壁、前記封止部材及び前記導電性部材に挿通される部分は、前記胴部よりも小径であり、
前記挿通部の先端部は、軸心方向に非貫通穴を有して中空軸状に形成され、且つ、前記挿通部が前記隔壁、前記封止部材及び前記導電性部材に挿通された状態で、かしめられ、
前記非貫通穴の底は、前記隔壁と前記導電性部材との間に位置する
蓄電素子。
【請求項2】
前記挿通部は、前記隔壁側から前記導電性部材側に向かって挿通され、
前記封止部材は、前記隔壁と前記導電性部材との間及び前記隔壁と前記胴部との間の両方に配置される
請求項1に記載の蓄電素子。
【請求項3】
前記封止部材の少なくとも一つは、前記隔壁に挿通される環状凸部を備え、
該環状凸部は、前記挿通部の外周を覆った状態で前記隔壁に挿通される
請求項2に記載の蓄電素子。
【請求項4】
前記挿通部の前記先端部は、該挿通部の軸心から遠ざかるほど厚みが薄くなるようにかしめられる
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の蓄電素子。
【請求項5】
前記挿通部は、前記非貫通穴の中空軸状部分のみがかしめられる
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の蓄電素子。
【請求項6】
前記非貫通穴の前記底は、前記隔壁と前記導電性部材との間であって、該導電性部材側に寄った位置に位置する
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の蓄電素子。
【請求項7】
前記導電性部材は、前記ケース内に配置される集電体であって、前記発電要素と電気的に接続される集電体であり、
前記封止部材は、前記隔壁の内面に配置される内部封止部材を含み、
前記挿通部は、前記ケースの外側から内側に向かって、前記隔壁、前記内部封止部材及び前記集電体に挿通される
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の蓄電素子。
【請求項8】
前記導電性部材は、前記ケース内に配置される集電体であって、前記発電要素と電気的に接続される集電体であり、
前記封止部材は、前記隔壁の外面に配置される外部封止部材を含み、
前記挿通部は、前記ケースの外側から内側に向かって、前記外部封止部材、前記隔壁及び前記集電体に挿通される
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の蓄電素子。
【請求項9】
前記導電性部材は、前記ケース外に配置される引抜部材であり、
前記封止部材は、前記隔壁の内面に配置される内部封止部材を含み、
前記挿通部は、前記ケースの内側から外側に向かって、前記内部封止部材、前記隔壁及び前記引抜部材に挿通される
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の蓄電素子。
【請求項10】
前記導電性部材は、前記ケース外に配置される引抜部材であり、
前記封止部材は、前記隔壁の外面に配置される外部封止部材を含み、
前記挿通部は、前記ケースの内側から外側に向かって、前記隔壁、前記外部封止部材及び前記引抜部材に挿通される
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の蓄電素子。
【請求項11】
前記導電性部材は、前記ケース内に配置される集電体であって、前記発電要素と電気的に接続される集電体であり、
前記封止部材は、前記隔壁の内面に配置される内部封止部材と、前記隔壁の外面に配置される外部封止部材とを含み、
前記挿通部は、前記ケースの外側から内側に向かって、前記外部封止部材、前記隔壁、前記内部封止部材及び前記集電体に挿通される
請求項1乃至請求項6に記載の蓄電素子。
【請求項12】
前記導電性部材は、前記ケース外に配置される引抜部材であり、
前記封止部材は、前記隔壁の外面に配置される外部封止部材と、前記隔壁の内面に配置される内部封止部材とを含み、
前記挿通部は、前記ケースの内側から外側に向かって、前記内部封止部材、前記隔壁、前記外部封止部材及び前記引抜部材に挿通される
請求項1乃至請求項6に記載の蓄電素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−164637(P2012−164637A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−3290(P2012−3290)
【出願日】平成24年1月11日(2012.1.11)
【出願人】(507151526)株式会社GSユアサ (375)
【Fターム(参考)】