説明

蓄電装置

【課題】 複数の蓄電装置を並べて配置していると、特定の蓄電装置が発熱したときに、隣り合って配置された他の蓄電装置にも熱が伝達されてしまう。
【解決手段】 他の蓄電装置(10)と隣り合って配置される蓄電装置(10)において、正極素子および負極素子を含む発電要素(13)と、発電要素を収容するケース(14)と、を有する。ケースのうち他の蓄電装置側に面する領域を、ケースの温度上昇に応じて、他の蓄電装置から離れる方向に変形させる。例えば、ケースの上記領域を、温度上昇に応じて、ケースの内側に向かって凸となる形状に変形させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の蓄電装置を並べて配置することによって構成される蓄電モジュールにおいて、この蓄電モジュールを構成する蓄電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の動力源として、二次電池を用いる場合には、複数の二次電池(単電池)で構成された電池モジュールを車両に搭載している。具体的には、電池モジュールを構成する複数の二次電池を電気的に直列に接続することにより、車両の走行に必要なエネルギを出力できるようにしている。ここで、電池モジュールとしては、複数の二次電池を一方向に並べて配置したものがある。
【特許文献1】特開2002−151025号公報(図1)
【特許文献2】特開2002−124224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
複数の二次電池を並べて配置した構成では、例えば、特定の二次電池が過充電等によって発熱したときに、この熱が、特定の二次電池と隣り合って配置された二次電池にも伝達されてしまうことがある。
【0004】
そこで、本発明の目的は、複数の蓄電装置が並んで配置された構成において、隣り合って配置された他の蓄電装置に対して熱が伝達されるのを抑制することができる蓄電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願第1の発明は、他の蓄電装置と隣り合って配置される蓄電装置であって、正極素子および負極素子を含む発電要素と、発電要素を収容するケースと、を有している。そして、ケースのうち他の蓄電装置側に面する領域を、ケースの温度上昇に応じて、他の蓄電装置から離れる方向に変形させている。
【0006】
具体的には、ケースの上記領域を、温度上昇に応じて、ケースの内側に向かって凸となる形状に変形させることができる。そして、上記領域を変形させるときの温度としては、発電要素からガスが発生するときの温度(予測された設定温度)とすることができる。これにより、蓄電装置からガスが発生した際に、この蓄電装置のケースを変形させることができる。そして、他の蓄電装置の温度が、ガスが発生した蓄電装置の温度まで上昇してしまうのを抑制することができる。
【0007】
ケースは、形状記憶合金又は形状記憶樹脂で形成したり、バイメタルで形成したりすることができる。ここで、少なくとも上記領域を、上述した材料で形成しておけばよい。例えば、ケースの全体を上述した材料で形成することもできるし、上記領域だけを上述した材料で形成することもできる。
【0008】
本願第2の発明は、並んで配置された複数の蓄電装置を有する蓄電モジュールであって、複数の蓄電装置のうち少なくとも1つの蓄電装置を、本願第1の発明である蓄電装置としている。複数の蓄電装置は、互いに近づく方向の力を受けた状態で支持することができる。
【0009】
ここで、隣り合う2つの蓄電装置の間にスペーサを配置することができる。スペーサは、蓄電装置との間で熱交換を行うための熱交換媒体が移動する経路を形成するために用いられる。スペーサを備えた構成において、蓄電装置のケースを、温度上昇に応じて、スペーサから離れる方向に変形させることができる。このとき、ケースは、スペーサに接触したままの接触部分と、スペーサから離れた非接触部分とを有している。
【発明の効果】
【0010】
本願第1および第2の発明では、蓄電装置のケースのうち他の蓄電装置側に面する領域を、ケースの温度上昇に応じて、他の蓄電装置から離れる方向に変形させている。これにより、蓄電装置の温度が上昇しても、この熱が他の蓄電装置に伝達されるのを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0012】
本発明の実施例1である電池モジュール(蓄電モジュール)について、図1および図2を用いて説明する。ここで、図1は、電池モジュールの上面図であり、図2は、電池モジュールの側面図である。図1および図2において、X軸、Y軸およびZ軸は、互いに直交する軸であり、Z軸は、重力方向に相当する軸である。他の図面においても同様である。
【0013】
電池モジュール1は、複数の単電池(蓄電装置)10を有している。複数の単電池10は、X方向において並んで配置されており、隣り合う2つの単電池10の間には、スペーサ20が配置されている。単電池10としては、リチウムイオン電池やニッケル水素電池といった二次電池を用いることができる。また、二次電池の代わりに、電気二重層キャパシタ(コンデンサ)を用いることもできる。
【0014】
単電池10は、図3に示すように、電池ケース14と、電池ケース14内に収容される発電要素13と、発電要素13に接続される電極端子とを有している。電池ケース14は、後述するように、形状記憶合金で形成されている。発電要素13は、充放電を行うことができる要素であり、公知の構成を適宜用いることができる。具体的には、正極素子、セパレータおよび負極素子を、この順に積層したものを、図3に示すように巻くことによって、発電要素13を構成することができる。また、複数の正極素子および複数の負極素子を、セパレータを挟んで交互に積層することにより、発電要素を構成することもできる。正極素子および負極素子はそれぞれ、集電板と、集電板の表面に形成された活物質層とで構成することができる。
【0015】
電極端子としては、発電要素13の正極素子と電気的および機械的に接続された正極端子11と、発電要素13の負極素子と電気的および機械的に接続された負極端子12とがある。正極端子11および負極端子12は、電池ケース14の上面に設けられている。
【0016】
単電池10の正極端子11は、隣り合って配置された他の単電池10における負極端子12に対して、バスバー21を介して電気的に接続されている。また、単電池10の負極端子12は、隣り合って配置された他の単電池10における正極端子11に対して、バスバー21を介して電気的に接続されている。これにより、電池モジュール1を構成する複数の単電池10が電気的に直列に接続される。ここで、複数の単電池10のうち、1つの単電池10における正極端子11は、電池モジュール1の総プラス端子となる。また、他の1つの単電池10における負極端子12は、電池モジュール1の総マイナス端子となる。
【0017】
単電池10は、角形に形成されており、6つの外面を有している。具体的には、単電池10は、上面、下面、2つの第1側面および2つの第2側面を有している。第1側面とは、単電池10のうちY−Z平面を構成する側面であり、第2側面とは、単電池10のうちX−Z平面を構成する側面である。単電池10の第1側面は、スペーサ20に接触している。
【0018】
ここで、電池モジュール1を構成する複数の単電池10のうち、X方向における両端に位置する単電池10については、2つの第1側面のうち、1つの第1側面だけがスペーサ20に接触している。そして、他の第1側面は、後述するエンドプレート22に接触している。
【0019】
スペーサ20は、樹脂で形成されており、図4に示すように、複数の突起部20aを有している。各突起部20aは、Y方向に延びている。また、複数の突起部20aは、Z方向に関して、所定の間隔を空けた状態で配置されている。なお、突起部20aの形状および数は、適宜設定することができる。すなわち、突起部20aにより、後述する熱交換媒体の移動スペースを形成することができればよい。
【0020】
スペーサ20は、2つの単電池10によって挟まれているため、突起部20aの先端は、一方の単電池10における第1側面に接触している。また、スペーサ20のうち、突起部20aが形成された面とは反対側の面は、他方の単電池10における第1側面に接触している。ここで、突起部20aが単電池10の第1側面に接触することにより、単電池10の第1側面およびスペーサ20の間には、スペースS(図4参照)が形成される。このスペースSは、熱交換媒体(不図示)を移動させるための流路となる。
【0021】
単電池10は、充放電によって発熱することがある。また、単電池10は、所定の温度範囲内において所望の出力特性を示し、この温度範囲を外れる場合には、出力特性が劣化してしまうことがある。そこで、単電池10の状態に応じて、単電池10を温めたり、冷やしたりする必要がある。具体的には、電池モジュール10に対して、空気といった熱交換媒体(気体)を供給することにより、単電池10の温度を調節することができる。
【0022】
上述したスペースSで熱交換媒体を移動させると、熱交換媒体が単電池10と接触することにより、単電池10との間で熱交換が行われる。これにより、単電池10の温度を調節することができる。
【0023】
電池モジュール1のうち、X方向における両端には、一対のエンドプレート22が配置されている。各エンドプレート22は、電池モジュール1を構成する複数の単電池10のうち、X方向における両端に位置する単電池10と接触している。また、一対のエンドプレート22には、複数(4つ)の拘束部材23が固定されている。具体的には、各エンドプレート22の上面に、2つの拘束部材23が固定されているとともに、各エンドプレート22の下面に、2つの拘束部材23が固定されている。
【0024】
これにより、一対のエンドプレート22は、複数の拘束部材23を介して連結されている。そして、X方向で並べられた複数の単電池10は、エンドプレート22を介して図1の矢印Fで示す力を受けている。力Fは、一対のエンドプレート22によって、複数の単電池10を狭持するための力となる。各単電池10は、力Fを受けることにより、スペーサ20に接触する。
【0025】
ここで、複数の単電池10を狭持するための構造は、図1および図2に示す構造に限るものではない。すなわち、複数の単電池10に対して、図1の矢印Fで示す力を作用させるものであれば、いかなる構造であってもよい。例えば、1つの拘束部材23を用いて一対のエンドプレート22を連結したり、エンドプレート22のうち、Y方向における端面に対して拘束部材23を固定したりすることができる。
【0026】
上述した電池モジュール1は、パックケース(不図示)に収容することにより、電池パックを構成することができる。ここで、電池モジュール1は、パックケースに固定することができる。
【0027】
次に、本実施例における電池モジュール1の特長について、図5および図6を用いて説明する。ここで、図5および図6は、電池モジュール1における一部分の構成を示す側面図である。まず、本実施例における電池ケース14の構成について説明する。
【0028】
本実施例では、後述するように、単電池10の温度上昇に応じて、電池ケース14を変形させるようにしている。具体的には、本実施例における電池ケース14が、形状記憶合金で形成されている。形状記憶合金は、低温相(マルテンサイト)で変形させた後に、所定の温度(形状回復温度)以上に加熱すると、変形前の状態に回復する性質を有している。形状記憶合金の材料は、電池ケース14を変形させるときの温度に基づいて、適宜選択することができる。具体的には、Ni−Ti系合金やCu−Zn−Al系合金を用いることができる。
【0029】
単電池10が発熱していない場合には、各単電池10の電池ケース14は、図1および図2に示すように、スペーサ20に接触している。ここで、過充電等によって単電池10が発熱すると、この単電池10における電池ケース14は、図5に示すように変形する。具体的には、電池ケース14の第1側面14aが、電池ケース14の内側に向かって凸となるように変形する。そして、図6に示すように、電池ケース14(単電池10)の第1側面14aがスペーサ20から離れる方向に変形する。ここで、図6は、3つの単電池10のうち、中央に位置する単電池10が発熱している状態を示している。
【0030】
なお、単電池10に対して過充電を行うと、発電要素13からガスが発生するとともに、単電池10の温度が過度に上昇してしまうことがある。そこで、電池ケース14を変形させる温度として、発電要素13からガスが発生するときの予測温度(予測された設定温度)とすることができる。これにより、単電池10(発電要素13)からガスが発生した際に、この単電池10の電池ケース14を変形させることができる。
【0031】
本実施例では、図7に示すように、電池ケース14の第1側面14aのうち、中央に位置する領域Rだけを変形させるようにしている。すなわち、第1側面14aのうち、領域R以外の領域(いわゆる外縁領域)は、スペーサ20に接触させたままとしている。これにより、第1側面14aにおける領域Rを、スペーサ20から離すことができる。ここで、複数の単電池10には、図1に示す矢印Fの力が作用しているため、第1側面14aの全体を変形させても、第1側面14aをスペーサ20から離しにくくなる。そこで、本実施例では、第1側面14aの一部(領域R)だけを変形させるようにしている。
【0032】
なお、本実施例では、第1側面14aを変形させる際に、この外縁領域をスペーサ20に接触させたままとしているが、これに限るものではない。すなわち、温度上昇に応じて第1側面14aが変形した際に、第1側面14aの一部がスペーサ20に接触していればよい。そして、第1側面14aの残りの部分をスペーサ20から離せばよい。
【0033】
本実施例では、第1側面14aが電池ケース14の内側に向かって凸となるように電池ケース14を形成したうえで、電池ケース14の第1側面を低温相で平坦状に変形させておく。これにより、電池ケース14の温度が所定温度(形状回復温度)に到達するまでは、電池ケース14の第1側面14aは、平坦状に形成された状態で、スペーサ20に接触していることになる。
【0034】
複数の単電池10のうち特定の単電池10の温度が過度に上昇した場合には、特定の単電池10の熱が、スペーサ20を介して他の単電池10に伝達してしまうおそれがある。ここで、スペーサ20は、樹脂で形成されているため、金属で形成された電池ケース14に比べて熱伝導率が小さいものの、大気(空気)よりは熱伝導率が大きくなっている。このため、スペーサ20は、大気よりも熱を伝達しやすくなっている。また、電池モジュール1を小型化するために、スペーサ20をX方向で薄くすれば、特定の単電池10の熱が他の単電池10に伝わりやすくなってしまう。
【0035】
そこで、本実施例のように、電池ケース14の一部を変形させてスペーサ20から離すことにより、電池ケース14の熱がスペーサ20を介して他の単電池10に伝達されるのを抑制するようにしている。すなわち、電池ケース14およびスペーサ20の接触面積を減少させることにより、電池ケース14およびスペーサ20の間における熱伝達を抑制するようにしている。また、電池ケース14の一部をスペーサ20から離すことにより、電池ケース14およびスペーサ20の間には、空気層が形成されることになる。この空気層により、電池ケース14の熱がスペーサ20に伝達されるのを抑制することができる。
【0036】
なお、本実施例では、電池ケース14を形状記憶合金で形成しているが、これに限るものではない。具体的には、電池ケース14を形状記憶樹脂で形成したり、電池ケース14をバイメタルで形成したりすることができる。バイメタルとは、互いに異なる熱膨張率を有する複数の金属板を貼り合わせたものであり、温度変化によって変形するものである。
【0037】
電池ケース14をバイメタルで形成する場合には、電池ケース14が本実施例と同様に変形するように、金属材料を選択すればよい。具体的には、電池ケース14の第1側面14aを、内壁面を構成する第1の金属板と、外壁面を構成する第2の金属板とで構成することができる。そして、第1の金属板の熱膨張率を、第2の金属板の熱膨張率よりも大きくしておけばよい。
【0038】
本実施例では、電池ケース14の全体を形状記憶合金で形成しているが、これに限るものではない。すなわち、電池ケース14のうち、変形させる部分だけを、形状記憶合金等で形成することができる。本実施例では、電池ケース14の第1側面14aだけを形状記憶合金等で形成することができる。
【0039】
また、本実施例では、図5および図6に示すように、電池ケース14における2つの第1側面14aを変形させているが、これに限るものではない。ここで、電池ケース14における2つの第1側面14aのうち、一方の第1側面14aは、スペーサ20の突起部20aと接触し、他方の第1側面14aは、スペーサ20の全面と接触している。すなわち、2つの第1側面14aは、スペーサ20との接触面積が互いに異なっている。このため、スペーサ20とより多く接触している第1側面14aだけを変形させることもできる。
【0040】
さらに、本実施例では、角形の単電池を用いた場合について説明したが、これに限るものではない。具体的には、円筒形の単電池を用いることもできる。
【0041】
円筒形の単電池を複数用いて電池モジュールを構成する場合には、一般的に、各単電池は、この両端部において一対の支持プレートによって支持されることになる。具体的には、各支持プレートに、単電池の数だけ開口部を形成しておき、各開口部において単電池の端部を支持することができる。このとき、複数の単電池は、支持プレートの面内において、並んで配置され、隣り合って配置された単電池の間には所定のスペースが存在している。
【0042】
円筒形の単電池を用いた場合には、上述したように、隣り合って配置された単電池の間に予めスペースが存在するため、発熱した単電池を本実施例のように変形させてスペースを形成する必要がない。ただし、単電池の少なくとも一部を本実施例のように変形させれば、隣り合って配置された他の単電池との間における距離を長くすることができる。この場合には、円筒形の単電池の一部を変形させてもよいし、単電池の全体を変形させてもよい。単電池の全体を変形させる場合としては、単電池の径が小さくなり、単電池の長手方向における長さが長くなるように、変形させることができる。
【0043】
上述したように、単電池間の距離を長くすれば、単電池間における熱の伝達を抑制することができる。また、円筒形の単電池を接触させた状態で配置した場合には、本実施例と同様の効果を得ることができる。ここで、電池ケース14を樹脂(形状記憶樹脂)で形成した場合には、スペーサ20を用いずに、単電池10を互いに接触させることもでき、この場合であっても、本発明を適用することができる。
【0044】
一方、本実施例では、電池ケース14の第1側面14aをスペーサ20から離れるように変形させているが、これに限るものではない。ここで、図1に示す電池モジュール1は、Y方向に並べて配置することができる。すなわち、複数の電池モジュール1を用意しておき、これらの電池モジュール1をY方向に並べて配置することができる。この構成では、複数の単電池10がY方向で隣り合って配置されることになる。
【0045】
そこで、単電池10の第2側面(X−Z平面)、すなわち、図7に示す電池ケース14の第2側面14bを、本実施例のように変形させることができる。これにより、Y方向における単電池10間の距離を長くすることができ、Y方向に関して、単電池10間における熱の伝達を抑制することができる。
【0046】
本実施例の電池モジュール1は、車両に搭載することができる。この車両としては、ハイブリッド自動車や電気自動車がある。ハイブリッド自動車とは、動力源としての電池モジュール1に加えて、内燃機関や燃料電池といった他の動力源も備えた車である。また、電気自動車は、電池モジュール1の出力だけを用いて走行する車である。本実施例の電池モジュール1は、放電によって車両の走行に用いられるエネルギを出力したり、車両の制動時に発生する運動エネルギを回生電力として充電したりする。なお、車両の外部からの電力供給を受けて充電を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施例1である電池モジュールの上面図である。
【図2】実施例1の電池モジュールの側面図である。
【図3】単電池の内部構造を示す概略図である。
【図4】スペーサの外観斜視図である。
【図5】発熱した単電池の構成を示す断面図である。
【図6】特定の単電池が発熱した場合における、電池モジュールの一部の構成を示す側面図である。
【図7】電池ケースにおける変形領域を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
1:電池モジュール(蓄電モジュール) 10:単電池(蓄電装置)
11:正極端子 12:負極端子
13:発電要素 14:電池ケース
20:スペーサ 21:バスバー
22:エンドプレート 23:拘束部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の蓄電装置と隣り合って配置される蓄電装置であって、
正極素子および負極素子を含む発電要素と、
前記発電要素を収容するケースと、を有し、
前記ケースのうち前記他の蓄電装置側に面する領域が、前記ケースの温度上昇に応じて、前記他の蓄電装置から離れる方向に変形することを特徴とする蓄電装置。
【請求項2】
前記ケースの前記領域は、温度上昇に応じて、前記ケースの内側に向かって凸となる形状に変形することを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記ケースの前記領域は、前記発電要素からガスが発生するときの温度に応じて、変形することを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記ケースのうち少なくとも前記領域は、形状記憶合金又は形状記憶樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記ケースのうち少なくとも前記領域は、バイメタルで形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の蓄電装置。
【請求項6】
並んで配置された複数の蓄電装置を有する蓄電モジュールであって、
前記複数の蓄電装置のうち少なくとも1つの蓄電装置が、請求項1から5のいずれか1つに記載の蓄電装置であることを特徴とする蓄電モジュール。
【請求項7】
隣り合う2つの前記蓄電装置の間に配置されており、前記蓄電装置との間で熱交換を行うための熱交換媒体が移動する経路を形成するスペーサを有することを特徴とする請求項6に記載の蓄電モジュール。
【請求項8】
前記少なくとも1つの蓄電装置における前記ケースは、温度上昇に応じて、前記スペーサから離れる方向に変形することを特徴とする請求項7に記載の蓄電モジュール。
【請求項9】
前記ケースの前記領域は、前記スペーサから離れる方向に変形した際に、前記スペーサに接触したままの接触部分と、前記スペーサから離れた非接触部分とを有していることを特徴とする請求項8に記載の蓄電モジュール。
【請求項10】
前記複数の蓄電装置は、互いに近づく方向の力を受けた状態で支持されていることを特徴とする請求項6から9のいずれか1つに記載の蓄電モジュール。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−61982(P2010−61982A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−226229(P2008−226229)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】