説明

薄膜化学分析装置及びこれを用いた分析方法

長期間の流通及び保管期間間に衝撃及び温度のような環境要素により誘発される密封問題を解決し、検体を迅速かつ容易に検出しうる薄膜化学分析装置及びそれを用いた分析方法を提供する。該薄膜化学分析装置は、生物学的または生化学的分析に必要な流体を保存したり、生物学的または生化学的反応を行う1つ以上のチャンバと、流路の間または内部に配されて流路に連結される流孔と、チャンバ、流路及び流孔が集積化された回転自在な胴体と、流孔を閉鎖して前記チャンバ内の流体を密封する密封手段を備え、胴体の回転により発生する遠心力により密封手段が流孔から破裂されて流孔を開放するバースト弁を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜化学分析装置及びこれを用いた分析方法に係り、さらに詳細には、ラボ・オン・チップ(Lab on a chip)、蛋白質チップ及びDNAチップのような流体内の少量の物質を診断及び探知する薄膜型装置に適した薄膜化学分析装置及びこれを用いた分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本特許出願は、先出願された韓国特許出願"核酸及びオリゴヌクレオチドの相補的二重結合の特定配列に特異的に反応する切断技法を用いた核酸混成分析方法及び装置"(2001.01.27.:出願番号10-2001-0003956)と、PCT出願"核酸及びオリゴヌクレオチドの相補的二重鎖または単一鎖に特異的に反応する切断技法を用いた核酸混成分析方法及び装置"(2002.01.27.:出願番号PCT/KR02/00126)と、韓国特許出願"超小型ビーズを用いた薄膜弁装置及び制御方法"(2001.05.31.:出願番号10-2001-0031284)と、PCT出願"超小型ビーズを用いた薄膜弁装置及び制御方法"(2002.05.31.:出願番号PCT/KR02/01035)と、韓国出願"バイオディスク及びバイオドライバー装置及びそれらを用いた分析方法"(2002.3.27.:出願番号10-2002-0017558号)と、韓国出願"デジタルバイオディスク及びデジタルバイオディスクドライバー装置及び方法"(出願番号10-2005-0038765)と、及びPCT出願"デジタルバイオディスク及びデジタルバイオディスクドライバー装置及び方法"(出願番号PCT/KR2006/001709)と、に連続している。
【0003】
最近まで流体内の少量の分析種探知のための大部分の臨床診断分析装置には、多重サンプル準備及び自動化された試薬添加用装置を設計し、並列または直列に数多くのテストサンプルを分析するための装置を設計することによって、効率性及び経済性が改善された。時に、このような自動化された試薬準備装置及び自動化された多重分析機が単一薄膜装置に集積される。このような形態の薄膜型臨床実験分析機は、1時間以内に少量のサンプルと試薬とを有して数百種の分析を、自動または半自動的に正確に行える。しかし、このような薄膜型分析機は、前記サンプルまたは試薬(酵素及びバッファ溶液)の流れ及び流量を制御するための弁が必須的であるが、その設計が複雑で薄膜化しにくいという問題がある。
したがって、このような問題を克服するために簡単で、薄膜に適した弁とこれを集積化した薄膜化学分析装置が切実に要求されている。
【0004】
<薄膜としてのCDとDVD>
12cmポリカーボネート基板、反射金属層及び保護ラッカーコーティングから標準コンパクトディスクが形成される。CDとCD-ROMのフォーマットは、ISO 9660工業標準により記述される。
ポリカーボネート基板は、光学品質の透明なポリカーボネートである。標準印刷または大量複製されたCDでデータ層はポリカーボネート基板の一部であり、データは射出成形工程の間にスタンパにより一連のピット状に刻み込まれる。この射出成形工程の間、溶融されたポリカーボネートがモールドに高圧下で注入され、以後に冷却されてポリカーボネートがモールドまたは"スタンパ"または"スタンプ"のミラー像を有し、ディスク基板上の二進データを示すピットが生成され、マスターリング工程中に発生したスタンパのピットのミラー像としてポリカーボネート基板により保持される。通常、スタンピングマスターはガラスである。
このようなディスクは、薄膜化学分析装置のような流体内の少量の物質を診断及び探知する薄膜状の分析装置で変形及び改造が可能であり、この場合、射出成形工程中にディスク表面にピットの代わりに、流体が流れる流路及びバッファ溶液を保存しうるチャンバ、流孔及び弁などが形成されうる。
通常のラボオンチップは、化学工程上に必要な多くの液相(liquid phase)のバイオ及び化学物質を保存するための複数個のチャンバを備えており、これは当業者が周知するところである。しかし、ラボオンチップが実質的に商用化されるには、次の2つの問題が解決されねばならない。
【0005】
第1に、チャンバが物理的弁で密閉(closing)されていても、流通及び保管期間の間、ラボオンチップの胴体は、衝撃及び温度のような環境要素により熱膨張と収縮とを反復し、これにより、弁に微細な間隙が生じる。この場合、チャンバ内の保存された液体は、前記微細な間隙を通じた毛細管現象により液体がチャンバの外に流出される。
第2に、チャンバ上に保存された液相物質を長期間安定的にチャンバ内に保存されねばならない。しかし、ラボオンチップが長期間にわたって温度のような環境要素に露出されれば、チャンバ内に保存された液体自体で発生する蒸発現象及び対流作用により液体が圧力を受け、前記の微細な間隙を通じて液体がチャンバの外に流出される。
【0006】
生金属物質(biometallic material)と加熱されたウェル(heated well)による温度勾配(温度勾配)を用いた弁に関する特許文献1の"Partitioned Microelectronic device array"があるが、バイオ物質の損傷なしに、"熱制御"により弁を制御することは難しく、かつ前記液体内で発生する蒸発及び対流による液体密封(sealing)の問題を克服できず、実用化には、多くの難点がある。
また特許文献2の"Devices and methods for using centripetal acceleration to drive fluid movement on a microfluidics system"、特許文献3の"Apparatus and method for continuous centrifugal 血液 cell separation"及び特許文献4の"Modified siphons for improving metering precision"に例示された毛細管バースト弁(capillary burst valve)は、回転速度を徐々に増加させつつ、円の中心から外側に液体を漸進的に移動させるようにチャンバを構成した方式であって、最初はディスクを低速回転させていて、以後さらに迅速な回転により次のチャンバに流体を移動させる方式である。このような弁は、最初から速い速度を必要とする遠心分離を含んだラボオンチップ工程には、かかる毛細管バースト弁を使用できず、かかる毛細管バースト弁は、1回のみ開放可能であり、一旦開放されたならば、再閉鎖は不可能であるという致命的な短所を有している。
また、かかる弁は、前記2つの問題が解決できずに、チャンバ内に液体を長期間保管することができず、特許文献4の場合、別途の希釈溶液チューブ(diluent container)を設けて、液体を別途に保存し、使用直前にこのチューブを破裂させて、チューブ内に保存された液体を使用する方法を取っている。この場合、体積の大きなチューブをディスク内に保存せねばならないので、ディスクの薄膜化は不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第005863708A号公報
【特許文献2】米国特許第6,063,589号明細書
【特許文献3】米国特許第5,186,844号明細書
【特許文献4】米国特許第6,752,961号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記問題点を解決するためのものであって、本発明の目的は、長期間の流通及び保管期間の中に衝撃及び温度のような環境要素により誘発される密封問題を解決できるだけではなく、検体を迅速かつ容易に検出しうる薄膜化学分析装置を提供することである。
本発明の他の目的は、長期間の流通及び保管期間の間に衝撃及び温度のような環境要素により誘発される密封問題を解決できるだけではなく、検体を迅速かつ容易に検出しうる分析方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、生物学的または生化学的分析に必要な流体を保存するか、生物学的または生化学的反応を行う1つ以上のチャンバと、前記チャンバを流体連結する流路と、前記流路の間または内部に配されて前記流路に連結される流孔と、前記チャンバ、流路及び流孔が集積化された回転自在な胴体と、前記流孔を閉鎖して前記チャンバ内の流体を密封する密封手段を備え、前記胴体の回転により発生する遠心力により密封手段が流孔から破裂されて前記流孔を開放するバースト弁を含む薄膜化学分析装置を提供する。
【0010】
前記薄膜化学分析装置は、前記バースト弁が配される流路で前記バースト弁と直列連結され、前記流路を可逆的に開閉する薄膜弁をさらに含み、前記チャンバの密封性を保証すると同時に可逆的な開閉を可能にしうる。
前記薄膜弁の出口または入口に前記バースト弁が直列に連結されることができる。前記バースト弁は、流通期間の間に液体貯蔵チャンバの出口に設けられて液体貯蔵チャンバの出口を完全に密封し、この場合、液体貯蔵チャンバ内の液体が薄膜弁に流出されず、既存薄膜弁の致命的問題である長期間の密閉力に対する問題点を解決しうる。
さらに、1回用(一旦一度開放すれば、弁の再閉鎖は不可能であるという意味)というバースト弁の短所を克服しうる。すなわち、バースト弁は、流通期間にのみ液体貯蔵チャンバを密封する役割を担当し、ディスク動作時にバースト弁が遠心力により一旦開放されれば、以後薄膜弁の開閉如何によってのみ、隣接チャンバへの液体貯蔵チャンバの液体移動が許容される。
前記胴体の回転により発生する遠心力が前記流孔に対する前記密封手段の閉鎖強度を超える場合、前記流孔が開放される。
【0011】
前記薄膜化学分析装置は、密封手段の閉鎖強度の異なる複数個のバースト弁を含み、前記胴体の回転速度を制御することによって、前記複数個のバースト弁の開閉を選択的にまたは独立的に制御しうる。
前記薄膜化学分析装置は、前記バースト弁に熱を印加する熱照射手段をさらに含み、前記バースト弁の開放は、前記遠心力と前記熱照射手段により印加される熱との協力によりなされうる。
前記熱照射手段は、レーザービーム照射手段でありうる。
前記薄膜化学分析装置は、前記熱照射手段に結合されて開放しようとするバースト弁を選択しうる弁探索手段をさらに含むことができる。
【0012】
前記熱の印加は、前記胴体の回転時、前記熱照射手段の位置と前記バースト弁の位置とが一致する度に、熱が前記バースト弁に印加されるパルスビーム動作により行われうる。
望ましくは、前記バースト弁の開放は、レーザービームにより発生した熱と遠心力との結合、または遠心力のみによりなされうる。
レーザービーム発生装置からのレーザービームをバースト弁周囲に照射してレーザービームによる熱によりバースト弁の密閉力ないし結合力を弱化させて、遠心力により容易に開放可能にする。前記レーザービーム発生装置は、弁探索手段の一種であるスライダーに搭載されうる。
レーザービームをバースト弁周囲に照射する方法は、ディスク回転中またはディスク停止中になしうる。
ディスク回転中にバースト弁にレーザービームを照射するために、該当バースト弁の半径位置にスライダー移動によりレーザービーム発生装置を移動させ、レーザービームを発生させれば、ディスク回転中スライダー上に設けられたレーザービーム発生装置と該当バースト弁とがマッチされる度に、そのバースト弁にレーザービームが照射される。前記バースト弁に照射されるレーザービームの量はディスクの回転速度及びレーザービーム発生装置のパワーの関数となり、このようなディスク回転中にレーザービーム照射動作を本発明では、以下"パルスビーム動作"と称する。
ディスク停止中にスライダー上に設けられたレーザービーム発生装置と該当バースト弁をマッチングさせて整列させた後、そのバースト弁にレーザービームを照射する場合、バースト弁に照射されるレーザービームの照射量は、レーザービームの強度及び照射時間の関数となり、この場合、レーザービームの強度は、レーザービームの焦点調節またはレーザービーム発生装置とバースト弁との距離調節、またはレーザービーム発生装置の電流制御によりなしうる。
【0013】
前記ディスク停止中における該当バースト弁の位置へのスライダーの移動制御及びレーザービーム発生装置のオン/オフ制御によるレーザービーム照射動作を、本発明では、以下、"スキャニングビーム動作"と称する。
前記バースト弁の位置へのスライダーの移動制御は、下記の"放射方向の弁探索過程"及び"方位角方向弁の探索過程"によりなされうる。
望ましくは、バースト弁の上端または下端には、前記"方位角方向弁の探索過程"のための薄膜型円柱磁石が設けられる。
【0014】
望ましくは、前記バースト弁の開放は、前記"パルスビーム動作"または"スキャニングビーム動作"によるバースト弁の加熱後、ディスク回転によることを特徴とする。
望ましくは、薄膜化学分析装置の同心円上のバースト弁の開放は、薄膜化学分析装置の回転中に流体に発生した遠心力と、薄膜化学分析装置の回転中にスライダー上に設けられたレーザービーム発生装置と該当同心円上のバースト弁とが一致する度に、バースト弁が加熱されて開放される"パルスビーム"によるものでありうる。
前記"パルスビーム"動作は、高粘度流体の移動、または同心円上の複数個バースト弁の同時開放を通じて回転中に該当隣接チャンバに移動させる時に有用である。高粘度流体は、遠心力が同伴されねば、移動しにくい。停止中には、弁が開放されても、高粘度流体は隣接チャンバに移動しない危険性があり、再現性と信頼性とに問題を引き起こす恐れがある。
前記胴体は、上部基質、中間基質及び下部基質からなる回転自在な薄膜ディスクでありうる。前記ディスクの直径は、120mm、80mmまたは32mmの円板ディスクが望ましい。
【0015】
前記流体の移動は、前記胴体の回転力による遠心力または毛細管現象により行われるか、親水性コーティングされた流路を通じて行われうる。
前記胴体は、プラスチック、ガラス、雲母、シリカ、シリコンウェーハなどの多様な材料から選択されうる。しかし、プラスチックが経済的な理由、加工の容易性、CD-ROM及びDVD判読器のような既存のレーザー反射基礎探知機との両立性のために望ましい。
望ましくは、前記胴体は、シリコンウェーハ、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA:polymethyl methacrylate)、環状オレフィン高分子(COC:cyclic olefin copolymer)及びポリカーボネートからなる群から選択される1つ以上で形成されうる。また、前記胴体は、チャンバ内に保存された液体の蒸発を防止するためにアルミニウムコーティングされるか、アルミニウムシートが表面に付着されうる。
【0016】
ラボオンチップのチャンバ内に保存された液相物質を使用するまでには、安定してチャンバ内に保存されねばならない。しかし、ラボオンチップの胴体が長期間の流通保管期間にわたって温度のような環境要素により収縮及び膨脹が発生し、これにより、弁に間隙が発生する。そして、チャンバ内に保存された液体から発生する蒸発及び対流作用により弁の間隙に液体が漏れて弁の密封に対する信頼性に多くの問題を引き起こす。
本発明のバースト弁は、前記問題点を解決しうる。
前記バースト弁の一具体例は、流圧バースト弁である。
流圧バースト弁は、薄膜状の弁具現が可能であり、かつ薄膜接着テープはフレキシブルなので、温度のような環境的要素による膨脹と収縮によく適応するために、流通保管期間中に液体の蒸発及び対流または胴体の膨脹及び収縮による密封問題が発生しない長所がある。
【0017】
すなわち、前記密封手段は流孔閉鎖膜であり、前記流孔閉鎖膜は前記流孔に接着されて前記チャンバ内の流体を密封し、前記胴体の回転により発生する遠心力により生成される流体の流圧により前記流孔閉鎖膜が流孔から破裂されて前記流孔を開放しうる。
前記流孔閉鎖膜は、粘着剤(an adhesive)または膜(membrane)材料を含む薄膜接着テープでありうる。
前記粘着剤は、シリコン、ゴム系、変性シリコン系、アクリル系(acrylic)、ポリエステル及びエポキシからなる群から選択される材料で製造されうる。
【0018】
前記胴体は、上部基質、中間基質及び下部基質が積層されてなされ、前記上部基質及び中間基質の間に積層され、それらを結合する1次薄膜接着テープと、前記中間基質及び下部基質の間に積層され、それらを結合する2次薄膜接着テープをさらに含むことができる。
前記1次または2次薄膜接着テープの一部が前記流孔に接着されて前記流体を密封する流孔閉鎖膜を形成しうる。
前記薄膜接着テープは、単面または両面テープでありうる。前記テープは、紙、ビニール、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム及びその他の合成材質のような離型紙の両側または一側面に特殊な粘着剤(an adhesive、agluing agent)で表面処理されており、必要とする条件によって高いシーリング及び緩衝、振動緩和、耐衝撃性、耐熱性、吸着性、接着力などの特徴を有する粘着剤材を選定して使用しうる。
前記膜は、表面が疎水性である膜またはポリマー膜(Polymer membrane)であるか、ポリエチレン(Polyethylene:PE)、ポリプロピレン(Polypropylene:PP)、ポリスルホン(Polysulfone:PS)、ポリアルケン(Polyalkene)、セルロース(Cellulosics)、ポリビニル(Polyvinyl)、ポリカーボネートまたはポリアミドで形成されうる。疎水性膜表面は、液体貯蔵チャンバに保存された流体の移動を効果的に遮断する。
【0019】
製造方法において、基質に断面テープを付けた後、離型紙を除去することによって基質の一側面に粘着剤による薄膜コーティングを行うか、粘着剤をディスペンサーまたはスプレーまたはシルクスクリーン印刷して基質の一側面に対して粘着剤による薄膜コーティングを行える。
すなわち、本発明において、前記薄膜接着テープは、離型紙を使用せず、粘着剤自体が基質に薄膜コーティングされることが望ましい。
前記断面テープには、流孔閉鎖膜が含まれており、離型紙の除去時、流孔部位に粘着剤による流孔閉鎖膜を残すことができる。
前記薄膜接着テープによる流孔閉鎖時薄膜接着テープの接着面積により閉鎖強度が決定され、前記閉鎖強度を克服するディスク回転速度(遠心力)以上で前記薄膜接着テープが取られて流孔が開放されうる。
【0020】
前記バースト弁の他の具体例は、粘性バースト弁である。
すなわち、前記密封手段は、グリースまたはグリースのコーティングされた固体粒子であり、前記グリースまたはグリースのコーティングされた固体粒子は、前記流孔に接着されて前記チャンバ内の流体を密封し、前記胴体の回転により発生する遠心力により前記グリースまたはグリースのコーティングされた固体粒子が流孔から破裂または離脱されて前記流孔を開放しうる。
前記粘度性物質は、照射されたレーザービームの熱により粘度が弱くなるか、溶けることが望ましい。
前記グリースは、ゲル(gel)状のオイルであって、Si系オイル、TFEオイル、Si系グリースまたはSi系真空グリースでありうる。
【0021】
前記薄膜化学分析装置は、前記胴体の回転により発生する遠心力により前記グリースまたはグリースのコーティングされた固体粒子が流孔から分離される場合、前記グリースまたはグリースのコーティングされた固体粒子を受容する補助流路をさらに含むことができる。
前記栓は、クッション材でコーティングされるか、粘着剤のコーティングされたボールが望ましい。
前記粘着剤は、照射されたレーザービームの熱により接着力が弱くなるか、溶けることが望ましい。前記栓は、照射されたレーザービームの熱により溶けるか、縮少されることが望ましい。
【0022】
前記バースト弁のさらに他の具体例は、栓バースト弁である。
すなわち、前記密封手段は、栓であり、前記栓は、前記流孔に接着されて前記チャンバ内の流体を密封し、前記胴体の回転により発生する遠心力により前記栓が流孔から離脱されて前記流孔を開放しうる。
前記栓は、円錐、ボール、薄膜円柱または頭部がさらに大きな粒子状の金属粒子でありうる。
【0023】
前記薄膜化学分析装置は、前記流孔周辺に配されて前記栓を前記流孔に接着させる接着手段をさらに含むことができる。
前記薄膜化学分析装置は、前記胴体の放射方向探索過程及び方位角方向探索過程を通じて前記胴体の特定位置を探索する探索手段をさらに含むことができる。
前記薄膜化学分析装置は、前記胴体の特定位置に配されて前記探索手段に基準点を提供する薄膜型磁石をさらに含むことができる。
前記探索手段は、前記胴体上の弁、チャンバまたは分析サイトに対する位置探索手段でありうる。
【0024】
前記薄膜化学分析装置は、前記探索手段に結合された弁開放手段、レーザー照射手段、チャンバ混合手段及び反応検出手段のうち1つ以上をさらに含むことができる。
前記胴体は、二つ以上の基質が積層されてなされ、前記基質間に積層されてそれらを結合させる薄膜接着テープと、前記薄膜接着テープの一部が欠失されて流路が形成される毛細管現象が発生可能な薄膜チャンネルをさらに含むことができる。
前記薄膜化学分析装置は、バイオピックアップ光学モジュール(Bio Pickup Optical Module:BOPM)と、前記バイオピックアップ光学モジュールを搭載して前記胴体上の特定位置を探索するスライダーと、前記スライダーの移動を制御するためのスライダーモータと、をさらに含むことができる。
前記バイオピックアップ光学モジュールは、レーザービーム発生装置、薄膜弁開閉手段または反応結果を探知する探知装置を含むことができる。
前記スライダーは、前記胴体の放射方向探索過程、方位角方向探索過程または上下動過程を通じて前記胴体の特定位置を探索しうる。
【0025】
前記薄膜化学分析装置は、前記胴体を高速回転させるスピンドルモータと、前記胴体を一定角ほど回転させるステップモータと、前記胴体に前記ステップモータとスピンドルモータとの連結を制御するギア連結手段をさらに含むことができる。
前記1つ以上のチャンバは、液体貯蔵チャンバ及び試薬チャンバを含み、前記液体貯蔵チャンバは液相の試薬を含み、前記試薬チャンバは空いており、前記バースト弁の開放時前記液体貯蔵チャンバ内に保存された液相の試薬が前記試薬チャンバに供給されるか、前記液体貯蔵チャンバ及び前記試薬チャンバは、各々希釈溶液及び固体試薬粒子を含み、前記バースト弁の開放時、前記液体貯蔵チャンバ内に保存された希釈溶液が前記試薬チャンバに供給され、前記試薬チャンバ内に保存されていた固体試薬粒子が前記希釈溶液により溶解されて液相の試薬に変換されうる。
【0026】
本発明において、薄膜弁は、本発明のバースト弁を除外したあらゆる弁を含むことができる。例えば、前記胴体の上側または下側に設けられた移動可能な永久磁石または電磁石により流孔内に設けられた超小型ビーズ(または円柱磁石)を用いた弁開閉と、または機械的力による弁開閉と、遠心力による弁開閉と、化学作用による溶解及び凝固による弁開閉と、熱または化学反応により過去の形状に復元される形状記憶合金による弁開閉と、電気分解により生成された空気バブルを用いた弁開閉と、熱により生成された空気バブルを用いた弁開閉と、超小型ビーズの熱膨張と収縮よる弁開閉と、静電気力による弁開閉と、磁力による弁開閉と、レーザー熱による弁開閉と、温度勾配を用いた弁開閉と、超音波によるアクチュエータの弁開閉と、ポンプまたは物理的圧力による弁開閉と、疎水性性質を用いた弁開閉と、超高周波またはレーザービームの照射により膨脹収縮する小型粒子による弁開閉と、磁性流体(magnetic fluid)による弁開閉と、空気の熱膨脹及び収縮による弁開閉などの開閉手段により流孔が開閉されうる薄膜化可能なあらゆる弁をいう。
【0027】
前記疎水性性質を用いた弁開閉は疎水性コーティングされた表面に照射されたレーザービームにより疎水性表面が親水性表面に変換されるか、変換された親水性表面が再びレーザービームにより疎水性表面に変換されることが望ましい。
また、前記疎水性コーティングは、レーザービーム発生装置から照射されたレーザービームの熱により親水性性質に変換されることが望ましい。前記疎水性コーティングは相変化物質によることが望ましい。
レーザービームにより晶質状態では高い疎水性を有し、この状態がまさに基本状態である。もちろん、晶質状態の部分が親水性液体移動の障害物の役割をして、液体移動を防止することによって、弁閉鎖機能を行うするになる。ところで、ここに強力なレーザーを照射すれば、相変化物質は非常に高温で加熱されるが、加熱されつつ、晶質状態の分子配列が崩れてそのまま固まると、非晶質状態(amorphous phase)となる。非晶質(amorphous phase)状態では、疎水性性質が落ちつつ、親水性コーティングに変換される。
親水性コーティングは、親水性液体が表面をよく移動することによって、弁開放機能を行う。
ところで、このように非晶質状態となった親水性コーティングは、熱力学的に不安定な性質を有するが、よって、若干の熱だけを加えても、本来の晶質状態に戻る特性がある。このような特性を利用して、親水性コーティングに変換された部分に中間強度のレーザーを照射すれば、相対的に低い温度で加熱されつつ、非晶質状態から再び晶質状態(疎水性)に戻る。このようにして再び疎水性障害物を形成する。
【0028】
前記薄膜弁は、超小型ビーズ及び移動可能な永久磁石を用いたことが望ましい。前記超小型ビーズは、たとえボール状が望ましとしても、非球状の粒子も有用に使われうる。前記非球状粒子は、薄膜円柱磁石または薄膜四角形磁石でありうる。
前記超小型ビーズは、例えば、磁石球(magnet ball)、強磁性体金属粒子、常磁性体粒子、反磁性体粒子、ステンレス金属球のような物質を含む。また前記超小型ビーズは、固体金属であるか、プラスチック、ガラスボールで形成され、その上に金属コーティングまたはシリコンゴムのようなゴムクッション材コーティングがなされる。また金属球は、合金の場合もある。前記超小型ビーズの直径は1umないし1mmの範囲内であり、望ましくは、100umないし500μmである。前記ボールが大きくなれば、接触面が増加して開閉に対する信頼度が増加する。また本発明では、前記超小型ビーズは球状でも、非球状粒子でも良い。本発明では、非球状粒子として薄膜型円柱永久磁石または薄膜型四角形永久磁石が望ましい。前記薄膜型永久磁石の厚さは0.1mm〜0.5mmであり、望ましくは、薄膜型円柱永久磁石の直径は1mm〜5mmである。
【0029】
本発明の望ましい実施例で、前記シリコンゴム材を球状または非球状粒子にコーティングするか、薄膜シリコンゴムを薄膜型円柱磁石と流孔との間に挿入組立てることが望ましい。前記シリコンゴムは、クッション材であるために、密封に非常に効果的である。
本発明において、薄膜化学分析装置の動作に必要な各種酵素とバッファ溶液のような液相の試薬を生産過程であらかじめ保存するためのチャンバを液体貯蔵チャンバと称し、これを除いたあらゆるチャンバを工程チャンバと称する。
また、前記工程チャンバは、試薬チャンバを含む。前記試薬チャンバは、バースト弁開放により、前記液体貯蔵チャンバから液相の試薬を供給されて一時保存した後、液相の試薬を必要とする工程チャンバの該当薄膜弁を開放して試薬を工程チャンバに供給する。
前記1つ以上のチャンバは、液体貯蔵チャンバ、試薬チャンバ及び工程チャンバを含み、前記チャンバを連結する流孔を可逆的に開閉しうる薄膜弁をさらに含み、前記液体貯蔵チャンバから前記試薬チャンバへの流体移動は、前記バースト弁の開放によりなされ、前記試薬チャンバから前記工程チャンバへの流体移動または前記工程チャンバ間の流体移動は前記薄膜弁の開放によりなされうる。
前記薄膜弁の開閉を制御しうる薄膜弁開閉手段と、上部に前記薄膜弁開閉手段を備え、開放しようとする薄膜弁を選択しうる弁探索手段をさらに含み、前記薄膜弁の開放は、前記弁探索手段により選択された薄膜弁を前記薄膜弁開閉手段が開放することによって行われうる。
前記薄膜弁は、前記流孔の上側に設けられた永久磁石と、前記流孔の下側に設けられた電磁石または移動可能な永久磁石と、前記磁石により形成される磁力により運動して前記流孔を選択的に開閉する超小型ビーズまたは薄膜円柱磁石を含むことができる。
前記薄膜弁は、前記流孔の上側に設けられた永久磁石の磁力により流通保管中流孔が常に閉状態でありえる。
【0030】
前記1つ以上のチャンバに保存される磁性体小型ビーズと、前記胴体下部で迅速に動くスライダーと、前記スライダーに装着されて前記磁性体小型ビーズに引力または斥力を印加して前記磁性体小型ビーズを運動させる永久磁石をさらに含み、前記永久磁石を前記チャンバの該当半径に停止させて、前記胴体を回転させるか、正逆転を反復することによって、チャンバ内の磁性体小型ビーズが永久磁石と対面する度に磁石の引力により共に動いて、それによりチャンバ内の液体の混合が誘導されうる。
前記1つ以上のチャンバに保存される磁性体小型ビーズと、前記胴体下部で迅速に動くスライダーと、前記スライダーに装着されて前記磁性体小型ビーズに引力または斥力を印加して、前記磁性体小型ビーズを運動させる永久磁石をさらに含み、前記永久磁石を前記チャンバの該当半径に停止させて、前記胴体の回転によってチャンバ内の磁性体小型ビーズが搖動され、それによりチャンバ内の液体の混合が誘導されうる。
前記1つ以上のチャンバに含まれる磁性体小型ビーズと、前記胴体上部で迅速に動くスライダーと、前記スライダーに装着されて前記磁性体小型ビーズに引力または斥力を印加して、前記磁性体小型ビーズを運動させる電磁石をさらに含み、前記電磁石のオン/オフ制御または磁場方向変化によってチャンバ内の磁性体小型ビーズが共に動いて、それによりチャンバ内の液体の混合が誘導されうる。
前記1つ以上のチャンバ間の流体移動は、前記胴体の回転により発生する遠心力による流体移動、親水性流路表面による親水性流体移動、前記薄膜弁の反復的な開閉によるポンピング流体移動、または流路の毛細管現象による流体移動によりなされうる。
【0031】
前記薄膜化学分析装置は、前記薄膜弁の開閉を制御しうる薄膜弁開閉手段と、上部に前記薄膜弁開閉手段を備え、開放しようとする薄膜弁を選択しうる弁探索手段をさらに含み、前記1つ以上のチャンバ間の流体移動は前記弁探索手段が前記薄膜弁を反復的に選択して発生するポンピング力により行われうる。
前記ポンピング力は、前記胴体の回転時、前記薄膜弁開閉手段の位置と前記薄膜弁の位置が一致する度に、前記薄膜弁が開放されるパルス弁動作により発生されうる。
前記薄膜化学分析装置は、前記胴体の回転時、チャンバからの遠心力による流体漏れを防止する液体弁をさらに含むことができる。
前記液体弁は、前記胴体の回転中心を基準にしてUまたはV状を有する流路でありうる。
前記液体弁の表面は、親水性処理されており、前記胴体の回転時、前記液体弁により1つのチャンバ内に抑留されていた流体が停止時に親水性流体移動により他のチャンバに移動しうる。
【0032】
前記薄膜化学分析装置の前記1つ以上のチャンバは、他のチャンバに過量の流体が注入される場合、それを保存して前記他のチャンバに定量の流体が保存されるようにする過剰チャンバを含むことができる。
前記薄膜化学分析装置の前記1つ以上のチャンバは、前記過剰チャンバ及び他のチャンバ間に連結されて過量の流体を胴体回転中に移送する定量流路を含むことができる。
前記薄膜化学分析装置の前記1つ以上のチャンバは、前記胴体の回転中心を基準に逆V状の楔状を有し、前記チャンバ内の流圧が集中する楔端部に前記バースト弁が配されうる。
前記楔状のチャンバは、検体から試料を準備するための準備チャンバとして使われ、前記楔端部に設けられたバースト弁は、遠心分離中に開放されない閉鎖強度を有することができる。
【0033】
前記薄膜化学分析装置は、前記流路内に試料の分離のためのフィルターをさらに含むことができる。
前記フィルターは、マイクロポアを備えるメンブレンまたは多孔性フィルターでありうる。
前記試料の分離は、前記胴体の回転時、前記薄膜弁開閉手段の位置と前記薄膜弁の位置とが一致する度に、前記薄膜弁が開放され、その度に、前記薄膜弁から放出された試料が遠心力により前記フィルターを通過するパルスフィルター動作により発生されうる。
エマルジョン光重合法によりフィルターに変換されうるエマルジョンを含有し、前記フィルターを形成しようとする流路の位置に交差するフィルターチャンバを含み、前記フィルターは前記フィルターチャンバ内に形成されうる。
【0034】
前記薄膜化学分析装置は、前記チャンバの反応温度を制御するための温度制御手段をさらに含むことができる。
前記温度制御手段は、温度測定手段、加熱手段及び冷却手段のうち1つ以上を含むことができる。
前記薄膜化学分析装置の前記1つ以上のチャンバは、検体から試料を準備するための準備チャンバと、前記試料を増幅するための増幅チャンバと、前記準備チャンバから得られた試料を一時保存するか、前記試料を希釈させるための希釈溶液または前記試料内の標的物質に結合するための標識子を保存しているバッファチャンバと、前記試料と生物学的または生化学的反応を行うためのプローブが固定化されている分析サイトと、分析に必要な酵素またはバッファ溶液を保存する液体貯蔵チャンバと、前記液体貯蔵チャンバから酵素またはバッファ溶液を一時保存して他のチャンバに供給する試料チャンバと、脱水工程または洗浄工程により生成された残渣を集めるためのトラッシュチャンバと、他のチャンバの洗浄工程に必要な洗浄溶液を保存するための洗浄チャンバと、他のチャンバに定量の試料を供給するための定量チャンバのうち1つ以上を含むことができる。
【0035】
前記準備チャンバは、遠心分離された検体から試料のみを別途に分離するための補助準備チャンバ及び準備孔をさらに具備しうる。
前記標識子は、液相または固相粒子でありえる。前記標識子は、夜光標識子でありえる。
前記固体粒子は、液相の標識子が錠剤(tablet)、ボール(ball)、グレイン(grain)またはパウダー形態に変換された固体粒子であるか、液相の標識子が多孔性パッド上に冷凍乾燥された形態に変換された粒子でありうる。
前記準備チャンバで前記試料の準備は、前記胴体の高速回転を用いた遠心分離により行われうる。
前記バッファチャンバ内の希釈溶液は、バッファチャンバの試薬注入口を通じて供給されるか、希釈溶液を保存している液体貯蔵チャンバからバースト弁開放動作により供給されうる。
【0036】
前記分析サイトは、反応分析用試薬を保存することができる。
前記分析サイトは、ニトロセルロースメンブレン、ナイロンメンブレンまたは多孔性メンブレン及びその上に固定された捕獲プローブを含むことができる。
前記分析サイトは、反応分析用試薬を保存するか、多孔性メンブレン及びその上に固定された捕獲プローブを含むことができる。
前記反応分析用試薬は固体粒子でありえる。
【0037】
前記バースト弁の開放時、前記液体貯蔵チャンバに保存されていた希釈溶液が前記固体粒子を液相の試薬または標識子に変換させることができる。
前記固体粒子は、複数の相異なる固体粒子を含み、前記複数の相異なる固体粒子は複数の生化学反応分析のために複数の分析サイトに各々保存されて、一種の希釈溶液により液相の試薬に変換されうる。
前記希釈溶液を保存するための液体貯蔵チャンバの体積は、前記複数個の分析サイトごとに決まっている固体粒子の希釈比率に該当する体積を有することができる。
前記液体貯蔵チャンバは、前記チャンバの底を構成する下部基質と、前記チャンバの側面及び一部の上部を構成し、チャンバ外郭の高さを中央の高さより低くする中間基質と、前記チャンバに投入されて毛細管現象により前記チャンバの外郭に偏在される液体と、前記液体投入後に結合されて前記チャンバの残りの上部を構成する上部基質を含むことができる。
すなわち、前記液体貯蔵チャンバは、中間基質と上部基質とで構成され、前記中間基質は液体の貯蔵空間を提供するチャンバ及びそのチャンバに液体を注入するための上側開口部で構成されると同時にチャンバ外郭の高さが中央の高さより低く、前記開口部を通じてチャンバへの液体投入時、毛細管現象により前記チャンバの外郭に液体が偏在をなすように設計され、前記上部基質は、チャンバに液体投入完了後に中間基質と結合されて前記液体貯蔵チャンバの上部を密封しうる。
前記定量チャンバは、同心円流路と分析サイトとの間に設けられ、前記同心円流路を通じた試料の親水性流体移動により定量チャンバと同心円流路が試料により満たされ、前記1つ以上のチャンバは、胴体の回転中に定量チャンバに試料を残したまま同心円流路を満たした試料のみを遠心力により取り出すためのオーバーフローチャンバを前記同心円流路の末端部にさらに含むことができる。
前記定量チャンバの試料は、前記定量チャンバと分析サイトとの間に設けられた同心円上の薄膜弁が前記胴体の回転中にパルス弁動作により同時に開放されてそれぞれの分析サイトに移動しうる。
前記定量チャンバは、親水性コーティングされたセクター流路で構成され、試料が親水性流体移動する間に試料により満たされうる。
【0038】
前記セクター流路は、前記胴体の回転中心に基づいて逆VまたはU状なので、前記胴体の回転中に試料が各セクターチャンネルに孤立されて隣接した分析サイトに移動しないことがある。
前記分析サイトは、多孔性メンブレン、前記多孔性メンブレンの表面上にコーティングされたインターデジティテッド電極、及び前記インターデジティテッド電極間の空間に固定された捕獲プローブと、多孔性メンブレン、及び前記多孔性メンブレン上に固定された捕獲プローブと、基質上に形成されるマイクロポア、及び前記マイクロポアに固定された捕獲プローブと、または固定しようとする捕獲プローブ、及び前記捕獲プローブを所望の時点に基質に固定させる固定手段と、を含むことができる。
前記分析サイトは、多孔性メンブレン及びその上に固定されたプローブを含み、前記分析サイトに試料注入後に注入されて前記試料の拡散を支援する仮想試料を保存する仮想試料貯蔵チャンバをさらに含むことができる。
前記仮想試料は、前記試料に比べて拡散速度が遅いか、粘度が高くありえる。前記仮想試料は、グリセロールが添加された洗浄溶液でありうる。
前記分析サイトは、多孔性メンブレンを含み、かつ前記多孔性メンブレン上に固定された多種の腫よう標識子(tumor marker)または疾病標識子をラインまたはスポット状のテストラインとして含み、前記固定された標識子は全体的に流体の側面流動(lateral flow)または貫通流動(flow through)を許与するストリップ形態を有することができる。
【0039】
前記薄膜化学分析装置は、前記標識子の位置に対応するマーカー位置ライン、または前記ストリップの外郭を定義するフレームラインをさらに含むことができる。
前記分析サイトに対応する上部基質は、不透明処理されることで、前記上部基質に光が照射される場合、散乱及びノイズが減少されうる。
前記多孔性メンブレンは、コンジュゲートパッド及びサンプルパッドのうち1つ以上を含むことができる。
前記腫よう標識子または疾病標識子は、AFP、PSA、CEA、CA19-9、CA125、CA15-3またはアルツハイマー疾患の特異マーカー、または心筋梗塞標識因子でありうる。
【0040】
前記分析サイトは、前記多孔性メンブレン上に固定された基準ラインとコントロールラインのための捕獲プローブをさらに含むことができる。
前記基準ラインの反応濃度を基準値と定めることができる。
前記基準ラインの基準値は、3ng/ml、4ng/ml、10ng/ml、20ng/ml、30ng/ml、40ng/mlまたは50ng/mlでありうる。
前記基準ラインとテストラインとの反応強度の差により定性または定量分析することができる。
前記ストリップのバックグラウンドとテストラインとの反応強度の差により定性または定量分析することができる。
前記複数個の基準ラインにより形成された反応強度に対する線形関数によりテストラインの反応強度を決定して定性または定量分析することができる。
前記基準ラインとコントロールラインにより形成された反応強度に対する線形関数によりテストラインの反応強度を決定して定性または定量分析することができる。
【0041】
前記胴体は、温度測定機能、加熱機能または分析サイト判読機能を有する集積化された無線RF ICを含むことができる。
前記胴体は、残留農薬検査または残留抗生物質検査に関する情報を保存する集積化された無線RF ICを含むことができる。
前記情報は、前記無線RF ICに内蔵されたメモリに保存されうる。
前記情報は、検査日時、検査結果、有効期間、対象の生産地域、生産履歴、流通履歴、生産農家の連絡先、価格または有機農如何に関する情報でありうる。
前記胴体は、一側面にCDまたはDVDの光学層を含むことができる。
前記CDまたはDVDの光学層は、保護層、反射層及びデータ層を含むことができる。
前記データ層は、ピット、染料層または相変化物質層を含むことができる。
前記データ層は、薄膜化学分析装置のバージョン、製造日時、プロトコル、分析アルゴリズム、判読のための標準制御値、分析サイトに対する位置情報、生物情報学情報、自己診断関連情報、個人暗号化情報、ID情報、検査結果情報または履歴情報を含むことができる。
【0042】
前記薄膜化学分析装置は、前記1つ以上のチャンバ内の反応を検出するための検出手段をさらに含むことができる。
前記検出手段は、光源装置及び光検出器を含む分光光度計でありうる。
前記薄膜化学分析装置は、前記検出手段と結合して前記1つ以上のチャンバを選択しうるチャンバ探索手段をさらに含むことができる。
前記検出手段は、イメージセンサー装置であり、前記イメージセンサー装置の照明のためのLEDをさらに含むことができる。
前記LEDは、多様な波長の光を発光する多色LEDであり、前記イメージセンサー装置は前記多様な波長の光に対してカラー強度を測定し、前記波長及びカラー強度間の2次元的プロファイルから反応を分析することができる。
前記薄膜化学分析装置は、バイオロボット、ランニングマシン、マッサージ機、ビデ、自動販売機または体脂肪測定装置に結合されうる。
前記バイオロボットの指状部分は採血した血液を前記胴体のサンプル注入口にローディングしうるランセット装置を備えうる。
【0043】
また、本発明は、残留農薬検査または残留抗生物質検査に必要な流体を保存するか、残留農薬検査を行える1つ以上のチャンバと、前記チャンバを流体連結する流路と、試料との反応を行う分析サイトと、前記流路の間または内部に配されて前記流路に連結される流孔と、前記チャンバ、流路、分析サイト及び流孔が集積化された回転自在な胴体と、前記流孔を閉鎖して前記チャンバ内の流体を密封する密封手段を備え、前記胴体の回転により発生する遠心力により密封手段が流孔から破裂されて前記流孔を開放するバースト弁と、前記流孔を可逆的に開閉しうる薄膜弁と、を含み、前記分析サイトは、検体から得られた試料に対する反応強度を測定するサンプルメンブレンと、ブランクテストとして反応強度の零点を取るためのコントロールメンブレンを含む残留農薬または抗生剤検査用薄膜化学分析装置を提供する。
前記1つ以上のチャンバは、残留農薬を検査しようとする検体から試料を準備するための準備チャンバと、バースト弁の開放時に前記準備チャンバに移送されて前記検体から試料を抽出しうる試料抽出液を保存する試料抽出液貯蔵チャンバと、前記準備チャンバから得られた試料を一時保存するか、前記試料を希釈させるための希釈溶液または前記試料内の標的物質に結合するための標識子を保存しているバッファチャンバと、分析に必要な酵素またはバッファ溶液を保存する液体貯蔵チャンバと、洗浄工程により生成された残渣を集めるためのトラッシュチャンバと、前記液体貯蔵チャンバから酵素またはバッファ溶液を一時保存して他のチャンバに供給する試料チャンバと、前記コントロールメンブレンにコントロール液体を供給するためのコントロール液体貯蔵チャンバと、他のチャンバに定量の試料を供給するための定量チャンバのうち1つ以上を含むことができる。
前記液体貯蔵チャンバは希釈溶液を含み、前記試薬チャンバまたはバッファチャンバは固体試薬粒子を含み、前記バースト弁の開放時前記液体貯蔵チャンバ内に保存された希釈溶液が前記試薬チャンバまたはバッファチャンバに供給され、前記試薬チャンバまたはバッファチャンバ内に保存されていた固体試薬粒子が前記希釈溶液により溶解されて液相の試薬に変換されうる。
【0044】
前記流体の移動は、前記胴体の回転時、前記薄膜弁の位置が薄膜弁開閉手段の位置と一致する度に、前記薄膜弁が開放されるパルス弁動作、親水性流体移動、毛細管流体移動またはポンピング流体移動によりなされうる。
前記残留農薬検査用の薄膜化学分析装置は、前記胴体の回転時にチャンバからの遠心力による流体漏れを防止する液体弁をさらに含むことができる。
前記液体弁は前記胴体の回転中心を基準にしてUまたはV状を有する流路でありうる。
前記液体弁の表面は、親水性処理されており、前記胴体の回転時、前記液体弁により1つのチャンバ内に抑留されていた流体が停止時に親水性流体移動により他のチャンバに移動しうる。
【0045】
前記胴体は、残留農薬検査または残留抗生物質検査に関する情報を保存する集積化された無線RF ICを含むことができる。
前記情報は、前記無線RF ICに内蔵されたメモリに保存されうる。
前記情報は、検査日時、検査結果、有効期間、対象の生産地域、製品ID、生産履歴、流通履歴、生産農家の連絡先、価格または有機農如何に関する情報でありうる。
前記分析サイトに対する検査結果がコンピュータモニター上に表示されるか、自動または手動で該当官庁あるいは食品業者のサーバーにインターネットを通じて遠隔接続されて、それらサーバーに検査結果及び履歴が貯蔵管理されるか、該当官庁から検査結果による認証を遠隔で伝送されて前記胴体上のRF ICに記録されうる。
前記残留農薬は、有機リン系またはカーバメート系殺虫剤でありうる。
前記サンプルメンブレンは、前記カーバメート系殺虫剤を検出するためのアセチルコリンエステラーゼ(AChE)を含むことができる。
【0046】
本発明の薄膜化学分析装置において、前記胴体はCD-ROM及びDVDなどディスク装置のような薄膜状であることを特徴とし、望ましくは、前記液体貯蔵チャンバに保存された流体流れ及び流量制御は、"流圧バースト弁"または"粘性バースト弁"または"栓バースト弁"のうち、選択されたバースト弁によりなされ、前記工程チャンバ間の流体の流れ及び流量制御は薄膜弁またはバースト弁またはバースト弁と薄膜弁によりなされることが望ましい。
本発明の薄膜化学分析装置及びこれを用いた分析方法は、ラボオンチップ、蛋白質チップ及びDNAチップのような流体内の少量のバイオまたは化学物質を診断及び探知する薄膜型装置に適している。特に本発明の薄膜化学分析装置は通常のCD-ROM、DVDのような薄膜ディスク内への集積化に適している。
本発明の薄膜化学分析装置及びこれを用いた分析方法は、ELISA/CLISA分析方法が応用されたラボオンチップ、Rapid test方法が応用されたラボオンチップと、または食中毒菌検査、残留抗生物質検査、残留農薬検査、遺伝子変形食品検査、食品アレルギー検査、汚染物質検査または親子確認、肉類種類及び原産地識別検査のためのラボオンチップのような流体内の少量のバイオまたは化学物質を診断及び探知する薄膜型装置に適している。
【0047】
前記残留農薬は、野菜、果物中に含まれた農薬のうち、使用量が最も多い有機リン系、カーバメート系殺虫剤を検査することを特徴とする。
本発明において、バイオ物質は、DNA、オリゴヌクレオチド、RNA、PNA、配位子、receptor、抗原、抗体、牛乳、小便、唾液(saliva)、髪の毛、農作物サンプル、肉類サンプル、魚類サンプル、鳥類サンプル、汚水(汚染された水)、家畜サンプル、食品サンプル、口腔細胞、組織サンプル、唾液、精液または蛋白質(蛋白質)または生体物質から選択される1つ以上であることを特徴する。
小便検体時、前記薄膜化学分析装置は、白血球、血液、蛋白質、亜硝酸塩、pH、比重、グルコース、ケトン、アスコルビン酸、ウルビリノーゲン(履歴記録)、ビリルビン(bilirubin)分析を行うことができる。
毛髪(髪の毛)検体時、血液や尿分析に比べてミネラルをはじめとする身体の栄養物質及び毒性物質の蓄積によるHistorical Recordを正確に測定しうる長所がある。長期間の無機物過剰及び欠乏を正確に分かり、毒性重金属の量を解かるのに標本となり、これは当業者に公知である。
【0048】
また、本発明は1つ以上のチャンバと、前記チャンバを流体連結する流路と、前記流路の間または内部に配されて前記流路に連結される流孔と、前記チャンバ、流路及び流孔が集積化された回転自在な胴体と、前記流孔を閉鎖して前記チャンバ内の流体を密封する密封手段を備えるバースト弁と、流路を可逆的に開閉しうる薄膜弁を含む薄膜化学分析装置を用いた分析方法において、前記胴体の回転により発生する遠心力により流孔から密封手段を破裂して前記バースト弁を開放する段階を含む分析方法を提供する。
本発明による分析方法は、胴体に液体を貯蔵するための液体貯蔵チャンバを別途に構成し、ディスク使用開始時、液体貯蔵チャンバに保存された液体をバースト弁を開放して該当試薬チャンバに液相の試薬を移動させ、前記液体貯蔵チャンバの開放は、前記流圧バースト弁、粘性バースト弁または栓バースト弁のうちから選択されたバースト弁によりなされ、前記それぞれの工程の開始時点と終了時点での試薬チャンバ及び工程チャンバの弁の開閉及び流量制御は前記薄膜弁によりなされ、前記流体移動は前記ディスクの回転力による遠心力または毛細管または親水性コーティングされた流路(channel)によりなされることを特徴とする。
【0049】
前記分析方法は、バースト弁を開放して液体貯蔵チャンバに保存された流体を他のチャンバに移送する段階と、前記バースト弁が配される流路で前記バースト弁と直列に連結される薄膜弁を制御して前記流路を可逆的に開閉する段階をさらに含むことができる。
前記分析方法は、前記バースト弁を開放するために前記密封手段の閉鎖強度に対応する遠心力が発生するように前記胴体の回転速度を制御する段階をさらに含むことができる。
前記分析方法は、前記バースト弁を開放するために前記バースト弁に印加される熱を制御する段階をさらに含むことができる。
前記分析方法は、前記胴体の回転により発生する遠心力、親水性流路表面、薄膜弁の反復的な開閉によるポンピング力、または流路の毛細管現象により前記流体を移動させる段階をさらに含むことができる。
前記密封手段は、流孔閉鎖膜、グリース、グリースのコーティングされた粒子または栓でありうる。
前記分析方法は、前記バースト弁を開放して液体貯蔵チャンバ内に保存された希釈溶液を試薬チャンバに供給する段階と、前記試薬チャンバ内に保存されていた固体試薬粒子を前記希釈溶液により溶解させて液相の試薬に変換する段階をさらに含むことができる。
前記分析方法は、前記バースト弁または薄膜弁を選択的に開閉するために、開閉しようとする弁を探索する段階をさらに含むことができる。
前記分析方法は、前記チャンバ内に含まれた磁性体小型ビーズを磁力により運動させて前記チャンバ内の液体を混合する段階をさらに含むことができる。
前記分析方法は、前記胴体の回転中心を基準にしてUまたはV状を有する液体弁を利用して前記胴体の回転時に開放されたチャンバからの遠心力による流体漏れを防止する段階をさらに含むことができる。
前記分析方法は、前記胴体の回転中心を基準にしてUまたはV状を有する液体弁を利用して前記胴体の回転時に開放されたチャンバからの遠心力による流体漏れを防止する段階をさらに含むことができる。
前記分析方法は、前記流路内に備えられたフィルターを利用して試料を分離する段階をさらに含むことができる。
前記分析方法は、前記チャンバの反応温度を制御する段階をさらに含むことができる。
【0050】
前記分析方法は、特定チャンバを探索して選択する段階と、前記チャンバ内の分析サイトの反応を検出する段階をさらに含むことができる。
前記検出段階は、分光光度計により行われ、前記分光光度計による分析サイトの分析はステップモータまたはステップモータに連結されたギアによる胴体の回転角制御または方位角方向弁の探索を用いたチャンバの探索段階以後に行われるか、ブランク溶液チャンバにより分析サイトを空間アドレッシングして、胴体回転の間にチャンバ内の試料の光吸収率を連続計測することによって行われうる。
前記分光光度計の光源または光源装置は、白色光LED、RGBレーザー、または複数個のLD(レーザ ダイオード)が集積化されたLDモジュールでありうる。
前記分光光度計による分析サイトの判読は、胴体内の上部基質または分析サイト内に反射層が集積化された薄膜化学分析装置の分析サイトに前記分光光度計の光源装置により得られた特定波長の光を通過させる段階、前記反射層により反射された光を光検出器が検出することによって、前記分析サイト内の試料による光吸収率を測定する段階を含むことができる。
前記分光光度計による分析サイトの判読は、前記胴体内に集積化された光検出器が試料による光吸収率を測定することによって、判読結果を得る段階、前記胴体内に集積化された無線RF ICが前記判読結果を受信して外部に無線送出する段階を含むことができる。
【0051】
前記分析方法は、前記胴体を高速回転させて遠心力により検体から試料を分離する段階をさらに含むことができる。
前記分析方法は、前記胴体を高速回転させて遠心力により検体から試料を分離する段階と、前記分離された試料をバッファチャンバに移動させて、前記バッファチャンバ内の希釈溶液または標識子と混合する段階と、前記薄膜弁を開放して、前記バッファチャンバ内の試料を同心円流路、定量流路またはセクター流路を通じて親水性流体移動させる段階と、前記バースト弁の開放または前記薄膜弁のパルス弁動作による薄膜弁の開放により定量チャンバまたはセクター流路内の試料をそれぞれの分析サイト内に流入させて、分析サイト内の試薬と生化学反応を行う段階をさらに含むことができる。
前記分析方法は、前記胴体を回転させて前記定量チャンバ内にのみ試料を残し、同心円流路を満たしていた試料を遠心力によりオーバーフローチャンバにいずれも移動させる段階をさらに含むことができる。
前記分析方法は、前記バースト弁の開放により希釈溶液貯蔵チャンバに保存された希釈溶液を分析サイトに移送する段階と、移送された希釈溶液により分析サイト内の固体粒子を溶解させる段階をさらに含むことができる。
前記分析方法は、前記混合段階以前に前記バッファチャンバのバースト弁開放により前記バッファチャンバに希釈溶液または標識子を供給する段階をさらに含むことができる。
前記分析方法は、前記バッファチャンバと同心円流路または前記バッファチャンバとセクター流路との間を連結する流路は、胴体の回転時に漏液を防止するための液体弁を含み、胴体の回転時、前記液体弁によりバッファチャンバ内に抑留されていた試料が、停止時に親水性流体の移動により前記同心円流路またはセクター流路に移動する段階をさらに含むことができる。
前記分析方法は、洗浄溶液を添加して前記分析サイトを洗浄する段階と、前記胴体を高速回転させて脱水により前記分析サイトを乾燥する段階をさらに含むことができる。
前記分析方法は、前記分析サイトの反応結果を定性または定量分析する段階と、前記分析による診断結果をコンピュータモニター上に表示する段階と、前記分析による診断結果または問診表をインターネットを通じて接続されている医師に遠隔伝送する段階と、前記医師から処方を受ける段階のうち1つ以上をさらに含むことができる。
前記分析方法は、薄膜弁のパルス弁動作により遠心分離された試料をバッファチャンバに移送させるか、パルスフィルター動作によりバッファチャンバに試料を移動させる段階をさらに含むことができる。
前記分析方法は、前記薄膜化学分析装置用ドライブに一般的な光学ディスクまたは認識不能の薄膜化学分析装置のローディング時にエジェクトまたは警告メッセージがユーザに通知される段階をさらに含むことができる。
【0052】
例えば、本発明による薄膜化学分析装置を用いた分析方法は、(a)サンプル注入手段を通じて準備チャンバに、核酸を含有するサンプルを注入する段階と、(b)前記サンプルからDNAまたはRNAを抽出する準備工程を行う段階と、(c)前記準備工程で抽出されたDNAまたはRNAを増幅チャンバに移送させる段階と、(d)増幅チャンバ内のDNAまたはRNAの増幅に必要な酵素及びバッファ溶液を含む試薬を試薬チャンバ1から増幅チャンバに移送させて増幅工程を行う段階と、(e)前記増幅工程が終われば、前記増幅が完了したDNAを分析サイトに移送させる段階と、(f)分析サイトの混成化反応工程に必要な酵素及びバッファ溶液を含む試薬を試薬チャンバ2から分析サイトに移送して混成化反応工程を行う段階と、(g)前記混成化反応工程が終われば、前記混成化反応工程後に残った残渣をトラッシュチャンバに集める洗浄段階を含む。
前記試薬チャンバ1及び試薬チャンバ2の酵素及びバッファ溶液は、これを別途に保存していた液体貯蔵チャンバからバースト弁の開放により供給されうる。
前記洗浄段階は、分析サイトに試薬チャンバ3の洗浄溶液を添加して分析サイトを洗浄する段階をさらに含むことができる。前記分析サイトへの洗浄溶液の添加は、薄膜弁の開放による。
前記試薬チャンバ3の洗浄溶液はこれを別途に保存していた液体貯蔵チャンバからバースト弁の開放により供給されうる。
すなわち、前記洗浄溶液による洗浄する段階は、液体貯蔵チャンバに保存されている洗浄溶液をバースト弁の開放動作により試薬チャンバ3に移送させ、移送された洗浄溶液を試薬チャンバ3の薄膜弁開放動作により分析サイト内に流入させて分析サイトを洗浄しうる。
前記洗浄段階は、前記分析サイトをディスク回転により乾燥及び脱水させる乾燥段階をさらに含むことができる。乾燥及び脱水過程で生じた残渣は、遠心力によりトラッシュチャンバに集まる。
【0053】
例えば、本発明の薄膜化学分析装置を用いた分析方法は、前記薄膜化学分析装置の高速回転により血から試料(血清(血しょう)ないし抗原)を分離する段階と、前記標識子(label粒子)を保存しているバッファチャンバ1に試料を流入させた後、抗原と標識子との間に"ラベル-抗原の結合体"を形成するようにインキュベーションする段階と、前記"ラベル-抗原の結合体"を前記分析サイト内に移動させる段階と、薄膜化学分析装置を静止状態に培養して、前記"ラベル-抗原の結合体"とキャプチャ抗体(免疫プローブ(immuno probe))との間に抗原-抗体反応が起こるように培養する段階と、洗浄溶液を添加して分析サイトを洗浄する段階または胴体の高速回転により分析サイトを乾燥及び脱水させる段階と、を含む。
【0054】
例えば、本発明の薄膜化学分析装置を用いた分析方法は、前記薄膜化学分析装置の高速回転により血から試料(血清または血しょう)を分離する段階と、前記希釈溶液を保存しているバッファチャンバ1に前記試料を流入させた後、前記試料と希釈溶液との間のミキシング動作を行って希釈試料を作る混合段階と、前記希釈試料を前記分析サイト内に移動させる段階と、薄膜化学分析装置を静止状態で培養して、前記希釈試料とキャプチャ抗体(免疫プローブ)との間に抗原-抗体反応が起こるように培養する段階と、洗浄溶液を添加して分析サイトを洗浄する段階または胴体の高速回転により分析サイトを乾燥及び脱水させる段階と、を含む。
【発明の効果】
【0055】
本発明の薄膜化学分析装置及びこれを用いた分析方法は、ラボオンチップ、蛋白質チップまたはDNAチップのような流体内の少量の物質を診断及び探知する薄膜型に適している。特に、本発明の薄膜化学分析装置及びこれを用いた分析方法は、通常のCD-ROM及びDVDなどのディスク装置のような薄膜中に集積化させるのに適するだけではなく、長期間の流通保管期間にわたって温度のような環境要素により誘発される密封に対する問題を解決でき、検体を迅速かつ容易に検出しうる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明による薄膜化学分析装置の胴体内に設けられた本発明の一実施例による超小型ビーズを使用した弁が開放された状態を図示する。
【図2】本発明による薄膜化学分析装置の胴体内に設けられた本発明の一実施例による超小型ビーズを使用した弁が閉鎖された状態を図示する。
【図3】本発明による薄膜化学分析装置の胴体内に設けられた本発明の一実施例による薄膜接着テープを使用した流圧バースト弁の分解平面図、側面断面図及び平面図を図示する。
【図4】図3の実施例において、流孔閉鎖膜が開放された側面断面図を図示する。
【図5】本発明による薄膜化学分析装置の胴体中に埋め込まれた本発明の一実施例によるグリースを使用した粘性バースト弁の平面図及び側面断面図を図示する。
【図6】図3の実施例において、グリースにより流孔が閉鎖及び開放された状態を図示する。
【図7】本発明による薄膜化学分析装置の胴体内に設けられた本発明の一実施例による栓を使用した栓バースト弁の平面図及び側面断面図を図示する。
【図8】栓として鋼球を使用する本発明の他の実施例による栓バースト弁が閉鎖された状態を図示する。
【図9】栓として鋼球を使用する本発明の他の実施例による栓バースト弁が開放された状態を図示する。
【図10】多様な形態を有する前記鋼球の実施例を図示する。
【図11】本発明の一実施例による薄膜化学分析装置の断面図と平面図、及びそれを駆動及び制御するための薄膜化学分析装置ドライブの断面図を図示する。
【図12】BOPM、永久磁石及び接触式インターフェース手段が設置された本発明の一実施例によるスライダーの上部図である。
【図13】図11の薄膜化学分析装置を駆動及び制御するための本発明の一実施例による薄膜化学分析装置ドライブの側面図を図示する。
【図14】グレーティングミラーを使用する本発明の一実施例による分光光度計を図示する。
【図15】分光光度計を利用して薄膜化学分析装置上の分析サイト判読方法を具現した本発明の実施例を図示する。
【図16】分光光度計を利用して薄膜化学分析装置上の分析サイト判読方法を具現した本発明の実施例を図示する。
【図17】分光光度計を利用して薄膜化学分析装置上の分析サイト判読方法を具現した本発明の実施例を図示する。
【図18】抗原-抗体反応またはバイオ物質間の特異的生化学反応により具現されたラボオンチップの諸般工程が配された本発明の実施例による薄膜化学分析装置を図示する。
【図19】抗原-抗体反応またはバイオ物質間の特異的生化学反応により具現されたラボオンチップの諸般工程が配された本発明の実施例による薄膜化学分析装置を図示する。
【図20】抗原-抗体反応またはバイオ物質間の特異的生化学反応により具現されたラボオンチップの諸般工程が配された本発明の実施例による薄膜化学分析装置を図示する。
【図21】抗原-抗体反応またはバイオ物質間の特異的生化学反応により具現されたラボオンチップの諸般工程が配された本発明の実施例による薄膜化学分析装置を図示する。
【図22】抗原-抗体反応またはバイオ物質間の特異的生化学反応により具現されたラボオンチップの諸般工程が配された本発明の実施例による薄膜化学分析装置を図示する。
【図23】抗原-抗体反応またはバイオ物質間の特異的生化学反応により具現されたラボオンチップの諸般工程が配された本発明の実施例による薄膜化学分析装置を図示する。
【図24】分析サイトが相異なるセクターに並列に配列されて単一サンプルに対する多種の生化学反応分析のためのラボオンチップの諸般工程が配された本発明の他の実施例による薄膜化学分析装置を図示する。
【図25】分析サイトが相異なるセクターに並列に配列されて単一サンプルに対する多種の生化学反応分析のためのラボオンチップの諸般工程が配された本発明の他の実施例による薄膜化学分析装置を図示する。
【図26】ELISAあるいはCLISA検査のためのラボオンチップの諸般工程が配された本発明のさらに他の実施例による薄膜化学分析装置を図示する。
【図27】本発明の一実施例によるバースト弁を使用した準備チャンバを図示する。
【図28】液体を注入及び保存する液体貯蔵チャンバの製造工程の一実施例を図示する。
【図29】残留農薬検査のためのラボオンチップの諸般工程が配された本発明のさらに他の実施例による薄膜化学分析装置を図示する。
【図30】本発明の薄膜化学分析装置の高速回転間漏液を防止するための本発明の一実施例による液体弁を図示する。
【図31】本発明の薄膜化学分析装置の高速回転間漏液を防止するための本発明の一実施例による液体弁を図示する。
【図32】前記多孔性メンブレン上に多種の腫よう標識子をラインまたはスポット状に固定させたストリップの多様な実施例を図示する。
【図33】前記多孔性メンブレン上に多種の腫よう標識子をラインまたはスポット状に固定させたストリップの多様な実施例を図示する。
【図34】前記多孔性メンブレン上に多種の腫よう標識子をラインまたはスポット状に固定させたストリップの多様な実施例を図示する。
【図35】図32ないし図34のストリップを薄膜化学分析装置の分析サイト内に設置した実施例を図示する。
【図36】本発明による薄膜化学分析装置をフロントローディングまたはトップローディングしうる本発明の一実施例による薄膜化学分析装置ドライブを図示する。
【図37】図36の薄膜化学分析装置ドライブが搭載された本発明の一実施例によるランニングマシン及び体脂肪測定装置を図示する。
【図38】図36の薄膜化学分析装置ドライブが搭載された本発明の一実施例によるバイオロボットまたはロボットマネキンを図示する。
【図39】出口にマイクロポアを有するフィルターの設けられた本発明の一実施例による薄膜弁を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例について詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明による薄膜化学分析装置100の胴体内に設けられた本発明の一実施例による超小型ビーズを使用した弁が各々開放及び閉鎖された状態を図示する。
図1及び図2を参照すれば、本発明の一実施例による薄膜弁は、薄膜型円柱永久磁石を利用する。
胴体は、上部基質1、中間基質2及び下部基質3で構成され、それら各々は射出成形工程の間に基質表面に流体が流れる流路及びバッファ溶液を保存することができるチャンバと前記流路を連結させる流孔を複数個形成する。それらは互いに密着されて薄膜化学分析装置をなす。
【0058】
図1は、前記薄膜型円柱永久磁石70aにより流孔10aが閉塞されて流路16aが遮断された場合を示し、図2は、流孔10aが開かれて、流路16aが連結されたことを示す。図1のように流孔10aを閉じて流路を遮断させようとするならば、下側永久磁石5aを流孔10aの中心から離脱させれば、上側永久磁石4aにより前記薄膜型円柱永久磁石70aを上方に引き寄せて、流孔10aを閉じる。
すなわち、上側永久磁石4aと前記薄膜型円柱永久磁石70aとの間には、引力が発生して閉弁される。反対に、図2のように流孔10aを開けて前記流路16aを連結させようとするならば、胴体100の下側に位置した移動可能な永久磁石5aを前記流孔10aの中心に移動させれば、前記薄膜型円柱永久磁石70aを下方に引き寄せられる。すなわち、下側永久磁石5aと前記薄膜型円柱永久磁石70aとの間の引力が、上側永久磁石4aと前記薄膜型円柱永久磁石70aとの間の引力より強くて開弁される。
これは、下側永久磁石5aを上側永久磁石4aより強く設計するか、薄膜型円柱永久磁石70aと下側永久磁石5aとの間の距離を薄膜型円柱永久磁石70aと上側永久磁石4aとの間の距離より短くすることで可能となる。
本発明の前記下側の永久磁石5aは、電磁石または移動可能な永久磁石が望ましい。また、本発明は、流体移動のためにディスクに狭い流路16aが形成されているために、流体が圧力を受けずに、円滑に流路を流れるように、排気口12が上部基質1に形成されている。
本発明の薄膜化学分析装置において、前記チャンバは、流体の移動による空気圧を排出するための排気口をさらに含むことが望ましく、前記排気口は、流体流れの反対方向(すなわち、遠心力の反対方向)に配されたことがさらに望ましい。
【0059】
図3ないし図10は、本発明によるバースト弁のいろいろな実施例を示す。
図3は、本発明による薄膜化学分析装置の胴体内に設けられた本発明の一実施例による薄膜接着テープを使用した流圧バースト弁(hydraulic burst valve)の分解平面図、側面断面図及び平面図を示す。
図3を参照すれば、胴体は、上部基質1、中間基質2、下部基質3で構成され、射出成形工程の間に基質表面に流体が流れる流路16aと、バッファ溶液を保存しうる液体貯蔵チャンバ11a及び試薬チャンバ11bと、前記流路16aを連結させる流孔10bとが形成される。
前記基質1、2、3は、薄膜接着テープ1a、2aにより互いに密着されて1つの薄膜化学分析装置100をなす。
具体的に、前記上部基質1と中間基質2は、前記チャンバ11a、11bを構成し、て下部基質3には、前記液体貯蔵チャンバ11aと試薬チャンバ11bとを連結させるための流路16aが一定深さに陰刻されており、前記流路16aの末端部には、液体貯蔵チャンバ11aと試薬チャンバ11bとの連結を提供する流孔10bが形成される。この流孔10bは、流孔閉鎖膜13aにより閉鎖される。前記流孔閉鎖膜13aは、前記基質1、2、3の付着組立て時に、薄膜接着テープ2aにより流孔10b部位に形成される。
前記流孔閉鎖膜13aにより流孔10bを閉鎖することで、流通及び保管期間の間に流孔を完全に遮断し、使用時に胴体100の高速回転による遠心力により液体貯蔵チャンバ11aに保存された流体は自体形成された流圧により前記流孔閉鎖膜13aが取られて流孔10bが開放されて流体が試薬チャンバ11bに移動する。前記流孔閉鎖膜13bは、フレキシブルなので、温度のような環境的要素による膨脹と収縮によく適応するために、流通保管期間中に液体の蒸発及び対流または胴体の膨脹及び収縮による密封問題が発生しない長所がある。
本発明において、前記流孔閉鎖膜13aは、前記基質1、2、3が薄膜接着テープ1a、2aにより互いに密着して付着組立てられる時、流孔10b部位に形成されることを特徴とする。
本発明の他の側面は、前記薄膜接着テープによる流孔閉鎖時、閉鎖強度(closing strength)は、流孔閉鎖膜13aと基質との接着面積14に比例するので、前記薄膜化学分析装置100内に複数個の流圧バースト弁を設置し、それらの閉鎖強度を異ならせて所望の時点で所望の弁を開放するために、該当弁の流孔閉鎖膜13bの閉鎖強度以上の流圧(hydraulic force or hydraulic pressure)を発生させる遠心力を発生させ、選択的または個別的に流孔10bを開放することを特徴とする。
【0060】
図4は、本発明による薄膜化学分析装置の胴体内に設けられた本発明の一実施例による薄膜接着テープを使用した流圧バースト弁(hydraulic burst valve)の流孔閉鎖膜が開放された側面断面図を図示する。
図4を参照すれば、流孔10bが胴体の回転により液体自体に発生した流圧により流孔閉鎖膜13aが取れて流孔10bが開放され、液体貯蔵チャンバ11a内に保存された液体(図示せず)が試薬チャンバ11bに移動することを示す。
本発明において、望ましくは、薄膜流路64は、流路形状が設計された薄膜接着テープにより基質1、2、3の層間に形成されることを特徴とする。
前記基質1、2、3は、薄膜接着テープにより互いに密着されて1つの薄膜化学分析装置100をなし、この際、薄膜流路64は、基質層間で薄膜テープのない部分(例えば、図3の63)により薄膜流路64が形成されることを特徴とする。
薄膜流路64は、流路が非常に狭いために、毛細管現象がよく発生する。
【0061】
図5は、本発明による薄膜化学分析装置の胴体中に埋め込まれた本発明の一実施例によるグリース(grease)を使用した粘性バースト弁(viscosity burst valve)の平面図及び側面断面図を示し、図6は、グリースにより流孔が閉鎖及び開放された状態を示す。
胴体は、上部基質1、中間基質2、下部基質3で構成され、それら各々は射出成形工程の間に基質表面に流体が流れる流路16aと、バッファ溶液を保存する液体貯蔵チャンバ11a及び試薬チャンバ11bと、前記流路を連結させる流孔10bを形成する。それらは互いに密着されて薄膜化学分析装置100をなす。前記流孔10bには、流孔部位に埋め込まれたグリース13bにより閉鎖され、グリース13bにより流孔を閉鎖することによって流通保管期間の間に流孔を完全に遮断し、使用時に胴体100の高速回転による遠心力が、流路16aとグリースとの間に形成された結合力より強い時点で、前記グリース13bが補助流路16b側に離脱して流孔10bが開放される。
【0062】
また、本発明の他の側面は、前記グリース13bによる流孔10bの閉鎖時、閉鎖強度は、グリースの粘度またはグリースと流路16aとの接触面積に比例するので、前記薄膜化学分析装置に複数個の粘性バースト弁を設置し、それらの閉鎖強度を異ならせて所望の時点で所望の弁を開放するために、該当弁の閉鎖強度以上の遠心力が発生するようにディスクを回転させて、流孔10bを選択的または独立的に開放させることを特徴とする。
前記グリース13bとしては、固体粒子にグリースがコーティングまたはミキシングされたものが使われ、この場合、固体粒子の重さによって遠心力により弁開放が容易であり、この場合、前記グリースによる閉鎖強度は、固体粒子の大きさまたは密度に反比例するので、前記薄膜化学分析装置に複数個の粘性バースト弁を設け、それらの閉鎖強度を異ならせて所望の時点で所望の弁を開放するために、該当弁の閉鎖強度以上の遠心力が発生するようにディスクを回転させて、流孔10bを選択的に開放させうる。
【0063】
図6を参照すれば、左側図面は、前記グリース13bにより流孔10bが閉塞されて流路16aが閉鎖された場合を示し、右側図面は、流孔10bが胴体回転により発生した遠心力によりグリース13bを流孔から離脱させて補助流路16b側に移動させることによって、流孔10bが開放された場合を示す。
図7は、本発明による薄膜化学分析装置の胴体内に設けられた本発明の一実施例による栓を使用した栓バースト弁(stopple burst valve)の平面図及び側面断面図を図示する。
胴体は、上部基質1、中間基質2及び下部基質3で構成され、それら各々は射出成形工程の間に基質表面に流体が流れる流路16aと、バッファ溶液を保存する液体貯蔵チャンバ11a及び試薬チャンバ11bと、前記流路16aを連結させる流孔10bを形成する。それらは互いに密着されて薄膜化学分析装置100をなす。前記流孔10bは、栓13cにより閉鎖され、栓により流孔10bを密閉することによって、流通保管期間の間に流孔を完全に遮断し、使用時に胴体100の高速回転による遠心力により前記栓13cが流孔10bから離脱して流孔10bが開放される。
本発明のさらに他の側面は、前記栓による流孔閉鎖時閉鎖強度は、栓の接着力または結合力に比例するので、前記薄膜化学分析装置に複数個の栓バースト弁を設け、それらの閉鎖強度を異ならせて所望の時点で所望の弁を開放するために、該当弁の閉鎖強度以上の遠心力を発生させて、流孔10bを開放させることを特徴とする。
【0064】
図8及び図9は、栓として鋼球(steel ball)を使用する本発明の他の実施例による栓バースト弁が閉鎖及び開放された状態を各々図示する。
図8及び図9を参照すれば、流孔10bを鋼球(steelball)13cを使用して閉鎖させた後、使用時、遠心力により自動開放させる。
図8を参照すれば、鋼球13cと接着手段521a、521bにより流孔10bが閉鎖されている。
図面符号521aは、鋼球13cの上面を流孔10bに密着させるための接着手段であって、鋼球13cの円周全体に対して接着力を持たせた。
図面符号521bは、鋼球13cの下面を下部基質3に付着させるための接着手段であって、遠心力発生時、鋼球520の離脱を容易にするために、鋼球13cの全体円周のうち、半分に対してのみ接着力を有するように設計した。
図9を参照すれば、薄膜分析装置100は、薄膜化学分析装置ドライブ(図示せず)にローディングされて高速回転し、この際、鋼球13cに作用する強い遠心力により鋼球13cが接着手段521a、521bの接着力にまさって、離脱しつつ、流孔10bが開放される。
本発明の薄膜化学分析装置において、望ましくは、前記流孔10bは、鋼球13cと接着手段521a、521bとの接着力または結合力により閉鎖され、遠心力により鋼球13cが前記接着手段521a、521bとの接着力にまさって、離脱しつつ、開放されることを特徴とする。
本発明で、前記接着手段521a、521bは、クッションのある接着性テープに使われる接着材料が望ましい。
【0065】
図10は、多様な形態を有する前記鋼球の実施例を図示する。
図10を参照すれば、流孔10bを閉鎖させるために使用した鋼球13cが遠心力により容易に離脱されるように、鋼球の頭部520aを大きくした、三角円柱状、またはキャップ状の鋼球13cが望ましい。この場合、鋼球13cの上面のみを接着手段521aで流孔10bに密着して付着させた。
さらに他の実施例として、流孔10bの閉鎖性を増大させるために流孔10b自体をクッションのあるゴム材でコーティングするか、鋼球13cをクッションのあるゴム材でコーティングするか、ゲルまたはグリース材でコーティングすることが望ましい。
【0066】
図11は、本発明の一実施例による薄膜化学分析装置の断面図と平面図、及びこれを駆動及び制御するための薄膜化学分析装置ドライブの断面図を図示する。
図5を参照すれば、通常のCD-ROM及びDVDなどのディスク装置のような薄膜中にラボオンチップの諸般工程が集積化されている。
具体的に、分析に必要な各種バッファ溶液を保存し、多様な化学工程を行うためのチャンバ、処理された流体及びバッファ溶液を移動させるための流路、それら流路の開閉を制御するための薄膜弁及びバースト弁が薄膜ディスク上に集積化された薄膜化学分析装置100と、これを制御及び駆動するための薄膜化学分析装置ドライブ100aの一実施例である。
図面符号100は、薄膜化学分析装置の胴体または基質であり、上部基質1、中間基質2、下部基質3が積層により形成され、それら各々は、射出成形工程の間に基質表面に流体が流れる前記流路、バッファ溶液を保存する液体貯蔵チャンバ、試薬チャンバ及び工程チャンバ、前記流路を連結させる流孔を複数個形成する。
それらは互いに密着されて1つの薄膜化学分析装置100の胴体をなし、これは韓国特許出願"超小型ビーズを用いた薄膜弁装置及び制御方法"(2001.5.31.:10-2001-0031284)及びPCT出願の"超小型ビーズを用いた薄膜弁装置及び制御方法"(2002.5.31.:PCT/KR02/01035)によく例示されている。
工程チャンバ130、131、132、133、140、141、142、143の弁動作は、薄膜弁70a、70b、70c、70d、70e、70f、70gによりなされ、それら各々は永久磁石4a、4b、4cと移動可能な永久磁石5aにより形成された磁力により独立的に開閉制御される。また、前記液体貯蔵チャンバ150、151、152、153の弁動作は、前記バースト弁によりなされ、それらバースト弁は、図面番号71a、71b、71c及び71dに該当する。前記工程チャンバのうち、図面符号140、141、142及び143は、試薬チャンバである。
【0067】
本発明において、試薬チャンバに液相の試薬を準備する方法には2つがある。第1は、薄膜化学分析装置の回転時、バースト弁の開放動作により液体貯蔵チャンバ150、151、152、153に保存された液相の試薬が該当試薬チャンバに移動する方法である。第2は、前記液体貯蔵チャンバには、希釈溶液(dilution buffer)が保存され、試薬チャンバには、試薬を高濃縮した固体粒子が保存されており、バースト弁の開放により試薬チャンバに希釈溶液が移動し、以後前記固体粒子が希釈溶液により溶解されて液相試薬になる方法である。一般的に試薬は、長期間液相でチャンバに保管することより、固体粒子状態で保管することがさらに安定的なので、第2の方式がさらに望ましい。
本発明において、固体粒子は、液相の試薬または液相の標識子がtablet、ball、grain、パウダー状に変換された固体粒子であるか、多孔性パッド上に液相の試薬または液相の標識子が冷凍乾燥された形態(frozen dried form)に変換された固体粒子を意味する。
【0068】
図面符号120は、サンプルを注入するためのディスペンサー(dispenser)またはピペットまたはダイまたはランセットまたはサンプル注入手段を示し、121は、サンプル注入口であり、170はディスク孔隙を示す。
図面符号130、131、132及び133は、工程チャンバであり、130は血または細胞からDNAサンプル、またはRNAからR-T(Reverse Transcription:逆転写)によるDNAサンプルを準備するための準備(Preparation)工程を行う準備チャンバであり、131はPCR(Polymer Chain Reaction)工程またはDNA増幅工程のための増幅チャンバであり、132は混成化(hybridization)工程のためのチャンバであって、前記増幅工程により増幅されたDNAを分析及び診断するための捕獲プローブが基質に付着されているか、固定化手段により固定化(immobilization)されうる分析サイトであり、133は洗浄工程により生成された残渣を集めるためのトラッシュチャンバ(Trash chamber)である。
図面符号150、151、152及び153は、液体貯蔵チャンバであり、前記第1の試薬準備方法による場合、チャンバ150には、前記増幅工程に必要なポリメラーゼ及びプライマをはじめとする各種酵素(enzyme)を含むバッファ溶液を保存し、チャンバ151、152は混成化工程に必要な各種酵素を保存し、チャンバ153は前記洗浄工程に必要な洗浄溶液を保管する。前記第2の試薬準備方法による場合、液体貯蔵チャンバ150、151、152、153には希釈溶液を保存する。
図面符号211は、前記移動可能な永久磁石5aを搭載したスライダーであって、スライドモータ109と連結されて駆動制御される。
前記それぞれの工程(準備工程、増幅工程、混成化工程及び洗浄工程)の開始時点と終了時点での薄膜弁の開閉制御は、前記スライダー211上に設けられた永久磁石5aを該当弁の流孔中心に移動させることによってなされ、流体移動はディスクの回転力による遠心力または流路の親水性コーティングによる流体移動による。
図面符号103aは、通常の光学ディスク(CDまたはDVD)の再生のための光ピックアップ装置であり、103bは、前記分析サイト132を定量分析または定性分析するための分析サイト判読装置であって、光透過率測定装置、電気化学、キャパシタンスまたはインピーダンス測定装置、蛍光探知装置、夜光(noctilucence)探知装置、イメージセンサー装置、バイオピット探知装置、分光光度計(spectrometer)またはSPR(Surface Plasmon Resonance)であり、光ピックアップ装置103aと分析サイト判読装置103bは、バイオ光ピックアップモジュール(BOPM)装置103を構成する。
【0069】
本発明による薄膜化学分析装置は、前記薄膜弁及びバースト弁に対する空間アドレッシング可能にスライダー上に搭載されたBOPM(Bio Pickup Optical Module)装置103とその移動を制御するためのスライドモータ109を備え、BOPM装置103上には、前記弁の開閉を制御するためのレーザービーム発生装置及び薄膜弁開閉手段(例えば、永久磁石5a)を搭載し、スライドモータ制御によりBOPM装置の座標が移動制御され、前記複数個の薄膜弁及びバースト弁の開閉を選択的、個別的または独立的に制御することを特徴とする。前記レーザービーム発生装置は、前記光ピックアップ装置103aを使用することが望ましい。
本発明において、前記薄膜弁開閉手段としては、BOPM装置上に装着された永久磁石5aが望ましく、スライダーの移動制御によって永久磁石5aが放射方向移動または2次元座標(放射方向移動、方位角(azimuthal)移動)または3次元座標放射方向移動、方位角(azimuthal)方向移動、上下(up and down)移動)上に移動制御されることを特徴とする。
前記放射方向移動は、スライドモータの制御によりなされることが望ましい。前記方位角方向移動は、スライダーを停止させたままでスピンドルモータの短い回転制御ないしステップモータの制御よりディスクを一定量回転させることによってなされることが望ましい。前記ステップモータは、ディスクの方位角方向のためにスピンドルモータ軸上にギアで締結されて動作することが望ましい。
前記上下動は、モータと連結されたギア連結手段によりスライダーないし永久磁石5aの上下動が制御されることが望ましい。
【0070】
前記分析サイト判読装置に対する多様な実施例は、前記韓国出願“バイオディスク及びバイオドライバー装置及びそれらを用いた分析方法”(2002.3.27:特許出願第10-2002-17558号)と、韓国出願“デジタルバイオディスク及びデジタルバイオディスクドライバー装置及び方法”(出願番号:10-2005-0038765)によく例示されている。
図面符号240と241は、前記スライダー211上に配され、薄膜化学分析装置100とBOPM103との間の接触式インターフェース手段を提供する。
本発明の薄膜化学分析装置において、望ましくは、前記接触式インターフェースは、中央制御装置101により生成された分析サイト132判読に必要な制御信号または電源を薄膜化学分析装置100に提供することを特徴とする。
図面符号240a及び241aは、前記接触式インターフェース部240、241に対する連結部であり、これを通じて薄膜化学分析装置100は接触インターフェース部240、241と電気的に連結される。
図面符号110bは、スライダー211上のBOPM103及び接触式インターフェース手段240、241に必要な各種制御信号を連結するためのフレキシブルケーブルであり、ウェーハまたはハーネス110aを通じて中央制御装置101と連結される。
【0071】
図面符号181は、薄膜化学分析装置100を載置するためのターンテーブルであり、ディスクの中心孔隙170を通じてターンテーブルにフロントまたはトップローディングされる。
図面符号188は、メモリ内蔵型無線RF ICまたは電子タグ装置であり、ラボオンチップ工程のためのプロトコル、分析アルゴリズム、判読のための標準制御値及び分析サイトに対する位置情報、生物情報学情報、自己診断(self diagnosis)に関連した情報を含む。また個人暗号化情報及び薄膜化学分析装置のID(identification)が保存されて、他人が容易には使用できなくする。
前記無線RF IC188は、スマートICカード形態が望ましい。前記無線RF IC188の情報は、無線送受信を通じて中央制御装置101に提供され、個人暗号化のために活用される。図面符号110は、前記無線RF IC188に電源を供給するための無線電波発生部である。前記無線電波発生部による電波は、フレミングの法則によって無線RF IC188中に内蔵された誘導コイルを感応させて十分な量の電気を生産して無線RF IC188に電源を供給する。
【0072】
本発明の薄膜化学分析装置において、望ましくは、前記無線RF IC188は、温度測定機能を有し、分析サイトの温度を計測して外部の中央制御装置に無線送信することを特徴とする。分析サイトの温度が高いか、低ければ、加熱手段または冷却手段により一定の温度を保持しうる。本発明において、分析サイトの温度は、生化学的活性及び安定性を考慮した摂氏30〜37℃で選択された温度を保持することが望ましい。
本発明の薄膜化学分析装置において、望ましくは、前記無線RF IC188は、薄膜分析装置の残留農薬検査及び残留抗生物質検査による検査日時及び検査結果、有効期間、農畜産生産地域、生産及び裁培履歴、流通履歴、裁培農家の連絡先、値段、有機農如何などについての情報が含まれていることを特徴とする。購買者及び農畜産流通業者は、前記情報により農畜産物を安心して購入することができる。一般消費者は、薄膜分析装置をRF IC判読器に接触させるか、または薄膜分析装置ドライブにローディングすることでそれについての情報が分かる。
本発明の薄膜化学分析装置において、望ましくは、前記無線RF IC188は、薄膜分析装置の検査結果を無線RF IC188に内蔵されたメモリに保存することを特徴とする。
【0073】
薄膜化学分析装置は、一側面に通常のCDまたはDVDの光学層(保護層、反射層、データ層(pitまたは染料層または相変化物質層))をさらに備えて通常の光ピックアップ装置により再生または記録されることを特徴とする。前記データ層には、薄膜化学分析装置のバージョン、製造日付、プロトコル、分析アルゴリズム、判読のための標準制御値及び分析サイトに対する位置情報、生物情報学情報、自己診断に関連した情報を含む。また個人暗号化情報及び薄膜化学分析装置のID情報が保存され、 他人が容易には使用できなくし、薄膜化学分析装置の分析結果及び履歴情報が記録保存され、病院での患者に対する資料管理または農畜産物に対する履歴管理が容易である。
本発明の薄膜化学分析装置において、望ましくは、前記無線RF IC188は、前記の分析サイト判読装置を制御し、判読結果を外部の中央制御装置101または貯蔵装置または入出力装置111に無線送信することを特徴とする。
本発明の薄膜化学分析装置において、望ましくは、前記入出力装置は、USB(Universal Serial Bus)またはIEEE 1394またはATAPIまたはSCSIまたはインターネット通信網の通信規格を有することを特徴とする。
また、前記入出力装置111を通じて薄膜化学分析装置100のユーザの身長、体重、性別、年齢などを入力しうる。
【0074】
図12は、BOPM103、永久磁石5a及び接触式インターフェース手段240、241が配された本発明の一実施例によるスライダーの上部図である。
前記スライダーは、スライドモータ109軸に連結されたウォームギア連結部109a、109bにより移動制御される。
前記スライダーは、スライドアーム108a、108bをガイドとして使用してすべるように移動する。前記スライドアーム108a、108bは、ネジ110a、110b、110c、110dを通じて薄膜化学分析装置ドライブ100aの胴体に締結される。図面符号110bは、フレキシブルケーブルであり、ウェーハまたはハーネス110aを通じて連結される。図面符号181は、前記のスピンドルモータ102により回転するターンテーブルである。
【0075】
図13は、図11の薄膜化学分析装置100を駆動及び制御するための本発明の一実施例による薄膜化学分析装置ドライブ100aの側面図を図示する。
前記スライダー211上の接触式インターフェース手段240、241を通じて薄膜化学分析装置100上の分析サイト判読のための制御信号が連結供給される。接触式インターフェース240、241の一端部は、スライダー211上に連結固定され、他の末端部は分析サイトの判読時、スライダー211の移動制御により薄膜化学分析装置100上に連結部240a、241aと各々密着されて電気的に連結される。
【0076】
図面符号300は、薄膜化学分析装置ドライブ100aを支持している胴体である。薄膜化学分析装置ドライブの底面には、回路基板140が前記薄膜化学分析装置ドライブの胴体300に継ぎ目締結されており、回路基板上に薄膜化学分析装置ドライブ100aを制御するための中央制御装置101と、貯蔵装置または入出力装置111が前記回路基板140上に配設されている。前記中央制御装置101は、前記薄膜化学分析装置100の回転または停止のためにスピンドルモータ102を制御するだけではなく、スライドモータ109の制御によりスライダー211上に配設されたバイオ光ピックアップモジュール(BOPM)の移動を制御し、かつ薄膜化学分析装置100の薄膜弁の開閉を制御するために、永久磁石5aの位置を移動させる。薄膜弁の開放時、前記永久磁石5aは薄膜化学分析装置100の該当弁の流孔中心に非常に近接することにより、薄膜化学分析装置100に内蔵された薄膜型円柱磁石に磁力を効率よく発揮しうる。
また、前記中央制御装置101は、現在薄膜化学分析装置ドライブ100aにローディングされたディスクが通常の光ディスク(例えば、音楽CD、CD-R、ゲームCD、DVDなど)であるか、薄膜化学分析装置100であるかを判断し、通常の光ディスクである場合は、ディスクから読出した内容を前記光ピックアップ装置103aから貯蔵装置または入出力装置111に伝送するか、書込む内容を光ピックアップ装置103aに送り、再生/記録(Read/Write)に必要な各種制御信号を前記各部に提供するなどの光ディスクのための通常の動作を行い、薄膜化学分析装置100である場合、ラボオンチップ工程制御のための各種制御命令信号を前記非接触インターフェース106により無線RF IC188に制御命令を送る。
【0077】
前記制御命令を伝達された無線RF IC188は、ラボオンチップ工程を制御するための各種制御信号を薄膜化学分析装置100の各部分に供給する。
本発明において、望ましくは、薄膜化学分析装置のローディング時点で薄膜化学分析装置上の無線RF IC188を通じ、前記中央制御装置101に薄膜化学分析装置100の固有IDを無線送信させることで、現在薄膜化学分析装置ドライブ100aにローディングされたディスクが薄膜化学分析装置であることを、中央制御装置101をして認識させることを特徴とする。
本発明において、望ましくは、前記BOPM上の分析サイト判読装置103bにより得られた前記分析サイト132に対する判読結果を、前記スライダー211に連結されたフレキシブルケーブル110bを通じて中央制御装置101または貯蔵装置または入出力装置111に送るか、薄膜化学分析装置100上に内蔵された無線RF IC188により分析サイト132に対する判読結果を無線通信により中央制御装置101または貯蔵装置または入出力装置111に送る。または、前記分析サイトに対する判読は、前記回路基板140上に配設されたイメージセンサー装置144により得られた分析サイトについてのイメージ情報を中央制御装置101または貯蔵装置または入出力装置111に送ることによってなされうる。図面符号104は、ディスク孔隙にローディングされた薄膜化学分析装置100の圧着手段であり、ターンテーブル181との磁力引力により圧着するものであり、垂直移動と空回転とが可能に設計されることが望ましい。
【0078】
図面符号40bは、前記イメージセンサー装置の照明のための少なくとも1つ以上のLED(light Emitting ダイオード)であり、前記イメージセンサー装置またはLEDは、スライダー211上に搭載されるか、分析サイトの上側または下側に設けられる。本発明において、前記LEDとしては、多様な波長の光を発光する多色LED(Multicolor LED)が望ましく、多様な波長の照明下で分析サイト132に対する反応強度を、カラー強度により表現された映像情報が得られ、それら波長とカラー強度との2次元的相関関係により分析サイト132の反応結果を定量または定性的に分析することができる。
前記多色LED(Multicolor LED)は、R、G、B LEDが望ましい。
【0079】
図面符号107は、レーザー発生装置であって、蛍光または夜光標識された分析サイト内の試料を励起(excitation)させるのに使われ、この際、前記イメージセンサー装置144により分析サイトについてのイメージ情報を得る。蛍光標識は励起波長と蛍光標識からの発生波長間の波長差が小さくて、それら間の信号干渉を除去するために、高価の光学フィルターが要求され、かつ干渉除去が完壁ではなくて、蛍光探知性能を低下させる。一方、夜光標識は、レーザー発生装置の励起がオフ(off)になっても、夜光標識から長時間記憶された光を発生させるので、励起オフの間に夜光標識の発生を探知しうる。したがって、この場合、夜光探知装置は、励起波長と発生波長との間に干渉なしに、分析サイトを効率的に探知できる長所を提供する。図面符号108は、分光光度計であり、分析サイトの光透過率または光吸収率を測定するための複数個の光波長を出力し、各波長による光透過率または光吸収率を測定して分析サイト132の反応結果を判読する。
【0080】
一般的に分光光度計は、光源、波長選択装置、試料容器(試験管または分析サイト132)、そして光検出器で構成されており、これは当業者に公知技術である。
分光光度計は、ブランク溶液を利用して透光度100%(吸光度0)になるように装置を調節した後、試料溶液に対する吸光度を測定する。
光源は、試料分析に要求される波長範囲にある十分なエネルギー光を一定の量で出させねばならない。光源は、タングステン灯(tungsten filament lamp)、水素灯(hydrogen or deuterium lamp)、白色光LED、レーザが使われ、本発明では、白色光LEDまたはRGB レーザまたは複数個のLD(レーザ ダイオード)が集積化されたLDモジュールが望ましい。
前記RGB レーザは、Red、Green及びBlue光を出力する3個のレーザが1つのモジュール形態をなした装置であり、それら3個のレーザ出力パワー組合わせにより試料分析に要求される多様な波長の光が得られる。
前記LDモジュールは、互いに異なる波長を有する複数個のLDをモジュール化したものであり、該当波長の光を出力するLDを順次にオン(On)させつつ、該当波長に対する試料の光吸収率を測定しうる。
光源からの光から特定波長の光を得たことは、分光光度計で非常に重要な部分である。理想的な場合は、厳密な意味での単色光(monochromatic radiation)を得ることであるが、これは現実的に難しいために、ある範囲の波長分布を示す光は、スペクトルの帯域幅(band width)を明示して単色化程度を示すことができる。光源から単一波長に近い光であるほど、測定の感度(sensitivity)と分解能(resolution)とがさらに大きくなる。
所望の波長の光は、波長選択装置(wavelength selector)で得ることができるが、フィルターまたはグレーティングミラー(grating mirror)またはその組合わせを使用する。
前記グレーティングミラーは、入射光を波長別に分散させて反射させる一種のプリズムのような役割を担当する。
【0081】
図14は、グレーティングミラーを使用する本発明の一実施例による分光光度計108を図示する。
図14を参照すれば、光源41からの白色光をレンズ42によりビームで集束させた後、1次H-slitとV-slit45aを通過させてスポットビームを作り、それらスポットビームをグレーティングミラー43に入射させれば、グレーティングミラー43で反射された光が位相空間上で波長別に分離される。グレーティングミラー43で反射されて位相空間上で分離された光のうち、特定波長の光のみ取るために、特定角度で2次H-slit及びV-slit45bを固設する。この場合、グレーティングミラー43を回転させることによって、前記2次H-slit及びV-slit45bを通過する光の波長を可変しうる。すなわち、グレーティングミラー43の回転角度を制御することにより所望の特定波長領域の光が得られる。
このように得た特定波長の光を利用して分析サイト132に通過させた後、これを前記光検出器46が測定することによって、分析サイト内の試料の光吸収率または光透過率またはカラー強度を測定することによって、試料の化学反応結果を定性分析または定量分析する。前記試料の化学反応結果を定性分析または定量分析する方法には、end point法、Rate Assay法、initial rate法などがあり、これは当業者に公知技術である。
【0082】
図面符号41は、分光光度計108の光源であり、前記波長選択装置は、グレーティングミラー43の回転角度を制御するためのステップモータ44、前記光源からの光を集束するためのレンズ42と集束されたビームをスポットビームに作るための1次HslitとVslit45a、スポットビームを波長別に分離させるためのグレーティングミラー43、グレーティングミラーで反射された特定角度のビーム(特定波長の光)のみを通過させるための2次H slit及びV-slit45bで構成される。前記光源41と波長選択装置により得られた特定波長の光を分析サイト132を通過させて分析サイト内の試料に対する光吸収率を光検出器46が測定することによって、試料の化学反応結果を定性分析または定量分析する。前記ステップモータ44を回転させて多様な波長の光を分析サイトに通過させて、分析サイト内の試料に対する光吸収率を波長別に測定しうる。
本発明において、前記1次H slit及びVslitまたは2次H slit及びVslitは、光ファイバを代わりに使える。
本発明では、以下、前記光源、レンズ、1次H slitとVslitまたは1次光繊維45a、グレーティングミラー43、2次H slitとV-slit45bまたは2次光繊維間の多様な組合わせを光源装置99aと称する。前記LDモジュールとRGBレーザーモジュールは、単独で前記光源装置99aを構成し、この場合、光源装置99aが軽薄単純化できる長所がある。
【0083】
図15ないし図17は、分光光度計108を利用して薄膜化学分析装置100上の分析サイト132の判読方法を具現した本発明の実施例を示す。図面符号555は、前記光検出器46の判読のための透明開口部である。
図15を参照すれば、前記分光光度計108の光検出器46が薄膜化学分析装置100の上側に設けられ、光源装置99aが下側に設けられた場合であり、前記光源装置99a及び光検出器46のモジュール化された分光光度計108を利用して薄膜化学分析装置100の円周方向に配列された複数個の分析サイト132を判読する。この場合、薄膜化学分析装置100の回転によって、薄膜化学分析装置に円周方向に内蔵された複数個の分析サイト132ごとに一対一で対応して空間アドレッシングして判読が可能である。分光光度計108は、まずブランク溶液を利用して透光度が100%(吸光度0)になるように装置を調節した後、複数個の分析サイト内の試料溶液に対する吸光度を測定する。
本発明において、前記複数個の分析サイトのうち、少なくとも一個以上の分析サイトは調節のためのブランク溶液チャンバを含むことを特徴とする。
【0084】
図16の左側図面を参照すれば、前記薄膜化学分析装置100内の上部基質1または分析サイト内に反射層99bを集積化させ、前記光源装置99a及び光検出器46を薄膜化学分析装置100の下側にモジュール化した分光光度計108を配置する。前記光源装置99aにより得られた特定波長の光を分析サイト132を通過させ、前記反射層99bにより反射された光を光検出器46が測定することによって、分析サイト内の試料による光吸収率を計測する。
図16の右側図面を参照すれば、前記光検出器46が薄膜化学分析装置100の分析サイト132内に集積化された場合を示す。この場合、複数個の分析サイトに対しては一対一で対応して前記光検出器46が配列される。このような光検出器46が薄膜化学分析装置内に集積化された場合は、光経路(optical traveling path)が短くなり、光検出器46の受信感度が高まり、さらに敏感度を高めうる。薄膜分析装置内に集積化された光検出器46の判読結果は、前記無線RF IC188により読出された後、中央制御装置101に無線送出される。
【0085】
図17を参照すれば、前記図16の左側図面に例示されたような反射層99bを上部基質1に集積化させ、薄膜化学分析装置100の円周方向に複数個の分析サイトが配列されている。分光光度計108により、薄膜化学分析装置に円周方向に内蔵された複数個の分析サイトごとに一対一で対応して空間Uドレッシングにより順次的に判読が可能である。この際、光源装置99aは、分析サイト毎に試料の特性に合う波長の光を選択して出力することによって、吸光度を測定する。本発明において、望ましくは、前記分光光度計108による分析サイトの順次的な判読は、前記スライダー211上に分光光度計108を搭載して"放射方向分析サイト探索過程"及び"方位角方向分析サイト探索過程"が先行されることを特徴とする。
前記イメージセンサー装置は、CCDまたはCMOSまたは画素(pixel)単位で光量をセンシングするラインイメージセンサーが望ましい。
本発明において、前記ラインイメージセンサーは、リニアセンサーアレイまたはCIS(Contact Image Sensor)が望ましい。
本発明において、前記イメージセンサー装置を備えたBOPM103が分析サイトのイメージ情報を得るために、前記スライダー211を移動させることを特徴とする。分析サイトの判読前、前記スライダー211上にイメージセンサー装置を搭載して、"放射方向分析サイト探索過程"及び"方位角方向分析サイト探索過程"が先行されることを特徴とする。
【0086】
図18ないし図23は、抗原-抗体反応またはバイオ物質間の特異的生化学反応により具現されたラボオンチップの諸般工程が配された本発明の実施例による薄膜化学分析装置を図示する。
図24及び図25は、分析サイトが相異なるセクターに並列に配列されて、単一サンプルに対する多種の生化学反応分析のためのラボオンチップの諸般工程が配された本発明の他の実施例による薄膜化学分析装置を図示する。
図面符号130は、注入口121を通じて注入された血または検体から遠心分離により試料(血清(serum)、血しょう(plasma)または不純物が除去された試料)を準備するための準備(Preparation)工程を行う準備チャンバ(Preparation chamber)であり、図面符号132は、抗原-抗体反応またはバイオ物質間の特異的生化学反応のためのチャンバに試料を分析及び診断するための捕獲プローブがチャンバ上に固定化されているか、固定化手段により固定化される分析サイトである。図面符号133は、洗浄工程により生成された残渣を集めるためのトラッシュチャンバである。図面符号292は、分析サイト132とトラッシュチャンバ133とを連結する流路であり、291は、バッファチャンバ131の溶液を分析サイト132に流入させるための流路である。
【0087】
図18の場合、図面符号291は、バッファチャンバ131の溶液以外に、洗浄チャンバ128の洗浄溶液を分析サイト132に流入させるために流路7と流路9とを流路291に共に連結させた。
図26の場合は、図面符号293を通じて、洗浄チャンバ128の洗浄溶液を分析サイト132に流入させた。
図23の場合、図面符号291は、準備チャンバ130から分離された試料を直接分析サイト132に流入させるための流路である。前記分析サイト132は、(i)多孔性メンブレン上に表面コーティングされたインターデジティテッド電極間の空間に捕獲プローブが固定されるか、(ii)多孔性メンブレン上に捕獲プローブが固定されるか、(iii)分析サイト132の基質表面自体に形成されたマイクロポアに捕獲プローブが固定されるか、(iv)固定手段により所望の時点に捕獲プローブが分析サイトの基質上に固定されることが望ましい。前記多孔性メンブレンは、NC(Nitro Cellulose)またはナイロンメンブレンまたは整列されたナノチューブが望ましい。前記マイクロポアは、基質上にエンボッシング処理またはスタンパにより形成されたグルーブ(またはpit)が望ましい。前記多孔性メンブレンのポア(pore)サイズまたはマイクロポアのポアサイズまたはグルーブ(pit)サイズは毛細管(capillary tube)による流体の拡散速度に主要パラメータとなる。
ポアサイズが大きいほど、拡散速度が速くなる。本発明において、前記マイクロポアまたはグルーブ(pit)は親水性コーティングされることが望ましい。
【0088】
前記流路291に流入された溶液は、前記多孔性メンブレンまたはマイクロポアまたは拡散手段により拡散移動しつつ捕獲プローブと生化学的特異的結合を行う。また、図7Aまたは図26の場合、チャンバ128から流路291または流路293に流入された洗浄溶液は、前記多孔性メンブレンまたはマイクロポアまたは拡散手段により拡散移動しつつ分析サイト132上の捕獲プローブと非特異的結合(non-specific binding)をしている試料または結合していない試料を洗浄する。
本発明において、望ましくは、前記多孔性メンブレンまたはマイクロポアまたは拡散手段は、later flowまたは貫通流動(flow through)による拡散を許容することを特徴とする。
前記主要工程(準備工程、抗原-抗体反応または生化学反応工程、洗浄工程)のためのチャンバ130、132、133は、前記薄膜化学分析装置上に螺旋形に連結されて配されている。これは、前記各工程に必要な流体が遠心力により移動連結を容易にする。また、前記主要工程を支援するための試薬を有しているチャンバが螺旋形で周辺に配される。
前記チャンバ以外にDNA増幅など必要な工程を追加するためのチャンバを追加及び挿入することが可能である。
前記準備チャンバ130または補助準備チャンバ130aは、遠心分離による試料分離を容易にするために、図18ないし図25に例示されたような円周外郭側の体積がさらに広い円錐状ビーカ状またはフラスコ状またはヤカン状のチャンバが望ましい。
【0089】
本発明において、血清は血しょうの意味も含む。
前記薄膜化学分析装置100の高速回転による遠心分離により血から血清を抽出する。遠心分離すれば、血は準備チャンバ130内で血清及び血栓に分離される。前記の通りに円周外郭側の体積がさらに広い形状の準備チャンバ130を使用する場合、準備チャンバ130内で血清ができるだけ多くの高さを占有する。したがって、薄膜化学分析装置の回転中に薄膜弁151またはバースト弁151aを開放すれば、遠心力により、バッファチャンバ131に血清のみの移動がさらに容易になる。しかし、もし、血清が多くの高さを占有しなければ、血清のみをバッファチャンバ131に移動させることは非常に難しいことになる。また、前記のように薄膜化学分析装置の回転中に血清をバッファチャンバ131に遠心力により移動させなければ、血清自体の粘度(viscosity)のために、バッファチャンバ131への移動が難しく、かつ遠心分離して得た血清が広がって血栓と再び混合される可能性が大きくなる。したがって、分離された血清をバッファチャンバ131に移動させる時は、回転中に移動させねばならない。
【0090】
図27は、本発明の一実施例によるバースト弁を使用した準備チャンバ130を図示する。図27を参照すれば、楔状準備チャンバ130とバースト弁151aにより検体から分離された試料をバッファチャンバ131に移動させる一実施例である。楔状準備チャンバ130は、ディスク回転時に検体自体に発生した流圧が楔状により楔部分で流圧が増加する効果をもたらして、流圧がバースト弁151aに効率的に集中する。
まず、検体が血である場合を例として説明すれば、次の通りである。初期バースト弁151aが閉状態で、注入口121を通じて血を準備チャンバ130に注入した後(Step1)、遠心分離のための回転速度でディスクを回転させれば、遠心力により血を血清と血栓とに分離させる(Step2)。遠心分離の間には、バースト弁151aは、開放されない。その後、遠心分離が終了されれば、バースト弁151aの開放のための回転速度でディスクを高速回転させてバースト弁151aを開放させる。この際、開放されたバースト弁151aを通じて準備チャンバ130の外郭(円周方向の外側、薄膜分析装置100の外郭)にあった血栓が遠心力により補助準備チャンバ130aに先に移動し、補助準備チャンバ130aの水位は高まる(Step3)。その後、準備チャンバ130の内側(円周方向の内側)にあった血清まで補助準備チャンバ130aに移動しつつ、補助準備チャンバ130aの水位は、さらに高まっていて、その水位が準備孔20に至ると、準備孔20を通じて血清がバッファチャンバ131に移動する(Step4)。
【0091】
さらに他の実施例で検体が牛乳または小便またはバイオ物質である場合を例として図27を説明すれば次の通りである。初期バースト弁151aが閉状態で、注入口121を通じて検体を準備チャンバ130に注入した後(Step1)、遠心分離のための回転速度でディスクを回転させれば、遠心力により検体を試料と残渣とに分離する(Step2)。その後、遠心分離が終われば、バースト弁151aの開放のための回転速度でディスクを高速回転させてバースト弁151aを開放させる。この際、開放されたバースト弁151aを通じて準備チャンバ130の外郭(円周方向の外側)にあった残渣が遠心力により補助準備チャンバ130aに先に移動し、補助準備チャンバ130aの水位は高まる(Step3)。その後、準備チャンバ130の内側(円周方向の内側)にあった試料まで補助準備チャンバ130aに移動しつつ、補助準備チャンバ130aの水位はさらに高まるが、その水位が準備孔20に至ると、準備孔20を通じて試料がバッファチャンバ131に移動する(Step4)。
【0092】
図18、図21、図22、図26及び図27に例示された楔状準備チャンバ130は、ディスク回転時、準備チャンバ130に保存された検体自体に発生した流圧がバースト弁151aに効率的に集中し、バースト弁151aの流孔閉鎖膜が流圧により容易に取られる構造を提供する。特に、前記楔状準備チャンバ130は、少量の検体のみを準備チャンバに保存するしかない場合、大きな遠心力にもかかわらず、流圧が弱くてバースト弁がよく開放されない状況を克服可能にする。
本発明において、前記楔状準備チャンバ130において、遠心分離のための回転速度は3000rpm〜5000rpmが望ましく、バースト弁151aの開放のための回転速度は8000rpm〜10、000rpmが望ましい。すなわち、遠心分離の回転速度が準備チャンバのバースト弁151aを開放するための回転速度より遅くて遠心分離の間に、バースト弁151aは閉状態にある。
薄膜化学分析装置100の高速回転に前記薄膜化学分析装置100の高速回転による遠心分離により血から血清ないし試料を抽出する。遠心分離すれば、血は準備チャンバ130内で血清及び血栓に分離される。前記の通りに円周外郭方向の体積がさらに広い(円錐ビーカ状、フラスコ状)の準備チャンバ130を使用する場合、準備チャンバ130内で血清ができるだけ多くの高さを占有する。したがって、薄膜化学分析装置の回転中に薄膜弁151またはバースト弁151aを開放すれば、遠心力によりバッファチャンバ131への血清のみの移動がさらに容易になる。しかし、もし前記のような準備チャンバ130の形状ではない場合、血清が多い高さを占有しないこととなり、よって血清のみをバッファチャンバ131に移動させることは非常に難しい。また前記のように薄膜化学分析装置の回転中に血清をバッファチャンバ131に遠心力により移動させないと、血清自体の粘度のためにバッファチャンバ131への移動が難しく、かつ遠心分離して得た血清が広がって、血栓と再び混合される可能性が高くなる。
図面符号128は、洗浄溶液または溶出バッファ(elution buffer)が入っているチャンバである。
【0093】
前記薄膜化学分析装置100上の流体移動は、(i)薄膜化学分析装置の回転による遠心力と弁開閉によるか、(ii)流路の親水性表面処理による親水性流体の移動及び弁開閉動作によるか、(iii)弁の迅速な開閉の反復動作を同伴した親水性流体移動によるか、(iv)流体に作用する遠心力と薄膜化学分析装置の回転中に反復される弁開閉動作による。流路は、狭いので、流体には毛細管現象が同伴される。
本発明において、望ましくは、薄膜化学分析装置100上の流体移動は、薄膜化学分析装置の回転中に流体に発生した遠心力と、薄膜化学分析装置の回転中にスライダー211上に設けられた永久磁石5aと該当弁の流孔と一致する度に、流孔が開放される弁動作による流体移動が望ましく、このような弁動作を本発明では、"パルス弁(pulse valve)"動作と称する。
【0094】
以下、"パルス弁"動作の一実施例を図18を参照して詳細に説明する。
円中心から薄膜弁151までの距離をR1、薄膜弁152までの距離をR2、薄膜弁153までの距離をR3、薄膜化学分析装置100の最外郭円周外側までの距離をR4とすれば、それら距離はR1<R2<R3<R4の関係を有する。
薄膜弁151を前記パルス弁動作により開放しようとすれば、前記スライダー211上の永久磁石5aを距離R1に移動させた後、薄膜化学分析装置100を回転させる。薄膜化学分析装置100の回転中に薄膜弁151の流孔中心に位置した薄膜型円柱磁石は、前記永久磁石5aと対面し、対面する度に、前記薄膜型円柱磁石と永久磁石5aとの間には引力が発生して薄膜弁151が瞬時に開く。また、薄膜化学分析装置100は、回転中なので薄膜弁151が開かれる瞬間ごとに流体が遠心力により移動する。
前記薄膜弁を閉鎖させようとするならば、前記スライダー211上の永久磁石5aを距離R4地域に移動させる。
距離R4にある永久磁石5aは、前記薄膜弁151、152、153に何らの影響も与えない。しかし、前記薄膜弁の流孔上側に位置した永久磁石4a、4b、4cと薄膜型円柱磁石7a、7b、7cとの間の引力により流孔が閉される。
【0095】
本発明において、望ましくは、薄膜化学分析装置100上の流体移動は流路の親水性表面処理による親水性流体移動、または親水性流体移動及び前記スライダー211上の永久磁石5aの該当流孔中心への迅速な接近と離脱の反復動作により引き起こされた薄膜型円柱の磁石の上下運動による流体に作用するポンピング力、または前記薄膜型円柱の磁石の迅速な上下運動による流体に作用するポンピング力により流体が移動することを特徴とする。
以下、前記ポンピング力による流体移動を"ポンピング流体移動"と称する。
本発明において、望ましくは、前記親水性流体移動及びポンピング流体移動は、下記"放射方向の弁探索過程"と"方位角方向の弁探索過程"が先行されることを特徴とする。
(1)"放射方向の弁探索過程"は、放射方向に永久磁石5aを移動させる過程で、前記流孔中心の半径(R1またはR2またはR3)に該当する位置に前記スライダー211上の永久磁石5aを移動させることによってなされる。(2)その後、該当半径上で永久磁石5aと流孔の位置を一致させるために"方位角方向の弁探索過程"が必要である。
これは、スライダー211を中止したまま、スピンドルモータ102を徐行させるか、スピンドルモータの短い回転と中止の反復動作を通じてなされる。スピンドルモータの徐行または複数回の短い回転を通じて、スライダー211上の永久磁石5aと該当半径上にある薄膜型円柱磁石7a、7b、7cと一旦一致すれば、それらの間の強い引力により前記徐行または短い回転は、これ以上の薄膜化学分析装置を回転させることができず、この際、永久磁石5aと流孔中心との整列がなされる。
すなわち、前記流体移動は、"放射方向の弁探索過程"と"方位角方向の弁探索過程"により永久磁石5aと該当薄膜弁の流孔中心と一致して、該当薄膜弁が開放された後、前記親水性流体移動により流体が移動するか、前記"ポンピング流体移動"方式のスライダー211を流孔を中心に前後または左右に揺動させることによって、薄膜型円柱7a、7b、7c磁石の迅速な上下運動による流体に作用するポンピング力と流路の親水性表面処理による親水性流体移動により流体が移動する。
また、本発明において、前記"方位角方向の弁探索過程"は、方位角方向の弁探索必要時点でスピンドルモータ102の軸に機械的に連結接続されるステップモータの回転制御によりなされることを特徴とする。ステップモータの回転によってスピンドルモータ102の回転角度が制御される。
図面符号7、8、9及び10は、薄膜化学分析装置の高速回転の間、漏液を防止するための液体弁である。
本発明において、前記液体弁は親水性コーティングされた"V"または"U"字状の流路7、8、9、10が望ましい。
【0096】
図面符号131は、前記準備チャンバ130で得られた試料を一時保存するか、前記準備チャンバ130で得られた試料を希釈させるための希釈溶液を保存するか、試料に標識子を付けるための標識子を保存しているバッファチャンバである。一般的に前記標識子は、抗体またはDNAが結合された形態の発色用粒子であって、金(goldまたはgold conjugate)またはラテックスまたは蛍光標識または夜光標識または放射能同位元素または酵素(enzymeまたはenzyme linked antibody)標識を有する。前記酵素は、酵素と反応する基質溶液により発色する。
本発明において、望ましくは、前記酵素と反応して発色する基質溶液を保存している基質チャンバをさらに備えたことを特徴を行う。本発明において、前記試料は、血清、DNA、蛋白質、配位子、受容体など特異的生化学結合反応を起こすバイオ物質が望ましい。
【0097】
図面符号18b、18c、18d及び18eは、該当チャンバに試薬をあらかじめ注入するための試薬注入口または排気口である。
図面符号290aは、ディスク生産及び組立時に必要な薄膜化学分析装置の整列(alignment)のための基準孔である。この基準孔290aは、ジグに設けられた固定軸に挿入される。
【0098】
本発明において、前記バッファチャンバ131の標識子は、液相の代わりに固相粒子であることが望ましい。それらは希釈バッファチャンバ131aに保存されている希釈溶液により溶解されて液相となる。
前記固体粒子は、tablet、ball、grain、powder形態または多孔性パッドに冷凍乾燥された形態のうち、選択された粒子を意味する。
【0099】
本発明の薄膜化学分析装置において、望ましくは、前記バッファチャンバ131内にはチャンバ内の液体物質(抗原と希釈溶液、または抗原と標識子、または固体粒子と希釈溶液)が互いによく混合されるように磁性体小型ビーズを内蔵し、前記スライダー211上の永久磁石5aにより前記磁性体小型ビーズに引力を作用させてスライダー211の迅速な動きによってチャンバ内の磁性体小型ビーズが搖動されることによって、液体の混合動作を誘導させることを特徴とする。
また、前記永久磁石5aの代わりに、電磁石のON/OFF制御または磁場方向変化により、チャンバ内の磁性体小型ビーズが共に連動されることによって、液体の混合動作を誘導しうる。
本発明の薄膜化学分析装置において、望ましくは、前記バッファチャンバ131はバッファチャンバ内に挿入(貯蔵)された磁性体小型ビーズと、前記スライダー211上の永久磁石5aをバッファチャンバ131の該当半径で停止させたままで、薄膜化学分析装置の回転または正逆転の反復によってバッファチャンバ内の磁性体小型ビーズが(磁石の引力によって)動くことによって、混合動作を誘導することを特徴とする。
本発明において、望ましくは、前記混合動作は、混合動作を行おうとするチャンバに対して、"放射方向のチャンバ探索過程"または"放射方向のチャンバ探索過程"と"方位角方向のチャンバ探索過程"が先行されることを特徴とする。
【0100】
本発明の薄膜化学分析装置において、望ましくは、前記準備チャンバ130は、定量の血または定量の検体のみを貯蔵するために、定量を超える過剰血または検体が準備チャンバに注入された場合、過剰血または検体を保存するための過剰チャンバ129をさらに備えたことを特徴とする。図面符号18aは、過剰チャンバ129の排気口である。
準備チャンバ130に過剰で注入された検体は過剰チャンバ129に移動することで、準備チャンバ130には常に定量のサンプルが保存される。
本発明の薄膜化学分析装置において、望ましくは、前記過剰チャンバ129は、定量を超える過剰検体(または血)を薄膜化学分析装置の回転中に遠心力により定量流路93を通じて過剰チャンバ129に移動させることを特徴とする。前記定量流路93の高さ調節(放射方向の距離に該当)により準備チャンバ130に残るサンプル(検体)量を決定する。前記定量流路93の高さ以上の準備チャンバ内の検体は、回転間遠心力により定量流路93を通じて過剰チャンバ129に移動する。
【0101】
図面符号151、152及び153は、薄膜弁を示し、図面符号151a、152a及び153aはバースト弁を示す。
本発明において、図18ないし図20及び図24、図25の薄膜弁151は、パルス弁動作により準備チャンバ130の試料をバッファチャンバ131に移送させることが望ましい。
図19ないし図22には、選択事項として薄膜弁152が図18のようにバッファチャンバ131の出口にさらに設けられうる。この場合、薄膜弁152は、前記親水性流体移動またはポンピング流体移動によりバッファチャンバ131の流体が流路7、291を通じて分析サイト132に移動することが望ましい。
図19ないし図23には、選択事項として、図18のように薄膜弁153と洗浄チャンバ128が流路8と共にさらに設けられうる。この場合、流路8、291は、薄膜弁153による前記親水性流体移動またはポンピング流体移動により洗浄チャンバ128の溶液が分析サイト132に移動される通路を提供することを特徴とする。
本発明において、図19ないし図23の流路7は、薄膜化学分析装置100の回転中に流路7自体の液体弁機能によりバッファチャンバ131(図23の場合は、準備チャンバ130または補助準備チャンバ130a)に抑留されていた流体が回転停止瞬間に親水性流体移動により分析サイト132に移動する通路を提供することを特徴とする。
【0102】
図18、図20、図21及び図26において、図面符号128a及び131aは、液体貯蔵チャンバであって、各々洗浄溶液及び希釈溶液を保存しているが、遠心力によるバースト弁152a、153aの開放時、それら溶液は各々洗浄チャンバ128及びバッファチャンバ131に移動する。この場合、バッファチャンバ131には、前記固体粒子標識子が保存され、希釈溶液により溶解されて液体状態の標識子となる。
図21、図22及び図26において、準備チャンバ130の出口に薄膜弁151の代わりにバースト弁151aを使用した一実施例である。バースト弁151aは、試料の遠心分離工程の間には閉塞されていて、バースト弁151aを開放するための速度(遠心分離以上の速度)で回転時に開放され、この際、検体から分離された試料がバッファチャンバ131に移動する。
【0103】
図23は、バッファチャンバ131と前記薄膜弁及びバースト弁を使用しない一実施例であって、遠心分離工程の間には流路7の液体弁機能により抑留されていて、回転停止時に準備チャンバ130または補助準備チャンバ130aから試料が親水性流体移動により分析サイト132に移動する。図23の上部図面の実施例の場合は、選択事項として準備チャンバ130の出口に薄膜弁151をさらに備えうる。
また、図23の上部図面の実施例の場合は、選択事項として前記図18の過剰チャンバ129をさらに備えうる。
図23を参照して詳細に説明する。
(1)薄膜化学分析装置100の使用前、ユーザは採血した血(または検体)をサンプル注入口121を通じて準備チャンバ130に注入すれば、前記準備チャンバ130に検体が保存される。
(2)その後、薄膜化学分析装置を前記薄膜化学分析装置のドライブにローディングすれば、薄膜化学分析装置は高速回転され、この際、遠心分離により準備チャンバ130内の血を血清と血栓とに分離させるか、検体から試料を分離させる。図23の下部図面の場合は、遠心分離後、高速回転によりバースト弁151aを開放させて補助準備チャンバ130a内に分離された試料を移動させる。前記遠心分離または高速回転の間に前記流路7自体に形成された液体弁機能により試料が分析サイト132に移動せず、準備チャンバ130または補助準備チャンバ130a内に抑留される。
(3)その後、薄膜化学分析装置の回転を中止させれば、前記流路7、291を通じて親水性流体移動またはポンピング流体移動または薄膜弁の開放により試料が分析サイト132に移動する。その後、適正時間抗原-抗体反応または生化学結合反応のためにインキュベーションする。
(4)その後、薄膜化学分析装置を高速回転させて、分析サイト132を遠心力により脱水及び洗浄する。
(5)その後、分析サイト132の反応結果を前記光学測定装置、電気化学測定装置、インピーダンス測定装置、イメージセンサー装置、バイオピット探知装置、蛍光探知装置、夜光探知装置、放射能探知装置、分光光度計、SPR(Surface Plasmon Resonance)探知装置または肉眼により判読する。
(6)その後、選択事項として前記判読結果による診断結果と処方とがコンピュータモニター上に表示され、自動または手動で該当専門医とインターネットを通じて遠隔接続され、前記診断結果データ及び問診表が必要時に専門医に遠隔伝送される。その後、患者は、専門医の処方を待つ。
【0104】
図18の下部図面の一実施例は、少ない検体を使用した薄膜分析装置に適当な一実施例を示す。図面符号128a及び128bは、液体貯蔵チャンバであって、洗浄チャンバ128aの洗浄溶液はバースト弁153aの開放によりチャンバ128に移動し、仮想試料チャンバ128bの仮想試料はバースト弁153bの開放によりチャンバ128に移動する。
多量の検体を患者から抽出することは患者に非常に負担となる。したがって、少量の検体のみで薄膜分析装置を動作させることは非常に重要である。
図18の下部図面は、少量の検体から試料を分離するために楔状準備チャンバ130を使用した。検体量が少ないために検体から分離された試料はさらに少ない。分離された試料は、流路7を通じて移動して分析サイト132に達する。
もし、分析サイト132を前記NCメンブレン、ナイロンメンブレン及び多孔性メンブレンのうち、選択された1つで形成され、前記メンブレンは一端にサンプルパッドとコンジュゲートパッド、他端は吸収パッドをさらに備えた場合、前記試料は、前記メンブレンを拡散移動しつつ、メンブレン上のマーカーないし捕獲プローブと反応を起こすのには非常に足りない量である。サンプルパッドを濡らすことさえできない量である。
したがって、サンプルパッドを濡らした後、試料を追加供給せねば、これ以上の拡散は起こらない。試料の追加供給が不可能なので、仮想試料を流路291を通じて追加供給する。このためにバースト弁153bを開放して仮想試料を保存している仮想試料チャンバ128bから仮想試料をチャンバ128に移動させる。その後、薄膜弁153を開放して仮想試料を分析サイト132に追加供給すれば、拡散中断現象なしに試料が拡散を持続しうる。
メンブレン上の拡散が終われば、薄膜ディスクを高速回転させて、脱水、乾燥させる。その後、バースト弁153aを開放して洗浄溶液をチャンバ128に移送させ、薄膜弁153を開放して分析サイト132上の乾燥されたメンブレンに洗浄溶液を供給して拡散させることで、分析サイトを洗浄する。
その後、拡散が終われば、薄膜ディスクを高速回転させて脱水、乾燥させる。
前記仮想試料は、試料より拡散速度が遅くなければならない。試料より仮想試料の拡散速度が速ければ、メンブレン上に固定化された捕獲プローブの反応が仮想試料により妨害を受ける。
本発明において、望ましくは、前記仮想試料は、試料より粘度がさらに高い溶液を使用することを特徴とする。
本発明において、望ましくは、前記仮想試料は、グリセロールが添加された洗浄溶液が望ましい。図18の下部図面の実施例の場合、前記メンブレンは、サンプルパッドを含まないことが望ましい。この場合、さらに少ない試料だけでも、反応が可能である。
【0105】
図24及び図25は、分析サイトが異なるセクターに並列に配列されて単一サンプルに対する多種の生化学反応分析のためのラボオンチップの諸般工程が配された薄膜化学分析装置の一実施例を示す。
前記生化学反応分析とは、血液内のGOT、GPT、ALP、LDH、GGT、CPK、Amylase、T-蛋白質、Albumin、グルコース、T-Cholesterol、Triglycerides、T-BilirubinD-Bilirubin、BUN、Creatinine、I.Phosphorus、Calcium、UricAcidなどの分析をいう。
図面符号130は、注入口121を通じて注入された血から遠心分離により試料を準備するための準備工程を行う準備チャンバであり、図面符号132a、132b、132c及び132dは、生化学反応のためのチャンバであり、前記生化学反応と生化学反応の結果を分析及び診断するための試薬が保存されており、前記準備チャンバ130で供給される試料と生化学反応を行う分析サイトである。本発明では、前記分析サイトに保存された試薬は、生化学分析用試薬を高濃縮した固体粒子状のものが望ましい。前記分析サイト132a、132b、132c、132dに保存された固体粒子は、希釈溶液により溶解され、液相の試薬に変換されることが望ましく、後で試料と生化学反応を行う。
前記希釈溶液は、薄膜化学分析装置100の回転時、バースト弁155a、155b、155c及び155dの開放動作により希釈溶液貯蔵チャンバ134a、134b、134c及び134dに保存された液相の希釈溶液がそれぞれの該当分析サイト132a、132b、132c及び132dに供給される。
前記"生化学反応分析"のための互いに異なる種類の固体粒子の試薬は、一種の統一された希釈溶液により液相の試薬に転換されることを特徴とする。
すなわち、前記複数個の独立した分析サイト132a、132b、132c及び132d毎に定量の希釈溶液を供給するために各分析サイトの固体粒子に対する希釈比率に該当する定量のボリュームを有する希釈溶液貯蔵チャンバ134a、134b、134c及び134dを備える。
図面符号7は、薄膜化学分析装置の高速回転中に漏液を防止するための液体弁である。
本発明において、前記液体弁は、親水性コーティングされた"V"または"U"字状の流路7が望ましい。
図面符号131は、前記準備チャンバ130で得られた試料を一時保存するか、前記準備チャンバ130で得られた試料を希釈させるための希釈溶液を保存するか、試料に標識子を付けるための標識子を保存しているバッファチャンバである。一般的に前記標識子は、抗体またはDNAが結合された形態の発色用粒子であって、金(goldまたはgold conjugate)またはラテックスまたは蛍光標識または夜光標識または酵素(enzymeまたはenzyme linked antibody)を有する。前記酵素は、酵素と反応する基質溶液(substrate)により発色する。
図面符号290aは、基準孔であり、129は前記過剰チャンバである。
図面符号131aは、選択事項であり、希釈溶液を保存している希釈バッファチャンバである。
バースト弁152aの開放により希釈バッファチャンバ131a内の希釈溶液がバッファチャンバ131に投入される。
本発明で前記標識子は、液相の代わりに固相粒子が望ましい。それらはバースト弁152aの開放により希釈バッファチャンバ131aに保存されている希釈溶液がバッファチャンバ131内に投入されることによって、前記バッファチャンバ内の標識子を溶解させて溶液状態に作る。
他の実施例は、本発明で前記標識子は、希釈バッファチャンバ131aに液相の標識子を保存していて、薄膜化学分析装置の使用時にバースト弁152aの開放によりバッファチャンバ131に供給することもできる。
図面符号151、152、154a、154b、154c及び154dは、薄膜弁であり、図面符号152a、155a、155b、155c、155d、156a、156b、156c及び156dはバースト弁である。
図面符号13a、13b、13c、13d及び14は排気口である。
【0106】
図24を参照すれば、定量チャンバ140a、140b、140c及び140dは、対応する分析サイト132a、132b、132c及び132dに定量の試料を供給するためのチャンバであり、定量チャンバ140a、140b、140c及び140dの容積が分析サイトに供給される試料の量を決定する。
流路7と同心円流路9は、親水性コーティングされており、オーバーフローチャンバ132eは疎水性コーティングされている。
したがって、薄膜弁152の開放によりバッファチャンバ131内の試料が流路7を経て同心円流路9に沿って親水性流体移動する。定量チャンバ140a、140b、140c及び140dは親水性コーティングされているチャンバであり、前記同心円流路9への試料移動の間に満たされる。この際、オーバーフローチャンバ132eは疎水性であるために、同心円流路9と定量チャンバ140a、140b、140c及び140dにのみ試料が満たされる。
前記同心円流路9は同心円を有するように設計されていて回転時に同じ遠心力を受ける。
したがって、同心円流路9に試料が満たされた後、薄膜分析装置を回転させれば、前記定量チャンバ140a、140b、140c及び140d内にのみ試料が保存されたまま残っており、同心円流路9を満たしていた試料は遠心力によりオーバーフローチャンバ132e側にいずれも抜け出る。
その後、前記薄膜弁154a、154b、154c及び154dを前記パルス弁動作により開放させ、それぞれの分析サイト132a、132b、132c及び132d内に前記定量チャンバ140a、140b、140c及び140d内の試料を流入させて試薬との生化学反応を起こす。本発明において、前記薄膜弁154a、154b、154c及び154dは、同心円上に配されており、パルス弁動作時に同時に開放されることが望ましい。
以後、前記分析サイト132a、132b、132c及び132dを前記分光光度計により分析サイト内の試料の光吸収率を測定することによって、試料の生化学反応結果を定性分析または定量分析する。
本発明において、前記同心円流路9は、同心円を有するように設計されており、回転時に同じ遠心力を受けて前記薄膜化学分析装置100を回転させれば、前記定量チャンバ140a、140b、140c及び140dにのみ試料が保存されたまま残っており、同心円流路9を満たしていた試料は、遠心力によりオーバーフローチャンバ132eに形成された疎水性障壁を克服してオーバーフローチャンバ132e側にいずれも抜け出ることを特徴とする。
【0107】
図25は、4個の並列セクター170a、170b、170c及び170dを有する薄膜化学分析装置の一実施例を示す。検査項目の増加によって、セクター数を増加させることができる。各セクターは、同じ方式で動作する。
図25を参照すれば、薄膜弁152の開放によりバッファチャンバ131内の試料が流路7を経てセクター流路7a、7b、7c及び7dを通じて親水性流体移動する。それらセクター流路は、試料移動通路の役割もするが、各セクター流路の長さと幅とを調節して各セクターに供給される試料量を決定する定量チャンバの役割もする。セクター170aの場合、セクター流路7aに満ちている試料は、バースト弁156aの開放により分析サイト132a内に流入され、セクター170bの場合は、セクター流路7bに満ちている試料はバースト弁156bの開放により分析サイト132b内に流入されて試薬との生化学反応を起こす。
以後、前記分析サイトを前記分光光度計により分析サイト内の試料の光吸収率を測定することによって、試料の生化学反応結果を定性分析または定量分析する。
前記バースト弁156a、156b、156c、156dの代りに薄膜弁を使用し、この場合、パルス弁動作により同時に開放されて試料が分析サイト内に移動しうる。前記セクター流路から分析サイトへの試料移動は、弁開放中に遠心力によりなされ、この場合、互いに隣接したセクター流路間の干渉がない形態でセクター流路が設計される。すなわち、セクター流路7aの試料がセクター流路7bに属した分析サイト132bに移動せず、分析サイト132aにのみ移動する。前記セクター流路は、セクター流路間の干渉を最小化するために、遠心力が発生する間に試料が各セクター流路に孤立されるように"V"または"U"字状を有する。
本発明において、前記分光光度計108の計測のための"方位角分析サイト探索"はステップモータまたはステップモータに連結されたギア連結による薄膜化学分析装置の回転角制御によりなされることを特徴とする。
本発明において、前記分光光度計108の計測のための"方位角分析サイト探索"は、分析サイト探索用の薄膜円柱磁石を胴体の円周上に配置して、前記"方位角方向弁探索"過程を応用した"方位角分析分析サイト探索"を施行することによってなされるか、胴体100の回転中にブランク溶液チャンバにより分析サイトを空間アドレッシングして各分析サイト内の試料の光吸収率を胴体が回転する間に順次に計測することによってなされることを特徴とする。この場合、前記胴体はブランク溶液を貯蔵するための分析サイトのような半径を有するブランク溶液チャンバをさらに備え、ブランク溶液の透光度が100%(吸光度0)になるように分光光度計を調節した後、各分析サイト内の試料に対する吸光度を測定する。ブランク溶液の吸光度は、常に"0"なので、胴体が回転する間にブランク溶液チャンバを識別し、これにより、ブランク溶液チャンバを基準に分析サイトの空間アドレッシングが可能である。
本発明において、前記バースト弁155a、155b、155c、155dは同じ時点に開放されることを特徴とする。
本発明において、前記バースト弁156a、156b、156c、156dは同じ時点に開放されることを特徴とする。
本発明において、前記バースト弁155a、155b、155c、155d及びバースト弁156a、156b、156c、156dは互いに異なる時点に開放されることを特徴とする。
【0108】
図26は、ELISA(Enzyme-Linked Immunosorbent Assays)またはCLISA(Chemical Luminescence Immunosorbent Assays)検査のためのラボオンチップの諸般工程が配された本発明のさらに他の実施例による薄膜化学分析装置を図示する。
酵素の作用で免疫グロブリンの存在を確認することができるが、このような技術を酵素結合免疫吸収分析法(ELISA)と称し、これは当業者に公知技術である。この免疫学的検査方法は、抗体分子に酵素を共有結合で付着させて高い特異性と敏感度を有するために、定性及び定量分析に有利であって、臨床的に広く使われている(0.001-0.01μg/mlまで測定可能)。この技法は、酵素の触媒作用と抗体の特異性に変化を与えずに酵素を共有結合させた抗体を使用する。
典型的な結合酵素としては、horseradish peroxidase(過酸化酵素)、alkaline phosphatase、β-galactosidaseを使用するが、いずれも反応生成物が色合いを表し、非常に少量でも測定可能な反応を触媒する。
ELISAには、direct EISA、indirect ELISA、sandwich ELISA、competition ELISA方法などが公知されている。
【0109】
以下、図面26を参照して詳細に説明する。本発明において、ELISA(Enzyme-Linked Immunosorbent Assays)またはCLISA(Chemical Luminescence Immunosorbent Assays)検査方法によるラボオンチップの諸般工程が配された薄膜化学分析装置は、準備チャンバ130で得られた試料と特異的生化学結合反応を行うチャンバに特徴があり、前記試料を分析及び診断するための捕獲プローブが基質に付着されている分析サイト132と、前記特異的生化学結合反応が起こっていない残渣ないしは結合されずに浮遊する酵素を集めるためのトラッシュチャンバ133と、抗体またはDNAが結合された酵素(secondary antibody、conjugate)を保存している酵素チャンバ134aと、前記試料を希釈させるための希釈溶液(dilution buffer)を貯蔵するか、試料に標識子を付けるための標識子を保存している希釈溶液チャンバ131aと、前記酵素と反応して発色する基質溶液(Chromogen、substrate)を保存している基質チャンバ135aと、選択事項として定量を超える希釈溶液を保存するための過剰チャンバ131bと洗浄工程に必要な洗浄液を保管する洗浄チャンバ128aとを備えたことを特徴とする。
前記過剰チャンバ131bは、定量を超える過剰希釈溶液ないしは標識子を薄膜化学分析装置の回転中に遠心力により定量流路94を通じて過剰チャンバ131bに移動させることを特徴とする。
図面符号154及び155は薄膜弁であり、図面符号151a、152a、153a、154a及び155aはバースト弁である。図面符号128a、131a、134a及び135aは、液体貯蔵チャンバに各々洗浄溶液、希釈溶液、酵素溶液、基質溶液を保存している。前記液体貯蔵チャンバ128a、131a、134a及び135a内の液体は、薄膜化学分析装置100の動作時にバースト弁151a、152a、153a、154a及び155aに開放によりそれぞれの該当チャンバ128、131、134、135に移動する。
【0110】
図26を参照して薄膜化学分析装置を用いたELISA及びCLISA分析方法を詳細に説明する。
(1)薄膜化学分析装置100の使用前、ユーザは採血した血(または検体)をサンプル注入口121を通じて準備チャンバ130に注入すれば、前記準備チャンバ130に検体が保存される。
(2)その後、薄膜化学分析装置を前記薄膜化学分析装置ドライブにローディングすれば、薄膜化学分析装置は高速回転され、この際、遠心分離により準備チャンバ130内の血を血清と血栓とに分離させるか、検体から試料を分離させる。遠心分離後、高速回転によりバースト弁151aを開放させ、補助準備チャンバ130a内に分離された試料をバッファチャンバ131に移動させる。また、この際、バースト弁151a、152a、153a、154a及び155aも開放して前記液体貯蔵チャンバ128a、131a、134a及び135a内の液体は、それぞれの該当チャンバ128、131、134、135に移動させる。前記高速回転間前記流路7、8、9、10の自体に形成された液体弁機能によりチャンバ128、131、134、135内の溶液が分析サイト132に移動せず、それぞれのチャンバ内に抑留される。
(3)選択事項として、バッファチャンバ131で試料と希釈溶液との混合動作を行う。
(4)薄膜弁152を開放して流路7、291を通じた親水性流体移動によりバッファチャンバ131内の試料を分析サイトに移動させた後、特異的生化学結合反応のためのインキュベーションを行う。
(5)薄膜化学分析装置100を高速回転して分析サイトを脱水及び洗浄する。この際、特異的結合をしない試料をトラッシュチャンバ133に移動させる。
(6)薄膜弁154を開放して流路9、294を通じた親水性流体移動によりチャンバ134内の酵素溶液を分析サイトに移動させた後、特異的生化学結合反応のためのインキュベーションを行う。
(7)薄膜化学分析装置100を高速回転して分析サイトを脱水及び洗浄する。この際、特異的結合をしない酵素をトラッシュチャンバ133に移動させる。
(8)薄膜弁155を開放して流路10、295を通じた親水性流体移動によりチャンバ135内の基質溶液を分析サイトに移動させた後、酵素との発色反応のためのインキュベーションする。
(9)その後、分析サイト132の反応結果を前記光学測定装置、電気化学測定装置、インピーダンス測定装置、イメージセンサー装置、バイオピット探知装置、蛍光探知装置、夜光探知装置、放射能探知装置、分光光度計、SPR(Surface Plasmon Resonance)探知装置、または肉眼で判読する。
(10)その後、選択事項として、前記判読結果による診断結果と処方とがコンピュータモニター上に表示され、自動または手動で該当専門医とインターネットを通じて遠隔接続され、前記診断結果データ及び問診表が必要時に専門医に遠隔伝送される。その後、患者は専門医の処方を待つ。
【0111】
図28は、液体を注入及び保存する液体貯蔵チャンバの製造工程の一実施例を図示する。
図28を参照すれば、液体貯蔵チャンバ320は、上部基質1、中間基質2、下部基質3が積層され、それら陰刻されて構成されたことを特徴とする。
製造工程のうち、中間基質2と下部基質3とが積層組立てられた状態で、ディスペンサー120(液体定量吐出器サンプル注入手段)により液体貯蔵チャンバ320に液体350が定量投入される。前記液体貯蔵チャンバ320は、液体投入時に投入された液体がチャンバ320の外郭にできるだけ集まるようにチャンバ内に高さの変化を与えた。すなわち、液体は、毛細管原理によりチャンバの高さが低い所(チャンバの空間が狭い所)が望ましいので、チャンバ孔321周囲のチャンバ高さbに比べてチャンバ孔321外郭の高さaをさらに低くすることで、液体がチャンバ孔321からできるだけ遠ざかるようにし、液体投入後に上部基質1の積層組付けを容易にした。
このような液体貯蔵チャンバは、別途の液体注入口がないので、液体注入口を通じた液体の蒸発を防止することができる。
本発明において、前記液体貯蔵チャンバは、チャンバの外郭の高さをチャンバの中央部より小さくして、液体がチャンバの外郭に集まるようにすると同時に、液体貯蔵チャンバに液体を注入するための別途の液体注入口がないことを特徴とする。
本発明において、前記液体貯蔵チャンバを構成する上部基質1と下部基質3自体にいかなる孔(液体注入口、排気口)もないことを特徴とする。
一般的に、液体貯蔵チャンバに液体を注入するためには、液体注入口が必要であり、液体注入後に液体貯蔵チャンバの液体注入口を密封するが、密封の不完璧性により液体蒸発の問題を有する。
この場合、液体蒸発を防止しようとするならば、COC(環状オレフィン高分子:Cyclic Olefin Copolymer)で液体注入口を密封せねばならないが、これは製造工程を複雑にする。
【0112】
図29は、残留農薬検査のためのラボオンチップの諸般工程が配された本発明のさらに他の実施例による薄膜化学分析装置を図示する。
図29を参照すれば、図面符号101aはサンプルメンブレンであり、101bはコントロールメンブレンである。
サンプルメンブレン101aは、検体から得られた試料に対する分析を行い、コントロールメンブレン101bはブランクテストで反応強度の零点基準を取るためのものである。この零点を基準にサンプルメンブレンの反応強度を測定する。
チャンバ191及びチャンバ194の固体試薬1及び固体試薬2とが各々保存されており、液体貯蔵チャンバ180a、191a、194aには、蒸溜水が保存されており、液体貯蔵チャンバ192aには燐酸緩衝溶液が保存されている。
サンプル採取棒により野菜または果物からの検体をサンプル注入口121を通じて準備チャンバ130にローディングする。
以後、準備チャンバ130に保存された検体は、チャンバ190に保存された試料抽出液をバースト弁161aの開放により準備チャンバに移送し、前記の混合動作により試料抽出液果検体をよく混合する。その後、薄膜分析装置100を高速回転させて試料を残渣と分離する。
遠心分離する間にバースト弁162a、163a、164aは開放される。
液体貯蔵チャンバ180a、191a、194aには、蒸溜水が保存されており、前記バースト弁162a、163a、164aの開放により蒸溜水がチャンバ180、191、194に移動し、チャンバ191及びチャンバ194内の固体試薬1と固体試薬2とを混合し、それらを溶解させて、各々液体試薬1と液体試薬2とを作る。この際、固体試薬1と固体試薬2が、蒸溜水によりよく溶解されるように前記混合動作を行う。
また、液体貯蔵チャンバ192aには、燐酸緩衝溶液が保存されており、遠心分離の間にバースト弁165aが開放されて燐酸緩衝溶液がチャンバ192に移動する。
遠心分離以後、薄膜弁161を前記"パルス弁"動作により試料抽出液により抽出された試料をチャンバ191に移送させる。移送された試料は、チャンバ191内の液体試薬1と混合されて反応するように混合とインキュベーションとを行う。
以後、薄膜弁164を開放してチャンバ194の液体試薬2をチャンバ191内に投入させて試料と再び混合反応させた後、インキュベーションする。
以後、薄膜弁162のパルス弁動作により燐酸緩衝溶液が入っているチャンバ192に、液体試薬1と液体試薬2との反応をいずれも終えた試料を移動させて燐酸緩衝溶液と混合反応後、回転しつつ、インキュベーションする。薄膜分析装置100の回転中には、液体弁7のために試料の分析サイト132への移動は不可能である。
以後、薄膜分析装置100が停止すれば、試料が親水性流路7、291aを通じてサンプルメンブレン101aに投入されて拡散してサンプルメンブレン101a上の酵素またはマーカーと反応する。
これと同時に、薄膜弁163を開放すれば、親水性コーティングされた流路8、291bを通じてチャンバ180に保存された蒸溜水がコントロールメンブレン101bに投入されて拡散してコントロールメンブレン101a上の酵素またはマーカーと反応する。
【0113】
以後、選択事項として、薄膜分析装置を高速回転して脱水乾燥後に分析サイトの反応結果を分析する。
以後、分析サイト132の反応結果を前記光学測定装置、電気化学測定装置、インピーダンス測定装置、イメージセンサー装置、バイオピット探知装置、蛍光探知装置、夜光探知装置、放射能探知装置、分光光度計、SPR(Surface Plasmon Resonance)探知装置、または肉眼で判読する。
以後、選択事項として、前記判読結果による検査結果がコンピュータモニター上に表示され、自動または手動で該当官庁または食品業者のサーバーにインターネットを通じて遠隔接続され、それらサーバーに履歴が報告されるか、無線RF IC(電子タグ)のメモリに検査結果と各種検査履歴とが保存される。
該当官庁は、残留農薬現況が把握できて良く、食品業者は清潔な農畜産物の購入先についての情報が得られ良い。また該当官庁は、それら情報をウェブに載せて一般の消費者が該当農畜産業体で直取引を通じて清潔な農畜産物を購買しうる情報を提供できるという利点がある。
前記酵素ないしマーカーは、野菜、果物中に含まれた農薬のうち、使用量が最も多くの有機リン系、カーバメート系殺虫剤を検査するためであることを特徴とする。
本発明において、望ましくは、前記酵素は、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)であることを特徴とする。
【0114】
図30及び図31は、本発明の薄膜化学分析装置の高速回転間漏液を防止するための本発明の一実施例による液体弁を図示する。
前記液体弁は、薄膜化学分析装置100の高速回転の間に、前記バッファチャンバ131または洗浄チャンバ133に入っている液体が薄膜弁152、153の出口側に設けられた"V"または"U"字状の流路7、8により形成され、次のチャンバ132に漏液されることを防止する。
図30及び図31は、"V"または"U"字状の流路7により具現された液体弁の詳細図面である。"V"または"U"字状の流路7は、さらに液体弁7a部分と流路7b部分とに細分しうる。液体弁の動作は、次の通りである。薄膜化学分析装置100の高速回転時、前記バッファチャンバ131から漏れた液体は、液体弁7aを先に満たす。一旦、液体弁7aを満たせば、液体弁7a内に入っている液体自体に対して放射方向の遠心力が作用し、これ以上の薄膜弁152から漏液を防止する。むしろ、漏液が遠心力により再びバッファチャンバ131内に回収される。
すなわち、薄膜化学分析装置100の高速回転時、バッファチャンバ131から液体が一部抜け出た場合、その液体自体に作用する遠心力により、バッファチャンバ131からさらに漏出されようとする力と既に漏れた液体自体に作用する遠心力間の力の均衡により、これ以上の漏液が防止される。このような既に漏れた液体に作用する遠心力により漏液を防止することを本発明では、"液体弁動作"と称する。
【0115】
本発明の薄膜化学分析装置において、望ましくは、前記薄膜弁の出口には、薄膜化学分析装置の高速回転の間に漏液を防止するための液体弁をさらに備えたことを特徴とする。
本発明の薄膜化学分析装置において、望ましくは、前記液体弁は"V"または"U"字状の流路または"液体弁動作"を起こす流路により具現されたことを特徴とする。
本発明において、前記液体弁7aは、薄膜化学分析装置100の回転中にパルス弁動作により準備チャンバ130からバッファチャンバ131に移送された試料の分析サイト132への移動を防止し、薄膜分析装置100の回転停止時に前記バッファチャンバ131内の試料が親水性流体移動により前記液体弁7aを通過して分析サイト132に流入されることを特徴とする。前記液体弁7aと流路7bは、親水性コーティングされたことが望ましい。
【0116】
図32ないし図34は、前記多孔性メンブレン上に多種の腫よう標識子をラインまたはスポット状に固定させたストリップの多様な実施例を図示する。
以下、多種の腫よう標識子ラインまたはスポットをテストラインと称する。図面符号41aは、コンジュゲートパッドまたはサンプルパッドまたはサンプルパッドとコンジュゲートパッドであり、図面符号41bは、吸収パッドである。図面符号41cは、多孔性メンブレンである。前記コンジュゲートパッドには、金コンジュゲートまたは酵素連結された抗体または夜光物質または蛍光物質のような標識子がパッド上に冷凍乾燥された形態に沈着されたことが望ましい。
前記キャプチャ抗体は、腫よう標識子を固定させることが望ましい。
前記腫よう標識子は、AFP、PSA、CEA、CA19-9、CA125及びA15-3から選択される1つ以上であることが望ましい。
前記キャプチャ抗体は、アルツハイマー疾患の特異マーカーのGS(Glutamine Synthetase)を固定させることが望ましい。
前記キャプチャ抗体は、心筋梗塞標識因子であるミオグロビン(Myoglobin)、CK-MB、トロポニンI(Tnl)を固定させることが望ましい。
【0117】
本発明において、望ましくは、AIDS、心筋梗塞、残留抗生物質、残留農薬、アレルギー及び乳癌検査のための1つ以上の標識子ないし捕獲プローブを前記多孔性メンブレン41c上に固定させた後、免疫クロマトグラフィー法により反応検査を行うことを特徴とする。
前記免疫クロマトグラフィー法は、免疫化学的方法とクロマトグラフィー法を結合した検査方法であり、抗原に対する抗体の特異的な免疫的反応性と金粒子(Colloidal gold)の発色特性及び流動性、多孔性メンブレンの毛細管現象による分子の移動を応用した検査方法である。免疫クロマトグラフィー法は、既存の多重段階の(multi-step)免疫測定法で見られる検体希釈、洗浄及び酵素結合体と基質の反応を通じた発色過程を1つで統合して、1段階(One-Step)で速かに検査できる便利性がある。また、検査結果を特定の装備を使用せずに判定できる容易性及び経済性、検査結果判読の迅速性の長所がある。
前記キャプチャ抗体は、腫よう標識子以外に基準ラインとコントロールラインのための抗体をさらに固定させることを特徴とする。基準ラインは複数個でありうる。
前記基準ラインの反応濃度は、陰性または陽性反応の判別を容易にするために基準値とすることを特徴とする。
前記基準ラインの基準値は、3ng/ml、4ng/ml、10ng/ml、20ng/ml、30ng/ml、40ng/ml及び50ng/mlのうち、選択されたことを特徴とする。
基準ラインとテストラインとの反応強度(reactionin tensity)の差により定性または定量分析することを特徴とする。
バックグラウンドとテストラインとの反応強度の差により定性または定量分析することを特徴とする。
複数個の基準ラインにより形成された反応強度に対する線形関数によりテストラインの反応強度を決定して定性または定量分析することを特徴とする。
基準ラインとコントロールラインにより形成された反応強度に対する線形関数によりテストラインの反応強度を決定して定性または定量分析することを特徴とする。
本発明において、前記反応強度は、多様な波長のLED照明下で反応強度がカラー強度により表現されたイメージ情報で得ることが望ましく、それらの多様な波長とカラー強度との2次元的関数関係により分析サイト132の反応結果を定量または定性分析することを特徴とする。
前記基準ラインは、吸収パッド41bまで試料が拡散した場合、陽性反応を示し、ストリップを使用したテストの有効性判別のために使用する。基準ラインが陽性である時のみ、テスト結果は有効である。
【0118】
前記多孔性メンブレン41cは、貫通流動または側面流動方式の多孔性メンブレン41cが使われ、これは当業者が既に生産していて購入が容易である。前記サンプルパッド41aには、試料または洗浄溶液が投入されうる。本発明において、前記貫通流動方式の多孔性メンブレンの場合は前記多孔性メンブレン41c上に多種の腫よう標識子または疾病マーカーまたは抗体をスポット状に固定させたストリップが望ましい。
サンプルパッド41aに試料が投入された場合、サンプルパッド41aにより吸収された試料は多孔性メンブレン41c上を毛細管現象により拡散移動しつつ、キャプチャ抗体と生化学的特異的結合する。前記多孔性メンブレン41cの末端部には、前記拡散移動を支援するための吸収パッド41bが設けられる。また、本発明では、選択事項として、サンプルパッドにはコンジュゲートパッドが連結され、この場合、サンプルパッドに流入された液体試料がコンジュゲートパッド上のゴールドコンジュゲートまたは酵素連結された抗体または夜光物質または蛍光物質と結合して複合体をなした後、多孔性メンブレン41c上を拡散移動することを特徴とする。
サンプルパッド41aに洗浄液が投入された場合、サンプルパッド41aにより吸収された洗浄液は多孔性メンブレン41c上を毛細管現象により拡散移動しつつ、キャプチャ抗体と結合しないか、非特異的結合した物質を洗浄して多孔性メンブレン41cの背景ノイズを除去する。
本発明において、前記図18ないし図23の分析サイト132内に、流路291とサンプルパッド41aとを連結するために、前記ストリップ41が設置されることが望ましい。
【0119】
図34を参照すれば、前記分析サイト132内のストリップ41を薄膜分析装置100の下端に設けられた前記イメージセンサー装置144で分析しようとする時、テストライン及び基準ライン、コントロールラインの位置をイメージセンサー装置が容易に把握するように案内ライン46a、46bが表示されている。案内ラインは、多孔性メンブレン41cの外郭に該当する部分を太いフレーム線46aを使用するか、前記テストライン、基準ライン、コントロールラインに対応する位置にマーカー位置ライン46bを薄膜分析装置100の下部基質3上に表示することによってなされる。
反応完了後、イメージセンサー144は、まずフレームライン46aを利用してメンブレン41c部分のみに沿って切り出してコントラスト及び照度を最適化する。その後、多孔性メンブレン41c上の最初の基準ラインを探す。これは太いフレーム線46aを利用して探しても、マーカー位置ライン46bを利用して探しても、またはそれらを組合わせて探しても良い。前記案内ラインは、赤色、黒色、紫色または青色が望ましい。
本発明において、望ましくは、前記イメージセンサー装置144による分析サイト132の分析時、照明による光に対して散乱と傷とによるノイズを抑制するために照明が上部基質1上で照射される場合、上部基質1を不透明処理することを特徴とする。透明度は、20〜50%であることが望ましい。
【0120】
図35は、図32ないし図34のストリップ41を薄膜化学分析装置100の分析サイト132内に設置した実施例を図示する。
図35を参照すれば、薄膜化学分析装置100は、血または細胞から試料(血清または血しょうサンプルまたは抗原またはDNAサンプル)を準備するための準備チャンバ130と、前記試料を希釈溶液により希釈させるためのバッファチャンバ131と、前記試料と抗原-抗体反応または混成化反応を行うための捕獲プローブがテストライン形態に付着(固定)されているストリップ41を内蔵した分析サイト132と、洗浄工程に必要な洗浄液を保管する洗浄チャンバ128と、洗浄工程により生成された残渣を集めるためのトラッシュチャンバ133で構成されたことを特徴とする。
図面符号151、152及び153は、流体の流れを制御するための薄膜弁である。
図面符号7及び8は、液体弁を流路内に形成させた流路である。前記バッファチャンバ131と洗浄チャンバ128には、工場で出荷される前に各々希釈溶液と洗浄溶液とを前記試薬注入口18b、18cを通じて注入して密封するか、前記図18のようにチャンバ131a、128a及びバースト弁152a、153aをさらに備えてバースト弁開放時にバッファチャンバ131と洗浄チャンバ128とに各々希釈溶液と洗浄溶液とを投入させうる。
【0121】
図35の薄膜化学分析装置を使用した動作実施例は、次の通りである。図35で薄膜弁152は選択事項である。また前記過剰チャンバ129をさらに備えうる。
本発明において、望ましくは、前記分析サイト132内に複数個のストリップ41が並列に設けられて単一サンプルに対する多種ストリップ検査が可能であることを特徴とする。
(1)薄膜化学分析装置100の使用前、ユーザは採血器具を使用して採血した血をサンプル注入口121を通じて血を注入すれば、前記準備チャンバ130に血が保存される。
(2)その後、薄膜化学分析装置を前記薄膜化学分析装置ドライブにローディングして薄膜化学分析装置を高速回転させて遠心分離を通じて準備チャンバ130内の血を血清(または血しょう)と血栓とに分離させる。
(3)前記パルス弁動作により薄膜弁151を開いて分離された血清(または血しょう)を前記バッファチャンバ131に移動させる。選択事項として、バッファチャンバ131内の希釈溶液と混合して血清(または血しょう)を希釈させることができる。
(4)(a)薄膜弁152が使われた場合:薄膜化学分析装置の停止状態で、薄膜弁152を開放して流路7を通じてバッファチャンバ131に保存されている血清(または血しょう)を親水性流体移動させる。その後、流路7の端部(ストリップ41のサンプルパッド41a部分)に血清(または血しょう)が達すれば、サンプルパッド41aにより吸収される。選択事項として、前記薄膜弁152による"ポンピング流体移動"により前記サンプルパッド41aに血清(または血しょう)の到達を促進させることができる。
(b)薄膜弁152が使われない場合:前記3段階で薄膜化学分析装置が回転中に流路7の液体弁動作によりバッファチャンバ131に保存されている血清(または血しょう)が分析サイト132側に移動しておらず、薄膜化学分析装置が停止すれば、前記流路7を通じてバッファチャンバ131に保存されている血清(または血しょう)が親水性流体移動して、流路7の端部に血清(または血しょう)が到達すれば、サンプルパッド41aにより吸収される。
(5)サンプルパッドにより吸収された血清(血しょう)は、以後、多孔性メンブレン41cの多孔性特性のために、毛細管現象により拡散され、血清内の抗原は、拡散過程中に多孔性メンブレン41c上の捕獲プローブと特異的結合反応(抗原-抗体反応)を行う。
(6)一定時間経過後、薄膜化学分析装置を高速回転させてストリップ41を脱水及び乾燥させる。前記脱水過程中に非特異的結合を行う抗原は、抗体から離脱されてトラッシュチャンバ133に移動する。
(7)その後、薄膜弁153を開放し、流路8を通じて洗浄チャンバ128に保存されている洗浄液を親水性流体移動させる。
(8)その後、前記流路8の端部(ストリップ41のサンプルパッド41a)まで洗浄液が到達すれば、サンプルパッド41aにより吸収される。選択事項として、前記薄膜弁153による"ポンピング流体移動"により前記サンプルパッド41a部分に洗浄液の到達を促進させることができる。前記(6)段階で、ストリップ41を乾燥させたために、ストリップの吸収能が再び復元された。
(9)サンプルパッド41aに吸収された洗浄液は、ストリップ41の多孔性特性のために毛細管現象により拡散され、拡散過程中にストリップ41上の非特異的結合反応または結合していない成分を洗浄除去する。
(10)その後、薄膜化学分析装置を高速回転させてストリップ41を脱水及び乾燥させる。
(11)以後ストリップ41上の反応結果を前記光学測定装置、電気化学測定装置、インピーダンス測定装置、イメージセンサー装置、バイオピット探知装置、夜光探知装置、蛍光探知装置、放射能探知装置、分光光度計、SPR探知装置または肉眼で判読する。
(12)その後、選択事項として、前記判読結果による診断結果と処方とがコンピュータモニター上に表示され、自動または手動で該当専門医とインターネットを通じて遠隔接続され、前記診断結果及び身長、体重、性別、年齢などが含まれた問診表が必要時に専門医に遠隔伝送される。その後、患者は専門医の処方を待つ。
【0122】
選択事項として、前記(4)〜(6)段階または(4)〜(10)段階を反復しつつ、ストリップ41上の反応結果を前記光学測定装置、電気化学測定装置、インピーダンス測定装置、イメージセンサー装置、バイオピット探知装置、夜光探知装置、蛍光探知装置、放射能探知装置、分光光度計またはSPR探知装置で判読し、反復(サイクル)回数による反応結果を定量分析(quantitative analysis)する。本発明では、前記定量分析は、サイクル毎の反応結果の発色強度の増加推移を見ることが望ましい。
また、選択事項として、前記実施例の希釈溶液は、標識子を含む溶液でありうる。
また、選択事項として、前記実施例でサンプルパッド41aは、コールドコンジュゲートパッドが結合された形態でありえる。
【0123】
再び図35を参照すれば、図面符号47aと47bは、分析サイト132内の両端に設けられた空気孔であり、薄膜化学分析装置の高速回転時に空気の流れを形成して前記ストリップ41の乾燥を速くする。洗浄工程前に、前記ストリップ41を乾燥させて、洗浄工程の間に、洗浄液がストリップ上でよく拡散されるようにして、拡散力によるバックグラウンドノイズ成分の洗浄を行わせる。
図35において、分析サイト132には、ストリップ41の代わりにバイオ物質がリンクされる金表面(gold surface)または金フィルム(gold film)またはSAM(self Assembly Monolayer)または多様な基質上に捕獲プローブが固定された分析サイトが適用され、これについての多様な実施例は、韓国出願"核酸及びオリゴヌクレオチドの相補的な二重結合の特定配列に特異的に反応する切断技法を用いた核酸混成分析方法及び装置"(2001.01.27.:10-2001-0003956)及びPCT出願の"核酸及びオリゴヌクレオチドの相補的二重鎖または単一鎖に特異的に反応する切断技法を用いた核酸混成分析方法及び装置"(2002.01.27.:PCT/KR02/00126)によく例示されている。
また、分析サイトは、ストリップの代わりに、液体試料の拡散移動を誘導するために、マイクロポアまたはグルーブ(pit)が設けられうる。
さらに他の薄膜化学分析装置の動作実施例は、図35の実施例において、洗浄チャンバ128、薄膜弁153及び流路8は使用せず、前記(1)〜(6)段階を含む薄膜化学分析方法を提供する。
【0124】
前記図18ないし図22に対するそれぞれの工程(準備工程、増幅工程、抗原-抗体反応工程、混成化工程、洗浄工程)の一実施例は次の通りである。
【0125】
抗原または血清(血しょう)を準備するための準備工程
前記準備チャンバ130において、血から血清を抽出するためのチャンバを準備するための準備工程の一実施例は次の通りである。
(1)血液10〜200μlを前記準備チャンバ130に設けられたサンプル注入口121を通じて注入する。選択事項として、前記準備チャンバ130には、抗凝固剤(anticogent)がヘパリンで薄膜を準備チャンバ130に被覆することによって、液相または粉末状態で入っている。
(2)薄膜化学分析装置を高速回転させつつ、血清と血栓とを分離する。
(3)薄膜弁151をパルス弁動作により開放し、前記準備チャンバ130から分離された血清(血しょう)をバッファチャンバ131内の希釈溶液または標識子と混合して試料を準備する。前記薄膜弁151のパルス弁動作による開放は、薄膜化学分析装置の中心からの距離R1に前記永久磁石5aを移動させることによってなされる。
【0126】
DNAサンプル準備のための準備工程
前記準備チャンバ130で血からDNAサンプルを抽出するための準備工程の一実施例は次の通りである。
(1)血液10〜200μlを前記準備チャンバ130に設けられたサンプル注入口121を通じて注入する。
(2)溶解バッファ(Lysis buffer)溶液により脂質を含んだ細胞の膜成分が破壊されて蛋白質と核酸とが溶解される。
(3)ここに、エチルアルコール(エタノール)を加えれば、DNAとRNAとが白色の沈殿物となって再び抽出される。
(4)エタノールにより沈殿されたDNAを得るために遠心分離すれば、準備チャンバ130の端部にDNAが集まり、準備チャンバ130の上澄液をトラッシュチャンバ133に流すことによって、細胞残骸を分離除去する。
(5)その後、準備チャンバ130に希釈バッファを投入してDNAと混合した後、DNAの全体体積を増加させた後、前記(5)過程を3回程度反復する。
(6)薄膜弁151をパルス弁動作により開放して、前記準備チャンバ130で準備されたDNAをバッファチャンバ131内の希釈溶液または標識子と混合して試料を準備する。前記薄膜弁151のパルス弁動作による開放は、薄膜化学分析装置の中心からの距離R1に前記永久磁石5aを移動させることによってなされる。
(7)その後、選択事項として、PCR工程またはDNA増幅工程により増幅されたDNAサンプル(以下、試料)を準備する。
【0127】
抗原-抗体反応工程及び混成化工程
この工程は、前記準備工程を通じて得られたバッファチャンバ131内に保存された試料(DNAサンプルまたは抗原または"ラベル-抗原の結合体"または"ラベル-DNAの結合体")を、分析サイト132に移動させて分析サイト上の捕獲プローブと生化学的特異的結合反応を行う工程であって、一実施例は次の通りである。
(1)バッファチャンバ131内の試料を薄膜弁152の開放または親水性流体移動により前記分析サイト132内に移動させる。
(2)薄膜化学分析装置を室温で3-5分間静止状態で培養して、前記試料とキャプチャ抗体間に抗原-抗体反応または混成化反応を起こす。
【0128】
洗浄工程
(1)薄膜化学分析装置を高速回転させて、捕獲プローブと非特異的結合または結合しない試料を遠心分離により除去する。
(2)選択事項として、薄膜弁153を開放して洗浄チャンバ128の洗浄溶液または溶出バッファを分析サイト132に移動させて、分析サイト132を洗浄する。
(3)選択事項として、前記(1)と(2)段階を反復する。
【0129】
薄膜化学分析装置100が前記薄膜化学分析装置ドライブ100aにローディングされれば、自動的に分析し始める。
しかし、サンプル注入口121を通じてサンプル未注入状態でローディングされた場合は、エジェクト及び/または警告メッセージをユーザに送る。
前記サンプル注入如何は、前記準備チャンバ130内にインピーダンス測定装置、イメージセンサー装置、光透過率測定装置のうち、選択されたサンプル注入チェック手段をさらに備えることによって確認可能である。すなわち、サンプルが注入された場合と、そうでない場合は、準備チャンバのインピーダンス特性、光透過率、準備チャンバの色が互いに異なるので、サンプル注入如何が分かる。
前記サンプル注入チェック手段によるサンプル、例えば、血の注入如何判別はサンプル注入後、薄膜化学分析装置を徐々に回転させて準備チャンバ130に注入されたサンプルを準備チャンバ130の円周方向にパッキング(packing)した後、前記サンプル注入チェック手段により判断することを特徴とする。
【0130】
本発明の薄膜化学分析装置のドライブ装置は、薄膜化学分析装置ドライブに通常の光学ディスク(CD及びDVD)または認識不能の薄膜化学分析装置のローディング時にエジェクトするか、警告メッセージをユーザに送ることを特徴とする。
もし、薄膜化学分析装置100によるサンプルの診断または分析のうち、ユーザによる薄膜化学分析装置ドライブから薄膜化学分析装置のエジェクト(un-loading)またはストップ要求時、薄膜化学分析装置ドライブはこれを無視したまま、分析及び診断し続ける。この際、警告メッセージをユーザに知らせるか、パスワードを要求する。
パスワードが正しい場合、ユーザのエジェクト(un-loading)またはストップ要求を受け入れる。
診断及び分析完了時には、ユーザのエジェックト要求を受け入れて薄膜化学分析装置ドライブから薄膜化学分析装置を取り出す。
【0131】
また、前記無線RF IC188のメモリには、何回か使用した薄膜化学分析装置であるかについての情報、有効期間情報または診断しようとする疾病の種類が保存されている。
すなわち、1回用の薄膜化学分析装置を使用中、または完了時、エジェックトした時、前記無線RF IC188のメモリにそれに対する履歴(history)を記録し、後で再ローディングした時、診断不能の薄膜化学分析装置であることをユーザに知らせる。
また、前記バーコードパターンは、薄膜化学分析装置の固有ID情報、有効期間情報または診断しようとする疾病の種類が保存されている。
前記有効期間情報により有効期間が過ぎた薄膜化学分析装置に対しても、診断不能の薄膜化学分析装置であることをユーザに知らせる。
【0132】
図36は、本発明による薄膜化学分析装置をフロントローディングまたはトップローディングしうる本発明の一実施例による薄膜化学分析装置ドライブを図示する。
前記薄膜化学分析装置ドライブに薄膜化学分析装置100がローディングされる。図面符号751は、前記薄膜化学分析装置ドライブのケースであり、750aは、前記薄膜化学分析装置100をフロントローディングするためのトレイである。また、750bは、トップローディングするためのカバー(蓋)であり、カバーを開いてターンテーブルに薄膜化学分析装置の孔隙170に合わせてはめ込めば良い。ローディング方式によって750aまたは750bのうち1つが選択される。また、本発明の薄膜化学分析装置ドライブは、選択事項として、通常の光ディスク再生のための再生及び探索ボタン745、停止ボタン746を有する。図面符号744は、薄膜化学分析装置ドライブの電源オン/オフボタンである。
【0133】
図面符号760は、薄膜化学分析装置ドライブの進行状態及びモードを表示する表示装置で発光ダイオードまたはLCD装置が使われうる。
前記表示装置760は、現在ローディングされたディスクが薄膜化学分析装置であるか、光ディスクであるかを表示するか、分析結果を表示するか、薄膜化学分析装置ドライブの主要工程による進行状態を表示する。
前記主要工程(準備工程、増幅工程、混成化工程及び抗原-抗体反応)及び段階による進行率を百分率(%)または棒グラフ(bar graph)形式で表示する。
他の方式で、前記表示装置760は、グラフィックユーザインターフェース(Graphic User Interface)及び前記主要工程(準備工程、増幅工程、混成化工程及び抗原-抗体反応)及び段階による進行率を百分率(%)または棒グラフ(bargraph)、パイグラフ(pie graph)形式で表示する。
【0134】
図面符号111は、前記の入出力装置であり、これを通じて自動または手動で該当専門医とインターネットを通じて遠隔接続され、前記診断結果及び問診表が必要時に専門医に遠隔伝送される。その後、患者は専門医の処方を待つ。図36の薄膜化学分析装置ドライブには、スピーカー、動映像カメラ及びマイクがさらに備えられる。
一般的に進行癌ではなければ、腫よう標識子の血中濃度が増加せず、普通、早期癌の場合に血中腫よう標識子は正常範囲内の値であり、癌の進行によって血中濃度が増加して陽性率も高まる。本発明では、このような点に着眼して、望ましくは、分析サイトの定量分析による判読結果を履歴管理する統計ソフトウェアを備えて定期的追跡診断についての情報をユーザに提供することを特徴とする。
また、本発明において、望ましくは、前記薄膜化学分析装置ドライブは、前記反応結果を判読分析して陰性、陽性または危険群如何または数値を計算するためのソフトウェアをさらに備えたことを特徴とする。
また、本発明において、望ましくは、前記薄膜化学分析装置ドライブは、薄膜分析装置のサイドローディングまたは垂直ローディングを許容することを特徴とする。
【0135】
図37は、図36の薄膜化学分析装置ドライブが搭載された本発明の一実施例によるランニングマシン(左側図面)及び体脂肪測定装置(右側図面)を図示する。
図37を参照すれば、ランニングマシンまたは体脂肪測定装置に前記薄膜化学分析装置ドライブを搭載することによって体脂肪だけではなく、各種生化学血液分析及び診断を行える。図面符号760は表示装置であり、761はテンキー(tenkey)を備えた身長、体重、性別及び年齢などの被測定者の情報を入力するためのキーボードである。図面符号750aは、前記薄膜化学分析装置100をフロントローディングするためのトレイである。また、750bは、トップローディングするためのカバーである。
図面符号744a及び744bは、人の体脂肪を測定するための電極または血圧及び脈拍を測定するための圧力センサーである。図面符号111は、前記入出力装置のためのインターフェース部分でUSB(Universal Serial Bus)またはIEEE 1394またはインターネット通信網の通信規格を有することを特徴とする。
【0136】
図38は、図36の薄膜化学分析装置ドライブが搭載された本発明の一実施例によるバイオロボットまたはロボットマネキンを図示する。
図面符号760は表示装置であり、112は無線入出力装置であり、113はスピーカーであり、115は動映像カメラである。バイオロボットの指には、採血のためのランセット装置114搭載されており、バイオロボットは採血された血を、前記薄膜化学分析装置の注入口121に注入した後、薄膜化学分析装置ドライブ100aに薄膜化学分析装置をローディングして生化学血液分析を始める。図面符号762はマイクであり、761はテンキーを備えたキーボードである。前記キーボードは、トレイ上に搭載されたものであって、バイオロボットの腹(belly)中に格納される。キーボードトレイ引出しボタン761aによりキーボードはトレイ上に搭載されて引出されるか、再び腹中に格納される。
図面符号111は、前記有線入出力装置のためのインターフェース部であり、前記有線及び無線入出力装置はUSB(Universal Serial Bus)またはIEEE 1394またはインターネット通信網の通信規格または無線移動電話機の通信規格を有することを特徴とする。
また、前記バイオロボットの両側アームの指または手の平には、人の体脂肪を測定するための電極または血圧及び脈拍を測定するための圧力センサーが備えていることを特徴とする。
前記体脂肪のための電極は、人の両手との接触により生体電気抵抗分析法(Bioelectrical Impedance Analysis:BIA)を利用して被測定者の人体の特定部分に含まれていた体脂肪を測定することが望ましい。
また、薄膜化学分析装置は、自動販売機と結合されて使われうる。自動販売機には、薄膜化学分析装置を購入するための疾病種類によるメニューボタンと硬貨(紙幣)投入口が準備されており、代金の支払後、排出口から出力された薄膜化学分析装置にユーザが直接検体をローディングするか、指を自動販売機上の採血孔に入れれば、自動販売機内に内蔵されたランセット装置により自動採血されて診断し始める。一方、薄膜化学分析装置にユーザが直接検体をローディングした場合、自動販売機のスロットに薄膜化学分析装置をさらに挿入すれば、自動販売機に内蔵された薄膜化学分析装置ドライブにより一定期間後、診断結果がユーザに通報される。自動販売機内には薄膜化学分析装置がトレイに積層されて積載されており、ユーザの代金支払完了信号により排出口を通じて薄膜化学分析装置が出力されうる。
【0137】
図39は、出口にマイクロポアを有するフィルターが設けられた本発明の一実施例による薄膜弁を図示する。
図39を参照すれば、薄膜弁151の出口にマイクロポアを有するフィルター67を設け、薄膜弁151のパルス弁動作により開放される度に、準備チャンバ130の検体が遠心力によりフィルターを通過してバッファチャンバ131に分離された試料が移動する一実施例を示し、本発明では、このような動作を"パルスフィルター動作"と称する。前記"パルスフィルター動作"は、特に粘度を有する検体(例えば、血液)から血清ないし血しょうを分離する時に有利である。遠心力によりべたべたした検体を、強制的にフィルターを通過させることによって、早い時間内に試料を分離しうる長所がある。前記"パルスフィルター動作"は、遠心分離過程により血清がある程度分離された後に行っても良い。
"パルスフィルター動作"による血清分離は、フィルター67を通じて直接遠心分離を進行させることで、血清分離時間を短縮しうる長所がある。
血しょうまたは血清分離のためのマイクロポアを有するメンブレンないしは多孔性フィルターを準備チャンバの出口に内蔵して遠心力により血液または検体を前記フィルターに強制的に貫通させることによって血清を分離することが望ましい。
本発明において、望ましくは、前記多孔性フィルターは、薄膜弁出口に予備重合体混合物を設け、UV light(ulita-Violet)を照射する重合体を形成するエマルジョン光-重合法(emulsion photo-polymerization)により設けられることを特徴とする、
前記予備重合体混合物は、モノマー、架橋剤、ポロゲン(porogen)、光開始剤で構成されたことを特徴とする。
前記予備重合体混合物は、超音波によりエマルジョン状態となり、このエマルジョンを薄膜弁151の出口と垂直に形成されたフィルター流路66の入口66aに注入すれば、毛細管現象によりエマルジョンがフィルター流路66を満たした後、フィルター流路66の出口66bに達する。
以後、UV光の照射によりフィルター流路66は光重合されて重合体が作られ、結果的に、薄膜弁の出口151に多孔性フィルター67を形成する。
本発明において、前記準備チャンバの試料は、遠心分離により検体から得られるか、"パルスフィルター動作"により検体から所望の試料を分離することを特徴とする。
本発明において、前記準備チャンバは、準備チャンバの出口にフィルター流路を備えたことを特徴とする。
【0138】
本発明は、図面に図示された具体例及び実施例に基づいて説明されたが、それらは例示的なものに過ぎず、当業者ならばそれらより多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によってのみ決まるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的または生化学的分析に必要な流体を保存するか、生物学的または生化学的反応を行う1つ以上のチャンバと、
前記チャンバを流体連結する流路と、
前記流路の間または内部に配されて前記流路に連結される流孔と、
前記チャンバ、流路及び流孔が集積化された回転自在な胴体と、
前記流孔を閉鎖して、前記チャンバ内の流体を密封する密封手段と、を備え、前記胴体の回転により発生する遠心力により密封手段が流孔から破裂されて前記流孔を開放するバースト弁を含む薄膜化学分析装置。
【請求項2】
前記バースト弁が配される流路で、前記バースト弁と直列連結されて、前記流路を可逆的に開閉する薄膜弁をさらに含み、前記チャンバの密封性を保証すると同時に可逆的な開閉を可能にすることを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項3】
前記胴体の回転により発生する遠心力が、前記流孔に対する前記密封手段の閉鎖強度(closing strength)を超える場合、前記流孔が開放されることを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項4】
密封手段の閉鎖強度の相異なる複数個のバースト弁を含み、
前記胴体の回転速度を制御することによって、前記複数個のバースト弁の開閉を選択的にまたは独立的に制御することを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項5】
前記バースト弁に熱を印加する熱照射手段をさらに含み、
前記バースト弁の開放は、前記遠心力と前記熱照射手段により印加される熱との協力によりなされることを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項6】
前記熱照射手段は、レーザービーム照射手段であることを特徴とする請求項5に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項7】
前記熱照射手段に結合され、開放しようとするバースト弁を選択する弁探索手段をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項8】
前記熱の印加は、前記胴体の回転時、前記熱照射手段の位置と前記バースト弁の位置とが一致する度に、熱が前記バースト弁に印加されるパルスビーム動作により行われることを特徴とする請求項5に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項9】
前記胴体は、上部基質、中間基質及び下部基質からなる回転自在な薄膜ディスクであることを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項10】
前記流体の移動は、前記胴体の回転力による遠心力または毛細管現象により行われるか、親水性コーティングされた流路を通じて行われることを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項11】
前記胴体は、シリコンウェーハ、プラスチック、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA:polymethyl methacrylate)、環状オレフィン高分子(COC:cyclic olefinco polymer)及びポリカーボネートからなる群から選択される1つ以上で形成されることを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項12】
前記胴体は、アルミニウムコーティングされるか、アルミニウムシートが表面に付着されたことを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項13】
前記密封手段は、流孔閉鎖膜であり、前記流孔閉鎖膜は、前記流孔に接着されて前記チャンバ内の流体を密封し、前記胴体の回転により発生する遠心力により生成される流体の流圧により前記流孔閉鎖膜が流孔から破裂されて前記流孔を開放することを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項14】
前記流孔閉鎖膜は、粘着剤(an adhesive)または膜(membrane)材料を含む薄膜接着テープであることを特徴とする請求項13に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項15】
前記粘着剤は、シリコン、ゴム系、変性シリコン系、アクリル系、ポリエステル及びエポキシからなる群から選択される材料で製造されることを特徴とする請求項14に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項16】
前記胴体は、上部基質、中間基質及び下部基質が積層されてなされ、
前記上部基質及び中間基質の間に積層されて、それらを結合する1次薄膜接着テープと、前記中間基質及び下部基質の間に積層されて、それらを結合する2次薄膜接着テープをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項17】
前記1次または2次薄膜接着テープの一部が前記流孔に接着されて前記流体を密封する流孔閉鎖膜を形成することを特徴とする請求項16に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項18】
前記膜は、表面が疎水性である膜またはポリマー膜であるか、ポリエチレン(Polyethylene:PE)、ポリプロピレン(Polypropylene:PP)、ポリスルホン(Polysulfone:PS)、ポリアルケン(Polyalkene)、セルロース(Cellulosics)、ポリビニル、ポリカーボネートまたはポリアミドで形成されることを特徴とする請求項14に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項19】
前記密封手段は、グリースまたはグリースのコーティングされた固体粒子であり、前記グリースまたはグリースのコーティングされた固体粒子は、前記流孔に接着されて前記チャンバ内の流体を密封し、前記胴体の回転により発生する遠心力により、前記グリースまたはグリースのコーティングされた固体粒子が流孔から破裂または離脱されて前記流孔を開放することを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項20】
前記グリースは、ゲル状のオイルであって、Si系オイル、TFEオイル、Si系グリースまたはSi系真空グリースであることを特徴とする請求項19に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項21】
前記胴体の回転により発生する遠心力により、前記グリースまたはグリースのコーティングされた固体粒子が流孔から分離される場合、前記グリースまたはグリースのコーティングされた固体粒子を受容する補助流路をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項22】
前記密封手段は、栓(stopple)であり、前記栓は、前記流孔に接着されて前記チャンバ内の流体を密封し、前記胴体の回転により発生する遠心力により前記栓が流孔から離脱されて前記流孔を開放することを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項23】
前記栓は、円錐、ボール(ball)、薄膜円柱または頭部がさらに大きな粒子状の金属粒子であることを特徴とする請求項22に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項24】
前記胴体の放射方向探索過程及び方位角方向探索過程を通じて前記胴体の特定位置を探索する探索手段をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項25】
前記胴体の特定位置に配されて前記探索手段に基準点を提供する薄膜型磁石をさらに含むことを特徴とする請求項24に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項26】
前記探索手段は、前記胴体上の弁、チャンバまたは分析サイトに対する位置探索手段であることを特徴とする請求項24に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項27】
前記探索手段に結合された弁開放手段、レーザー照射手段、チャンバ混合手段及び反応検出手段のうち1つ以上をさらに含むことを特徴とする請求項26に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項28】
前記胴体は、二以上の基質が積層されてなされ、
前記基質間に積層されてそれらを結合させる薄膜接着テープと、前記薄膜接着テープの一部が欠失されて、流路が形成される毛細管現象が発生可能な薄膜チャンネルと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項29】
バイオピックアップ光学モジュール(Bio Pickup Optical Module:BOPM)と、
前記バイオピックアップ光学モジュールを搭載して前記胴体上の特定位置を探索するスライダーと、
前記スライダーの移動を制御するためのスライダーモータをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項30】
前記バイオピックアップ光学モジュールは、レーザービーム発生装置、薄膜弁開閉手段または反応結果を探知する探知装置を含むことを特徴とする請求項29に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項31】
前記スライダーは、前記胴体の放射方向探索過程、方位角方向探索過程または上下動過程を通じて前記胴体の特定位置を探索することを特徴とする請求項29に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項32】
前記胴体を高速回転させるスピンドルモータと、前記胴体を一定角ほど回転させるステップモータと、前記胴体に前記ステップモータとスピンドルモータとの連結を制御するギア連結手段と、をさらに含むことを特徴とする請求項29に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項33】
前記1つ以上のチャンバは、液体貯蔵チャンバ及び試薬チャンバを含み、
前記液体貯蔵チャンバは、液相の試薬を含み、前記試薬チャンバは空いており、前記バースト弁の開放時、前記液体貯蔵チャンバ内に保存された液相の試薬が前記試薬チャンバに供給されるか、
前記液体貯蔵チャンバ及び前記試薬チャンバは、各々希釈溶液及び固体試薬粒子を含み、前記バースト弁の開放時、前記液体貯蔵チャンバ内に保存された希釈溶液が前記試薬チャンバに供給され、前記試薬チャンバ内に保存されていた固体試薬粒子が前記希釈溶液により溶解されて液相の試薬に変換されることを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項34】
前記1つ以上のチャンバは、液体貯蔵チャンバ、試薬チャンバ及び工程チャンバを含み、
前記チャンバを連結する流孔を可逆的に開閉する薄膜弁をさらに含み、
前記液体貯蔵チャンバから前記試薬チャンバへの流体移動は、前記バースト弁の開放によりなされ、前記試薬チャンバから前記工程チャンバへの流体移動または前記工程チャンバ間の流体移動は、前記薄膜弁の開放によりなされることを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項35】
前記薄膜弁の開閉を制御する薄膜弁開閉手段と、前記薄膜弁開閉手段に結合され、開放しようとする薄膜弁を選択する弁探索手段と、をさらに含み、
前記薄膜弁の開放は、前記弁探索手段により選択された薄膜弁を前記薄膜弁開閉手段が開放することによって行われることを特徴とする請求項2または34に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項36】
前記薄膜弁は、
前記流孔の上側に設けられた永久磁石と、
前記流孔の下側に設けられた電磁石または移動可能な永久磁石と、
前記磁石により形成される磁力により前記流孔を選択的に開閉する超小型ビーズまたは薄膜円柱磁石を含むことを特徴とする請求項2または34に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項37】
前記薄膜弁は、前記流孔の上側に設けられた永久磁石の磁力により流通保管中に流孔が常に閉状態であることを特徴とする請求項2または34に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項38】
前記1つ以上のチャンバに保存される磁性体小型ビーズと、前記胴体下部で迅速に動くスライダーと、前記スライダーに装着されて前記磁性体小型ビーズに引力または斥力を印加して前記磁性体小型ビーズを運動させる永久磁石をさらに含み、
前記スライダーの迅速な動きによってチャンバ内の磁性体小型ビーズが磁石の引力により共に動き、それによりチャンバ内の液体の混合が誘導されることを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項39】
前記1つ以上のチャンバに保存される磁性体小型ビーズと、前記胴体下部で迅速に動くスライダーと、前記スライダーに装着されて前記磁性体小型ビーズに引力または斥力を印加して前記磁性体小型ビーズを運動させる永久磁石をさらに含み、
前記永久磁石を前記チャンバの該当半径に停止させて前記胴体を回転させるか、正逆転を反復することによって、チャンバ内の磁性体小型ビーズが永久磁石と対面する度に磁石の引力により共に動き、それによりチャンバ内の液体の混合が誘導されることを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項40】
前記1つ以上のチャンバに保存される磁性体小型ビーズと、前記胴体下部で迅速に動くスライダーと、前記スライダーに装着されて前記磁性体小型ビーズに引力または斥力を印加して前記磁性体小型ビーズを運動させる電磁石をさらに含み、
前記電磁石のオン/オフ制御または磁場方向変化によってチャンバ内の磁性体小型ビーズが搖動し、それによりチャンバ内の液体の混合が誘導されることを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項41】
前記1つ以上のチャンバ間の流体移動は、前記胴体の回転により発生する遠心力による流体移動、親水性流路表面による親水性流体移動と、前記薄膜弁の反復的な開閉によるポンピング流体移動と、または流路の毛細管現象による流体移動によりなされることを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項42】
前記薄膜弁の開閉を制御する薄膜弁開閉手段と、前記薄膜弁開閉手段に結合され、開放しようとする薄膜弁を選択する弁探索手段と、をさらに含み、
前記1つ以上のチャンバ間の流体移動は、前記弁探索手段が前記薄膜弁を反復的に選択して発生するポンピング力により行われることを特徴とする請求項2に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項43】
前記ポンピング力は、前記胴体の回転時に前記薄膜弁開閉手段の位置と前記薄膜弁の位置とが一致する度に、前記薄膜弁が開放されるパルス弁動作により発生することを特徴とする請求項42に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項44】
前記胴体の回転時、チャンバからの遠心力による流体漏れを防止する液体弁をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項45】
前記液体弁は、前記胴体の回転中心を基準にしてUまたはV状を有する流路であることを特徴とする請求項44に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項46】
前記液体弁の表面は、親水性処理されており、前記胴体の回転時、前記液体弁により1つのチャンバ内に抑留されていた流体が、停止時、親水性流体移動により他のチャンバに移動することを特徴とする請求項44に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項47】
前記1つ以上のチャンバは、他のチャンバに過量の流体が注入される場合、それを保存して、前記他のチャンバに定量の流体を保存させる過剰チャンバ(excess chamber)を含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項48】
前記過剰チャンバ及び他のチャンバ間に連結されて過量の流体を胴体回転中に移送する定量流路を含むことを特徴とする請求項47に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項49】
前記1つ以上のチャンバは、前記胴体の回転中心を基準に逆V状の楔状を有し、前記チャンバ内の流圧が集中する楔端部に前記バースト弁が配されることを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項50】
前記楔状のチャンバは、検体から試料を準備するための準備チャンバ(preparation chamber)として使われ、前記楔端部に設けられたバースト弁は遠心分離中に開放されない閉鎖強度を有することを特徴とする請求項49に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項51】
前記流路内に試料の分離のためのフィルターをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項52】
前記フィルターは、マイクロポアを備えるメンブレンまたは多孔性フィルターであることを特徴とする請求項51に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項53】
前記試料の分離は、前記胴体の回転時、前記薄膜弁開閉手段の位置と前記薄膜弁の位置とが一致する度に、前記薄膜弁が開放され、その度に、前記薄膜弁から放出された試料が遠心力により前記フィルターを通過するパルスフィルター動作により発生することを特徴とする請求項51に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項54】
前記フィルターは、フィルターを形成しようとする流路の出口にそれと直交するフィルター流路により形成されることを特徴とする請求項51に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項55】
前記フィルター流路は、エマルジョン光重合法によりフィルターに変換されうるエマルジョンを、毛細管現象により含有することを特徴とする請求項54に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項56】
前記チャンバの反応温度を制御するために、温度測定手段、加熱手段及び冷却手段を備える温度制御手段をさらに含むことを特徴とする請求項54に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項57】
前記1つ以上のチャンバは、
検体から試料を準備するための準備チャンバと、
前記試料を増幅するための増幅チャンバと、
前記準備チャンバから得られた試料を一時保存するか、前記試料を希釈させるための希釈溶液または前記試料内の標的物質に結合するための標識子(label)を保存しているバッファチャンバと、
前記試料と生物学的または生化学的反応を行うためのプローブが固定化されている分析サイトと、
分析に必要な酵素またはバッファ溶液を保存する液体貯蔵チャンバと、
前記液体貯蔵チャンバから酵素またはバッファ溶液を一時保存し、他のチャンバに供給する試料チャンバと、
脱水工程または洗浄工程により生成された残渣を集めるためのトラッシュチャンバと、
他のチャンバの洗浄工程に必要な洗浄溶液を保存するための洗浄チャンバと、
他のチャンバに定量の試料を供給するための定量チャンバのうち1つ以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項58】
前記標識子は、液相または固相の粒子であることを特徴とする請求項57に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項59】
前記標識子は、夜光標識子であることを特徴とする請求項58に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項60】
前記固体粒子は、液相の標識子から錠剤(tablet)、ボール、グレインまたはパウダーの形態に変換された固体粒子であるか、液相の標識子から多孔性パッド上に冷凍乾燥された形態(frozen dried form)に変換された粒子であることを特徴とする請求項58に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項61】
前記準備チャンバで前記試料の準備は、前記胴体の高速回転を用いた遠心分離により行われることを特徴とする請求項57に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項62】
前記バッファチャンバ内の希釈溶液は、バッファチャンバの試薬注入口を通じて供給されるか、希釈溶液を保存している液体貯蔵チャンバからバースト弁開放動作により供給されることを特徴とする請求項57に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項63】
前記分析サイトは、反応分析用試薬を保存することを特徴とする請求項57に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項64】
前記分析サイトは、ニトロセルロースメンブレン、ナイロンメンブレンまたは多孔性メンブレン及びその上に固定された捕獲プローブを含むことを特徴とする請求項57に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項65】
前記反応分析用試薬は、固体粒子であることを特徴とする請求項63に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項66】
前記バースト弁開放時、前記液体貯蔵チャンバに保存されていた希釈溶液が前記固体粒子を液相の試薬または標識子に変換させることを特徴とする請求項58または65に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項67】
前記固体粒子は、複数の相異なる固体粒子を含み、前記複数の相異なる固体粒子は複数の生化学反応分析のために複数の分析サイトに各々保存され、一種の希釈溶液により液相の試薬に変換されることを特徴とする請求項66に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項68】
前記希釈溶液を保存するための液体貯蔵チャンバの体積は、前記複数個のそれぞれの分析サイトごとに決まっている固体粒子の希釈比率に当る体積を有することを特徴とする請求項67に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項69】
前記液体貯蔵チャンバは、
中間基質と上部基質とで構成され、前記中間基質は、液体の貯蔵空間を提供するチャンバ及びそのチャンバに液体を注入するための上側開口部で構成されると同時に、チャンバ外郭の高さが中央の高さより低く、前記開口部を通じてチャンバへの液体投入時、毛細管現象により前記チャンバの外郭に液体が偏在をなすように設計され、前記上部基質は、チャンバに液体投入完了後に中間基質と結合されて、前記液体貯蔵チャンバの上部を密封することを特徴とする請求項57に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項70】
前記定量チャンバは、同心円流路と分析サイトとの間に設けられ、前記同心円流路を通じた試料の親水性流体移動により定量チャンバと同心円流路とが試料により満たされ、
前記1つ以上のチャンバは、胴体の回転中に定量チャンバに試料を残したまま、同心円流路を満たした試料のみを遠心力により取り出すためのオーバーフローチャンバを前記同心円流路の末端部にさらに含むことを特徴とする請求項57に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項71】
前記定量チャンバの試料は、前記定量チャンバと分析サイトとの間に設けられた同心円上の薄膜弁が前記胴体の回転中にパルス弁の動作により同時に開放されて、それぞれの分析サイトに移動することを特徴とする請求項57に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項72】
前記定量チャンバは、親水性コーティングされたセクター流路で構成され、試料が親水性流体移動する間に試料により満たされることを特徴とする請求項57に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項73】
前記セクター流路は、前記胴体の回転中心に基づいて逆VまたはU状を有しているので、前記胴体の回転中に試料が各セクターチャンネルに孤立されて、隣接した分析サイトに移動しないことを特徴とする請求項72に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項74】
前記分析サイトは、
多孔性メンブレン、前記多孔性メンブレンの表面上にコーティングされたインターデジティテッド電極、及び前記インターデジティテッド電極間の空間に固定された捕獲プローブと、
多孔性メンブレン、及び前記多孔性メンブレン上に固定された捕獲プローブと、
基質上に形成されるマイクロポア、及び前記マイクロポアに固定された捕獲プローブと、または、固定しようとする捕獲プローブ、及び前記捕獲プローブを所望の時点に基質に固定させる固定手段を含むことを特徴とする請求項57に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項75】
前記分析サイトは、多孔性メンブレン及びその上に固定されたプローブを含み、
前記分析サイトに試料が注入された後に注入されて前記試料の拡散を支援する仮想試料を保存する仮想試料貯蔵チャンバをさらに含むことを特徴とする請求項57に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項76】
前記仮想試料は、前記試料に比べて拡散速度が遅いか、高粘度であることを特徴とする請求項75に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項77】
前記仮想試料は、グリセロールの添加された洗浄溶液であることを特徴とする請求項76に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項78】
前記分析サイトは、多孔性メンブレンを含み、かつ前記多孔性メンブレン上に固定された多種の腫よう標識子(tumor marker)または疾病標識子をラインまたはスポット状のテストラインとして含み、
前記固定された標識子は、全体的にストリップ状を有することを特徴とする請求項57に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項79】
前記標識子の位置に対応するマーカー位置ライン、または前記ストリップの外郭を定義するフレームラインをさらに含むことを特徴とする請求項78に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項80】
前記分析サイトに対応する上部基質は不透明処理されることによって、前記上部基質に光が照射される場合、散乱及びノイズが減少することを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項81】
前記多孔性メンブレンは、コンジュゲートパッド及びサンプルパッドのうち1つ以上を含むことを特徴とする請求項78に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項82】
前記腫よう標識子または疾病標識子は、AFP、PSA、CEA、CA19-9、CA125、CA15-3またはアルツハイマー疾患の特異マーカー、または心筋梗塞標識因子であることを特徴とする請求項78に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項83】
前記多孔性メンブレン上に固定された基準ラインとコントロールラインのための捕獲プローブをさらに含むことを特徴とする請求項78に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項84】
前記基準ラインの反応濃度を基準値(cutoff value)とすることを特徴とする請求項83に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項85】
前記基準ラインの基準値は、3ng/ml、4ng/ml、10ng/ml、20ng/ml、30ng/ml、40ng/mlまたは50ng/mlであることを特徴とする請求項84に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項86】
前記基準ラインとテストラインとの間の反応強度の差により定性または定量分析することを特徴とする請求項83に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項87】
前記ストリップのバックグラウンドとテストラインとの間の反応強度の差により定性または定量分析することを特徴とする請求項83に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項88】
前記複数個の基準ラインにより形成された反応強度に対する線形関数によりテストラインの反応強度を決定して、定性または定量分析することを特徴とする請求項83に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項89】
前記基準ラインとコントロールラインにより形成された反応強度に対する線形関数によりテストラインの反応強度を決定して、定性または定量分析することを特徴とする請求項83に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項90】
前記胴体は、温度測定機能、加熱機能または分析サイト判読機能を有する集積化された無線RF ICを含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項91】
前記レーザービーム照射手段によるレーザービーム照射はパルスビーム動作またはスキャニングビーム動作によりなされることを特徴とする請求項6に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項92】
前記液体弁は、洗浄チャンバと分析サイトとの間、またはバッファチャンバと分析サイトとの間に設けられることを特徴とする請求項57に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項93】
前記胴体は、一側面にCDまたはDVDのフォーマットによるデータ層を含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項94】
前記データ層は、薄膜化学分析装置のバージョン、製造日時、プロトコル、分析アルゴリズム、判読のための標準制御値、分析サイトに対する位置情報、生物情報学情報、自己診断関連情報、個人暗号化情報、ID情報、検査結果情報または履歴情報を含むことを特徴とする請求項93に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項95】
前記準備チャンバからバッファチャンバへの試料移動は、バースト弁の開放または薄膜弁のパルス弁動作によりなされることを特徴とする請求項57に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項96】
前記準備チャンバは、遠心分離された検体から試料のみを別途に分離するための補助準備チャンバ及び準備孔をさらに備えることを特徴とする請求項50に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項97】
前記1つ以上のチャンバ内の反応を検出するための検出手段をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項98】
前記検出手段は、光源装置及び光検出器を含む分光光度計であることを特徴とする請求項97に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項99】
前記検出手段と結合して前記1つ以上のチャンバを選択するチャンバ探索手段をさらに含むことを特徴とする請求項97に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項100】
前記検出手段はイメージセンサー装置であり、
前記イメージセンサー装置の照明のためのLEDをさらに含むことを特徴とする請求項97に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項101】
前記LEDは多様な波長の光を発光する多色LEDであり、
前記イメージセンサー装置は、前記多様な波長の光に対してカラー強度を測定し、前記波長及びカラー強度間の2次元的プロファイルから反応を分析することを特徴とする請求項100に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項102】
バイオロボット、ランニングマシン、マッサージ機、ビデ、自動販売機または体脂肪測定装置に結合されることを特徴とする請求項1に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項103】
前記バイオロボットの指状部分は採血した血液を前記胴体のサンプル注入口にローディングするランセット装置を備えることを特徴とする請求項102に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項104】
残留農薬検査に必要な流体を保存するか、残留農薬検査を行う1つ以上のチャンバと、
前記チャンバを流体連結する流路と、
試料との反応を行う分析サイトと、
前記流路の間または内部に配されて前記流路に連結される流孔と、
前記チャンバ、流路、分析サイト及び流孔が集積化された回転自在な胴体と、
前記流孔を閉鎖して前記チャンバ内の流体を密封する密封手段を備え、前記胴体の回転により発生する遠心力により密封手段が流孔から破裂されて前記流孔を開放するバースト弁と、
前記流孔を可逆的に開閉する薄膜弁と、を含み、
前記分析サイトは検体から得られた試料に対する反応強度を測定するサンプルメンブレンと、ブランクテストとして反応強度の零点を取るためのコントロールメンブレンを含む残留農薬検査用の薄膜化学分析装置。
【請求項105】
前記1つ以上のチャンバは、
残留農薬を検査しようとする検体から試料を準備するための準備チャンバと、
バースト弁の開放時、前記準備チャンバに移送されて前記検体から試料を抽出する試料抽出液を保存する試料抽出液貯蔵チャンバと、
前記準備チャンバから得られた試料を一時保存するか、前記試料を希釈させるための希釈溶液または前記試料内の標的物質に結合するための標識子を保存しているバッファチャンバと、
分析に必要な酵素またはバッファ溶液を保存する液体貯蔵チャンバと、
洗浄工程により生成された残渣を集めるためのトラッシュチャンバと、
前記液体貯蔵チャンバから酵素またはバッファ溶液を一時保存して他のチャンバに供給する試料チャンバと、
前記コントロールメンブレンにコントロール液体を供給するためのコントロール液体貯蔵チャンバと、
他のチャンバに定量の試料を供給するための定量チャンバのうち1つ以上を含むことを特徴とする請求項104に記載の残留農薬検査用の薄膜化学分析装置。
【請求項106】
前記液体貯蔵チャンバは希釈溶液を含み、前記試薬チャンバまたはバッファチャンバは固体試薬粒子を含み、前記バースト弁の開放時、前記液体貯蔵チャンバ内に保存された希釈溶液が前記試薬チャンバまたはバッファチャンバに供給され、前記試薬チャンバまたはバッファチャンバ内に保存されていた固体試薬粒子が、前記希釈溶液により溶解されて液相の試薬に変換されることを特徴とする請求項105に記載の残留農薬検査用の薄膜化学分析装置。
【請求項107】
前記流体の移動は、前記胴体の回転時、前記薄膜弁の位置が薄膜弁開閉手段の位置と一致する度に、前記薄膜弁が開放されるパルス弁動作、親水性流体移動、毛細管流体移動またはポンピング流体移動によりなされることを特徴とする請求項104に記載の残留農薬検査用の薄膜化学分析装置。
【請求項108】
前記胴体の回転時、チャンバからの遠心力による流体漏れを防止する液体弁をさらに含むことを特徴とする請求項104に記載の残留農薬検査用の薄膜化学分析装置。
【請求項109】
前記液体弁は、前記胴体の回転中心を基準にしてUまたはV状を有する流路であることを特徴とする請求項108に記載の残留農薬検査用の薄膜化学分析装置。
【請求項110】
前記液体弁の表面は、親水性処理されており、前記胴体の回転時、前記液体弁により1つのチャンバ内に抑留されていた流体が、停止時に親水性流体移動により他のチャンバに移動することを特徴とする請求項108に記載の残留農薬検査用の薄膜化学分析装置。
【請求項111】
前記胴体は、残留農薬検査または残留抗生物質検査に関する情報を保存する集積化された無線RF ICを含むことを特徴とする請求項1または104に記載の残留農薬検査用の薄膜化学分析装置。
【請求項112】
前記情報は、前記無線RF ICに内蔵されたメモリに保存されることを特徴とする請求項111に記載の残留農薬検査用の薄膜化学分析装置。
【請求項113】
前記情報は、検査日時、検査結果、有効期間、対象の生産地域、製品ID、生産履歴、流通履歴、生産農家の連絡先、価格または有機農如何に関する情報であることを特徴とする請求項111に記載の残留農薬検査用の薄膜化学分析装置。
【請求項114】
前記分析サイトに対する検査結果がコンピュータモニター上に表示されるか、自動または手動で該当官庁あるいは食品業者のサーバーにインターネットを通じて遠隔接続され、サーバーに検査結果及び履歴が貯蔵管理されるか、該当官庁から検査結果による認証を遠隔で伝送されて、前記胴体上のRF ICに記録することを特徴とする請求項104に記載の残留農薬検査用の薄膜化学分析装置。
【請求項115】
前記残留農薬は、有機リン系またはカーバメート系殺虫剤であることを特徴とする請求項104に記載の残留農薬検査用の薄膜化学分析装置。
【請求項116】
前記サンプルメンブレンは、前記カーバメート系殺虫剤を検出するためのアセチルコリンエステラーゼ(AChE)を含むことを特徴とする請求項115に記載の残留農薬検査用の薄膜化学分析装置。
【請求項117】
1つ以上のチャンバと、前記チャンバを流体連結する流路と、前記流路の間または内部に配されて前記流路に連結される流孔と、前記チャンバ、流路及び流孔が集積化された回転自在な胴体と、前記流孔を閉鎖して前記チャンバ内の流体を密封する密封手段を備えるバースト弁と、流路を可逆的に開閉する薄膜弁と、を含む薄膜化学分析装置を用いた分析方法において、
前記胴体の回転により発生する遠心力により流孔から密封手段を破裂して前記バースト弁を開放する段階を含む分析方法。
【請求項118】
バースト弁を開放して液体貯蔵チャンバに保存された流体を他のチャンバに移送する段階と、
前記バースト弁が配される流路で前記バースト弁と直列に連結される薄膜弁を制御して前記流路を可逆的に開閉する段階と、をさらに含むことを特徴とする請求項117に記載の分析方法。
【請求項119】
前記バースト弁を開放するために前記密封手段の閉鎖強度に対応する遠心力が発生するように前記胴体の回転速度を制御する段階をさらに含むことを特徴とする請求項117に記載の分析方法。
【請求項120】
前記バースト弁を開放するために前記バースト弁に印加される熱を制御する段階をさらに含むことを特徴とする請求項117に記載の分析方法。
【請求項121】
前記胴体の回転により発生する遠心力、親水性流路表面、薄膜弁の反復的な開閉によるポンピング力、または流路の毛細管現象により前記流体を移動させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項117に記載の分析方法。
【請求項122】
前記密封手段は、流孔閉鎖膜、グリース、グリースのコーティングされた粒子または栓であることを特徴とする請求項117に記載の分析方法。
【請求項123】
前記バースト弁を開放して液体貯蔵チャンバ内に保存された希釈溶液を試薬チャンバに供給する段階と、
前記試薬チャンバ内に保存されていた固体試薬粒子を前記希釈溶液により溶解させて液相の試薬に変換する段階と、をさらに含むことを特徴とする請求項117に記載の分析方法。
【請求項124】
前記バースト弁または薄膜弁を選択的に開閉するために、開閉しようとする弁を探索する段階をさらに含むことを特徴とする請求項117に記載の分析方法。
【請求項125】
前記チャンバ内に含まれた磁性体小型ビーズを磁力により運動させて前記チャンバ内の液体を混合する段階をさらに含むことを特徴とする請求項117に記載の分析方法。
【請求項126】
前記胴体の回転中心を基準にしてUまたはV状を有する液体弁を利用して、前記胴体の回転時に開放されたチャンバからの遠心力による流体漏れを防止する段階をさらに含むことを特徴とする請求項117に記載の分析方法。
【請求項127】
前記流路内に備えられたフィルターを利用して試料を分離する段階をさらに含むことを特徴とする請求項117に記載の分析方法。
【請求項128】
前記チャンバの反応温度を制御する段階をさらに含むことを特徴とする請求項117に記載の分析方法。
【請求項129】
特定チャンバを探索して選択する段階と、前記分析サイトの反応結果を検出する段階と、をさらに含むことを特徴とする請求項117に記載の分析方法。
【請求項130】
前記検出段階は、分光光度計により行われ、
前記分光光度計による分析サイトの分析は、ステップモータまたはステップモータに連結されたギアによる胴体の回転角制御または方位角方向弁探索を用いたチャンバの探索段階後に行われるか、ブランク溶液チャンバにより分析サイトを空間アドレッシングして、胴体回転間チャンバ内の試料の光吸収率を連続計測することによって行われることを特徴とする請求項129に記載の分析方法。
【請求項131】
前記分光光度計の光源または光源装置は、白色光LED、RGBレーザー、または複数個のLD(レーザ ダイオード)が集積化されたLDモジュールであることを特徴とする請求項130に記載の分析方法。
【請求項132】
前記分光光度計による分析サイトの判読は、胴体内の上部基質または分析サイト内に反射層が集積化された薄膜化学分析装置の分析サイトに前記分光光度計の光源装置により得られた特定波長の光を通過させる段階、及び前記反射層により反射された光を光検出器が検出することによって、前記分析サイト内の試料による光吸収率を測定する段階を含むことを特徴とする請求項130に記載の分析方法。
【請求項133】
前記分光光度計による分析サイトの判読は、前記胴体内に集積化された光検出器が試料による光吸収率を測定することによって、判読結果を得る段階、及び前記胴体内に集積化された無線RF ICが前記判読結果を受信して外部に無線送出する段階を含むことを特徴とする請求項130に記載の分析方法。
【請求項134】
前記胴体を高速回転させて遠心力により検体から試料を分離する段階をさらに含むことを特徴とする請求項117に記載の分析方法。
【請求項135】
前記胴体を高速回転させて遠心力により検体から試料を分離する段階と、
前記分離された試料をバッファチャンバに移動させて前記バッファチャンバ内の希釈溶液または標識子と混合する段階と、
前記薄膜弁を開放して前記バッファチャンバ内の試料を同心円流路、定量流路またはセクター流路を通じて親水性流体移動させる段階と、
前記バースト弁の開放または前記薄膜弁のパルス弁動作による薄膜弁の開放により定量チャンバまたはセクター流路内の試料をそれぞれの分析サイト内に流入させて分析サイト内の試薬と生化学反応を行う段階と、をさらに含むことを特徴とする請求項117に記載の分析方法。
【請求項136】
前記胴体を回転させて前記定量チャンバ内にのみ試料を残し、同心円流路を満たしていた試料を遠心力によりオーバーフローチャンバに全部移動させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項135に記載の分析方法。
【請求項137】
前記バースト弁の開放により希釈溶液貯蔵チャンバに保存された希釈溶液を分析サイトに移送する段階と、移送された希釈溶液により分析サイト内の固体粒子を溶解させる段階と、をさらに含むことを特徴とする請求項135に記載の分析方法。
【請求項138】
前記混合段階以前に前記希釈バッファチャンバのバースト弁開放により前記バッファチャンバに希釈溶液または標識子を供給する段階をさらに含むことを特徴とする請求項135に記載の分析方法。
【請求項139】
前記バッファチャンバと同心円流路、または前記バッファチャンバとセクター流路の間を連結する流路は、胴体の回転時に漏液を防止するための液体弁を含み、胴体の回転時、前記液体弁によりバッファチャンバ内に抑留されていた試料が停止時に親水性流体移動により前記同心円流路またはセクター流路に移動する段階をさらに含むことを特徴とする請求項135に記載の薄膜化学分析装置。
【請求項140】
洗浄溶液を添加して前記分析サイトを洗浄する段階と、前記胴体を高速回転させて脱水により前記分析サイトを乾燥する段階と、をさらに含むことを特徴とする請求項135に記載の分析方法。
【請求項141】
前記分析サイトの反応結果を定性または定量分析する段階と、前記分析による診断結果をコンピュータモニター上に表示する段階と、前記分析による診断結果または問診表をインターネットを通じて接続されている医師に遠隔伝送する段階と、前記医師から処方を受ける段階のうち、1つ以上をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の分析方法。
【請求項142】
薄膜弁のパルス弁動作により遠心分離された試料をバッファチャンバに移送させるか、パルスフィルター動作によりバッファチャンバに試料を移動させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項117に記載の分析方法。
【請求項143】
前記薄膜化学分析装置用のドライブに一般的な光学ディスクまたは認識不能の薄膜化学分析装置のローディング時、エジェクト(eject)または警告メッセージがユーザに通知される段階をさらに含むことを特徴とする請求項117に記載の分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公表番号】特表2009−545742(P2009−545742A)
【公表日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−522720(P2009−522720)
【出願日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際出願番号】PCT/KR2007/003728
【国際公開番号】WO2008/016271
【国際公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(508189326)
【Fターム(参考)】